JP2004124827A - 動力出力装置及びハイブリッド型の動力出力装置並びにその制御方法、ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン及びモータジェネレータ装置を含むハイブリッド型の動力出力装置は、エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する三元触媒装置、前記エンジンより排出されるガス中の有害物質濃度を低下せしめる制御として、前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する制御ユニット等を備えている。そして、制御ユニット等は、前記触媒の浄化率が所定値以下であると判断する場合には、エンジンの間欠運転を禁止する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン及びモータジェネレータ装置等を含むハイブリッド型の動力出力装置及びその製造方法の技術分野に属する。また、本発明は、該ハイブリッド型の動力出力装置を具備してなるハイブリッド車両の技術分野にも属する。
【0002】
【背景技術】
従来、例えば特許文献1、特許文献2等に開示されているように、ハイブリッド車両に好適に搭載されるいわゆるハイブリッド型の動力出力装置が開発されている。この種のハイブリッド型の動力出力装置では、要求される動作状態に応じて適宜、モータジェネレータ装置をエンジンの駆動力で回転されるジェネレータ(発電機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のジェネレータを利用して、バッテリに充電する。また、モータジェネレータ装置をバッテリから電源供給を受けて回転するモータ(電動機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のモータを利用して、駆動軸を単独で或いはエンジンと共に回転させる。そして、この種の動作出力装置は、パラレルハイブリッド方式とシリーズハイブリッド方式とに大別される。前者では、駆動軸をエンジンの出力の一部により回転させると共にモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。後者では、エンジン出力はモータジェネレータ装置による充電に専ら用いられ、駆動軸をモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。いずにせよ、当該装置では、エンジンの役割が相対的に縮小化されることから、燃料消費量の低下、或いは排気ガス中における有害物質濃度の低下等の目覚ましい効果を得ることができることになる。
【0003】
また、このようなハイブリッド型の動力出力装置では、エンジンの間欠運転が実施されることがある。これは、当該ハイブリッド型の動力出力装置では、上述のようにエンジン及びモータジェネレータ装置の協働により車両の走行等を実現可能であることにより、エンジンを常に作動させておく必要がないからである。この場合、前記休止期間中は、エンジンにおいて燃料消費が生ぜず、かつ、エンジンから排気ガスが排出されるということもないから、低燃費性、低公害性はよりよく実現されることになる。なお、エンジンの休止が許される場合とは、具体的には例えば、アクセル開度の程度やバッテリの充電状態、或いは特許文献3等に開示されているように触媒温度等に基づいて決定される。
【0004】
さらに、このようなハイブリッド型の動力出力装置においては、通常のエンジン等においても広く用いられている三元触媒装置等の排気ガス浄化装置が設けられる。これによると、エンジンから排出されるガス中に存在するNOx、HC及びCO等は、外部へと至る前に取り除かれることになる。このような排気ガス浄化装置の存在は、上述のエンジンの役割の縮小化に併せ、更なる低公害化を実現する上で大きく資することになる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9‐47094号公報
【特許文献2】
特開2000−324615号公報
【特許文献3】
特開平2000−97063号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなハイブリッド型の動力出力装置において、エンジンの間欠運転を実施する場合には、前記三元触媒装置を構成する触媒の機能、或いは劣化等に関し、以下に述べるような不都合が生じる。
【0007】
すなわち、エンジンが間欠運転されている場合、該エンジンは運転期間から休止期間へ、或いはその逆である休止期間から運転期間への各移行時点を、通常多数回経験することになる。このうちまず、前者の移行時点(即ち、運転期間から休止期間への移行時点)においては、エンジンが停止指令を受けてから暫くの間、該エンジンは空転することになるが、このエンジンの空転によって、排気管中には比較的大量のガスが送り込まれることになる。すると、通常、排気管の途上に設けられる前記三元触媒装置の触媒は、酸素過剰な雰囲気に中に置かれる結果となり、その劣化の進行が促進されるという問題が生じるのである。
【0008】
他方、後者の移行時点(即ち、休止期間から運転期間への移行時点)においても、通常、エンジンは所定の空転期間の後、点火・燃焼が実行されるという過程を経て始動されることから、当該空転期間において前述と同様な問題が生じることになる。更に、当該移行時点においては、理想空燃比を維持することが困難であることにより、エンジンの燃焼室で不完全燃焼等を生起させやすいという問題もある。これは、エンジン始動直後では、吸気管中の空気の流れが不定であることにより、該吸気管に設けられるエアーフローメータ等によっては、その流量を正確に把握することが困難であることによる。したがって、この場合、前述した排気管中に送り込まれるガスの中には、不完全燃焼等の結果生じた有害物質が比較的多量に含まれていることになる。これによると、外部への影響(すなわち、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化)も無視し得ない。
【0009】
また、このような問題は、触媒の劣化が既に相当程度に進行している場合に特に深刻である。というのも、この場合、排気管に比較的大量のガスが送り込まれるにもかかわらず、触媒の機能が不十分であることにより、外部へ放出される排気ガスのエミッション悪化を促進してしまうことになるからである。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド型の動力出力装置においてエンジンを間欠運転する場合に、この間欠運転に起因した触媒の劣化、或いは排気ガスのエミッションの悪化防止等を可能とするハイブリッド型の動力出力装置及びその製造方法並びにハイブリッド車両を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の動力出力装置は、上記課題を解決するため、エンジンと、該エンジンに対して動力伝達が可能であることにより該エンジンの間欠運転を可能とする外的動力付与手段と、前記エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する排気浄化手段と、前記エンジンより排出されるガス中の有害物質濃度を低下せしめる制御として、前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された前記許容性に基づいて前記エンジンの間欠運転の態様を制御する制御手段とを備えている。
【0012】
本発明の動力出力装置によれば、エンジンに対して動力伝達が可能であることにより該エンジンの間欠運転を可能とする外的動力付与手段が備えられている。ここに外的動力付与手段の具体例としては、後述するハイブリッド型の動力出力装置を構成するモータジェネレータ装置を想定することができるが、その他にも、当該動力出力装置を搭載した車両等の停止中において、エンジンのアイドリング運転を行わないようにするが、該エンジンにおける回転を維持するためこれに動力を伝達するための発動機を想定することも可能である(ちなみに、この場合、当該車両は、「アイドルストップを行うエコラン車」ということができる。)。いずれにせよ、このような外的動力付与手段が備えられていることにより、本発明に係る動力出力装置においては、エンジンは常に運転しつづける必要がなく、必要なときは運転され、そうでないときは運転されないという間欠運転が可能となる(すぐ後にも述べる。)。
【0013】
