JP2004151833A - 書類確認方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】状態検出部18により、正規の書類12(原本)に用いられている紙の状態として、表面の状態や厚さムラの状態を検出し、検出した紙の状態を示す状態情報をメモリ20に予め登録しておく。紙の表面の状態は、書類12の非画像記録部分に光を照射しその反射光を検出し、紙の厚さムラの状態は、書類12の非画像記録部分に光を照射しその透過光を検出することで観測する。確認対象の書類12についても、同様に、状態検出部18により、当該確認対象の書類12に用いられている紙の状態を検出し、その結果得られた状態情報を、確認処理部22により予め登録した原本の状態情報と比較し、両者の類似度に応じて、当該確認対象の書類12が原本であるか否かを判定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、書類確認方法及び装置に係わり、特に、書類の原本性を確認するための書類確認方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有価証券、各種の権利書、保険証書、住民票、出生証明書、保証書、旅券、銀行券、機密文書等の紙文書や、IDカード等といった書類は、偽造防止のために、確実に原本性を確認ができ、且つ偽造できない特殊な処置を施す必要がある。
【0003】
このため、従来より、透かし、磁気印刷、マイクロ文字、特殊インクによる印刷などにより、発行者が原本であることを示す情報を書類に付加したり(特殊印刷)、一般には入手不可能な特殊紙に印刷することで、偽造を防止していた(特許文献1〜7参照)。
【0004】
また、用紙に特殊な印刷を施しておき、複写機等により紙の書類の複製を作ると、紙の地肌が浮き出て、複写されたものであり原本ではないと判断可能にする技術もある(特許文献8参照)。
【0005】
ところで、高度に情報化された社会においては、数々の有価証券や証明書類に含まれる内容が電子化され、それらをプリントアウトして利用する場面が想定される。そのため、一般利用者がネットワークを通じて有価証券や証明書類の情報を手に入れ、それを自宅のプリンタで印刷して、その印刷物を有価証券や証明書類に用いる場面が増えてくることが想定される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−083274号公報
【特許文献2】
特開2002−146254号公報
【特許文献3】
特開平6−008678号公報
【特許文献4】
特開平6−141135号公報
【特許文献5】
特開平8−241451号公報
【特許文献6】
特開平11−261806号公報
【特許文献7】
特開2000−222615号公報
【特許文献8】
特開平10−071791号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の偽造防止技術は、特殊印刷には高度な技術が必要であり、また特殊紙は一般に入手不可能である必要があるため、一般利用者が発行者となるような書類には向かないという問題があった。また、特殊印刷や特殊紙は高コストとなり、一般利用者以外の有価証券や証明書類などの発行元においても、より低コスト化が求められている。さらに、近年の複写技術の向上により、従来の偽造防止技術では、原本と見分けのつかない有価証券や証明書類を複製することも可能となってきているという問題もあった。
【0008】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、偽造防止効果の向上を図ると共に、容易に実現可能な書類確認方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、書類の原本性を確認するための書類確認方法であって、予め、原本となる書類から当該書類の表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方の状態を検出し、該検出した状態を示す第1の状態情報を記憶しておき、確認対象の書類から当該書類の表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方の状態を検出し、該検出した状態を示す第2の状態情報と予め記憶しておいた前記第1の状態情報とを比較し、該比較結果に基づいて、前記確認対象の書類が原本であるか否かを判別する、ことを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、予め、原本となる書類から、表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方の状態を検出して、第1の状態情報として記憶しておく。なお、この第1の状態情報は、メモリなどの記憶装置に記憶してもよいし、原本となる書類自体に印刷により記憶してもよい。
【0011】
書類が原本であるか否かを確認する際には、当該確認対象の書類から、原本と同様に状態を検出し、この検出した状態を示す第2の特徴情報を、第1の特徴情報と比較する。すなわち確認対象の書類の表面状態や厚さムラ状態を予め登録しておいた原本の表面状態や厚さムラ状態と比較することで、例えば両者の類似度などによって、当該確認対象の書類が原本であるか否かを判別する。
【0012】
表面状態や厚さムラ状態は、書類に用いられている紙などの媒体の製作工程でできる唯一無二の状態であるため、この状態の特徴を利用することで、各書類を個別に識別することができ、原本か否かの確認が容易である。したがって、偽造防止効果の向上することができる。また、従来技術のように、特殊印刷や特殊紙などが不要であるため、容易に実現可能である。
【0013】
なお、書類は、印刷により画像が記録された印刷物であってもよいし、手書き書類でもよい。
【0014】
なお、上記の書類確認方法においては、前記表面状態は、前記書類に光を照射し、該書類からの反射光を受光することで容易に検出可能である。この場合、前記書類に近紫外線光を照射することが好ましい。また、厚さムラ状態は、前記書類に光を照射し、該書類からの透過光を受光することで容易に検出可能である。この場合、前記書類に近赤外線光を照射することが好ましい。
【0015】
また、上記の書類確認方法においては、予め定められた所定の非画像記録部分から前記状態を検出することが好ましい。
【0016】
ここで、原本となる書類と確認対象の書類とで、状態を検出する位置(領域)を合わせることが求められるが、両者を完全に一致させることは難しい。このため、上記の書類確認方法においては、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報の何れか一方を検出した領域が他方を検出した領域に含まれ、前記一方の状態情報と、前記他方の状態情報における前記一方を検出した領域と同一サイズの領域内の情報との類似度を、前記他方の状態情報において前記同一サイズの領域を移動しながら複数回求め、前記類似度の最大値が予め定められた所定値以上の場合に、前記確認対象の書類は原本であると判定するようにするとよい。
【0017】
