JP2004138584A - ゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法およびゴルフクラブヘッドの評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dの振動分布を測定する方法であって、前記ゴルフクラブヘッドHのうち打撃面Dを除く部位、例えばホーゼル部HO を加振器による加振位置として前記ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dの垂直方向に加振することで、前記ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dをこの打撃面Dの垂直方向に振動させ、前記打撃面Dと対向する位置に配したレーザ振動計20を用いて前記打撃面Dにおける振動分布を測定する。
また、上記方法を用いて測定された前記打撃面Dの振動分布に基づいて前記打撃面Dの反発特性を評価する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製等の中空ゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法およびゴルフクラブヘッドの評価方法に関する。
【0002】
【従来技術】
今日、ゴルフクラブメーカーは、ゴルフクラブヘッドの構造や素材の改良や開発を通じて、ゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールがより遠くに飛ぶように、反発特性の良好なゴルフクラブヘッドを種々開発し提供している。
【0003】
ゴルフクラブヘッドの反発特性の良さは、一般に反発係数によって表すことができ、ゴルフクラブヘッドの反発係数が大きければ大きいほど、ゴルフボールは遠くまで飛んでいく。従って、ゴルフクラブヘッドの打撃面の反発係数は、ゴルフクラブヘッドの反発特性を評価するうえで、ゴルフクラブメーカにとってはもちろん、ゴルファーにとっても重要な要素である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ゴルフボールをゴルファーが打撃した場合、打撃面上の反発係数の大きいエリア、すなわち、ゴルファーが打撃時の衝撃をそれ程大きく感ずることなくゴルフボールを遠くに飛ばすことのできるエリア、いわゆるスイートエリアだけでなく、スイートエリア周辺でゴルフボールを打撃する場合も多い。したがって、打撃面の反発特性を評価する際、打撃面の各位置にゴルフボールをつぶさに当てて反発係数の分布を知り、この反発係数の分布に基づいてゴルフクラブヘッドの反発特性を評価するのが好ましい。
【0005】
一方、反発係数の測定方法は、一般にゴルフクラブを載置台の上に置いた状態でゴルフクラブヘッドの打撃面のスイートエリアと想定される領域に対して垂直にゴルフボールを衝突させてその時のゴルフボールの入射速度と反射速度とゴルフクラブヘッドの質量とゴルフクラブボールの質量とを用いて反発係数を求める。
【0006】
しかし、上記測定方法では、ゴルフボールを打撃面のどの位置に衝突させるか予め正確に設定することは難しく、実際にゴルフボールが打撃面上で衝突する位置のばらつきは大きい。
また、上記反発係数の測定方法では打撃面全体の反発係数の分布を調べるには、膨大な労力および時間を要する。また、測定位置の精度や測定精度を十分確保することもできない。
このように、ゴルフクラブヘッドの打撃面上における反発係数の変化を正確かつ効率よく測定することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、ゴルフクラブヘッドの打撃面の反発係数の変化を推定する評価値を精度よく効率よく測定する測定方法、およびこれを用いたおよびゴルフクラブヘッドの評価方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布を測定する方法であって、前記ゴルフクラブヘッドのうち打撃面を除く部位を加振器による加振位置として前記ゴルフクラブヘッドの打撃面の垂直方向に加振することで、前記ゴルフクラブヘッドの打撃面をこの打撃面の垂直方向に振動させ、
前記打撃面と対向する位置に配したレーザ振動計を用いて前記打撃面における振動分布を測定することを特徴とするゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法を提供する。
前記打撃面を除く部位とは、例えば、ホーゼル部あるいはヘッド本体部である。
【0009】
その際、前記ゴルフクラブヘッドのホーゼル部に前記加振器と接続された治具が結合され、この治具を介して前記ホーゼル部を加振するのが好ましい。
また、前記加振器による加振周波数は前記打撃面における共振周波数であり、この共振周波数は、予め前記ゴルフクラブヘッドの打撃面に対してランダム加振を行って得られたランダム加振に対する前記打撃面の応答信号を用いて求めるのが好ましい。その際、前記共振周波数は1次共振周波数であるのがより好ましい。