ここで本発明では特に、エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する排気浄化手段が備えられている。更に、本発明は、エンジンより排出されるガス中の有害物質濃度を低下せしめる制御として、前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された前記許容性に基づいて前記エンジンの間欠運転の態様を制御する制御手段を備えている。
【0014】
ここでまず、「エンジンの間欠運転」とは、該エンジンについて、ある一定の運転期間の後、暫く休止期間があり、その後再び運転期間に入るなどという運用がなされることを意味する。このような運用が可能となるのは、当該動力出力装置では、上述のように外的動力付与手段が備えられていることにより、エンジンを常に作動させておく必要がないからである。この場合、前記休止期間中は、エンジンにおいて燃料消費が生ぜず、かつ、エンジンから排気ガスが排出されるということもないから、低燃費性、低公害性はよりよく実現されることになる。なお、エンジンの休止が許される場合とは、具体的には例えば、アクセル開度の程度やバッテリの充電状態等に基づいて決定される。また、実際にエンジンが休止するという動作状態は、例えば車両の発進時、あるいは低速走行時等にとられる。
【0015】
次に、その「許容性」の判定とは、該エンジンにおいて、間欠運転が許されるか否かという二者択一的な判断を含むほか、間欠運転が許される場合であってもその内容・程度をどのようにするかという判断を含む。ここに間欠運転の内容・程度とは、例えば、休止期間から運転期間への移行時点(即ち、エンジンは現に運転状態にある。)から数えてエンジン停止要求を数度やり過ごした後にはじめて、運転期間から休止期間への移行処理(即ち、エンジン停止処理)を実施するなどという場合を考えることができる。この場合、少なくとも前述の数度のやり過ごしの間のみについて、エンジンの間欠運転が不許とされていると考えることができる。
【0016】
これによると、本来、間欠運転が許容される場合であっても、触媒浄化率に応じて、該間欠運転が不許となる、或いは許可される場合であっても該間欠運転が抑制されるという運用が行われうることになる。いずれにせよ、このようなことから、本発明においては、当該動力出力装置全体としての運転期間中において、エンジンの運転期間から休止期間への移行時点、或いはその逆の移行時点(以下、両事象併せて「移行時点」という言葉で代表させることがある。)の回数を零にする、あるいは減少することが可能となる。そして、これによると更に、その移行時点の減少回数に応じて、エンジン空転による排気管への比較的大量の空気の流入という事態は生じないことになるのである。
【0017】
なお、この場合、「触媒の浄化率に応じて」とは、具体的には例えば、触媒浄化率が当初に比べて相当程度低落した場合であるとか、あるいは該触媒浄化率が所定の値を下回った場合、更には浄化率低落速度がある一定の水準に一致した場合等と考えることができる。なお、ここにいう「触媒の浄化率」とは、排気浄化手段を構成する触媒が有する、排気ガス中に含まれる有害物質の除去能力の程度を表す指標である。
【0018】
そして、本発明に係る制御手段は、上述のような「許容性」の判定ないし判断に基づいて、エンジンの間欠運転の態様を制御する。ここに「態様を制御する」とは、具体的には、エンジンの間欠運転を許可又は禁止するように該エンジン等を制御する場合や、該間欠運転が許可される場合において、上に例示したような内容・程度の間欠運転が実現されるように該エンジン等を制御する場合を含む。更に具体的にいえば、この場合における制御対象としては、該エンジンに含まれる点火プラグにおける点火の有無ないしそのタイミング、燃料噴射量、吸気量をはじめとして、外的動力付与手段の動作態様(例えば、該手段が発動機であれば、その回転数等)をも挙げることができる。「態様」は、これら総合的な処理を経て、好適に制御されることになる。
【0019】
以上により、本発明によれば、触媒浄化率の如何に応じて、触媒の劣化の進行を抑制することが可能となる。また、触媒の劣化が既に相当程度に進行している場合においても、エンジンの間欠運転は禁止、或いは抑制されていることから、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止することができる。
【0020】
なお、本発明においては、「間欠運転の許容性を判定する」というに止まるから、仮に、触媒浄化率が所定の値を下回った場合が「触媒の浄化率に応じて」を具体化する場合であり、かつ、現実の触媒の浄化率が当該所定の値を下回るに至った場合であっても、エンジンの間欠運転が、必ず禁止、あるいは抑制されるというわけではない。すなわち、その他の条件如何に応じて、なおエンジンの間欠運転を続行する必要性・許容性が認められるのであれば、これを禁止あるいは抑制する必要はない。例えば、当該動力出力装置が、後述するハイブリッド型の動力出力装置である場合には、モータジェネレータ装置によるバッテリ等の蓄電装置に対する充電が行われることになるが、該蓄電装置が満充電状態その他許容され得る蓄電量以上の電気エネルギを蓄えた状態にある場合であって、エンジン出力を駆動力にまわすことができない場合には、エンジンは停止すべき、即ちエンジンの間欠運転は依然許容されるべきである等という事情を考えることができる。また、強制的にモータの動力のみで走行する状態を運転者が選択可能なモード選択機能が存在する場合であって、当該状態が選択されている場合には、やはりエンジンは停止すべきで、即ちエンジンの間欠運転は依然許容されるべきである等という事情を考えることができる。
【0021】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の一態様では、前記判定手段は、前記触媒の浄化率が所定の浄化率閾値以下になる場合に、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する。
【0022】
この態様によれば、長期間の使用等により触媒の機能が比較的低下してきた場合に、エンジンの間欠運転を禁止するか、或いは抑制しうるということになるから、上述した作用効果はより確実に奏されることになる。
【0023】
なお、本態様にいう浄化率閾値としては、具体的には例えば「当初の95%」などとすることができる。つまり、この場合、エンジンの間欠運転の禁止等が実施され得るのは、「触媒の浄化率が当初の95%以下になる場合」ということになる。
【0024】
ちなみに、このような浄化率閾値の具体的な値は、当該触媒そのものの劣化の進行速度、当該動力出力装置の使用環境、或いはこれが使用される地における法規制の程度等諸般の事情を勘案して決定されることになる。
【0025】
また、この触媒浄化率の具体値を高くに設定すれば設定するほど、前述したような移行時点における不都合、即ち外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止し得ることになるが、他方で、あまりに高い値を設定してしまうと、エンジンは殆ど常に作動し続けるなどということになり、そのような必要がないという外的動力付与手段を備えた動力出力装置の本質的な魅力が相当程度減殺されることになりかねない。これは換言すると、移行時点における排気ガスの放出防止という点に重点を置くか、はたまたエンジン休止により低燃費を実現することができるという点に重点を置くか、という問題として捉えることもできる。
【0026】
このように、触媒浄化率の具体値の決定は、実際には、前述した種々の状況、或いは上述のようにトレードオフの関係にある二つの事実に対する重み付けの相違等によって行われることになる。
【0027】
この態様では、前記判定手段は、前記触媒の浄化率が所定の浄化率閾値以下になる場合に、前記エンジンの間欠運転を禁止するものと判断するように構成するとよい。
【0028】
このような構成によれば、触媒の浄化率が、浄化率閾値以下となる場合においては、絶対的にエンジンの間欠運転が禁止されることになる。したがって、この場合には、当該状態に至った以降、エンジンは移行時点を経験することがないから、該移行時点に起因する、排気ガスのエミッションの悪化という事態は生じないことになる。これにより、より環境汚染を生じさせ難い動力出力装置を提供することができる。
【0029】
なお、「エンジンの間欠運転を禁止する」とは、休止期間中にあったエンジンについてはこれを運転状態に移行して以後その状態を維持し、運転期間中にあったエンジンはそのままの状態を維持する等ということを意味する。
【0030】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の他の態様では、前記触媒の浄化率は、前記触媒の劣化度に基づいて推定される。
【0031】
