JP2004151006A - 溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融亜鉛めっきの条件に応じて、瑕疵を検出する検査基準が選択され、検査装置の情報処理に過大な負担をかけず、溶融亜鉛めっき鋼板の瑕疵を見逃すことなく品質を管理し保証できる溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置を提供すること。
【解決手段】溶融亜鉛めっき鋼板の品質レベルLの選択装置10と、溶融亜鉛めっき鋼板表面から信号を検出する装置20と、前記信号から品質レベルLに応じた瑕疵候補の信号を選択集積する信号取捨選択装置30と、瑕疵候補の信号から真の瑕疵信号を分別し処理する信号処理装置40と、品質を判断する合否判断装置50とから溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置1を構成する。
【選択図】 図2
【解決手段】溶融亜鉛めっき鋼板の品質レベルLの選択装置10と、溶融亜鉛めっき鋼板表面から信号を検出する装置20と、前記信号から品質レベルLに応じた瑕疵候補の信号を選択集積する信号取捨選択装置30と、瑕疵候補の信号から真の瑕疵信号を分別し処理する信号処理装置40と、品質を判断する合否判断装置50とから溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置1を構成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に溶融亜鉛めっきを施した鋼板の品質を管理する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表面に溶融亜鉛めっきを施した溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっきの種類や鋼板の種類によって表面の外観が異なり、その表面上の瑕疵の現れ方も異なる。そして、溶融亜鉛めっき鋼板の用途によって表面上の瑕疵の許容レベルが異なる。溶融亜鉛めっきの種類には非合金化溶融亜鉛めっき鋼板:GI(Galvanizing Iron)と合金化溶融亜鉛めっき鋼板:GA(Galvanizing Alloy)とがある。GIにおいては鋼板の表面に亜鉛の薄層が形成されており、この薄層をなす亜鉛は鋼と合金化していない。GAにあってはその表面に亜鉛と鋼が合金化してできた薄層が形成されている。GIとGAとでは、それぞれ溶融亜鉛めっき鋼板の表面に現れる色調等の外観は大きく異なっている。また、溶融亜鉛めっきを施す鋼板の種類は、合金添加元素の含有量が少ない軟鋼と合金添加元素の含有量が多い高張力鋼とに分かれる。GAにおける亜鉛と鋼の合金は合金添加元素の存在の影響を受けて外観上に変化を生じやすい。特に、高張力鋼に施されたGAの場合、高張力鋼中の合金添加元素の影響によって周囲と異なる外観を呈する瑕疵を生じやすい。したがって、溶融亜鉛めっき鋼板の製造ライン:CGL(ContinuousGalvanizing Line)の最後の段階で、検査員が溶融亜鉛めっき鋼板の種類や用途を考慮しつつ目視検査を行いその品質管理を行っていた。
【0003】
また、溶融亜鉛めっき鋼板の表面の瑕疵の検出を容易化するべく、表面の瑕疵の検査装置が使用されており、例えば被検査体にレーザー光を照射する表面欠陥検査装置が使用されている(従来技術1)。この表面欠陥検査装置においては、検査対象面がレーザー光を受光して反射した場合、その反射光の微分信号が表面粗度あるいはめっき付着量等の表面状態によって反射パターンを変えることを利用して、バックグラウンド信号の大きさが許容値以上になると閾値を切り替える(たとえば、特許文献1を参照)。
【0004】
さらに、信号処理部が溶融亜鉛めっき系鋼板表面の画像信号の明度から疵の有無を判定し、信号処理部ではめっき前の粗度情報を用いて閾値を設定し有意な信号の選別を行っている溶融亜鉛めっき系鋼板用表面欠陥検出装置もある(従来技術2)(たとえば、特許文献2を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63―6445号公報(第2〜3頁、第1〜2図)
【特許文献2】
特開平9―113465号公報(第2〜3頁、第1〜4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1及び従来技術2の検査装置にあっては、溶融亜鉛めっきの種類、鋼板の種類及び用途の全条件を考慮して瑕疵を検出するために、各条件に応じて検査装置が検出する瑕疵の基準を調整しなくてはならないという問題があった。かかる調整を頻繁に人手により行うことは煩雑であり、調整上のミスが発生して瑕疵を見逃すおそれも存在する。また、検査装置により瑕疵となり得るものを一律に全て検出し、その後に検出結果の検討を行うことも考えられる。しかし、この方法では検査装置が検出し処理する情報量が膨大なものとなり、検査装置の処理能力にかかる負担も大きなものとなってしまう。
【0007】
また、従来技術1にあっては、高分解能のCCDカメラを用いる場合、例えば突発的な高輝度微小点により閾値が高く切り替えられてしまい、検出されない溶融亜鉛めっき鋼板の瑕疵が存在してしまうという問題がある。
さらに、従来技術2にあっては、閾値の切り替えを溶融亜鉛めっきを施す前の鋼板の粗度に応じて行っており、溶融亜鉛めっき鋼板の用途に応じた溶融亜鉛めっき鋼板の表面瑕疵の許容度は考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記した従来の技術の問題点を除くためになされたものであり、その目的とするところは、溶融亜鉛めっきの種類、鋼板の種類及び用途の条件に応じて、瑕疵を検出する検査基準を検査装置が選択でき、検査装置の情報処理能力に大きな負担がかかることを防止でき、溶融亜鉛めっき鋼板の瑕疵を見逃すことなく品質を管理し保証できる溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明は、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板に求められる品質レベルを選択し、検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出し、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号から前記品質レベルを満たさない瑕疵を反映する可能性がある瑕疵候補の信号を取捨選択し、前記瑕疵候補の信号から現実に存在する瑕疵を反映する真の瑕疵信号を分別して処理し、前記真の瑕疵信号を分別し処理した結果をもとにして検査対象物の品質を判断することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法である。
【0010】
請求項1の発明によると、瑕疵候補とすべき信号の強さは溶融亜鉛めっき鋼板の条件に応じた品質レベルから定まり、この品質レベルを満たさない可能性がある信号のみを瑕疵候補の信号として抜出す。品質管理を行う上で記憶、処理しなければならない瑕疵候補の信号の情報量は、品質レベルに応じた必要最小限の大きさとなり、信号処理中の処理負担は減少し、品質レベルに応じた真の瑕疵信号が迅速に選別され処理される。そして、この処理結果に基づいて、溶融亜鉛めっき鋼板の品質が判断される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法であって、前記品質レベルの選択において、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板のめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて品質レベルを選択し、前記瑕疵候補の信号の取捨選択において、前記品質レベルに対応して定まる信号の強さの閾値を境界として、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号の中から当該閾値を超える強さの信号を瑕疵候補の信号として選択して抜出し、前記真の瑕疵信号の分別と処理において、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴を分類したデータベースと比較して、前記瑕疵候補の信号の中から真の瑕疵信号を選別し、瑕疵の種類及び分布状態を特定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法である。
【0012】
請求項2の発明によると、品質レベルはめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて選択され、各品質レベルにしたがって溶融亜鉛めっき鋼板の品質を判断する。また、品質レベルに応じて許容されない瑕疵を反映する信号の強度の閾値を変化させ、それぞれの閾値を境として瑕疵候補の信号の抜出しが行われる。そして、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴をまとめたデータベースの情報と瑕疵候補の信号とを比較し、瑕疵の種類別に瑕疵の分布状態が検出される。
