[go: up one dir, main page]

JP2004134786A - 半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004134786A
JP2004134786A JP2003326019A JP2003326019A JP2004134786A JP 2004134786 A JP2004134786 A JP 2004134786A JP 2003326019 A JP2003326019 A JP 2003326019A JP 2003326019 A JP2003326019 A JP 2003326019A JP 2004134786 A JP2004134786 A JP 2004134786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
cladding layer
type
impurity
laser device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003326019A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichi Onishi
大西 俊一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003326019A priority Critical patent/JP2004134786A/ja
Publication of JP2004134786A publication Critical patent/JP2004134786A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

  【課題】 半導体レーザ装置において、クラッド層の内部で電流が拡散することによって生じる無効電流を低減して高出力動作が可能となるようにする。
  【解決手段】 n型基板11の上には、n型クラッド層12、活性層13、p型AlGaInPからなる第1のp型クラッド層14及びリッジ状のp型AlGaInPからなる第2のp型クラッド層16が順次形成されている。第1のp型クラッド層14にはMgが添加され且つ第2のp型クラッド層16にはZnが添加されることにより、第1のp型クラッド層14の抵抗率が第2のp型クラッド層16の抵抗率よりも大きくされている。
【選択図】    図1

Description

 本発明は、III-V族化合物半導体からなる半導体レーザ装置に関し、特に、低電圧で高出力動作が可能な半導体レーザ装置及びその製造方法に関する。
 デジタルヴァーサタイルディスク(DVD:Digital Versatile Disk)装置は、極めて高密度に情報を記録できることから、パーソナルコンピュータや映像音響機器の分野で急速に普及している。特に、書き込み又は書き換えが可能なDVD装置は、例えば大容量の外部記憶装置(例えば、いわゆるDVD−RやDVD−RAM)又はビデオテープレコーダに替わる次世代の映像記録装置(いわゆるDVDレコーダ)としてのさらなる普及が期待されている。
 このような書き込み又は書き換えが可能なDVD装置において、データの読み出し又は書き換えを行うためのピックアップ光源には、波長が約650nmの赤色光を放射する半導体レーザ装置が用いられている。近年では、DVD装置の書き込み速度を向上するため、半導体レーザ装置に100mWを超える高出力での動作が要求される。
 ここで、赤色光を放出する半導体レーザ装置において活性層及びクラッド層には、III 族元素にアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)のうちの少なくとも1つを含み、V族元素にリンを含むIII-V族化合物半導体であるAlGaInP系の化合物半導体が用いられている。
 図8は従来のAlGaInP系の化合物半導体からなる半導体レーザ装置の断面構成を示している。図8に示すように、従来の半導体レーザ装置は、ヒ化ガリウム(GaAs)からなるn型基板101、n型AlGaInPからなるn型クラッド層102、GaInPからなる井戸層とAlGaInPからなる障壁層とが交互に積層された多重量子井戸層103aとその上下に形成されたAlGaInPからなる光ガイド層103bとによって構成された活性層103、p型AlGaInPからなる第1のp型クラッド層104、p型GaInPからなるエッチングストップ層105、リッジ状に形成されたp型AlGaInPからなる第2のp型クラッド層106、p型GaInPからなる第1のコンタクト層107、第2のp型クラッド層106を挟むように形成されたn型AlInPからなる第1の電流ブロック層108、n型GaAsからなる第2の電流ブロック層109及びp型GaAsからなる第2のコンタクト層110によって構成されている。
 また、n型基板101の下側には該n型基板101とオーミック接触する金属材料からなるn側電極111が形成され、第2のコンタクト層109の上側には該第2のコンタクト層110とオーミック接触する金属材料からなるp側電極112が形成されている。
 従来の半導体レーザ装置において、n側電極111とp側電極112とに所定の電圧を印加することによりp側電極112から注入される電流成分は、リッジ状の第2のp型クラッド層106と第1の電流ブロック層108及び第2の電流ブロック層109とのpn接合により狭窄され、第2のp型クラッド層105から第1のp型クラッド層104を経て活性層103に到達し、活性層103に発光性の再結合が生じて井戸層のバンドギャップと対応する波長が約650nmのレーザ光が放出される。この際、第2のp型クラッド層106と、第1のp型クラッド層104、活性層103及びn型クラッド層102からなる積層構造が共振器となる。
 従来の半導体レーザ装置において、高出力で動作可能とするためには、第1のp型クラッド層104にp型不純物を高濃度に添加することが重要である。第1のp型クラッド層104の不純物濃度が低いと、n側電極111から活性層103に注入される電子が活性層103から第1のp型クラッド層104に流出(オーバーフロー)するため、しきい値電流及び動作電流が低下して十分な出力を得られない。
 しかし、第1のp型クラッド層104にp型不純物を高濃度に添加すると、p型不純物が活性層103に拡散して非発光性の再結合中心が形成されてしまうため、半導体装置の温度特性が劣化して信頼性が低下する。
 そこで、活性層103と第1のp型クラッド層104との間にアンドープのスペーサ層を設けることにより、p型不純物の活性層103への拡散を防止して第1のp型クラッド層104に高濃度のp型不純物を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
 また、第1のp型クラッド層104及び第2のp型クラッド層106に拡散係数が小さいマグネシウム(Mg)を添加することにより、p型不純物が活性層103に拡散され難くなるため、各半導体層のp型不純物濃度を大きくすることができる。
特開2000−286507号公報 特開平11−284280号公報 特開平10−290043号公報
 しかしながら、前記従来の半導体レーザ装置は、リッジ状の第2のp型クラッド層106において狭窄された電流が、第1のp型クラッド層104を通過する際に、第1のp型クラッド層104の内部を拡散されながら活性層103に到達するため、第1のp型クラッド層104における第2のp型クラッド層105の下側部分以外の領域にも拡散してしまう。従って、活性層103において、第2のp型クラッド層105の下側部分以外の領域では、レーザ光を発振するために十分な電流密度を得られない。
 このように、前記従来の半導体レーザ装置は、活性層の上に形成されたクラッド層の内部において電流が拡散することにより無効電流が生じているため、発光効率が低下してしきい値電流及び動作電流が増大するので、高出力を得られないという問題を有している。
 特に、第1のp型クラッド層104の不純物濃度を高くして電子のオーバーフローを抑制しようとすると、第1のp型クラッド層104の電気伝導性が高くなるため、第1のp型クラッド層104と平行な方向にも電流が拡散しやすくなるので無効電流が増大してしまう。
 本発明は、前記従来の問題を解決し、半導体レーザ装置において、クラッド層の内部で電流が拡散することによって生じる無効電流を低減して高出力動作が可能となるようにすることを目的とする。
