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JP2004131861A - ポリウレタン弾性繊維の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維の製造方法 Download PDF

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JP2004131861A
JP2004131861A JP2002295901A JP2002295901A JP2004131861A JP 2004131861 A JP2004131861 A JP 2004131861A JP 2002295901 A JP2002295901 A JP 2002295901A JP 2002295901 A JP2002295901 A JP 2002295901A JP 2004131861 A JP2004131861 A JP 2004131861A
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Japan
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polyurethane
polyol
elastic fiber
polyurethane elastic
diisocyanate
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JP2002295901A
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Inventor
Michiji Miyauchi
宮内 理治
Masao Umezawa
梅澤 正夫
Kunisato Itou
伊藤 晋悟
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Du Pont Toray Co Ltd
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Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

【課題】製造工程での糸切れ頻度が少なく、低温でもヘタリのない優れた弾性特性、および良好な伸長性と回復性を有するポリウレタン弾性繊維の製造方法を提供することにある。
【解決手段】主構成成分がポリオール、ジイソシアネートおよび鎖伸長剤からなるポリウレタンをあらかじめ調整し、該ポリウレタンを紡糸しポリウレタン弾性繊維を得るに際し、上記ポリオールに残存する酸性触媒が2ppm以下であることを特徴とするポリウレタン弾性繊維の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造工程での糸切れ頻度が少なく、低温でもヘタリのない優れた弾性特性、および良好な伸長性と回復性を有するポリウレタン弾性繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性繊維はその優れた伸縮特性からレッグウェア、インナーウェア、スポーツウェアなどの伸縮性衣料用途や産業資材用に幅広く使用されている。
【0003】
かかる弾性繊維として、ポリウレタン弾性繊維が用いられていて、テトラヒドロフランおよび3−メチルテトラヒドロフランの共重合体、有機ジイソシアネートおよびジアミン化合物からなるポリウレタン重合体が知られ(例えば、特許文献1〜特許文献3など参照)、また、テトラヒドロフランおよびエチレンオキサイドの共重合体、有機ジイソシアネートおよびジアミン化合物からなるポリウレタン重合体を紡糸する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−235320号公報(第2頁〜第3頁)。
【0005】
【特許文献2】
特開平5−239177号公報(第2頁〜第3頁)。
【0006】
【特許文献3】
特開平2−19511号公報(第3頁〜第6頁)。
【0007】
【特許文献4】
特開2001−226823号公報(第2頁〜第5頁)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、ポリマーを重合する際に粘度が不安定であり、紡糸適正粘度以上に高粘度化し紡糸工程で糸切れが頻発したり、さらには紡出不能に陥ることがしばしばあった。
【0009】
本発明の課題は、製造工程での糸切れ頻度が少なく、低温でもヘタリのない優れた弾性特性、および良好な伸長性と回復性を有するポリウレタン弾性繊維の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリウレタン弾性繊維の製造方法は、前記の課題を解決するため、以下の手段を採用する。
【0011】
すなわち、主構成成分がポリオール、ジイソシアネートおよび鎖伸長剤からなるポリウレタンをあらかじめ調整し、該ポリウレタンを紡糸しポリウレタン弾性繊維を得るに際し、上記ポリオールに残存する酸性触媒が2ppm以下であることを特徴とするポリウレタン弾性繊維の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリウレタン弾性繊維の製造方法について、さらに詳細に述べる。
【0013】
本発明のポリウレタン弾性繊維は、主構成成分がポリオール、ジイソシアネートおよび鎖伸長剤からなるポリウレタンであるが、本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が使用されていても構わない。
【0014】
本発明においては、ポリウレタンを溶融重合法で得ても、溶液重合法で得てもいずれでもよい。しかし、ポリウレタンにゲルなどの異物の発生が少なく、反応を効率的に行う等の観点からは溶液中で重合するのが好ましい。
【0015】
ここで、本発明におけるポリウレタンを構成する代表的な構造単位について説明する。
【0016】
