JP2004117895A - 現像装置、その制御方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】線速変更時に現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整に依存することなく、演算処理により得た補正後の制御電圧をトナー濃度センサに供給できるようにすると共に、各線速毎に安定したトナー濃度を制御できるようにする。
【解決手段】現像剤18を付着するために現像容器40D内で回転可能に設けられた現像剤担持体41と、現像容器40Dに取付けられて現像剤18の透磁率を検出するトナー濃度センサSDと、このセンサSDからの出力電圧及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段15と、センサSDの制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段13とを備え、当該装置起動後の線速変更時に、センサSDの制御電圧を検出すると共に、記憶手段13から補正情報を読み出して当該センサSDの制御電圧を補正した後の電圧で当該センサSDを駆動するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】現像剤18を付着するために現像容器40D内で回転可能に設けられた現像剤担持体41と、現像容器40Dに取付けられて現像剤18の透磁率を検出するトナー濃度センサSDと、このセンサSDからの出力電圧及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段15と、センサSDの制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段13とを備え、当該装置起動後の線速変更時に、センサSDの制御電圧を検出すると共に、記憶手段13から補正情報を読み出して当該センサSDの制御電圧を補正した後の電圧で当該センサSDを駆動するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機に適用して好適な現像装置、その制御方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、色付きの原稿画像から取得した赤(R)色、緑(G)色、青(B)色に係るカラー画像データに基づいてカラー画像形成を行うデジタルカラー複写機が使用されるに至っている。この複写機では原稿の画像情報がスキャナ等により読み込まれ、その原稿の画像情報に係るカラー画像データが一旦、画像メモリに蓄えられる。このカラー画像データをメモリに蓄える際に、シェーディング補正や、タイミング制御、ライン間補正等がなされる。
【0003】
これらの補正処理後のRGB色に係るカラー画像データはγ補正や、変倍処理、空間フィルタ、画像圧縮処理等がなされる。ここで画像処理されたカラー画像データに基づくカラー画像が画像形成手段(プリンタ)によって所定の用紙に形成される。このとき、各々の帯電手段によって一様に帯電されたY,M,C,BK色用の感光体に、カラー画像データに基づいて各色毎の露光手段により露光走査されて該各色用の感光体上に静電潜像を形成するようになされる。
【0004】
この静電潜像は各色毎に準備された現像装置よって現像される。このような帯電、露光、現像を少なくとも1回行い該感光体上に形成されたカラートナー像が転写手段によって転写材に転写するようになされる。所定の用紙上に転写されたトナー像は定着手段により定着される。この結果、カラー原稿画像を複写(コピー)することができる。
【0005】
この種の現像装置は特許文献1の画像形成装置に開示され、この現像装置には現像容器が設けられる。その容器内には静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤が収容される。この現像容器には、現像剤を担持して感光体に付着するために、現像容器内で回転可能に現像剤担持体が設けられている。この現像容器には、トナー濃度センサが取付けられ、トナー濃度を制御するために現像剤の透磁率を検出するようになされる。現像装置ではトナー濃度センサから出力される電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて現像容器内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。
【0006】
また、カラー複写機等においては、定着性や光沢性等を確保するために、プロセス線速を変更するように操作される。この場合に少なくとも、感光体や現像剤担持体等と現像器攪拌部の駆動手段が共通である構成においては、現像剤担持体の線速変更と同時に現像器自体の線速変更も必要になってくる。
【0007】
図10は従来例に係るトナー濃度センサにおける検出例を示す特性図である。図10において、縦軸はトナー濃度センサ出力値(V)であり、横軸はセンサ駆動時間(h)である。黒抜き菱形印を実線で結んだ特性は標準線速(1/1)時のトナー濃度センサ出力特性である。黒抜き四角印を実線で結んだ特性は1/2速時のトナー濃度センサ出力特性である。白抜き三角印を実線で結んだ特性は1/3速時のトナー濃度センサ出力特性である。これらの特性は標準線速から線速を降下させるとトナー濃度センサの出力値が上昇することを示している。
【0008】
従って、正しいトナー補給制御を行うため、トナー濃度初期調整時には、各線速毎のセンサ出力が正しい出力電圧値となるように制御電圧値の補正を行っている。例えば、現像剤投入時に、Y,M,C,BK各色のトナー濃度センサについて、標準線速1/1を含む1/2、1/3速の各線速毎の所定トナー濃度に対してセンサ出力が2.5Vの閾値になる制御電圧値を決定している。ここで決定された制御電圧値は不揮発メモリに格納され、トナー濃度検出時には不揮発メモリからその制御電圧値を呼び出してトナー濃度センサに印加し、センサ出力を得ている。因みに各線速毎に制御電圧値の補正を行わないと、センサ出力が増加した分だけ、トナー濃度が増加することとなる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−184236号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来方式の現像装置を実装したカラー複写機によれば、以下のような問題がある。
【0011】
▲1▼ 初期調整においては良好なトナー補給がなされるが、温度・湿度等の機器内動作環境が変化したり、現像剤の劣化が進むとセンサ出力が移動し、良好なトナー補給がなされないようになる。従って、現像剤投入時以外にも、朝一のウォームアップ時、つまり、定着手段が所定の温度に達するまでの間に、トナー濃度センサの出力に応じてトナー濃度調整を実施してから、標準線速、1/2速、1/3速等の各線速についてトナー濃度初期調整を行わなければならなくなる。このことによって、朝一のウォームアップ時間が更に長くなってしまう。
【0012】
▲2▼ また、感光体や現像剤担持体等と現像器攪拌部とが共通の駆動手段で駆動される構成の現像装置によれば、定着性や光沢性の観点からプロセス線速を降下させる線速変更制御を実行した場合に、トナー濃度センサの出力自体もプロセス線速に応じて変動してしまう。このことで、正しいトナー補給制御が行われなくなり、安定したトナー濃度制御の妨げとなる。
【0013】
▲3▼ 更に、標準速度から1/2速、1/3速等の低い線速に変更してから所定時間内(約2秒〜3秒程度)は、トナー濃度センサの出力が安定せず、トナー過剰補給がなされ、トナー帯電量の立ち上がり不足によるトナー飛散や画像かぶり等の不具合が生じるおそれがある。
【0014】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、線速変更時に現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整に依存することなく、演算処理により得た補正後の制御電圧をセンサ系に供給できるようにすると共に、各線速毎に安定したトナー濃度を制御できるようにした現像装置、その制御方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る現像装置は帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置であって、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤を収容する容器と、現像剤を担持して感光体に付着するために容器内で回転可能に設けられた現像剤担持体と、容器に取付けられて現像剤の透磁率を検出する検出手段と、この検出手段からの出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段と、検出手段の制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段とを備え、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動することを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る現像装置によれば、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、所定の容器には静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤が収容される。この容器内には回転可能なように現像剤担持体がけられ、感光体に現像剤を担持して付着するようになされる。この容器には検出手段が取付られ、この容器内の現像剤の透磁率が検出される。
【0017】
しかも、記憶手段には、検出手段の制御電圧を調整するための補正情報が予め格納される。制御手段では検出手段からの出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。これを前提にして、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようになる。
【0018】
従って、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。これにより、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0019】
本発明にか係る現像装置の制御方法は現像剤担持体を含む現像装置に取り付けられたトナー濃度検出用のセンサ系の制御電圧を調整する方法であって、現像剤投入時に、現像剤担持体の標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)についてトナー濃度初期調整を行ってセンサ系の制御電圧及び出力電圧を取得すると共に、当該センサ系で現像濃度一定を示す出力電圧が得られる制御電圧を取得し、標準線速時のセンサ系の出力電圧と1/N線速時におけるセンサ系の出力電圧との差及び、標準線速時のセンサ系の制御電圧と1/N線速時におけるセンサ系の制御電圧との差を各々求め、センサ系の出力電圧の差及び制御電圧の差に基づいて線速変更時の補正情報を求め、当該現像装置起動後の線速変更時には、補正情報に基づいて当該センサ系の制御電圧を演算し、ここで演算された制御電圧を当該センサ系に設定することを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る現像装置の制御方法によれば、現像装置に取り付けられたトナー濃度検出用のセンサ系の制御電圧を調整する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧をセンサ系に供給することができる。
【0021】
従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係るセンサ出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0022】
本発明に係る画像形成装置は任意の画像データに基づいて画像を形成する装置であって、回転可能な感光体と、感光体を一様に帯電する帯電手段と、帯電手段によって帯電された感光体に画像データに基づいて露光走査し該感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、露光手段によって露光された静電潜像を現像する現像装置と、帯電、露光、現像を少なくとも1回行い該感光体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備え、現像装置は静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤を収容する容器と、現像剤を担持して感光体に付着するために容器内で回転可能に設けられた現像剤担持体と、容器に取付けられて現像剤の透磁率を検出する検出手段と、この検出手段からの出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段と、検出手段の制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段とを有し、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動することを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る現像装置が応用されるので、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようになされる。
【0024】
従って、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。これにより、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る現像装置、その制御方法及び画像形成装置について説明をする。
(1)実施形態
図1は、本発明の実施形態としての現像装置40の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、現像剤の透磁率の検出に基づく出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段を備え、当該装置起動後の線速変更時に、検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようにして、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整に依存することなく、演算処理により得た補正後の制御電圧を検出手段に供給できるようにすると共に、各線速毎に安定したトナー濃度を制御できるようにしたものである。
【0026】
図1に示す現像装置40は帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像する装置である。感光体1は例えばドラム状又はベルト状を想定している。感光体1には図示しない露光手段からのレーザ光Lによって画像データが書き込まれる。感光体1の周辺には帯電手段2や、像形成体用クリーニング手段8等を配置して使用される。
【0027】
この現像装置40は複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機に適用して好適である。現像装置40は所定形状の現像容器40Dを有しており、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18を収容するようになされる。この現像装置40で現像剤18には、粒径が8.0μm以下のトナーと、粒径が65μm以下のキャリヤから成る2成分混合剤が用いられる。
【0028】
この現像容器40D内には少なくとも、現像剤担持体41が回転可能に設けられ、感光体1に現像剤18を担持して付着するようになされる。図中、DRは現像ニップ部であり、現像剤担持体41から感光体1へ現像剤18を受け渡す部分である。現像剤担持体41は標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)により回転される。この現像容器40Dの例えば、底部には検出手段の一例となるトナー濃度センサSDが取付られ、現像容器40D内で攪拌される現像剤18の透磁率を検出するようになされる。トナー濃度は現像剤18の透磁率に基づいて検出される。
【0029】
このトナー濃度センサSDには制御手段15が接続されており、このセンサSDからの出力電圧の値VL及び、現像剤担持体41の線速(回転速度)に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。制御手段15にはCPU(中央演算装置)等が使用される。
【0030】
制御手段15には記憶手段13が接続されており、トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正情報、例えば、補正係数ΔVL/ΔVc等を格納するようになされる。記憶手段13にはフラッシュメモリ等の不揮発メモリが使用される。フラッシュメモリは情報の書き込みが可能で電源を切ってもデータが消去されない読み出し専用メモリである。
【0031】
この記憶手段13には、少なくとも、現像剤投入時に、トナー濃度初期調整を行って取得された現像剤担持体41の標準線速を含む所定の1/N線速についてのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc及び出力電圧の値VLと、当該トナー濃度センサSDで現像濃度一定を示す出力電圧の値VLが得られる制御電圧の値Vcと、標準線速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと1/N線速時におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLから求められた第1の電圧差ΔVLと、標準線速時のトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcと1/N線速時におけるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcから求められた第2の電圧差ΔVcと、トナー濃度センサSDの出力電圧の差ΔVL及び制御電圧の差ΔVcに基づいて求められた線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcとが格納される。
【0032】
この制御手段15に電源スイッチSWが接続され、当該装置40を起動するようになされる。当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、記憶手段13から補正係数ΔVL/ΔVcを読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになされる。
【0033】
この例で制御手段15は、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL1と、線速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2との電圧差Δ(VL1−VL2)を算出し、記憶手段13から読み出した補正係数ΔVL/ΔVcを電圧差Δ(VL1−VL2)に演算して線速変更時の制御電圧差Δ(Vc1−Vc2)を算出し、この制御電圧差Δ(Vc1−Vc2)に基づいて当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。また、制御手段15にはトナー補給部410が接続され、トナー補給制御信号S21に基づいてトナー補給制御を実行するようになされる。
【0034】
続いて、本発明に係る現像装置の制御方法について、当該現像装置40のトナー濃度制御時の動作例を説明する。図2は現像装置40のトナー濃度制御時の動作例を示すフローチャートである。
【0035】
この実施形態で所定の現像容器40Dには、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18が収容される。この現像容器40D内には回転可能なように現像剤担持体41が設けられ、この現像容器40Dの底部にはトナー濃度センサSD(トナー濃度検出用のセンサ系)が取付られ、この現像容器40D内の現像剤18の透磁率が検出される。そして、現像剤担持体41を含む現像装置40に取り付けられたトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整する場合を前提とする。
