JP2004097342A - ポータブルトイレの便座取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数が少なく、簡単に便座を取り付けることができるポータブルトイレの便座取付構造を提供する。
【解決手段】便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、 便座部(1)には、後端部から後方に突出した取付部(2a,b)が予め定められた間隔を開けて左右に二カ所設けられており、左右の取付部に対する軸部の少なくとも一つは、便器本体部(5)に配設されるダンパー付き軸部材(3)で軸支され、ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、左右の取付部の間の部分に位置するように便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材(4)を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、 便座部(1)には、後端部から後方に突出した取付部(2a,b)が予め定められた間隔を開けて左右に二カ所設けられており、左右の取付部に対する軸部の少なくとも一つは、便器本体部(5)に配設されるダンパー付き軸部材(3)で軸支され、ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、左右の取付部の間の部分に位置するように便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材(4)を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に一般室内で使用するポータブルトイレの便座取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のポータブルトイレの便座取付構造は、便座の後部縁の左右に突設された取付部の左右水平方向に設けられた軸孔部に、それぞれ軸部材を挿入して便器本体に回動可能に取り付けられる構造であった。例えば、特許文献1には便器の便座や便蓋等を便器本体に取り付けるヒンジ機構の技術が開示されている。この従来技術(特許文献1)は、二つの軸受部を有する基台を便器本体に取り付け、この基台の二つの軸受部で便座を回動可能に軸止する構造であるが、便座を軸受部に取り付ける際には、便座の後部縁の左右に設けられた軸孔を軸受部に合わせておき、二つの軸部材をそれぞれの軸受部に挿入して行うものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318763号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、便座を便器本体に取り付けるには、まず便器本体に基台を嵌め込み、そして便座の後縁部に設けられた二つの軸孔にそれぞれ軸部材を挿入しなければならなかった。よって、便座の取付けのための部品点数が多く、取付け作業が面倒であった。より詳細に言えば、上記従来の技術では、少なくとも基台と二つの軸部材の合計3点の部品が便座取付けのために必要であった。しかも、部品点数が多いため、便座を分解したときに部品を紛失しやすいという問題もあった。
【0005】
さらに、便座の開閉に際して、騒音や振動防止を主な目的に緩衝動作を行うためのダンパーを回動軸部に設けることがあるが、このようなダンパーを取り付けるとさらに部材点数が増えると共に、取付作業などが煩雑化する問題があった。さらに、軸部の周辺にダンパー部材が露出してポータブルトイレの見栄えが悪くなる問題があった。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、部品点数の少ないポータブルトイレの便座取付構造を提供することを目的とする。さらに、本発明の目的は、簡単に便座を取り付けることができるポータブルトイレの便座取付構造を提供することにある。また、ダンパー部材を取り付けても、便座の取付作業が簡単に行える取付構造を提供することも本発明の目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、前記便座部には、後端部から後方に突出した取付部が予め定められた間隔を開けて左右に二カ所設けられており、前記左右の取付部に対する軸部の少なくとも一つは、便器本体部に配設されるダンパー付き軸部材で軸支され、前記ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、前記左右の取付部の間の部分に位置するように、前記便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材を備えている、ことを特徴とするポータブルトイレの便座取付構造を提供する。
【0008】
本発明における便座部は、後端部から後方に突出した取付部が左右に二箇所設けられており、それぞれは予め定められた間隔を開けている。この取付部のそれぞれに軸部を挿入することによって、軸部回りに便座部が回動可能に便器本体に取り付けられる。即ち、回動軸は左右の水平方向の同じ軸位置であり、それぞれの取付部にそれぞれの軸部材が配設される。
【0009】
そして、これら二箇所の取付部のうち、少なくとも一つの取付部にはダンパー付きの軸部材が挿入される。このダンパー付き軸部材とは、軸部材を介して取り付けられる便座部を回動させて、下げたときや上げたときに、騒音や振動防止を主な目的に緩衝動作を行うための手段を備えたものである。この緩衝手段としてのダンパーを軸部材側に設けることで、本体部にしっかりと固定できると共に、便座側の構造はシンプルになる。
【0010】
カバー部材は、このダンパー部材を内部に納め、その軸部分のみを外部に露出する構造であり、取付状態で便座部の左右の取付部の間の位置に配設される。即ち、便座部の左右の取付部の間の位置にダンパー付き軸部材が配置され、その上部を覆うようにカバー部材が取り付けられる。言い換えれば、カバー部材は、便座の取付部の間の空間を塞ぐような構造で、取付軸部などの外部への露出を防ぎ、見栄えも向上する。さらに、この左右の取付部の間の空間を有効活用して、ダンパー部材などの構造部を配設している。
【0011】
なお、軸部は、左右の水平方向の軸方向であるので、左右の取付部の対向する内側面にそれぞれ軸部に対する受け部が設けられる。逆に、カバー部は、前記それぞれの内側面に対向する外側面部を備えている。これにより、カバー部材を取り付けると、便座部の後端部の取付部の間の空間にカバー部材が填り込んだ状態となるので、外見上もスッキリしてゴミなども溜まりにくく、掃除も楽にできる。
【0012】
そして、少なくとも一つの取付部に挿入されるダンパー付き軸部材は、軸部のみをこのカバー部材の外側面部からから露出するようにして、取付部の内側面部の受け部に取り付ける構造である。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記左右の取付部のうち、第一の取付部に対する軸部が、前記ダンパー付き軸部材で軸支され、第二の取付部に対する軸部が、前記カバー部材の外壁部から突出するように一体的に設けられた軸部材からなる、ことを特徴とするものである。
【0014】
この発明では、一方の取付部をダンパー付き軸部材で構成し、他方の取付部を単なる軸部材に軸支させる構造としたものであり、他の軸部材を個別に設けずに、カバー部材に直接設けていることが特徴である。
【0015】
即ち、本発明の第二の取付部には、単純な軸部材が挿入される軸受け穴部が水平方向に設けられていれば、カバー部材に一体的に設けられた軸部材と係合して回動構造を形成する。カバー部材は、取付部の内側面に対向する外側面(外壁面)を備えているので、その対向する外側面部に軸部材を設けておけばよい。
【0016】
そして、カバー部材に対して、まず第二の取付部の軸部を係合させた後、第一の取付部に対して、ダンパー付き軸部材をカバー部材の外壁部(側壁部)から露出させるように嵌め込めば、第一の取付部への軸部材の取付けも完了する。
【0017】
カバー部材には、ダンパー付き軸部材の少なくとも軸部分を露出させるために、部分的な孔や、縁部から連続する長穴などを備えているが、いずれにしても、ダンパー付き軸部材を仮固定できるような構成が望ましい。例えば、軸部露出用の孔部分で簡単に引っかけておけるなどが好ましい。そして、このような状態で、ダンパー付き軸部材をカバー部材と一緒に便器本体へ取り付ければ良い。
【0018】
