[go: up one dir, main page]

JP2004143192A - アクリル系共重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル系共重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004143192A
JP2004143192A JP2002306236A JP2002306236A JP2004143192A JP 2004143192 A JP2004143192 A JP 2004143192A JP 2002306236 A JP2002306236 A JP 2002306236A JP 2002306236 A JP2002306236 A JP 2002306236A JP 2004143192 A JP2004143192 A JP 2004143192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
monomer
acrylonitrile
halogen
acrylic copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002306236A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Ebisu
戎 敏明
Akira Ichimura
市村 明
Takaharu Matsumoto
松本 隆治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2002306236A priority Critical patent/JP2004143192A/ja
Publication of JP2004143192A publication Critical patent/JP2004143192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】重合終了時に重合体含有液中に含まれる残存アクリロニトリル単量体を減少させ、該重合体を単離した際に排出される廃液中の汚濁物質を減少させるアクリル系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】アクリロニトリル単量体、ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体、ならびにそれらと共重合可能なそのほかの1種類以上のビニル単量体からなるアクリル系共重合体を、下記の式(1)、式(2)を同時に満たす条件で製造することを特徴とするアクリル系共重合体の半回分式製造方法。
5≦(A/C)×100≦20     (1)
(式中、Aはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合終了までの時間、Cは重合時間を表わす。)
5≦(B/C)×100≦10     (2)
(式中、Bはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合開始剤追加停止までの時間、Cは重合時間を表わす。)
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系共重合体の半回分式製造方法に関し、詳細には、アクリル系共重合体の製造時に排出される汚濁物質の減少を可能とするアクリル系共重合体の半回分式製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリロニトリル単量体とハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体との共重合体は、繊維(モダクリルファイバー)とした際に発現する獣毛様、難燃性などの特徴を生かし、フェイクファーやぬいぐるみなどの衣料用あるいは玩具用ハイパイル製品、カーテンや椅子張り、カーペットなどのインテリア用繊維製品、ウィッグなどの頭髪用製品の原料として広く一般的に用いられている。
【0003】
従来から、アクリロニトリル単量体とハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体との共重合体の製造方法としては、大きく2つに分別される。
【0004】
ひとつは半回分式と呼ばれる製造方法である。この方法は、重合開始前に水や乳化剤、助重合開始剤、一部の単量体などの原料を仕込み、残りの単量体や重合開始剤を追加添加して重合を完結させ、共重合体含有液を取り出す方法である。
【0005】
もうひとつは、連続式と呼ばれる製造方法である。この方法は、連続的に原料を仕込み、連続的に共重合体含有液を抜き取る方法である。
【0006】
いずれの場合も、重合終了時の共重合体含有液中から共重合体を単離する際には、洗浄やろ別などの操作が必要であり、その際に廃液が排出される。重合終了時の共重合体含有液中に含まれるアクリロニトリル単量体が多いと、この廃液中にアクリロニトリル単量体やその副生成物が汚濁物質として含有されることで廃液の化学的酸素要求量(以下、CODという。)が上昇し、環境悪化の一因となりうる。このため、重合終了時に重合体含有液に残存するアクリロニトリル単量体は、可能な限り少量であることが望ましい。また、生産性やコストなどの観点からも同様である。
【0007】
このため、共重合体含有液中に残存するアクリロニトリル単量体の含有量を減少させる手法として、多量の重合開始剤を使用して収率を向上させ残存モノマー量を減じる方法が考えられる。しかしながら、この場合、該共重合体を繊維化した際に、白度や強度低下といった品質面に悪影響を及ぼす。また、共重合体含有液あるいは共重合体を溶媒で溶解した溶液を減圧下で加温することによりアクリロニトリル単量体を除去する方法も考えられるが、操作上、装置的に非常に複雑であり、品質への影響も避けられない。