また、前記打撃面の振動分布は、振動の振幅が予め段階的に区分けされた振幅の階調に基づいて前記打撃面の領域を複数の領域に区分けしたコンターマップによって表示されるのが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記ゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法を用いて測定された前記打撃面の振動分布に基づいて前記打撃面の反発特性を評価することを特徴とするゴルフクラブヘッドの評価方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法およびゴルフクラブヘッドの評価方法を添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法およびゴルフクラブヘッドの評価方法を実施する測定システム10を示す。測定システム10で測定に供されるゴルフクラヘッドはいわゆる1番ウッドから5番ウッド、さらにはそれ以降の番手のウッド系のゴルフクラブヘッドや、アイアン系のゴルフクラブヘッドで、金属製等の中空ゴルフクラブヘッドである。
測定システム10は、加振器12、加振ロッド14、クランプ部材16、支持部材18、レーザ振動計20、制御・演算処理装置22、およびディスプレイ24を有して構成される。
また、ゴルフクラブヘッドHは、打撃面D(図1中の符号Dで示された太線部分)と、打撃面Dを取り囲むヘッド本体部B(図1中の符号Bで示された細線部分)と、支持部材18が接続されるホーゼル部HO (図1中の符号HO で示された太線部分)とを有して構成される。
【0013】
加振器12は、ゴルフクラブヘッドHの打撃面を振動させる加振装置である。本発明では、加振器12は特に限定されず、公知の加振装置であればよい。加振器12は、制御・演算処理装置22と接続され、制御・演算処理装置22から供給される加振信号によって駆動する。また、加振器12が加振する方向は、ゴルフクラブヘッドHの振動の振幅を大きくするために、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dに対して垂直方向である(図1中の矢印方向)。
【0014】
加振ロッド14は、一方の先端が加振器12と剛結合して接続され、加振器12の振動を、他方の先端に剛結合されたクランプ部材16に伝達する棒状の剛体部材である。
クランプ16部材は、支持部材18を締め付け剛結合する剛体部材である。
支持部材18は、ゴルフクラブヘッドHのホーゼル部HO に挿入されて接着固定されて剛結合され、ゴルフクラブヘッドHを支持する棒状の剛体部材である。加振ロッド14、クランプ部材16および支持部材18は、ホーゼル部HO を加振器12を用いて加振させるための本発明における治具に対応し、剛体部材を構成する。すなわち、加振ロッド14、クランプ部材16および支持部材18は、本発明の加振器12で加振する加振周波数の範囲内において共振しないように構成されている。
【0015】
なお、本実施例では、加振ロッド14、クランプ部材16および支持部材18を治具として用いてホーゼル部HO を加振するものであるが、本発明においては、このような加振方法に限定されない。例えば、打撃面Dを取り囲むヘッド本体部B、好ましくは、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dと平行な平面に接するゴルフクラブヘッドHの後端部B’(図1参照)を加振する。この場合、ゴルフクラブシャフトを取り外すことなく、ゴルフクラブに取り付けられたゴルフクラブヘッドを測定することができる。
本発明においては、少なくとも、ゴルフクラブヘッドのうち打撃面を除く部位を加振器による加振位置として前記ゴルフクラブヘッドの打撃面の垂直方向に加振することで、ゴルフクラブヘッドの打撃面をこの打撃面の垂直方向に振動させればよい。しかし、ゴルフボールを実際に打つ際のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動の状態をより正確に再現するためには、打撃面Dの振動による振幅の分布、すなわち、振動分布の測定を効率よく正確に行う点から、本実施例のように、一端で加振器12と接続(結合)され、他端でホーゼル部HO と結合してゴルフクラブヘッドHを支持する、加振ロッド14、クランプ部材16および支持部材18からなる治具を介してゴルフクラブヘッドHを加振させるのが好ましい。
【0016】
レーザ振動計20は、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dに発生する振動分布を測定する装置であり、打撃面Dに対して対向する位置に配される。なお、レーザ振動計20は公知のレーザドップラー振動計であり、例えば、ドイツポリテック社製レーザ振動計OFV−320R/OFV3000Sが例示される。
すなわち、レーザ振動計20は、打撃面Dにレーザを照射し、この照射された照射位置における振動速度の大小によって入射光と反射光との周波数の差分から振動による速度を検出するもので、レーザ振動計20に接続された制御・演算処理装置22において、レーザ振動計20から送られた振動速度の時系列データに基づいて、照射位置における振動の振幅を求めることができる。
【0017】
また、レーザ振動計20は、制御・演算処理装置22からの制御信号によってレーザの照射位置を自在に変えることができ、打撃面D全体を移動することができる。従って、打撃面D上の位置を自在に変えながら、振動の振幅を求めることができる。
