JP2004090982A - 密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一缶の内圧を、一連の搬送工程中で容易に比較・判定することができるとともに、判定の高速化が可能となり、しかも、缶に対する測定値の印字が不要となる密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置を提供する。
【解決手段】搬送路3上で搬送される製品密封後の缶23の内圧を最初に測定した後、搬送路3に設けた減圧室9に缶23を通過させ、減圧室9を通過直後の缶23の内圧を再測定し、減圧室9を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が所定値以上のときに缶23をリーク缶であると判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】搬送路3上で搬送される製品密封後の缶23の内圧を最初に測定した後、搬送路3に設けた減圧室9に缶23を通過させ、減圧室9を通過直後の缶23の内圧を再測定し、減圧室9を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が所定値以上のときに缶23をリーク缶であると判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽圧缶或いは負圧缶の漏れを検査する密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コーヒー等の低炭酸飲料は、アルミニウム製の陽圧缶或いはスチール製の負圧缶に充填、密封され、レトルト殺菌をした後、ケース詰めされてパレットに積み込まれる。ケース詰めされた缶は、1日程度放置した後、ケース毎に所謂打検による缶内圧測定を行い、漏れがないか確認を行うことが多い。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
特開平10−246681号公報
【特許文献2】
特許第3282107号明細書
【0004】
これは、万一、缶に微細なピンホールがある場合、内容物がスローリークするため充填直後に缶内圧を測定しても、缶内圧が充填前とさほど変わらず、リークの有無が分らないという問題があるからである。
ケース詰めし、1日程度放置した缶は、ケースの上から、上記の打検により缶内圧を測定する。そして、予め規定値として設定した所定内圧値より低い内圧値の缶が含まれるケースを不合格として取り除く。
【0005】
また、上記特許第3282107号明細書に開示されるリーク缶詰検出方法のように、接触式押圧検査機で缶内圧を検査し、缶に内圧値を印字し、レトルト殺菌後再び缶内圧を測定し、その値を、缶に印字した数値と比較して、リーク缶詰の有無を検査する方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ケース詰めされさらにパレット積みされて、倉庫に保管されたロットを再び開梱し、搬送路上に移載するのは、所定の放置時間が必要となるため、生産性を低下させるとともに、ロットがばらばらになってしまう虞もあった。
一方、缶に印字を施す必要のある上記のリーク缶詰検出方法は、そもそも印字する適当な場所が缶にはあまりなく、缶底がドーム形状である場合には文字が歪になるため自動読み取りが困難となる。これに加え、高速で搬送路上を流れる缶の文字を正確に読み取るのは困難であるとともに、賞味期限等と間違う虞もあり、印字を施すこと事態が好ましくない。また、上記のリーク缶詰検出方法では、レトルト殺菌前後の缶温度が異なるため、缶内圧も著しく影響を受け、その比較には特別な補正値が必要となるが、これに加えて充填時のばらつきとしては、ヘッドスペースのばらつきや、陽圧缶の場合には液体窒素充填量のばらつきもあることから、これら全ての補正は困難であった。さらに、レトルト殺菌後の缶内温度を冷却装置で調整することも考えられるが、短時間に所望温度まで低下させる複雑な制御を要す冷却装置を新たに増設しなければならず、設備投資コストの嵩む不利が生じた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、同一缶の内圧を、一連の搬送工程中で容易に比較・判定することができるとともに、判定の高速化が可能となり、しかも、缶に対する測定値の印字が不要となる密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置を提供し、検査信頼性、生産性の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の密閉缶の漏れ検査方法は、搬送路上で搬送される製品密封後の缶の内圧を最初に測定した後、前記搬送路に設けた減圧室に前記缶を通過させ、前記減圧室を通過直後の前記缶の内圧を再測定し、前記減圧室を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が所定値以上のときに該缶をリーク缶であると判定することを特徴とする。
【0008】