そして、カバー部材とダンパー付き軸部材が本体部に取り付けられることによって、便座部の軸部が本体部に固定されるので、便座部が便器本体に回動可能に取り付けられるのである。同時に、ダンパー付き軸部材の作用により、開閉時の動作に緩衝作用が加わって、便座の回動動作時に衝撃や大きな音などが生じない。これにより、室内などで使用しても無駄な騒音などを発生しない利点がある。
【0019】
このように、前記第二の取付部に挿入される軸部材は、本発明においては、便器本体に対して着脱可能に設けられた樹脂製のカバー部材の外壁部から突出するように一体的に設けられている。これは、カバー部材の樹脂成形時に同時に形成してしまうのが製造工程の簡略化や、部品点数の削減効果があって好ましい。
【0020】
この構成により、便座部の第一の取付部にダンパー付き軸部材を挿入し、第二の取付部にはカバー部材と一体的に設けられた軸部材を挿入し、このカバー部材をそのまま便器本体に取り付ければ便座は便器本体に回動可能に取り付けられることとなる。つまり、便器本体に便座を取付けるための部品点数は、軸部材が外壁部に突出したカバー部材とダンパー付き軸部材の合計2点で良いこととなる。よって、部品点数が少なく、簡単に便座を便器本体に取り付けることができる。しかも、部品点数が少ないので便座を取り外して便器の清掃などを行う際に、構成部品が紛失する心配もない。
【0021】
ここで、カバー部材の便器本体への取付構造は本発明においては特に限定されるものではない。例えば、便器本体に穴部を設けておき、カバー部材の下部に突起部を設け、この突起部を便器本体の穴部に挿入して取り付けるよう着脱可能に構成すればよい。
【0022】
また、本発明においてカバー部材はダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すように構成される。即ち、ダンパー付き軸部材は、便座部の第一の取付部に挿入される部分(軸部)以外の部分がカバー部材で覆い隠されるようになっている。従って、外見上、ダンパー付き軸部材は殆ど見えることがなく、外観にも優れたものとなる。
【0023】
なお、本発明のカバー部材の形状は、ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠せるようになっていれば何れのものであっても良い。また、本発明のダンパー付き軸部材は、便座部の回動速度を緩やかにするためのものであり、回動動作に緩衝作用を生じさせるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0024】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記便座部が、ヒーターなどの電気構造を備え、該電気構造のコードを略クランク状に折り曲げた状態で前記カバー部材の内部を取り回して、前記カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して取出すようにしたことを特徴とするものである。
【0025】
便座部がヒーターなどの電気構造を備えて構成されている場合には、便座部に電気を供給するために電気コードが付いているのが一般的であるが、この電気コードを自由な状態でそのままコンセントに差込む構造のものでは、便座部の開閉のたびにコードが折れ曲がったりしてコードが断線等してしまうことがある。
【0026】
そこで、本発明では電気コードをクランク状に折り曲げてカバー部材の内部で取り回して通過させるようにして、電気コードが折れ曲がり難くなるようにしたのである。より詳細に言えば、本発明は電気コードをカバー部材内に通過させる際に、便座部に取り付けられた電気コードを略クランク形状に折り曲げた状態でカバー部材内に取り込み、カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して外部へ取出すように構成されている。
【0027】
一例としては、例えば図2に示すように、便座部の後端面部で、左右取付部のいずれかの外側部分から電気コードを外部に取り出して、カバー部材の後部において、一方の側面から他方の側面側へ渡るように取り回すことで、電気コードの略クランク形状を構成できる。
【0028】
他の例としては、電気コードを軸部の内部を貫通させることも考えられる。即ち、軸部を大径にして内部貫通孔を設け、その軸内貫通孔の内部に電気コードを通すことも可能である。便座側では、これに対応する取付部の内部を通して、前記貫通孔付き軸部へと電気コードを導けば、この軸を通過する部分で、電気コードに略クランク状に取り回されることになる。この場合のカバー部材からの取り出し部は、左右の側面部でも良いが、後側の側面部(後面部)でも構わない。
【0029】
いずれの場合でも、カバー部材は上部から被せる構造であるので、カバー部材の本体部に接する部分に上方へ向かう切り欠き部を設けてコード通し切り欠き部とすれば、長いコードも邪魔にならずにこの切欠部を通して取付けが簡単に行える。
【0030】
このように構成することによって、カバー部材が電気コードをクランク状に保持するから、電気コードが勝手に折れ曲がったりすることを防止できる。よって、電気コードが断線するようなトラブルを防ぐことができるのである。
【0031】
本発明の別の態様では、請求項1〜3のいずれかに記載のポータブルトイレの便座取付構造において、本体部に上部が開放された構成の受け部を備えたダンパー取付部を有し、前記ダンパー付き軸部材は、前記ダンパー取付部に上部から嵌め込むことで設置される保持構造部を備えている。
【0032】
このため、ダンパー付き軸部材は、ダンパー取付部に上部から保持構造部を組み入れる(又は嵌め込む)ことで、本体部に保持されて設置できるので、取付作業が容易になる。さらに、カバー部材と一緒に取り付ける際にも、簡単に取付作業を行える。
【0033】
例えば、ダンパー軸部材は、軸とは反対側の後部や、取付時の下方となる部分に所定形状の凸部を保持構造部として設け、前記便器本体部には前記凸部に対応する凹部(受け部)からなるダンパー取付部(支持部材)を設けておき、しかも、ダンパー取付部の凹部の上部が開放された構成とすれば、その上部から前記凸部を組み入れればダンパー付き軸部材は簡単に装着できることになる。
【0034】
この場合には、ダンパー付き軸部材は、その後部(便座部の取付部に挿入される軸部と反対の部分)に凸部を有し、この凸部が便器本体部に立設するダンパー取付部に設けられた凹部に嵌め込まれるようになっているから、ダンパー付き軸部材がガタガタしたり、回動したりすることなく、しっかりと便器本体部に取り付けられるようになる。なお、このような取付構造は、便座部のダンパー部として力を受けても大丈夫な程度の強度で設計されていることは言うまでもない。
【0035】
つまり、ダンパー付き軸部材の凸部(保持構造部)と、この凸部に対応するダンパー取付部(支持部材)の凹部(受け部)との嵌合によってダンパー付き軸部材がしっかりとダンパー取付部(支持部材)によって本体部に保持され、便座部の回動が安定するのである。しかも、凸部と凹部との嵌合による取付構造とすることにより、便座部の取り付け作業は簡単に行うことが可能である。なお、本発明における凸部と凹部は、嵌合状態がしっかりと維持されるようになっていれば何れの形状であっても構わない。
【0036】
本発明の別の態様によれば、上記いずれかに記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記カバー部材は下方に突出した構成の差込部を備え、前記便器本体部には、この差込部を受け入れる差込孔部が設けられ、この差込部は差込穴部に挿入された状態で、差込部や差込穴部の素材の可撓性を利用して取付固定されることを特徴とする。
【0037】
即ち、カバー部材を取り付ける際には、差込部を差込穴部に挿入して押し込めば、その材料の可撓性を利用して一部変形しながら差し込まれ、最終的には可撓性を利用したロック構造で固定されるものである。そして、取り外す際には、この取付時の可撓性の変形状態の逆方向に力を加えてやることで、ロック状態を開放して、差込穴部から差込部を抜き出すことができるものとなる。
【0038】
例えば、カバー部材の本体取付時の下端部に、下方に突出した可撓性部材からなる差込部を二箇所に設け、前記便器本体部の上面部には前記差込部に対応する差込穴部を設け、前記差込部を前記差込穴部に嵌め込むことにより、前記カバー部材を前記便器本体部へ取り付けられるように構成する。
【0039】
この構成では、カバー部材の下端部に下方に突出した差込部を二箇所設けているので、その装着時には、差込部の相対的な距離が離れるか近づく方向に、素材の可撓性を利用して変形するように構成し、最終的な取付状態では、この変形が開放されて嵌り込む様な構成にすればよい。具体的には、差込部にテーパ部を備えて、差し込まれた状態ではこのテーパ部の根元部(テーパの出っ張りがない部分)に嵌合するような構成にすればよい。
