JP2004095881A - 薄膜太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の短波長領域において利用できる太陽光の光量を増加させることにより、光電変換の効率を向上させることが可能な薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明の薄膜太陽電池は、基板101表面に形成された、亜鉛を含む酸化インジウムからなる透明導電層102と、光エネルギーを電気エネルギーに変換する、p層103,i層104,n層105からなる単位セル106と、変換された電気エネルギーを取り出す収集電極層107とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の薄膜太陽電池は、基板101表面に形成された、亜鉛を含む酸化インジウムからなる透明導電層102と、光エネルギーを電気エネルギーに変換する、p層103,i層104,n層105からなる単位セル106と、変換された電気エネルギーを取り出す収集電極層107とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電効率を向上させる構造を有する太陽電池に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の地球環境の悪化にともない、現在の石炭・石油等の生物燃料あるいは原子力に頼ったエネルギー生産システムの見直しが迫られている。
ここで、前者は燃料を燃焼する際に地球温暖化の原因である二酸化炭素を排出し、後者はウラン燃料の放射能の取り扱いに難がある。
このため、太陽光発電は、実用化が期待される新エネルギーのなかでも地球に優しいクリーンな電源として普及促進が図られている。
【0003】
クリーンで利用し易いエネルギー源として、現在、太陽光を用いた発電システムが注目されている。
しかも、太陽光は当面枯渇の心配がいらない無尽蔵のエネルギー源とみなせるため、エネルギー使用の継続性の点において、他の資源に対して優位である。
地球は完全な球形ではなく、自転軸方向に伸びた回転楕円体であるが、同楕円体の短半径を用いた場合の地球表面へ降り注ぐ太陽輻射エネルギーは、単位時間当たり約1.3×1014kW/年に達する。
【0004】
このエネルギー量は、例えば、1995年における単位時間当たりの全世界のエネルギー消費量のおよそ90倍に相当する。
ところが、地上で受け取れる単位時間当たりの大陽輻射エネルギーは1kW/m2と小さいため、十分な発電電力を得るためには広大な面積が必要となる。
太陽電池パネルの設置面積を減少させて土地の有効利用を図るためにも太陽電池の変換効率向上が望まれている。
太陽電池の普及が進むと僅かな効率向上でも、全体的な発電コストにおいては大きな差となるため、太陽電池の変換効率の向上は重要な課題である。
【0005】
地球表面で得られる太陽光輻射エネルギースペクトル分布は、波長 300 nm付近の紫外光領域から立ち上がり、可視光領域の500nm付近で最大の輻射エネルギーを有している。
輻射エネルギーの強度は、500nm以降から約2.7μmの赤外光領域まで単調に減少する。
このため、効率の良い太陽光発電を行うには、太陽光輻射エネルギースペクトル分布の広い領域に渡って、有効に太陽光輻射エネルギーを利用できる太陽電池が必要となる。
特に、短波長領域での輻射エネルギー強度が高いため、短波長領城における太陽電池の光電変換効率を上げることが重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、p型,i型及びn型半導体で構成された太陽電池の単位セルにおいて、i層はそのバンドギャップの幅で規定された特定の波長領域での太陽光輻射エネルギーしか利用できない。
このため、バンドギャップの幅が異なる半導体、すなわち、特定の波長領域で感度の高い半導体を複数個積層した構造の太陽電池が特公昭63−48197号で提案されている。
【0007】
これは、複数個積層した単位セルのi層を光の入射側に近い方からエネルギーギャップの大きい順に配置した構造になっている。
ここで、光電変換効率の観点から、長波長領域ではi層に微結晶シリコン半導体を利用することが効率的であり、一方、短波長領域では非晶質シリコン半導体や非晶質炭化シリコン半導体が使用されている。
従来の太陽電池においては、導電層に使用する材料に錫を含む酸化インジウムが広く使われてきている。
【0008】
錫を含む酸化インジウムによる導電層は、短波長領域での光の透過が十分でなく、すなわち、短波長領域の光が吸収される割合が高いという特性を有している。
このため、従来の太陽電池では、錫を含む酸化インジウムを導電層に使用した場合、太陽光輻射エネルギースペクトル分布の短波長領域において、光の吸収が大きいため、光電変換を行う半導体層に到達する光量が減ってしまい、短波長領域での光電変換効率を低下させるという問題がある。
【0009】
本発明はこのような背景の下になされたもので、短波長領域で太陽光幅射エネルギースペクトルが最大値を持つことを考慮し、短波長領域において利用できる太陽光の光量を増加させ、光電変換の効率を向上させることが可能な太陽電池を提供する事にある。
すなわち、本発明によって太陽光輻射工ネルギースペクトル分布の短波長領域において光電変換効率が高い半導体と、太陽光輻射エネルギースペクトル分布の短波長領域での光の吸収が少ない導電層材料とを組み合わせることで、太陽光幅射エネルギースペクトル分布の短波長領域において光電変換効率の高い太陽電池を提供することが可能である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する、少なくとも1つの光電変換ユニットと、光電変換ユニットの両側に形成され、いずれか一方が亜鉛を含む酸化インジウムによりなる導電層とを有することを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記導電層が、亜鉛を含む酸化インジウムによりなる透明導電層と、該透明導電層とともに、前記光電変換ユニットが発生する電気エネルギーを取り出すための収集電極層とからなることを特徴とする。
【0011】
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルであることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルであることを特徴とする。
【0012】
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルを複数積層して構成されていることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルを複数積層して構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の薄膜太陽電池は、前記複数積層された単位セルにおいて、光の入射側に近い単位セルから遠い単位セルに向かい、膜厚が順に厚く形成されていることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セルのi層が微結晶シリコンで形成された薄膜であることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セルのi層がゲルマニウムまたは錫を含むシリコンの薄膜であることを特徴とする。
【0014】
