JP2004146728A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】COC型のシステムインパッケージを構成するにあたって、フリップチップ接続を良好に行えるようにする。
【解決手段】チップ1をチップ2上にフリップチップ接続した積層構造を有する半導体装置の構成として、チップ1は、主面上の有効素子領域に回路が形成された素子基板3と、チップ2との電気的接続のための接続用パッド4と、回路の電気的特性測定のための測定用パッド5とを有し、素子基板3の厚み方向で測定用パッド5を接続用パッド4よりも下層に配置した構成とすることにより、測定用パッド5上に形成されるはんだバンプ24の高さ位置を低く抑える。
【選択図】 図1
【解決手段】チップ1をチップ2上にフリップチップ接続した積層構造を有する半導体装置の構成として、チップ1は、主面上の有効素子領域に回路が形成された素子基板3と、チップ2との電気的接続のための接続用パッド4と、回路の電気的特性測定のための測定用パッド5とを有し、素子基板3の厚み方向で測定用パッド5を接続用パッド4よりも下層に配置した構成とすることにより、測定用パッド5上に形成されるはんだバンプ24の高さ位置を低く抑える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有する半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSIの価格対性能比の向上を維持するうえで、SIP(システム・イン・パッケージ)が注目されている。SIPは、複数のチップ(半導体素子)を組み合わせて高密度に接続することにより、各々のチップが備える機能を統合するパッケージ技術である。このSIPによれば、システム側が要求する、低コスト化、高機能化、低消費電力化、小型・軽量化、仕様の柔軟性などにバランス良く応えることができる。
【0003】
SIPは、その構造上の違いから、COC(チップ・オン・チップ)型、チップ・スタック型、パッケージ積層型、基板接続型の4種類に分類される。このうち、COC型は、ベースとなるチップ上にこれと別のチップを積層した構造を有するもので、これは回路間の配線長が短いために高速化に対応しやすいという特長をもっている。このCOC型では、チップ同士の回路面を向かい合わせ、バンプを介してフリップチップで接続する。この場合のチップ接合技術として、Au(金)バンプを介したフリップチップ接続を採用したものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
「日経マイクロデバイス」、日経BP社、2001年3月、p.125−127
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、Auバンプによるフリップチップ接続は、バンプ接合時に必要とされる荷重(ボンディング荷重)が高いことから、SIPのフリップチップ接続には不向きであった。すなわち、SIPでは回路設計の自由度や配線長の短縮などを理由にチップの有効素子領域(アクティブ・エリア)上にバンプを形成している。そのため、バンプ接合時に高い荷重が回路面に加えられることにより、回路がダメージを受ける恐れがある。そこで、Auバンプよりも低い荷重で接続できるものとして、はんだバンプによるフリップチップ接続を採用することが考えられる。はんばバンプによるフリップチップ接続では、はんだの融点が低いことから、低温度・低荷重でチップ同士を電気的に接続することができる。
【0006】
一方、SIPを構成するチップの主面上には、チップ同士を電気的に接続するための電極パッド(以下、「接続用パッド」とも記す)の他に、製造プロセスの中で回路(IC、LSI等)の電気的特性を測定するための電極パッド(以下、「測定用パッド」とも記す)が形成される。接続用パッドと測定用パッドは、それぞれの電極パッドの形成目的に応じてパッドサイズやパッド配置などが異なる。よって、これらの要素から接続用パッドと測定用パッドを区別することができる。
【0007】
具体的には、接続用パッドがチップの有効素子領域(回路面)上にエリア状に形成されるのに対し、測定用パッドはチップの外周部(4辺、2辺)にまとめて形成される。また、接続用パッドは、測定用パッドよりもパッドサイズが小さく形成される。例えば、測定用パッドの場合は測定時にプローブカードのプローブ針をパッド面に接触させる必要性からパッドサイズが70μm程度に設定されるのに対し、接続用パッドの場合は多ピン化などへの対応としてパッドサイズが40μm、20μm又は10μmに設定される。さらに、チップ同士を接続した状態では、接続用パッドが相手チップと接続状態となるのに対し、測定用パッドは非接続状態となる。また、測定用パッドは電気的特性測定に必要な個数だけ形成されるため、チップ上で各々のパッド個数を比較すると、接続用パッドが測定用パッドよりも多くなる。
【0008】
ちなみに、パッドサイズに関しては、将来的にプローブカードの改善や新たな接続方式の提案により、測定用パッドのパッドサイズが接続用パッドのパッドサイズと同等レベルまで小さくなることも考えられるが、パッド配置やパッドの接続状態、パッド個数に関しては将来的に変わることはないと推定される。また、測定用パッドにつながるチップ上の配線部分(パターン)は、実際にウエハ状態での電気的測定が終了した後に、物理的又は電気的に切断される。
【0009】
上述のように接続用パッドと測定用パッドが混在するチップを、先述したはんだバンプによるフリップチップ接続によって他のチップ上に実装する場合、次のような不具合が発生する恐れがある。すなわち、チップ上にはんだバンプを形成する場合は、その前処理として、アルミニウムからなる電極パッドに対して無電解ニッケル(Ni)/金(Au)メッキを施し、その後ではんだを供給することにより、電極パッド上にばんだバンプを形成している。この場合、電極パッド上にNi/Auのメッキ層を形成することにより、はんだの濡れ性を良好にしたうえで、はんだの拡散を抑えることができる。また、はんだの供給方法としては印刷法や浸漬法(ディップ法)などが考えられるが、印刷法はパッドサイズやパッド配置に対応した専用のスクリーンマスクが必要で、しかも微細パッドへのバンプ形成が困難であるため、現状では浸漬法が好ましいとされている。
