JP2004134296A - スイッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スイッチA及びスイッチBは電動機停止態様、電動機正回転態様及び電動機逆回転態様とを取り得る。スイッチCはスイッチA及びスイッチBと電源間の電気的接続を断接するものであり、このスイッチCはスイッチA及びスイッチBが電動機正回転態様又は電動機逆回転態様から電動機停止態様へと遷移する際、電動機停止態様への遷移完了の時点又はそれよりも所定のマージン時間前の時点で接状態から断状態へと操作とされる。スイッチCの断状態中においては、スイッチA及びスイッチBと電源との間の電気的接続が絶たれるため、仮にスイッチA及びスイッチBの接点に電圧が残っていたとしても、デッドショートが発生することはない。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、自動車等車両のウィンドウ開閉用直流電動機又はそれに類する用途の直流電動機の回転及び停止を行うためのスイッチ装置に関し、特に高い電源電圧(たとえば、42V系の電気系統システム)で動作する直流電動機に適用して好適なスイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現行の自動車では14V系の電気系統システムが採用されているが、搭載するエレクトロニクス機器が増加していることから、14V系では消費電力をまかないきれない状況になりつつある。これを解消すべく、産学合同のコンソーシアムなどでグローバルに議論を続けてきた結果、人体などへの安全性の面を考慮した3倍の高電圧系、すなわち「42V系」の電気系統システムを採択することでコンセンサスが得られた。
【0003】
42V系の電気系統システムで動作する電装品としては、たとえば、ドアに内蔵されたウィンドウ開閉用直流電動機(いわゆるパワーウィンドウ駆動用の直流モータ)がある。
【0004】
図8は、ウィンドウ開閉用直流電動機の回転(正転・逆転)及び停止を行うための従来のスイッチ装置の構造図(a)及びその回路図(b)である(たとえば、非特許文献1参照)。
このスイッチ装置1は、車両の前席や後席のドアの内側に設けられた肘掛けなどに取り付けられている。図示のスイッチ装置1の状態は、パワーウィンドウ駆動用の直流モータ(以下「直流電動機」という。)2が停止しているときの状態を示している。すなわち、車両の乗員によってノブ3が操作されていないときの状態を示している。以下、この状態のことを「中立状態」ということにする。
【0005】
ノブ3は、図面の時計回り方向と反時計回り方向にそれぞれ所定角度だけ揺動できるようにドア側のケース4に取り付けられている。ノブ3を時計回り方向に動かすとウィンドウが閉まり(以下「UP状態」という。)、反時計回り方向に動かすとウィンドウが開く(以下「DOWN状態」という。)。ノブ3に加えた操作力を解除する(指を離す)と、ノブ3の内部に埋め込まれたスプリング5とプランジャ6の働きによって中立状態に復帰し、以降、その中立状態を維持する。
【0006】
ケース4の内部に延在するノブ3の下部突起7は、ノブ3が中立状態にあるときは図示位置にあるが、ノブ3をUP状態にすると図面の左方向に揺動し(図10(a)参照)、ノブ3をDOWN状態にすると図面の右方向に揺動(図示略)する。
【0007】
ケース4の内部には、プリント基板8に実装されたスイッチユニット9が設けられている。このスイッチユニット9はモーメンタリー式の「2回路2接点型」のスイッチとして機能するものであり、その外観等は、図9に示される。スイッチユニット9は、筐体10の一側面から引き出された2個の共通端子11、12と、筐体10の他側面から引き出された1個の常開端子13と、筐体10の底面から引き出された2個の常閉端子14、15とを備え、それらの端子11〜15をプリント基板8に形成された所要の導体回路に半田付けして、電源線(以下「+B線」という。)17やグランド線18及び直流電動機2に接続することにより、図8(b)の回路図の構成を実現している。
【0008】
スイッチユニット9の内部には、図8(b)に示すように、2回路分のスイッチA、Bが実装されている。これらのスイッチA、Bは、スイッチユニット9の上面に取り付けられたスライダ28のスライド位置に応じて排他的にスイッチングされる。なお、ここでいう“排他的にスイッチング”とは、スイッチA又はスイッチBの一方のNC(常閉)接点だけがオープン状態になること(言い換えればそのスイッチのNO(常開)接点だけがクローズ状態になること)をいう。
【0009】
具体的には、スライダ28が図示位置にあるとき(「中立状態」にあるとき)は、スイッチAの可動接点19とNC接点23の間、及び、スイッチBの可動接点20とNC接点24の間がクローズ状態になっている。この位置では、二組のスイッチA、BのNO接点21、22及びNC接点23、24は、その名前のとおりの状態(NO→常開、NC→常閉)になるが、スライダ28が図9(a)の左向き矢印Lの方向に動いたとき(「UP状態」にあるとき)は、スイッチBの可動接点20とNC接点24の間のクローズ状態が維持されると共に、スイッチAのNC接点23のクローズ状態が解除されて可動接点19とNO接点21の間が新たにクローズ状態になり、また、スライダ28が図9(a)の右向き矢印Rの方向に動いたとき(「DOWN状態」にあるとき)は、スイッチAの可動接点19とNC接点23の間のクローズ状態が維持されると共に、スイッチBのNC接点24のクローズ状態が解除されて可動接点20とNO接点22の間が新たにクローズ状態になる。
