JP2004145305A - 偏光変換素子、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性および耐候性を向上させた偏光変換素子、及びその製造方法を提案すること。
【解決手段】偏光変換素子において、第1の透光性基材10の傾斜端面11には、P波およびS波のうち、P波を透過し、S波を反射する偏光分離膜8が形成されている。第2の透光性基材20の傾斜端面22には反射膜9が形成されている。第1の透光性基材10の傾斜端面11と第2の透光性基材20の傾斜端面21との間には、一軸延伸された単層のポリカーボネートフィルムからなるλ/2位相差フィルム30が光硬化性の接着剤4で接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】偏光変換素子において、第1の透光性基材10の傾斜端面11には、P波およびS波のうち、P波を透過し、S波を反射する偏光分離膜8が形成されている。第2の透光性基材20の傾斜端面22には反射膜9が形成されている。第1の透光性基材10の傾斜端面11と第2の透光性基材20の傾斜端面21との間には、一軸延伸された単層のポリカーボネートフィルムからなるλ/2位相差フィルム30が光硬化性の接着剤4で接合されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶プロジェクターや光ピックアップ装置等に搭載する偏光変換素子、およびその製造方法に関するものである。
液晶プロジェクターは、液晶パネル内を効率よく透過させるために光源から出射された自然光を偏光変換素子(ビームスプリッタ、およびλ/2位相差板)を用いて、出射光の偏波面をS波(S偏光光)あるいはP波(P偏光光)に統一させている。具体的には、ビームスプリッタで出射光をS波、P波に分離し、P波のみがλ/2位相差板を通過するように構成することによって、P波を偏波面が90度ねじれたS波に変換している。このS波と、ビームスプリッターによって分離されたS波が液晶パネルに到達するので、自然光が効率よく利用されプロジェクターが明るく画像再現ができる。ここで、従来の偏光変換素子は、図9に示すように、λ/2位相差板201が粘着材202を介してビームスプリッタ500の光出射側の表面に貼り付けられている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平2−227901号公報
このような構成の偏光変換素子においては、λ/2位相差板501がビームスプリッタ500の表面に露出した状態で搭載していることから、λ/2位相差板501として高分子フィルムからなるものを用いた場合、耐久性や耐候性が著しく低いという問題がある。また、λ/2位相差板501とビームスプリッタ500とが粘着材502で貼合されているので、粘着材502の耐久性が、全体の耐久性に影響を及ぼしてしまうという問題がある。しかも、高分子からなるλ/2位相差板501、および粘着材502の耐候性や耐久性を大幅に上げることは非常に困難である。そのため、偏光変換素子は、光源に最も近いデバイスでありながら耐熱性などが向上できず、プロジェクター等の設計の自由を奪っていた。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、耐熱性および耐候性を向上させた偏光変換素子、及びその製造方法を提案することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る偏光変換素子では、複数の透光性部材の傾斜端面同士が接合された透光性基材中に第1の光学層と第2の光学層とが互いに平行、かつ、前記透光性基材に対する入射光軸に斜めに配置され、前記第1の光学層は、当該第1の光学層を両側で挟む第1の透光性部材および第2の透光性部材のうち、前記第1の透光性部材の傾斜端面に形成された偏光分離膜と、当該第1の透光性部材の前記偏光分離膜が形成された傾斜端面と前記第2の透光性部材の傾斜端面との間に接着固定されたλ/2位相差フィルム(波長板/位相差板)とから構成され、前記第2の光学層は、反射膜であり、前記λ/2位相差フィルムは、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなることを特徴とする。すなわち、本発明は、高分子フィルムからなるλ/2位相差フィルムを透光性基材の中に挟み込み、かつ、λ/2位相差フィルムとして単層の高分子フィルム、すなわち、一軸延伸された高分子フィルムを単層で用いたことを特徴とする。
本発明によれば、入射光は、例えば、第1の透光性基材の界面に形成された偏光分離膜でS波(S偏光光)、P波(P偏光光)に分離された後、S波、P波の一方の波を有する光のみがλ/2位相差フィルムを通過し、偏波面が90度ねじられる。この結果、偏光変換素子を出射する際の、偏波面を統一することがきる。また、本発明では、λ/2位相差フィルムを透光性基材の中に挟み込んで接着したので、λ/2位相差フィルムが偏光変換素子の出射光側の表面に露出しておらず、粘着材で貼合されていない。従って、偏光変換素子の耐熱性、耐湿性が向上する。それ故、光源に近いデバイスの熱耐久性を向上できるので、液晶プロジェクターの静粛性(ファンによる空気音の削減)や、装置全体の耐久期間をのばすことができる。