また、上記の書類確認方法においては、確認精度の向上のためには、前記原本となる書類から複数の前記第1の状態情報を取得し、複数の前記第1の状態情報の各々と対応して、前記確認対象の書類から複数の前記第2の状態情報を取得し、複数の前記第2の状態情報の各々を対応する複数の前記第1の状態情報と比較し、前記判定を複数回行い、前記複数回の判定結果に基づいて、前記確認対象の書類が原本であるか否かを最終判定するとよい。
【0018】
また、上記の書類確認方法においては、前記原本となる書類から、当該書類を識別するための識別情報を取得し、前記第1の状態情報を該原本となる書類から取得した前記識別情報と対応付けて記憶しておき、前記確認対象の書類から前記識別情報を取得し、該確認対象の書類から取得した前記識別情報と一致する識別情報と対応付けられた前記第1の状態情報と前記第2の状態情報を比較するとよい。この場合の識別情報は、例えば、文字印刷、バーコード印刷、及び電子透かしによる画像への埋め込みなどによって前記原本となる書類に予め付加しておいてもよいし、前記書類の少なくとも一部の所定領域に記録されている文字を読取り、該読取った文字をハッシュ関数を用いてハッシュ値に変換し、該ハッシュ値を当該書類の識別情報として用いることもできる。
【0019】
上記の書類確認方法は、以下の如く構成された書類確認装置により容易に実現可能である。すなわち、請求項10に記載されているように、書類の原本性を確認するための書類確認装置であって、書類から当該書類の表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方の状態を検出する状態検出手段と、前記状態検出手段により原本となる書類から検出した前記状態を示す第1の状態情報を記憶する記憶手段と、前記状態検出手段により確認対象の書類から検出した前記状態を示す第2の状態情報と、前記記憶手段により記憶された前記第1の状態情報とを比較すると共に、当該比較結果に基づいて、当該確認対象の書類が原本であるか否かを判別する判別手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
なお、上記の書類確認装置においては、前記状態検出手段は、前記書類に対して光を照射するための光源と、前記光源により前記書類に照射された光の当該書類からの反射光又は透過光を受光する受光手段と、を備えるとよい。この場合、効率良く表面状態を検出するためには、前記光源が、近紫外線光を照射し、前記受光手段が、前記反射光を受光するとし、効率良く厚さムラ状態を検出するためには、前記光源が、近赤外線光を照射することが好ましい。また、光源による照射ムラの影響を低減するために、前記状態検出手段は、前記書類へ照射される光を拡散する拡散手段を更に備えるとよい。或いは、前記光源に、エレクトロルミネッセンス素子を用いるとよい。また、前記状態検出手段は、書類の予め定められた所定の非画像記録部分から前記状態を検出することが好ましい。
【0021】
また、上記の書類確認装置においては、前記判別手段は、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報の何れか一方を検出した領域が他方を検出した領域に含まれるように成形し、前記一方の状態情報と、前記他方の状態情報における前記一方を検出した領域と同一サイズの領域内の情報との類似度を、前記他方の状態情報において前記同一サイズの領域を移動しながら複数回求め、前記類似度の最大値が予め定められた所定値以上の場合に、前記確認対象の書類は原本であると判定することが好ましい。
【0022】
また、上記の書類確認装置においては、前記状態検出手段は、前記書類から複数回の前記状態を検出し、前記判別手段は、前記複数回の状態検出により得られた複数の前記第2の状態情報の各々を対応する複数の前記第1の状態情報と比較し、前記判定を複数回行い、前記複数回の判定結果に基づいて、前記確認対象の書類が原本であるか否かを最終判定することが好ましい。
【0023】
また、上記の書類確認装置においては、前記書類から、当該書類を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段を更に備え、前記記憶手段は、前記第1の状態情報を前記識別情報取得手段により前記原本となる書類から取得した前記識別情報と対応付けて記憶し、前記判別手段は、前記識別情報取得手段により前記確認対象の書類から取得した前記識別情報と一致する識別情報と対応付けられた前記第1の状態情報と前記第2の状態情報を比較するとよい。この場合、前記識別情報取得手段は、文字印刷、バーコード印刷、及び電子透かしによる画像への埋め込みの少なくとも1つにより前記書類に予め付加されている前記識別情報を読取るようにしてもよいし、前記書類の少なくとも一部の所定領域に記録されている文字を読取り、該読取った文字をハッシュ関数を用いてハッシュ値に変換し、該ハッシュ値を当該書類の識別情報としてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。
【0025】
図1に、本発明が適用された書類確認装置の基本構成を示す。図1に示す書類確認装置10は、書類12から画像を読み取る画像読取部14と、識別情報取得手段として、画像読取部14による読取結果から当該書類12に予め記録されている識別情報を抽出する識別情報抽出部16と、状態検出手段として、書類12に用いられている紙の状態を検出する状態検出部18と、状態検出部18により検出された状態を表す状態情報を記憶するためのメモリ20と、判別手段として、書類12の状態に基づいて当該書類12の真偽(原本/非原本)を確認する確認処理部22と、を備えて構成されている。これらの各部は、一つの装置に搭載してもよいし、少なくとも1つを物理的に異なる装置として構成し、ケーブルなどの接続手段を介して接続して用いる形態であってもよい。
【0026】
なお、書類12は、プリンタや複写機といった印刷装置で印刷された印刷物でもよいし、手書き書類でもよい。また、書類12には、当該書類12を識別するために唯一無二の識別情報が予め記録されている。以下では、一例として、書類12の画像記録面の所定位置に、識別情報となるID番号が予め印刷されている場合を例に説明する。このID番号は、例えば、10進数にして3桁から20桁程度のものであり、このID番号は利用する紙に対して順番に割り振ってもよいし、ランダムに割り振ってもよい。何れにしろ、同一のID番号が発生しないようにすればよい。
【0027】
この識別情報の記録方法については、図2に示すように、例えば、書類12の画像記録面の所定位置に識別情報の記入領域30を設け、該記入領域30内に当該識別情報を示す符号を印字、或いはスタンプ、或いは手書きにより記入してもよいし、バーコード領域32を設け、該バーコード領域32内に当該識別情報をバーコード化して印刷してもよい。また、印章34などの画像中に電子透かし技術(例えば、特願2002−244312号公報参照)を用いて識別情報を埋め込んでもよい。特に、電子透かし技術により識別情報を埋め込む場合は、当該書類12に本書類確認装置10により原本性を確認するための仕組みが組み込まれていることを利用者に隠すことができ、利用者に違和感を与えないという利点があり、また、偽造された書類を容易に発見でき、偽造防止効果もある。また、人間には視認できないように、赤外線吸収材料又は紫外線吸収材料を含むインクやトナーなどの画像形成材料を用いて、書類12に識別情報を印刷しても同様の効果がある。
【0028】