【0036】
これを動作条件にして、図2に示すフローチャートのステップA1で電源スイッチをオンして当該装置40を起動する。その後、ステップA2に移行して現像剤18が投入されたかが検出される。このとき、制御手段15はトナー濃度センサSDから得られる出力電圧の値VLに基づいてトナー補給部410の制御をする。例えば、トナー補給部410へトナー補給制御信号S21を出力して現像剤投入補給を実行する。現像剤18が投入されない場合はステップA7に移行する。
【0037】
現像剤18が投入された場合はステップA3に移行して現像剤担持体41の標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)についてトナー濃度初期調整を行ってトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc及び出力電圧の値VLを取得する。また、ステップA4で当該トナー濃度センサSDで現像濃度一定を示す出力電圧の値VLが得られる制御電圧の値Vcを取得する。補正係数ΔVL/ΔVcを求めるためである。
【0038】
そして、ステップA5に移行して標準線速時のセンサ系の出力電圧の値VLと1/N線速時におけるセンサ系の出力電圧の値VLとの差ΔVL及び、標準線速時のセンサ系の制御電圧の値Vcと1/N線速時におけるセンサ系の制御電圧の値Vc値との差ΔVcを各々求める。その後、ステップA6でセンサ系の出力電圧の差ΔVL及び制御電圧の差ΔVcに基づいて線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcを求める。これらのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正係数ΔVL/ΔVc等は記憶手段13に格納される。
【0039】
そして、当該現像装置40の再起動を含む通常使用時の起動後、ステップA7に移行して線速変更が有ったかがチェックされる。線速変更は制御手段15の外部、例えば図示しない操作部等から線変更要求信号S1を入力することで現像制御がなされる。線速変更が有った場合はステップA8に移行して、補正係数ΔVL/ΔVcに基づいて当該センサ系の制御電圧の値Vcを演算する。例えば、現像剤担持体41の標準線速におけるセンサ系の出力電圧の値VL1と、線速変更時のセンサ系の出力電圧の値VL2との電圧差Δ(VL1−VL2)を算出する。その後、補正情報比率ΔVL/ΔVcに基づいて線速変更時の制御電圧差Δ(Vc1−Vc2)を算出する。この制御電圧差ΔVcに基づいて当該センサの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。
【0040】
ここで演算された制御電圧の値VcをステップA9で当該トナー濃度センサSDに設定する。その後、ステップA11に移行する。ステップA7で線速変更要求が無い場合はステップA10に移行して他の処理を実行する。ここで言う他の処理には、例えば、帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像すべく、感光体1に現像剤18を担持して付着するような処理や、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VL及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御手段15によって制御する処理が含まれる。
【0041】
その後、ステップA11に移行する。ステップA11では当該現像処理を終了するかが判断される。制御手段15では電源オフ情報等を検出して現像処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合はステップA7に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。
【0042】
このように、本発明に係る実施形態としての現像装置及びその制御方法によれば、帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、記憶手段13から補正情報を読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになる。
【0043】
従って、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧の値Vcをトナー濃度センサSDに供給することができる。これにより、当該装置40を画像形成装置等に実装した場合、そのウォームアップ時には標準線速に係るトナー濃度センサSDの出力調整のみで済むので、画像形成装置のウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。従って、当該現像装置40を複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機に十分に応用することができる。
【0044】
(2)実施例
図3は本発明に係る実施例としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す断面の概念図である。
この実施例では現像装置40を組み入れたカラー画像形成装置100の構成すると共に、複数のプロセス速度を有して、線速変更時も、トナー濃度センサSDによって安定したトナー濃度制御をウォームアップ時間を延長すること無しに実行できるようにし、トナー飛散や画像かぶりの無いカラー画像形成装置100を提供できるようにしたものである。
【0045】
図3に示すカラー画像形成装置100は任意の画像データに基づいて画像を形成する装置であり、定着性、光沢性の観点からプロセス線速を変更させるコピーモードを有する装置である。この例でプロセス線速は複数段に切り替え可能となっていて、例えばプロセス線速は標準線速(1/1)速に対して(1/2)速、(1/3)速に切り替え駆動が可能となっている。標準線速が220mm/sの場合には1/2線速では110mm/s、1/3線速では73mm/sに可変となっている。以下の説明ではかかる可変の場合について説明するが、勿論これ以外の多段階切り替えについても本発明は適用される。
【0046】
このカラー画像形成装置100は、画像形成装置本体101と画像読取装置102から構成される。画像形成装置本体101の上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査取得装置202から成る画像読取装置102が設置され、任意のカラー原稿を読み取って赤(R)色、緑(G)色、青(B)色のアナログカラー画像信号(以下単にアナログ信号Sinともいう)を出力するようになされる。例えば、自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された色付きの原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査取得装置202の光学系により原稿dの片面又は両面の画像が走査され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
【0047】
この画像形成装置本体101には制御手段15が設けられ、カラー画像データDinを画像処理するようになされる。例えば、上述のラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号Sinは制御手段15でアナログ信号処理され、その後、アナログ・ディジタル(A/D)変換される。A/D変換後の画像データは制御手段15でシェーディング補正や、タイミング制御、ライン間補正等がなされる。これらの補正処理後のRGB色に係るデータがカラー画像データDinとなる。
【0048】
カラー画像データDinは制御手段15で三次元色変換テーブルに基づいてイエロー(以下単にYという)色、マゼンタ(以下単にMという)色、シアン(以下単にCという)色、黒(以下単にK又はBKという)色に係るカラー画像データに変換され、変換後のカラー画像データDY,DM,DC,DKは画像形成手段の一例となる画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。所定の動作モードに基づいてカラー画像を形成するためである。
【0049】
また、自動原稿送り装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿送り装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用される。
【0050】
画像形成装置本体101はタンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、転写手段の一例となる無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着手段17からなる。
【0051】
Y色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。感光体ドラム1YはOPC感光体等が用いられ、所定のプロセス線速で矢示方向に回転可能となされている。
【0052】
帯電手段2Yはスコロトロン帯電器等から構成され、感光体ドラム1Yを一様に帯電するようになされる。露光手段3Yでは帯電手段2Yによって帯電された感光体ドラム1YにY画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1Y上にドット露光に基づく静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Yでは露光手段3Yによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Yには本発明に係る現像装置40が使用される。
【0053】
M色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。感光体ドラム1Mも所定のプロセス線速で回転可能となされている。帯電手段2Mは感光体ドラム1Mを一様に帯電するようになされる。露光手段3Mでは帯電手段2Mによって帯電された感光体ドラム1MにM画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1M上に静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Mでは露光手段3Mによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Mにも本発明に係る現像装置40が使用される。
【0054】
C色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。感光体ドラム1Cも所定のプロセス線速で回転可能となされている。帯電手段2Cは感光体ドラム1Cを一様に帯電するようになされる。露光手段3Cでは帯電手段2Cによって帯電された感光体ドラム1CにC画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1C上に静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Cでは露光手段3Cによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Cにも本発明に係る現像装置40が使用される。
【0055】
BK色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。感光体ドラム1Kも所定のプロセス線速で回転可能となされている。帯電手段2Kは感光体ドラム1Kを一様に帯電するようになされる。露光手段3Kでは帯電手段2Kによって帯電された感光体ドラム1KにBK画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1K上に静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Kでは露光手段3Kによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Kにも本発明に係る現像装置40が使用される。
【0056】
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは画像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
【0057】
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明する。このカラー画像形成装置100では帯電、露光、現像を少なくとも1回行われ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K等上に形成されたトナー像が中間転写ベルト6を通じて転写材の一例となる用紙Pに転写される。つまり、画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
【0058】
画像形成装置本体101の下方には給紙カセット20A,20B,20Cが設けられ、各々の給紙カセット20A、20B、20C内に収容された用紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
【0059】
カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段17によりトナー像を定着するための定着処理がなされ、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
【0060】
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着手段17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。ここで反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0061】
一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙や83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙を用い、線速度を80〜350mm/sec程度とし、環境条件として温度が5〜35℃程度、湿度が15〜85%程度の設定条件とすることが好ましい。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
【0062】
図4はカラー画像形成装置100に実装される現像装置4Y等の構成例を示す断面図である。現像装置4Yは少なくとも、現像剤担持体41と現像容器40D内の攪拌部とが、図示しない共通の駆動手段(モータ)60により駆動される構造となっている。なお、他の現像装置4M、4C、4Kについては、現像装置4Yと同じ構成を採るのでその説明を省略する。
【0063】
図4に示す現像装置4Y等は所定形状の現像容器40Dを有しており、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18を収容するようになされる。現像装置4Yは現像容器40Dの他に、現像ローラからなる現像剤担持体41、磁界発生用のマグネットロール42、穂切り板からなる規制装置43、水車型の供給装置44、スクリューからなる供給・搬送装置45、スクリューからなる攪拌・搬送装置46、搬送ローラ47、剥ぎ取り板48、スクリューからなる回収装置49等から構成される。
【0064】
これらは、感光体ドラム1Y等と同一の図示しない駆動手段60によって駆動される。従って、現像装置4Y等で現像剤担持体41の回転数を変更した場合は、供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46の回転数も変更するような機構を有しており、複数のプロセス線速を有するものである。
【0065】
現像容器40Dは、現像剤担持体41、搬送ローラ47、供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46を支持する下枠体40Aと、剥ぎ取り板48及び回収装置49を支持する中枠体40Bと、中枠体40Bの上方開口部を閉蓋する上蓋40Cとから構成されている。中枠体40Bの一部は、攪拌・搬送部402の上方開口部を閉蓋する。供給部401と攪拌・搬送部402とは、下枠体40Aの底部から直立した第1隔壁404を挟んで両側に形成されている。
【0066】
更に、回収装置49を回転可能に支持する中枠体40Bの底部には第2隔壁405が形成され、供給部401と回収部403とを仕切るようになされる。この回収部403の現像剤搬送下流側と、供給部401の現像剤搬送下流側とは、第2隔壁405の端部近傍に穿設された第1開口部406により連通している。下枠体40Aは、供給装置44と供給・搬送装置45とを収容する供給部401と、攪拌・搬送装置46を収容する攪拌・搬送部402を形成する。
【0067】
現像剤担持体41は、感光体ドラム1Y等に対向して配置され、現像容器40Dに対して回転可能に支持されており、矢印で示す方向に回転して現像剤18を現像ニップ部DRに搬送し、現像ニップ部DRにおいて現像剤18を担持して現像に必要な現像剤18の層を感光体ドラム1Y等に形成する。静電潜像を可視化するためである。
【0068】
上述した下枠体40A内には第1隔壁404を介在して供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46が設けられている。攪拌・搬送装置46では補給される新規トナーと供給・搬送装置45から環流された現像剤とを混合、攪拌して供給・搬送装置45の上流部に搬送するようになされる。この攪拌・搬送装置46に平行し、第1隔壁404を介在して下枠体40A内には供給・搬送装置45が配置され、攪拌・搬送装置46から搬送された現像剤をその回転軸方向に搬送しながら供給装置44に搬送するようになされる。
【0069】
また、供給・搬送装置45に平行し隣接して供給装置44が設けられている。供給装置44は現像剤担持体41に現像剤を供給する回転可能な水車型の搬送手段であり、供給・搬送装置45から搬送された現像剤を現像剤担持体41の現像剤受け入れ用磁極S3付近に均一に供給するようになされる。なお、供給装置44は回転軸方向に搬送機能を有するスクリューであってもよい。
【0070】
上述の現像剤担持体41の現像剤剥ぎ取り用磁極S2の近傍には、搬送ローラ47が配置されている。搬送ローラ47は、回転可能な回転部材(スリーブ)47Aと、回転部材47Aの内方に収容され現像容器40Dに固定された円柱状の磁石体47Bとからなる。更に、第2隔壁405によって仕切られた回収部403内には回収装置49が回転可能に配置され、搬送ローラ47と剥ぎ取り板48とにより剥ぎ取られて落下する現像剤を受け回収して、供給・搬送装置45の搬送方向下流側であって、現像剤担持体41の画像形成領域外に搬送する。
【0071】
なお、現像剤担持体41に現像剤が戻らない位置であれば、回収現像剤を供給・搬送装置45の搬送方向下流側であって、現像剤担持体41の現像領域相当内に投入してもよい。あるいは、回収装置49により回収された現像剤を、攪拌・搬送部402の上流部に環流させてもよい。これらの供給・搬送装置45、攪拌・搬送装置46及び回収装置49は、何れもスパイラルスクリューからなり、現像剤を攪拌しつつ回転軸方向に搬送すると共に、回転軸のほぼ直角方向に現像剤を放出するようになされる。
【0072】
上述の下枠体40A内の供給部401の現像剤搬送下流側と攪拌・搬送部402の現像剤搬送上流側とは、第1隔壁404の一方の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。従って、搬送ローラ47と剥ぎ取り板48により剥ぎ取られた現像剤は、回収部403内に回収されると共に、回収装置49により回収現像剤が現像剤搬送下流側に搬送され、更に、供給部401に環流する。
【0073】
