JP2004093595A - 帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水による注入帯電方法に適用される帯電部材であって、特別に水を供給することなく、帯電部材表面が空気中の水分を取り込むことにより、注入帯電ができ、高効率でしかも均一な帯電を行なうことが可能であり、有害なオゾンの発生と画質欠陥を引き起こす窒素酸化物の発生を防止でき、しかも、信頼性と性能維持性の高い帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法を提供すること。
【解決手段】外周面に設けられる表面層が、吸水性材料を含む帯電部材、又は外周面に設けられる表面層が23℃55%RHでの吸水率15%〜42%である帯電部材、及びそれを用いた帯電装置、帯電方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】外周面に設けられる表面層が、吸水性材料を含む帯電部材、又は外周面に設けられる表面層が23℃55%RHでの吸水率15%〜42%である帯電部材、及びそれを用いた帯電装置、帯電方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置における帯電部材に関する。より詳しくは、水による注入帯電方法を適用し、感光体や誘電体等の被帯電体表面に押圧して、被帯電体表面を均一に帯電処理する帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法に関する。
【0002】
【従来技術】
電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置では、静電潜像形成のため、露光前に感光体や誘電体等の静電潜像担持体(被帯電体)表面を帯電処理することが行われている。当該帯電処理を行なう方法としては、タングステンワイヤーに高電圧を印加して発生するコロナ放電により帯電を行なう非接触帯電方式が広く採用されている。しかし、この非接触帯電方式では、高電圧印加による大気中での放電により多量のオゾンが発生し、画像形成装置周辺の環境汚染を引き起こしていた。
【0003】
上記非接触帯電方式に対し、帯電部材を静電潜像担持体に接触させて帯電処理を行なう接触式帯電方法(特開昭54−150131号公報)がある。この接触帯電方式では、帯電部材に印加する電圧が低く、オゾンの発生量が非常に少ないという利点があり、近時、採用が進められている。
【0004】
しかしながら、従来の放電を利用した接触による帯電方法では、パッシェンの法則に従うため、静電潜像担持体表面に対し、放電開始電圧と所望する帯電電位とを加えた直流電流を印加する必要があり、帯電効率が極めて悪いという問題がある。また、帯電部材として用いる帯電ロールと静電潜像担持体とが完全に接触しているわけではないので、均一な帯電ができないという問題もある。
【0005】
上記不均一な帯電を改善する目的で、印加する直流電圧成分に交流電圧成分を重畳する方法(特開昭63−149668号公報)も提案されているが、十分に解決されるわけではない。しかも、これらの接触帯電方式は非接触帯電方法に比べ、大幅にオゾン発生量を低減できるものの、完全に消失させることはできないため、環境への問題は残る。さらに、放電により発生した窒素酸化物が静電潜像担持体を汚染し、画質欠陥を引き起こすという問題もある。
【0006】
一方、磁気ブラシやロール状の帯電部材等を使用し、さらに電荷注入層を備えた静電潜像担持体との組み合わせで注入帯電を行ない、帯電効率を向上させたり、オゾンによる環境汚染を防止させようという試みがある(特開昭59−133569号公報、特開平6−3921号公報、特開平8−69165号公報)。しかしながら、上記のような注入帯電方法では、帯電部材と静電潜像担持体との接触が十分でないため、帯電効率の向上に限界があり、特に、高速で回転する静電潜像担持体を帯電させる時に、帯電効率の低下が顕著に観察される。
【0007】
また、スポンジに水を含浸させた帯電部材を使った提案(特開平7−140729号公報、特開平8−62932号公報)がなされているが、上記方法では、スポンジ中の含浸水を直接静電潜像担持体に接触させるため、静電潜像担持体表面への水の供給量が制御しづらく、信頼性と性能維持性に欠けるという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭54−150131号公報
【特許文献2】
特開昭63−149668号公報
【特許文献3】
特開昭59−133569号公報
【特許文献4】
特開平6−3921号公報
【特許文献5】
特開平8−69165号公報
【特許文献6】
特開平7−140729号公報
【特許文献7】
特開平8−62932号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、水による注入帯電方法に適用される帯電部材であって、特別に水を供給することなく、帯電部材表面が空気中の水分を取り込むことにより、注入帯電ができ、高効率でしかも均一な帯電を行なうことが可能であり、有害なオゾンの発生と画質欠陥を引き起こす窒素酸化物の発生を防止でき、しかも、信頼性と性能維持性の高い帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1>外周面に設けられる表面層が、吸水性材料を含むことを特徴とする帯電部材。
【0011】
<2>前記吸水性材料が、アルギン酸多価金属塩であることを特徴とする前記<1>に記載の帯電部材。
【0012】
<3>前記多価金属が、カルシウムであることを特徴とする前記<2>に記載の帯電部材。
【0013】
<4>前記表面層が前記吸水性材料と結着樹脂とを含んで構成され、前記吸水性材料(質量A)と前記結着樹脂(質量B)の質量比(A/B)が100/0〜20/80の範囲であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の帯電部材。
【0014】
<5>外周面に設けられる表面層が、23℃55%RHでの吸水率が、15%〜42%であることを特徴とする帯電部材。
【0015】
<6>前記表面層の水に対する接触角が、25度以下であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の帯電部材。
【0016】
<7>帯電部材が被帯電体に当接され、該帯電部材に電圧を印加する手段を有する帯電装置であって、前記帯電部材が、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とする帯電装置。
【0017】
<8>帯電部材が前記<1>〜<6>のいずれかに記載の帯電部材であって、前記帯電部材の被帯電体と接する面に水の薄層を形成させ、前記帯電部材を被帯電体に押圧するとともに電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法。
【0018】
本発明の帯電部材について、さらに詳細すれば、本発明は静電潜像担持体に電荷を直接注入する前記水による注入帯電方法に関するものであり、表面層に吸水性材料を配する及び/又は表面層の吸水率を制御することにより、帯電部材表面の水に対する接触角を低減し、空気中の水分を取り込み、帯電部材の表面に水の薄層を均一に形成することで、100%に近い帯電効率を保持しながら、従来における、例えばスポンジに水を含浸させた帯電部材を用いた場合の水こぼれ、部材表面の乾燥及び水の供給ムラ等に基づく帯電ムラに起因する画像ディフェクトの改善を行なうものである。
【0019】
また、本発明の帯電部材によれば、注入帯電領域の帯電部材と静電潜像担持体との密着性が向上し、使用環境によらず、常に安定した注入帯電が可能であるため、従来の接触帯電方式で問題となっていた湿度変化による帯電電位の変動もなく、全環境において安定した帯電電位、帯電効率を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
第1の本発明の帯電部材は、外周面に設けられる表面層に吸水性材料を含むものである。一方、第2の本発明の帯電部材は、外周面に設けられる表面層が23℃55%RHでの吸水率15%〜42%であるものである。いずれの本発明の帯電部材も、その表面の水に対する接触角が25度以下であることが好適である。当該帯電部材は、電子写真装置における静電潜像担持体(被帯電体)に接触して、帯電を行なう装置に用いられる部材である。なお、第1の本発明と第2の本発明とは、組み合わせてもよい。
【0021】
<帯電部材>
