【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装飾品に形成された人物像、風景等の写真像、文字、図形若しくは模様をより鮮明に表現するための加飾方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
鏡面に加飾を施した鏡類又はガラス面に加飾を施した写真立て、額縁及びこれらの製造方法として、鏡面又はガラスの表面に下地層を設け、その上にスクリーン転写を行うことによって所望の幾何学模様や図形を形成し、１００℃以上でスクリーン転写された塗料を乾燥させるものが提案されている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１１−３３２７０８号公報（第４頁、第３図）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、下地層の上にスクリーン転写を行う方法では、転写した幾何学模様や図形等が剥離しやすいという課題があった。
【０００５】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、ガラス等の被加工物の表面に写真像、文字、図形若しくは模様等の加工図形を表現している凹部からなる加工溝を形成し、この加工溝に生漆を介して金粉、銀粉若しくは顔料等の塗料を塗布することにより、この塗料が生漆により固定されるため、剥離等の不具合が生じにくい加飾方法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る加飾方法は、被加工物の加工面に加飾を施す加飾方法であって、加飾面に凹部からなる加工溝を形成する第１の工程と、加工溝に生漆を塗布する第２の工程と、加工溝に塗布された生漆の上から塗料を塗り込む第３の工程と、加工溝に塗り込まれた生漆を硬化させる第４の工程とから構成される。
【０００７】
このとき、加飾面がセラミック若しくは金属の面、ガラスの表面若しくは裏面またはめっき面であることが好ましい。
【０００８】
また、加工溝が、ブラスト加工により形成されることが好ましい。
【０００９】
また、塗料が、金粉、銀粉若しくは顔料であることが好ましい。
【００１０】
また、第３の工程が、加工溝に塗料が塗り込まれた加工面に、生漆を塗布して保護層を形成するように構成することが好ましい。
【００１１】
あるいは、第４の工程が、被加工物を恒温高湿室に２４時間放置して生漆を硬化させるように構成することが好ましい。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明は、図２に示すように、被加工物１の加工面２に、ブラスト加工のような加工方法により溝（以下、この溝を「加工溝３」と呼ぶ。）を形成し、この加工溝３で人物像、風景等の写真像、文字、図形若しくは模様等を表す加工図形１０を構成している。そして、この加工溝３に生漆を介して金粉、銀粉若しくは顔料等の塗料を固定して、被加工物１を加飾するものである。この加色方法は、加工面２として、セラミックや金属の面、ガラス材の表面若しくは裏面、または、メッキ面に対して加飾することができる。
【００１３】
本発明に係る加飾方法は、図１に示すように、被加工物１の表面又は裏面の加工面２に凹部からなる加工溝３を形成して写真像、文字、図形あるいは模様等の加工図形１０を形成する第１の工程Ｓ１と、第１の工程Ｓ１により形成された加工溝３に生漆を塗り込む第２の工程Ｓ２と、加工溝３に塗り込まれた生漆の上に金粉、銀粉若しくは顔料等の塗料を載せて塗り込む第３の工程Ｓ３と、前記塗料が塗り込まれたガラス材１を恒温高湿室に放置して、加工溝３に塗り込まれた生漆を固着させる第４の工程Ｓ４とから構成される。
【００１４】
まず、第１の工程Ｓ１について説明する。第１の工程Ｓ１は、加工面２に写真像、文字、図形あるいは模様等の加工図形１０を表す加工溝３を形成するものである。このような加工図形１０を加工溝３として加工面２上に加工する方法としては、紫外線硬化型の樹脂又はゴム等を用いマスクを製作してブラスト加工するものや薬品を使った化学的エッチングあるいはレーザーを用いて直接加工する方法等がある。本実施形態では、特開２０００−９４３３２号公報に開示された粉体噴射ノズルを用いたブラスト加工を採用した。