本発明の別の形態に係る偏光変換素子では、複数の透光性部材の傾斜端面同士が接合された透光性基材中に第1の光学層と第2の光学層とが互いに平行、かつ、前記透光性基材に対する入射光軸に斜めに配置され、前記第1の光学層は、偏光分離膜であり、前記第2の光学層は、当該第2の光学層を両側で挟む第1の透光性部材および第2の透光性部材のうち、前記第2の透光性部材の傾斜端面に形成された反射膜と、当該第2の透光性部材の前記反射膜が形成された傾斜端面と前記第1の透光性部材の端面との間に接着固定されたλ/4位相差フィルム(波長板/位相差板)とから構成され、前記λ/4位相差フィルムは、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなることを特徴とする。すなわち、本発明は、高分子フィルムからなるλ/4位相差フィルムを透光性基材の中に挟み込み、かつ、λ/4位相差フィルムとして単層の高分子フィルム、すなわち、一軸延伸された高分子フィルムを単層で用いたことを特徴とする。
本発明によれば、入射光は、第1の透光性基材の界面に形成された偏光分離膜でS波(S偏光光)、P波(P偏光光)に分離された後、S波、P波の一方の波を有する光のみがλ/4位相差フィルムを通過し、偏波面が45度ねじられて、第2の透光性基材の界面に形成された反射膜に至る。この反射膜により全反射された光は、再びλ/4位相差フィルムを通過し、偏波面が45度ねじられる。この結果、偏光変換素子を出射する際の、偏波面を統一することがきる。また、λ/4位相差フィルムを透光性基材の中に挟み込んで接着したので、λ/4位相差フィルムが偏光変換素子の出射光側の表面に露出しておらず、粘着材で貼合されていない。この結果、偏光変換素子の耐熱性、耐湿性が向上する。
本発明において、前記透光性基材では、前記第1の透光性部材と前記第2の透光性部材が交互に並ぶように前記第1の透光性部材と前記第2の透光性部材の両端の傾斜端面同士が各々接合され、前記第1の光学層および前記第2の光学層は各々、前記第1の透光性部材の一方側傾斜端面と前記第2の透光性部材の一方側傾斜端面との第1の接合界面、および前記第1の透光性部材の他方側傾斜端面と前記第2の透光性部材の他方側傾斜端面との第2の接合界面に構成されている。
本発明において、前記高分子フィルムは、例えば、ポリカーボネート製である。
本発明において、前記第1の光学層および前記第2の光学層は、いずれも前記入射光軸に対して45度の角度をなしていることが好ましい。このように構成すると、偏光変換素子に入射する入射光と、偏光変換素子を通過して出射される出射光の光軸を平行にすることができる。
本発明において、前記の一軸延伸された単層の高分子フィルムは、可視光域における波長依存性の小さい、あるいは波長依存性を有しない逆分散特性を備えていることが好ましい。
本発明を適用した偏光変換素子の製造方法では、第1の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に偏光分離膜を形成する一方、第2の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に反射膜を形成しておき、前記第1の透光性基板の前記偏光分離膜が形成されている一方の面と、前記第2の透光性基板の前記反射膜が形成されている側とは反対側の面とを光硬化性接着剤、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなるλ/2位相差フィルム、および光硬化性接着剤を介して貼り合わせた後、光硬化性接着剤に光を照射して硬化させて偏光変換素子ユニットを形成し、次に、前記偏光変換素子ユニットを複数、同一の向きで光硬化性接着剤を介して積層するとともに、基板面に対して略平行な方向から光を照射して当該光硬化性接着剤を硬化させて偏光変換素子積層体を形成し、しかる後に、前記偏光変換素子積層体を基板面に対して斜めに切断することを特徴とする。
本発明では、まず、第1の透光性基板、λ/2位相差フィルム、第2の透光性基板を1枚ずつ積層して偏光変換素子ユニットを形成し、その後、偏光変換素子ユニットを積層して偏光変換素子積層体を形成する。すなわち、第1の透光性基板、λ/2位相差フィルム、第2の透光性基板を複数枚ずつ積層していきなり偏光変換素子積層体を形成する方法を採用していない。このため、積層過程で位相差フィルムの角度がずれてしまうことがないので、偏光変換素子の歩留まりが向上する。また、本発明では、偏光変換素子積層体を形成する際、基板面に対して略平行な方向から光を照射することにより光硬化性接着剤を硬化させる。従って、照射した光が、透光性基板に形成された偏光分離膜、反射膜、λ/2位相差フィルム等の影響を受けることなく、光硬化性接着剤に届く。従って、硬化時間を短縮できるので、生産性を高めることができ、かつ、硬化不良が発生しないため、偏光変換素子の歩留まりが向上する。
本発明の別の偏光変換素子の製造方法では、第1の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に偏光分離膜を形成する一方、第2の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に反射膜を形成しておき、前記第1の透光性基板の前記偏光分離膜が形成されている側とは反対側の面と、前記第2の透光性基板の前記反射膜が形成されている側の面とを光硬化性接着剤、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなるλ/4位相差フィルム、および光硬化性接着剤を介して貼り合わせた後、光硬化性接着剤に光を照射して硬化させて偏光変換素子ユニットを形成し、次に、前記偏光変換素子ユニットを複数、同一の向きで光硬化性接着剤を介して積層するとともに、基板面と略平行な方向から光を照射して当該光硬化性接着剤を硬化させて偏光変換素子積層体を形成し、しかる後に、前記偏光変換素子積層体を基板面に対して斜めに切断することを特徴とする。
