JP2004137210A - 血小板活性化因子抑制剤、化粧品、および医薬品 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療に利用することができる新たな血小板活性化因子抑制剤を提供することにあり、さらには、この血小板活性化因子抑制剤を含んでなる化粧品および医薬品を提供することを目的とする。
【解決手段】キサントン、ベンゾフェノン及びスチルベン類の少なくとも一種以上を含む構成とした。
【選択図】 なし
【解決手段】キサントン、ベンゾフェノン及びスチルベン類の少なくとも一種以上を含む構成とした。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療に有用な血小板活性化因子抑制剤、この血小板活性化因子抑制剤を含有する化粧品、および医薬品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血小板活性化因子(Platelet−Activating Factor:以下、「PAF」と記す。)は、刺激に応じて好中球、単球、好塩基球、血管内皮細胞などの種々の細胞によって産生される。
このPAFは、生理作用として血小板活性化、気管支などの平滑筋収縮、血管透過性亢進および好中球、単球、マクロファージ、抗酸球などの遊走、活性化などが知られている。
【0003】
以上のことから、PAFは、炎症や血栓症を誘発する原因となる生理活性物質であるといえる。
従って、PAFを抑制または阻害することにより、炎症や血栓症を予防または治療できると考えられている。
【0004】
また、身体に炎症が起きると、血管内細胞膜からPAFが放出され身体の自己免疫を活性化し、外部から進入した異物を排除するための防衛反応をひきおこすが、このPAFが過剰に出過ぎるとアレルギー反応を起こすことも知られている。よって、PAFを抑制または阻害することにより、免疫疾患を予防または治療できるとも考えられている。
【0005】
したがって、これらの考えをもとに、現在種々のPAF抑制剤やPAF阻害剤が開発されており、たとえば、特開平5−43456号公報には、血小板活性化因子産生阻害剤について提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、まだまだ血小板活性化因子抑制剤は、改良の余地があり、より高い効果を有しているとともに、工業的に製造し易い血小板活性化因子抑制剤が求められている。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされ、種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療に利用することができる新たな血小板活性化因子抑制剤を提供することにあり、さらには、この血小板活性化因子抑制剤を含んでなる化粧品および医薬品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を行った結果、特定の生薬またはその抽出物に、PAFに対する抑制作用があることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の請求項1にかかる血小板活性化因子抑制剤(以下、「請求項1のPAF抑制剤」という。)は、キサントン、ベンゾフェノン及びスチルベン類の少なくとも一種以上を含む構成とした。
【0008】
上記構成において、キサントン、ベンゾフェノン及びスチルベン類は、化学的に合成することによって得るようにしても構わないが、天然由来のものを使用することが好ましい。
この理由としては、近年における数々の深刻な薬禍、薬害の発生に対する合成医薬品への不信感の増加、慢性病に対する漢方薬治療の成果などから、天然薬物への関心が高まってきていることや、複雑な構造の天然薬物は天然原料に依存せざるを得ない現状も少なからずあることなどが挙げられる。
【0009】
また、天然物由来のキサントンならびにベンゾフェノンは、特に限定されないが、たとえば、オトギリソウ科(Guttiferae)、リンドウ科(Gentianaceae)、クワ科(Moraceae)、ヒメハギ科(Polygalaceae)、ユリ科(Liliaceae)などの高等植物、ウメノキゴケ科(Parmeloaceae)、トリハダゴケ科(Pertusariaceae)、コウジカビ科(Aspergillaceae)、バッカクキン科(Clavicipitaceae)などの地衣類、菌類に含有され、これらの植物及び菌類から抽出し、単離することにより得られるキサントン誘導体やベンゾフェノン誘導体から得ることができる。
また、天然から単離したキサントン誘導体ならびにベンゾフェノン誘導体を化学的にその構造を修飾することによっても得ることができる。
【0010】
一方、天然物由来のスチルベン類は、特に限定されないが、たとえば、マメ科(Leguminosae)、ブドウ科(Vitaceae)、フタバガキ科(Dipterocarpaceae)、タデ科(Polygonaceae)などの植物から抽出し、単離することにより得ることができる。
また、天然から単離したスチルベン類を化学的にその構造を修飾することによっても得ることができる。
【0011】
請求項1のPAF抑制剤は、そのまま使用してもよいが、本発明の請求項2にかかる化粧品(以下、「請求項2の化粧品」と記す。)のように化粧品に含ませて使用しても良いし、本発明の請求項3にかかる化粧品(以下、「請求項3の化粧品」と記す。)のように医薬品に含ませて使用しても良い。
【0012】