【0010】
ところが、図6に示すように、チップ上に形成された接続用パッド51や測定用パッド52に対しては、一様にNi/Auのメッキ層53,54が形成(析出)されるため、メッキ処理の後に浸漬法ではんだを供給すると、バンプ形成が必要な接続用パッド51上にはんだバンプ55が形成されるだけでなく、本来バンプ形成が不要な測定用パッド52上にもはんだバンプ56が形成されることになる。
【0011】
そうした場合、測定用パッド52は接続用パッド51よりもパッドサイズが大きいため、測定用パッド52上のはんだバンプ56の方が接続用パッド51上のはんだバンプ55よりも大きく盛り上がった状態になる。したがって、それぞれの電極パッド(51,52)上に形成されるはんだバンプ55,56の高さ位置を比較すると、測定用パッド52上のはんだバンプ56が接続用パッド51上のはんだバンプ55よりも所定の寸法Fだけ高い位置(突出した位置)に配置される。
【0012】
その結果、はんだバンプによるフリップチップ接続では、バンプ形成済みのチップを、インターポーザとなる他のチップ上に実装しようとしたときに、接続用パッド51上のはんだバンプ55が接続先の相手バンプと接触する前に測定用パッド52上のはんだバンプ56がインターポーザと接触してしまい、本来接続すべきバンプ同士を接続できなくなる恐れがある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有するものであって、半導体素子は、主面上の有効素子領域に回路が形成された素子基板と、素子基板の主面上に形成された第1の電極パッドと、素子基板の主面上に形成された第2の電極パッドとを有し、かつ素子基板の厚み方向で第2の電極パッドを第1の電極パッドよりも下層に配置した構成となっている。
【0014】
上記構成の半導体装置においては、素子基板の厚み方向で第2の電極パッドを第1の電極パッドよりも下層に配置することにより、第1の電極パッドと第2の電極パッドを同じ層(最上層)に形成した場合に比較して、第2の電極パッド上に形成される突起電極の高さ位置(突出状態)が低く抑えられる。そのため、半導体素子を回路基板上に実装するにあたっては、第2の電極パッド上に形成される突起電極を回路基板から離した状態でフリップチップ接続することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態に係る半導体装置(SIP)の構成とその実装構造の一例を示す側断面図である。図1においては、半導体素子であるチップ1と、同じく半導体素子である他のチップ2とがフリップチップ方式で接続され、これによってCOC型の積層構造(2層構造)を有するSIPの半導体装置が構成されている。チップ2は、チップ1をフリップチップ接続で実装する際のインターポーザとなるもので、その外形寸法はチップ1よりも大きく設定されている。
【0017】
チップ1は、例えばシリコン基板等の素子基板3をベースに構成された半導体素子であり、その主面上の有効素子領域には所定の機能(例えば、メモリ機能)をもつ回路が形成されている。チップ1の主面上には、アルミニウム等からなる複数の接続用パッド4と、同じくアルミニウム等からなる複数の測定用パッド5とが形成されている。
【0018】
接続用パッド4は、本発明における「第1の電極パッド」に相当するもので、チップ1の主面上で有効素子領域内(回路面上)に形成されている。測定用パッド5は、本発明における「第2の電極パッド」に相当するもので、チップ1の主面上で有効素子領域を取り囲む位置(外周部)に形成されている。チップ1上における接続用パッド4と測定用パッド5の区別の仕方については先述したとおりである。
【0019】
チップ2は、例えば上記同様にシリコン基板等の素子基板6をベースに構成された半導体素子であり、その主面の有効素子領域には上記チップ1と異なる所定の機能(例えば、ロジック機能)をもつ回路が形成されている。チップ2の主面上には、アルミニウム等からなる複数の接続用パッド7と、同じくアルミニウム等からなる複数の実装用パッド8とが形成されている。
【0020】
接続用パッド7は、チップ2の主面上で有効素子領域内(回路面上)に形成されている。この接続用パッド7は、上記チップ1の接続用パッド4に対応して形成されたもので、そのパッドサイズやパッド配置は接続用パッド4に整合するように設定されている。実装用パッド8は、チップ2の主面上で有効素子領域を取り囲む位置(外周部)に形成されている。この実装用パッド8は、フリップチップ接続されたCOC構造の積層チップ(1,2)をマザー基板9に実装するためのものである。チップ2においては、実装用パッド8が測定用パッドを兼用した構成となっている。
【0021】
チップ1とチップ2は、互いの回路面を対向させた状態(向かい合わせた状態)で、後述するはんだバンプを用いたフリップチップ接続により、電気的かつ機械的に接続されている。また、チップ1とチップ2の間には封止材10が充填されている。封止材10はフリップチップ接続部(はんだ接合部)を覆うように充填されている。また、チップ2の実装用パッド8上にははんだ電極11が形成されている。はんだ電極11はマザー基板9のランド12に接続されている。マザー基板9は、例えばガラスエポキシを基材としたプリント配線基板によって構成されるものである。
【0022】
ここで本発明に係る半導体装置の構成上の特徴は、チップ1に形成される接続用パッド4と測定用パッド5の積層関係にある。すなわち、チップ1の主面上において、接続用パッド4は最上層に形成されているのに対し、測定用パッド5は最上層の接続用パッド4よりも下層に形成されている。具体的には、例えば図2に示すように、チップ1の配線層を2層構造とする場合、第1層目(下層)に測定用パッド5を配置し、第2層目(上層)に接続用パッド4を配置した構成となっている。
【0023】
続いて、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図3〜図5を用いて説明する。
【0024】