【0013】
請求項3の発明は、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板に求められる品質レベルを選択する品質レベル選択手段と、検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出する検出手段と、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号から前記品質レベルを満たさない瑕疵を反映する可能性がある瑕疵候補の信号を取捨選択する信号取捨選択手段と、前記瑕疵候補の信号から現実に存在する瑕疵を反映する真の瑕疵信号を分別し処理する信号処理手段と、前記信号処理手段が分別し処理した結果をもとにして検査対象物の品質を判断する合否判断手段とから構成されていることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置である。
【0014】
請求項3の発明によると、品質レベル選択手段が品質レベルを定め、検出手段が検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出し、信号取捨選択手段が瑕疵候補の信号を取捨選択し、信号処理手段が真の瑕疵信号を分別し処理し、合否判断手段が品質を判断する。したがって、請求項1に記載の方法は、例えば、請求項3の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置によって実施される。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置であって、前記品質レベル選択手段は、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板のめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて品質レベルを選択し、前記信号取捨選択手段は、前記品質レベルに対応して定まる信号の強さの閾値を境界として、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号の中から当該閾値を超える強さの信号を瑕疵候補の信号として選択して抜出し、前記信号処理手段は、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴を分類したデータベースと比較して、前記瑕疵候補の信号の中から真の瑕疵信号を選別し、瑕疵の種類及び分布状態を特定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置である。
請求項2に記載の方法は、例えば、請求項4の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置によって実施される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1ないし図4を参照して本実施の形態の構成を説明する。
図1に示すように、溶融亜鉛めっき鋼板70を連続生産する製造ラインCGLにおいて、溶融亜鉛めっき鋼板70を巻き取ってコイルCとする前の段階で、溶融亜鉛めっき鋼板70の品質管理装置1が設置されている。製造ラインCGLの運転はプロセスコンピュータPCによって管理されており、プロセスコンピュータPCは、生産中の溶融亜鉛めっき鋼板70の諸元データDを有している。
【0017】
諸元データDの中には、溶融亜鉛めっき鋼板70のめっき種類、鋼板の種類、用途についてのデータが含まれている。めっき種類のデータにはGI、GAの別が入っており、鋼板の種類のデータには軟鋼、高張力鋼の別が入っている。また、用途のデータには、厳格材、準厳格材、非厳格材の別が入っている。なお、厳格材とは、人目に触れる場所に使用されて外観上の美しさが要求されるものをいい、非厳格材とは人目に触れない場所に使用され外観上の美しさは問題とされないものをいい、準厳格材は外観上の美しさの要求度が厳格材の要求度よりも緩いものをいう。
【0018】
図1及び図2に示すように、品質管理装置1は、品質レベル選択手段である品質レベル選択装置10、検出手段である検出装置20、信号取捨選択手段である信号取捨選択装置30、信号処理手段である信号処理装置40、合否判断手段である合否判断装置50とから形成されている。品質レベル選択装置10は演算部12とメモリ14とからなる。演算部12は、プロセスコンピュータPCから溶融亜鉛めっき鋼板70の諸元データDを受け取り、演算部12に格納されたプログラムP1が諸元データDを参照して溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルLを選択し、その結果をメモリ14に書き込み記憶させる構成となっている。
【0019】
また、検出装置20は、線状光源22、明視野カメラ24、暗視野カメラ26とから形成されている。図3に示すように、線状光源22は製造ラインCGLにおいて連続して搬送される溶融亜鉛めっき鋼板70の上方に位置しており、溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に可視光を投射可能に設置してある。また、明視野カメラ24は、線状光源22から投射されて溶融亜鉛めっき鋼板70の表面で反射する光のうち正反射光を撮影可能であり、暗視野カメラ26は溶融亜鉛めっき鋼板70の表面で反射する光のうち乱反射光を撮影可能とする構成を有する。明視野カメラ24、暗視野カメラ26は、それぞれ溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向を一方の端から他方の端まで同時に撮影可能に溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に複数台並んで設置されている(図4を参照)。なお、図4は明視野カメラ24が溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に設置されている状態を示すが、暗視野カメラ26についても同様である。
【0020】
さらに、信号取捨選択装置30は、A/D変換装置32、演算部34、メモリ36とからなる。A/D変換装置32は明視野カメラ24と暗視野カメラ26の出力につながって設置されている。A/D変換装置32が、明視野カメラ24と暗視野カメラ26から受け取るアナログの生信号Saをデジタルの明度信号Sbwに変換し、この明度信号Sbwを演算部34へ送る構成となっている。なお、明度信号Sbwとは生信号Saをその強度にしたがって0から255まで256階調のグレースケールにより数値化したものであり、階調の値が0のときは黒色に相当し、255のときは白色に相当する。また、この個々の明度信号Sbwは、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面上で0.20mm×0.25mmの面積から取得した生信号Saに対応している。
【0021】
また、演算部34はプログラムP2、P3を格納している。プログラムP2は、品質レベルLの情報をメモリ14から受け取り、品質レベルLに対応する閾値Δlight、閾値Δdarkをメモリ36が格納している閾値テーブルT1から選択するプログラムである。閾値テーブルT1においては、各品質レベルLに対応した閾値Δlight、閾値Δdarkがそれぞれ定められている。なお、閾値Δlight及びΔdarkとは、個々の明度信号Sbwが溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を反映している可能性があるか否かを判断するための数値であり、明度の上限と下限の閾値を意味する。
【0022】
そして、プログラムP3は、プログラムP2が選択した閾値Δlight、閾値Δdarkを用いて、明度信号Sbwの中から瑕疵候補の信号Scndを抜出し、瑕疵候補の信号Scndをメモリ36に書き込み記憶させるプログラムである。
プログラムP3においては、溶融亜鉛めっき鋼板70の一定範囲から得られる明度信号Sbwの平均値Saveを計算し、この平均値Saveを溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵がない状態を表す値とし、(Save+Δlight)と(Save−Δdark)との間の範囲内に存在しない明度信号Sbwを、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を反映している可能性がある瑕疵候補の信号Scndとして抜出す。また、平均値Saveは、溶融亜鉛めっき鋼板70の一本の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから計算することが可能であり(以下、溶融亜鉛めっき鋼板70の一本の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから平均値Saveを計算する場合を「BLF」という。)、複数本の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから計算することも可能である(以下、溶融亜鉛めっき鋼板70の複数本(たとえば16本)の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから平均値Saveを計算する場合を「SD」という。)。