また、請求項1のPAF抑制剤は、化粧品や医薬品以外にも、たとえば、通常の食品や医薬部外品などに用いられる成分と混合して種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療などに用いることができる。
【0013】
また、請求項2の化粧品や請求項3の医薬品の場合、種々の炎症、免疫、腎疾患及び血栓症などの予防または治療剤の全組成中に、たとえば、キサントン誘導体として0.0001〜20重量%、特に0.01〜10重量%配合するのが好ましい。
【0014】
また、請求項1のPAF抑制剤は、請求項2の化粧品や請求項3の医薬品のような形で使用する場合も含めて、経口投与、静脈投与、経腸投与、塗布投与など様々な投与方法が挙げられるが、種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療剤とする場合、また、請求項2の化粧品や請求項3の医薬品のような形で使用する場合、経口投与、局所投与などの様々な方法で投与することができるが、皮膚外用剤に配合して、皮膚に塗布するようにすることが最も簡便であり好ましい。
ここで、皮膚外用剤としては、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤などの薬用外用剤、シャンプー、トリートメント、コンディショナー、クリーム、化粧水、乳液、ファンデーション、油性化粧料、パック剤、皮膚洗浄剤などの化粧料などが挙げられる。
【0015】
また、経口投与を行う場合は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤などの形で投与することが挙げられ、静脈投与を行う場合は、注射剤などの形で投与することが挙げられ、経腸投与を行う場合は、座剤などの形で投与することが挙げられる。
【0016】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.マウスの飼育状況
ddY系の6週齢雄性マウス(SPFグレード)は日本SLC株式会社より購入し、動物飼育装置内(温度24±2℃,湿度60±5%)で飼育した。実験直前まで水及び餌(CE−2,日本クレア株式会社)は自由に与えた。
【0017】
2.PAF試液の調整と投与方法
天然型(アルキル鎖C16またはC18)の血小板活性化因子(PAF)をフナコシ株式会社より購入し、これを生理食塩水で10μg/ml濃度となるように溶解して調整したものをPAF試液として使用した。
PAF試液をマウスの体重10g当たり10μlとなるように、すなわち、最終投与量が10μg/kgとなるようにマウスの尾静脈に静脈内投与した。
【0018】
3.試験化合物溶液の調整と投与方法
下記の化学式1〜9で表されるキサントン、ベンゾフェノン、スチルベン類の19種類を試験化合物として使用した。
各試験化合物は、蒸留水で10mg/ml濃度に溶解または懸濁し、試験溶液として調整した。各試験溶液はゾンデを用いてマウスの体重10g当たり0.1mlすなわち、最終投与量が10mg/kgとなるように上記PAF投与の1時間前に経口投与を行った。
【0019】
4.血圧測定方法
マウスを1匹ずつ専用ホルダーに固定、安静後、尾の付け根付近にセンサーを装着し、無加温型非観式血圧測定装置(MK−2000:室町機械株式会社製)を用いて収縮期の尾動脈圧を測定した。
【0020】
5.PAF阻害作用の確認・検討
無処置のddY系の6週齢雄性マウス(SPFグレード)に10μg/kgのPAFを静脈内投与し、最も血圧が低下する4〜8分後の血圧をコントロール値とする。これに対し、PAF投与の1時間前に試験化合物10mg/kgを経口投与した場合の低下血圧値を比較して、コントロールの血圧低下値への阻害率(%)を算出した。有意差検定にはStudent’s t−testを用いた(1群5匹)。
また、10mg/kgの投与量で有意な活性を示した試験化合物については、投与量を変更した実験を追加して、用量−作用曲線からIC50(μmol/kg)を算出した。また、別に、無処置マウスに試験化合物を投与し1時間後の血圧を測定することで、試験化合物がマウスの平常血圧に与える影響も検討した。
【0021】
実施例1〜実施例5は、以下の化学式1及び表1に記載されている化合物(キサントン)である。
【0022】
【化1】
尚、式中、R1〜R4は、表1に示した通りである。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例6〜実施例11は、以下の化学式2及び表2に記載されている化合物(キサントン)である。
【0025】
【化2】
尚、式中、R1〜R6は、表2に示した通りである。
【0026】
【表2】
【0027】
実施例12および実施例13は、以下の化学式3及び表3に記載されている化合物(キサントン)である。
【0028】
【化3】
尚、式中、R1およびR2は、表3に示した通りである。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例14は、以下の化学式4に記載されている化合物(キサントン)である。
【0031】
【化4】
【0032】
実施例15は、以下の化学式5に記載されている化合物(キサントン)である。
【0033】
【化5】
【0034】
実施例16は、以下の化学式6に記載されている化合物(キサントン)である。
【0035】
【化6】
【0036】
実施例17は、以下の化学式7に記載されている化合物(ベンゾフェノン)である。
【0037】
【化7】
【0038】
実施例18は、以下の化学式8に記載されている化合物(スチルベン)である。
【0039】
【化8】
【0040】
