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JP2004123538A - ジフェニルチアゾリジンジオン誘導体およびその医薬用途 - Google Patents

ジフェニルチアゾリジンジオン誘導体およびその医薬用途 Download PDF

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JP2004123538A
JP2004123538A JP2000318511A JP2000318511A JP2004123538A JP 2004123538 A JP2004123538 A JP 2004123538A JP 2000318511 A JP2000318511 A JP 2000318511A JP 2000318511 A JP2000318511 A JP 2000318511A JP 2004123538 A JP2004123538 A JP 2004123538A
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chymase
compound
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Yusuke Sakai
境 祐輔
Atsushi Inoue
井上 淳
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
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Abstract

【課題】キマーゼ阻害作用を有し,循環器系疾患,アレルギー疾患,炎症性疾患,緑内障,網脈絡膜疾患あるいは毛様体筋調節疾患等に治療効果を有する新規化合物の提供。
【解決手段】一般式(I)
Figure 2004123538

〔式中、Aはカルボニル基またはスルホニル基を示し、Rは芳香族炭化水素基を示す。〕で表わされる化合物。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規ジフェニルチアゾリジンジオン誘導体、およびこれらを含有する医薬に関する。これらの新規化合物は顕著なキマーゼ阻害作用を有し、キマーゼが関与する種々の疾患の予防と治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】
キマーゼは中性のセリンプロテアーゼ(約30kD)の一つであるが、組織内においてアンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する酵素であること〔J. Biol. Chem., 265巻, 22348頁(1990年)〕から、アンジオテンシンIIに起因する心臓、循環器系疾患の発症に関わっているとされる。また、キマーゼはコラゲナーゼから活性型コラゲナーゼへの活性化や細胞外マトリックス、トロンビン、IgGの限定分解、肥満細胞からヒスタミンの遊離を促進する等の作用も明らかになっていることから〔J. Biol. Chem. 103巻, 820頁(1988年)〕、キマーゼはアレルギーまたは炎症性疾患などにも関与していると考えられる。さらに、眼組織中のキマーゼについては、その働きはまだ完全には解明されていないが、眼炎症や眼アレルギー、眼循環(眼血流、房水循環)および毛様体筋の調節に関与していると考えられる。以上のキマーゼの生体内における広範な働きから、かかる酵素の阻害剤はさまざまな疾患の予防および治療剤として有用であると期待される。
【0003】
キマーゼ阻害剤としては、従来、イミダゾリジン誘導体(WO 9604248)、アセトアミド誘導体(WO 9809949)、トリアジンスルホン誘導体(特開平10−245384)、ヒダントイン誘導体(特開平9−31061)、キナゾリン誘導体(WO 9711941)、フェノールエステル誘導体(特開平10−87567)、チアジン誘導体(EP 0713876)、複素環式アミド化合物(WO 9633974、WO 9818794)、ペプチド系化合物〔Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 92巻, 6738頁,(1995年)〕などが知られている。しかし、これら化合物は未だ実用化されていない。
近年、チアゾリジン骨格を有し、かつキマーゼ阻害活性を有する化合物が開示されたが(特開2000−95770、特開2000−170977)、これらの化合物も実用化には至っていない。また、ジフェニルチアゾリジンジオン誘導体にはアルドース還元酵素阻害作用を有する化合物がいくつか報告されているが(Chem. Pharm. Bull. 30, 3601−3616 (1982年))、キマーゼ阻害活性についてはまったく報告されていない。
かかる技術水準下において、本発明者らは、顕著なキマーゼ阻害作用を有するジフェニルチアゾリジンジオン誘導体を創製することに成功した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れたキマーゼ阻害作用を有する新規ジフェニルチアゾリジンジオン誘導体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、優れたキマーゼ阻害作用を有するジフェニルチアゾリジンジオン誘導体を創製し、さらに研究を進めて本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、
一般式(I)
【化2】
Figure 2004123538
〔式中、Aはカルボニル基またはスルホニル基を示し、Rは芳香族炭化水素基を示す。〕で表わされる化合物。
【0007】
(2)上記(1)に記載の化合物を含有してなる医薬。
(3)上記(1)に記載の化合物を含有してなるキマーゼ阻害剤。
(4)キマーゼが関与する疾患の予防又は治療剤である上記(2)に記載の医薬。
(5)キマーゼが関与する疾患が循環器系疾患である上記(4)に記載の医薬。
(6)キマーゼが関与する疾患がアレルギーまたは炎症性疾患である上記(4)に記載の医薬。
(7)キマーゼが関与する疾患が網脈絡膜疾患または緑内障である上記(4)に記載の医薬。
(8)毛様体筋収縮弛緩調節剤である上記(3)に記載のキマーゼ阻害剤。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のジフェニルチアゾリジンジオン誘導体(I)においてRで示される芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜18のものが好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ナフタセニル基、トリフェニレニル基などが挙げられ、好ましくはナフチル基であり、より好ましくは1−ナフチル基または2−ナフチル基である。
