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JP2004153217A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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JP2004153217A
JP2004153217A JP2002319725A JP2002319725A JP2004153217A JP 2004153217 A JP2004153217 A JP 2004153217A JP 2002319725 A JP2002319725 A JP 2002319725A JP 2002319725 A JP2002319725 A JP 2002319725A JP 2004153217 A JP2004153217 A JP 2004153217A
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foil
solid electrolytic
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nonwoven fabric
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JP2002319725A
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Yukihiro Nitta
幸弘 新田
Hiroki Kusayanagi
弘樹 草柳
Munehiro Morokuma
宗宏 諸隈
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】高周波領域でのESR特性と漏れ電流に優れた大容量の巻回形の固体電解コンデンサを得ることを目的とする。
【解決手段】誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔1と陰極箔2とを芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータ3を介して巻回したコンデンサ素子10と、このコンデンサ素子10の陽極箔1と陰極箔2との間に固体電解質4を形成した構成とすることにより、ESR特性と漏れ電流に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器に利用される巻回形の固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の高周波化に伴って、電子部品である電解コンデンサにおいても高周波領域でのESR特性に優れた大容量の電解コンデンサが求められてきている。最近では、この高周波領域のESRを低減するために、電気伝導度の高い導電性高分子等の固体電解質を用いた固体電解コンデンサが検討されてきており、また大容量化の要求に対しては、電極箔を積層させる場合と比較して構造的に大容量化が容易な巻回形(陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回した構造のもの)による導電性高分子を用いた固体電解コンデンサが製品化されてきている。
【0003】
前記巻回形の構造を採る固体電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔との接触を避けるためにセパレータを介在させることが必須であり、このセパレータとしては、従来の電解液を電解質とする電解コンデンサに用いられているマニラ麻やクラフト紙からなるいわゆる電解紙を用いてコンデンサ素子を巻回した後に加熱方法等によりこの電解紙を炭化処理したもの(以下、炭化紙と称す)や、ガラス繊維不織布、乾式メルトブロー法による樹脂を主成分とする不織布などが用いられている。
【0004】
また、合成繊維を主体とした不織布を用い、この合成繊維がビニロン(ポリビニルアルコールを基材とした樹脂)繊維またはビニロン繊維と他の繊維を混合した混合不織布をセパレータに用いることにより、固体電解質層を形成するときの酸化剤との反応を抑制し、均一な固体電解質層を得ることができるということが提案されている。
【0005】
さらには、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂の不織布をセパレータに用い、固体電解質層との密着性・接着性を良くしてインピーダンス特性等に優れたものが得られるという提案もある。
【0006】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1,2が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−340829号公報
【特許文献2】
特開2001−155967号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記巻回形の固体電解コンデンサにおいて、炭化紙をセパレータとして用いたものは、電解紙を炭化させるには250℃を超える加熱が必要で、この加熱により誘電体酸化皮膜が損傷して漏れ電流が大きくなり、たとえエージングで修復したとしてもショート発生率が高くなるという問題を有している。
【0009】
また、この加熱により固体電解コンデンサの引き出しリード線のメッキ層(例えばスズ/鉛層)が酸化を受け、通常のメッキ線では完成後の製品のリード線部の半田濡れ性が著しく低下するため、耐酸化性の強い高価な銀メッキリード線を使用しなければならないなどの課題を有している。
【0010】
また、ガラス繊維不織布を用いたものは、裁断や巻回の際に針状ガラス繊維が周囲に飛散することによる作業環境上の問題が大きく、また巻回に伴う屈曲時の強度も脆く、製品がショートしやすいという欠点を有している。
【0011】
また、乾式メルトブロー法による樹脂を主成分とする不織布やビニロン繊維からなる不織布またはビニロン繊維と他の樹脂との混合不織布は、引っ張り強度が電解紙と比較して弱いためにコンデンサ素子の巻き取り時にセパレータ切れが発生しやすく、エージング中のショート発生率が高い上、繊維どうしを接着してショート化する際に用いられる接着剤成分の影響により導電性高分子をセパレータに保持させ難く、高周波領域でのESRの低い固体電解コンデンサを製造することが困難であるという課題があった。
【0012】
また、ビニロン繊維は耐熱性に乏しいため、高温での固体電解コンデンサの使用や、半田付け時の高温リフロー処理時に分解し易く、ガスが発生して内圧上昇することにより封口部が損傷しやすくなることや固体電解コンデンサの電気特性を損ねやすいなどの欠点を有している。
