JP2004121707A - 視野検査方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視野欠損の進行の検査において、OFF刺激のみに対する応
答を検査する手段を提供する。
【解決手段】視野検査面を形成するディスプレイ面に視標を表示し、この視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更し、被検者が前記視標を認識したことを伝達する応答から、視野中の各位置において被検者が認識し得る視標輝度の閾値を測定するときに、前記視標の輝度が前記ディスプレイの背景輝度より低い暗視標を用いて視野を検査する。
【選択図】図5
答を検査する手段を提供する。
【解決手段】視野検査面を形成するディスプレイ面に視標を表示し、この視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更し、被検者が前記視標を認識したことを伝達する応答から、視野中の各位置において被検者が認識し得る視標輝度の閾値を測定するときに、前記視標の輝度が前記ディスプレイの背景輝度より低い暗視標を用いて視野を検査する。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視野検査方法および検査装置に関し、とくに背景光より暗い刺激に対する視機能を検査する視野検査方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
視野検査は、視機能を評価する上で視力検査と並び最も重要な検査であり、緑内障、網膜色素変性症をはじめとする慢性に視野欠損が進行する疾患の診断・治療に不可欠な検査である。
【0003】
そのため各種の視野計が開発され、広く実用化されている。しかし、従来の視野計は、通常は均一な白色背景上の一点に光刺激を投影し、識別できる最小の光量を測定するものである。即ち、網膜の疾患により視覚感度が低下すると、より明るい刺激でなければ認識できなくなることから、視野の各位置毎に、視認可能な光量(輝度)の閾値を求めて、視野欠損の進行を検査している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
視覚情報は、眼球の光学系(角膜、水晶体)によって網膜に像を結び、視細胞で電気信号に変わる。その電気信号はそのまま脳に伝達されるのではなく、網膜内の細胞によって情報処理された信号が視神経から脳の視覚中枢へ伝達される。
【0005】
網膜には大別して5つの種類の細胞があり、信号を視細胞から脳へと伝達する縦方向の伝達系と、平行するそれらをつなぐ横方向の伝達系がある。図7は、網膜内の細胞の構成を示す断面模式図である。図7(a)に見られるように、縦方向の伝達系としては、光を感じる視細胞、それを受ける双極細胞、そして視神経を出す神経節細胞がある。横方向の接続をするのは、水平細胞とアマクリン細胞である。
【0006】
さらに、図7(b)に示すように、双極細胞には光照射即ち光量(輝度)が増大する刺激(以下、ON刺激という)によって興奮するON型の細胞と、消灯即ち光量(輝度)が減少する刺激(以下、OFF刺激という)によって興奮するOFF型の細胞がある。また、水平細胞は幾つもの視細胞につながり、興奮を抑制・制御している。このような網膜細胞の構造によって、網膜神経節細胞の受容野もON中心のものと、OFF中心のものがあることが知られている。
【0007】
緑内障等による視障害の早期発見や障害原因の追求のためには、網膜機能の欠陥について、できるだけ多角度からの情報を得ることが望まれる。従来の視野計は、いずれもON刺激に対する応答のみを測定するものであって、視機能の全てを検査しているとは云い難い。そのため、近年ではさらに細かい網膜の機能別に検査すべく、刺激光にフリッカーや青色刺激などを用いた検査が考案され実用化されている。
【0008】
例えば、近年最も普及している自動視野計では、光刺激を200msecで点滅させている。これはON・OFF両方の刺激に対する応答を総合的に検査しているとも言えるが、実際にはON刺激に対する応答が主体と考えられ、OFF刺激のみに対する応答を検査しているものではない。
【0009】
そこで本発明は、視野欠損の進行の検査において、OFF刺激のみに対する応答を検査する手段を提供することを目的とする。これにより、視機能の障害について新たな角度からの情報を提供し、従来の視野計では検出できていない障害の検出を可能にする手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
従来の視野検査方法が背景よりも輝度の高い視標(明視標)を用いるのに対して、本発明の方法は背景よりも輝度の低い視標(暗視標)を用いることを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明の視野検査方法は、