【0008】
そのほか、単量体含量を大幅に低減することを目的として、アクリロニトリル共重合体の製造段階において遊離基形成化合物の添加量を調節する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、この場合、遊離基形成化合物を一括で追加して重合させることを特徴としているため、重合発熱が一時的に大きくなり、重合温度のコントロールが難しく、得られる共重合体の特性、とくに分子量が低下するという問題があった。
【0009】
また、重合後の残留アクリロニトリルを減少させるために、アクリロニトリル含有水にアクリロニトリルと共重合可能なコモノマーおよび触媒を添加する方法が知られている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この場合、共重合可能なコモノマーのみを添加するため、得られる共重合体の特性、とくに組成が不均一になりやすいという問題があった。
【0010】
さらに、残存アクリル系モノマーを減少させるために、重合開始剤の添加量を重合反応率によって調節する方法が知られている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、この場合、重合反応率に応じて重合開始剤の添加量を変更するため、操作が煩雑になるという問題があった。
【0011】
【特許文献1】
特開昭54−21490号公報
【特許文献2】
特開昭56−67314号公報
【特許文献3】
特開平5−339303号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アクリロニトリル単量体、ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体、ならびにそれらと共重合可能な1種類以上のビニル単量体からなるアクリル系共重合体を半回分式で製造する際に、該共重合体の特性に影響を与えず、重合終了時に共重合体含有液中に含まれる残存アクリロニトリル単量体の含有量を減少させ、該共重合体を単離した際に排出される廃液中の汚濁物質を減少させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、アクリロニトリル単量体と重合開始剤の追加停止タイミングを調整することで、得られるアクリロニトリル系共重合体の特性に影響を与えず、該共重合体を単離した際に排出される廃液中の汚濁物質を著しく減少することを見出し、本発明に至った。
【0014】
すなわち本発明は、アクリロニトリル単量体、ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体、ならびにそれらと共重合可能なそのほかの1種類以上のビニル単量体からなるアクリル系共重合体を、下記の式(1)、式(2)を同時に満たす条件で製造するアクリル系共重合体の半回分式製造方法に関する。
5≦(A/C)×100≦20     (1)
(式中、Aはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合終了までの時間、Cは重合時間を表わす。)
5≦(B/C)×100≦10     (2)
(式中、Bはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合開始剤追加停止までの時間、Cは重合時間を表わす。)
【0015】
前記アクリル系共重合体は、アクリロニトリル単量体30〜75重量%、ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体15〜69.9重量%、ならびにそれらと共重合可能なそのほかの1種類以上のビニル単量体0.1〜10重量%よりなる共重合体であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、アクリル系共重合体の半回分式製造方法であって、アクリロニトリル単量体の追加停止から重合終了までの時間、アクリロニトリル単量体の追加停止から重合開始剤追加停止までの時間および重合時間が特定の関係にある半回分式製造方法に関する。
【0017】
本発明の製造方法により得られるアクリル系共重合体は、アクリロニトリル単量体、ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体、それらと共重合可能なそのほかのビニル単量体から構成されるものを包含している。
【0018】
前記アクリロニトリル単量体は、前記アクリル系共重合体中に30〜75重量%、とくには45〜60重量%含有することが好ましい。アクリロニトリル単量体成分が30重量%未満では、繊維とした際の柔軟な風合いが得られず、75重量%を超える場合は、繊維とした際に難燃性を付与することが困難となるためである。
【0019】
前記ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体としてはとくに限定されないが、たとえば塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどがあげられる。なかでも、入手の容易さやコストの点から、塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンが好ましい。
【0020】
前記ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体は、前記アクリル系共重合体中に15〜69.9重量%、とくには35〜54.5重量%含有することが好ましい。ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体成分が15重量%未満では、繊維とした際に有用な難燃性を付与することが困難となり、69.9重量%を超える場合は、柔軟な風合いや物理的特性が得られないためである。