本発明の薄膜太陽電池は、前記半導体の単位セルにおいて、光の入射側からp層,i層及びn層の順に積層されることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記半導体の単位セルにおいて、光の入射側からn層,i層及びp層の順に積層されることを特徴とする。
【0015】
本発明の薄膜太陽電池は、亜鉛を含む酸化インジウムの導電層の光の透過率が380nmの波長において75%以上であることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記導電層及び光電変換ユニットが、プラスチックフィルムの基板表面に形成されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態における太陽電池の各薄膜についての積層構造を示す断面図である。
図1において、太陽電池100は、基板101、透明導電層102、p層103,i層104及びn層105からなる単位セル106と、収集電極層107が順に積層されて形成されている。
すなわち、単位セル106の両側に透明電極層102及び収集電極層107が形成されている。
【0017】
基板101裏面側から太陽光を入射する場合、図1に示すように、基板101の表面に透明導電層102を形成する。
透明導電層102の表面に、単位セル106を、p層103,i層104及びn層105の順に形成する。
単位セル106は、入射した太陽光の光エネルギーを、電気エネルギーに変換する。
【0018】
単位セル106においては、電子と正孔との発生がほとんどi層104で行われ、i層104の内部電界作用により、効率よく電子と正孔が各々、p層103,n層105へ振り分けられる(後に述べる、図2の多重積層構造の太陽電池200における単位セル206,210についても同様である)。
最後に、n層105の表面に、光電変換により生成された電力(電気エネルギー)を取り出すための収集電極層107を形成する。
【0019】
すなわち、入射した太陽光の光エネルギーを電気エネルギーへ変換する単位セル106が、電気エネルギーを、取り出すための透明導電層102及び収集電極層107に挟まれた構造をしている。
ここで、透明導電層102では太陽光を単位セルへ供給するため、透明な透明導電層が用いられている。
太陽光の広い波長領域の光を効率的に利用する場合、図2に示すように単位セル(単位セル206,210)が複数積層されて形成されている構造の太陽電池200を作製する。
単位セル206,210の両側に透明導電層102及び収集電極層107を形成する。
【0020】
複数の単位セルを形成した場合のi層は、光の入射面に近いほうから、エネルギーギャップの大きい順に配置する。
単位セル206及び210において、光の入射が図上部方向から太陽電池200に対して行われるとすると、光の入射側に近い単位セル206におけるi層204は、入射面から遠い単位セル210のi層208より、膜厚を薄くする。
すなわち、入射する光量が等しくなるように、積層された各単位セルのi層の膜厚は、太陽光の入射側に近いほうの単位セルから、遠い方の単位セルに向かい順に厚くして形成される。
例えば、太陽電池200においては、i層204よりi層208の膜厚が厚くなっている。
【0021】
図2において、各単位セル206及び210の構成は、図1の単位セル106と同様であり、単位セル206がp層203,i層204,n層205から構成され、単位セル210がp層207,i層208,n層209から構成されている(上述したように各層の厚さは異なる)。
図1の太陽電池100及び図2の太陽電池200においては、太陽光が逆の方向(各図の下部方向)から入射する場合、透明電極層102と収集電極層107との位置関係が逆になる。
【0022】
さらに、太陽電池200においては、太陽光の入射方向に対応して、単位セル206及び単位セル210の位置が交換される。
太陽電池100,200において、各単位セルのp層とn層との位置は、太陽光の入射方向に対して逆になっても良い。すなわち、p層とn層とは積層する順序を交換することが可能であるが、p層から光が入射するように単位セルを構成した方が、光電変換においてキャリアを有効に利用できることが知られている。
【0023】
例えば、図1の上部から太陽電池100に太陽光が入射する場合、p層103から太陽光が入射するように、透明電極層102表面にp層103を形成し、順にi層104,n層105と形成しても良いし、一方、n層105から太陽光が入射するように、透明電極層102表面にn層105を形成し、順にi層104,p層103と形成しても良い。
加えて、太陽光を各単位セルまで効率良く供給するように、収集電極層107を基板101の表面に形成し、透明電極層102を太陽電池(100,200)の下部(太陽光が上部から入射される場合と同様に、太陽電池200であればp層203表面、太陽電池100であれば、p層103表面)に形成している。
【0024】
太陽電池100(または太陽電池200)においては、基板101は、太陽光の各波長領域の光を透過させる必要性から、透明な材料が用いられる。
折り曲げ・巻き取りが可能なフレキシブルな太陽電池の開発を考慮すると、基板100は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンスルフォン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、フッ素樹脂及びエポキシ樹脂等のプラスチック材料が好適である。
さらに、基板100には、フレキシブルな太陽電池を開発することを考慮しなければ、ガラス、石英、サファイア、さらに、MgO,SiC,ZnO,TiO2,LiF及びCaF2等の無機材料が使用される。
【0025】
透明導電層102には、これまで透明な導電層として広く使用されてきた、錫を含んだ酸化インジウムに換え、亜鉛を含む酸化インジウムを使用している。
従来の錫を含む酸化インジウムは、短波長領域での光の吸収があるため、光の透過率が不十分である。
加えて、形成された薄膜の内部応力が大きく、基板から剥離し易いという問題がある。
本発明に用いられる亜鉛を含む酸化インジウムの特性は、温度が350℃で、膜厚が140nmのとき、比抵抗300μΩ・cm〜400μΩ・cmであり、波長550nmでの光の透過率81%、屈折率2.0〜2.1である。
【0026】
すなわち、亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜は、従来の錫を含む酸化インジウムの薄膜と比べて、短波長領域での光の透過率が高い。
図3は、横軸が光の波長,縦軸が透過率(%)であり、亜鉛を含む酸化インジウムと、錫を含む酸化インジウムとで比較したものである。
ここで、両者の膜厚は、共に160nmである。
図3のグラフから、例えば、波長380nmにおいて、亜鉛を含む酸化インジウムの透過率は75%近傍であり、錫を含む酸化インジウムの透過率は70%近傍であることが判る。
【0027】
亜鉛を含む酸化インジウムは、錫を含む酸化インジウムに比べて短波長領域での光の透過率が優れている。
さらに、亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜は、非晶質であるために、膜の応力が小さく基板100から剥離し難い特性を有している。
加えて、亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜のシート抵抗は、錫を含む酸化インジウムのシート抵抗に比べて、成膜温度に対する依存性が小さく、低温での成膜においても低抵抗を得ることが可能である。
亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜の特性は、プラスチック材料を基板100に用いたフレキシブルな太陽電池の開発材料として好適である。
【0028】
一方、錫を含む酸化インジウムは、室温での成膜では膜の結晶化が不十分であり、低いシート抵抗を得ることができない。十分なシート抵抗を得るためには、基板100の温度を200℃以上の高温にして結晶化する必要がある。
本発明の透明導電層102には、亜鉛を含む酸化インジウムに加えて、錫、ガリウム、アンチモン、砒素、チタン、クロム、鉄、銀、金、タングステンあるいはチタン等の遷移金属を含んだ酸化インジウムでも良い。
本発明における透明導電層102は、上述した各材料を、抵抗加熱蒸着法、電子衝撃蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、大気圧プラズマCVD法及びグロー放電法等を用いて、膜厚5nm〜200nmの膜厚で基板100の表面に形成する。
【0029】
単位セル106における各半導体層は、熱CVD法、光CVD法、大気圧プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、グロー放電法、ヘリコン波プラズマ法及び誘導結合プラズマ法等を用いて形成する。
例えば、グロー放電を用いた方法では、50℃〜400℃に加熱した基板100(すでに透明電極層102が形成されている)を、基板ホルダーに密着固定し、基板ホルダーを10Pa〜100Paの圧力に維持した、グロー放電装置の真空容器内にセットする。
基板ホルダーを一方の電極とし、他方の電極との間に励起周波数13.56 MHz 、あるいはこの励起周波数の倍数の周波数の高周波の電力を供給してグロー放電を発生及び維持する。
【0030】
上記真空容器内には、モノシラン、4フッ化シランあるいはジクロロシランとともに水素を、所定の流量導入し、グロー放電を起こしてガスの分解生成物を基板100上の透明電極層102表面に堆積させる。
i層が、非晶質シリコンのマトリックス中に、1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むシリコン、または非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコン、あるいは微結晶シリコンが生成されるように、モノシラン,4フッ化シランあるいはジクロロシランの導入量、水素導入量、基板100の温度及びグロー放電に対する供給電力を調整する。
単位セル106においては、p層103は硼素を含むp型シリコン層、n層105はリンあるいは砒素を含むn型シリコン層の半導体層で構成する。
【0031】
収集電極層107は、金属の電極が用いられており、この材料としては、銀,金,白金,ニッケル,クロム,銅,アルミニウム,チタン,亜鉛,モリブデン及びタングステン等が使用される。
収集電極層107においては、上述した金属材料を抵抗加熱蒸着法、電子衝撃蒸着法あるいはスパッタリング法等を用いて、n層105の裏面に形成する。
【0032】
<第1の実施形態>」
次に、図2を参照し、一実施形態の太陽電池の製造方法を説明する。
ここで、基板101としてポリエチレンテレフタレートのプラスチック基板を用いることとする。
基板101上に亜鉛を含む酸化インジウムの透明導電層102を、DCマグネトロンスパッタリング法により、160nmの厚さで形成した。
透明導電層102におけるインジウムと亜鉛の原子数の比率は1:2とした。図3のグラフは、透明導電層102の膜厚が160 nmのときのものであり、亜鉛を含む酸化インジウムの光の透過率の波長依存性を表している。
【0033】
太陽電池200においては、光電変換ユニットとして、単位セル206及び単位セル210を、上下に2つ重ねたタンデム構造とした。
スパッタリング装置内から透明電極層102が表面に形成された基板101を取り出し、図示しないグロー放電装置における真空容器内の基板ホルダーに密着固定し、基板ホルダーをヒーターなどにより加熱し、基板101の温度を70℃にて安定状態となるよう温度調整する。
基板101の温度が70℃で安定した後、真空容器内にモノシラン,ホスフィン,アンモニア及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数13.56MHzで高周波電力を10W印加してグロー放電を発生させる。
これにより、透明導電層102の表面に、単位セル206におけるp層203を厚さ50 nmで形成した。
【0034】
次に、モノシラン及び水素を真空容器内に導入し、励起周波数54.24MHzで高周波電力を20W印可し、グロー放電によりi層204を形成した。
i層204は、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15 nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンにするため水素希釈量を72に調節した。水素希釈量は、反応ガス(例えば、ここではモノシランガス)と水素ガスを混合した体積を、この反応ガスの体積で除算した数値である。
i層204の成膜時においては、真空容器内における動作圧力を20Paに設定した。
CPM(一定光電流法)スぺクトルによる測定から、非晶質シリコンの体積中に、1nm〜15nmの微結晶シリコンが3.8%存在していることが確認された。
【0035】
続いて、真空容器内にモノシラン、ホスフィン及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数13.56MHzで、高周波電力を10W印加して、グロー放電によりn層205を50 nm形成した。
p層203,i層204及びn層205を1組の単位セル206とした。
【0036】
さらに、光の入射側から遠い方の単位セル210を以下のように作製した。
p層207及びn層209は、光の入射側に近い方の単位セル206のp層203,n層205と同様に作製した。
i層208に関しては、太陽電池200が保持されている基板ホルダーをヒーターなどにより加熱し、基板101の温度を70℃にて安定状態となるよう温度調整する。
【0037】
基板101の温度が70℃で安定した後、真空容器内にモノシラン及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数54.24MHzで高周波電力を20W印加してグロー放電を発生させ、微結晶シリコンを堆積させた。
このとき、水素希釈量は101、上記真空容器内の動作圧力は20Paに設定した。加えて、光の入射側に近い方の単位セル206のi層204の膜厚よりも、光の入射側から遠い方の単位セル210のi層209の膜厚を厚く形成した。
【0038】
すなわち、太陽光の短波長領域側光による光電変換を効率よく行うため、単位セル206のi層204における光吸収係数を大きくし、一方、単位セル210のi層209の光吸収係数を小さくしている。
p層207、i層208及びn層209をもう1組の単位セル210とした。すなわち、複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セル(単位セル208)のi層が微結晶シリコンで形成されている。
【0039】
太陽電池200の2つの単位セル206及び210は、いずれも光の入射側に近い方をp層(p層203,207)とし、続いてi層(i層204,208)、n層(n層205,209)の順に形成して、配置した。
n層209表面に、3cm×3cm角のマスクを用いて、電子衝撃蒸着法により銀の収集電極層107を形成し、最終的に太陽電池200の各層を完成させた。
