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JP2004160927A - プリフォーム基材、プリフォーム、繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法 - Google Patents

プリフォーム基材、プリフォーム、繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法 Download PDF

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JP2004160927A JP2002331941A JP2002331941A JP2004160927A JP 2004160927 A JP2004160927 A JP 2004160927A JP 2002331941 A JP2002331941 A JP 2002331941A JP 2002331941 A JP2002331941 A JP 2002331941A JP 2004160927 A JP2004160927 A JP 2004160927A
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Abstract

【課題】大型の厚い繊維強化プラスチック成形体が安価で、生産性よく製造でき、かつ信頼性に優れ、また成形したときに引張強度、引張弾性率、圧縮強度、圧縮弾性率や衝撃破壊靭性などの機械的特性に優れるプリフォーム基材、プリフォーム、繊維強化プラスチックの成形方法および繊維強化プラスチック成形体を提供する。
【解決手段】強化繊維糸条が長さ方向に互いに並行に配列し、少なくとも片面に粒子が接着してなる一方向織物基材からなり、前記一方向織物基材が多数枚交差積層され、一体化手段により一体化されているプリフォーム基材、それを切れ目なく積層したプリフォーム、それらを用いた繊維強化プラスチックの真空バッグ成形方法。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチックに好適なプリフォーム基材ならびにプリフォームおよび繊維強化プラスチクス成形体およびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機の燃費向上やペイロードの増加のため機体の軽量化が求められ、スポイラー、エルロン、翼胴フェアリングや昇降舵などの2次構造体のみならず、最近、尾翼の水平安定板や垂直安定板ならびに床支持桁の1次構造体にも繊維強化プラスチック、とりわけ炭素繊維強化プラスチックが実用化されるにいたっている。さらに近年は、主翼のスキンやストリンガーなどの1次大型構造体も機体の軽量化や低コスト化を求めて、従来のジュラルミンから炭素繊維強化プラスチックに置き換える試みがなされている。
【0003】
航空機の1次構造材としては、炭素繊維強化プラスチックの引張強度、引張弾性率、圧縮強度、圧縮弾性率や衝撃破壊靭性などの機械的特性が求められると同時に、低コスト化を達成するためには、低コスト化が達成可能な成形方法と、この成形法に適応する強化繊維材料が必要となる。
【0004】
低コスト成形法として、従来のプリプレグの積層体をバギングし、積層体を真空下に保持しながらオートクレーブにて加熱・加圧するオートクレーブ成形法に対して、最近真空バッグ成形法が注目されている。この方法はマトリックス樹脂を付着させない強化繊維材料を積層し、この積層体の上に樹脂拡散媒体を置き、これらをフイルムでバギングし、内部を真空に保ちながら、樹脂を拡散媒体を通して積層体の全面に流し、積層体の厚さ方向に流す方法であり、大きな面積を有する成形体の成形方法としては適しているかに見える。
【0005】
ところが、単に織物などの強化繊維材料を積層したのでは、繊維強化プラスチックに成形したときに、層間の破壊靭性を確保することができない。つまり、連続炭素繊維からなる繊維強化プラスチックは、繊維軸方向の機械的特性には優れるが、繊維軸から離れるに従い、機械的特性は急激に低下する。この対策として、たとえば、機械的特性が疑似等方性基材となるようの繊維軸方向がFRP(繊維強化プラスチック)成形体の長さ(0゜)方向、幅(90゜)方向や斜め(±45゜)方向となるよう積層され、成形されている。ところが、このような成形板に面直角方向の衝撃が加わると、たとえば0°層と45°層の面方向の機械的性質が極端に異なるので、0°層と45°層の変形が異なり、層間に大きなクラックが発生することがあり、成形板の圧縮強度が大幅に低下してしまうのである。航空機の1次構造体には大きな信頼性が要求され、現在ジュラルミン製の構造材は定期的な肉眼観察により、損傷状態やクラック発生状態が検査されている。しかし、残念ながら、とくに炭素繊維強化プラスチックは黒くて不透明なので、離着陸の際舞い上がる石や組み立てや修理の際での工具の落下や組み立ての運搬時の衝突などによるクラックの発生状態を肉眼観察できないため、損傷状態を検出出来ない。
【0006】
また、真空含浸成形法は大きな面積を有する航空機の主翼スキン材の成形法としては適しているが、20mm〜30mmとスキン材は厚いので、織物などの積層枚数が80〜200枚と大きくなり、積層体の拡散媒体の反対面にまで樹脂が流れなく、樹脂含浸不良という欠点が発生する。
【0007】
また、樹脂含浸性を向上させるため、織物材を強化繊維糸条がたて方向とよこ方向の2方向に配列した二方向織物とし、目空き部から樹脂を含浸させることが出来るようにすれば、真空含浸成形法で厚い繊維強化プラスチックでも樹脂を含浸させることが可能になる。ところがこのような織物は、太いよこ糸によってたて方向に延びる強化繊維糸条が大きくクリンプ(屈曲)し、これを成形するとクリンプ部に応力が集中し、引張強度や圧縮強度が低下し、1次構造材としての所定の強度が発現せず、設計強度が低くなる。したがって、構造材は肉厚に設計する必要があり、軽量化を達成できないという問題があった。
【0008】
また、主翼スキン材のような大型の構造材は、たとえば幅が5〜7m、長さが20m〜30mと大型のため、たとえば機械的特性が良好な一方向織物を積層するにしても主翼の長さ方向に、幅が100cm程度の織物を0°方向、+α°(通常は+45°方向)、−α°(通常は−45°方向)ならびに90°方向と多方向に多数の織物を積層することが必要となり、折角、真空バッグ成形法という省力化に優れた成形法にもかかわらず、強化繊維材料を積層するのに多くの工数を必要とし、また長い織物などの強化繊維材料を積層するので、繊維材料、つまり強化繊維糸条が曲がり、真っ直ぐに積層することは困難であった。
【0009】
一方、多軸布帛として、特許文献1には、強化繊維糸条を拡げ、この状態を結合剤などで形態固定したテープを多方向に層状に積層し、ステッチ糸で一体化した多軸布帛が開示されているが、このような布帛は樹脂含浸用の間隙を有しないので、真空バッグ成形法で厚い繊維強化プラスチックを成形しても十分な含浸性を確保することは出来ないという問題があった。
【0010】