【0010】
このようなスイッチング作用は、スライダ28の動きと、そのスライダ28の下面形状によって引き起こされる。図9(c)はスライダ28のX−X断面図、図9(d)はスライダ28のY−Y断面図である。スライダ28のX−X断面部分はその右半分にかけて肉厚に形成されており、スライダ28のY−Y断面部分はその左半分にかけて肉厚に形成されている。以下の説明からも明らかになるが、この肉厚部分の位置関係に応じて、スイッチA及びスイッチBが排他的にスイッチングされる。
【0011】
なお、図8(a)においては、共通端子11、12の一方と常閉端子14、15の一方だけが描かれている。これは、図面に向かって各端子が前後に並んでいるからであり、後ろの端子が前の端子の陰に隠れて見えないからである。
【0012】
先にも説明したとおり、スイッチユニット9はモーメンタリー式の「2回路2接点型」のスイッチとして機能する。つまり、共通端子11、12、常開端子13及び常閉端子14、15のそれぞれに、可動接点19、20、NO接点21、22及びNC接点23、24がつながっており、二つの回路の接点切替(可動接点19とNO接点21及びNC接点23の間の切替と、可動接点20とNO接点22及びNC接点24の間の切替)を排他的に行うことができるものである。
【0013】
可動接点19、20は、金属製バネ板状可動片25、26の先端に取り付けられており、この金属製バネ板状可動片25、26は、押しボタン27A、27B(押しボタン27AはスイッチAのためのもの、押しボタン27BはスイッチBのためのもの)によって図面下方向に付勢されるようになっている。押しボタン27A、27Bは、図面横方向に移動可能なスライダ28(図9参照)の下面に当接しており、図10(a)に示すように、スライダ28の図面左方向への移動に伴い、スライダ28の下面形状(肉厚部)に沿って押しボタン27Aだけが個別に下方に押し下げられるようになっている。また、スライダ28の上面突起29は、ノブ3の下部突起7の先端に係合しており、スライダ28は、ノブ3の下部突起7の左右方向への揺動(UP状態とDOWN状態)に追随して、図面左右方向にスライドするようになっている。
【0014】
したがって、このスイッチ装置1は、ノブ3を引き上げてUP状態にすると、スライダ28が左方向にスライドして、スライダ28のX−X断面肉厚部に当接する押しボタン27Aが下方移動し、スイッチAの可動接点19とNC接点23との間がオープン状態になると共に、同スイッチAの可動接点19とNO接点21との間がクローズ状態になるという作用が得られる。また、ノブ3から指を離して中立状態にすると、スライダ28が右方向にスライドして元の位置に戻り、押しボタン27Aが上方移動し、スイッチAの可動接点19とNC接点23との間がクローズ状態になるという作用が得られる。
【0015】
さらに、ノブ3を押し下げてDOWN状態にすると、スライダ28が右方向にスライドして、スライダ28のY−Y断面肉厚部に当接する押しボタン27Bが下方移動し、スイッチBの可動接点20とNC接点24との間がオープン状態になると共に、同スイッチBの可動接点20とNO接点22との間がクローズ状態になるという作用が得られる。また、ノブ3から指を離して中立状態にすると、スライダ28が左方向にスライドして元の位置に戻り、押しボタン27Bが上方移動し、スイッチBの可動接点20とNC接点24との間がクローズ状態になるという作用が得られる。
【0016】
図8(b)の回路図において、ノブ3が中立状態にあるとき、スイッチA及びスイッチBの各接点は図示の状態にある。すなわち、スイッチAの可動接点19とNC接点23の間がクローズ状態になり、且つ、スイッチBの可動接点20とNC接点24の間がクローズ状態になっている。この状態では、直流電動機2と+B線17との間の接続が絶たれており、且つ、直流電動機2の二つの駆動入力には共にグランド線18の電位(負極側電源)が加えられているため、直流電動機2は回転停止状態にある。この回転停止状態は、発明の要旨に記載の「電動機停止態様」に相当する。
【0017】
一方、図10(b)の回路図において、ノブ3がUP状態にあるとき、スイッチA、Bの各接点は図示の状態になる。すなわち、スイッチAの可動接点19とNO接点21の間がクローズ状態になり、且つ、スイッチBの可動接点20とNC接点24の間がクローズ状態になっている。この状態では、+B線17→NO接点21→直流電動機2→NC接点24→グランド線18の閉回路が形成されるため、直流電動機2はウィンドウを閉める方向に回転する。回転方向を正回転とすると、この回転状態は、発明の要旨に記載の「電動機正回転態様」に相当する。
【0018】
また、図示は略すが、ノブ3がDOWN状態にあるとき、スイッチAの可動接点19とNC接点23の間がクローズ状態になり、且つ、スイッチBの可動接点20とNO接点22の間がクローズ状態になっている。この状態では、+B線17→NO接点22→直流電動機2→NC接点23→グランド線18の逆回りの閉回路が形成されるため、直流電動機2はウィンドウを開ける方向に回転する。回転方向を逆回転とすると、この回転状態は、発明の要旨に記載の「電動機逆回転態様」に相当する。
【0019】
したがって、スイッチユニット9のスイッチA及びスイッチBは、一体として、直流電動機2の一方側駆動入力と他方側駆動入力の各々に負極側電源(グランド線18の電位)を共に印可して該直流電動機2を停止状態とする「電動機停止態様」と、前記直流電動機2の一方側駆動入力に正極側電源(+B線17の電位)を印可すると共に他方側駆動入力に負極側電源(グランド線18の電位)を印可して該直流電動機2を正回転状態とする「電動機正回転態様」と、前記直流電動機2の一方側駆動入力に負極側電源(グランド線18の電位)を印可すると共に他方側駆動入力に正極側電源(+B線17の電位)を印可して該直流電動機2を逆回転状態とする「電動機逆回転態様」とを取り得るから、発明の要旨に記載の「第一のスイッチ手段」に相当する。
