JP2004142328A - ホットメルトインクを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクリザーブ部内でホットメルトインクを固化、溶解させることで、
インク溶解時に発生する気泡による吐出不安定性を防ぐことを可能とする。
【解決手段】ホットメルトインクをインクリザーブ内でのみ固化、溶解させ、それに伴って発生した気泡を除去する。その後、ヘッド全体を傾け、液相インクをヘッド部内へ移送し印字動作を開始することで、気泡による液滴吐出への悪影響を防ぐ。
【選択図】 図1
インク溶解時に発生する気泡による吐出不安定性を防ぐことを可能とする。
【解決手段】ホットメルトインクをインクリザーブ内でのみ固化、溶解させ、それに伴って発生した気泡を除去する。その後、ヘッド全体を傾け、液相インクをヘッド部内へ移送し印字動作を開始することで、気泡による液滴吐出への悪影響を防ぐ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は常温で固体または高粘度液体インクを加熱溶解し液滴として吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速、高画質の要求により、速乾性に優れたホットメルトインクが用いられている。しかし、ホットメルトインクは冷却固化時に大きな体積収縮をし、インク中にボイドを生成し、加熱再溶解時にボイド中の空気が気泡となる。インクジェトヘッド内に気泡が存在すると、印字に際して大きな問題が生じてくる。圧力発生部付近に気泡が存在した場合、液滴を吐出させるための圧力が気泡により吸収されてしまい、液滴の吐出が不安定になる。またノズル開孔部付近に気泡が存在した場合は液滴の不吐出につながる。
【0003】
特開平07−178928号では吸引手段を用いている。これはインク吸収部にインクの融点以上に加熱された吸引バキュームをノズル形成面に接触させ、インク内に存在する気泡をインクごと吸引するものである。また、特開平11−115209号ではヘッド内のインクに発生した気泡を取り除くためパージ装置を設けている。電源スイッチをONにした時にこのパージ装置により気泡をインクと共に排出し、ヘッド直下に備えたインク回収容器に回収している。
【0004】
特公2692121号公報では、前記インクの常温から所定温度への昇温に伴い発生した空気を、複数の電気機械変換手段によりノズル開孔部以外に移送させ、ノズル開孔部以外に移送された空気を大気中に解放することで解決している。
【0005】
以下その構成を簡単に説明する。図5は電気機械変換手段とノズル開孔部との間隔が狭い狭ギャップ型の記録装置のヘッド断面図である。1はPZTからなる圧電素子であり、その表面にニッケルの振動板2及び電極3が積層され電気機械変換手段を構成している。4は複数のノズルが形成されているニッケルで作られたノズル面、5は圧電素子とノズル面4とのギャップを決めるスペーサであり、10−50μmの狭ギャップを形成している。
【0006】
ヘッド部Aおよびインクリザーブ部Bには常温で固体のインクが入れられている。ヘッド動作開始時にはフレーム6が底部に設けられたヒーター7により加熱され、固相インク8から液相インク9になる。それに伴い、ヘッド部A、インクリザーブ部B内ともに気泡10が発生する。
【0007】
必要な量の液相インク9が存在した時点で、圧電素子1に電圧を印加することで圧電素子1は振動し、ノズル開孔11から液相インク9の一部が液滴となって射出され、対向する記録紙上(不図示)に付着し冷却固化して定着が行われる。所定の駆動バイアスが与えられた後圧電素子1への電圧印加が解かれると、圧電素子1の変位は初期状態に戻る。この一連の動作で狭ギャップ型の記録装置による印字操作が行われる。
【0008】
圧電素子1の振動動作によりヘッド部A内の液相インク9は攪拌され、それに伴って気泡は上昇し、メニスカス12で解放され通気孔を通って大気と連通する。
【0009】
印字操作終了後は、使用者が電源(不図示)を切るとヘッド全体は冷やされ、ヘッド部A及びインクリザーブ部Bに存在する液相インク9は徐々に固相インク8に変化する。使用開始時は再びフレーム6を加熱して固相インク8を液相インク9にし、ヘッド動作を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特公2692121号公報では固相インクの加熱、溶解に伴い、ヘッド部及びインクリザーブ部で気泡が多量に発生する。
【0011】