視野検査面を形成するディスプレイ手段と、
ディスプレイ面に視標を表示する視標表示手段及びこの視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更する視標制御手段と、
被検者が前記視標を認識したことを伝達する応答手段とを用い、
視野中の各位置において、被検者が認識し得る視標輝度の閾値を測定する視野検査方法において、
前記視標として、その輝度が背景の輝度より低い暗視標を用いることを特徴とする。
【0012】
そのため、従来の方法がON刺激に対する受容野の障害を検査しているのに対して、本発明の方法はOFF刺激に対する受容野の障害を検査することとなり、網膜の欠陥に関して従来と異なる角度からの情報が得られる。
【0013】
後記の実施例において示すように、視野の同一位置においてON刺激に対する応答が良好でもOFF刺激に対して応答しない場合や、その逆の場合があって、両者は必ずしも対応していない。したがって、このような新しい情報を加えることにより、網膜障害の早期発見や障害原因の解明につながる可能性があると考えられる。
【0014】
本発明においては、前記暗視標にパルス状のOFF刺激を用いることが好ましい。すなわち、視標が背景とほぼ同じ明るさで視認できない状態から、所定時間(通常は1〜数秒)視標部分の輝度を下げて(視標を暗くして)、パルス状のOFF刺激を与え、このOFF刺激のピーク高さ(背景−視標の輝度差の最大値)を順次変えて、被検者が暗視標を認識するピーク高さの閾値を測定する方法が、検査の精度や再現性を高める上で有用である。
【0015】
また、本発明においては、パルス状のOFF刺激の消去過程(一旦暗くなった視標の輝度が背景の輝度と同程度まで上昇する過程)で、暗視標の輝度の上昇を、
被検者がON刺激と知覚しないようにすることが重要である。本発明者らは、この問題について種々検討した結果、上記消去過程での背景と暗視標との輝度差の変化率を、所定の値以下にすることが望ましいことを知見した。
【0016】
すなわち、前記パルス状のOFF刺激の消去過程において、前記暗視標の輝度が実質的に下記の関係を満たすように、その輝度を変化させることが好ましい。
log(B/B0)=−ktで、k ≦ 1.0(sec−1) ……(1)
ここで、t:消去過程開始からの時間(sec)
B:時刻tにおける輝度差(背景輝度−視標輝度)(cd/m2)
B0:t=0おける輝度差(cd/m2)
k:Bの減衰係数(sec−1)
【0017】
なお、暗視標の輝度が多段のステップ状に変化する場合は、平均として上記の要件を満たせばよい。また、OFF刺激の消去過程の初期〜中期において上記の関係を満たせばよく、変化の緩やかな末期まで限定する必要はない(「実質的に」
の語を用いたのは、これらの事項を含む意である)。また、上記のkの値の下限は限定を要しないが、kが小さいほど検査時間が延長されるので、1.0に近い値であることが好ましい。
【0018】
本発明の視野検査装置は、
視野検査面を形成するディスプレイ手段と、
ディスプレイ面にその輝度が背景の輝度より低い暗視標を表示する暗視標表示手段と、該暗視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更する暗視標制御手段と、被検者が前記暗視標を認識したことを伝達する応答手段とを有することを特徴とする。
【0019】
また、この装置は上記の構成に加えて、前期応答手段より被検者の応答があった時の暗視標の位置及び輝度のデータとその他の諸データを記録するメモリー手段を有し、かつこれらの諸データに必要な処理を加えて出力・表示する出力手段を有することが好ましい。
【0020】
従来の視野検査においては、比較的暗いスクリーン上に投影光学系から光束を投射して、明視標を形成する方法が主流になっている。明視標の場合は、光束の投射方向や明るさを変えることによって、容易に視標の位置や輝度を変更することができる。しかし、これと同じスクリーン方式で、背景よりも暗い暗視標を形成する場合には、光束の投射という方法を適用することができず、視標の位置や輝度を変更する仕組みがきわめて複雑になって、実用性がない。
【0021】
したがって、本発明の装置においては、前記ディスプレイ手段として電子ディスプレイを用いることが好ましい。電子ディスプレイでは、暗視標の位置や輝度を容易に変更し得るためである。電子ディスプレイの例としては、ブラウン管
(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電界放射形ディスプレイ
(FED)等があげられる。
【0022】
これらの電子ディスプレイの画像表示は、通常はコンピュータの機能を用いて行われる。したがって本発明の装置は、前記の暗視標表示手段、暗視標制御手段、メモリー手段及び出力手段としてコンピュータの機能を利用することが好ましい。また、その場合は、前記応答手段として、コンピュータのキーボード、マウス等の入力手段を好適に用いることができる。