【0021】
前記アクリロニトリル単量体ならびにハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体と共重合可能なそのほかのビニル単量体とは、前記アクリロニトリル単量体ならびに前記ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体以外のビニル単量体であって、それらと共重合可能なビニル単量体のことである。
【0022】
かかるそのほかのビニル単量体としては、とくに限定されるものではないが、たとえば、アリルスルホン酸もしくはその塩、メタリルスルホン酸もしくはその塩、スチレンスルホン酸もしくはその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸もしくはその塩などのスルホン酸基含有ビニル単量体類;アクリル酸もしくはそのアルキルエステル類;メタクリル酸もしくはそのアルキルエステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどのビニルアミド類;酢酸ビニル、ギ酸ビニルなどのビニルエステル類などがあげられる。
【0023】
かかる共重合可能なそのほかのビニル単量体のなかでは、該共重合体を繊維とした際に必要な染色性を付与し得る点から、スルホン酸基含有ビニル単量体類が好ましい。なお、共重合可能なそのほかのビニル単量体は1種類でもよく、また2種類以上含まれていてもよい。
【0024】
前記共重合可能なビニル単量体は、前記アクリル系共重合体中に0.1〜10重量%、とくには0.5〜5重量%含有することが好ましい。共重合可能なビニル単量体成分が10重量%を超える場合はコストのバランスをとるのが困難となるためである。なお、前記ビニル単量体成分が0.1重量%未満の場合、繊維としたときの染色性が不足する傾向がある。
【0025】
本発明における重合反応に使用する重合開始剤としては、たとえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類、過硫酸塩類と亜硫酸、亜硫酸水素ナトリウムといった還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化系開始剤などがあげられるが、とくに限定されない。なかでも、反応活性が高く、生産性に有利であり、安価である点から、レドックス系開始剤が好ましい。
【0026】
本発明でいう半回分式製造方法とは、重合開始前に水や乳化剤、分散剤、分子量調節剤、重合開始剤、一部の単量体などの原料を仕込み、残りの単量体や重合開始剤を重合中に追加添加し重合を完結させ共重合体含有液を全量取り出す方法である。追加の方式としては、連続、断続のいずれでもかまわないが、連続添加が重合挙動の制御や組成調整の容易さの観点から好ましい。
【0027】
重合体の重合形態については、溶媒として水、重合開始剤として過硫酸塩などの水溶性重合開始剤を使用すれば乳化重合の形態をとり、溶媒として水、重合開始剤として過酸化物などの油溶性重合開始剤を使用すれば懸濁重合の形態をとり、溶媒としてジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどの有機溶媒、重合開始剤として過酸化物などの油溶性重合開始剤を使用すれば溶液重合の形態をとる。本発明ではいずれの形態であってもかまわないが、とくに好ましい形態は、乳化重合である。
【0028】
本発明における重合温度は、30〜70℃とするのが重合時に発生する重合熱の除熱やコスト、共重合体を繊維とした際の品質の面から好ましく、さらに好ましくは50〜60℃である。
【0029】
本発明でいう重合開始とは、単量体などの原料を仕込んだ系に、重合開始剤を投入した時点のことである。
【0030】
本発明でいう重合終了とは、共重合体含有液より未反応単量体の除去操作を開始する時点、あるいは共重合体含有液に重合禁止剤を投入する時点、あるいは重合機から重合機でない別のタンクへ共重合体含有液の移液に関する操作を開始した時点(均圧操作を含む。)のことをいう。
【0031】
本発明における重合時間とは、重合開始から重合終了までの時間のことである。重合時間は、4〜10時間とするのが生産性の面から好ましく、さらに好ましくは5〜7時間である。
【0032】
本発明の製造方法は、アクリロニトリル単量体の追加停止から重合終了までの時間A、アクリロニトリル単量体の追加停止から重合開始剤追加停止までの時間Bおよび重合時間Cが以下の式(1)および(2)を同時に満たす条件下にて製造される。
5≦(A/C)×100≦20     (1)
5≦(B/C)×100≦10     (2)
【0033】
前述の式(1)における(A/C)×100の値が5未満では、共重合体含有液中の残存アクリロニトリル単量体含有量が多く、廃液中に多量のアクリロニトリル単量体もしくはその変性物といった汚濁物質が存在するため好ましくない。
(A/C)×100の値が20を超えると、残存アクリロニトリル単量体含有量は少なくなるが、得られるアクリル系共重合体中のアクリロニトリル成分の変動が大きく、設定値と乖離する結果、繊維とする際の溶媒であるアセトンへの溶解性が低下し好ましくない。(A/C)×100の値は、好ましくは6.0〜18.0であり、より好ましくは7.5〜16.0である。
【0034】