発生する気泡の内、インクリザーブ部の気泡に関しては圧電素子と離れており、吐出には影響はない。ヘッド部内の気泡の内、狭ギャップ間以外にある気泡は上昇し、メニスカスで解放され、通気孔を通して大気と連通する。一方、圧電素子とノズル面との狭ギャップ間に存在する気泡は圧電素子の変位により液相インクが攪拌されはするが、ノズル開孔部付近に付着した気泡は容易には除去されず、インク射出への影響は極めて大きい。また圧電素子が常時インク中に浸されており、この状態でホットメルトインクが固化、溶解するので、圧電素子とそれに付着したインクとの熱膨張の差により圧電素子に応力がかかってしまい劣化が早まるといった欠点が考えられる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のインクジェット記録装置は融点以上に加熱溶解される常温で固体または高粘度液体のインクをノズル開孔部へ前記インク中に設けられた圧電素子の振動により吐出させるインクジェットヘッドにおいて、液相インクを固化させる場合は待機状態の位置にヘッドを移動させ、その位置でヘッドの傾きを吐出位置から変え、ヘッド部からインクリザーブ部内に液相インクを移送させ、固体または高粘度液体化させる。またインク溶解時には待機状態の位置で、ヘッドの傾きを吐出位置から傾けた状態で加熱、溶解し、その際発生した大量の気泡を大気中へ除去する。その後、ヘッドを傾けることで、液相化されたインクのみをインクリザーブ部からヘッド部へと移送させる。ヘッドを待機状態の位置から動作状態の位置に移動させた後、印字操作ができる。
【0013】
印字操作終了後は再び待機状態の位置にヘッドを移動させ、その位置でヘッドの傾きを吐出位置から変え、ヘッド部からインクリザーブ部内に液相インクを移送させ、固体または高粘度液体化させる。
【0014】
以上により前記課題は解決される。
【0015】
(作用)
上記のように構成されたインクジェットヘッド記録装置では、ホットメルトインクをインクリザーブ部で加熱溶解しそれに伴って発生する気泡を除去した後、ヘッド部へとインクを移送し記録動作を行うので、気泡による吐出不安定性を導くことはない。また圧電素子がホットメルトインクの固化、溶解時にインク中に浸されておらず、昇温時にインクとの熱膨張の差により圧電素子に応力がかかることも防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施例)
図1は本発明の特徴をもっともよく分かるように示した一実施例で、その記録ヘッドの断面図を示したものである。
【0018】
記録ヘッドは圧電素子のあるヘッド部Aとインクが供給されるインクリザーブ部Bとから構成されている。
【0019】
1は電気機械変換素子をなす厚さ100μmの圧電素子であり、Pb(Zr,Ti)O3、(Ba,Sr)TiO3、LiNbO3などのペロブスカイト型酸化物で構成されている。その中でもPb(Zr,Ti)O3は圧電特性に優れていて好ましい。その表面に厚さ20μmのクロムまたはニッケルの振動板2が、またその逆の面に厚さ1μmの金属、好ましくはプラチナ電極3が積層されアクチュエーター部を形成している。4は複数のノズルが形成されているニッケルで作られたノズル面である。5はノズル面4とアクチュエーター3とのギャップを決めるための金属からなるスペーサであり、その圧電素子ギャップは30μmと狭ギャップを形成している。6はアルミでできたフレームでその底部及び側面にヒーター7が設けられ、ヘッド部Aおよびインクリザーブ部B全体を保温状態にすることができる。ヘッド部Aとインクリザーブ部Bとの間にはフィルタ13が設けられている。又、ヘッド部Aとインクリザーブ部Bとを仕切るフレーム6には貫通孔14が設けられておりヘッド部A内とインクリザーブ部B内との圧力は同じになっている。又、ヘッド部Aのフレーム6には通気孔15が設けられている。
以上の構成においてこの記録ヘッドの動作を説明する。
【0020】
図2にように、上述したヘッドはキャリッジ16上に固定されている。17はキャリッジを支持、案内する軸である。18はキャリッジを待機状態の位置へと移動させるモーター、19はヘッドの傾きを変えるための回転モーターである。
【0021】
ヘッド休止時にはモーター18を起動させ、ヘッド全体をキャリッジの軸17を通して待機状態の位置とする。次に回転モーター19を起動させヘッドを90度傾け、インクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。図3は回転後のヘッドの断面図である。
【0022】
記録ヘッド動作時には、まずヒーター7が加熱される。それに伴いヘッド部A及びインクリザーブ部Bのフレーム6が昇温される。その結果インクリザーブ部Bに存在する固相インク8が溶解し、液相インク9となる。固相インク8から液相インク9の変化に伴い、気泡10が発生する。気泡10は上昇しメニスカス12で開放され、貫通孔14及び、通気孔15を通して大気と連通する。
【0023】