【0040】
これにより、カバー部材の便器本体部への取り付けは、差込部を差込穴部に嵌め込むだけの簡単なものとなる。あるいは、差込部は可撓性部材からなるものであるため、カバー部材を便器本体部へ取り付けるときには、可撓性部材からなる差込部を手で撓ませて便器本体部の差込穴部に嵌め込むだけで簡単にカバー部材を便器本体部に取り付けることができることとなる。また、カバー部材を取り外すときにも、差込部が可撓性部材であるから、嵌め込むときと逆向きに差込部を撓ませるだけで簡単に便器本体部から取り外すことができる。
【0041】
ここで、本発明における差込部は少なくとも二箇所に設けられていれば十分である。少なくとも二箇所に設けられていれば便器本体にしっかりと取付固定できるからである。勿論、それ以上差込部を設けておいても良い。
【0042】
次に、本願請求項4記載発明では、便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、前記便座部には、その後端部から後方に突出した取付部に対して、軸受け部が左右に二カ所設けられており、前記左右の軸受け部の一つには、便器本体部に配設されるダンパー付き軸部材で軸支され、前記ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、前記便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材を備えており、前記左右の軸受け部の他の一つには、前記樹脂製のカバー部材の前記軸受け部と対向する壁部から突出するように一体成形された軸部材を備えている、ことを特徴とするポータブルトイレの便座取付構造を提供する。
【0043】
この発明では、便座部には後方に突出する状態で設けられた取付部が存在し、その取付部には、左右に二カ所の軸受け部を備えている。この軸受け部は、便座部の回動中心となる軸受け部であるから同軸上に構成されていることはいうまでもない。さらに、左右に二カ所の軸受け部が存在すればよいので、取付部を一カ所として、その左右の側面部にそれぞれ軸受け部を設けたものでも、取付部を左右に二カ所設けた上で、それぞれの取付部に軸受け部を設けているものでも良い。
【0044】
さらに、本発明では、二カ所の軸受け部のうち、一カ所にはダンパー付き軸受け部材を軸支させ、便座の開閉動作に緩衝作用を付加するものとしている。他の軸受け部には、自由か移動可能な軸受け部で構成し、そこに軸部材を設けて回動中心となるようにしている。
【0045】
ダンパー付き軸受け部材は、本体部に取り付けられるが、その軸部を除いてカバー部材が覆い隠す構成であり、カバー部材から軸受け部のみが突出した構成とすることができるものである。
【0046】
そして、そのカバー部材には、他方の軸受け部に対する軸部材が一体成形されているので、この一体成形軸部材側を最初にカバー部材の一つの軸受け部に装着し、その後、ダンパー付き軸部材をカバー部材を取り付けた状態のままで装着する。これにより、便座部は二つの軸受け部に、それぞれ軸部材が装着された状態となり、その状態でカバー部材に(回動可能に)保持されている。
【0047】
そして、カバー部材ごと、便座部と、ダンパー付き軸部材を便器本体に取り付ければ、一度で便器本体部にこれらの部材が装着できるので、組み立て工程が極めて容易である。さらに、部品点数も少なくて、製造コストを抑えることも可能である。
【0048】
また、別の態様としては、上記請求項4に記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記便座部が、ヒーターなどの電気構造を備え、該電気構造のコードを略クランク状に折り曲げた状態で前記カバー部材の内部を取り回して、前記カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して取出すように構成する。
【0049】
この構成によれば、電気コードをクランク状に折り曲げてカバー部材の内部で取り回して通過させるようにできるから、電気コードが折れ曲がり難くなる。より詳細に言えば、電気コードをカバー部材内に通過させる際に、便座部に取り付けられた電気コードを略クランク形状に折り曲げた状態でカバー部材内に取り込み、カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して外部へ取出すようにすれば、電気コードが折れ曲がり難くなるのである。
【0050】
一例としては、便座部の後端面部で取付部の外側部分から電気コードを外部に取り出して、カバー部材の後部において、一方の側面から他方の側面側へ渡るように取り回すことで、電気コードの略クランク形状を構成できる。
【0051】
他の例としては、電気コードを軸部の内部を貫通させることも考えられる。即ち、軸部を大径にして内部貫通孔を設け、その軸内貫通孔の内部に電気コードを通すことも可能である。便座側では、これに対応する取付部の内部を通して、前記貫通孔付き軸部へと電気コードを導けば、この軸を通過する部分で、電気コードに略クランク状に取り回されることになる。この場合のカバー部材からの取り出し部は、左右の側面部でも良いが、後側の側面部(後面部)でも構わない。
【0052】
いずれの場合でも、カバー部材は上部から被せる構造であるので、カバー部材の本体部に接する部分に上方へ向かう切り欠き部を設けてコード通し切り欠き部とすれば、長いコードも邪魔にならずにこの切欠部を通して取付けが簡単に行える。
【0053】
このように構成することによって、カバー部材が電気コードをクランク状に保持するから、電気コードが勝手に折れ曲がったりすることを防止できる。よって、電気コードが断線するようなトラブルを防ぐことができるのである。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るポータブルトイレにおける便座の取付構造を図示例と共に説明する。尚、図中、図と同一の符号を付した部分は同一物又は相当物を表わしている。本発明の一実施形態に係る便座の取付構造は、図1に示すように、ポータブルトイレの便座部1の後縁部に設けられた二つの取付部2a,2bのうち、第一の取付部2aにダンパー付き軸部材3を挿入し、第二の取付部2bには軸部材6を挿入すると共に、カバー部材4を便器本体5の上面後部に取付けて、便座部1を便器本体部5に取り付ける構造のものである。
【0055】
取付部2a,2bは、それぞれ所定の間隔を開けて、便座部1の後縁部から後方(図1中の右斜め上方向)に突出するように形成されており、取付部2aにはダンパー付き軸部材3を挿入するための孔部20aが開けられている。また、取付部2bには軸部材6を挿入するための孔部20bが開けられている。
【0056】
ダンパー付き軸部材3は、その後部に断面略矩形の凸部7(保持構造部)が設けられている。また、便器本体部5の上面にはダンパー取付部(支持部材)であるブラケット22が立設されており、このブラケット22は上面部と一側側面部とに亘る凹部8が受け部として形成されている。この凹部8は、上部が開放されており、その内部は、ダンパー付き軸部材3の凸部7の外形形状に対応するように形成されていて、この凹部8にダンパー付き軸部材3の凸部7を上方から嵌め込むことによって、ダンパー付き軸部材3は回動することなくしっかりと本体部に固定されるようになっている。なお、凹部8の上面開口部分はダンパー付き軸部材3の凸部の挿入を容易とするために凸部の形状よりやや大きくして、テーパ状の受け部を備えている。
【0057】
カバー部材4は、樹脂製部材(本実施形態ではプラスチック製)で一体成型された略矩形箱型形状となっており、底部は開放されている。そして、左右側面部の外壁部は、二つの取付部2a,2bの内壁部と相対するように若干の隙間を持って近接して配置される。一方の外壁部の外側には、先端部がやや細い略円柱形状の軸部材6が外部へ突出するようにカバー部材3と一体的に成形されている。また、他方の側面(軸部材6が設けられている側面部と対向する側面)部には、貫通孔21が設けられており、ここから、ダンパー付き軸部材3の軸部(取付部2aの孔部20aに挿入する部分)が外部に露出するように取り付けられる。
【0058】
即ち、ダンパー付き軸部材3の本体部分は、カバー部材4が上部から覆い隠すように配置され、あるいは、カバー部材4の内部にダンパー付き軸部材3の軸部以外の部分が収納されて、ダンパー付き軸部材3の軸部のみがカバー部材4の外部に露出することになる。実際には、ダンパー付き軸部材3の軸部は、便座部1の取付部2aの孔部20aに挿入される。
【0059】