【0023】
また、信号処理装置40は、プログラムP4を格納する演算部42とメモリ44とからなる。プログラムP4は、メモリ44に格納されている瑕疵データベースT2から瑕疵の種類毎の基準情報Istdを読み取り、基準情報Istdを参照して瑕疵候補の信号Scndから真の瑕疵信号Stを瑕疵の種類別に選別・分類し、瑕疵の種類別の分布状態の情報Siをメモリ44に書き込み記憶させるプログラムである。瑕疵データベースT2は、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面に発生する各種類の瑕疵の現れ方の特徴を数値化した情報のデータベースである。瑕疵の種類としては、線状に疵が現れる線状疵、めっきがなされていない部分である不めっき、異物が付着して表面が変色したシルバースポット等がある。これらの瑕疵は、その種類に応じて瑕疵の長さ、幅、外周長さ、面積、色調に特徴があり、これらの特徴を前記グレースケールの階調の数値として表し、これらの数値のパターンが特徴量として瑕疵データベースT2に記録されている。そして、これらの特徴量が基準情報Istdとして扱われる。したがって、瑕疵候補の信号Scndの値の強弱、連続具合等を基準情報Istdと比較し、瑕疵候補の信号Scndの中から現実に存在する瑕疵に対応した真の瑕疵信号Stを選別可能であり、瑕疵は種類別に分類され、その分布状態の情報Siが算出可能となっている。
【0024】
また、合否判断措置50は、プログラムP5、P6を格納する演算部52、メモリ54、表示装置56とからなる。プログラムP5は、メモリ44から受け取った瑕疵の種類別の分布状態の情報Siから、溶融亜鉛めっき鋼板70の欠陥長さLfと格外率Rfを瑕疵の種類別に計算し、格外率Rfをメモリ54に書き込み記憶させるプログラムである。なお、欠陥長さLfとは溶融亜鉛めっき鋼板70中の瑕疵を有する部分の長さのことであり、格外率Rfとは溶融亜鉛めっき鋼板70の全長中に、瑕疵を含む部分がどれだけの長さ存在するかを百分率で表したものである。
【0025】
プログラムP5では、まず瑕疵の種類別に欠陥長さLfを計算する。欠陥長さLfの計算においては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板70上に瑕疵が1箇所ある場合は1mと数え、溶融亜鉛めっき鋼板70の長手方向1mの範囲内に複数個の瑕疵がある場合は、この1mの範囲内に存在するものを一まとまりとして1mに数える。また、瑕疵が長手方向に1m以上連続して存在する場合は、瑕疵が存在する長手方向の長さを切り上げて整数値で表した長さ(m)を欠陥長さLfとする。そして、欠陥長さLfを用いて格外率Rfを計算する。具体的には、欠陥長さLfと溶融亜鉛めっき鋼板70の全長との比から算出する。なお、溶融亜鉛めっき鋼板70の全長のデータは、プロセスコンピュータPCから演算部52が受け取る。
【0026】
また、プログラムP6は、メモリ54に記憶されている瑕疵の種類別の格外率Rfと、やはりメモリ54に格納されている合否判断テーブルT3から読み取った合否判断基準情報Ipfとを比較し、個々の溶融亜鉛めっき鋼板70が品質レベルLを満たしているか否かを判断し、その判断結果Jをメモリ54に書き込み記憶させるとともに、表示装置56から出力させるプログラムである。
【0027】
合否判断テーブルT3には、各品質レベルLに対応して瑕疵の種類ごとに許容される格外率Rfの上限値が定められており、これらの上限値の情報が合否判断基準情報Ipfとなる。プログラムP5が算出した各格外率Rfのうち一つでも合否判断基準情報Ipfの上限値を超えていると溶融亜鉛めっき鋼板70の品質は不合格と判断され、各格外率Rfの合計値が一定値以上となった場合も溶融亜鉛めっき鋼板70の品質は不合格と判断され、その判断結果Jを表示装置56が受けとって表示する構成となっている。
【0028】
本実施の形態は上記のように構成されており、次にその作用について図を参照しつつ説明する。なお、図5は、品質管理装置1による品質判断の流れ図であり、図6は、品質レベル選択装置10における品質レベルの選択の流れ図である。
製造ラインCGLにおいて、溶融亜鉛めっき鋼板70が連続生産されており、生産された溶融亜鉛めっき鋼板70はコイルCに巻き取られている。そして、品質管理装置1はプロセスコンピュータPCから生産中の溶融亜鉛めっき鋼板70の諸元データDを受け取っている。
【0029】
まず、品質レベル選択装置10の演算部12はこの諸元データDから溶融亜鉛めっき鋼板70のめっき種類、鋼板の種類、用途の情報を取得し、プログラムP1が溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルLを選択する(図5のS100)。S100の中における処理の流れを図6を用いて示す。まず、諸元データDを読み込み(S120)、諸元データDから溶融亜鉛めっき鋼板70のめっき種類を判断し(S122)、めっき種類がGIである場合は品質レベルLはL6に決定される(S130)。めっき種類がGAであるときは、さらに、鋼板の種類を判断し(S124)、鋼板の種類が高張力鋼である場合は、用途が厳格材か否かを判断する(S126)。そして、用途が厳格材ではないときは品質レベルLはL5に決定され(S132)、用途が厳格材であるときは品質レベルLはL4に決定される(S134)。また、鋼板の種類が軟鋼である場合は、用途を非厳格材、準厳格材、厳格材に分け(S128)、用途が非厳格材のときは品質レベルLはL3に決定され(S136)、用途が準厳格材であるときは品質レベルLはL2に決定され(S138)、用途が厳格材のときは品質レベルLはL1に決定される(S140)。これらの品質レベルLの情報は、メモリ14に送られて記憶される(S142)。
【0030】
また、コイルCに巻き取られる前の段階の溶融亜鉛めっき鋼板70の表面を、品質管理装置1の検出装置20の明視野カメラ24及び暗視野カメラ26が連続撮影している。線状光源22が溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に可視光を投射し、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面で反射した光のうち正反射光が明視野カメラ24により撮影され、乱反射光が暗視野カメラ26によって撮影される。明視野カメラ24と暗視野カメラ26とを併用して正反射光と乱反射光とを撮影しているので、一方のカメラに入射する反射光が微小量しかなくても溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を見逃すことは防止される。明視野カメラ24及び暗視野カメラ26はそれぞれ溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向を一方の端から他方の端まで同時に撮影して生信号Saをアナログ信号として取得し(図5のS102)、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の状態を反映した生信号Saは信号取捨選択装置30のA/D変換装置32へ送られる。
【0031】
A/D変換装置32では、明視野カメラ24及び暗視野カメラ26から受け取った生信号Saを、信号の強度にしたがって0から255までの階調に数値化し、明度信号Sbwにデジタル変換する。そして、明度信号Sbwは演算部34へ送られる。
演算部34では、プログラムP2がメモリ14から受け取った品質レベルLの情報にしたがって、閾値テーブルT1から閾値Δlight、閾値Δdarkを選択する。このとき、明度信号Sbwは、正反射光についてのものと乱反射光についてのものに分けられており、正反射光の場合のBLFに対する閾値Δlig htと閾値Δdark、正反射光の場合のSDに対する閾値Δlightと閾値Δdark、乱反射光の場合のBLFに対する閾値Δlightと閾値Δdark、乱反射光の場合のSDに対する閾値Δlightと閾値Δdarkの4組の閾値がそれぞれ選択される。
【0032】
そして、プログラムP3が、正反射光及び乱反射光の明度信号Sbwに対してそれぞれBLFとSDによる平均値Saveを算出し、プログラムP2により選択された各閾値Δlight、Δdarkを用いて瑕疵候補の信号Scndを明度信号Sbwから抜出し、瑕疵候補の信号Scndをメモリ36に書き込み記憶させる(図5のS104)。具体的には、正反射光でBLFの場合、正反射光でSDの場合、乱反射光でBLFの場合、乱反射光でSDの場合について、それぞれ(Save+Δlight)と(Save−Δdark)との間の範囲内に存在しない明度信号Sbwを瑕疵候補の信号Scndとする。各閾値Δlight、閾値Δdarkは、品質レベルLの情報に応じて選択したものなので、メモリ36に記憶される瑕疵候補の信号Scndの量は、品質レベルLの要求が厳しい場合には多くなり、緩い場合には少なくなる。したがって、必要にして充分な量の瑕疵候補の信号Scndをメモリ36に記憶させれば足り、品質管理装置1の処理能力に過大な負担がかかることは防止される。なお、瑕疵候補の信号Scndの中には、品質レベルLによって許容されない溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を反映した真の瑕疵信号Stと、品質レベルLによれば瑕疵とはみなされない溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の状態を反映したノイズが混在している。