【0013】
さらに、ポリエステル樹脂の不織布は、樹脂の融点が比較的高い(240〜260℃)ために、コンデンサをプリント基板に半田付け実装する際のリフロー炉内におけるコンデンサ天面部の温度を260℃以下に制御すれば問題は少ないが、260℃を超える温度(樹脂の融点を超える温度)における半田付け実装条件下においては、ポリエステル樹脂が熱収縮して繊維を切断してESRが増大するという課題を有している。
【0014】
一方、固体電解質に用いられる導電性高分子としては、エチレンジオキシチオフェンを最適な酸化剤により化学酸化重合して形成するポリエチレンジオキシチオフェンやポリピロールが知られているが、炭化紙やガラス繊維不織布、ポリプロピレンからなる湿式法により得られた不織布に、これらの導電性高分子を保持させることは困難であり、熱ストレス等により生じる樹脂収縮による繊維の切断、陽極箔と陰極箔のショート、導電性高分子との剥離などによりESRが増加したり、容量の引き出し率が低下したりするので、電解液を電解質とした場合のコンデンサに比べて容量当たりのサイズが大きくなるという課題を有している。
【0015】
本発明はこのような従来の課題を解決し、半田耐熱性に優れる低ESRの固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と少なくともエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とする不織布セパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に固体電解質を設けた固体電解コンデンサにおいて、前記不織布セパレータが芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する構成としたものであり、この構成により、ポリピロール、およびポリエチレンジオキシチオフェンといった化学重合性導電性高分子からなる固体電解質と、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータとの密着性・接着性が極めて良く、高周波領域でのESRをより低くすることができるという作用を有する。
【0017】
また、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータは、その他の合成樹脂材料より作製した不織布と異なり、シート化の際に繊維どうしを接着するための接着剤を用いることなく熱接着法や機械的交絡法によりシート化することができる上、その融点も高いので、260℃を超える温度(芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の融点を超えない範囲)における半田付け実装条件下においても、樹脂の熱収縮による繊維の切断やESRの増大が生じにくく、半田耐熱性に優れた低ESRな固体電解コンデンサを得ることができる。
【0018】
とりわけ、スパンボンド法により得られた芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータは、同じ乾式法である乾式メルトブロー法により作製した不織布セパレータと比較して1本の繊維長が長く、引っ張り強度が強いため、同じ厚み、同じ秤量で比較した場合、コンデンサ素子の巻回時によるセパレータ切れの頻度が少なくなり、ショート発生率も低減するので好ましい。
【0019】
請求項2に記載の発明は、不織布セパレータの厚みが80μm以下で、かつ秤量を10〜60g/mの範囲とする構成としたものであり、この構成により、コンデンサ素子の巻回時に不織布セパレータ切れに耐えるだけの引っ張り強度が確保できるので、直径の小さいコンデンサ素子でも単位体積当たりの容量が大きく、かつ陽極箔と陰極箔との間の抵抗が小さくなり高周波領域でのESRの低い固体電解コンデンサを得ることができるという作用を有する。
【0020】
なお、不織布セパレータの秤量が10g/m未満では巻回時の不織布セパレータ切れが多発するので好ましくなく、秤量が60g/mを超えると高周波領域のESRが高くなるので好ましくない。
【0021】
請求項3に記載の発明は、固体電解質がポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロールおよび/またはその誘導体、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートおよび/またはその誘導体の少なくとも1種を含有する構成とするものであり、この構成により、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの不織布セパレータと密着性・接着性が極めて強いため、容量引き出し率が高くなり、また、高周波領域でのESRをより低減することができるという作用を有する。
【0022】
請求項4に記載の発明は、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を複素環式モノマーおよび/またはその誘導体を含有する溶液とスルホン酸類を含有する酸化剤溶液に個々に含浸または複素環式モノマーおよび/またはその誘導体とスルホン酸類を含有した酸化剤とを混合した混合溶液に含浸することにより化学重合性導電性高分子からなる固体電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成するようにした製造方法とするものであり、この方法によれば、高周波領域のESRの低い大容量の固体電解コンデンサを容易にかつ安定して製造することができるという作用を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施の形態による固体電解コンデンサの構成を示した部分断面斜視図である。同図に示すようにエッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔1と、アルミニウム箔を少なくともエッチング処理した陰極箔2とを芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータ3を介して巻き取ることによりコンデンサ素子10を作製し、このコンデンサ素子10の陽極箔1と陰極箔2との間に固体電解質4を形成してコンデンサ素子10が構成されている。
【0025】
このコンデンサ素子10を有底円筒状のアルミニウムケース8に収納すると共に、アルミニウムケース8の開口部をゴム製の封口材7により陽極箔1および陰極箔2のそれぞれから導出した外部導出用の陽極リード5と陰極リード6を封口材7を貫通するように封止して構成したものである。
【0026】
この構成により、半田耐熱性に優れる低ESRな固体電解コンデンサを得ることができるものである。