本発明の帯電部材は、上述のように、吸水性材料を含有する、及び/又は吸水率が15%〜42%の表面層を有するものであるが、その形態は、被帯電体と安定的に接触することができ、電圧印加によって当該被帯電体表面に均一に電荷を与えることができるものであれば、いずれの形態のものも使用することができる。例えば、ロール状、プレート状、ブロック状、球状、ブラシ状等の種種の形状とすることができるが、通常は、ロール状とすることが好ましい。
【0022】
以下、図面を参照しつつ、第1の本発明と第2の本発明を組み合わせた帯電部材を例にして説明する。
【0023】
図1に、本発明の帯電部材が帯電ロールとして使用される場合のロール外観、図2及び図3にロール断面の例を示す。図2に示す帯電ロールでは、中実の円柱状または中空円筒状の導電性支持体1aの表面に、導電性弾性体層1bが形成され、さらに該導電性弾性体層1b表面に表面層1dが形成される。また、図3に示す帯電ロールのように、導電性弾性層1bの表面に抵抗調整層1cを形成し、その表面に表面層1dを設けてもよい。
【0024】
導電性支持体1aは、帯電部材の電極及び支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂;などの導電性の材質で構成される。
【0025】
導電性弾性体層1bは、帯電部材が適切なニップ圧で被帯電体表面に押圧され、被帯電体表面を均一に帯電できるよう、被帯電体との間にニップを形成し、さらに帯電部材を所定の抵抗値とするために設けられる。
【0026】
この導電性弾性体層1bは、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、イソプレンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0027】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。
【0028】
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましく、5〜35質量部の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜4質量部の範囲であることがより好ましい。
これにより、導電性弾性層1bの体積抵抗値を2×102〜5×109Ωcmの範囲に調整することが好ましい。この体積抵抗値は、後述する抵抗調整層1cの体積抵抗値と密接に関連する。
また、前記導電性弾性層1bの硬度は、アスカーC硬度で70°以下であることが好ましい。
【0029】
本発明においては、上記導電性弾性層1bの表面に直接表面層1dを形成してもよいが、帯電部材の抵抗調整のために抵抗調整層1cが、さらに被帯電体表面の汚染防止等の観点から保護層が設けられる場合は、抵抗調整層1cあるいは保護層の表面に表面層1dを形成してもよい。但し、表面層1dが保護層を兼ねることもできる。また、必要に応じて、導電性弾性層1bと抵抗調整層1cとの間に電極層を設けてもよい。
なお、上記電極層とは、導電性弾性体層1b中の導電性粒子の不均一分散による電流の集中を分散させるために設けられるものであり、導電性無機物質のみから構成される。
【0030】
抵抗調整層1cは、帯電部材を所定の抵抗値に調整するために設けられるものであり、樹脂中に前記した導電性粒子を分散させた薄膜から構成される。用いられる樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂等の多少柔らかい部類に属する樹脂が好適である。また、導電剤としては、前記導電性弾性層1bに用いたものが好ましく用いられる。
【0031】
上記導電剤の添加量は特に制限はないが、例えば電子導電剤の場合は、用いられる樹脂100質量部に対し、1〜50質量部の範囲であることが好ましく、5〜35質量部の範囲であることがより好ましい。
こうして抵抗調整層1cの体積抵抗値は3×103〜5×1010Ωcmの範囲に調整されることが好ましい。また、抵抗調整層の膜厚は、1〜500μmの範囲、さらには、5〜400μmの範囲にあることが好ましい。膜厚が1μmより薄くなると、抵抗調整層としての機能を十分に発揮することができないだけでなく、リークが発生しやすくなり被帯電体表面を損傷する場合がある。一方、膜厚が500μmより厚いと、帯電部材の抵抗値及び硬度が必要以上に上昇する場合がある。
【0032】
本発明においては、抵抗調整層1cの表面にさらに保護層を設けることができる。この保護層は、帯電部材が被帯電体表面に固着するのを防止するための層として機能する。さらに、被帯電体表面に残留したトナー及びその外添剤による帯電部材の汚染や、被帯電体表面への紙粉等の付着や固着を防止して、帯電性能の低下やそれに起因する画質欠陥の発生を防止するために設けられる。
【0033】
上記保護層を構成する材料は、特に制限されるものではなく、被帯電体に対する汚染性が少なく、比較的柔軟である樹脂やゴム等を用いることができる。また、抵抗調整層1cの表面にUV照射、熱処理、カップリング剤等による化学処理を施す等により、抵抗調整層1cと物性、組成が異なる層を形成し保護層としてもよい。
【0034】
本発明における表面層1dは、吸水性材料を構成材料として含み、前記導電性弾性層1b、抵抗調整層1c、あるいは保護層の表面に形成されるものである。
【0035】
本発明における表面層1dには、吸水性材料が含まれるが、前記吸水性材料にはポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ゼラチン、アルブミン、アルギン酸の多価金属塩、メチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類、澱粉類、また、それぞれの共重合体、架橋体がある。さらに、シリカゲルやゼオライトなども吸水性材料として知られている。これらの吸水性材料の内、吸水率の観点から、アルギン酸の多価金属塩、シリカゲルやゼオライトが好適に使用できるが、アルギン酸の多価金属塩(多価金属としてはカルシウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン等が挙げられ、これらの内、特に好ましくはカルシウムである)が特に好適に使用できる。アルギン酸カルシウム塩は自重の30%〜50%の高い吸水能力を持ち、吸水による膨潤や軟化が無く、帯電部材の表面層として特に使用できる。また、最近では地球環境保全の高まりから、石油資源を基にした高分子材料は敬遠されてきており、これに替わる有機資源として天然に産する高分子物質である海藻由来の糖質高分子・アルギン酸を利用することは、時代に呼応している。
【0036】
本発明における表面層1dは、前記吸水性材料単独で形成されてもよいし、前記吸水性材料と結着樹脂(他の樹脂)とを混合して形成されても良い。用いられる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることがでる。ただし、空気中の水分を効率よく取り込む(例えば上記表面層1d表面の水接触角を25度以下とする)観点から、前記吸水性材料(質量A)と前記結着樹脂(質量B)との質量比A/Bは、100/0〜20/80の範囲であることが好ましく、より好ましくは100/0〜50/50の範囲であり、さらに好ましくは100/0〜70/30の範囲である。
【0037】
また、前記吸水性材料と結着樹脂(他の樹脂)とを混合して表面層1dを形成する場合、前記吸水性材料としては粉末状のものを用いることがよいが、空気中の水分を効率よく取り込む(例えば上記表面層1d表面の水接触角を25度以下とする)観点から、その平均粒子径は、0.1μm〜15μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μmであり、さらに好ましくは0.1μm〜3μmである。
【0038】
本発明における表面層1dは、下層が非耐熱性材料であることが多いこと、より均一な層として形成できることなどの観点から、コーティング液として前記導電性弾性体層の表面に塗工して形成することが好ましい。
コーティング液の溶剤としては、水、及び、メタノール、MEK、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。また、上記コーティング液には、カーボンブラック、金属酸化物などの導電剤や界面活性剤、カップリング剤の分散剤などを添加することもできる。
【0039】
なお、コーティング液中に、吸水性材料を添加してもよいし、コーティング液中で吸水性材料を調製してもよい。
【0040】