 前記の目的を達成するため、本発明は、活性層の上に形成されたクラッド層において、抵抗率が大きくなるように不純物を添加する構成とする。
 具体的に、本発明に係る半導体レーザ装置は、活性層と、活性層の上に形成された第1のクラッド層とを備え、第1のクラッド層は、抵抗率が大きくなるように第1の不純物が添加されている。
 本発明の半導体レーザ装置によると、第1のクラッド層の抵抗率が大きくなるように第1の不純物が添加されているため、半導体レーザ装置の駆動電流が第1のクラッド層の内部を拡散し難くなるので、無効電流が低減されて活性層に効率良く電流が注入されることとなり、高出力動作が可能となる。
 本発明の半導体レーザ装置において、第1のクラッド層の上に形成された第2のクラッド層をさらに備え、第2のクラッド層は、第1のクラッド層よりも抵抗率が小さくなるように第2の不純物が添加されていることが好ましい。
 このようにすると、半導体レーザ装置の直列抵抗を低減することができるため、半導体レーザ装置のしきい値電流及び動作電流を低減して高出力に動作することが可能となる。
 本発明の半導体レーザ装置において、第1のクラッド層及び第2のクラッド層は移動度がほぼ同一の化合物半導体からなることが好ましい。
 このようにすると、第1のクラッド層及び第2のクラッド層において、添加する不純物の違いによりその抵抗率を設定することができ、第1のクラッド層の抵抗率を第2のクラッド層の抵抗率よりも大きくすることができる。
 本発明の半導体レーザ装置において、第1のクラッド層及び第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、第1の不純物はマグネシウムであり、第2の不純物は亜鉛であることが好ましい。
 このようにすると、マグネシウムは、亜鉛と比べて、リンを含む化合物半導体のキャリア移動度を低下する程度が大きいドーパントであるため、第1のクラッド層の抵抗率が第2のクラッド層よりも大きくなる。
 この場合に、第1のクラッド層における第1の不純物の濃度は、5×1016cm-3以上且つ1×1018cm-3以下であることが好ましい。このようにすると、第1のクラッド層の抵抗率を大きくしながらも第1の不純物の活性層への拡散を確実に抑制することができる。
 本発明の半導体レーザ装置において、第1のクラッド層は第3の不純物をも含むことが好ましい。
 このようにすると、2種類の不純物を用いることにより、第1のクラッド層における不純物濃度を大きくすることができるため、活性層に注入されたキャリアが第1のクラッド層にオーバーフローすることを抑制することができるので、半導体レーザ装置の温度特性を向上することができる。
 本発明の半導体レーザ装置において、第1のクラッド層及び第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、第1の不純物はマグネシウムであり、第2の不純物及び第3の不純物は共に亜鉛であることが好ましい。
 この場合に、第1のクラッド層における第1の不純物と第3の不純物を合わせた濃度は、1×1018cm-3以上且つ5×1018cm-3以下であることが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置において、第1のクラッド層及び第2のクラッド層はヒ素を含む化合物半導体からなり、第1の不純物は炭素であり、第2の不純物は亜鉛であることが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置において、第2のクラッド層は、第1のクラッド層の上にリッジ状に形成されていることが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置において、第2のクラッド層は、その下部がストライプ状に形成されていることが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、基板上に活性層を形成する工程と、活性層の上に第1の不純物を添加しながら第1のクラッド層を形成する工程とを備え、第1のクラッド層を形成する工程において、第1のクラッド層の抵抗率が大きくなるように第1の不純物を添加する。
 本発明の半導体レーザ装置の製造方法によると、第1のクラッド層の抵抗率が大きくなるように第1の不純物を添加しているため、第1のクラッド層の内部を拡散する電流成分が低減されるので、高出力動作が可能な半導体レーザ装置を得ることができる。
 本発明の半導体レーザ装置の製造方法において、第1のクラッド層の上に第2の不純物を添加しながら第2のクラッド層を形成する工程をさらに備え、第2のクラッド層を形成する工程において、第2のクラッド層の抵抗率が第1のクラッド層の抵抗率よりも小さくなるように第2の不純物を添加することが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置の製造方法において、第1のクラッド層及び第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、第1の不純物はマグネシウムであり、第2の不純物は亜鉛であることが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置の製造方法において、第1のクラッド層を形成する工程は、第1の不純物に加えて第3の不純物をも添加することが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置の製造方法において、第1のクラッド層及び第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、第1の不純物はマグネシウムであり、第2の不純物及び第3の不純物は共に亜鉛であることが好ましい。
 本発明の半導体レーザ装置及びその製造方法によると、活性層の上に形成されたクラッド層の内部で電流が拡散し難くなるため、電流ブロック層により狭窄された電流成分がクラッド層を通過する際に狭窄部分の側方に拡散することが抑制されるので、無効電流を低減することができる。これにより、電流ブロック層により狭窄された電流が活性層に高密度に注入されるため、半導体レーザ装置のしきい値電流及び動作電流を低減することができ、低電圧で高出力の動作が可能となる。
 本発明の各実施形態は、活性層と、活性層の上に第1のクラッド層と第2のクラッド層とが順次形成された半導体レーザ装置に関し、第1のクラッド層の抵抗率を大きくすることにより、第1のクラッド層での電流の拡散を抑制する。まず、各実施形態に共通する概念について図面を参照しながら説明する。
 本明細書において、AlGaInPとは、III 族元素にアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)のうちの少なくとも1つを含み、且つV族元素にリン(P)を含む化合物のことである。また、AlGaInPにおいてAlを含まない場合を特にGaInPと表し、Gaを含まない場合を特にAlInPと表す。また、AlGaAsとは、III 族元素にAl及びGaのうちの少なくとも1つを含み、且つV族元素にヒ素(As)を含む化合物のことである。
 図1は、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、p型ドーパントを添加しながら形成したAlGaInPからなる半導体層(AlGaInP層)について、添加されるp型ドーパントの濃度と、形成されるAlGaInP層の抵抗率との関係を測定した実験結果を示すグラフである。図1において、p型ドーパントに亜鉛(Zn)を用いた場合のデータを四角(□)で表し、マグネシウム(Mg)を用いた場合のデータを丸(○)で表している。
 ここで、図1に示す実験結果は、III 族化合物の原料ガスとして、トリエチルガリウム(TEG)、トリメチルアルミニウム(TMA)及びトリメチルインジウム(TMI)を用い、V族化合物の原料ガスとしてホスフィン(PH3 )及びアルシン(AsH3 )を用い、p型不純物の原料ガスとして、ジメチル亜鉛(Zn(CH32)又はビスシクロペンタジエニルマグネシウム((C552 Mg)ている。また成長条件として、原料ガスの圧力を約1.0×104 Pa(約76Torr)とし、基板温度を約750℃としている。