【0040】
<第2の実施形態>
第2の実施形態として、上述した単位セル210におけるi層208を、微結晶シリコンからゲルマニウムを含むシリコンであるi層208Bに換えても良い。
ここで、第2の実施形態における他の層の構成及び製造方法は、第1の実施形態と同様である。
このとき、i層208Bの作製においては、真空容器内において、この太陽電池200が保持されている基板ホルダーをヒーターなどにより加熱し、基板101の温度を70℃にて安定状態となるよう温度調整する。
【0041】
基板101の温度が70℃で安定した後、真空容器内にモノシラン,モノゲルマン及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数54.24MHzで高周波電力を20W印加してグロー放電を発生させ、p層207表面に上記混合ガスの分解生成物を、i層208Bとして堆積させた。
i層208Bの膜厚はi層208と同様で良い。
ここで、i層208Bが非晶質シリコンとして生成されるように、混合ガスの流量、動作圧力及び供給電力を調整する。
【0042】
次に、実施形態と従来構成例の比較結果について説明する。
従来構成例の太陽電池は、太陽電池200の透明導電層102に換えて、160nmの膜厚の、錫を含む酸化インジウムの薄膜を用いて作製されている。
従来構成例と、第1の実施形態の太陽電池200とは、この透明導電層の材料以外に異なる点は無い。
図4のテーブルに、従来構成例,第1の実施形態及び第2の実施形態の太陽電池の特性が示されている。
測定の条件としては、大気圏通過空気量Air Mass=1.5及び100mW/cm2に設定したソーラーシミュレータを用いている。
【0043】
ソーラーシミュレータから、供給した光エネルギーに対して発生した電気エネルギーの比を求めることで、各太陽電池の光電変換効率を測定した。
この結果、第1の実施形態,第2の実施形態及び従来構成の太陽電池の光電変換効率は、図4のテーブルから、各々、7.7%,7.2%,及び5.9%であった。
【0044】
また、第1の実施形態,第2の実施形態及び従来構成の太陽電池において、短絡光電流と開放電圧とには、大きな違いはないが、ダイオードの特性を示す曲線因子が大幅に向上している。
これにより、透明導電層に錫を含んだ酸化インジウムを用いた従来構成例の太陽電池と比較して、透明導電層に亜鉛を含んだ酸化インジウムを用いた第1及び第2の実施形態による太陽電池の光電変換効率は高く、太陽電池としての性能が優れていることが判る。
【0045】
すなわち、単位セル206のi層204において、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンを用い、かつ、透明導電層102に亜鉛を含む酸化インジウムを使用したことにより、光電変換効率が向上した。
【0046】
つまり、光の入射側に近い単位セル206のi層204として、短波長領域で光吸収係数の大きい半導体層(非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンを配置し、加えて、これに短波長領域で光の透過率の高い導電層材料を組み合わせた結果、短波長領域で光電変換効率の高い太陽電池が実現されたためである。
太陽電池100の単位セル106のi層104に、太陽電池200のi層204と同様に短波長領域で光吸収係数の大きい半導体層を用いることで、短波長領域での光電変換効率を向上させることが可能になった。
【0047】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
上述した実施形態においては、非晶質あるいは微結晶シリコン太陽電池に本願発明を応用した構成を説明したが、単結晶シリコン太陽電池,多結晶シリコン太陽電池、色素増感太陽電池(湿式太陽電池またはグレッツェル太陽電池)の透明導電層としても利用可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明の太陽電池によれば、少なくとも基板上の導電層上にp型、i型及びn型半導体で構成された単位セルが形成されており、かつ、単位セルのi層が非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンを含み、加えて、太陽光が入射する側の透明導電層に短波長領域の光の透過率が高い材料(亜鉛を含む酸化インジウム)を用いたことにより、短波長領域で従来の太陽電池の光電変換効率を上回り、結果として広い波長領域に渡って効率を向上させることが可能である。
これにより、本発明においては、太陽輻射エネルギースペクトルの短波長領域を有効に利用した光電変換効率高い光電変換の特性を有する薄膜太陽電池を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による、単一の単位セルを有する太陽電池の積層構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、複数の単位セルを有する太陽電池の積層構造を示す断面図である。
【図3】亜鉛が含まれる酸化インジウムと、錫が含まれる酸化インジウムとの透過率の比較を示すグラフである。
【図4】亜鉛が含まれる酸化インジウムと、錫が含まれる酸化インジウムとの太陽電池の特性を示すテーブルである。
【符号の説明】
100,200 太陽電池
101 基板
102 透明導電層
103,203,207 p層
104,204、208 i層
105,205,209 n層
106,206,210 単位セル
107 収集(裏面)電極層
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電効率を向上させる構造を有する太陽電池に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の地球環境の悪化にともない、現在の石炭・石油等の生物燃料あるいは原子力に頼ったエネルギー生産システムの見直しが迫られている。
ここで、前者は燃料を燃焼する際に地球温暖化の原因である二酸化炭素を排出し、後者はウラン燃料の放射能の取り扱いに難がある。
このため、太陽光発電は、実用化が期待される新エネルギーのなかでも地球に優しいクリーンな電源として普及促進が図られている。
【0003】
クリーンで利用し易いエネルギー源として、現在、太陽光を用いた発電システムが注目されている。
しかも、太陽光は当面枯渇の心配がいらない無尽蔵のエネルギー源とみなせるため、エネルギー使用の継続性の点において、他の資源に対して優位である。
地球は完全な球形ではなく、自転軸方向に伸びた回転楕円体であるが、同楕円体の短半径を用いた場合の地球表面へ降り注ぐ太陽輻射エネルギーは、単位時間当たり約1.3×1014kW/年に達する。
【0004】
このエネルギー量は、例えば、1995年における単位時間当たりの全世界のエネルギー消費量のおよそ90倍に相当する。
ところが、地上で受け取れる単位時間当たりの大陽輻射エネルギーは1kW/m2と小さいため、十分な発電電力を得るためには広大な面積が必要となる。
太陽電池パネルの設置面積を減少させて土地の有効利用を図るためにも太陽電池の変換効率向上が望まれている。
太陽電池の普及が進むと僅かな効率向上でも、全体的な発電コストにおいては大きな差となるため、太陽電池の変換効率の向上は重要な課題である。
【0005】
地球表面で得られる太陽光輻射エネルギースペクトル分布は、波長 300 nm付近の紫外光領域から立ち上がり、可視光領域の500nm付近で最大の輻射エネルギーを有している。