コーティング方法としては、スプレー法、ディッピング法、スピンコート法、など通常のコーティング方法を用いることができる。また、コート後は室温または加熱乾燥を行なう。なお、上記コーティングの前に、密着性向上のためのプライマー層を形成させても良い。加熱乾燥後の表面層1dの層厚は、0.1〜50μmの範囲であることが好ましい。
【0041】
本発明における表面層1dは、23℃55%RHでの吸水率が15%〜42%であるが、好ましくは24%〜42%であり、より好ましくは32%〜42%である。
【0042】
また、上記吸水率の測定は、次のようにして行なわれる。表面層組成物の小片を、23℃55%RHの環境下に24時間放置後、この小片を示差熱分析装置を用い、昇温速度10℃/分で昇温させ、105%までの質量減量を測定し、元の小片の質量で除した値を百分率で表し、これを吸水率とする。
【0043】
本発明における表面層1dは、前記吸水性材料を含ませる、及び/又は、吸水率を制御することで、その塗膜表面が親水性になり、効果を奏するものである。ただし、本実施の形態では、吸水性材料を含ませることで、表面層の吸水率を制御させているが、表面層が上記特定の吸水率を示すのであれば、塗膜表面が親水性になるため、表面層1dの構成材料は特に限定されるものではない。
【0044】
ここで、上記親水性とは、水になじみやすくぬれやすい性状をいい、水に対する接触角(以下、単に「水接触角」という場合がある)でその程度を表すことができる。
【0045】
このため、本発明における表面層1dは、表面の水に対する接触角が25度以下であることが好ましい。当該水接触角とは、測定対象物の表面に水を滴下したとき、当該表面と液面とのなす角をいい、この角の角度が大きいと水に対してぬれにくいことを意味し、当該角度が小さいと水に対してぬれやすいことを意味する。前記水接触角は、ゴニオメーター等を用いて測定することができるが、本発明においては、23℃、55%RHの環境下において、帯電部材の表面に水を滴下したときの10秒放置後の接触角を、接触角測定装置CA−Xロール型(協和界面科学社製)を用いて測定した。
【0046】
本発明においては、特に、前記吸水性材料を含む、及び/又は、吸水率が制御され、且つ表面の水に対する接触角が25度以下である表面層を有することで、より効果的に、帯電部材はその表面に一定量の水を安定的に保持することができ、その結果、画像装置の使用環境に影響されずに、均一に被帯電体を帯電処理できる。
【0047】
この観点からは、前記表面層1d表面の水に対する接触角は、より小さいことが望ましく、帯電部材表面の水に対する接触角は15度以下であることがより好ましい。
【0048】
以上のような構成の帯電部材の硬度は、アスカーC硬度で70°以下であることが好ましい。アスカーC硬度が70°より高くなると、被帯電体とのニップ均一性が損なわれ、画質欠陥が発生するようになるだけでなく、長期間の使用により例えば被帯電体表面が次第に摩耗する場合がある。
なお、アスカーC硬度の測定は、帯電部材の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器社製)の押針を当接し、1000g荷重の条件で行った。
【0049】
また、上記帯電部材の抵抗値は、2×104〜5×1010Ωの範囲であることが好ましい。これは、前述した導電性弾性体層の体積抵抗値と抵抗調整層の体積抵抗値、および膜厚とを適宜調整することによって、上記範囲内に調整すること可能である。抵抗値が2×104Ω未満であると、被帯電体表面に過剰電流が流れ、被帯電体表面にピンホールリークが発生しやすい場合がある。一方、抵抗値が5×1010Ωより大きくなると、低電圧での被帯電体への帯電が困難となり、帯電電位の不足により画質欠陥が生じるようになる。
【0050】
なお、既述の体積抵抗値の測定は、各種組成物をシート状とし、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した電圧を30秒印加後の電流値より、下記式(1)を用いて算出した。
体積抵抗率(Ω・cm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×組成物シート厚(cm)) ・・・ 式(1)
【0051】
また、抵抗値は、例えば帯電部材が帯電ロールである場合、金属板上にロールを置き、ロールの両端部に500gずつ荷重し、高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)を用いて、ロールの芯金と金属板との間に100Vの電圧を10秒印加後、得られた電流値を測定しロール抵抗値を求めた。
【0052】
<画像形成装置>
図4は、本発明の帯電部材が帯電ロールとして組み込まれた画像形成装置の全体断面図である。図4において、画像形成装置本体Uの内部には、矢印方向に回転する円筒状の感光体ドラム(被帯電体)11が配置されていて、静電潜像担持体として機能する。画像形成装置本体Uの内部の図面右側部には、感光体ドラム11表面に静電潜像を書き込むレーザ書き込み装置12が配置されている。円筒状の感光体ドラム11の周囲には、その回転方向に沿って、順次感光体ドラム11表面を一様に帯電する帯電器(帯電装置)13、上記静電潜像を顕像化する現像器14、顕像化されたトナー画像を用紙(転写材)に転写させる転写器15、および感光体ドラム11表面の残留トナーを除去するクリーニング装置16が、それぞれ配置されている。
【0053】
前記現像器14は、トナーを収納する容器14aを備えている。この容器14a内には、トナーを攪拌する攪拌部材14bと、回転可能な現像剤担持体14cと、該現像剤担持体14cにトナーを供給するトナー供給ローラ14dとが設けられている。現像剤担持体14cは、感光体ドラム11表面と僅かな間隙を介して容器14aに支持されている。また、前記クリーニング装置16はケーシング16aを備えている。このケーシング16aには金属製のブレードホルダー16bが固定されていて、その先端部にはシート状のクリーニングブレード16cが固定されている。クリーニングブレード16cはその先端のエッジ部が感光体ドラム11表面に当接している。
【0054】
画像形成装置U本体の図面下部には、用紙を収容する給紙トレイ17が配置されている。給紙トレイ17の上面端部には、給紙トレイ17から用紙を一枚ずつ取り出す用紙取り出しローラ18が配置されている。用紙取り出しローラ18の左側部上方には、一対の用紙搬送ローラ19によって搬送される用紙をガイドする一対の用紙ガイド20が配置されている。画像形成装置本体Uの内部の図面左側上部には、加熱ローラ21a及び加圧ローラ21bを有する定着装置21が配置されていて、当該定着装置21と前記転写器15との間には、トナー画像が転写された用紙を搬送する搬送路22が設けられている。また、定着装置21の上方には、一対の排出ローラ23と、トナー画像が定着された用紙を定着装置21から排出ローラ23までガイドする搬送路24が設けられている。そして、画像形成装置U本体の図面上部には上記排出ローラ23から排出される用紙を載置する排出トレイ25が形成されている。
【0055】
上記画像形成装置Uの画像形成プロセスを簡単に説明すると、以下の通りである。
まず、直流電圧が印加された帯電ロール1によって、矢印方向に回転する感光体ドラム11は、その表面が一様に注入帯電される。帯電された感光体ドラム11はレーザ書き込み装置12により静電潜像が書き込まれる。感光体ドラム11表面の静電潜像は、現像器14によりトナー画像に現像される。そして、トナー画像は転写器15により給紙トレイ17から搬送されてくる用紙に転写される。転写されたトナー画像が定着装置21により用紙に定着された後、該用紙は排出ローラ23により排出トレイ25上に排出される。また、上記トナー画像が用紙に転写された後、感光体ドラム11表面に残留していたトナーはクリーニング装置のブレード16cにより除去され、次の画像形成プロセスに備える。
【0056】
<帯電装置、帯電方法>
図5は、図4中の前記帯電器(帯電装置)13の拡大図である。図5において、帯電器13は前記帯電ロール1を備えている。当該帯電ロール1は、導電性支持体1aの表面に導電性弾性体層1bと、抵抗調整層1cと、吸水性材料を含有する及び/又は吸水率が制御された表面層1dと、が順次積層された構造となっている。
【0057】
帯電ロール1は、その導電性支持体1aの両端部が、クリーニング装置16の前記ケーシング16aに固定された支持部材31により支承されている。また、一端が支持部材31に、他端が導電性支持体1aの端部にそれぞれ固定された、2つの加圧スプリング32の付勢力によって、帯電ロール1は感光体ドラム11表面に押圧され接触している。前記支持部材31には、金属製のパッドホルダ33が固定されていて、その先端部に固定された、シート状のクリーニング部材であるスポンジパッド34により、帯電ロール1表面にトナーが極わずかに付着してもこれを取り除けるようになっている。