本発明では、まず、第1の透光性基板、λ/4位相差フィルム、第2の透光性基板を1枚ずつ積層して偏光変換素子ユニットを形成し、その後、偏光変換素子ユニットを積層して偏光変換素子積層体を形成する。すなわち、第1の透光性基板、λ/4位相差フィルム、第2の透光性基板を複数枚ずつ積層していきなり偏光変換素子積層体を形成する方法を採用していない。このため、積層過程で位相差フィルムの角度がずれてしまうことがないので、偏光変換素子の歩留まりが向上する。また、本発明では、偏光変換素子積層体を形成する際、基板面に対して略平行な方向から光を照射することにより光硬化性接着剤を硬化させる。従って、照射した光が、透光性基板に形成された偏光分離膜、反射膜、λ/4位相差フィルム等の影響を受けることなく、光硬化性接着剤に届く。従って、硬化時間を短縮できので、生産性を高めることができ、かつ、硬化不良が発生しないため、偏光変換素子の歩留まりが向上する。
本発明によれば、高分子フィルムからなるλ/2位相差フィルム、あるいはλ/4位相差フィルムを透光性基材の中に設けたので、偏光変換素子の表面で露出していない。このため、偏光変換素子の耐湿性や耐熱性が向上する。しかも、本発明では、高分子フィルムを2軸延伸したものを複数枚、粘着材によって積層した位相差フィルムではなく、高分子フィルムを一軸延伸した単層の位相差フィルムを用いたので、温度変化があった場合でも、粘着材で積層したフィルム同士が位置ずれを起こすことがない。それ故、偏光変換素子の耐熱性、耐久性が著しく向上する。よって、偏光変換素子を光源に近い位置に配置しても熱的な特性低下が発生しない。
図を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明において、P波とS波を入換えてもよい。また、以下の説明では、偏光変換素子に対しては、偏光変換素子に対する光の入射領域を規定するために、インテグレータレンズや遮光膜が配置されるが、これらの図示および説明については省略する。
[実施の形態1]
図1(a)、(b)、(c)、(d)は、本形態の偏光変換素子の断面図、この偏光変換素子においてλ/2位相差フィルムが第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA1部分の拡大図、このA1部分をさらに拡大した拡大断面図、および反射膜が第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA2部分の拡大図である。図2は、図1に記載された偏光変換素子の光学的な特性を示す説明図である。
図1(a)、(b)、(c)、(d)は、本形態の偏光変換素子の断面図、この偏光変換素子においてλ/2位相差フィルムが第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA1部分の拡大図、このA1部分をさらに拡大した拡大断面図、および反射膜が第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA2部分の拡大図である。図2は、図1に記載された偏光変換素子の光学的な特性を示す説明図である。
図1(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、本形態の偏光変換素子1は、直方体形状の光学素子であり、断面形状が45度の鋭角を有する平行四辺形をしたガラス製の第1の透光性部材10と、ガラス製の第2の透光性部材20とが交互に並ぶように両側の傾斜端面同士が接合された透光性基材6を有している。従って、偏光変換素子1の透光性基材6では、第1の透光性部材10の一方側の傾斜端面11と第2の透光性部材の一方側の傾斜端面21との第1の接合界面、および第1の透光性部材10の他方側の傾斜端面12と第2の透光性部材20の他方側の傾斜端面22との第2の接合界面が各々、透光性基材6に対する入射光軸Lに対して45度の角度で傾いており、そこには第1の光学層、および第2の光学層が形成されている。
本形態においては、以下に説明するように、第1の光学層は、この第1の光学層を両側で挟む第1の透光性部材10および第2の透光性部材20のうち、第1の透光性部材10の傾斜端面11に形成された偏光分離膜8と、第1の透光性部材10の偏光分離膜8が形成された傾斜端面11と第2の透光性部材20の傾斜端面21との間に接着剤4で固定されたλ/2位相差フィルム30(位相差板)とから構成されている。これに対して、第2の光学層は、第2の透光性部材20の傾斜端面22に形成された反射膜9(コールドミラー)によって構成され、この反射膜9が形成されている第2の透光性部材20の傾斜端面22は、第1の透光性部材10の傾斜端面12に接着剤4により接着固定されている。
すなわち、偏光変換素子1では、第1の透光性部材10の傾斜端面11には、自然光(P波、S波)のうち、P波を透過し、S波を反射する偏光分離膜8が形成されている。第2の透光性部材20の傾斜端面22にはアルミニウム膜などからなる反射膜9が形成されている。λ/2位相差フィルム30は、第1の透光性部材10の傾斜端面11に形成された偏光分離膜8と、第2の透光性部材20の傾斜端面21との間に挟み込まれている。