画像読取部14には、PCの周辺装置として一般に利用される画像読取装置(所謂スキャナー)を利用することができ、具体的には、書類12に光を照射し、その反射光を検出することで、当該書類12に記録されている画像を読み取る。なお、一般に、書類から画像を読み取る際に、書類紙面に対して垂直に光を照射すると、その直接反射光により書類にテカリが生じるため、画像読取部14においては、このテカリ防止のために、書類紙面に対して傾きを設けた角度(すなわち入射角≠0)で光を照射することが好ましい。画像読取部14では、読み取った画像を表す画像データが取得される。この画像データは、必要に応じて、PC(パーソナルコンピュータ)などの電子情報機器へ送信して、当該書類画像の電子ファイリングやOCR(Optical Character Recognition)アルゴリズムにかけられ文字情報として利用することができる。この画像読取部14は、識別情報抽出部16と接続されている。
【0029】
識別情報抽出部16は、画像読取部14により取得された画像データから識別情報を抽出する。例えば、図2に示したように、書類12の所定位置に記入領域30が設けられ、当該記入領域30に識別情報を示す符号が印字、スタンプ、或いは手書きにより記入されている場合には、画像読取部14により取得された画像データの当該記入領域30に相当する部分からOCRにより文字情報を読取ることで、識別情報を抽出することができる。また、書類12の所定位置にバーコード領域32が設けられ、当該バーコード領域32に識別情報を示すバーコードが印刷されている場合には、画像読取部14により取得された画像データの当該バーコード領域32に相当する部分からバーコードを読取ってデコードすることで、識別情報を抽出することができる。また、例えば、書類12の印章34部分などに電子透かし技術により識別情報が埋め込まれている場合には、画像読取部14により取得された画像データの印章34部分のデータを解析することで、識別情報を抽出することができる。
【0030】
状態検出部18は、書類12に用いられている紙の表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方を検出するものである。表面状態としては、当該書類12に用いられている紙を製作する際にできた当該紙表面の凹凸、繊維の太さ、繊維の質(キズ)、透明度などが挙げられる。このような表面状態や厚さムラ状態は、紙の製造工程でパルプを漉く際の繊維の重なり具合や、漉きに用いるパルプけん濁液の濃度ムラ等によりできるため、唯一無二の状態であり、これらの状態は現在の複写技術をもってしても再生不能である。
【0031】
紙の表面状態は、書類12の非画像記録部分に光を照射し、その反射光を検出することで観測することができる。効率良く表面状態を検出するためには、表面の凹凸などが陰となって現れるように、書類12の紙面に対して斜めに光を照射し、当該書類12の紙面に対して略垂直方向に反射された光を検出することが好ましく、書類12に対する照射光は画像読取部14の照射光よりも大きな傾き(入射角が大)となる。なお、表面に付着したゴミやキズを検出するために、従来より暗視野照明が利用されており、紙の表面状態の検出も暗視野照明下で行ってもよい。
【0032】
また、紙の厚さムラ状態は、書類12の非画像記録部分に光を照射し、その透過光を検出することで観測することができる。この場合、書類12の紙面に対して略垂直に光を照射し、書類12の紙内を略直進して透過した光を検出すればよい。
【0033】
なお、状態検出のために光を照射する書類12の部分(検出領域)は、画像記録部分でもよいが、画像記録部分からの反射光や透過光には画像の情報も含まれるため、非画像記録部分が好ましい。
【0034】
識別情報抽出部16及び状態検出部18の各々は、メモリ20と接続されており、メモリ20には、第1の状態情報として、原本となる書類12から検出された状態を示す状態情報が当該書類12から抽出された識別情報と対応付けられて記憶されるようになっている。なお、本実施の形態では、状態検出部18が記憶手段としての機能を担っている。
【0035】
したがって、メモリ20には、原本の書類12の状態情報が、書類12と一意に対応付けられて記憶される。本発明は、この状態情報と識別情報との対応付け方法について、特に限定するものではないが、例えば、状態情報と識別情報との対応関係を示すテーブルによって行ってもよいし、状態情報のデータ名の少なくとも一部に識別情報を用いるようにしてもよい。
【0036】
また、識別情報抽出部16及び状態検出部18の各々は、確認処理部22とも接続されており、確認処理部22には、第2の状態情報として、原本であるか否かを確認する確認対象の書類12から検出された状態を示す状態情報と、当該書類12から抽出された識別情報とが入力されるようになっている。
【0037】
確認処理部22は、メモリ20とも接続されており、メモリ20の登録情報を任意に読出し可能となっている。確認処理部22は、識別情報抽出部16及び状態検出部18からの情報入力を受けて、入力された識別情報と対応付けられてメモリ20に記憶されている状態情報を読出し、入力された状態情報を読み出した状態情報と比較し、その類似度に応じて、書類12が原本であるか否か、すなわち書類12の真偽を判定する。
【0038】
次に、図3〜図6を参照して、PCの周辺装置として一般に利用される画像読取装置(所謂スキャナー)に状態検出部18を搭載した例を具体的に説明する。すなわち、この画像読取装置には、少なくとも、上述した画像読取部14と状態検出部18が搭載されている。なお、識別情報抽出部16、メモリ20、確認処理部22については、これら各部の機能を有するマイコンや回路を画像読取装置40に搭載してもよいし、当該画像読取装置40が接続されたPCに所定のプログラムを実行することで構築されるようにしてもよい。
【0039】
図3に示すように、この画像読取装置40は、本体の筐体42にプラテンカバー44が開閉可能(矢印A参照)に取り付けられて構成されている。筐体42の上面には、プラテンガラス46が設けられており、プラテンガラス46の下方の筐体42内には、所定方向(矢印B方向)に移動しながら書類12から画像を読取るためのキャリッジ48が設けられている。すなわち、画像読取装置40では、図4に示すように、読取対象の書類12が画像記録面をプラテンガラス46に接するように当該プラテンガラス46上に載置された上で、プラテンカバー44を閉じられ、プラテンガラス46及びプラテンカバー44により書類12を挟持した状態で、画像の読取を行うようになっている。
【0040】
キャリッジ48は、図4、図5に示すように、その筐体の内部に、画像読取部14としての機能を担う画像読取り用の光源50及びラインイメージセンサ52を備えている。
【0041】
キャリッジ48の筐体は、外光を遮断するために、遮光性を有する樹脂や金属材料により形成されており、その内側の面も不要な光の反射(迷光)を防ぐために黒色とされている。また、キャリッジ48の筐体の上面には、光源50によりプラテンガラス46上に載置された書類12に対して光を照射し、且つ書類12の照射位置Pからの光源50による照射光の反射光を取り込むために、当該キャリッジの移動方向(矢印B参照)と直交する方向を長軸とした矩形の開口48Aが設けられている。なお、前述したように、テカリ防止のためには書類12の紙面に対して傾きを有して光を照射することが好ましく、光源50による書類12への光の照射方向がプラテンガラス46の面に対して斜めになるように設計されている。