 図1に示すように、AlGaInP層において、Zn及びMgのうちのいずれのp型ドーパントを用いた場合であっても、ドーピング濃度が高くなるのに伴って抵抗率は低下する。一般に、半導体の抵抗率は移動度とキャリア濃度との積に反比例する。ここで、移動度は半導体材料の組成によってほぼ決定される値であり、また、キャリア濃度はドーピング濃度の増加に伴い上昇する。半導体層内をキャリアが走行する際に、不純物によるキャリアの散乱が生じるため、AlGaInP層のキャリア濃度が大きくなると抵抗率が低下する。
 図1から明らかなように、亜鉛(Zn)を添加した場合とマグネシウム(Mg)を添加した場合とを同じ濃度について比較すると、Znを添加した場合の方が抵抗率が小さくなることが分かる。これは、AlGaInP層の内部をキャリアが走行する際に、Znが添加されている場合と比べて、Mgが添加されている場合の方がAlGaInP層の移動度が低下することによる。
 ところで、III-V族化合物半導体を半導体レーザ装置に用いる場合、半導体レーザ装置を構成する各半導体層の化合物組成及びドーピング濃度は、半導体レーザ装置が所望の電気的特性を実現できるように所定の値に設定される。従って、化合物組成及びドーピング濃度を変更すると半導体レーザ装置の電気的特性が劣化してしまうため、化合物組成及びドーピング濃度を変更して抵抗率が所望の値となるように調整することは困難である。
 しかし、図1を用いて説明したように、ドーパント種を選択することによってAlGaInP層の抵抗率の値を調節することが可能であることが明らかである。以下の各実施形態の半導体レーザ装置では、移動度がほぼ同一の化合物半導体からなる第1のp型クラッド層及び第2のp型クラッド層のそれぞれに用いるドーパント種を選択することにより、化合物組成及びドーピング濃度を変更しなくても抵抗率を調節できるようにしている。
 なお、図1に示す実験結果では、Znを添加する場合の方がMgを添加する場合よりもAlGaInP層の抵抗率が小さくなるが、成長条件によっては、Mgを添加する場合の方がZnを添加する場合よりもAlGaInP層の抵抗率が小さくなることもある。
 また、図1では、AlGaInPからなる半導体層のドーパントについて説明したが、AlGaAsからなる半導体層については、炭素(C)と亜鉛(Zn)とを比較すると、炭素を添加した場合の方が抵抗率が大きくなる。
 (第1の実施形態)
 以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
 図2は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の構成断面を示している。図2において、矢印は半導体レーザ装置の駆動時における電流の移動経路を示している。
 図2に示すように、厚さが約100μmのヒ化ガリウム(GaAs)からなるn型基板11の上には、膜厚が約2μmのn型 Al0.35Ga0.15In0.5Pからなるn型クラッド層12、アンドープのAlGaInPからなる多重量子井戸構造を有する活性層13、膜厚が約0.2μmのp型Al0.35Ga0.15In0.5P からなる第1のp型クラッド層14及び膜厚が約10nmのp型 Ga0.5In0.5P からなるエッチングストップ層15が順次結晶成長されている。また、エッチングストップ層15の上には、膜厚が約1μmのp型 Al0.35Ga0.15In0.5Pからなり、リッジ状に形成された第2のp型クラッド層16と膜厚が約50nmのp型Ga0.5In0.5Pからなる第1のコンタクト層17が形成されている。
 エッチングストップ層15の上側における第2のp型クラッド層16及び第1のコンタクト層17の側方部分には、第2のp型クラッド層16及び第1のコンタクト層17の壁面に沿って、膜厚が約0.3μmのn型Al0.5In0.5Pからなる第1の電流ブロック層18及び膜厚が約0.3μmのn型GaAsからなる第2の電流ブロック層19が順次積層されている。さらに、第1のコンタクト層17及び第2の電流ブロック層19の上には膜厚が約3μmのp型GaAsからなる第2のコンタクト層20が形成されている。
 また、n型基板11の下側には、例えばAu、Ge及びNiを含む合金からなり、n型基板11とオーミック接触する金属材料からなるn側電極21が形成されており、第2のコンタクト層20の上側には、Cr、Pt及びAuを含む合金からなり、第2のコンタクト層20とオーミック接触する金属材料からなるp側電極22が形成されている。
 ここで、活性層13は、Ga0.5In0.5Pからなる膜厚が約6nmの井戸層及びAl0.25Ga0.25In0.5P からなる膜厚が約5nmの障壁層が交互に積層された多重量子井戸層13aと、該多重量子井戸層13aを上下に挟む膜厚が約30nmのAl0.25Ga0.25In0.5P からなる光ガイド層13bとによって構成されている。
 n型クラッド層12、第1のp型クラッド層14及び第2のp型クラッド層16は、活性層13を構成する半導体層と比べてバンドギャップが大きい半導体材料により構成されており、活性層13にキャリアが閉じ込められる。AlGaInP系の半導体材料では、Alの組成を相対的に大きくすることによりバンドギャップを大きくすることができる。なお、第1のp型クラッド層及び第2のp型クラッド層には組成が同一の化合物半導体を用いているが、活性層13を構成する半導体層と比べてバンドギャップが大きくなるようにそれぞれのAlとGaとの組成比を調整してもよい。
 第1の実施形態の半導体レーザ装置は、第2のp型クラッド層16がリッジ状に形成されることにより、n型クラッド層12、活性層13、第1のp型クラッド層14及びエッチングストップ層15における第2のp型クラッド層16の下側部分と第2のp型クラッド層16とが導波路となるいわゆるリッジストライプ型導波路構造である。また、第1の電流ブロック層18にAlInPを用いることにより、実屈折率型の導波路としている。
 エッチングストップ層15は、第2のp型クラッド層16をリッジ状に形成する際に第1のp型クラッド層14がエッチングされないように、第2のp型クラッド層16とのエッチング選択比が大きくなるようにAlの組成が小さい半導体材料により構成されている。
 また、第2のコンタクト層20は金属材料とのオーミック接触が容易となるようにGaAsが用いられ、第1のコンタクト層17は第2のp型クラッド層16と第2のコンタクト層20とバンド不連続を緩和する。
 前述のように構成された半導体レーザ装置の各層における具体的なドーパント種及びドーパント濃度を表1に示す。
Figure 2004134786
 表1に示すように、第1の実施形態の半導体レーザ装置において、p型ドーパントとして、第1のp型クラッド層14及びエッチングストップ層15にはマグネシウム(Mg)が添加され、第2のp型クラッド層16、第1のコンタクト層17及び第2のコンタクト層20には亜鉛(Zn)が添加されている。また、第1のp型クラッド層14のドーピング濃度は約5×1017cm-3であり、第2のp型クラッド層16のドーピング濃度は約1×1018cm-3である。また、n型のドーパントには濃度が約1×1018のシリコン(Si)を用いている。
 また、第2のコンタクト層20のドーパントにZnを用いている。これは、AlGaAs系の半導体のドーパントとしてMgを用いると、Mg原料の供給を開始しても半導体にMgが添加されないドーピング遅れと呼ばれる不具合又はMg原料の供給を停止した後にも半導体にMgが添加されるメモリ効果と呼ばれる不具合が生じて所定のドーピング濃度を得られないためである。なお、AlGaInP系の半導体からなる各半導体層のドーパントにMgを用いてもドーピング遅れ及びメモリ効果が生じることはなく、所望のドーピング濃度を得られる。
 第1の実施形態の半導体レーザ装置は、n側電極21とp側電極22との間に所定の電圧を印加することにより、p側電極から注入された正孔が第1の電流ブロック層18及び第2の電流ブロック層19と第2のp型クラッド層16とのpn接合により狭窄されて、第1のp型クラッド層14を経て活性層13に到達する。これにより、活性層13における第2のp型クラッド層16の下側部分で高密度に正孔が注入され、n側電極21から注入される電子との発光性の再結合が生じて、井戸層のバンドギャップと対応する波長が約650nmのレーザ光を発振する。
 第1の実施形態の特徴は、第1のp型クラッド層14に添加するドーパント(第1の不純物)としてMgを用い、第2のp型クラッド層16に添加するドーパント(第2の不純物)としてZnを用いることにある。
