JP2004145084A - 液晶パネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの上昇が回避されるとともに、外圧に対する基板間隔(セルギャップ)の大きな変動が回避され、干渉縞の発生、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつきが回避できる液晶パネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一方の基板20に、フォトレジストを使用してスペーサ26を形成する。スペーサ26は、横断面が円形であって頂部には窪み26aを有する。窪み26aの深さはスペーサ26の高さの50%以下、窪み26aの縁からスペーサ26の外周までの長さはスペーサ26の直径の10乃至30%とする。
【選択図】 図2
【解決手段】一方の基板20に、フォトレジストを使用してスペーサ26を形成する。スペーサ26は、横断面が円形であって頂部には窪み26aを有する。窪み26aの深さはスペーサ26の高さの50%以下、窪み26aの縁からスペーサ26の外周までの長さはスペーサ26の直径の10乃至30%とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の基板間に液晶を封入して構成される液晶パネル及びその製造方法に関し、特に柱状のスペーサにより一対の基板間の間隔を一定に維持した液晶パネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、薄くで軽量であるとともに消費電力が小さいという長所があり、電卓、家庭用電化製品及びOA(Office Automation )機器等のディスプレイに使用されている。また、液晶パネルは、空間光変調素子(Spacial Light Modulator )として、光情報処理システムの入力装置及び計算機ホログラムにも使用されている。
【0003】
OA機器のディスプレイに使用される液晶パネルは、通常、一対の基板間に液晶を封入した構造を有している。一方の基板には画素毎にTFT(Thin Film Transistor)及び画素電極が形成されており、他方の基板には各画素共通のコモン電極が形成されている。以下、画素電極及びTFTが設けられている基板をTFT基板と呼び、TFT基板に対向して配置される基板を対向基板と呼ぶ。
【0004】
TFT基板と対向基板との間隔(セルギャップ)は、通常、樹脂又はセラミック等からなる球形のビーズにより一定に維持される。このビーズは、TFT基板と対向基板とをシール剤で接合する際に、TFT基板及び対向基板のいずれか一方の基板上に散布される。
【0005】
しかしながら、基板上にビーズを散布する方法では、基板全体にわたってビーズが均一に分布するとは限らない。基板全体にわたってビーズが均一に分布していない場合は、セルギャップの面内ばらつきが発生し、表示品質の低下の原因となる。また、液晶分子はビーズの表面に沿って配向する性質があるので、画素領域内にビーズが存在すると、配向異常が発生して表示品質が低下する。
【0006】
特開平8−220546号公報(特許文献1)、特開2001−83517号公報(特許文献2)及び特開2001−201750号公報(特許文献3)には、フォトレジストを使用して、画素領域の間(例えば、データバスラインとゲートバスラインとが交差する部分)に柱状のスペーサを形成することが提案されている。
【0007】
しかし、フォトレジスト法により形成されたスペーサは頂部がドーム状になって基板との接触面積が小さくなるため、耐衝撃性が低いという欠点がある。即ち、図12に示すように、スペーサ51間の点Aに外圧が加えられて一対の基板50,60のうちの一方が変形した場合に、点Aの周囲のセルギャップが大きく変動して、干渉縞が発生したり、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつき等が発生する。
【0008】
このような不具合を回避するためには、熱によりスペーサを軟化させた状態で圧力を加えてスペーサを一対の基板の両方に接合し、その後スペーサを硬化することが考えられる。しかし、この場合は、基板と接合する際にスペーサの高さが変化してしまうので、セルギャップを所望の値とすることが難しくなる。
【0009】
特開2000−155321号公報(特許文献4)には、熱により変形しない材質のビーズを感光性材料に混入し、この感光性材料の膜を使用してビーズ入りの柱状スペーサを形成することによってセルギャップを所定の値とすることが提案されている。しかし、この方法では、粒径が均一なビーズは高価であるのにスペーサとなる部分以外の膜中のビーズを捨ててしまうので、ビーズの無駄が多く、製造コストが上昇する。
【0010】
また、この方法では、各スペーサ中に必ずビーズが存在しているとは限らず、パネルの全体にわたってセルギャップを均一に維持することが難しい。ビーズのないスペーサの割合を少なくするために、感光性材料に混入するビーズの量を増加することも考えられるが、そうすると、ビーズがフィラーとして作用し、感光性材料の膜を均一の厚さに形成することができず、その結果スペーサの高さにばらつきが発生する。
【0011】
特開平8−110524号公報(特許文献5)には、加熱により変形しないギャップ制御材と、加熱によって溶融又は軟化するギャップ制御材とを基板上に散布し、一対の基板の間隔を一定に保ちながら接合した液晶パネル(光スイッチ素子)が開示されている。しかし、この方法では、スペーサの分布を均一にすることができない。
【0012】
耐衝撃性を向上するために、スペーサと基板との実効的な接触面積を大きくすることが提案されている。例えば、特開2001−33790号公報(特許文献6)には、柱状スペーサと基板との実効的な接触面積を大きくするために、スペーサの頂部に窪みを設けることが記載されている。これにより、スペーサの頂部がドーム状の場合に比べてスペーサと基板との実効的な接触面積が増大し、耐衝撃性が向上する。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−220546号公報
【特許文献2】
特開2001−83517号公報
【特許文献3】
特開2001−201750号公報
【特許文献4】
特開2000−155321号公報
【特許文献5】
特開平8−110524号公報
【特許文献6】
特開2001−33790号公報(図7,図8)
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、本願発明者等の実験から、単にスペーサの頂部に窪みを設けただけでは、耐衝撃性が十分でないことが判明している。つまり、スペーサを挟んで一対の基板を接合するときには、スペーサに大きな応力が加えられる。このとき、特開2001−33790号公報(特許文献6)に記載されているように柱状スペーサの横断面が四角形の場合は、応力がスペーサの一部に集中し、スペーサが座屈してしまうことがある。
【0015】
以上から、本発明の目的は、製造コストの上昇が回避されるとともに、外圧に対する基板間隔(セルギャップ)の大きな変動が回避され、干渉縞の発生、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつきが回避できる液晶パネル及びその製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板上に形成され、前記第2の基板に接触して前記第1の基板と第2の基板との間隔を一定に維持するスペーサと、前記スペーサの頂部に設けられた窪みと、前記第1の基板と第2の基板との間に封入された液晶とを有し、前記スペーサの横断面が円形であって、前記窪みの深さが前記スペーサの高さの50%以下、前記窪みの縁から前記スペーサの外周までの長さが前記スペーサの直径の10乃至30%であることを特徴とする液晶パネルにより解決する。
【0017】
また、上記した課題は、第1の基板及び第2の基板を用意する工程と、前記第1の基板上に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜に対し露光及び現像処理を施して、横断面形状が円形であって頂部に窪みを有するスペーサを形成する露光/現像工程と、前記スペーサを挟んで前記第1の基板及び前記第2の基板を配置し、シール剤により前記第1の基板と前記第2の基板とを接合して、前記シール剤、前記第1の基板及び前記第2の基板で囲まれる空間内に液晶を封入する液晶封入工程とを有することを特徴とする液晶パネルの製造方法により解決する。
【0018】
液晶パネルの耐衝撃性を向上させるためには、スペーサと基板との実効的な接触面積を大きくすることが有効である。そのため、本実施の形態では、スペーサの頂部に窪みを形成する。但し、例えばスペーサの横断面の形状が四角形であると、スペーサを挟んで2枚の基板を接合するときに応力がスペーサの一部に集中して、スペーサが座屈してしまうことがある。
【0019】
本発明では、スペーサの横断面の形状を円形としているので、応力が一部分に集中することなく分散される。これにより、横断面の形状が四角形の場合に比べて、耐衝撃性が向上する。
【0020】
この場合に、窪みの縁からスペーサの外周までの長さがスペーサの直径の10%よりも少ない場合は、スペーサの強度が不足して良好な耐衝撃性を得ることができない。また、窪みの縁からスペーサの外周までの長さがスペーサの直径の30%を超えると、窪みを設ける効果が少なく、スペーサと基板との実効的な接触面積が少なくなる。このため、窪みの縁からスペーサの外周までの長さはスペーサの直径の10〜30%とすることが必要である。
【0021】
また、窪みの深さがスペーサの高さの50%を超えると、スペーサの強度が不足する。このため、窪みの深さはスペーサの高さの50%以下とすることが必要である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0023】
(液晶パネル)
図1は本発明の実施の形態の液晶パネルの1画素を示す平面図、図2は図1のI−I線による断面図である。なお、本実施の形態は、本発明を透過型液晶表示パネルに適用した例について説明している。
【0024】
本実施の形態の液晶表示パネルは、図2に示すように、相互に対向して配置されたTFT基板10及び対向基板20と、これらのTFT基板10及び対向基板20の間に封入された液晶30とにより構成されている。なお、TFT基板10の下及び対向基板20の上にはそれぞれ偏光板が配置される。また、TFT基板10の下方には、光源(バックライト)が配置される。
【0025】