前述の式(2)における(B/C)×100の値が5未満では、残存アクリロニトリル単量体含有量が多く、廃液中に多量のアクリロニトリル単量体もしくはその変性物といった汚濁物質が存在するため好ましくない。(B/C)×100の値が10を超えると残存アクリロニトリル単量体含有量は少なくなるが、得られるアクリル系共重合体中のアクリロニトリル成分の変動が大きく、設定値と乖離する結果、繊維とする際の溶媒であるアセトンへの溶解性が低下し好ましくない。(B/C)×100の値は、好ましくは6.0〜9.0であり、より好ましくは7.5〜8.5である。これら2つの要件を同時に満たす製造条件でのみ、本発明の効果が得られるものである。
【0035】
重合終了後の重合体含有液には、必要に応じて重合禁止剤、凝固剤、難燃剤、pH調節剤などを適宜添加してもよい。その後、凝固、熱処理、脱水、水洗、乾燥など公知の方法を経て共重合体を単離する。
【0036】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部、%は重量基準である。
【0037】
実施例に先立ち、測定法などの定義について説明する。廃液中の汚濁物質は、実際の製造条件を模したモデル廃液を作製し、そのCODMn値の比較により優劣を判定した。
【0038】
(アクリル系共重合体のアクリロニトリル成分)
元素分析機(ヤナコ分析工業製CHNコーダーMT−5)にて窒素%を求めたのち、アクリロニトリル成分(重量%)に換算した。
【0039】
(アクリル系共重合体のアクリロニトリル成分のR値)
重合開始後1時間おきに抜き取ったラテックスから単離したアクリル系共重合体のアクリロニトリル成分(重量%)を前記の方法にて測定し、その数値の最大値と最小値の差をR値として求めた。R値が低いほど、該共重合体を繊維としたときの特性が良好であり、優れている。
【0040】
(ラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)30g、ラテックス2.0gを精秤し完全に溶解させた後、サンプル中のアクリロニトリル単量体濃度をガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製GC14B)にて測定し、ラテックス中濃度(ppm)に換算した。残存アクリロニトリル単量体濃度が低いほど、廃液中の汚濁物質量の減少や生産性の向上がみられ、優れている。
【0041】
(アセトン溶解性)
アクリル系共重合体約2gをアセトンに溶解し、10重量%のアセトン溶液を作製し、以下の基準にて外観を判定した。
○:完全に溶解し、溶液は透明
×:一部不溶解物が存在し、溶液は白濁
【0042】
(モデル廃液の作製方法)
共重合体含有液200gに24%濃度の食塩水を15ml添加し、塩析した。
純水100mlを添加したのち、85℃で60分間熱処理を行なった。その後ヌッチェにて吸引ろ過し、ついで70℃の温水800mlで洗浄した。洗浄後のろ液を取出し、モデル廃液とした。
【0043】
(モデル廃液のCOD)
JIS K0102に準拠し、CODMnを測定した。
【0044】
実施例1
内容積14Lの耐圧重合反応装置にイオン交換水200部、ラウリル硫酸ナトリウム0.87部、硫酸鉄0.0012部、亜硫酸0.43部、亜硫酸水素ナトリウム0.22部、アクリロニトリル4.9部、塩化ビニル52.5部を投入し、窒素置換した。重合機内温を50℃に調整し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.035部を投入し、重合を開始した。アクリロニトリル42.1部を重合開始直後から重合開始後4時間45分まで、過硫酸アンモニウム0.23部を重合開始直後から重合開始後5時間10分までそれぞれ追加した。また別途スチレンスルホン酸ナトリウム0.5部を追加した。重合開始から5時間10分後、重合を終了し重合機より未反応塩化ビニルを回収し、ラテックスを払い出した。得られたラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度は800ppmであった。また得られたラテックスから作製した廃液のCODは95ppmであった。また単離したアクリル系共重合体のアクリロニトリル成分のR値は1.7%、アセトン溶解性も良好であった。
【0045】
実施例2
実施例1において、追加するアクリロニトリルの添加時間を重合開始から4時間55分、追加する過硫酸アンモニウムの添加時間を重合開始から5時間20分、重合時間を5時間20分とした以外は、実施例1と同様にしてラテックスを得た。得られたラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度は800ppmであった。また得られたラテックスから作成した廃液のCODは100ppmであった。
【0046】
比較例1
実施例1において、追加するアクリロニトリルの添加時間を重合開始から5時間とした以外は、実施例1と同様にしてラテックスを得た。得られたラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度は3000ppmと高いものであった。また得られたラテックスから作製した廃液のCODは135ppmと高いものであった。
【0047】
比較例2
実施例1において、追加するアクリロニトリルの添加時間を重合開始から4時間とした以外は、実施例1と同様にしてラテックスを得た。得られたラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度は700ppmと低く、また得られたラテックスから作製した廃液のCODも85ppmと低いものであったが、単離したアクリル系共重合体のアクリロニトリル成分のR値が5.3%と高く、アセトン溶解性が不良であった。
【0048】
比較例3