この供給部401内の現像剤は、供給・搬送装置45により第1隔壁404の一方の端部に穿設された開口部(図示せず)から攪拌・搬送部402内に矢印W1で示すように搬送される。攪拌・搬送部402内に搬送された現像剤は、攪拌・搬送装置46により、トナー容器40Tから排出されトナー補給用開口部409より補給されたトナーと、現像剤とを混合攪拌され、搬送されて、第1隔壁404の他方の端部に穿設された開口部(図示せず)から排出され、供給部401内に矢印W2で示すように環流される。
【0074】
この供給部401内では、供給・搬送装置45により現像剤を軸方向に搬送しつつ放出して供給装置44に供給する。供給装置44は現像剤を軸方向に搬送しつつ放射して現像剤担持体41に供給する。なお、図4中のB(DC)は現像剤担持体41にDCバイアスを印加するDCバイアス電源、D(AC)は現像剤担持体41にACバイアスを印加するACバイアス電源で後に説明する制御手段14によって現像制御が行われ、DCバイアスにACバイアスが重畳されて印加され、現像が行われる。
【0075】
この現像装置4Y等で現像剤18には、粒径が8.0μm以下のトナーと、粒径が65μm以下のキャリヤから成る2成分現像剤を用いて現像が行われる。トナーとしては、例えば、質量平均粒径が3〜8μmの重合トナーが好ましい。重合トナーを用いることにより、解像力が高く、濃度が安定し、画像かぶりの発生が極めて少ない画像を形成することが可能となる。重合トナーは次のような製造方法により製造される。
【0076】
トナー用バインダー樹脂の生成とトナー形状とがバインダー樹脂の原料モノマー又はプレポリマーの重合及びその後の化学的処理により形成されて得られる。より具体的には、懸濁重合又は乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程とを経て得られ、重合トナーでは、原料モノマー又はプレポリマーを水系で均一に分散した後に重合させトナーを製造することから、トナーの粒度分布及び形状の均一なトナーが得られる。
【0077】
この実施例では質量平均粒径が3〜8μmのトナーが用いられる。質量平均粒径は、質量基準の平均粒径であって、湿式分散機を備えた「コールターカウンターTA−II」又は「コールターマルチサイザー」(何れもコールター社製)により測定した値である。質量平均粒径が3μmを下回ると、画像かぶりの発生やトナー飛散が起こりやすくなる。上限8μmは本発明で目標とする高画質を形成することを可能にする粒径の上限である。キャリアとしては、質量平均粒径が30〜65μmで磁化量が20〜70emu/gの磁性粒子からなるキャリアが好ましい。30μmよりも粒径の小さなキャリアではキャリア付着が生じやすくなる。また、65μmよりも粒径の大きなキャリアでは、均一な濃度の画像が形成されない場合が生じうる。
【0078】
この例で図4に示した現像容器40Dの下枠体40A(供給部401)内の底部であって、供給・搬送装置45の下方にはトナー濃度センサSDが取付られ、供給部401内で攪拌される現像剤18の透磁率を検出するようになされる。トナー濃度は現像剤18の透磁率に基づいて検出される。トナー濃度センサSDは一般に内部にコイルを巻いたものである(L検センサ)。
【0079】
図5はカラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。図5に示すカラー画像形成装置100は制御手段15を有している。制御手段15はY、M、C、K色毎に設けても、また、Y、M、C、K色共通に1個の制御装置を設けてもよい。この例ではY色の制御系についてのみを説明する。他のM、C、K色の制御系についても同様な構成を採る。この制御手段15には、Y色用のトナー濃度センサSDが接続されており、Y色用の現像容器40D内で攪拌される現像剤18の透磁率を検出して出力電圧VLを制御手段15に出力するようになされる。制御手段15ではセンサSDからの出力電圧VL及び現像剤担持体41の線速(回転速度)に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。制御手段15にはCPU(中央演算装置)等が使用される。
【0080】
制御手段15には記憶手段の一例となる不揮発メモリ29が接続されており、トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正係数ΔVL/ΔVc等を格納するようになされる。例えば、不揮発メモリ29には、現像剤投入時に、トナー濃度初期調整を行って取得された現像剤担持体41の標準線速1/1を始め、各線速1/2、1/3速についてのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc1及び出力電圧の値VL1、VL2、VL3と、当該トナー濃度センサSDで現像濃度一定を示す出力電圧の値VLが得られる制御電圧の値Vc1,Vc2,Vc3が記録される。
【0081】
この実施例では、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VLが標準トナー濃度(Tc=8質量%)において、所定の出力電圧値(VL=2.5V)になるように制御電圧の値Vcを調整し、その調整した制御電圧の値Vcを不揮発メモリ29に格納するようになされる。
【0082】
これらの電圧の値の他に、標準線速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと1/2、1/3速時におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLから求められた第1の電圧差ΔVLと、標準線速時のトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcと、1/2、1/3速時におけるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcから求められた第2の電圧差ΔVcと、トナー濃度センサSDの出力電圧の差ΔVL1及び制御電圧の差ΔVcに基づいて求められた線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcとが格納される。
【0083】
この制御手段15には電源スイッチSWが接続され、当該装置40を起動するようになされる。当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、不揮発メモリ29から補正係数ΔVL/ΔVcを読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになされる。
【0084】
この制御手段15では、プリント動作時における線速変更時には、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと、線速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLとの電圧差ΔVLを算出する。例えば、標準線速1/1から1/2速へ変更指示された場合、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL1と、1/2速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2との電圧差ΔVL12を算出する。
【0085】
また、制御手段15では補正係数ΔVL21/ΔVc21に基づいて1/2線速変更時の制御電圧の差ΔVc12を算出する。この例では制御電圧の差ΔVc12はΔVL12/補正係数で与えられることから、ΔVc12=ΔVL12/ΔVL21/ΔVc21となる。この制御電圧の差ΔVc12に基づいて当該センサSDの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。そして、1/2線速変更時の制御電圧の値Vc2は標準線速時の制御電圧Vc+制御電圧の差ΔVc12で与えられることから、Vc2=Vc1+ΔVc12となる。
【0086】
上述の制御手段15には電源スイッチSW、トナー濃度センサSD及び不揮発メモリ29の他に、定着温度センサSTH、露光手段3Y、操作部14、給紙手段30、画像メモリ33、画像処理部35、ROM53、駆動手段60、表示部87、画像読取装置101及びトナー補給部410が接続されている。
【0087】
定着温度センサSTHは図3に示した定着手段17の定着ローラ部分に設けられ、定着手段17の温度検知して温度検知信号S3を制御手段15に出力するようになされる。露光手段3YにはY色用の画像データDYが出力され、帯電手段2Yによって帯電された感光体ドラム1YにこのY色用の画像データDYに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1Y上にドット露光に基づく静電潜像を形成するようになされる。
【0088】
操作部14ではマニュアルによりプロセス線速の変更がなされる。操作部14は表示部87と共にタッチパネルを構成し、「光沢」「厚紙」或いはプロセス線速等が表示された選択釦が設けられていて、押釦によってプロセス線速を例えば110mm/sに切り替え指示がなされる。この指示によって線速変更要求信号S1が制御手段15に出力される。表示部87には表示信号S4に基づいて画像形成条件等の設定画面が表示される。
【0089】
給紙手段30では制御手段15からのカセット制御信号S5に基づいて給紙カセット20A,20B,20C等から用紙Pを繰り出すようになされる。また、画像処理部35では制御手段15の制御を受けて画像読取装置102のラインイメージセンサCCDにより得られたA/D変換後の画像取得データがシェーディング補正や、タイミング制御、ライン間補正等がなされる。これらの補正処理後のRGB色に係るデータがカラー画像データDinとなり、画像メモリ33に記録される。
【0090】
ROM53には当該画像形成装置を制御するシステムプログラムが格納されている。例えば、システムプログラムには画像調整プログラムが含まれており、この画像調整プログラムの下位階層にはトナー濃度検出条件設定プログラムが準備されている。駆動手段60では現像剤担持体41と現像容器40D内の攪拌部とを制御手段15から出力される、回転数変更用のクロック信号CLK及びコントロール信号CNTに基づいて駆動するようになされる。
【0091】
この駆動手段60は感光体ドラム1Y等も同一に駆動する。従って、駆動手段60は現像装置4Y等で現像剤担持体41の回転数を変更した場合は、供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46の回転数も変更するようなされ、複数のプロセス線速を有するものである。上述のトナー補給部410では制御手段15から出力されたトナー補給制御信号S21に基づいてトナー容器40Tから現像容器40Dへトナーを補給するように制御される。この現像容器40D内のトナー濃度がトナー濃度センサSDによって検出される。
【0092】
図6はトナー濃度センサSDのセンサ出力対トナー濃度Tcの関係例を示す動作特性図である。
図6に示す縦軸はトナー濃度センサSDのセンサ出力VL[V]である。横軸は現像剤18のトナー濃度Tc[%]である。トナー濃度センサSDにはトナー濃度Tcに対して、グラフのようにリニアにセンサ出力するものが使用される。制御電圧の値Vcは、センサ動作特性を調整する調整値のことである。トナー濃度初期調整とは、現像器内に現像剤18を投入した際に、トナー濃度センサSDを初期調整することをいい、当該センサSDで欲しい動作特性となるように制御電圧の値Vcを調整することをいう。
【0093】
トナー濃度初期調整とは現像剤18の透磁率を検出するトナー濃度センサSDを用いて、トナー濃度制御を実施する場合に、現像器内に現像剤18を投入した際に初期調整を実施する。これは初期調整の現像剤18において、L検センサの出力値がある所定の出力値になるようにL検センサの制御電圧の値Vcを調整する行為である。
【0094】
▲1▼は制御電圧Vc=7.0Vの動作特性である。▲2▼は制御電圧Vc=6.5Vの動作特性である。▲3▼は制御電圧Vc=6.0Vの動作特性である。例えば、動作特性▲1▼を選択したい場合は、制御電圧の値Vcを7.0Vに設定し、これを動作特性▲3▼に変えたい場合は、制御電圧の値Vcを6.0Vに設定するようになされる。
【0095】
また、センサ出力V=2.5Vでトナー濃度8%を得るためには、制御電圧Vc=6.0Vの動作特性▲3▼が設定される。制御電圧Vc=6.5Vの動作特性▲2▼を選択してセンサ出力V=2.5V及びトナー濃度8%を得るためには、トナー濃度初期調整時に、制御電圧Vcが▲2▼→▲3▼の位置に推移するようになされる。同様にして制御電圧Vc=7.0Vの動作特性▲1▼を選択してセンサ出力V=2.5V及びトナー濃度8%を得るためには、トナー濃度初期調整時に、制御電圧Vcが▲1▼→▲3▼の位置に推移するようになされる。
【0096】
続いて、本発明に係るカラー画像形成装置100におけるトナー濃度制御時の動作例を説明する。
この実施例で所定の現像容器40Dには、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18が収容される。この現像容器40D内には回転可能なように現像剤担持体41が設けられ、この現像容器40Dの底部にはトナー濃度センサSD(トナー濃度検出用のセンサ系)が取付られ、この現像容器40D内の現像剤18の透磁率が検出される。そして、現像剤担持体41を含むY色用の現像装置4Y等に取り付けられたトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整する場合を前提とする。なお、他の色用の現像装置4M、4C、4K等についても同様になされるが、Y色用の現像装置4Yと同じためその説明を省略する。
【0097】
現像条件は次の通りである。線速は180mm/sec、感光体ドラムと現像マグネットローラの周速比は1.8→可変域は0.5〜3.0である。現像マグネットローラ上の現像剤搬送量は20mg/cm2である。現像バイアスDCは−500V→可変域では−200〜−700Vである。現像ACバイアスはACp−pで1.0kVであり、AC周波数は3kHz、AC波形は矩形波である。現像ローラ径は25cmφであり、剥ぎ取りローラ径は18cmφである。現像剤18には粒径35μmのキャリアと粒径6.5μmのトナーを混合した乳化重合トナーである。現像剤量は850g(Tc=8%)である。
【0098】
以下では、現像剤投入時及び現像剤投入時以外のトナー濃度初期調整に分けて説明をする。
[現像剤投入時のトナー濃度初期調整]
図7はカラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時)を示すフローチャートである。このトナー濃度初期調整では、標準線速(1/1)で電圧検出処理を実施し、その標準線速でのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを決定する。Y,M,C,K各色のトナー濃度センサSDについて、プロセス線速220mm/s、110mm/s、73mm/sの各線速毎の所定トナー濃度(Tc=8質量%)に対してセンサ出力が2.5Vの閾値になる制御電圧Vcの値を調整し決定するためである。ここで決定された制御電圧Vc値は不揮発メモリ29に格納される。
【0099】
そして、制御電圧の値Vcで各線速毎にトナー濃度センサSDから得られる出力電圧の値VLを検出する。そして、標準線速時の出力電圧の値VLに対する各線速毎の出力電圧VLの差ΔVLを算出する。これと共に、標準線速の制御電圧Vcに対する各線速毎の制御電圧Vcの差ΔVcを求め、この差の比率、すなわち補正係数ΔVL/ΔVcを算出して、不揮発メモリ29に格納する。
【0100】
これを動作条件にして、図7に示すフローチャートのステップB1で電源スイッチSWをオンして当該カラー画像形成装置100を起動する。電源スイッチSWのONによって、制御手段15では定着手段17の定着ローラ部分に設けた定着温度センサSTHの温度検知を行う。ここで検知されたセンサ温度が所定の温度以下にあるときは、定着温度センサSTHの検知温度が定着を可能とする所定の温度に上昇するまでのウォーミングアップに入り、画像調整工程に移行する。
【0101】
この画像調整工程では、感光体ドラム1Y等の表面電位を計測する電位センサ(図示せず)によって表面電位を計測し、ここで計測された表面電位に基づいて帯電手段2Y等による印加電圧の調整を行う。また、露光手段3Yによって感光体上にソリッド及び非ソリッドのパッチを形成し、これを反射濃度センサ(図示せず)によってパッチ部の反射濃度を測定し、制御手段15では最大濃度補正やγ補正等の調整処理が行われる。
【0102】
この実施例においては、画像調整プログラムにはトナー濃度検出条件設定プログラムが準備されている。制御手段15ではこのプログラムに従って、先ず駆動手段60に対してプロセス線速が標準線速(220mm/s)となるよう回転数変更用のクロックを設定し、標準線速状態でトナー濃度センサSDによって現像剤中のトナー濃度を測定し、センサ出力が閾値(VL=2.5V)となるようトナー補給制御を行う。
【0103】
従って、ステップB2に移行して現像剤18が現像容器40Dへ投入される。このとき、制御手段15はトナー補給部410へトナー補給制御信号S2を出力して現像剤投入補給を実行する。トナー濃度センサSDから得られる出力電圧の値VLに基づいてトナー補給部410の制御をするためである。その後、ステップB3に移行して現像剤担持体41を標準線速(1/1)で回転してトナー濃度初期調整を行う。このとき、標準線速で電圧検出処理を実施し、その標準線速で例えば、出力電圧の値VL1=2.50Vが得られるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを決定する。この例では制御電圧の値VcはVc1=7.01Vである。
【0104】
次に、ステップB4で制御電圧Vc1=7.01Vにおいて、各線速毎の当該トナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2,VL3を検出する。この例では、1/2速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2は2.70Vであり、1/3速時の出力電圧の値VL3は2.91Vである。そして、ステップB5に移行して標準線速に対する各線速(1/2,1/3)での出力電圧の差(ΔVL)を算出して不揮発メモリ29に格納する。この例では、1/2速時の出力電圧の差ΔVL21=(VL2−VL1)は0.2Vであり、1/3速時の出力電圧の差ΔVL31=(VL3−VL1)は0.41Vである。不揮発メモリ29には表1に示すような内容の値が格納される。
【0105】
【表1】
【0106】
なお、このときに適用する制御電圧の値Vcは標準線速でのトナー濃度初期調整の際に決定される制御電圧の値Vcでなくても、各線速毎に同じ値であればよい。
【0107】
また、ステップB6で当該トナー濃度センサSDでトナー濃度Tc一定を示す出力電圧の値VL、例えば、2.50Vが得られる制御電圧の値Vcを各線速(1/2,1/3毎に検出する。標準線速については先に検出しているのでそれ以外の線速について検出する。補正係数ΔVL/ΔVcを求めるためである。この例では、1/2速時のトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc2は6.64Vであり、1/3速時の制御電圧の値Vc3は6.25Vである。
【0108】
そして、ステップB7に移行して標準線速に対する各線速(1/2,1/3)での制御電圧の差(ΔVc)を算出して不揮発メモリ29に格納する。この例では、1/2速時の制御電圧の差ΔVc21=(Vc2−Vc1)は0.37Vであり、1/3速時の制御電圧の差ΔVc31=(Vc3−Vc1)は0.76Vである。不揮発メモリ29には表2に示すような内容の値が格納される。
【0109】
【表2】
【0110】
その後、ステップB8で各線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の差ΔVL21、ΔVL31及び制御電圧の差ΔVc21、ΔVc31に基づいて線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcを求める。この例では、1/2速時の補正係数ΔVL21/ΔVc21は0.541であり、1/3速時の補正係数ΔVL31/ΔVc31は0.539である。これらのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正係数ΔVL21/ΔVc21及びΔVL31/ΔVc31は不揮発メモリ29に格納される。不揮発メモリ29には表3に示すような内容の値が格納される。