【0058】
さらに、帯電ロール1の導電性支持体1aには、直流電源35から直流電圧が印加される。したがって、帯電ロール1は、導電性支持体1a、導電性弾性体層1b、抵抗調整層1c、吸水性材料を含有する及び/又は吸水率が制御された表面層1d、さらに当該表面層1dが空気中の水分を取り込むことで表面に均一に形成された水の薄層によって、接触しながら所定の方向に回転する感光体ドラム11表面を一様に注入帯電処理することができる。
【0059】
なお、帯電器13は、帯電ロール1の表面層1dが空気中の水分を取り込み、表面に水の薄層を均一に形成するため、注入帯電法に従来必要とされた、含水スポンジパッドなどの水供給手段を設ける必要性がなく、上述した効果に加え、小型が可能となる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
−導電性弾性層の調合と作製−
Φ6mmのSUSシャフトに導電性シリコーンゴム(東レダウコーニング社製:X−34−2048AB)を厚さ3mmになるよう射出成形し、体積抵抗5×103Ωcm、ASKER−C硬度55度、Φ12mmの弾性ローラを得た。
【0062】
−抵抗調整層の調合と作製−
下記組成物をボールミルで混合して樹脂中にカーボンブラックが均一に分散した分散液を調整した。得られた分散液を上記弾性ローラにディップ塗布した後、加熱・乾燥して、ポリウレタン膜で構成された膜厚20μmの抵抗調整層を形成した。
・一液型ウレタン樹脂 ・・・・100重量部
(DF−407:大日本インキ化学工業社製)
・カーボンブラック ・・・・5重量部
(Regal 660R:Cabot社製)
・2−ブタノン ・・・・100重量部
【0063】
−表面層の調合と作製−
下記組成物をボールミルで混合してナイロン樹脂中に導電剤と、吸水性材料としてアルギン酸カルシウム塩の微粉と、が均一に分散した分散液を調整した。
・ナイロン四元共重合樹脂 ・・・・30重量部
(CM8000:東レ社製)
・酸化スズ(NS−100P:石原産業社製) ・・・・10重量部
・アルギン酸カルシウム塩の微粉 ・・・・70重量部
(フラビカファイン SF−W(平均粒子径3μm):日清紡社製)
・メタノール/ブタノール/水混液 ・・・・900重量部
【0064】
得られた分散液を上記ローラにディップ塗布した後、120℃で加熱・乾燥して、膜厚10μmの表面層を形成し、帯電ロールAを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は32%であり、水接触角は7度であった。
【0065】
以上のようにして、帯電ロールAを作製した。
【0066】
−帯電電位評価試験−
得られた上記帯電ロールAを、画像形成装置(Able3221:富士ゼロックス社製)における帯電器に装着し、さらに、感光体表面の電位が測定できるように前記画像形成装置の改造を行った。−420Vの直流電圧を帯電ロールの導電性支持体に印加し、当該帯電ロールと接触する外径30mmの感光体表面に電荷を注入し、上記画像形成装置を作動させ、現像剤担持体の位置で感光体表面の電位を連続して測定した。この時の、感光体一周分の電位の平均値、一周中の最大電位と最低電位との差(電位ばらつき)を表1に示す。
【0067】
−画質評価試験−
前記帯電電位評価試験に用いたものと同一の画像形成装置に、通常の現像器を装てんし、初期及びテストチャートを20万枚出力後にハーフトーン画像を出力し、濃度ムラを確認した。なお、濃度ムラの判断は以下の基準により行った。結果を表1に示す。
・全くムラがないレベル ・・・ ○
・わずかにムラがあるが、品質上問題ないレベル ・・・ △
・品質上問題となるムラのレベル ・・・ ×
【0068】
(実施例2)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を50重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を50重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールBを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は24%であり、水接触角は15度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を80重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を20重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールCを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は15%であり、水接触角は25度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0070】
(実施例4)
実施例1の表面層に替えて、アルギン酸ナトリウムの水溶液をディップコートした後、塩化カルシウムの水溶液に浸漬し、乾燥架橋後、15μmの表面層を作製し、帯電ロールDを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は42%であり、水接触角は5度以下であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0071】
(実施例5)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を90重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を10重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールEを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は8%であり、水接触角は37度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0072】
(比較例1)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を100重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を0重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールFを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は1.7%であり、水接触角は48度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験(共に初期のみ)を行った。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
表1の結果から、表面層に吸水性材料含ませ、表面層の吸水率を制御することで、電位のばらつきが少なく、ハーフトーン画像濃度ムラも抑えられることがわかる。また、表面層の水との接触角を小さくすることで、より効果的に、電位のばらつきが少なく、ハーフトーン画像濃度ムラも抑えられることもわかる。
【0075】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、水による注入帯電方法に適用される帯電部材であって、特別に水を供給することなく、帯電部材表面が空気中の水分を取り込むことにより、注入帯電ができ、高効率でしかも均一な帯電を行なうことが可能であり、有害なオゾンの発生と画質欠陥を引き起こす窒素酸化物の発生を防止でき、しかも、信頼性と性能維持性の高い帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電ロール(帯電部材)の外観図
【図2】帯電ロール(帯電部材)の断面図
【図3】他の帯電ロール(帯電部材)の断面図
【図4】画像形成装置の断面図
【図5】帯電器(帯電装置)の拡大図
【符号の説明】
1 帯電ロール(帯電部材)
11 感光体ドラム(被帯電体)
12 レーザ書込装置
13 帯電器(帯電装置)
14 現像器
15 転写器
16 クリーニング装置
17 給紙トレイ
18 用紙取出ロール
19 用紙搬送ロール
20 用紙ガイド
21 定着装置
22、24 搬送路
23 排出ロール