【００１５】
ブラスト加工とは小さな粒状の研磨材あるいは類似のもの（以下、「ブラスト噴射材」と呼ぶ。）を物体の表面に激しく打ちつけてこの表面を削って加工する方法である。本実施形態で利用した粉体噴射ノズルを用いたブラスト加工は、マスク製版、転写、現像、除去等の工程を必要とすることなくガラス等の硬脆材料の表面に、精密且つ濃淡の階調（最大１２８階調）を表現した写真像、文字、図形若しくは模様等を簡易な設備で、短時間に形成することができる。
【００１６】
本実施形態に係る粉体噴射ノズルを用いたブラスト加工では、階調の表現は、ブラスト噴射材の噴射量により表現されていることから、ブラスト噴射材が多く噴射されたところほど濃く表現され、ブラスト噴射材の噴射が少ないところほど薄く表現される。この技術を利用することにより、従来のマスクを用いたブラスト加工においては表現が不可能であった階調表現を、マスクを使用せずに直接加工することにより表現することが可能となっている。
【００１７】
本実施形態においては、ブラスト噴射材の材質としてアルミナを使用している。しかし、本実施形態がこのブラスト噴射材に限定されるわけではなく、被加工物１の材質に応じて、ガラスビーズ、炭化ケイ素、酸化チタンあるいはダイヤモンド等を使用することが可能である。
【００１８】
本実施形態に係る粉体噴射ノズルを用いたブラスト加工では、写真像、文字、図形若しくは模様等の加工図形１０を形成する場合、使用するブラスト噴射材の平均粒径は、２０μｍ〜８０μｍが適切であるが、これはブラスト噴射材の材質にアルミナを用いた場合であり、他の材質を用いた場合はこの限りではない。２０μｍ以下のブラスト噴射材を使用した場合、ブラスト噴射材自体の流動性が悪いため安定した噴射が得られず、良好な写真像、図形、文字若しくは模様等を表現することが困難になる。また、平均粒径が８０μｍ以上のブラスト噴射材を用いた場合、ブラスト噴射材が大きすぎることにより加工が荒くなるため、写真像等の階調表現が必要な加工図形１０の場合にできが悪くなる。本実施形態において平均粒径が２０μｍ〜８０μｍを使用しているが、その中でも３５μｍが加工面２に形成された加工図形１０としては適切である。
【００１９】
図３に、粉体噴射ノズルを用いて加工された加工図形１０を構成する加工溝３の加工深さと使用したブラスト噴射材（砥粒）の平均粒径の関係について示す。図３から分かるように、ブラスと噴射材の平均粒径が大きくなるほど加工溝３の平均粗さ、最大深さが大きくなっている。本実施形態において、粉体噴射ノズルを用いたブラスト加工を行うのに適切と考えているブラスト噴射材の粒径２０μｍ〜８０μｍにより加工された粗さが、ブラスト噴射剤の平均粒径の変化に応じて変化しているが、本実施形態を実現する上では十分な加工量となっている。
【００２０】
次に、第２の工程Ｓ２について説明する。第２の工程Ｓ２では、加工面２に生漆を適量載せ、ウエス等により加工面２の全体に塗り広げ、加工溝３に生漆を塗り込む工程である。本実施形態においては、この生漆を加工溝３に塗り込む作業を人間の手作業として行っているが、専用の機械を製作すれば、製品のばらつきを抑えることが可能になり、時間、費用も削減することが期待できる。
【００２１】
次に、第３の工程Ｓ３について説明する。第３の工程Ｓ３は、加工溝３に塗り込まれた生漆に金粉、銀粉、顔料等の塗料を塗り込む工程であり、沈金と同様の作業である。本第３の工程Ｓ３では、第２の工程Ｓ２で加工溝３に生漆を十分塗り込んだ後、所望の金粉、銀粉若しくは顔料等の塗料を、加工面２の上に載せ、ウエス等により十分刷り込む。その結果、第１の工程Ｓ１によって得られた加工溝３に生漆を介して塗料が埋め込まれる。このため加工溝３に塗り込まれた生漆が接着層の役割を果たすことになる。この際使用される塗料は前述した粗さの加工溝３に埋め込まれて固定されることから、粒径が数μｍ以下のものでなければならない。なお、本実施形態において、この第３の工程Ｓ３も人間の手作業で行われるが、専用の機械を製作すれば製品のばらつきを抑えることが可能になり、時間、費用も削減することが期待できる。
【００２２】
