JP2004114876A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの空気圧が設定圧より低い場合に、そのタイヤを保護する。
【解決手段】右後輪14FRのタイヤの空気圧が設定圧より低いことが検出された場合には、ロータリシリンダ40の制御によりスタビライザバー16をねじることにより、右後輪14FRの荷重を小さくする。タイヤの空気圧が設定圧より低い車輪に加わる荷重を小さくすることによって、空気圧の低下速度を遅くすることができ、タイヤを長持ちさせることができる。
【選択図】図1
【解決手段】右後輪14FRのタイヤの空気圧が設定圧より低いことが検出された場合には、ロータリシリンダ40の制御によりスタビライザバー16をねじることにより、右後輪14FRの荷重を小さくする。タイヤの空気圧が設定圧より低い車輪に加わる荷重を小さくすることによって、空気圧の低下速度を遅くすることができ、タイヤを長持ちさせることができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、タイヤの状態に基づいて車両の状態を制御する車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両制御装置に関連する技術が特許文献1〜7に記載されている。これらのうち特許文献1には、車両制御装置の一例としてのタイヤの空気圧に基づいてショックアブソーバの減衰特性を制御する減衰特性制御装置が記載されている。この減衰特性制御装置においては、タイヤの空気圧が低い車輪に対応するショックアブソーバの減衰特性が大きくされ、車体と車輪との間の上下方向の相対速度が同じ場合により発生させられる減衰力が大きくされる。その結果、空気圧の低下に起因する操縦安定性の低下を抑制することができる。
【0003】
【特許文献1】特開平7−47829号公報
【特許文献2】特開平9−99723号公報
【特許文献3】特開2000−185535号公報
【特許文献4】特開平9−86134号公報
【特許文献5】特開平9−156338号公報
【特許文献6】特開2000−71736号公報
【特許文献7】特開平7−205830号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、空気圧が低いタイヤ、異常なタイヤ等を保護することである。この課題は、車両制御装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対応し、(2)項が請求項2に対応し、(5)項が請求項3に対応する。また、(7)項、(8)項、(10)項が請求項4,5,6に対応し、(14)項、(15)項が請求項7,8に対応する。
【0006】
(1)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの空気圧をそれぞれ取得する空気圧取得装置と、
その空気圧取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、その空気圧に応じた荷重より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、支持装置の制御により、空気圧が設定圧より低い車輪の荷重が、その空気圧に応じた荷重より小さい大きさにされる。それによって、空気圧が低いタイヤの負担を小さくし得、タイヤを保護することができる。
例えば、普通乗用車においては、車体が支持装置を介して4つの車輪によって支持される。支持装置は、車体を弾性的に支持するものであり、弾性力発生装置を含む。弾性力発生装置は、剛体の弾性変形により弾性力を発生させるスプリング、スタビライザバー等を含むものであっても、エア、液体等の流体の圧力により弾性力を発生させるエアチャンバ、シリンダ等を含むものであっても、電磁力により弾性力を発生させる電磁ばねを含むものであってもよい。車輪と車体との間の相対距離の変化等に基づいて弾性力が発生させられる。本項に記載の車両制御装置においては、その空気圧の低下した車輪と車体との間の支持装置の弾性力がその支持装置の制御により一層小さくされて、車輪に加わる荷重が上記空気圧に応じた大きさより小さくされるのである。
本項に記載の車両制御装置においては、空気圧が設定圧より低い車輪の荷重が、定常的に(常に)その空気圧に応じた大きさより小さくされる。例えば、車両の走行状態においても停止状態においても小さくされ、車両の姿勢が変化する過渡的な状態においても姿勢がほぼ一定である定常状態においても小さくされる。前記特許文献2には、空気圧が低い車輪に対応するショックアブソーバの減衰特性を小さくし、空気圧が標準的な大きさの車輪に対応するショックアブソーバの減衰特性を大きくすることが記載されている。これによって、車両の姿勢が変化する過渡的な状態において、空気圧が低い車輪に加わる荷重が小さくなる。しかし、荷重が小さくなるのは車両の姿勢が変化する過渡的な場合だけであり、常に小さくなるわけではない。また、前記特許文献7には、1つの車輪の空気圧が低くなった場合に発生するヨーモーメントを抑制することが記載されている。空気圧が低い車輪においては制動力が大きくなるため、左右輪間に制動力差が生じ、それによってヨーモメントが発生する。このヨーモーメントを抑制するために後輪を転舵するのである。この後輪の転舵によって、結果として、空気圧が低い車輪に加わる荷重が小さくなる効果が生じる。しかし、荷重が小さくなるのは制動中に限ったことであり、常に小さくなるわけではない。
それに対し、本項に記載の車両制御装置においては、空気圧が低い車輪の荷重が常に小さくされるため、より効果的にタイヤの負担を小さくすることができる。
なお、空気圧の設定圧は、種々の基準に基づいて決定することができる。例えば、タイヤの状態が空気圧が低すぎる異常な状態であるかどうかを基準として決定したり、異常であるかどうかとは関係なく決定したりすることができる。具体的には、空気圧が標準的な大きさであるかどうかの基準に基づいて決定したり、タイヤ交換を行った方がよいかどうかの基準に基づいて決定したり、走行困難であるかどうかの基準に基づいて決定したりすることができる。例えば、タイヤの状態が、空気圧が低すぎる異常な状態でなくても、その車輪の荷重を小さくして、空気圧の低下速度を遅くすることは有効なことである。それによって、タイヤを長持ちさせることができる。
また、支持装置制御装置は、荷重低減装置と称することができ、車両制御装置は、空気圧が設定圧より低い車輪のタイヤを保護するタイヤ保護装置と称することができる。
(2)前記支持装置が、左側輪と右側輪との間に設けられたスタビライザバーを含み、
前記支持装置制御装置が、前記空気圧取得装置によって前記左側輪と右側輪とのうちのいずれか一方の車輪の空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、前記スタビライザバーのねじれ状態を制御することにより、その空気圧が設定圧より低い車輪に加わる荷重を小さくするねじれ状態制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、スタビライザバーを利用して、右側輪と左側輪とのいずれか一方の車輪の荷重が小さくされ、他方の車輪の荷重が大きくされる。
スタビライザバーがねじられると、元に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生し、この弾性力が、一方の側の車輪の荷重を小さくする向きに作用し、他方の側の車輪の荷重を大きくする向きに作用する。
荷重を小さくすべき車輪が左右いずれのものであるかにより、スタビライザバーのねじり方向が決められ、右側輪と左側輪とのそれぞれの荷重の変化量をいくつにすべきかに基づいてスタビライザバーのねじり量が決められる。
(3)前記ねじれ状態制御部が、前記スタビライザバーのねじれ方向とねじれ量との少なくとも一方を制御するものである(2)項に記載の車両制御装置。
(4)前記支持装置が、前記スタビライザバーの途中に設けられたロータリアクチュエータを含み、前記ねじれ状態制御部が、そのロータリアクチュエータの制御により、前記スタビライザバーのねじれ状態を制御するアクチュエータ制御部を含む(2)項または(3)項に記載の車両制御装置。
ロータリアクチュエータの制御により、スタビライザバーのねじれ状態が制御される。例えば、ロータリアクチュエータは、スタビライザバーのトーションバー部が2つに分割され、これら2つに分割されたロッド間に設けることができる。ロータリアクチュエータの作動により、2つのロッドが、互いに軸線回りに相対回動させられて、スタビライザバーがねじられる。この2つのロッドの相対回動量と相対回動の方向との少なくとも一方が制御される。
(5)前記スタビライザバーが、左前輪と右前輪との間と、左後輪と右後輪との間とにそれぞれ設けられ、
前記ねじれ状態制御部が、前輪側に設けられたスタビライザバーのねじれ方向と後輪側に設けられたスタビライザバーのねじれ方向とが互いに逆向きになるように制御するねじれ方向制御部を含む(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、前輪側のスタビライザバーと後輪側のスタビライザバーとが互いに逆方向にねじられる。例えば、左右後輪のいずれか一方の車輪の空気圧が設定圧より低いことが取得され、後輪側のスタビライザバーがねじられる場合には、たとえ、左右前輪の空気圧がいずれも設定圧以上であっても、前輪側のスタビライザバーが後輪側のスタビライザバーと逆向きにねじられるのである。スタビライザバーのねじりによって車体にロールモーメントが生じるが、そのロールモーメントの方向が車体の前輪側の部分と後輪側の部分とで逆向きにされるのであり、車体全体に生じるロールモーメントを、後輪側と前輪側とのいずれか一方のスタビライザバーのみがねじられる場合に比較して、小さくすることができる。
(6)前記ねじれ状態制御部が、前記前輪側のスタビライザバーのねじれに起因して生じるロールモーメントの大きさと、後輪側のスタビライザバーのねじれに起因して生じるロールモーメントの大きさとがほぼ同じになるように制御するねじれ量制御部を含む(5)項に記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置によれば、前輪側に生じるロールモーメントと後輪側に生じるロールモーメントとが、ほぼ同じ大きさで、かつ、向きが逆になる。その結果、車体全体に生じるロールモーメントをほぼ0にすることができ、運転者の視線の変化を小さくすることができる。
(7)前記支持装置が、前記複数の車輪に加わる荷重をそれぞれ変更可能なアクチュエータを含み、
前記支持装置制御装置が、前記アクチュエータの制御により、前記空気圧取得装置により空気圧が設定圧より低いことが取得された少なくとも1輪に加わる荷重を小さくするアクチュエータ制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、アクチュエータの制御により、各輪毎に加わる荷重が小さくされる。例えば、アクチュエータが、車輪と車体との間に弾性力を発生させるものである場合には、そのアクチュエータの制御により、その弾性力を小さくして、その車輪の荷重を小さくすることができる。