この態様によれば、触媒浄化率が、触媒の劣化度に基づいて推定される。ここで触媒の劣化度は、例えば排気浄化手段の上流側又は下流側に設けられた酸素センサからもたらされる軌跡長比を利用することができ、該劣化度は、該軌跡長比から推定することができる。そして、この劣化度は、触媒の浄化率と一定の関数関係(概ね反比例関係)にある。すなわち、定性的には、劣化度が大きくなればなる程、触媒の浄化率は小さくなり、劣化度が小さくなればなる程、触媒の浄化率は大きくなる。したがって、触媒の浄化率は、この劣化度に基づいて推定することができる。
【0032】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の他の態様では、前記触媒の浄化率は、前記触媒の温度に基づいて推定される。
【0033】
この態様によれば、触媒浄化率が、触媒の温度に基づいて推定される。ここで触媒の温度は、例えば触媒浄化手段に付設された温度センサの計測結果に基づいて知ることができ、あるいは該触媒の温度と密接な関係のあるパラメータ、例えばエンジンの回転数、吸入空気量及び回転数等から推定することによって知ることができる。そして、この触媒の温度は、触媒の浄化率と一定の関数関係にある。すなわち、定性的には、該温度が大きくなればなる程、触媒の浄化率は大きくなり、該温度が小さくなればなる程、触媒の浄化率は小さくなる。したがって、触媒の浄化率は、この触媒の温度に基づいて推定することができる。
【0034】
なお、触媒の浄化率は、本態様にいう触媒の温度及び前述した触媒の劣化度の双方を利用して推定するようにしてもよい。この場合、触媒の劣化度と温度との間には、所定の相関関係がある。すなわち、触媒の劣化度とは、通常、活性化された触媒、換言すれば所定の温度以上にあって安定的に有害物質除去能力が発揮されている場合(以下、単に「安定状態」という。)の触媒についての概念であり、この場合、劣化した触媒とそうでない触媒との劣化度の差、及び両者間の触媒浄化率の差は一定のものとして観念される。
【0035】
一方、未活性の触媒、換言すれば所定の温度以下にあって安定状態にない触媒については、劣化した触媒とそうでない触媒との間における触媒浄化率の差は、触媒温度及び触媒劣化度双方に対する関数として観測されることになる。一般的には、安定状態にない触媒のうち、劣化した触媒では、その安定状態に至るまで、温度の上昇とともに触媒浄化率は徐々に上昇していくのに対して、そうでない触媒、とりわけ新品の触媒では、温度の上昇とともに前記安定状態に直ちに到達する、即ち当該触媒本来の触媒浄化率が直ちに達成されるということができる。そうして、劣化した触媒が安定状態に達した後は、両触媒の浄化率の差は、前述した劣化度の差に基づく固定されたものとして観察されることになる。
【0036】
要するに、活性化に至る前の触媒においては特に、触媒浄化率は、触媒温度及び触媒劣化度双方の関数として記述することが好ましいということがいえる。
【0037】
このようなことから、前記の性質を踏まえた上で、当該触媒の浄化率が現にどれほどであるかを、触媒温度及び触媒劣化度双方に基づき推定することによれば、これをより正確に知ることが可能になることは言うまでもない。したがって、このような態様によれば、上述した作用効果をより確実に享受することが可能となる。
【0038】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置は、上記課題を解決するために、前述の本発明の動力出力装置(但し、その各種態様を含む。)において、前記外的動力付与手段として、エンジン及び該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置を備えている。
【0039】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置によれば、まず、エンジンの出力により発電し、或いは駆動軸を介して駆動力を出力するモータジェネレータ装置を備えている。このうち後者の性質によれば、駆動軸の回転は、モータジェネレータ装置によって実現される他、前記エンジンによっても実現可能(パラレルハイブリッド方式)であるから、例えばエンジンの出力が仮に低くても、モータジェネレータ装置を構成するモータによるアシストにより、十分な駆動力を得ることができる。また、前者の性質(発電)によれば、エンジンの出力を借りて、バッテリの充電を実現することが可能となるから、モータジェネレータ装置を構成するモータによる駆動軸に対する駆動力の付与は、特別な充電期間を設けるなどという必要なく、比較的長期にわたって実現可能となる(シリーズハイブリッド方式)。
【0040】
いずれにせよ、排気ガスを排出するエンジンの役割を相対的に縮小化することによって、燃料消費量を抑えるとともに、いわゆる環境汚染を招くこと等のない動力出力装置を提供することが可能となる。
【0041】
そして、本発明では特に、上述したモータジェネレータ装置が、前記の外的動力付与手段として備えられている。これによると、エンジンの間欠運転は、前記エコラン車に比べて、比較的頻度高く実行される可能性があり、したがって、上述した移行時点に起因する排気管への比較的大量の空気の流入という事態はより生じやすくなっているといえる。この点、及び、本発明においてもエンジンの間欠運転が適宜禁止或いは抑制される点からすると、本発明によれば、前述の本発明の動力出力装置により得られる作用効果が、より効果的に享受されうるということができる。
【0042】
本発明の動力出力装置の制御方法は、上記課題を解決するために、エンジン及び該エンジンに対して動力伝達が可能であることにより該エンジンの間欠運転を可能とする外的動力付与手段並びに前記エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する排気浄化手段を備えた動力出力装置を制御する動力出力装置の制御方法であって、前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する工程を含む。
【0043】
本発明の動力出力装置の制御方法によれば、前述の本発明の動力出力装置を好適に運用することができる。
【0044】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の制御方法は、上記課題を解決するために、エンジン及び該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置並びに前記エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する排気浄化手段を備えたハイブリッド型の動力出力装置を制御するハイブリッド型の動力出力装置の制御方法であって、前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する工程を含む。
【0045】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の制御方法によれば、前述の本発明のハイブリッド型の動力出力装置を好適に運用することができる。
【0046】
本発明のハイブリッド車両は、上記課題を解決するために、前述の本発明のハイブリッド型の動力出力装置と、該動力出力装置が搭載される車両本体と、該車両本体に取り付けられるとともに前記駆動軸を介して出力される前記駆動力により駆動される車輪とを備えている。
【0047】
本発明のハイブリッド車両によれば、触媒の浄化率に応じ、より具体的には例えば、触媒の浄化率が所定の浄化率閾値以下となる場合において、エンジンの間欠運転が禁止、あるいは抑制されることにより、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止することが可能となる。
【0048】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、本発明に係るハイブリッド型の動力出力装置を、パラレルハイブリッド方式のハイブリッド車両に適用したものであり、更に、本発明に係る動力出力装置の制御方法は、当該ハイブリッド車両において実行されるものである。
【0050】
(ハイブリッド車両の基本構成及び動作)
先ず、本実施形態のハイブリッド車両の構成について図1を用いて説明する。ここに図1は、本実施形態のハイブリッド車両における動力系統のブロック図である。
【0051】
図1において、本実施形態のハイブリッド車両の動力系統は、エンジン150、モータジェネレータ装置の一例を構成するモータジェネレータMG1及びMG2、これらのモータジェネレータMG1及びMG2を夫々駆動する駆動回路191及び192、これらの駆動回路191及び192を制御する制御ユニット190、並びにエンジン150を制御するEFIECU(Electrical Fuel Injection Engine Control Unit)170を備えて構成されている。