以上の作業の結果、ブラスト加工により生じた加工溝３にのみ生漆を介して金粉、銀粉、顔料等の塗料が埋め込まれ、加工面２上の加工溝３が形成されていない領域は、ウエス等により拭き取られて生漆が塗られていない状態となる。図４（Ａ）は被加工物１の加工面２に形成せれた加工溝３に金粉、銀粉、顔料等の塗料５が生漆４を接着層として塗り込まれた状態を示している。
【００２３】
図４（Ａ）に示す状態でも、生漆４によって塗料５は十分固着され得る状態にあるが、図４（Ｂ）に示すように、塗料５を加工溝３に生漆４で塗り込んだ後、さらに、加工溝３を含む加工面２の上に、生漆を塗って保護層６（図２においては図示せず）を形成しても良い。このように加工面２の面上に保護層６を形成することにより、加工溝３に埋め込まれた金粉、銀粉、顔料等の塗料５が外気と遮断されるため、酸化などによる塗料５の変質が抑えられる。この結果製作された装飾品（被加工物１）の品質劣化を防止する効果が得られる。
【００２４】
最後に、加工溝３に塗り込まれた生漆（図４（Ａ）における生漆４）及び加工面２の面上に塗られた保護層としての生漆（図４（Ｂ）における保護層６）を固着させる第４の工程Ｓ４について説明する。生漆は常温常湿の状態では硬化しないため、上述の第３の工程Ｓ３で加工溝３の生漆に塗料が塗り込まれた後、若しくは、加工面２の表面に生漆による保護層が形成された後、気温２４℃、湿度８０％の恒温高湿室に２４時間放置して生漆を硬化させる。
【００２５】
本実施形態においては、ブラスト噴射材として平均粒径２０μｍ〜８０μｍのものを使用しているため、加工面２に形成された加工溝３の平均粗さ、最大深さが変化するため、これにより加工溝３に塗り込まれる生漆の量も増減する。しかし、本実施形態の範囲においては、この生漆の量の増減は第４の工程Ｓ４における固着強度に大きな差は無い。
【００２６】
粉体噴射ノズルを用いたブラスト加工で、加工面２に写真像、文字、図形若しくは模様等の加工図形１０を加工した場合、精密且つ濃淡の階調を表現することが可能であるが、加工面２の光の反射により鮮明さにかけていた。しかし、以上に説明したように生漆を介して金粉、銀粉、顔料等の塗料をこのブラスト加工で加工された加工溝３に塗り込むことにより、この塗料の効果によって、より精彩に画像を表現することが可能になる。
【００２７】
また、ブラスト加工で画像を加工溝３として加工しただけでは、加工面２の表面と加工溝３の違いでしか画像を表現できなかったが、塗料として着色顔料を使用することにより、着色も可能になる。
【００２８】
さらに、ブラスト加工で形成された加工溝３には生漆が良く定着するため、塗料が固定されており、また、生漆及び塗料が加工溝３に塗り込まれているため加工面２から突出する部分もないため、剥離等の不具合が生じにくい。
【００２９】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る加飾方法によれば、被加工物の加工面にブラスト加工等で加工溝を形成し、この加工溝に生漆を介して金粉、銀粉、顔料等の塗料を塗り込んでいるため、剥離等の不具合を生じにくい加飾を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る加飾方法の手順を表すフローチャートである。
【図２】本発明に係る加飾方法により加飾される被加工物の加工面を表す正面図である。
【図３】本発明に係る実施形態において利用される粉体噴射ノズルによるブラスト加工により形成される溝とブラスト噴射材の関係を示す表である。
【図４】本発明に係る加飾方法により形成される被加工物の断面図であり、（Ａ）は生漆により加工溝に塗料を塗り込んだ状態であり、（Ｂ）は、さらに加工面に生漆で保護層を形成した状態である。
【符号の説明】
１ 被加工物
２ 加工面
３ 加工溝
４ 生漆
５ 塗料
６ 保護層
１０ 加工図形
Ｓ１ 第１の工程
Ｓ２ 第２の工程
Ｓ３ 第３の工程
Ｓ４ 第４の工程[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a decoration method for more clearly expressing a photographic image such as a person image and a landscape, a character, a figure or a pattern formed on a decorative article.