輻射エネルギーの強度は、500nm以降から約2.7μmの赤外光領域まで単調に減少する。
このため、効率の良い太陽光発電を行うには、太陽光輻射エネルギースペクトル分布の広い領域に渡って、有効に太陽光輻射エネルギーを利用できる太陽電池が必要となる。
特に、短波長領域での輻射エネルギー強度が高いため、短波長領城における太陽電池の光電変換効率を上げることが重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、p型,i型及びn型半導体で構成された太陽電池の単位セルにおいて、i層はそのバンドギャップの幅で規定された特定の波長領域での太陽光輻射エネルギーしか利用できない。
このため、バンドギャップの幅が異なる半導体、すなわち、特定の波長領域で感度の高い半導体を複数個積層した構造の太陽電池が特公昭63−48197号で提案されている。
【0007】
これは、複数個積層した単位セルのi層を光の入射側に近い方からエネルギーギャップの大きい順に配置した構造になっている。
ここで、光電変換効率の観点から、長波長領域ではi層に微結晶シリコン半導体を利用することが効率的であり、一方、短波長領域では非晶質シリコン半導体や非晶質炭化シリコン半導体が使用されている。
従来の太陽電池においては、導電層に使用する材料に錫を含む酸化インジウムが広く使われてきている。
【0008】
錫を含む酸化インジウムによる導電層は、短波長領域での光の透過が十分でなく、すなわち、短波長領域の光が吸収される割合が高いという特性を有している。
このため、従来の太陽電池では、錫を含む酸化インジウムを導電層に使用した場合、太陽光輻射エネルギースペクトル分布の短波長領域において、光の吸収が大きいため、光電変換を行う半導体層に到達する光量が減ってしまい、短波長領域での光電変換効率を低下させるという問題がある。
【0009】
本発明はこのような背景の下になされたもので、短波長領域で太陽光幅射エネルギースペクトルが最大値を持つことを考慮し、短波長領域において利用できる太陽光の光量を増加させ、光電変換の効率を向上させることが可能な太陽電池を提供する事にある。
すなわち、本発明によって太陽光輻射工ネルギースペクトル分布の短波長領域において光電変換効率が高い半導体と、太陽光輻射エネルギースペクトル分布の短波長領域での光の吸収が少ない導電層材料とを組み合わせることで、太陽光幅射エネルギースペクトル分布の短波長領域において光電変換効率の高い太陽電池を提供することが可能である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する、少なくとも1つの光電変換ユニットと、光電変換ユニットの両側に形成され、いずれか一方が亜鉛を含む酸化インジウムによりなる導電層とを有することを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記導電層が、亜鉛を含む酸化インジウムによりなる透明導電層と、該透明導電層とともに、前記光電変換ユニットが発生する電気エネルギーを取り出すための収集電極層とからなることを特徴とする。
【0011】
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルであることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルであることを特徴とする。
【0012】
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルを複数積層して構成されていることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記光電変換ユニットが、p型の半導体シリコンであるp層と、イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むi層と、n型の半導体シリコンであるn層とからなる単位セルを複数積層して構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の薄膜太陽電池は、前記複数積層された単位セルにおいて、光の入射側に近い単位セルから遠い単位セルに向かい、膜厚が順に厚く形成されていることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セルのi層が微結晶シリコンで形成された薄膜であることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セルのi層がゲルマニウムまたは錫を含むシリコンの薄膜であることを特徴とする。
【0014】
本発明の薄膜太陽電池は、前記半導体の単位セルにおいて、光の入射側からp層,i層及びn層の順に積層されることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記半導体の単位セルにおいて、光の入射側からn層,i層及びp層の順に積層されることを特徴とする。
【0015】
本発明の薄膜太陽電池は、亜鉛を含む酸化インジウムの導電層の光の透過率が380nmの波長において75%以上であることを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池は、前記導電層及び光電変換ユニットが、プラスチックフィルムの基板表面に形成されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態における太陽電池の各薄膜についての積層構造を示す断面図である。
図1において、太陽電池100は、基板101、透明導電層102、p層103,i層104及びn層105からなる単位セル106と、収集電極層107が順に積層されて形成されている。
すなわち、単位セル106の両側に透明電極層102及び収集電極層107が形成されている。
【0017】
基板101裏面側から太陽光を入射する場合、図1に示すように、基板101の表面に透明導電層102を形成する。
透明導電層102の表面に、単位セル106を、p層103,i層104及びn層105の順に形成する。
単位セル106は、入射した太陽光の光エネルギーを、電気エネルギーに変換する。
【0018】
単位セル106においては、電子と正孔との発生がほとんどi層104で行われ、i層104の内部電界作用により、効率よく電子と正孔が各々、p層103,n層105へ振り分けられる(後に述べる、図2の多重積層構造の太陽電池200における単位セル206,210についても同様である)。
最後に、n層105の表面に、光電変換により生成された電力(電気エネルギー)を取り出すための収集電極層107を形成する。
【0019】
すなわち、入射した太陽光の光エネルギーを電気エネルギーへ変換する単位セル106が、電気エネルギーを、取り出すための透明導電層102及び収集電極層107に挟まれた構造をしている。
ここで、透明導電層102では太陽光を単位セルへ供給するため、透明な透明導電層が用いられている。
太陽光の広い波長領域の光を効率的に利用する場合、図2に示すように単位セル(単位セル206,210)が複数積層されて形成されている構造の太陽電池200を作製する。
単位セル206,210の両側に透明導電層102及び収集電極層107を形成する。
【0020】
複数の単位セルを形成した場合のi層は、光の入射面に近いほうから、エネルギーギャップの大きい順に配置する。
単位セル206及び210において、光の入射が図上部方向から太陽電池200に対して行われるとすると、光の入射側に近い単位セル206におけるi層204は、入射面から遠い単位セル210のi層208より、膜厚を薄くする。