【0042】
光源50は、長管状の蛍光灯であり、書類12を直線状に照らすために、形状や電力消費の面で適している。なお、光源50としては、蛍光灯以外に、LED(発光ダイオード)をライン状に配置したLEDアレイ、ライン状フィラメントの白熱電球などを用いることができる。この光源50の書類12への光の照射方向(すなわち開口48A方向)を除く周囲には、例えばアルミやステンレス製の反射板54が配設されている。したがって、光源50の出力光のうち、開口48A方向へ進行する光については、開口48Aを通りプラテンガラス46を透過して、プラテンガラス46上に載置された書類12、より詳しくは画像記録面上の照射位置Pに照射される。開口48A方向以外の方向へ進行する光については、反射板54により反射されて、開口48A方向へ偏向されて、開口48Aを通りプラテンガラス46を透過して、プラテンガラス46上に載置された書類12、より詳しくは画像記録面上の照射位置Pに照射される。このように反射板54を設けたことにより、光源50の出力光を効率良く書類12の照射位置Pに照射することができる。
【0043】
また、この反射板54の外面は、キャリッジ48の筐体内での不要な反射(迷光)を防ぐために、黒色塗料により塗装されている。なお、樹脂製の反射板54を用いる場合には、内面をメッキ処理などにより鏡面に仕上げ、外面を黒色に塗装、或いは樹脂自体が黒色で遮光性を有するものを用いればよい。
【0044】
光源50の出力され、プラテンガラス46上の書類12へ照射された照射光は、当該書類12により反射される。そして、書類12に対して垂直方向に反射された反射光が、再びプラテンガラス46を透過し、開口48Aを通ってキャリッジ48の筐体内に取り込まれる。
【0045】
キャリッジ48の筐体内には、この筐体内に取り込まれた光の進行方向に、複数のミラー56及びレンズ58が配設されている。光源50の出力され、書類12に照射された照射光の書類12からの反射光は、キャリッジ48の筐体内に取り込まれると、複数のミラー56により反射されてラインイメージセンサ52へと案内されると共に、レンズ58によりラインイメージセンサ52の受光面上に結像される。すなわち、ラインイメージセンサ52の受光面には、書類12の照射位置Pのライン画像が結像される。
【0046】
ラインイメージセンサ52は、ライン状にCCDを配列されたラインCCDセンサを用いることができ、受光面上に結像された光を受光し、受光量に応じた電気信号に変換するものである。この電気信号を図示しないキャリッジ48の筐体内の信号処理回路によりデジタル信号に変換することで、書類12の照射位置Pに記録されているライン画像を示す画像データを取得することができる。すなわち、ラインイメージセンサ52では、書類12からライン画像を読取ることができ、キャリッジ48の矢印B方向への移動により、書類12上における画像の読取り位置(ライン)が移動することで、当該書類12全体の画像を読取ることができる。
【0047】
また、キャリッジ48の筐体の内部には、書類12に用いられている紙の表面状態を検出するために、光源60及びラインイメージセンサ62が設けられている。この光源60及びラインイメージセンサ62が、表面状態を検出する場合の状態検出部18としての機能を担う。
【0048】
光源60は、書類12上における状態情報を検出するための所定の検出領域を照射可能な位置に設置されている。具体的に、本例では、図2に示す書類12を用いる場合について説明する。詳しくは、図2に示す書類12は、証明書であり、画像記録面には、照明書としての内容が印刷されている。また、この書類12の上下の余白部(非画像記録部)で左右方向中央部には、この書類12に用いられている紙の状態を検出するための検出領域36A、36B(以下、これらを区別しない場合は検出領域36)が設けられている。この書類12は、上下方向をキャリッジ48の移動方向(矢印B)と一致させて、プラテンガラス46上に載置され、プラテンカバー44が閉じられることで、画像読取装置40にセットされるようになっている。
【0049】
なお、本例では、説明の簡便化のため、プラテンガラス46と書類12とが同一サイズであり、プラテンガラス46の縁部に書類12の縁部を合わせるだけで、書類12の位置合わせが行われるようになっている。したがって、本例では、光源60は、キャリッジ48の移動方向(矢印B)と直交する方向の中央部に設けられている。
【0050】
なお、検出領域36は、紙の地肌が露出しており、印刷や記入がなされない領域であれば、書類12上での位置は特に限定されない。ただし、登録時と確認時とで、同一の位置の紙の状態を検出する必要があり、書類12上における検出領域36の位置の特定が容易であることが求められる。このため、実際には、本例のように、紙の上下端からの距離(例えば、数センチ)で位置を容易特定可能な書類12の上下の余白部に検出領域36を設けるのが適当である。なお、この他にも、検出領域36の位置特定用に、書類12に例えば丸型など所定のマーク38(図2参照)を付与しておくことも挙げられる。この場合、例えば、マーク38の重心から所定寸法の半径内にある領域を検出領域36としたり、このマーク38を2つ付与しておき、この2つのマーク38の中間の所定範囲の領域を検出領域としてもよいし、3つ以上付与しておけば、書類12の位置を特定可能であるため、任意の位置を検出領域とすることができる。このようなマーク38は、印刷により書類12に付与する他、書類12に孔、凸凹を形成することで付与することもできる。また、人間には視認できないように、赤外線吸収材料又は紫外線吸収材料を含むインクやトナーなどの画像形成材料を用いて、書類12にマーク38を印刷してもよい。
【0051】
また、検出領域36の位置は、ラインイメージセンサ62により取得する画像データにおけるレンズ58の収差の影響を考慮すると、本例のように、キャリッジ48の移動方向と直交する方向に対応する書類12の左右方向中央部が好ましい。また、検出領域36の大きさについても、前記収差の影響を考慮して、約10mm四方としている。
【0052】
また、光源60は、少なくともキャリッジ48の移動方向と直交する方向の検出領域36の長さ寸法だけ照射可能な大きさであればよく、単一のLED、面上或いは直線状に配列された複数個のLED、EL(エレクトロルミネッセンス)素子などを用いることができる。また、この光源60の書類12への光の照射方向(すなわち開口48A方向)を除く周囲には、光源50の反射板54と同様の反射板64が配設され、光源60の出力光は、効率良く開口48Aを通ってプラテンガラス46を透過して当該プラテンガラス上に載置された書類12、より詳しくは画像記録面の照射位置Pへ照射されるようになっている。なお、光源60による書類12への光の照射方向は、光源50による書類12への光の照射方向よりも更に傾きが大きくなるように設計されている。
【0053】
光源60から出力され、プラテンガラス46上の書類12へ照射された光は、当該書類12により反射される。そして、書類12に対して略垂直方向に反射された反射光が、再びプラテンガラス46を透過し、開口48Aを通ってキャリッジ48の筐体内に取り込まれる。前述複数のミラー56及びレンズ58は、この光源60から出力され、書類12に照射された照射光の当該書類12から反射光にも用いられ、ラインイメージセンサ62は、この反射光のレンズ58による結像位置に配設されている。すなわち、光源60により書類12に照射された照射光の書類12から反射光は、キャリッジ48の筐体内に取り込まれた後は、複数のミラー56により反射されてラインイメージセンサ62へと案内されると共に、レンズ58によりラインイメージセンサ62の受光面上に結像されるようになっている。