【0023】
さらに、本発明のいずれの視野検査装置においても、被検者の頭部と前記ディスプレイ手段との相対位置を所定の関係に保つための顔受け手段を有し、かつ被検者の視線を所定の位置に保持するための固定視標がディスプレイ面に設けられていることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態および実施例】
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施例で用いた視野検査装置の側面概要図である。この装置は卓上パソコンを利用して作られたもので、ディスプレイ手段であるCRT1、パソコン本体2、応答手段であるマウス3、ディスプレイ面の周囲に取り付けた遮光カバー4、被検者5の頭部位置を固定する顔受け台6などから構成されている。
【0025】
視野検査に際しては、図2に示すように、ディスプレイ面7の所定の位置に暗視標8が表示される。暗視標8は円形の黒い(暗い)スポットで、一様な輝度の背景面に出現し、被検者にOFF刺激を与えた後、明るさを増して背景とほぼ同じ輝度になるという変化を繰り返す。また、ディスプレイ面7の中央付近には固定視標9が常時表示されており、被検者はこの固定視標9を凝視することによって、視線の振れを防ぐことができる。
【0026】
本実施例においては、暗視標8の大きさとして、Goldmann IIIサイズのものを用いた。ただし、視標野大きさをこれに限定する必要はなく、視標のサイズを数段階に変えて検査を行ってもよい。
また、ディスプレイ面7の背景輝度は120cd/m2の一定値とし、OFF刺激が最大(背景−暗視標の輝度差が最大)の時の暗視標8の輝度を3cd/m2とした。ただし、背景輝度や最大OFF刺激のレベルを上記に限定する必要はない。
【0027】
本発明は、OFF刺激の消去過程で、被検者がON刺激と知覚しないように配慮している点が特徴の一つであるから、以下この点についてやや詳しく説明する。
図3は、本実施例における暗視標の輝度変化の説明図である。暗視標は、OFF刺激発生時(t=0)に急激に輝度を下げてミニマム値(b1)に達した後、0.
1秒毎に0.1 log unit ずつ輝度を上げて、背景の輝度(b0)に戻る(この戻りの過程をOFF刺激の消去過程という)。
【0028】
消去過程での暗視標の輝度変化を、図3の符号を用いて表すと、
(b0−b2)/(b0−b1)=10−0.1=0.794
(b0−b3)/(b0−b2)=10−0.1=0.794
ここで、b0−bi=Bi(i=1,2,3…)と書くと、上記の諸式は下記の一般式で表すことができる。
Bi+1/Bi=10−0.1
【0029】
また、図3の輝度変化の内接線(破線で表示)は、B1=B0、Bi=B(t)と書けば、
下式で表される。
log10B(t)/B0=−kt (k=1.0(sec−1))
【0030】
このように、消去過程での輝度変化を緩やかにするのは、すでに述べたように、
この過程で被検者にON刺激として知覚させないためである。そのためには、この過程での輝度変化は、小刻みなステップ状の変化でも、連続変化でもよく、輝度変化が平均として図3の破線より緩やかであるという条件を満たせば良い。したがって、前記(1)式のkが1.0以下になるように、暗視標の輝度を回復させることが望ましい。
【0031】
次に、本実施例における視野検査の手順を図4に基いて説明する。
まず、最初の測定での暗視標の位置を選択する(S−0)。暗視標のOFF刺激のレベルを最大にする(S−1)。本実施例では、背景の輝度は120cd/m2の一定値で、暗視標の輝度を3cd/m2とした時が最大レベルとなる。
【0032】
所定レベルのOFF刺激を与えて、被検者の応答の有無を確かめる(S−2)。応答が有る(被検者が視標を認識した)場合は、OFF刺激が最小レベルになっているか否かを確かめ(S−3)、まだ最小レベルでなければ、OFF刺激のレベルを2dB下げ(S−4)、再度S−2に戻って被検者の応答の有無を確かめる。本実施例では、最小のOFF刺激のレベルは、最大レベルの−18dBとした。
【0033】
S−2で被検者の応答が無い場合は、同一レベルで再テストする(S−5)。再テストで応答が有れば、S−3,S−4に戻り、OFF刺激のレベルを下げてテストを続ける。再テストでも応答が無い場合は、このレベルが閾値であると判定し、メモリーに輝度レベル、視標位置等のデータを記録する(S−6)。次に視標の位置を変更して(S−7)、S−1に戻り、S−1〜S−6のステップを繰り返して、視野の各位置において、暗視標を認識した輝度レベルの閾値のデータを得る。
【0034】
本実施例において、OFF刺激のレベルを最大レベルから順次下げて閾値を判定したのは、この方法が測定回数の低減に有効と判断されたためである。しかし、