インクがすべて液相化し気泡を十分に逃がしてから、この記録ヘッド全体を回転モーター19により90度回転させ、液相インク9をフィルタ13を通してヘッド部Aへと供給する。ヘッド部Aのフレーム6も同時に加熱されていることより、液相インク9が冷やされることはない。90度回転させた後、モーター18を起動させ、キャリッジ16を動作状態の位置とする。ヘッド部Aとインクリザーブ部Bは貫通孔14により同圧力に保たれているのでメニスカス12は同じ高さにある。
【0024】
駆動回路(不図示)により圧電素子1に電気信号を加えると、圧電素子1はYの方向に収縮する。圧電素子1は振動板2が接合されているため、結果としてXの方向に変位する。その変位により圧電素子1とノズル面4との間のインクの圧力が高くなり、ノズル開孔11からインクが液滴20となって吐出され、対向する記録紙上(不図示)に付着し冷却固化して定着がおこなわれる。ある駆動パルスが与えられた後圧電素子1への電圧印加が解かれると、圧電素子1の変位は初期状態にもどる。この一連の圧電素子の振動により印字動作が行われる。
【0025】
なお固相インク8から液相インク9への変化に伴い発生した気泡10が、記録ヘッドを90度回転させた際にヘッド部Aへ進入することも考えられるが、溶解直後に発生する大きな気泡は回転操作前にほとんど大気中に解放されている。又、インクのヘッド部Aへの移送の際にはフィルタ13を通しているが、フィルタ径より大きい気泡はヘッド部Aへ進入せず、貫通孔14及び通気孔15を通して大気へ開放される。
【0026】
印字操作終了後、ヘッドを待機状態にする時は、モーター18を起動させ、ヘッドが固定されたキャリッジ16を動作状態の位置から待機状態の位置へとする。次に回転モーター19によりヘッドを90度傾け、インクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。電源(不図示)を切るとヘッド全体は冷却され、液相インク9は徐々に固相インク8に変化する。
【0027】
インクの熱膨張係数は圧電素子のそれの2桁以上大きい。よって圧電素子1が常時インク中にある場合は、インクの冷却、昇温に伴い圧電素子1に応力がかかり、圧電素子1の劣化が早まるという欠点が考えられるが、本実施例ではインクリザーブ部Bのみでインクの冷却、昇温を行うのでインクと圧電素子1との熱膨張差による影響を防ぐことができる。又、記録ヘッド休止時にはこのように圧電素子1にインクが触れてないのでインクが与える圧電素子1への悪影響を最小限にとどめることができる。
【0028】
なお、本実施例ではインク液滴を吐出させる手段として圧電素子を用いたが、熱発砲を利用した利用したバブルジェット(登録商標)型及びサーマル型のヘッドでも構わず、圧電素子に限定するものではない。
【0029】
(第2の実施例)
第1の実施例ではキャリッジ16に固定されたヘッドを90度回転させることで、液相インクの移送を行ったが、回転角度はこれに限定するものではない。以下にその実施例を示す。
【0030】
第1の実施例と同様にして、図1のような構成の狭ギャップのヘッドを作成する。この構成においてこの記録ヘッドの動作を説明する。印字操作時は図1のようにヘッド開孔部11より真横に液滴を吐出させている。印字操作終了後、モーター18を起動させ、ヘッドが固定されたキャリッジ16を動作状態の位置から待機状態の位置へとする。次に回転モーター19によりヘッドを徐々に傾けインクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。この時の回転角度はヘッド部A内の液相インク9がすべてインクリザーブ部B内へ戻る角度であれが90度まで回転させる必要はない。これを図4に示す。このようにヘッド休止時にはホットメルトインクがすべてインクリザーブ部B内に入っている。
【0031】
記録ヘッド動作時には、ヘッドが待機状態の位置で、まずヒーター7が加熱されそれに伴いフレーム6がインクの融点以上の温度に昇温される。その結果インクリザーブ部Bに存在する固相インク8が溶解し、液相インク9となる。固相インク8から液相インク9の変化に伴い、気泡10が発生する。固相インク8が溶解し始めた後、インク溶解時に発生した気泡10は上昇し、メニスカス12で開放され、貫通孔14及び通気孔15を通して大気と連通する。ある量の固相インクが溶け始めたらインクリザーブ部B内に固相インクが残っていても、徐々にこの記録ヘッド全体を回転モーター19により回転させ、液相インク9をフィルタ13を通してヘッド部Aへと供給する。ヘッド部Aのフレーム6も同時に加熱されていることより、液相インク9が冷やされることはない。回転モーター19により元の角度位置まで戻した後、インクリザーブ部B内に固相インク8が残っていても問題はない。ヘッド全体は加温されていることより、固相インク8はやがて液相インク9へ変化する。その後、モーター18を起動させ、キャリッジ16を待機状態の位置から動作状態の位置へとする。必要な量の液相インク9がヘッド部Aに存在した状態で圧電素子1に駆動パルスを与え圧電素子1を振動させるとノズル開孔11からインクが液滴20となって吐出され、対向する記録紙上(不図示)に付着し冷却固化して定着がおこなわれる。