【0111】
【表3】
【0112】
その後、ステップB9に移行して他の処理が実行される。例えば、帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像すべく、感光体1に現像剤18を担持して付着するような処理や、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VL及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御手段15によって制御する処理が含まれる。そして、ステップB10に移行する。ステップB10では当該画像形成処理を終了するかが判断される。制御手段15では電源オフ情報等を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合はステップB9に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。
【0113】
なお、不揮発メモリ29に格納された補正係数ΔVL21/ΔVc21及びΔVL31/ΔVc31等は、現像剤投入時以外の線速変更時に使用される。また、補正係数ΔVL/ΔVcの値は初期調整のみに行なうのではなく、所定間隔毎に求め直してもよい。例えば、現像スリーブの周動距離5kmが経過する毎といったように、ある決まった現像履歴に基づいて補正係数ΔVL/ΔVcの値を求め直してもよい。
【0114】
[現像剤投入時以外のトナー濃度初期調整時]
図8はカラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時以外)を示すフローチャートである。
この例では、当該カラー画像形成装置100のウォームアップ時には標準線速のみトナー濃度初期調整を実施する。プロセス線速は操作部14によってマニュアルにより、或いは、制御手段15によって自動によって変更がなされる。マニュアルの場合には操作部14に「光沢」「厚紙」或いはプロセス線速等が表示された選択釦が設けられていて、押釦によってプロセス線速は例えば110mm/sに切り替え指示がなされる。また自動の場合には使用する用紙Pの紙厚検知等によって制御手段15から切り替え指示がなされる。
【0115】
なお、線速変更時には、その線速変更指示が有った時から所定時間経過後(数秒後)のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2や、VL3等を読み込み、標準線速時の出力電圧の値VL1との差をΔVL1−ΔVL2や、ΔVL1−ΔVL3等を算出し、その後、不揮発メモリ29から読み出した補正係数ΔVc/ΔVLや、標準線速時の制御電圧Vc及び制御電圧の差ΔVcから線速変更時の補正値ΔVc2やVc3を求めて、標準線速でのVc値に加算する。これにより、線速変更時の制御電圧の値を決定するようになされる。
【0116】
制御手段15では決定したプロセス線速に対応した回転数変更用のパルスCLKを駆動手段60に出力し、画像記録が行われる。また制御手段15は、Y,M,C,K各色毎に決定されたプロセス線速に対応した制御電圧Vc値を不揮発メモリ29から呼び出してトナー濃度センサSDに印加し、センサ出力を得る。ここで検出されたセンサ出力は閾値(2.5V)と比較され、この比較結果に基づいてトナー補給制御が行われる。
【0117】
これを動作条件にして、図8に示すフローチャートのステップC1で電源スイッチSWをオンして当該カラー画像形成装置100を起動する。このとき、電源スイッチSWのONによって制御手段15ではウォーミングアップ時間中に、ROMから画像調整プログラムを呼び出して画像調整を行う。そして、ステップC2に移行して現像剤担持体41を標準線速(1/1)で回転してトナー濃度初期調整を行う。
【0118】
このとき、制御手段15では標準線速でトナー濃度センサSDの出力に応じたトナー濃度制御を実行し、適正なトナー濃度に調整してから標準線速でトナー濃度センサSDによるトナー濃度初期調整を実行する。この例では、標準線速で例えば、出力電圧の値VL1=2.52Vが得られるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcが決定される。この例では制御電圧の値VcはVc1=7.02Vである。
【0119】
次に、ステップC3で制御電圧の値Vc1=7.02Vにおいて、各線速毎の当該トナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2,VL3を検出する。この例では、1/2速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2は2.68Vであり、1/3速時の出力電圧の値VL3は2.75Vである。そして、ステップC4に移行して線速変更が有ったかがチェックされる。線速変更は制御手段15の外部、例えば図5に示した操作部14等から線速変更要求信号S1を入力することで画像成形制御がなされる。
【0120】
線速変更が有った場合はステップC5に移行して制御手段15では標準線速から線速降下への変更があったかがチェックされる。標準線速から線速降下への変更があった場合はステップC6に移行する。ステップC6では所定時間が経過したかがチェックされる。ここでは例えば、2秒〜3秒間程度が経過するまで、トナー濃度センサSDの出力値に関係なく、トナー補給制御を中止するようになされる。こうすることで、センサ出力時の不安定によるトナー過補給を防ぐことができ、トナー飛散や画像かぶりを防ぐことができる。
【0121】
この所定時間が経過すると、ステップC7に移行して、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと、線速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLとの電圧差ΔVLを算出する。例えば、標準線速1/1から1/2速へ変更指示された場合、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL1=2.52Vと、1/2速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2=2.68との電圧差ΔVL12を算出する。この例では電圧差ΔVL12は−0.16Vである。
【0122】
その後、ステップC8に移行して補正係数ΔVL21/ΔVc21に基づいて1/2線速変更時の制御電圧の差ΔVc12を算出する。この例では制御電圧の差ΔVc12はΔVL12/補正係数で与えられることから、ΔVc12=ΔVL12/ΔVL21/ΔVc21=−0.3Vとなる。この制御電圧の差ΔVc12に基づいて当該センサSDの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。この例では1/2線速変更時の制御電圧の値Vc2は標準線速時の制御電圧Vc+制御電圧の差ΔVc12で与えられることから、Vc2=Vc1+ΔVc12=6.72Vとなる。表4には1/2速変更時の補正後の制御電圧の値Vc2=6.72Vや1/3速変更時の補正後の制御電圧の値Vc3=6.59Vを示している。
【0123】
【表4】
【0124】
このように、1/N線速変更時の制御電圧の値Vcは標準線速時の制御電圧Vc+制御電圧の差ΔVcにより算出することができ、1/2速,1/3速などの制御電圧の値Vc2やVc3等を演算処理により求めることができる。ここで演算された制御電圧の値Vc2等はステップC9で当該トナー濃度センサSDに設定される。その後、ステップC11に移行する。
【0125】
なお、ステップC4で線速変更要求が無い場合はステップC10に移行して画像形成処理を実行する。このとき、帯電可能な感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された静電潜像を現像すべく、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに現像剤18を担持して付着するような処理や、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VL及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御手段15によって制御する処理が含まれる。その後、ステップC11に移行する。ステップC11では当該画像形成処理を終了するかが判断される。制御手段15では電源オフ情報等を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合はステップC4に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。
【0126】
図9は効果確認テストに係る対策前後のトナー濃度Tc[%]の検出例を示す特性比較図である。図9に示す縦軸は対策前後のトナー濃度Tc[%]である。横軸はコピー数[kc]であり、100000枚プリントを示している。
【0127】
この効果確認テストでは、トナー濃度制御を実行しながら、1枚目の用紙Pから100000枚目の用紙Pに至るプリントを実行し、そのトナー濃度安定性をテストしたものであって、プロセス線速を標準(1/1)速以外に、例えば、20Kc、40Kc、60Kc等で線速を、(1/2)速、(1/3)速モードに変更した形態で実施した場合の結果を示している。
【0128】
図9に示す特性比較図によれば、トナー濃度Tc=8質量%を基準にしたとき、黒抜き四角印を実線で結んだ特性は、本発明方式によるものである。黒抜き菱形印を実線で結んだ特性は従来方式によるものである。従来方式のような対策前の特性によれば、スタート時のトナー濃度Tcが8質量%であったものが、線速を変更する度に、100000プリント中逸脱して大きなバラツキが認められ、安定したトナー濃度制御がなされていなかった。
【0129】
これに対して、本発明方式によれば、定着手段17のウォームアップ時間を延長させることなく、複数のプロセス線速モードにおいて、トナー濃度Tcのほぼ8質量%前後に制御がなされ、安定したトナー濃度制御を行うことができた。この100000枚プリントにおいて、画像かぶりやトナー飛散のない良好なプリント画像が得られた。しかも、目標値のトナー濃度Tc=8質量%に対して、Y,M,C,K4色のトナー濃度Tcは何れも±0.1%以内に制御され、Y,M,C,K4色のトナー濃度Tcの平均値は±0.05%以内に維持されていることが認められた。
【0130】
このように、本発明に係る実施例としてカラー画像形成装置100によれば、Y、M、C及びK色用の現像装置4Y、4M、4C、4Kに関して、本発明に係る現像装置40が応用されるので、帯電可能な感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、不揮発メモリ29から補正係数ΔVL/ΔVcを読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになされる。
【0131】
従って、朝一のウォームアップ時間を延長させることなく、非常に安定したトナー濃度制御を行なうことができるばかりか、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧の値Vcをトナー濃度センサSDに印加することができる。これにより、当該装置100のウォームアップ時には標準線速に係るトナー濃度センサSDの出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。従って、当該カラー画像形成装置100を応用したカラー用のディジタル複合機等を提供することができる。
【0132】
また、線速ダウン時の初期的なセンサ出力不安定から生じるトナー飛散や、画像かぶりも発生せず、安定した画像を得ることができた。上述した感光体についてはドラム状の場合について説明したが、これに限られることはなく、中間転写体を兼用したベルト状の感光体にも本発明を適用することができる。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る現像装置によれば、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、現像剤の透磁率を検出する検出手段からの出力電圧の値及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段を備え、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧の値を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようにしたものである。
【0134】
この構成によって、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0135】
本発明に係る現像装置の制御方法によれば、現像装置に取り付けられたトナー濃度検出用のセンサ系の制御電圧の値を調整する場合に、現像剤投入時に、標準線速を含む所定の1/N線速についてトナー濃度初期調整を行い、センサ系の制御電圧の値及び出力電圧の値と、当該センサ系で現像濃度一定を示す出力電圧が得られる制御電圧と、標準線速時のセンサ系の出力電圧と1/N線速時におけるセンサ系の出力電圧との差及び、標準線速時のセンサ系の制御電圧と1/N線速時におけるセンサ系の制御電圧との差を各々求め、これらに基づいて線速変更時の補正係数を求め、当該装置起動後の線速変更時には、この補正係数に基づいて当該センサ系の制御電圧の値を演算し、ここで演算された制御電圧値を当該センサ系に設定するようになされる。
【0136】
この構成によって、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧をセンサ系に供給することができる。従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係るセンサ出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0137】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る現像装置が応用されるので、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようになされる。
【0138】
この構成によって、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0139】
この発明は、複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての現像装置40の構成例を示すブロック図である。
【図2】現像装置40のトナー濃度制御時の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る実施例としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す断面の概念図である。
【図4】カラー画像形成装置100に実装される現像装置4Y等の構成例を示す断面図である。
【図5】カラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】トナー濃度センサSDのセンサ出力対トナー濃度の関係例を示す動作特性図である。
【図7】カラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時)を示すフローチャートである。
【図8】カラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時以外)を示すフローチャートである。
【図9】効果確認テストに係る対策前後のトナー濃度Tc[%]の検出例を示す特性比較図である。
【図10】従来例に係るトナー濃度センサによる検出例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 感光体
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
2Y,2M,2C,2K 帯電手段
3Y,3M,3C,3K 露光手段
4Y,4M,4C,4K 現像手段
6 中間転写ベルト(転写手段)
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成手段)
13 記憶手段
14 操作部
15 制御手段
17 定着手段
18 現像剤
29 不揮発メモリ(記憶手段)
33 画像メモリ
40 現像装置
40D 現像容器
41 現像担持体
60 駆動手段
100 カラー画像形成装置(画像形成装置)
SD トナー濃度センサ(検出手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機に適用して好適な現像装置、その制御方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、色付きの原稿画像から取得した赤(R)色、緑(G)色、青(B)色に係るカラー画像データに基づいてカラー画像形成を行うデジタルカラー複写機が使用されるに至っている。この複写機では原稿の画像情報がスキャナ等により読み込まれ、その原稿の画像情報に係るカラー画像データが一旦、画像メモリに蓄えられる。このカラー画像データをメモリに蓄える際に、シェーディング補正や、タイミング制御、ライン間補正等がなされる。
【0003】
これらの補正処理後のRGB色に係るカラー画像データはγ補正や、変倍処理、空間フィルタ、画像圧縮処理等がなされる。ここで画像処理されたカラー画像データに基づくカラー画像が画像形成手段(プリンタ)によって所定の用紙に形成される。このとき、各々の帯電手段によって一様に帯電されたY,M,C,BK色用の感光体に、カラー画像データに基づいて各色毎の露光手段により露光走査されて該各色用の感光体上に静電潜像を形成するようになされる。
【0004】
この静電潜像は各色毎に準備された現像装置よって現像される。このような帯電、露光、現像を少なくとも1回行い該感光体上に形成されたカラートナー像が転写手段によって転写材に転写するようになされる。所定の用紙上に転写されたトナー像は定着手段により定着される。この結果、カラー原稿画像を複写(コピー)することができる。
【0005】
この種の現像装置は特許文献1の画像形成装置に開示され、この現像装置には現像容器が設けられる。その容器内には静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤が収容される。この現像容器には、現像剤を担持して感光体に付着するために、現像容器内で回転可能に現像剤担持体が設けられている。この現像容器には、トナー濃度センサが取付けられ、トナー濃度を制御するために現像剤の透磁率を検出するようになされる。現像装置ではトナー濃度センサから出力される電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて現像容器内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。
【0006】
また、カラー複写機等においては、定着性や光沢性等を確保するために、プロセス線速を変更するように操作される。この場合に少なくとも、感光体や現像剤担持体等と現像器攪拌部の駆動手段が共通である構成においては、現像剤担持体の線速変更と同時に現像器自体の線速変更も必要になってくる。
【0007】
図10は従来例に係るトナー濃度センサにおける検出例を示す特性図である。図10において、縦軸はトナー濃度センサ出力値(V)であり、横軸はセンサ駆動時間(h)である。黒抜き菱形印を実線で結んだ特性は標準線速(1/1)時のトナー濃度センサ出力特性である。黒抜き四角印を実線で結んだ特性は1/2速時のトナー濃度センサ出力特性である。白抜き三角印を実線で結んだ特性は1/3速時のトナー濃度センサ出力特性である。これらの特性は標準線速から線速を降下させるとトナー濃度センサの出力値が上昇することを示している。
【0008】