この方法に限定する必要はなく、OFF刺激のレベルを最小から順次上げていくようなやり方でもよく、おおまかなレベル変化で範囲を絞った後、その範囲内を細かく調べるというようなやり方でもよい。
【0035】
上記のような本発明の装置及び方法による視野検査の結果を、同一の被検者・同一の視野位置で、従来の静的自動視野計(HFA30−2)による視野検査の結果と対比させた。いずれの場合も、中心及び各象限45度方位で、中心軸との間の角度3度、9度、13度の計13点の視野位置で、視標輝度の閾値(視認可能な限界の輝度)を測定した。本発明の方法では、OFF刺激の消去過程に(1)式の制限条件を設けても、上記の13視野位置での検査の所要時間は、平均3分43秒であった。
【0036】
従来のHFA自動視野計はON刺激で、明視標と背景の輝度差が最大レベルの時を0dBとし、中心30度以内の75点における感度を測定する。一方本発明の視野検査では、前述のように背景120、暗視標3cd/m2の時をOFF刺激の最大レベル(0dBと表示)とし、中心15度以内の13点における感度(db)を測定した。
同一被検者・同一位置での、本発明法による閾値を横軸に、HFA視野計での閾値を縦軸にとって、対比した結果を図5に示す。縦軸、縦軸共に、dBの値が大きいほど弱い刺激に応答があり、被検者の視認の感度が高いことを意味する。
【0037】
本発明法とHFA視野計で、同じ視機能を検査しているのであれば、両者の相関係数は高くなることが予想されるが、相関係数は0.558と中程度であった。
また、図5に見られるように、本発明法で視認感度が良い(横軸のdB値が大きい)ところでは、HFA視野計でも感度が高い(縦軸のdB値が大きい)が、HFA視野計で感度が高くても、本発明法では、感度の高いものと低いものが混在している。
【0038】
以上の結果から、本発明法の可能性として考えられることは、以下の事項である。
1)従来の視野計で検出できていない障害を検出している。(現在の視機能障害の別の角度からの評価)
2)早期の障害検出又は将来の障害進行予想の可能性がある。
3)従来の視野計では同一と考えられていた疾患が、異なるメカニズムで傷害される異なる疾患であることが診断できる。
【0039】
なお、視機能に障害の無い正常者について、本発明法とHFA視野計で、視野の各位置における閾値を比較した結果の例を図6に示す。図6に見られるように、
正常者においては両者ともに中心で感度が高く、周辺に行くに従い感度が低くなっており、リーゾナブルな結果が得られることが確かめられている。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、純粋にOFF刺激に対する視機能を検査することが可能となり、
網膜の欠陥に関して従来と異なる角度からの情報が得られるようになった。このような新しい情報を加えることにより、網膜障害の早期発見や障害原因の解明につながる可能性があると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いた視野検査装置の側面概要図である。
【図2】OFF刺激の与え方の説明図である。
【図3】本実施例における暗視標の輝度変化の説明図である。
【図4】本実施例における視野検査の手順を示すフロー図である。
【図5】本発明法と従来の視野計で測定された視標輝度の閾値を対比させた結果の例を示す図である。
【図6】本発明法と従来の視野計による正常者の視野各位置での閾値の測定結果の例を示す図である。
【図7】網膜内の細胞の構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 CRT
2 パソコン本体
3 マウス
4 遮光カバー
5 被検者
6 顔受け台
7 ディスプレイ面
8 暗視標
9 固定視標
【発明の属する技術分野】
本発明は、視野検査方法および検査装置に関し、とくに背景光より暗い刺激に対する視機能を検査する視野検査方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
視野検査は、視機能を評価する上で視力検査と並び最も重要な検査であり、緑内障、網膜色素変性症をはじめとする慢性に視野欠損が進行する疾患の診断・治療に不可欠な検査である。
【0003】
そのため各種の視野計が開発され、広く実用化されている。しかし、従来の視野計は、通常は均一な白色背景上の一点に光刺激を投影し、識別できる最小の光量を測定するものである。即ち、網膜の疾患により視覚感度が低下すると、より明るい刺激でなければ認識できなくなることから、視野の各位置毎に、視認可能な光量(輝度)の閾値を求めて、視野欠損の進行を検査している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
