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JP2004124085A - 脂肪族ポリエステルの製造法 - Google Patents

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JP2004124085A JP2003294958A JP2003294958A JP2004124085A JP 2004124085 A JP2004124085 A JP 2004124085A JP 2003294958 A JP2003294958 A JP 2003294958A JP 2003294958 A JP2003294958 A JP 2003294958A JP 2004124085 A JP2004124085 A JP 2004124085A
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Yasuaki Miki
三木 康彰
Hiroshi Noguchi
野口 浩
Tomikazu Mizuno
水野 富和
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】 実用上十分な強度を有する脂肪族ポリエステルを短時間に製造できる、又は少ない触媒量で目標とする分子量の脂肪族ポリエステルを重合効率よく、また簡便に製造できる方法を提供する。
【解決手段】 脂肪族ポリエステルを製造する方法において、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とをエステル化反応させた後、これを引き続き重合触媒の存在下、重合することにより脂肪酸ポリエステルを製造する際に、エステル化反応におけるエステル化反応率が80%以降のエステル化反応工程に重合触媒を添加する脂肪族ポリエステルの製造法。
【選択図】   なし

Description

 本発明は、脂肪族ポリエステルの製造法に関するものであり、特に実用上十分な強度を有する脂肪族ポリエステルを短時間に製造できる、又は少ない触媒量で目標とする分子量の脂肪族ポリエステルを効率的に製造することができる方法に関するものである。
 従来より、脂肪族ポリエステルとしては、シュウ酸、コハク酸又はアジピン酸等の二塩基脂肪族カルボン酸と、エチレングリコールや1,4−ブタンジオール等の脂肪族グリコールを重縮合する方法、又は環状ラクトン類を開環重合する方法により得られることが知られている。
 このような脂肪族ポリエステルは、芳香族ポリエステルと異なり、(1)融点が比較的低いこと、(2)分子量を上げることが困難であることより、フィルム、成形品等の用途に使用する場合には、不都合な点があり、それを解決するために様々な方法が提案されている。
 例えば、グリコール成分と脂肪族ジカルボン酸成分とをエステル化し、生成したポリエステルジオールを触媒の存在下、温度180〜230℃の範囲、および0.005〜0.1mmHgの高真空下で脱グリコール反応を行うことにより、数平均分子量が25,000〜70,000で、末端基に実質的にヒドロキシル基を有する高分子量脂肪族ポリエステルが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
 しかしながら、このような高真空状態で反応を行うことは、工業的に制御が煩雑であり、また装置が特殊であり高価なものとなる。
 一方、触媒を少なくとも10分間の間隔を置いて少なくとも2回に分けて反応系に加える脂肪族ポリエステルの製造法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−310898号公報 特開平8−92361号公報
 本発明は、従来の公知の方法に比較して、実用上十分な強度を有する脂肪族ポリエステルを短時間に製造できる、又は少ない触媒量で目標とする分子量の脂肪族ポリエステルを重合効率よく、また簡便に製造できる方法を提供することである。
 本発明の要旨は、脂肪族ポリエステルを製造する方法において、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とをエステル化反応させた後、これを引き続き重合触媒の存在下、重合することにより脂肪酸ポリエステルを製造する際に、エステル化反応におけるエステル化反応率が80%以降のエステル化反応工程に重合触媒を添加する脂肪族ポリエステルの製造法に関する。
 本発明の製造法によると、短時間で高分子量の脂肪族ポリエステルを得ることができる。また重合効率が向上することから、目標の分子量の脂肪族ポリエステルを得る際に添加触媒量を低減することが可能となり、得られた脂肪族ポリエステルは、異物の発生や着色
が少なく熱安定性の向上した製品が得られる。
 以下、本発明をさらに詳細に説明する。
 本発明の脂肪族ポリエステルは、主成分として脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体との重縮合体及び共重縮合体、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体及びヒドロキシカルボン酸との共重縮合体等が挙げられる。
 ここで、その脂肪族ジオールとは、脂環式ジオールを含む物であり、これら脂肪族または脂環式ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、などが好適に挙げられる。この内、特にエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。これらは単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
 これらの他に、重合に支障がない範囲で単官能、もしくは3価以上のアルコールを併用することもできる。
 また、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体としては、脂環式ジカルボン酸を含む物であり、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、及び、これらジカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、無水物等の誘導体等が、それぞれ挙げられる。