また、並行配列した強化繊維糸条をシート状に多方向に積層し、これをステッチ糸で縫合一体化した多軸布帛も知られているが、強化繊維糸条をシート状に並行配列する場合、ピンに引っ掛けられた各糸条はステッチ糸で位置固定されるまではフリーで、全ての糸条の正確に配列に配列させることは困難で、糸条間にギャップが出来るという問題があった。さらに、この状態は、多軸布帛の幅が広くなるとフリーな状態にある糸長さも大きくなるのでさらに顕著となり、繊維強化プラスチックにしたとき機械的な性質が低下するので、信頼性に欠けるという問題があった。
【0011】
【特許文献1】
特表2001−516406号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、大型の厚い繊維強化プラスチック成形体が安価で、生産性よく製造でき、かつ信頼性に優れ、また成形したときに引張強度、引張弾性率、圧縮強度、圧縮弾性率や衝撃破壊靭性などの機械的特性に優れるプリフォーム基材、プリフォーム、繊維強化プラスチックの成形方法および繊維強化プラスチック成形体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明に係るプリフォーム基材は、強化繊維糸条が長さ方向に互いに並行に配列し、少なくとも片面に粒子が接着してなる一方向織物基材からなり、前記一方向織物基材が多数枚交差積層され、一体化手段により一体化されていることを特徴とするものからなる。
【0014】
このプリフォーム基材においては、一方向織物基材の隣り合う前記強化繊維糸条の間隙が織物の全幅において、0.1mmを超え1.0mm未満のほぼ均一な間隙であることが好ましい。
【0015】
また、前記一方向織物は、応力が集中するような屈曲を有しない強化繊維糸条を一方向に互いに並行かつシート状に引き揃えてなる糸条群のシート面の両側に強化繊維糸条と交差するよこ方向補助糸群が位置し、それらよこ方向補助糸群と、強化繊維糸条と並行するたて方向補助糸群とが織組織をなして糸条群を一体に保持してなる一方向ノンクリンプ織物であることが好ましい。
【0016】
また、前記一体化手段としては、ステッチであることが好ましい。
【0017】
また、前記交差積層角度がプリフォーム基材の長さ方向に対して少なくとも0゜層を含んでいるが好ましい。
【0018】
また、前記交差積層角度がプリフォーム基材の長さ方向に対して少なくとも+α゜層、−α゜層の2方向を含んでいるが好ましい。
【0019】
また、プリフォーム基材の長さ方向に対して積層数が一様ではなく、途中から増加または減少している構成を採ることも可能である。
【0020】
前記強化繊維糸条としては、炭素繊維を用いることが好ましいが、これに限定されない。炭素繊維を用いる場合には、炭素繊維のフイラメント数が12,000本を超え25,000本未満であり、炭素繊維の引張弾性率が280GPaを超え500GPa未満であり、かつ破壊歪みエネルギーが53MJ/m以上の炭素繊維であることが好ましい。
【0021】
好ましい態様として、前記一方向織物基材はたて糸が炭素繊維糸条であり、よこ方向補助糸の繊度が6デシテックスを超え70デシテックス未満であり、よこ方向補助糸の密度が0.3本/cmを超え6.0本/cm未満であり、かつ炭素繊維の目付が100g/mを超え350g/m未満である構成を挙げることができる。中でも、よこ方向補助糸の繊度が15デシテックスを超え50デシテックス未満であり、よこ方向補助糸の密度が1.0本/cmを超え4.0本/cm未満であり、かつ炭素繊維の目付が180g/mを超え210g/m未満であることが好ましい。
【0022】
前記粒子としては、繊維強化プラスチックの層間靭性付与機能を有し、融点またはガラス転移温度が50℃を超え150℃未満であるものが好ましい。
【0023】
また、粒子の付着量としては、前記一方向織物基材を構成する強化繊維の重量に対して2%を超え20%未満であることが好ましい。
【0024】
本発明は、上記のようなプリフォーム基材が複数枚数積層され、各プリフォーム基材が積層体の全面にわたって切れ目なく積層されていることを特徴とする積層体も提供する。
【0025】
また、本発明に係るプリフォームは、上記のようなプリフォーム基材が複数枚数積層され、織物基材および/またはプリフォーム基材同士が接着されていることを特徴とするものからなる。
【0026】
このプリフォームにおいては、前記プリフォーム基材が、プリフォームの全面にわたって切れ目なく積層されていることが好ましい。
【0027】
また、プリフォームにおける強化繊維体積率Vpfが45%を超え60%未満であることが好ましい。
【0028】
また、前記プリフォームを構成している一方向織物基材の隣り合う前記強化繊維糸条の間隙が0.1mmを超え1.0mm未満であることが好ましい。
【0029】
本発明に係る繊維強化プラスチックの成形方法は、前述のプリフォーム基材を所定枚数成形型に積層し、または前述のプリフォーム基材の積層体を成形型に配置し、その上に樹脂を面方向に拡散する媒体を置いたのち、全体をバッグフイルムで覆い、つぎにバッグフイルムで覆われた内部を減圧状態にし、積層されたプリフォーム基材の片面に液状の熱硬化性樹脂を拡散させ、プリフォーム基材に樹脂を含浸させて硬化させることを特徴とする方法からなる。
【0030】
また、本発明に係る繊維強化プラスチックの成形方法は、前述のプリフォームを型に積層し、その上に樹脂を面方向に拡散する媒体を置いたのち、全体をバッグフイルムで覆い、つぎにバッグフイルムで覆われた内部を減圧状態にし、積層されたプリフォームの片面に液状の熱硬化性樹脂を拡散させ、プリフォームに樹脂を含浸させて硬化させることを特徴とする方法からなる。
【0031】
このような本発明に係る繊維強化プラスチックの成形方法においては、前記熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であり、樹脂ならびに型およびプリフォーム基材またはプリフォームを加熱し、樹脂粘度を下げて樹脂含浸性を向上させることが好ましい。
【0032】
本発明に係る繊維強化プラスチック成形体は、上記のような成形法によって得られるものからなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係るプリフォーム基材を構成する一方向織物基材1の概略斜視図である。図1において、一方向織物基材1は、たて方向に強化繊維糸条2が配列し、このたて糸に対して横方向補助糸としての細いよこ糸3が一本交互に交錯し、隣り合う強化繊維糸条間には隙間Aが形成された状態で平組織し、この一方向織物の表面には粒子4が付着し、また隣り合う強化繊維糸条間には隙間Aが形成されている。
【0034】
図2は、一方向織物基材1の別の態様を示す概略斜視図である。図2において、一方向織物基材1は、応力が集中するような屈曲を有しない強化繊維糸条2を一方向に互いに並行にシート状に配列し、このシート面の両側に強化繊維糸条と交差する、細いよこ糸3が位置し、これらよこ糸3と、強化繊維糸条と並行するたて方向補助糸5とが織組織をなして強化繊維糸条を一体に保持してなる、いわゆる一方向ノンクリンプ織物のであり、この一方向ノンクリンプ織物の表面には粒子4が付着し、また隣り合う強化繊維糸条間には隙間Aが形成されている。
【0035】
図1および図2で一方向織物基材を形成する一方向織物として、たて糸の強化繊維糸条とよこ糸が平組織およびノンクリンプ組織で一体化されたケースについて説明したが、綾組織や朱子組織であってもよい。