視覚情報は、眼球の光学系(角膜、水晶体)によって網膜に像を結び、視細胞で電気信号に変わる。その電気信号はそのまま脳に伝達されるのではなく、網膜内の細胞によって情報処理された信号が視神経から脳の視覚中枢へ伝達される。
【0005】
網膜には大別して5つの種類の細胞があり、信号を視細胞から脳へと伝達する縦方向の伝達系と、平行するそれらをつなぐ横方向の伝達系がある。図7は、網膜内の細胞の構成を示す断面模式図である。図7(a)に見られるように、縦方向の伝達系としては、光を感じる視細胞、それを受ける双極細胞、そして視神経を出す神経節細胞がある。横方向の接続をするのは、水平細胞とアマクリン細胞である。
【0006】
さらに、図7(b)に示すように、双極細胞には光照射即ち光量(輝度)が増大する刺激(以下、ON刺激という)によって興奮するON型の細胞と、消灯即ち光量(輝度)が減少する刺激(以下、OFF刺激という)によって興奮するOFF型の細胞がある。また、水平細胞は幾つもの視細胞につながり、興奮を抑制・制御している。このような網膜細胞の構造によって、網膜神経節細胞の受容野もON中心のものと、OFF中心のものがあることが知られている。
【0007】
緑内障等による視障害の早期発見や障害原因の追求のためには、網膜機能の欠陥について、できるだけ多角度からの情報を得ることが望まれる。従来の視野計は、いずれもON刺激に対する応答のみを測定するものであって、視機能の全てを検査しているとは云い難い。そのため、近年ではさらに細かい網膜の機能別に検査すべく、刺激光にフリッカーや青色刺激などを用いた検査が考案され実用化されている。
【0008】
例えば、近年最も普及している自動視野計では、光刺激を200msecで点滅させている。これはON・OFF両方の刺激に対する応答を総合的に検査しているとも言えるが、実際にはON刺激に対する応答が主体と考えられ、OFF刺激のみに対する応答を検査しているものではない。
【0009】
そこで本発明は、視野欠損の進行の検査において、OFF刺激のみに対する応答を検査する手段を提供することを目的とする。これにより、視機能の障害について新たな角度からの情報を提供し、従来の視野計では検出できていない障害の検出を可能にする手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
従来の視野検査方法が背景よりも輝度の高い視標(明視標)を用いるのに対して、本発明の方法は背景よりも輝度の低い視標(暗視標)を用いることを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明の視野検査方法は、
視野検査面を形成するディスプレイ手段と、
ディスプレイ面に視標を表示する視標表示手段及びこの視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更する視標制御手段と、
被検者が前記視標を認識したことを伝達する応答手段とを用い、
視野中の各位置において、被検者が認識し得る視標輝度の閾値を測定する視野検査方法において、
前記視標として、その輝度が背景の輝度より低い暗視標を用いることを特徴とする。
【0012】
そのため、従来の方法がON刺激に対する受容野の障害を検査しているのに対して、本発明の方法はOFF刺激に対する受容野の障害を検査することとなり、網膜の欠陥に関して従来と異なる角度からの情報が得られる。
【0013】
後記の実施例において示すように、視野の同一位置においてON刺激に対する応答が良好でもOFF刺激に対して応答しない場合や、その逆の場合があって、両者は必ずしも対応していない。したがって、このような新しい情報を加えることにより、網膜障害の早期発見や障害原因の解明につながる可能性があると考えられる。
【0014】
本発明においては、前記暗視標にパルス状のOFF刺激を用いることが好ましい。すなわち、視標が背景とほぼ同じ明るさで視認できない状態から、所定時間(通常は1〜数秒)視標部分の輝度を下げて(視標を暗くして)、パルス状のOFF刺激を与え、このOFF刺激のピーク高さ(背景−視標の輝度差の最大値)を順次変えて、被検者が暗視標を認識するピーク高さの閾値を測定する方法が、検査の精度や再現性を高める上で有用である。
【0015】
また、本発明においては、パルス状のOFF刺激の消去過程(一旦暗くなった視標の輝度が背景の輝度と同程度まで上昇する過程)で、暗視標の輝度の上昇を、
被検者がON刺激と知覚しないようにすることが重要である。本発明者らは、この問題について種々検討した結果、上記消去過程での背景と暗視標との輝度差の変化率を、所定の値以下にすることが望ましいことを知見した。
【0016】
すなわち、前記パルス状のOFF刺激の消去過程において、前記暗視標の輝度が実質的に下記の関係を満たすように、その輝度を変化させることが好ましい。
log(B/B0)=−ktで、k ≦ 1.0(sec−1) ……(1)