【0020】
なお、以上の説明では、一つのスイッチユニット9で直流電動機2の回転を制御する例を示したが、これに限らず、車両によっては運転席から他の席(助手席や後席等)のウィンドウを開閉できるようにしたタイプのスイッチ装置もある。
【0021】
図11は、その回路図である(たとえば、非特許文献1参照)。この回路は、運転席用のスイッチユニット9と他席用のスイッチユニット9′とを組み合わせて構成されており、他席はもちろんのこと運転席からも直流電動機2(他席のウィンドウ開閉用の直流電動機)の回転と停止を行うことができるようになっている。
【0022】
また、上記の説明では、可動接点19、20とNC接点23、24のそれぞれに一つの端子(共通端子11、12と常閉端子14、15)を割り当てると共に、NO接点21、22に一つの端子(常開端子13)を割り当てているが(つまり、全部で5個の端子を備えているが)、これに限らず、たとえば、図12に示すように、グランド線18に繋がる接点(スイッチA、BのNC接点23、24)同士をユニット内で結線し、それを一つの端子15aから引き出してグランド線18に接続するタイプのもの(全部で4個の端子を備えるもの)であっても構わない。また、スイッチ機構として1回路分を備えた構成とし、それを二つ並べて使用するものであってもよい。この場合、全部で6個の端子となる。
【0023】
【非特許文献1】
「トヨタ・VITZ・配線図集/SCP10系(1999−1〜)」トヨタ自動車株式会社サービス部、1999年1月13日発行、p.3−38〜3−39
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来のスイッチ装置(図8〜図12)は、本来の14V系の電気系統システムに適用する限りにおいては支障なく動作する。しかしながら、それよりも高電圧系の電気系統システム、たとえば、42V系の電気系統システムに適用した場合に、UP状態から中立状態への復帰時、又は、DOWN状態から中立状態への復帰時に、負極側電源に接続された接点に大電流が流れ、この電流により、当該接点にダメージを与えるという問題点がある。
【0025】
図13は、接点ダメージの説明図である。(a)は、たとえば、UP状態にあるときの図、(b)は中立状態に復帰する“直前”の図、(c)は中立状態に復帰したときの図である。前記従来の説明との相違は、+B線17に高い電圧(42V系電気系統システムの電源電圧。以下「42V」とする。)が印可されている点にある。
【0026】
さて、(a)に示すように、UP状態にあるときは、スイッチAのNO接点21と可動接点19がクローズ状態になっており、また、スイッチBの可動接点20とNC接点24がクローズ状態になっている。したがって、+B線17→直流電動機2→グランド線18の閉回路が形成され、直流電動機2はウィンドウを閉じる方向に回転する。
【0027】
次に、ノブ3から指を離すと、(b)に示すように、スイッチAのNO接点21と可動接点19のクローズ状態が解かれ、可動接点19は、NO接点21との間に許容範囲の小さなアーク放電30を生じさせながら、NC接点23の方に移動を開始する。
【0028】
そして、最終的には、(c)に示すように、スイッチAの可動接点19とNC接点23との間がクローズ状態になって直流電動機2への電源電圧が絶たれ、直流電動機2が停止状態となる。
【0029】
従来のスイッチユニット9を使うと、接点ギャップが0.5mm程度と小さく、42V分のアーク放電電圧を確保できないため、数Vの電圧が印可された状態の可動接点19がNC接点23に接続されることになる。本件発明者らの実験によれば、このとき、可動接点19からNC接点23を経てグランド線18へと大電流31(100A以上)が短時間(0.5ms程度)に流れようとするため、NO接点21とNC接点23の間に大きな放電現象(以下「デッドショート」という。)32が発生し、これにより、スイッチAの可動接点19とNC接点23にダメージ(接点損傷又は接点破壊)を与えるという障害を発見した。このデッドショート32は、特に普通の接点開閉速度(100〜400mm/s)よりも非常に早い接点開閉速度(1000mm/s以上)の領域において発生しやすい。
【0030】
かかる障害の存在は、42V系電気系統システムの普及を妨げるので、この点において、可及的速やかに解決しなければならない技術課題がある。
【0031】
なお、一般的なアーク放電対策としては、電源電圧の大きさに対応させて接点ギャップを広くすることが行われている。接点ギャップを広げる(たとえば、約4mm程度)と、アーク放電電圧を大きくすることができるため、可動接点19は電圧がかかっていない状態でNC接点23に接続されて接点ダメージを回避できるからである。しかしながら、この対策は一方で、スイッチユニットの大幅な大型化を招き、車載の妨げになるという問題点を有している。
【0032】
そこで本発明は、42V系電気系統システムなどの高い電源電圧に適用してもスイッチユニットの大幅な大型化を招くことなく、接点ダメージを回避することができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスイッチ装置は、直流電動機の一方側駆動入力と他方側駆動入力の各々に負極側電源を共に印可して該直流電動機を停止状態とする電動機停止態様と、