λ/2位相差フィルム30として、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、脂環族ポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルムなどを用いることができるが、本形態では、一軸延伸のポリカーボネートフィルム(高分子フィルム)が用いられている。このようなフィルムは、可視光域における波長依存性の小さい、あるいは波長依存性を有しない逆分散特性を備えている。また、フィルムは、角度依存性を持たない、あるいは角度依存性が極めて小さい光学特性を有するフィルムであることが好ましい。具体的には、帝人株式会社製のピュアエースWR−R−λ/2(商品名)を用いることができ、その屈折率は、透光性部材10、20の屈折率に近いものである。
このように構成した偏光変換素子1においては、図1および図2に示すように、透光性基材6の下方から入射した自然光L(P波およびS波を含むランダム光)は、偏光変換素子1に入射した後、偏光分離膜8によりP波は透過、S波は90度反射される。ここで、偏光分離膜8を通過したP波は、隣接するλ/2位相差フィルム30を透過する際、偏波面が90度捩じれてS波となる。一方、偏光分離膜8により反射されたS波は、反射膜9で全反射して、そのままS波として入射光の光軸Lと平行な光軸で出射される。
(偏光変換素子の製造方法)
図3を参照して、本形態の偏光変換素子1の製造方法を説明する。図3は、図1に示す偏光変換素子の製造方法を示す工程断面図である。
図3を参照して、本形態の偏光変換素子1の製造方法を説明する。図3は、図1に示す偏光変換素子の製造方法を示す工程断面図である。
図3(a)において、図1に示す偏光変換素子1を製造するには、平行な2つの基板面を有する第1の透光性基板100の一方の面101に偏光分離膜8を形成する一方、平行な2つの基板面を有する第2の透光性基板200の一方の面201に反射膜9を形成する。
次に、図3(b)に示すように、第1の透光性基板100の偏光分離膜8が形成されている面101と、第2の透光性基板200の反射膜9が形成されている側とは反対側との面202との間に、光硬化性接着剤4(図1(c)参照)、λ/2位相差フィルム30、および光硬化性接着剤4(図1(c)参照)を挟むようにして、第1の透光性基板100、λ/2位相差フィルム30、および第2の透光性基板200を積層する。接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリイミド系接着剤、イソシアネート系接着剤、塩化ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤など種々のものを使用できるが、本形態では、λ/2位相差フィルム30に対する影響や耐熱性の面からアクリル系あるいはシリコン系の接着剤を用いることが好ましい。
そして、矢印L11で示すように、第1の透光性基板100の基板面に対して略垂直な方向から、あるいは、矢印L12で示すように、第1の透光性基板100の基板面に対して略平行な方向から紫外(UV)光を照射して光硬化性接着剤4を硬化させ、偏光変換素子ユニット150を形成する。ここで、第2の透光性基板200の側から光を照射してもよい。また、第1の透光性基板100あるいは第2の透光性基板200の基板面に対して斜め方向から光を照射してもよい。さらに、第1の透光性基板100の側、および第2の透光性基板100の側の双方から光を照射して光硬化性接着剤4を硬化させれば、応力を発生させることなく、接着剤を硬化させることができる。
次に、図3(c)に示すように、複数枚の偏光変換素子ユニット150を同一の方向に向けて、光硬化性接着剤4(図1(d)を参照)を介して積層した後、矢印L13で示すように、第1の透光性基板100(第2の透光性基板200)の基板面に対して略平行な方向からUV光を照射して光硬化性接着剤を硬化させ、偏光変換素子積層体160を形成する。
しかる後には、図3(c)に切断線cを示すように、第1の透光性基板100(第2の透光性基板200)の基板面に対して45度の角度をなすように、偏光変換素子積層体110を切断した後、切断面を研磨して、図1に示す偏光変換素子1を製造する。
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態では、位相差フィルムとして、高分子フィルムからなるλ/2位相差フィルム30を用いたが、このλ/2位相差フィルム30については透光性基材6の中に設けたので、偏光変換素子1の表面で露出していない。このため、λ/2位相差フィルム30は、高温下で外気と触れることがないので、偏光変換素子1の耐湿性や耐熱性が向上する。
以上説明したように、本形態では、位相差フィルムとして、高分子フィルムからなるλ/2位相差フィルム30を用いたが、このλ/2位相差フィルム30については透光性基材6の中に設けたので、偏光変換素子1の表面で露出していない。このため、λ/2位相差フィルム30は、高温下で外気と触れることがないので、偏光変換素子1の耐湿性や耐熱性が向上する。
また、本形態では、λ/2位相差フィルム30として、高分子フィルムを2軸延伸したものを複数枚、粘着材によって積層した位相差フィルムではなく、高分子フィルムを一軸延伸した単層の位相差フィルムを用いたので、温度変化があった場合でも、粘着材で積層したフィルム同士が位置ずれを起こすことがない。それ故、偏光変換素子1の耐熱性、耐久性が著しく向上する。よって、偏光変換素子1を光源に近い位置に配置しても熱的な特性低下が発生しないので、液晶プロジェクターなどといった装置全体の耐久期間を延ばすことができ、かつ、ファンによる空気音を低減できるので、静粛性を向上することもできる。
