JP2004156653A - 摩擦係合装置の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】フランジ部の両側の潤滑油を効率良く利用して、少ない潤滑油量で摩擦部材などの潤滑部位を良好に潤滑できるようにする。
【解決手段】潤滑経路を分離しているフランジ部120に、テーパ形状の中間壁部122を設けて流入穴124を形成し、ベアリング128を潤滑した潤滑油が矢印Cで示すように流入穴124を経て外筒部108の内側へ流通させられ、矢印Aの潤滑油と共に貫通穴110を経て摩擦材68、70の潤滑に使用されるようにしたため、矢印Cで示す経路で流入する潤滑油量分だけ矢印Aの潤滑油量を減らすことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】潤滑経路を分離しているフランジ部120に、テーパ形状の中間壁部122を設けて流入穴124を形成し、ベアリング128を潤滑した潤滑油が矢印Cで示すように流入穴124を経て外筒部108の内側へ流通させられ、矢印Aの潤滑油と共に貫通穴110を経て摩擦材68、70の潤滑に使用されるようにしたため、矢印Cで示す経路で流入する潤滑油量分だけ矢印Aの潤滑油量を減らすことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクラッチやブレーキ等の摩擦係合装置に係り、特に、摩擦部材などを潤滑するための潤滑構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 円筒形状を成していて、外周側に相対回転可能に設けられた外側部材との間に摩擦部材が配設される外筒部と、(b) その外筒部から内周側へ延び出すように一体に設けられた円板状のフランジ部と、を有するハブ部材を備えており、(c) そのハブ部材が前記摩擦部材を介して前記外側部材と係合させられる摩擦係合装置が、車両用自動変速機等の動力伝達装置に広く用いられている。特許文献1に記載の装置はその一例で、摩擦部材として多数の摩擦材が設けられた多板式の摩擦係合装置であり、上記外筒部には多数の貫通穴が設けられ、潤滑油を外周側へ流通させて摩擦部材を潤滑するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−141446号公報
【特許文献2】
特開平2−129456号公報
【特許文献3】
特開平2−173421号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の摩擦係合装置は、フランジ部によって潤滑油の経路が分離されるため、例えばフランジ部の一方側の潤滑油は摩擦部材の潤滑のみに使用され、他方側の潤滑油はベアリング等の他の潤滑部位の潤滑のみに使用されるなど、フランジ部の両側においてそれぞれ必要な流量を確保する必要があり、必要な潤滑油量が多くなって効率が悪く、ポンプ容量やエネルギー負荷が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、フランジ部の両側の潤滑油を効率良く利用して、少ない潤滑油量で摩擦部材などの潤滑部位を良好に潤滑できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 円筒形状を成していて、外周側に相対回転可能に設けられた外側部材との間に摩擦部材が配設されるとともに、潤滑油を外周側へ流通させるための貫通穴が設けられた外筒部と、(b) その外筒部から内周側へ延び出すように一体に設けられた円板状のフランジ部と、を有するハブ部材を備えており、(c) そのハブ部材が前記摩擦部材を介して前記外側部材と係合させられる摩擦係合装置において、その摩擦部材を潤滑するための潤滑構造であって、(d) 前記フランジ部には、前記外筒部の内周側であって軸方向においてその外筒部と同じ位置に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部が設けられており、(e) その中間壁部には、前記フランジ部の外側の潤滑油を前記外筒部の内側へ流通させる流入穴が設けられていることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の摩擦係合装置の潤滑構造において、前記流入穴は、軸方向において前記貫通穴と略同じ位置となるように設けられていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明の摩擦係合装置の潤滑構造において、(a) 前記ハブ部材は、前記軸方向の絞り加工によって前記外筒部および前記中間壁部が設けられており、(b) その中間壁部は、径寸法が変化しているテーパ形状を成しており、(c) 前記流入穴は、前記軸方向の打ち抜き加工によって前記中間壁部に設けられていることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの摩擦係合装置の潤滑構造において、前記フランジ部には、前記中間壁部よりも内周側にベアリングが配設されており、そのベアリングを潤滑した潤滑油が前記流入穴を経て前記外筒部の内側へ流通させられることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
このような摩擦係合装置の潤滑構造においては、潤滑経路を分離しているハブ部材のフランジ部に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部が設けられるとともに、その中間壁部に流入穴が設けられ、フランジ部の外側すなわち中間壁部の内周側の潤滑油を外筒部の内側へ流通させるようになっているため、フランジ部の両側の潤滑油が外筒部へ流通して摩擦部材の潤滑に使用される。このため、摩擦部材の潤滑に必要な潤滑油量を確保しつつ、フランジ部の両側の各々の潤滑油量をそれぞれ適当に設定することが可能で、全体の潤滑油量を少なくできて効率が向上し、ポンプ容量やエネルギー負荷が低減される。
【0011】
第2発明では、軸方向において貫通穴と略同じ位置に流入穴が設けられているため、その流入穴を経て外筒部の内側へ流入した潤滑油が貫通穴から良好に外側へ流出させられ、摩擦部材の潤滑性能が一層向上する。
【0012】
第3発明は、軸方向の絞り加工によって外筒部および中間壁部が設けられる場合で、中間壁部はテーパ形状を成していて、軸方向の打ち抜き加工によって流入穴が設けられるため、そのようなハブ部材をプレス加工によって簡単且つ安価に製造することができる。
【0013】
第4発明では、中間壁部よりも内周側にベアリングが配設されており、そのベアリングを潤滑した潤滑油が流入穴を経て外筒部の内側へ流通させられ、摩擦部材の潤滑にも使用されるため、ベアリングおよび摩擦部材を別々の経路で潤滑する場合に比較して全体の潤滑油量が低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、車両用自動変速機等の動力伝達装置の摩擦式クラッチやブレーキ等の潤滑構造に好適に適用されるが、車両用以外の動力伝達装置等に用いられる摩擦係合装置の潤滑構造にも適用され得る。
【0015】
摩擦係合装置は、例えば外筒部の外側に多数の外向摩擦材が相対回転不能に配設されるとともに、外側部材の内側に多数の内向摩擦材が相対回転不能に配設され、それ等の外向摩擦材および内向摩擦材が交互に位置して油圧シリンダなどで挟圧されることにより、ハブ部材と外側部材とが相対回転不能に連結される多板式摩擦係合装置であるが、単板式の摩擦係合装置であっても良いなど、摩擦部材は種々の態様が可能である。
【0016】
外側部材は、ケース等の位置固定の部材であっても良いし、回転可能に設けられたドラムなどでも良い。ハブ部材についても、回転可能であっても良いし、ケースなどに連結されて位置固定に配設されるものでも良い。外側部材とハブ部材との間の動力伝達方向は適宜定められる。
【0017】
潤滑油は、例えば中心部に配設された軸部材などから吐出され、遠心力によりハブ部材のフランジ部の両側を通って外周側へ流動させられるが、フランジ部の両側において軸部材などから吐出されるようになっていても良いし、フランジ部に設けられた流出穴によりフランジ部の両側へ分岐して流れるようになっていても良い。
【0018】
流入穴は、例えば軸方向に対して直角な径方向に中間壁部を貫通する径方向貫通部を有するように設けることが望ましいが、貫通穴自体を軸心に対して傾斜させて設けることにより、潤滑油が遠心力により傾斜に沿って流入穴を通過して外筒部の内側へ流通するようにすれば、必ずしも径方向貫通部を備えていなくても良く、流入穴の外周側端縁と内周側端縁とが軸方向にずれていて、潤滑油が流入穴内に導かれるようになっておれば良い。
【0019】
第3発明では、ハブ部材がプレスによる絞り加工を主体として製造されるが、鋳造や鍛造、切削加工などを主体として用いて製造することも可能である。外筒部にスプラインを設ける方法としては、絞り加工や鍛造、鋳造、転造、或いはダイカスト鋳造などでハブ部材に一体に設けることができるが、スプライン部材を別体に構成して溶接などの固設手段によりハブ部材に一体的に固設するようにしても良い。
【0020】