さらに、カバー部材4の左右側壁部の下端部で対向する位置には、二つの差込部9a,9bが下方に突出した状態で取り付けられている。この二つの差込部9a,9bはカバー部材と一体成型されているので可撓性部材で形成されており、手で押さえると撓むようになっている。そして、差込部9a,9bは、外側に先端から徐々に分厚くなるテーパ状の傾斜面(若しくは、くさび状の傾斜面)を備えており、側壁の下部に連続する根元部が一番分厚くなって、いわゆる略矢尻状に構成されている。
【0060】
便器本体5の上面後部には、これらの差込部9a,9bに対応するように開けられた差込穴部10a,10bが配設されており、カバー部材4の差込部9a,9bをそれぞれ嵌め込めばカバー部材4が便器本体部5に取付固定される。その際に、先端の楔状の傾斜面部に当接して若干変形しながら差し込まれ、差込部9a、9bの根元まで入った状態でくさび状部が差込孔10a、10bとの接触が開放されて、差込孔内部の入り口脇に、矢尻状部分が係合して固定される。
【0061】
カバー部材4を取り外すときには、差込部9a,9bを双方が近づく方向に手で撓ませて(弾性変形させて)、矢尻状部分と差込穴10a,10bとの係合を解いてから引き抜けば、カバー部材4が便器本体部5から簡単に取り外される着脱可能な構成となっている。
【0062】
カバー部材4は、図2に示すように、本体部に取り付けた状態で、その側壁部は取付部2a,2bの内壁部にそれぞれ対向して近接し、上面部は便座部1の上面部とほぼ面一になるような大きさに構成されている。このため、便器本体に取り付けた状態では、便座部1と連続する一体構造のように、表面に凹凸のないスムーズな外形が構築できる。
【0063】
加えて、カバー部材4の後部の両側面(側壁)部の下部には、コード通し切り欠き部11が設けられており、後述する便座部1の電気コード12(図2参照)が通過することができるようになっている。
【0064】
次に、本実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造による便座部の取付方法について図1及び図2と共に説明する。本実施形態に係るポータブルトイレの取付構造によって便座部1を取り付けるには、まず、便座部1の取付部2bにカバー部材4と一体となった軸部材6を挿入する。次に、カバー部材4の貫通孔21と便座部1の取付部2aの孔部20aを位置合わせした状態で、ダンパー付き軸部材3の軸部を、カバー部材4の内側から貫通孔21に挿し入れた後に、前記孔部20aに角度を合わせながら挿入する。この状態で、便座部1はカバー部材4に仮固定されている。
【0065】
そして、カバー部材4の差込部9a,9bを手で若干内側に撓ませながら、ダンパー付き軸部材3の凸部7が、ブラケット22の凹部8にしっかりと嵌め込まれるようにして、便器本体部5の差込穴部10a,10bに上方から嵌め込めば、便座部1の取付けは完了する。即ち、カバー部材の取付作業は、ダンパー付き軸部材の取付作業と一緒に同時に行われる。
【0066】
このように、本実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造によれば、ダンパー付き軸受け部材とカバー部材とを、便座部1を取り付ける際に一緒に、かつ、極めて簡単に取り付けることが可能となる。しかも、便座部1を取付けるための部品は軸部材6が設けられたカバー部材4とダンパー付き軸部材3の僅かに2点のみである。つまり、2点の部品のみで簡単に便座部1を取り付けることができるのである。
【0067】
さらに、カバー部材4の外形が、取付部に対向して近接配置される側面部と、便座部の上面部にほぼ面一となるカバー部材の上面部を備えているので、取付状態が便座と一体的にスッキリ納まるものとなっている。
【0068】
そして、カバー部材で取付部の軸部材を兼用し、かつ、ダンパー付き部材を内部に収納して外部から覆い隠しているので、ダンパーなどの構造部も外観上は全く目立たない状態でスッキリ納めることができるものとなっている。
【0069】
また、便座部1を取り外すには、本体の裏面側から(一般には、便座部1を開けた状態にして、便槽(不図示)側から)カバー部材4の差込部9a,9bを相互が近づくように手で押さえて撓ませるようにした状態で、カバー部材4を上方に引き抜けばよい。便座部1を取り外した際にも、分解される部品は、カバー部材4とダンパー付き軸部材3の2点のみしかないので、紛失したりする心配はない。
【0070】
さらには、便座部1がヒーターなどの電気構造のコードが備えられた形式のものである場合には、図2に示すように、電気コード12をクランク形状に折り曲げた状態でカバー部材4の内部を取り回して通過させ、コード切り欠き部11から取出すようにしておけば、便座蓋1を回動させてもコード12が折れ曲がったりすることはない。よって、コードが断線するといったトラブルが解消される。
【0071】
また、図3は、別の実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を示している。この実施形態では、便座部101は、後端部(図3における上端部分)から後方(図3の上側)に突出した一つの取付部102を備えている。この取付部102の両側部には軸受け部(孔部220a,220b)が設けられている。また、カバー部材104は軸部材106が一体成形されており、この軸部材106を孔部220bに挿入し、孔部220aに軸部が挿入されたダンパー付き軸部材103を軸部を一部露出するように上部から覆い隠すようにして便器本体部に取り付けると、これら軸部材106とダンパー付き軸部材103とを軸として便座部101は回動可能に構成されるのである。この実施形態の如くしても、簡単に便座部101を便器本体部に取り付けることができ、上記と同様の作用、効果を得ることができるのである。
【0072】
尚、本発明のポータブルトイレの便座取付構造は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、この実施形態では、ダンパー付き軸部材として、ダンパーと軸部分とが一体となった部品で構成したものを例示したが、ダンパー部分がカバー部材の内部に配置され、そこから連続する軸構造部分にダンパーの作用が伝達されるものであれば、本発明の範囲に含まれるものであり、一体である場合に限らない。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のポータブルトイレの便座取付構造によれば、少ない部品点数で簡単に便座を取り付けることができるという優れた効果を奏し得るのである。また、電気コードが取り付けられた便座においても、電気コードが断線することを防止でき、長期間便器を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を分解して示した説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を用いて電気コードを取付けた状態を説明するための図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を示した説明図である。
【符号の説明】
1,101:便座部
2a,2b,102:取付部
3,103:ダンパー付き軸部材
4,104:カバー部材
5:便器本体部
6,106:軸部材
7:凸部
8:凹部
9a,9b:差込部
10a,10b:差込穴部
11:コード切り欠き部
12:電気コード
20a,20b,220a,220b:孔部
21:貫通孔
22:ブラケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に一般室内で使用するポータブルトイレの便座取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のポータブルトイレの便座取付構造は、便座の後部縁の左右に突設された取付部の左右水平方向に設けられた軸孔部に、それぞれ軸部材を挿入して便器本体に回動可能に取り付けられる構造であった。例えば、特許文献1には便器の便座や便蓋等を便器本体に取り付けるヒンジ機構の技術が開示されている。この従来技術(特許文献1)は、二つの軸受部を有する基台を便器本体に取り付け、この基台の二つの軸受部で便座を回動可能に軸止する構造であるが、便座を軸受部に取り付ける際には、便座の後部縁の左右に設けられた軸孔を軸受部に合わせておき、二つの軸部材をそれぞれの軸受部に挿入して行うものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318763号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、便座を便器本体に取り付けるには、まず便器本体に基台を嵌め込み、そして便座の後縁部に設けられた二つの軸孔にそれぞれ軸部材を挿入しなければならなかった。よって、便座の取付けのための部品点数が多く、取付け作業が面倒であった。より詳細に言えば、上記従来の技術では、少なくとも基台と二つの軸部材の合計3点の部品が便座取付けのために必要であった。しかも、部品点数が多いため、便座を分解したときに部品を紛失しやすいという問題もあった。