まず、図3(A)に示すように、ベースとなる素子基板(シリコン基板)3上に、例えばSiO2(二酸化シリコン)なる絶縁膜13を形成する。次に、図3(B)に示すように、素子基板3の絶縁膜13上に例えばアルミニウムからなる金属配線材料によって第1の配線層を形成するとともに、この第1の配線層をパターニングすることにより、絶縁膜13上に第1の配線パターン14A,14Bを形成する。
【0025】
次いで、図3(C)に示すように、第1の配線パターン14A,14Bを覆う状態で例えばSiO2からなる層間絶縁膜15を絶縁膜13上に重ねて形成(積層)した後、この層間絶縁膜15上に第1の配線パターン14Bに通じるビアホール(導通路)16を形成する。
【0026】
次に、図3(D)に示すように、層間絶縁膜15上に例えばアルミニウムからなる金属配線材料によって第2の配線層を形成するとともに、この第2の配線層をパターニングすることにより、層間絶縁膜15上に第2の配線パターン17を形成する。このとき形成される第2の配線パターン17は、ビアホール16を介して第1の配線パターン14Bに電気的に接続(導通)された状態となる。なお、金属配線材料としては、アルミニウム以外の金属(例えば、銅)を用いることも可能である。
【0027】
続いて、図4(A)に示すように、層間絶縁膜15上に第2の配線パターン17を覆う状態で、例えばSiN(窒化シリコン)らなるパッシベーション膜18を形成(積層)する。
【0028】
次に、パッシベーション膜18上に図示しないレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとしたエッチング処理を行うことにより、図4(B)に示すように、第1の配線パターン14Aに通じるパッド開口19と第2の配線パターン17に通じるパッド開口20をパッシベーション膜18上に形成する。このうち、第2の配線パターン17上でパッド開口19により露出した部分は接続用パッド4となり、第1の配線パターン14A上でパッド開口20により露出した部分が測定用パッド5となる。つまり、接続用パッド4は第2の配線パターン17によって形成され、測定用パッド5は第1の配線パターン14Aによって形成される。
【0029】
このとき、金属配線材料としてアルミニウムを用いるとともに、エッチング処理の具体的手法としてドライエッチングを採用するものとすると、アルミニウムのエッチング速度が、層間絶縁膜(SiO2)15やパッシベーション膜(SiN)18のエッチング速度に比べて非常に遅いため、接続用パッド4と測定用パッド5に通じるパッド開口19,20を1回のエッチング処理で同時に形成することができる。そのときに使用するガスはAr,CHF3,CF4などの混合ガスになる。
【0030】
次いで、図4(C)に示すように、Ni/Auの無電解メッキにより、接続用パッド4上と測定用パッド5上にそれぞれメッキ層21,22を形成する。このメッキ層21,22は、各々の電極パッド(4,5)上に突起電極(本形態例でははんだバンプ)を形成する際の下地金属つまりアンダーバンプメタル(Under Bump Metal)となる。チップ1内においては、メッキ層21,22が直接形成される面がパッド面となり、このパッド面を形成するものが接続用パッド4及び測定用パッド5となる。
【0031】
このとき、測定用パッド5上においては、メッキ層22の最上面がパッシベーション膜18の表面から若干凹んだ位置に形成されるように、メッキ層22の厚さを適宜調整する。これにより、測定用パッド5上においては、パッシベーション膜18とメッキ層22との間に、メッキ層22の表面をパッシベーション膜18の表面よりも低位とする段差Dが設けられる。また、接続用パッド4に通じるパッド開口19と測定用パッド5に通じるパッド開口20では、それらの電極パッド(4,5)の層間差分(本例では層間絶縁膜15による1層分)に対応してメッキ層21,22の最上位置P1,P2の高さが変わる。すなわち、接続用パッド4上のメッキ層21が測定用パッド5上のメッキ層22よりも高い位置に配置・形成される。
【0032】
続いて、浸漬法によりはんだを供給することにより、上記図2に示すように、接続用パッド4上及び測定用パッド5上にそれぞれメッキ層21,22を介してはんだバンプ23,24を形成する。このとき、素子基板3の厚み方向ではんだバンプ23,24の高さ位置を比較すると、測定用パッド5上に形成されたはんだバンプ24の方が、接続用パッド4上に形成されたはんだバンプ23よりも低い位置(凹んだ位置)に配置される。よって、素子基板3上においては、はんだバンプ23,24の間にそれらの高低差に応じた段差Eが設けられる。
【0033】
また、接続用パッド4上ではパッド開口19から若干はみ出るようにメッキ層21が形成されるのに対し、測定用パッド5上ではパッド開口20からはみ出ることなくメッキ層22が形成される。これにより、測定用パッド5上においては、メッキ層22の形成領域がパッド開口20の開口領域内に抑えられるため、それに応じてはんだバンプ24の高さも低く抑えられる。ちなみに、パッド開口20からはみ出るようにメッキ層22が形成された場合は、メッキ層22の形成領域の拡大によってはんだバンプ24の高さも高くなる。
【0034】
以上の工程によって図2に示す構造のチップ1が得られる。なお、このチップ1は、半導体ウエハの状態で製造された後、ダイシング等により個片に分割される。
【0035】
一方、インターポーザとなるチップ2については、チップ1と別工程で製造する。このチップ製造工程により、チップ2の主面上に接続用パッド7と実装用パッド8が形成され、かつ各々の電極パッド(7,8)上にそれぞれNi/Auの無電解メッキによるメッキ層(アンダーバンプメタル)を介してはんだバンプが形成される。
【0036】
その後、チップ2上にチップ1を実装する。具体的には、図5(A)に示すように、チップ2上でチップ1が実装される領域内に例えばディスペンサ等を用いて適量の封止材10を供給した後、チップ2を上向き、チップ1を下向きにして、互いの回路面を対向させ、この状態でチップ1,2のはんだバンプ(不図示)を相互に接触させて加熱・加圧により両者を接続(フリップチップ接続)する。このとき、チップ1の測定用パッド5上のはんだバンプ24は、測定用パッド5が最上層よりも下層に形成されたことで、チップ2から十分に引っ込んだ位置に配置される。そのため、フリップチップ接続に際しては、測定用パッド5上のはんだバンプ24がチップ2から離れた状態に保持される。したがって、チップ1,2を用いてCOC構造のSIPを構成するにあたって、チップ2に対するはんだバンプ24の接触を確実に防止することができる。