中間壁部のテーパ形状は、例えば径寸法が直線的に変化するように構成されるが、径寸法の変化が非線形で内周側或いは外周側へ湾曲していても良いなど、全体としてテーパ形状を成しておれば良い。なお、他の発明の実施に際しては、径寸法が一定で軸心と平行な円筒形状の中間壁部を設けることもできるなど、種々の態様が可能である。
【0021】
第4発明では、中間壁部よりも内周側にベアリングが配設されているが、他の発明の実施に際しては、摺接部位や噛合歯車などベアリング以外の潤滑部位を有する場合にも適用され得る。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1の(a) は、本発明が適用された車両用自動変速機10の骨子図で、(b) は複数の変速段を成立させる際の係合要素を説明する作動表である。この車両用自動変速機10は、FF車両などの横置き用のもので、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体として構成されている第2変速部20とを同軸線上に有し、入力軸22の回転を変速して出力歯車24から出力する。入力軸22は入力部材に相当するもので、エンジン等の走行用駆動源によって回転駆動されるトルクコンバータのタービン軸などであり、出力歯車24は出力部材に相当するもので、差動歯車装置を介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この車両用自動変速機10は中心線に対して略対称的に構成されており、図1(a) では中心線の下半分が省略されている。
【0023】
上記第1変速部14を構成している第1遊星歯車装置12は、サンギヤS1、キャリアCA1、およびリングギヤR1の3つの回転要素を備えており、サンギヤS1が入力軸22に連結されて回転駆動されるとともに、キャリアCA1が第3ブレーキB3を介して回転不能にケース26に固定されることにより、リングギヤR1が中間出力部材として入力軸22に対して減速回転させられて出力する。また、第2変速部20を構成している第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18は、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されており、具体的には、第3遊星歯車装置18のサンギヤS3によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置16のリングギヤR2および第3遊星歯車装置18のリングギヤR3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置16のキャリアCA2および第3遊星歯車装置18のキャリアCA3が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成され、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が構成されている。上記第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18は、キャリアCA2およびCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第2遊星歯車装置16のピニオンギヤが第3遊星歯車装置18の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
【0024】
上記第1回転要素RM1(サンギヤS3)は第1ブレーキB1によって選択的にケース26に連結されて回転停止させられ、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)は第1クラッチC1を介して選択的に入力軸22に連結されるとともに、第2ブレーキB2によって選択的にケース26に連結されて回転停止させられ、第4回転要素RM4(サンギヤS2)は第2クラッチC2を介して選択的に前記入力軸22に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS3)は中間出力部材である前記第1遊星歯車装置12のリングギヤR1に一体的に連結され、第3回転要素RM3(キャリアCA2、CA3)は前記出力歯車24に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第1ブレーキB1〜第3ブレーキB3、第1クラッチC1、第2クラッチC2は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の油圧式摩擦係合装置である。なお、第2回転要素RM2とケース26との間には、第2回転要素RM2の正回転(入力軸22と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止する一方向クラッチFが第2ブレーキB2と並列に設けられている。
【0025】
図2は、上記第1変速部14および第2変速部20の各回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図であり、下の横線が回転速度「0」で、上の横線が回転速度「1.0」すなわち入力軸22と同じ回転速度である。また、第1変速部14の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、リングギヤR1、キャリアCA1を表しており、それ等の間隔は第1遊星歯車装置12のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1に応じて定められる。第2変速部20の4本の縦線は、左端から右端へ向かって順番に第1回転要素RM1(サンギヤS3)、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)、第3回転要素RM3(キャリアCA2、CA3)、第4回転要素RM4(サンギヤS2)を表しており、それ等の間隔は第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2および第3遊星歯車装置18のギヤ比ρ3に応じて定められる。
【0026】
そして、上記共線図から明らかなように、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられて、第4回転要素RM4が入力軸22と一体回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられると、出力歯車24に連結された第3回転要素RM3は「1st」で示す回転速度で回転させられ、最も大きい変速比の第1変速段「1st」が成立させられる。第2クラッチC2および第1ブレーキB1が係合させられて、第4回転要素RM4が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立させられる。第2クラッチC2および第3ブレーキB3が係合させられて、第4回転要素RM4が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられると、第3回転要素RM3は「3rd」で示す回転速度で回転させられ、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立させられる。第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられて、第2変速部20が入力軸22と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「4th」で示す回転速度すなわち入力軸22と同じ回転速度で回転させられ、第3変速段「3rd」よりも変速比が小さい第4変速段「4th」が成立させられる。この第4変速段「4th」の変速比は1である。第1クラッチC1および第3ブレーキB3が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられると、第3回転要素RM3は「5th」で示す回転速度で回転させられ、第4変速段「4th」よりも変速比が小さい第5変速段「5th」が成立させられる。第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「6th」で示す回転速度で回転させられ、第5変速段「5th」よりも変速比が小さい第6変速段「6th」が成立させられる。また、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3が係合させられると、第2回転要素RM2が回転停止させられるとともに第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられることにより、第3回転要素RM3は「Rev」で示す回転速度で逆回転させられ、後進変速段「Rev」が成立させられる。
【0027】