 すなわち、図1を用いて説明したように、AlGaInPからなる半導体層において、p型不純物がキャリアを散乱する効果はZnよりもMgの方が大きいため、第1の実施形態の半導体装置では、第1のp型クラッド層14の抵抗率が、Znを用いた場合よりも大きくなる。
 以下に、第1のp型クラッド層14の抵抗率を上昇することによる効果について図面を参照しながら説明する。
 図3は、第1の実施形態の半導体レーザ装置において、第1のp型クラッド層14の抵抗率を変更した場合の半導体レーザ装置のしきい値電流の変化を示している。図3において、横軸は第1のp型クラッド層14の抵抗率を表し、縦軸は半導体レーザ装置のしきい値電流を示している。
 図3に示すように、第1のp型クラッド層14の抵抗率が大きくなるほど半導体レーザ装置のしきい値電流が小さくなることが明らかである。これは、第1のp型クラッド層14の抵抗率が大きくなることにより、第1のp型クラッド層14の内部で電流が拡散し難くなるため、第2のp型クラッド層16から活性層13に到達する電流成分の経路のうち、第1のp型クラッド層14における第2のp型クラッド層16の外側部分を通る電流成分が減少するので、第2のp型クラッド層16の下側部分の電流密度が増大し、活性層13に効率良く電流が注入されるようになるためである。
 つまり、図2において矢印で示すように、第1の電流ブロック層18及び第2の電流ブロック層19により狭窄された電流は、第2のp型クラッド層16から、第1のp型クラッド層14の内部でほとんど拡散されることがなく活性層13における第2のp型クラッド層16の下側部分に到達する。
 これにより、活性層13における第2のp型クラッド層16の下側部分で効率良く発光性の再結合が生じるため、半導体レーザ装置のしきい値電流及び動作電流が低下し、高出力の半導体レーザ装置が実現可能である。
 ここで、エッチングストップ層15にはMgが高濃度に添加されているが、その膜厚は約10nmであり極めて薄いため、不純物濃度を高くしても電流の側方への拡散はほとんど生じない。
 また、AlGaInP系の半導体材料では、Znを添加する方がMgを添加するよりもキャリアの移動度が大きくなるため、第2のp型クラッド層16にZnを添加して低抵抗化が可能であり、半導体レーザ装置の直列抵抗を小さくすることができる。
 具体的に、第1の実施形態の半導体レーザ装置では、AlGaInPからなる第1のp型クラッド層14に濃度が約5×1017cm-3のMgを添加することにより、その抵抗率が約0.3Ωcmとなるように設定されている。このとき半導体レーザ装置のしきい値は、図3に示すように、40mAよりも小さい値となり、環境温度が約70℃の条件においても出力が飽和することなく、120mWもの高出力で動作可能である。
 なお、第1のp型クラッド層14に添加するMgの濃度は5×1016cm-3〜1×1018cm-3程度にすることが好ましい。Mgの濃度が5×1016cm-3よりも小さいと第1のp型クラッド層14における電子に対する電位障壁を十分に確保することができず、n側電極から注入された電子が、活性層13から第1のp型クラッド層14にオーバーフローしてしまう。また、Mgの濃度が1×1018cm-3よりも大きいと、第1のp型クラッド層14から活性層13への拡散し、活性層13の結晶性が劣化して半導体レーザ装置の信頼性が低下するおそれがある。
 以上説明したように、第1の実施形態の半導体レーザ装置によると、第1のp型クラッド層14が相対的に高抵抗に形成されているため、第1のp型クラッド層14において側方への電流の拡散が生じにくい。これにより、半導体レーザ装置のしきい値電流及び動作電流が低下し、温度特性が向上すると共に高出力の動作が可能となる。
 なお、第1の実施形態では第1のp型クラッド層14にMgを用い、第2のp型クラッド層16に亜鉛を用いているが、このような構成に限られず、第1のp型クラッド層14及び第2のp型クラッド層16に用いる不純物は、それぞれ、第1のp型クラッド層14においてはキャリアを散乱する効果が相対的に大きく、第2のp型クラッド層16においてはキャリアを散乱する効果が相対的に小さくなるような組み合わせであればよい。このようにすると、第1のp型クラッド層14の抵抗率を大きくして第1のp型クラッド層14における電流の拡散を防止できると共に、第2のp型クラッド層16の抵抗率を小さくして半導体レーザ装置の直列抵抗を低減することができる。
 また、第1のp型クラッド層14の厚さ方向の全体にわたってMgが添加される必要はなく、第1のp型クラッド層14の下部にはMgをドーピングし、上部にはZnをドーピングするように構成してもよい。このようにしても、第1のp型クラッド層14の上部では電流が拡散するが、下部においては電流の拡散を抑制することができるため、Znのみを厚さ方向の全体にわたって添加する場合と比べて高密度の電流が活性層13に注入される。
 また、第1の実施形態において、n型基板11に換えて、p型GaAsからなる基板を用いてもよい。
 また、第1の実施形態ではAlGaInPからなる各半導体層において、n型基板11と格子整合するためにInの組成を約0.5としているが、Inの組成が0.45以上0.55以下の範囲にあればよい。このようにすると、AlGaInPからなる各半導体層を、n型基板11を構成するGaAsに対して格子整合するように形成することができる。
 また、第1の電流ブロック層18の構成材料にAlInPに換えてGaAsを用いることにより、複素屈折率型の導波構造としてもよい。
 また、活性層13は、多重量子井戸層13aを用いる構成に限られず、GaInPからなる井戸層を1層のみ形成する単一量子井戸構造の活性層又は単一構造のバルク活性層であってもよい。
 (第1の実施形態の製造方法)
 以下、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
 図4(a)、図4(b)、図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法における工程順の断面構成を示している。なお、図4(a)、図4(b)、図5(a)及び図5(b)において、図1と同一の構成部材はと同一の符号を付すことにより説明を省略する。
 まず、図4(a)に示すように、n型基板11の上に、例えば有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により、n型クラッド層12、活性層13、第1のp型クラッド層14、エッチングストップ層15、第2のp型クラッド層形成層16A、第1のコンタクト層形成層17A及びGaAsからなるキャップ層31を順次成長する。ここで、キャップ層31により、次のフォトリソグラフィ工程に移行するまでの間に第1のコンタクト層形成層17Aの表面が酸化されることを防止できる。
 MOCVD法による各半導体層の形成工程おいて、III 族化合物の原料ガスとして、トリエチルガリウム(TEG)、トリメチルアルミニウム(TMA)及びトリメチルインジウム(TMI)、V族化合物の原料ガスとしてホスフィン(PH3 )及びアルシン(AsH3 )を用い、これらの原料ガスを、水素をキャリアガスとして石英からなる反応管に導入する。反応管内圧力が約1.0×104 Pa(約76Torr)、基板温度が約750℃の条件下において、供給する原料ガスの種類と供給量とを適宜切り替えることにより各半導体層を順次結晶成長させる。また、各半導体層の結晶成長中に、p型不純物の原料ガスとして、例えばジメチル亜鉛(Zn(CH32)又はビスシクロペンタジエニルマグネシウム((C552 Mg)を導入することにより、所望のp型不純物を半導体層中に添加できる。
 次に、図4(b)に示すように、キャップ層31をエッチング除去した後、CVD法により第1のコンタクト層形成層17Aの上にマスクパターン形成用のシリコン酸化膜を形成し、形成したシリコン酸化膜をフォトリソグラフィ法及びドライエッチング法によりパターニングしてストライプ状のマスクパターン32を形成する。
 次に、図5(a)に示すように、マスクパターン32を用いたエッチングにより、第1のコンタクト層形成層17A及び第2のp型クラッド層形成層16Aを順次選択的に除去することにより、第2のp型クラッド層形成層16Aからリッジ状の第2のp型クラッド層16を形成し、第1のコンタクト層形成層17Aから第2のp型クラッド層16の上面を覆う第1のコンタクト層17を形成する。