TFT基板10は、図1,図2に示すように、ガラス基板11と、ガラス基板11上に形成されたゲートバスライン12、データバスライン14、TFT15及び画素電極18等により構成されている。ゲートバスライン12は水平方向に延在しており、データバスライン14は垂直方向に延在している。ゲートバスライン12とデータバスライン14との間にはゲート絶縁膜13が形成されており、このゲート絶縁膜13によりゲートバスライン12とデータバスライン14とは電気的に分離されている。これらのゲートバスライン12及びデータバスライン14により区画される領域がそれぞれ画素領域である。画素電極18及びTFT15は、各画素領域に1個づつ形成されている。
【0026】
本実施の形態では、図1に示すように、ゲートバスライン12の一部がTFT15のゲート電極となっており、チャネル保護膜16の幅方向の両側にはそれぞれTFT15のソース電極15s及びドレイン電極15dが配置されている。ソース電極15sは絶縁膜17に形成されたコンタクトホール17aを介して画素電極18に電気的に接続され、ドレイン電極15dはデータバスライン14に電気的に接続されている。また、画素電極18の上にはポリイミド等からなる配向膜19が形成されている。この配向膜19の表面には、電界が印加されていないときの液晶分子の配向方向を決めるラビング処理が施されている。
【0027】
一方、対向基板20は、ガラス基板21と、このガラス基板21の一方の面側(図2では下側)に形成されたブラックマトリクス22、絶縁膜23及びコモン電極24とにより構成されている。ブラックマトリクス22は、画素間の領域及びTFT形成領域を覆うように形成されている。また、絶縁膜23は、ガラス基板21の下側に、ブラックマトリクス22を覆うようにして形成されている。絶縁膜23の下にはコモン電極24が形成されており、このコモン電極24の下にはポリイミド等からなる配向膜25が形成されている。この配向膜25の表面にも、電界が印加されていないときの液晶分子の配向方向を決めるラビング処理が施されている。
【0028】
また、対向基板20には、対向基板20とTFT基板10との間隔を一定に維持するためのスペーサ26が形成されている。このスペーサ26はほぼ円筒状であり、頂部(図2では下側)には窪み26aが設けられている。図3に示すように、窪み26aの深さdはスペーサ26の高さhの50%以下であり、窪み26aの縁からスペーサ26の外周までの長さ(以下、外周幅ともいう)wはスペーサ26の直径Rの10〜30%に設定されている。
【0029】
これらのTFT基板10及び対向基板20は、配向膜19,25が形成された面を相互に対向させて配置されており、両者の間に封入された液晶30とともに液晶パネルを構成する。
【0030】
このように構成された液晶パネルにおいて、画像を表示する際には駆動回路(図示せず)から垂直方向に並ぶゲートバスライン12に対し順番に走査信号を供給するとともに、データバスライン14に表示信号を供給する。走査信号が供給されたゲートバスライン12に接続しているTFT15はオン状態となり、画素電極18にはTFT15を介して表示信号が書き込まれる。これにより、画素電極18とコモン電極24との間に表示信号に応じた電界が発生して液晶分子の向きが変化し、その結果、画素を透過する光の光量が変化する。各画素毎に透過光の光量を制御することにより、液晶パネルに所望の画像を表示することができる。
【0031】
(液晶パネルの製造方法)
以下、本発明の実施の形態の液晶パネルの製造方法について説明する。
【0032】
まず、図1,図2に示すようなTFT基板10及び対向基板20をそれぞれ製造する。
【0033】
TFT基板10の製造方法を簡単に説明する。まず、PVD(Physical VaporDeposition )法により、ガラス基板11上に第1の金属膜を形成し、フォトリソグラフィ法により第1の金属膜をパターニングしてゲートバスライン12を形成する。次に、ガラス基板11の上側全面にゲート絶縁膜13を形成し、その上にTFT15の動作層となる第1のシリコン膜と、チャネル保護膜16となるSiN膜とを形成する。その後、フォトリソグラフィ法によりSiN膜をパターニングして、ゲートバスライン12の上方の所定の領域にチャネル保護膜16を形成する。
【0034】
次に、ガラス基板11の上側全面に、オーミックコンタクト層となる不純物が高濃度に導入された第2のシリコン膜を形成し、続けて第2のシリコン膜の上に第2の金属膜を形成する。そして、フォトリソグラフィ法により第2の金属膜、第2のシリコン膜及び第1のシリコン膜をパターニングして、TFT15の動作層となるシリコン膜の形状を確定するとともに、データバスライン14、ソース電極15s及びドレイン電極15dを形成する。
【0035】
次いで、ガラス基板11の上側全面に絶縁膜17を形成し、この絶縁膜17の所定の位置にコンタクトホール17aを形成する。その後、ガラス基板11の上側全面にITO(Indium−Tin Oxide)等の透明導電体からなる膜を形成する。そして、この透明導電体の膜をパターニングすることにより、コンタクトホール17aを介しTFT15のソース電極15sに電気的に接続された画素電極18を形成する。その後、ガラス基板11の上側全面にポリイミドからなる配向膜19を形成する。このようにして、TFT基板10が完成する。
【0036】
以下、対向基板20の製造方法について簡単に説明する。まず、ガラス基板21の上にCr等の金属膜を形成し、この金属膜をパターニングしてブラックマトリクス22を形成する。その後、ガラス基板21の上に絶縁膜23を形成する。カラー型液晶表示パネルを製造する場合は、絶縁膜23を赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の樹脂により形成し、各画素毎に赤色、緑色及び青色のうちのいずれか1色の絶縁膜23を配置する。
【0037】
次いで、絶縁膜23の上に、ITO等の透明導電体によりコモン電極24を形成する。その後、コモン電極24の上にポリイミドからなる配向膜25を形成する。このようにして、対向基板20が完成する。
【0038】
次に、TFT基板10及び対向基板20のうちのいずれか一方の側に柱状のスペーサ26を形成する。本実施の形態では、前述したように、対向基板20の側にスペーサ26を形成している。
【0039】
即ち、図4(a)に示すように、スピンコート法により、対向基板20の上にポジ型フォトレジストを約2μmの厚さに塗布してレジスト膜35を形成し、このレジスト膜35を100℃の温度で1分間プリベーキングする。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、スペーサとなる部分を遮光する円形パターンが設けられた露光マスク41を介してレジスト膜35を十分に露光する。その後、図4(c)に示すように、スペーサの周縁部を遮光するリング状パターンが設けられた露光マスク42を介してレジスト膜35を短時間露光する。次いで、現像処理を施すと、図4(d)に示すように、頂部に窪み26aが設けられた円柱状のスペーサ26が形成される。その後、対向基板20の表面を純水で洗浄した後、乾燥させる。
【0041】
例えば、スペーサ26の直径は10μmとし、窪み26aの直径は6μmとする。この場合、窪み26aの縁からスペーサ26の外周までの長さ(外周幅)は2μmとなる。また、窪み26aの深さは1μm以下とする。更に、スペーサ26は、ゲートバスライン12とデータバスライン14との交差部に対応する位置に形成する。例えば、スペーサ26の水平方向及び垂直方向のピッチはいずれも100μmとする。
【0042】
次に、TFT基板10及び対向基板20のうちのいずれか一方に、表示領域を囲むようにしてシール剤を塗布する。但し、液晶注入口となる部分にはシール剤を塗布しないでおく。その後、図5に示すように、TFT基板10と対向基板20との位置合わせを行って重ね合わせ、熱処理装置内で圧力を加えながらシール剤36の硬化温度(110〜150℃)で熱処理して、シール剤36を硬化させる。これにより、TFT基板10及び対向基板20の間隔は、スペーサ26により決定される値となる。なお、シール剤36は、配向膜19,25に施したラビング処理の効果が失われない程度の温度で硬化させることが必要である。以下、TFT基板10と対向基板20とを貼合わせてなる構造物(液晶封入前のパネル)を空パネルという。
【0043】
次いで、真空注入法によりTFT基板10と対向基板20との間に液晶30を注入する。即ち、液晶を入れた容器と空パネルとを真空チャンバ内に入れ、真空チャンバ内を排気して真空状態とする。その後、空パネルの液晶注入口を液晶中に入れて、真空チャンバ内を大気圧に戻す。そうすると、空パネルの内部空間の圧力と大気圧との差により液晶が空パネル内に進入し、パネルの内部空間に液晶が充填される。その後、液晶が充填されたパネルを2枚の平板で挟んで余分な液晶を押し出し、液晶注入口を封止樹脂で封止する。このようにして、本実施の形態に係る液晶パネルが完成する。
【0044】
なお、上記実施の形態では遮光部のパターンが異なる2種類の露光マスクを使用したが、周縁部と中心部との光透過率が異なるパターンが設けられた露光マスクを使用すると、1回の露光で窪みを有する円筒状のスペーサを形成することができる。また、上記実施の形態ではスペーサ26をポジ型フォトレジストにより形成したが、スペーサ26をネガ型フォトレジストにより形成してもよい。
【0045】
本実施の形態においては、TFT基板10と接触するスペーサ26の頂部に窪み26aが設けられているので、TFT基板10とスペーサ26との実効的な接触面積が大きい。また、スペーサ26が円筒状であるとともに、窪み26aの深さ及び大きさが所定の範囲に設定されているので、大きな外圧が加えられてもスペーサ26が座屈しにくい。これらにより、本実施の形態の液晶パネルは、外圧に対する耐衝撃性が高く、干渉縞の発生、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつきが回避される。
【0046】
なお、本発明は、ツイステッドネマティック(TN)型液晶、スーパーツイステッドネマティック(STN)型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶及び電傾効果を示すスメクティックA相液晶等を用いた液晶パネルに適用することができる。
【0047】
また、上述した実施の形態では本発明を透過型液晶パネルに適用した場合について説明したが、これにより本発明の適用範囲が透過型液晶パネルに限定されるものではない。本発明は、透過型液晶パネルの他にも、反射型液晶パネルや空間光変調素子に適用することができる。
【0048】