図1の(b) の作動表は、上記各変速段とクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめたもので、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合を表している。第1変速段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチFが設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無いのである。また、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、および第3遊星歯車装置18の各ギヤ比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
【0028】
一方、図3は、上記第1クラッチC1および第2クラッチC2によって入力軸22と第2回転要素RM2、第4回転要素RM4、具体的には第1ハブ部材100、第2ハブ部材102との間の動力伝達を断続する二連断続装置30を具体的に示す断面図で、中心線Oの上半分を示したものであり、第1クラッチC1を摩擦係合させる第1油圧シリンダ32、および第2クラッチC2を摩擦係合させる第2油圧シリンダ34を備えている。第1油圧シリンダ32、第2油圧シリンダ34は、何れも入力軸22を中心とする円環形状を成していて、その入力軸22と同心に一体的に配設され、入力軸22と共に中心線Oまわりに一体的に回転させられるようになっている。
【0029】
第1油圧シリンダ32は、図3の右方向に開口する有底円筒形状を成しているとともに入力軸22に相対回転不能且つ中心線O方向(図3の左右方向)の移動不能に配設されたシリンダチューブ36と、そのシリンダチューブ36内に中心線O方向の移動可能に嵌合されたピストン38とを備えており、そのシリンダチューブ36とピストン38との間の圧力室40内に油路41から作動油が供給されることにより、ピストン38を第1方向すなわち図3の右方向へ突出させて第1クラッチC1を摩擦係合させる。ピストン38の内外周部にはそれぞれゴム等のシール部材が固着され、圧力室40を液密にシールしている。また、入力軸22に一体的に配設されたシリンダチューブ36の側壁部、本実施例では外周側の外筒部には、上記第1方向へ突き出すように中心線Oを中心とする円筒形状の連結ドラム46が一体に設けられており、第1クラッチC1は、その連結ドラム46の内周側に配設されて連結ドラム46に相対回転不能に配設された多数の内向摩擦材48と、その多数の内向摩擦材48の間に交互に介在させられるとともに前記第1ハブ部材100(第2回転要素RM2)の外筒部104の外周側に相対回転不能に配設された多数の外向摩擦材50と、を備えており、前記ピストン38によってそれ等の摩擦材48、50が摩擦係合させられることにより、入力軸22に第1ハブ部材100が一体的に連結される。第1ハブ部材100の外筒部104は、円筒形状を成しているとともに軸心まわりに多数の貫通穴106が設けられており、入力軸22から吐出されて遠心力により外周側へ流動させられる潤滑油が、その貫通穴106から外周側へ通過して摩擦材48、50を潤滑する。
【0030】
第2油圧シリンダ34は、上記第1油圧シリンダ32に対して前記第1方向側(図3の右側)に隣接して設けられており、図3の右方向に開口する有底円筒形状を成しているとともに入力軸22に相対回転不能且つ中心線O方向の移動不能に配設されたシリンダチューブ56と、そのシリンダチューブ56内に中心線O方向の移動可能に嵌合されたピストン58とを備えており、そのシリンダチューブ56とピストン58との間の圧力室60内に油路61から作動油が供給されることにより、ピストン58を前記第1方向すなわち図3の右方向へ突出させて第2クラッチC2を摩擦係合させる。ピストン58の内外周部にはそれぞれゴム等のシール部材が固着され、圧力室60を液密にシールしている。また、第2クラッチC2は、前記連結ドラム46の内周側であって上記第2油圧シリンダ34よりも前記第1方向側すなわち図3の右方向側で前記第1クラッチC1との間に、その第1クラッチC1に隣接して配設されており、連結ドラム46の内周側に相対回転不能に配設された多数の内向摩擦材68と、その多数の内向摩擦材68の間に交互に介在させられるとともに前記第2ハブ部材102(第4回転要素RM4)の外筒部108の外周側に相対回転不能に配設された多数の外向摩擦材70と、を備えており、前記ピストン58によってそれ等の摩擦材68、70が摩擦係合させられることにより、入力軸22に第2ハブ部材102が一体的に連結される。第2ハブ部材102の外筒部108は、円筒形状を成しているとともに軸心まわりに多数の貫通穴110が設けられており、入力軸22の油路112から吐出されて遠心力により外周側へ流動させられる潤滑油が、その貫通穴110から外周側へ通過して摩擦材68、70を潤滑する。
【0031】
上記第1クラッチC1、第2クラッチC2の摩擦材48および50、68および70は、何れも連結ドラム46の第1方向側の先端部から第1方向と反対向き、すなわち図3における左向きに挿入され、連結ドラム46或いはハブ部材100、102に対してスプライン嵌合などにより相対回転不能に係合させられている。中心線O方向において第1方向と反対側、すなわち図3における左側に配設されている第2クラッチC2の連結ドラム46側の内向摩擦材68は、その連結ドラム46に直接スプライン嵌合されて相対回転不能とされているとともに、その内向摩擦材68の後から連結ドラム46に相対回転不能にスプライン嵌合された円筒形状のスペーサ72を介して、連結ドラム46の先端部に一体的に装着されたスナップリング52により第1方向への移動が阻止され、そのスペーサ72により位置決めされた挟圧プレート74と前記ピストン58との間で挟圧されるようになっている。スペーサ72の先端には、挟圧プレート74と略平行になるように連結ドラム46から離間する内周方向へ向かって略直角に曲げられた円環形状のフランジ72aが一体に設けられ、挟圧プレート74の広い面積に亘って当接させるようになっている。また、第1クラッチC1の連結ドラム46側の内向摩擦材48は、上記スペーサ72に相対回転不能にスプライン嵌合されているとともに、そのスペーサ72を位置決めしている前記スナップリング52により第1方向への移動が阻止され、そのスナップリング52により位置決めされた挟圧プレート54と前記ピストン38との間で挟圧されるようになっている。
【0032】
図4の(a) は、第2クラッチC2における連結ドラム46と内向摩擦材68との係合関係を具体的に示す断面図で、連結ドラム46は、プレスによる曲げ加工或いは絞り加工により周方向において径寸法が周期的に変化する波形状に形成され、内周面の凹凸がスプラインとして用いられて、内向摩擦材68の外周部に設けられたスプラインと相対回転不能に噛合嵌合されている。また、内向摩擦材68には、複数(実施例では4箇所)の切欠68aが等間隔で設けられている一方、前記第1油圧シリンダ32のピストン38には、その切欠68aに対応して複数(実施例では4本)の押圧突起38aが前記第1方向へ向かって突設されており、その押圧突起38aが切欠68a内を挿通して第1クラッチC1に到達するようになっている。前記フランジ72aや挟圧プレート74にも、内向摩擦材68と同様にピストン38の押圧突起38aを挿通させるための切欠穴や切欠が設けられている。なお、ピストン38には、図3に示すように押圧突起38aが設けられた部分に波形状の噛合歯38bが設けられ、連結ドラム46のスプライン(波形状)に相対回転不能に係合させられている。
【0033】
図4の(b) は、第1クラッチC1における連結ドラム46とスペーサ72と内向摩擦材48との係合関係を具体的に示す断面図で、スペーサ72は、連結ドラム46と同様にプレスによる曲げ加工或いは絞り加工により周方向において径寸法が周期的に変化する波形状に形成され、外周面および内周面の凹凸がそれぞれスプラインとして用いられて、上記連結ドラム46の波形状と相対回転不能に噛合嵌合されているとともに、内向摩擦材48の外周部に設けられたスプラインと相対回転不能に噛合嵌合されている。
【0034】
図3に戻って、前記第2油圧シリンダ34は、入力軸22に一体的に配設されたキャンセルプレート80を備えており、ピストン58との間に遠心油圧キャンセラー室82が形成されている。遠心油圧キャンセラー室82は、ピストン58を挟んで圧力室60と対向して設けられており、油路83から作動油が導入されることにより、中心線Oまわりの回転に起因して圧力室60内に発生する遠心油圧をキャンセルする。ピストン58は円筒形状の外筒部84を備えているとともに、キャンセルプレート80の外周縁には、外筒部84の内周面に摺接するゴム等のシール部材が固着されており、ピストン58の移動を許容しつつ外筒部84の内周面との間が液密にシールされている。遠心油圧キャンセラー室82内にはリターンスプリング88が配設されており、圧力室60内の油圧低下に伴ってピストン58を図3の左方向へ後退させて第2クラッチC2を解放する。
【0035】