本項に記載の車両制御装置には、(3)項ないし(6)項に記載の技術的特徴を採用することができる。例えば、空気圧が設定圧より低い車輪に対応するアクチュエータの制御により、車体にロールモーメントが生じる場合には、そのロールモーメントが抑制されるように、空気圧が設定圧以上の車輪に対応するアクチュエータも制御されることがあるのである。
(8)前記車両の走行速度を制御可能な走行速度制御装置と、
前記支持装置制御装置によって前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、前記走行速度制御装置の制御により、前記車両の走行速度が設定速度より大きくなることを阻止する走行速度制限装置とを含む(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両制御装置。
走行速度が設定速度より大きくなることが阻止されるようにすれば、支持装置の制御により空気圧が低い車輪の荷重が小さくされたことに起因する車両の走行安定性の低下を抑制することができる。
(9)前記車両の前輪側と後輪側との少なくとも一方の側に設けられ、その少なくとも一方の側に属する各車輪の舵角を制御可能な舵角制御装置と、
その舵角制御装置を、前記支持装置制御装置によって前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、前記支持装置制御装置によって前記荷重が小さくされない場合と異なる態様で制御する空気圧低下時舵角制御部とを含む(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両制御装置。
(10)前記舵角制御装置が、前記少なくとも一方の側に属する車輪の舵角を、運転者による操舵部材の操作状態に応じて制御可能な操舵状態対応舵角制御部を含む(9)項に記載の車両制御装置。
舵角制御装置は、前輪側に設けられても、後輪側に設けられても、両方の側に設けられてもよい。
例えば、後輪が前輪舵角に基づいて同相(前輪舵角と同じ向き)または逆相(前輪舵角と逆向き)に転舵される場合がある。この場合において、支持装置の制御により少なくとも1輪の荷重が小さくされる場合には、後輪が逆相に転舵されないようにすることができる。また、後輪の舵角の制御自体が行われないようにすることもできる。
さらに、車輪の舵角が、運転者による操舵部材の操作状態に基づいて決まる目標値になるように制御される場合がある。操舵部材としてのステアリングホイールの操作角に基づいて舵角の目標値が決定される場合のゲインが、支持装置の制御により少なくとも1輪の荷重が小さくされる場合は通常時より小さくされるようにすることができる。
それによって、空気圧が低い車輪の荷重が低減されたことに起因する走行安定性の低下を抑制することができる。
(11)前記空気圧低下時舵角制御部が、前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、小さくされない場合より、舵角の絶対値が小さくなるように制御する(9)項または(10)項に記載の車両制御装置。
【0007】
(12)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの空気圧をそれぞれ取得する空気圧取得装置と、
前記支持装置の制御により、前記空気圧取得装置によって取得された空気圧が低い車輪に加わる荷重をその空気圧に応じた荷重より小さくし、空気圧が高い車輪に加わる荷重を、前記空気圧が低い車輪の荷重が小さくされない場合より大きくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(11)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
(13)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの空気圧をそれぞれ取得する空気圧取得装置と、
その空気圧取得装置によって複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの空気圧が標準的な大きさから設定圧以上低くなったことが取得された場合に、前記支持装置を制御することにより、前記少なくとも1輪に加わる荷重をその空気圧の低下に起因する荷重の低下量以上小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、支持装置の制御によって、空気圧が低下したことが取得された車輪の荷重が小さくされるのであるが、その荷重の低下量がその車輪の空気圧低下に起因する荷重低下量より大きくなるように制御される。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(12)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
【0008】
(14)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が異常であることが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1輪に加わる荷重を、タイヤ状態が正常である場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
タイヤの状態は、例えば、タイヤの温度、振動、空気圧等で表すことができる。タイヤの温度が設定温度以上である場合、振動が設定状態以上である場合(例えば、上下方向または前後方向のタイヤに加わる振動の振幅が設定値以上である場合、振動の周波数が設定周波数以上である場合等がある)、空気圧が第1設定圧より低い場合や第2設定圧以上である場合には、タイヤの状態が異常であるとすることができる。空気圧についての第1設定圧は、例えば、走行が困難であるかどうかの基準となる値とすることができ、第2設定圧は過荷重状態、過熱状態であるかどうかの基準となる値とすることができる。
本項に記載の車両制御装置においては、タイヤの状態が異常である場合には、その車輪に加わる荷重が小さくされる。それによって、タイヤの負担を軽減し、タイヤを保護することができる。具体的には、タイヤの発熱を抑制し得、タイヤが異形変形させられることを回避することができる。また、タイヤの異常の程度の進行速度を遅くすることができる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。すなわち、上述の各項における「空気圧が設定圧より低い車輪」を「タイヤ状態が異常である車輪」に置き換えることができるのである。
(15)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記車両の予め定められた定常走行状態において、前記支持装置の制御により、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、前記支持装置の制御が行われない場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、車両の予め定められた定常走行状態において、荷重が小さくされる。定常走行状態は、走行状態が変化する過渡的な状態でない状態であり、定速直進走行状態、定速旋回走行状態等が該当する。定速直進走行状態と定速旋回走行状態との少なくとも一方において荷重が小さくされる。例えば、定速直進走行状態と定速旋回走行状態との両方において荷重が小さくされるようにしたり、定速旋回状態においてのみ荷重が小さくされるようにしたりすることができる。
タイヤ状態についての設定状態範囲は、タイヤ状態が異常であるかどうかに基づいて決定したり、異常であるかどうかとは関係なく決定したりすることができる。例えば、タイヤ状態が標準的な状態であるかどうかに基づいて決定されるようにしたり、走行が困難な状態であるかどうかに基づいて決定されるようにしたり、タイヤ交換が必要であるかどうかに基づいて決定されるようにしたりすることができる。
本項に記載の車両制御装置に、(1)項ないし(13)項のいずれかの技術的特徴を、「空気圧が設定圧より低い車輪」を「タイヤ状態が設定状態範囲を外れた車輪」に置き換えて採用することができる。
(16)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定範囲内にないことが取得された場合に、前記支持装置の制御により、前記車両の姿勢が予め定められた姿勢に保たれる状態において、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、前記支持装置の制御が行われない場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、車両の姿勢が予め定められた姿勢にある場合に、荷重が小さくされる。例えば、ほぼ水平な姿勢に保たれる場合、前後方向の軸線に対して回動した姿勢(ロール)に保たれる場合、幅方向の軸線に対して回動した姿勢(ピッチ)に保たれる場合等が該当し、これらのうちの少なくとも1つの姿勢が保たれる場合に、荷重が小さくされるのである。
本項に記載の車両制御装置に、(1)項ないし(13)項のいずれかの技術的特徴を、「空気圧が設定圧より低い車輪」を「タイヤ状態が設定範囲を外れた車輪」に置き換えて採用することができる。
(17)前記支持装置が、右側輪と左側輪との間に設けられたスタビライザバーと、そのスタビライザバーの剛性をみかけ上変更可能な剛性変更アクチュエータとを含み、前記支持装置制御装置が、前記タイヤ状態取得装置によって、右側輪と左側輪との少なくとも一方の車輪のタイヤの状態が設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記剛性変更アクチュエータを制御することにより、前記スタビライザバーの剛性をみかけ上小さくする剛性低下部を含む(15)項または(16)項に記載の車両制御装置。
剛性変更アクチュエータは、スタビライザバーの剛性をみかけ上変更可能なものであり、例えば、(4)項に記載のロータリアクチュエータとすることができる。ロータリアクチュエータによれば、スタビライザバーの相対回動が自由に許容される状態(剛性がみかけ上小さい状態)と、自由な相対回動を阻止する状態(剛性がみかけ上大きい状態)とに切り換えることができる。。
スタビライザバーの剛性がみかけ上に小さくされれば、定速旋回走行中、車両の姿勢が前後方向の軸線回りに傾斜した姿勢にある場合に、荷重が小さくされることになる。なお、スタビライザバーの剛性は、旋回走行中にのみ小さくされるようにすることもできる。
(18)車両の幅方向に並んだ2つの右側輪と左側輪との間に設けられたスタビライザバーと、