【0009】
本発明の一般式(I)で示される化合物は、例えば次の製造方法により、またはこれに準じて製造することができる。
式(II)
【化3】
X−A−R
【0010】
[式(II)中、Aはカルボニル基またはスルホニル基であり、Rは芳香族炭化水素基であり、Xはハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素など)を示す。]で表される酸ハライド誘導体を、
式(III)
【化4】
Figure 2004123538
【0011】
で示される5,5−ジフェニル−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンもしくはその塩と反応させ、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の通常の精製をおこなうことにより、一般式(I)で示される化合物を製造することができる。かかる反応は反応溶媒中、無機および有機塩基の存在下/非存在下で行うことができる。本反応に用いることができる反応溶媒としては、例えば、無水塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のような反応に悪影響をおよぼさない慣用の溶媒、またはそれらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフランあるいはテトラヒドロフランとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒である。
【0012】
本反応に用いることができる無機塩基は、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩である。本反応に用いることができる有機塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジン等である。用いる塩基で特に好ましくは、水素化ナトリウムである。かかる無機および有機塩基は式(III)で示されるジフェニルチアゾリジンジオン誘導体1モルに対して0.5〜1.5モル比の範囲で用いるのが好ましい。反応温度は、通常、冷却下から加温下の範囲であり、好ましくは−10℃〜30℃の範囲である。
さらに、本発明は、一般式(I)で示される化合物の各種の溶媒和や結晶多形、およびそれらのプロドラッグも包含する。
【0013】
本発明の一般式(I)で示される化合物は、キマーゼ阻害活性を有するので、ヒトおよび温血動物(例えばサル、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット)のキマーゼが関与する疾患、例えば心臓・循環器系疾患(経皮経管冠動脈形成術などによる血管障害後の再狭窄、高血圧症、動脈硬化、心筋梗塞、心肥大、心不全)糖尿病性および非糖尿病性腎障害、末梢循環障害等)の予防・治療剤として、眼循環障害性疾患(網脈絡膜疾患;網膜色素変性症,黄斑変性症,虚血性視神経症,虹彩毛様体炎,網膜動脈閉塞症,網膜静脈閉塞症,糖尿病性網膜症,網膜病変に続発する脈絡膜疾患、および緑内障等)の予防・治療剤として、また、毛様体筋収縮弛緩の調節剤として近視および眼精疲労等の改善に、さらに、全身(腎炎、肝炎、肺炎、膵炎等の消化管炎症、アトピー、関節炎、リウマチなど)および眼局所(角結膜炎、ぶどう膜炎、眼窩炎症、春季カタルなど)における炎症性およびアレルギー性疾患等の予防・治療剤として経口的にあるいは非経口的に適宜に使用できる。
【0014】
本発明の一般式(I)で示される化合物の製剤の形態としては、例えば、錠剤、顆粒、散剤、カプセル剤、軟膏剤等の固形製剤および注射剤、点眼剤等の液剤が挙げられる。いずれの製剤も、公知の方法により適宜調製することができる。これら製剤には、通常用いられる賦形剤(澱粉、ブドウ糖、果糖、白糖、リン酸カルシウム等)、結合剤(澱粉、アラビアゴム、ゼラチン溶液、アルギン酸ナトリウム、カルメロース液等)、崩壊剤(澱粉、炭酸カルシウム、結晶セルロース等)、滑沢剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク等)、吸収促進剤(チオグリコール酸、カプリン酸、カプリル酸等)、緩衝剤(ホウ酸、ホウ砂、酢酸ナトリウム、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液等)、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、溶解補助剤(ラウリル硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、エチレンジアミン、ヨウ化カリウム等)、保存剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン類、クロロブタノール等)、乳化剤(アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等)、等張化剤(塩化ナトリウム、グリセリン、マンニトール等)、安定化剤(エデト酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、pH調整剤(塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウム等)等を適宜使用してもよい。
【0015】
本発明の一般式(I)で示される化合物を心臓・循環器系疾患や炎症・アレルギー性疾患の予防・治療剤として全身投与する場合、その用量は、対象とする疾患の種類、使用する化合物の種類、患者の年齢、体重、症状およびその剤形などによっても異なるが、例えば、内服剤の場合は、成人1日数回、1回量約1 mg〜100mg程度投与するのがよい。注射剤の場合は、成人1日1回、約0.1mg〜30mg程度投与するのがよい。また、眼循環障害性疾患や眼の炎症・アレルギー性疾患の予防・治療剤として、さらに毛様体筋収縮弛緩の調節剤として眼局所投与する場合、本発明の一般式(I)で示される化合物を約0.01w/v%〜1.0w/v%、好ましくは約0.05w/v%〜0.5w/v%含有する点眼剤を、1回1〜数滴、1日1〜8回程度点眼するのがよい。なお、眼局所の疾患であっても、網膜など内眼部に化合物を効率よく到達させる目的で全身投与されることもある。
【0016】
本発明の一般式(I)で示される化合物は、目的と必要に応じて、本発明化合物の1種または2種以上を適宜組合わせて使用することもできる。
本発明の一般式(I)で示される化合物は、本発明の目的に反しない限り、本発明に含まれないキマーゼ阻害成分、本発明と同様の薬効を持つ別種の成分、およびその他の薬効成分を適宜組み合わせて使用することもできる。