【0005】
さらに、便座の開閉に際して、騒音や振動防止を主な目的に緩衝動作を行うためのダンパーを回動軸部に設けることがあるが、このようなダンパーを取り付けるとさらに部材点数が増えると共に、取付作業などが煩雑化する問題があった。さらに、軸部の周辺にダンパー部材が露出してポータブルトイレの見栄えが悪くなる問題があった。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、部品点数の少ないポータブルトイレの便座取付構造を提供することを目的とする。さらに、本発明の目的は、簡単に便座を取り付けることができるポータブルトイレの便座取付構造を提供することにある。また、ダンパー部材を取り付けても、便座の取付作業が簡単に行える取付構造を提供することも本発明の目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、前記便座部には、後端部から後方に突出した取付部が予め定められた間隔を開けて左右に二カ所設けられており、前記左右の取付部に対する軸部の少なくとも一つは、便器本体部に配設されるダンパー付き軸部材で軸支され、前記ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、前記左右の取付部の間の部分に位置するように、前記便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材を備えている、ことを特徴とするポータブルトイレの便座取付構造を提供する。
【0008】
本発明における便座部は、後端部から後方に突出した取付部が左右に二箇所設けられており、それぞれは予め定められた間隔を開けている。この取付部のそれぞれに軸部を挿入することによって、軸部回りに便座部が回動可能に便器本体に取り付けられる。即ち、回動軸は左右の水平方向の同じ軸位置であり、それぞれの取付部にそれぞれの軸部材が配設される。
【0009】
そして、これら二箇所の取付部のうち、少なくとも一つの取付部にはダンパー付きの軸部材が挿入される。このダンパー付き軸部材とは、軸部材を介して取り付けられる便座部を回動させて、下げたときや上げたときに、騒音や振動防止を主な目的に緩衝動作を行うための手段を備えたものである。この緩衝手段としてのダンパーを軸部材側に設けることで、本体部にしっかりと固定できると共に、便座側の構造はシンプルになる。
【0010】
カバー部材は、このダンパー部材を内部に納め、その軸部分のみを外部に露出する構造であり、取付状態で便座部の左右の取付部の間の位置に配設される。即ち、便座部の左右の取付部の間の位置にダンパー付き軸部材が配置され、その上部を覆うようにカバー部材が取り付けられる。言い換えれば、カバー部材は、便座の取付部の間の空間を塞ぐような構造で、取付軸部などの外部への露出を防ぎ、見栄えも向上する。さらに、この左右の取付部の間の空間を有効活用して、ダンパー部材などの構造部を配設している。
【0011】
なお、軸部は、左右の水平方向の軸方向であるので、左右の取付部の対向する内側面にそれぞれ軸部に対する受け部が設けられる。逆に、カバー部は、前記それぞれの内側面に対向する外側面部を備えている。これにより、カバー部材を取り付けると、便座部の後端部の取付部の間の空間にカバー部材が填り込んだ状態となるので、外見上もスッキリしてゴミなども溜まりにくく、掃除も楽にできる。
【0012】
そして、少なくとも一つの取付部に挿入されるダンパー付き軸部材は、軸部のみをこのカバー部材の外側面部からから露出するようにして、取付部の内側面部の受け部に取り付ける構造である。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記左右の取付部のうち、第一の取付部に対する軸部が、前記ダンパー付き軸部材で軸支され、第二の取付部に対する軸部が、前記カバー部材の外壁部から突出するように一体的に設けられた軸部材からなる、ことを特徴とするものである。
【0014】
この発明では、一方の取付部をダンパー付き軸部材で構成し、他方の取付部を単なる軸部材に軸支させる構造としたものであり、他の軸部材を個別に設けずに、カバー部材に直接設けていることが特徴である。
【0015】
即ち、本発明の第二の取付部には、単純な軸部材が挿入される軸受け穴部が水平方向に設けられていれば、カバー部材に一体的に設けられた軸部材と係合して回動構造を形成する。カバー部材は、取付部の内側面に対向する外側面(外壁面)を備えているので、その対向する外側面部に軸部材を設けておけばよい。
【0016】
そして、カバー部材に対して、まず第二の取付部の軸部を係合させた後、第一の取付部に対して、ダンパー付き軸部材をカバー部材の外壁部(側壁部)から露出させるように嵌め込めば、第一の取付部への軸部材の取付けも完了する。
【0017】
カバー部材には、ダンパー付き軸部材の少なくとも軸部分を露出させるために、部分的な孔や、縁部から連続する長穴などを備えているが、いずれにしても、ダンパー付き軸部材を仮固定できるような構成が望ましい。例えば、軸部露出用の孔部分で簡単に引っかけておけるなどが好ましい。そして、このような状態で、ダンパー付き軸部材をカバー部材と一緒に便器本体へ取り付ければ良い。
【0018】
そして、カバー部材とダンパー付き軸部材が本体部に取り付けられることによって、便座部の軸部が本体部に固定されるので、便座部が便器本体に回動可能に取り付けられるのである。同時に、ダンパー付き軸部材の作用により、開閉時の動作に緩衝作用が加わって、便座の回動動作時に衝撃や大きな音などが生じない。これにより、室内などで使用しても無駄な騒音などを発生しない利点がある。
【0019】
このように、前記第二の取付部に挿入される軸部材は、本発明においては、便器本体に対して着脱可能に設けられた樹脂製のカバー部材の外壁部から突出するように一体的に設けられている。これは、カバー部材の樹脂成形時に同時に形成してしまうのが製造工程の簡略化や、部品点数の削減効果があって好ましい。
【0020】
この構成により、便座部の第一の取付部にダンパー付き軸部材を挿入し、第二の取付部にはカバー部材と一体的に設けられた軸部材を挿入し、このカバー部材をそのまま便器本体に取り付ければ便座は便器本体に回動可能に取り付けられることとなる。つまり、便器本体に便座を取付けるための部品点数は、軸部材が外壁部に突出したカバー部材とダンパー付き軸部材の合計2点で良いこととなる。よって、部品点数が少なく、簡単に便座を便器本体に取り付けることができる。しかも、部品点数が少ないので便座を取り外して便器の清掃などを行う際に、構成部品が紛失する心配もない。
【0021】
ここで、カバー部材の便器本体への取付構造は本発明においては特に限定されるものではない。例えば、便器本体に穴部を設けておき、カバー部材の下部に突起部を設け、この突起部を便器本体の穴部に挿入して取り付けるよう着脱可能に構成すればよい。
【0022】
また、本発明においてカバー部材はダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すように構成される。即ち、ダンパー付き軸部材は、便座部の第一の取付部に挿入される部分(軸部)以外の部分がカバー部材で覆い隠されるようになっている。従って、外見上、ダンパー付き軸部材は殆ど見えることがなく、外観にも優れたものとなる。
【0023】
なお、本発明のカバー部材の形状は、ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠せるようになっていれば何れのものであっても良い。また、本発明のダンパー付き軸部材は、便座部の回動速度を緩やかにするためのものであり、回動動作に緩衝作用を生じさせるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0024】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記便座部が、ヒーターなどの電気構造を備え、該電気構造のコードを略クランク状に折り曲げた状態で前記カバー部材の内部を取り回して、前記カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して取出すようにしたことを特徴とするものである。