また、本形態において、透光性基材10、20の接合界面は、いずれも入射光軸Lに対して45度、傾いている。したがって、偏光変換素子1に対する入射光軸Lと、偏光変換素子1からの出射光軸を一致、平行とすることができる。
さらに、λ/2位相差フィルム30は、可視光域における波長依存性の小さい、あるいは波長依存性を有しない逆分散特性を備えているため、逆分布2層の波長版と比べて、広大域で波長依存性のない機能を持たせることができる。
しかも、本形態では、λ/2位相差フィルム30の屈折率が透光性基材10、20の屈折率に近いため、透光性基材10、20で挟みこむことによって反射ロスを減らし、光透過度を上げることができる。また、λ/2位相差フィルム30を透光性基材10、20で挟みこむことによって、λ/2位相差フィルム30の両面に透光性基材10、20の平面精度が転写される事になる。それ故、λ/2位相差フィルム30の平面精度が格段に上がり、光の拡散を制御できる。
また、本形態では、粘着材を使用しないことで、λ/2位相差フィルム30の耐熱性だけを考慮すればよく、耐熱強度を上昇させることができる。
さらに本形態では、偏光変換素子1を製造するにあたって、第1の透光性基板100、λ/2位相差フィルム30、および第2の透光性基板200を1枚ずつ積層して偏光変換素子ユニット150を形成し、その後、偏光変換素子ユニット150を積層して偏光変換素子積層体160を形成する。すなわち、第1の透光性基板100、λ/2位相差フィルム30、第2の透光性基板200を複数枚ずつ積層していきなり偏光変換素子積層体160を形成する方法を採用していない。このため、積層過程でλ/2位相差フィルム30の角度がずれてしまうことがないので、偏光変換素子1の歩留まりが向上する。
また、本形態では、偏光変換素子積層体160を形成する際、基板面に対して略平行な方向から光を照射することにより光硬化性接着剤4を硬化させる。従って、照射した光が、透光性基板100、200に形成された偏光分離膜8、反射膜9、λ/2位相差フィルム30等の影響を受けることなく、光硬化性接着剤4に確実に届く。従って、硬化時間を短縮できので、生産性を高めることができ、かつ、硬化不良が発生しないため、偏光変換素子1の歩留まりが向上する。
[実施の形態1の変形例]
図4(a)、(b)、(c)、(d)は、本形態の偏光変換素子の断面図、この偏光変換素子においてλ/2位相差フィルムが第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA1′部分の拡大図、このA1′部分をさらに拡大した拡大断面図、および反射膜が第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA2′部分の拡大図である。図4は、図3に記載された偏光変換素子の光学的な特性を示す説明図である。なお、本形態の偏光変換素子は、基本的な構成が実施の形態1と同様であるため、共通する機能を有する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、本形態の偏光変換素子1の製造方法は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図4(a)、(b)、(c)、(d)は、本形態の偏光変換素子の断面図、この偏光変換素子においてλ/2位相差フィルムが第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA1′部分の拡大図、このA1′部分をさらに拡大した拡大断面図、および反射膜が第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すA2′部分の拡大図である。図4は、図3に記載された偏光変換素子の光学的な特性を示す説明図である。なお、本形態の偏光変換素子は、基本的な構成が実施の形態1と同様であるため、共通する機能を有する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、本形態の偏光変換素子1の製造方法は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図4(a)、(b)、(c)、(d)において、本形態の偏光変換素子1は、自然光をP偏光にして出射するものであり、その構成は、実施の形態1に対して、光入射側と光出射側とが逆になった構成を有している。すなわち、本形態でも、偏光変換素子1は、断面形状が45度の鋭角を有する平行四辺形をしたガラス製の第1の透光性部材10と、ガラス製の第2の透光性部材20とが交互に並ぶように両側の傾斜端面同士が接合された透光性基材6を有している。また、第1の透光性部材10の一方側の傾斜端面11と第2の透光性部材の一方側の傾斜端面21との第1の接合界面、および第1の透光性部材10の他方側の傾斜端面12と第2の透光性部材20の他方側の傾斜端面22との第2の接合界面が各々、透光性基材6に対する入射光軸Lに対して45度の角度で傾いており、そこには第1の光学層、および第2の光学層が形成されている。