そのスタビライザバーの剛性とねじれ状態との少なくとも一方を制御可能なスタビライザ制御装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲内から外れたことが取得された場合に、前記スタビライザ制御装置の制御により、その少なくとも1輪に加わる荷重を、前記スタビライザ制御装置の制御が行われない場合より小さくする荷重低減装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、スタビライザバーの剛性のみかけ上の制御と、ねじれ状態の制御との少なくとも一方によって、タイヤ状態が設定範囲内にない車輪の荷重が小さくされる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(17)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
(19)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、前記支持装置の制御が行われない場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、タイヤ状態が設定範囲内にない車輪の荷重が支持装置の制御により小さくされるのであり、荷重が積極的に小さくされる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(18)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
【0009】
(20)車両の複数の車輪と車体との間に設けられたサスペンション装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪すべてのタイヤ状態が予め定められた設定状態範囲内にあることが取得された場合に、前記サスペンション装置を前記車両の走行状態に基づいて制御し、前記タイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記サスペンション装置を、その少なくとも1輪に加わる荷重が小さくなるように制御するサスペンション制御装置とを含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置において、少なくとも1輪のタイヤ状態が設定範囲内にない場合には、サスペンション装置が、その車輪の荷重が小さくなるように制御される。この場合には、走行状態に基づく制御が行われないようにすることができる。また、走行状態に基づく制御が、すべての車輪のタイヤ状態が設定範囲内にある場合とは異なる態様で行われるようにすることができる。後者の場合には、走行状態に基づく制御と荷重が小さくされる制御との両方が並行して行われることになる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(19)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態である車両制御装置について図面に基づいて詳細に説明する。本車両制御装置においては、図2に示すように、車輪と車体との間に設けられた支持装置8が制御される。支持装置8は、スタビライザバーを備えたサスペンション装置である。
図1において、前輪側において、右側輪10FRと左側輪10FLとの間にスタビライザバー12が設けられ、後輪側において、右側輪14RRと左側輪14RLとの間にスタビライザバー16が設けられる。スタビライザバー12、16は、ねじれにより弾性力を発生させる部材であり、概してコの字形を成したものである。それぞれの、中間部の車両の幅方向に延びた中間ロッド部24と、中間ロッド部24と一体的に設けられ、それの両側の車両のほぼ長手方向に延びた左,右アーム部26,28とを有する。
スタビライザバー12,16は、左,右アーム部26,28の端部に設けられた連結部30において、車輪を車体側部材に揺動可能に支持するロアアームに連結される。連結部30は、ゴムブッシュまたはボールジョイントを有する。
【0011】
スタビライザバー12,16は中間ロッド部24において左側部分42,右側部分44の2つに分割されて、これらの間にロータリシリンダ40が設けられる。分割されたスタビライザバー12,16の左側部分42がロータリシリンダ40のハウジング50(図3参照)に相対回転不能に取り付けられ、右側部分44がロータ52(ベーン部材と称することもできる)に相対回転不能に取り付けられる。
【0012】
ハウジング50は、図1に示すように、車両の幅方向に延びた概して円筒状を成したものであり、ロータ52は、ハウジング50の内側に、軸線Lの回りに相対回転可能に配設される。ロータ52には、仕切部材としての2枚のベーン54,56が互いに180度隔たった位置に、ハウジング50の内周面に液密かつ摺動可能に設けられる。また、ハウジング50には、2つの仕切部材62,64が、ロータ52に液密かつ摺動可能に設けられる。
このように、本実施形態におけるロータリシリンダ40においては、仕切部材62,64、仕切部材としてのベーン54,56によってハウジング50とロータ52との間の空間が4つの液圧室70,72,74,76に仕切られる。これらのうちの互いに対角位置にある2つの液圧室70,74が連通路78によって連通させられ、互いに対角位置にある2つの液圧室72,76が連通路80によって連通させられる。2つの液圧室70,74を合わせて第1液圧室82,2つの液圧室72,76を合わせて第2液圧室84と称する。
【0013】
ロータリシリンダ40には、電磁制御弁88,90を介してポンプ装置92が接続される。ポンプ装置92は、高圧源94とリザーバ96とを含む。高圧源94はポンプとアキュムレータとの少なくとも一方を含む。
電磁制御弁88は、第1液圧室82,第2液圧室84を、それぞれ遮断する遮断位置と、第1液圧室82,第2液圧室84を電磁制御弁90に接続する制御位置とに切り換え可能なものであり、ソレノイドに電流が供給されない状態においては遮断位置にある。遮断位置においては、ハウジング50とロータ52との相対回転が阻止されるため、スタビライザバー12,16は1本のロッドと同じ状態なる。
電磁制御弁90は、第1液圧室82を高圧源94に接続し、第2液圧室84をリザーバ96に接続する第1位置と、第1液圧室82をリザーバ96に接続し、第2液圧室84を高圧源94に接続する第2位置と、第1液圧室82と第2液圧室84とを互いに連通させるともに、これらをポンプ装置92から遮断する第3位置とに切り換え可能なものである。第3位置においては、高圧源94がリザーバ96に連通させられ、高圧源94がポンプである場合にその吐出圧が過大になることが回避される。電磁制御弁88の制御位置において、電磁制御弁90が、第1位置、第2位置、第3位置に切り換えられることにより、スタビライザバー12,16のねじれ状態が制御される。
【0014】
電磁制御弁88,90は、図4に示すように、コンピュータを主体とするスタビライザECU100によって制御される。スタビライザECU100は、CPU102,ROM104,RAM106,入出力部108等を備えたものであり、入出力部108には、タイヤ状態取得装置としての空気圧取得装置110、液圧センサ111が接続されるとともに、電磁制御弁88,90が図示しない駆動回路を介して接続される。また、入出力部108には、報知装置112,駆動装置113を制御する駆動ECU114,前輪10と後輪14との少なくとも一方を転舵させる転舵装置115を制御する転舵ECU116等が接続される。
【0015】
空気圧検出装置110FR,FL,RR,RLは、各車輪にそれぞれ設けられ、各車輪のタイヤの状態としての空気圧をそれぞれ取得する。例えば、(i)複数の車輪のタイヤにそれぞれに設けられた空気圧センサと送信装置とを備えた車輪側装置と、(ii)車輪側装置から無線の通信により送信される空気圧を表す情報を受信する受信装置とその受信装置において受信された空気圧情報を処理する情報処理装置とを備えた車体側装置とを含むものとしたり、(i)各車輪の回転角速度を検出する回転速度センサと、(ii) 回転速度センサによって検出された回転角速度に基づいて外乱オブザーバ、共振周波数を利用して空気圧を推定する空気圧推定部とを含むものとしたりすることができる。
液圧センサ111f1,f2,r1,r2は、前輪側、後輪側のロータリシリンダ40の第1液圧室82,第2液圧室84の液圧をそれぞれ検出するものである。これら第1液圧室82,第2液圧室84の液圧の変化量がスタビライザバー12,16のねじれ量に対応し、ねじれ量がスタビライザバー12,16のそれぞれの側の車輪の荷重変化量に対応する。
【0016】
駆動ECU114は、スタビライザECU100の指令に基づいて駆動装置113を、車両の走行速度が設定速度以上にならないように制限する。空気圧が低い車輪がある場合に最高速度を制限するのである。
転舵ECU116は、スタビライザECU100の指令に基づいて転舵装置115を、通常時とは異なる態様で制御する。例えば、通常時には、転舵装置115が、運転者によるステアリングホイールの操舵角θおよび車速Vに基づいて決まる目標値に近づくように制御される場合において、空気圧が低い車輪がある場合には、その目標値が決定される際のゲインが小さくされ、舵角の絶対値が小さめに制御されるようにすることができる。また、転舵装置115が後輪側に設けられる場合において、後輪14RR,14RLが同相または逆相に転舵される場合に、逆相の転舵が禁止されるようにすることもできる。さらに、転舵装置115の制御自体が行われないようにすることもできる。
【0017】
電磁制御弁88,90のソレノイドに電流が供給されない状態においては、電磁制御弁88は遮断位置にあり、電磁制御弁90は第1位置にある。ロータリシリンダ40において、第1液圧室82,84が遮断されるため、スタビライザバー12,16は、1本の剛体である場合と同様に作動させられる。
電磁制御弁88の制御位置において、電磁制御弁90が第1位置にある場合には、第1液圧室82の液圧が第2液圧室84の液圧より高くなる。ロータ52は、ハウジング50に対して矢印Pの方向に相対回動させられ、スタビライザバーの左側部分42と右側部分44とが互いに相対回動させられる。
電磁制御弁90が第2状態にある場合には、第2液圧室86の液圧の方が高くなるため、ロータ52は、矢印Q方向に相対回転させられる。電磁制御弁90が第3状態にある場合には、第1液圧室82と第2液圧室86とが互いに連通させられる。高圧側の液圧室から低圧側の液圧室への自由な作動液の流れが許容されて、スタビライザバー12,16において左側部分42と右側部分44との自由な相対回動が許容される。右側輪と左側輪との上下方向の相対移動が自由に許容されるのである。
【0018】
本実施形態においては、空気圧取得装置110によって少なくとも1輪のタイヤの空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、その車輪を含む2つの車輪の間に設けられたスタビライザバーが強制的にねじられ、その空気圧が設定圧より低いとされた車輪に加わる荷重が小さくされる。また、スタビライザバーをねじることによって車体にロールモーメントが生じるが、そのロールモーメントを抑制するために、他方の側のスタビライザバーが逆方向にねじられる。