【0054】
ラインイメージセンサ62には、ライン状にCCDを配列されたラインCCDセンサを用いることができる。ラインイメージセンサ62は、受光面上に結像された光を受光し、受光量に応じた電気信号に変換する。これらの電気信号は、図示しないキャリッジ48の筐体内の信号処理回路によりデジタル信号に変換され、書類12の照射位置Pにおける表面状態を表すライン状の画像データが取得される。キャリッジ48の移動により、検出領域36内の面状の画像データを取得することができ、この面状の画像データが表面状態を表す状態情報として用いられる。本例では、400DPI(Dot Per Inch)の解像度で検出領域36から状態情報を取得するようになっており、128×128画素分の画像データが状態情報として取得される。
【0055】
ここで、表面状態を検出するための光源60の発光波長について説明する。
【0056】
光源60の発光波長は、近赤外領域(約950nm)〜近紫外領域(約370nm)の範囲内であればよい。特に、発光波長を可視領域内とすれば、表面状態の検出用の光源及びイメージセンサは、画像読取り用の光源50及びラインイメージセンサ52と共用でき、光源60及びラインイメージセンサ62は省略可能である。このように画像読取り用と表面状態の検出用とで、光源及びイメージセンサを共用する場合は、通常の画像読取時よりも低濃度側にダイナミックレンジを広げ、より多階調で画像の読取るようにすれば、書類12に印刷或いは手書きにより記録されている画像の情報は勿論のこと、紙の地肌部分の表面状態の情報をも含んだ状態の画像データを取得することができる。このようにして得られた画像データから検出領域36に対応する部分のみを切出し、これを表面状態を示す状態情報として用いれば、一度のスキャンで画像読取及び表面状態の検出が可能となる。
【0057】
また、一般に、発光波長が短いほど、書類12に用いられている紙内部への浸透が減り、表面での反射が増えることが知られている。したがって、可視領域内であれば、中心発光波長が青色領域(約470nm)のLEDを光源60に用いると、書類12に用いられている紙内部への光の浸透が少なくなり、表面状態をよりよく書類12からの反射光により捕らえることができるので好ましい。また、表面状態の検出のためには、中心発光波長が近紫外線領域のLEDを光源60に用いることがより好ましい。ただし、この場合は、ラインイメージセンサ52の感度波長領域が及ばない、レンズ58による結像面の位置がずれるなどのため、画像読取り用と表面状態の検出用とで、光源及びイメージセンサを共用することは困難である。したがって、本例のように、画像読取り用の光源50及びラインイメージセンサ52とは別に、必ず、表面状態の検出用の光源60とラインイメージセンサ62を設ける必要がある。
【0058】
また、画像読取装置40は、プラテンカバー44に、プラテンガラス46及びプラテンカバー44により書類12を挟持した際に、検出領域36A、36Bに対応する各々の位置に、厚さムラ状態を検出するための光源66A、66B(以下、これらを区別しない場合は、光源66と称す)が設けられている。したがって、プラテンガラス46上に載置された書類12の検出領域36には、光源66により裏面から光が照射される。また、キャリッジ48内には、厚さムラ状態を検出するためのラインイメージセンサ68が設けられている。すなわち光源66及びラインイメージセンサ68が厚さムラ状態を検出する場合の状態検出部18として機能する。
【0059】
光源66は、検出領域36を照射できる程度の大きさであればよく、単一のLED、面上或いは直線状に配列された複数個のLED、EL(エレクトロルミネッセンス)素子などを用いることができる。
【0060】
なお、光源66にLEDを用いる場合には、LEDの発光形状の影響を低減するために、図6に示すようにこのLED70の光出力方向(書類12への照射方向)に拡散手段として拡散板74を配置し、書類12にLED70の出力光が略均一に照射されるようにする(すなわち発光面を均一にする)ことが好ましい。なお、図6の例では、拡散板74が配置されたLED70の光出力方向を前方として、LED70の後方及び側方については、内部は光が拡散反射するように表面加工が施されたケース76により被覆されている。このケース76の表面加工としては、例えば、アルミなどの材料で表面を均一に荒らして光沢を無くしたり、金属粒子の塗布などの処理を施せばよい。
【0061】
なお、図6は、光源66として、単一のLEDを用いた例を示したが、複数のLEDを用いた場合も同様である。また、LEDの代わりに、白熱電球や放電管などを光源66として用いた場合も、図6に示したような機構により発光面を均一にするとよい。光源66として、ELを用いる場合には、均一な発光面を有しているので、図6のような機構は不要である。
【0062】
光源66から出力され、書類12に照射された照射光は、書類12を透過して、プラテンガラス46を透過する。この透過光は、キャリッジ48の移動により、開口48Aが光源66の下方に位置するときに、開口48Aを通ってキャリッジ48の筐体内に取り込まれる。
【0063】
前述複数のミラー56及びレンズ58は、この光源66から出力され、書類12に照射された照射光の当該書類12からの透過光にも用いられ、ラインイメージセンサ68は、この透過光のレンズ58による結像位置に配設されている。すなわち、光源66により書類12に照射された照射光の書類12からの透過光は、キャリッジ48の筐体内に取り込まれた後は、複数のミラー56により反射されてラインイメージセンサ68へと案内されると共に、レンズ58によりラインイメージセンサ68の受光面上に結像されるようになっている。
【0064】
ラインイメージセンサ68には、ライン状にCCDを配列されたラインCCDセンサを用いることができる。ラインイメージセンサ68は、受光面上に結像された光を受光し、受光量に応じた電気信号に変換する。これらの電気信号は、図示しないキャリッジ48の筐体内の信号処理回路によりデジタル信号に変換され、書類12の照射位置Pにおける厚さムラ状態を表すライン状の画像データが取得される。キャリッジ48の移動により、検出領域36内の面状の画像データを取得することができ、この面状の画像データが厚さムラ状態を表す状態情報として用いられる。本例では、400DPI(Dot Per Inch)の解像度で状態情報を取得するため、厚さムラの場合も、128×128画素分の画像データが状態情報として取得される。
【0065】
ここで、厚さムラ状態を検出するための光源66の発光波長について説明する。
【0066】
光源66の発光波長は、光源60と同様に、近赤外領域(約950nm)〜近紫外領域(約370nm)の範囲内であればよく、発光波長を可視領域内とすれば、厚さムラ状態の検出用のイメージセンサは、画像読取り用のラインイメージセンサ52と共用でき、ラインイメージセンサ68は省略可能である。ただし、画像読取り用と厚さムラ状態の検出用とでイメージセンサを共用する場合は、画像読取り用と厚さムラ状態の検出用とで2度スキャンする必要があり、厚さムラ状態の検出時には、画像読取時よりも低濃度側にダイナミックレンジを広げる。