例えば、打撃面Dの位置を2.5mm間隔で移動しながら、打撃面D全体の振動分布(振動による振幅の分布)を求めることができる。
【0018】
なお、ゴルフクラブヘッドHの打撃面D(フェース面)の状態(表面処理状態)によっては、十分にレーザの反射光が得られないものがある。このように、レーザの反射光が十分に得られない場合は、打撃面D(フェース面)にビーズ材料等の反射性の強い材料を打撃面Dに付着させて反射領域を作り、振動分布を測定するのが好ましい。
【0019】
制御・演算処理装置22は、レーザ振動計20のレーザの打撃面D上の照射位置を自在に変えながら振動の振幅を求めるように、レーザ振動計20のレーザの照射位置を制御する制御信号をレーザ振動計20に供給し、振動の振幅を求めて、打撃面Dにおける振動分布を求めるほか、振動の振幅が予め段階的に区分けされた振幅の階調に基づいて打撃面Dの領域が複数の領域に区分けされたコンターマップによって表示されるように演算処理する装置である。また、制御・演算処理装置22は、上述した加振器12に、打撃面Dに生じる振幅が一定の振幅となるように加振器12の加振信号を生成する。
なお、制御・演算処理装置22は、コンピュータにより、あるいは、コンピュータとFFTアナライザ等の専用装置とを組み合わせ複合装置により構成される。
【0020】
ディスプレイ24は、加振器12やレーザ振動計20に対する制御・演算処理装置22の制御を調整する制御パラメータの設定を行うためのパラメータ入力画面を表示したり、制御・演算処理装置22によって処理された打撃面Dの振動分布を表示する表示装置である。
打撃面Dは、例えば、所定の振幅の間隔の階調で複数の領域に区分けされ、区分けされた各々の領域が異なる色が付されたコンターマップとしてディスプレイ24に表示される。
なお、本実施例のコンターマップは、振幅の間隔を一定とするものであるが、本発明では一定の間隔に限定されるものではなく、振幅の間隔は一定でなくてもよい。
【0021】
このような測定システム10では、まず、制御・演算処理装置22において作成されたランダム信号がランダム加振の加振信号として加振器12に供給される。
ここで、ランダム信号は、少なくとも打撃面Dの1次共振周波数を周波数範囲に含む一様の周波数成分を持った信号である。
このランダム信号に基づいて加振器12の加振が開始され、剛体部材である加振ロッド14、クランプ部材16および支持部材18を介して、ゴルフクラブヘッドHが加振される。
【0022】
ゴルフクラブヘッドHは、治具によって支持されたホーゼル部HO から、ゴルフクラブヘッドH全体が効率よく加振され、さらに、打撃面Dは打撃面Dの慣性の作用によって、打撃面Dに対して垂直方向に振動する。このような振動は、打撃面Dに対向する位置に配されたレーザ変位計20で、例えば、打撃面Dの中心位置と想定される位置を計測位置として、振動が計測される。すなわち、この計測位置における打撃面Dの応答信号が計測される。この応答信号は制御・演算処理装置22に取り込まれ、上記加振信号に対する応答信号の周波数スペクトル、すなわち、伝達関数が求められる。この伝達関数に基づいて、打撃面Dの1次共振周波数や2次、3次、・・・等の高次の共振周波数が求められる。
このようにランダム信号に基づいて打撃面Dを振動させて共振周波数を求めてもよいが、正弦波信号の周波数が時間とともに上昇あるいは下降するスイープサイン信号を加振器12に供給する加振信号として加振して打撃面Dを振動させ、伝達関数を求めてもよい。
【0023】
このようにして求められた共振周波数のうち、例えば1次共振周波数が制御・演算処理装置22において選択され、この1次共振周波数を加振周波数として予め定められた振幅を持つ加振信号が生成される。
この加振信号は加振器12に供給され、打撃面Dは1次共振周波数で振動する。
【0024】
一方、制御・演算処理装置22で設定された制御信号に従って、レーザ振動計20のレーザの照射位置は移動し、その度に制御・演算処理装置22にデータが供給され、各位置の振動の振幅が求められる。各位置は、例えば、隣接する位置との間隔を約2.5mmとし、打撃面Dを例えば縦方向32分割、横方向16分割した計512点(32×16点)の位置での振動の振幅が求められる。
制御・演算処理装置22では、計測された各位置での振動の振幅から、打撃面Dの振動分布がコンターマップとして処理され、ディスプレイ24に表示される。また、後述する様な方法で、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dの反発特性が評価される。
【0025】
図2には、ディスプレイ24に表示されるコンターマップの一例が示されている。
図2に示される打撃面Dの振動分布は、ドイツポリテック社製レーザ振動計OFV−320R/OFV3000Sで計測して得られた分布であり、1次共振周波数(4.163kHz)を加振周波数とした時のものである。
この分布では、振幅が75nm以上90nm未満の領域が黄色で表示され、振幅が60nm以上75nm未満の領域が緑色で表示され、振幅が45nm以上60nm未満の領域が赤色で表示され、振幅が30nm以上45nm未満の領域が紫色で表示され、振幅が15nm以上30nm未満の領域が青色で表示され、振幅が0nm以上15nm未満の領域が水色で表示される。