実施例19は、以下の化学式9に記載されている化合物(スチルベン)である。
【0041】
【化9】
【0042】
以上の実験結果を表4に示す。
なお、表4中、Pは有意水準であり、*は0.05(5%)以下の有意差、**は0.01(1%)以下の有意差、***は0.001(0.1%)以下の有意差であることを示す。また、カッコの中はコントロールと比較した試験を3回行い、Studentのt検定で有意差検定を行ったことを意味する。
【0043】
【表4】
【0044】
表4から分かるように、実施例1〜実施例19の全てについて、PAF抑制効果が見られたが、特に、キサントン類の実施例1、実施例2、実施例6〜10、実施例12が有意な抑制作用を示し,実施例3、実施例4、実施例11、実施例13には有意差が見られるまでには至らなかったことから、1位の水酸基が活性に関与すること、イソプレニル基は活性を高めるが、1,1‐ジメチルアリル基は活性を低下させる傾向にあることが示唆された。
【0045】
以上のことから、本発明にかかるキサントン、ベンゾフェノン、およびスチルベン類を含有するPAF抑制剤は、高いPAF抑制効果を有し、種々の炎症、免疫および血栓症などの予防や治療に貢献するものと考えられる。
また、このPAF抑制剤を化粧品や医薬品に配合させることにより、今までアレルギーなどに悩まされてきた人でも使用可能な化粧品や医薬品を提供することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
本発明にかかる血小板活性化因子抑制剤、化粧品、および医薬品は、以上のように構成されているので、血小板活性化因子を抑制することにより、この血小板活性化因子が原因となっていた種々の炎症、免疫および血栓症などの予防や治療を効率良く行うことができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療に有用な血小板活性化因子抑制剤、この血小板活性化因子抑制剤を含有する化粧品、および医薬品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血小板活性化因子(Platelet−Activating Factor:以下、「PAF」と記す。)は、刺激に応じて好中球、単球、好塩基球、血管内皮細胞などの種々の細胞によって産生される。
このPAFは、生理作用として血小板活性化、気管支などの平滑筋収縮、血管透過性亢進および好中球、単球、マクロファージ、抗酸球などの遊走、活性化などが知られている。
【0003】
以上のことから、PAFは、炎症や血栓症を誘発する原因となる生理活性物質であるといえる。
従って、PAFを抑制または阻害することにより、炎症や血栓症を予防または治療できると考えられている。
【0004】
また、身体に炎症が起きると、血管内細胞膜からPAFが放出され身体の自己免疫を活性化し、外部から進入した異物を排除するための防衛反応をひきおこすが、このPAFが過剰に出過ぎるとアレルギー反応を起こすことも知られている。よって、PAFを抑制または阻害することにより、免疫疾患を予防または治療できるとも考えられている。
【0005】
したがって、これらの考えをもとに、現在種々のPAF抑制剤やPAF阻害剤が開発されており、たとえば、特開平5−43456号公報には、血小板活性化因子産生阻害剤について提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、まだまだ血小板活性化因子抑制剤は、改良の余地があり、より高い効果を有しているとともに、工業的に製造し易い血小板活性化因子抑制剤が求められている。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされ、種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療に利用することができる新たな血小板活性化因子抑制剤を提供することにあり、さらには、この血小板活性化因子抑制剤を含んでなる化粧品および医薬品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を行った結果、特定の生薬またはその抽出物に、PAFに対する抑制作用があることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の請求項1にかかる血小板活性化因子抑制剤(以下、「請求項1のPAF抑制剤」という。)は、キサントン、ベンゾフェノン及びスチルベン類の少なくとも一種以上を含む構成とした。
【0008】
上記構成において、キサントン、ベンゾフェノン及びスチルベン類は、化学的に合成することによって得るようにしても構わないが、天然由来のものを使用することが好ましい。
この理由としては、近年における数々の深刻な薬禍、薬害の発生に対する合成医薬品への不信感の増加、慢性病に対する漢方薬治療の成果などから、天然薬物への関心が高まってきていることや、複雑な構造の天然薬物は天然原料に依存せざるを得ない現状も少なからずあることなどが挙げられる。
【0009】
また、天然物由来のキサントンならびにベンゾフェノンは、特に限定されないが、たとえば、オトギリソウ科(Guttiferae)、リンドウ科(Gentianaceae)、クワ科(Moraceae)、ヒメハギ科(Polygalaceae)、ユリ科(Liliaceae)などの高等植物、ウメノキゴケ科(Parmeloaceae)、トリハダゴケ科(Pertusariaceae)、コウジカビ科(Aspergillaceae)、バッカクキン科(Clavicipitaceae)などの地衣類、菌類に含有され、これらの植物及び菌類から抽出し、単離することにより得られるキサントン誘導体やベンゾフェノン誘導体から得ることができる。