【0033】
そして、信号処理装置40の演算部42のプログラムP4は、メモリ36から受け取った瑕疵候補の信号Scndと瑕疵データベースT2から読み取った基準情報Istdとを比較し、瑕疵候補の信号Scndの中から真の瑕疵信号Stと前記ノイズとを区別して選別し、真の瑕疵信号Stを瑕疵の種類別に分類し、瑕疵の種類別にその分布状態の情報Siをメモリ44に書き込む(図5のS106)。このとき、プログラムP4が比較選別しなければならない瑕疵候補の信号Scndの量は品質レベルLに応じて変化するので、品質レベルLの要求が厳しい場合にはその量が多くなりプログラムP4の処理に時間がかかるが、緩い場合にはその量が少ないので処理にかかる時間は短くなる。
【0034】
さらに、合否判定装置50の演算部52のプログラムP5が、メモリ44から瑕疵の種類別の分布状態の情報Siを読み取り、瑕疵の種類別に欠陥長さLfを計算する。この欠陥長さLfから、溶融亜鉛めっき鋼板70中の瑕疵を有する部分の長さが判明する。さらに、各欠陥長さLfとコイルの全長から、瑕疵の種類別の格外率Rfをそれぞれ計算し、格外率Rfがメモリ54に記憶される。
【0035】
また、プログラムP6が、合否判断テーブルT3から合否判断基準情報Ipf及び瑕疵の種類別の各格外率Rfを読み取って比較し、各格外率Rfの中に合否判断基準情報Ipfに定められた上限値を超えるものがないかを調べ、上限値を超える格外率Rfが1つ以上存在する場合にはその溶融亜鉛めっき鋼板70は品質レベルLを満足しない不合格品であると判断する。さらに、各格外率Rfがすべて上限値以下であっても、各格外率Rfの合計値が所定の値を超えている場合はやはり品質レベルLを満足しない不合格品であると判断する(図5のS108)。そして溶融亜鉛めっき鋼板70が合格品であるか不合格品であるかの判断結果Jは、メモリ54に記憶されるとともに、表示装置56へ送られる。
【0036】
そして、表示装置56が判断結果Jを演算部52から受け取り、その判断結果を表示する。
したがって、品質管理装置1によって、溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルLに応じた品質管理を行うことが可能となり、品質レベルLに応じて瑕疵の検査の基準を調整する必要もなく、必要な作業労力は軽減化されて検査の基準の調整ミスも防止され、瑕疵候補の信号Scndを抜出すときに使用する閾値ΔlightとΔdarkが突発的に高く切り替えられてしまうこともなく、瑕疵の見逃しが防止され、品質管理装置1による情報処理の負担が不必要に過大となることは防止される。
【0037】
なお、個々の明度信号Sbwに対応する溶融亜鉛めっき鋼板70の表面上での面積を0.20mm×0.25mmの広さとしたが、かかる広さに限定されるものでないことは勿論である。この面積を溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルによって変化させることが可能であり、この面積を小さくすればより詳細に瑕疵を検出可能となる。また、この面積を大きくして、品質管理装置1が処理しなければならない情報量を少なくし、処理の負担を軽くし処理速度を速くすることが可能である。
【0038】
また、閾値テーブルT1、瑕疵データベースT2は、必要に応じてその内容を書換可能とできることは勿論である。そして、指標となる瑕疵を有する溶融亜鉛めっき鋼板70を品質管理装置1で検査し、そのデータを瑕疵データベースT2に追加可能な構成とすることもできる。
次に、閾値テーブルT1の1例を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
閾値テーブルT1では、品質レベルLによって許容される瑕疵の程度は異なるので、品質レベルL1から品質レベルL6に応じて閾値をそれぞれ定めている。また、検出装置20のカメラ24、26が撮影する反射光はそれぞれ正反射光と乱反射光であり、撮影する光に応じて閾値をそれぞれ別に定めている。さらに、平均値SaveをBLFによって算出するかSDによって算出するかによって閾値は異なる。図6において、たとえば、品質レベルLがL1(めっき種類がGA、鋼板の種類が軟鋼、用途は厳格材)であり、明視野カメラ24が捉える正反射光の信号を対象とし、BLFにより算出した平均値Saveを用いる場合(場合1)は、閾値Δlight、閾値Δdarkは256階調のグレースケールの明度表示でそれぞれ40、30となる。したがって、BLFによる平均値Saveが100であるときは、100+30と100−40の間の範囲に存在しない明度信号Sbwは、プログラムP3によって瑕疵候補の信号Scndとして抜出される。
【0041】
次に、前述の場合1において、明度信号Sbwと瑕疵候補の信号Scndの関係の1例を図7に示す。図7の横軸は溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向を示し、縦軸は明度信号Sbwの強度を256階調のグレースケールで示す。生信号Saのうち、Save+Δlight(=130)とSave−Δdark(=60)との間の範囲にないものが瑕疵候補の信号Scndである。なお、図6の縦軸の目盛間隔は一定となっていない。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、上記のような溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置であるので、溶融亜鉛めっきの種類、鋼板の種類及び用途の条件に応じて、瑕疵を検出する検査基準を検査装置が選択でき、検査装置の情報処理に大きな負担がかかることを防止でき、溶融亜鉛めっき鋼板の瑕疵を見逃すことなく品質を管理し保証できる溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインの構成図である。
【図2】溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置のブロック図である。
【図3】検出装置の構成図である。
【図4】明視野カメラの設置状態の説明図である。
【図5】品質判断の流れ図である。
【図6】品質レベルの選択の流れ図である。
【図7】生信号と瑕疵候補の信号の関係の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 溶融亜鉛めっき鋼板品質管理装置
10 品質レベル選択装置
12 品質レベル選択装置演算部
14 品質レベル選択装置メモリ
20 検出装置
22 線状光源
24 明視野カメラ
26 暗視野カメラ
30 信号取捨選択装置
32 A/D変換装置
34 信号取捨選択装置演算部
36 信号取捨選択装置メモリ
40 信号処理装置
42 信号処理装置演算部
44 信号処理装置メモリ
50 合否判断措置
52 合否判断措置演算部
54 合否判断措置メモリ
56 表示装置
70 溶融亜鉛めっき鋼板
CGL 溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン
C コイル
PC プロセスコンピュータ
P1、P2、P3、P4、P5、P6 プログラム
T1 閾値テーブル
T2 瑕疵データベース
T3 合否判断テーブル
D 溶融亜鉛めっき鋼板の諸元データ
L、L1、L2、L3、L4、L5、L6 溶融亜鉛めっき鋼板品質レベル
Sa 溶融亜鉛めっき鋼板の生信号
Sbw 明度信号
Scnd 瑕疵候補の信号
Si 瑕疵の種類別の分布状態の信号
Δlight、Δdark 閾値
Istd 瑕疵の種類別の基準情報
Ipf 合否判断基準情報
BLF 平均値を溶融亜鉛めっき鋼板の一本の幅方向の撮影から得られる明度信号Sから計算する場合
SD 平均値を溶融亜鉛めっき鋼板の複数本の幅方向の撮影から得られる明度信号から計算する場合
Rf 格外率
J 品質の判断結果
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に溶融亜鉛めっきを施した鋼板の品質を管理する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表面に溶融亜鉛めっきを施した溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっきの種類や鋼板の種類によって表面の外観が異なり、その表面上の瑕疵の現れ方も異なる。そして、溶融亜鉛めっき鋼板の用途によって表面上の瑕疵の許容レベルが異なる。溶融亜鉛めっきの種類には非合金化溶融亜鉛めっき鋼板:GI(Galvanizing Iron)と合金化溶融亜鉛めっき鋼板:GA(Galvanizing Alloy)とがある。GIにおいては鋼板の表面に亜鉛の薄層が形成されており、この薄層をなす亜鉛は鋼と合金化していない。GAにあってはその表面に亜鉛と鋼が合金化してできた薄層が形成されている。GIとGAとでは、それぞれ溶融亜鉛めっき鋼板の表面に現れる色調等の外観は大きく異なっている。また、溶融亜鉛めっきを施す鋼板の種類は、合金添加元素の含有量が少ない軟鋼と合金添加元素の含有量が多い高張力鋼とに分かれる。GAにおける亜鉛と鋼の合金は合金添加元素の存在の影響を受けて外観上に変化を生じやすい。特に、高張力鋼に施されたGAの場合、高張力鋼中の合金添加元素の影響によって周囲と異なる外観を呈する瑕疵を生じやすい。したがって、溶融亜鉛めっき鋼板の製造ライン:CGL(ContinuousGalvanizing Line)の最後の段階で、検査員が溶融亜鉛めっき鋼板の種類や用途を考慮しつつ目視検査を行いその品質管理を行っていた。