更に、本発明においてスペーサを構成するフォトレジストの材質は特に限定されるものではない。例えば、スペーサは、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂又はビスフェノール樹脂を主成分とするフォトレジストや、ゼラチンを感光樹脂化したフォトレジストにより形成することができる。
【0049】
以下,本発明の実施例に係る液晶パネルを実際に製造し、外圧を加えたときの表示品質を調べた結果について、比較例と比較して説明する。
【0050】
(実施例1)
長さが200mm、幅が100mm、厚さが1.1mmの2枚のガラス基板を用意した。そして、これらのガラス基板の一方の面上にそれぞれITO膜を形成し、透明電極とした。
【0051】
次に、スピンコータを用いて、透明電極の上に、濃度が3wt%のポリイミド溶液を2000rpmの回転数で塗布してポリイミド膜を形成した後、ポリイミド膜を200℃の温度で30分間焼成して配向膜とした。
【0052】
このようにして透明電極及び配向膜を形成した2枚のガラス基板の一方に、スピンコータを用いてネガ型フォトレジスト(TLOR−N:東京応化工業製)を塗布し、厚さが2.0μmのレジスト膜を形成した。
【0053】
次に、ガラス基板をホットプレートの上に載せ、レジスト膜を100℃の温度で1分間プリベーキングした。その後、外径が10μm、内径が6μmのリング状パターンが水平方向及び垂直方向に100μmのピッチで形成された第1のマスクを用いてレジスト膜を基板の上面側から30秒間露光し、更に直径が10μmの円形パターンが水平方向及び垂直方向に100μmのピッチで形成された第2のマスクを用いてレジスト膜を基板の背面側から10秒間露光した。
【0054】
次に、レジスト膜を現像処理して、頂部に窪みを有する直径が10μmの円柱状のスペーサを形成した。窪みの直径は6μm、深さは1μmである。その後、ガラス基板の表面を純水で洗浄した後、ホットプレートの上で130℃の温度で1分間加熱して乾燥させた。
【0055】
次に、両方のガラス基板の表面の配向膜をラビング処理した。その後、シール剤としてエポキシ樹脂を使用し、印刷法により一方のガラス基板の上にシール剤を塗布した。このとき、シール剤は、液晶注入口となる部分を除き、ガラス基板の縁部に沿って枠状に塗布した。なお、シール剤として使用したエポキシ樹脂は、150℃の温度で1時間で硬化するものである。
【0056】
次に、この一対のガラス基板を、透明電極が向かい合うように貼り合わせた後、150℃の温度で1時間加熱して、シール剤であるエポキシ樹脂を硬化させた。
【0057】
このようにしてシール剤により接合された一対の基板(空パネル)の間に、真空注入法により強誘電性液晶を注入し、液晶注入口を封止して強誘電性液晶表示パネルとした。
【0058】
この液晶表示パネルの上下にそれぞれ偏光板を配置した。偏光板は、偏光軸が直交するように(クロスニコルス)配置した。
【0059】
その後、先端径が0.8mmのペン先により、ペン荷重100gで液晶表示パネルの中央を押した。しかし、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、セルギャップを小さくする外力に対して、耐ストレス性が認められた。
【0060】
また、液晶表示パネルの中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたが、画面全体にわたって表示色の変化は観察されなかった。
【0061】
(実施例2)
窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を1μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0062】
この液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。
【0063】
(実施例3)
窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を3μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0064】
この液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。
【0065】
(実施例4)
ポジ型レジスト(S1818:シプレイ社製)及びポジ型露光マスクを使用してスペーサを形成した。この場合、まず、スペーサとなる部分以外のレジスト膜を基板の表側から30秒間露光し、その後、基板の表側から窪みとなる部分に10秒間露光した。それ以外の条件は実施例1と同じである。
【0066】
このようにして製造した液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。
【0067】
(実施例5)
図6に示すように、スペーサの窪みに対応する円形の外郭部から中心部にかけて光透過性が低下する露光マスク43を用いた以外は実施例4と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0068】
この液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。また、この場合は1枚の露光マスクで頂部に窪みを有するスペーサを形成することができるので、製造時間を短縮することができた。
【0069】
(実施例6)
基板間に封入する液晶としてツイステッドネマティック型液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0070】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0071】
(実施例7)
基板間に封入する液晶としてスーパーツイステッドネマティック型液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0072】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0073】
(実施例8)
基板間に封入する液晶としてネマティックコレステリック相転移型液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0074】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0075】
(実施例9)
基板間に封入する液晶として反強誘電性液晶を使用した以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0076】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0077】
(実施例10)
基板間に封入する液晶としてツイストグレインバウンダリ液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0078】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0079】
(実施例11)
基板間に封入する液晶としてスメクティックA相液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0080】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0081】
(実施例12)
滴下注入法により基板間に液晶を注入した以外は実施例1と同様と同じ条件で液晶表示パネルを製造した。即ち、図7に示すように、スペーサを形成した対向基板20上に表示領域を囲むようにしてシール剤36を塗布した。その後、ディスペンサーにより、対向基板20の上に強誘電性液晶30を滴下した。この場合、液晶30の滴下量はパネルの大きさとセルギャップとに応じて決定し、対向基板20上に分散させて滴下した。その後、対向基板20の上にTFT基板(図示せず)を重ね合わせ、加熱によりシール剤36を硬化させた。
【0082】
このようにして製造した液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。なお、実施例12では滴下注入法により基板間に液晶を封入しているので、実施例1に比べて製造に要する時間を大幅に短縮することができた。
【0083】
(比較例1)
スペーサに窪みを形成しないこと以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0084】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gでパネル中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られる表示不良が発生した。
【0085】
(比較例2)
スペーサの形状を10μm×10μmの四角柱にした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。なお、窪みの大きさは、2μm×2μm、窪みの深さは1μmである。
【0086】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gでパネル中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られる表示不良が発生した。
【0087】
(比較例3)
窪みの深さを1.1μm(スペーサの高さの55%)とした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0088】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、スペーサの強度が低く、2枚の基板を接合する際にスペーサが変形し、セルギャップを所定の2μmとすることができなかった。そのため、良好な表示品質を得ることができなかった。
【0089】
(比較例4)
窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を0.8μm(外周幅が8%)とした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0090】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、スペーサの強度が低く、2枚の基板を接合したときにスペーサが座屈して、セルギャップを所定の2μmとすることができなかった。そのため、良好な表示品質を得ることができなかった。
【0091】
(比較例5)