【0025】
便座部がヒーターなどの電気構造を備えて構成されている場合には、便座部に電気を供給するために電気コードが付いているのが一般的であるが、この電気コードを自由な状態でそのままコンセントに差込む構造のものでは、便座部の開閉のたびにコードが折れ曲がったりしてコードが断線等してしまうことがある。
【0026】
そこで、本発明では電気コードをクランク状に折り曲げてカバー部材の内部で取り回して通過させるようにして、電気コードが折れ曲がり難くなるようにしたのである。より詳細に言えば、本発明は電気コードをカバー部材内に通過させる際に、便座部に取り付けられた電気コードを略クランク形状に折り曲げた状態でカバー部材内に取り込み、カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して外部へ取出すように構成されている。
【0027】
一例としては、例えば図2に示すように、便座部の後端面部で、左右取付部のいずれかの外側部分から電気コードを外部に取り出して、カバー部材の後部において、一方の側面から他方の側面側へ渡るように取り回すことで、電気コードの略クランク形状を構成できる。
【0028】
他の例としては、電気コードを軸部の内部を貫通させることも考えられる。即ち、軸部を大径にして内部貫通孔を設け、その軸内貫通孔の内部に電気コードを通すことも可能である。便座側では、これに対応する取付部の内部を通して、前記貫通孔付き軸部へと電気コードを導けば、この軸を通過する部分で、電気コードに略クランク状に取り回されることになる。この場合のカバー部材からの取り出し部は、左右の側面部でも良いが、後側の側面部(後面部)でも構わない。
【0029】
いずれの場合でも、カバー部材は上部から被せる構造であるので、カバー部材の本体部に接する部分に上方へ向かう切り欠き部を設けてコード通し切り欠き部とすれば、長いコードも邪魔にならずにこの切欠部を通して取付けが簡単に行える。
【0030】
このように構成することによって、カバー部材が電気コードをクランク状に保持するから、電気コードが勝手に折れ曲がったりすることを防止できる。よって、電気コードが断線するようなトラブルを防ぐことができるのである。
【0031】
本発明の別の態様では、請求項1〜3のいずれかに記載のポータブルトイレの便座取付構造において、本体部に上部が開放された構成の受け部を備えたダンパー取付部を有し、前記ダンパー付き軸部材は、前記ダンパー取付部に上部から嵌め込むことで設置される保持構造部を備えている。
【0032】
このため、ダンパー付き軸部材は、ダンパー取付部に上部から保持構造部を組み入れる(又は嵌め込む)ことで、本体部に保持されて設置できるので、取付作業が容易になる。さらに、カバー部材と一緒に取り付ける際にも、簡単に取付作業を行える。
【0033】
例えば、ダンパー軸部材は、軸とは反対側の後部や、取付時の下方となる部分に所定形状の凸部を保持構造部として設け、前記便器本体部には前記凸部に対応する凹部(受け部)からなるダンパー取付部(支持部材)を設けておき、しかも、ダンパー取付部の凹部の上部が開放された構成とすれば、その上部から前記凸部を組み入れればダンパー付き軸部材は簡単に装着できることになる。
【0034】
この場合には、ダンパー付き軸部材は、その後部(便座部の取付部に挿入される軸部と反対の部分)に凸部を有し、この凸部が便器本体部に立設するダンパー取付部に設けられた凹部に嵌め込まれるようになっているから、ダンパー付き軸部材がガタガタしたり、回動したりすることなく、しっかりと便器本体部に取り付けられるようになる。なお、このような取付構造は、便座部のダンパー部として力を受けても大丈夫な程度の強度で設計されていることは言うまでもない。
【0035】
つまり、ダンパー付き軸部材の凸部(保持構造部)と、この凸部に対応するダンパー取付部(支持部材)の凹部(受け部)との嵌合によってダンパー付き軸部材がしっかりとダンパー取付部(支持部材)によって本体部に保持され、便座部の回動が安定するのである。しかも、凸部と凹部との嵌合による取付構造とすることにより、便座部の取り付け作業は簡単に行うことが可能である。なお、本発明における凸部と凹部は、嵌合状態がしっかりと維持されるようになっていれば何れの形状であっても構わない。
【0036】
本発明の別の態様によれば、上記いずれかに記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記カバー部材は下方に突出した構成の差込部を備え、前記便器本体部には、この差込部を受け入れる差込孔部が設けられ、この差込部は差込穴部に挿入された状態で、差込部や差込穴部の素材の可撓性を利用して取付固定されることを特徴とする。
【0037】
即ち、カバー部材を取り付ける際には、差込部を差込穴部に挿入して押し込めば、その材料の可撓性を利用して一部変形しながら差し込まれ、最終的には可撓性を利用したロック構造で固定されるものである。そして、取り外す際には、この取付時の可撓性の変形状態の逆方向に力を加えてやることで、ロック状態を開放して、差込穴部から差込部を抜き出すことができるものとなる。
【0038】
例えば、カバー部材の本体取付時の下端部に、下方に突出した可撓性部材からなる差込部を二箇所に設け、前記便器本体部の上面部には前記差込部に対応する差込穴部を設け、前記差込部を前記差込穴部に嵌め込むことにより、前記カバー部材を前記便器本体部へ取り付けられるように構成する。
【0039】
この構成では、カバー部材の下端部に下方に突出した差込部を二箇所設けているので、その装着時には、差込部の相対的な距離が離れるか近づく方向に、素材の可撓性を利用して変形するように構成し、最終的な取付状態では、この変形が開放されて嵌り込む様な構成にすればよい。具体的には、差込部にテーパ部を備えて、差し込まれた状態ではこのテーパ部の根元部(テーパの出っ張りがない部分)に嵌合するような構成にすればよい。
【0040】
これにより、カバー部材の便器本体部への取り付けは、差込部を差込穴部に嵌め込むだけの簡単なものとなる。あるいは、差込部は可撓性部材からなるものであるため、カバー部材を便器本体部へ取り付けるときには、可撓性部材からなる差込部を手で撓ませて便器本体部の差込穴部に嵌め込むだけで簡単にカバー部材を便器本体部に取り付けることができることとなる。また、カバー部材を取り外すときにも、差込部が可撓性部材であるから、嵌め込むときと逆向きに差込部を撓ませるだけで簡単に便器本体部から取り外すことができる。
【0041】
ここで、本発明における差込部は少なくとも二箇所に設けられていれば十分である。少なくとも二箇所に設けられていれば便器本体にしっかりと取付固定できるからである。勿論、それ以上差込部を設けておいても良い。
【0042】
次に、本願請求項4記載発明では、便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、前記便座部には、その後端部から後方に突出した取付部に対して、軸受け部が左右に二カ所設けられており、前記左右の軸受け部の一つには、便器本体部に配設されるダンパー付き軸部材で軸支され、前記ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、前記便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材を備えており、前記左右の軸受け部の他の一つには、前記樹脂製のカバー部材の前記軸受け部と対向する壁部から突出するように一体成形された軸部材を備えている、ことを特徴とするポータブルトイレの便座取付構造を提供する。
【0043】
この発明では、便座部には後方に突出する状態で設けられた取付部が存在し、その取付部には、左右に二カ所の軸受け部を備えている。この軸受け部は、便座部の回動中心となる軸受け部であるから同軸上に構成されていることはいうまでもない。さらに、左右に二カ所の軸受け部が存在すればよいので、取付部を一カ所として、その左右の側面部にそれぞれ軸受け部を設けたものでも、取付部を左右に二カ所設けた上で、それぞれの取付部に軸受け部を設けているものでも良い。
【0044】
さらに、本発明では、二カ所の軸受け部のうち、一カ所にはダンパー付き軸受け部材を軸支させ、便座の開閉動作に緩衝作用を付加するものとしている。他の軸受け部には、自由か移動可能な軸受け部で構成し、そこに軸部材を設けて回動中心となるようにしている。
【0045】
ダンパー付き軸受け部材は、本体部に取り付けられるが、その軸部を除いてカバー部材が覆い隠す構成であり、カバー部材から軸受け部のみが突出した構成とすることができるものである。
【0046】