【0032】
印字操作終了後、ヘッドを待機状態にする時は、再びモーター18を起動し、キャリッジを動作状態の位置から待機状態の位置へとする。次に回転モーター19によりヘッドを傾けインクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。電源(不図示)を切るとヘッド全体は冷却され、液相インク9は徐々に固相インク8に変化する。
【0033】
インクの熱膨張係数は圧電素子のそれの2桁以上大きい。よって圧電素子1が常時インク中にある場合は、インクの昇温に伴い圧電素子1に応力がかかり、圧電素子1の劣化が早まるという欠点が考えられた。しかし、本実施例では供給部Bのみでインクの冷却、昇温を行うのでインクと圧電素子1との熱膨張差による影響を防ぐことができる。又、記録ヘッドを動作しない時はこのように圧電素子1にインクが触れてないのでインクが与える圧電素子1への悪影響を最小限にとどめることができる。
【0034】
(第3の実施例)
第1の実施例あるいは第2の実施例で述べたヘッドを複数装備し、前記インクジェットヘッドに圧電体駆動回路を備え、前記インクジェットヘッドノズルと被記録媒体とを所望の距離で対向させるための支持部材と、入力した情報に応じて、前記ノズルと被記録媒体との相対位置を変化させるための機構を有する記録装置(不図示)を作製した。本実施例の記録装置は高画質、高速印字が可能となり、消費電力、耐久性の向上などが可能となった。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、液相インクを固化させる場合は動作状態の位置から待機状態の位置にヘッドを移動させ、その位置でヘッドの傾きを吐出位置から変え、ヘッド部からインクリザーブ部内に液相インクを移送させ、固体または高粘度液体化させる。またインク溶解時にはヘッドの傾きを吐出位置から傾けた状態で加熱、溶解し、その際発生した大量の気泡を大気中へ除去し、その後、ヘッドを傾けることで液相化されたインクをインクリザーブ部からヘッド部へと移送させる。これによりホットメルトインクの溶解時に発生する多量な気泡がヘッド部に進入することを防ぐことができる。また圧電素子がホットメルトインクの固化、溶解時にインク中に浸されておらず、昇温時にインクとの熱膨張の差により圧電素子に応力がかかることも防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例及び第2実施例のインクジェットヘッドの動作時における断面図
【図2】第1実施例及び第2実施例におけるインクジェットヘッド、キャリッジ、モーターとの概略図
【図3】第1実施例のインクジェットヘッドの待機状態における断面図
【図4】第2実施例のインクジェットヘッドの待機状態における断面図
【図5】従来の技術(JP−2692121)のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
A ヘッド部
B インクリザーブ部
1 圧電素子
2 振動板
3 電極
4 ノズル面
5 スペーサ
6 フレーム
7 ヒーター
8 固相インク
9 液相インク
10 気泡
11 ノズル開孔
12 メニスカス
13 フィルタ
14 貫通孔
15 通気孔
16 キャリッジ
17 軸
18 モーター
19 回転モーター
20 液滴
【発明の属する技術分野】
本発明は常温で固体または高粘度液体インクを加熱溶解し液滴として吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速、高画質の要求により、速乾性に優れたホットメルトインクが用いられている。しかし、ホットメルトインクは冷却固化時に大きな体積収縮をし、インク中にボイドを生成し、加熱再溶解時にボイド中の空気が気泡となる。インクジェトヘッド内に気泡が存在すると、印字に際して大きな問題が生じてくる。圧力発生部付近に気泡が存在した場合、液滴を吐出させるための圧力が気泡により吸収されてしまい、液滴の吐出が不安定になる。またノズル開孔部付近に気泡が存在した場合は液滴の不吐出につながる。
【0003】
特開平07−178928号では吸引手段を用いている。これはインク吸収部にインクの融点以上に加熱された吸引バキュームをノズル形成面に接触させ、インク内に存在する気泡をインクごと吸引するものである。また、特開平11−115209号ではヘッド内のインクに発生した気泡を取り除くためパージ装置を設けている。電源スイッチをONにした時にこのパージ装置により気泡をインクと共に排出し、ヘッド直下に備えたインク回収容器に回収している。