露光マスクと露光条件とを制御して窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を3.5μm(外周幅が35%)とした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0092】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gでパネル中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られる表示不良が発生した。
【0093】
(比較例6)
スペーサ材料として190℃の温度で1時間加熱すると硬化するネガ型フォトレジストを用い、190℃の温度で1時間で硬化させた以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。しかし、配向膜に熱によるダメージが発生し、表示品質が低下した。
【0094】
図8は、スペーサの直径、高さ及び窪みの深さを一定とし、窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図8からわかるように、外周幅がスペーサの直径の10〜30%のときは、良好な耐衝撃性を得られることが確認できた。
【0095】
図9は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図9からわかるように、窪みの深さがスペーサの高さの50%以下の場合に、良好な耐衝撃性を得られることが確認できた。
【0096】
図10は、スペーサの外周幅、高さ及び窪みの深さを一定とし、スペーサの直径が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図10からわかるように、直径が変化しても、外周幅が直径の10〜30%の範囲内であれば、良好な耐衝撃性を得られることが確認できた。
【0097】
図11は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図11からわかるようにスペーサの高さが変化しても、窪みの深さがスペーサの高さの50%以下の場合は、良好な耐衝撃性が得られることが確認できた。
【0098】
(付記1)相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板上に形成され、前記第2の基板に接触して前記第1の基板と第2の基板との間隔を一定に維持するスペーサと、前記スペーサの頂部に設けられた窪みと、前記第1の基板と第2の基板との間に封入された液晶とを有し、前記スペーサの横断面が円形であって、前記窪みの深さが前記スペーサの高さの50%以下、前記窪みの縁から前記スペーサの外周までの長さが前記スペーサの直径の10乃至30%であることを特徴とする液晶パネル。
【0099】
(付記2)前記スペーサが、フォトレジストにより形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶パネル。
【0100】
(付記3)前記スペーサが、一定の間隔で配置されていることを特徴とする付記1に記載の液晶パネル。
【0101】
(付記4)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、及びスメクティックA相液晶からなる群から選択されたいずれか一種であることを特徴とする付記1に記載の液晶パネル。
【0102】
(付記5)第1の基板及び第2の基板を用意する工程と、前記第1の基板上に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜に対し露光及び現像処理を施して、横断面形状が円形であって頂部に窪みを有するスペーサを形成する露光/現像工程と、前記スペーサを挟んで前記第1の基板及び前記第2の基板を配置し、シール剤により前記第1の基板と前記第2の基板とを接合して、前記シール剤、前記第1の基板及び前記第2の基板で囲まれる空間内に液晶を封入する液晶封入工程とを有することを特徴とする液晶パネルの製造方法。
【0103】
(付記6)前記感光性樹脂としてネガ型フォトレジストを使用することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0104】
(付記7)前記露光/現像工程では、前記第1の基板の上側から前記スペーサに対応するリング状パターンを有する第1の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光し、その後前記第1の基板の背面側から前記スペーサに対応する円形パターンを有する第2の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光することを特徴とする付記6に記載の液晶パネルの製造方法。
【0105】
(付記8)前記露光/現像工程では、前記スペーサに対応する大きさであって、且つ、周縁部よりも中心部のほうが光透過率が低い円形のパターンが設けられた露光マスクを使用することを特徴とする付記6に記載の液晶パネルの製造方法。
【0106】
(付記9)前記感光性樹脂としてポジ型フォトレジストを使用することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0107】
(付記10)前記露光/現像工程では、第1の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜のうち前記スペーサとなる部分以外の部分を露光する第1の露光工程と、第2の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜のうち前記窪みに対応する部分を前記第1の露光工程よりも低いエネルギーで露光する第2の露光工程とを有することを特徴とする付記9に記載の液晶パネルの製造方法。
【0108】
(付記11)前記露光/現像工程では、前記スペーサに対応する大きさであって、且つ、周縁部よりも中心部のほうが光透過率が高い円形のパターンが設けられた露光マスクを使用することを特徴とする付記9に記載の液晶パネルの製造方法。
【0109】
(付記12)前記液晶封入工程は、真空注入法により実施することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0110】
(付記13)前記液晶封入工程は、滴下注入法により実施することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0111】
(付記14)前記液晶として、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、及びスメクティックA相液晶からなる群から選択されたいずれか一種を使用することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スペーサの横断面形状を円形とし、頂部の窪みの深さをスペーサの高さの50%以下、窪みの縁からスペーサの外周までの長さをスペーサの直径の10乃至30%としているので、耐衝撃性が高く、外圧に対し基板間隔(セルギャップ)の変動が回避されて、干渉縞の発生、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつきが回避される。
【0113】
また、本発明方法によれば、比較的簡単な工程で、耐衝撃性が高い液晶パネルを製造することができる。これにより、液晶パネルの製造コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の液晶パネルの1画素を示す平面図である。
【図2】図2は図1のI−I線による断面図である。
【図3】図3はスペーサの各部の大きさを示す模式図である。
【図4】図4(a)〜(d)はスペーサの形成方法を示す模式図である。
【図5】図5はTFT基板と対向基板とを接合する工程を示す模式図である。
【図6】図6は露光マスクの一例を示す模式図である。
【図7】図7は滴下注入法を示す模式図である。
【図8】図8は、スペーサの直径、高さ及び窪みの深さを一定とし、窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図9】図9は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図10】図10は、スペーサの外周幅、高さ及び窪みの深さを一定とし、スペーサの直径が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図11】図11は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図12】図12は、従来の液晶パネルに外圧が加えられたときのセルギャップの変化を示す模式図である。
【符号の説明】
10…TFT基板、
11,21…ガラス基板、
12…ゲートバスライン、
13…ゲート絶縁膜、
14…データバスライン、
15…TFT、
16…チャネル保護膜、
17,23…絶縁膜、
18…画素電極
19,25…配向膜、
20…対向基板、
22…ブラックマトリクス、
24…コモン電極、
26,51…スペーサ、
26a…窪み、
30…液晶、
35…レジスト膜、
36…シール剤
41,42,43…露光マスク、
50,60…基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の基板間に液晶を封入して構成される液晶パネル及びその製造方法に関し、特に柱状のスペーサにより一対の基板間の間隔を一定に維持した液晶パネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、薄くで軽量であるとともに消費電力が小さいという長所があり、電卓、家庭用電化製品及びOA(Office Automation )機器等のディスプレイに使用されている。また、液晶パネルは、空間光変調素子(Spacial Light Modulator )として、光情報処理システムの入力装置及び計算機ホログラムにも使用されている。
【0003】
OA機器のディスプレイに使用される液晶パネルは、通常、一対の基板間に液晶を封入した構造を有している。一方の基板には画素毎にTFT(Thin Film Transistor)及び画素電極が形成されており、他方の基板には各画素共通のコモン電極が形成されている。以下、画素電極及びTFTが設けられている基板をTFT基板と呼び、TFT基板に対向して配置される基板を対向基板と呼ぶ。
【0004】