【0037】
その後、図5(B)に示すように、チップ2の実装用パッド8上にフラックス25ではんだボール26を固定する。次いで、図5(C)に示すように、リフローによりはんだを溶融して球状のはんだ電極11を形成する。はんだ電極11は、チップ1,2の積層構造体をマザー基板9に実装する場合の接続電極となる。はんだ電極11の形成に際しては、チップ2の実装用パッド8上には予めチップ製造工程(はんだバンプの形成工程)ではんだが供給(プリコート)されているため、実装用パッド8上でははんだに対して十分な濡れ性が得られる。そのため、実装用パッド8上に十分な密着力(接合強度)をもってはんだ電極11を形成することができる。はんだ電極11の直径は、実装用パッド8上に供給されるはんだボール26の直径を適宜設定することにより、チップ2の主面を基準としたチップ1の実装高さ寸法よりも大とされる。こうして得られた半導体モジュール(積層構造体)は、上記図1に示すように、上下反転した状態でマザー基板9に実装される。
【0038】
以上の製造方法によって得られる半導体装置においては、チップ1の製造工程の中で、接続用パッド4を第2の配線パターン17で形成するとともに、測定用パッド5を第2の配線パターン17よりも下層の第1の配線パターン14Aで形成することにより、測定用パッド5を接続用パッド4よりも下層に配置した構成となる。そのため、接続用パッド4及び測定用パッド5上にそれぞれメッキ層(アンダーバンプメタル)21,22を介してはんだバンプ23,24を形成した際には、接続用パッド4及び測定用パッド5の層間差分によってはんだバンプ24の高さ位置が低く抑えられる。これにより、チップ1をチップ2上に実装する際には、測定用パッド5上のはんだバンプ24をチップ2から離した状態で、各々のチップ1,2をフリップチップ接続することが可能となる。
【0039】
なお、はんだバンプ23,24の高さ関係については、チップ1,2をフリップチップ接続する際に支障がない(つまり、はんだバンプ24がチップ2の表面に接触しない)ようであれば、はんだバンプ24をはんだバンプ23とほぼ同じ高さ位置に配置してもかまわないが、フリップチップ接続の信頼性等を考慮すると、はんだバンプ24をはんだバンプ23よりも低い位置(低位)に配置することが望ましい。
【0040】
また、上記実施形態においては、チップ1上の配線層が2層構造の場合を例示したが、配線層が2層以上の多層構造となる場合(層間絶縁膜が複数層にわたって形成される場合)でも、接続用パッド4を最上層に形成するとともに、測定用パッド5をそれよりも下層に形成することになる。例えば、チップ1上の配線層の積層数が4層の場合は、測定用パッド5を第1層(最下層)、第2層又は第3層に形成し、接続用パッド4を第4層(最上層)に形成する。特に、接続用パッド4と測定用パッド5の層間差分が大きければ、その分だけパッド積層位置の高低差も大きくなるため、フリップチップ接続の信頼性向上に大きく寄与するものとなる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有する半導体装置の構成として、素子基板の厚み方向で第2の電極パッドを第1の電極パッドよりも下層に配置することにより、第2の電極パッド上に形成される突起電極の高さ位置を低く抑えてフリップチップ接続を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の構成とその実装構造の一例を示す側断面図である。
【図2】半導体素子の主要部を拡大した断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図(その1)である。
【図4】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図(その2)である。
【図5】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図(その3)である。
【図6】本発明の課題を説明する図である。
【符号の説明】
1,2…チップ(半導体素子)、3,6…素子基板、4…接続用パッド(第1の電極パッド)、5…測定用パッド(第2の電極パッド)、14A,14B…第1の配線パターン、15…層間絶縁膜、17…第2の配線パターン、18…パッシベーション膜、19,20…パッド開口、21,22…メッキ層(アンダーバンプメタル)、23,24…はんだバンプ(突起電極)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有する半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSIの価格対性能比の向上を維持するうえで、SIP(システム・イン・パッケージ)が注目されている。SIPは、複数のチップ(半導体素子)を組み合わせて高密度に接続することにより、各々のチップが備える機能を統合するパッケージ技術である。このSIPによれば、システム側が要求する、低コスト化、高機能化、低消費電力化、小型・軽量化、仕様の柔軟性などにバランス良く応えることができる。
【0003】
SIPは、その構造上の違いから、COC(チップ・オン・チップ)型、チップ・スタック型、パッケージ積層型、基板接続型の4種類に分類される。このうち、COC型は、ベースとなるチップ上にこれと別のチップを積層した構造を有するもので、これは回路間の配線長が短いために高速化に対応しやすいという特長をもっている。このCOC型では、チップ同士の回路面を向かい合わせ、バンプを介してフリップチップで接続する。この場合のチップ接合技術として、Au(金)バンプを介したフリップチップ接続を採用したものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