また、第1油圧シリンダ32は、上記第2油圧シリンダ34のシリンダチューブ56をキャンセルプレートとして利用して、ピストン38との間に遠心油圧キャンセラー室90が形成されている。遠心油圧キャンセラー室90は、ピストン38を挟んで圧力室40と対向して設けられており、油路91から作動油が導入されることにより、中心線Oまわりの回転に起因して圧力室40内に発生する遠心油圧をキャンセルする。ピストン38は、シリンダチューブ56の外周側に嵌合される円筒形状の外筒部92を備えているとともに、シリンダチューブ56の外周部には、外筒部92の内周面に摺接するゴム等のシール部材が固着されており、ピストン38の移動を許容しつつ外筒部92の内周面との間が液密にシールされている。遠心油圧キャンセラー室90内にはリターンスプリング96が配設されており、圧力室40内の油圧低下に伴ってピストン38を図3の左方向へ後退させて第1クラッチC1を解放する。
【0036】
上記第1油圧シリンダ32のシリンダチューブ36、ピストン38、第2油圧シリンダ34のシリンダチューブ56、ピストン58、キャンセルプレート80は、例えば金属板材にプレスによる絞り加工等を施すことによって形成されるが、アルミニウム、アルミニウム合金などの鋳造品やダイカスト鋳造品、或いは鍛造品などを採用することもできる。
【0037】
ここで、前記第2クラッチC2の第2ハブ部材102は、本発明のハブ部材に相当するもので、図5に単独で示すように全体として円環形状を成しており、前記外筒部108の軸方向の一端から内周側へ延び出すように円板状のフランジ部120が一体に設けられている。図5の(a) は正面図で、(b) は(a) におけるB−B断面図であり、フランジ部120には、外筒部108の内周側であって軸方向において外筒部108と同じ位置に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部122が設けられているとともに、その中間壁部122には、内周側すなわち図3および図5(b) においてフランジ部120の右側(外側)の潤滑油を外筒部108の内側へ流通させる流入穴124が設けられている。流入穴124は、中心線Oまわりに等角度間隔で複数、本実施例では6個設けられている。
【0038】
上記第2ハブ部材102は、金属板材に対して軸方向の絞り加工が施されることにより、外筒部108および中間壁部122などが設けられたもので、中間壁部122は、軸方向において外筒部108の一端から中央部側へ延びるに従って小径となるように径寸法が直線的に変化しているテーパ形状を成しているとともに、流入穴124は、上記絞り加工に連続して軸方向の打ち抜き加工が施されることにより中間壁部122に設けられている。したがって、流入穴124は中心線Oと平行に形成され、その内壁面も中心線Oと平行であるが、軸方向に対して直角な径方向に中間壁部122を貫通する径方向貫通部124aを有するように、中間壁部122の形状、寸法に応じて流入穴124の大きさなどが定められている。前記貫通穴110は、軸方向に離間して2列で設けられており、その一方すなわち図3および図5(b) における右側のものは、軸方向において上記径方向貫通部124aと同じ位置に設けられており、流入穴124から外筒部108の内側へ流入した潤滑油は貫通穴110から良好に外周側へ流出させられる。外筒部108は、プレスによる曲げ加工或いは絞り加工により周方向において径寸法が周期的に変化する波形状に形成され、外周面の凹凸がスプラインとして用いられて、前記外向摩擦材70の内周部に設けられたスプラインと相対回転不能に噛合嵌合されているとともに、多数の貫通穴110は外周側へ突き出す凸部に設けられている。
【0039】
また、フランジ部120は、中間壁部122よりも内周側部分においてベアリング126、128により中心線Oまわりに回転可能に支持されているとともに、フランジ部120の内周部には多数の流出穴130が設けられ、軸部材である入力軸22に設けられた油路112から吐出された潤滑油の一部は矢印Aで示すようにそのまま外周側へ流動するが、一部は矢印Bで示すように流出穴130からフランジ部120の外側、すなわち図3および図5(b) における右側へ流出してベアリング128の潤滑に使用される。そして、そのベアリング128を潤滑した潤滑油は、遠心力により更に外周側へ流動し、矢印Cで示すように前記流入穴124から再びフランジ部120の内側、すなわち図3および図5(b) における左側へ流入し、矢印Aの潤滑油と合流して外筒部108の貫通穴110から外周側へ流出し、摩擦材68、70を潤滑する。摩擦材68、70は摩擦部材に相当し、前記連結ドラム46は外側部材に相当する。
【0040】
このような本実施例の第2クラッチC2においては、潤滑経路を分離しているフランジ部120に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部122が設けられるとともに、その中間壁部122に流入穴124が設けられ、フランジ部120の外側すなわち中間壁部122の内周側の潤滑油を矢印Cで示すように外筒部108の内側へ流通させるようになっているため、フランジ部120の両側の潤滑油が共に外筒部108へ流通して摩擦材68、70の潤滑に使用される。このため、摩擦材68、70の潤滑に必要な潤滑油量を確保しつつ、フランジ部120の両側の各々の潤滑油量をそれぞれ適当に設定することが可能で、全体の潤滑油量を少なくできて効率が向上し、ポンプ容量やエネルギー負荷が低減される。
【0041】
すなわち、中間壁部122よりも内周側にベアリング128が配設されており、そのベアリング128を潤滑した潤滑油が矢印Cで示すように流入穴124を経て外筒部108の内側へ流通させられ、矢印Aで示す潤滑油と共に貫通穴110を経て摩擦材68、70の潤滑に使用されるため、矢印Cで示す経路で流入する潤滑油量分だけ矢印Aの潤滑油量を減らすことが可能で、ベアリング128および摩擦材68、70を別々の経路で潤滑する場合に比較して全体の潤滑油量が低減されるのである。
【0042】
また、上記流入穴124は、軸方向に対して直角な径方向に中間壁部122を貫通する径方向貫通部124aを有するように設けられているため、遠心力に従って潤滑油が確実に流入穴124から外筒部108の内側へ流通させられ、摩擦材68、70が良好に潤滑されるようになる。特に、軸方向において貫通穴110と同じ位置に径方向貫通部124aが設けられているため、径方向貫通部124aを経て外筒部108の内側へ流入した潤滑油が貫通穴110から良好に外側へ流出させられ、摩擦材68、70の潤滑性能が一層向上する。
【0043】
また、軸方向の絞り加工によって外筒部108および中間壁部122が成形されるとともに、中間壁部122はテーパ形状を成していて、軸方向の打ち抜き加工によって流入穴124が設けられるため、第2ハブ部材102をプレス加工によって簡単且つ安価に製造することができる。
【0044】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0045】
図6は図5の(b) に相当する図で、このハブ部材140は、外筒部108から断面がコの字形状に回曲するように絞り加工が行なわれることにより、径寸法が一定で中心線Oと平行な円筒形状の中間壁部142が設けられているとともに、カム機構による寄せ型、或いはプレス加工とは別工程による穴明け加工などで、中心線Oに対して直角な径方向に複数の流入穴144が形成されている。予め平板状態でプレスにより穴明け加工を行い、その後成形するようにしても良い。流入穴144は、その全部が軸方向に対して直角な径方向に中間壁部142を貫通する径方向貫通部で、軸方向において貫通穴110と同じ位置に設けられており、流入穴144を経て外筒部108の内側へ流入した潤滑油が貫通穴110から良好に外側へ流出させられ、摩擦材68、70に対する優れた潤滑性能が得られる。
【0046】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である摩擦係合装置の潤滑構造を備えている車両用自動変速機を説明する図で、(a) は骨子図、(b) は各変速段を成立させる際のクラッチおよびブレーキの作動状態を示す作動表である。
【図2】図1の実施例の共線図である。
【図3】図1の車両用自動変速機のクラッチC1、C2部分を具体的に示す断面図である。
【図4】図3の実施例の軸方向と直角な局部的な断面図で、(a) はクラッチC2の連結ドラムと摩擦材との係合関係を具体的に示す図、(b) はクラッチC1の連結ドラムとスペーサと摩擦材との係合関係を具体的に示す図である。
【図5】図3における第2クラッチC2の第2ハブ部材を単独で示す図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す断面図で、図5の(b) に対応する図である。
【符号の説明】
46:連結ドラム(外側部材) 68、70:摩擦材(摩擦部材) 102:第2ハブ部材(ハブ部材) 108:外筒部 110:貫通穴 120:フランジ部 122:中間壁部 124:流入穴 128:ベアリング 140:ハブ部材 142:中間壁部 144:流入穴 C2:第2クラッチ(摩擦係合装置) O:中心線
【発明の属する技術分野】