前記直流電動機の一方側駆動入力に正極側電源を印可すると共に他方側駆動入力に負極側電源を印可して該直流電動機を正回転状態とする電動機正回転態様と、
前記直流電動機の一方側駆動入力に負極側電源を印可すると共に他方側駆動入力に正極側電源を印可して該直流電動機を逆回転状態とする電動機逆回転態様と
を取り得る第一のスイッチ手段を備えたスイッチ装置において、
前記第一のスイッチ手段と正極側電源又は負極側電源との間もしくは前記第一のスイッチ手段と前記直流電動機の一方側駆動入力又は他方側駆動入力との間の電気的接続を断接する第二のスイッチ手段と、
前記第一のスイッチ手段が電動機正回転態様又は電動機逆回転態様から電動機停止態様へと遷移する際、該電動機停止態様への遷移完了の時点又はそれよりも所定のマージン時間前の時点で前記第二のスイッチ手段を接状態から断状態へと操作するスイッチ操作手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0034】
この発明では、電動機停止態様への遷移完了時点又はそれよりも所定のマージン時間前の時点で、前記第二のスイッチ手段が接状態から断状態へと操作される。したがって、第二のスイッチ手段の断状態中においては、第一のスイッチ手段と正極側電源又は負極側電源との間の電気的接続が絶たれるため、もしくは、第一のスイッチ手段と直流電動機の一方側駆動入力又は他方側駆動入力との間の電気的接続が絶たれるため、第一のスイッチ手段の接点に残る電圧を低減し、第一のスイッチ手段のデッドショート問題の解消が図られる。
【0035】
また、本発明の好ましい態様は、前記所定のマージン時間を略1msとしたことを特徴とするものである。
【0036】
この態様では、いわゆるダブルブレイク効果により、電源電圧(正極側電源と負極側電源の電位差)の略1/2ずつ(42V系電気系統システムの場合は略21Vずつ)を第一のスイッチ手段と第二のスイッチ手段で分担することができる。したがって、14V系電気系統システム仕様のスイッチ素子を第一のスイッチ手段や第二のスイッチ手段に用いてもデッドショートを発生することがない。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態におけるスイッチ装置40の分解図である。スイッチ装置40は、図面の上から順に、スライダ(スイッチ操作手段)41、スライドレール兼用上蓋(以下、単に「上蓋」という。)42、三つの押しボタン(スイッチ操作手段)43〜45、スナップアクション式の接点機構群46、及び、筐体47から構成される。スイッチ装置40は、サブアッセンブリ化された接点機構群46を筐体47の内部に組み入れた後、筐体47の上面開口部を、三つの押しボタン43〜45とスライダ41を組み付けた上蓋42で閉鎖して組み立てられる。
【0038】
上蓋42は、押しボタン43〜45の挿入穴48〜50と、スライダ41を図中のL方向とR方向にスライド可能に保持するスライドレール部51、52とを有している。スライダ41の上面には、従来技術(図8参照)のスライダ28の上部突起29に相当する突起53、54が設けられている。この突起53、54は、たとえば、図8(a)に示すノブ3の下部突起7の先端に係合可能であり、スライダ41は、ノブ3の下部突起7の左右方向への揺動(UP状態とDOWN状態)に追随して、図面左右方向(L方向/R方向)にスライドする。スライダ41の下面には3つの押しボタン43〜45のそれぞれに対応した「特異形状部」が形成されている。
【0039】
図2は、スライダ41の特異形状部を示す断面図である。(a)において、第一の特異形状部55は、押しボタン43を押し下げるための図面右下り方向の傾斜面56とそれに続く平坦面57とを有している。スライダ41が中立状態にあるとき、押しボタン43はスライダ41の下面41aに当接して最上方位置にあるが、(b)に示すように、スライダ41をL方向にスライドさせると、押しボタン43は第一の特異形状部55の傾斜面56に当接しつつ徐々に図面下方に押し下げられながら、最終的に平坦面57との当接位置(最下方位置)に至る。
【0040】
同様に、(a)において、第二の特異形状部58は、押しボタン44を押し下げるための図面左下り方向の傾斜面59とそれに続く平坦面60とを有している。スライダ41が中立状態にあるとき、押しボタン44はスライダ41の下面41aに当接して最上方位置にあるが、(c)に示すように、スライダ41をR方向にスライドさせると、押しボタン44は第二の特異形状部58の傾斜面59に当接しつつ徐々に図面下方に押し下げられながら、最終的に平坦面60との当接位置(最下方位置)に至る。
【0041】
(a)において、第三の特異形状部61は、上記の二つの特異形状部(第一の特異形状部55及び第二の特異形状部58)と異なる形状を有している。すなわち、(a)の拡大図に示すように、スライダ41が中立状態にあるときに押しボタン45が当接する、スライダ41の下面41aと同一レベルの中立当接面62と、中立当接面62の左側に形成された図面左下り方向の傾斜面63と、その傾斜面63に続く平坦面64と、中立当接面62の右側に形成された図面右下り方向の傾斜面65と、その傾斜面65に続く平坦面66とを有する点、及び、中立当接面62のほぼ中間点(中間点とは、スライダ41が中立状態にあるときに押しボタン45が当接する当接点を意味する。)から各傾斜面63、65までの間に所定のマージン距離La、Lbを設けてある点、並びに、それらの傾斜面63、65の傾斜角度を上記の二つの特異形状部(第一の特異形状部55及び第二の特異形状部58)の傾斜面56、59よりも急に設定してある点で相違する。