【0036】
本発明において使用する強化繊維糸条はマルチフイラメント糸条であり、特にその種類に制限はないが、例えば、ガラス繊維、有機(ポリアラミド、PBO、PVA、PE等)繊維または炭素繊維等が挙げられる。とくに炭素繊維は、比強度および比弾性率に優れ、耐吸水性に優れるので、航空機構造材や自動車の強化繊維糸条として好ましく用いられる。
【0037】
中でも、高靭性炭素繊維であると、成形される繊維強化プラスチックの衝撃吸収エネルギーが大きくなるので、航空機の1次構造材として適用が可能となる。すなわち、JIS−R−7601に準拠して測定される引張弾性率(E)が280GPaを超え500GPa未満であり、かつ破壊歪みエネルギー(σ/2E、σ:JIS−R−7601に準拠して測定される引張強度)が53MJ/m以上であると好ましい。
【0038】
強化繊維糸条として炭素繊維を用いる場合、フイラメント数が12,000本を超え25,000本未満であり、糸条繊度は800テックスを超え1,800テックス未満であることが好ましい。かかる範囲であると、一方向織物の形態が安定し、また隣り合う糸条との間に適度な間隙を形成しやすく、比較的安価に高性能の炭素繊維を入手できる利点がある。
【0039】
また、本発明における強化繊維糸条は、成形した複合材料の高い強化繊維体積率や力学特性の発現率の面から、実質的に無撚のものであることが好ましい。
【0040】
本発明で使用するよこ糸は、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、ナイロン11繊維、ナイロン12繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリエーテルスルフォン繊維、ポリケトン繊維、ポリエーテルケトン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維やガラス繊維から選ばれる少なくとも1種を主成分とするよこ糸であるのが好ましい。なかでもナイロン66は樹脂との接着がよく、また延伸により細繊度の糸が得られるので好ましい。
【0041】
また、本発明における一方向織物基材のよこ糸としては、マルチフィラメント糸であることが好ましい。マルチフィラメント糸であると、フィラメント単糸の繊度(直径)を小さくすることが可能となる。これを実質的に撚りのない状態で使用すると、織物中でのよこ糸は、フィラメントの単糸が厚み方向にそれぞれ重ならずに、平行に並んでいる形態となり、よこ糸の厚さが薄くなり、強化繊維糸条とよこ糸の交錯または交差によるクリンプが小さくなり、繊維強化プラスチックにおいて強化繊維糸条の真直性を高め、高い機械的特性となる。
【0042】
同様な観点で、よこ糸の太さもできるだけ細い方がよく、よこ糸の繊度は6デシテックスを超え70デシテックス未満が好ましい。より好ましくは15デシテックスを超え50デシテックス未満である。もともと、本発明において、よこ糸の果たす大きな役割は、隣り合う強化繊維糸条の間に間隙を形成させることと織物基材の形態保持にある。よこ糸が太いと、繊維強化プラスチックにおいて強化繊維糸条がクリンプして、糸条の真直性を低下させるので好ましくない。
【0043】
また、よこ糸の密度は0.3本/cmを超え6.0本/cm未満が好ましく、より好ましくは2.0本/cmを超え4.0本/cm未満がである。よこ糸の密度が小さいと製織途中や粉末散布工程で、織物がロールやガイドバーなどに接触し、よこ糸の配列乱れが発生するし、また真空バッグ成形の際、樹脂の流路となる隣り合う強化繊維糸条の間隙が小さくなり、樹脂の含浸性が悪くなるので好ましくない。また、よこ糸の密度が大きくなると、たて糸の強化繊維糸条のクリンプが大きくなり、またよこ糸の繊維量が多くなり、吸湿などによって繊維強化プラスチックの耐熱性を低下させるので好ましくない。
【0044】
なお、本発明に用いるよこ糸は樹脂との接着を良くするため、繊維を紡糸する際に付着させた工程油剤を精練処理などで除去し、また延伸して製造され糸を使用する場合は、あらかじめ、熱処理により200℃での乾熱収縮率を4%以下にしておくことが好ましい。
【0045】
また、図2のノンクリンプ織物におけるたて補助糸は、たて補助糸とよこ糸の交錯によって、たて方向に配列している強化繊維糸条の拡がりを阻止し、隣り合う強化繊維糸条の間隔を確保し、真空バッグ成形の際の樹脂流路を確保することにある。また、よこ糸と強化繊維糸条との交錯によるクリンプをなくするため、よこ糸を強化繊維糸条の両側に交差させ、たて補助糸とよこ糸を交錯させることによって、強化繊維糸条を真っ直ぐに配列させようとするものである。
【0046】
補助糸としては粒子付着や成形時の加熱によって収縮しないガラス繊維糸が好ましい。また、補助糸は実質的に繊維強化プラスチックに対する補強効果はないので、さほど太くする必要はなく、繊度は100デシテックスを超え470デシテックス未満が好ましい。なお、樹脂流路を確保するため補助糸にカバーリングを行い、カバーリング糸の撚りによって樹脂流路を確保することができる。カバーリングに使用する糸は、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、ナイロン11繊維、ナイロン12繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリエーテルスルフォン繊維、ポリケトン繊維、ポリエーテルケトン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、なかでもナイロン66は樹脂との接着がよく、繊度は15デシテックスを超え50デシテックス未満程度である。
【0047】
プリフォーム基材における織物基材の隣り合う強化繊維糸条間の間隙Aは、プリフォーム基材やプリフォームでの樹脂の流路確保にとって大切であり、織物基材の全巾において、隣り合う強化繊維糸条の平均間隔が0.1〜1mmの範囲であるのが好ましい。より好ましくは0.2〜0.8mm、更に好ましくは0.3〜0.5mmの範囲である。かかる範囲であると、上記の層内流路形成効果が十分に発現する。それ以下では、十分に発現しない場合がある。逆に広すぎると、成形した際、大きな樹脂リッチ部分を形成することになり、強化繊維体積率の低下、機械的特性(特に疲労強度)の低下、サーマルクラックの発生等につながる場合がある。なお、強化繊維糸条の間隔の測定においては、ノンクリンプ織物のように強化繊維糸条の間に補助糸が存在しても、補助糸は細いので、さほど樹脂の流れに影響しないので、無視されて測定される。
【0048】
なお、上記における織物基材の隣り合う強化繊維糸条間の間隙Aは、0.01mmの精度で測定可能な測定顕微鏡を用いて100ヶ所の隙間を測定し、その平均値を間隙値とした。なお、測定顕微鏡で測定不能な場合には、実体顕微鏡で測定することもできる。
【0049】
本発明で使用する織物基材の炭素繊維の目付の好ましい範囲は180g/mを超え350g/m未満であり、より好ましくは180g/mを超え210g/m未満である。
【0050】