【0003】
また、溶融亜鉛めっき鋼板の表面の瑕疵の検出を容易化するべく、表面の瑕疵の検査装置が使用されており、例えば被検査体にレーザー光を照射する表面欠陥検査装置が使用されている(従来技術1)。この表面欠陥検査装置においては、検査対象面がレーザー光を受光して反射した場合、その反射光の微分信号が表面粗度あるいはめっき付着量等の表面状態によって反射パターンを変えることを利用して、バックグラウンド信号の大きさが許容値以上になると閾値を切り替える(たとえば、特許文献1を参照)。
【0004】
さらに、信号処理部が溶融亜鉛めっき系鋼板表面の画像信号の明度から疵の有無を判定し、信号処理部ではめっき前の粗度情報を用いて閾値を設定し有意な信号の選別を行っている溶融亜鉛めっき系鋼板用表面欠陥検出装置もある(従来技術2)(たとえば、特許文献2を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63―6445号公報(第2〜3頁、第1〜2図)
【特許文献2】
特開平9―113465号公報(第2〜3頁、第1〜4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1及び従来技術2の検査装置にあっては、溶融亜鉛めっきの種類、鋼板の種類及び用途の全条件を考慮して瑕疵を検出するために、各条件に応じて検査装置が検出する瑕疵の基準を調整しなくてはならないという問題があった。かかる調整を頻繁に人手により行うことは煩雑であり、調整上のミスが発生して瑕疵を見逃すおそれも存在する。また、検査装置により瑕疵となり得るものを一律に全て検出し、その後に検出結果の検討を行うことも考えられる。しかし、この方法では検査装置が検出し処理する情報量が膨大なものとなり、検査装置の処理能力にかかる負担も大きなものとなってしまう。
【0007】
また、従来技術1にあっては、高分解能のCCDカメラを用いる場合、例えば突発的な高輝度微小点により閾値が高く切り替えられてしまい、検出されない溶融亜鉛めっき鋼板の瑕疵が存在してしまうという問題がある。
さらに、従来技術2にあっては、閾値の切り替えを溶融亜鉛めっきを施す前の鋼板の粗度に応じて行っており、溶融亜鉛めっき鋼板の用途に応じた溶融亜鉛めっき鋼板の表面瑕疵の許容度は考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記した従来の技術の問題点を除くためになされたものであり、その目的とするところは、溶融亜鉛めっきの種類、鋼板の種類及び用途の条件に応じて、瑕疵を検出する検査基準を検査装置が選択でき、検査装置の情報処理能力に大きな負担がかかることを防止でき、溶融亜鉛めっき鋼板の瑕疵を見逃すことなく品質を管理し保証できる溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明は、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板に求められる品質レベルを選択し、検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出し、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号から前記品質レベルを満たさない瑕疵を反映する可能性がある瑕疵候補の信号を取捨選択し、前記瑕疵候補の信号から現実に存在する瑕疵を反映する真の瑕疵信号を分別して処理し、前記真の瑕疵信号を分別し処理した結果をもとにして検査対象物の品質を判断することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法である。
【0010】
請求項1の発明によると、瑕疵候補とすべき信号の強さは溶融亜鉛めっき鋼板の条件に応じた品質レベルから定まり、この品質レベルを満たさない可能性がある信号のみを瑕疵候補の信号として抜出す。品質管理を行う上で記憶、処理しなければならない瑕疵候補の信号の情報量は、品質レベルに応じた必要最小限の大きさとなり、信号処理中の処理負担は減少し、品質レベルに応じた真の瑕疵信号が迅速に選別され処理される。そして、この処理結果に基づいて、溶融亜鉛めっき鋼板の品質が判断される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法であって、前記品質レベルの選択において、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板のめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて品質レベルを選択し、前記瑕疵候補の信号の取捨選択において、前記品質レベルに対応して定まる信号の強さの閾値を境界として、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号の中から当該閾値を超える強さの信号を瑕疵候補の信号として選択して抜出し、前記真の瑕疵信号の分別と処理において、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴を分類したデータベースと比較して、前記瑕疵候補の信号の中から真の瑕疵信号を選別し、瑕疵の種類及び分布状態を特定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法である。
【0012】
請求項2の発明によると、品質レベルはめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて選択され、各品質レベルにしたがって溶融亜鉛めっき鋼板の品質を判断する。また、品質レベルに応じて許容されない瑕疵を反映する信号の強度の閾値を変化させ、それぞれの閾値を境として瑕疵候補の信号の抜出しが行われる。そして、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴をまとめたデータベースの情報と瑕疵候補の信号とを比較し、瑕疵の種類別に瑕疵の分布状態が検出される。
【0013】
請求項3の発明は、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板に求められる品質レベルを選択する品質レベル選択手段と、検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出する検出手段と、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号から前記品質レベルを満たさない瑕疵を反映する可能性がある瑕疵候補の信号を取捨選択する信号取捨選択手段と、前記瑕疵候補の信号から現実に存在する瑕疵を反映する真の瑕疵信号を分別し処理する信号処理手段と、前記信号処理手段が分別し処理した結果をもとにして検査対象物の品質を判断する合否判断手段とから構成されていることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置である。
【0014】
請求項3の発明によると、品質レベル選択手段が品質レベルを定め、検出手段が検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出し、信号取捨選択手段が瑕疵候補の信号を取捨選択し、信号処理手段が真の瑕疵信号を分別し処理し、合否判断手段が品質を判断する。したがって、請求項1に記載の方法は、例えば、請求項3の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置によって実施される。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置であって、前記品質レベル選択手段は、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板のめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて品質レベルを選択し、前記信号取捨選択手段は、前記品質レベルに対応して定まる信号の強さの閾値を境界として、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号の中から当該閾値を超える強さの信号を瑕疵候補の信号として選択して抜出し、前記信号処理手段は、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴を分類したデータベースと比較して、前記瑕疵候補の信号の中から真の瑕疵信号を選別し、瑕疵の種類及び分布状態を特定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置である。