従って、正しいトナー補給制御を行うため、トナー濃度初期調整時には、各線速毎のセンサ出力が正しい出力電圧値となるように制御電圧値の補正を行っている。例えば、現像剤投入時に、Y,M,C,BK各色のトナー濃度センサについて、標準線速1/1を含む1/2、1/3速の各線速毎の所定トナー濃度に対してセンサ出力が2.5Vの閾値になる制御電圧値を決定している。ここで決定された制御電圧値は不揮発メモリに格納され、トナー濃度検出時には不揮発メモリからその制御電圧値を呼び出してトナー濃度センサに印加し、センサ出力を得ている。因みに各線速毎に制御電圧値の補正を行わないと、センサ出力が増加した分だけ、トナー濃度が増加することとなる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−184236号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来方式の現像装置を実装したカラー複写機によれば、以下のような問題がある。
【0011】
▲1▼ 初期調整においては良好なトナー補給がなされるが、温度・湿度等の機器内動作環境が変化したり、現像剤の劣化が進むとセンサ出力が移動し、良好なトナー補給がなされないようになる。従って、現像剤投入時以外にも、朝一のウォームアップ時、つまり、定着手段が所定の温度に達するまでの間に、トナー濃度センサの出力に応じてトナー濃度調整を実施してから、標準線速、1/2速、1/3速等の各線速についてトナー濃度初期調整を行わなければならなくなる。このことによって、朝一のウォームアップ時間が更に長くなってしまう。
【0012】
▲2▼ また、感光体や現像剤担持体等と現像器攪拌部とが共通の駆動手段で駆動される構成の現像装置によれば、定着性や光沢性の観点からプロセス線速を降下させる線速変更制御を実行した場合に、トナー濃度センサの出力自体もプロセス線速に応じて変動してしまう。このことで、正しいトナー補給制御が行われなくなり、安定したトナー濃度制御の妨げとなる。
【0013】
▲3▼ 更に、標準速度から1/2速、1/3速等の低い線速に変更してから所定時間内(約2秒〜3秒程度)は、トナー濃度センサの出力が安定せず、トナー過剰補給がなされ、トナー帯電量の立ち上がり不足によるトナー飛散や画像かぶり等の不具合が生じるおそれがある。
【0014】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、線速変更時に現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整に依存することなく、演算処理により得た補正後の制御電圧をセンサ系に供給できるようにすると共に、各線速毎に安定したトナー濃度を制御できるようにした現像装置、その制御方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る現像装置は帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置であって、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤を収容する容器と、現像剤を担持して感光体に付着するために容器内で回転可能に設けられた現像剤担持体と、容器に取付けられて現像剤の透磁率を検出する検出手段と、この検出手段からの出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段と、検出手段の制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段とを備え、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動することを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る現像装置によれば、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、所定の容器には静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤が収容される。この容器内には回転可能なように現像剤担持体がけられ、感光体に現像剤を担持して付着するようになされる。この容器には検出手段が取付られ、この容器内の現像剤の透磁率が検出される。
【0017】
しかも、記憶手段には、検出手段の制御電圧を調整するための補正情報が予め格納される。制御手段では検出手段からの出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。これを前提にして、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようになる。
【0018】
従って、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。これにより、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0019】
本発明にか係る現像装置の制御方法は現像剤担持体を含む現像装置に取り付けられたトナー濃度検出用のセンサ系の制御電圧を調整する方法であって、現像剤投入時に、現像剤担持体の標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)についてトナー濃度初期調整を行ってセンサ系の制御電圧及び出力電圧を取得すると共に、当該センサ系で現像濃度一定を示す出力電圧が得られる制御電圧を取得し、標準線速時のセンサ系の出力電圧と1/N線速時におけるセンサ系の出力電圧との差及び、標準線速時のセンサ系の制御電圧と1/N線速時におけるセンサ系の制御電圧との差を各々求め、センサ系の出力電圧の差及び制御電圧の差に基づいて線速変更時の補正情報を求め、当該現像装置起動後の線速変更時には、補正情報に基づいて当該センサ系の制御電圧を演算し、ここで演算された制御電圧を当該センサ系に設定することを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る現像装置の制御方法によれば、現像装置に取り付けられたトナー濃度検出用のセンサ系の制御電圧を調整する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧をセンサ系に供給することができる。
【0021】
従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係るセンサ出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0022】
本発明に係る画像形成装置は任意の画像データに基づいて画像を形成する装置であって、回転可能な感光体と、感光体を一様に帯電する帯電手段と、帯電手段によって帯電された感光体に画像データに基づいて露光走査し該感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、露光手段によって露光された静電潜像を現像する現像装置と、帯電、露光、現像を少なくとも1回行い該感光体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備え、現像装置は静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤を収容する容器と、現像剤を担持して感光体に付着するために容器内で回転可能に設けられた現像剤担持体と、容器に取付けられて現像剤の透磁率を検出する検出手段と、この検出手段からの出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段と、検出手段の制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段とを有し、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動することを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る現像装置が応用されるので、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようになされる。
【0024】
従って、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。これにより、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る現像装置、その制御方法及び画像形成装置について説明をする。
(1)実施形態
図1は、本発明の実施形態としての現像装置40の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、現像剤の透磁率の検出に基づく出力電圧及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段を備え、当該装置起動後の線速変更時に、検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようにして、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整に依存することなく、演算処理により得た補正後の制御電圧を検出手段に供給できるようにすると共に、各線速毎に安定したトナー濃度を制御できるようにしたものである。
【0026】
図1に示す現像装置40は帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像する装置である。感光体1は例えばドラム状又はベルト状を想定している。感光体1には図示しない露光手段からのレーザ光Lによって画像データが書き込まれる。感光体1の周辺には帯電手段2や、像形成体用クリーニング手段8等を配置して使用される。
【0027】
この現像装置40は複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機に適用して好適である。現像装置40は所定形状の現像容器40Dを有しており、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18を収容するようになされる。この現像装置40で現像剤18には、粒径が8.0μm以下のトナーと、粒径が65μm以下のキャリヤから成る2成分混合剤が用いられる。
【0028】
この現像容器40D内には少なくとも、現像剤担持体41が回転可能に設けられ、感光体1に現像剤18を担持して付着するようになされる。図中、DRは現像ニップ部であり、現像剤担持体41から感光体1へ現像剤18を受け渡す部分である。現像剤担持体41は標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)により回転される。この現像容器40Dの例えば、底部には検出手段の一例となるトナー濃度センサSDが取付られ、現像容器40D内で攪拌される現像剤18の透磁率を検出するようになされる。トナー濃度は現像剤18の透磁率に基づいて検出される。
【0029】
このトナー濃度センサSDには制御手段15が接続されており、このセンサSDからの出力電圧の値VL及び、現像剤担持体41の線速(回転速度)に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。制御手段15にはCPU(中央演算装置)等が使用される。
【0030】
制御手段15には記憶手段13が接続されており、トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正情報、例えば、補正係数ΔVL/ΔVc等を格納するようになされる。記憶手段13にはフラッシュメモリ等の不揮発メモリが使用される。フラッシュメモリは情報の書き込みが可能で電源を切ってもデータが消去されない読み出し専用メモリである。
【0031】
この記憶手段13には、少なくとも、現像剤投入時に、トナー濃度初期調整を行って取得された現像剤担持体41の標準線速を含む所定の1/N線速についてのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc及び出力電圧の値VLと、当該トナー濃度センサSDで現像濃度一定を示す出力電圧の値VLが得られる制御電圧の値Vcと、標準線速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと1/N線速時におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLから求められた第1の電圧差ΔVLと、標準線速時のトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcと1/N線速時におけるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcから求められた第2の電圧差ΔVcと、トナー濃度センサSDの出力電圧の差ΔVL及び制御電圧の差ΔVcに基づいて求められた線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcとが格納される。
【0032】
この制御手段15に電源スイッチSWが接続され、当該装置40を起動するようになされる。当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、記憶手段13から補正係数ΔVL/ΔVcを読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになされる。
【0033】
この例で制御手段15は、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL1と、線速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2との電圧差Δ(VL1−VL2)を算出し、記憶手段13から読み出した補正係数ΔVL/ΔVcを電圧差Δ(VL1−VL2)に演算して線速変更時の制御電圧差Δ(Vc1−Vc2)を算出し、この制御電圧差Δ(Vc1−Vc2)に基づいて当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。また、制御手段15にはトナー補給部410が接続され、トナー補給制御信号S21に基づいてトナー補給制御を実行するようになされる。
【0034】
続いて、本発明に係る現像装置の制御方法について、当該現像装置40のトナー濃度制御時の動作例を説明する。図2は現像装置40のトナー濃度制御時の動作例を示すフローチャートである。
【0035】
この実施形態で所定の現像容器40Dには、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18が収容される。この現像容器40D内には回転可能なように現像剤担持体41が設けられ、この現像容器40Dの底部にはトナー濃度センサSD(トナー濃度検出用のセンサ系)が取付られ、この現像容器40D内の現像剤18の透磁率が検出される。そして、現像剤担持体41を含む現像装置40に取り付けられたトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整する場合を前提とする。
【0036】
これを動作条件にして、図2に示すフローチャートのステップA1で電源スイッチをオンして当該装置40を起動する。その後、ステップA2に移行して現像剤18が投入されたかが検出される。このとき、制御手段15はトナー濃度センサSDから得られる出力電圧の値VLに基づいてトナー補給部410の制御をする。例えば、トナー補給部410へトナー補給制御信号S21を出力して現像剤投入補給を実行する。現像剤18が投入されない場合はステップA7に移行する。
【0037】
現像剤18が投入された場合はステップA3に移行して現像剤担持体41の標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)についてトナー濃度初期調整を行ってトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc及び出力電圧の値VLを取得する。また、ステップA4で当該トナー濃度センサSDで現像濃度一定を示す出力電圧の値VLが得られる制御電圧の値Vcを取得する。補正係数ΔVL/ΔVcを求めるためである。
【0038】
そして、ステップA5に移行して標準線速時のセンサ系の出力電圧の値VLと1/N線速時におけるセンサ系の出力電圧の値VLとの差ΔVL及び、標準線速時のセンサ系の制御電圧の値Vcと1/N線速時におけるセンサ系の制御電圧の値Vc値との差ΔVcを各々求める。その後、ステップA6でセンサ系の出力電圧の差ΔVL及び制御電圧の差ΔVcに基づいて線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcを求める。これらのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正係数ΔVL/ΔVc等は記憶手段13に格納される。
【0039】
そして、当該現像装置40の再起動を含む通常使用時の起動後、ステップA7に移行して線速変更が有ったかがチェックされる。線速変更は制御手段15の外部、例えば図示しない操作部等から線変更要求信号S1を入力することで現像制御がなされる。線速変更が有った場合はステップA8に移行して、補正係数ΔVL/ΔVcに基づいて当該センサ系の制御電圧の値Vcを演算する。例えば、現像剤担持体41の標準線速におけるセンサ系の出力電圧の値VL1と、線速変更時のセンサ系の出力電圧の値VL2との電圧差Δ(VL1−VL2)を算出する。その後、補正情報比率ΔVL/ΔVcに基づいて線速変更時の制御電圧差Δ(Vc1−Vc2)を算出する。この制御電圧差ΔVcに基づいて当該センサの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。
【0040】
ここで演算された制御電圧の値VcをステップA9で当該トナー濃度センサSDに設定する。その後、ステップA11に移行する。ステップA7で線速変更要求が無い場合はステップA10に移行して他の処理を実行する。ここで言う他の処理には、例えば、帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像すべく、感光体1に現像剤18を担持して付着するような処理や、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VL及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御手段15によって制御する処理が含まれる。
【0041】
その後、ステップA11に移行する。ステップA11では当該現像処理を終了するかが判断される。制御手段15では電源オフ情報等を検出して現像処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合はステップA7に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。
【0042】
このように、本発明に係る実施形態としての現像装置及びその制御方法によれば、帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、記憶手段13から補正情報を読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになる。
【0043】
従って、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧の値Vcをトナー濃度センサSDに供給することができる。これにより、当該装置40を画像形成装置等に実装した場合、そのウォームアップ時には標準線速に係るトナー濃度センサSDの出力調整のみで済むので、画像形成装置のウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。従って、当該現像装置40を複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機に十分に応用することができる。
【0044】
(2)実施例
図3は本発明に係る実施例としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す断面の概念図である。