この密閉缶の漏れ検査方法では、缶の内圧が最初に測定された後、搬送路に設けた減圧室に缶が通され、減圧室を通過直後の缶の内圧が再測定される。そして、減圧室通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が所定値と比較される。したがって、同一缶の内圧が、一連の搬送工程で容易に比較・判定可能となり、誤判定率が低下して、判定の高速化が可能となる。また、減圧室の入口と出口で缶内圧が測定されることで、確実に同一缶の内圧が比較でき、缶に対する測定値の印字が不要となる。
【0009】
請求項2記載の密閉缶の漏れ検査方法は、請求項1記載の密閉缶の漏れ検査方法において、最初の内圧測定前の缶に、予めレトルト殺菌を施すことを特徴とする。
【0010】
この密閉缶の漏れ検査方法では、最初の内圧測定前の缶に、予めレトルト殺菌が施され、加熱により缶内圧が一旦高圧となって、ピンホール等における漏洩が強制的に生じることになる。これにより、潜在化しているピンホール等の欠陥部がより顕在化し、スローリークの発見率が高められる。
【0011】
請求項3記載の密閉缶の漏れ検査装置は、製品密封後の缶を搬送する搬送路と、搬送路上の前記缶の内圧を測定する第一の缶内圧測定手段と、該第一の缶内圧測定手段の測定値を缶ごとに記憶する記憶手段と、前記第一の缶内圧測定手段の缶搬送方向下流側に設けられ前記缶を通過可能にした減圧室と、該減圧室の缶搬送方向下流側に設けられ搬送路上の前記缶の内圧を測定する第二の缶内圧測定手段と、前記第一の缶内圧測定手段と該第二の缶内圧測定手段にて測定した缶内圧値の差圧が所定値以上のときに該缶をリーク缶であると判定する比較・判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
この密閉缶の漏れ検査装置では、搬送中の缶に外圧の変化を作用させることで、潜在化しているピンホール等の欠陥部が顕在化され、その内圧差が、減圧室の入口と出口とで測定されて検出される。これにより、一連の缶搬送工程中において、従来では所定時間の放置等が必要であった潜在化しているピンホール等の欠陥部が短時間で発見され、高速な漏れ検査が可能となる。
【0013】
請求項4記載の密閉缶の漏れ検査装置は、請求項3記載の密閉缶の漏れ検査装置において、前記搬送路が、複数の缶搬送回転体と複数のアイドラーとを交互に配置した歯車列からなり、前記缶搬送回転体にはその外周面に、前記缶の外周面に嵌合する缶嵌合凹部を複数形成したことを特徴とする。
【0014】
この密閉缶の漏れ検査装置では、搬送路が歯車列からなることで、減圧室の気密シール構造が形成し易くなるとともに、第一の缶内圧測定手段と第二の缶内圧測定手段との間における缶の順番が一定に保持されることになり、順序の前後や、順番ずれ等が防止されて、第一の缶内圧測定手段で測定した缶と、第二の缶内圧測定手段で測定した缶とが確実にマッチングするようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る密閉缶の漏れ検査装置の側面図、図2は図1の平面図、図3は図1に示した検査装置の制御部を説明するブロック図である。
【0016】
本実施の形態による密閉缶の漏れ検査装置(以下、単に検査装置と称す)1は、搬送路3と、第一の缶内圧測定手段5と、記憶手段7(図3参照)と、減圧室9と、第二の缶内圧測定手段11と、比較・判定手段13(図3参照)とを主要な構成として有している。
【0017】
本実施の形態では、搬送路3として、交互に配置された回転体15及びアイドラー17による気密性に優れた缶送り機構(カルーセル;carousel)19を採用している。この缶送り機構19へは、ウオーム送り機構21により缶23が挿入される。なお、ウオーム送り機構21の缶搬送方向上流側には図示しないレトルト殺菌機が設けられ、ウオーム送り機構21へ供給される缶23はレトルト殺菌が既に完了されたものとなる。
【0018】
缶送り機構19は、複数の缶搬送回転体15と複数のアイドラー17が交互に配置された歯車列であり、缶搬送回転体15はその外周面に、缶23の外周面に嵌合するような缶嵌合凹部(溝)15aが複数形成されている。符号25は、図示しない駆動源により回転される缶搬送ウオームを示しており、矢印Zで示すようにガイド27に案内される製品密封後の缶23が、回転する缶搬送ウオーム25によって、缶搬送回転体15の缶嵌合凹部15aに収容されるように構成されている。
【0019】
矢印Zで示すようにガイド27に案内され缶23を、缶搬送ウオーム25により最前段側の回転する缶搬送回転体15の缶嵌合凹部15aに順次供給する。この缶搬送回転体15の回転に伴い、缶23が隣のアイドラー17上に移送され、さらに、缶23は、隣の缶搬送回転体15の缶嵌合凹部15aに収容され、上記と同様な動作が行われて、上記と同様に交互に配置された缶搬送回転体15とアイドラー17とにより搬送され、矢印Wで示すように排出される。
【0020】
ウオーム送り機構21の缶搬送方向上流には第一の缶内圧測定手段5を設けてあり、第一の缶内圧測定手段5は搬送路3上の缶23の内圧を測定可能としている。第一の缶内圧測定手段5は、缶23に電磁波をあて、その反射波を測定することにより、缶内圧を測定する所謂打検を可能としている。
【0021】
図3に示すように、第一の缶内圧測定手段5は、記憶手段7に、信号線を介して接続される。記憶手段7は、第一の缶内圧測定手段5によって測定された測定値(缶内圧値)を、個々の缶23に対応させて記憶するようになっている。この記憶手段7としては、例えばコンピュータの内部メモリや外部記憶装置等を用いることができる。
【0022】