【0017】
【実施例】
本発明を、以下の実施例および試験例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
なお、5,5−ジフェニル−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンは Sohda 等の方法(Chem. Pharm. Bull. 30(10), 3601−3616 (1982))に準じて合成した。実施例で述べる化合物の物性値において、融点はYanaco MP−500V micro melting point apparatus(補正無し)を、元素分析はPerkin Elmer CHNS/02400を、核磁気共鳴スペクトル(NMR)はVarian Gemini 2000 を用いて測定したものである。
【0018】
(実施例1)
5,5−ジフェニル−3−(2−ナフトイル)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン
【化5】
Figure 2004123538
【0019】
5,5−ジフェニル−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン2.0gをテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、氷冷下0℃にて水素化ナトリウム(60%,油状)0.36gを加えた。30分間撹拌後、0℃にて2−ナフトイルクロリド 1.70gを加え、室温にて2.5時間撹拌した。注意深く水を加えた後、酢酸エチル200mLを加え分配した。得られた有機層は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、溶媒留去した。ヘキサン、イソプロピルエーテル、イソプロピルアルコール混合溶媒にて結晶化後、再結晶し、標題化合物を白色結晶として3.05g得た(化合物1)。H−NMR (CDCl)δ7.41−7.50 (6H, m), 7.52−7.58 (5H, m), 7.65 (1H, ddd, J = 8.1, 6.9, 1.2 Hz), 7.70 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.83−7.91 (3H, m), 8.12 (1H, s).
【0020】
(実施例2)
5,5−ジフェニル−3−(1−ナフトイル)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン
【化6】
Figure 2004123538
【0021】
5,5−ジフェニル−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンカリウム塩0.2gをテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、室温にて1−ナフトイルクロリド 0.15gを加え、室温にて12時間撹拌した。溶媒を減圧留去したあと、酢酸エチル100mLに溶解した。有機層は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、溶媒留去した。さらにシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、標題化合物を白色結晶として0.12g得た(化合物2)。 H−NMR (CDCl)δ7.37−7.51 (11H, m), 7.57−7.71 (3H, m), 7.92 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.80 (1H, d, J = 9.0 Hz).
【0022】
(実施例3)
5,5−ジフェニル−3−(2−ナフチルスルホニル)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン
【化7】
Figure 2004123538
【0023】
5,5−ジフェニル−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン0.2gをテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、氷冷下0℃にて水素化ナトリウム(60%,油状)0.036gを加えた。30分間撹拌後、0℃にて2−ナフチルスルホニルクロリド0.20gを加え、室温にて2.5時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチル100mLを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。溶媒を留去した後、酢酸エチルより再結晶し、標題化合物を白色結晶として0.20g得た(化合物3)。H−NMR (CDCl)δ7.24−7.35 (10H, m), 7.67 (1H, ddd, J = 6.9, 5.5, 1.4 Hz), 7.74 (1H, td, J = 8.0, 1.4 Hz), 7.94−8.02 (3H, m), 8.05 (1H, dd, J = 8.8, 1.8 Hz), 8.73 (1H, d, J = 1.2 Hz).
【0024】
(実施例4)
5,5−ジフェニル−3−(1−ナフチルスルホニル)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン
【化8】
Figure 2004123538
【0025】
5,5−ジフェニル−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン0.2gをテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、氷冷下0℃にて水素化ナトリウム(60%,油状)0.036gを加えた。30分間撹拌後、0℃にて1−ナフチルスルホニルクロリド0.20gを加え、室温にて2.5時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチル100mLを加え、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、さらに酢酸エチルより再結晶して標題化合物を白色結晶として0.05g得た(化合物4)。 H−NMR (CDCl)δ7.13−7.31 (10H, m), 7.50−7.65 (3H, m), 7.96 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.19 (1H, d, J
= 8.1 Hz), 8.54−8.58 (2H, m).