ここで、t:消去過程開始からの時間(sec)
B:時刻tにおける輝度差(背景輝度−視標輝度)(cd/m2)
B0:t=0おける輝度差(cd/m2)
k:Bの減衰係数(sec−1)
【0017】
なお、暗視標の輝度が多段のステップ状に変化する場合は、平均として上記の要件を満たせばよい。また、OFF刺激の消去過程の初期〜中期において上記の関係を満たせばよく、変化の緩やかな末期まで限定する必要はない(「実質的に」
の語を用いたのは、これらの事項を含む意である)。また、上記のkの値の下限は限定を要しないが、kが小さいほど検査時間が延長されるので、1.0に近い値であることが好ましい。
【0018】
本発明の視野検査装置は、
視野検査面を形成するディスプレイ手段と、
ディスプレイ面にその輝度が背景の輝度より低い暗視標を表示する暗視標表示手段と、該暗視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更する暗視標制御手段と、被検者が前記暗視標を認識したことを伝達する応答手段とを有することを特徴とする。
【0019】
また、この装置は上記の構成に加えて、前期応答手段より被検者の応答があった時の暗視標の位置及び輝度のデータとその他の諸データを記録するメモリー手段を有し、かつこれらの諸データに必要な処理を加えて出力・表示する出力手段を有することが好ましい。
【0020】
従来の視野検査においては、比較的暗いスクリーン上に投影光学系から光束を投射して、明視標を形成する方法が主流になっている。明視標の場合は、光束の投射方向や明るさを変えることによって、容易に視標の位置や輝度を変更することができる。しかし、これと同じスクリーン方式で、背景よりも暗い暗視標を形成する場合には、光束の投射という方法を適用することができず、視標の位置や輝度を変更する仕組みがきわめて複雑になって、実用性がない。
【0021】
したがって、本発明の装置においては、前記ディスプレイ手段として電子ディスプレイを用いることが好ましい。電子ディスプレイでは、暗視標の位置や輝度を容易に変更し得るためである。電子ディスプレイの例としては、ブラウン管
(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電界放射形ディスプレイ
(FED)等があげられる。
【0022】
これらの電子ディスプレイの画像表示は、通常はコンピュータの機能を用いて行われる。したがって本発明の装置は、前記の暗視標表示手段、暗視標制御手段、メモリー手段及び出力手段としてコンピュータの機能を利用することが好ましい。また、その場合は、前記応答手段として、コンピュータのキーボード、マウス等の入力手段を好適に用いることができる。
【0023】
さらに、本発明のいずれの視野検査装置においても、被検者の頭部と前記ディスプレイ手段との相対位置を所定の関係に保つための顔受け手段を有し、かつ被検者の視線を所定の位置に保持するための固定視標がディスプレイ面に設けられていることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態および実施例】
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施例で用いた視野検査装置の側面概要図である。この装置は卓上パソコンを利用して作られたもので、ディスプレイ手段であるCRT1、パソコン本体2、応答手段であるマウス3、ディスプレイ面の周囲に取り付けた遮光カバー4、被検者5の頭部位置を固定する顔受け台6などから構成されている。
【0025】
視野検査に際しては、図2に示すように、ディスプレイ面7の所定の位置に暗視標8が表示される。暗視標8は円形の黒い(暗い)スポットで、一様な輝度の背景面に出現し、被検者にOFF刺激を与えた後、明るさを増して背景とほぼ同じ輝度になるという変化を繰り返す。また、ディスプレイ面7の中央付近には固定視標9が常時表示されており、被検者はこの固定視標9を凝視することによって、視線の振れを防ぐことができる。
【0026】
本実施例においては、暗視標8の大きさとして、Goldmann IIIサイズのものを用いた。ただし、視標野大きさをこれに限定する必要はなく、視標のサイズを数段階に変えて検査を行ってもよい。
また、ディスプレイ面7の背景輝度は120cd/m2の一定値とし、OFF刺激が最大(背景−暗視標の輝度差が最大)の時の暗視標8の輝度を3cd/m2とした。ただし、背景輝度や最大OFF刺激のレベルを上記に限定する必要はない。
【0027】
本発明は、OFF刺激の消去過程で、被検者がON刺激と知覚しないように配慮している点が特徴の一つであるから、以下この点についてやや詳しく説明する。
図3は、本実施例における暗視標の輝度変化の説明図である。暗視標は、OFF刺激発生時(t=0)に急激に輝度を下げてミニマム値(b1)に達した後、0.