炭素繊維の目付があまり小さいと、所定の厚さを有する成形体を得る場合、必要となる織物量が多くなり、織物製造費用、粒子接着費用がかさみ、また積層枚数が増えるので低コスト化に繋がらない。また、目付が大きくなると、糸条間の間隙が小さくなり、また、成形体の肉厚を変化させるため、途中から織物基材の積層数を減らすと、厚さ変化が大きくなり、強化繊維糸条の切断部に応力集中が働くことがあるので好ましくない。
【0051】
本発明で使用する織物基材には織物に粒子が接着しているが、粒子量は強化繊維重量に対して2%を超え20%未満が好ましい。粒子が、上記範囲で接着していることにより、織物における強化繊維糸条とよこ糸、ならびにノンクリンプ織物における補助糸と接着し、織物の目ズレが防止され、形態が安定する。更に、織物基材を積層してプリフォーム基材やプリフォームを得る際の織物同士の接着性がもたらされる。
【0052】
また、上記範囲の粒子は、織物基材を積層して得られる繊維強化プラスチックにおいて、クラックストッパーの役目を果たす。とくに、繊維強化プラスチックが衝撃を受けた時に、織物の層間の損傷の抑制、つまりクラックの進展の抑止の役目を果たし、衝撃付与後での圧縮強度の低下が小さくなるのである。
【0053】
粒子量が2%以下になると層間に十分なクラックストッパー効果が得られない。また、粒子量が20%を越えると、繊維強化プラスチックにした場合の強化繊維体積率が小さくなり過ぎ、機械的特性が低くなるだけでなく、粒子を接着させる際の加熱、加圧やプリフォームの高繊維密度化処理の加熱、加圧の際に、粒子が変形し糸条の隙間を埋めて、マトリックス樹脂の流路を潰し、含浸を妨げる場合があるため好ましくない。
【0054】
かかる粒子は、織物基材の表面に接着し、織物基材の片面に接着していてもよいし、両面に接着していてもよい。より低コストに織物基材を製造する場合は、前者が好ましい。
【0055】
かかる粒子が、平均直径(楕円形の場合は平均短径)は、小さければ小さいほど均一に織物の表面に分散させることが可能となるため、1mm以下が好ましく、250μm以下がより好ましくは、50μm以下が更に好ましい。
【0056】
織物基材に接着している粒子の織物の面に垂直方向の凹凸が大き過ぎると、それに接して位置する強化繊維糸条が屈曲する可能性があるので、織物基材表面における粒子の平均厚みは、5〜250μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、10〜100μm、更に好ましくは、15〜60μmの範囲である。
【0057】
本発明で用いる粒子は、織物への粒子の接着やプリフォームの高繊維密度処理のため、加熱処理するが、その作業性の面から、50〜150℃の範囲の融点またはガラス転移温度を有しているものが好ましい。より好ましくは70〜140℃、更に好ましくは90〜120℃の範囲である。
【0058】
ここでいう融点およびガラス転移点は、それぞれ示差走査熱量計(DSC)から計測される結晶の溶解温度およびガラス状態への転移温度を指す。
【0059】
粒子の成分は、織物基材の取扱性を向上させ、それを用いて得られる繊維強化プラスチックの機械的性質を向上させるものであれば、特に限定されない。粒子としては、各種の熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂を使用できる。
【0060】
熱可塑性樹脂を粒子の主成分として用いる場合には、例えば、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、フェノキシから選ばれる少なくとも1種のであるのが好ましく、その中でもポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルフォンがとりわけ好ましい。
【0061】
熱可塑性樹脂は、粒子の主成分となり、その配合量が、70〜100重量%であることが好ましい。より好ましくは75〜97重量%であ、更に好ましくは80〜95重量%である。配合量が70重量%未満であると、耐衝撃性にに優れた繊維強化プラスチックを得難い場合がある。また、熱可塑性樹脂を主成分とした場合、粒子の織物への接着性や接着加工性が劣る場合がある。この場合には、粒子に少量の粘着付与剤、可塑剤等を配合するとよい。
【0062】
図3は、本発明に係るプリフォーム基材6の好ましい一態様を示す概略部分破断斜視図である。図における下面側から順次、粒子4が接着した一方向織物基材1がプリフォーム基材の長さ方向イの+α°方向に、織物基材1が90°方向に、織物基材1が−α°方向に、織物基材1が0°方向に、織物基材1が−α°方向に、織物基材1が90°方向に、織物基材1が+α°方向に、各層間には粒子が存在するように、7層交差積層されて、一体化手段としてステッチ糸7で、これら7層がプリフォーム基材の全面にわたって縫合一体化されている。なお、一体化手段はステッチに限定するものではなく、織物基材に接着させた粒子を加熱しスポット状に点接着させて一体化させてもよいが、このようなプリフォーム基材は、曲面に沿わせた場合、各層間が滑らないため凹側の強化繊維糸条が局部的に屈曲する。
【0063】
ステッチ糸で縫合一体化すると各層間は滑りが発生する自由度があるので、曲面に沿わせても強化繊維糸条が局部的に屈曲するようなことはないので好ましい。縫合一体化にあたってのステッチ糸が形成する縫い組織としては、単環縫い、1/1のトリコット編みが挙げられる。ステッチ糸のプリフォーム基材の長さ方向に対する縫合のピッチは1mmを超え6mm未満が好ましく、プリフォーム基材のハンドリング性や賦形性などを考慮して適宜選択することが出来る。またステッチ糸のプリフォーム基材の幅方向に対する縫合の間隔は2mmを超え40mm未満が好ましい。なお、本発明に使用する織物基材には、粒子が接着して、強化繊維糸条とよこ糸が接着して強化繊維糸条の移動が拘束され、いわば目どめされた状態となっているので、90°方向に積層した織物基材に幅方向に線状に配列したステッチのニードルが狭い間隔で90°方向の強化繊維糸条に狭い間隔で突き刺さると、ニードルが突き刺さった箇所の強化繊維糸条の強化繊維を破断させることがあるので、このようなときには縫合の間隔は10mmを超え40mm未満と大きくし、ニードルが貫通する際、強化繊維糸条の位置が若干逃げるようにすることが好ましい。なお、縫合の間隔は40mmを超えるとステッチによるプリフォーム基材の拘束が甘く、形態が不安定となるので、運搬の際に層がずれるので好ましくない。
【0064】
また、ニードルの貫通により90°方向の強化繊維糸条が損傷を受ける場合は、90°方向の強化繊維糸条に対して1ないし2本程度のニードルが突き刺さるように、ニードルの配列を幅方向に斜め方向に配列すればよい。
【0065】
本発明において用いるステッチ糸はマルチフイラメント糸が好ましく、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、ナイロン11繊維、ナイロン12繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などであるが、なかでもナイロン66は樹脂との接着がよく、また延伸により細繊度の糸が得られるので好ましい。ステッチ糸の繊度はステッチ加工時の糸切れに耐え、また縫合一体化できればよく、出来るだけ小さければよい。好ましくは14デシテックスを超え120デシテックス未満である。より好ましくは14デシテックスを超え85デシテックス未満である。あまり太いと、ステッチ部が凸状態となり表面平滑な繊維強化プラスチックス得られないばかりか、ステッチ糸の吸水性が大きくまた耐熱性に劣るので、構造材としての特性が低下するので好ましくない。なお、本発明に用いるステッチ糸は樹脂との接着を良くするため、繊維を紡糸する際に接着させた工程油剤を精練処理などで除去しておくことが好ましい。