【0004】
特公2692121号公報では、前記インクの常温から所定温度への昇温に伴い発生した空気を、複数の電気機械変換手段によりノズル開孔部以外に移送させ、ノズル開孔部以外に移送された空気を大気中に解放することで解決している。
【0005】
以下その構成を簡単に説明する。図5は電気機械変換手段とノズル開孔部との間隔が狭い狭ギャップ型の記録装置のヘッド断面図である。1はPZTからなる圧電素子であり、その表面にニッケルの振動板2及び電極3が積層され電気機械変換手段を構成している。4は複数のノズルが形成されているニッケルで作られたノズル面、5は圧電素子とノズル面4とのギャップを決めるスペーサであり、10−50μmの狭ギャップを形成している。
【0006】
ヘッド部Aおよびインクリザーブ部Bには常温で固体のインクが入れられている。ヘッド動作開始時にはフレーム6が底部に設けられたヒーター7により加熱され、固相インク8から液相インク9になる。それに伴い、ヘッド部A、インクリザーブ部B内ともに気泡10が発生する。
【0007】
必要な量の液相インク9が存在した時点で、圧電素子1に電圧を印加することで圧電素子1は振動し、ノズル開孔11から液相インク9の一部が液滴となって射出され、対向する記録紙上(不図示)に付着し冷却固化して定着が行われる。所定の駆動バイアスが与えられた後圧電素子1への電圧印加が解かれると、圧電素子1の変位は初期状態に戻る。この一連の動作で狭ギャップ型の記録装置による印字操作が行われる。
【0008】
圧電素子1の振動動作によりヘッド部A内の液相インク9は攪拌され、それに伴って気泡は上昇し、メニスカス12で解放され通気孔を通って大気と連通する。
【0009】
印字操作終了後は、使用者が電源(不図示)を切るとヘッド全体は冷やされ、ヘッド部A及びインクリザーブ部Bに存在する液相インク9は徐々に固相インク8に変化する。使用開始時は再びフレーム6を加熱して固相インク8を液相インク9にし、ヘッド動作を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特公2692121号公報では固相インクの加熱、溶解に伴い、ヘッド部及びインクリザーブ部で気泡が多量に発生する。
【0011】
発生する気泡の内、インクリザーブ部の気泡に関しては圧電素子と離れており、吐出には影響はない。ヘッド部内の気泡の内、狭ギャップ間以外にある気泡は上昇し、メニスカスで解放され、通気孔を通して大気と連通する。一方、圧電素子とノズル面との狭ギャップ間に存在する気泡は圧電素子の変位により液相インクが攪拌されはするが、ノズル開孔部付近に付着した気泡は容易には除去されず、インク射出への影響は極めて大きい。また圧電素子が常時インク中に浸されており、この状態でホットメルトインクが固化、溶解するので、圧電素子とそれに付着したインクとの熱膨張の差により圧電素子に応力がかかってしまい劣化が早まるといった欠点が考えられる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のインクジェット記録装置は融点以上に加熱溶解される常温で固体または高粘度液体のインクをノズル開孔部へ前記インク中に設けられた圧電素子の振動により吐出させるインクジェットヘッドにおいて、液相インクを固化させる場合は待機状態の位置にヘッドを移動させ、その位置でヘッドの傾きを吐出位置から変え、ヘッド部からインクリザーブ部内に液相インクを移送させ、固体または高粘度液体化させる。またインク溶解時には待機状態の位置で、ヘッドの傾きを吐出位置から傾けた状態で加熱、溶解し、その際発生した大量の気泡を大気中へ除去する。その後、ヘッドを傾けることで、液相化されたインクのみをインクリザーブ部からヘッド部へと移送させる。ヘッドを待機状態の位置から動作状態の位置に移動させた後、印字操作ができる。
【0013】
印字操作終了後は再び待機状態の位置にヘッドを移動させ、その位置でヘッドの傾きを吐出位置から変え、ヘッド部からインクリザーブ部内に液相インクを移送させ、固体または高粘度液体化させる。
【0014】
以上により前記課題は解決される。
【0015】
(作用)
上記のように構成されたインクジェットヘッド記録装置では、ホットメルトインクをインクリザーブ部で加熱溶解しそれに伴って発生する気泡を除去した後、ヘッド部へとインクを移送し記録動作を行うので、気泡による吐出不安定性を導くことはない。また圧電素子がホットメルトインクの固化、溶解時にインク中に浸されておらず、昇温時にインクとの熱膨張の差により圧電素子に応力がかかることも防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施例)
図1は本発明の特徴をもっともよく分かるように示した一実施例で、その記録ヘッドの断面図を示したものである。