25 排出トレイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置における帯電部材に関する。より詳しくは、水による注入帯電方法を適用し、感光体や誘電体等の被帯電体表面に押圧して、被帯電体表面を均一に帯電処理する帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法に関する。
【0002】
【従来技術】
電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置では、静電潜像形成のため、露光前に感光体や誘電体等の静電潜像担持体(被帯電体)表面を帯電処理することが行われている。当該帯電処理を行なう方法としては、タングステンワイヤーに高電圧を印加して発生するコロナ放電により帯電を行なう非接触帯電方式が広く採用されている。しかし、この非接触帯電方式では、高電圧印加による大気中での放電により多量のオゾンが発生し、画像形成装置周辺の環境汚染を引き起こしていた。
【0003】
上記非接触帯電方式に対し、帯電部材を静電潜像担持体に接触させて帯電処理を行なう接触式帯電方法(特開昭54−150131号公報)がある。この接触帯電方式では、帯電部材に印加する電圧が低く、オゾンの発生量が非常に少ないという利点があり、近時、採用が進められている。
【0004】
しかしながら、従来の放電を利用した接触による帯電方法では、パッシェンの法則に従うため、静電潜像担持体表面に対し、放電開始電圧と所望する帯電電位とを加えた直流電流を印加する必要があり、帯電効率が極めて悪いという問題がある。また、帯電部材として用いる帯電ロールと静電潜像担持体とが完全に接触しているわけではないので、均一な帯電ができないという問題もある。
【0005】
上記不均一な帯電を改善する目的で、印加する直流電圧成分に交流電圧成分を重畳する方法(特開昭63−149668号公報)も提案されているが、十分に解決されるわけではない。しかも、これらの接触帯電方式は非接触帯電方法に比べ、大幅にオゾン発生量を低減できるものの、完全に消失させることはできないため、環境への問題は残る。さらに、放電により発生した窒素酸化物が静電潜像担持体を汚染し、画質欠陥を引き起こすという問題もある。
【0006】
一方、磁気ブラシやロール状の帯電部材等を使用し、さらに電荷注入層を備えた静電潜像担持体との組み合わせで注入帯電を行ない、帯電効率を向上させたり、オゾンによる環境汚染を防止させようという試みがある(特開昭59−133569号公報、特開平6−3921号公報、特開平8−69165号公報)。しかしながら、上記のような注入帯電方法では、帯電部材と静電潜像担持体との接触が十分でないため、帯電効率の向上に限界があり、特に、高速で回転する静電潜像担持体を帯電させる時に、帯電効率の低下が顕著に観察される。
【0007】
また、スポンジに水を含浸させた帯電部材を使った提案(特開平7−140729号公報、特開平8−62932号公報)がなされているが、上記方法では、スポンジ中の含浸水を直接静電潜像担持体に接触させるため、静電潜像担持体表面への水の供給量が制御しづらく、信頼性と性能維持性に欠けるという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭54−150131号公報
【特許文献2】
特開昭63−149668号公報
【特許文献3】
特開昭59−133569号公報
【特許文献4】
特開平6−3921号公報
【特許文献5】
特開平8−69165号公報
【特許文献6】
特開平7−140729号公報
【特許文献7】
特開平8−62932号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、水による注入帯電方法に適用される帯電部材であって、特別に水を供給することなく、帯電部材表面が空気中の水分を取り込むことにより、注入帯電ができ、高効率でしかも均一な帯電を行なうことが可能であり、有害なオゾンの発生と画質欠陥を引き起こす窒素酸化物の発生を防止でき、しかも、信頼性と性能維持性の高い帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1>外周面に設けられる表面層が、吸水性材料を含むことを特徴とする帯電部材。
【0011】
<2>前記吸水性材料が、アルギン酸多価金属塩であることを特徴とする前記<1>に記載の帯電部材。
【0012】
<3>前記多価金属が、カルシウムであることを特徴とする前記<2>に記載の帯電部材。
【0013】
<4>前記表面層が前記吸水性材料と結着樹脂とを含んで構成され、前記吸水性材料(質量A)と前記結着樹脂(質量B)の質量比(A/B)が100/0〜20/80の範囲であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の帯電部材。
【0014】
<5>外周面に設けられる表面層が、23℃55%RHでの吸水率が、15%〜42%であることを特徴とする帯電部材。
【0015】
<6>前記表面層の水に対する接触角が、25度以下であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の帯電部材。
【0016】
<7>帯電部材が被帯電体に当接され、該帯電部材に電圧を印加する手段を有する帯電装置であって、前記帯電部材が、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とする帯電装置。
【0017】
<8>帯電部材が前記<1>〜<6>のいずれかに記載の帯電部材であって、前記帯電部材の被帯電体と接する面に水の薄層を形成させ、前記帯電部材を被帯電体に押圧するとともに電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法。
【0018】
本発明の帯電部材について、さらに詳細すれば、本発明は静電潜像担持体に電荷を直接注入する前記水による注入帯電方法に関するものであり、表面層に吸水性材料を配する及び/又は表面層の吸水率を制御することにより、帯電部材表面の水に対する接触角を低減し、空気中の水分を取り込み、帯電部材の表面に水の薄層を均一に形成することで、100%に近い帯電効率を保持しながら、従来における、例えばスポンジに水を含浸させた帯電部材を用いた場合の水こぼれ、部材表面の乾燥及び水の供給ムラ等に基づく帯電ムラに起因する画像ディフェクトの改善を行なうものである。
【0019】
また、本発明の帯電部材によれば、注入帯電領域の帯電部材と静電潜像担持体との密着性が向上し、使用環境によらず、常に安定した注入帯電が可能であるため、従来の接触帯電方式で問題となっていた湿度変化による帯電電位の変動もなく、全環境において安定した帯電電位、帯電効率を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
第1の本発明の帯電部材は、外周面に設けられる表面層に吸水性材料を含むものである。一方、第2の本発明の帯電部材は、外周面に設けられる表面層が23℃55%RHでの吸水率15%〜42%であるものである。いずれの本発明の帯電部材も、その表面の水に対する接触角が25度以下であることが好適である。当該帯電部材は、電子写真装置における静電潜像担持体(被帯電体)に接触して、帯電を行なう装置に用いられる部材である。なお、第1の本発明と第2の本発明とは、組み合わせてもよい。
【0021】
<帯電部材>
本発明の帯電部材は、上述のように、吸水性材料を含有する、及び/又は吸水率が15%〜42%の表面層を有するものであるが、その形態は、被帯電体と安定的に接触することができ、電圧印加によって当該被帯電体表面に均一に電荷を与えることができるものであれば、いずれの形態のものも使用することができる。例えば、ロール状、プレート状、ブロック状、球状、ブラシ状等の種種の形状とすることができるが、通常は、ロール状とすることが好ましい。
【0022】
以下、図面を参照しつつ、第1の本発明と第2の本発明を組み合わせた帯電部材を例にして説明する。
【0023】
図1に、本発明の帯電部材が帯電ロールとして使用される場合のロール外観、図2及び図3にロール断面の例を示す。図2に示す帯電ロールでは、中実の円柱状または中空円筒状の導電性支持体1aの表面に、導電性弾性体層1bが形成され、さらに該導電性弾性体層1b表面に表面層1dが形成される。また、図3に示す帯電ロールのように、導電性弾性層1bの表面に抵抗調整層1cを形成し、その表面に表面層1dを設けてもよい。
【0024】
導電性支持体1aは、帯電部材の電極及び支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂;などの導電性の材質で構成される。
【0025】