請求項2に記載の方法は、例えば、請求項4の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置によって実施される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1ないし図4を参照して本実施の形態の構成を説明する。
図1に示すように、溶融亜鉛めっき鋼板70を連続生産する製造ラインCGLにおいて、溶融亜鉛めっき鋼板70を巻き取ってコイルCとする前の段階で、溶融亜鉛めっき鋼板70の品質管理装置1が設置されている。製造ラインCGLの運転はプロセスコンピュータPCによって管理されており、プロセスコンピュータPCは、生産中の溶融亜鉛めっき鋼板70の諸元データDを有している。
【0017】
諸元データDの中には、溶融亜鉛めっき鋼板70のめっき種類、鋼板の種類、用途についてのデータが含まれている。めっき種類のデータにはGI、GAの別が入っており、鋼板の種類のデータには軟鋼、高張力鋼の別が入っている。また、用途のデータには、厳格材、準厳格材、非厳格材の別が入っている。なお、厳格材とは、人目に触れる場所に使用されて外観上の美しさが要求されるものをいい、非厳格材とは人目に触れない場所に使用され外観上の美しさは問題とされないものをいい、準厳格材は外観上の美しさの要求度が厳格材の要求度よりも緩いものをいう。
【0018】
図1及び図2に示すように、品質管理装置1は、品質レベル選択手段である品質レベル選択装置10、検出手段である検出装置20、信号取捨選択手段である信号取捨選択装置30、信号処理手段である信号処理装置40、合否判断手段である合否判断装置50とから形成されている。品質レベル選択装置10は演算部12とメモリ14とからなる。演算部12は、プロセスコンピュータPCから溶融亜鉛めっき鋼板70の諸元データDを受け取り、演算部12に格納されたプログラムP1が諸元データDを参照して溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルLを選択し、その結果をメモリ14に書き込み記憶させる構成となっている。
【0019】
また、検出装置20は、線状光源22、明視野カメラ24、暗視野カメラ26とから形成されている。図3に示すように、線状光源22は製造ラインCGLにおいて連続して搬送される溶融亜鉛めっき鋼板70の上方に位置しており、溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に可視光を投射可能に設置してある。また、明視野カメラ24は、線状光源22から投射されて溶融亜鉛めっき鋼板70の表面で反射する光のうち正反射光を撮影可能であり、暗視野カメラ26は溶融亜鉛めっき鋼板70の表面で反射する光のうち乱反射光を撮影可能とする構成を有する。明視野カメラ24、暗視野カメラ26は、それぞれ溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向を一方の端から他方の端まで同時に撮影可能に溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に複数台並んで設置されている(図4を参照)。なお、図4は明視野カメラ24が溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に設置されている状態を示すが、暗視野カメラ26についても同様である。
【0020】
さらに、信号取捨選択装置30は、A/D変換装置32、演算部34、メモリ36とからなる。A/D変換装置32は明視野カメラ24と暗視野カメラ26の出力につながって設置されている。A/D変換装置32が、明視野カメラ24と暗視野カメラ26から受け取るアナログの生信号Saをデジタルの明度信号Sbwに変換し、この明度信号Sbwを演算部34へ送る構成となっている。なお、明度信号Sbwとは生信号Saをその強度にしたがって0から255まで256階調のグレースケールにより数値化したものであり、階調の値が0のときは黒色に相当し、255のときは白色に相当する。また、この個々の明度信号Sbwは、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面上で0.20mm×0.25mmの面積から取得した生信号Saに対応している。
【0021】
また、演算部34はプログラムP2、P3を格納している。プログラムP2は、品質レベルLの情報をメモリ14から受け取り、品質レベルLに対応する閾値Δlight、閾値Δdarkをメモリ36が格納している閾値テーブルT1から選択するプログラムである。閾値テーブルT1においては、各品質レベルLに対応した閾値Δlight、閾値Δdarkがそれぞれ定められている。なお、閾値Δlight及びΔdarkとは、個々の明度信号Sbwが溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を反映している可能性があるか否かを判断するための数値であり、明度の上限と下限の閾値を意味する。
【0022】
そして、プログラムP3は、プログラムP2が選択した閾値Δlight、閾値Δdarkを用いて、明度信号Sbwの中から瑕疵候補の信号Scndを抜出し、瑕疵候補の信号Scndをメモリ36に書き込み記憶させるプログラムである。
プログラムP3においては、溶融亜鉛めっき鋼板70の一定範囲から得られる明度信号Sbwの平均値Saveを計算し、この平均値Saveを溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵がない状態を表す値とし、(Save+Δlight)と(Save−Δdark)との間の範囲内に存在しない明度信号Sbwを、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を反映している可能性がある瑕疵候補の信号Scndとして抜出す。また、平均値Saveは、溶融亜鉛めっき鋼板70の一本の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから計算することが可能であり(以下、溶融亜鉛めっき鋼板70の一本の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから平均値Saveを計算する場合を「BLF」という。)、複数本の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから計算することも可能である(以下、溶融亜鉛めっき鋼板70の複数本(たとえば16本)の幅方向の撮影で得られる明度信号Sbwから平均値Saveを計算する場合を「SD」という。)。
【0023】
また、信号処理装置40は、プログラムP4を格納する演算部42とメモリ44とからなる。プログラムP4は、メモリ44に格納されている瑕疵データベースT2から瑕疵の種類毎の基準情報Istdを読み取り、基準情報Istdを参照して瑕疵候補の信号Scndから真の瑕疵信号Stを瑕疵の種類別に選別・分類し、瑕疵の種類別の分布状態の情報Siをメモリ44に書き込み記憶させるプログラムである。瑕疵データベースT2は、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面に発生する各種類の瑕疵の現れ方の特徴を数値化した情報のデータベースである。瑕疵の種類としては、線状に疵が現れる線状疵、めっきがなされていない部分である不めっき、異物が付着して表面が変色したシルバースポット等がある。これらの瑕疵は、その種類に応じて瑕疵の長さ、幅、外周長さ、面積、色調に特徴があり、これらの特徴を前記グレースケールの階調の数値として表し、これらの数値のパターンが特徴量として瑕疵データベースT2に記録されている。そして、これらの特徴量が基準情報Istdとして扱われる。したがって、瑕疵候補の信号Scndの値の強弱、連続具合等を基準情報Istdと比較し、瑕疵候補の信号Scndの中から現実に存在する瑕疵に対応した真の瑕疵信号Stを選別可能であり、瑕疵は種類別に分類され、その分布状態の情報Siが算出可能となっている。
【0024】
また、合否判断措置50は、プログラムP5、P6を格納する演算部52、メモリ54、表示装置56とからなる。プログラムP5は、メモリ44から受け取った瑕疵の種類別の分布状態の情報Siから、溶融亜鉛めっき鋼板70の欠陥長さLfと格外率Rfを瑕疵の種類別に計算し、格外率Rfをメモリ54に書き込み記憶させるプログラムである。なお、欠陥長さLfとは溶融亜鉛めっき鋼板70中の瑕疵を有する部分の長さのことであり、格外率Rfとは溶融亜鉛めっき鋼板70の全長中に、瑕疵を含む部分がどれだけの長さ存在するかを百分率で表したものである。
【0025】