そして、そのカバー部材には、他方の軸受け部に対する軸部材が一体成形されているので、この一体成形軸部材側を最初にカバー部材の一つの軸受け部に装着し、その後、ダンパー付き軸部材をカバー部材を取り付けた状態のままで装着する。これにより、便座部は二つの軸受け部に、それぞれ軸部材が装着された状態となり、その状態でカバー部材に(回動可能に)保持されている。
【0047】
そして、カバー部材ごと、便座部と、ダンパー付き軸部材を便器本体に取り付ければ、一度で便器本体部にこれらの部材が装着できるので、組み立て工程が極めて容易である。さらに、部品点数も少なくて、製造コストを抑えることも可能である。
【0048】
また、別の態様としては、上記請求項4に記載のポータブルトイレの便座取付構造において、前記便座部が、ヒーターなどの電気構造を備え、該電気構造のコードを略クランク状に折り曲げた状態で前記カバー部材の内部を取り回して、前記カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して取出すように構成する。
【0049】
この構成によれば、電気コードをクランク状に折り曲げてカバー部材の内部で取り回して通過させるようにできるから、電気コードが折れ曲がり難くなる。より詳細に言えば、電気コードをカバー部材内に通過させる際に、便座部に取り付けられた電気コードを略クランク形状に折り曲げた状態でカバー部材内に取り込み、カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して外部へ取出すようにすれば、電気コードが折れ曲がり難くなるのである。
【0050】
一例としては、便座部の後端面部で取付部の外側部分から電気コードを外部に取り出して、カバー部材の後部において、一方の側面から他方の側面側へ渡るように取り回すことで、電気コードの略クランク形状を構成できる。
【0051】
他の例としては、電気コードを軸部の内部を貫通させることも考えられる。即ち、軸部を大径にして内部貫通孔を設け、その軸内貫通孔の内部に電気コードを通すことも可能である。便座側では、これに対応する取付部の内部を通して、前記貫通孔付き軸部へと電気コードを導けば、この軸を通過する部分で、電気コードに略クランク状に取り回されることになる。この場合のカバー部材からの取り出し部は、左右の側面部でも良いが、後側の側面部(後面部)でも構わない。
【0052】
いずれの場合でも、カバー部材は上部から被せる構造であるので、カバー部材の本体部に接する部分に上方へ向かう切り欠き部を設けてコード通し切り欠き部とすれば、長いコードも邪魔にならずにこの切欠部を通して取付けが簡単に行える。
【0053】
このように構成することによって、カバー部材が電気コードをクランク状に保持するから、電気コードが勝手に折れ曲がったりすることを防止できる。よって、電気コードが断線するようなトラブルを防ぐことができるのである。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るポータブルトイレにおける便座の取付構造を図示例と共に説明する。尚、図中、図と同一の符号を付した部分は同一物又は相当物を表わしている。本発明の一実施形態に係る便座の取付構造は、図1に示すように、ポータブルトイレの便座部1の後縁部に設けられた二つの取付部2a,2bのうち、第一の取付部2aにダンパー付き軸部材3を挿入し、第二の取付部2bには軸部材6を挿入すると共に、カバー部材4を便器本体5の上面後部に取付けて、便座部1を便器本体部5に取り付ける構造のものである。
【0055】
取付部2a,2bは、それぞれ所定の間隔を開けて、便座部1の後縁部から後方(図1中の右斜め上方向)に突出するように形成されており、取付部2aにはダンパー付き軸部材3を挿入するための孔部20aが開けられている。また、取付部2bには軸部材6を挿入するための孔部20bが開けられている。
【0056】
ダンパー付き軸部材3は、その後部に断面略矩形の凸部7(保持構造部)が設けられている。また、便器本体部5の上面にはダンパー取付部(支持部材)であるブラケット22が立設されており、このブラケット22は上面部と一側側面部とに亘る凹部8が受け部として形成されている。この凹部8は、上部が開放されており、その内部は、ダンパー付き軸部材3の凸部7の外形形状に対応するように形成されていて、この凹部8にダンパー付き軸部材3の凸部7を上方から嵌め込むことによって、ダンパー付き軸部材3は回動することなくしっかりと本体部に固定されるようになっている。なお、凹部8の上面開口部分はダンパー付き軸部材3の凸部の挿入を容易とするために凸部の形状よりやや大きくして、テーパ状の受け部を備えている。
【0057】
カバー部材4は、樹脂製部材(本実施形態ではプラスチック製)で一体成型された略矩形箱型形状となっており、底部は開放されている。そして、左右側面部の外壁部は、二つの取付部2a,2bの内壁部と相対するように若干の隙間を持って近接して配置される。一方の外壁部の外側には、先端部がやや細い略円柱形状の軸部材6が外部へ突出するようにカバー部材3と一体的に成形されている。また、他方の側面(軸部材6が設けられている側面部と対向する側面)部には、貫通孔21が設けられており、ここから、ダンパー付き軸部材3の軸部(取付部2aの孔部20aに挿入する部分)が外部に露出するように取り付けられる。
【0058】
即ち、ダンパー付き軸部材3の本体部分は、カバー部材4が上部から覆い隠すように配置され、あるいは、カバー部材4の内部にダンパー付き軸部材3の軸部以外の部分が収納されて、ダンパー付き軸部材3の軸部のみがカバー部材4の外部に露出することになる。実際には、ダンパー付き軸部材3の軸部は、便座部1の取付部2aの孔部20aに挿入される。
【0059】
さらに、カバー部材4の左右側壁部の下端部で対向する位置には、二つの差込部9a,9bが下方に突出した状態で取り付けられている。この二つの差込部9a,9bはカバー部材と一体成型されているので可撓性部材で形成されており、手で押さえると撓むようになっている。そして、差込部9a,9bは、外側に先端から徐々に分厚くなるテーパ状の傾斜面(若しくは、くさび状の傾斜面)を備えており、側壁の下部に連続する根元部が一番分厚くなって、いわゆる略矢尻状に構成されている。
【0060】
便器本体5の上面後部には、これらの差込部9a,9bに対応するように開けられた差込穴部10a,10bが配設されており、カバー部材4の差込部9a,9bをそれぞれ嵌め込めばカバー部材4が便器本体部5に取付固定される。その際に、先端の楔状の傾斜面部に当接して若干変形しながら差し込まれ、差込部9a、9bの根元まで入った状態でくさび状部が差込孔10a、10bとの接触が開放されて、差込孔内部の入り口脇に、矢尻状部分が係合して固定される。
【0061】
カバー部材4を取り外すときには、差込部9a,9bを双方が近づく方向に手で撓ませて(弾性変形させて)、矢尻状部分と差込穴10a,10bとの係合を解いてから引き抜けば、カバー部材4が便器本体部5から簡単に取り外される着脱可能な構成となっている。
【0062】
カバー部材4は、図2に示すように、本体部に取り付けた状態で、その側壁部は取付部2a,2bの内壁部にそれぞれ対向して近接し、上面部は便座部1の上面部とほぼ面一になるような大きさに構成されている。このため、便器本体に取り付けた状態では、便座部1と連続する一体構造のように、表面に凹凸のないスムーズな外形が構築できる。
【0063】
加えて、カバー部材4の後部の両側面(側壁)部の下部には、コード通し切り欠き部11が設けられており、後述する便座部1の電気コード12(図2参照)が通過することができるようになっている。
【0064】
次に、本実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造による便座部の取付方法について図1及び図2と共に説明する。本実施形態に係るポータブルトイレの取付構造によって便座部1を取り付けるには、まず、便座部1の取付部2bにカバー部材4と一体となった軸部材6を挿入する。次に、カバー部材4の貫通孔21と便座部1の取付部2aの孔部20aを位置合わせした状態で、ダンパー付き軸部材3の軸部を、カバー部材4の内側から貫通孔21に挿し入れた後に、前記孔部20aに角度を合わせながら挿入する。この状態で、便座部1はカバー部材4に仮固定されている。
【0065】
そして、カバー部材4の差込部9a,9bを手で若干内側に撓ませながら、ダンパー付き軸部材3の凸部7が、ブラケット22の凹部8にしっかりと嵌め込まれるようにして、便器本体部5の差込穴部10a,10bに上方から嵌め込めば、便座部1の取付けは完了する。即ち、カバー部材の取付作業は、ダンパー付き軸部材の取付作業と一緒に同時に行われる。