本発明はクラッチやブレーキ等の摩擦係合装置に係り、特に、摩擦部材などを潤滑するための潤滑構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 円筒形状を成していて、外周側に相対回転可能に設けられた外側部材との間に摩擦部材が配設される外筒部と、(b) その外筒部から内周側へ延び出すように一体に設けられた円板状のフランジ部と、を有するハブ部材を備えており、(c) そのハブ部材が前記摩擦部材を介して前記外側部材と係合させられる摩擦係合装置が、車両用自動変速機等の動力伝達装置に広く用いられている。特許文献1に記載の装置はその一例で、摩擦部材として多数の摩擦材が設けられた多板式の摩擦係合装置であり、上記外筒部には多数の貫通穴が設けられ、潤滑油を外周側へ流通させて摩擦部材を潤滑するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−141446号公報
【特許文献2】
特開平2−129456号公報
【特許文献3】
特開平2−173421号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の摩擦係合装置は、フランジ部によって潤滑油の経路が分離されるため、例えばフランジ部の一方側の潤滑油は摩擦部材の潤滑のみに使用され、他方側の潤滑油はベアリング等の他の潤滑部位の潤滑のみに使用されるなど、フランジ部の両側においてそれぞれ必要な流量を確保する必要があり、必要な潤滑油量が多くなって効率が悪く、ポンプ容量やエネルギー負荷が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、フランジ部の両側の潤滑油を効率良く利用して、少ない潤滑油量で摩擦部材などの潤滑部位を良好に潤滑できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 円筒形状を成していて、外周側に相対回転可能に設けられた外側部材との間に摩擦部材が配設されるとともに、潤滑油を外周側へ流通させるための貫通穴が設けられた外筒部と、(b) その外筒部から内周側へ延び出すように一体に設けられた円板状のフランジ部と、を有するハブ部材を備えており、(c) そのハブ部材が前記摩擦部材を介して前記外側部材と係合させられる摩擦係合装置において、その摩擦部材を潤滑するための潤滑構造であって、(d) 前記フランジ部には、前記外筒部の内周側であって軸方向においてその外筒部と同じ位置に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部が設けられており、(e) その中間壁部には、前記フランジ部の外側の潤滑油を前記外筒部の内側へ流通させる流入穴が設けられていることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の摩擦係合装置の潤滑構造において、前記流入穴は、軸方向において前記貫通穴と略同じ位置となるように設けられていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明の摩擦係合装置の潤滑構造において、(a) 前記ハブ部材は、前記軸方向の絞り加工によって前記外筒部および前記中間壁部が設けられており、(b) その中間壁部は、径寸法が変化しているテーパ形状を成しており、(c) 前記流入穴は、前記軸方向の打ち抜き加工によって前記中間壁部に設けられていることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの摩擦係合装置の潤滑構造において、前記フランジ部には、前記中間壁部よりも内周側にベアリングが配設されており、そのベアリングを潤滑した潤滑油が前記流入穴を経て前記外筒部の内側へ流通させられることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
このような摩擦係合装置の潤滑構造においては、潤滑経路を分離しているハブ部材のフランジ部に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部が設けられるとともに、その中間壁部に流入穴が設けられ、フランジ部の外側すなわち中間壁部の内周側の潤滑油を外筒部の内側へ流通させるようになっているため、フランジ部の両側の潤滑油が外筒部へ流通して摩擦部材の潤滑に使用される。このため、摩擦部材の潤滑に必要な潤滑油量を確保しつつ、フランジ部の両側の各々の潤滑油量をそれぞれ適当に設定することが可能で、全体の潤滑油量を少なくできて効率が向上し、ポンプ容量やエネルギー負荷が低減される。
【0011】
第2発明では、軸方向において貫通穴と略同じ位置に流入穴が設けられているため、その流入穴を経て外筒部の内側へ流入した潤滑油が貫通穴から良好に外側へ流出させられ、摩擦部材の潤滑性能が一層向上する。
【0012】
第3発明は、軸方向の絞り加工によって外筒部および中間壁部が設けられる場合で、中間壁部はテーパ形状を成していて、軸方向の打ち抜き加工によって流入穴が設けられるため、そのようなハブ部材をプレス加工によって簡単且つ安価に製造することができる。
【0013】
第4発明では、中間壁部よりも内周側にベアリングが配設されており、そのベアリングを潤滑した潤滑油が流入穴を経て外筒部の内側へ流通させられ、摩擦部材の潤滑にも使用されるため、ベアリングおよび摩擦部材を別々の経路で潤滑する場合に比較して全体の潤滑油量が低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、車両用自動変速機等の動力伝達装置の摩擦式クラッチやブレーキ等の潤滑構造に好適に適用されるが、車両用以外の動力伝達装置等に用いられる摩擦係合装置の潤滑構造にも適用され得る。
【0015】
摩擦係合装置は、例えば外筒部の外側に多数の外向摩擦材が相対回転不能に配設されるとともに、外側部材の内側に多数の内向摩擦材が相対回転不能に配設され、それ等の外向摩擦材および内向摩擦材が交互に位置して油圧シリンダなどで挟圧されることにより、ハブ部材と外側部材とが相対回転不能に連結される多板式摩擦係合装置であるが、単板式の摩擦係合装置であっても良いなど、摩擦部材は種々の態様が可能である。
【0016】
外側部材は、ケース等の位置固定の部材であっても良いし、回転可能に設けられたドラムなどでも良い。ハブ部材についても、回転可能であっても良いし、ケースなどに連結されて位置固定に配設されるものでも良い。外側部材とハブ部材との間の動力伝達方向は適宜定められる。
【0017】
潤滑油は、例えば中心部に配設された軸部材などから吐出され、遠心力によりハブ部材のフランジ部の両側を通って外周側へ流動させられるが、フランジ部の両側において軸部材などから吐出されるようになっていても良いし、フランジ部に設けられた流出穴によりフランジ部の両側へ分岐して流れるようになっていても良い。
【0018】
流入穴は、例えば軸方向に対して直角な径方向に中間壁部を貫通する径方向貫通部を有するように設けることが望ましいが、貫通穴自体を軸心に対して傾斜させて設けることにより、潤滑油が遠心力により傾斜に沿って流入穴を通過して外筒部の内側へ流通するようにすれば、必ずしも径方向貫通部を備えていなくても良く、流入穴の外周側端縁と内周側端縁とが軸方向にずれていて、潤滑油が流入穴内に導かれるようになっておれば良い。
【0019】
第3発明では、ハブ部材がプレスによる絞り加工を主体として製造されるが、鋳造や鍛造、切削加工などを主体として用いて製造することも可能である。外筒部にスプラインを設ける方法としては、絞り加工や鍛造、鋳造、転造、或いはダイカスト鋳造などでハブ部材に一体に設けることができるが、スプライン部材を別体に構成して溶接などの固設手段によりハブ部材に一体的に固設するようにしても良い。
【0020】
中間壁部のテーパ形状は、例えば径寸法が直線的に変化するように構成されるが、径寸法の変化が非線形で内周側或いは外周側へ湾曲していても良いなど、全体としてテーパ形状を成しておれば良い。なお、他の発明の実施に際しては、径寸法が一定で軸心と平行な円筒形状の中間壁部を設けることもできるなど、種々の態様が可能である。
【0021】
第4発明では、中間壁部よりも内周側にベアリングが配設されているが、他の発明の実施に際しては、摺接部位や噛合歯車などベアリング以外の潤滑部位を有する場合にも適用され得る。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1の(a) は、本発明が適用された車両用自動変速機10の骨子図で、(b) は複数の変速段を成立させる際の係合要素を説明する作動表である。この車両用自動変速機10は、FF車両などの横置き用のもので、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体として構成されている第2変速部20とを同軸線上に有し、入力軸22の回転を変速して出力歯車24から出力する。入力軸22は入力部材に相当するもので、エンジン等の走行用駆動源によって回転駆動されるトルクコンバータのタービン軸などであり、出力歯車24は出力部材に相当するもので、差動歯車装置を介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この車両用自動変速機10は中心線に対して略対称的に構成されており、図1(a) では中心線の下半分が省略されている。
【0023】