【0066】
図3では一方向織物基材が+α°層、90°層、−α°層、0°層、−α°層、90°層、+α°層の7層に積層したプリフォーム基材について説明したが、必ずしもこの積層角度や積層枚数に限定するものではない。たとえば、0°層/+α°層/0°層/−α°層/90°層/−α°層/0°層/+α°層/0°層のように9層で0°層を多く含むものであってもよい。
【0067】
また、前記のプリフォーム基材は全て7層または9層の一様な積層数について説明したが、プリフォーム基材の長さ方向に対して、途中から積層数が増えたりまたは減少してもよい。つまり構造材の厚みは常に一定ではなく、たとえば航空機の主翼スキン材などは胴体から離れるに従いスキン材の厚さを長さ方向に順次薄くなっている。したがって、あらかじめ主翼プリフォームの長さに相当するプリフォーム基材を準備するにあたり、構造設計に基づき−α°層、90°層、+α°層や0°層を途中から1層ずつ減らし、急激な厚さ変化のないプリフォーム基材とすることが出来る。とくにプリフォーム基材は多層となっているので、主翼の肉厚変化に対応するため、一様な積層数のプリフォーム基材を途中からプリフォーム基材の積層枚数を減らしてたプリフォームにすると、1枚当たりのプリフォーム基材の厚さが厚いので、急激な厚さ変化となり、この急激な厚さ変化部分で応力集中が発生して強度低下をもたらすので好ましくない。
【0068】
ここで、バイアス角α°は、プリフォーム基材を繊維強化プラスチック構造体の長さ方向に積層し、強化繊維によるせん断補強を効果的に行う観点から実質的に45°が好ましい。また積層角の順序は特に限定されないが、各層の機械的特性の異方性に伴う積層板の厚さ方向への衝撃による繊維強化プラスチックの層間にクラックを出来るだけ小さくし、繊維強化プラスチック板の圧縮強度の低下を小さくするという観点で、隣接する各層の強化繊維の交角が45°であることが好ましい。
【0069】
本発明においては、プリフォームとは、プリフォーム基材が多数枚数積層され、織物基材ならびにプリフォーム同士が接着しているものとし、プリフォーム基材を接着せず積層したのものを積層体と呼称する。
【0070】
なお、プリフォーム基材の積層体ならびにプリフォーム中に強化繊維糸条の切断部を入れないため、プリフォーム基材がプリフォームの全面に切れ目なく積層されていることが好ましい。たとえば航空機の主翼のスキン材のように幅が5m〜8mと広い構造体を成形する場合、幅の狭いプリフォーム基材の0°方向が主翼の長さ方向となるよう、幅方向をプリフォーム基材の端をオーバラップして積層することになるが、オーバラップ部の重量が増えて目的とする軽量化が達成出来ないばかりか、±45°方向や90°方向の強化繊維糸条が途中で切れ、強化繊維糸条の切断部に応力集中が働き、強度低下を招くので好ましくない。また、プリフォーム基材の積層体ならびにプリフォームはプリフォーム基材の端をオーバラップしなく、基材の端をつき合わすように積層することも可能であるが、やはり±45°方向や90°方向の強化繊維糸条が途中で切れ、強化繊維糸条の切断部に応力集中が働き、強度低下を招くので好ましくない。
【0071】
したがって、主翼のように幅の広い構造体の場合は、プリフォーム基材のオーバラップや強化繊維糸条の切断部の挿入を防ぐため、主翼幅に相当する幅の広いプリフォーム基材を、切れ目なく積層することが好ましい。
【0072】
次に、このようなプリフォーム基材を作製するに当たっての1例を説明する。
たとえば、+α°層/90°層/−α°層/0°層/−α°層/90°層/+α°層の7層に積層したプリフォーム基材を作製する場合、長さ方向に強化繊維糸条が配列し、ロールに巻かれた長尺の織物基材ロールを7本準備する。
【0073】
次に、両側にピンが線状に植え込まれたベルトを有し、このベルトがステッチ部、巻き取り部へと移動しているプリフォーム基材製造機の長さ方向に対して+α°の方向から織物基材の端を固定しながら引き出し、ロール設置側と反対側のピンに引掛け織物基材の両端を裁断する。さらに、織物基材の端を固定しながら、既に引き出され、ピンに引っ掛けた織物基材との間に隙間が出来ないように、またオーバラップしないように引き出し、ロール設置側と反対側のピンに引掛け織物基材の両端を裁断し、これを繰り返しながら+α°層を形成する。つぎに、90°方向から織物基材を引き出し、既に形成されている+α°層の上に90°層を形成し、同様に+α°層/90°層の上に−α°層を形成する。0°層はピンに引っ掛けることなくピント並行に供給し、ステッチ部に到達して、位置が固定されるまで−α°層の上に仮どめして0°層を形成する。+α°層/90°層/−α°層/0°層の上に、さらに−α°層、90°層、+α°層が順次形成された7層の積層体にステッチ部でニードルを貫通させ、ステッチ糸で縫合一体化することによって、本発明のプリフォーム基材が作製される。なお、プリフォーム基材の長さ方向に対して積層数が一様ではなく、途中から増加または減少させたプリフォーム基材は、構造設計に基づき、途中から−α°層、90°層、+α°層や0°層の供給を増やしたり、減らしたりして作製することが可能となる。
【0074】
本発明で使用する織物基材には、粒子が接着して、あらかじめ強化繊維糸条とよこ糸が接着して強化繊維糸条の移動が拘束され、いわば目どめされた状態となっているので、プリフォーム基材を作製するときに糸条配列が乱れるということはない。また、薄い織物であっても粒子の接着により織物基材の形態が安定し、幅の広いプリフォーム基材を作製する場合でも織物基材に皺が入るようなことはなく、品質の安定したプリフォーム基材を作製することが可能となる。
【0075】
なお、成形にあたって、織物基材の積層体は、強化繊維糸条に接着しているサイジング、強化繊維同士の絡み合い等で嵩高であるので、このような積層体に真空バッグ成形法で樹脂を注入しても、加圧力が小さく、十分に積層体を押さえることが出来ないので樹脂成分が多い、つまり強化繊維の体積含有率が小さな繊維強化プラスチックとなることがある。このようなときには、たとえば本発明のプリフォーム基材が所定の枚数積層されたプリフォームを、粒子の融点またはガラス転移温度以上に加熱・加圧して繊維密度を上げ、プリフォームにおける強化繊維体積率Vpfが45%を超え60%未満にしておくことが好ましい。45%以下であると真空含浸での樹脂の含浸性はよいが、繊維体積含有率の小さな繊維強化プラスチックとなり、機械的特性も低くなり、構造体の軽量化を達成することが困難となる。一方、60%以上になると糸条間や繊維間の隙間が小さくなって、樹脂が流れ難くなり好ましくない。
【0076】
ここで強化繊維体積率Vpfとは下記の方法によって算出した値を示す。
Vpf=W1/(ρ×T1)×100(%)
W1:プリフォーム1cm当たりの強化繊維の重量(g/cm
ρ:強化繊維の密度(g/cm