「日経マイクロデバイス」、日経BP社、2001年3月、p.125−127
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、Auバンプによるフリップチップ接続は、バンプ接合時に必要とされる荷重(ボンディング荷重)が高いことから、SIPのフリップチップ接続には不向きであった。すなわち、SIPでは回路設計の自由度や配線長の短縮などを理由にチップの有効素子領域(アクティブ・エリア)上にバンプを形成している。そのため、バンプ接合時に高い荷重が回路面に加えられることにより、回路がダメージを受ける恐れがある。そこで、Auバンプよりも低い荷重で接続できるものとして、はんだバンプによるフリップチップ接続を採用することが考えられる。はんばバンプによるフリップチップ接続では、はんだの融点が低いことから、低温度・低荷重でチップ同士を電気的に接続することができる。
【0006】
一方、SIPを構成するチップの主面上には、チップ同士を電気的に接続するための電極パッド(以下、「接続用パッド」とも記す)の他に、製造プロセスの中で回路(IC、LSI等)の電気的特性を測定するための電極パッド(以下、「測定用パッド」とも記す)が形成される。接続用パッドと測定用パッドは、それぞれの電極パッドの形成目的に応じてパッドサイズやパッド配置などが異なる。よって、これらの要素から接続用パッドと測定用パッドを区別することができる。
【0007】
具体的には、接続用パッドがチップの有効素子領域(回路面)上にエリア状に形成されるのに対し、測定用パッドはチップの外周部(4辺、2辺)にまとめて形成される。また、接続用パッドは、測定用パッドよりもパッドサイズが小さく形成される。例えば、測定用パッドの場合は測定時にプローブカードのプローブ針をパッド面に接触させる必要性からパッドサイズが70μm程度に設定されるのに対し、接続用パッドの場合は多ピン化などへの対応としてパッドサイズが40μm、20μm又は10μmに設定される。さらに、チップ同士を接続した状態では、接続用パッドが相手チップと接続状態となるのに対し、測定用パッドは非接続状態となる。また、測定用パッドは電気的特性測定に必要な個数だけ形成されるため、チップ上で各々のパッド個数を比較すると、接続用パッドが測定用パッドよりも多くなる。
【0008】
ちなみに、パッドサイズに関しては、将来的にプローブカードの改善や新たな接続方式の提案により、測定用パッドのパッドサイズが接続用パッドのパッドサイズと同等レベルまで小さくなることも考えられるが、パッド配置やパッドの接続状態、パッド個数に関しては将来的に変わることはないと推定される。また、測定用パッドにつながるチップ上の配線部分(パターン)は、実際にウエハ状態での電気的測定が終了した後に、物理的又は電気的に切断される。
【0009】
上述のように接続用パッドと測定用パッドが混在するチップを、先述したはんだバンプによるフリップチップ接続によって他のチップ上に実装する場合、次のような不具合が発生する恐れがある。すなわち、チップ上にはんだバンプを形成する場合は、その前処理として、アルミニウムからなる電極パッドに対して無電解ニッケル(Ni)/金(Au)メッキを施し、その後ではんだを供給することにより、電極パッド上にばんだバンプを形成している。この場合、電極パッド上にNi/Auのメッキ層を形成することにより、はんだの濡れ性を良好にしたうえで、はんだの拡散を抑えることができる。また、はんだの供給方法としては印刷法や浸漬法(ディップ法)などが考えられるが、印刷法はパッドサイズやパッド配置に対応した専用のスクリーンマスクが必要で、しかも微細パッドへのバンプ形成が困難であるため、現状では浸漬法が好ましいとされている。
【0010】
ところが、図6に示すように、チップ上に形成された接続用パッド51や測定用パッド52に対しては、一様にNi/Auのメッキ層53,54が形成(析出)されるため、メッキ処理の後に浸漬法ではんだを供給すると、バンプ形成が必要な接続用パッド51上にはんだバンプ55が形成されるだけでなく、本来バンプ形成が不要な測定用パッド52上にもはんだバンプ56が形成されることになる。
【0011】
そうした場合、測定用パッド52は接続用パッド51よりもパッドサイズが大きいため、測定用パッド52上のはんだバンプ56の方が接続用パッド51上のはんだバンプ55よりも大きく盛り上がった状態になる。したがって、それぞれの電極パッド(51,52)上に形成されるはんだバンプ55,56の高さ位置を比較すると、測定用パッド52上のはんだバンプ56が接続用パッド51上のはんだバンプ55よりも所定の寸法Fだけ高い位置(突出した位置)に配置される。
【0012】
その結果、はんだバンプによるフリップチップ接続では、バンプ形成済みのチップを、インターポーザとなる他のチップ上に実装しようとしたときに、接続用パッド51上のはんだバンプ55が接続先の相手バンプと接触する前に測定用パッド52上のはんだバンプ56がインターポーザと接触してしまい、本来接続すべきバンプ同士を接続できなくなる恐れがある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有するものであって、半導体素子は、主面上の有効素子領域に回路が形成された素子基板と、素子基板の主面上に形成された第1の電極パッドと、素子基板の主面上に形成された第2の電極パッドとを有し、かつ素子基板の厚み方向で第2の電極パッドを第1の電極パッドよりも下層に配置した構成となっている。
【0014】
上記構成の半導体装置においては、素子基板の厚み方向で第2の電極パッドを第1の電極パッドよりも下層に配置することにより、第1の電極パッドと第2の電極パッドを同じ層(最上層)に形成した場合に比較して、第2の電極パッド上に形成される突起電極の高さ位置(突出状態)が低く抑えられる。そのため、半導体素子を回路基板上に実装するにあたっては、第2の電極パッド上に形成される突起電極を回路基板から離した状態でフリップチップ接続することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態に係る半導体装置(SIP)の構成とその実装構造の一例を示す側断面図である。図1においては、半導体素子であるチップ1と、同じく半導体素子である他のチップ2とがフリップチップ方式で接続され、これによってCOC型の積層構造(2層構造)を有するSIPの半導体装置が構成されている。チップ2は、チップ1をフリップチップ接続で実装する際のインターポーザとなるもので、その外形寸法はチップ1よりも大きく設定されている。