本実施形態においては、空気圧が設定圧より低いことが取得された場合にはスタビライザバーが予め定められたねじれ量だけねじられるようにされているが、ねじれ量がその車輪の空気圧または空気圧の低下量に基づいてその都度決められるようにすることもできる。
【0019】
本実施形態においては、図5のフローチャートで表されるスタビライザバーねじれ状態制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、各車輪の空気圧が読み込まれ、S2において、空気圧が設定圧より低い車輪があるかどうかが判定される。設定圧より低い車輪がある場合には、S3〜S6において、空気圧が設定圧より低い車輪がいずれの車輪であるかが判定される。
空気圧が設定圧より低い車輪が右前輪10FR、左後輪14RLの少なくとも一方である場合には、S7において、前輪側のスタビライザバー12が、ロータリシリンダ40の制御により、右前輪10FRに加わる荷重が小さくなるようにねじられ、後輪側のスタビライザバー16が、左後輪14RLに加わる荷重が小さくなるようにねじられる。
それに対して、空気圧が設定圧より低い車輪が左前輪10FL、右後輪14RRの少なくとも一方である場合には、S8において、前輪側のスタビライザバー12が、左前輪10FLに加わる荷重が小さくなるようにねじられ、後輪側のスタビライザバー16が、右後輪14RRに加わる荷重が小さくなるようにねじられる。
本実施形態においては、第1液圧室82,第2液圧室86の液圧が予め定められた設定圧だけ大きくなるようにされる。例えば、電磁制御弁88の制御位置において、電磁制御弁90が第1位置あるいは第2位置にあり、液圧が設定圧だけ大きくなった場合に、電磁制御弁88が遮断位置に切り換えられるのである。
次に、S9,10において、駆動装置ECU114に、車両の走行速度を制限することの指令が供給され、転舵ECU116に、通常時と異なる態様で舵角を制御することの指令が供給される。
【0020】
具体的には、図6に示すように、右後輪14RRの空気圧が設定圧より小さいことが取得された場合には、後輪側のスタビライザバー16がねじられて、右後輪RRの荷重がΔf小さくされて、左後輪14RLの荷重がΔf大きくされる。このスタビライザバー16のねじりによって、車体の後輪側には、矢印R方向のロールモーメントMrが生じる。このロールモーメントMrの大きさは、トレッドベースをTとした場合に、Mr=|2Δf・T|(時計回りと正とする)となる。
また、前輪側のスタビライザバー12が、後輪側のスタビライザバー16と逆方向にねじられる。このスタビライザバー12のねじりによって、車体の前輪側において矢印SのロールモーメントMfが生じる。また、左前輪10FLの荷重が小さくされ(−Δf)、右前輪10FRの荷重が大きくなる(+Δf)。ロールモーメントMfの大きさは、Mf=|−2Δf・T|となる。
この場合には、後輪側において電磁制御弁88が制御位置にされ、電磁制御弁90が第1位置にされる。第1液圧室82に高圧源94が接続され、第2液圧室84にリザーバ96が接続される。ロータ52が矢印P方向に相対回動させられ、スタビライザバー16がねじられる。前輪側において電磁制御弁88が制御位置にされ、電磁制御弁90が第2位置にされる。第2液圧室86の液圧が第1液圧室82の液圧より大きくされて、ベーン52が矢印Q方向に相対回動させられて、スタビライザバー12がねじられる。
【0021】
これらから、車両の後輪側には、ロールモーメントMrが生じ、前輪側には、ロールモーメントMfが生じる。これらは、大きさが同じで向きが逆であるため、互いに打ち消し合い、車体全体のロールモーメントをほぼ0にすることができる。また、右後輪14RR、左前輪10FLの荷重がΔfだけ小さくされ、左後輪14RL、右前輪10FRの荷重がΔfだけ大きくされる。空気圧が設定圧より低い車輪とそれの対角位置にある車輪との荷重が小さくされ、それとは別の対角位置にある車輪の荷重が大きくされることになる。
【0022】
以上により、本実施形態においては、空気圧が設定圧より低い車輪の荷重が、それの空気圧に応じた大きさより小さくされる。その結果、空気圧の低減速度を遅くすることができ、タイヤを長持ちさせることができる。タイヤを保護することができ、車両を走行可能な状態に長く保つことができる。
また、本実施形態においては、空気圧の低い車輪の荷重が常に小さくされる。換言すれば、車両の停止状態においても、直進走行中においても、荷重が小さくされる。そのため、車両姿勢が変化する過渡状態にある場合、制動状態にある場合等の予め決められた状態にある場合にのみ、荷重が小さくされる場合に比較して、有効である。
【0023】
本実施形態においては、スタビライザECU100等によって支持装置制御装置が構成される。また、スタビライザECU100のうちの図5のフローチャートで表されるスタビライザバーねじれ状態制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりねじれ状態制御部が構成される。さらに、駆動ECU114を含む駆動装置113等によって走行速度制限装置が構成され、転舵ECU116を含む転舵装置115等によって舵角制御装置が構成される。転舵ECU116は空気圧低下時舵角制御部でもある。
【0024】
なお、上記実施形態においては、スタビライザバー12,16をねじることによって空気圧が小さい車輪の荷重が小さくされるようにされていたが、スタビライザバー12,16の剛性を小さくすることもできる。例えば、左右後輪14RR、14RLのいずれか一方の空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、電磁制御弁88を制御位置、電磁制御弁90を第3位置とする。その結果、スタビライザバー16において左側部分42と右側部分44との自由な相対回動が許容されることになり、スタビライザバー16の剛性がみかけ上小さくされる。それによって、車両の定常旋回走行中における左右後輪に加わる荷重を小さくすることができる。また、停止状態にあっても、車両の姿勢が前後方向に延びる軸線回りに傾斜した姿勢にある場合に荷重を小さくすることができる。
また、空気圧取得装置110に代えてタイヤの温度や振動の状態を検出するタイヤ温度,振動状態取得装置とすることもできる。タイヤの温度が設定温度以上である場合やタイヤの上下方向または前後方向の振動の振幅が設定値以上である場合、振動の周波数が設定数以上である場合等には、タイヤが異形変形する可能性が高いとして、加わる荷重を小さくする。その結果、タイヤの発熱を抑制し、タイヤの異常の程度の進行を抑制することもできる。
さらに、上記実施形態においては、例えば、後輪の空気圧が設定圧より低い場合に後輪側のスタビライザバー16がねじられるとともに、前輪側のスタビライザバー12もねじられて、車体のロールモーメントがほぼ0になるようにされていたが、このようにすることは不可欠ではない。空気圧が設定圧より低い車輪を含む2つの車輪の間に設けられたスタビライザバーのみがねじられるようにすることもできる。
また、前輪側のロールモーメントと後輪側のロールモーメントとの和がほぼ0になるように、スタビライザバー12,16がねじられるようにすることは不可欠ではない。これらの和によって、車体全体に加わるロールモーメントが後輪側のみにロールモーメントが加えられる場合より小さくなればよい。
【0025】
さらに、上記実施形態においては、スタビライザバー12,16のねじれ状態の制御により、空気圧が低い車輪の荷重が小さくされるようにされていたが、スタビライザバー12,16に限らず、それ以外のサスペンション装置の構成装置の制御によって荷重が小さくされるようにすることもできる。
その一例を図7に示す。図7において、エアサスペンション装置200が各輪毎に設けられる。エアサスペンション装置200は、エアチャンバ202、エア源204、エア源204とエアチャンバ202との間に設けられた電磁制御弁206等を含む。空気圧が設定圧より小さいことが取得された車輪に対応するエアサスペンション装置200において、バルブ206の制御によりエアチャンバ202の圧力が小さくされる。それによって、車体と路面との間の弾性力が小さくされ、荷重が小さくされるのである。本実施形態によれば、各車輪毎に荷重を制御することが可能となる。また、エアチャンバ202等によりアクチュエータが構成され、バルブ206,スタビライザECU100等によりアクチュエータ制御部が構成される。
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両制御装置であるスタビライザ制御装置を概念的に示す図である。
【図2】上記車両制御装置が搭載された車両を示す図である。
【図3】図2のaa断面図である。
【図4】上記車両制御装置のスタビライザECUの周辺を表す図である。
【図5】上記スタビライザECUの記憶部に記憶されたスタビライザバーねじり状態制御プログラムを表すフローチャートである。
【図6】上記車両制御装置による一制御例を表す図である。
【図7】本発明の別の一実施形態である車両制御装置を示す図である。
【符号の説明】
12,16:スタビライザバー 40:ロータリシリンダ
88,90:電磁制御弁 100:スタビライザECU
110:タイヤ状態取得装置 114:駆動ECU
116:転舵ECU 200:エアサスペンション装置
【発明が属する技術分野】
本発明は、タイヤの状態に基づいて車両の状態を制御する車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両制御装置に関連する技術が特許文献1〜7に記載されている。これらのうち特許文献1には、車両制御装置の一例としてのタイヤの空気圧に基づいてショックアブソーバの減衰特性を制御する減衰特性制御装置が記載されている。この減衰特性制御装置においては、タイヤの空気圧が低い車輪に対応するショックアブソーバの減衰特性が大きくされ、車体と車輪との間の上下方向の相対速度が同じ場合により発生させられる減衰力が大きくされる。その結果、空気圧の低下に起因する操縦安定性の低下を抑制することができる。
【0003】
【特許文献1】特開平7−47829号公報
【特許文献2】特開平9−99723号公報
【特許文献3】特開2000−185535号公報
【特許文献4】特開平9−86134号公報
【特許文献5】特開平9−156338号公報
【特許文献6】特開2000−71736号公報
【特許文献7】特開平7−205830号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、空気圧が低いタイヤ、異常なタイヤ等を保護することである。この課題は、車両制御装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対応し、(2)項が請求項2に対応し、(5)項が請求項3に対応する。また、(7)項、(8)項、(10)項が請求項4,5,6に対応し、(14)項、(15)項が請求項7,8に対応する。