導電性弾性体層1bは、帯電部材が適切なニップ圧で被帯電体表面に押圧され、被帯電体表面を均一に帯電できるよう、被帯電体との間にニップを形成し、さらに帯電部材を所定の抵抗値とするために設けられる。
【0026】
この導電性弾性体層1bは、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、イソプレンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0027】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。
【0028】
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましく、5〜35質量部の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜4質量部の範囲であることがより好ましい。
これにより、導電性弾性層1bの体積抵抗値を2×102〜5×109Ωcmの範囲に調整することが好ましい。この体積抵抗値は、後述する抵抗調整層1cの体積抵抗値と密接に関連する。
また、前記導電性弾性層1bの硬度は、アスカーC硬度で70°以下であることが好ましい。
【0029】
本発明においては、上記導電性弾性層1bの表面に直接表面層1dを形成してもよいが、帯電部材の抵抗調整のために抵抗調整層1cが、さらに被帯電体表面の汚染防止等の観点から保護層が設けられる場合は、抵抗調整層1cあるいは保護層の表面に表面層1dを形成してもよい。但し、表面層1dが保護層を兼ねることもできる。また、必要に応じて、導電性弾性層1bと抵抗調整層1cとの間に電極層を設けてもよい。
なお、上記電極層とは、導電性弾性体層1b中の導電性粒子の不均一分散による電流の集中を分散させるために設けられるものであり、導電性無機物質のみから構成される。
【0030】
抵抗調整層1cは、帯電部材を所定の抵抗値に調整するために設けられるものであり、樹脂中に前記した導電性粒子を分散させた薄膜から構成される。用いられる樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂等の多少柔らかい部類に属する樹脂が好適である。また、導電剤としては、前記導電性弾性層1bに用いたものが好ましく用いられる。
【0031】
上記導電剤の添加量は特に制限はないが、例えば電子導電剤の場合は、用いられる樹脂100質量部に対し、1〜50質量部の範囲であることが好ましく、5〜35質量部の範囲であることがより好ましい。
こうして抵抗調整層1cの体積抵抗値は3×103〜5×1010Ωcmの範囲に調整されることが好ましい。また、抵抗調整層の膜厚は、1〜500μmの範囲、さらには、5〜400μmの範囲にあることが好ましい。膜厚が1μmより薄くなると、抵抗調整層としての機能を十分に発揮することができないだけでなく、リークが発生しやすくなり被帯電体表面を損傷する場合がある。一方、膜厚が500μmより厚いと、帯電部材の抵抗値及び硬度が必要以上に上昇する場合がある。
【0032】
本発明においては、抵抗調整層1cの表面にさらに保護層を設けることができる。この保護層は、帯電部材が被帯電体表面に固着するのを防止するための層として機能する。さらに、被帯電体表面に残留したトナー及びその外添剤による帯電部材の汚染や、被帯電体表面への紙粉等の付着や固着を防止して、帯電性能の低下やそれに起因する画質欠陥の発生を防止するために設けられる。
【0033】
上記保護層を構成する材料は、特に制限されるものではなく、被帯電体に対する汚染性が少なく、比較的柔軟である樹脂やゴム等を用いることができる。また、抵抗調整層1cの表面にUV照射、熱処理、カップリング剤等による化学処理を施す等により、抵抗調整層1cと物性、組成が異なる層を形成し保護層としてもよい。
【0034】
本発明における表面層1dは、吸水性材料を構成材料として含み、前記導電性弾性層1b、抵抗調整層1c、あるいは保護層の表面に形成されるものである。
【0035】
本発明における表面層1dには、吸水性材料が含まれるが、前記吸水性材料にはポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ゼラチン、アルブミン、アルギン酸の多価金属塩、メチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類、澱粉類、また、それぞれの共重合体、架橋体がある。さらに、シリカゲルやゼオライトなども吸水性材料として知られている。これらの吸水性材料の内、吸水率の観点から、アルギン酸の多価金属塩、シリカゲルやゼオライトが好適に使用できるが、アルギン酸の多価金属塩(多価金属としてはカルシウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン等が挙げられ、これらの内、特に好ましくはカルシウムである)が特に好適に使用できる。アルギン酸カルシウム塩は自重の30%〜50%の高い吸水能力を持ち、吸水による膨潤や軟化が無く、帯電部材の表面層として特に使用できる。また、最近では地球環境保全の高まりから、石油資源を基にした高分子材料は敬遠されてきており、これに替わる有機資源として天然に産する高分子物質である海藻由来の糖質高分子・アルギン酸を利用することは、時代に呼応している。
【0036】
本発明における表面層1dは、前記吸水性材料単独で形成されてもよいし、前記吸水性材料と結着樹脂(他の樹脂)とを混合して形成されても良い。用いられる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることがでる。ただし、空気中の水分を効率よく取り込む(例えば上記表面層1d表面の水接触角を25度以下とする)観点から、前記吸水性材料(質量A)と前記結着樹脂(質量B)との質量比A/Bは、100/0〜20/80の範囲であることが好ましく、より好ましくは100/0〜50/50の範囲であり、さらに好ましくは100/0〜70/30の範囲である。
【0037】
また、前記吸水性材料と結着樹脂(他の樹脂)とを混合して表面層1dを形成する場合、前記吸水性材料としては粉末状のものを用いることがよいが、空気中の水分を効率よく取り込む(例えば上記表面層1d表面の水接触角を25度以下とする)観点から、その平均粒子径は、0.1μm〜15μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μmであり、さらに好ましくは0.1μm〜3μmである。
【0038】
本発明における表面層1dは、下層が非耐熱性材料であることが多いこと、より均一な層として形成できることなどの観点から、コーティング液として前記導電性弾性体層の表面に塗工して形成することが好ましい。
コーティング液の溶剤としては、水、及び、メタノール、MEK、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。また、上記コーティング液には、カーボンブラック、金属酸化物などの導電剤や界面活性剤、カップリング剤の分散剤などを添加することもできる。
【0039】
なお、コーティング液中に、吸水性材料を添加してもよいし、コーティング液中で吸水性材料を調製してもよい。
【0040】
コーティング方法としては、スプレー法、ディッピング法、スピンコート法、など通常のコーティング方法を用いることができる。また、コート後は室温または加熱乾燥を行なう。なお、上記コーティングの前に、密着性向上のためのプライマー層を形成させても良い。加熱乾燥後の表面層1dの層厚は、0.1〜50μmの範囲であることが好ましい。
【0041】
本発明における表面層1dは、23℃55%RHでの吸水率が15%〜42%であるが、好ましくは24%〜42%であり、より好ましくは32%〜42%である。
【0042】
また、上記吸水率の測定は、次のようにして行なわれる。表面層組成物の小片を、23℃55%RHの環境下に24時間放置後、この小片を示差熱分析装置を用い、昇温速度10℃/分で昇温させ、105%までの質量減量を測定し、元の小片の質量で除した値を百分率で表し、これを吸水率とする。
【0043】
本発明における表面層1dは、前記吸水性材料を含ませる、及び/又は、吸水率を制御することで、その塗膜表面が親水性になり、効果を奏するものである。ただし、本実施の形態では、吸水性材料を含ませることで、表面層の吸水率を制御させているが、表面層が上記特定の吸水率を示すのであれば、塗膜表面が親水性になるため、表面層1dの構成材料は特に限定されるものではない。
【0044】
ここで、上記親水性とは、水になじみやすくぬれやすい性状をいい、水に対する接触角(以下、単に「水接触角」という場合がある)でその程度を表すことができる。