本形態においても、第1の光学層は、第1の透光性部材10の傾斜端面11に形成された偏光分離膜8と、第1の透光性部材10の偏光分離膜8が形成された傾斜端面11と第2の透光性部材20の傾斜端面21との間に接着剤4で固定されたλ/2位相差フィルム30(位相差板)とから構成されている。これに対して、第2の光学層は、第2の透光性部材20の傾斜端面22に形成された反射膜9によって構成され、この反射膜9が形成されている第2の透光性部材20の傾斜端面22は、第1の透光性部材10の傾斜端面12に接着剤4により接着固定されている。
このように構成した偏光変換素子1においては、図4および図5に示すように、透光性基材6の上方から入射した自然光L(P波およびS波を含むランダム光)は、偏光変換素子1に入射した後、λ/2位相差フィルム30を透過し、偏光分離膜8によりP波は透過、S波は90度反射される。ここで、偏光分離膜8を通過したP波は、そのまま出射される一方、偏光分離膜8で反射したS波は、隣接するλ/2位相差フィルム30を透過する際、偏波面が90度捩じれてP波となった後、反射膜9で全反射して、そのままP波として入射光の光軸Lと平行な光軸で出射される。
[実施の形態2]
図6(a)、(b)、(c)、(d)は、本形態の偏光変換素子の断面図、この偏光変換素子においてλ/4位相差フィルムが第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すB1部分の拡大図、このB1部分をさらに拡大した拡大断面図、および偏光分離膜が第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すB2部分の拡大図である。図7は、図6に記載された偏光変換素子の光学的な特性を示す説明図である。
図6(a)、(b)、(c)、(d)は、本形態の偏光変換素子の断面図、この偏光変換素子においてλ/4位相差フィルムが第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すB1部分の拡大図、このB1部分をさらに拡大した拡大断面図、および偏光分離膜が第1、第2の透光性部材に挟まれている様子を示すB2部分の拡大図である。図7は、図6に記載された偏光変換素子の光学的な特性を示す説明図である。
図6(a)、(b)、(c)、(d)に示すとおり、本形態の偏光変換素子1は、直方体形状の光学素子であり、断面形状が45度の鋭角を有する平行四辺形をしたガラス製の第1の透光性部材10と、ガラス製の第2の透光性部材20とが交互に並ぶように両側の傾斜端面同士が接合された透光性基材6を有している。従って、偏光変換素子1の透光性基材6では、第1の透光性部材10の一方側の傾斜端面11と第2の透光性部材の一方側の傾斜端面21との第1の接合界面、および第1の透光性部材10の他方側の傾斜端面12と第2の透光性部材20の他方側の傾斜端面22との第2の接合界面が各々、透光性基材6に対する入射光軸Lに対して45度の角度で傾いており、そこには第1の光学層、および第2の光学層が形成されている。
本形態においては、以下に説明するように、第1の光学層は、この第1の光学層を両側で挟む第1の透光性部材10および第2の透光性部材20のうち、第1の透光性部材10の傾斜端面11に形成された偏光分離膜8であり、偏光分離膜8が形成されている傾斜端面11は、第2の透光性部材20の傾斜端面21に接着剤4により接着固定されている。これに対して、第2の光学層は、第2の透光性部材20の傾斜端面22に形成された反射膜9と、この反射膜9が形成された第2の透光性部材20の傾斜端面22と第1の透光性部材10の傾斜端面12との間に接着剤4で固定されたλ/4位相差フィルム40(位相差板)とから構成されている。
すなわち、偏光変換素子1では、第1の透光性部材10の傾斜端面11には、自然光(P波、S波)のうち、P波を透過し、S波を反射する偏光分離膜8が形成されている。第2の透光性部材20の傾斜端面22にはアルミニウム膜などからなる反射膜9が形成されている。λ/4位相差フィルム40は、第2の透光性部材20の傾斜端面22に形成された反射膜9と、第1の透光性部材10の傾斜端面12との間に挟み込まれている。
本形態において、λ/4位相差フィルム40は、一軸延伸のポリカーボネートフィルム(高分子フィルム)からなり、可視光域における波長依存性の小さい、あるいは波長依存性を有しない逆分散特性を備えたフィルムである。なお、その屈折率は、透光性基材10、20の屈折率に近いものである。
このように構成した偏光変換素子1では、図6(a)および図7に示すように、偏光変換素子1に下方から入射した自然光Lは、偏光分離膜8によりP波は透過、S波は90度反射される。ここで、偏光分離膜8を通過したP波はそのままP波として、入射光の光軸と同じ光軸で出射される。これに対して、偏光分離膜8で反射したS波は、λ/4位相差フィルム40を透過することにより偏波面が45度捩じれて円偏光化された後、隣接する第2の透光性基材20に形成された反射膜23で全反射される。全反射された光は、再びλ/4位相差フィルム40を透過することにより偏波面が45度捩じれてP波となり、入射光の光軸と同じ光軸で出射される。
(偏光変換素子の製造方法)
図8を参照して、本形態の偏光変換素子1の製造方法を説明する。図8は、図6に示す偏光変換素子の製造方法を示す工程断面図である。
図8を参照して、本形態の偏光変換素子1の製造方法を説明する。図8は、図6に示す偏光変換素子の製造方法を示す工程断面図である。