【0052】
本実施形態では、エンジン150は、ガソリンエンジンである。エンジン150は、クランクシャフト156を回転させる。エンジン150の運転は、EFIECU170により制御されている。EFIECU170は、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の燃料噴射量や回転速度その他の制御を実行する。図示を省略したが、これらの制御を可能とするために、EFIECU170にはエンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。
【0053】
モータジェネレータMG1及びMG2は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132及び142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ133及び143とを備える。ステータ133及び143は、ケース119に固定されている。モータジェネレータMG1及びMG2のステータ133及び143に巻回された三相コイルは、夫々駆動回路191及び192を介してバッテリ194に接続されている。
【0054】
駆動回路191及び192は、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2つ1組で備えたトランジスタインバータである。駆動回路191及び192は夫々、制御ユニット190に接続されている。制御ユニット190からの制御信号によって駆動回路191及び192のトランジスタがスイッチングされると、バッテリ194とモータジェネレータMG1及びMG2との間に電流が流れる。
【0055】
モータジェネレータMG1及びMG2は夫々、バッテリ194からの電力の供給を受けて回転駆動するモータ(電動機)として動作することもできる(以下適宜、この運転状態を“力行”と呼ぶ)。或いは、ロータ132及び142が外力により回転している場合には三相コイルの両端に起電力を生じさせるジェネレータ(発電機)として機能してバッテリ194を充電することもできる(以下適宜、この運転状態を“回生”と呼ぶ)。
【0056】
エンジン150とモータジェネレータMG1及びMG2とは夫々、プラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、遊星歯車とも呼ばれ、以下に示す夫々のギヤに結合された3つの回転軸を有している。プラネタリギヤ120を構成するギヤは、中心で回転するサンギヤ121、サンギヤの周辺を自転しながら公転するプラネタリピニオンギヤ123、及びその外周で回転するリングギヤ122である。プラネタリピニオンギヤ123はプラネタリキャリア124に軸支されている。本実施形態のハイブリッド車両では、エンジン150のクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合されている。ダンパ130はクランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するために設けられている。モータジェネレータMG1のロータ132は、サンギヤ軸125に結合されている。モータジェネレータMG2のロータ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リングギヤ122の回転は、チェーンベルト129を介して駆動軸112、更に車輪116R及び116Lに伝達される。
【0057】
次に以上の如く構成された本実施形態のハイブリッド車両の動力系統における動作について説明する。
【0058】
先ず、プラネタリギヤ120の動作について図2及び図3を参照して説明する。
【0059】
プラネタリギヤ120は、上述した3つの回転軸のうち、2つの回転軸の回転数及びトルク(以下適宜、両者をまとめて“回転状態”と呼ぶ)が決定されると残余の回転軸の回転状態が決まるという性質を有している。各回転軸の回転状態の関係は、機構学上周知の計算式によって求めることができるが、共線図と呼ばれる図により幾何学的に求めることもできる。
【0060】
図2に共線図の一例を示す。縦軸が各回転軸の回転数を示している。横軸は、各ギヤのギヤ比を距離的な関係で示している。サンギヤ軸125(図中のS)とリングギヤ軸126(図中のR)を両端にとり、位置Sと位置Rの間を1:ρに内分する位置Cをプラネタリキャリア軸127の位置とする。ρはリングギヤ122の歯数に対するサンギヤ121の歯数の比である。こうして定義された位置S、C及びRに、夫々のギヤの回転軸の回転数Ns、Nc及びNrをプロットする。プラネタリギヤ120は、このようにプロットされた3点が必ず一直線に並ぶという性質を有している。この直線を動作共線と呼ぶ。動作共線は2点が決まれば一義的に決まる。従って、動作共線を用いることにより、3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転数から残余の回転軸の回転数を求めることができる。
【0061】
また、プラネタリギヤ120では、各回転軸のトルクを動作共線に働く力に置き換えて示したとき、動作共線が剛体として釣り合いが保たれるという性質を有している。具体例として、プラネタリキャリア軸127に作用するトルクをTeとする。このとき、図2に示す通り、トルクTeに相当する大きさの力を位置Cで動作共線に鉛直下から上に作用させる。作用させる方向はトルクTeの方向に応じて定まる。また、リングギヤ軸126から出力されるトルクTrを位置Rにおいて動作共線に、鉛直上から下に作用させる。図中のTes,Terは剛体に作用する力の分配法則に基づいてトルクTeを等価な2つの力に分配したものである。「Tes=ρ/(1+ρ)×Te」「Ter=1/(1+ρ)×Te」なる関係がある。以上の力が作用した状態で、動作共線図が剛体として釣り合いがとれているという条件を考慮すれば、サンギヤ軸125に作用すべきトルクTm1と、リングギヤ軸に作用すべきトルクTm2とを求めることができる。トルクTm1はトルクTesに等しくなり、トルクTm2はトルクTrとトルクTerとの差分に等しくなる。
【0062】
プラネタリキャリア軸127に結合されたエンジン150が回転をしているとき、動作共線に関する上述の条件を満足する条件下で、サンギヤ121およびリングギヤ122は様々な回転状態で回転することができる。サンギヤ121が回転しているときは、その回転動力を利用してモータジェネレータMG1により発電することが可能である。リングギヤ122が回転しているときは、エンジン150から出力された動力を駆動軸112に伝達することが可能である。図1に示した構成を有するハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を駆動軸に機械的に伝達される動力と、電力として回生される動力に分配し、さらに回生された電力を用いてモータジェネレータMG2を力行して動力のアシストを行うことによって所望の動力を出力しながら走行することができる。こうした動作状態は、ハイブリッド車両の通常走行時に取り得る状態である。なお、全開加速時等の高負荷時には、バッテリ194からもモータジェネレータMG2に電力が供給され、駆動軸112に伝達する動力を増大している。
【0063】
また、上述のハイブリッド車両では、モータジェネレータMG1またはMG2の動力を駆動軸112から出力することができるため、これらのモータにより出力される動力のみを用いて走行することもできる。従って、車両が走行中であっても、エンジン150は停止していたり、いわゆるアイドル運転していたりすることがある。この動作状態は、発進時或いは低速走行時に取り得る状態である。
【0064】
更に、本実施形態のハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を2経路に分配するのではなく、駆動軸112側だけに伝達させることもできる。これは、高速定常走行時に取り得る動作状態であり、モータジェネレータMG2は高速走行による慣性によって連れ回された状態となり、モータジェネレータMG2によるアシストなしにエンジン150から出力された動力のみの走行となる。
【0065】
図3は、この高速定常走行時の共線図を示している。図2に示す共線図ではサンギヤ軸125の回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数Neとリングギヤ軸126の回転数Nrとによって、図3に示す共線図のように負となる。このときには、モータジェネレータMG1では、回転の方向とトルクの作用する方向とが同じになるから、モータジェネレータMG1は電動機として動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされる電気エネルギを消費する(逆転力行の状態)。一方、モータジェネレータMG2では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になるから、モータジェネレータMG2は発電機として動作し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギをリングギヤ軸126から回生することになる。