【0045】
このため、本発明における表面層1dは、表面の水に対する接触角が25度以下であることが好ましい。当該水接触角とは、測定対象物の表面に水を滴下したとき、当該表面と液面とのなす角をいい、この角の角度が大きいと水に対してぬれにくいことを意味し、当該角度が小さいと水に対してぬれやすいことを意味する。前記水接触角は、ゴニオメーター等を用いて測定することができるが、本発明においては、23℃、55%RHの環境下において、帯電部材の表面に水を滴下したときの10秒放置後の接触角を、接触角測定装置CA−Xロール型(協和界面科学社製)を用いて測定した。
【0046】
本発明においては、特に、前記吸水性材料を含む、及び/又は、吸水率が制御され、且つ表面の水に対する接触角が25度以下である表面層を有することで、より効果的に、帯電部材はその表面に一定量の水を安定的に保持することができ、その結果、画像装置の使用環境に影響されずに、均一に被帯電体を帯電処理できる。
【0047】
この観点からは、前記表面層1d表面の水に対する接触角は、より小さいことが望ましく、帯電部材表面の水に対する接触角は15度以下であることがより好ましい。
【0048】
以上のような構成の帯電部材の硬度は、アスカーC硬度で70°以下であることが好ましい。アスカーC硬度が70°より高くなると、被帯電体とのニップ均一性が損なわれ、画質欠陥が発生するようになるだけでなく、長期間の使用により例えば被帯電体表面が次第に摩耗する場合がある。
なお、アスカーC硬度の測定は、帯電部材の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器社製)の押針を当接し、1000g荷重の条件で行った。
【0049】
また、上記帯電部材の抵抗値は、2×104〜5×1010Ωの範囲であることが好ましい。これは、前述した導電性弾性体層の体積抵抗値と抵抗調整層の体積抵抗値、および膜厚とを適宜調整することによって、上記範囲内に調整すること可能である。抵抗値が2×104Ω未満であると、被帯電体表面に過剰電流が流れ、被帯電体表面にピンホールリークが発生しやすい場合がある。一方、抵抗値が5×1010Ωより大きくなると、低電圧での被帯電体への帯電が困難となり、帯電電位の不足により画質欠陥が生じるようになる。
【0050】
なお、既述の体積抵抗値の測定は、各種組成物をシート状とし、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した電圧を30秒印加後の電流値より、下記式(1)を用いて算出した。
体積抵抗率(Ω・cm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×組成物シート厚(cm)) ・・・ 式(1)
【0051】
また、抵抗値は、例えば帯電部材が帯電ロールである場合、金属板上にロールを置き、ロールの両端部に500gずつ荷重し、高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)を用いて、ロールの芯金と金属板との間に100Vの電圧を10秒印加後、得られた電流値を測定しロール抵抗値を求めた。
【0052】
<画像形成装置>
図4は、本発明の帯電部材が帯電ロールとして組み込まれた画像形成装置の全体断面図である。図4において、画像形成装置本体Uの内部には、矢印方向に回転する円筒状の感光体ドラム(被帯電体)11が配置されていて、静電潜像担持体として機能する。画像形成装置本体Uの内部の図面右側部には、感光体ドラム11表面に静電潜像を書き込むレーザ書き込み装置12が配置されている。円筒状の感光体ドラム11の周囲には、その回転方向に沿って、順次感光体ドラム11表面を一様に帯電する帯電器(帯電装置)13、上記静電潜像を顕像化する現像器14、顕像化されたトナー画像を用紙(転写材)に転写させる転写器15、および感光体ドラム11表面の残留トナーを除去するクリーニング装置16が、それぞれ配置されている。
【0053】
前記現像器14は、トナーを収納する容器14aを備えている。この容器14a内には、トナーを攪拌する攪拌部材14bと、回転可能な現像剤担持体14cと、該現像剤担持体14cにトナーを供給するトナー供給ローラ14dとが設けられている。現像剤担持体14cは、感光体ドラム11表面と僅かな間隙を介して容器14aに支持されている。また、前記クリーニング装置16はケーシング16aを備えている。このケーシング16aには金属製のブレードホルダー16bが固定されていて、その先端部にはシート状のクリーニングブレード16cが固定されている。クリーニングブレード16cはその先端のエッジ部が感光体ドラム11表面に当接している。
【0054】
画像形成装置U本体の図面下部には、用紙を収容する給紙トレイ17が配置されている。給紙トレイ17の上面端部には、給紙トレイ17から用紙を一枚ずつ取り出す用紙取り出しローラ18が配置されている。用紙取り出しローラ18の左側部上方には、一対の用紙搬送ローラ19によって搬送される用紙をガイドする一対の用紙ガイド20が配置されている。画像形成装置本体Uの内部の図面左側上部には、加熱ローラ21a及び加圧ローラ21bを有する定着装置21が配置されていて、当該定着装置21と前記転写器15との間には、トナー画像が転写された用紙を搬送する搬送路22が設けられている。また、定着装置21の上方には、一対の排出ローラ23と、トナー画像が定着された用紙を定着装置21から排出ローラ23までガイドする搬送路24が設けられている。そして、画像形成装置U本体の図面上部には上記排出ローラ23から排出される用紙を載置する排出トレイ25が形成されている。
【0055】
上記画像形成装置Uの画像形成プロセスを簡単に説明すると、以下の通りである。
まず、直流電圧が印加された帯電ロール1によって、矢印方向に回転する感光体ドラム11は、その表面が一様に注入帯電される。帯電された感光体ドラム11はレーザ書き込み装置12により静電潜像が書き込まれる。感光体ドラム11表面の静電潜像は、現像器14によりトナー画像に現像される。そして、トナー画像は転写器15により給紙トレイ17から搬送されてくる用紙に転写される。転写されたトナー画像が定着装置21により用紙に定着された後、該用紙は排出ローラ23により排出トレイ25上に排出される。また、上記トナー画像が用紙に転写された後、感光体ドラム11表面に残留していたトナーはクリーニング装置のブレード16cにより除去され、次の画像形成プロセスに備える。
【0056】
<帯電装置、帯電方法>
図5は、図4中の前記帯電器(帯電装置)13の拡大図である。図5において、帯電器13は前記帯電ロール1を備えている。当該帯電ロール1は、導電性支持体1aの表面に導電性弾性体層1bと、抵抗調整層1cと、吸水性材料を含有する及び/又は吸水率が制御された表面層1dと、が順次積層された構造となっている。
【0057】
帯電ロール1は、その導電性支持体1aの両端部が、クリーニング装置16の前記ケーシング16aに固定された支持部材31により支承されている。また、一端が支持部材31に、他端が導電性支持体1aの端部にそれぞれ固定された、2つの加圧スプリング32の付勢力によって、帯電ロール1は感光体ドラム11表面に押圧され接触している。前記支持部材31には、金属製のパッドホルダ33が固定されていて、その先端部に固定された、シート状のクリーニング部材であるスポンジパッド34により、帯電ロール1表面にトナーが極わずかに付着してもこれを取り除けるようになっている。
【0058】
さらに、帯電ロール1の導電性支持体1aには、直流電源35から直流電圧が印加される。したがって、帯電ロール1は、導電性支持体1a、導電性弾性体層1b、抵抗調整層1c、吸水性材料を含有する及び/又は吸水率が制御された表面層1d、さらに当該表面層1dが空気中の水分を取り込むことで表面に均一に形成された水の薄層によって、接触しながら所定の方向に回転する感光体ドラム11表面を一様に注入帯電処理することができる。
【0059】
なお、帯電器13は、帯電ロール1の表面層1dが空気中の水分を取り込み、表面に水の薄層を均一に形成するため、注入帯電法に従来必要とされた、含水スポンジパッドなどの水供給手段を設ける必要性がなく、上述した効果に加え、小型が可能となる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
−導電性弾性層の調合と作製−
Φ6mmのSUSシャフトに導電性シリコーンゴム(東レダウコーニング社製:X−34−2048AB)を厚さ3mmになるよう射出成形し、体積抵抗5×103Ωcm、ASKER−C硬度55度、Φ12mmの弾性ローラを得た。
【0062】
−抵抗調整層の調合と作製−