上記第1変速部14を構成している第1遊星歯車装置12は、サンギヤS1、キャリアCA1、およびリングギヤR1の3つの回転要素を備えており、サンギヤS1が入力軸22に連結されて回転駆動されるとともに、キャリアCA1が第3ブレーキB3を介して回転不能にケース26に固定されることにより、リングギヤR1が中間出力部材として入力軸22に対して減速回転させられて出力する。また、第2変速部20を構成している第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18は、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されており、具体的には、第3遊星歯車装置18のサンギヤS3によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置16のリングギヤR2および第3遊星歯車装置18のリングギヤR3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置16のキャリアCA2および第3遊星歯車装置18のキャリアCA3が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成され、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が構成されている。上記第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18は、キャリアCA2およびCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第2遊星歯車装置16のピニオンギヤが第3遊星歯車装置18の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
【0024】
上記第1回転要素RM1(サンギヤS3)は第1ブレーキB1によって選択的にケース26に連結されて回転停止させられ、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)は第1クラッチC1を介して選択的に入力軸22に連結されるとともに、第2ブレーキB2によって選択的にケース26に連結されて回転停止させられ、第4回転要素RM4(サンギヤS2)は第2クラッチC2を介して選択的に前記入力軸22に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS3)は中間出力部材である前記第1遊星歯車装置12のリングギヤR1に一体的に連結され、第3回転要素RM3(キャリアCA2、CA3)は前記出力歯車24に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第1ブレーキB1〜第3ブレーキB3、第1クラッチC1、第2クラッチC2は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の油圧式摩擦係合装置である。なお、第2回転要素RM2とケース26との間には、第2回転要素RM2の正回転(入力軸22と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止する一方向クラッチFが第2ブレーキB2と並列に設けられている。
【0025】
図2は、上記第1変速部14および第2変速部20の各回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図であり、下の横線が回転速度「0」で、上の横線が回転速度「1.0」すなわち入力軸22と同じ回転速度である。また、第1変速部14の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、リングギヤR1、キャリアCA1を表しており、それ等の間隔は第1遊星歯車装置12のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1に応じて定められる。第2変速部20の4本の縦線は、左端から右端へ向かって順番に第1回転要素RM1(サンギヤS3)、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)、第3回転要素RM3(キャリアCA2、CA3)、第4回転要素RM4(サンギヤS2)を表しており、それ等の間隔は第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2および第3遊星歯車装置18のギヤ比ρ3に応じて定められる。
【0026】
そして、上記共線図から明らかなように、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられて、第4回転要素RM4が入力軸22と一体回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられると、出力歯車24に連結された第3回転要素RM3は「1st」で示す回転速度で回転させられ、最も大きい変速比の第1変速段「1st」が成立させられる。第2クラッチC2および第1ブレーキB1が係合させられて、第4回転要素RM4が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立させられる。第2クラッチC2および第3ブレーキB3が係合させられて、第4回転要素RM4が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられると、第3回転要素RM3は「3rd」で示す回転速度で回転させられ、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立させられる。第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられて、第2変速部20が入力軸22と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「4th」で示す回転速度すなわち入力軸22と同じ回転速度で回転させられ、第3変速段「3rd」よりも変速比が小さい第4変速段「4th」が成立させられる。この第4変速段「4th」の変速比は1である。第1クラッチC1および第3ブレーキB3が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられると、第3回転要素RM3は「5th」で示す回転速度で回転させられ、第4変速段「4th」よりも変速比が小さい第5変速段「5th」が成立させられる。第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸22と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「6th」で示す回転速度で回転させられ、第5変速段「5th」よりも変速比が小さい第6変速段「6th」が成立させられる。また、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3が係合させられると、第2回転要素RM2が回転停止させられるとともに第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられることにより、第3回転要素RM3は「Rev」で示す回転速度で逆回転させられ、後進変速段「Rev」が成立させられる。
【0027】
図1の(b) の作動表は、上記各変速段とクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめたもので、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合を表している。第1変速段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチFが設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無いのである。また、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、および第3遊星歯車装置18の各ギヤ比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
【0028】
一方、図3は、上記第1クラッチC1および第2クラッチC2によって入力軸22と第2回転要素RM2、第4回転要素RM4、具体的には第1ハブ部材100、第2ハブ部材102との間の動力伝達を断続する二連断続装置30を具体的に示す断面図で、中心線Oの上半分を示したものであり、第1クラッチC1を摩擦係合させる第1油圧シリンダ32、および第2クラッチC2を摩擦係合させる第2油圧シリンダ34を備えている。第1油圧シリンダ32、第2油圧シリンダ34は、何れも入力軸22を中心とする円環形状を成していて、その入力軸22と同心に一体的に配設され、入力軸22と共に中心線Oまわりに一体的に回転させられるようになっている。
【0029】