【0066】
このように、本実施形態のハイブリッド車両は、プラネタリギヤ120の作用に基づいて種々の運転状態で走行することができる。
【0067】
続いて、制御ユニット190による制御動作について再び図1を参照して説明する。
【0068】
図1において、本実施形態の動力出力装置の運転全体は、制御ユニット190により制御されている。制御ユニット190は、EFIECU170と同様、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータである。制御ユニット190はEFIECU170と接続されており、両者は種々の情報を伝達し合うことが可能である。制御ユニット190は、エンジン150の制御に必要となるトルク指令値や回転数の指令値などの情報をEFIECU170に送信することにより、エンジン150の運転を間接的に制御可能に構成されている。制御ユニット190はこうして、動力出力装置全体の運転を制御しているのである。かかる制御を実現するために制御ユニット190には、種々のセンサ、例えば、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144などが設けられている。リングギヤ軸126と駆動軸112とは機械的に結合されているため、本実施形態では、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144をリングギヤ軸126に設け、モータジェネレータMG2の回転を制御するためのセンサと共通にしている。
【0069】
(ハイブリッド車両の動力系統における電気回路)
次に図4を参照して、本実施形態のハイブリッド車両の動力系統に備えられる電気回路について更に詳細に説明する。即ちここでは、図1に示した制御ユニット190、モータジェネレータMG1及びMG2、駆動回路191及び192、並びにバッテリ194の詳細について述べる。
【0070】
図4に示すように、バッテリ194に対して、インバータコンデンサ196と、モータジェネレータMG1に接続される駆動回路191と、モータジェネレータMG2に接続される駆動回路192とが夫々並列に接続されている。
【0071】
バッテリ194は、詳細には、電池モジュール部194aと、SMR(システムメインリレー)194bと、電圧検出回路194cと、電流センサ194d等を備える。SMR194bは、制御ユニット190からの指令により高電圧回路の電源の接続・遮断を行うもので、電池モジュール部194aの+−両極に配置された2個のリレーR1及びR2から構成される。バッテリ194に2個のリレーR1及びR2を設けたのは、電源の接続時には、まずリレーR2をオンし、続いてリレーR1をオンし、電源の遮断時には、まずリレーR1をオフし、続いてリレーR2をオフすることにより、確実な作動を行うことを可能とするためである。電圧検出回路194cは、電池モジュール部194aの総電圧値を検出する。電流センサ194dは、電池モジュール部194aからの出力電流値を検出する。電圧検出回路194c及び電流センサ194dの出力信号は、制御ユニット190に送信される。
【0072】
駆動回路191及び192は、バッテリの高電圧直流電流とモータジェネレータMG1及びMG2用の交流電流の変換を行う電力変換装置であり、詳細には、6個のパワートランジスタで構成される3相ブリッジ回路191a及び192aを夫々備えており、この3相ブリッジ回路191a及び192aにより直流電流と3相交流電流との変換を行っている。
【0073】
駆動回路191及び192には、電圧検出回路191b及び192bが夫々設けられている。電圧検出回路191b及び192bは、モータジェネレータMG1及びMG2の逆起電圧を夫々検出する。3相ブリッジ回路191a及び192aの各パワートランジスタの駆動は、制御ユニット190により制御されると共に、駆動回路191及び192から制御ユニット190に対し、電圧検出回路191b及び192bにて検出された電圧値や、3相ブリッジ回路191a及び192aとモータジェネレータMG1及びMG2との間に設けられた図示しない電流センサにて検出された電流値など電流制御に必要な情報を送信している。
【0074】
(直噴式ガソリンエンジン)
次に図5を参照して、本実施形態のハイブリッド車両に備えられる直噴式エンジンについて更に詳細に説明する。即ちここでは、図1に示すエンジン150の詳細に付いて述べる。
【0075】
図5に示すように、エンジン150は、燃料室内に燃料を直接噴射する、いわゆる直噴式ガソリンエンジンである。エンジン150は、EFIECU170により制御される。エンジン150は、シリンダブロック14を備えている。シリンダブロック14の内部には、シリンダ16が形成されている。なお、エンジン150は、複数のシリンダを備えているが、説明の便宜上、図5には複数のシリンダのうち1つのシリンダ16を示している。
【0076】
シリンダ16の内部にはピストン18が配設されている。ピストン18は、シリンダ16の内部を、図5における上下方向に摺動することができる。シリンダ16の内部において、ピストン18の上方には燃焼室20が形成されている。燃焼室20には、燃料噴射弁22の噴射口が露出している。エンジン150の運転中、燃料噴射弁22には燃料ポンプ24から燃料が圧送される。燃料噴射弁22及び燃料ポンプ24は、EFIECU170に接続されている。燃料ポンプ24は、EFIECU170から供給される制御信号に応じて燃料噴射弁22側へ燃料を圧送する。また、燃料噴射弁22は、EFIECU170から供給される制御信号に応じて燃焼室20内へ燃料を噴射する。
【0077】
また、燃焼室20には、点火プラグ26の先端が露出している。点火プラグ26は、EFIECU170から点火信号を供給されることにより、燃焼室20内の燃料に点火する。燃焼室20には、排気弁28を介して排気管30が連通している。燃焼室20には、また、吸気弁32を介して吸気マニホールド34の各枝管が連通している。吸気マニホールド34は、その上流側においてサージタンク36に連通している。サージタンク36の更に上流側には吸気管38が連通している。
【0078】
吸気管38には、スロットル弁40が配設されている。スロットル弁40は、スロットルモータ42に連結されている。そして、スロットルモータ42は、EFIECU170に接続されている。スロットルモータ42は、EFIECU170から供給される制御信号に応じてスロットル弁40の開度を変化させる。スロットル弁40の近傍には、スロットル開度センサ44が配設されている。スロットル開度センサ44は、スロットル弁40の開度(以下適宜、スロットル開度SCと称す)に応じた電気信号をEFIECU170に向けて出力する。EFIECU170は、スロットル開度センサ44の出力信号に基づいてスロットル開度SCを検出する。
【0079】
EFIECU170には、また、イグニッションスイッチ76(以下、IGスイッチ76と称す)が接続されている。EFIECU170は、IGスイッチ76の出力信号に基づき、IGスイッチ76のオン/オフ状態を検出する。IGスイッチ76がオン状態からオフ状態とされると、燃料噴射弁22による燃料噴射、点火プラグ26による燃料の点火、及び、フューエルポンプ24による燃料の圧送が停止され、エンジン150の運転が停止される。
【0080】
アクセルペダル78の近傍には、アクセル開度センサ80が配設されている。アクセル開度センサ80は、アクセルペダル78の踏み込み量(以下適宜、アクセル開度ACと称す)に応じた電気信号をEFIECU170に向けて出力する。EFIECU170は、アクセル開度センサの出力信号に基づいてアクセル開度ACを検出する。
【0081】
本実施形態では、吸気管38には、ターボ過給装置39が設けられており、例えば排気管30側に設けられたタービンに連動するタービンにより、吸気管38内に圧縮空気をターボ過給するように構成されている。また、ターボ過給装置39の回転軸は、モータジェネレータMG1及びMG2とは異なる専用のモータジェネレータによって駆動され、その回転数増大によってターボ過給による過給圧が高められるように構成されている。即ち、「ターボアシスト」が実行可能に構成されている。尚、係る専用のモータジェネレータは、排気管30側におけるエンジン150の排気エネルギーを発電により回生可能に構成されている。更に、ターボ過給装置39は、EFIECU170による制御を受けて、特定タイミングで筒内圧力を可変に高めるように構成してもよい。