【0067】
また、一般に、発光波長が長いほど、書類12に用いられている紙表面での反射が減り、紙内部への浸透が増えることが知られている。したがって、可視領域内であれば、中心発光波長が赤色領域(約700nm)のLEDを光源66に用いると、書類12に用いられている紙内部への光の浸透が増え、圧さムラの状態をよりよく書類12からの透過光により捕らえることができるので好ましい。また、厚さムラ状態の検出のためには、中心発光波長が近赤外線領域のLEDを光源66に用いることがより好ましい。ただし、この場合は、ラインイメージセンサ52の感度波長領域が及ばない、レンズ58による結像面の位置がずれるなどのため、画像読取り用と厚さムラ状態の検出用とで、イメージセンサを共用することは困難である。したがって、本例のように、ラインイメージセンサ52とは別に、必ず、厚さムラ状態の検出用のラインイメージセンサ68を設ける必要がある。
【0068】
このように、状態検出部18を従来公知の画像読取り装置(スキャナー)に搭載することで、画像読取装置40とPCなどの情報処理装置との組合せることで、書類確認装置10を構成すれば、ハードウェアを新たに製作する必要がなく、低コストで実現可能である。なお、上記では、書類12に用いられている紙の表面状態と厚さムラ状態の両者を検出可能な例を示したが、何れか一方のみでもよい。また、書類12に検出領域36を2箇所設けた例を示したが、本発明は、検出領域36の個数を特に限定するものではない。表面状態と厚さムラ状態の両者を検出可能としたり、検出領域の個数を増やしたり、検出領域の大きさを広くすれば、原本の確認精度を向上させることができるが、その分、装置の製造コストが高くなるため、コストとの関係で適切な設定を行う。
【0069】
次に、本実施の形態の作用について説明する。なお、以下では、具体的に、上記で説明した画像読取装置40を利用した場合について説明する。
【0070】
本実施の形態に係わる書類確認装置10では、書類12の真偽を判定するためには、当該書類12(原本)の状態情報を予め登録しておく必要がある。図7に、このために書類確認装置10において実行される状態情報の登録処理を示す。なお、図7は、登録処理の一例として示すものであり、適宜各ステップの順序を入れ替えてもよい。
【0071】
この登録処理は、登録対象の原本となる書類12が書類確認装置10にセットされた後、実行される。具体的には、オペレータにより、原本となる書類12を当該書類12の上下方向をキャリッジ48の移動方向と一致させ、且つ当該書類12の縁部をプラテンガラス46の縁部に合わせてプラテンガラス46上に載置して、プラテンカバー44を閉じることで、書類12がセットされる。
【0072】
登録処理では、図7に示すように、まず、ステップ100において、画像読取部14により、セットされた原本となる書類12から画像を読取り、当該画像を示す画像データを取得する。具体的には、光源50により書類12を照射して、その反射光をラインイメージセンサ52で受光してライン画像を読取りながら、キャリッジ48を矢印A方向に書類12の上端から下端まで移動させることで、当該書類12に記録されている画像が読取られ、当該書類12の1枚(頁)分の画像データが取得される。続いて、ステップ102では、識別情報抽出部16により、ステップ100で取得した画像データから、具体的には、例えば、前述した記入領域30、バーコード領域32、或いは印章34の部分から識別情報を抽出する。
【0073】
次のステップ104では、当該書類12に用いられている紙の状態を検出する。具体的には、キャリッジ48を書類12に設けられた2ヶ所の検出領域36に対応する位置各々に移動させ、光源60により書類12を照射し、その反射光をラインイメージセンサ62で受光して、各検出領域36における紙の表面状態を表す状態情報を取得する。また、同様に、光源66により書類12を照射し、その透過光をラインイメージセンサ68で受光し、各検出領域36における紙の厚さムラ状態を表す状態情報を取得する。すなわち、本例では、1枚の書類12について、表面状態を表す状態情報が2箇所分、厚さムラ状態を表す状態情報が2箇所分の計4つの状態情報が取得されることになる。
【0074】
そして次のステップ106で、ステップ104で取得したこの状態情報(本例では4つの状態情報)をステップ102で抽出した識別情報と対応付けて、メモリ20に登録して、図7の登録処理は終了される。
【0075】
なお、上記では、原本となる書類12の状態情報をメモリ20に記憶(登録)する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、状態情報については、原本となる書類12自体に記憶、例えば書類12の表面(又は裏面)に状態情報を表すデータを符号化するなどして印刷することにより、書類12と状態情報とを対応付けて登録することも可能である。この場合、メモリ20は勿論のこと、書類12そのものが識別情報として機能するため、識別情報抽出部16についても省略できる。
【0076】
次に、書類12の真偽を確認する場合について説明する。図8に、このために書類確認装置10において実行される確認処理を示す。なお、図8は、確認処理の一例を示すものであり、適宜各ステップの順序を入れ替えてもよい。
【0077】
この確認処理は、登録対象の原本となる書類12と同様に、確認対象の書類12が書類確認装置10にセットされた後、実行される。
【0078】
確認処理では、図8に示すように、ステップ120で、画像読取部14により、セットされた確認対象の書類12から画像を読取り、当該画像を示す画像データを取得して、ステップ122で、この画像データから識別情報を抽出して、確認対象の書類12の識別情報を取得すると共に、ステップ124で、当該確認対象の書類12に用いられている紙の状態を検出して、確認対象の書類12の状態情報を取得する。なお、ステップ120〜ステップ124の処理は、図7で示した登録処理のステップ100〜ステップ104と同様であるため、具体的な説明については省略する。
【0079】
そして、次のステップ126では、確認処理部22により、メモリ20から、ステップ122で取得した識別情報に対応して登録されている状態情報(以下、「登録状態情報」と称す)を読出し、次のステップ128では、ステップ124で取得した確認対象の書類12の状態情報(以下、「検出状態情報」と称す)と、この読み出した登録状態情報とを比較する。そしてこの比較の結果、両者の類似度が所定の閾値以上であれば、次のステップ130からステップ132に進み、当該確認対象の書類12は「原本」(本物)であると判定し、それ以外の場合には、ステップ134に進み、当該確認対象の書類12は複写や複製された「非原本」(偽物)であると判定する。
【0080】
ここで、書類12の置き方などにより、登録処理時と確認処理時において書類12の全く同一の位置から紙の状態を検出することは不可能である。このため、検出状態情報と登録状態情報の何れか一方を切出して、当該一方の切出し後の状態情報を検出した領域(切出領域)が他方の状態情報を検出した領域に含まれるようにし、一方の切出し後の状態情報と、他方の状態情報における切出領域と同一サイズの領域の情報との類似度を、該他方の状態情報において切出領域と同一サイズの領域の位置を移動しながら複数回求め、求めた類似度の最大値が予め定められた所定値以上の場合に、確認対象の書類が原本であると判定すればよい。