本発明に用いるポリオールは、優れた耐寒性および高い伸長性を有し、かつ、高い回復性を具備したものを得る観点から、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)とエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド、すなわち、THFとエチレンオキサイド、またはTHFとプロピレンオキサイド、またはTHFとエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドが不規則に配列した、いわゆるランダム共重合体を使用するのが好ましい。
【0017】
本発明においては、ブロック共重合体を用いると、得られるポリウレタン弾性繊維が著しい吸水性を有するため、吸水時の物性が低下する問題がある。
【0018】
すなわち、本発明に用いるポリオールは、ポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールとポリ(テトラメチレン−コ−1,2−プロピレンエーテル)グリコールから選択されるコポリ(アルキレンエーテル)グリコールとも表現され得る。
【0019】
かかるポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールにおいて、エチレンエーテルは、全アルキレンエーテルに対して15〜37mol%含有されるのが好ましく、20〜35mol%含有されるのがより好ましい。
【0020】
また、ポリ(テトラメチレン−コ−1,2−プロピレンエーテル)グリコールにおいて、1,2−プロピレンエーテルは、全アルキレンエーテルに対して15〜30mol%含有されるのが好ましい。
【0021】
さらに、本発明で使用するポリオールは、ランダム共重合体のみから構成されていてもよいし、また、他のポリオールと共重合されたものでもよく、さらに他のポリオールと混合されてなるものであってもよい。
【0022】
他のポリオールとしては、優れた耐寒性、高い伸長性を有し、かつ、高い回復性を具備したものを得る観点から、ポリ(1,4−テトラメチレングリコール)(以下、PTMGと略する)、特許第2615131号などに開示されているネオペンチル基を主鎖に含むジオール、特開平2−289616号公報等に開示されているポリカーボネートジオール、特開平5−98511号公報等に開示されているエステル系ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ネオペンチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合ポリオール等を使用するのが好ましい。そして、かかる他のポリオールは、1種類であってもよく、さらに2種類以上であってもよい。
【0023】
本発明においては、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド単位のモル分率が5〜90%の範囲であるのが好ましい。
【0024】
本発明に用いるポリオールの重量平均分子量は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などの観点から1000以上6000以下の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは1300以上4500以下の範囲である。この範囲の分子量のポリオールを用いることにより、力学特性のバランスの取れた弾性糸を得ることができる。
【0025】
また、本発明に用いるポリオールには、ポリオールを製造する際に使用される酸性触媒の残存量が2ppm以下であることが好ましい。残存量は0ppmでもよい。この範囲を超えた場合、得られるポリマー溶液の粘度が高くなり、紡糸工程で糸切れが頻発するか、口金から紡出されず、原糸を得ることができなくなる。
【0026】
上記ポリオールに残存する酸性触媒は、鉄、燐、亜鉛、チタン、ジルコニウム、およびベリリウムからなる群より選ばれる1種以上の元素を含むものであることが好ましい。
【0027】
次に本発明に用いるジイソシアネートは、例えば、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1−イソシアネート−4−[(4−イソシアネートフェニル)メチル]ベンゼン、1−イソシアネート−2−[(4−イソシアネート−フェニル)メチル]ベンゼン、1,1’−メチレンビス(4−イソシアネートシクロヘキサン)、4−メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記する)、2,4−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記する)、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートは、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好ましい。
【0028】
さらに脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと略する)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に好ましく用いられる。
【0029】
そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
かかるジイソシアネートのモル量の比は、得られるポリウレタン弾性繊維の強度特性の観点から、ポリオール1に対し、ジイソシアネートは1.2以上2.3以下の範囲であるのが好ましい。
【0031】
次に本発明に用いる鎖伸長剤としては低分子量ジアミンおよび/または低分子量ジオールを用いるのが望ましい。また、低分子量ジアミンあるいは低分子量ジオールのかわりにエタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものを単独使用しても併用してもかまわない。
【0032】