【0017】
チップ1は、例えばシリコン基板等の素子基板3をベースに構成された半導体素子であり、その主面上の有効素子領域には所定の機能(例えば、メモリ機能)をもつ回路が形成されている。チップ1の主面上には、アルミニウム等からなる複数の接続用パッド4と、同じくアルミニウム等からなる複数の測定用パッド5とが形成されている。
【0018】
接続用パッド4は、本発明における「第1の電極パッド」に相当するもので、チップ1の主面上で有効素子領域内(回路面上)に形成されている。測定用パッド5は、本発明における「第2の電極パッド」に相当するもので、チップ1の主面上で有効素子領域を取り囲む位置(外周部)に形成されている。チップ1上における接続用パッド4と測定用パッド5の区別の仕方については先述したとおりである。
【0019】
チップ2は、例えば上記同様にシリコン基板等の素子基板6をベースに構成された半導体素子であり、その主面の有効素子領域には上記チップ1と異なる所定の機能(例えば、ロジック機能)をもつ回路が形成されている。チップ2の主面上には、アルミニウム等からなる複数の接続用パッド7と、同じくアルミニウム等からなる複数の実装用パッド8とが形成されている。
【0020】
接続用パッド7は、チップ2の主面上で有効素子領域内(回路面上)に形成されている。この接続用パッド7は、上記チップ1の接続用パッド4に対応して形成されたもので、そのパッドサイズやパッド配置は接続用パッド4に整合するように設定されている。実装用パッド8は、チップ2の主面上で有効素子領域を取り囲む位置(外周部)に形成されている。この実装用パッド8は、フリップチップ接続されたCOC構造の積層チップ(1,2)をマザー基板9に実装するためのものである。チップ2においては、実装用パッド8が測定用パッドを兼用した構成となっている。
【0021】
チップ1とチップ2は、互いの回路面を対向させた状態(向かい合わせた状態)で、後述するはんだバンプを用いたフリップチップ接続により、電気的かつ機械的に接続されている。また、チップ1とチップ2の間には封止材10が充填されている。封止材10はフリップチップ接続部(はんだ接合部)を覆うように充填されている。また、チップ2の実装用パッド8上にははんだ電極11が形成されている。はんだ電極11はマザー基板9のランド12に接続されている。マザー基板9は、例えばガラスエポキシを基材としたプリント配線基板によって構成されるものである。
【0022】
ここで本発明に係る半導体装置の構成上の特徴は、チップ1に形成される接続用パッド4と測定用パッド5の積層関係にある。すなわち、チップ1の主面上において、接続用パッド4は最上層に形成されているのに対し、測定用パッド5は最上層の接続用パッド4よりも下層に形成されている。具体的には、例えば図2に示すように、チップ1の配線層を2層構造とする場合、第1層目(下層)に測定用パッド5を配置し、第2層目(上層)に接続用パッド4を配置した構成となっている。
【0023】
続いて、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図3〜図5を用いて説明する。
【0024】
まず、図3(A)に示すように、ベースとなる素子基板(シリコン基板)3上に、例えばSiO2(二酸化シリコン)なる絶縁膜13を形成する。次に、図3(B)に示すように、素子基板3の絶縁膜13上に例えばアルミニウムからなる金属配線材料によって第1の配線層を形成するとともに、この第1の配線層をパターニングすることにより、絶縁膜13上に第1の配線パターン14A,14Bを形成する。
【0025】
次いで、図3(C)に示すように、第1の配線パターン14A,14Bを覆う状態で例えばSiO2からなる層間絶縁膜15を絶縁膜13上に重ねて形成(積層)した後、この層間絶縁膜15上に第1の配線パターン14Bに通じるビアホール(導通路)16を形成する。
【0026】
次に、図3(D)に示すように、層間絶縁膜15上に例えばアルミニウムからなる金属配線材料によって第2の配線層を形成するとともに、この第2の配線層をパターニングすることにより、層間絶縁膜15上に第2の配線パターン17を形成する。このとき形成される第2の配線パターン17は、ビアホール16を介して第1の配線パターン14Bに電気的に接続(導通)された状態となる。なお、金属配線材料としては、アルミニウム以外の金属(例えば、銅)を用いることも可能である。
【0027】
続いて、図4(A)に示すように、層間絶縁膜15上に第2の配線パターン17を覆う状態で、例えばSiN(窒化シリコン)らなるパッシベーション膜18を形成(積層)する。
【0028】
次に、パッシベーション膜18上に図示しないレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとしたエッチング処理を行うことにより、図4(B)に示すように、第1の配線パターン14Aに通じるパッド開口19と第2の配線パターン17に通じるパッド開口20をパッシベーション膜18上に形成する。このうち、第2の配線パターン17上でパッド開口19により露出した部分は接続用パッド4となり、第1の配線パターン14A上でパッド開口20により露出した部分が測定用パッド5となる。つまり、接続用パッド4は第2の配線パターン17によって形成され、測定用パッド5は第1の配線パターン14Aによって形成される。
【0029】
このとき、金属配線材料としてアルミニウムを用いるとともに、エッチング処理の具体的手法としてドライエッチングを採用するものとすると、アルミニウムのエッチング速度が、層間絶縁膜(SiO2)15やパッシベーション膜(SiN)18のエッチング速度に比べて非常に遅いため、接続用パッド4と測定用パッド5に通じるパッド開口19,20を1回のエッチング処理で同時に形成することができる。そのときに使用するガスはAr,CHF3,CF4などの混合ガスになる。