下記組成物をボールミルで混合して樹脂中にカーボンブラックが均一に分散した分散液を調整した。得られた分散液を上記弾性ローラにディップ塗布した後、加熱・乾燥して、ポリウレタン膜で構成された膜厚20μmの抵抗調整層を形成した。
・一液型ウレタン樹脂 ・・・・100重量部
(DF−407:大日本インキ化学工業社製)
・カーボンブラック ・・・・5重量部
(Regal 660R:Cabot社製)
・2−ブタノン ・・・・100重量部
【0063】
−表面層の調合と作製−
下記組成物をボールミルで混合してナイロン樹脂中に導電剤と、吸水性材料としてアルギン酸カルシウム塩の微粉と、が均一に分散した分散液を調整した。
・ナイロン四元共重合樹脂 ・・・・30重量部
(CM8000:東レ社製)
・酸化スズ(NS−100P:石原産業社製) ・・・・10重量部
・アルギン酸カルシウム塩の微粉 ・・・・70重量部
(フラビカファイン SF−W(平均粒子径3μm):日清紡社製)
・メタノール/ブタノール/水混液 ・・・・900重量部
【0064】
得られた分散液を上記ローラにディップ塗布した後、120℃で加熱・乾燥して、膜厚10μmの表面層を形成し、帯電ロールAを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は32%であり、水接触角は7度であった。
【0065】
以上のようにして、帯電ロールAを作製した。
【0066】
−帯電電位評価試験−
得られた上記帯電ロールAを、画像形成装置(Able3221:富士ゼロックス社製)における帯電器に装着し、さらに、感光体表面の電位が測定できるように前記画像形成装置の改造を行った。−420Vの直流電圧を帯電ロールの導電性支持体に印加し、当該帯電ロールと接触する外径30mmの感光体表面に電荷を注入し、上記画像形成装置を作動させ、現像剤担持体の位置で感光体表面の電位を連続して測定した。この時の、感光体一周分の電位の平均値、一周中の最大電位と最低電位との差(電位ばらつき)を表1に示す。
【0067】
−画質評価試験−
前記帯電電位評価試験に用いたものと同一の画像形成装置に、通常の現像器を装てんし、初期及びテストチャートを20万枚出力後にハーフトーン画像を出力し、濃度ムラを確認した。なお、濃度ムラの判断は以下の基準により行った。結果を表1に示す。
・全くムラがないレベル ・・・ ○
・わずかにムラがあるが、品質上問題ないレベル ・・・ △
・品質上問題となるムラのレベル ・・・ ×
【0068】
(実施例2)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を50重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を50重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールBを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は24%であり、水接触角は15度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を80重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を20重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールCを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は15%であり、水接触角は25度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0070】
(実施例4)
実施例1の表面層に替えて、アルギン酸ナトリウムの水溶液をディップコートした後、塩化カルシウムの水溶液に浸漬し、乾燥架橋後、15μmの表面層を作製し、帯電ロールDを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は42%であり、水接触角は5度以下であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0071】
(実施例5)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を90重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を10重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールEを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は8%であり、水接触角は37度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0072】
(比較例1)
実施例1の表面層の調合と作製において、ナイロン樹脂を100重量部、アルギン酸カルシウム塩の微粉を0重量部に変更した以外は実施例1と同等な操作を行ない、帯電ロールFを作製した。この帯電ロールの表面層の吸水率(23℃55%RH)は1.7%であり、水接触角は48度であった。
上記帯電ロールを用いて、実施例1と同様にして帯電電位試験、画像評価試験(共に初期のみ)を行った。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
表1の結果から、表面層に吸水性材料含ませ、表面層の吸水率を制御することで、電位のばらつきが少なく、ハーフトーン画像濃度ムラも抑えられることがわかる。また、表面層の水との接触角を小さくすることで、より効果的に、電位のばらつきが少なく、ハーフトーン画像濃度ムラも抑えられることもわかる。
【0075】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、水による注入帯電方法に適用される帯電部材であって、特別に水を供給することなく、帯電部材表面が空気中の水分を取り込むことにより、注入帯電ができ、高効率でしかも均一な帯電を行なうことが可能であり、有害なオゾンの発生と画質欠陥を引き起こす窒素酸化物の発生を防止でき、しかも、信頼性と性能維持性の高い帯電部材及びそれを用いた帯電装置、帯電方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電ロール(帯電部材)の外観図
【図2】帯電ロール(帯電部材)の断面図
【図3】他の帯電ロール(帯電部材)の断面図
【図4】画像形成装置の断面図
【図5】帯電器(帯電装置)の拡大図
【符号の説明】
1 帯電ロール(帯電部材)
11 感光体ドラム(被帯電体)
12 レーザ書込装置
13 帯電器(帯電装置)
14 現像器
15 転写器
16 クリーニング装置
17 給紙トレイ
18 用紙取出ロール
19 用紙搬送ロール
20 用紙ガイド
21 定着装置
22、24 搬送路
23 排出ロール
25 排出トレイ
Claims (8)
- 外周面に設けられる表面層が、吸水性材料を含むことを特徴とする帯電部材。
- 前記吸水性材料が、アルギン酸多価金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
- 前記多価金属が、カルシウムであることを特徴とする請求項2に記載の帯電部材。
- 前記表面層が前記吸水性材料と結着樹脂とを含んで構成され、前記吸水性材料(質量A)と前記結着樹脂(質量B)の質量比(A/B)が100/0〜20/80の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の帯電部材。
- 外周面に設けられる表面層が、23℃55%RHでの吸水率が、15%〜42%であることを特徴とする帯電部材。
- 前記表面層の水に対する接触角が、25度以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の帯電部材。
- 帯電部材が被帯電体に当接され、該帯電部材に電圧を印加する手段を有する帯電装置であって、前記帯電部材が、請求項1〜6のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とする帯電装置。
- 帯電部材が請求項1〜6のいずれかに記載の帯電部材であって、前記帯電部材の被帯電体と接する面に水の薄層を形成させ、前記帯電部材を被帯電体に押圧するとともに電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法。
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