TFT基板と対向基板との間隔(セルギャップ)は、通常、樹脂又はセラミック等からなる球形のビーズにより一定に維持される。このビーズは、TFT基板と対向基板とをシール剤で接合する際に、TFT基板及び対向基板のいずれか一方の基板上に散布される。
【0005】
しかしながら、基板上にビーズを散布する方法では、基板全体にわたってビーズが均一に分布するとは限らない。基板全体にわたってビーズが均一に分布していない場合は、セルギャップの面内ばらつきが発生し、表示品質の低下の原因となる。また、液晶分子はビーズの表面に沿って配向する性質があるので、画素領域内にビーズが存在すると、配向異常が発生して表示品質が低下する。
【0006】
特開平8−220546号公報(特許文献1)、特開2001−83517号公報(特許文献2)及び特開2001−201750号公報(特許文献3)には、フォトレジストを使用して、画素領域の間(例えば、データバスラインとゲートバスラインとが交差する部分)に柱状のスペーサを形成することが提案されている。
【0007】
しかし、フォトレジスト法により形成されたスペーサは頂部がドーム状になって基板との接触面積が小さくなるため、耐衝撃性が低いという欠点がある。即ち、図12に示すように、スペーサ51間の点Aに外圧が加えられて一対の基板50,60のうちの一方が変形した場合に、点Aの周囲のセルギャップが大きく変動して、干渉縞が発生したり、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつき等が発生する。
【0008】
このような不具合を回避するためには、熱によりスペーサを軟化させた状態で圧力を加えてスペーサを一対の基板の両方に接合し、その後スペーサを硬化することが考えられる。しかし、この場合は、基板と接合する際にスペーサの高さが変化してしまうので、セルギャップを所望の値とすることが難しくなる。
【0009】
特開2000−155321号公報(特許文献4)には、熱により変形しない材質のビーズを感光性材料に混入し、この感光性材料の膜を使用してビーズ入りの柱状スペーサを形成することによってセルギャップを所定の値とすることが提案されている。しかし、この方法では、粒径が均一なビーズは高価であるのにスペーサとなる部分以外の膜中のビーズを捨ててしまうので、ビーズの無駄が多く、製造コストが上昇する。
【0010】
また、この方法では、各スペーサ中に必ずビーズが存在しているとは限らず、パネルの全体にわたってセルギャップを均一に維持することが難しい。ビーズのないスペーサの割合を少なくするために、感光性材料に混入するビーズの量を増加することも考えられるが、そうすると、ビーズがフィラーとして作用し、感光性材料の膜を均一の厚さに形成することができず、その結果スペーサの高さにばらつきが発生する。
【0011】
特開平8−110524号公報(特許文献5)には、加熱により変形しないギャップ制御材と、加熱によって溶融又は軟化するギャップ制御材とを基板上に散布し、一対の基板の間隔を一定に保ちながら接合した液晶パネル(光スイッチ素子)が開示されている。しかし、この方法では、スペーサの分布を均一にすることができない。
【0012】
耐衝撃性を向上するために、スペーサと基板との実効的な接触面積を大きくすることが提案されている。例えば、特開2001−33790号公報(特許文献6)には、柱状スペーサと基板との実効的な接触面積を大きくするために、スペーサの頂部に窪みを設けることが記載されている。これにより、スペーサの頂部がドーム状の場合に比べてスペーサと基板との実効的な接触面積が増大し、耐衝撃性が向上する。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−220546号公報
【特許文献2】
特開2001−83517号公報
【特許文献3】
特開2001−201750号公報
【特許文献4】
特開2000−155321号公報
【特許文献5】
特開平8−110524号公報
【特許文献6】
特開2001−33790号公報(図7,図8)
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、本願発明者等の実験から、単にスペーサの頂部に窪みを設けただけでは、耐衝撃性が十分でないことが判明している。つまり、スペーサを挟んで一対の基板を接合するときには、スペーサに大きな応力が加えられる。このとき、特開2001−33790号公報(特許文献6)に記載されているように柱状スペーサの横断面が四角形の場合は、応力がスペーサの一部に集中し、スペーサが座屈してしまうことがある。
【0015】
以上から、本発明の目的は、製造コストの上昇が回避されるとともに、外圧に対する基板間隔(セルギャップ)の大きな変動が回避され、干渉縞の発生、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつきが回避できる液晶パネル及びその製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板上に形成され、前記第2の基板に接触して前記第1の基板と第2の基板との間隔を一定に維持するスペーサと、前記スペーサの頂部に設けられた窪みと、前記第1の基板と第2の基板との間に封入された液晶とを有し、前記スペーサの横断面が円形であって、前記窪みの深さが前記スペーサの高さの50%以下、前記窪みの縁から前記スペーサの外周までの長さが前記スペーサの直径の10乃至30%であることを特徴とする液晶パネルにより解決する。
【0017】
また、上記した課題は、第1の基板及び第2の基板を用意する工程と、前記第1の基板上に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜に対し露光及び現像処理を施して、横断面形状が円形であって頂部に窪みを有するスペーサを形成する露光/現像工程と、前記スペーサを挟んで前記第1の基板及び前記第2の基板を配置し、シール剤により前記第1の基板と前記第2の基板とを接合して、前記シール剤、前記第1の基板及び前記第2の基板で囲まれる空間内に液晶を封入する液晶封入工程とを有することを特徴とする液晶パネルの製造方法により解決する。
【0018】
液晶パネルの耐衝撃性を向上させるためには、スペーサと基板との実効的な接触面積を大きくすることが有効である。そのため、本実施の形態では、スペーサの頂部に窪みを形成する。但し、例えばスペーサの横断面の形状が四角形であると、スペーサを挟んで2枚の基板を接合するときに応力がスペーサの一部に集中して、スペーサが座屈してしまうことがある。
【0019】
本発明では、スペーサの横断面の形状を円形としているので、応力が一部分に集中することなく分散される。これにより、横断面の形状が四角形の場合に比べて、耐衝撃性が向上する。
【0020】
この場合に、窪みの縁からスペーサの外周までの長さがスペーサの直径の10%よりも少ない場合は、スペーサの強度が不足して良好な耐衝撃性を得ることができない。また、窪みの縁からスペーサの外周までの長さがスペーサの直径の30%を超えると、窪みを設ける効果が少なく、スペーサと基板との実効的な接触面積が少なくなる。このため、窪みの縁からスペーサの外周までの長さはスペーサの直径の10〜30%とすることが必要である。
【0021】
また、窪みの深さがスペーサの高さの50%を超えると、スペーサの強度が不足する。このため、窪みの深さはスペーサの高さの50%以下とすることが必要である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0023】
(液晶パネル)
図1は本発明の実施の形態の液晶パネルの1画素を示す平面図、図2は図1のI−I線による断面図である。なお、本実施の形態は、本発明を透過型液晶表示パネルに適用した例について説明している。
【0024】
本実施の形態の液晶表示パネルは、図2に示すように、相互に対向して配置されたTFT基板10及び対向基板20と、これらのTFT基板10及び対向基板20の間に封入された液晶30とにより構成されている。なお、TFT基板10の下及び対向基板20の上にはそれぞれ偏光板が配置される。また、TFT基板10の下方には、光源(バックライト)が配置される。
【0025】
TFT基板10は、図1,図2に示すように、ガラス基板11と、ガラス基板11上に形成されたゲートバスライン12、データバスライン14、TFT15及び画素電極18等により構成されている。ゲートバスライン12は水平方向に延在しており、データバスライン14は垂直方向に延在している。ゲートバスライン12とデータバスライン14との間にはゲート絶縁膜13が形成されており、このゲート絶縁膜13によりゲートバスライン12とデータバスライン14とは電気的に分離されている。これらのゲートバスライン12及びデータバスライン14により区画される領域がそれぞれ画素領域である。画素電極18及びTFT15は、各画素領域に1個づつ形成されている。
【0026】
本実施の形態では、図1に示すように、ゲートバスライン12の一部がTFT15のゲート電極となっており、チャネル保護膜16の幅方向の両側にはそれぞれTFT15のソース電極15s及びドレイン電極15dが配置されている。ソース電極15sは絶縁膜17に形成されたコンタクトホール17aを介して画素電極18に電気的に接続され、ドレイン電極15dはデータバスライン14に電気的に接続されている。また、画素電極18の上にはポリイミド等からなる配向膜19が形成されている。この配向膜19の表面には、電界が印加されていないときの液晶分子の配向方向を決めるラビング処理が施されている。
【0027】
一方、対向基板20は、ガラス基板21と、このガラス基板21の一方の面側(図2では下側)に形成されたブラックマトリクス22、絶縁膜23及びコモン電極24とにより構成されている。ブラックマトリクス22は、画素間の領域及びTFT形成領域を覆うように形成されている。また、絶縁膜23は、ガラス基板21の下側に、ブラックマトリクス22を覆うようにして形成されている。絶縁膜23の下にはコモン電極24が形成されており、このコモン電極24の下にはポリイミド等からなる配向膜25が形成されている。この配向膜25の表面にも、電界が印加されていないときの液晶分子の配向方向を決めるラビング処理が施されている。
【0028】
また、対向基板20には、対向基板20とTFT基板10との間隔を一定に維持するためのスペーサ26が形成されている。このスペーサ26はほぼ円筒状であり、頂部(図2では下側)には窪み26aが設けられている。図3に示すように、窪み26aの深さdはスペーサ26の高さhの50%以下であり、窪み26aの縁からスペーサ26の外周までの長さ(以下、外周幅ともいう)wはスペーサ26の直径Rの10〜30%に設定されている。
【0029】