【0042】
これによれば、スライダ41が中立状態にあるとき、押しボタン45は中立当接面62に当接して最上方位置にあるが、(b)に示すように、スライダ41をL方向にスライドさせると、押しボタン45はマージン距離Laを超えた時点で傾斜面63に当接しつつ徐々に図面下方に押し下げられながら、最終的に平坦面64との当接位置(最下方位置)に至り、又は、(c)に示すように、スライダ41をR方向にスライドさせると、押しボタン45はマージン距離Lbを超えた時点で傾斜面65に当接しつつ徐々に図面下方に押し下げられながら、最終的に平坦面66との当接位置(最下方位置)に至る。
【0043】
そして、スライダ41を中立状態に復帰させる場合は、傾斜面63、65の急角度により、上記の二つの特異形状部(第一の特異形状部55及び第二の特異形状部58)に対応する押しボタン43、44よりも早い段階で、中立当接面62に至り、早期に最上方位置に復帰するようになっている。以下、この“早い段階”に相当する時間のことを便宜的に「所定のマージン時間」ということにする。
【0044】
したがって、このような構成によれば、スライダ41をL方向にスライドさせると、直ちに押しボタン43が下方移動を開始し、スライド完了と共に最下方位置に至ると共に、押しボタン45が所定のマージン時間の経過後に下方移動を開始し、スライド完了と共に最下方位置に至るという作用が得られる。同様に、スライダ41をR方向にスライドさせると、直ちに押しボタン44が下方移動を開始し、スライド完了と共に最下方位置に至ると共に、押しボタン45が所定のマージン時間の経過後に下方移動を開始し、スライド完了と共に最下方位置に至るという作用が得られる。さらに、スライダ41を中立状態に戻す際は、第三の特異形状部61に対応する押しボタン45を他の二つの押しボタン43、44よりも早期に(すなわち、所定のマージン時間前)に最上方位置に復帰させることができるという作用が得られる。
【0045】
図3は、接点機構群46の構成を示す図である。接点機構46は、三つの金属製バネ板状可動片(以下、単に「可動片」という。)66〜68と、各可動片毎の共通端子部材69〜71と、二つの常閉接点端子用部材72、73と、一つの常開接点用部材74とを有する。
【0046】
三つの共通端子部材69〜71は、金属等の良導電性素材で作られており、それぞれ可動片66〜68を個別に保持するためのU字状部69a〜71aを有すると共に、両側の共通端子部材69、71については、筐体47の端子係合部47a、47b(図1参照)に取り付けられる端子69b、71bをさらに有し、また、中央の共通端子部材70については、両側の共通端子部材69、71の方向に延びる延在部70b、70cをさらに有している。
【0047】
二つの常閉接点端子用部材72、73は、筐体47の端子係合部47c、47d(図1参照)に取り付けられる端子72a、73aを有し、また、一つの常開接点用部材74は、筐体47の外部に引き出される端子74a、80aを有している。
【0048】
三つの可動片66〜68は、金属等の良導電性且つバネ性素材で作られており、各々の先端には、次に列挙する各接点が取り付けられている。なお、以下の説明における“表/裏”は、図面に正対して見える側を“表”、部材の影に隠れて見えない側を“裏”とするものである。
(1)可動片66の表側→接点A2
(2)可動片66の裏側→接点A3
(3)可動片67の裏側→接点C1
(4)可動片68の表側→接点B2
(5)可動片68の裏側→接点B3
【0049】
また、共通端子部材70の延在部70b、70cにもそれぞれ次に列挙する各接点が取り付けられている。
(6)延在部70bの表側→接点A4
(7)延在部70cの表側→接点B4
【0050】
さらに、二つの常閉接点端子用部材72、73と一つの常開接点用部材74にもそれぞれ次に列挙する各接点が取り付けられている。
(8)常閉接点端子用部材72の裏側→接点A1
(9)常閉接点端子用部材73の裏側→接点B1
(10)常開接点用部材74の表側→接点C2
【0051】
三つの可動片66〜68は、先に説明した押しボタン43〜45の押し下げ操作によって弾性変形し、各接点の接続を切り替えるものである。
図4は、三つの可動片66〜68の接点切り替え状態図である。
(a)において、可動片66は、通常、接点A1と接点A2との間をクローズし、接点A3と接点A4との間をオープンとしているが、押しボタン43の押し下げ操作に応答して弾性変形すると、接点A1と接点A2との間をオープンにすると共に、接点A3と接点A4との間をクローズする。
(b)において、可動片68は、通常、接点B1と接点B2との間をクローズし、接点B3と接点B4との間をオープンとしているが、押しボタン44の押し下げ操作に応答して弾性変形すると、接点B1と接点B2との間をオープンにすると共に、接点B3と接点B4との間をクローズするようになっている。
(c)において、可動片67は、通常、接点C1と接点C2との間をオープンとしているが、押しボタン45の押し下げ操作に応答して弾性変形すると、接点C1と接点C2との間をクローズするようになっている。
【0052】
したがって、これらの接点A1〜A4、B1〜B4、C1、C2を含む接点機構群46は、以下のスイッチ要素グループに分けることができる。
<その1:接点A1〜A4で構成されるもの>
接点A1と接点A2は常閉接点(NC)を構成し、接点A3と接点A4は常開接点(NO)を構成する。接点関係は押しボタン43の押し下げ操作によって逆転する。