【0026】
試験例1.キマーゼ阻害活性
キマーゼ阻害活性は Kato 等の方法(J. Biochem., 103巻, 820頁 (1988))に準じて測定した。すなわち、ジメチルスルホキシド(以下、DMSO)に溶解した被験物質 2.5μL に、リコンビナントヒトキマーゼ(特開平10−87567、参考例1〜8)の酵素活性が 2.3 μUnit となるようHEPES緩衝液で調製した溶液 72.5μL を加え、30 ℃で5分間保温した後、基質として 0.6 mM Suc−Ala−Ala−Pro−Phe−MCA(ペプチド研究所製)/トリス緩衝液を 125μL 添加し、反応液とした。反応液を、マルチウェルプレートリーダー CYTOFLUOR Series 4000(パーセプティブバイオシステムズ社製)にセットし、30℃で30分間、蛍光強度の変化を経時的に測定した(励起波長 360 nm、検出波長 450 nm)。
【0027】
コントロールは、被験物質を含まないDMSO2.5μL を使用し、同様に処理し測定した。ブランクはキマーゼ溶液の代わりにHEPES緩衝液を加え、同様に処理し測定した。
キマーゼ阻害率(%)は、蛍光強度の変化からそれぞれ被験物質の近似直線の傾き(S),コントロールの近似直線の傾き(C),被験薬のブランクの近似直線の傾き(Bs), コントロールのブランクの近似直線の傾き(Bc)を算出し、下記式から算出した。
阻害率(%)=〔1−(S−Bs)/(C−Bc)〕×100
【0028】
(試験結果)
本発明の化合物につき、この方法で求めたキマーゼ阻害活性より50%阻害濃度(IC50)を算出した。その結果を表1に示す。本結果は、本発明の一般式(I)で示される化合物はキマーゼ阻害活性を有することを示す。
【表1】
Figure 2004123538
【0029】
製剤例1 錠剤
化合物1                 50mg
乳糖                   80mg
デンプン                 17mg
ステアリン酸マグネシウム          3mg
結晶セルロース              10mg
以上の成分を1錠分の材料として、常法により錠剤を成形した。この錠剤は糖衣およびフィルム(例えばエチルセルロース等)でコーティングしてもよい。
【0030】
製剤例2 カプセル剤
化合物1                75mg
マンニット               75mg
デンプン                17mg
ステアリン酸カルシウム          3mg
以上の成分を1カプセル剤の材料として均一に混合し、常法により顆粒状とし、硬カプセルに充填した。この充填する顆粒は必要に応じて糖衣およびフィルム(例えばエチルセルロース等)でコーティングしてもよい。
【0031】
製剤例3 水性懸濁点眼剤
化合物1                0.5g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース   0.1g
塩化ナトリウム             0.9g
リン酸2水素ナトリウム・2水和物    0.1g
塩化ベンザルコニウム          0.005g
0.1N水酸化ナトリウム        適量(pH7.2)
精製水                 全100mL
精製水約80mLにヒドロキシプロピルメチルセルロースを加温して分散させた後、室温まで冷却して溶かした、この溶液に塩化ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム・2水和物および塩化ベンザルコニウムを加えて溶かし、0.1N水酸化ナトリウムを加えpHを7.2に調整した。この液に化合物1を添加し、ホモジナイザーにより均一に懸濁させた。精製水を加え、全量100mLとし、水性懸濁点眼剤を調製した。
【0032】
【発明の効果】
本発明の一般式(I)で示される化合物は優れたキマーゼ阻害活性を有するので、キマーゼが関与する種々の疾患、例えば全身および眼局所の循環器系疾患、炎症性およびアレルギー性疾患の予防/治療剤として、また、毛様体筋の収縮緊張の調節剤として有用である。

Claims (8)

  1. 一般式(I)
    Figure 2004123538
    〔式中、Aはカルボニル基またはスルホニル基を示し、Rは芳香族炭化水素基を示す。〕で表わされる化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物を含有してなる医薬。
  3. 請求項1に記載の化合物を含有してなるキマーゼ阻害剤。
  4. キマーゼが関与する疾患の予防又は治療剤である請求項2に記載の医薬。
  5. キマーゼが関与する疾患が循環器系疾患である請求項4に記載の医薬。
  6. キマーゼが関与する疾患がアレルギーまたは炎症性疾患である請求項4に記載の医薬。
  7. キマーゼが関与する疾患が網脈絡膜疾患または緑内障である請求項4に記載の医薬。
  8. 毛様体筋収縮弛緩調節剤である請求項3に記載のキマーゼ阻害剤。
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