 ここで、第1のコンタクト層17に対するエッチング剤として、例えば塩酸系のエッチング剤を用いればよい。また、第2のp型クラッド層16に対する選択的エッチングは、GaInPに対するAlGaInPのエッチング選択比が大きいエッチング剤として、例えば硫酸系のエッチング剤を用いることにより、下層であるエッチングストップ層15はほとんどエッチングされない。これにより、第2のp型クラッド層16をリッジ状に形成することができる。
 次に、図5(b)に示すように、MOCVD法により、エッチングストップ層15の上に、第2のp型クラッド層16及び第1のコンタクト層17の側面とマスクパターン32の上面とを含むように、第1の電流ブロック層18及び第2の電流ブロック層19を順次結晶成長した後、マスクパターン32に対するリフトオフを行って、第1の電流ブロック層18及び第2の電流ブロック層19におけるマスクパターン32の上側部分をマスクパターン32と同時に除去して第1のコンタクト層17を露出する。
 その後、MOCVD法により、第1のコンタクト層17及び第2の電流ブロック層19上に第2のコンタクト層20を結晶成長した後、例えば電子線蒸着法により、n型基板11の下側に金属材料を蒸着してn側電極21を形成し、同様に第2のコンタクト層20の上側に金属材料を蒸着してp側電極22を形成する。これにより、図1に示す第1の実施形態の半導体レーザ装置が完成する。
 第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の特徴は、第1のp型クラッド層14の抵抗率が第2のp型クラッド層16の抵抗率よりも大きくなるように互いに異なる不純物を添加することにあり、第1のp型クラッド層14の形成にはMgを添加しながら行い、第2のp型クラッド層16の形成時にはZnを添加しながら行う。
 なお、各半導体層の形成はMOCVD法に限られず、分子線エピタキシ(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法を用いてもよい。
 (第1の実施形態の第1変形例)
 以下、第1の実施形態の第1変形例に係る半導体レーザ装置について説明する。
 第1の実施形態の第1変形例の半導体レーザ装置は図2に示す第1の実施形態の半導体レーザ装置と同一の構成であり、第1のp型クラッド層14に添加するドーパントを、Znに加えてMgをも添加する点が異なっている。なお、各半導体層の化合物組成及び膜厚は表1に示すそれぞれの化合物組成及び膜厚と同一であり、第1のp型クラッド層14を除く各半導体層のドーパント及びドーピング濃度は表1に示すそれぞれのドーパント及びドーピング濃度と同一である。以下の説明では第1の実施形態との差異について説明する。
 第1の実施形態の第1変形例の半導体レーザ装置では、第1のp型クラッド層14のドーパントとして、Mgに加えて、第3の不純物としてZnがさらに添加されている点が第1の実施形態と異なっている。なお、第1のp型クラッド層14において、ZnとMgと合わせたp型不純物の濃度が約1×1018cm-3であり、それぞれの濃度が約5×1017cm-3となるように、すなわち、ZnとMgとの混合比が1:1となるように添加されている。
 AlGaInP系の半導体にMgとZnとが1:1の混合比で添加されている場合、AlGaInP層の移動度は、キャリアの散乱効果が大きいMgのみを添加した場合と比べてわずかに上昇する程度である。これは、半導体材料中に複数の不純物が存在する場合、不純物によるキャリアの散乱は、その効果が相対的に大きいドーパント種の濃度が反映されるためである。つまり、AlGaInPからなる半導体にp型ドーパントとしてZnとMgとを添加する場合、キャリアの散乱の効果はほぼMgの濃度によって決まると言える。従って、第1のp型クラッド層14の抵抗率は、濃度が約5×1017cm-3のMgを添加する場合とほぼ同じ値となる。
 さらに、MgとZnとを約1×1018cm-3という高い濃度で第1のp型クラッド層14に添加することにより、第1のp型クラッド層14の活性層に対する電位障壁を大きくすることができるため、活性層13に注入された電子が第1のp型クラッド層14にオーバーフローすることを効果的に抑制できる。ここで、Znの濃度は約5×1017cm-3と十分に小さいため、第1のp型クラッド層14から活性層13へのZnの拡散が抑制されている。また、Mgは拡散係数が小さいドーパントであるため第1のp型クラッド層14から活性層13へのMgの拡散が抑制されている。このように、2種類のドーパントを用いることにより、第1のp型クラッド層14のドーピング濃度を第1の実施形態よりも大きくしても、活性層13に拡散する不純物の量はほとんど増大しない。
 以上説明したように、第1の実施形態の第1変形例の半導体レーザ装置によると、第1のp型クラッド層14のドーパントとして、キャリアを散乱する効果が相対的に大きいドーパントであるMgに加えて、キャリアを散乱する効果がMgよりも小さいドーパントであるZnが添加されているため、高い抵抗率を確保しながらも、2種類のドーパントを用いて活性層13の電位障壁を第1の実施形態よりも大きくすることができ、半導体レーザ装置の信頼性を向上することが可能である。
 なお、第1の実施形態の第1変形例において、第1のp型クラッド層14に添加するMgとZnとの混合比は1:1に限られない。例えば、Mgの比率を大きくすることにより、第1のp型クラッド層14の抵抗率を大きくして電流の拡散をさらに抑制できるようにしてもよい。
 また、MgとZnとを合わせたp型不純物の濃度は1×1018cm-3以上且つ5×1018cm-3以下の範囲であることが好ましい。MgとZnとを合わせたp型不純物の濃度を1×1018cm-3以上とすることにより、第1の実施形態よりも電子のオーバーフローを抑制する効果が高くなる。また、5×1018cm-3以上とすると、第1のp型クラッド層14から活性層13にp型不純物が拡散し、半導体レーザ装置の信頼性が低下する。
 また、第1の実施形態の第1変形例において、第1のp型クラッド層14に添加する不純物は、MgとZnとの組み合わせに限られず、いずれかの不純物が、第2のp型クラッド層16に添加される不純物よりもキャリアを散乱する効果が大きい不純物であればよい。このようにすると、第1のp型クラッド層14の抵抗率を大きくして第1のp型クラッド層14における電流の拡散を防止できると共に、第2のp型クラッド層16の抵抗率を小さくして半導体レーザ装置の直列抵抗を低減することができる。
 (第1の実施形態の第2変形例)
 以下、第1の実施形態の第2変形例に係る半導体レーザ装置について図面を参照しながら説明する。
 図6は第1の実施形態の第2変形例に係る半導体レーザ装置の断面構成を示している。なお、図6において図1と同一の構成部材については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
 図6に示すように、n型基板11の上には、n型クラッド層12、多重量子井戸構造を有する活性層13、第1のp型クラッド層14及びエッチングストップ層15が順次結晶成長されている。エッチングストップ層15の上には、ストライプ状の溝部が形成された膜厚が約0.3μmのn型Al0.5In0.5Pからなる電流ブロック層41と、該電流ブロック層41の上に溝部を埋めるようにその下部がストライプ状に形成された膜厚が約2μmのp型Al0.35Ga0.15In0.5P からなる第2のp型クラッド層42とが形成されている。また、第2のp型クラッド層42の上には、膜厚が約50nmのp型Ga0.5In0.5Pからなる第1のコンタクト層43及び第2のコンタクト層20が順次積層されており、n型基板11の下側にはn側電極21が形成され、第2のコンタクト層20の上側にはp側電極22が形成されている。
 第1の実施形態の第2変形例に係る半導体レーザ装置は、クラッド層の内部に電流ブロック層が形成された、いわゆる内部ストライプ型の導波路構造を有する半導体レーザ装置として形成されており、n側電極21とp側電極22との間に所定の電圧を印加することにより、p側電極から注入された電流が電流ブロック層41により狭窄されて活性層13に到達し、発光性の再結合が生じて活性層13の井戸層のバンドギャップと対応する波長が約650nmのレーザ光を発振する。