<その2:接点B1〜B4で構成されるもの>
接点B1と接点B2は常閉接点(NC)を構成し、接点B3と接点B4は常開接点(NO)を構成する。接点関係は押しボタン44の押し下げ操作によって逆転する。
<その3:接点C1、C2で構成されるもの>
接点C1と接点C2は常開接点(NO)を構成する。この接点は押しボタン45の押し下げ操作によって閉状態になる。
【0053】
図5は、以上の構成を有するスイッチ装置40の回路図であり、特に限定しないが、自動車等車両のウィンドウ開閉用直流電動機の回転及び停止を行うために用いられるものである。
スイッチ装置40は、上記の各スイッチ要素グループ(その1〜その3)のそれぞれに対応する三つのスイッチA〜Cを含む。スイッチAは上記の各接点A1〜A4からなり、また、スイッチBは上記の各接点B1〜B4からなり、さらに、スイッチCは上記の各接点C1、C2からなる。
【0054】
図に示すように、スイッチCの接点C1とスイッチAの接点A4及びスイッチBの接点B4は電気的に接続されている。また、スイッチCの接点C2は端子74aを介して正極側電源(+B線17の電位;+42V)に接続され、スイッチAの接点A1とスイッチBの接点B1は端子72a、73aを介して負極側電源(グランド線18の電位;0V)に接続され、さらに、スイッチAの接点A2/A3とスイッチBの接点B2/B3は端子69b、71bを介して直流電動機2の各駆動入力に接続されている。
【0055】
なお、スイッチCの接点C2と端子74aとの間から引き出されている線80はスペア端子80aに接続するための配線である。スペア端子80aは、図1に示すように、筐体47に設けられている引き出し端子(接点C2用の端子74a)とは反対側の面に取り付けられている。スイッチ装置40を実装する際に、配線引き回しの都合や他部品との干渉でスイッチCの接点C2用引き出し端子(端子74a)を使用することができない場合に、このスペア端子80aを利用してスイッチCの接点C2を外部に取り出したり、端子74aと端子80aをジャンパー線として使用したりできるようになっている。
【0056】
図5において、図示のスイッチA、B、Cの接点位置は、押しボタン43〜45が押し下げられていないとき(スライダ41が中立状態にあるとき:図2(a)参照)のものであり、この状態では、グランド線18→端子72a→スイッチAの接点A1→スイッチAの接点A2→端子69bの経路で、直流電動機2の一方駆動入力に負極側電源が加えられると共に、グランド線18→端子73a→スイッチBの接点B1→スイッチBの接点B2→端子71bの経路で、直流電動機2の他方駆動入力に負極側電源が加えられる。この場合、直流電動機2は停止状態にある。
【0057】
一方、スライダ41をL方向に動かした場合(図2(b)参照)、押しボタン43、45が下方移動し、それに伴って、スイッチAの接点A3と接点A4との間、及び、スイッチCの接点C1と接点C2の間がクローズする。したがって、+B線17→端子74a→スイッチCの接点C2→スイッチCの接点C1→スイッチAの接点A4→スイッチAの接点A3→端子69bの経路で、直流電動機2の一方駆動入力に正極側電源が加えられると共に、グランド線18→端子73a→スイッチBの接点B1→スイッチBの接点B2→端子71bの経路で、直流電動機2の他方駆動入力に負極側電源が加えられる。この場合、直流電動機2は正回転し、ウィンドウが閉方向駆動される。
【0058】
他方、スライダ41をR方向に動かした場合(図2(c)参照)、押しボタン44、45が下方移動し、それに伴って、スイッチBの接点B3と接点B4との間、及び、スイッチCの接点C1と接点C2の間がクローズする。したがって、+B線17→端子74a→スイッチCの接点C2→スイッチCの接点C1→スイッチBの接点B4→スイッチBの接点B3→端子71bの経路で、直流電動機2の他方駆動入力に正極側電源が加えられると共に、グランド線18→端子72a→スイッチAの接点A1→スイッチAの接点A2→端子69bの経路で、直流電動機2の一方駆動入力に負極側電源が加えられる。この場合、直流電動機2は逆回転し、ウィンドウが開方向駆動される。
【0059】
ここで、スイッチCの接点C1と接点C2は常開接点である。つまり、押しボタン45の押し下げ操作に応答してそれらの接点をクローズとするものであり、本発明に特有の構成要素であるが、説明の便宜上、このスイッチCが設けられていない場合を仮定・・・・すなわち、端子74aとスイッチAの接点A4及びスイッチBの接点B4とを直接的に接続しているものと仮定・・・・すると、この場合、スイッチA及びスイッチBは、「直流電動機2の一方側駆動入力と他方側駆動入力の各々に負極側電源を共に印可して直流電動機2を停止状態とする電動機停止態様」と、「直流電動機2の一方側駆動入力に正極側電源を印可すると共に他方側駆動入力に負極側電源を印可して直流電動機2を正回転状態とする電動機正回転態様」と、「直流電動機2の一方側駆動入力に負極側電源を印可すると共に他方側駆動入力に正極側電源を印可して直流電動機2を逆回転状態とする電動機逆回転態様」とを取り得るから、これらのスイッチA及びスイッチBは、発明の要旨に記載の第一のスイッチ手段を構成する。
【0060】
そして、本実施の形態の特有の要素であるスイッチCは、「第一のスイッチ手段(スイッチA及びスイッチB)と正極側電源又は負極側電源との間と直流電動機2の一方側駆動入力又は他方側駆動入力との間の電気的接続を断接する」ものであるから、発明の要旨に記載の第二のスイッチ手段を構成する。
【0061】