【0030】
次いで、図4(C)に示すように、Ni/Auの無電解メッキにより、接続用パッド4上と測定用パッド5上にそれぞれメッキ層21,22を形成する。このメッキ層21,22は、各々の電極パッド(4,5)上に突起電極(本形態例でははんだバンプ)を形成する際の下地金属つまりアンダーバンプメタル(Under Bump Metal)となる。チップ1内においては、メッキ層21,22が直接形成される面がパッド面となり、このパッド面を形成するものが接続用パッド4及び測定用パッド5となる。
【0031】
このとき、測定用パッド5上においては、メッキ層22の最上面がパッシベーション膜18の表面から若干凹んだ位置に形成されるように、メッキ層22の厚さを適宜調整する。これにより、測定用パッド5上においては、パッシベーション膜18とメッキ層22との間に、メッキ層22の表面をパッシベーション膜18の表面よりも低位とする段差Dが設けられる。また、接続用パッド4に通じるパッド開口19と測定用パッド5に通じるパッド開口20では、それらの電極パッド(4,5)の層間差分(本例では層間絶縁膜15による1層分)に対応してメッキ層21,22の最上位置P1,P2の高さが変わる。すなわち、接続用パッド4上のメッキ層21が測定用パッド5上のメッキ層22よりも高い位置に配置・形成される。
【0032】
続いて、浸漬法によりはんだを供給することにより、上記図2に示すように、接続用パッド4上及び測定用パッド5上にそれぞれメッキ層21,22を介してはんだバンプ23,24を形成する。このとき、素子基板3の厚み方向ではんだバンプ23,24の高さ位置を比較すると、測定用パッド5上に形成されたはんだバンプ24の方が、接続用パッド4上に形成されたはんだバンプ23よりも低い位置(凹んだ位置)に配置される。よって、素子基板3上においては、はんだバンプ23,24の間にそれらの高低差に応じた段差Eが設けられる。
【0033】
また、接続用パッド4上ではパッド開口19から若干はみ出るようにメッキ層21が形成されるのに対し、測定用パッド5上ではパッド開口20からはみ出ることなくメッキ層22が形成される。これにより、測定用パッド5上においては、メッキ層22の形成領域がパッド開口20の開口領域内に抑えられるため、それに応じてはんだバンプ24の高さも低く抑えられる。ちなみに、パッド開口20からはみ出るようにメッキ層22が形成された場合は、メッキ層22の形成領域の拡大によってはんだバンプ24の高さも高くなる。
【0034】
以上の工程によって図2に示す構造のチップ1が得られる。なお、このチップ1は、半導体ウエハの状態で製造された後、ダイシング等により個片に分割される。
【0035】
一方、インターポーザとなるチップ2については、チップ1と別工程で製造する。このチップ製造工程により、チップ2の主面上に接続用パッド7と実装用パッド8が形成され、かつ各々の電極パッド(7,8)上にそれぞれNi/Auの無電解メッキによるメッキ層(アンダーバンプメタル)を介してはんだバンプが形成される。
【0036】
その後、チップ2上にチップ1を実装する。具体的には、図5(A)に示すように、チップ2上でチップ1が実装される領域内に例えばディスペンサ等を用いて適量の封止材10を供給した後、チップ2を上向き、チップ1を下向きにして、互いの回路面を対向させ、この状態でチップ1,2のはんだバンプ(不図示)を相互に接触させて加熱・加圧により両者を接続(フリップチップ接続)する。このとき、チップ1の測定用パッド5上のはんだバンプ24は、測定用パッド5が最上層よりも下層に形成されたことで、チップ2から十分に引っ込んだ位置に配置される。そのため、フリップチップ接続に際しては、測定用パッド5上のはんだバンプ24がチップ2から離れた状態に保持される。したがって、チップ1,2を用いてCOC構造のSIPを構成するにあたって、チップ2に対するはんだバンプ24の接触を確実に防止することができる。
【0037】
その後、図5(B)に示すように、チップ2の実装用パッド8上にフラックス25ではんだボール26を固定する。次いで、図5(C)に示すように、リフローによりはんだを溶融して球状のはんだ電極11を形成する。はんだ電極11は、チップ1,2の積層構造体をマザー基板9に実装する場合の接続電極となる。はんだ電極11の形成に際しては、チップ2の実装用パッド8上には予めチップ製造工程(はんだバンプの形成工程)ではんだが供給(プリコート)されているため、実装用パッド8上でははんだに対して十分な濡れ性が得られる。そのため、実装用パッド8上に十分な密着力(接合強度)をもってはんだ電極11を形成することができる。はんだ電極11の直径は、実装用パッド8上に供給されるはんだボール26の直径を適宜設定することにより、チップ2の主面を基準としたチップ1の実装高さ寸法よりも大とされる。こうして得られた半導体モジュール(積層構造体)は、上記図1に示すように、上下反転した状態でマザー基板9に実装される。
【0038】
以上の製造方法によって得られる半導体装置においては、チップ1の製造工程の中で、接続用パッド4を第2の配線パターン17で形成するとともに、測定用パッド5を第2の配線パターン17よりも下層の第1の配線パターン14Aで形成することにより、測定用パッド5を接続用パッド4よりも下層に配置した構成となる。そのため、接続用パッド4及び測定用パッド5上にそれぞれメッキ層(アンダーバンプメタル)21,22を介してはんだバンプ23,24を形成した際には、接続用パッド4及び測定用パッド5の層間差分によってはんだバンプ24の高さ位置が低く抑えられる。これにより、チップ1をチップ2上に実装する際には、測定用パッド5上のはんだバンプ24をチップ2から離した状態で、各々のチップ1,2をフリップチップ接続することが可能となる。
【0039】
なお、はんだバンプ23,24の高さ関係については、チップ1,2をフリップチップ接続する際に支障がない(つまり、はんだバンプ24がチップ2の表面に接触しない)ようであれば、はんだバンプ24をはんだバンプ23とほぼ同じ高さ位置に配置してもかまわないが、フリップチップ接続の信頼性等を考慮すると、はんだバンプ24をはんだバンプ23よりも低い位置(低位)に配置することが望ましい。