【0082】
本実施形態では、排気管30には、三元触媒装置31が設けられており、これにより排気ガス浄化性能が高められている。尚、三元触媒装置31は、一定温度以上の高温でないと、その浄化性能が顕著に低下する。そこで、三元触媒装置31には、温度センサ31Tが取り付けられており、その触媒温度TCAが検出され、触媒温度情報としてEFIECU170に入力される。或いは、このような触媒温度TCAは、エンジン150におけるエンジン回転数等の他の検出情報に基づいて間接的に推定してもよい。このように検出又は推定された触媒温度TCAは、当該触媒温度TCAが一定温度以下に低下しないようにエンジン制御するのに用いられる。
【0083】
(第1実施形態−触媒劣化度に基づくエンジンの間欠運転の禁止等−)
以下では、本発明に係る判定手段及び制御手段を構成する制御ユニット190及びEFIECU170により、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止する方法について、これを第1実施形態として、図6乃び図7を参照しながら説明する。ここに図6は、触媒劣化度に基づいてエンジンの間欠運転を禁止することにより、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止する処理の流れを示すフローチャートである。また、図7は、三元触媒装置31を構成する触媒の劣化度と触媒浄化率の関係を示すグラフである。
【0084】
なお、以下の説明においては、エンジン150は、図2及び図3を参照しながら説明したように、ある時は運転され、ある時は休止するという間欠運転にかかる運用がなされているものとする。すなわち、本実施形態において、エンジン150は、運転期間から休止期間への移行時点、あるいはその逆の休止期間から運転期間への移行時点という二つの移行時点を、時間の経過とともに、適宜経験することが予定されている。これは、当該ハイブリッド型の動力出力装置(図1参照)では、エンジン150及びモータジェネレータMG1及びMG2の協働により車両を運行可能であることにより、該エンジン150を常に作動させておく必要がないことによる。なお、ここでエンジン150を休止させてもよい場合とは、具体的には例えば、アクセル開度ACの程度やバッテリ194の充電状態、あるいは触媒温度等に基づいて決定される。また、実際にエンジン150が休止するという動作状態は、例えば車両の発進時、あるいは低速走行時等にとられる。
【0085】
図6においては、まず、触媒浄化率が予め定められた所定の値を越えているか否か、換言すれば該所定の値以下であるか否かが判断される(ステップS11)。ここで触媒浄化率とは、三元触媒装置31を構成する触媒が有する、排気ガス中に含まれる有害物質の除去能力の程度を表す指標である。すなわち、触媒浄化率が高ければ該触媒の有害物質除去能力は高く、低ければ低いということを意味する。したがって、触媒浄化率が、所定の値以下であるとは、当該触媒における有害物質の除去能力が所定の程度以下に至った場合と考えることができる。ここに「所定の値」とは、一般に、理想的な触媒、あるいは新品の触媒における触媒浄化率を100%とした場合における比率でもって表されることになる。すなわち、「所定の値」とは、例えば、「新品の触媒の浄化率に対する95%(に該当する値)」などということになる。
【0086】
ここで第1実施形態においては特に、ステップS11の判断に供される触媒浄化率は、触媒の劣化度から推定されるようになっている。すなわち、劣化度と触媒浄化率との間には、図7に示すように概ね反比例関係が存在し、時間の経過とともに触媒が次第に劣化していくと(すなわち、劣化度が大きくなっていくと)、これに応じて触媒浄化率は低下していくことになる。このように、触媒浄化率は劣化度に基づいて推定することができる。ちなみに、触媒の劣化度それ自体は、例えば三元触媒装置31の上流側又は下流側に設けられた酸素センサ(不図示)からもたらされる軌跡長比から推定することができる。
【0087】
ステップS11では、以上のように推定された触媒浄化率に基づき、これが所定の値を越えているか否かが判断されることになり、これが否定される場合には、エンジンの間欠運転を禁止する処理へと進み(ステップS1Xへ)、肯定される場合には次なる処理へと進む(ステップS12へ)。
【0088】
ここで、ステップS1Xにおけるエンジンの間欠運転を禁止する処理とは、エンジン150における運転期間から休止期間への移行、あるいはその逆の移行を禁止するということである。具体的には、休止期間中であったエンジン150は、運転期間へと移行され、以後その状態が維持されるなどということになり、運転期間中であったエンジン150はそのままの状態が維持されるなどということになる。なお、これとは逆、即ちエンジン150を継続して休止させるということも原理的には可能である。ただ、その後の車両の円滑な走行を可能とするためには、エンジン150は、継続して運転させるという状態とすることが好ましい。いずれにせよ、該エンジン150はこれ以降、移行時点を経験するということがなくなることになる。
【0089】
さて、前述のステップS11において、触媒浄化率が所定の値以下ではないと判断されると、エンジン間欠運転が許可されるか否かを判断するための、他の条件の状態がどのようであるかが判断される(ステップS12)。ここに、「他の条件の状態」とは、例えばエンジン温度・水温等のパラメータの状態値ないし具体値、或いはバッテリ194の充電量が低く、エンジン150を停止させると、モータジェネレータMG1及びMG2によるその始動が困難となるか否かという状態の有無等を意味する。
【0090】
ここで、当該他の条件の状態が、エンジンの間欠運転を許可するということを示唆する場合、言い換えると、間欠運転が許可されるための他の条件が成立していると判断される場合においては、間欠運転の許可を下す処理へと進み(ステップS13)、そうでない場合においては、既述したエンジン間欠運転を禁止する処理へと進む(ステップS1X)。前者の場合は、第1実施形態において前提された従前どおりの運転(すなわち、エンジン150の間欠運転)が続行されることを意味する。
【0091】
前述の具体例でいえば、エンジン温度・水温が低い場合には、エンジン150の暖機運転を継続して実施する必要がある、言い換えれば、このとき休止期間を迎えるわけには行かないので、間欠運転は禁止されるとういことになる。これに対して、エンジン温度・水温が高い場合には、エンジン150を停止したとしても特に問題はなく、間欠運転は許容されるということになる。
【0092】
以上のような処理により、第1実施形態においては次のような作用効果を得ることができる。
【0093】
すなわち、触媒浄化率が所定値以下と判断される場合においては、その判断が下された以降、エンジン150の間欠運転が禁止されることにより、該エンジン150は、運転期間から休止期間へ、あるいは休止期間から運転期間へという移行時点を経験することがない。これにより、当該移行時点において不可避的に発生するエンジン150の空転によって、排気管30に比較的大量のガスが送り込まれるということがない。
【0094】
したがって、第1実施形態によれば、まず、触媒がリーン雰囲気に曝されるということがないから、その劣化の進行を抑制的にすることができる。また、触媒浄化率が所定の値以下である場合、換言すると、当該触媒については、もはや十分な有害物質除去機能の発揮を期待できない場合において、前述のようなエンジン150の空転による排気管30への比較的大量のガスの送出という事態を発生させないことから、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止することができる。
【0095】
なお、上述においては、触媒浄化率は、触媒の劣化度に基づいて推定されるようになっていたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、触媒浄化率を、車両走行距離に基づいて推定することも可能である。ここに図8では、車両走行距離の増加に伴って触媒浄化率は低下するというように、両者間には、劣化度及び触媒浄化率間でみられたと略同様に、概ね反比例の関係にあることが読み取れる。これは、劣化度もまた、時間の経過、ないしは車両走行距離に応じて増大するものであることから当然といえる。その他、触媒浄化率は、これと密接に関連する諸々のパラメータに基づいて、これを推定することが可能であることはいうまでもない。
【0096】