【0006】
(1)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの空気圧をそれぞれ取得する空気圧取得装置と、
その空気圧取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、その空気圧に応じた荷重より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、支持装置の制御により、空気圧が設定圧より低い車輪の荷重が、その空気圧に応じた荷重より小さい大きさにされる。それによって、空気圧が低いタイヤの負担を小さくし得、タイヤを保護することができる。
例えば、普通乗用車においては、車体が支持装置を介して4つの車輪によって支持される。支持装置は、車体を弾性的に支持するものであり、弾性力発生装置を含む。弾性力発生装置は、剛体の弾性変形により弾性力を発生させるスプリング、スタビライザバー等を含むものであっても、エア、液体等の流体の圧力により弾性力を発生させるエアチャンバ、シリンダ等を含むものであっても、電磁力により弾性力を発生させる電磁ばねを含むものであってもよい。車輪と車体との間の相対距離の変化等に基づいて弾性力が発生させられる。本項に記載の車両制御装置においては、その空気圧の低下した車輪と車体との間の支持装置の弾性力がその支持装置の制御により一層小さくされて、車輪に加わる荷重が上記空気圧に応じた大きさより小さくされるのである。
本項に記載の車両制御装置においては、空気圧が設定圧より低い車輪の荷重が、定常的に(常に)その空気圧に応じた大きさより小さくされる。例えば、車両の走行状態においても停止状態においても小さくされ、車両の姿勢が変化する過渡的な状態においても姿勢がほぼ一定である定常状態においても小さくされる。前記特許文献2には、空気圧が低い車輪に対応するショックアブソーバの減衰特性を小さくし、空気圧が標準的な大きさの車輪に対応するショックアブソーバの減衰特性を大きくすることが記載されている。これによって、車両の姿勢が変化する過渡的な状態において、空気圧が低い車輪に加わる荷重が小さくなる。しかし、荷重が小さくなるのは車両の姿勢が変化する過渡的な場合だけであり、常に小さくなるわけではない。また、前記特許文献7には、1つの車輪の空気圧が低くなった場合に発生するヨーモーメントを抑制することが記載されている。空気圧が低い車輪においては制動力が大きくなるため、左右輪間に制動力差が生じ、それによってヨーモメントが発生する。このヨーモーメントを抑制するために後輪を転舵するのである。この後輪の転舵によって、結果として、空気圧が低い車輪に加わる荷重が小さくなる効果が生じる。しかし、荷重が小さくなるのは制動中に限ったことであり、常に小さくなるわけではない。
それに対し、本項に記載の車両制御装置においては、空気圧が低い車輪の荷重が常に小さくされるため、より効果的にタイヤの負担を小さくすることができる。
なお、空気圧の設定圧は、種々の基準に基づいて決定することができる。例えば、タイヤの状態が空気圧が低すぎる異常な状態であるかどうかを基準として決定したり、異常であるかどうかとは関係なく決定したりすることができる。具体的には、空気圧が標準的な大きさであるかどうかの基準に基づいて決定したり、タイヤ交換を行った方がよいかどうかの基準に基づいて決定したり、走行困難であるかどうかの基準に基づいて決定したりすることができる。例えば、タイヤの状態が、空気圧が低すぎる異常な状態でなくても、その車輪の荷重を小さくして、空気圧の低下速度を遅くすることは有効なことである。それによって、タイヤを長持ちさせることができる。
また、支持装置制御装置は、荷重低減装置と称することができ、車両制御装置は、空気圧が設定圧より低い車輪のタイヤを保護するタイヤ保護装置と称することができる。
(2)前記支持装置が、左側輪と右側輪との間に設けられたスタビライザバーを含み、
前記支持装置制御装置が、前記空気圧取得装置によって前記左側輪と右側輪とのうちのいずれか一方の車輪の空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、前記スタビライザバーのねじれ状態を制御することにより、その空気圧が設定圧より低い車輪に加わる荷重を小さくするねじれ状態制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、スタビライザバーを利用して、右側輪と左側輪とのいずれか一方の車輪の荷重が小さくされ、他方の車輪の荷重が大きくされる。
スタビライザバーがねじられると、元に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生し、この弾性力が、一方の側の車輪の荷重を小さくする向きに作用し、他方の側の車輪の荷重を大きくする向きに作用する。
荷重を小さくすべき車輪が左右いずれのものであるかにより、スタビライザバーのねじり方向が決められ、右側輪と左側輪とのそれぞれの荷重の変化量をいくつにすべきかに基づいてスタビライザバーのねじり量が決められる。
(3)前記ねじれ状態制御部が、前記スタビライザバーのねじれ方向とねじれ量との少なくとも一方を制御するものである(2)項に記載の車両制御装置。
(4)前記支持装置が、前記スタビライザバーの途中に設けられたロータリアクチュエータを含み、前記ねじれ状態制御部が、そのロータリアクチュエータの制御により、前記スタビライザバーのねじれ状態を制御するアクチュエータ制御部を含む(2)項または(3)項に記載の車両制御装置。
ロータリアクチュエータの制御により、スタビライザバーのねじれ状態が制御される。例えば、ロータリアクチュエータは、スタビライザバーのトーションバー部が2つに分割され、これら2つに分割されたロッド間に設けることができる。ロータリアクチュエータの作動により、2つのロッドが、互いに軸線回りに相対回動させられて、スタビライザバーがねじられる。この2つのロッドの相対回動量と相対回動の方向との少なくとも一方が制御される。
(5)前記スタビライザバーが、左前輪と右前輪との間と、左後輪と右後輪との間とにそれぞれ設けられ、
前記ねじれ状態制御部が、前輪側に設けられたスタビライザバーのねじれ方向と後輪側に設けられたスタビライザバーのねじれ方向とが互いに逆向きになるように制御するねじれ方向制御部を含む(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、前輪側のスタビライザバーと後輪側のスタビライザバーとが互いに逆方向にねじられる。例えば、左右後輪のいずれか一方の車輪の空気圧が設定圧より低いことが取得され、後輪側のスタビライザバーがねじられる場合には、たとえ、左右前輪の空気圧がいずれも設定圧以上であっても、前輪側のスタビライザバーが後輪側のスタビライザバーと逆向きにねじられるのである。スタビライザバーのねじりによって車体にロールモーメントが生じるが、そのロールモーメントの方向が車体の前輪側の部分と後輪側の部分とで逆向きにされるのであり、車体全体に生じるロールモーメントを、後輪側と前輪側とのいずれか一方のスタビライザバーのみがねじられる場合に比較して、小さくすることができる。
(6)前記ねじれ状態制御部が、前記前輪側のスタビライザバーのねじれに起因して生じるロールモーメントの大きさと、後輪側のスタビライザバーのねじれに起因して生じるロールモーメントの大きさとがほぼ同じになるように制御するねじれ量制御部を含む(5)項に記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置によれば、前輪側に生じるロールモーメントと後輪側に生じるロールモーメントとが、ほぼ同じ大きさで、かつ、向きが逆になる。その結果、車体全体に生じるロールモーメントをほぼ0にすることができ、運転者の視線の変化を小さくすることができる。
(7)前記支持装置が、前記複数の車輪に加わる荷重をそれぞれ変更可能なアクチュエータを含み、
前記支持装置制御装置が、前記アクチュエータの制御により、前記空気圧取得装置により空気圧が設定圧より低いことが取得された少なくとも1輪に加わる荷重を小さくするアクチュエータ制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、アクチュエータの制御により、各輪毎に加わる荷重が小さくされる。例えば、アクチュエータが、車輪と車体との間に弾性力を発生させるものである場合には、そのアクチュエータの制御により、その弾性力を小さくして、その車輪の荷重を小さくすることができる。
本項に記載の車両制御装置には、(3)項ないし(6)項に記載の技術的特徴を採用することができる。例えば、空気圧が設定圧より低い車輪に対応するアクチュエータの制御により、車体にロールモーメントが生じる場合には、そのロールモーメントが抑制されるように、空気圧が設定圧以上の車輪に対応するアクチュエータも制御されることがあるのである。
(8)前記車両の走行速度を制御可能な走行速度制御装置と、
前記支持装置制御装置によって前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、前記走行速度制御装置の制御により、前記車両の走行速度が設定速度より大きくなることを阻止する走行速度制限装置とを含む(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両制御装置。
走行速度が設定速度より大きくなることが阻止されるようにすれば、支持装置の制御により空気圧が低い車輪の荷重が小さくされたことに起因する車両の走行安定性の低下を抑制することができる。
(9)前記車両の前輪側と後輪側との少なくとも一方の側に設けられ、その少なくとも一方の側に属する各車輪の舵角を制御可能な舵角制御装置と、
その舵角制御装置を、前記支持装置制御装置によって前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、前記支持装置制御装置によって前記荷重が小さくされない場合と異なる態様で制御する空気圧低下時舵角制御部とを含む(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両制御装置。
(10)前記舵角制御装置が、前記少なくとも一方の側に属する車輪の舵角を、運転者による操舵部材の操作状態に応じて制御可能な操舵状態対応舵角制御部を含む(9)項に記載の車両制御装置。
舵角制御装置は、前輪側に設けられても、後輪側に設けられても、両方の側に設けられてもよい。
例えば、後輪が前輪舵角に基づいて同相(前輪舵角と同じ向き)または逆相(前輪舵角と逆向き)に転舵される場合がある。この場合において、支持装置の制御により少なくとも1輪の荷重が小さくされる場合には、後輪が逆相に転舵されないようにすることができる。また、後輪の舵角の制御自体が行われないようにすることもできる。