【0018】
記録ヘッドは圧電素子のあるヘッド部Aとインクが供給されるインクリザーブ部Bとから構成されている。
【0019】
1は電気機械変換素子をなす厚さ100μmの圧電素子であり、Pb(Zr,Ti)O3、(Ba,Sr)TiO3、LiNbO3などのペロブスカイト型酸化物で構成されている。その中でもPb(Zr,Ti)O3は圧電特性に優れていて好ましい。その表面に厚さ20μmのクロムまたはニッケルの振動板2が、またその逆の面に厚さ1μmの金属、好ましくはプラチナ電極3が積層されアクチュエーター部を形成している。4は複数のノズルが形成されているニッケルで作られたノズル面である。5はノズル面4とアクチュエーター3とのギャップを決めるための金属からなるスペーサであり、その圧電素子ギャップは30μmと狭ギャップを形成している。6はアルミでできたフレームでその底部及び側面にヒーター7が設けられ、ヘッド部Aおよびインクリザーブ部B全体を保温状態にすることができる。ヘッド部Aとインクリザーブ部Bとの間にはフィルタ13が設けられている。又、ヘッド部Aとインクリザーブ部Bとを仕切るフレーム6には貫通孔14が設けられておりヘッド部A内とインクリザーブ部B内との圧力は同じになっている。又、ヘッド部Aのフレーム6には通気孔15が設けられている。
以上の構成においてこの記録ヘッドの動作を説明する。
【0020】
図2にように、上述したヘッドはキャリッジ16上に固定されている。17はキャリッジを支持、案内する軸である。18はキャリッジを待機状態の位置へと移動させるモーター、19はヘッドの傾きを変えるための回転モーターである。
【0021】
ヘッド休止時にはモーター18を起動させ、ヘッド全体をキャリッジの軸17を通して待機状態の位置とする。次に回転モーター19を起動させヘッドを90度傾け、インクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。図3は回転後のヘッドの断面図である。
【0022】
記録ヘッド動作時には、まずヒーター7が加熱される。それに伴いヘッド部A及びインクリザーブ部Bのフレーム6が昇温される。その結果インクリザーブ部Bに存在する固相インク8が溶解し、液相インク9となる。固相インク8から液相インク9の変化に伴い、気泡10が発生する。気泡10は上昇しメニスカス12で開放され、貫通孔14及び、通気孔15を通して大気と連通する。
【0023】
インクがすべて液相化し気泡を十分に逃がしてから、この記録ヘッド全体を回転モーター19により90度回転させ、液相インク9をフィルタ13を通してヘッド部Aへと供給する。ヘッド部Aのフレーム6も同時に加熱されていることより、液相インク9が冷やされることはない。90度回転させた後、モーター18を起動させ、キャリッジ16を動作状態の位置とする。ヘッド部Aとインクリザーブ部Bは貫通孔14により同圧力に保たれているのでメニスカス12は同じ高さにある。
【0024】
駆動回路(不図示)により圧電素子1に電気信号を加えると、圧電素子1はYの方向に収縮する。圧電素子1は振動板2が接合されているため、結果としてXの方向に変位する。その変位により圧電素子1とノズル面4との間のインクの圧力が高くなり、ノズル開孔11からインクが液滴20となって吐出され、対向する記録紙上(不図示)に付着し冷却固化して定着がおこなわれる。ある駆動パルスが与えられた後圧電素子1への電圧印加が解かれると、圧電素子1の変位は初期状態にもどる。この一連の圧電素子の振動により印字動作が行われる。
【0025】
なお固相インク8から液相インク9への変化に伴い発生した気泡10が、記録ヘッドを90度回転させた際にヘッド部Aへ進入することも考えられるが、溶解直後に発生する大きな気泡は回転操作前にほとんど大気中に解放されている。又、インクのヘッド部Aへの移送の際にはフィルタ13を通しているが、フィルタ径より大きい気泡はヘッド部Aへ進入せず、貫通孔14及び通気孔15を通して大気へ開放される。
【0026】
印字操作終了後、ヘッドを待機状態にする時は、モーター18を起動させ、ヘッドが固定されたキャリッジ16を動作状態の位置から待機状態の位置へとする。次に回転モーター19によりヘッドを90度傾け、インクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。電源(不図示)を切るとヘッド全体は冷却され、液相インク9は徐々に固相インク8に変化する。
【0027】
インクの熱膨張係数は圧電素子のそれの2桁以上大きい。よって圧電素子1が常時インク中にある場合は、インクの冷却、昇温に伴い圧電素子1に応力がかかり、圧電素子1の劣化が早まるという欠点が考えられるが、本実施例ではインクリザーブ部Bのみでインクの冷却、昇温を行うのでインクと圧電素子1との熱膨張差による影響を防ぐことができる。又、記録ヘッド休止時にはこのように圧電素子1にインクが触れてないのでインクが与える圧電素子1への悪影響を最小限にとどめることができる。