このような分布は、1次共振周波数における振動分布のほかに、2次以降の高次の共振周波数における振動分布を求めることができる。
【0026】
ところで、ゴルフボールをゴルフクラブHの打撃面Dで打撃する場合、打撃面Dは、ゴルフボールを打撃する位置を加振位置として振動する。また、ゴルフボールはスイートエリアのように打撃面Dの中で最も撓み易い部分で打撃すれば最大の飛距離が得られるという周知の事実からわかるように、ゴルフボールを打撃する位置における打撃による撓みが大きいほど遠くに飛ばすことができる。
一方、ゴルフクラブヘッドにおける上述の方法で測定される反発係数は、図3に示す様に1次共振周波数と極めて高い相関関係を持っており、1次共振周波数によって反発係数を推定することができることを意味している。
従って、反発係数と相関の強い1次共振周波数における打撃面Dの振動分布により、打撃面Dの反発係数の分布の指標とすることができる。
すなわち、図2に示される打撃面Dの振動分布は、打撃面Dの反発係数の分布の指標とすることができる。
【0027】
したがって、青色で表示された領域は水色で表示された領域よりも反発係数は大きく、紫色で表示された領域は青色で表示された領域よりも反発係数は大きく、赤色で表示された領域は紫色で表示された領域よりも反発係数は大きく、緑色で表示された領域は赤色で表示された領域よりも反発係数は大きく、黄色で表示された領域は緑色で表示された領域よりも反発係数は大きいと言える。
【0028】
このように、ディスプレイ24に打撃面Dの振動分布が表示されると、この分布に基づいて、打撃面Dの反発特性を評価することができる。
例えば、反発係数の大きい黄色で区分けされた領域の面積が比較するゴルフクラブヘッドの対応する領域の面積に比べて大きい場合は、ゴルフクラブヘッドHは、スイートエリアが広いゴルフクラブヘッドHであると評価できる。
【0029】
また、打撃面Dの各位置における振動分布のデータを用いてスプライン補間等の補間処理を行って、打撃面Dの振動分布の形態を曲線で近似することで、打撃面Dの最大振幅の位置およびその振幅を求めることができる。
こうして求められた、最大振幅の位置およびその振幅は、ゴルフクラブヘッドの重心位置等とともに、反発性を評価する要素として用いることができ、例えば、当業者は、ゴルフクラブヘッドHの要求性能等により最大振幅の位置と重心位置との関係等を適宜設定することができる。
【0030】
また、黄色で区分けされた反発係数の大きい領域の面積を、例えば、緑色で区分けされた反発係数の小さい領域の面積で除した値を、反発係数のばらつき評価値として求めることができる。このばらつき評価値は、値が大きければ大きいほど、飛距離のばらつきが生じにくいゴルフクラブヘッドHであると評価することができる。
また、コンターマップの各領域の形状によって、反発係数の大きな領域の分布や形状を知ることができる。
【0031】
このように、本発明によれば、打撃面Dの振動分布に基づいて、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Dの反発特性を評価することができる。
なお、本実施例は、1次共振周波数における振動分布に基づくゴルフクラブヘッドの評価について説明したが、この1次共振周波数における振動分布に、高次の共振周波数における振動分布を加えることで、打撃面における反発係数の変化の指標としての精度は高くなる。従って、1次共振周波数における振動分布に、高次の共振周波数における振動分布を加えた振動分布によって、打撃面Dの反発特性を精度よく評価することができる。しかし、高次の共振周波数における振動の振幅は1次共振周波数における振動の振幅に比べて比較的小さいため、短時間で打撃面Dの反発特性を評価する場合、1次共振周波数における振動分布に基づいて打撃面Dの反発特性を評価するのが好ましい。
【0032】
このように、本発明におけるゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法は、ゴルフクラブヘッドの打撃面の反発特性を評価するための打撃面の振動分布を求めるための方法であり、ゴルフクラブヘッドのうち打撃面を除く部位を加振器による加振位置として前記ゴルフクラブヘッドの打撃面の垂直方向に加振することで、ゴルフクラブヘッドの打撃面をこの打撃面の垂直方向に振動させ、さらにこの振動する打撃面と対向する位置に配したレーザ振動計を用いて打撃面における振動分布を測定することを特徴とする。
打撃面上の位置に加速度ピックアップを付け替えながらインパクト加振により振動分布を計測することもできるが、加速度ピックアップを付け替えるための煩雑作業を必要とし、また打撃面に加速度ピックアップを付けると、加速度ピックアップの質量が影響して振動分布の測定精度が十分に確保されないといった不都合がある。
したがって、本発明は、加速度ピックアップを付け替えて行う場合に比べ労力をかけずに精度の高い振動分布を得ることができる。
【0033】