[0002]
[Prior art]
Mirrors decorated with a mirror surface or a photo stand decorated with a glass surface, a picture frame, and a method of manufacturing these are provided by providing an underlayer on the mirror surface or the glass surface, and performing screen transfer thereon. (Patent Document 1), for example, has been proposed in which a geometric pattern or figure is formed, and the paint that has been screen-transferred at 100 ° C. or higher is dried.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-11-332708 (page 4, FIG. 3)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the method of performing screen transfer on the underlayer has a problem that the transferred geometric pattern, figure, and the like are easily peeled off.
[0005]
The present invention has been made in view of such problems, a photographic image, characters, a processing groove formed of a concave portion expressing a processing figure such as a pattern or pattern on the surface of a workpiece such as glass, An object of the present invention is to provide a decorating method in which a problem such as peeling does not easily occur because the paint is fixed by the raw lacquer by applying a paint such as a gold powder, a silver powder or a pigment through the raw lacquer to the processed groove. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problem, a decorating method according to the present invention is a decorating method for decorating a processed surface of a workpiece, and a first method for forming a processed groove formed of a concave portion on the decorated surface. A process, a second step of applying raw lacquer to the processing groove, a third step of applying a paint from above the raw lacquer applied to the processing groove, and a fourth step of curing the raw lacquer applied to the processing groove And steps.
[0007]
At this time, the decorative surface is preferably a ceramic or metal surface, a glass front or back surface, or a plating surface.
[0008]
Further, it is preferable that the processing groove is formed by blast processing.
[0009]
Further, the paint is preferably gold powder, silver powder or a pigment.
[0010]
In addition, it is preferable that the third step is configured to form a protective layer by applying raw lacquer to the processed surface in which the paint is applied to the processed groove.
[0011]
Alternatively, it is preferable that the fourth step is configured such that the workpiece is left in the constant temperature and high humidity chamber for 24 hours to cure the raw lacquer.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. According to the present invention, as shown in FIG. 2, a groove (hereinafter, this groove is referred to as a “processing groove 3”) is formed on a processing surface 2 of a workpiece 1 by a processing method such as blast processing. The processing groove 3 forms a processing figure 10 representing a photographic image such as a person image or a landscape, a character, a figure or a pattern. Then, a paint such as gold powder, silver powder or pigment is fixed to the processing groove 3 via raw lacquer to decorate the workpiece 1. In this coloring method, it is possible to decorate the processing surface 2 with respect to a ceramic or metal surface, a glass material front or back surface, or a plating surface.
[0013]
The decorating method according to the present invention, as shown in FIG. 1, forms a processing groove 3 composed of a concave portion on a processing surface 2 on a front surface or a back surface of a workpiece 1 to process a photographic image, a character, a figure or a pattern. A first step S1 for forming the figure 10, a second step S2 for applying raw lacquer to the processing grooves 3 formed in the first step S1, and a gold powder on the raw lacquer applied to the processing grooves 3; A third step S3 in which a paint such as silver powder or a pigment is placed and applied, and the glass material 1 on which the paint is applied is left in a constant-temperature and high-humidity room to fix the raw lacquer applied in the processing groove 3. And a fourth step S4.
[0014]
First, the first step S1 will be described. The first step S1 is to form a processing groove 3 representing a processing figure 10 such as a photographic image, a character, a figure or a pattern on the processing surface 2. As a method of processing the processed figure 10 as the processing groove 3 on the processing surface 2, a method of manufacturing a mask using an ultraviolet-curable resin or rubber or the like, blast processing, chemical etching using a chemical, or There is a method of processing directly using a laser. In the present embodiment, blast processing using a powder injection nozzle disclosed in JP-A-2000-94332 is employed.