第1油圧シリンダ32は、図3の右方向に開口する有底円筒形状を成しているとともに入力軸22に相対回転不能且つ中心線O方向(図3の左右方向)の移動不能に配設されたシリンダチューブ36と、そのシリンダチューブ36内に中心線O方向の移動可能に嵌合されたピストン38とを備えており、そのシリンダチューブ36とピストン38との間の圧力室40内に油路41から作動油が供給されることにより、ピストン38を第1方向すなわち図3の右方向へ突出させて第1クラッチC1を摩擦係合させる。ピストン38の内外周部にはそれぞれゴム等のシール部材が固着され、圧力室40を液密にシールしている。また、入力軸22に一体的に配設されたシリンダチューブ36の側壁部、本実施例では外周側の外筒部には、上記第1方向へ突き出すように中心線Oを中心とする円筒形状の連結ドラム46が一体に設けられており、第1クラッチC1は、その連結ドラム46の内周側に配設されて連結ドラム46に相対回転不能に配設された多数の内向摩擦材48と、その多数の内向摩擦材48の間に交互に介在させられるとともに前記第1ハブ部材100(第2回転要素RM2)の外筒部104の外周側に相対回転不能に配設された多数の外向摩擦材50と、を備えており、前記ピストン38によってそれ等の摩擦材48、50が摩擦係合させられることにより、入力軸22に第1ハブ部材100が一体的に連結される。第1ハブ部材100の外筒部104は、円筒形状を成しているとともに軸心まわりに多数の貫通穴106が設けられており、入力軸22から吐出されて遠心力により外周側へ流動させられる潤滑油が、その貫通穴106から外周側へ通過して摩擦材48、50を潤滑する。
【0030】
第2油圧シリンダ34は、上記第1油圧シリンダ32に対して前記第1方向側(図3の右側)に隣接して設けられており、図3の右方向に開口する有底円筒形状を成しているとともに入力軸22に相対回転不能且つ中心線O方向の移動不能に配設されたシリンダチューブ56と、そのシリンダチューブ56内に中心線O方向の移動可能に嵌合されたピストン58とを備えており、そのシリンダチューブ56とピストン58との間の圧力室60内に油路61から作動油が供給されることにより、ピストン58を前記第1方向すなわち図3の右方向へ突出させて第2クラッチC2を摩擦係合させる。ピストン58の内外周部にはそれぞれゴム等のシール部材が固着され、圧力室60を液密にシールしている。また、第2クラッチC2は、前記連結ドラム46の内周側であって上記第2油圧シリンダ34よりも前記第1方向側すなわち図3の右方向側で前記第1クラッチC1との間に、その第1クラッチC1に隣接して配設されており、連結ドラム46の内周側に相対回転不能に配設された多数の内向摩擦材68と、その多数の内向摩擦材68の間に交互に介在させられるとともに前記第2ハブ部材102(第4回転要素RM4)の外筒部108の外周側に相対回転不能に配設された多数の外向摩擦材70と、を備えており、前記ピストン58によってそれ等の摩擦材68、70が摩擦係合させられることにより、入力軸22に第2ハブ部材102が一体的に連結される。第2ハブ部材102の外筒部108は、円筒形状を成しているとともに軸心まわりに多数の貫通穴110が設けられており、入力軸22の油路112から吐出されて遠心力により外周側へ流動させられる潤滑油が、その貫通穴110から外周側へ通過して摩擦材68、70を潤滑する。
【0031】
上記第1クラッチC1、第2クラッチC2の摩擦材48および50、68および70は、何れも連結ドラム46の第1方向側の先端部から第1方向と反対向き、すなわち図3における左向きに挿入され、連結ドラム46或いはハブ部材100、102に対してスプライン嵌合などにより相対回転不能に係合させられている。中心線O方向において第1方向と反対側、すなわち図3における左側に配設されている第2クラッチC2の連結ドラム46側の内向摩擦材68は、その連結ドラム46に直接スプライン嵌合されて相対回転不能とされているとともに、その内向摩擦材68の後から連結ドラム46に相対回転不能にスプライン嵌合された円筒形状のスペーサ72を介して、連結ドラム46の先端部に一体的に装着されたスナップリング52により第1方向への移動が阻止され、そのスペーサ72により位置決めされた挟圧プレート74と前記ピストン58との間で挟圧されるようになっている。スペーサ72の先端には、挟圧プレート74と略平行になるように連結ドラム46から離間する内周方向へ向かって略直角に曲げられた円環形状のフランジ72aが一体に設けられ、挟圧プレート74の広い面積に亘って当接させるようになっている。また、第1クラッチC1の連結ドラム46側の内向摩擦材48は、上記スペーサ72に相対回転不能にスプライン嵌合されているとともに、そのスペーサ72を位置決めしている前記スナップリング52により第1方向への移動が阻止され、そのスナップリング52により位置決めされた挟圧プレート54と前記ピストン38との間で挟圧されるようになっている。
【0032】
図4の(a) は、第2クラッチC2における連結ドラム46と内向摩擦材68との係合関係を具体的に示す断面図で、連結ドラム46は、プレスによる曲げ加工或いは絞り加工により周方向において径寸法が周期的に変化する波形状に形成され、内周面の凹凸がスプラインとして用いられて、内向摩擦材68の外周部に設けられたスプラインと相対回転不能に噛合嵌合されている。また、内向摩擦材68には、複数(実施例では4箇所)の切欠68aが等間隔で設けられている一方、前記第1油圧シリンダ32のピストン38には、その切欠68aに対応して複数(実施例では4本)の押圧突起38aが前記第1方向へ向かって突設されており、その押圧突起38aが切欠68a内を挿通して第1クラッチC1に到達するようになっている。前記フランジ72aや挟圧プレート74にも、内向摩擦材68と同様にピストン38の押圧突起38aを挿通させるための切欠穴や切欠が設けられている。なお、ピストン38には、図3に示すように押圧突起38aが設けられた部分に波形状の噛合歯38bが設けられ、連結ドラム46のスプライン(波形状)に相対回転不能に係合させられている。
【0033】
図4の(b) は、第1クラッチC1における連結ドラム46とスペーサ72と内向摩擦材48との係合関係を具体的に示す断面図で、スペーサ72は、連結ドラム46と同様にプレスによる曲げ加工或いは絞り加工により周方向において径寸法が周期的に変化する波形状に形成され、外周面および内周面の凹凸がそれぞれスプラインとして用いられて、上記連結ドラム46の波形状と相対回転不能に噛合嵌合されているとともに、内向摩擦材48の外周部に設けられたスプラインと相対回転不能に噛合嵌合されている。
【0034】
図3に戻って、前記第2油圧シリンダ34は、入力軸22に一体的に配設されたキャンセルプレート80を備えており、ピストン58との間に遠心油圧キャンセラー室82が形成されている。遠心油圧キャンセラー室82は、ピストン58を挟んで圧力室60と対向して設けられており、油路83から作動油が導入されることにより、中心線Oまわりの回転に起因して圧力室60内に発生する遠心油圧をキャンセルする。ピストン58は円筒形状の外筒部84を備えているとともに、キャンセルプレート80の外周縁には、外筒部84の内周面に摺接するゴム等のシール部材が固着されており、ピストン58の移動を許容しつつ外筒部84の内周面との間が液密にシールされている。遠心油圧キャンセラー室82内にはリターンスプリング88が配設されており、圧力室60内の油圧低下に伴ってピストン58を図3の左方向へ後退させて第2クラッチC2を解放する。
【0035】
また、第1油圧シリンダ32は、上記第2油圧シリンダ34のシリンダチューブ56をキャンセルプレートとして利用して、ピストン38との間に遠心油圧キャンセラー室90が形成されている。遠心油圧キャンセラー室90は、ピストン38を挟んで圧力室40と対向して設けられており、油路91から作動油が導入されることにより、中心線Oまわりの回転に起因して圧力室40内に発生する遠心油圧をキャンセルする。ピストン38は、シリンダチューブ56の外周側に嵌合される円筒形状の外筒部92を備えているとともに、シリンダチューブ56の外周部には、外筒部92の内周面に摺接するゴム等のシール部材が固着されており、ピストン38の移動を許容しつつ外筒部92の内周面との間が液密にシールされている。遠心油圧キャンセラー室90内にはリターンスプリング96が配設されており、圧力室40内の油圧低下に伴ってピストン38を図3の左方向へ後退させて第1クラッチC1を解放する。
【0036】
上記第1油圧シリンダ32のシリンダチューブ36、ピストン38、第2油圧シリンダ34のシリンダチューブ56、ピストン58、キャンセルプレート80は、例えば金属板材にプレスによる絞り加工等を施すことによって形成されるが、アルミニウム、アルミニウム合金などの鋳造品やダイカスト鋳造品、或いは鍛造品などを採用することもできる。
【0037】
ここで、前記第2クラッチC2の第2ハブ部材102は、本発明のハブ部材に相当するもので、図5に単独で示すように全体として円環形状を成しており、前記外筒部108の軸方向の一端から内周側へ延び出すように円板状のフランジ部120が一体に設けられている。図5の(a) は正面図で、(b) は(a) におけるB−B断面図であり、フランジ部120には、外筒部108の内周側であって軸方向において外筒部108と同じ位置に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部122が設けられているとともに、その中間壁部122には、内周側すなわち図3および図5(b) においてフランジ部120の右側(外側)の潤滑油を外筒部108の内側へ流通させる流入穴124が設けられている。流入穴124は、中心線Oまわりに等角度間隔で複数、本実施例では6個設けられている。
