JP2004091506A - ポリマーアロイ、架橋物および燃料ホース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ニトリル基含有共重合ゴム(A)を40〜90重量%、及びアクリル樹脂(B)を10〜60重量%含有して成るポリマーアロイであって、
前記アクリル樹脂(B)が、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50重量%以上含有し、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を1〜27重量%含有するものであるポリマーアロイ。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性のバランスに優れた、燃料ホース用材料として好適なポリマーアロイ、該ポリマーアロイの架橋物および該架橋物で構成された燃料ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのニトリル基含有共重合ゴムは、自動車の燃料配管に使用される燃料ホースなど様々な用途に用いられている代表的なゴムである。しかし、ニトリル基含有共重合ゴムは、耐オゾン性に劣り、オゾン劣化防止剤を配合しないと劣化が早いという問題があった。そこで、ニトリル基含有共重合ゴムの耐オゾン性を向上させるために、ニトリル基含有共重合ゴムには、一般的にオゾン劣化防止剤が添加されている。
【0003】
しかしながら、オゾン劣化防止剤の作用機構は、オゾンにより生じるラジカルがゴム分子と反応する前に、該ラジカルと反応することによりゴムの劣化を防止するというものであるため、オゾン劣化防止剤自体がオゾンにより変質し、その機能が失われることがある。その結果、ゴム分子の劣化を遅延させることができても、完全に防止することはできず、長期に亘りゴムの耐オゾン性を維持させるのは困難であった。
【0004】
そこで、長期に亘りゴムの耐オゾン性を維持させるために、ニトリル基含有共重合ゴムに塩化ビニル樹脂をブレンドさせたポリマーアロイが提案されている(米国特許第2,330,353号公報)。このポリマーアロイは、耐オゾン性に優れ、耐燃料油性も併せ持つことから、燃料ホースを中心に自動車部品として広く使用されている。しかしながら、このポリマーアロイに含まれる塩化ビニル樹脂は、廃棄処理により塩素が遊離することがあり、環境問題の原因となる可能性がある。このため、特に国内では使用をひかえる傾向があり、新しい材料が求められている。
【0005】
塩化ビニル樹脂などのようなハロゲン含有樹脂を使用しない新しい材料として、種々の提案がなされている。たとえば、ニトリル基含有共重合ゴムと種々のハロゲン非含熱可塑性樹脂、例えばポリアミド樹脂(後藤慎一郎、日本ゴム協会誌、第73巻、247頁、2000年)、ポリプロピレン樹脂(飯野博一、日本ゴム協会誌、第38巻、7頁、1965年)、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂(西敏夫、日本ゴム協会誌、第68巻、834頁、1995年)などとのポリマーアロイが提案されている。
【0006】
しかしながら、これらを成形して得られる成形物(架橋物)は、依然として耐オゾン性が不十分であった。
【0007】
ところで、近年、環境問題の対策の一つとして、大気中へのガソリンの蒸発を低減することが求められ、自動車などの燃料ホースについても、ガソリンの透過量に対する規制が厳しくなってきており、一定水準の耐ガソリン透過性を有していることが必要とされている。また、燃料ホースは、極寒条件で使用されることもあり、耐寒性を有していることも必要である。
【0008】
しかしながら、耐ガソリン透過性と耐寒性とは、相反する特性であるため、これらのバランスを取ることが重要な課題となっている。
【0009】
特開2001−226527号公報では、ニトリル基含有共重合ゴムと、架橋性官能基を有するビニル系樹脂とのブレンド物が提案されている。そして、ビニル系樹脂の一例としてアクリル樹脂が挙げられている。この公報に記載の技術によれば、ビニル系樹脂の一部に架橋性官能基を導入することにより、耐燃料油性に優れたゴムと、耐オゾン性に優れた樹脂とを十分に分散させることができ、その結果、ブレンド物の架橋物の耐燃料油性および耐オゾン性をバランスさせようとするものである。
【0010】
しかしながら、この公報記載の技術では、ビニル系樹脂の一部に架橋性官能基を導入しているため、混練、乾燥などの処理中に架橋反応により硬化する場合があり、ビニル系樹脂がニトリル基含有共重合ゴム中に十分に微分散せずに耐オゾン性が劣る傾向があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記事情に鑑み、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性のバランスに優れた、燃料ホース用材料として好適なポリマーアロイと、該ポリマーアロイの架橋物および該架橋物で構成された燃料ホースを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
ニトリル基含有共重合ゴム(A)を40〜90重量%、及びアクリル樹脂(B)を10〜60重量%含有して成るポリマーアロイであって、
前記アクリル樹脂(B)が、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50重量%以上含有し、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を1〜27重量%含有するものであるポリマーアロイが提供される。このポリマーアロイは、好ましくは、架橋剤をさらに含有する。
【0013】
さらに本発明によれば、上記ポリマーアロイを架橋してなる架橋物が提供される。
【0014】
さらに本発明によれば、上記架橋物で構成される燃料ホースが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
ポリマーアロイ
本発明のポリマーアロイは、ニトリル基含有共重合ゴム(A)と、アクリル樹脂(B)とを含有して成る。
【0016】
ニトリル基含有共重合ゴム(A)