[0015]
Blasting is a method of sharply striking the surface of an object with a small granular abrasive material or the like (hereinafter, referred to as a "blasting material") to machine the surface. The blasting process using the powder injection nozzle used in the present embodiment is a method of forming a precise and light and shade gradation on the surface of a hard and brittle material such as glass without requiring steps such as mask plate making, transfer, development, and removal. Photographic images, characters, figures or patterns expressing (up to 128 tones) can be formed in a short time with simple equipment.
[0016]
In the blast processing using the powder injection nozzle according to the present embodiment, since the expression of the gradation is expressed by the injection amount of the blast injection material, the more the blast injection material is injected, the deeper the expression is, The less the blasting material is sprayed, the thinner it is expressed. By utilizing this technology, it is possible to express a gradation expression that cannot be expressed by blast processing using a conventional mask by directly processing without using a mask. .
[0017]
In the present embodiment, alumina is used as the material of the blasting material. However, the present embodiment is not limited to the blasting material, and it is possible to use glass beads, silicon carbide, titanium oxide, diamond, or the like according to the material of the workpiece 1.
[0018]
In the blast processing using the powder injection nozzle according to the present embodiment, when forming a processed figure 10 such as a photographic image, a character, a figure or a pattern, the average particle diameter of the blast injection material to be used is preferably 20 μm to 80 μm. However, this is the case where alumina is used as the material of the blasting material, and the case is not limited to the case where another material is used. When a blast material having a size of 20 μm or less is used, stable blasting cannot be obtained due to poor fluidity of the blast material itself, and it becomes difficult to express good photographic images, figures, characters, patterns, and the like. When a blast material having an average particle size of 80 μm or more is used, the processing becomes rough because the blast material is too large. Become. In the present embodiment, an average particle diameter of 20 μm to 80 μm is used. Among them, 35 μm is appropriate as the processed figure 10 formed on the processed surface 2.
[0019]
FIG. 3 shows the relationship between the processing depth of the processing groove 3 constituting the processing figure 10 processed using the powder injection nozzle and the average particle size of the blast injection material (abrasive) used. As can be seen from FIG. 3, the average roughness and the maximum depth of the processing groove 3 increase as the average particle diameter of the brass and the injection material increases. In the present embodiment, the roughness processed by the particle diameter of 20 μm to 80 μm of the blast injection material considered to be appropriate for performing the blast processing using the powder injection nozzle is caused by the change in the average particle diameter of the blast propellant. However, the processing amount is sufficient for realizing the present embodiment.
[0020]
Next, the second step S2 will be described. The second step S2 is a step of placing an appropriate amount of raw lacquer on the processing surface 2, spreading the raw lacquer over the entire processing surface 2 with a rag or the like, and applying the raw lacquer to the processing grooves 3. In the present embodiment, the work of applying the raw lacquer to the processing groove 3 is performed manually, but if a dedicated machine is manufactured, it is possible to suppress variations in products, and time and cost are reduced. We can expect reduction.
[0021]
Next, the third step S3 will be described. The third step S3 is a step of applying a paint such as a gold powder, a silver powder, and a pigment to the raw lacquer applied to the processing groove 3, and is the same operation as the deposition. In the third step S3, after the raw lacquer is sufficiently applied to the processing groove 3 in the second step S2, a desired paint such as gold powder, silver powder or a pigment is placed on the processing surface 2 and sufficiently squeezed with a rag or the like. Imprint. As a result, the paint is embedded via the raw lacquer in the processed groove 3 obtained in the first step S1. Therefore, the raw lacquer applied to the processing groove 3 plays a role of an adhesive layer. Since the paint used at this time is embedded and fixed in the processing groove 3 having the above-described roughness, the paint must have a particle size of several μm or less. In the present embodiment, the third step S3 is also performed manually. However, if a dedicated machine is manufactured, it is possible to suppress variations in products, and it is expected that time and cost can be reduced. it can.