また、上記実施形態においては、触媒浄化率が所定値以下である場合には、絶対的にエンジン間欠運転が不許とされる態様(ステップS1X参照)について説明したが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、エンジン150の間欠運転を許容しつつも、その内容・程度に制約を加えるという態様としてもよい。具体的には、図9に示すように、エンジン150は、最前に経験した休止期間から運転期間への移行時点G1から数えてエンジン停止要求を3度やり過ごした後(図中期間TI及び破線矢印参照)にはじめて、運転期間から休止期間への移行処理を受ける(図中符号G2参照)等という場合を考えることができる。また、これに続けて、現に休止状態にあるエンジン150は、最前に経験した運転期間から休止期間への移行時点から数えてエンジン始動要求を数度やり過ごした後にはじめて、休止期間から運転期間への移行処理を受ける等ということを続行することも考えられる。
【0097】
あるいは、上述の態様を変更して、期間TIをある一定の時間に定めるといった態様を採用することも可能である。すなわち、この場合には、上述のように、「エンジン停止要求(又はエンジン始動要求)を3度やり過ごす」ということが基準となるのではなく、当該期間TI中に生じたエンジン停止要求(又はエンジン始動要求)については、その有無ないし回数にかかわらず、その要求には応えず、該期間TIの経過の後、別の一定の期間(便宜上、「期間TIA」という。)内では、エンジン停止要求(又はエンジン始動要求)は受け付けるなどということになる。この態様では要するに、期間TIと期間TIAとが交互に繰り返され、期間TI中はエンジン停止要求(又はエンジン始動要求)が無視され、期間TIA中はそうでないという制御が行われることになる。
【0098】
いずれにせよ、これらの場合には、図9における期間TIにおいては少なくとも、エンジン150の間欠運転が不許とされているということがいえる。言い換えれば、これらの態様において、エンジン間欠運転は「一部」禁止とされている、あるいは「抑制」されていると考えることができる。そして、図9の期間TI中では、エンジン150は運転期間から休止期間への移行、又はその逆の移行を経験しないから、上述と略同様な作用効果を享受することができる。また、この態様によれば、当該ハイブリッド型の動力出力装置全体として見た場合にも、エンジン150における移行時点の回数は減少するから、その相応分の作用効果を得ることもできる。
【0099】
このように、本発明にいう判定手段たる制御ユニット190及びEFIECU170は、単に、エンジン150の間欠運転の許否のみを判断するだけでなく、間欠運転を許容しつつもその内容・程度をどのようにするかという判断をも行うように構成してよい。すなわち、本発明にいう「判定手段」は、「エンジンの間欠運転の許容性を判定する」のである。
【0100】
(第2実施形態−触媒温度及び触媒劣化度に基づくエンジンの間欠運転の禁止等−)
以下では、本発明に係る判定手段及び制御手段を構成する制御ユニット190及びEFIECU170により、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止する上記とは別の方法について、これを第2実施形態として、図10及び図11を参照しながら説明する。ここに図10は、触媒温度に対する触媒浄化率の変化を、触媒の劣化度をパラメータとして示すグラフであり、図11は、触媒の劣化度に対する触媒浄化率の変化を、触媒温度をパラメータとして示すグラフである。
【0101】
さて、第2実施形態においては、上記の第1実施形態と比べて、図6に示した処理それ自体に変更はなく、同図のステップS11における触媒浄化率の推定方法が異なる。すなわち、第2実施形態では、触媒浄化率が、前述した触媒劣化度に加え、触媒温度も加味された上で推定される。以下これを詳しく説明する。
【0102】
まず、触媒の劣化度と触媒温度との間には、所定の相関関係がある。まず、図10に示すように、触媒の劣化度とは、通常、活性化された触媒、換言すれば所定の温度(図10中の符号AT参照)以上にあって安定的に有害物質除去能力が発揮されている場合(以下、単に「安定状態STS」という。)の触媒についての概念であり、この場合、劣化した触媒(図10中の符号C1参照)とそうでない触媒(図10中の符号C2参照)との劣化度の差、及び両者間の触媒浄化率の差は一定のものとして観念される。図10においては、この触媒浄化率の差が、符号D1で示されている。また、これを図11で確認すると、横軸の任意の二点、即ち相異なる劣化度W1及びW2をもつ触媒については、それらの温度が同一である限り、一定の触媒浄化率の差D1の生じることがわかる。
【0103】
他方、未活性の触媒、換言すれば所定の温度AT以下にあって安定状態STSにない触媒については、図10に示すように、劣化した触媒の浄化率とそうでない触媒のそれとの間の差D2は、触媒温度及び触媒劣化度双方に対する関数として観測されることになる。
【0104】
一般的には、図10に示すように、安定状態STSにない触媒のうち、劣化した触媒C1では、その安定状態STSに至るまで、温度の上昇とともに触媒浄化率は徐々に上昇していくのに対して、そうでない触媒C2、とりわけ新品の触媒では、温度の上昇とともに前記安定状態STSに直ちに到達する、即ち当該触媒の本来的な触媒浄化率が直ちに達成されるということができる。これによると、触媒温度が比較的低温であるときから活性化される温度に至るまでにおける、劣化した触媒C1の触媒活性率と、そうでない触媒のそれとの差は、当初、比較的大きいのに比べて、次第にその差は小さくなっていくことがわかる。そうして、劣化した触媒C1が安定状態STSに達した後は、両触媒C1及びC2の浄化率の差は、前述した劣化度の差に基づく固定されたもの(即ち、D1)として観察されることになる。
【0105】
要するに、活性化に至る前の触媒においては特に、触媒浄化率は、触媒温度及び触媒劣化度双方の関数として記述することが好ましいといいうことがいえ、またしたがって、該触媒浄化率は、触媒温度及び触媒劣化度双方から推定されるのが好ましいということが言える。
【0106】
具体的には、触媒浄化率と、触媒温度及び触媒劣化度とは、図10及び図11に示すような関係があることがわかっているから、その推定は比較的容易にできる。例えば図11においては、触媒温度T1、T2及びT3(ただし、T1<T2<T3)をパラメータとして、劣化度及び触媒浄化率間の関係が示されているが、これによると、時々刻々変化する触媒の温度及び触媒の劣化度を知ることができれば、触媒浄化率は原理的には一義に定まる。そして、このように求められた触媒浄化率を用いれば、図6のステップS11の処理を、上述同様に実施することが可能であるのは言うまでもない。むしろ、第2実施形態によれば、触媒浄化率の真の値を、より正確に知ることが可能となることが明白であるから、上述した作用効果をより確実に享受可能であるということができる。
【0107】
なお、触媒温度を実際に知るためには、図5に示した温度センサ31Tの計測結果に基づいてこれを直接的に知ることができ、あるいは該触媒温度と密接な関係のあるパラメータ、例えばエンジン150の回転数、吸入空気量及び回転数等から推定することによって知ることができる。
【0108】
また、上記第2実施形態では、触媒温度と触媒劣化度の双方を用いて触媒浄化率を推定するようになっていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、場合により、触媒温度のみに基づいて、触媒浄化率をある程度正確に推定することも可能である(図11参照)。
【0109】
なお、上記した各実施形態で説明した、触媒浄化率に基づくエンジン間欠運転の許否に関する処理は、以下のような変形を施した上で利用することができる。
【0110】
第一に、前述した図6のステップS11の処理をある一定の期間ごとに実施することとし、エンジン150の間欠運転が許可されるかどうかというのは、いわば「モード」として設定・認識されるというような態様とすることが可能である。この場合、現実に運転期間から休止期間への移行要求、又はその逆の移行要求が発せられた場合には、その要求に基づいて実際に移行処理を実施する前に、前記のモードがどの状態にあるかが確認され、その確認されたモードに基づいて、当該移行処理を実施するかどうかが決定されるという処理が行われることになる。そして、触媒浄化率が健全なレベルを維持している場合においては、常に「エンジン間欠運転許可モード」にあり、該触媒浄化率が所定の値以下にあると判断(図6のステップS11)された以降は、常に「エンジン間欠運転禁止モード」にあるなどということになる。
【0111】