本発明で使用するニトリル基含有共重合ゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と、該α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体とを共重合し、必要に応じて主鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化して成るゴムである。
【0017】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられる。中でも、アクリロニトリルが好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の、ニトリル基含有共重合ゴム(A)の総量に対する含有量は、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは35〜60重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の含有量が少なすぎると耐燃料油性に劣り、逆に多すぎると耐寒性に劣る傾向がある。
【0018】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体としては、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体、α−オレフィン、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル系単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸またはその無水物、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、共重合性の老化防止剤などが挙げられる。
【0019】
共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。非共役ジエン単量体は、炭素数が5〜12のものが好ましく、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる例示される。α−オレフィンとしては、炭素数が2〜12のものが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。フッ素含有ビニル系単量体としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸としては、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の無水物としては、無水イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。
【0020】
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレートなどの、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;α−シアノエチルアクリレート、β−シアノエチルアクリレート、シアノブチルメタクリレートなどの、炭素数2〜12のシアノアルキル基を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノn−ブチルなどのα,β−エチレン性ジカルボン酸モノアルキルエステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどのα,β−エチレン性ジカルボン酸ジアルキルエステル;ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートなどのアミノ基含有α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;トリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレートなどのフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート;フルオロベンジルアクリレート、フルオロベンジルメタクリレートなどのフッ素置換ベンジル(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
【0021】
共重合性の老化防止剤としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
【0022】
本発明で使用するニトリル基含有共重合ゴム(A)には、実質的にハロゲンが含有されていないことが好ましい。具体的には、ハロゲン含有量が、0.5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0重量%である。ハロゲン含有量が少なければ少ないほど、廃棄処理時のハロゲン遊離量が低減できるというメリットがある。
【0023】
本発明で使用するニトリル基含有共重合ゴム(A)のムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)は、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜250、特に好ましくは30〜200である。ムーニー粘度が小さすぎると架橋物の機械的物性が劣る場合があり、逆に大きすぎると加工性に劣る場合がある。
【0024】
本発明で使用するニトリル基含有共重合ゴム(A)の製造方法は、特に限定されず、公知の方法に従って単量体を重合すればよい。
【0025】
アクリル樹脂(B)
本発明で使用するアクリル樹脂(B)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有する。
【0026】
さらに本発明で使用するアクリル樹脂(B)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有する。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、上述したニトリル基含有共重合ゴム(A)における場合と同様のものが挙げられる。中でも、(メタ)アクリロニトリルが好ましい。