[0022]
As a result of the above operation, a paint such as a gold powder, a silver powder, or a pigment is buried through the raw lacquer only in the processing groove 3 generated by the blast processing, and a region where the processing groove 3 is not formed on the processing surface 2 is a waste cloth. The lacquer is wiped off, leaving uncoated lacquer. FIG. 4A shows a state in which a paint 5 such as a gold powder, a silver powder, a pigment or the like is applied to a processing groove 3 formed on a processing surface 2 of the workpiece 1 using a raw lacquer 4 as an adhesive layer.
[0023]
In the state shown in FIG. 4 (A), the paint 5 is in a state in which the paint 5 can be sufficiently fixed by the raw lacquer 4, but as shown in FIG. Further, a protective layer 6 (not shown in FIG. 2) may be formed on the processing surface 2 including the processing groove 3 by applying fresh lacquer. By forming the protective layer 6 on the surface of the processing surface 2 in this manner, the coating 5 such as gold powder, silver powder, and pigment embedded in the processing groove 3 is shielded from the outside air. Is suppressed. As a result, an effect of preventing quality deterioration of the manufactured decorative article (workpiece 1) can be obtained.
[0024]
Finally, the raw lacquer (raw lacquer 4 in FIG. 4 (A)) applied to the processing groove 3 and the raw lacquer (protective layer 6 in FIG. 4 (B)) as a protective layer applied on the surface of the processing surface 2 are prepared. The fourth step S4 for fixing will be described. Since the raw lacquer does not harden in the state of normal temperature and normal humidity, the paint was applied to the raw lacquer in the processing groove 3 in the above-described third step S3, or a protective layer of the raw lacquer was formed on the surface of the processing surface 2. Then, the raw lacquer is cured by leaving it in a constant temperature and high humidity room at a temperature of 24 ° C. and a humidity of 80% for 24 hours.
[0025]
In the present embodiment, since the blast material having an average particle diameter of 20 μm to 80 μm is used, the average roughness and the maximum depth of the processing groove 3 formed on the processing surface 2 change. The amount of raw lacquer applied to the processing groove 3 also increases or decreases. However, in the range of the present embodiment, the increase or decrease of the amount of the raw lacquer does not have a large difference in the fixing strength in the fourth step S4.
[0026]
When a processing figure 10 such as a photographic image, a character, a figure or a pattern is processed on the processing surface 2 by blast processing using a powder injection nozzle, it is possible to express a precise and shade of gradation. The reflection of light from the surface 2 caused sharpness. However, as described above, a paint such as a gold powder, a silver powder, and a pigment is applied to the processing groove 3 processed by this blasting via the raw lacquer, so that an image is more vividly expressed by the effect of the paint. It becomes possible.
[0027]
In addition, the image can be expressed only by the difference between the surface of the processing surface 2 and the processing groove 3 only by processing the image as the processing groove 3 by blast processing, but coloring can be performed by using a coloring pigment as a paint. become.
[0028]
Furthermore, the paint is fixed in the processing groove 3 formed by the blasting because the raw lacquer is well fixed, and the portion protruding from the processing surface 2 because the raw lacquer and the paint are applied to the processing groove 3. Since there is no problem, problems such as peeling are unlikely to occur.
[0029]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the decorating method according to the present invention, a processing groove is formed on a processing surface of a workpiece by blasting or the like, and gold powder, silver powder, pigment, Since the paint such as is applied, it is possible to perform decoration that hardly causes a problem such as peeling.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing a procedure of a decorating method according to the present invention.
FIG. 2 is a front view showing a processed surface of a workpiece to be decorated by the decorating method according to the present invention.
FIG. 3 is a table showing a relationship between a groove formed by blast processing by a powder injection nozzle and a blast injection material used in an embodiment according to the present invention.
4A and 4B are cross-sectional views of a workpiece formed by the decorating method according to the present invention, wherein FIG. 4A shows a state in which a paint is applied to a processing groove by using raw lacquer, and FIG. This is a state in which a protective layer is formed with raw lacquer.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Workpiece 2 Processing surface 3 Processing groove 4 Raw lacquer 5 Paint 6 Protective layer 10 Processing figure S1 First step S2 Second step S3 Third step S4 Fourth step