これらのTFT基板10及び対向基板20は、配向膜19,25が形成された面を相互に対向させて配置されており、両者の間に封入された液晶30とともに液晶パネルを構成する。
【0030】
このように構成された液晶パネルにおいて、画像を表示する際には駆動回路(図示せず)から垂直方向に並ぶゲートバスライン12に対し順番に走査信号を供給するとともに、データバスライン14に表示信号を供給する。走査信号が供給されたゲートバスライン12に接続しているTFT15はオン状態となり、画素電極18にはTFT15を介して表示信号が書き込まれる。これにより、画素電極18とコモン電極24との間に表示信号に応じた電界が発生して液晶分子の向きが変化し、その結果、画素を透過する光の光量が変化する。各画素毎に透過光の光量を制御することにより、液晶パネルに所望の画像を表示することができる。
【0031】
(液晶パネルの製造方法)
以下、本発明の実施の形態の液晶パネルの製造方法について説明する。
【0032】
まず、図1,図2に示すようなTFT基板10及び対向基板20をそれぞれ製造する。
【0033】
TFT基板10の製造方法を簡単に説明する。まず、PVD(Physical VaporDeposition )法により、ガラス基板11上に第1の金属膜を形成し、フォトリソグラフィ法により第1の金属膜をパターニングしてゲートバスライン12を形成する。次に、ガラス基板11の上側全面にゲート絶縁膜13を形成し、その上にTFT15の動作層となる第1のシリコン膜と、チャネル保護膜16となるSiN膜とを形成する。その後、フォトリソグラフィ法によりSiN膜をパターニングして、ゲートバスライン12の上方の所定の領域にチャネル保護膜16を形成する。
【0034】
次に、ガラス基板11の上側全面に、オーミックコンタクト層となる不純物が高濃度に導入された第2のシリコン膜を形成し、続けて第2のシリコン膜の上に第2の金属膜を形成する。そして、フォトリソグラフィ法により第2の金属膜、第2のシリコン膜及び第1のシリコン膜をパターニングして、TFT15の動作層となるシリコン膜の形状を確定するとともに、データバスライン14、ソース電極15s及びドレイン電極15dを形成する。
【0035】
次いで、ガラス基板11の上側全面に絶縁膜17を形成し、この絶縁膜17の所定の位置にコンタクトホール17aを形成する。その後、ガラス基板11の上側全面にITO(Indium−Tin Oxide)等の透明導電体からなる膜を形成する。そして、この透明導電体の膜をパターニングすることにより、コンタクトホール17aを介しTFT15のソース電極15sに電気的に接続された画素電極18を形成する。その後、ガラス基板11の上側全面にポリイミドからなる配向膜19を形成する。このようにして、TFT基板10が完成する。
【0036】
以下、対向基板20の製造方法について簡単に説明する。まず、ガラス基板21の上にCr等の金属膜を形成し、この金属膜をパターニングしてブラックマトリクス22を形成する。その後、ガラス基板21の上に絶縁膜23を形成する。カラー型液晶表示パネルを製造する場合は、絶縁膜23を赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の樹脂により形成し、各画素毎に赤色、緑色及び青色のうちのいずれか1色の絶縁膜23を配置する。
【0037】
次いで、絶縁膜23の上に、ITO等の透明導電体によりコモン電極24を形成する。その後、コモン電極24の上にポリイミドからなる配向膜25を形成する。このようにして、対向基板20が完成する。
【0038】
次に、TFT基板10及び対向基板20のうちのいずれか一方の側に柱状のスペーサ26を形成する。本実施の形態では、前述したように、対向基板20の側にスペーサ26を形成している。
【0039】
即ち、図4(a)に示すように、スピンコート法により、対向基板20の上にポジ型フォトレジストを約2μmの厚さに塗布してレジスト膜35を形成し、このレジスト膜35を100℃の温度で1分間プリベーキングする。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、スペーサとなる部分を遮光する円形パターンが設けられた露光マスク41を介してレジスト膜35を十分に露光する。その後、図4(c)に示すように、スペーサの周縁部を遮光するリング状パターンが設けられた露光マスク42を介してレジスト膜35を短時間露光する。次いで、現像処理を施すと、図4(d)に示すように、頂部に窪み26aが設けられた円柱状のスペーサ26が形成される。その後、対向基板20の表面を純水で洗浄した後、乾燥させる。
【0041】
例えば、スペーサ26の直径は10μmとし、窪み26aの直径は6μmとする。この場合、窪み26aの縁からスペーサ26の外周までの長さ(外周幅)は2μmとなる。また、窪み26aの深さは1μm以下とする。更に、スペーサ26は、ゲートバスライン12とデータバスライン14との交差部に対応する位置に形成する。例えば、スペーサ26の水平方向及び垂直方向のピッチはいずれも100μmとする。
【0042】
次に、TFT基板10及び対向基板20のうちのいずれか一方に、表示領域を囲むようにしてシール剤を塗布する。但し、液晶注入口となる部分にはシール剤を塗布しないでおく。その後、図5に示すように、TFT基板10と対向基板20との位置合わせを行って重ね合わせ、熱処理装置内で圧力を加えながらシール剤36の硬化温度(110〜150℃)で熱処理して、シール剤36を硬化させる。これにより、TFT基板10及び対向基板20の間隔は、スペーサ26により決定される値となる。なお、シール剤36は、配向膜19,25に施したラビング処理の効果が失われない程度の温度で硬化させることが必要である。以下、TFT基板10と対向基板20とを貼合わせてなる構造物(液晶封入前のパネル)を空パネルという。
【0043】
次いで、真空注入法によりTFT基板10と対向基板20との間に液晶30を注入する。即ち、液晶を入れた容器と空パネルとを真空チャンバ内に入れ、真空チャンバ内を排気して真空状態とする。その後、空パネルの液晶注入口を液晶中に入れて、真空チャンバ内を大気圧に戻す。そうすると、空パネルの内部空間の圧力と大気圧との差により液晶が空パネル内に進入し、パネルの内部空間に液晶が充填される。その後、液晶が充填されたパネルを2枚の平板で挟んで余分な液晶を押し出し、液晶注入口を封止樹脂で封止する。このようにして、本実施の形態に係る液晶パネルが完成する。
【0044】
なお、上記実施の形態では遮光部のパターンが異なる2種類の露光マスクを使用したが、周縁部と中心部との光透過率が異なるパターンが設けられた露光マスクを使用すると、1回の露光で窪みを有する円筒状のスペーサを形成することができる。また、上記実施の形態ではスペーサ26をポジ型フォトレジストにより形成したが、スペーサ26をネガ型フォトレジストにより形成してもよい。
【0045】
本実施の形態においては、TFT基板10と接触するスペーサ26の頂部に窪み26aが設けられているので、TFT基板10とスペーサ26との実効的な接触面積が大きい。また、スペーサ26が円筒状であるとともに、窪み26aの深さ及び大きさが所定の範囲に設定されているので、大きな外圧が加えられてもスペーサ26が座屈しにくい。これらにより、本実施の形態の液晶パネルは、外圧に対する耐衝撃性が高く、干渉縞の発生、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつきが回避される。
【0046】
なお、本発明は、ツイステッドネマティック(TN)型液晶、スーパーツイステッドネマティック(STN)型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶及び電傾効果を示すスメクティックA相液晶等を用いた液晶パネルに適用することができる。
【0047】
また、上述した実施の形態では本発明を透過型液晶パネルに適用した場合について説明したが、これにより本発明の適用範囲が透過型液晶パネルに限定されるものではない。本発明は、透過型液晶パネルの他にも、反射型液晶パネルや空間光変調素子に適用することができる。
【0048】
更に、本発明においてスペーサを構成するフォトレジストの材質は特に限定されるものではない。例えば、スペーサは、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂又はビスフェノール樹脂を主成分とするフォトレジストや、ゼラチンを感光樹脂化したフォトレジストにより形成することができる。
【0049】
以下,本発明の実施例に係る液晶パネルを実際に製造し、外圧を加えたときの表示品質を調べた結果について、比較例と比較して説明する。
【0050】
(実施例1)
長さが200mm、幅が100mm、厚さが1.1mmの2枚のガラス基板を用意した。そして、これらのガラス基板の一方の面上にそれぞれITO膜を形成し、透明電極とした。
【0051】
次に、スピンコータを用いて、透明電極の上に、濃度が3wt%のポリイミド溶液を2000rpmの回転数で塗布してポリイミド膜を形成した後、ポリイミド膜を200℃の温度で30分間焼成して配向膜とした。
【0052】
このようにして透明電極及び配向膜を形成した2枚のガラス基板の一方に、スピンコータを用いてネガ型フォトレジスト(TLOR−N:東京応化工業製)を塗布し、厚さが2.0μmのレジスト膜を形成した。
【0053】
次に、ガラス基板をホットプレートの上に載せ、レジスト膜を100℃の温度で1分間プリベーキングした。その後、外径が10μm、内径が6μmのリング状パターンが水平方向及び垂直方向に100μmのピッチで形成された第1のマスクを用いてレジスト膜を基板の上面側から30秒間露光し、更に直径が10μmの円形パターンが水平方向及び垂直方向に100μmのピッチで形成された第2のマスクを用いてレジスト膜を基板の背面側から10秒間露光した。
【0054】
次に、レジスト膜を現像処理して、頂部に窪みを有する直径が10μmの円柱状のスペーサを形成した。窪みの直径は6μm、深さは1μmである。その後、ガラス基板の表面を純水で洗浄した後、ホットプレートの上で130℃の温度で1分間加熱して乾燥させた。
【0055】
次に、両方のガラス基板の表面の配向膜をラビング処理した。その後、シール剤としてエポキシ樹脂を使用し、印刷法により一方のガラス基板の上にシール剤を塗布した。このとき、シール剤は、液晶注入口となる部分を除き、ガラス基板の縁部に沿って枠状に塗布した。なお、シール剤として使用したエポキシ樹脂は、150℃の温度で1時間で硬化するものである。
【0056】
次に、この一対のガラス基板を、透明電極が向かい合うように貼り合わせた後、150℃の温度で1時間加熱して、シール剤であるエポキシ樹脂を硬化させた。