【0027】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の、アクリル樹脂(B)の総量に対する含有量は、1〜27重量%である。好ましくは1.5〜20重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体を1〜27重量%含有させることで、ニトリル基含有共重合ゴム(A)となじみやすくなり、その結果、分散性を向上させつつ、耐オゾン性を向上させることができるが、多すぎると逆に耐オゾン性が低下する傾向がある。
【0028】
本発明で使用するアクリル樹脂(B)の、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、アクリル酸エステル単独重合単位;メタクリル酸エステル単独重合単位;アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合単位;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの一方または双方と、これらと共重合可能な単量体との共重合単位;のいずれの態様であっても良い。
【0029】
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどが挙げられる。
【0030】
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの一方または双方と共重合できるものであれば特に限定されないが、主鎖に不飽和結合を導入しない単量体が好ましく、また、架橋性官能基を導入しない単量体が好ましい。このような単量体としては、芳香族ビニル単量体、ビニルエステル単量体、ビニルエーテル単量体などが挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエステル単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。ビニルエーテル単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0031】
本発明で使用するアクリル樹脂(B)には、実質的にハロゲンが含有されていないことが好ましい。具体的には、ハロゲン含有量が、0.5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0重量%である。ハロゲン含有量が少なければ少ないほど、上述したニトリル基含有共重合ゴム(A)における場合と同様のメリットがある。
【0032】
本発明で使用するアクリル樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)におけるポリスチレン換算値で、好ましくは50,000〜4,000,000、より好ましくは100,000〜2,000,000、特に好ましくは200,000〜1,000,000である。重量平均分子量が小さすぎると、耐オゾン性が低下する場合がある。また、重量平均分子量が高すぎると、成型加工性が劣る場合がある。
【0033】
本発明で使用するアクリル樹脂(B)は、そのガラス転移温度と溶融温度のいずれか高い方が、250℃以下のものが好ましく、100〜230℃のものがより好ましい。アクリル樹脂の構造によっては、ガラス転移温度はあるが、溶融温度がない場合があり、その場合はガラス転移温度が上記範囲にあることが好ましい。この温度が低すぎても高すぎても耐オゾン性に劣る場合がある。
【0034】
本発明で使用するアクリル樹脂(B)の製造方法は、特に限定されないが、乳化重合、懸濁重合などにより、粒子状態で得ることが好ましい。乳化重合、懸濁重合などにおいては、シード重合を行ってよい。
【0035】
粒子として製造した場合のアクリル樹脂(B)の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下である。平均粒径が大きすぎると、架橋物の耐オゾン性が低下する傾向がある。アクリル樹脂(B)の平均粒径は、重合条件によって制御することが可能である。また、塊状のアクリル樹脂(B)をジェット気流式粉砕機、機械衝突式粉砕機、ロールミル、ハンマーミル、インペラーブレーカーなどの粉砕装置により粉砕し、得られた粉砕物を風力分級装置、ふるい分級装置などの分級装置に導入して分級することにより、アクリル樹脂の粒子径を調整することもできる。
【0036】
ニトリル基含有共重合ゴム(A)およびアクリル樹脂(B)の総量に対するニトリル基含有共重合ゴム(A)の含有量は、40〜90重量%、好ましくは60〜80重量%である。また、ニトリル基含有共重合ゴム(A)およびアクリル樹脂(B)の総量に対するアクリル樹脂(B)の含有量は、10〜60重量%、好ましくは20〜40重量%である。ニトリル基含有共重合ゴム(A)の含有量が少なすぎ、アクリル樹脂(B)の含有量が多すぎると、ゴム弾性が失われ、逆に多すぎると耐オゾン性に劣る傾向がある。
【0037】
本発明に係るポリマーアロイには、ニトリル基含有共重合ゴム(A)およびアクリル樹脂(B)以外に、本発明の効果、目的を阻害しない範囲で、ニトリル基含有共重合ゴム(A)及びアクリル樹脂(B)以外のゴムや樹脂を含有させてもよい。これらのゴムあるいは樹脂の含有量は、ニトリル基含有共重合ゴム(A)およびアクリル樹脂(B)の総量100重量部に対し、通常20重量部以下、好ましくは15重量部以下である。これらのゴム等の含有量が多すぎると、ポリマーアロイの耐ガソリン透過性、耐寒性および耐オゾン性が劣る場合がある。
【0038】
本発明に係るポリマーアロイには、一般的なゴムに使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、シリカなどの補強剤;炭酸カルシウム、クレー、タルク、ケイ酸カルシウムなどの充填剤;α,β−不飽和カルボン酸金属塩;顔料;老化防止剤などを含有させてもよい。
【0039】
本発明に係るポリマーアロイは、ニトリル基含有共重合ゴム(A)、アクリル樹脂(B)および必要に応じて配合される配合剤等を、たとえばロールやバンバリーなどの混合機を用い、加熱下で混合するドライブレンド法などにより調製することができる。また、ニトリル基含有共重合ゴム(A)とアクリル樹脂(B)をラテックス状態で混合して凝固させるラテックス共沈法を用いて調製しても良い。
【0040】
架橋性のポリマーアロイ
本発明においては、上記ポリマーアロイにさらに架橋剤を配合して、架橋性のポリマーアロイとすることができる。架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物、ポリアミン系架橋剤などが挙げられる。
【0041】