【0027】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0028】
(実施例1)
エッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜(化成電圧30V)を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔とを、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンを原料として得られたポリイミド樹脂を原料にスパンボンド法により得られた不織布セパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を得た(このコンデンサ素子にアジピン酸アンモニウムの10重量%エチレングリコール溶液を含浸させた際の周波数120Hzにおける静電容量は250μFであった)。
【0029】
続いて、このコンデンサ素子を複素環式モノマーであるエチレンジオキシチオフェン1部と酸化剤であるp−トルエンスルホン酸第二鉄2部と重合溶剤であるn−ブタノール4部を含む溶液に浸漬して引き上げた後、85℃で60分間放置することにより化学重合性導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンの固体電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成した。
【0030】
続いて、このコンデンサ素子を水洗して乾燥した後、樹脂加硫ブチルゴム封口材(ブチルゴムポリマー30部、カーボン20部、無機充填剤50部から構成、封口体硬度:70IRHD[国際ゴム硬さ単位])と共に有底筒状のアルミニウムケースに封入した後、カーリング処理により開口部を封止し、更に陽極箔、陰極箔から夫々導出された両リード端子をポリフェニレンサルファイド製の絶縁座板に通し、リード線部を扁平に折り曲げ加工することにより面実装型の固体電解コンデンサを作製した(サイズ:直径10mm×高さ8mm)。
【0031】
(実施例2)
前記実施例1において、ポリエチレンジオキシチオフェンの固体電解質を形成する前に、バインダー成分を含むポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸1.0%とスルホン化ポリアニリン1.0%の水−アルコール混合溶液中にコンデンサ素子を浸漬して引き上げた後、150℃で5分間乾燥処理を行い、誘電体酸化皮膜上と陰極箔上ならびに不織布セパレータ上にポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートの層を形成した以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0032】
(実施例3)
前記実施例1において、固体電解質であるポリエチレンジオキシチオフェンの代わりに、TCNQを200℃以上の温度で溶融含浸した後、室温に冷却することで固体電解質となるTCNQ導電層をコンデンサ素子に形成した以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0033】
(実施例4)
前記実施例1において、複素環式モノマーにピロール1部、酸化剤に過硫酸アンモニウム2部、重合溶剤にメタノール1部と水3部との混合溶剤を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0034】
(実施例5)
前記実施例1において、不織布セパレータにポリイミド樹脂(ピロメリット酸二無水物とオキサジアニリンとの重合物、重量百分率で20%)とポリエチレンテレフタレート(重量百分率で80%)の混合樹脂のスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0035】
(実施例6)
前記実施例1において、不織布セパレータにポリイミド樹脂(ピロメリット酸二無水物とオキサジアニリンとの重合物)の湿式法により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0036】
(実施例7)
前記実施例1において、不織布セパレータにポリイミド樹脂(ベンゾフェノンテトラカルボン酸とベンゾフェノンジアミンとの重合物、重量百分率で80%)とポリアミドイミド樹脂(ジイソシアネートと無水トリメリット酸との重合物、重合百分率で10%)とマニラ麻繊維(重量百分率で5%)とクラフト繊維(重量百分率で4%)とビニロン繊維(重量百分率で1%)を用いて湿式法により得られた混抄不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0037】
(実施例8)
前記実施例1において、不織布セパレータに芳香族ポリアミド樹脂(ポリパラフェニレンテレフタラミド)により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0038】
(実施例9)
前記実施例1において、不織布セパレータに芳香族ポリアミド樹脂(コポリパラフェニレン−3,4−オキシジフェニレンテレフタラミド、商品名:テクノーラ)により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量24g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0039】
(実施例10)
前記実施例1において、不織布セパレータに芳香族ポリアミド樹脂(ポリメタフェニレンイソフタラミド、商品名:コーネックス)により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量22g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0040】
(比較例1)
前記実施例1において、ポリイミド樹脂の不織布セパレータの代わりに、ガラス繊維不織布(厚み80μm、秤量10g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0041】
(比較例2)
前記実施例1において、ポリイミド樹脂の不織布セパレータの代わりに、ポリプロピレンからなるメルトブロー不織布(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0042】
(比較例3)
前記実施例1において、陽極箔と陰極箔との間にマニラ麻からなる電解紙(厚さ45μm)を介在させて巻回し、このコンデンサ素子を窒素雰囲気中、275℃で2時間加熱することで陽極箔と陰極箔の間に介在する電解紙を炭化させてコンデンサ素子を構成した以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0043】