図8(a)において、本形態の偏光変換素子1を製造するにあたっては、平行な2つの基板面を有する第1の透光性基板100の一方の面101に偏光分離膜8を形成する一方、平行な2つの基板面を有する第2の透光性基板200の一方の面201に反射膜9を形成する。
次に、図8(b)に示すように、第1の透光性基板100の偏光分離膜8が形成されている面101とは反対側の面102と、第2の透光性基板200の反射膜9が形成されている側の面201との間に、光硬化性接着剤4(図6(c)を参照)、λ/4位相差フィルム40、および光硬化性接着剤4(図6(c)を参照)を挟むようにして、第1の透光性基板100、λ/4位相差フィルム40、および第2の透光性基板200を積層する。
そして、矢印L11で示すように、第1の透光性基板100の基板面に対して略垂直な方向から、あるいは、矢印L12で示すように、第1の透光性基板100の基板面に対して略平行な方向から紫外(UV)光を照射して光硬化性接着剤4を硬化させ、偏光変換素子ユニット150を形成する。ここで、第2の透光性基板200の側から光を照射してもよい。また、第1の透光性基板100あるいは第2の透光性基板200の基板面に対して斜め方向から光を照射してもよい。さらに、第1の透光性基板100の側、および第2の透光性基板100の側の双方から光を照射して光硬化性接着剤4を硬化させれば、応力を発生させることなく、接着剤を硬化させることができる。
次に、図8(c)に示すように、複数枚の偏光変換素子ユニット150を同一の方向に向けて、光硬化性接着剤4(図6(d)を参照)を介して積層した後、矢印L13で示すように、第1の透光性基板100(第2の透光性基板200)の基板面に対して略平行な方向からUV光を照射して光硬化性接着剤を硬化させ、偏光変換素子積層体160を形成する。
しかる後には、図3(c)に切断線cを示すように、第1の透光性基板100(第2の透光性基板200)の基板面に対して45度の角度をなすように、偏光変換素子積層体160を切断した後、切断面を研磨して、図6に示す偏光変換素子1を製造する。
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態では、位相差フィルムとして、高分子フィルムからなるλ/4相差フィルム40を用いたが、このλ/4位相差フィルム40については透光性基材の中に設けたので、偏光変換素子1の表面で露出していない。このため、λ/2位相差フィルム40が高温下で外気と触れることがない。また、λ/4位相差フィルム40として、高分子フィルムを2軸延伸したものを複数枚、粘着材によって積層した位相差フィルムではなく、高分子フィルムを一軸延伸した単層の位相差フィルムを用いたので、温度変化があった場合でも、粘着材で積層したフィルム同士が位置ずれを起こすことがない。それ故、偏光変換素子1の耐熱性、耐久性が著しく向上するなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
以上説明したように、本形態では、位相差フィルムとして、高分子フィルムからなるλ/4相差フィルム40を用いたが、このλ/4位相差フィルム40については透光性基材の中に設けたので、偏光変換素子1の表面で露出していない。このため、λ/2位相差フィルム40が高温下で外気と触れることがない。また、λ/4位相差フィルム40として、高分子フィルムを2軸延伸したものを複数枚、粘着材によって積層した位相差フィルムではなく、高分子フィルムを一軸延伸した単層の位相差フィルムを用いたので、温度変化があった場合でも、粘着材で積層したフィルム同士が位置ずれを起こすことがない。それ故、偏光変換素子1の耐熱性、耐久性が著しく向上するなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
さらに本形態では、偏光変換素子1を製造するにあたって、第1の透光性基板100、λ/4位相差フィルム40、および第2の透光性基板200を1枚ずつ積層して偏光変換素子ユニット150を形成し、その後、偏光変換素子ユニット150を積層して偏光変換素子積層体160を形成する。すなわち、第1の透光性基板100、λ/2位相差フィルム40、第2の透光性基板200を複数枚ずつ積層していきなり偏光変換素子積層体160を形成する方法を採用していない。このため、積層過程でλ/4位相差フィルム40の角度がずれてしまうことがないので、偏光変換素子1の歩留まりが向上するなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
本発明によれば、高分子フィルムからなるλ/2位相差フィルム、あるいはλ/4位相差フィルムを透光性基材の中に設けたので、偏光変換素子の表面で露出していない。このため、偏光変換素子の耐湿性や耐熱性が向上する。しかも、本発明では、高分子フィルムを2軸延伸したものを複数枚、粘着材によって積層した位相差フィルムではなく、高分子フィルムを一軸延伸した単層の位相差フィルムを用いたので、温度変化があった場合でも、粘着材で積層したフィルム同士が位置ずれを起こすことがない。それ故、偏光変換素子の耐熱性、耐久性が著しく向上する。よって、偏光変換素子を光源に近い位置に配置しても熱的な特性低下が発生しないので、液晶プロジェクターなどといった装置全体の耐久期間を延ばすことができ、かつ、ファンによる空気音を低減できるので、静粛性を向上することもできる。
1 偏光変換素子
4 接着剤
6 透光性基材
8 偏光分離膜
9 反射膜
10、20 透光性部材
30 λ/2位相差フィルム
40 λ/4位相差フィルム
100 第1の透光性基板