 この内、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステルが好ましく、特にはコハク酸、無水コハク酸、またはこれらの混合物が好ましい。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。また、重合に支障が出ない範囲で単官能もしくは3価以上のカルボン酸、またはその誘導体を併用しても良い。
 更に、ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−n−酪酸、3−ヒドロキシ−n−酪酸、4−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−n−吉草酸、3−ヒドロキシ−n−吉草酸、4−ヒドロキシ−n−吉草酸、5−ヒドロキシ−n−吉草酸、2−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、2−ヒドロキシ−i−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、4−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、5−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、6−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、リンゴ酸等が挙げられる。またリンゴ酸、クエン酸、酒石酸などのpKaが3.7以下の有機酸を用い、さらに重合効率を向上させることもできる。
 これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中で好ましいのは、乳酸またはグリコール酸であり、形態は30〜95%の水溶液のものが容易に入手することができるので好ましい。これらヒドロキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
 脂肪族または脂環式ジオールの使用量は、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体に対し、実質的に等モル用いられるが、一般的には重合反応時に留出する分を勘案して使用されるため実際の使用量は必ずしも等モルである必要はない。通常はジカルボン酸またはその誘導体1モルに対し0.5モル〜2モル、好ましくは0.8モル〜1.5モルの範囲で用いられる。
 更に、前記記載の原料の他に、他の共重合成分を導入することができる。他の共重合成分としては、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸類、ビスフェノールA等の芳香族ジオール類、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。芳香環を有する共重合成分は、脂肪族ポリエステルを構成する全ジオール及び全ジカルボン酸中の50モル%以下、好ましくは30モル%以下の範囲で共重合することができる。
 本発明の製造方法は、一般のポリエステル製造の際に用いられる溶融重合法であって、一般的には、原料として脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体と脂肪族ジオールとをエステル化工程を経た後、反応混合物が溶融した状態で重合工程を実施し、分子量の増大をはかる重合方法である。
 エステル化工程は通常50℃〜300℃、好ましくは120℃〜260℃の温度範囲で行われ常圧で実施されるのが一般的である。反応温度が低すぎると反応が効率的に進行せず、温度が高すぎると分解反応が顕著となる傾向がある。
 この工程中にカルボン酸又はその誘導体、とアルコール類とが反応しエステル結合を形成する。反応進行に伴い、カルボン酸とアルコールの直接エステル化の場合は主に水が生成し、エステル交換反応が主体の場合は交換されたアルコールが生成するのでそれらを系外に留出させながら反応させる。反応の進行度合いは、こういった留出物の留出量もしくは反応生成物の末端基濃度で追跡することができる。
 この時、エステル化を促進するために触媒を添加しても良いし、添加しなくても良い。エステル化の時間は通常20分〜5時間、好ましくは30分〜3時間である。
 重合触媒の添加時期は、エステル化反応率が80%以降のエステル化反応工程に添加する。好ましい添加時点はエステル化反応率90%以上、より好ましくは93%以上である。ここで、エステル化率とはエステル化反応生成物の酸価より算出したもので、酸価は水酸化ナトリウム水溶液による電位差滴定法により測定することにより得られる。このようにエステル化工程における留出物の生成量が少なくなった時点で触媒を添加することにより、その後の重合効率を向上させることができる。触媒を添加した後は、さらにエステル化反応を進行させるか次の重合工程に移る。
 本発明に用いる重合触媒は、従来公知のポリエステルの重合触媒を使用することができる。具体的な重合触媒としては、Ge、Ti、Sb、Mg、Hf、Zn、Zr、Co、Ni、Sn、Si、P及びFeなどを含む化合物が挙げられる。
 これらの具体的な例としては、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄、などの金属酸化物、チタニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、テトラエトキシシラン、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトライソプロポキシドなどの金属アルコキシド類、ジルコニウムアセチルアセトナート、ハフニウムアセチルアセ
トナート、ニッケルアセチルアセトナート、スズアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナートなどのアセチルアセトナート類、塩化亜鉛、塩化スズ、ジルコニウムクロライドなどの塩化物、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、安息香酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、シュウ酸スズ、などのカルボン酸塩、ハフニウムTHF錯体、ジブチルスズオキサイド、リン酸亜鉛などが挙げられる。