また、天然から単離したキサントン誘導体ならびにベンゾフェノン誘導体を化学的にその構造を修飾することによっても得ることができる。
【0010】
一方、天然物由来のスチルベン類は、特に限定されないが、たとえば、マメ科(Leguminosae)、ブドウ科(Vitaceae)、フタバガキ科(Dipterocarpaceae)、タデ科(Polygonaceae)などの植物から抽出し、単離することにより得ることができる。
また、天然から単離したスチルベン類を化学的にその構造を修飾することによっても得ることができる。
【0011】
請求項1のPAF抑制剤は、そのまま使用してもよいが、本発明の請求項2にかかる化粧品(以下、「請求項2の化粧品」と記す。)のように化粧品に含ませて使用しても良いし、本発明の請求項3にかかる化粧品(以下、「請求項3の化粧品」と記す。)のように医薬品に含ませて使用しても良い。
【0012】
また、請求項1のPAF抑制剤は、化粧品や医薬品以外にも、たとえば、通常の食品や医薬部外品などに用いられる成分と混合して種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療などに用いることができる。
【0013】
また、請求項2の化粧品や請求項3の医薬品の場合、種々の炎症、免疫、腎疾患及び血栓症などの予防または治療剤の全組成中に、たとえば、キサントン誘導体として0.0001〜20重量%、特に0.01〜10重量%配合するのが好ましい。
【0014】
また、請求項1のPAF抑制剤は、請求項2の化粧品や請求項3の医薬品のような形で使用する場合も含めて、経口投与、静脈投与、経腸投与、塗布投与など様々な投与方法が挙げられるが、種々の炎症、免疫及び血栓症などの予防または治療剤とする場合、また、請求項2の化粧品や請求項3の医薬品のような形で使用する場合、経口投与、局所投与などの様々な方法で投与することができるが、皮膚外用剤に配合して、皮膚に塗布するようにすることが最も簡便であり好ましい。
ここで、皮膚外用剤としては、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤などの薬用外用剤、シャンプー、トリートメント、コンディショナー、クリーム、化粧水、乳液、ファンデーション、油性化粧料、パック剤、皮膚洗浄剤などの化粧料などが挙げられる。
【0015】
また、経口投与を行う場合は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤などの形で投与することが挙げられ、静脈投与を行う場合は、注射剤などの形で投与することが挙げられ、経腸投与を行う場合は、座剤などの形で投与することが挙げられる。
【0016】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.マウスの飼育状況
ddY系の6週齢雄性マウス(SPFグレード)は日本SLC株式会社より購入し、動物飼育装置内(温度24±2℃,湿度60±5%)で飼育した。実験直前まで水及び餌(CE−2,日本クレア株式会社)は自由に与えた。
【0017】
2.PAF試液の調整と投与方法
天然型(アルキル鎖C16またはC18)の血小板活性化因子(PAF)をフナコシ株式会社より購入し、これを生理食塩水で10μg/ml濃度となるように溶解して調整したものをPAF試液として使用した。
PAF試液をマウスの体重10g当たり10μlとなるように、すなわち、最終投与量が10μg/kgとなるようにマウスの尾静脈に静脈内投与した。
【0018】
3.試験化合物溶液の調整と投与方法
下記の化学式1〜9で表されるキサントン、ベンゾフェノン、スチルベン類の19種類を試験化合物として使用した。
各試験化合物は、蒸留水で10mg/ml濃度に溶解または懸濁し、試験溶液として調整した。各試験溶液はゾンデを用いてマウスの体重10g当たり0.1mlすなわち、最終投与量が10mg/kgとなるように上記PAF投与の1時間前に経口投与を行った。
【0019】
4.血圧測定方法
マウスを1匹ずつ専用ホルダーに固定、安静後、尾の付け根付近にセンサーを装着し、無加温型非観式血圧測定装置(MK−2000:室町機械株式会社製)を用いて収縮期の尾動脈圧を測定した。
【0020】
5.PAF阻害作用の確認・検討
無処置のddY系の6週齢雄性マウス(SPFグレード)に10μg/kgのPAFを静脈内投与し、最も血圧が低下する4〜8分後の血圧をコントロール値とする。これに対し、PAF投与の1時間前に試験化合物10mg/kgを経口投与した場合の低下血圧値を比較して、コントロールの血圧低下値への阻害率(%)を算出した。有意差検定にはStudent’s t−testを用いた(1群5匹)。
また、10mg/kgの投与量で有意な活性を示した試験化合物については、投与量を変更した実験を追加して、用量−作用曲線からIC50(μmol/kg)を算出した。また、別に、無処置マウスに試験化合物を投与し1時間後の血圧を測定することで、試験化合物がマウスの平常血圧に与える影響も検討した。
【0021】
実施例1〜実施例5は、以下の化学式1及び表1に記載されている化合物(キサントン)である。
【0022】
【化1】
尚、式中、R1〜R4は、表1に示した通りである。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例6〜実施例11は、以下の化学式2及び表2に記載されている化合物(キサントン)である。
【0025】