200 第2の透光性基板
150 偏光変換素子ユニット
160 偏光変換素子積層体
4 接着剤
6 透光性基材
8 偏光分離膜
9 反射膜
10、20 透光性部材
30 λ/2位相差フィルム
40 λ/4位相差フィルム
100 第1の透光性基板
200 第2の透光性基板
150 偏光変換素子ユニット
160 偏光変換素子積層体
Claims (8)
- 複数の透光性部材の傾斜端面同士が接合された透光性基材中に第1の光学層と第2の光学層とが互いに平行、かつ、前記透光性基材に対する入射光軸に斜めに配置され、
前記第1の光学層は、当該第1の光学層を両側で挟む第1の透光性部材および第2の透光性部材のうち、前記第1の透光性部材の傾斜端面に形成された偏光分離膜と、当該第1の透光性部材の前記偏光分離膜が形成された傾斜端面と前記第2の透光性部材の傾斜端面との間に接着固定されたλ/2位相差フィルムとから構成され、
前記第2の光学層は、反射膜であり、
前記λ/2位相差フィルムは、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなることを特徴とする偏光変換素子。 - 複数の透光性部材の傾斜端面同士が接合された透光性基材中に第1の光学層と第2の光学層とが互いに平行、かつ、前記透光性基材に対する入射光軸に斜めに配置され、
前記第1の光学層は、偏光分離膜であり、
前記第2の光学層は、当該第2の光学層を両側で挟む第1の透光性部材および第2の透光性部材のうち、前記第2の透光性部材の傾斜端面に形成された反射膜と、当該第2の透光性部材の前記反射膜が形成された傾斜端面と前記第1の透光性部材の傾斜端面との間に接着固定されたλ/4位相差フィルムとから構成され、
前記λ/4位相差フィルムは、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなることを特徴とする偏光変換素子。 - 請求項1または2において、前記透光性基材では、前記第1の透光性部材と前記第2の透光性部材が交互に並ぶように前記第1の透光性部材と前記第2の透光性部材の両端の傾斜端面同士が各々接合され、
前記第1の光学層および前記第2の光学層は各々、前記第1の透光性部材の一方側傾斜端面と前記第2の透光性部材の一方側傾斜端面との第1の接合界面、および前記第1の透光性部材の他方側傾斜端面と前記第2の透光性部材の他方側傾斜端面との第2の接合界面に構成されていることを特徴とする偏光変換素子。 - 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記高分子フィルムは、ポリカーボネート製であることを特徴とする偏光変換素子。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記第1の光学層および前記第2の光学層は、いずれも前記入射光軸に対して45度の角度をなしていることを特徴する偏光変換素子。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記の一軸延伸された単層の高分子フィルムは、可視光域における波長依存性の小さい、あるいは波長依存性を有しない逆分散特性を備えていることを特徴とする偏光変換素子。
- 第1の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に偏光分離膜を形成する一方、第2の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に反射膜を形成しておき、
前記第1の透光性基板の前記偏光分離膜が形成されている一方の面と、前記第2の透光性基板の前記反射膜が形成されている側とは反対側の面とを光硬化性接着剤、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなるλ/2位相差フィルム、および光硬化性接着剤を介して貼り合わせた後、光硬化性接着剤に光を照射して硬化させて偏光変換素子ユニットを形成し、
次に、前記偏光変換素子ユニットを複数、同一の向きで光硬化性接着剤を介して積層するとともに、基板面に対して略平行な方向から光を照射して当該光硬化性接着剤を硬化させて偏光変換素子積層体を形成し、
しかる後に、前記偏光変換素子積層体を基板面に対して斜めに切断することを特徴とする偏光変換素子の製造方法。 - 第1の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に偏光分離膜を形成する一方、第2の透光性基板の平行な両面のうちの一方の面に反射膜を形成しておき、
前記第1の透光性基板の前記偏光分離膜が形成されている側とは反対側の面と、前記第2の透光性基板の前記反射膜が形成されている側の面とを光硬化性接着剤、一軸延伸された単層の高分子フィルムからなるλ/4位相差フィルム、および光硬化性接着剤を介して貼り合わせた後、光硬化性接着剤に光を照射して硬化させて偏光変換素子ユニットを形成し、
次に、前記偏光変換素子ユニットを複数、同一の向きで光硬化性接着剤を介して積層するとともに、基板面に対して略平行な方向から光を照射して当該光硬化性接着剤を硬化させて偏光変換素子積層体を形成し、
しかる後に、前記偏光変換素子積層体を基板面に対して斜めに切断することを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
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