【0040】
また、上記実施形態においては、チップ1上の配線層が2層構造の場合を例示したが、配線層が2層以上の多層構造となる場合(層間絶縁膜が複数層にわたって形成される場合)でも、接続用パッド4を最上層に形成するとともに、測定用パッド5をそれよりも下層に形成することになる。例えば、チップ1上の配線層の積層数が4層の場合は、測定用パッド5を第1層(最下層)、第2層又は第3層に形成し、接続用パッド4を第4層(最上層)に形成する。特に、接続用パッド4と測定用パッド5の層間差分が大きければ、その分だけパッド積層位置の高低差も大きくなるため、フリップチップ接続の信頼性向上に大きく寄与するものとなる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有する半導体装置の構成として、素子基板の厚み方向で第2の電極パッドを第1の電極パッドよりも下層に配置することにより、第2の電極パッド上に形成される突起電極の高さ位置を低く抑えてフリップチップ接続を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の構成とその実装構造の一例を示す側断面図である。
【図2】半導体素子の主要部を拡大した断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図(その1)である。
【図4】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図(その2)である。
【図5】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図(その3)である。
【図6】本発明の課題を説明する図である。
【符号の説明】
1,2…チップ(半導体素子)、3,6…素子基板、4…接続用パッド(第1の電極パッド)、5…測定用パッド(第2の電極パッド)、14A,14B…第1の配線パターン、15…層間絶縁膜、17…第2の配線パターン、18…パッシベーション膜、19,20…パッド開口、21,22…メッキ層(アンダーバンプメタル)、23,24…はんだバンプ(突起電極)
Claims (10)
- 半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有する半導体装置であって、
前記半導体素子は、主面上の有効素子領域に回路が形成された素子基板と、前記素子基板の主面上に形成された第1の電極パッドと、前記素子基板の主面上に形成された第2の電極パッドとを有し、かつ前記素子基板の厚み方向で前記第2の電極パッドを前記第1の電極パッドよりも下層に配置してなる
ことを特徴とする半導体装置。 - 前記回路基板を、前記半導体素子と異なる他の半導体素子によって構成してなる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記素子基板の主面上に前記回路基板との電気的接続のために前記第1の電極パッドを形成してなる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記素子基板の主面上に前記回路の電気的特性測定のために前記第2の電極パッドを形成してなる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記第1の電極パッドを、前記素子基板の主面上で前記有効素子領域内に配置してなる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 半導体素子を回路基板上にフリップチップ接続した積層構造を有するとともに、前記半導体素子は、主面上の有効素子領域に回路が形成された素子基板と、前記素子基板の主面上に形成された第1の電極パッドと、前記素子基板の主面上に形成された第2の電極パッドとを有し、かつ前記素子基板の厚み方向で前記第2の電極パッドを前記第1の電極パッドよりも下層に配置してなる半導体装置の製造方法であって、
前記半導体素子の製造工程として、
前記素子基板上に第1の配線パターンを形成する第1の工程と、
前記素子基板上に前記第1の配線パターンを覆う状態で層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
前記層間絶縁膜上または当該層間絶縁膜よりも上層に第2の配線パターンを形成する第3の工程と、
前記素子基板上に前記第2の配線パターンを覆う状態でバッシベーションを形成する第4の工程と、
前記第1の配線パターン及び前記第2の配線パターンに通じるパッド開口を前記バッシベーション膜上に形成することにより、前記第1の配線パターンによって前記第1の電極パッドを形成しかつ前記第2の配線パターンによって前記第2の電極パッドを形成する第5の工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1の電極パッド上及び前記第2の電極パッド上にそれぞれ突起電極を形成する第6の工程を有する
ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第6の工程において、前記第2の電極パッド上の突起電極が前記第1の電極パッド上の突起電極よりも低位となるように、前記第1の電極パッド上及び前記第2の電極パッド上にそれぞれ前記突起電極を形成する
ことを特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第6の工程において、前記第1の電極パッド上及び前記第2の電極パッド上にそれぞれ前記突起電極としてはんだバンプを形成する
ことを特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第6の工程において、前記第1の電極パッド上及び前記第2の電極パッド上にそれぞれアンダーバンプメタルを介して前記はんだバンプを形成する
ことを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
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