【化2】
尚、式中、R1〜R6は、表2に示した通りである。
【0026】
【表2】
【0027】
実施例12および実施例13は、以下の化学式3及び表3に記載されている化合物(キサントン)である。
【0028】
【化3】
尚、式中、R1およびR2は、表3に示した通りである。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例14は、以下の化学式4に記載されている化合物(キサントン)である。
【0031】
【化4】
【0032】
実施例15は、以下の化学式5に記載されている化合物(キサントン)である。
【0033】
【化5】
【0034】
実施例16は、以下の化学式6に記載されている化合物(キサントン)である。
【0035】
【化6】
【0036】
実施例17は、以下の化学式7に記載されている化合物(ベンゾフェノン)である。
【0037】
【化7】
【0038】
実施例18は、以下の化学式8に記載されている化合物(スチルベン)である。
【0039】
【化8】
【0040】
実施例19は、以下の化学式9に記載されている化合物(スチルベン)である。
【0041】
【化9】
【0042】
以上の実験結果を表4に示す。
なお、表4中、Pは有意水準であり、*は0.05(5%)以下の有意差、**は0.01(1%)以下の有意差、***は0.001(0.1%)以下の有意差であることを示す。また、カッコの中はコントロールと比較した試験を3回行い、Studentのt検定で有意差検定を行ったことを意味する。
【0043】
【表4】
【0044】
表4から分かるように、実施例1〜実施例19の全てについて、PAF抑制効果が見られたが、特に、キサントン類の実施例1、実施例2、実施例6〜10、実施例12が有意な抑制作用を示し,実施例3、実施例4、実施例11、実施例13には有意差が見られるまでには至らなかったことから、1位の水酸基が活性に関与すること、イソプレニル基は活性を高めるが、1,1‐ジメチルアリル基は活性を低下させる傾向にあることが示唆された。
【0045】
以上のことから、本発明にかかるキサントン、ベンゾフェノン、およびスチルベン類を含有するPAF抑制剤は、高いPAF抑制効果を有し、種々の炎症、免疫および血栓症などの予防や治療に貢献するものと考えられる。
また、このPAF抑制剤を化粧品や医薬品に配合させることにより、今までアレルギーなどに悩まされてきた人でも使用可能な化粧品や医薬品を提供することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
本発明にかかる血小板活性化因子抑制剤、化粧品、および医薬品は、以上のように構成されているので、血小板活性化因子を抑制することにより、この血小板活性化因子が原因となっていた種々の炎症、免疫および血栓症などの予防や治療を効率良く行うことができる。
Claims (3)
- キサントン、ベンゾフェノン及びスチルベン類の少なくとも一種以上を含む血小板活性化因子抑制剤。
- 請求項1に記載の血小板活性化因子抑制剤を含有している化粧品。
- 請求項1に記載の血小板活性化因子抑制剤を含有している医薬品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304366A JP2004137210A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 血小板活性化因子抑制剤、化粧品、および医薬品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304366A JP2004137210A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 血小板活性化因子抑制剤、化粧品、および医薬品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004137210A true JP2004137210A (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=32451810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002304366A Pending JP2004137210A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 血小板活性化因子抑制剤、化粧品、および医薬品 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004137210A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1619195A2 (en) * | 2004-05-21 | 2006-01-25 | Taiwan Sunpan Biotechnology Development Co., Ltd. | Compounds isolated from gamboge resin having activity in inhibiting the growth of tumor/cancer cells and pharmaceutical compositions comprising the same |
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2002
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