【0038】
上記第2ハブ部材102は、金属板材に対して軸方向の絞り加工が施されることにより、外筒部108および中間壁部122などが設けられたもので、中間壁部122は、軸方向において外筒部108の一端から中央部側へ延びるに従って小径となるように径寸法が直線的に変化しているテーパ形状を成しているとともに、流入穴124は、上記絞り加工に連続して軸方向の打ち抜き加工が施されることにより中間壁部122に設けられている。したがって、流入穴124は中心線Oと平行に形成され、その内壁面も中心線Oと平行であるが、軸方向に対して直角な径方向に中間壁部122を貫通する径方向貫通部124aを有するように、中間壁部122の形状、寸法に応じて流入穴124の大きさなどが定められている。前記貫通穴110は、軸方向に離間して2列で設けられており、その一方すなわち図3および図5(b) における右側のものは、軸方向において上記径方向貫通部124aと同じ位置に設けられており、流入穴124から外筒部108の内側へ流入した潤滑油は貫通穴110から良好に外周側へ流出させられる。外筒部108は、プレスによる曲げ加工或いは絞り加工により周方向において径寸法が周期的に変化する波形状に形成され、外周面の凹凸がスプラインとして用いられて、前記外向摩擦材70の内周部に設けられたスプラインと相対回転不能に噛合嵌合されているとともに、多数の貫通穴110は外周側へ突き出す凸部に設けられている。
【0039】
また、フランジ部120は、中間壁部122よりも内周側部分においてベアリング126、128により中心線Oまわりに回転可能に支持されているとともに、フランジ部120の内周部には多数の流出穴130が設けられ、軸部材である入力軸22に設けられた油路112から吐出された潤滑油の一部は矢印Aで示すようにそのまま外周側へ流動するが、一部は矢印Bで示すように流出穴130からフランジ部120の外側、すなわち図3および図5(b) における右側へ流出してベアリング128の潤滑に使用される。そして、そのベアリング128を潤滑した潤滑油は、遠心力により更に外周側へ流動し、矢印Cで示すように前記流入穴124から再びフランジ部120の内側、すなわち図3および図5(b) における左側へ流入し、矢印Aの潤滑油と合流して外筒部108の貫通穴110から外周側へ流出し、摩擦材68、70を潤滑する。摩擦材68、70は摩擦部材に相当し、前記連結ドラム46は外側部材に相当する。
【0040】
このような本実施例の第2クラッチC2においては、潤滑経路を分離しているフランジ部120に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部122が設けられるとともに、その中間壁部122に流入穴124が設けられ、フランジ部120の外側すなわち中間壁部122の内周側の潤滑油を矢印Cで示すように外筒部108の内側へ流通させるようになっているため、フランジ部120の両側の潤滑油が共に外筒部108へ流通して摩擦材68、70の潤滑に使用される。このため、摩擦材68、70の潤滑に必要な潤滑油量を確保しつつ、フランジ部120の両側の各々の潤滑油量をそれぞれ適当に設定することが可能で、全体の潤滑油量を少なくできて効率が向上し、ポンプ容量やエネルギー負荷が低減される。
【0041】
すなわち、中間壁部122よりも内周側にベアリング128が配設されており、そのベアリング128を潤滑した潤滑油が矢印Cで示すように流入穴124を経て外筒部108の内側へ流通させられ、矢印Aで示す潤滑油と共に貫通穴110を経て摩擦材68、70の潤滑に使用されるため、矢印Cで示す経路で流入する潤滑油量分だけ矢印Aの潤滑油量を減らすことが可能で、ベアリング128および摩擦材68、70を別々の経路で潤滑する場合に比較して全体の潤滑油量が低減されるのである。
【0042】
また、上記流入穴124は、軸方向に対して直角な径方向に中間壁部122を貫通する径方向貫通部124aを有するように設けられているため、遠心力に従って潤滑油が確実に流入穴124から外筒部108の内側へ流通させられ、摩擦材68、70が良好に潤滑されるようになる。特に、軸方向において貫通穴110と同じ位置に径方向貫通部124aが設けられているため、径方向貫通部124aを経て外筒部108の内側へ流入した潤滑油が貫通穴110から良好に外側へ流出させられ、摩擦材68、70の潤滑性能が一層向上する。
【0043】
また、軸方向の絞り加工によって外筒部108および中間壁部122が成形されるとともに、中間壁部122はテーパ形状を成していて、軸方向の打ち抜き加工によって流入穴124が設けられるため、第2ハブ部材102をプレス加工によって簡単且つ安価に製造することができる。
【0044】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0045】
図6は図5の(b) に相当する図で、このハブ部材140は、外筒部108から断面がコの字形状に回曲するように絞り加工が行なわれることにより、径寸法が一定で中心線Oと平行な円筒形状の中間壁部142が設けられているとともに、カム機構による寄せ型、或いはプレス加工とは別工程による穴明け加工などで、中心線Oに対して直角な径方向に複数の流入穴144が形成されている。予め平板状態でプレスにより穴明け加工を行い、その後成形するようにしても良い。流入穴144は、その全部が軸方向に対して直角な径方向に中間壁部142を貫通する径方向貫通部で、軸方向において貫通穴110と同じ位置に設けられており、流入穴144を経て外筒部108の内側へ流入した潤滑油が貫通穴110から良好に外側へ流出させられ、摩擦材68、70に対する優れた潤滑性能が得られる。
【0046】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である摩擦係合装置の潤滑構造を備えている車両用自動変速機を説明する図で、(a) は骨子図、(b) は各変速段を成立させる際のクラッチおよびブレーキの作動状態を示す作動表である。
【図2】図1の実施例の共線図である。
【図3】図1の車両用自動変速機のクラッチC1、C2部分を具体的に示す断面図である。
【図4】図3の実施例の軸方向と直角な局部的な断面図で、(a) はクラッチC2の連結ドラムと摩擦材との係合関係を具体的に示す図、(b) はクラッチC1の連結ドラムとスペーサと摩擦材との係合関係を具体的に示す図である。
【図5】図3における第2クラッチC2の第2ハブ部材を単独で示す図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す断面図で、図5の(b) に対応する図である。
【符号の説明】
46:連結ドラム(外側部材) 68、70:摩擦材(摩擦部材) 102:第2ハブ部材(ハブ部材) 108:外筒部 110:貫通穴 120:フランジ部 122:中間壁部 124:流入穴 128:ベアリング 140:ハブ部材 142:中間壁部 144:流入穴 C2:第2クラッチ(摩擦係合装置) O:中心線
Claims (4)
- 円筒形状を成していて、外周側に相対回転可能に設けられた外側部材との間に摩擦部材が配設されるとともに、潤滑油を外周側へ流通させるための貫通穴が設けられた外筒部と、
該外筒部から内周側へ延び出すように一体に設けられた円板状のフランジ部と、
を有するハブ部材を備えており、該ハブ部材が前記摩擦部材を介して前記外側部材と係合させられる摩擦係合装置において、該摩擦部材を潤滑するための潤滑構造であって、
前記フランジ部には、前記外筒部の内周側であって軸方向において該外筒部と同じ位置に、軸方向成分を有する方向へ延びる中間壁部が設けられており、
該中間壁部には、前記フランジ部の外側の潤滑油を前記外筒部の内側へ流通させる流入穴が設けられている
ことを特徴とする摩擦係合装置の潤滑構造。 - 前記流入穴は、軸方向において前記貫通穴と略同じ位置となるように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の摩擦係合装置の潤滑構造。 - 前記ハブ部材は、前記軸方向の絞り加工によって前記外筒部および前記中間壁部が設けられており、
該中間壁部は、径寸法が変化しているテーパ形状を成しており、
前記流入穴は、前記軸方向の打ち抜き加工によって前記中間壁部に設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦係合装置の潤滑構造。 - 前記フランジ部には、前記中間壁部よりも内周側にベアリングが配設されており、該ベアリングを潤滑した潤滑油が前記流入穴を経て前記外筒部の内側へ流通させられる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の摩擦係合装置の潤滑構造。
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