【0057】
このようにしてシール剤により接合された一対の基板(空パネル)の間に、真空注入法により強誘電性液晶を注入し、液晶注入口を封止して強誘電性液晶表示パネルとした。
【0058】
この液晶表示パネルの上下にそれぞれ偏光板を配置した。偏光板は、偏光軸が直交するように(クロスニコルス)配置した。
【0059】
その後、先端径が0.8mmのペン先により、ペン荷重100gで液晶表示パネルの中央を押した。しかし、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、セルギャップを小さくする外力に対して、耐ストレス性が認められた。
【0060】
また、液晶表示パネルの中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたが、画面全体にわたって表示色の変化は観察されなかった。
【0061】
(実施例2)
窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を1μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0062】
この液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。
【0063】
(実施例3)
窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を3μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0064】
この液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。
【0065】
(実施例4)
ポジ型レジスト(S1818:シプレイ社製)及びポジ型露光マスクを使用してスペーサを形成した。この場合、まず、スペーサとなる部分以外のレジスト膜を基板の表側から30秒間露光し、その後、基板の表側から窪みとなる部分に10秒間露光した。それ以外の条件は実施例1と同じである。
【0066】
このようにして製造した液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。
【0067】
(実施例5)
図6に示すように、スペーサの窪みに対応する円形の外郭部から中心部にかけて光透過性が低下する露光マスク43を用いた以外は実施例4と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0068】
この液晶表示パネルを実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス性を有することが確認できた。また、この場合は1枚の露光マスクで頂部に窪みを有するスペーサを形成することができるので、製造時間を短縮することができた。
【0069】
(実施例6)
基板間に封入する液晶としてツイステッドネマティック型液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0070】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0071】
(実施例7)
基板間に封入する液晶としてスーパーツイステッドネマティック型液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0072】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0073】
(実施例8)
基板間に封入する液晶としてネマティックコレステリック相転移型液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0074】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0075】
(実施例9)
基板間に封入する液晶として反強誘電性液晶を使用した以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0076】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0077】
(実施例10)
基板間に封入する液晶としてツイストグレインバウンダリ液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0078】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0079】
(実施例11)
基板間に封入する液晶としてスメクティックA相液晶を使用し、セルギャップを6μmにした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0080】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。
【0081】
(実施例12)
滴下注入法により基板間に液晶を注入した以外は実施例1と同様と同じ条件で液晶表示パネルを製造した。即ち、図7に示すように、スペーサを形成した対向基板20上に表示領域を囲むようにしてシール剤36を塗布した。その後、ディスペンサーにより、対向基板20の上に強誘電性液晶30を滴下した。この場合、液晶30の滴下量はパネルの大きさとセルギャップとに応じて決定し、対向基板20上に分散させて滴下した。その後、対向基板20の上にTFT基板(図示せず)を重ね合わせ、加熱によりシール剤36を硬化させた。
【0082】
このようにして製造した液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した結果、実施例1と同様に良好な耐ストレス特性を有することが確認できた。なお、実施例12では滴下注入法により基板間に液晶を封入しているので、実施例1に比べて製造に要する時間を大幅に短縮することができた。
【0083】
(比較例1)
スペーサに窪みを形成しないこと以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0084】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gでパネル中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られる表示不良が発生した。
【0085】
(比較例2)
スペーサの形状を10μm×10μmの四角柱にした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。なお、窪みの大きさは、2μm×2μm、窪みの深さは1μmである。
【0086】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gでパネル中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られる表示不良が発生した。
【0087】
(比較例3)
窪みの深さを1.1μm(スペーサの高さの55%)とした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0088】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、スペーサの強度が低く、2枚の基板を接合する際にスペーサが変形し、セルギャップを所定の2μmとすることができなかった。そのため、良好な表示品質を得ることができなかった。
【0089】
(比較例4)
窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を0.8μm(外周幅が8%)とした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0090】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、スペーサの強度が低く、2枚の基板を接合したときにスペーサが座屈して、セルギャップを所定の2μmとすることができなかった。そのため、良好な表示品質を得ることができなかった。
【0091】
(比較例5)
露光マスクと露光条件とを制御して窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)を3.5μm(外周幅が35%)とした以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。
【0092】
この液晶表示パネルを実施例1と同様の方法で試験した。その結果、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gでパネル中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られる表示不良が発生した。
【0093】
(比較例6)
スペーサ材料として190℃の温度で1時間加熱すると硬化するネガ型フォトレジストを用い、190℃の温度で1時間で硬化させた以外は実施例1と同一条件で液晶表示パネルを製造した。しかし、配向膜に熱によるダメージが発生し、表示品質が低下した。
【0094】
図8は、スペーサの直径、高さ及び窪みの深さを一定とし、窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図8からわかるように、外周幅がスペーサの直径の10〜30%のときは、良好な耐衝撃性を得られることが確認できた。
【0095】
図9は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図9からわかるように、窪みの深さがスペーサの高さの50%以下の場合に、良好な耐衝撃性を得られることが確認できた。
【0096】
図10は、スペーサの外周幅、高さ及び窪みの深さを一定とし、スペーサの直径が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図10からわかるように、直径が変化しても、外周幅が直径の10〜30%の範囲内であれば、良好な耐衝撃性を得られることが確認できた。
【0097】
図11は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。この図11からわかるようにスペーサの高さが変化しても、窪みの深さがスペーサの高さの50%以下の場合は、良好な耐衝撃性が得られることが確認できた。
【0098】