すなわち、入射する光量が等しくなるように、積層された各単位セルのi層の膜厚は、太陽光の入射側に近いほうの単位セルから、遠い方の単位セルに向かい順に厚くして形成される。
例えば、太陽電池200においては、i層204よりi層208の膜厚が厚くなっている。
【0021】
図2において、各単位セル206及び210の構成は、図1の単位セル106と同様であり、単位セル206がp層203,i層204,n層205から構成され、単位セル210がp層207,i層208,n層209から構成されている(上述したように各層の厚さは異なる)。
図1の太陽電池100及び図2の太陽電池200においては、太陽光が逆の方向(各図の下部方向)から入射する場合、透明電極層102と収集電極層107との位置関係が逆になる。
【0022】
さらに、太陽電池200においては、太陽光の入射方向に対応して、単位セル206及び単位セル210の位置が交換される。
太陽電池100,200において、各単位セルのp層とn層との位置は、太陽光の入射方向に対して逆になっても良い。すなわち、p層とn層とは積層する順序を交換することが可能であるが、p層から光が入射するように単位セルを構成した方が、光電変換においてキャリアを有効に利用できることが知られている。
【0023】
例えば、図1の上部から太陽電池100に太陽光が入射する場合、p層103から太陽光が入射するように、透明電極層102表面にp層103を形成し、順にi層104,n層105と形成しても良いし、一方、n層105から太陽光が入射するように、透明電極層102表面にn層105を形成し、順にi層104,p層103と形成しても良い。
加えて、太陽光を各単位セルまで効率良く供給するように、収集電極層107を基板101の表面に形成し、透明電極層102を太陽電池(100,200)の下部(太陽光が上部から入射される場合と同様に、太陽電池200であればp層203表面、太陽電池100であれば、p層103表面)に形成している。
【0024】
太陽電池100(または太陽電池200)においては、基板101は、太陽光の各波長領域の光を透過させる必要性から、透明な材料が用いられる。
折り曲げ・巻き取りが可能なフレキシブルな太陽電池の開発を考慮すると、基板100は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンスルフォン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、フッ素樹脂及びエポキシ樹脂等のプラスチック材料が好適である。
さらに、基板100には、フレキシブルな太陽電池を開発することを考慮しなければ、ガラス、石英、サファイア、さらに、MgO,SiC,ZnO,TiO2,LiF及びCaF2等の無機材料が使用される。
【0025】
透明導電層102には、これまで透明な導電層として広く使用されてきた、錫を含んだ酸化インジウムに換え、亜鉛を含む酸化インジウムを使用している。
従来の錫を含む酸化インジウムは、短波長領域での光の吸収があるため、光の透過率が不十分である。
加えて、形成された薄膜の内部応力が大きく、基板から剥離し易いという問題がある。
本発明に用いられる亜鉛を含む酸化インジウムの特性は、温度が350℃で、膜厚が140nmのとき、比抵抗300μΩ・cm〜400μΩ・cmであり、波長550nmでの光の透過率81%、屈折率2.0〜2.1である。
【0026】
すなわち、亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜は、従来の錫を含む酸化インジウムの薄膜と比べて、短波長領域での光の透過率が高い。
図3は、横軸が光の波長,縦軸が透過率(%)であり、亜鉛を含む酸化インジウムと、錫を含む酸化インジウムとで比較したものである。
ここで、両者の膜厚は、共に160nmである。
図3のグラフから、例えば、波長380nmにおいて、亜鉛を含む酸化インジウムの透過率は75%近傍であり、錫を含む酸化インジウムの透過率は70%近傍であることが判る。
【0027】
亜鉛を含む酸化インジウムは、錫を含む酸化インジウムに比べて短波長領域での光の透過率が優れている。
さらに、亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜は、非晶質であるために、膜の応力が小さく基板100から剥離し難い特性を有している。
加えて、亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜のシート抵抗は、錫を含む酸化インジウムのシート抵抗に比べて、成膜温度に対する依存性が小さく、低温での成膜においても低抵抗を得ることが可能である。
亜鉛を含む酸化インジウムの薄膜の特性は、プラスチック材料を基板100に用いたフレキシブルな太陽電池の開発材料として好適である。
【0028】
一方、錫を含む酸化インジウムは、室温での成膜では膜の結晶化が不十分であり、低いシート抵抗を得ることができない。十分なシート抵抗を得るためには、基板100の温度を200℃以上の高温にして結晶化する必要がある。
本発明の透明導電層102には、亜鉛を含む酸化インジウムに加えて、錫、ガリウム、アンチモン、砒素、チタン、クロム、鉄、銀、金、タングステンあるいはチタン等の遷移金属を含んだ酸化インジウムでも良い。
本発明における透明導電層102は、上述した各材料を、抵抗加熱蒸着法、電子衝撃蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、大気圧プラズマCVD法及びグロー放電法等を用いて、膜厚5nm〜200nmの膜厚で基板100の表面に形成する。
【0029】
単位セル106における各半導体層は、熱CVD法、光CVD法、大気圧プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、グロー放電法、ヘリコン波プラズマ法及び誘導結合プラズマ法等を用いて形成する。
例えば、グロー放電を用いた方法では、50℃〜400℃に加熱した基板100(すでに透明電極層102が形成されている)を、基板ホルダーに密着固定し、基板ホルダーを10Pa〜100Paの圧力に維持した、グロー放電装置の真空容器内にセットする。
基板ホルダーを一方の電極とし、他方の電極との間に励起周波数13.56 MHz 、あるいはこの励起周波数の倍数の周波数の高周波の電力を供給してグロー放電を発生及び維持する。
【0030】
上記真空容器内には、モノシラン、4フッ化シランあるいはジクロロシランとともに水素を、所定の流量導入し、グロー放電を起こしてガスの分解生成物を基板100上の透明電極層102表面に堆積させる。
i層が、非晶質シリコンのマトリックス中に、1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むシリコン、または非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコン、あるいは微結晶シリコンが生成されるように、モノシラン,4フッ化シランあるいはジクロロシランの導入量、水素導入量、基板100の温度及びグロー放電に対する供給電力を調整する。
単位セル106においては、p層103は硼素を含むp型シリコン層、n層105はリンあるいは砒素を含むn型シリコン層の半導体層で構成する。
【0031】
収集電極層107は、金属の電極が用いられており、この材料としては、銀,金,白金,ニッケル,クロム,銅,アルミニウム,チタン,亜鉛,モリブデン及びタングステン等が使用される。