 ここで、第1の実施形態では第2のp型クラッド層16がリッジ状に形成するため、その膜厚がリッジ上部の幅により制限されるのに対し、第1の実施形態の第2の変形例では内部ストライプ型の導波路構造とすることにより、第2のp型クラッド層42の膜厚を大きくすることができる。これにより、活性層13と第2のコンタクト層20との間の距離を大きくすることができるため、活性層13から発振されたレーザ光がGaAsからなる第2のコンタクト層20によって吸収されることによる吸収損失を低減することができる。
 第1の実施形態の第2変形例に係る半導体レーザ装置において、第1のp型クラッド層14には濃度が約5×1017cm-3のMgが添加され、第2のp型クラッド層42には濃度が約1×1018cm-3のZnが添加されているため、第1のp型クラッド層14の抵抗率を大きくしてその内部を拡散することによって発生する無効電流を低減できると共に、第2のp型クラッド層42のドーピング濃度を大きくして半導体レーザ装置の直列抵抗を低減することが可能となる。
 なお、第1のp型クラッド層14のドーパントとしてMgのみを用いる構成に限られず、MgとZnとを混合して用いてもよい。第1のp型クラッド層14にZnとMgとを添加することにより、第1のp型クラッド層14に高い抵抗率を確保しながらも、活性層13の電子に対する電位障壁を大きくすることが可能となり、半導体レーザ装置の信頼性が向上する。
 (第2の実施形態)
 以下、第2の実施形態に係る半導体レーザ装置について図面を参照しながら説明する。
 図7は第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面構成を示している。なお、図7において図1と同一の構成部材については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
 図7に示すように、厚さが約100μmのn型GaAsからなるn型基板51の上には、厚さが約2.5μmのn型Al0.5Ga0.5Asからなるn型クラッド層52、多重量子井戸構造を有する活性層53、膜厚が約0.1μmのp型Al0.5Ga0.5Asからなる第1のp型クラッド層54、膜厚が約10nmのp型Al0.2Ga0.8Asからなるエッチングストップ層55及び膜厚が約1μmのp型Al0.5Ga0.5Asからなり、リッジ状に形成された第2のp型クラッド層56が順次結晶成長されている。第2のp型クラッド層56の側面上を含むエッチングストップ層55の上には、膜厚が約0.7μmのn型Al0.6Ga0.4Asからなる電流ブロック層57が形成されており、該電流ブロック層57及び第2のp型クラッド層56の上には厚さが約3μmのp型GaAsからなるコンタクト層58が形成されている。
 また、n型基板51の下側には、例えばAu、Ge及びNiを含む合金からなり、n型基板51とオーミック接触するn側電極59が形成されており、コンタクト層58の上側には、Cr、Pt及びAuを含む合金からなり、コンタクト層58とオーミック接触するp側電極60が形成されている。
 ここで、活性層53は、アンドープのGaAsからなる膜厚が約3nmの井戸層及びアンドープのAl0.3Ga0.7Asからなる膜厚が約8nmの障壁層が交互に積層された多重量子井戸層53aと、該多重量子井戸層53aを上下に挟むAl0.3Ga0.7Asからなり膜厚が約20nmの光ガイド層53bとによって構成されている。
 第2の実施形態の半導体レーザ装置において活性層53は780nmの波長に対応するバンドギャップを持つ量子井戸構造を有し、電流ブロック層57の間を通過した電流が活性層53に到達すると、発振波長が780nmのレーザ光を放射する。
 前述のように構成された半導体レーザ装置の各層における具体的なドーパント種及びドーパント濃度を表2に示す。
Figure 2004134786
 表2に示すように、第2の実施形態の半導体レーザ装置において、p型ドーパントは、第1のp型クラッド層54には炭素(C)が用いられ、エッチングストップ層55、第2のp型クラッド層56及びコンタクト層58には亜鉛(Zn)を用いている。また、第1のp型クラッド層54のドーピング濃度は約1×1018cm-3であり、第2のp型クラッド層56のドーピング濃度は約2×1018cm-3である。また、n型のドーパントには濃度が約1×1018のシリコン(Si)を用いている。
 第2の実施形態の特徴として、第1のp型クラッド層54に添加するドーパント(第1の不純物)として炭素を用い、第2のp型クラッド層56に添加するドーパント(第2の不純物)としてZnを用いる。これにより、第1のp型クラッド層54の抵抗率が第2のp型クラッド層56の抵抗率よりも大きくなるため、半導体レーザ装置の直列抵抗を増大させることなく第1のp型クラッド層54に生じる横方向の無効電流を低減することが可能となる。これは、AlGaAs系の半導体において、炭素が添加された場合とZnが添加された場合とで、半導体のキャリア移動度に与える影響が炭素の方が大きいためである。
 従って、第1の実施形態と同様に、第1のp型クラッド層54に注入されるキャリアがその内部を拡散し難くなるため、活性層53に効率良く電流が注入されると共に、第2のp型クラッド層56に2×1018cm-3という高い濃度に添加してその抵抗率を小さくすることが可能である。これにより、半導体装置のしきい値電流及び動作電流を低減することができ、高出力の半導体装置を得られる。
 なお、AlGaAs系の半導体では、p型不純物にMgを用いると、Mg原料の供給を開始しても半導体にMgが添加されないドーピング遅れと呼ばれる不具合又はMg原料の供給を停止した後にも半導体にMgが添加されるメモリ効果と呼ばれる不具合が生じて所定のドーピング濃度を得られないため、第2の実施形態ではp型不純物にMgを用いていない。
 また、第2の実施形態において、第1のp型クラッド層54に添加されるp型不純物は、炭素のみを用いる構成に限られず、炭素に加えて、第3の不純物としてZnをも用いてもよい。このようにすると、第1のp型クラッド層54の抵抗率を相対的に高くしながらもその不純物濃度を高くすることができるため、活性層53から第1のp型クラッド層54への電子のオーバーフローを効果的に防止することができる。
 また、第2の実施形態において、第2のp型クラッド層56を第1のp型クラッド層の上にリッジ状に形成するリッジストライプ型の導波路を有する構成に限られず、内部ストライプ型の導波路を有する構成としてもよい。具体的には、第1のp型クラッド層54の上にストライプ状の溝部を有する電流ブロック層を形成し、電流ブロック層の溝部を埋めるように第2のp型クラッド層56をその下部がストライプ状となるように形成すればよい。
本発明の各実施形態に共通する概念を説明するグラフであって、AlGaInPからなる半導体層のドーピング濃度と抵抗率との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す構成断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置における第1のp型クラッド層の抵抗率としきい値電流との関係を示すグラフである。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体レーザ装置を示す構成断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す構成断面図である。 従来の半導体レーザ装置を示す構成断面図である。
符号の説明
11  n型基板
12  n型クラッド層
13  活性層
13a 多重量子井戸層
13b 光ガイド層
14  第1のp型クラッド層(第1のクラッド層)
15  エッチングストップ層
16  第2のp型クラッド層(第2のクラッド層)
16A 第2のp型クラッド層形成層
17  第1のコンタクト層
17A 第1のコンタクト層形成層
18  第1の電流ブロック層
19  第2の電流ブロック層
20  第2のコンタクト層
21  n側電極
22  p側電極
31  キャップ層
32  マスクパターン
41  電流ブロック層
42  第2のp型クラッド層
43  第1のコンタクト層
51  n型基板
52  n型クラッド層
53  活性層
53a 多重量子井戸層
53b 光ガイド層
54  第1のp型クラッド層
55  エッチングストップ層
56  第2のp型クラッド層
57  電流ブロック層
58  コンタクト層
59  n側電極
60  p側電極