【0066】
このように、本実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造によれば、ダンパー付き軸受け部材とカバー部材とを、便座部1を取り付ける際に一緒に、かつ、極めて簡単に取り付けることが可能となる。しかも、便座部1を取付けるための部品は軸部材6が設けられたカバー部材4とダンパー付き軸部材3の僅かに2点のみである。つまり、2点の部品のみで簡単に便座部1を取り付けることができるのである。
【0067】
さらに、カバー部材4の外形が、取付部に対向して近接配置される側面部と、便座部の上面部にほぼ面一となるカバー部材の上面部を備えているので、取付状態が便座と一体的にスッキリ納まるものとなっている。
【0068】
そして、カバー部材で取付部の軸部材を兼用し、かつ、ダンパー付き部材を内部に収納して外部から覆い隠しているので、ダンパーなどの構造部も外観上は全く目立たない状態でスッキリ納めることができるものとなっている。
【0069】
また、便座部1を取り外すには、本体の裏面側から(一般には、便座部1を開けた状態にして、便槽(不図示)側から)カバー部材4の差込部9a,9bを相互が近づくように手で押さえて撓ませるようにした状態で、カバー部材4を上方に引き抜けばよい。便座部1を取り外した際にも、分解される部品は、カバー部材4とダンパー付き軸部材3の2点のみしかないので、紛失したりする心配はない。
【0070】
さらには、便座部1がヒーターなどの電気構造のコードが備えられた形式のものである場合には、図2に示すように、電気コード12をクランク形状に折り曲げた状態でカバー部材4の内部を取り回して通過させ、コード切り欠き部11から取出すようにしておけば、便座蓋1を回動させてもコード12が折れ曲がったりすることはない。よって、コードが断線するといったトラブルが解消される。
【0071】
また、図3は、別の実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を示している。この実施形態では、便座部101は、後端部(図3における上端部分)から後方(図3の上側)に突出した一つの取付部102を備えている。この取付部102の両側部には軸受け部(孔部220a,220b)が設けられている。また、カバー部材104は軸部材106が一体成形されており、この軸部材106を孔部220bに挿入し、孔部220aに軸部が挿入されたダンパー付き軸部材103を軸部を一部露出するように上部から覆い隠すようにして便器本体部に取り付けると、これら軸部材106とダンパー付き軸部材103とを軸として便座部101は回動可能に構成されるのである。この実施形態の如くしても、簡単に便座部101を便器本体部に取り付けることができ、上記と同様の作用、効果を得ることができるのである。
【0072】
尚、本発明のポータブルトイレの便座取付構造は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、この実施形態では、ダンパー付き軸部材として、ダンパーと軸部分とが一体となった部品で構成したものを例示したが、ダンパー部分がカバー部材の内部に配置され、そこから連続する軸構造部分にダンパーの作用が伝達されるものであれば、本発明の範囲に含まれるものであり、一体である場合に限らない。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のポータブルトイレの便座取付構造によれば、少ない部品点数で簡単に便座を取り付けることができるという優れた効果を奏し得るのである。また、電気コードが取り付けられた便座においても、電気コードが断線することを防止でき、長期間便器を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を分解して示した説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を用いて電気コードを取付けた状態を説明するための図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係るポータブルトイレの便座取付構造を示した説明図である。
【符号の説明】
1,101:便座部
2a,2b,102:取付部
3,103:ダンパー付き軸部材
4,104:カバー部材
5:便器本体部
6,106:軸部材
7:凸部
8:凹部
9a,9b:差込部
10a,10b:差込穴部
11:コード切り欠き部
12:電気コード
20a,20b,220a,220b:孔部
21:貫通孔
22:ブラケット
Claims (4)
- 便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、
前記便座部には、後端部から後方に突出した取付部が予め定められた間隔を開けて左右に二カ所設けられており、
前記左右の取付部に対する軸部の少なくとも一つは、便器本体部に配設されるダンパー付き軸部材で軸支され、
前記ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、前記左右の取付部の間の部分に位置するように、前記便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材を備えている、
ことを特徴とするポータブルトイレの便座取付構造。 - 前記左右の取付部のうち、
第一の取付部に対する軸部が、前記ダンパー付き軸部材で軸支され、
第二の取付部に対する軸部が、前記カバー部材の外壁部から突出するように一体的に設けられた軸部材からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のポータブルトイレの便座取付構造。 - 前記便座部が、ヒーターなどの電気構造を備え、
該電気構造のコードを略クランク状に折り曲げた状態で前記カバー部材の内部を取り回して、前記カバー部材の側面部に設けたコード通し切り欠き部を通して取出すようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のポータブルトイレの便座取付構造。 - 便器本体の上面後部に左右水平方向に向けて配置される回動軸を中心に回動可能に取り付けられた便座部を備えたポータブルトイレであって、
前記便座部には、その後端部から後方に突出した取付部に対して、軸受け部が左右に二カ所設けられており、
前記左右の軸受け部の一つには、便器本体部に配設されるダンパー付き軸部材で軸支され、
前記ダンパー付き軸部材の軸部を外部に露出するようにして上部から覆い隠すと共に、前記便器本体部に対して着脱可能に設けられている樹脂製のカバー部材を備えており、
前記左右の軸受け部の他の一つには、前記樹脂製のカバー部材の前記軸受け部と対向する壁部から突出するように一体成形された軸部材を備えている、
ことを特徴とするポータブルトイレの便座取付構造。
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Cited By (2)
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EP2842469A1 (de) * | 2013-08-29 | 2015-03-04 | Dometic GmbH | Scharnier, Dämpfungsvorrichtung und mobile Toilette |
DK201670293A1 (en) * | 2016-05-04 | 2017-10-30 | Pressalit As | Hinge arrangement for toilet seat and/or cover |
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2002
- 2002-09-06 JP JP2002261117A patent/JP2004097342A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2842469A1 (de) * | 2013-08-29 | 2015-03-04 | Dometic GmbH | Scharnier, Dämpfungsvorrichtung und mobile Toilette |
US9770145B2 (en) | 2013-08-29 | 2017-09-26 | Dometic Gmbh | Hinge, damping device and mobile toilet |
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