さらに、車輪の舵角が、運転者による操舵部材の操作状態に基づいて決まる目標値になるように制御される場合がある。操舵部材としてのステアリングホイールの操作角に基づいて舵角の目標値が決定される場合のゲインが、支持装置の制御により少なくとも1輪の荷重が小さくされる場合は通常時より小さくされるようにすることができる。
それによって、空気圧が低い車輪の荷重が低減されたことに起因する走行安定性の低下を抑制することができる。
(11)前記空気圧低下時舵角制御部が、前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、小さくされない場合より、舵角の絶対値が小さくなるように制御する(9)項または(10)項に記載の車両制御装置。
【0007】
(12)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの空気圧をそれぞれ取得する空気圧取得装置と、
前記支持装置の制御により、前記空気圧取得装置によって取得された空気圧が低い車輪に加わる荷重をその空気圧に応じた荷重より小さくし、空気圧が高い車輪に加わる荷重を、前記空気圧が低い車輪の荷重が小さくされない場合より大きくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(11)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
(13)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの空気圧をそれぞれ取得する空気圧取得装置と、
その空気圧取得装置によって複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの空気圧が標準的な大きさから設定圧以上低くなったことが取得された場合に、前記支持装置を制御することにより、前記少なくとも1輪に加わる荷重をその空気圧の低下に起因する荷重の低下量以上小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、支持装置の制御によって、空気圧が低下したことが取得された車輪の荷重が小さくされるのであるが、その荷重の低下量がその車輪の空気圧低下に起因する荷重低下量より大きくなるように制御される。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(12)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
【0008】
(14)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が異常であることが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1輪に加わる荷重を、タイヤ状態が正常である場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
タイヤの状態は、例えば、タイヤの温度、振動、空気圧等で表すことができる。タイヤの温度が設定温度以上である場合、振動が設定状態以上である場合(例えば、上下方向または前後方向のタイヤに加わる振動の振幅が設定値以上である場合、振動の周波数が設定周波数以上である場合等がある)、空気圧が第1設定圧より低い場合や第2設定圧以上である場合には、タイヤの状態が異常であるとすることができる。空気圧についての第1設定圧は、例えば、走行が困難であるかどうかの基準となる値とすることができ、第2設定圧は過荷重状態、過熱状態であるかどうかの基準となる値とすることができる。
本項に記載の車両制御装置においては、タイヤの状態が異常である場合には、その車輪に加わる荷重が小さくされる。それによって、タイヤの負担を軽減し、タイヤを保護することができる。具体的には、タイヤの発熱を抑制し得、タイヤが異形変形させられることを回避することができる。また、タイヤの異常の程度の進行速度を遅くすることができる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。すなわち、上述の各項における「空気圧が設定圧より低い車輪」を「タイヤ状態が異常である車輪」に置き換えることができるのである。
(15)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記車両の予め定められた定常走行状態において、前記支持装置の制御により、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、前記支持装置の制御が行われない場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、車両の予め定められた定常走行状態において、荷重が小さくされる。定常走行状態は、走行状態が変化する過渡的な状態でない状態であり、定速直進走行状態、定速旋回走行状態等が該当する。定速直進走行状態と定速旋回走行状態との少なくとも一方において荷重が小さくされる。例えば、定速直進走行状態と定速旋回走行状態との両方において荷重が小さくされるようにしたり、定速旋回状態においてのみ荷重が小さくされるようにしたりすることができる。
タイヤ状態についての設定状態範囲は、タイヤ状態が異常であるかどうかに基づいて決定したり、異常であるかどうかとは関係なく決定したりすることができる。例えば、タイヤ状態が標準的な状態であるかどうかに基づいて決定されるようにしたり、走行が困難な状態であるかどうかに基づいて決定されるようにしたり、タイヤ交換が必要であるかどうかに基づいて決定されるようにしたりすることができる。
本項に記載の車両制御装置に、(1)項ないし(13)項のいずれかの技術的特徴を、「空気圧が設定圧より低い車輪」を「タイヤ状態が設定状態範囲を外れた車輪」に置き換えて採用することができる。
(16)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定範囲内にないことが取得された場合に、前記支持装置の制御により、前記車両の姿勢が予め定められた姿勢に保たれる状態において、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、前記支持装置の制御が行われない場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、車両の姿勢が予め定められた姿勢にある場合に、荷重が小さくされる。例えば、ほぼ水平な姿勢に保たれる場合、前後方向の軸線に対して回動した姿勢(ロール)に保たれる場合、幅方向の軸線に対して回動した姿勢(ピッチ)に保たれる場合等が該当し、これらのうちの少なくとも1つの姿勢が保たれる場合に、荷重が小さくされるのである。
本項に記載の車両制御装置に、(1)項ないし(13)項のいずれかの技術的特徴を、「空気圧が設定圧より低い車輪」を「タイヤ状態が設定範囲を外れた車輪」に置き換えて採用することができる。
(17)前記支持装置が、右側輪と左側輪との間に設けられたスタビライザバーと、そのスタビライザバーの剛性をみかけ上変更可能な剛性変更アクチュエータとを含み、前記支持装置制御装置が、前記タイヤ状態取得装置によって、右側輪と左側輪との少なくとも一方の車輪のタイヤの状態が設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記剛性変更アクチュエータを制御することにより、前記スタビライザバーの剛性をみかけ上小さくする剛性低下部を含む(15)項または(16)項に記載の車両制御装置。
剛性変更アクチュエータは、スタビライザバーの剛性をみかけ上変更可能なものであり、例えば、(4)項に記載のロータリアクチュエータとすることができる。ロータリアクチュエータによれば、スタビライザバーの相対回動が自由に許容される状態(剛性がみかけ上小さい状態)と、自由な相対回動を阻止する状態(剛性がみかけ上大きい状態)とに切り換えることができる。。
スタビライザバーの剛性がみかけ上に小さくされれば、定速旋回走行中、車両の姿勢が前後方向の軸線回りに傾斜した姿勢にある場合に、荷重が小さくされることになる。なお、スタビライザバーの剛性は、旋回走行中にのみ小さくされるようにすることもできる。
(18)車両の幅方向に並んだ2つの右側輪と左側輪との間に設けられたスタビライザバーと、
そのスタビライザバーの剛性とねじれ状態との少なくとも一方を制御可能なスタビライザ制御装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲内から外れたことが取得された場合に、前記スタビライザ制御装置の制御により、その少なくとも1輪に加わる荷重を、前記スタビライザ制御装置の制御が行われない場合より小さくする荷重低減装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、スタビライザバーの剛性のみかけ上の制御と、ねじれ状態の制御との少なくとも一方によって、タイヤ状態が設定範囲内にない車輪の荷重が小さくされる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(17)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
(19)車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、前記支持装置の制御が行われない場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、タイヤ状態が設定範囲内にない車輪の荷重が支持装置の制御により小さくされるのであり、荷重が積極的に小さくされる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(18)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
【0009】
(20)車両の複数の車輪と車体との間に設けられたサスペンション装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪すべてのタイヤ状態が予め定められた設定状態範囲内にあることが取得された場合に、前記サスペンション装置を前記車両の走行状態に基づいて制御し、前記タイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記サスペンション装置を、その少なくとも1輪に加わる荷重が小さくなるように制御するサスペンション制御装置とを含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置において、少なくとも1輪のタイヤ状態が設定範囲内にない場合には、サスペンション装置が、その車輪の荷重が小さくなるように制御される。この場合には、走行状態に基づく制御が行われないようにすることができる。また、走行状態に基づく制御が、すべての車輪のタイヤ状態が設定範囲内にある場合とは異なる態様で行われるようにすることができる。後者の場合には、走行状態に基づく制御と荷重が小さくされる制御との両方が並行して行われることになる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(19)項のいずれかの技術的特徴を採用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態である車両制御装置について図面に基づいて詳細に説明する。本車両制御装置においては、図2に示すように、車輪と車体との間に設けられた支持装置8が制御される。支持装置8は、スタビライザバーを備えたサスペンション装置である。