Claims (16)

  1.  活性層と、
     前記活性層の上に形成された第1のクラッド層とを備え、
     前記第1のクラッド層は、抵抗率が大きくなるように第1の不純物が添加されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2.  前記第1のクラッド層の上に形成された第2のクラッド層をさらに備え、
     前記第2のクラッド層は、前記第1のクラッド層よりも抵抗率が小さくなるように第2の不純物が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3.  前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層は移動度がほぼ同一の化合物半導体からなることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4.  前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、
     前記第1の不純物はマグネシウムであり、
     前記第2の不純物は亜鉛であることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  5.  前記第1のクラッド層における前記第1の不純物の濃度は、5×1016cm-3以上且つ1×1018cm-3以下であることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  6.   前記第1のクラッド層は第3の不純物をも含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  7.  前記第1のクラッド層及び第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、
     前記第1の不純物はマグネシウムであり、
     前記第2の不純物及び前記第3の不純物は共に亜鉛であることを特徴とする請求項6に記載の半導体レーザ装置。
  8.  前記第1のクラッド層における前記第1の不純物と前記第3の不純物を合わせた濃度は、1×1018cm-3以上且つ5×1018cm-3以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体レーザ装置。
  9.  前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層はヒ素を含む化合物半導体からなり、
     前記第1の不純物は炭素であり、
     前記第2の不純物は亜鉛であることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  10.  前記第2のクラッド層は、前記第1のクラッド層の上にリッジ状に形成されていることを特徴とする請求項2〜9のうちのいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  11.  前記第2のクラッド層は、その下部がストライプ状に形成されていることを特徴とする請求項2〜9のうちのいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  12.  基板上に活性層を形成する工程と、
     前記活性層の上に第1の不純物を添加しながら第1のクラッド層を形成する工程とを備え、
     前記第1のクラッド層を形成する工程において、第1のクラッド層の抵抗率が大きくなるように前記第1の不純物を添加することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  13.  前記第1のクラッド層の上に第2の不純物を添加しながら第2のクラッド層を形成する工程をさらに備え、
     前記第2のクラッド層を形成する工程において、前記第2のクラッド層の抵抗率が前記第1のクラッド層の抵抗率よりも小さくなるように前記第2の不純物を添加することを特徴とする請求項12に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  14.  前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、
     前記第1の不純物はマグネシウムであり、
     前記第2の不純物は亜鉛であることを特徴とする請求項13に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  15.  前記第1のクラッド層を形成する工程は、前記第1の不純物に加えて第3の不純物をも添加することを特徴とする請求項13に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  16.  前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層はリンを含む化合物半導体からなり、
     前記第1の不純物はマグネシウムであり、
     前記第2の不純物及び前記第3の不純物は共に亜鉛であることを特徴とする請求項15に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
JP2003326019A 2002-09-19 2003-09-18 半導体レーザ装置及びその製造方法 Pending JP2004134786A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003326019A JP2004134786A (ja) 2002-09-19 2003-09-18 半導体レーザ装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002273015 2002-09-19
JP2003326019A JP2004134786A (ja) 2002-09-19 2003-09-18 半導体レーザ装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004134786A true JP2004134786A (ja) 2004-04-30