1秒毎に0.1 log unit ずつ輝度を上げて、背景の輝度(b0)に戻る(この戻りの過程をOFF刺激の消去過程という)。
【0028】
消去過程での暗視標の輝度変化を、図3の符号を用いて表すと、
(b0−b2)/(b0−b1)=10−0.1=0.794
(b0−b3)/(b0−b2)=10−0.1=0.794
ここで、b0−bi=Bi(i=1,2,3…)と書くと、上記の諸式は下記の一般式で表すことができる。
Bi+1/Bi=10−0.1
【0029】
また、図3の輝度変化の内接線(破線で表示)は、B1=B0、Bi=B(t)と書けば、
下式で表される。
log10B(t)/B0=−kt (k=1.0(sec−1))
【0030】
このように、消去過程での輝度変化を緩やかにするのは、すでに述べたように、
この過程で被検者にON刺激として知覚させないためである。そのためには、この過程での輝度変化は、小刻みなステップ状の変化でも、連続変化でもよく、輝度変化が平均として図3の破線より緩やかであるという条件を満たせば良い。したがって、前記(1)式のkが1.0以下になるように、暗視標の輝度を回復させることが望ましい。
【0031】
次に、本実施例における視野検査の手順を図4に基いて説明する。
まず、最初の測定での暗視標の位置を選択する(S−0)。暗視標のOFF刺激のレベルを最大にする(S−1)。本実施例では、背景の輝度は120cd/m2の一定値で、暗視標の輝度を3cd/m2とした時が最大レベルとなる。
【0032】
所定レベルのOFF刺激を与えて、被検者の応答の有無を確かめる(S−2)。応答が有る(被検者が視標を認識した)場合は、OFF刺激が最小レベルになっているか否かを確かめ(S−3)、まだ最小レベルでなければ、OFF刺激のレベルを2dB下げ(S−4)、再度S−2に戻って被検者の応答の有無を確かめる。本実施例では、最小のOFF刺激のレベルは、最大レベルの−18dBとした。
【0033】
S−2で被検者の応答が無い場合は、同一レベルで再テストする(S−5)。再テストで応答が有れば、S−3,S−4に戻り、OFF刺激のレベルを下げてテストを続ける。再テストでも応答が無い場合は、このレベルが閾値であると判定し、メモリーに輝度レベル、視標位置等のデータを記録する(S−6)。次に視標の位置を変更して(S−7)、S−1に戻り、S−1〜S−6のステップを繰り返して、視野の各位置において、暗視標を認識した輝度レベルの閾値のデータを得る。
【0034】
本実施例において、OFF刺激のレベルを最大レベルから順次下げて閾値を判定したのは、この方法が測定回数の低減に有効と判断されたためである。しかし、
この方法に限定する必要はなく、OFF刺激のレベルを最小から順次上げていくようなやり方でもよく、おおまかなレベル変化で範囲を絞った後、その範囲内を細かく調べるというようなやり方でもよい。
【0035】
上記のような本発明の装置及び方法による視野検査の結果を、同一の被検者・同一の視野位置で、従来の静的自動視野計(HFA30−2)による視野検査の結果と対比させた。いずれの場合も、中心及び各象限45度方位で、中心軸との間の角度3度、9度、13度の計13点の視野位置で、視標輝度の閾値(視認可能な限界の輝度)を測定した。本発明の方法では、OFF刺激の消去過程に(1)式の制限条件を設けても、上記の13視野位置での検査の所要時間は、平均3分43秒であった。
【0036】
従来のHFA自動視野計はON刺激で、明視標と背景の輝度差が最大レベルの時を0dBとし、中心30度以内の75点における感度を測定する。一方本発明の視野検査では、前述のように背景120、暗視標3cd/m2の時をOFF刺激の最大レベル(0dBと表示)とし、中心15度以内の13点における感度(db)を測定した。
同一被検者・同一位置での、本発明法による閾値を横軸に、HFA視野計での閾値を縦軸にとって、対比した結果を図5に示す。縦軸、縦軸共に、dBの値が大きいほど弱い刺激に応答があり、被検者の視認の感度が高いことを意味する。
【0037】
本発明法とHFA視野計で、同じ視機能を検査しているのであれば、両者の相関係数は高くなることが予想されるが、相関係数は0.558と中程度であった。
また、図5に見られるように、本発明法で視認感度が良い(横軸のdB値が大きい)ところでは、HFA視野計でも感度が高い(縦軸のdB値が大きい)が、HFA視野計で感度が高くても、本発明法では、感度の高いものと低いものが混在している。
【0038】