プログラムP5では、まず瑕疵の種類別に欠陥長さLfを計算する。欠陥長さLfの計算においては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板70上に瑕疵が1箇所ある場合は1mと数え、溶融亜鉛めっき鋼板70の長手方向1mの範囲内に複数個の瑕疵がある場合は、この1mの範囲内に存在するものを一まとまりとして1mに数える。また、瑕疵が長手方向に1m以上連続して存在する場合は、瑕疵が存在する長手方向の長さを切り上げて整数値で表した長さ(m)を欠陥長さLfとする。そして、欠陥長さLfを用いて格外率Rfを計算する。具体的には、欠陥長さLfと溶融亜鉛めっき鋼板70の全長との比から算出する。なお、溶融亜鉛めっき鋼板70の全長のデータは、プロセスコンピュータPCから演算部52が受け取る。
【0026】
また、プログラムP6は、メモリ54に記憶されている瑕疵の種類別の格外率Rfと、やはりメモリ54に格納されている合否判断テーブルT3から読み取った合否判断基準情報Ipfとを比較し、個々の溶融亜鉛めっき鋼板70が品質レベルLを満たしているか否かを判断し、その判断結果Jをメモリ54に書き込み記憶させるとともに、表示装置56から出力させるプログラムである。
【0027】
合否判断テーブルT3には、各品質レベルLに対応して瑕疵の種類ごとに許容される格外率Rfの上限値が定められており、これらの上限値の情報が合否判断基準情報Ipfとなる。プログラムP5が算出した各格外率Rfのうち一つでも合否判断基準情報Ipfの上限値を超えていると溶融亜鉛めっき鋼板70の品質は不合格と判断され、各格外率Rfの合計値が一定値以上となった場合も溶融亜鉛めっき鋼板70の品質は不合格と判断され、その判断結果Jを表示装置56が受けとって表示する構成となっている。
【0028】
本実施の形態は上記のように構成されており、次にその作用について図を参照しつつ説明する。なお、図5は、品質管理装置1による品質判断の流れ図であり、図6は、品質レベル選択装置10における品質レベルの選択の流れ図である。
製造ラインCGLにおいて、溶融亜鉛めっき鋼板70が連続生産されており、生産された溶融亜鉛めっき鋼板70はコイルCに巻き取られている。そして、品質管理装置1はプロセスコンピュータPCから生産中の溶融亜鉛めっき鋼板70の諸元データDを受け取っている。
【0029】
まず、品質レベル選択装置10の演算部12はこの諸元データDから溶融亜鉛めっき鋼板70のめっき種類、鋼板の種類、用途の情報を取得し、プログラムP1が溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルLを選択する(図5のS100)。S100の中における処理の流れを図6を用いて示す。まず、諸元データDを読み込み(S120)、諸元データDから溶融亜鉛めっき鋼板70のめっき種類を判断し(S122)、めっき種類がGIである場合は品質レベルLはL6に決定される(S130)。めっき種類がGAであるときは、さらに、鋼板の種類を判断し(S124)、鋼板の種類が高張力鋼である場合は、用途が厳格材か否かを判断する(S126)。そして、用途が厳格材ではないときは品質レベルLはL5に決定され(S132)、用途が厳格材であるときは品質レベルLはL4に決定される(S134)。また、鋼板の種類が軟鋼である場合は、用途を非厳格材、準厳格材、厳格材に分け(S128)、用途が非厳格材のときは品質レベルLはL3に決定され(S136)、用途が準厳格材であるときは品質レベルLはL2に決定され(S138)、用途が厳格材のときは品質レベルLはL1に決定される(S140)。これらの品質レベルLの情報は、メモリ14に送られて記憶される(S142)。
【0030】
また、コイルCに巻き取られる前の段階の溶融亜鉛めっき鋼板70の表面を、品質管理装置1の検出装置20の明視野カメラ24及び暗視野カメラ26が連続撮影している。線状光源22が溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向に可視光を投射し、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面で反射した光のうち正反射光が明視野カメラ24により撮影され、乱反射光が暗視野カメラ26によって撮影される。明視野カメラ24と暗視野カメラ26とを併用して正反射光と乱反射光とを撮影しているので、一方のカメラに入射する反射光が微小量しかなくても溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を見逃すことは防止される。明視野カメラ24及び暗視野カメラ26はそれぞれ溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向を一方の端から他方の端まで同時に撮影して生信号Saをアナログ信号として取得し(図5のS102)、溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の状態を反映した生信号Saは信号取捨選択装置30のA/D変換装置32へ送られる。
【0031】
A/D変換装置32では、明視野カメラ24及び暗視野カメラ26から受け取った生信号Saを、信号の強度にしたがって0から255までの階調に数値化し、明度信号Sbwにデジタル変換する。そして、明度信号Sbwは演算部34へ送られる。
演算部34では、プログラムP2がメモリ14から受け取った品質レベルLの情報にしたがって、閾値テーブルT1から閾値Δlight、閾値Δdarkを選択する。このとき、明度信号Sbwは、正反射光についてのものと乱反射光についてのものに分けられており、正反射光の場合のBLFに対する閾値Δlig htと閾値Δdark、正反射光の場合のSDに対する閾値Δlightと閾値Δdark、乱反射光の場合のBLFに対する閾値Δlightと閾値Δdark、乱反射光の場合のSDに対する閾値Δlightと閾値Δdarkの4組の閾値がそれぞれ選択される。
【0032】
そして、プログラムP3が、正反射光及び乱反射光の明度信号Sbwに対してそれぞれBLFとSDによる平均値Saveを算出し、プログラムP2により選択された各閾値Δlight、Δdarkを用いて瑕疵候補の信号Scndを明度信号Sbwから抜出し、瑕疵候補の信号Scndをメモリ36に書き込み記憶させる(図5のS104)。具体的には、正反射光でBLFの場合、正反射光でSDの場合、乱反射光でBLFの場合、乱反射光でSDの場合について、それぞれ(Save+Δlight)と(Save−Δdark)との間の範囲内に存在しない明度信号Sbwを瑕疵候補の信号Scndとする。各閾値Δlight、閾値Δdarkは、品質レベルLの情報に応じて選択したものなので、メモリ36に記憶される瑕疵候補の信号Scndの量は、品質レベルLの要求が厳しい場合には多くなり、緩い場合には少なくなる。したがって、必要にして充分な量の瑕疵候補の信号Scndをメモリ36に記憶させれば足り、品質管理装置1の処理能力に過大な負担がかかることは防止される。なお、瑕疵候補の信号Scndの中には、品質レベルLによって許容されない溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の瑕疵を反映した真の瑕疵信号Stと、品質レベルLによれば瑕疵とはみなされない溶融亜鉛めっき鋼板70の表面の状態を反映したノイズが混在している。
【0033】
そして、信号処理装置40の演算部42のプログラムP4は、メモリ36から受け取った瑕疵候補の信号Scndと瑕疵データベースT2から読み取った基準情報Istdとを比較し、瑕疵候補の信号Scndの中から真の瑕疵信号Stと前記ノイズとを区別して選別し、真の瑕疵信号Stを瑕疵の種類別に分類し、瑕疵の種類別にその分布状態の情報Siをメモリ44に書き込む(図5のS106)。このとき、プログラムP4が比較選別しなければならない瑕疵候補の信号Scndの量は品質レベルLに応じて変化するので、品質レベルLの要求が厳しい場合にはその量が多くなりプログラムP4の処理に時間がかかるが、緩い場合にはその量が少ないので処理にかかる時間は短くなる。
【0034】
さらに、合否判定装置50の演算部52のプログラムP5が、メモリ44から瑕疵の種類別の分布状態の情報Siを読み取り、瑕疵の種類別に欠陥長さLfを計算する。この欠陥長さLfから、溶融亜鉛めっき鋼板70中の瑕疵を有する部分の長さが判明する。さらに、各欠陥長さLfとコイルの全長から、瑕疵の種類別の格外率Rfをそれぞれ計算し、格外率Rfがメモリ54に記憶される。
【0035】
また、プログラムP6が、合否判断テーブルT3から合否判断基準情報Ipf及び瑕疵の種類別の各格外率Rfを読み取って比較し、各格外率Rfの中に合否判断基準情報Ipfに定められた上限値を超えるものがないかを調べ、上限値を超える格外率Rfが1つ以上存在する場合にはその溶融亜鉛めっき鋼板70は品質レベルLを満足しない不合格品であると判断する。さらに、各格外率Rfがすべて上限値以下であっても、各格外率Rfの合計値が所定の値を超えている場合はやはり品質レベルLを満足しない不合格品であると判断する(図5のS108)。そして溶融亜鉛めっき鋼板70が合格品であるか不合格品であるかの判断結果Jは、メモリ54に記憶されるとともに、表示装置56へ送られる。
【0036】
そして、表示装置56が判断結果Jを演算部52から受け取り、その判断結果を表示する。