図1において、前輪側において、右側輪10FRと左側輪10FLとの間にスタビライザバー12が設けられ、後輪側において、右側輪14RRと左側輪14RLとの間にスタビライザバー16が設けられる。スタビライザバー12、16は、ねじれにより弾性力を発生させる部材であり、概してコの字形を成したものである。それぞれの、中間部の車両の幅方向に延びた中間ロッド部24と、中間ロッド部24と一体的に設けられ、それの両側の車両のほぼ長手方向に延びた左,右アーム部26,28とを有する。
スタビライザバー12,16は、左,右アーム部26,28の端部に設けられた連結部30において、車輪を車体側部材に揺動可能に支持するロアアームに連結される。連結部30は、ゴムブッシュまたはボールジョイントを有する。
【0011】
スタビライザバー12,16は中間ロッド部24において左側部分42,右側部分44の2つに分割されて、これらの間にロータリシリンダ40が設けられる。分割されたスタビライザバー12,16の左側部分42がロータリシリンダ40のハウジング50(図3参照)に相対回転不能に取り付けられ、右側部分44がロータ52(ベーン部材と称することもできる)に相対回転不能に取り付けられる。
【0012】
ハウジング50は、図1に示すように、車両の幅方向に延びた概して円筒状を成したものであり、ロータ52は、ハウジング50の内側に、軸線Lの回りに相対回転可能に配設される。ロータ52には、仕切部材としての2枚のベーン54,56が互いに180度隔たった位置に、ハウジング50の内周面に液密かつ摺動可能に設けられる。また、ハウジング50には、2つの仕切部材62,64が、ロータ52に液密かつ摺動可能に設けられる。
このように、本実施形態におけるロータリシリンダ40においては、仕切部材62,64、仕切部材としてのベーン54,56によってハウジング50とロータ52との間の空間が4つの液圧室70,72,74,76に仕切られる。これらのうちの互いに対角位置にある2つの液圧室70,74が連通路78によって連通させられ、互いに対角位置にある2つの液圧室72,76が連通路80によって連通させられる。2つの液圧室70,74を合わせて第1液圧室82,2つの液圧室72,76を合わせて第2液圧室84と称する。
【0013】
ロータリシリンダ40には、電磁制御弁88,90を介してポンプ装置92が接続される。ポンプ装置92は、高圧源94とリザーバ96とを含む。高圧源94はポンプとアキュムレータとの少なくとも一方を含む。
電磁制御弁88は、第1液圧室82,第2液圧室84を、それぞれ遮断する遮断位置と、第1液圧室82,第2液圧室84を電磁制御弁90に接続する制御位置とに切り換え可能なものであり、ソレノイドに電流が供給されない状態においては遮断位置にある。遮断位置においては、ハウジング50とロータ52との相対回転が阻止されるため、スタビライザバー12,16は1本のロッドと同じ状態なる。
電磁制御弁90は、第1液圧室82を高圧源94に接続し、第2液圧室84をリザーバ96に接続する第1位置と、第1液圧室82をリザーバ96に接続し、第2液圧室84を高圧源94に接続する第2位置と、第1液圧室82と第2液圧室84とを互いに連通させるともに、これらをポンプ装置92から遮断する第3位置とに切り換え可能なものである。第3位置においては、高圧源94がリザーバ96に連通させられ、高圧源94がポンプである場合にその吐出圧が過大になることが回避される。電磁制御弁88の制御位置において、電磁制御弁90が、第1位置、第2位置、第3位置に切り換えられることにより、スタビライザバー12,16のねじれ状態が制御される。
【0014】
電磁制御弁88,90は、図4に示すように、コンピュータを主体とするスタビライザECU100によって制御される。スタビライザECU100は、CPU102,ROM104,RAM106,入出力部108等を備えたものであり、入出力部108には、タイヤ状態取得装置としての空気圧取得装置110、液圧センサ111が接続されるとともに、電磁制御弁88,90が図示しない駆動回路を介して接続される。また、入出力部108には、報知装置112,駆動装置113を制御する駆動ECU114,前輪10と後輪14との少なくとも一方を転舵させる転舵装置115を制御する転舵ECU116等が接続される。
【0015】
空気圧検出装置110FR,FL,RR,RLは、各車輪にそれぞれ設けられ、各車輪のタイヤの状態としての空気圧をそれぞれ取得する。例えば、(i)複数の車輪のタイヤにそれぞれに設けられた空気圧センサと送信装置とを備えた車輪側装置と、(ii)車輪側装置から無線の通信により送信される空気圧を表す情報を受信する受信装置とその受信装置において受信された空気圧情報を処理する情報処理装置とを備えた車体側装置とを含むものとしたり、(i)各車輪の回転角速度を検出する回転速度センサと、(ii) 回転速度センサによって検出された回転角速度に基づいて外乱オブザーバ、共振周波数を利用して空気圧を推定する空気圧推定部とを含むものとしたりすることができる。
液圧センサ111f1,f2,r1,r2は、前輪側、後輪側のロータリシリンダ40の第1液圧室82,第2液圧室84の液圧をそれぞれ検出するものである。これら第1液圧室82,第2液圧室84の液圧の変化量がスタビライザバー12,16のねじれ量に対応し、ねじれ量がスタビライザバー12,16のそれぞれの側の車輪の荷重変化量に対応する。
【0016】
駆動ECU114は、スタビライザECU100の指令に基づいて駆動装置113を、車両の走行速度が設定速度以上にならないように制限する。空気圧が低い車輪がある場合に最高速度を制限するのである。
転舵ECU116は、スタビライザECU100の指令に基づいて転舵装置115を、通常時とは異なる態様で制御する。例えば、通常時には、転舵装置115が、運転者によるステアリングホイールの操舵角θおよび車速Vに基づいて決まる目標値に近づくように制御される場合において、空気圧が低い車輪がある場合には、その目標値が決定される際のゲインが小さくされ、舵角の絶対値が小さめに制御されるようにすることができる。また、転舵装置115が後輪側に設けられる場合において、後輪14RR,14RLが同相または逆相に転舵される場合に、逆相の転舵が禁止されるようにすることもできる。さらに、転舵装置115の制御自体が行われないようにすることもできる。
【0017】
電磁制御弁88,90のソレノイドに電流が供給されない状態においては、電磁制御弁88は遮断位置にあり、電磁制御弁90は第1位置にある。ロータリシリンダ40において、第1液圧室82,84が遮断されるため、スタビライザバー12,16は、1本の剛体である場合と同様に作動させられる。
電磁制御弁88の制御位置において、電磁制御弁90が第1位置にある場合には、第1液圧室82の液圧が第2液圧室84の液圧より高くなる。ロータ52は、ハウジング50に対して矢印Pの方向に相対回動させられ、スタビライザバーの左側部分42と右側部分44とが互いに相対回動させられる。
電磁制御弁90が第2状態にある場合には、第2液圧室86の液圧の方が高くなるため、ロータ52は、矢印Q方向に相対回転させられる。電磁制御弁90が第3状態にある場合には、第1液圧室82と第2液圧室86とが互いに連通させられる。高圧側の液圧室から低圧側の液圧室への自由な作動液の流れが許容されて、スタビライザバー12,16において左側部分42と右側部分44との自由な相対回動が許容される。右側輪と左側輪との上下方向の相対移動が自由に許容されるのである。
【0018】
本実施形態においては、空気圧取得装置110によって少なくとも1輪のタイヤの空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、その車輪を含む2つの車輪の間に設けられたスタビライザバーが強制的にねじられ、その空気圧が設定圧より低いとされた車輪に加わる荷重が小さくされる。また、スタビライザバーをねじることによって車体にロールモーメントが生じるが、そのロールモーメントを抑制するために、他方の側のスタビライザバーが逆方向にねじられる。
本実施形態においては、空気圧が設定圧より低いことが取得された場合にはスタビライザバーが予め定められたねじれ量だけねじられるようにされているが、ねじれ量がその車輪の空気圧または空気圧の低下量に基づいてその都度決められるようにすることもできる。
【0019】
本実施形態においては、図5のフローチャートで表されるスタビライザバーねじれ状態制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、各車輪の空気圧が読み込まれ、S2において、空気圧が設定圧より低い車輪があるかどうかが判定される。設定圧より低い車輪がある場合には、S3〜S6において、空気圧が設定圧より低い車輪がいずれの車輪であるかが判定される。
空気圧が設定圧より低い車輪が右前輪10FR、左後輪14RLの少なくとも一方である場合には、S7において、前輪側のスタビライザバー12が、ロータリシリンダ40の制御により、右前輪10FRに加わる荷重が小さくなるようにねじられ、後輪側のスタビライザバー16が、左後輪14RLに加わる荷重が小さくなるようにねじられる。
それに対して、空気圧が設定圧より低い車輪が左前輪10FL、右後輪14RRの少なくとも一方である場合には、S8において、前輪側のスタビライザバー12が、左前輪10FLに加わる荷重が小さくなるようにねじられ、後輪側のスタビライザバー16が、右後輪14RRに加わる荷重が小さくなるようにねじられる。
本実施形態においては、第1液圧室82,第2液圧室86の液圧が予め定められた設定圧だけ大きくなるようにされる。例えば、電磁制御弁88の制御位置において、電磁制御弁90が第1位置あるいは第2位置にあり、液圧が設定圧だけ大きくなった場合に、電磁制御弁88が遮断位置に切り換えられるのである。
次に、S9,10において、駆動装置ECU114に、車両の走行速度を制限することの指令が供給され、転舵ECU116に、通常時と異なる態様で舵角を制御することの指令が供給される。
【0020】
具体的には、図6に示すように、右後輪14RRの空気圧が設定圧より小さいことが取得された場合には、後輪側のスタビライザバー16がねじられて、右後輪RRの荷重がΔf小さくされて、左後輪14RLの荷重がΔf大きくされる。このスタビライザバー16のねじりによって、車体の後輪側には、矢印R方向のロールモーメントMrが生じる。このロールモーメントMrの大きさは、トレッドベースをTとした場合に、Mr=|2Δf・T|(時計回りと正とする)となる。