【0028】
なお、本実施例ではインク液滴を吐出させる手段として圧電素子を用いたが、熱発砲を利用した利用したバブルジェット(登録商標)型及びサーマル型のヘッドでも構わず、圧電素子に限定するものではない。
【0029】
(第2の実施例)
第1の実施例ではキャリッジ16に固定されたヘッドを90度回転させることで、液相インクの移送を行ったが、回転角度はこれに限定するものではない。以下にその実施例を示す。
【0030】
第1の実施例と同様にして、図1のような構成の狭ギャップのヘッドを作成する。この構成においてこの記録ヘッドの動作を説明する。印字操作時は図1のようにヘッド開孔部11より真横に液滴を吐出させている。印字操作終了後、モーター18を起動させ、ヘッドが固定されたキャリッジ16を動作状態の位置から待機状態の位置へとする。次に回転モーター19によりヘッドを徐々に傾けインクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。この時の回転角度はヘッド部A内の液相インク9がすべてインクリザーブ部B内へ戻る角度であれが90度まで回転させる必要はない。これを図4に示す。このようにヘッド休止時にはホットメルトインクがすべてインクリザーブ部B内に入っている。
【0031】
記録ヘッド動作時には、ヘッドが待機状態の位置で、まずヒーター7が加熱されそれに伴いフレーム6がインクの融点以上の温度に昇温される。その結果インクリザーブ部Bに存在する固相インク8が溶解し、液相インク9となる。固相インク8から液相インク9の変化に伴い、気泡10が発生する。固相インク8が溶解し始めた後、インク溶解時に発生した気泡10は上昇し、メニスカス12で開放され、貫通孔14及び通気孔15を通して大気と連通する。ある量の固相インクが溶け始めたらインクリザーブ部B内に固相インクが残っていても、徐々にこの記録ヘッド全体を回転モーター19により回転させ、液相インク9をフィルタ13を通してヘッド部Aへと供給する。ヘッド部Aのフレーム6も同時に加熱されていることより、液相インク9が冷やされることはない。回転モーター19により元の角度位置まで戻した後、インクリザーブ部B内に固相インク8が残っていても問題はない。ヘッド全体は加温されていることより、固相インク8はやがて液相インク9へ変化する。その後、モーター18を起動させ、キャリッジ16を待機状態の位置から動作状態の位置へとする。必要な量の液相インク9がヘッド部Aに存在した状態で圧電素子1に駆動パルスを与え圧電素子1を振動させるとノズル開孔11からインクが液滴20となって吐出され、対向する記録紙上(不図示)に付着し冷却固化して定着がおこなわれる。
【0032】
印字操作終了後、ヘッドを待機状態にする時は、再びモーター18を起動し、キャリッジを動作状態の位置から待機状態の位置へとする。次に回転モーター19によりヘッドを傾けインクリザーブ部Bが下部にヘッド部Aが上部になるようにし、ホットメルトインクをすべてインクリザーブ部B内に移送させる。電源(不図示)を切るとヘッド全体は冷却され、液相インク9は徐々に固相インク8に変化する。
【0033】
インクの熱膨張係数は圧電素子のそれの2桁以上大きい。よって圧電素子1が常時インク中にある場合は、インクの昇温に伴い圧電素子1に応力がかかり、圧電素子1の劣化が早まるという欠点が考えられた。しかし、本実施例では供給部Bのみでインクの冷却、昇温を行うのでインクと圧電素子1との熱膨張差による影響を防ぐことができる。又、記録ヘッドを動作しない時はこのように圧電素子1にインクが触れてないのでインクが与える圧電素子1への悪影響を最小限にとどめることができる。
【0034】
(第3の実施例)
第1の実施例あるいは第2の実施例で述べたヘッドを複数装備し、前記インクジェットヘッドに圧電体駆動回路を備え、前記インクジェットヘッドノズルと被記録媒体とを所望の距離で対向させるための支持部材と、入力した情報に応じて、前記ノズルと被記録媒体との相対位置を変化させるための機構を有する記録装置(不図示)を作製した。本実施例の記録装置は高画質、高速印字が可能となり、消費電力、耐久性の向上などが可能となった。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、液相インクを固化させる場合は動作状態の位置から待機状態の位置にヘッドを移動させ、その位置でヘッドの傾きを吐出位置から変え、ヘッド部からインクリザーブ部内に液相インクを移送させ、固体または高粘度液体化させる。またインク溶解時にはヘッドの傾きを吐出位置から傾けた状態で加熱、溶解し、その際発生した大量の気泡を大気中へ除去し、その後、ヘッドを傾けることで液相化されたインクをインクリザーブ部からヘッド部へと移送させる。これによりホットメルトインクの溶解時に発生する多量な気泡がヘッド部に進入することを防ぐことができる。また圧電素子がホットメルトインクの固化、溶解時にインク中に浸されておらず、昇温時にインクとの熱膨張の差により圧電素子に応力がかかることも防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例及び第2実施例のインクジェットヘッドの動作時における断面図