【0081】
以下、一例として、類似度として相関値を求める場合について具体的に説明する。登録時に取得された状態情報(登録状態情報)或いは確認時に取得された状態情報(検出状態情報)の何れか一方の中央部分を切りとって、本来の状態情報のサイズよりも小さくし、この切り取った状態情報ともう一方の状態情報との間において正規化相関値を求める。前述したように、検出状態情報及び登録状態情報は、128×128画素分の検出値の集合であり、例えば、登録状態情報の中心部分64x64画素分を切り取って、状態情報Xとしてその要素をx(i,j)(i,j=0,1,..63)とする2次元データ配列とする。一方、検出状態情報についてはそのままのサイズのままで、状態情報Yとして、その要素をy(k,l)(k,l=0,1,..127)とする2次元データ配列とする。これらx(i,j)及びy(k,l)の間で、以下の式1により、正規化相関Rの要素r(m,n)(m,n=0,1,…,64)を求める。
【0082】
【数1】
【0083】
このようにして求めた正規化相関Rの要素r(m,n)は、その値が大きいほど類似度が高いことを示し、正規化相関Rの要素r(m,n)の中の最大値rmaxが所定の閾値以上であれば、確認対象の書類12は原本であると判定し、最大値rmaxが所定の閾値に満たなかった場合は、確認対象の書類12は原本ではないと判定すればよい。
【0084】
検出状態情報と登録状態情報との類似度は、上記のような相関値以外にも、従来公知の各種の類似性を評価するための評価値を用いることができる。例えば、検出状態情報及び登録状態情報の累積2乗誤差を求めることにより、類似度を評価することもできるし、登録状態情報と検出状態情報の各々を量子化・標本化して各々の特徴を抽出し、抽出した特徴をベクトルとして扱って、両者の距離を求めたり、ベクトルの成す角度から類似度を評価することもできる。また、検出状態情報と登録状態情報は画像データであるので、これを例えば2次元フーリエ変換により周波数領域へ変換し、フーリエ空間上で識別、照合しても良い。この場合、両者をフーリエ空間上で画像合成し、逆フーリエ変換することで相関強度画像を得て、そのピーク値から二つの両者の類似度を評価することができる。例えば、振幅のピークの大きさが予め決めておいた閾値以上であった場合に同一画像、即ち確認対象の書類は原本であると判断する。
【0085】
なお、上記の比較判定時に用いる閾値については、状態情報の検出誤差を見込んで、所定の許容範囲を設けて設定することが好ましい。すなわち、原本保証をどの程度厳しくするかの利用者の要求に応じて、閾値の大きさを適宜選択すればよい。また、書類12の種類によって許容範囲が異なる、すなわち、書類12毎に閾値が異なる場合もあるので、登録状態情報の登録時(図7のステップ106)には、識別情報と共に、閾値についてもメモリ20に記憶しておくとよい。
【0086】
ここで、前述したように、各書類12について4つの状態情報が取得されるので、上記の比較判定を確認対象の各書類12について4回行うことができるので、具体的には、これら4回の判定結果が全て「原本」であった場合に、「原本」であるとの最終判定を下し、それ以外の場合には「非原本」と最終判定を下すようになっている。ただし、実際には、検出領域36の汚れ等による状態情報の不一致を補うため、例えば、4回の判定のうち2回が「原本」であるとの結果を出せば最終的に「原本」であると判定するようにしてもよい。このように最終的な判定結果を下す基準は、原本保証をどの程度厳しくするかの利用者の要求に応じて定めればよい。
【0087】
また、照合時に何らかの操作ミスや位置ずれなどの事故が発生する場合があるため、複数回の判定結果により最終的な判定を下すようにしたり、比較結果が原本となる印刷物であると判定しない場合に所定の回数まで再試行を認めるようにしてもよい。
【0088】
なお、書類12の表面(又は裏面)上に符号化して状態情報を表すデータが印刷してある場合には、画像読取部14(又は専用の画像読取部)により当該書類12の表面(又は裏面)からそのデータを読み取って、登録状態情報として用いればよいことは言うまでもない。
【0089】
そして、最後に、ステップ136で、原本/非原本の判定結果を出力して、図8の確認処理は終了する。
【0090】
このように、本実施の形態では、書類12に用いられている紙表面状態や厚さムラ状態を表す状態情報を確認情報として用い、予め正規の書類12(原本)の紙表面状態や厚さムラ状態を登録しておき、確認対象の書類12から検出された紙表面状態や厚さムラ状態と比較することで、当該確認対象の書類12の真偽(原本/非原本)を判定するようになっている。これにより、各書類12の特徴を捕らえて原本であるか否かを確認することができる。
【0091】
一般に、印刷物などの書類12の偽造や改竄は、印刷情報である電子データを不正に入手し、またデータを改竄し、偽造、改竄されたデータはプリンタや複写機によって紙などの画像記録媒体上に印刷されるが、上記のように正規の書類12(原本)の紙表面状態や厚さムラ状態を確認情報として用いることにより、表面状態や厚さムラ状態までも偽造することは不可能であるため、このような詐称を容易に見抜くことができる。
【0092】
また、従来のように、書類12に対して、原本であることを示す特殊印刷処理を施したり、特殊紙を用いる必要がないため、低コストで容易に実現可能である。
【0093】
なお、上記では、書類12に、当該書類12に割当てられた識別情報が予め印刷などにより記録されている場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、書類12の紙面全体或いは所定の部分に印刷或いは手書きされている文字をOCRにより読取り、読取った文字数分のコードデータとして、このコードデータをある種の関数、例えばMD5などのハッシュ関数を用いて求めたハッシュ値を識別情報として用いることも可能である。この場合、識別情報が唯一無二であることを保証することはできないが、経験上、同一のハッシュ値が異なった文字列から求められることは極めて稀である。
【0094】
また、上記では、識別情報により対応する登録状態情報を選択し、検出状態情報と登録状態情報とを1対1で比較する場合を説明したが、メモリ20の登録データ数が少ない場合には、識別情報を用いずに、検出状態情報を全登録状態情報と比較してもよい。この場合、識別情報の抽出が不要となるため、そのための画像読取部14及び識別情報抽出部16は省略可能である。
【0095】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、書類の表面状態や厚さムラ状態を利用して、書類が原本であるか否かを確認することで、偽造防止効果を向上させることができ、且つ特殊印刷や特殊紙が不要であるので容易に実現可能であるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係わる書類確認装置の基本構成を示す構成図である。
【図2】書類の一例を示す図である。
【図3】画像読取装置の一例を示す斜視図である。
【図4】図3の画像読取装置の書類がセットされた状態を示す断面図である。
【図5】図3の画像読取装置のキャリッジ内の構成を示す斜視図である。
【図6】図3の画像読取装置の厚さムラ検出用にプラテンカバーに設けられた光源の一例を示す断面図である。