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物など有機硫黄化合物;などが挙げられる。
【0042】
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが挙げられる。ジアルキルパーオキサイドとしては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイドとして、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。パーオキシエステルとして、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなど)などが挙げられる。
【0043】
ポリアミン系架橋剤は、2つ以上のアミノ基を有する化合物であって、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素がアミノ基またはヒドラジド構造、すなわち−CONHNH2 で表される構造に置換されたものである。ポリアミン系架橋剤としては、脂肪族多価アミン類、芳香族多価アミン類、ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物などが挙げられる。脂肪族多価アミン類としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩などが挙げられる。芳香族多価アミン類としては、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシジフェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)などが挙げられる。ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物としては、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
【0044】
架橋剤の配合量は、架橋剤の種類により異なるが、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。架橋剤の使用量が少なすぎると圧縮永久歪みが大きくなり、多すぎると耐屈曲疲労性に劣る。
【0045】
硫黄系架橋剤を用いる場合は、通常、架橋促進剤を併用する。架橋促進剤としては、亜鉛華、スルフェンアミド系架橋促進剤、グアニジン系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、チウラム系架橋促進剤、ジチオ酸塩系架橋促進剤などが挙げられる。架橋促進剤の使用量は特に限定されず、架橋物の用途、要求性能、硫黄架橋剤の種類、架橋促進剤の種類などに応じて決めればよい。
【0046】
有機過酸化物を用いる場合は、通常、架橋助剤を併用する。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドなどが挙げられる。これらは、クレー、炭酸カルシウム、シリカなどに分散させ、ポリマーアロイの加工性を改良したものを使用してもよい。架橋助剤の使用量は特に限定されず、架橋物の用途、要求性能、架橋剤の種類、架橋助剤の種類などに応じて決めればよい。
【0047】
本発明に係る架橋性のポリマーアロイの調製方法は、特に限定されず、架橋剤をゴムに配合する公知の方法で行えばよい。但し、架橋剤の配合は、混合時に架橋が進行しないように、剪断発熱の起きづらい方法で行うのが好ましい。例えば、架橋剤を配合しないでバンバリー混合した後、架橋剤を配合してロールで最終混合するのが好ましい。
【0048】
架橋物
本発明においては、上記架橋性のポリマーアロイを、該ポリマーアロイに含まれる架橋剤の架橋開始温度以上に加熱することにより架橋物とすることができる。架橋温度は、アクリル樹脂(B)の特性に応じて架橋温度を決めればよいが、一般の架橋剤においては、好ましくは100〜200℃、より好ましくは130〜190℃、特に好ましくは140〜180℃である。温度が低すぎると架橋時間が長くなりすぎたり、架橋密度が低くなるおそれがある。温度が高すぎると成形不良を生じるおそれがある。
【0049】
また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、形状などにより異なるが、1分以上、5時間以下の範囲が架橋密度と生産効率の面から好ましい。また、成形の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても、内部まで十分に架橋していない場合があるので、二次架橋を行ってもよい。
【0050】
架橋するための加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法から適宜選択すればよい。
【0051】
上述した架橋物は、ガソリン透過量が小さく、脆化温度が低く、しかも耐オゾン性に優れている。そのため、ホース、ベルト、シール及びロールなどの工業部品の材料として好適に用いられる。具体的には、燃料ホース、エアインテークホース、エアダクトホース、タイミングベルト、パッキン、オイルシール、OAロール、自動車内装部材などの材料として好適である。中でも、燃料ホースの材料として特に好適である。
【0052】
燃料ホース
本発明に係る燃料ホースは、上述した架橋物で構成される。その構造は、特に限定されず、単層に限らず、他のゴム層や樹脂層などを有する2層以上の多層構造にしてもよい。
【0053】
本発明に係る燃料ホースの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法で製造されるが、好ましくは、上述した架橋剤を含む架橋性のポリマーアロイを、射出成形、押出成形などの従来公知の成形方法によって、所定形状のホースに成形し、スチーム架橋などの方法により、架橋させて製造する。
【0054】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において特に断りのない限り、部数および%は重量基準である。
【0055】
実施例1