低分子量ジアミンとしては、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルブタン、2,4−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、1,3−ペンタンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキサイド、ヘキサメチレンジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどを使用するのが好ましい。特に伸度および弾性回復性等に優れたものを得る観点から、エチレンジアミンを用いるのが好ましい。
【0033】
低分子量ジオールとしては、例えば、エテレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−トリメチレンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなどを用いるのが好ましい。特に、耐熱性が高く、強度の高いポリウレタンを得る観点からエテレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールを用いるのが好ましい。
【0034】
これらの鎖伸長剤に架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えばジエチレントリアミン等を効果を失わない程度に加えるのも好ましい。
【0035】
かかるポリウレタンは、上記原料だけを使用し得るいわゆる溶融重合法で得ることも、また、例えば、DMAC、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分とする溶剤の中で、前記の原料を用い得るいわゆる溶液重合法で得ることもできる。
【0036】
溶液重合法の場合、例えば、こうした溶剤中に、各原料を投入、溶解せしめ、適度な温度に加熱し反応せしめポリウレタンウレアとする、いわゆるワンショット法、また、ポリオールとMDIをまず溶融反応せしめ、しかる後に、該反応物を溶剤に溶解し、前記の鎖伸長剤と反応せしめ、ポリウレタンとする方法などが、特に好適な方法として採用され得る。
【0037】
なお、かかるポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒を1種または2種以上混合して用いても何ら構わない。これらの代表的なものとしては、アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等を好ましく使用できる。また、有機金属触媒としてはオクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等を好ましく使用できる。
【0038】
さらに、本発明においては、ポリウレタンの分子量およびポリウレタンの粘度を制御するため、鎖停止剤を使用することも好ましい。
【0039】
かかる鎖停止剤として、n−ブタノール、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘキシルアミン等が好ましい。
【0040】
鎖停止剤は、通常、鎖伸長剤と混合して使用されるのが好ましい。
【0041】
また、ジエチレントリアミンとグリセロールのような三官能性物質の少量もポリマー粘度の制御に用いることができる。
【0042】
溶液重合の場合、こうして得られるポリウレタン溶液の濃度は特に限定されるものではないが、通常、30重量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。
【0043】
本発明においては、かかるポリウレタンに各種添加剤、たとえば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐ガス安定剤などとして、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の”スミライザー”GA−80などをはじめとするヒンダードフェノール系薬剤、各種の”チヌビン”をはじめとするベンゾトリアゾール系薬剤、住友化学工業(株)製の”スミライザー”P−16をはじめとするリン系薬剤、各種の”チヌビン”をはじめとするヒンダードアミン系薬剤、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラックをはじめとする無機顔料、ステアリン酸マグネシウムをはじめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などをはじめとする各種の帯電防止剤などを添加することが好ましい。また、これらの添加剤がポリマと反応させられていることも好ましい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば日本ヒドラジン(株)製のHN−150、熱酸化安定剤、例えば住友化学工業(株)製の”スミライザー”GA−80、光安定剤、例えば住友化学工業(株)製の”スミソーブ”300#622などを使用することは好ましい。 添加剤のポリウレタンへの添加方法としては、任意の方法を採用することができる。その代表的な方法として、溶融重合の場合、押出機等を用い加熱溶融状態で添加するのが好ましく、溶液重合の場合は、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方式などを採用することが好ましい。特に溶液重合の場合、添加剤は溶液であるとポリウレタン溶液への均一な添加が可能となるため、溶液にして添加することが好ましい。。
【0044】
本発明においては、ポリウレタンを紡糸してポリウレタン弾性繊維を得る。紡糸方法としては、湿式法、乾式法、溶融法のいずれの方法であってもよい。
【0045】
紡糸速度を高速とする観点から乾式法で紡糸するのが好ましい。乾式紡糸においては、ガスの供給部が少なくとも2箇所設けられ、ガスの吸引部が前記ガスの供給部の間に設けられた紡糸筒に、口金からポリウレタン溶液を吐出させて繊維を形成する際、紡糸筒下部に設けられたガスの供給部から供給するガスの温度を60℃以下とすることも糸ムラをなくす観点から好ましく行われる。