実施例1において、追加するアクリロニトリルの添加時間を重合開始から4時間30分とした以外は、実施例1と同様にしてラテックスを得た。得られたラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度は1500ppm、また得られたラテックスから作成した廃液のCODも100ppmと低いものであったが、単離したアクリル系共重合体のアクリロニトリル成分のR値が4.1%と高く、アセトン溶解性が不良であった。
【0049】
実施例3
内容積14Lの耐圧重合反応装置にイオン交換水200部、ラウリル硫酸ナトリウム1.2部、硫酸鉄0.0020部、亜硫酸0.10部、亜硫酸水素ナトリウム0.09部、アクリロニトリル9部、塩化ビニリデン2.5部を投入し、窒素置換した。重合機内温を55℃に調整し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.013部を投入し、重合を開始した。アクリロニトリル45.4部を重合開始直後から重合開始後5時間15分まで、過硫酸アンモニウム0.10部を重合開始直後から重合開始後5時間45分までそれぞれ追加した。また別途塩化ビニリデン41.7部、スチレンスルホン酸ナトリウム1.4部を追加した。重合開始から6時間15分後、重合を終了し重合機よりラテックスを払い出した。得られたラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度は5000ppmであった。得られたラテックスから作成した廃液のCODは260ppmであった。
【0050】
比較例4
実施例3において、追加するアクリロニトリルの添加時間を重合開始直後から重合開始後5時間30分までとした以外は、実施例3と同様にしてラテックスを得た。得られたラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度は15000ppmと高いものであった。また得られたラテックスから作成した廃液のCODも850ppmと高いものであった。
【0051】
実施例と比較例の結果を表1に示す。
【0052】
実施例1〜2および3は、それぞれ対応する比較例1〜3および4と比べてラテックス中の残存アクリロニトリル単量体濃度が低く、共重合体のR値も小さく、かつアセトン溶解性も良好でありながら、汚濁物質含有の大小を示すCODが低く優れていることが分かる。
【0053】
【表1】
Figure 2004143192
【0054】
(表中、Aはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合終了までの時間、Bはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合開始剤追加停止までの時間、Cは重合時間を表わす。)
【0055】
【発明の効果】
本発明のアクリル系共重合体の製造方法によれば、該共重合体の特性に影響を与えず、重合終了時に共重合体含有液中に含まれる残存アクリロニトリル単量体の含有量を減少させ、該共重合体を単離した際に排出される廃液中の汚濁物質を減少することが可能となる。

Claims (2)

  1. アクリロニトリル単量体、ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体、ならびにそれらと共重合可能なそのほかの1種類以上のビニル単量体からなるアクリル系共重合体を、下記の式(1)、式(2)を同時に満たす条件で製造することを特徴とするアクリル系共重合体の半回分式製造方法。
    5≦(A/C)×100≦20     (1)
    (式中、Aはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合終了までの時間、Cは重合時間を表わす。)
    5≦(B/C)×100≦10     (2)
    (式中、Bはアクリロニトリル単量体の追加停止から重合開始剤追加停止までの時間、Cは重合時間を表わす。)
  2. 前記アクリル系共重合体が、アクリロニトリル単量体30〜75重量%、ハロゲン含有ビニル単量体および/またはハロゲン含有ビニリデン単量体15〜69.9重量%、ならびにそれらと共重合可能なそのほかの1種類以上のビニル単量体0.1〜10重量%からなる請求項1記載のアクリル系共重合体の半回分式製造方法。
JP2002306236A 2002-10-21 2002-10-21 アクリル系共重合体の製造方法 Pending JP2004143192A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002306236A JP2004143192A (ja) 2002-10-21 2002-10-21 アクリル系共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002306236A JP2004143192A (ja) 2002-10-21 2002-10-21 アクリル系共重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004143192A true JP2004143192A (ja) 2004-05-20

Family

ID=32453084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002306236A Pending JP2004143192A (ja) 2002-10-21 2002-10-21 アクリル系共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004143192A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016208630A1 (ja) * 2015-06-26 2016-12-29 株式会社カネカ アクリル系共重合体、人工毛髪用アクリル系繊維及びそれらの製造方法