また、本発明では打撃面Dの振動分布に基づいてゴルフクラブヘッドHの反発特性を評価することができるので、例えば上記振動分布の情報を、ゴルフクラブヘッドHの反発特性に関する情報としてゴルフクラブの型式等と対応付けてパンフレットに掲載することで、ゴルファーはゴルフクラブの型式によってゴルフクラブヘッドの打撃面の反発特性を知ることができ、ゴルフクラブの購入の際の指標とすることができる。また、上記振動分布の情報を、ゴルフクラブヘッドHの反発特性に関する情報としてゴルフクラブに取り付けられたタグやシール等に表示すれば、ゴルファーは、種々の反発特性を有するゴルフクラブの中から、自分の好みに合った反発特性を持つゴルフクラブを納得して購入することができる。
【0034】
以上、本発明のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法およびゴルフクラブヘッドの評価方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0035】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ゴルフクラブヘッドのうち打撃面を除く部位を加振器による加振位置として前記ゴルフクラブヘッドの打撃面の垂直方向に加振することで、ゴルフクラブヘッドの打撃面をこの打撃面の垂直方向に振動させ、打撃面と対向する位置に配したレーザ振動計を用いて打撃面における振動分布を測定するので、ゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布を労力をかけずに精度良く求めることができる。また、この分布を用いてゴルフクラブヘッドの打撃面の反発特性を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法およびゴルフクラブヘッドの評価方法を実施する測定システムの一例の構成図である。
【図2】本発明のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法を用いて得られる振動分布の一例を示す図である。
【図3】ゴルフクラブヘッドの打撃面の反発係数と打撃面の1次共振周波数との関係を示す相関図である。
【符号の説明】
10 測定システム
12 加振器
14 加振ロッド
16 クランプ部材
18 支持部材
20 レーザ振動計
22 制御・演算処理装置
24 ディスプレイ
Claims (6)
- ゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布を測定する方法であって、
前記ゴルフクラブヘッドのうち打撃面を除く部位を加振器による加振位置として前記ゴルフクラブヘッドの打撃面の垂直方向に加振することで、前記ゴルフクラブヘッドの打撃面をこの打撃面の垂直方向に振動させ、
前記打撃面と対向する位置に配したレーザ振動計を用いて前記打撃面における振動分布を測定することを特徴とするゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法。 - 前記ゴルフクラブヘッドのホーゼル部に前記加振器と接続された治具が結合され、この治具を介して前記ホーゼル部を加振する請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法。
- 前記加振器による加振周波数は前記打撃面における共振周波数であり、
この共振周波数は、予め前記ゴルフクラブヘッドの打撃面に対してランダム加振を行って得られたランダム加振に対する前記打撃面の応答信号を用いて求めたものである請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法。 - 前記共振周波数は1次共振周波数である請求項3に記載のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法。
- 前記打撃面の振動分布は、振動の振幅が予め段階的に区分けされた振幅の階調に基づいて前記打撃面の領域を複数の領域に区分けしたコンターマップによって表示される請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法を用いて測定された前記打撃面の振動分布に基づいて前記打撃面の反発特性を評価することを特徴とするゴルフクラブヘッドの評価方法。
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---|---|---|---|---|
KR100814626B1 (ko) | 2003-04-11 | 2008-03-18 | 요코하마 고무 가부시키가이샤 | 골프 클럽 헤드의 반발 특성 평가 방법 및 반발 특성 평가장치 |
JP2019187585A (ja) * | 2018-04-20 | 2019-10-31 | 横浜ゴム株式会社 | ゴルフクラブヘッドの特性表示方法、及びゴルフクラブヘッドの特性表示体 |
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2002
- 2002-10-21 JP JP2002305869A patent/JP2004138584A/ja not_active Ceased
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