図6は、スイッチA、B、Cの接点切り替え動作と直流電動機2の停止/回転動作の状態対応図であり、詳しくは、(イ)はスライダ41を中立状態からL方向に動かし、再び中立状態に戻したときの状態図、(ロ)はスライダ41を中立状態からR方向に動かし、再び中立状態に戻したときの状態図である。
【0062】
(イ)において、スライダ41が中立状態にあるときは、スイッチAの接点A1と接点A2がクローズしており、また、スイッチBの接点B1と接点B2がクローズしており、さらに、スイッチCの接点C1と接点C2がオープンになっているから、直流電動機2は停止(STOP)状態にある。
【0063】
この状態からスライダ41をL方向に移動させると、まず、押しボタン43が下方移動し、所定のマージン時間(Td1)遅れて押しボタン45が下方移動する。これにより、スイッチAの接点A3と接点A4がクローズ(接点A1と接点A2はオープン)し、所定のマージン時間(Td1)遅れてスイッチCの接点C1と接点C2がクローズするため、直流電動機2は正方向(UP)回転する。
【0064】
そして、スライダ41を中立状態に復帰させると、まず、押しボタン45が上方移動し、所定のマージン時間(Td2)遅れて押しボタン43が上方移動する。これにより、スイッチCの接点C1と接点C2がオープンし、所定のマージン時間(Td2)遅れてスイッチAの接点A1と接点A2がクローズ(接点A3と接点A4はオープン)するため、直流電動機2は再び停止(STOP)する。
【0065】
(ロ)において、スライダ41が中立状態にあるときは、スイッチAの接点A1と接点A2がクローズしており、また、スイッチBの接点B1と接点B2がクローズしており、さらに、スイッチCの接点C1と接点C2がオープンになっているから、直流電動機2は停止(STOP)状態にある。
【0066】
この状態からスライダ41をR方向に移動させると、まず、押しボタン44が下方移動し、所定のマージン時間(Td3)遅れて押しボタン45が下方移動する。これにより、所定のマージン時間(Td3)遅れてスイッチCの接点C1と接点C2がクローズするため、直流電動機2は逆方向(DOWN)回転する。
【0067】
そして、スライダ41を中立状態に復帰させると、まず、押しボタン45が上方移動し、所定のマージン時間(Td4)遅れて押しボタン44が上方移動する。これにより、スイッチCの接点C1と接点C2がオープンし、所定のマージン時間(Td4)遅れてスイッチBの接点B1と接点B2がクローズ(接点B3と接点B4はオープン)するため、直流電動機2は再び停止(STOP)する。
【0068】
ここで、図中のマージン時間Td1、Td2、Td3及びTd4は、スライダ41の下面に形成された第三の特異形状部61(図2参照)のマージン距離La、Lbと傾斜面63、65の傾斜角度とによって与えられる時間である。詳しくは、マージン時間Td1、Td2は、第三の特異形状部61のマージン距離Lbの大きさと傾斜面65の傾斜角度とによって与えられる時間であり、同様に、マージン時間Td3、Td4は、第三の特異形状部61のマージン距離Laの大きさと傾斜面63の傾斜角度とによって与えられる時間である。いずれも、マージン距離を大きくし、且つ、傾斜角度を急にすることにより、マージン時間を大きくすることができる。デッドショートの防止に必要なマージン時間は「Td2、Td4」である。このマージン時間Td2、Td4の適正値は、接点ギャップや電源電圧の大きさに依存して一概にいえないが、たとえば、1ms程度とすることができる。
【0069】
以上のとおり、本実施の形態におけるスイッチ装置40は、常開接点のスイッチCを具備すると共に、スイッチA又はスイッチBの接点切り替えとスイッチCの接点切り替えとの間に所定のマージン時間を設けたことを特徴とし、この特徴により、冒頭で説明したデッドショート問題を解決する。
【0070】
すなわち、デッドショートは、直流電動機2を正回転又は逆回転から停止状態に戻す際に、スイッチA(又はスイッチB)の共通接点である接点A3(又はB3)と、正極側電源につながる固定接点である接点A4(又はB4)との間の放電現象として発生するが、本実施の形態では、スイッチA(又はスイッチB)の接点A2(又はB2)と接点A1(又はB1)とが接触(クローズ)する前(所定のマージン時間Td2又はTd4前;たとえば、略1ms前)に、スイッチCの接点C1−接点C2間をオープンにして(接状態から断状態へと操作して)正極側電源経路を遮断するようにしたので、デッドショートの発生を防止することができる。
【0071】
なお、以上の説明では、所定のマージン時間Td2又はTd4を、0を超える時間(上記の例示では、1ms程度)としているが、これに限定されない。接点ギャップ等の製造バラツキを考慮しないのであれば、Td2=Td4=0msとしてもよい。このようにすると、ダブルブレイク効果により、スイッチCとスイッチA(又はスイッチB)の各接点の電圧が電源電圧のほぼ1/2となり、各スイッチは42V系電気系統システムの場合におよそ21Vずつを分担すればよく、この程度の電圧(21V)であれば14V系電気系統システム仕様のスイッチでもデッドショートを発生することがなく、アークを切断することができるからである。“ダブルブレイク効果”とは、接点がオープンとなるときに発生するアーク電圧を2倍にすることにより、接点ギャップを増やすことなく、高電圧開閉を可能にすることをいう。
【0072】
なお、本発明は、上記実施の形態の例に限定されない。その思想の範囲内において様々な変形例を含むことはもちろんである。
【0073】