US10745500B2 (en) 2016-02-24 2020-08-18 Lg Chem, Ltd. Preparation method for acrylic acid-based polymer

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016208630A1 (ja) * 2015-06-26 2016-12-29 株式会社カネカ アクリル系共重合体、人工毛髪用アクリル系繊維及びそれらの製造方法
US10745500B2 (en) 2016-02-24 2020-08-18 Lg Chem, Ltd. Preparation method for acrylic acid-based polymer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007197672A (ja) ポリアクリロニトリルの製造方法
DE69507876T2 (de) Verfahren zur Herstellung eines Polymer von Acrylonitril, Methacrylonitril und eines äthylenisch ungesättigtes Monomer
JP2004143192A (ja) アクリル系共重合体の製造方法
US3256252A (en) Process for the production of acrylonitrile copolymers
US2963457A (en) Polymerization of acrylonitrile in aqueous solution containing a perchlorate salt
US4513126A (en) Acrylonitrile polymer, process for the preparation thereof and fiber prepared therefrom
US4100339A (en) Process for preparing acrylonitrile/vinyl chloride copolymers having an increased viscosity which comprises using anionic/non-ionic emulsifier blends
US2921044A (en) Method of making modified interpolymers containing vinyl chloride or vinylidene chloride
US2822339A (en) Preparation of orientable protein-containing polymers
US4524193A (en) Modacrylic synthetic fiber having an excellent devitrification preventing property and a process for preparing the same
US3565877A (en) Redox polymerization process
US3936511A (en) Process for the production of acrylonitrile-vinyl chloride copolymers
US3003993A (en) Process for color stabilizing acrylonitrile polymers by washing with ethylene diamine tetraacetic acid
US3026289A (en) Process of polymerizing vinyl chloride or vinylidene chloride in the presence of an acrylamide polymer
US4013608A (en) Method of producing polymer solutions of polymers or copolymers of vinyl chloride series
JP2001146502A (ja) アクリル系共重合体の製造方法
US2899405A (en) Polymerization of vinyl chloride or
EP4289873A1 (en) High molecular weight polymeric dispersions manufactured under controlled adiabatic conditions
US2879253A (en) Copolymerization of acrylonitrile and another unsaturated monomer, in the presence of preformed homopolymers and products obtained thereby
JP2624605B2 (ja) 繊維加工用合成樹脂エマルジョンの製造法
EP0201908A2 (en) Acrylonitrile spinning solution and process for producing fibers therewith
US3287307A (en) Method for preparation of the solution of acrylonitrile polymer
IL38170A (en) Acrylic fibers having improved hotwet properties
JPH0874129A (ja) 変性でんぷん繊維及びその製造方法
JP2001158807A (ja) アクリル系共重合体の製造方法