以上の結果から、本発明法の可能性として考えられることは、以下の事項である。
1)従来の視野計で検出できていない障害を検出している。(現在の視機能障害の別の角度からの評価)
2)早期の障害検出又は将来の障害進行予想の可能性がある。
3)従来の視野計では同一と考えられていた疾患が、異なるメカニズムで傷害される異なる疾患であることが診断できる。
【0039】
なお、視機能に障害の無い正常者について、本発明法とHFA視野計で、視野の各位置における閾値を比較した結果の例を図6に示す。図6に見られるように、
正常者においては両者ともに中心で感度が高く、周辺に行くに従い感度が低くなっており、リーゾナブルな結果が得られることが確かめられている。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、純粋にOFF刺激に対する視機能を検査することが可能となり、
網膜の欠陥に関して従来と異なる角度からの情報が得られるようになった。このような新しい情報を加えることにより、網膜障害の早期発見や障害原因の解明につながる可能性があると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いた視野検査装置の側面概要図である。
【図2】OFF刺激の与え方の説明図である。
【図3】本実施例における暗視標の輝度変化の説明図である。
【図4】本実施例における視野検査の手順を示すフロー図である。
【図5】本発明法と従来の視野計で測定された視標輝度の閾値を対比させた結果の例を示す図である。
【図6】本発明法と従来の視野計による正常者の視野各位置での閾値の測定結果の例を示す図である。
【図7】網膜内の細胞の構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 CRT
2 パソコン本体
3 マウス
4 遮光カバー
5 被検者
6 顔受け台
7 ディスプレイ面
8 暗視標
9 固定視標
Claims (8)
- 視野検査面を形成するディスプレイ手段と、
ディスプレイ面に視標を表示する視標表示手段及び該視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更する視標制御手段と、
被検者が前記視標を認識したことを伝達する応答手段とを用い、
視野中の各位置において、被検者が認識し得る視標輝度の閾値を測定する視野検査方法において、
前記視標の輝度が前記ディスプレイ手段の背景輝度より低い暗視標を用いることを特徴とする視野検査方法。 - 前記暗視標に、パルス状のOFF刺激を用いることを特徴とする請求項1記載の視野検査方法。
- 前記パルス状のOFF刺激の消去過程において、前記暗視標の輝度が実質的に下記の関係を満たすように、その輝度を変化させることを特徴とする請求項2記載の視野検査方法。
log(B/B0)=−ktで、k ≦ 1.0(sec−1)
ここで、t:消去過程開始からの時間(sec)
B:時刻tにおける輝度差(背景輝度−暗視標輝度)(cd/m2)
B0:t=0おける輝度差(cd/m2)
k:Bの減衰係数(sec−1) - 視野検査面を形成するディスプレイ手段と、
ディスプレイ面にその輝度が背景の輝度より低い暗視標を表示する暗視標表示手段と、
該暗視標の少なくとも位置及び輝度を所定のパターンで変更する暗視標制御手段と、
被検者が前記暗視標を認識したことを伝達する応答手段とを有することを特徴とする視野検査装置。 - 請求項4の構成に加えて、前記応答手段から応答があった時の暗視標の位置及び輝度のデータを含む諸データを記録するメモリー手段と、
これらのデータに必要な処理を加えて出力・表示する出力手段を有することを特徴とする視野検査装置。 - 前記ディスプレイ手段として電子ディスプレイを用い、前記の暗視標表示手段、暗視標制御手段、メモリー手段及び出力手段としてコンピュータの機能を利用することを特徴とする請求項5記載の視野検査装置。
- 前記応答手段として、コンピュータのキーボード又はマウスを利用することを特徴とする請求項6記載の視野検査装置。
- 被検者の頭部と前記ディスプレイ手段との相対位置を所定の関係に保つための顔受け手段を有し、かつ被検者の視線を所定の位置に保持するための固定視標がディスプレイ面に設けられていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の視野検査装置。
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