【図2】第1実施例及び第2実施例におけるインクジェットヘッド、キャリッジ、モーターとの概略図
【図3】第1実施例のインクジェットヘッドの待機状態における断面図
【図4】第2実施例のインクジェットヘッドの待機状態における断面図
【図5】従来の技術(JP−2692121)のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
A ヘッド部
B インクリザーブ部
1 圧電素子
2 振動板
3 電極
4 ノズル面
5 スペーサ
6 フレーム
7 ヒーター
8 固相インク
9 液相インク
10 気泡
11 ノズル開孔
12 メニスカス
13 フィルタ
14 貫通孔
15 通気孔
16 キャリッジ
17 軸
18 モーター
19 回転モーター
20 液滴
Claims (11)
- 常温で固体または高粘度液体であるインクを加熱、溶解して低粘度液体としヘッド部及びインクリザーブ部に満たし、ヘッドのノズル開孔部より液滴として吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
インクの固化、溶解をインクジェットヘッド待機状態の位置において、前記インクリザーブ部内のみで行うことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、液相インクを固化させる場合は待機状態の位置でインクジェットヘッドの傾きを吐出位置から変え、ヘッド部からインクリザーブ部内に前記液相インクを移送し、固体または高粘度液体化させることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、固体または高粘度液体のインクを溶解させる場合は待機状態の位置で、インクジェットヘッドの傾きを吐出位置から傾けた状態で加熱、溶解させることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1から請求項3に記載のインクジェットにおいて、インク溶解時にはヘッド部及びインクリザーブ部共に固体または高粘度液体の融点以上に加熱されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項2及び請求項3に記載のインクジェットヘッドにおいて、待機状態の位置でインクジェットヘッドを傾ける角度としてはヘッド部内の液相インクがインクリザーブ部内へ戻る角度であることを特徴とするインクジェットヘッド記録装置。
- 請求項1から請求項5に記載のインクジェットヘッドにおいて、液滴を吐出させる手段が電気機械変換素子であることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項6に記載のインクジェットヘッドにおいて、待機状態の位置でのヘッドの傾き角度が、電気機械変換素子が液相インクから露出する角度以上で90度以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項6及び7に記載の電気機械変換素子がペロブスカイト型酸化物であることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項2から請求項8に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ヘッドを傾ける手段としてキャリッジの軸を回転できるようなモーターをキャリッジの軸受けに有していることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1から請求項9に記載のインクジェットヘッドにおいて、インクリザーブ内からヘッド部へ液相インクを移送する際、前記液相インクが外部に漏れない位置に大気との通気孔を設けていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 複数の液体吐出ヘッドを備え、各電気機械変換素子に駆動電圧を印加して液滴をノズルより吐出させる手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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