 さらには硫酸、スルホン酸、塩酸、メタンスルホン酸などのプロトン酸なども挙げられる。
 これらの内で、Ge、Ti、Sb、Mg、Hf及びZnを含む化合物が特に好ましい。これらは単独でも2種以上組み合わせても用いることができる。添加時の形態は、特に制限はないが、触媒化合物そのままで添加しても良いし、適当な溶液の状態(水溶液、アルコール(グリコール)溶液、酸との共存)などで添加しても良い。触媒の使用量は、使用するモノマー量に対して0.001〜3重量%、より好ましくは0.005〜1.5重量%である。
 エステル化工程に続く、重合工程は通常100℃〜350℃、好ましくは150℃〜300℃の範囲の温度で行われ、重合を効率よく行うため一般的には減圧下で反応を進行させる。通常は徐々に系内の減圧度を高め、最終的には1.3kPa〜1Paの減圧下で反応を行う。減圧度は高い方が重合を進行させる上では有利であるが実質的な設備対応の面から通常は0.7kPa〜10Paの範囲で重合させる。重合時間は、所望の分子量に応じて調整されるが、通常は1時間〜15時間、好ましくは1時間〜6時間の範囲で実施される。
 重合反応は、通常、反応系中に存在するもしくは発生する水、グリコール分を留去することにより進行するが、グリコール成分の仕込量を減じるなどの条件によっては酸成分、もしくはそれらの無水物、オリゴマー成分などを留去させることにより重合反応を進めることもできる。
 また、本発明の製造法により得られる脂肪族ポリエステルのGPCポリスチレン換算数平均分子量は1万〜30万であることが好ましく、より好ましくは2万以上、更に好ましくは3万以上であり、上限は20万以下が好ましい。
 本発明の製造法によると、効率よく高分子量の脂肪族ポリエステルが得られ、実用上十分な強度を有するため、射出成形法、中空成形法および押出成形法などの汎用プラスチック成形法などにより、フィルム、ラミネートフィルム、シート、板、延伸シート、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体などの成形品に利用可能である。その際、結晶核剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、離型剤、フィラー、他のポリマーなど、必要に応じ添加することができる。
 また、本発明の製造法によると、脂肪族ポリエステル製造の際の重合効率が向上することから、添加触媒量を低減することが可能となり、異物の発生、着色が少なく、熱安定性の向上した脂肪族ポリエステルを得ることができる。
 また、本発明の製造法により得られる脂肪族ポリエステルは、生分解性能を有するため、酵素、土中のバクテリアなどによって完全に分解し、環境衛生上極めて有用な樹脂である。そのため、ショッピングバッグ、ゴミ袋、園芸資材、農業用フィルム、食品容器、食品包材、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、釣り糸、漁網、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材、合成紙などの用途に使用可能である。
 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における物性値は、次の方法により測定した。
 (1)エステル化反応率; エステル化反応生成物の酸価より算出した。酸価は水酸化
ナトリウム水溶液による電位差滴定法により測定した。
 (2)数平均分子量(Mn);GPC法によって測定した。サンプルをクロロホルムに溶解し、東ソー社製GPC HLC−8020を用いてポリスチレン換算により測定した。カラムはPLgel−10μ−MIXを使用した。
 実施例1
 攪拌装置、窒素導入管、加熱装置及び試薬添加口を備えた容量250mLの反応容器に、コハク酸を100.2g、1,4−ブタンジオール88.7gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下210℃に昇温し、この温度で90分間反応させた。この時のエステル化反応率を測定したところ93%であった。この時点で系にあらかじめ酸化ゲルマニウムを1重量%溶解させた90%乳酸水溶液5.4gを加え、反応温度を230℃に上げ、系を徐々に減圧にしていき90分かけて67Paとした。さらにその減圧度を保ったまま、2時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られた脂肪族ポリエステルのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は22000であった。
 実施例2
 実施例1において、重合触媒を酸化ゲルマニウムの乳酸溶液に代えてテトラブトキシチ
タン0.11gを添加し、反応温度を230℃に上げ、系を徐々に減圧にしていき90分かけて67Paとし、さらにその減圧度を保ったまま、3時間重合を行った他は、実施例1と同様に反応を行い脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られた脂肪族ポリエステルのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は21000であった。
 実施例3
 実施例1において、重合触媒をエステル化反応率が95%の時点に、0.5重量%の二
酸化ゲルマニウムを溶解させた90%乳酸水溶液5.4gと0.06gのテトラブトキシチタンに代えた他は、実施例1と同様に反応を行い脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られた脂肪族ポリエステルのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は23000であった。
 実施例4
 実施例1において、重合触媒を酸化ゲルマニウムを0.5重量%溶解した90%乳酸水
溶液5.4gに代えて、反応温度を230℃に上げ、系を徐々に減圧にしていき90分かけて67Paとし、さらにその減圧度を保ったまま、3時間重合を行った他は、実施例1と同様に反応を行い脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られた脂肪族ポリエステルのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は23000であった。
 実施例5 