第二に、エンジン停止要求又は始動要求が現にあったときに、触媒浄化率に基づくエンジン間欠運転の許否に関する処理を実施するという態様とすることができる。すなわち、この場合においては、エンジン150が間欠運転されている場合であって、運転期間から休止期間への移行要求、又はその逆の移行要求が、前述した図6のステップS12で説明したような各種の他の条件の全部又は一部の状態如何等に基づいてまず発せられ、現にエンジン150を停止するか否か、又は始動するか否かという移行時点において、触媒浄化率の如何に基づく処理を実施するのである(即ち、先に図6のステップS12の処理を実施し、後にステップS11の処理を実施するという形に近い。)。この場合、当該処理は、エンジン150が現に移行時点を迎える度に実施されることになる。
【0112】
このような処理は、図6において、例えば次のような変更を加えることでフローチャート化できる。まず第一に、図6のステップS12とステップS11とを入れ替える。第二に、この入れ替えられたステップS12の処理の結果如何によっては、直ちにエンジン間欠運転禁止処理(ステップS1X)には移行せず、当該他の条件の全部が満たされるときには、前述のエンジン停止要求又は始動要求を発し、そうでないときにはエンジン間欠運転許可処理(図6のステップS13)に移行するという変更を加える。この場合、入れ替えられたステップS12における「他の条件」の全部は、触媒浄化率に係る条件(ステップS11)よりも、エンジン間欠運転の許否決定に関し優先的な判断を受ける地位が与えられることを意味することになる。
【0113】
なお、いま述べた例は、前記優先的な判断を受ける地位が与えられる条件が、前記他の条件の「全部」という場合であるが、これを前記他の条件の「一部」とすることも可能である。この場合には、図6の処理は基本的に維持され、ステップS11の前に、当該他の条件の一部が成立するか否かを判定するステップを加えるような態様となる(なお、これに伴い、ステップS13における「他の条件」は、その一部が除かれた条件群からなることになる。)。そして、この新たに加えられたステップで肯定判断が下されればステップS11の処理へ移り、否定されればステップS13へ移るなどという処理を採用することが可能である。
【0114】
いずれにせよ、これらの態様によれば、触媒浄化率がもはや十分でない場合に、エンジン150が移行時点を経験するということはないから、上述した作用効果は全く同様に享受できることは言うまでもない。
【0115】
なお、上述の実施形態では、モータジェネレータ装置が同期電動機からなるモータジェネレータを複数備えてなるが、その少なくとも一部に代えて又は加えて、誘導電動機、バーニアモータ、直流電動機、超伝導モータ、ステップモータ等を用いることも可能である。
【0116】
上述の実施形態では、エンジン150としてガソリンにより運転される直噴型のガソリンエンジンを用いていたが、その他に、伝統的なポート噴射型のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジン、ジェットエンジン等の各種の内燃あるいは外燃機関を用いることができる。
【0117】
加えて、本発明のハイブリッド型の動力出力装置は、既存の若しくは現在開発中又は今後開発される各種パラレルハイブリッド方式や各種シリアルハイブリッド方式の車両にも適用してもよい。
【0118】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド型の動力出力装置及びその制御方法並びにハイブリッド車両もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るハイブリッド型の動力出力装置によれば、触媒の浄化率に応じて、エンジンの間欠運転の態様が好適に制御されることにより、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化というおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のハイブリッド車両における動力系統のブロック図である。
【図2】本実施形態に係るハイブリッド車両の基本的動作を説明するための共線図である。
【図3】本実施形態に係るハイブリッド車両が高速定常走行している場合の共線図である。
【図4】本実施形態に係るハイブリッド車両のバッテリ及びモータ駆動回路の構成を示す回路図である。
【図5】本実施形態に係るエンジンの構造の概略構成図である。
【図6】触媒劣化度に基づいてエンジンの間欠運転を禁止することにより、外部へ放出される排気ガスのエミッションの悪化を防止する処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】三元触媒装置を構成する触媒の劣化度と触媒浄化率の関係を示すグラフである。
【図8】車両走行距離と触媒浄化率の関係を示すグラフである。
【図9】エンジンの間欠運転を「抑制」する例を説明するための説明図である。
【図10】触媒温度に対する触媒浄化率の変化を、触媒の劣化度をパラメータとして示すグラフである。
【図11】触媒の劣化度に対する触媒浄化率の変化を、触媒温度をパラメータとして示すグラフである。
【符号の説明】
20…燃焼室
26…点火プラグ
30…排気管
31…三元触媒装置
31T…温度センサ
34…吸気マニホールド
150…エンジン
170…EFIECU
190…制御ユニット
MG1、MG2…モータジェネレータ
Claims (9)
- エンジンと、
該エンジンに対して動力伝達が可能であることにより該エンジンの間欠運転を可能とする外的動力付与手段と、
前記エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する排気浄化手段と、
前記エンジンより排出されるガス中の有害物質濃度を低下せしめる制御として、前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記許容性に基づいて前記エンジンの間欠運転の態様を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする動力出力装置。 - 前記判定手段は、前記触媒の浄化率が所定の浄化率閾値以下になる場合に、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定することを特徴とする請求項1に記載の動力出力装置。
- 前記判定手段は、前記触媒の浄化率が所定の浄化率閾値以下になる場合に、前記エンジンの間欠運転を禁止するものと判断することを特徴とする請求項2に記載の動力出力装置。
- 前記触媒の浄化率は、前記触媒の劣化度に基づいて推定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の動力出力装置。
- 前記触媒の浄化率は、前記触媒の温度に基づいて推定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動力出力装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の動力出力装置において、
前記外的動力付与手段として、
前記エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置を備えたことを特徴とするハイブリッド型の動力出力装置。 - エンジン及び該エンジンに対して動力伝達が可能であることにより該エンジンの間欠運転を可能とする外的動力付与手段並びに前記エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する排気浄化手段を備えた動力出力装置を制御する動力出力装置の制御方法であって、
前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する工程を含むことを特徴とするハイブリッド型の動力出力装置の制御方法。 - エンジン及び該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置並びに前記エンジンから排出されるガスを触媒によって浄化する排気浄化手段を備えたハイブリッド型の動力出力装置を制御するハイブリッド型の動力出力装置の制御方法であって、
前記触媒の浄化率に応じて、前記エンジンの間欠運転の許容性を判定する工程を含むことを特徴とするハイブリッド型の動力出力装置の制御方法。 - 請求項6に記載のハイブリッド型の動力出力装置と、
該動力出力装置が搭載される車両本体と、
該車両本体に取り付けられると共に前記駆動軸を介して出力される前記駆動力により駆動される車輪と
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
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