T1:JIS7602に準拠し、0.1MPaの荷重下で測定したプリフォームの厚さ(cm)
【0077】
なお、上記のように高繊維密度化処理を行ったプリフォームを成形して得られる繊維強化プラスチック成形体の繊維体積含有率が52〜62%となり、主翼スキン材のような航空機構造材にも繊維強化プラスチックの性能が十分発揮できる。
【0078】
また、樹脂の含浸性からプリフォーム基材において、一方向織物基材の強化繊維糸条の間隙が確保されていることは大切であるが、たとえば、プリフォーム基材を多数枚積層し接着させた、樹脂含浸を行う前のプリフォームにおいても、嵩高を小さくするためのプリフォームの高繊維密度化処理によって糸条間の状態が変化し、隙間小さくなることは好ましくなく、隙間が十分に確保されていることが大切である。プリフォームの織物基材の全幅において、織物基材の糸条間の隙間が0.1mmを超え1mm未満のほぼ均一な間隙であることが好ましい。より好ましくは0.2mmを超え0.8mm未満、さらに好ましくは0.3mmを超え0.5mm未満の範囲である。かかる範囲であるとプリフォームの厚さ方向に対して樹脂が流れ、プリフォームへの樹脂の含浸が行われる。間隙がこれより小さいと、全体に樹脂が到達しない前に樹脂の粘度が上がったり、樹脂の硬化が始まり樹脂の未含浸部分が発生し、欠陥となり成形体が不合格となる。とくに、主翼などのように大型プラスチック構造体が不合格となると経済的な損害も莫大なものとなる。また、間隙がこの範囲を超えると樹脂の含浸は良好であるが、高繊維密度化処理や成形の際、この隙間に隣接する層の強化繊維糸条が食い込みまたは落ち込み、織物基材、プリフォーム基材の状態では強化繊維糸条が真っ直ぐ配列していたにもかかわらず、成形体では隙間への糸条の食い込みまたは落ち込みによりクリンプし(曲がり)、機械的特性が低下してしまう。また、この隙間部にマトリックス樹脂が入るから、成形体では樹脂過多部となり、疲労などで樹脂過多部にクラックが入り好ましくない。糸条間の隙間が、この範囲であれば、この隙間を通過して次の層へと樹脂が流れ、樹脂の含浸性も良好であり、また優れた機械的特性を有する成形体が得られるのである。また、隙間は織物基材の全幅において、ほぼ均一であることが好ましい。隙間が不均一で、大きな隙間がまばらに存在すると、この隙間からの樹脂が他の隙間に先行して流れるので、プリフォームの内部に未含浸部が形成されることがあるので好ましくない。
【0079】
本発明のプリフォーム基材、プリフォーム基材の積層体ならびにプリフォームから、従来から知られている方法で繊維強化プラスチックを成形することができるが、なかでもレジントランスファー成形法や真空バッグ成形法は大型の成形品を安価に製造することができるので、好ましく用いられる。
【0080】
以下、本発明のプリフォームを用いて真空バッグ成形により成形する本発明の繊維強化プラスチックの製造法の一実施例を説明する。
【0081】
図4は本発明の繊維強化プラスチックの成形法を説明する一実施例の断面図である。図4において、成形型8の上にプリフォーム9を置き、その上に樹脂が硬化した後に引き剥がして除去するシート、いわゆるピールプライ10を積層し、その上に樹脂をプリフォームの全面に拡散させるための媒体11を置く。プリフォームの周囲には、織物などの多孔性の材料を多数枚積層して真空ポンプの空気の吸引口12を取り付けたエッジ・ブリーザ13を張り巡らし、全体をバッグフイルム14で覆い、空気が漏れないようにバッグフイルムの周囲をシール材15で型に接着する。バッグフイルムの上部に樹脂タンクから注入される樹脂の吐出口17を取り付け、該取り付け部から空気が漏れないようにシール材15で接着する。樹脂タンクには、硬化剤を所定量入れた常温でシロップ状の熱硬化性樹脂を入れておく。ついで、真空ポンプでバッグフイルムで覆われたプリフォームを、真空圧力が93310〜101325Pa程度の減圧状態にした後、バルブ16を解放して樹脂を注入する。バッグフイルムで覆われた中が減圧状態であり、プリフォームの厚さ方向より媒体の面方向の樹脂流通抵抗が小さいから、まず樹脂は媒体の全面に拡がったのち、ついでプリフォームの厚さ方向の含浸が進行する。この方法であると樹脂の流れなければならない距離は、プリフォームの厚さでよいから、樹脂含浸が非常に早く完了する。樹脂含浸完了後、バルブ16を閉口し室温に放置して樹脂を硬化させる。樹脂の硬化後、ピールプライを剥いで、媒体やバッグフイルムを除去し、型から脱型することによって繊維強化プラスチック成形品が得られる。
【0082】
本発明において使用する媒体11の一例を図5に示した。媒体はバッグ内の減圧力をプリフォームに伝え、かつ注入される媒体の隙間を通すことにより、媒体側のプリフォーム上面に樹脂を行き渡らせるものである。すなわち、バッグフイルムとピールプライ間に位置する媒体に樹脂が注入されると、図5において、注入された樹脂はバッグフイルムに接するX群のバー18の間隙をバー18の方向に流れると同時に、Y群の矩形断面のバー19の間隙をバー19の方向に流れるから、全方向に樹脂が拡散することになる。また、バー17にかかる力をバー18に伝えることができるから減圧力をプリフォームに伝えることができるのである。媒体の具体的なものとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルや金属からなどからなるメッシュ状のシートが用いられる。たとえば、メッシュ状樹脂フイルム、織物、網状物や編物などであり、必要に応じてこれらを数枚重ねて使用することができる。
【0083】
なお、上記において繊維材がプリフォームについて説明したが、本発明で言うプリフォーム基材やプリフォーム基材を多数枚重ねたプリフォーム基材の積層体であってもよい。
【0084】
上記に記載した成形法は、大きくは真空バッグ成形法の範疇にはいるが、樹脂注入と同時に樹脂をプリフォーム基材の積層体またはプリフォームの全面に拡散させる点で、従来の真空バッグ成形法とは異なり、とくに大型の繊維強化プラスチック成形品の成形に用いると好適である。
【0085】
本発明の成形方法に用いるピールプライは、樹脂が硬化した後に繊維強化プラスチックから引き剥がして除去するシートであるが、樹脂を通過させることができることが必要であり、ナイロン繊維織物、ポリエステル繊維織物、ガラス繊維織物などが用いられる。なお、ナイロン繊維織物やポリエステル繊維織物は安価であるため好ましく用いられるが、これらの織物を製造する際に用いられている油剤やサイジング剤が繊維強化プラスチックの樹脂に混入するのを防ぐため、精練を行い、また硬化の際の加熱による収縮を防ぐため、熱セットされた織物を使用することが好ましい。
【0086】
本発明で用いるエッジ・ブリーザは空気樹脂を通過させることができることが必要であり、ナイロン繊維織物、ポリエステル繊維織物、ガラス繊維織物およびナイロン繊維またはポリエステル繊維からなるマットを使用することができる。
【0087】
また、本発明で用いるバッグフイルムは、気密性であることが必要であり、ナイロンフイルム、ポリエステルフイルムやPVCフイルムなどを用いることができる。
【0088】