【0046】
紡糸の際、ゴデローラーと巻取機の速度比は糸の使用目的に応じて決めるのが好ましい。
【0047】
本発明においては、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.1以上1.8以下として巻き取ることが好ましい。
【0048】
また、紡糸速度は300m/分以上800m/分以下であるのが好ましい。
【0049】
本発明のポリウレタン弾性繊維の繊度、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、断面は円形であっても扁平であってもかまわない。
【0050】
【実施例】
本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。ただし、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
【0051】
本発明における応力緩和、強度、伸度、残留歪み、耐熱性の定量法について説明する。
[応力緩和、強度、伸度、残留歪み]
応力緩和、強度、伸度、残留歪みは、ポリウレタン糸をインストロン4502型引張試験機を用い、引張テストすることにより得られた。
【0052】
なお、応力緩和、強度、伸度は22℃で測定し、残留歪みは−5℃で測定した。
【0053】
これらは下記により定義される。
【0054】
5cm(L1)の試料を50cm/分の引張速度で300%伸長を5回繰返した。このときの応力を(G1)とした。
【0055】
次に該長さを30秒間保持した。30秒間保持後の応力を(G2)とした。
【0056】
また、応力を0としたときの試料長を(L2)とした。
【0057】
さらに6回目にポリウレタン糸が切断するまで伸長した。
【0058】
この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。
【0059】
以下、前記特性は下記式により得られた。
【0060】
強度=(G3)
応力緩和(%)=100×((G1)−(G2))/(G1)
残留歪み(%)=100×((L2)−(L1))/(L1)
伸度(%)=100×((L3)−(L1))/(L1)
[実施例1]
硼素含有量が0.6ppmでありTHFとエチレンオキサイドの割合が7対3で分子量が1951のランダム共重合体であるポリオール(三洋化成工業(株)製”テトラキシノールAS−200S”)2900gとMDI595.8gを無溶媒の条件下で反応させた後、6602gのジメチルアセトアミドに溶解し、エチレンジアミン53.7gおよびジエチルアミン5.45gを添加することにより35重量パーセントのポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液に、住友化学工業(株)製”スミライザー”(登録商標)GA80を35g、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)の反応生成物を35gおよび酸化チタンを175g添加することにより試料溶液を調製した。得られた溶液を500m/分のスピードで乾式紡糸することにより470デシテックス、56フィラメントの糸を得た。
【0061】
このポリマー溶液の粘度、糸の伸度、強度、応力緩和、−5℃で測定した残留歪みを表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 2004131861
【0063】
[実施例2]
硼素含有量が1.7ppmであるポリオールを用いたこと以外は実施例1と同様の方法でポリマー溶液および糸を得た。
【0064】
このポリマー溶液の粘度特性、糸の伸度、強度、応力緩和、−5℃で測定した残留歪みを表1に示す。
【0065】
[比較例1]
硼素含有量が4.0ppmであるポリオールを用いたこと以外は実施例1と同様の方法でポリマー溶液および糸を得た。
【0066】
このポリマー溶液の粘度特性、糸の伸度、強度、応力緩和、−5℃で測定した残留歪みを表1に示す。
【0067】
実施例1,2では、紡糸可能な粘度のポリマー溶液が得られ、かつ、紡糸時に糸切れ等のトラブルは起こらなかったのに対し、比較例1のポリマー溶液はゲル化し、粘度測定不能となり、紡糸時も口金からポリマーが吐出せず、原糸を得ることができなかった。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリマーを重合する際の粘度が不安定し、製造工程での糸切れ頻度が少なく、低温でもヘタリのない優れた弾性特性、良好な伸長性と回復性を有するポリウレタン弾性繊維を製造することができる。

Claims (4)

  1. 主構成成分がポリオール、ジイソシアネートおよび鎖伸長剤からなるポリウレタンをあらかじめ調整し、該ポリウレタンを紡糸しポリウレタン弾性繊維を得るに際し、上記ポリオールに残存する酸性触媒が2ppm以下であることを特徴とするポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  2. 前記ポリオールが、テトラヒドロフランとエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドとのランダム共重合体であることを特徴とするする請求項1に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  3. 前記ポリオールに残存する酸性触媒が、鉄、燐、亜鉛、チタン、ジルコニウム、およびベリリウムからなる群より選ばれる1種以上の元素を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  4. 前記鎖伸長剤が、ジアミンおよび/またはジオールからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
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