(付記1)相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板上に形成され、前記第2の基板に接触して前記第1の基板と第2の基板との間隔を一定に維持するスペーサと、前記スペーサの頂部に設けられた窪みと、前記第1の基板と第2の基板との間に封入された液晶とを有し、前記スペーサの横断面が円形であって、前記窪みの深さが前記スペーサの高さの50%以下、前記窪みの縁から前記スペーサの外周までの長さが前記スペーサの直径の10乃至30%であることを特徴とする液晶パネル。
【0099】
(付記2)前記スペーサが、フォトレジストにより形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶パネル。
【0100】
(付記3)前記スペーサが、一定の間隔で配置されていることを特徴とする付記1に記載の液晶パネル。
【0101】
(付記4)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、及びスメクティックA相液晶からなる群から選択されたいずれか一種であることを特徴とする付記1に記載の液晶パネル。
【0102】
(付記5)第1の基板及び第2の基板を用意する工程と、前記第1の基板上に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜に対し露光及び現像処理を施して、横断面形状が円形であって頂部に窪みを有するスペーサを形成する露光/現像工程と、前記スペーサを挟んで前記第1の基板及び前記第2の基板を配置し、シール剤により前記第1の基板と前記第2の基板とを接合して、前記シール剤、前記第1の基板及び前記第2の基板で囲まれる空間内に液晶を封入する液晶封入工程とを有することを特徴とする液晶パネルの製造方法。
【0103】
(付記6)前記感光性樹脂としてネガ型フォトレジストを使用することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0104】
(付記7)前記露光/現像工程では、前記第1の基板の上側から前記スペーサに対応するリング状パターンを有する第1の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光し、その後前記第1の基板の背面側から前記スペーサに対応する円形パターンを有する第2の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光することを特徴とする付記6に記載の液晶パネルの製造方法。
【0105】
(付記8)前記露光/現像工程では、前記スペーサに対応する大きさであって、且つ、周縁部よりも中心部のほうが光透過率が低い円形のパターンが設けられた露光マスクを使用することを特徴とする付記6に記載の液晶パネルの製造方法。
【0106】
(付記9)前記感光性樹脂としてポジ型フォトレジストを使用することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0107】
(付記10)前記露光/現像工程では、第1の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜のうち前記スペーサとなる部分以外の部分を露光する第1の露光工程と、第2の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜のうち前記窪みに対応する部分を前記第1の露光工程よりも低いエネルギーで露光する第2の露光工程とを有することを特徴とする付記9に記載の液晶パネルの製造方法。
【0108】
(付記11)前記露光/現像工程では、前記スペーサに対応する大きさであって、且つ、周縁部よりも中心部のほうが光透過率が高い円形のパターンが設けられた露光マスクを使用することを特徴とする付記9に記載の液晶パネルの製造方法。
【0109】
(付記12)前記液晶封入工程は、真空注入法により実施することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0110】
(付記13)前記液晶封入工程は、滴下注入法により実施することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0111】
(付記14)前記液晶として、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、及びスメクティックA相液晶からなる群から選択されたいずれか一種を使用することを特徴とする付記5に記載の液晶パネルの製造方法。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スペーサの横断面形状を円形とし、頂部の窪みの深さをスペーサの高さの50%以下、窪みの縁からスペーサの外周までの長さをスペーサの直径の10乃至30%としているので、耐衝撃性が高く、外圧に対し基板間隔(セルギャップ)の変動が回避されて、干渉縞の発生、色調のばらつき及び駆動電圧特性のばらつきが回避される。
【0113】
また、本発明方法によれば、比較的簡単な工程で、耐衝撃性が高い液晶パネルを製造することができる。これにより、液晶パネルの製造コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の液晶パネルの1画素を示す平面図である。
【図2】図2は図1のI−I線による断面図である。
【図3】図3はスペーサの各部の大きさを示す模式図である。
【図4】図4(a)〜(d)はスペーサの形成方法を示す模式図である。
【図5】図5はTFT基板と対向基板とを接合する工程を示す模式図である。
【図6】図6は露光マスクの一例を示す模式図である。
【図7】図7は滴下注入法を示す模式図である。
【図8】図8は、スペーサの直径、高さ及び窪みの深さを一定とし、窪みの縁からスペーサの外周までの長さ(外周幅)が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図9】図9は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図10】図10は、スペーサの外周幅、高さ及び窪みの深さを一定とし、スペーサの直径が異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図11】図11は、スペーサの直径、外周幅及び高さを一定とし、窪みの深さが異なる液晶パネルを製造して、耐衝撃性を調べた結果を示す図である。
【図12】図12は、従来の液晶パネルに外圧が加えられたときのセルギャップの変化を示す模式図である。
【符号の説明】
10…TFT基板、
11,21…ガラス基板、
12…ゲートバスライン、
13…ゲート絶縁膜、
14…データバスライン、
15…TFT、
16…チャネル保護膜、
17,23…絶縁膜、
18…画素電極
19,25…配向膜、
20…対向基板、
22…ブラックマトリクス、
24…コモン電極、
26,51…スペーサ、
26a…窪み、
30…液晶、
35…レジスト膜、
36…シール剤
41,42,43…露光マスク、
50,60…基板。
Claims (10)
- 相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、
前記第1の基板上に形成され、前記第2の基板に接触して前記第1の基板と第2の基板との間隔を一定に維持するスペーサと、
前記スペーサの頂部に設けられた窪みと、
前記第1の基板と第2の基板との間に封入された液晶とを有し、
前記スペーサの横断面が円形であって、前記窪みの深さが前記スペーサの高さの50%以下、前記窪みの縁から前記スペーサの外周までの長さが前記スペーサの直径の10乃至30%であることを特徴とする液晶パネル。 - 前記スペーサが、フォトレジストにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル。
- 前記スペーサが、一定の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル。
- 前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、及びスメクティックA相液晶からなる群から選択されたいずれか一種であることを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル。
- 第1の基板及び第2の基板を用意する工程と、
前記第1の基板上に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜に対し露光及び現像処理を施して、横断面形状が円形であって頂部に窪みを有するスペーサを形成する露光/現像工程と、
前記スペーサを挟んで前記第1の基板及び前記第2の基板を配置し、シール剤により前記第1の基板と前記第2の基板とを接合して、前記シール剤、前記第1の基板及び前記第2の基板で囲まれる空間内に液晶を封入する液晶封入工程とを有することを特徴とする液晶パネルの製造方法。 - 前記感光性樹脂としてネガ型フォトレジストを使用することを特徴とする請求項5に記載の液晶パネルの製造方法。
- 前記露光/現像工程では、前記第1の基板の上側から前記スペーサに対応するリング状パターンを有する第1の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光し、その後前記第1の基板の背面側から前記スペーサに対応する円形パターンを有する第2の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光することを特徴とする請求項6に記載の液晶パネルの製造方法。
- 前記感光性樹脂としてポジ型フォトレジストを使用することを特徴とする請求項5に記載の液晶パネルの製造方法。
- 前記露光/現像工程では、第1の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜のうち前記スペーサとなる部分以外の部分を露光する第1の露光工程と、第2の露光マスクを介して前記感光性樹脂膜のうち前記窪みに対応する部分を前記第1の露光工程よりも低いエネルギーで露光する第2の露光工程とを有することを特徴とする請求項8に記載の液晶パネルの製造方法。
- 前記液晶として、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、及びスメクティックA相液晶からなる群から選択されたいずれか一種を使用することを特徴とする請求項5に記載の液晶パネルの製造方法。
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