したがって、品質管理装置1によって、溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルLに応じた品質管理を行うことが可能となり、品質レベルLに応じて瑕疵の検査の基準を調整する必要もなく、必要な作業労力は軽減化されて検査の基準の調整ミスも防止され、瑕疵候補の信号Scndを抜出すときに使用する閾値ΔlightとΔdarkが突発的に高く切り替えられてしまうこともなく、瑕疵の見逃しが防止され、品質管理装置1による情報処理の負担が不必要に過大となることは防止される。
【0037】
なお、個々の明度信号Sbwに対応する溶融亜鉛めっき鋼板70の表面上での面積を0.20mm×0.25mmの広さとしたが、かかる広さに限定されるものでないことは勿論である。この面積を溶融亜鉛めっき鋼板70の品質レベルによって変化させることが可能であり、この面積を小さくすればより詳細に瑕疵を検出可能となる。また、この面積を大きくして、品質管理装置1が処理しなければならない情報量を少なくし、処理の負担を軽くし処理速度を速くすることが可能である。
【0038】
また、閾値テーブルT1、瑕疵データベースT2は、必要に応じてその内容を書換可能とできることは勿論である。そして、指標となる瑕疵を有する溶融亜鉛めっき鋼板70を品質管理装置1で検査し、そのデータを瑕疵データベースT2に追加可能な構成とすることもできる。
次に、閾値テーブルT1の1例を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
閾値テーブルT1では、品質レベルLによって許容される瑕疵の程度は異なるので、品質レベルL1から品質レベルL6に応じて閾値をそれぞれ定めている。また、検出装置20のカメラ24、26が撮影する反射光はそれぞれ正反射光と乱反射光であり、撮影する光に応じて閾値をそれぞれ別に定めている。さらに、平均値SaveをBLFによって算出するかSDによって算出するかによって閾値は異なる。図6において、たとえば、品質レベルLがL1(めっき種類がGA、鋼板の種類が軟鋼、用途は厳格材)であり、明視野カメラ24が捉える正反射光の信号を対象とし、BLFにより算出した平均値Saveを用いる場合(場合1)は、閾値Δlight、閾値Δdarkは256階調のグレースケールの明度表示でそれぞれ40、30となる。したがって、BLFによる平均値Saveが100であるときは、100+30と100−40の間の範囲に存在しない明度信号Sbwは、プログラムP3によって瑕疵候補の信号Scndとして抜出される。
【0041】
次に、前述の場合1において、明度信号Sbwと瑕疵候補の信号Scndの関係の1例を図7に示す。図7の横軸は溶融亜鉛めっき鋼板70の幅方向を示し、縦軸は明度信号Sbwの強度を256階調のグレースケールで示す。生信号Saのうち、Save+Δlight(=130)とSave−Δdark(=60)との間の範囲にないものが瑕疵候補の信号Scndである。なお、図6の縦軸の目盛間隔は一定となっていない。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、上記のような溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置であるので、溶融亜鉛めっきの種類、鋼板の種類及び用途の条件に応じて、瑕疵を検出する検査基準を検査装置が選択でき、検査装置の情報処理に大きな負担がかかることを防止でき、溶融亜鉛めっき鋼板の瑕疵を見逃すことなく品質を管理し保証できる溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインの構成図である。
【図2】溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置のブロック図である。
【図3】検出装置の構成図である。
【図4】明視野カメラの設置状態の説明図である。
【図5】品質判断の流れ図である。
【図6】品質レベルの選択の流れ図である。
【図7】生信号と瑕疵候補の信号の関係の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 溶融亜鉛めっき鋼板品質管理装置
10 品質レベル選択装置
12 品質レベル選択装置演算部
14 品質レベル選択装置メモリ
20 検出装置
22 線状光源
24 明視野カメラ
26 暗視野カメラ
30 信号取捨選択装置
32 A/D変換装置
34 信号取捨選択装置演算部
36 信号取捨選択装置メモリ
40 信号処理装置
42 信号処理装置演算部
44 信号処理装置メモリ
50 合否判断措置
52 合否判断措置演算部
54 合否判断措置メモリ
56 表示装置
70 溶融亜鉛めっき鋼板
CGL 溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン
C コイル
PC プロセスコンピュータ
P1、P2、P3、P4、P5、P6 プログラム
T1 閾値テーブル
T2 瑕疵データベース
T3 合否判断テーブル
D 溶融亜鉛めっき鋼板の諸元データ
L、L1、L2、L3、L4、L5、L6 溶融亜鉛めっき鋼板品質レベル
Sa 溶融亜鉛めっき鋼板の生信号
Sbw 明度信号
Scnd 瑕疵候補の信号
Si 瑕疵の種類別の分布状態の信号
Δlight、Δdark 閾値
Istd 瑕疵の種類別の基準情報
Ipf 合否判断基準情報
BLF 平均値を溶融亜鉛めっき鋼板の一本の幅方向の撮影から得られる明度信号Sから計算する場合
SD 平均値を溶融亜鉛めっき鋼板の複数本の幅方向の撮影から得られる明度信号から計算する場合
Rf 格外率
J 品質の判断結果
Claims (4)
- 検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板に求められる品質レベルを選択し、
検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出し、
前記検査対象物の表面の状態を反映する信号から前記品質レベルを満たさない瑕疵を反映する可能性がある瑕疵候補の信号を取捨選択し、
前記瑕疵候補の信号から現実に存在する瑕疵を反映する真の瑕疵信号を分別して処理し、
前記真の瑕疵信号を分別し処理した結果をもとにして検査対象物の品質を判断することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法。 - 請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法であって、前記品質レベルの選択において、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板のめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて品質レベルを選択し、
前記瑕疵候補の信号の取捨選択において、前記品質レベルに対応して定まる信号の強さの閾値を境界として、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号の中から当該閾値を超える強さの信号を瑕疵候補の信号として選択して抜出し、
前記真の瑕疵信号の分別と処理において、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴を分類したデータベースと比較して、前記瑕疵候補の信号の中から真の瑕疵信号を選別し、瑕疵の種類及び分布状態を特定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理方法。 - 検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板に求められる品質レベルを選択する品質レベル選択手段と、
検査対象物の表面の状態を反映する信号を検出する検出手段と、
前記検査対象物の表面の状態を反映する信号から前記品質レベルを満たさない瑕疵を反映する可能性がある瑕疵候補の信号を取捨選択する信号取捨選択手段と、
前記瑕疵候補の信号から現実に存在する瑕疵を反映する真の瑕疵信号を分別し処理する信号処理手段と、
前記信号処理手段が分別し処理した結果をもとにして検査対象物の品質を判断する合否判断手段とから構成されていることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置。 - 請求項3に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置であって、前記品質レベル選択手段は、検査対象物である溶融亜鉛めっき鋼板のめっき種類、鋼板種類及び用途の条件に応じて品質レベルを選択し、
前記信号取捨選択手段は、前記品質レベルに対応して定まる信号の強さの閾値を境界として、前記検査対象物の表面の状態を反映する信号の中から当該閾値を超える強さの信号を瑕疵候補の信号として選択して抜出し、
前記信号処理手段は、瑕疵の種類別に信号の現れ方の特徴を分類したデータベースと比較して、前記瑕疵候補の信号の中から真の瑕疵信号を選別し、瑕疵の種類及び分布状態を特定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理装置。
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