この実施例では現像装置40を組み入れたカラー画像形成装置100の構成すると共に、複数のプロセス速度を有して、線速変更時も、トナー濃度センサSDによって安定したトナー濃度制御をウォームアップ時間を延長すること無しに実行できるようにし、トナー飛散や画像かぶりの無いカラー画像形成装置100を提供できるようにしたものである。
【0045】
図3に示すカラー画像形成装置100は任意の画像データに基づいて画像を形成する装置であり、定着性、光沢性の観点からプロセス線速を変更させるコピーモードを有する装置である。この例でプロセス線速は複数段に切り替え可能となっていて、例えばプロセス線速は標準線速(1/1)速に対して(1/2)速、(1/3)速に切り替え駆動が可能となっている。標準線速が220mm/sの場合には1/2線速では110mm/s、1/3線速では73mm/sに可変となっている。以下の説明ではかかる可変の場合について説明するが、勿論これ以外の多段階切り替えについても本発明は適用される。
【0046】
このカラー画像形成装置100は、画像形成装置本体101と画像読取装置102から構成される。画像形成装置本体101の上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査取得装置202から成る画像読取装置102が設置され、任意のカラー原稿を読み取って赤(R)色、緑(G)色、青(B)色のアナログカラー画像信号(以下単にアナログ信号Sinともいう)を出力するようになされる。例えば、自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された色付きの原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査取得装置202の光学系により原稿dの片面又は両面の画像が走査され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
【0047】
この画像形成装置本体101には制御手段15が設けられ、カラー画像データDinを画像処理するようになされる。例えば、上述のラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号Sinは制御手段15でアナログ信号処理され、その後、アナログ・ディジタル(A/D)変換される。A/D変換後の画像データは制御手段15でシェーディング補正や、タイミング制御、ライン間補正等がなされる。これらの補正処理後のRGB色に係るデータがカラー画像データDinとなる。
【0048】
カラー画像データDinは制御手段15で三次元色変換テーブルに基づいてイエロー(以下単にYという)色、マゼンタ(以下単にMという)色、シアン(以下単にCという)色、黒(以下単にK又はBKという)色に係るカラー画像データに変換され、変換後のカラー画像データDY,DM,DC,DKは画像形成手段の一例となる画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。所定の動作モードに基づいてカラー画像を形成するためである。
【0049】
また、自動原稿送り装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿送り装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用される。
【0050】
画像形成装置本体101はタンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、転写手段の一例となる無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着手段17からなる。
【0051】
Y色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。感光体ドラム1YはOPC感光体等が用いられ、所定のプロセス線速で矢示方向に回転可能となされている。
【0052】
帯電手段2Yはスコロトロン帯電器等から構成され、感光体ドラム1Yを一様に帯電するようになされる。露光手段3Yでは帯電手段2Yによって帯電された感光体ドラム1YにY画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1Y上にドット露光に基づく静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Yでは露光手段3Yによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Yには本発明に係る現像装置40が使用される。
【0053】
M色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。感光体ドラム1Mも所定のプロセス線速で回転可能となされている。帯電手段2Mは感光体ドラム1Mを一様に帯電するようになされる。露光手段3Mでは帯電手段2Mによって帯電された感光体ドラム1MにM画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1M上に静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Mでは露光手段3Mによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Mにも本発明に係る現像装置40が使用される。
【0054】
C色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。感光体ドラム1Cも所定のプロセス線速で回転可能となされている。帯電手段2Cは感光体ドラム1Cを一様に帯電するようになされる。露光手段3Cでは帯電手段2Cによって帯電された感光体ドラム1CにC画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1C上に静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Cでは露光手段3Cによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Cにも本発明に係る現像装置40が使用される。
【0055】
BK色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。感光体ドラム1Kも所定のプロセス線速で回転可能となされている。帯電手段2Kは感光体ドラム1Kを一様に帯電するようになされる。露光手段3Kでは帯電手段2Kによって帯電された感光体ドラム1KにBK画像データに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1K上に静電潜像を形成するようになされる。現像装置4Kでは露光手段3Kによって露光された静電潜像を現像するようになされる。現像装置4Kにも本発明に係る現像装置40が使用される。
【0056】
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは画像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
【0057】
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明する。このカラー画像形成装置100では帯電、露光、現像を少なくとも1回行われ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K等上に形成されたトナー像が中間転写ベルト6を通じて転写材の一例となる用紙Pに転写される。つまり、画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
【0058】
画像形成装置本体101の下方には給紙カセット20A,20B,20Cが設けられ、各々の給紙カセット20A、20B、20C内に収容された用紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
【0059】
カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段17によりトナー像を定着するための定着処理がなされ、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
【0060】
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着手段17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。ここで反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0061】
一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙や83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙を用い、線速度を80〜350mm/sec程度とし、環境条件として温度が5〜35℃程度、湿度が15〜85%程度の設定条件とすることが好ましい。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
【0062】
図4はカラー画像形成装置100に実装される現像装置4Y等の構成例を示す断面図である。現像装置4Yは少なくとも、現像剤担持体41と現像容器40D内の攪拌部とが、図示しない共通の駆動手段(モータ)60により駆動される構造となっている。なお、他の現像装置4M、4C、4Kについては、現像装置4Yと同じ構成を採るのでその説明を省略する。
【0063】
図4に示す現像装置4Y等は所定形状の現像容器40Dを有しており、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18を収容するようになされる。現像装置4Yは現像容器40Dの他に、現像ローラからなる現像剤担持体41、磁界発生用のマグネットロール42、穂切り板からなる規制装置43、水車型の供給装置44、スクリューからなる供給・搬送装置45、スクリューからなる攪拌・搬送装置46、搬送ローラ47、剥ぎ取り板48、スクリューからなる回収装置49等から構成される。
【0064】
これらは、感光体ドラム1Y等と同一の図示しない駆動手段60によって駆動される。従って、現像装置4Y等で現像剤担持体41の回転数を変更した場合は、供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46の回転数も変更するような機構を有しており、複数のプロセス線速を有するものである。
【0065】
現像容器40Dは、現像剤担持体41、搬送ローラ47、供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46を支持する下枠体40Aと、剥ぎ取り板48及び回収装置49を支持する中枠体40Bと、中枠体40Bの上方開口部を閉蓋する上蓋40Cとから構成されている。中枠体40Bの一部は、攪拌・搬送部402の上方開口部を閉蓋する。供給部401と攪拌・搬送部402とは、下枠体40Aの底部から直立した第1隔壁404を挟んで両側に形成されている。
【0066】
更に、回収装置49を回転可能に支持する中枠体40Bの底部には第2隔壁405が形成され、供給部401と回収部403とを仕切るようになされる。この回収部403の現像剤搬送下流側と、供給部401の現像剤搬送下流側とは、第2隔壁405の端部近傍に穿設された第1開口部406により連通している。下枠体40Aは、供給装置44と供給・搬送装置45とを収容する供給部401と、攪拌・搬送装置46を収容する攪拌・搬送部402を形成する。
【0067】
現像剤担持体41は、感光体ドラム1Y等に対向して配置され、現像容器40Dに対して回転可能に支持されており、矢印で示す方向に回転して現像剤18を現像ニップ部DRに搬送し、現像ニップ部DRにおいて現像剤18を担持して現像に必要な現像剤18の層を感光体ドラム1Y等に形成する。静電潜像を可視化するためである。
【0068】
上述した下枠体40A内には第1隔壁404を介在して供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46が設けられている。攪拌・搬送装置46では補給される新規トナーと供給・搬送装置45から環流された現像剤とを混合、攪拌して供給・搬送装置45の上流部に搬送するようになされる。この攪拌・搬送装置46に平行し、第1隔壁404を介在して下枠体40A内には供給・搬送装置45が配置され、攪拌・搬送装置46から搬送された現像剤をその回転軸方向に搬送しながら供給装置44に搬送するようになされる。
【0069】
また、供給・搬送装置45に平行し隣接して供給装置44が設けられている。供給装置44は現像剤担持体41に現像剤を供給する回転可能な水車型の搬送手段であり、供給・搬送装置45から搬送された現像剤を現像剤担持体41の現像剤受け入れ用磁極S3付近に均一に供給するようになされる。なお、供給装置44は回転軸方向に搬送機能を有するスクリューであってもよい。
【0070】
上述の現像剤担持体41の現像剤剥ぎ取り用磁極S2の近傍には、搬送ローラ47が配置されている。搬送ローラ47は、回転可能な回転部材(スリーブ)47Aと、回転部材47Aの内方に収容され現像容器40Dに固定された円柱状の磁石体47Bとからなる。更に、第2隔壁405によって仕切られた回収部403内には回収装置49が回転可能に配置され、搬送ローラ47と剥ぎ取り板48とにより剥ぎ取られて落下する現像剤を受け回収して、供給・搬送装置45の搬送方向下流側であって、現像剤担持体41の画像形成領域外に搬送する。
【0071】
なお、現像剤担持体41に現像剤が戻らない位置であれば、回収現像剤を供給・搬送装置45の搬送方向下流側であって、現像剤担持体41の現像領域相当内に投入してもよい。あるいは、回収装置49により回収された現像剤を、攪拌・搬送部402の上流部に環流させてもよい。これらの供給・搬送装置45、攪拌・搬送装置46及び回収装置49は、何れもスパイラルスクリューからなり、現像剤を攪拌しつつ回転軸方向に搬送すると共に、回転軸のほぼ直角方向に現像剤を放出するようになされる。
【0072】
上述の下枠体40A内の供給部401の現像剤搬送下流側と攪拌・搬送部402の現像剤搬送上流側とは、第1隔壁404の一方の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。従って、搬送ローラ47と剥ぎ取り板48により剥ぎ取られた現像剤は、回収部403内に回収されると共に、回収装置49により回収現像剤が現像剤搬送下流側に搬送され、更に、供給部401に環流する。
【0073】
この供給部401内の現像剤は、供給・搬送装置45により第1隔壁404の一方の端部に穿設された開口部(図示せず)から攪拌・搬送部402内に矢印W1で示すように搬送される。攪拌・搬送部402内に搬送された現像剤は、攪拌・搬送装置46により、トナー容器40Tから排出されトナー補給用開口部409より補給されたトナーと、現像剤とを混合攪拌され、搬送されて、第1隔壁404の他方の端部に穿設された開口部(図示せず)から排出され、供給部401内に矢印W2で示すように環流される。
【0074】
この供給部401内では、供給・搬送装置45により現像剤を軸方向に搬送しつつ放出して供給装置44に供給する。供給装置44は現像剤を軸方向に搬送しつつ放射して現像剤担持体41に供給する。なお、図4中のB(DC)は現像剤担持体41にDCバイアスを印加するDCバイアス電源、D(AC)は現像剤担持体41にACバイアスを印加するACバイアス電源で後に説明する制御手段14によって現像制御が行われ、DCバイアスにACバイアスが重畳されて印加され、現像が行われる。
【0075】
この現像装置4Y等で現像剤18には、粒径が8.0μm以下のトナーと、粒径が65μm以下のキャリヤから成る2成分現像剤を用いて現像が行われる。トナーとしては、例えば、質量平均粒径が3〜8μmの重合トナーが好ましい。重合トナーを用いることにより、解像力が高く、濃度が安定し、画像かぶりの発生が極めて少ない画像を形成することが可能となる。重合トナーは次のような製造方法により製造される。
【0076】
トナー用バインダー樹脂の生成とトナー形状とがバインダー樹脂の原料モノマー又はプレポリマーの重合及びその後の化学的処理により形成されて得られる。より具体的には、懸濁重合又は乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程とを経て得られ、重合トナーでは、原料モノマー又はプレポリマーを水系で均一に分散した後に重合させトナーを製造することから、トナーの粒度分布及び形状の均一なトナーが得られる。
【0077】
この実施例では質量平均粒径が3〜8μmのトナーが用いられる。質量平均粒径は、質量基準の平均粒径であって、湿式分散機を備えた「コールターカウンターTA−II」又は「コールターマルチサイザー」(何れもコールター社製)により測定した値である。質量平均粒径が3μmを下回ると、画像かぶりの発生やトナー飛散が起こりやすくなる。上限8μmは本発明で目標とする高画質を形成することを可能にする粒径の上限である。キャリアとしては、質量平均粒径が30〜65μmで磁化量が20〜70emu/gの磁性粒子からなるキャリアが好ましい。30μmよりも粒径の小さなキャリアではキャリア付着が生じやすくなる。また、65μmよりも粒径の大きなキャリアでは、均一な濃度の画像が形成されない場合が生じうる。
【0078】
この例で図4に示した現像容器40Dの下枠体40A(供給部401)内の底部であって、供給・搬送装置45の下方にはトナー濃度センサSDが取付られ、供給部401内で攪拌される現像剤18の透磁率を検出するようになされる。トナー濃度は現像剤18の透磁率に基づいて検出される。トナー濃度センサSDは一般に内部にコイルを巻いたものである(L検センサ)。
【0079】
図5はカラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。図5に示すカラー画像形成装置100は制御手段15を有している。制御手段15はY、M、C、K色毎に設けても、また、Y、M、C、K色共通に1個の制御装置を設けてもよい。この例ではY色の制御系についてのみを説明する。他のM、C、K色の制御系についても同様な構成を採る。この制御手段15には、Y色用のトナー濃度センサSDが接続されており、Y色用の現像容器40D内で攪拌される現像剤18の透磁率を検出して出力電圧VLを制御手段15に出力するようになされる。制御手段15ではセンサSDからの出力電圧VL及び現像剤担持体41の線速(回転速度)に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御するようになされる。制御手段15にはCPU(中央演算装置)等が使用される。
【0080】
制御手段15には記憶手段の一例となる不揮発メモリ29が接続されており、トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正係数ΔVL/ΔVc等を格納するようになされる。例えば、不揮発メモリ29には、現像剤投入時に、トナー濃度初期調整を行って取得された現像剤担持体41の標準線速1/1を始め、各線速1/2、1/3速についてのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc1及び出力電圧の値VL1、VL2、VL3と、当該トナー濃度センサSDで現像濃度一定を示す出力電圧の値VLが得られる制御電圧の値Vc1,Vc2,Vc3が記録される。
【0081】
この実施例では、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VLが標準トナー濃度(Tc=8質量%)において、所定の出力電圧値(VL=2.5V)になるように制御電圧の値Vcを調整し、その調整した制御電圧の値Vcを不揮発メモリ29に格納するようになされる。
【0082】