(比較例4)
前記実施例1において、ポリイミド樹脂の不織布セパレータの代わりに、ビニロン樹脂とナイロン樹脂(芳香族でないポリアミド樹脂)を主体とする湿式法により得られた不織布(厚さ50μm、秤量25g/m)からなるセパレータを用いた以外は前記実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0044】
以上のように作製した実施例1〜10と比較例1〜4の固体電解コンデンサについて、その静電容量(測定周波数120Hz)、ESR(測定周波数100kHz)、漏れ電流(定格電圧16V印加後2分値)、エージング処理中のショート発生(不良)数およびリフロー処理(ピーク温度265℃、200℃以上に曝される時間70秒の条件)を行った後のESR(測定周波数100kHz)を比較した結果を(表1)に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004153217
【0046】
なお、試験個数はいずれも50個であり、静電容量、ESR、漏れ電流およびリフロー処理を行った後の静電容量は、ショート品を除いたサンプルについての平均値で示した。
【0047】
(表1)より明らかなように、実施例1〜10の固体電解コンデンサは、セパレータに芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布を用いているので、固体電解質とこれらのセパレータとの密着性・接着性が極めて良いため、比較例1〜4で示したセパレータ材質(比較例1ではガラス繊維不織布、比較例2ではポリプロピレンのメルトブロー不織布、比較例3では炭化電解紙、比較例4ではビニロン樹脂と芳香族でないポリアミド樹脂であるナイロンを主体とする湿式不織布)を使用した場合と比較して高周波領域でのESRをより低くすることができる。
【0048】
また、固体電解質であるポリエチレンジオキシチオフェンなどをこれらのセパレータ上に強く密着・接着させることができるので、リフロー処理後のESRの変化も少なく、面実装型の固体電解コンデンサとして信頼性も高い。
【0049】
さらには、比較例1〜4のセパレータを用いた固体電解コンデンサでは、セパレータの強度不足に起因する陽極箔と陰極箔との接触によるエージング処理中のショート発生率が高い。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明の固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と少なくともエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とする不織布セパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に固体電解質を設けた固体電解コンデンサにおいて、前記不織布セパレータが芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する構成とすることにより、ポリピロール、およびポリエチレンジオキシチオフェンといった化学重合性導電性高分子からなる固体電解質と、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータとの密着性・接着性が極めて良く、高周波領域でのESRをより低くすることができる。
【0051】
また、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータは、その他の合成樹脂材料より作製した不織布と異なり、シート化の際に繊維どうしを接着するための接着剤を用いることなく熱接着法や機械的交絡法によりシート化することができる上、その融点も高いので、260℃を超える温度(芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の融点を超えない範囲)における半田付け実装条件下やエージング処理においても、樹脂の熱収縮による繊維の切断やESRの増大が生じにくく、半田耐熱性に優れた低ESRな固体電解コンデンサを得ることができるものであり、その工業的価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による固体電解コンデンサの構成を示す部分断面斜視図
【符号の説明】
1 陽極箔
2 陰極箔
3 不織布セパレータ
4 固体電解質
5 陽極リード
6 陰極リード
7 封口材
8 アルミニウムケース
9 絶縁座板
10 コンデンサ素子

Claims (4)

  1. 誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と少なくともエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とする不織布セパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に固体電解質を設けた固体電解コンデンサにおいて、前記不織布セパレータが芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有するものである固体電解コンデンサ。
  2. 不織布セパレータの厚みが80μm以下で、かつ秤量が10〜60g/mの範囲である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 固体電解質がポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロールおよび/またはその誘導体、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートおよび/またはその誘導体の少なくとも1種を含有するものである請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含有する不織布セパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を複素環式モノマーおよび/またはその誘導体を含有する溶液とスルホン酸類を含有する酸化剤溶液に個々に含浸または複素環式モノマーおよび/またはその誘導体とスルホン酸類を含有した酸化剤とを混合した混合溶液に含浸することにより化学重合性導電性高分子からなる固体電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成するようにした固体電解コンデンサの製造方法。
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