まず、次のようにして、アクリル樹脂(B)を作製した。反応容器に、イオン交換水150部、オレイン酸カリウム(乳化剤)1.5部、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.3部、メタクリル酸メチル98.13部、アクリロニトリル1.87部を入れ、攪拌しながら、温度80℃で12時間反応させて重合を停止した。得られた重合反応液の一部をサンプリングして、固形分量を測定した結果、重合転化率は98.3%であり、固形分濃度は約39%であった。この得られたアクリル樹脂(アクリル樹脂b1)は、アクリロニトリル単量体単位量が1.87%であり、平均粒子径約0.11μmの粒子状であった。粒子の大きさは、光散乱法粒度分析計(モデルN4、コールター社製)を用いて測定した。このアクリル樹脂b1の粒子をテトラヒドロフランに溶解してゲル・パーミエーション・クロマトグラフィにかけ、ポリスチレンを標準物質として測定したところ、その重量平均分子量は約1,120,000であった。この重合反応液を濾過してアクリル樹脂b1の粒子を回収し、純水に分散させ濾過して回収する洗浄を2回行って、乾燥し、アクリル樹脂b1の粒子を得た。この粒子のガラス転移温度を測定したところ105℃であった。ガラス移転温度は、示差走査熱量法(DSC法)により測定した。なお、アクリル樹脂b1の粒子は、溶融温度がなかった。後述するアクリル樹脂b2〜b7も同様であった。
【0056】
次に、こうして得られた、アクリロニトリル単量体単位を1.87%含有するアクリル樹脂b1の粒子30部と、ニトリル基含有共重合ゴム(A)としてのアクリロニトリル単量体単位量42.5%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(JIS−K6300に準じて測定したムーニー粘度78)70部とを用い、燃料ホース用のポリマーアロイを、B型バンバリー(キャビティ内温度50℃)を用いて作製した。
【0057】
得られたポリマーアロイに、カーボンブラック(旭#50、旭カーボン社製)60部、可塑剤A(フタル酸ジオクチル)5部、可塑剤B(アジピン酸エステル、アデカサイザーRS−107、旭電化社製)15部、ステアリン酸1部、酸化亜鉛(亜鉛華#1)5部、硫黄(325メッシュ通過品)0.5部、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスフレンアミド1.5部およびテトラメチルチウラムジスルフィド1.5部を添加して架橋性のポリマーアロイを得た。この架橋性のポリマーアロイを、160℃、20分の条件でプレス架橋して、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製した。
【0058】
この架橋シートを用い、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。
【0059】
耐寒性(低温特性)は、ゲーマンねじり試験(JIS−K6261)により、試験用架橋シートの比弾性率が、それぞれ2、5、10、100になる温度T2、T5、T10、T100(いずれも単位:℃)を求めて評価した。この耐寒性においては、温度低いほど、耐寒性に優れる。結果を表1に示した。
【0060】
耐オゾン性は、JIS−K6259に準じて、40℃、オゾン濃度50pphm、50%伸長で、24時間、48時間、72時間、144時間後の状態を評価した。後述するクラックの発生が少ないほど、耐オゾン性に優れる。評価は次の略号で示した。NC:クラックの発生が認められない。A2,B2:アルファベットはクラック数を表し、Aに比べてBが大きく、Bに比べてCが大きい。数字が大きいほどクラックの大きさが大きい。Cut:クラックが大きくなり、試験用架橋シートが切断された。結果を表1に示した。
【0061】
耐ガソリン透過性は、燃料油C(イソオクタンとトルエンとを容積比1:1で混合したもの:Fuel−C)について、アルミカップ法により測定して評価した。アルミカップ法は、100ml容量のアルミカップに50mlの燃料油Cを入れ、これに直径61mmの円板状に切り取った厚さ2mmのシートで蓋をし、締め具で、該シートによりアルミカップ内外を隔てる面積を25.50m2 になるように調整し、該アルミカップを40℃の恒温槽内放置し、24時間毎に重量測定することにより、24時間毎の燃料油Cの透過量P(単位:g・mm/cm2 ・day)を測定し、その最大値を透過量とした。透過量の最大値が少ないほど、耐ガソリン透過性に優れる。結果を表1に示した。
【0062】
耐燃料油性は、JIS−K6258に従い、40℃に調整された燃料油Cに、試験用架橋シートを浸漬し、70時間経過した後の体積膨潤度△V(単位:%)を求めて評価した。体積膨潤度が少ないほど、耐燃料油性に優れる。結果を表1に示した。
【0063】
実施例2
アクリロニトリル使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリロニトリル単量体単位量9.02%、平均粒子径約0.12μm、重量平均分子量1,250,000、ガラス転移温度104℃のアクリル樹脂(アクリル樹脂b2)を得た。アクリル樹脂b2の粒子を用い、実施例1と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。結果を表1に示した。
【0064】
実施例3
アクリロニトリル使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリロニトリル単量体単位量16.5%、平均粒子径約0.11μm、重量平均分子量は1,170,000、ガラス転移温度103℃のアクリル樹脂(アクリル樹脂b3)を得た。アクリル樹脂b3の粒子を用い、実施例1と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。結果を表1に示した。
【0065】
比較例1
アクリロニトリルを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒子径約0.12μm、重量平均分子量1,220,000、ガラス転移温度105℃の、アクリロニトリル単量体単位を含まないアクリル樹脂(アクリル樹脂b4)を得た。得られたアクリル樹脂b4の粒子を用い、実施例1と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。結果を表1に示した。
【0066】
比較例2