これらの電圧の値の他に、標準線速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと1/2、1/3速時におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLから求められた第1の電圧差ΔVLと、標準線速時のトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcと、1/2、1/3速時におけるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcから求められた第2の電圧差ΔVcと、トナー濃度センサSDの出力電圧の差ΔVL1及び制御電圧の差ΔVcに基づいて求められた線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcとが格納される。
【0083】
この制御手段15には電源スイッチSWが接続され、当該装置40を起動するようになされる。当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、不揮発メモリ29から補正係数ΔVL/ΔVcを読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになされる。
【0084】
この制御手段15では、プリント動作時における線速変更時には、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと、線速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLとの電圧差ΔVLを算出する。例えば、標準線速1/1から1/2速へ変更指示された場合、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL1と、1/2速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2との電圧差ΔVL12を算出する。
【0085】
また、制御手段15では補正係数ΔVL21/ΔVc21に基づいて1/2線速変更時の制御電圧の差ΔVc12を算出する。この例では制御電圧の差ΔVc12はΔVL12/補正係数で与えられることから、ΔVc12=ΔVL12/ΔVL21/ΔVc21となる。この制御電圧の差ΔVc12に基づいて当該センサSDの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。そして、1/2線速変更時の制御電圧の値Vc2は標準線速時の制御電圧Vc+制御電圧の差ΔVc12で与えられることから、Vc2=Vc1+ΔVc12となる。
【0086】
上述の制御手段15には電源スイッチSW、トナー濃度センサSD及び不揮発メモリ29の他に、定着温度センサSTH、露光手段3Y、操作部14、給紙手段30、画像メモリ33、画像処理部35、ROM53、駆動手段60、表示部87、画像読取装置101及びトナー補給部410が接続されている。
【0087】
定着温度センサSTHは図3に示した定着手段17の定着ローラ部分に設けられ、定着手段17の温度検知して温度検知信号S3を制御手段15に出力するようになされる。露光手段3YにはY色用の画像データDYが出力され、帯電手段2Yによって帯電された感光体ドラム1YにこのY色用の画像データDYに基づくレーザ光Lが露光走査され、該感光体ドラム1Y上にドット露光に基づく静電潜像を形成するようになされる。
【0088】
操作部14ではマニュアルによりプロセス線速の変更がなされる。操作部14は表示部87と共にタッチパネルを構成し、「光沢」「厚紙」或いはプロセス線速等が表示された選択釦が設けられていて、押釦によってプロセス線速を例えば110mm/sに切り替え指示がなされる。この指示によって線速変更要求信号S1が制御手段15に出力される。表示部87には表示信号S4に基づいて画像形成条件等の設定画面が表示される。
【0089】
給紙手段30では制御手段15からのカセット制御信号S5に基づいて給紙カセット20A,20B,20C等から用紙Pを繰り出すようになされる。また、画像処理部35では制御手段15の制御を受けて画像読取装置102のラインイメージセンサCCDにより得られたA/D変換後の画像取得データがシェーディング補正や、タイミング制御、ライン間補正等がなされる。これらの補正処理後のRGB色に係るデータがカラー画像データDinとなり、画像メモリ33に記録される。
【0090】
ROM53には当該画像形成装置を制御するシステムプログラムが格納されている。例えば、システムプログラムには画像調整プログラムが含まれており、この画像調整プログラムの下位階層にはトナー濃度検出条件設定プログラムが準備されている。駆動手段60では現像剤担持体41と現像容器40D内の攪拌部とを制御手段15から出力される、回転数変更用のクロック信号CLK及びコントロール信号CNTに基づいて駆動するようになされる。
【0091】
この駆動手段60は感光体ドラム1Y等も同一に駆動する。従って、駆動手段60は現像装置4Y等で現像剤担持体41の回転数を変更した場合は、供給装置44、供給・搬送装置45及び攪拌・搬送装置46の回転数も変更するようなされ、複数のプロセス線速を有するものである。上述のトナー補給部410では制御手段15から出力されたトナー補給制御信号S21に基づいてトナー容器40Tから現像容器40Dへトナーを補給するように制御される。この現像容器40D内のトナー濃度がトナー濃度センサSDによって検出される。
【0092】
図6はトナー濃度センサSDのセンサ出力対トナー濃度Tcの関係例を示す動作特性図である。
図6に示す縦軸はトナー濃度センサSDのセンサ出力VL[V]である。横軸は現像剤18のトナー濃度Tc[%]である。トナー濃度センサSDにはトナー濃度Tcに対して、グラフのようにリニアにセンサ出力するものが使用される。制御電圧の値Vcは、センサ動作特性を調整する調整値のことである。トナー濃度初期調整とは、現像器内に現像剤18を投入した際に、トナー濃度センサSDを初期調整することをいい、当該センサSDで欲しい動作特性となるように制御電圧の値Vcを調整することをいう。
【0093】
トナー濃度初期調整とは現像剤18の透磁率を検出するトナー濃度センサSDを用いて、トナー濃度制御を実施する場合に、現像器内に現像剤18を投入した際に初期調整を実施する。これは初期調整の現像剤18において、L検センサの出力値がある所定の出力値になるようにL検センサの制御電圧の値Vcを調整する行為である。
【0094】
▲1▼は制御電圧Vc=7.0Vの動作特性である。▲2▼は制御電圧Vc=6.5Vの動作特性である。▲3▼は制御電圧Vc=6.0Vの動作特性である。例えば、動作特性▲1▼を選択したい場合は、制御電圧の値Vcを7.0Vに設定し、これを動作特性▲3▼に変えたい場合は、制御電圧の値Vcを6.0Vに設定するようになされる。
【0095】
また、センサ出力V=2.5Vでトナー濃度8%を得るためには、制御電圧Vc=6.0Vの動作特性▲3▼が設定される。制御電圧Vc=6.5Vの動作特性▲2▼を選択してセンサ出力V=2.5V及びトナー濃度8%を得るためには、トナー濃度初期調整時に、制御電圧Vcが▲2▼→▲3▼の位置に推移するようになされる。同様にして制御電圧Vc=7.0Vの動作特性▲1▼を選択してセンサ出力V=2.5V及びトナー濃度8%を得るためには、トナー濃度初期調整時に、制御電圧Vcが▲1▼→▲3▼の位置に推移するようになされる。
【0096】
続いて、本発明に係るカラー画像形成装置100におけるトナー濃度制御時の動作例を説明する。
この実施例で所定の現像容器40Dには、静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤18が収容される。この現像容器40D内には回転可能なように現像剤担持体41が設けられ、この現像容器40Dの底部にはトナー濃度センサSD(トナー濃度検出用のセンサ系)が取付られ、この現像容器40D内の現像剤18の透磁率が検出される。そして、現像剤担持体41を含むY色用の現像装置4Y等に取り付けられたトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整する場合を前提とする。なお、他の色用の現像装置4M、4C、4K等についても同様になされるが、Y色用の現像装置4Yと同じためその説明を省略する。
【0097】
現像条件は次の通りである。線速は180mm/sec、感光体ドラムと現像マグネットローラの周速比は1.8→可変域は0.5〜3.0である。現像マグネットローラ上の現像剤搬送量は20mg/cm2である。現像バイアスDCは−500V→可変域では−200〜−700Vである。現像ACバイアスはACp−pで1.0kVであり、AC周波数は3kHz、AC波形は矩形波である。現像ローラ径は25cmφであり、剥ぎ取りローラ径は18cmφである。現像剤18には粒径35μmのキャリアと粒径6.5μmのトナーを混合した乳化重合トナーである。現像剤量は850g(Tc=8%)である。
【0098】
以下では、現像剤投入時及び現像剤投入時以外のトナー濃度初期調整に分けて説明をする。
[現像剤投入時のトナー濃度初期調整]
図7はカラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時)を示すフローチャートである。このトナー濃度初期調整では、標準線速(1/1)で電圧検出処理を実施し、その標準線速でのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを決定する。Y,M,C,K各色のトナー濃度センサSDについて、プロセス線速220mm/s、110mm/s、73mm/sの各線速毎の所定トナー濃度(Tc=8質量%)に対してセンサ出力が2.5Vの閾値になる制御電圧Vcの値を調整し決定するためである。ここで決定された制御電圧Vc値は不揮発メモリ29に格納される。
【0099】
そして、制御電圧の値Vcで各線速毎にトナー濃度センサSDから得られる出力電圧の値VLを検出する。そして、標準線速時の出力電圧の値VLに対する各線速毎の出力電圧VLの差ΔVLを算出する。これと共に、標準線速の制御電圧Vcに対する各線速毎の制御電圧Vcの差ΔVcを求め、この差の比率、すなわち補正係数ΔVL/ΔVcを算出して、不揮発メモリ29に格納する。
【0100】
これを動作条件にして、図7に示すフローチャートのステップB1で電源スイッチSWをオンして当該カラー画像形成装置100を起動する。電源スイッチSWのONによって、制御手段15では定着手段17の定着ローラ部分に設けた定着温度センサSTHの温度検知を行う。ここで検知されたセンサ温度が所定の温度以下にあるときは、定着温度センサSTHの検知温度が定着を可能とする所定の温度に上昇するまでのウォーミングアップに入り、画像調整工程に移行する。
【0101】
この画像調整工程では、感光体ドラム1Y等の表面電位を計測する電位センサ(図示せず)によって表面電位を計測し、ここで計測された表面電位に基づいて帯電手段2Y等による印加電圧の調整を行う。また、露光手段3Yによって感光体上にソリッド及び非ソリッドのパッチを形成し、これを反射濃度センサ(図示せず)によってパッチ部の反射濃度を測定し、制御手段15では最大濃度補正やγ補正等の調整処理が行われる。
【0102】
この実施例においては、画像調整プログラムにはトナー濃度検出条件設定プログラムが準備されている。制御手段15ではこのプログラムに従って、先ず駆動手段60に対してプロセス線速が標準線速(220mm/s)となるよう回転数変更用のクロックを設定し、標準線速状態でトナー濃度センサSDによって現像剤中のトナー濃度を測定し、センサ出力が閾値(VL=2.5V)となるようトナー補給制御を行う。
【0103】
従って、ステップB2に移行して現像剤18が現像容器40Dへ投入される。このとき、制御手段15はトナー補給部410へトナー補給制御信号S2を出力して現像剤投入補給を実行する。トナー濃度センサSDから得られる出力電圧の値VLに基づいてトナー補給部410の制御をするためである。その後、ステップB3に移行して現像剤担持体41を標準線速(1/1)で回転してトナー濃度初期調整を行う。このとき、標準線速で電圧検出処理を実施し、その標準線速で例えば、出力電圧の値VL1=2.50Vが得られるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを決定する。この例では制御電圧の値VcはVc1=7.01Vである。
【0104】
次に、ステップB4で制御電圧Vc1=7.01Vにおいて、各線速毎の当該トナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2,VL3を検出する。この例では、1/2速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2は2.70Vであり、1/3速時の出力電圧の値VL3は2.91Vである。そして、ステップB5に移行して標準線速に対する各線速(1/2,1/3)での出力電圧の差(ΔVL)を算出して不揮発メモリ29に格納する。この例では、1/2速時の出力電圧の差ΔVL21=(VL2−VL1)は0.2Vであり、1/3速時の出力電圧の差ΔVL31=(VL3−VL1)は0.41Vである。不揮発メモリ29には表1に示すような内容の値が格納される。
【0105】
【表1】
【0106】
なお、このときに適用する制御電圧の値Vcは標準線速でのトナー濃度初期調整の際に決定される制御電圧の値Vcでなくても、各線速毎に同じ値であればよい。
【0107】
また、ステップB6で当該トナー濃度センサSDでトナー濃度Tc一定を示す出力電圧の値VL、例えば、2.50Vが得られる制御電圧の値Vcを各線速(1/2,1/3毎に検出する。標準線速については先に検出しているのでそれ以外の線速について検出する。補正係数ΔVL/ΔVcを求めるためである。この例では、1/2速時のトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vc2は6.64Vであり、1/3速時の制御電圧の値Vc3は6.25Vである。
【0108】
そして、ステップB7に移行して標準線速に対する各線速(1/2,1/3)での制御電圧の差(ΔVc)を算出して不揮発メモリ29に格納する。この例では、1/2速時の制御電圧の差ΔVc21=(Vc2−Vc1)は0.37Vであり、1/3速時の制御電圧の差ΔVc31=(Vc3−Vc1)は0.76Vである。不揮発メモリ29には表2に示すような内容の値が格納される。
【0109】
【表2】
【0110】
その後、ステップB8で各線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の差ΔVL21、ΔVL31及び制御電圧の差ΔVc21、ΔVc31に基づいて線速変更時の補正係数ΔVL/ΔVcを求める。この例では、1/2速時の補正係数ΔVL21/ΔVc21は0.541であり、1/3速時の補正係数ΔVL31/ΔVc31は0.539である。これらのトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを調整するための補正係数ΔVL21/ΔVc21及びΔVL31/ΔVc31は不揮発メモリ29に格納される。不揮発メモリ29には表3に示すような内容の値が格納される。
【0111】
【表3】
【0112】
その後、ステップB9に移行して他の処理が実行される。例えば、帯電可能な感光体1に形成された静電潜像を現像すべく、感光体1に現像剤18を担持して付着するような処理や、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VL及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御手段15によって制御する処理が含まれる。そして、ステップB10に移行する。ステップB10では当該画像形成処理を終了するかが判断される。制御手段15では電源オフ情報等を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合はステップB9に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。
【0113】
なお、不揮発メモリ29に格納された補正係数ΔVL21/ΔVc21及びΔVL31/ΔVc31等は、現像剤投入時以外の線速変更時に使用される。また、補正係数ΔVL/ΔVcの値は初期調整のみに行なうのではなく、所定間隔毎に求め直してもよい。例えば、現像スリーブの周動距離5kmが経過する毎といったように、ある決まった現像履歴に基づいて補正係数ΔVL/ΔVcの値を求め直してもよい。
【0114】
[現像剤投入時以外のトナー濃度初期調整時]
図8はカラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時以外)を示すフローチャートである。
この例では、当該カラー画像形成装置100のウォームアップ時には標準線速のみトナー濃度初期調整を実施する。プロセス線速は操作部14によってマニュアルにより、或いは、制御手段15によって自動によって変更がなされる。マニュアルの場合には操作部14に「光沢」「厚紙」或いはプロセス線速等が表示された選択釦が設けられていて、押釦によってプロセス線速は例えば110mm/sに切り替え指示がなされる。また自動の場合には使用する用紙Pの紙厚検知等によって制御手段15から切り替え指示がなされる。
【0115】
なお、線速変更時には、その線速変更指示が有った時から所定時間経過後(数秒後)のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2や、VL3等を読み込み、標準線速時の出力電圧の値VL1との差をΔVL1−ΔVL2や、ΔVL1−ΔVL3等を算出し、その後、不揮発メモリ29から読み出した補正係数ΔVc/ΔVLや、標準線速時の制御電圧Vc及び制御電圧の差ΔVcから線速変更時の補正値ΔVc2やVc3を求めて、標準線速でのVc値に加算する。これにより、線速変更時の制御電圧の値を決定するようになされる。
【0116】
制御手段15では決定したプロセス線速に対応した回転数変更用のパルスCLKを駆動手段60に出力し、画像記録が行われる。また制御手段15は、Y,M,C,K各色毎に決定されたプロセス線速に対応した制御電圧Vc値を不揮発メモリ29から呼び出してトナー濃度センサSDに印加し、センサ出力を得る。ここで検出されたセンサ出力は閾値(2.5V)と比較され、この比較結果に基づいてトナー補給制御が行われる。
【0117】
これを動作条件にして、図8に示すフローチャートのステップC1で電源スイッチSWをオンして当該カラー画像形成装置100を起動する。このとき、電源スイッチSWのONによって制御手段15ではウォーミングアップ時間中に、ROMから画像調整プログラムを呼び出して画像調整を行う。そして、ステップC2に移行して現像剤担持体41を標準線速(1/1)で回転してトナー濃度初期調整を行う。
【0118】
このとき、制御手段15では標準線速でトナー濃度センサSDの出力に応じたトナー濃度制御を実行し、適正なトナー濃度に調整してから標準線速でトナー濃度センサSDによるトナー濃度初期調整を実行する。この例では、標準線速で例えば、出力電圧の値VL1=2.52Vが得られるトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcが決定される。この例では制御電圧の値VcはVc1=7.02Vである。
【0119】
次に、ステップC3で制御電圧の値Vc1=7.02Vにおいて、各線速毎の当該トナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2,VL3を検出する。この例では、1/2速時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2は2.68Vであり、1/3速時の出力電圧の値VL3は2.75Vである。そして、ステップC4に移行して線速変更が有ったかがチェックされる。線速変更は制御手段15の外部、例えば図5に示した操作部14等から線速変更要求信号S1を入力することで画像成形制御がなされる。
【0120】
線速変更が有った場合はステップC5に移行して制御手段15では標準線速から線速降下への変更があったかがチェックされる。標準線速から線速降下への変更があった場合はステップC6に移行する。ステップC6では所定時間が経過したかがチェックされる。ここでは例えば、2秒〜3秒間程度が経過するまで、トナー濃度センサSDの出力値に関係なく、トナー補給制御を中止するようになされる。こうすることで、センサ出力時の不安定によるトナー過補給を防ぐことができ、トナー飛散や画像かぶりを防ぐことができる。