また、前輪側のスタビライザバー12が、後輪側のスタビライザバー16と逆方向にねじられる。このスタビライザバー12のねじりによって、車体の前輪側において矢印SのロールモーメントMfが生じる。また、左前輪10FLの荷重が小さくされ(−Δf)、右前輪10FRの荷重が大きくなる(+Δf)。ロールモーメントMfの大きさは、Mf=|−2Δf・T|となる。
この場合には、後輪側において電磁制御弁88が制御位置にされ、電磁制御弁90が第1位置にされる。第1液圧室82に高圧源94が接続され、第2液圧室84にリザーバ96が接続される。ロータ52が矢印P方向に相対回動させられ、スタビライザバー16がねじられる。前輪側において電磁制御弁88が制御位置にされ、電磁制御弁90が第2位置にされる。第2液圧室86の液圧が第1液圧室82の液圧より大きくされて、ベーン52が矢印Q方向に相対回動させられて、スタビライザバー12がねじられる。
【0021】
これらから、車両の後輪側には、ロールモーメントMrが生じ、前輪側には、ロールモーメントMfが生じる。これらは、大きさが同じで向きが逆であるため、互いに打ち消し合い、車体全体のロールモーメントをほぼ0にすることができる。また、右後輪14RR、左前輪10FLの荷重がΔfだけ小さくされ、左後輪14RL、右前輪10FRの荷重がΔfだけ大きくされる。空気圧が設定圧より低い車輪とそれの対角位置にある車輪との荷重が小さくされ、それとは別の対角位置にある車輪の荷重が大きくされることになる。
【0022】
以上により、本実施形態においては、空気圧が設定圧より低い車輪の荷重が、それの空気圧に応じた大きさより小さくされる。その結果、空気圧の低減速度を遅くすることができ、タイヤを長持ちさせることができる。タイヤを保護することができ、車両を走行可能な状態に長く保つことができる。
また、本実施形態においては、空気圧の低い車輪の荷重が常に小さくされる。換言すれば、車両の停止状態においても、直進走行中においても、荷重が小さくされる。そのため、車両姿勢が変化する過渡状態にある場合、制動状態にある場合等の予め決められた状態にある場合にのみ、荷重が小さくされる場合に比較して、有効である。
【0023】
本実施形態においては、スタビライザECU100等によって支持装置制御装置が構成される。また、スタビライザECU100のうちの図5のフローチャートで表されるスタビライザバーねじれ状態制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりねじれ状態制御部が構成される。さらに、駆動ECU114を含む駆動装置113等によって走行速度制限装置が構成され、転舵ECU116を含む転舵装置115等によって舵角制御装置が構成される。転舵ECU116は空気圧低下時舵角制御部でもある。
【0024】
なお、上記実施形態においては、スタビライザバー12,16をねじることによって空気圧が小さい車輪の荷重が小さくされるようにされていたが、スタビライザバー12,16の剛性を小さくすることもできる。例えば、左右後輪14RR、14RLのいずれか一方の空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、電磁制御弁88を制御位置、電磁制御弁90を第3位置とする。その結果、スタビライザバー16において左側部分42と右側部分44との自由な相対回動が許容されることになり、スタビライザバー16の剛性がみかけ上小さくされる。それによって、車両の定常旋回走行中における左右後輪に加わる荷重を小さくすることができる。また、停止状態にあっても、車両の姿勢が前後方向に延びる軸線回りに傾斜した姿勢にある場合に荷重を小さくすることができる。
また、空気圧取得装置110に代えてタイヤの温度や振動の状態を検出するタイヤ温度,振動状態取得装置とすることもできる。タイヤの温度が設定温度以上である場合やタイヤの上下方向または前後方向の振動の振幅が設定値以上である場合、振動の周波数が設定数以上である場合等には、タイヤが異形変形する可能性が高いとして、加わる荷重を小さくする。その結果、タイヤの発熱を抑制し、タイヤの異常の程度の進行を抑制することもできる。
さらに、上記実施形態においては、例えば、後輪の空気圧が設定圧より低い場合に後輪側のスタビライザバー16がねじられるとともに、前輪側のスタビライザバー12もねじられて、車体のロールモーメントがほぼ0になるようにされていたが、このようにすることは不可欠ではない。空気圧が設定圧より低い車輪を含む2つの車輪の間に設けられたスタビライザバーのみがねじられるようにすることもできる。
また、前輪側のロールモーメントと後輪側のロールモーメントとの和がほぼ0になるように、スタビライザバー12,16がねじられるようにすることは不可欠ではない。これらの和によって、車体全体に加わるロールモーメントが後輪側のみにロールモーメントが加えられる場合より小さくなればよい。
【0025】
さらに、上記実施形態においては、スタビライザバー12,16のねじれ状態の制御により、空気圧が低い車輪の荷重が小さくされるようにされていたが、スタビライザバー12,16に限らず、それ以外のサスペンション装置の構成装置の制御によって荷重が小さくされるようにすることもできる。
その一例を図7に示す。図7において、エアサスペンション装置200が各輪毎に設けられる。エアサスペンション装置200は、エアチャンバ202、エア源204、エア源204とエアチャンバ202との間に設けられた電磁制御弁206等を含む。空気圧が設定圧より小さいことが取得された車輪に対応するエアサスペンション装置200において、バルブ206の制御によりエアチャンバ202の圧力が小さくされる。それによって、車体と路面との間の弾性力が小さくされ、荷重が小さくされるのである。本実施形態によれば、各車輪毎に荷重を制御することが可能となる。また、エアチャンバ202等によりアクチュエータが構成され、バルブ206,スタビライザECU100等によりアクチュエータ制御部が構成される。
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両制御装置であるスタビライザ制御装置を概念的に示す図である。
【図2】上記車両制御装置が搭載された車両を示す図である。
【図3】図2のaa断面図である。
【図4】上記車両制御装置のスタビライザECUの周辺を表す図である。
【図5】上記スタビライザECUの記憶部に記憶されたスタビライザバーねじり状態制御プログラムを表すフローチャートである。
【図6】上記車両制御装置による一制御例を表す図である。
【図7】本発明の別の一実施形態である車両制御装置を示す図である。
【符号の説明】
12,16:スタビライザバー 40:ロータリシリンダ
88,90:電磁制御弁 100:スタビライザECU
110:タイヤ状態取得装置 114:駆動ECU
116:転舵ECU 200:エアサスペンション装置
Claims (8)
- 車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの空気圧をそれぞれ取得する空気圧取得装置と、
その空気圧取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1輪に加わる荷重を、その空気圧に応じた荷重より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。 - 前記支持装置が、左側輪と右側輪との間に設けられたスタビライザバーを含み、
前記支持装置制御装置が、前記空気圧取得装置によって前記左側輪と右側輪とのうちのいずれか一方の空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、前記スタビライザバーのねじれ状態を制御することにより、その空気圧が低い方の車輪に加わる荷重を小さくするねじれ状態制御部を含む請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記スタビライザバーが、左前輪と右前輪との間と、左後輪と右後輪との間とにそれぞれ設けられ、
前記ねじれ状態制御部が、前輪側に設けられたスタビライザバーのねじれ方向と後輪側に設けられたスタビライザバーのねじれ方向とが互いに逆向きになるように制御するねじれ方向制御部を含む請求項2に記載の車両制御装置。 - 前記支持装置が、前記複数の車輪に加わる荷重をそれぞれ変更可能なアクチュエータを含み、
前記支持装置制御装置が、前記空気圧取得装置により少なくとも1輪のタイヤの空気圧が設定圧より低いことが取得された場合に、前記アクチュエータの制御によりその少なくとも1輪に加わる荷重を小さくするアクチュエータ制御部を含む請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記車両の走行速度を制御可能な走行速度制御装置と、
前記支持装置制御装置によって前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、前記走行速度制御装置の制御により、前記車両の走行速度が設定速度より大きくなることを阻止する走行速度制限装置とを含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両制御装置。 - 前記車両の前輪側と後輪側との少なくとも一方の側に設けられ、その少なくとも一方の側に属する車輪の舵角を、運転者による操舵部材の操作状態に応じて制御可能な舵角制御装置と、
前記支持装置制御装置によって前記少なくとも1輪に加わる荷重が小さくされた場合に、前記舵角制御装置を、前記支持装置制御装置によって前記荷重が小さくされない場合とは異なる態様で制御する空気圧低下時舵角制御部とを含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両制御装置。 - 車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が異常であることが取得された場合に、前記支持装置の制御により、その少なくとも1輪に加わる荷重を、タイヤ状態が正常である場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。 - 車両の複数の車輪と車体との間に設けられ、前記車体を支持する支持装置と、
前記複数の車輪のタイヤの状態をそれぞれ取得するタイヤ状態取得装置と、
そのタイヤ状態取得装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のタイヤの状態が予め定められた設定状態範囲から外れたことが取得された場合に、前記車両の予め定められた定常走行状態において、前記支持装置の制御により、その少なくとも1つの車輪に加わる荷重を、前記支持装置の制御が行われない場合より小さくする支持装置制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
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