図7(a)は、第一の変形例を示す図である。上記実施の形態の構成との相違点は、スイッチC(第二のスイッチ手段)の挿入位置にある。すなわち、この変形例では、スイッチA及びスイッチB(第一のスイッチ手段)の接点A1及び接点B1とグランド線18(負極側電源)との間にスイッチC(第二のスイッチ手段)を入れている点で相違する。このような構成においても、スイッチA(又はスイッチB)の接点A2(又はB2)と接点A1(又はB1)とが接触(クローズ)すると同時もしくはそれよりも前(所定のマージン時間Td2又はTd4前)に、スイッチCの接点C1−接点C2間をオープンにして負極側電源経路を遮断することにより、デッドショートの発生を防止することができる。
【0074】
図7(b)は、第二の変形例を示す図である。この例においても、上記実施の形態の構成との相違点は、スイッチC(第二のスイッチ手段)の挿入位置にある。すなわち、この変形例では、スイッチAの接点A2/A3と直流電動機2の一方駆動入力との間にスイッチC(第二のスイッチ手段)を入れている点で相違する。このような構成においても、スイッチAの接点A2と接点A1とが接触(クローズ)すると同時もしくはそれよりも前(所定のマージン時間Td2又はTd4前)に、スイッチCの接点C1−接点C2間をオープンにして直流電動機2との経路を遮断することにより、デッドショートの発生を防止することができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、電動機停止態様への遷移完了時点又はそれよりも所定のマージン時間前の時点で、前記第二のスイッチ手段が接状態から断状態へと操作される。したがって、第二のスイッチ手段の断状態中においては、第一のスイッチ手段と正極側電源又は負極側電源との間の電気的接続が絶たれるため、もしくは、第一のスイッチ手段と直流電動機の一方側駆動入力又は他方側駆動入力との間の電気的接続が絶たれるため、第一のスイッチ手段の接点に残る電圧を低減して、第一のスイッチ手段のデッドショート問題の解消を図ることができる。しかも、かかるデッドショートの防止策は、接点ギャップの拡大を必要としないため、スイッチユニットの大幅な大型化を招くこともない。
又は、本発明の好ましい態様によれば、所定のマージン時間を略1msとしたことを特徴とするので、いわゆるダブルブレイク効果とタイムラグにより、電源電圧(正極側電源と負極側電源の電位差)の略1/2ずつ(42V系電気系統システムの場合は略21Vずつ)を第一のスイッチ手段と第二のスイッチ手段で分担することができる上、万が一数Vの電源が可動片に印可されていても、タイムラグにより確実に正極側電源を遮断しているため、14V系電気系統システム仕様のスイッチ素子を第一のスイッチ手段や第二のスイッチ手段に用いてもデッドショートを発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるスイッチ装置40の分解図である。
【図2】スライダ41の特異形状部を示す断面図である。
【図3】接点機構群46の構成を示す図である。
【図4】三つの可動片66〜68の接点切り替え状態図である。
【図5】本実施の形態のスイッチ装置40の回路図である。
【図6】スイッチA、B、Cの接点切り替え動作と直流電動機2の停止/回転動作の状態対応図である。
【図7】本実施の形態のスイッチ装置40の変形例を示す図である。
【図8】従来のスイッチ装置の構造図及びその回路図(中立状態のときのもの)である。
【図9】スイッチユニット9の外観図、スライダ28の平面図及びスライダ28の断面図である。
【図10】従来のスイッチ装置の構造図及びその回路図(UP状態のときのもの)である。
【図11】運転席から他の席のウィンドウを開閉できるようにしたタイプのスイッチ装置を示すその回路図である。
【図12】全部で4個の端子を備えるスイッチ装置の回路図である。
【図13】接点ダメージの説明図である。
【符号の説明】
A スイッチ(第一のスイッチ手段)
B スイッチ(第一のスイッチ手段)
C スイッチ(第二のスイッチ手段)
Td1〜Td4 所定のマージン時間
2 直流電動機
17 +B線(正極側電源)
18 グランド線(負極側電源)
40 スイッチ装置
41 スライダ(スイッチ操作手段)
43〜45 押しボタン(スイッチ操作手段)
Claims (2)
- 直流電動機の一方側駆動入力と他方側駆動入力の各々に負極側電源を共に印可して該直流電動機を停止状態とする電動機停止態様と、
前記直流電動機の一方側駆動入力に正極側電源を印可すると共に他方側駆動入力に負極側電源を印可して該直流電動機を正回転状態とする電動機正回転態様と、
前記直流電動機の一方側駆動入力に負極側電源を印可すると共に他方側駆動入力に正極側電源を印可して該直流電動機を逆回転状態とする電動機逆回転態様と
を取り得る第一のスイッチ手段を備えたスイッチ装置において、
前記第一のスイッチ手段と正極側電源又は負極側電源との間もしくは前記第一のスイッチ手段と前記直流電動機の一方側駆動入力又は他方側駆動入力との間の電気的接続を断接する第二のスイッチ手段と、
前記第一のスイッチ手段が電動機正回転態様又は電動機逆回転態様から電動機停止態様へと遷移する際、該電動機停止態様への遷移完了の時点又はそれよりも所定のマージン時間前の時点で前記第二のスイッチ手段を接状態から断状態へと操作するスイッチ操作手段と
を備えたことを特徴とするスイッチ装置。 - 前記所定のマージン時間を略1msとしたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
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