なお、本発明における成形法では、通常、常温で液状の熱硬化性樹脂、たとえばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂や不飽和ポリエステル樹脂を使用するが、樹脂含浸が容易でかつ高性能で耐熱性の高い繊維強化プラスチックとするために、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。エポキシ樹脂の樹脂粘度が小さいと、一般的に耐熱性が悪くなるので、やや常温で樹脂粘度が高い場合でも、注入の際の型温度、プリフォームおよび樹脂の粘度は好ましくは70〜100℃とし、注入樹脂の粘度を下げて、樹脂粘度を200mPa・s以下とするのが好ましい。続いて、樹脂注入後130℃程度で一次硬化させ、エポキシ樹脂の重合を進めて、少なくともゲル状態とし、その後180℃程度の高温で二次硬化させることが好ましい。この方法により、樹脂含浸が良好で、耐熱性に優れ、かつ靭性、強度、弾性率といった機械的性質に優れる繊維強化プラスチックを成形することができる。
【0089】
本発明によって得られる繊維強化プラスチック成形体の適用範囲はとくに限定されないが、航空機の主翼(スキン、ストリンガー)、床支持材、胴体、水平尾翼や垂直尾翼などの航空機の1次構造部材として好適に用いられる。
【0090】
【実施例】
実施例1
強化繊維糸条としてフイラメント数が24,000本、糸条の繊度が1,030テックス、引張強度が5.8GPa、引張弾性率が290GPa、サイジング付着量が0.5重量%、撚数が実質的に零回の炭素繊維糸条をたて糸とし、たて補助糸として22.5デシテックスのカップリング剤を付着させたガラス繊維糸に精練加工を施した17デシテックスのナイロン66フイラメント糸を撚数250回/mでカバーリング(被覆)したカバーリング糸、よこ糸として精練加工を施した撚数が実質的に零回の17デシテックスのナイロン66フイラメント糸を用い、炭素繊維糸条、補助糸のたて糸密度が各々1.84本/cmで、よこ糸密度が3本/cmの、炭素繊維目付が190g/mの一方向ノンクリンプ織物を作製した。この織物の上面に平均径が120ミクロンの粒子を27g/mを均一に散布し、200℃の加熱によって織物表面に接着させ織物基材を作製した。
【0091】
この織物基材を−45°方向、90°方向、+45°方向および0°方向に順次積層し、ステッチ糸として精練加工を施した78デシテックスのナイロン66フイラメント糸を用い、0°方向にステッチ間隔が10mm、ピッチを3mmになるように織物基材が4層のプリフォーム基材を作製した。測定の結果、プリフォーム基材を構成する織物基材の隣り合う炭素繊維糸条の間隙は0.4mmであった。
【0092】
実施例2
プリフォーム基材を0°方向および90°方向に各々50cmとなるように裁断し、これをプリフォーム基材のコーナーを合わせながら33枚積層した。この積層体をフイルムで真空バギングし、80℃の雰囲気下で1時間、高繊維密度化処理を行い、炭素繊維体積率Vpfが49%のプリフォームが得られた。プリフォームでの隣り合う炭素繊維糸条の間隙は0.35mmと高繊維密度化処理によってやや狭くなっていた。
【0093】
実施例3
つぎに、エポキシ樹脂ならびにプリフォームをセットした成形型を80℃に加熱し、エポキシ樹脂を1時間注入し、その後130℃で2時間、樹脂を一次硬化させ、引き続き180℃で2時間、二次硬化させて、真空バッグ成形を行った。
【0094】
得られた繊維強化プラスチックの成形板の厚さは25mmで炭素繊維の体積含有率が55%であり、また樹脂はプリフォームの全体に含浸しており、顕微鏡の断面観察でもボイドは観察されず、構造材として十分使用可能な状態であった。
【0095】
比較例1
実施例1と同じ炭素繊維糸条を使用して、1.84本/cmの密度で並行配列させたシートに支持体に付着させて、炭素繊維目付が190g/mの一方向シートを作製した。なお支持体は、ガラス繊維22.5デシテックスガラス繊維糸に粘着剤が付着した、たて方向およびよこ方向の間隔が10mmのメッシュ状物である。
【0096】
つぎに、このシートを用いて実施例と同じ条件で比較プリフォーム基材を作製した。比較プリフォーム基材を構成する一方向シートの隣り合う炭素繊維糸条の間隙は全くなく、0mmであった。
【0097】
比較例2
実施例2と同じ方法にて高繊維密度化処理を行ったプリフォームを作製した。プリフォームにおける隣り合う炭素繊維糸条の間隙は全くなく、0mmであった。
【0098】
比較例3
つぎに、実施例3と同じ方法にてバッグ成形した。バッグフイルム、ピールプライおよび樹脂拡散媒体を引き剥がし、成形体を観察したところ、樹脂拡散媒体側の1mm程度のプリフォームにしか樹脂が含浸していなく、さらに樹脂含浸すべき成形体24mm分には全く樹脂が含浸していなかった。
【0099】
得られた繊維強化プラスチックの成形板は、樹脂が含浸していなく、とても構造体として使える状態ではなかった。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような種々の効果が得られる。
(1)本発明のプリフォーム基材は、強化繊維糸条が長さ方向に互いに並行に配列し、少なくとも片面に粒子が接着してなる一方向織物基材からなり、前記一方向織物基材が多数枚交差積層され、一体化手段により一体化されているから、これを多層積層して作製するプリフォームは積層回数が大幅に減り、安価に生産性よく製造することができる。
【0101】
また、樹脂の含浸性がよいので厚い成形体でも含浸を完全に行うことが可能となり、また織物の間には粒子が存在し、強化繊維糸条のクリンプの小さい一方向織物を使用しているから、衝撃破壊靭性に優れ、引張強度、引張弾性率、圧縮強度、圧縮弾性率などの機械的性質に優れる繊維強化プラスチック成形体が得られる。
【0102】
(2)本発明のプリフォームならびにプリフォーム基材の積層体は、プリフォーム基材が全面に切れ目なく積層されているから、強化繊維糸条の切断部がプリフォームならびに積層体に存在しなく、引張強度、圧縮強度に優れる大型成形体が得られる。
【0103】
(3)本発明のプリフォームは、プリフォーム基材が所定の枚数積層され、織物基材ならびにプリフォーム同士が接着しており、プリフォームにおける強化繊維体積率Vpfが45%を超え60%未満であるから、樹脂の含浸がよく、また繊維体積含有率の大きな成形体が得られる。
【0104】
(4)本発明の成形方法は、プリフォーム基材の積層体ならびにプリフォームを型に積層し、その上に樹脂を面方向に拡散する媒体を置いたのち、全体をバッグフイルムで覆い、つぎにバッグフイルムで覆われた内部を減圧状態にし、積層体ならびにプリフォームの片面に液状の熱硬化性樹脂を拡散させ、積層体ならびにプリフォームに樹脂を含浸、硬化させることを特徴とする繊維強化プラスチックの成形方法であるから、大型の成形体を安価に製造することができ、またボイドのない成形体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るプリフォーム基材を構成する一方向織物基材の概略斜視図である。
【図2】本発明の別の実施態様に係るプリフォーム基材を構成する一方向織物基材の概略斜視図である。
【図3】本発明に係るプリフォーム基材の好ましい態様を示す概略部分破断斜視図である。
【図4】本発明に係る繊維強化プラスチックの成形法を説明する一実施例における断面図である。