 実施例1と同様な反応器にコハク酸を76.9g、アジピン酸を24.8g、1,4-ブタンジオールを85.7gを仕込み、実施例1と同様にエステル化反応を90分行った。この時のエステル化率は90%であった。その後、テトラブトキシチタン0.2g添加し反応温度を240℃に上げ、系を徐々に減圧し90分かけて67Paとした。この減圧度を保ったまま3.5時間重合反応を続けポ
リマーを得た。得られたポリマーのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は23000であった。
 実施例6
 実施例1と同様な反応器にコハク酸100.2g、1,4-ブタンジオール88.7g、およびリンゴ
酸0.25gを仕込み実施例1と同様に90分エステル化反応行った。この時のエステル化率は93%であった。この時点でテトラブトキシチタン0.11gを加え反応温度を250℃に上げ、それ
以降は実施例1と同様に3時間重合反応を行った。得られたポリマーのGPC法によるポリス
チレン換算数平均分子量は21000であった。
 実施例7 
 実施例1と同様な反応器にコハク酸100.2g、1,4-ブタンジオール119g、90%乳酸水溶液5.4g、およびリンゴ酸0.21gを仕込み、実施例1と同様に90分間エステル化反応を行った。
この時のエステル化率は92%であった。その後テトラブトキシチタンを0.2g加え実施例6と同様に3時間重合を行いポリマーを得た。得られたポリマーのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は22000であった。
 実施例8
 実施例6の1,4-ブタンジオールの仕込量を80.3gとした以外は実施例6と同様な反応を行い、重合反応は4時間行うことによりポリマーを得た。得られたポリマーのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は21000であった。
 比較例1
 実施例1と同様な反応器にコハク酸を100.2g、1,4−ブタンジオール88.7g、およびあらかじめ酸化ゲルマニウムを1重量%溶解させた90%乳酸水溶液5.4gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下210℃に昇温し、この温度で90分間反応させた。次に反応温度を230℃に上げ、系を徐々に減圧にしていき90分かけて67Paとした。さらにその減圧度を保ったまま、4時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られた脂肪族ポリエステルのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は22000であった。
 比較例2
 実施例1と同様な反応器にコハク酸を100.2g、1,4−ブタンジオール88.7g、およびテトラブトキシチタン0.11gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下210℃に昇温し、この温度で90分間反応させた。次に反応温度を230℃に上げ、系を徐々に減圧にしていき90分かけて67Paとした。さらにその減圧度を保ったまま、7時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られた脂肪族ポリエステルのGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量は16000であった。
 比較例3
 実施例1と同様な反応器にコハク酸を100.2g、1,4−ブタンジオール88.7g、あらかじめ酸化ゲルマニウムを0.5重量%溶解させた90%乳酸水溶液5.4gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下210℃に昇温し、この温度で90分間反応させた。次いで、反応温度を230℃に上げ、系を徐々に減圧にしていき90分かけて67Paとした。さらにその減圧度を保ったまま、5時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られた脂肪族ポリエステルのGPC法によるポリ
スチレン換算数平均分子量は20000であった。
 本発明の製造方法によれば、高分子量で且つ異物の発生や着色が少なく熱安定性の向上した脂肪族ポリエステルを短時間で製造することができる。

Claims (6)

  1. 脂肪族ポリエステルを製造する方法において、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とをエステル化反応させた後、これを引き続き重合触媒の存在下、重合することにより脂肪酸ポリエステルを製造する際に、エステル化反応におけるエステル化反応率が80%以降のエステル化反応工程に重合触媒を添加することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造法。
  2. 脂肪族ポリエステルの分子量がGPCポリスチレン換算の数平均分子量1万〜30万であることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステルの製造法。
  3. 重合触媒としてGe、Ti、Sb、Mg、Hf及びZnから選ばれる金属化合物を少なくとも1種用いることを特徴とする請求項1又2記載の脂肪族ポリエステルの製造法。
  4. 重合触媒を添加後、0.7kPa〜10Paの減圧度で重合を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステルの製造法。
  5. 脂肪族ポリエステルが主成分として脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル
    の製造法。
  6. 脂肪族ジオールがエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれる少なくとも1種であり、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体がコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の脂肪族ポリエステルの製造法。
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