Family

ID=32301719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003326019A Pending JP2004134786A (ja) 2002-09-19 2003-09-18 半導体レーザ装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004134786A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006005073A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Hitachi Cable Ltd レーザダイオード用エピタキシャルウェハ及びレーザダイオード
JP2007123837A (ja) * 2005-09-29 2007-05-17 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2011244007A (ja) * 2004-06-11 2011-12-01 Ricoh Co Ltd 面発光型半導体レーザ、面発光型半導体レーザアレイ、画像形成装置、光ピックアップ、光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システム
US8743924B2 (en) 2004-06-11 2014-06-03 Ricoh Company, Ltd. Surface-emission laser diode and fabrication process thereof

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011244007A (ja) * 2004-06-11 2011-12-01 Ricoh Co Ltd 面発光型半導体レーザ、面発光型半導体レーザアレイ、画像形成装置、光ピックアップ、光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システム
US8743924B2 (en) 2004-06-11 2014-06-03 Ricoh Company, Ltd. Surface-emission laser diode and fabrication process thereof
JP2006005073A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Hitachi Cable Ltd レーザダイオード用エピタキシャルウェハ及びレーザダイオード
JP2007123837A (ja) * 2005-09-29 2007-05-17 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7333523B2 (en) Semiconductor laser device
JP2005101542A (ja) 半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法
JP2004207682A (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JPH10294532A (ja) 窒化物系半導体発光素子およびその製造方法
US20050063443A1 (en) Semiconductor laser device and method for fabricating the same
US7215691B2 (en) Semiconductor laser device and method for fabricating the same
JP4170679B2 (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
JPH0955558A (ja) 半導体レーザ素子
JPH11284280A (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法ならびにiii−v族化合物半導体素子の製造方法
JP2004134786A (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
JP3763708B2 (ja) 半導体レーザの製造方法
JPH10256647A (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2003086894A (ja) 半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2000277856A (ja) 自励発振型半導体レーザ装置
JP3801410B2 (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
US7268007B2 (en) Compound semiconductor, method for manufacturing the same, semiconductor device, and method for manufacturing the same
JP2893990B2 (ja) 半導体レーザおよびその作製方法
US6414977B1 (en) Semiconductor laser device
JPH07254756A (ja) 光デバイス
JPH11340585A (ja) 半導体発光装置
JPH0572118B2 (ja)
JP3206573B2 (ja) 半導体レーザおよびその作製方法
JP2003060306A (ja) リッジ型半導体レーザ素子
JPH05175607A (ja) 半導体多層膜の形成方法および半導体レーザの製造方法
JP2006287266A (ja) 半導体レーザ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060110

A521 Written amendment

Effective date: 20060313

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060523

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060721

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20061212

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02