【図5】本発明の成形法に使用する樹脂拡散媒体の一実施例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 一方向織物基材
一方向織物基材(プリフォーム基材の長さ方向イに対し+α°方向)
一方向織物基材(プリフォーム基材の長さ方向イに対し90°方向)
一方向織物基材(プリフォーム基材の長さ方向イに対し−α°方向)
一方向織物基材(プリフォーム基材の長さ方向イに対し0°方向)
一方向織物基材(プリフォーム基材の長さ方向イに対し−α°方向)
一方向織物基材(プリフォーム基材の長さ方向イに対し90°方向)
一方向織物基材(プリフォーム基材の長さ方向イに対し+α°方向)
2 強化繊維糸条
3 よこ糸
4 粒子
5 たて方向補助糸
6 プリフォーム基材
7 ステッチ糸
8 成形型
9 プリフォーム
10 ピールプライ
11 樹脂拡散媒体
12 空気の吸引口
13 エッジ・ブリーザ
14 バッグフイルム
15 シール材
16 バルブ
17 樹脂の吐出口
18 X群のバー
19 Y群のバー
A 強化繊維糸条間の隙間
イ プリフォーム基材の長さ方向

Claims (22)

  1. 強化繊維糸条が長さ方向に互いに並行に配列し、少なくとも片面に粒子が接着してなる一方向織物基材からなり、前記一方向織物基材が多数枚交差積層され、一体化手段により一体化されていることを特徴とするプリフォーム基材。
  2. 前記プリフォーム基材において、一方向織物基材の隣り合う前記強化繊維糸条の間隙が織物の全幅において、0.1mmを超え1.0mm未満のほぼ均一な間隙であることを特徴とする、請求項1に記載のプリフォーム基材。
  3. 前記一方向織物は、応力が集中するような屈曲を有しない強化繊維糸条を一方向に互いに並行かつシート状に引き揃えてなる糸条群のシート面の両側に強化繊維糸条と交差するよこ方向補助糸群が位置し、それらよこ方向補助糸群と、強化繊維糸条と並行するたて方向補助糸群とが織組織をなして糸条群を一体に保持してなる一方向ノンクリンプ織物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のプリフォーム基材。
  4. 前記一体化手段がステッチであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォーム基材。
  5. 前記交差積層角度がプリフォーム基材の長さ方向に対して少なくとも0゜層を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のプリフォーム基材。
  6. 前記交差積層角度がプリフォーム基材の長さ方向に対して少なくとも+α゜層、−α゜層の2方向を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のプリフォーム基材。
  7. プリフォーム基材の長さ方向に対して積層数が一様ではなく、途中から増加または減少していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のプリフォーム基材。
  8. 前記強化繊維糸条が炭素繊維を用いてなる、請求項1〜7のいずれかに記載のプリフォーム基材。
  9. 前記炭素繊維のフイラメント数が12,000本を超え25,000本未満であり、炭素繊維の引張弾性率が280GPaを超え500GPa未満であり、かつ破壊歪みエネルギーが53MJ/m以上の炭素繊維であることを特徴とする、請求項8に記載のプリフォーム基材。
  10. 前記一方向織物基材はたて糸が炭素繊維糸条であり、よこ方向補助糸の繊度が6デシテックスを超え70デシテックス未満であり、よこ方向補助糸の密度が0.3本/cmを超え6.0本/cm未満であり、かつ炭素繊維の目付が100g/mを超え350g/m未満であることを特徴とする、請求項8または9に記載のプリフォーム基材。
  11. よこ方向補助糸の繊度が15デシテックスを超え50デシテックス未満であり、よこ方向補助糸の密度が1.0本/cmを超え4.0本/cm未満であり、かつ炭素繊維の目付が180g/mを超え210g/m未満であることを特徴とする、請求項10に記載のプリフォーム基材。
  12. 前記粒子は、繊維強化プラスチックの層間靭性付与機能を有し、融点またはガラス転移温度が50℃を超え150℃未満であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のプリフォーム基材。
  13. 前記粒子の付着量が前記一方向織物基材を構成する強化繊維の重量に対して2%を超え20%未満であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のプリフォーム基材。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のプリフォーム基材が複数枚数積層され、各プリフォーム基材が積層体の全面にわたって切れ目なく積層されていることを特徴とする積層体。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載のプリフォーム基材が複数枚数積層され、織物基材および/またはプリフォーム基材同士が接着されていることを特徴とするプリフォーム。
  16. 前記プリフォーム基材が、プリフォームの全面にわたって切れ目なく積層されていることを特徴とする、請求項15に記載のプリフォーム。
  17. プリフォームにおける強化繊維体積率Vpfが45%を超え60%未満であることを特徴とする、請求項15または16に記載のプリフォーム。
  18. 前記プリフォームを構成している一方向織物基材の隣り合う前記強化繊維糸条の間隙が0.1mmを超え1.0mm未満であることを特徴とする、請求項15〜17のいずれかに記載のプリフォーム。
  19. 請求項1〜13のいずれかに記載のプリフォーム基材を所定枚数成形型に積層し、または請求項14に記載のプリフォーム基材の積層体を成形型に配置し、その上に樹脂を面方向に拡散する媒体を置いたのち、全体をバッグフイルムで覆い、つぎにバッグフイルムで覆われた内部を減圧状態にし、積層されたプリフォーム基材の片面に液状の熱硬化性樹脂を拡散させ、プリフォーム基材に樹脂を含浸させて硬化させることを特徴とする、繊維強化プラスチックの成形方法。
  20. 請求項15〜18のいずれかに記載のプリフォームを型に積層し、その上に樹脂を面方向に拡散する媒体を置いたのち、全体をバッグフイルムで覆い、つぎにバッグフイルムで覆われた内部を減圧状態にし、積層されたプリフォームの片面に液状の熱硬化性樹脂を拡散させ、プリフォームに樹脂を含浸させて硬化させることを特徴とする、繊維強化プラスチックの成形方法。
  21. 前記熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であり、樹脂ならびに型およびプリフォーム基材またはプリフォームを加熱し、樹脂粘度を下げて樹脂含浸性を向上させることを特徴とする、請求項19または20に記載の繊維強化プラスチックの成形方法。
  22. 請求項19〜21のいずれかに記載の成形法によって得られる繊維強化プラスチック成形体。
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