アクリロニトリル使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリロニトリル単量体単位量27.7%、平均粒子径約0.11μm、重量平均分子量1,180,000、ガラス転移温度103℃のアクリル樹脂(アクリル樹脂b5)を得た。アクリル樹脂b5の粒子を用い、実施例1と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。結果を表1に示した。
【0067】
実施例4
アクリロニトリル使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリロニトリル単量体単位量9.3%、平均粒子径約0.11μm、重量平均分子量1,240,000、ガラス転移温度104℃のアクリル樹脂(アクリル樹脂b6)を得た。
【0068】
また、本実施例では、アクリロニトリル単量体単位量46%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(ムーニー粘度90)を用いた。
【0069】
これら以外は、実施例1と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。結果を表1に示した。
【0070】
実施例5
アクリロニトリル使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリロニトリル単量体単位量26.3%、平均粒子径約0.12μm、重量平均分子量1,190,000、ガラス転移温度103℃のアクリル樹脂(アクリル樹脂b7)を得た。
【0071】
また、本実施例では、アクリロニトリル単量体単位量50%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(ムーニー粘度78)を用いた。
【0072】
これら以外は、実施例1と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。結果を表1に示した。
【0073】
【表1】
【0074】
表1に示すように、メタクリル酸メチル重合体中のアクリロニトリル単量体単位の含有量が本発明の範囲から外れる比較例1および2は、耐寒性および耐燃料油性については優れているが、72時間までの短時間で既にクラックが発生し、耐オゾン性が十分でないことが確認された。また、比較例2では、耐ガソリン透過性についても悪化する傾向があることが確認された。
【0075】
これに対し、メタクリル酸メチル重合体中のアクリロニトリル単量体単位の含有量が本発明の範囲内の実施例1〜5は、耐寒性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性の他に、50%伸長という厳しい条件下でも、クラックを生じず、耐オゾン性にも優れていることが確認された。
【0076】
実施例6
実施例3のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの量を45部、重合体b3の量を55部とした以外は、実施例3と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価したが、いずれも実施例3とほぼ同様の結果が得られた。
【0077】
実施例7
実施例3のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの量を85部、重合体b3の量を15部とした以外は、実施例3と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価したが、いずれも実施例3とほぼ同様の結果が得られた。
【0078】
比較例3
実施例3のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの量を35部、重合体b3の量を65部とした以外は、実施例3と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。その結果、いずれも実施例3とほぼ同様の結果が得られたが、ゴム弾性が失われる傾向があった。
【0079】
比較例4
実施例3のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの量を95部、重合体b3の量を5部とした以外は、実施例3と同様にして、試験用の厚さ2mmの架橋シートを作製し、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性を評価した。その結果、耐寒性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性についてはいずれも実施例3とほぼ同様の結果が得られたが、耐オゾン性が低下する傾向があった。
【0080】
以上、実施例6、実施例7、比較例3及び比較例4の結果より、アクリル樹脂(B)の含有量が60%を超えるポリマーアロイ(比較例3)は、ゴム弾性に劣り、アクリル樹脂の含有量が10%に満たないポリマーアロイ(比較例4)は、耐オゾン性が低下している。
【0081】
これに対し、アクリル樹脂(B)の含有量が10〜60%の範囲である本発明のポリマーアロイは、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性及び耐燃料油性に優れている(実施例6及び実施例7)。
【0082】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、耐寒性、耐オゾン性、耐ガソリン透過性および耐燃料油性のバランスに優れた、燃料ホース用材料として好適なポリマーアロイと、該ポリマーアロイの架橋物と、該架橋物で構成された燃料ホースとを提供することができる。
Claims (4)
- ニトリル基含有共重合ゴム(A)を40〜90重量%、及びアクリル樹脂(B)を10〜60重量%含有して成るポリマーアロイであって、
前記アクリル樹脂(B)が、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50重量%以上含有し、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を1〜27重量%含有するものであるポリマーアロイ。 - 架橋剤をさらに含有する請求項1に記載のポリマーアロイ。
- 請求項2に記載のポリマーアロイを架橋してなる架橋物。
- 請求項3に記載の架橋物で構成される燃料ホース。
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