収集電極層107においては、上述した金属材料を抵抗加熱蒸着法、電子衝撃蒸着法あるいはスパッタリング法等を用いて、n層105の裏面に形成する。
【0032】
<第1の実施形態>」
次に、図2を参照し、一実施形態の太陽電池の製造方法を説明する。
ここで、基板101としてポリエチレンテレフタレートのプラスチック基板を用いることとする。
基板101上に亜鉛を含む酸化インジウムの透明導電層102を、DCマグネトロンスパッタリング法により、160nmの厚さで形成した。
透明導電層102におけるインジウムと亜鉛の原子数の比率は1:2とした。図3のグラフは、透明導電層102の膜厚が160 nmのときのものであり、亜鉛を含む酸化インジウムの光の透過率の波長依存性を表している。
【0033】
太陽電池200においては、光電変換ユニットとして、単位セル206及び単位セル210を、上下に2つ重ねたタンデム構造とした。
スパッタリング装置内から透明電極層102が表面に形成された基板101を取り出し、図示しないグロー放電装置における真空容器内の基板ホルダーに密着固定し、基板ホルダーをヒーターなどにより加熱し、基板101の温度を70℃にて安定状態となるよう温度調整する。
基板101の温度が70℃で安定した後、真空容器内にモノシラン,ホスフィン,アンモニア及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数13.56MHzで高周波電力を10W印加してグロー放電を発生させる。
これにより、透明導電層102の表面に、単位セル206におけるp層203を厚さ50 nmで形成した。
【0034】
次に、モノシラン及び水素を真空容器内に導入し、励起周波数54.24MHzで高周波電力を20W印可し、グロー放電によりi層204を形成した。
i層204は、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15 nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンにするため水素希釈量を72に調節した。水素希釈量は、反応ガス(例えば、ここではモノシランガス)と水素ガスを混合した体積を、この反応ガスの体積で除算した数値である。
i層204の成膜時においては、真空容器内における動作圧力を20Paに設定した。
CPM(一定光電流法)スぺクトルによる測定から、非晶質シリコンの体積中に、1nm〜15nmの微結晶シリコンが3.8%存在していることが確認された。
【0035】
続いて、真空容器内にモノシラン、ホスフィン及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数13.56MHzで、高周波電力を10W印加して、グロー放電によりn層205を50 nm形成した。
p層203,i層204及びn層205を1組の単位セル206とした。
【0036】
さらに、光の入射側から遠い方の単位セル210を以下のように作製した。
p層207及びn層209は、光の入射側に近い方の単位セル206のp層203,n層205と同様に作製した。
i層208に関しては、太陽電池200が保持されている基板ホルダーをヒーターなどにより加熱し、基板101の温度を70℃にて安定状態となるよう温度調整する。
【0037】
基板101の温度が70℃で安定した後、真空容器内にモノシラン及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数54.24MHzで高周波電力を20W印加してグロー放電を発生させ、微結晶シリコンを堆積させた。
このとき、水素希釈量は101、上記真空容器内の動作圧力は20Paに設定した。加えて、光の入射側に近い方の単位セル206のi層204の膜厚よりも、光の入射側から遠い方の単位セル210のi層209の膜厚を厚く形成した。
【0038】
すなわち、太陽光の短波長領域側光による光電変換を効率よく行うため、単位セル206のi層204における光吸収係数を大きくし、一方、単位セル210のi層209の光吸収係数を小さくしている。
p層207、i層208及びn層209をもう1組の単位セル210とした。すなわち、複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セル(単位セル208)のi層が微結晶シリコンで形成されている。
【0039】
太陽電池200の2つの単位セル206及び210は、いずれも光の入射側に近い方をp層(p層203,207)とし、続いてi層(i層204,208)、n層(n層205,209)の順に形成して、配置した。
n層209表面に、3cm×3cm角のマスクを用いて、電子衝撃蒸着法により銀の収集電極層107を形成し、最終的に太陽電池200の各層を完成させた。
【0040】
<第2の実施形態>
第2の実施形態として、上述した単位セル210におけるi層208を、微結晶シリコンからゲルマニウムを含むシリコンであるi層208Bに換えても良い。
ここで、第2の実施形態における他の層の構成及び製造方法は、第1の実施形態と同様である。
このとき、i層208Bの作製においては、真空容器内において、この太陽電池200が保持されている基板ホルダーをヒーターなどにより加熱し、基板101の温度を70℃にて安定状態となるよう温度調整する。
【0041】
基板101の温度が70℃で安定した後、真空容器内にモノシラン,モノゲルマン及び水素の混合ガスを導入し、励起周波数54.24MHzで高周波電力を20W印加してグロー放電を発生させ、p層207表面に上記混合ガスの分解生成物を、i層208Bとして堆積させた。
i層208Bの膜厚はi層208と同様で良い。
ここで、i層208Bが非晶質シリコンとして生成されるように、混合ガスの流量、動作圧力及び供給電力を調整する。
【0042】
次に、実施形態と従来構成例の比較結果について説明する。
従来構成例の太陽電池は、太陽電池200の透明導電層102に換えて、160nmの膜厚の、錫を含む酸化インジウムの薄膜を用いて作製されている。
従来構成例と、第1の実施形態の太陽電池200とは、この透明導電層の材料以外に異なる点は無い。
図4のテーブルに、従来構成例,第1の実施形態及び第2の実施形態の太陽電池の特性が示されている。
測定の条件としては、大気圏通過空気量Air Mass=1.5及び100mW/cm2に設定したソーラーシミュレータを用いている。
【0043】
ソーラーシミュレータから、供給した光エネルギーに対して発生した電気エネルギーの比を求めることで、各太陽電池の光電変換効率を測定した。
この結果、第1の実施形態,第2の実施形態及び従来構成の太陽電池の光電変換効率は、図4のテーブルから、各々、7.7%,7.2%,及び5.9%であった。
【0044】
また、第1の実施形態,第2の実施形態及び従来構成の太陽電池において、短絡光電流と開放電圧とには、大きな違いはないが、ダイオードの特性を示す曲線因子が大幅に向上している。
これにより、透明導電層に錫を含んだ酸化インジウムを用いた従来構成例の太陽電池と比較して、透明導電層に亜鉛を含んだ酸化インジウムを用いた第1及び第2の実施形態による太陽電池の光電変換効率は高く、太陽電池としての性能が優れていることが判る。
【0045】
すなわち、単位セル206のi層204において、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンを用い、かつ、透明導電層102に亜鉛を含む酸化インジウムを使用したことにより、光電変換効率が向上した。
【0046】