【図7】書類確認装置で実行される登録処理を示すフローチャートである。
【図8】書類確認装置で実行される確認処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 書類確認装置
12 書類
14 画像読取部
16 識別情報抽出部
18 状態検出部
20 メモリ
22 確認処理部
36 検出領域
40 画像読取装置
44 プラテンカバー
46 プラテンガラス
48 キャリッジ
48A 開口
50 光源
52 ラインイメージセンサ
60 光源
62 ラインイメージセンサ
64 反射板
66 光源
68 ラインイメージセンサ
Claims (19)
- 書類の原本性を確認するための書類確認方法であって、
予め、原本となる書類から当該書類の表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方の状態を検出し、
該検出した状態を示す第1の状態情報を記憶しておき、
確認対象の書類から当該書類の表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方の前記状態を検出し、
該検出した状態を示す第2の状態情報と予め記憶しておいた前記第1の状態情報とを比較し、
該比較結果に基づいて、前記確認対象の書類が原本であるか否かを判別する、
ことを特徴とする書類確認方法。 - 前記書類に光を照射し、該書類からの反射光を受光することにより前記表面状態を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の書類確認方法。 - 前記書類に近紫外線光を照射する、
ことを特徴とする請求項2に記載の書類確認方法。 - 前記書類に光を照射し、該書類からの透過光を受光することにより前記表面状態を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の書類確認方法。 - 前記書類に近赤外線光を照射する、
ことを特徴とする請求項4に記載の書類確認方法。 - 予め定められた所定の非画像記録部分から前記状態を検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の書類確認方法。 - 前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報の何れか一方を検出した領域が他方を検出した領域に含まれ、
前記一方の状態情報と、前記他方の状態情報における前記一方を検出した領域と同一サイズの領域内の情報との類似度を、前記他方の状態情報において前記同一サイズの領域を移動しながら複数回求め、
前記類似度の最大値が予め定められた所定値以上の場合に、前記確認対象の書類は原本であると判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の書類確認方法。 - 前記原本となる書類から複数の前記第1の状態情報を取得し、
複数の前記第1の状態情報の各々と対応して、前記確認対象の書類から複数の前記第2の状態情報を取得し、
複数の前記第2の状態情報の各々を対応する複数の前記第1の状態情報と比較し、前記判定を複数回行い、
前記複数回の判定結果に基づいて、前記確認対象の書類が原本であるか否かを最終判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の書類確認方法。 - 前記原本となる書類から、当該書類を識別するための識別情報を取得し、
前記第1の状態情報を該原本となる書類から取得した前記識別情報と対応付けて記憶しておき、
前記確認対象の書類から前記識別情報を取得し、
該確認対象の書類から取得した前記識別情報と一致する識別情報と対応付けられた前記第1の状態情報と前記第2の状態情報を比較する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の書類確認方法。 - 書類の原本性を確認するための書類確認装置であって、
書類から当該書類における表面状態及び厚さムラ状態の少なくとも一方の状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段により原本となる書類から検出した前記状態を示す第1の状態情報を記憶する記憶手段と、
前記状態検出手段により確認対象の書類から検出した前記状態を示す第2の状態情報と、前記記憶手段により記憶された前記第1の状態情報とを比較すると共に、当該比較結果に基づいて、当該確認対象の書類が原本であるか否かを判別する判別手段と、
を有することを特徴とする書類確認装置。 - 前記状態検出手段は、
前記書類に対して光を照射するための光源と、
前記光源により前記書類に照射された光の当該書類からの反射光又は透過光を受光する受光手段と、
を備えることを特徴とする請求項10に記載の書類確認装置。 - 前記光源が、近紫外線光を照射し、
前記受光手段が、前記反射光を受光する、
ことを特徴とする請求項11に記載の書類確認装置。 - 前記光源が、近赤外線光を照射し、
前記受光手段が、前記透過光を受光する、
ことを特徴とする請求項11に記載の書類確認装置。 - 前記状態検出手段は、前記書類へ照射される光を拡散する拡散手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項13に記載の書類確認装置。 - 前記光源が、エレクトロルミネッセンス素子である、
ことを特徴とする請求項13に記載の書類確認装置。 - 前記状態検出手段が、前記書類の予め定められた所定の非画像記録部分から前記状態を検出する、
ことを特徴とする請求項10乃至請求項15の何れか1項に記載の書類確認装置。 - 前記判別手段は、前記第1の状態情報及び前記第2の状態情報の何れか一方を検出した領域が他方を検出した領域に含まれるように成形し、
前記一方の状態情報と、前記他方の状態情報における前記一方を検出した領域と同一サイズの領域内の情報との類似度を、前記他方の状態情報において前記同一サイズの領域を移動しながら複数回求め、
前記類似度の最大値が予め定められた所定値以上の場合に、前記確認対象の書類は原本であると判定する、
ことを特徴とする請求項10乃至請求項16の何れか1項に記載の書類確認装置。 - 前記状態検出手段は、前記書類から複数回の前記状態を検出し、
前記判別手段は、前記複数回の状態検出により得られた複数の前記第2の状態情報の各々を対応する複数の前記第1の状態情報と比較し、前記判定を複数回行い、前記複数回の判定結果に基づいて、前記確認対象の書類が原本であるか否かを最終判定する、
ことを特徴とする請求項10乃至請求項17の何れか1項に記載の書類確認装置。 - 前記書類から、当該書類を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記第1の状態情報を前記識別情報取得手段により前記原本となる書類から取得した前記識別情報と対応付けて記憶し、
前記判別手段は、前記識別情報取得手段により前記確認対象の書類から取得した前記識別情報と一致する識別情報と対応付けられた前記第1の状態情報と前記第2の状態情報を比較する、
ことを特徴とする請求項10乃至請求項18の何れか1項に記載の書類確認装置。
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