【0121】
この所定時間が経過すると、ステップC7に移行して、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLと、線速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VLとの電圧差ΔVLを算出する。例えば、標準線速1/1から1/2速へ変更指示された場合、現像剤担持体41の標準線速におけるトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL1=2.52Vと、1/2速変更時のトナー濃度センサSDの出力電圧の値VL2=2.68との電圧差ΔVL12を算出する。この例では電圧差ΔVL12は−0.16Vである。
【0122】
その後、ステップC8に移行して補正係数ΔVL21/ΔVc21に基づいて1/2線速変更時の制御電圧の差ΔVc12を算出する。この例では制御電圧の差ΔVc12はΔVL12/補正係数で与えられることから、ΔVc12=ΔVL12/ΔVL21/ΔVc21=−0.3Vとなる。この制御電圧の差ΔVc12に基づいて当該センサSDの制御電圧の値Vcを決定するようになされる。この例では1/2線速変更時の制御電圧の値Vc2は標準線速時の制御電圧Vc+制御電圧の差ΔVc12で与えられることから、Vc2=Vc1+ΔVc12=6.72Vとなる。表4には1/2速変更時の補正後の制御電圧の値Vc2=6.72Vや1/3速変更時の補正後の制御電圧の値Vc3=6.59Vを示している。
【0123】
【表4】
【0124】
このように、1/N線速変更時の制御電圧の値Vcは標準線速時の制御電圧Vc+制御電圧の差ΔVcにより算出することができ、1/2速,1/3速などの制御電圧の値Vc2やVc3等を演算処理により求めることができる。ここで演算された制御電圧の値Vc2等はステップC9で当該トナー濃度センサSDに設定される。その後、ステップC11に移行する。
【0125】
なお、ステップC4で線速変更要求が無い場合はステップC10に移行して画像形成処理を実行する。このとき、帯電可能な感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された静電潜像を現像すべく、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに現像剤18を担持して付着するような処理や、トナー濃度センサSDからの出力電圧の値VL及び現像剤担持体41の線速に基づいて現像容器40D内にトナーを補給し濃度を制御手段15によって制御する処理が含まれる。その後、ステップC11に移行する。ステップC11では当該画像形成処理を終了するかが判断される。制御手段15では電源オフ情報等を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合はステップC4に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。
【0126】
図9は効果確認テストに係る対策前後のトナー濃度Tc[%]の検出例を示す特性比較図である。図9に示す縦軸は対策前後のトナー濃度Tc[%]である。横軸はコピー数[kc]であり、100000枚プリントを示している。
【0127】
この効果確認テストでは、トナー濃度制御を実行しながら、1枚目の用紙Pから100000枚目の用紙Pに至るプリントを実行し、そのトナー濃度安定性をテストしたものであって、プロセス線速を標準(1/1)速以外に、例えば、20Kc、40Kc、60Kc等で線速を、(1/2)速、(1/3)速モードに変更した形態で実施した場合の結果を示している。
【0128】
図9に示す特性比較図によれば、トナー濃度Tc=8質量%を基準にしたとき、黒抜き四角印を実線で結んだ特性は、本発明方式によるものである。黒抜き菱形印を実線で結んだ特性は従来方式によるものである。従来方式のような対策前の特性によれば、スタート時のトナー濃度Tcが8質量%であったものが、線速を変更する度に、100000プリント中逸脱して大きなバラツキが認められ、安定したトナー濃度制御がなされていなかった。
【0129】
これに対して、本発明方式によれば、定着手段17のウォームアップ時間を延長させることなく、複数のプロセス線速モードにおいて、トナー濃度Tcのほぼ8質量%前後に制御がなされ、安定したトナー濃度制御を行うことができた。この100000枚プリントにおいて、画像かぶりやトナー飛散のない良好なプリント画像が得られた。しかも、目標値のトナー濃度Tc=8質量%に対して、Y,M,C,K4色のトナー濃度Tcは何れも±0.1%以内に制御され、Y,M,C,K4色のトナー濃度Tcの平均値は±0.05%以内に維持されていることが認められた。
【0130】
このように、本発明に係る実施例としてカラー画像形成装置100によれば、Y、M、C及びK色用の現像装置4Y、4M、4C、4Kに関して、本発明に係る現像装置40が応用されるので、帯電可能な感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段15はトナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを検出すると共に、不揮発メモリ29から補正係数ΔVL/ΔVcを読み出して当該トナー濃度センサSDの制御電圧の値Vcを補正し、補正後の制御電圧の値Vcで当該トナー濃度センサSDを駆動するようになされる。
【0131】
従って、朝一のウォームアップ時間を延長させることなく、非常に安定したトナー濃度制御を行なうことができるばかりか、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧の値Vcをトナー濃度センサSDに印加することができる。これにより、当該装置100のウォームアップ時には標準線速に係るトナー濃度センサSDの出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。従って、当該カラー画像形成装置100を応用したカラー用のディジタル複合機等を提供することができる。
【0132】
また、線速ダウン時の初期的なセンサ出力不安定から生じるトナー飛散や、画像かぶりも発生せず、安定した画像を得ることができた。上述した感光体についてはドラム状の場合について説明したが、これに限られることはなく、中間転写体を兼用したベルト状の感光体にも本発明を適用することができる。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る現像装置によれば、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、現像剤の透磁率を検出する検出手段からの出力電圧の値及び現像剤担持体の線速に基づいて容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段を備え、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧の値を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようにしたものである。
【0134】
この構成によって、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0135】
本発明に係る現像装置の制御方法によれば、現像装置に取り付けられたトナー濃度検出用のセンサ系の制御電圧の値を調整する場合に、現像剤投入時に、標準線速を含む所定の1/N線速についてトナー濃度初期調整を行い、センサ系の制御電圧の値及び出力電圧の値と、当該センサ系で現像濃度一定を示す出力電圧が得られる制御電圧と、標準線速時のセンサ系の出力電圧と1/N線速時におけるセンサ系の出力電圧との差及び、標準線速時のセンサ系の制御電圧と1/N線速時におけるセンサ系の制御電圧との差を各々求め、これらに基づいて線速変更時の補正係数を求め、当該装置起動後の線速変更時には、この補正係数に基づいて当該センサ系の制御電圧の値を演算し、ここで演算された制御電圧値を当該センサ系に設定するようになされる。
【0136】
この構成によって、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧をセンサ系に供給することができる。従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係るセンサ出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0137】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る現像装置が応用されるので、帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する場合に、当該装置起動後の線速変更時に、制御手段は検出手段の制御電圧を検出すると共に、記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、補正後の制御電圧で当該検出手段を駆動するようになされる。
【0138】
この構成によって、当該装置起動後の線速変更時に、現像剤投入時のようなトナー濃度初期調整を行なうことなく、演算処理によって得た補正後の制御電圧を検出手段に供給することができる。従って、当該装置のウォームアップ時には標準線速に係る検出手段の出力調整のみで済むので、ウォームアップ時間を延長させることなく、各線速毎に安定したトナー濃度制御を行なうことができる。
【0139】
この発明は、複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒用及びカラー用のディジタル複合機や複写機等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての現像装置40の構成例を示すブロック図である。
【図2】現像装置40のトナー濃度制御時の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る実施例としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す断面の概念図である。
【図4】カラー画像形成装置100に実装される現像装置4Y等の構成例を示す断面図である。
【図5】カラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】トナー濃度センサSDのセンサ出力対トナー濃度の関係例を示す動作特性図である。
【図7】カラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時)を示すフローチャートである。
【図8】カラー画像形成装置100のトナー濃度制御時の動作例(現像剤投入時以外)を示すフローチャートである。
【図9】効果確認テストに係る対策前後のトナー濃度Tc[%]の検出例を示す特性比較図である。
【図10】従来例に係るトナー濃度センサによる検出例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 感光体
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
2Y,2M,2C,2K 帯電手段
3Y,3M,3C,3K 露光手段
4Y,4M,4C,4K 現像手段
6 中間転写ベルト(転写手段)
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成手段)
13 記憶手段
14 操作部
15 制御手段
17 定着手段
18 現像剤
29 不揮発メモリ(記憶手段)
33 画像メモリ
40 現像装置
40D 現像容器
41 現像担持体
60 駆動手段
100 カラー画像形成装置(画像形成装置)
SD トナー濃度センサ(検出手段)
Claims (14)
- 帯電可能な感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置であって、
前記静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤を収容する容器と、
前記現像剤を担持して感光体に付着するために前記容器内で回転可能に設けられた現像剤担持体と、
前記容器に取付けられて現像剤の透磁率を検出する検出手段と、
前記検出手段からの出力電圧及び前記現像剤担持体の線速に基づいて前記容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段と、
前記検出手段の制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段とを備え、
当該装置起動後の線速変更時に、
前記制御手段は、
前記検出手段の制御電圧を検出すると共に、前記記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、
補正後の前記制御電圧で当該検出手段を駆動することを特徴とする現像装置。 - 前記記憶手段には、少なくとも、
現像剤投入時に、トナー濃度初期調整を行って取得された前記現像剤担持体の標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)についての前記検出手段の制御電圧及び出力電圧と、
当該検出手段で現像濃度一定を示す出力電圧が得られる制御電圧と、
前記標準線速時の検出手段の出力電圧と1/N線速時における検出手段の出力電圧から求められた第1の電圧差と、
前記標準線速時の検出手段の制御電圧と1/N線速時における検出手段の制御電圧から求められた第2の電圧差と、
前記検出手段の第1の電圧差及び第2の電圧差に基づいて求められた線速変更時の補正係数とが格納されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記制御手段は、
当該装置起動後の線速変更時に、
前記現像剤担持体の標準線速における検出手段の出力電圧と線速変更時の検出手段の出力電圧との電圧差を算出すると共に、前記記憶手段から読み出した補正情報を前記電圧差に演算して線速変更時の制御電圧差を算出し、
前記制御電圧差に基づいて当該検出手段の制御電圧を決定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記制御手段は、
当該装置のウォームアップ時に、
標準線速で前記検出手段の出力に応じたトナー濃度制御を実行し、
適正なトナー濃度に調整してから標準線速で前記検出手段によるトナー濃度初期調整を実行することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記制御手段は、
標準線速から線速降下への変更時に、所定時間内は前記検出手段の出力値に関係なく、トナー補給制御を行わないことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記現像剤には、
粒径が8.0μm以下のトナーと、粒径が65μm以下のキャリヤから成る2成分混合剤が用いられることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 現像剤担持体を含む現像装置に取り付けられたトナー濃度検出用のセンサ系の制御電圧を調整する方法であって、
現像剤投入時に、前記現像剤担持体の標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)についてトナー濃度初期調整を行って前記センサ系の制御電圧及び出力電圧を取得すると共に、当該センサ系で現像濃度一定を示す出力電圧が得られる制御電圧を取得し、
前記標準線速時のセンサ系の出力電圧と1/N線速時におけるセンサ系の出力電圧との差及び、前記標準線速時のセンサの制御電圧と1/N線速時におけるセンサ系の制御電圧との差を各々求め、
前記センサ系の出力電圧の差及び制御電圧の差に基づいて線速変更時の補正情報を求め、
当該現像装置起動後の線速変更時には、
前記補正情報に基づいて当該センサ系の制御電圧を演算し、
演算された前記制御電圧を当該センサ系に設定することを特徴とする現像装置の制御方法。 - 前記現像装置起動後の線速変更時に、
前記現像剤担持体の標準線速におけるセンサ系の出力電圧と線速変更時のセンサ系の出力電圧との電圧差を算出し、前記電圧差に前記補正情報を演算して線速変更時の制御電圧差を算出し、
前記制御電圧差に基づいて当該センサの制御電圧を決定するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の現像装置の制御方法。 - 任意の画像データに基づいて画像を形成する装置であって、
回転可能な感光体と、
前記感光体を一様に帯電する帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電された感光体に前記画像データに基づいて露光走査し該感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、
前記露光手段によって露光された静電潜像を現像する現像装置と、
前記帯電、露光、現像を少なくとも1回行い該感光体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、
前記転写材上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備え、
前記現像装置は、
前記静電潜像を現像するための非磁性のトナーと磁性体キャリアからなる現像剤を収容する容器と、
前記現像剤を担持して感光体に付着するために前記容器内で回転可能に設けられた現像剤担持体と、
前記容器に取付けられて現像剤の透磁率を検出する検出手段と、
前記検出手段からの出力電圧及び前記現像剤担持体の線速に基づいて前記容器内にトナーを補給し濃度を制御する制御手段と、
前記検出手段の制御電圧を調整するための補正情報を格納した記憶手段とを有し、
当該装置起動後の線速変更時に、
前記制御手段は、
前記検出手段の制御電圧を検出すると共に、前記記憶手段から補正情報を読み出して当該検出手段の制御電圧を補正し、
補正後の前記制御電圧で当該検出手段を駆動することを特徴とする画像形成装置。 - 前記記憶手段には、少なくとも、
現像剤投入時に、トナー濃度初期調整を行って取得された前記現像剤担持体の標準線速を含む所定の1/N線速(N=2,3・・・)についての前記検出手段の制御電圧及び出力電圧と、
当該検出手段で現像濃度一定を示す出力電圧が得られる制御電圧と、
前記標準線速時の検出手段の出力電圧と1/N線速時における検出手段の出力電圧から求められた第1の電圧差と、
前記標準線速時の検出手段の制御電圧と1/N線速時における検出手段の制御電圧から求められた第2の電圧差と、
前記検出手段の第1の電圧差及び第2の電圧差に基づいて求められた線速変更時の補正係数とが格納されることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
当該装置起動後の線速変更時に、
前記現像剤担持体の標準線速における検出手段の出力電圧と当該線速変更時の前記検出手段の出力電圧との電圧差を算出し、前記記憶手段から読み出した補正情報を前記電圧差に演算して線速変更時の制御電圧差を算出し、
前記制御電圧差に基づいて当該検出手段の制御電圧を決定するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
当該装置のウォームアップ時に、
標準線速で前記検出手段の出力に応じたトナー濃度制御を実行し、
その後、標準線速で前記検出手段によるトナー濃度初期調整を実行することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
標準線速から線速降下への変更時に、所定時間内は前記検出手段の出力値に関係なく、トナー補給制御を行わないことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記現像剤には、
粒径が8.0μm以下のトナーと、粒径が65μm以下のキャリヤから成る2成分混合剤が用いられることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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