つまり、光の入射側に近い単位セル206のi層204として、短波長領域で光吸収係数の大きい半導体層(非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンを配置し、加えて、これに短波長領域で光の透過率の高い導電層材料を組み合わせた結果、短波長領域で光電変換効率の高い太陽電池が実現されたためである。
太陽電池100の単位セル106のi層104に、太陽電池200のi層204と同様に短波長領域で光吸収係数の大きい半導体層を用いることで、短波長領域での光電変換効率を向上させることが可能になった。
【0047】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
上述した実施形態においては、非晶質あるいは微結晶シリコン太陽電池に本願発明を応用した構成を説明したが、単結晶シリコン太陽電池,多結晶シリコン太陽電池、色素増感太陽電池(湿式太陽電池またはグレッツェル太陽電池)の透明導電層としても利用可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明の太陽電池によれば、少なくとも基板上の導電層上にp型、i型及びn型半導体で構成された単位セルが形成されており、かつ、単位セルのi層が非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコン、あるいは非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むシリコンを含み、加えて、太陽光が入射する側の透明導電層に短波長領域の光の透過率が高い材料(亜鉛を含む酸化インジウム)を用いたことにより、短波長領域で従来の太陽電池の光電変換効率を上回り、結果として広い波長領域に渡って効率を向上させることが可能である。
これにより、本発明においては、太陽輻射エネルギースペクトルの短波長領域を有効に利用した光電変換効率高い光電変換の特性を有する薄膜太陽電池を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による、単一の単位セルを有する太陽電池の積層構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、複数の単位セルを有する太陽電池の積層構造を示す断面図である。
【図3】亜鉛が含まれる酸化インジウムと、錫が含まれる酸化インジウムとの透過率の比較を示すグラフである。
【図4】亜鉛が含まれる酸化インジウムと、錫が含まれる酸化インジウムとの太陽電池の特性を示すテーブルである。
【符号の説明】
100,200 太陽電池
101 基板
102 透明導電層
103,203,207 p層
104,204、208 i層
105,205,209 n層
106,206,210 単位セル
107 収集(裏面)電極層
Claims (13)
- 光エネルギーを電気エネルギーに変換する、少なくとも1つの光電変換ユニットと、
この光電変換ユニットの両側に形成され、いずれか一方が亜鉛を含む酸化インジウムによりなる導電層と
を有することを特徴とする薄膜太陽電池。 - 前記導電層が、
亜鉛を含む酸化インジウムによりなる透明導電層と、
該透明導電層とともに、前記光電変換ユニットが発生する電気エネルギーを取り出すための収集電極層と
からなることを特徴とする請求項1記載の薄膜太陽電池。 - 前記光電変換ユニットが、
p型の半導体シリコンであるp層と、
イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むi層と、
n型の半導体シリコンであるn層と
からなる単位セルであることを特徴とする請求項2記載の薄膜太陽電池。 - 前記光電変換ユニットが、
p型の半導体シリコンであるp層と、
イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むi層と、
n型の半導体シリコンであるn層と
からなる単位セルであることを特徴とする請求項2記載の薄膜太陽電池。 - 前記光電変換ユニットが、
p型の半導体シリコンであるp層と、
イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコンマトリックス中に1nm〜15nmの粒径の微結晶シリコンを含むi層と、
n型の半導体シリコンであるn層と
からなる単位セルを複数積層して構成されていることを特徴とする請求項2記載の薄膜太陽電池。 - 前記光電変換ユニットが、
p型の半導体シリコンであるp層と、
イントリンシック型の半導体シリコンであり、非晶質シリコン中に、この非晶質シリコンの体積分率5%以下の微結晶シリコンを含むi層と、
n型の半導体シリコンであるn層と
からなる単位セルを複数積層して構成されていることを特徴とする請求項2記載の薄膜太陽電池。 - 前記複数積層された前記単位セルにおいて、光の入射側に近い単位セルから遠い単位セルに向かい、膜厚が順に厚く形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の薄膜太陽電池。
- 前記複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セルのi層が微結晶シリコンで形成された薄膜であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の薄膜太陽電池。
- 前記複数積層された単位セルにおいて、少なくとも1つの単位セルのi層がゲルマニウムまたは錫を含むシリコンの薄膜であることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに記載の薄膜太陽電池。
- 前記半導体の単位セルにおいて、光の入射側からp層,i層及びn層の順に積層されることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれかに記載の薄膜太陽電池。
- 前記半導体の単位セルにおいて、光の入射側からn層,i層及びp層の順に積層されることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれかに記載の薄膜太陽電池。
- 亜鉛を含む酸化インジウムの導電層の光の透過率が380nmの波長において75%以上であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の薄膜太陽電池。
- 前記導電層及び光電変換ユニットが、プラスチックフィルムの基板表面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の薄膜太陽電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007100488A2 (en) * | 2006-02-23 | 2007-09-07 | Guardian Industries Corp. | Indium zinc oxide based front contact for photovoltaic device and method of making same |
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-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002255385A patent/JP2004095881A/ja not_active Withdrawn
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