減圧室9は、第一の缶内圧測定手段5の缶搬送方向下流側に設けられている。本実施の形態において、減圧室9は、第一の減圧室31、第二の減圧室33、第三の減圧室35からなる。第一の減圧室31は、カバー形態の形状を有し、内部の圧力が例えば0.7Kg/cm2の負圧に設定される。第一の減圧室31の互いに対向する両側壁には缶23を通過させるための缶入口31a及び缶出口31bがそれぞれ設けられている。この缶入口31a及び缶出口31bには、搬送路3が貫通しており、缶送り機構19の駆動により缶23が缶入口31aから進入するとともに、缶出口31bから排出される。
【0023】
符号37は第一の減圧室31の内空間が常時0.7Kg/cm2に保持されるように、内部空気を吸引する配管を示している。なお、缶入口31a及び缶出口31bは、缶23が通過しない時の他に、缶23が通過する時にも、後述するシール手段(不図示)により遮蔽され、これにより、第一の減圧室31は密閉される。
【0024】
第一の減圧室31は、第一の減圧室31よりも大型な第二の減圧室33により覆われ、さらに、この第二の減圧室33は、第二の減圧室33よりも大型な第三の減圧室35により覆われている。また、上記と同様に、第二の減圧室33及び第三の減圧室35のそれぞれの対向する側壁にも、缶入口33a、35a及び缶出口33b、35bがそれぞれ設けられている。さらに、符号39、41は、第二の減圧室33及び第三の減圧室35から内部空気を吸引する配管を示し、第二の減圧室33及び第三の減圧室35のそれぞれの内空間の圧力は、本実施例では例えば0.8Kg/cm2、0.9Kg/cm2に設定されている。
【0025】
このように、減圧室9を多段にした主な理由は、第一の減圧室31を囲む小空間のみの圧力を所要圧力(0.7Kg/cm2)に設定して、その上下流側の空間の圧力をこれよりも高く設定することにより、第一の減圧室31の圧力保持を安定させるとともに、缶23に対して急激な圧力変化を与えないようにするためである。勿論、この三段式に限らず、1段、2段や4段以上の複数段形態にしてもよい。
【0026】
第一の減圧室31、第二の減圧室33、第三の減圧室35の缶入口31a、33a、35a及び缶出口31b、33b、35bのシール手段は、同一構造とすることができる。シール手段は、例えば缶入口35aを塞ぐ形態で一対のフィードロール(図示せず)を回転自在に設けている。一対のフィードロールは、それぞれの周面に缶23の外周面の一部に嵌合する缶嵌合凹部(切り欠き)が形成される。フィードロールの胴部は、例えばゴム或いはウレタンで形成する。一対のフィードロールはそれぞれの周面が互いに対向しかつ缶入口35aに摺接するように配置する。缶23は、一対のフィードロールの対向する缶嵌合凹部にはまり、一対のフィードロールが回転することで缶入口35aを通過する。この際、一対のフィードロールの外周面は缶入口35aの壁面を摺接するので、缶入口35aは常時シールされるようになっている。缶入口31a、33a及び缶出口31b、33b、35bは、同様にシールされている。
【0027】
減圧室9の缶搬送方向下流側には第二の缶内圧測定手段11を設けてあり、第二の缶内圧測定手段11は減圧室9から排出された直後の缶23の内圧を搬送路3上で測定可能としている。この第二の缶内圧測定手段11としては、第一の缶内圧測定手段5と同様の測定方式のものを用いることができる。
【0028】
比較・判定手段13は、信号線を介して第一の缶内圧測定手段5と第二の缶内圧測定手段11とに接続されている。比較・判定手段13は、第一の缶内圧測定手段5と第二の缶内圧測定手段11にて測定した缶内圧値の差圧が、所定値以上のときに、この缶23をリーク缶であると判定するようになっている。この比較・判定手段13は、例えばコンピュータに格納されたプログラムとすることができる。
【0029】
比較・判定の手順としては、先ず、第二の缶内圧測定手段11から二回目の缶内圧値が入力されたなら、当該缶23の第一の缶内圧測定手段5によって得られた最初の缶内圧値を抽出する。次いで、最初の缶内圧値と二回目の缶内圧値との内圧差を演算する。この内圧差と、予め設定しておいた所定値(例えば0.2Kg/cm2)とを比較する。そして、この内圧差が所定値より大きいときには、当該缶23をリーク缶と判定する。
【0030】
次に、上記の構成を有する検査装置1を用いた密閉缶の漏れ検査方法の手順を説明する。
図4は本発明に係る密閉缶の漏れ検査方法の手順を表したフローチャート、図5は最初の缶内圧測定から判定結果を得るまでの動作説明図である。
密閉缶の漏れ検査を行うには、予めレトルト殺菌を終えた缶23を搬送路3の缶送り機構19に供給する。缶23は、減圧室9の入口直前にて、第一の缶内圧測定手段5により缶内圧が測定される(st1)。ここで測定された最初の缶内圧値は、記憶手段7へと送出され、図5(a)に示すように、個々の缶23に対して記憶される。
【0031】
最初の内圧測定が終了した缶23は、減圧室9へと進入する(st3)。缶23は、減圧室9において、第三の減圧室35、第二の減圧室33、第一の減圧室31と進んだ後、今度は逆に第二の減圧室33、第三の減圧室35を経て減圧室9から排出される。この際、ピンホール等の欠陥部が存在していた缶23は、周囲が減圧されることにより、強制的に内容物が欠陥部から吸引されることになり、これによって缶内圧が低下する。
【0032】
減圧室9から排出された缶23は、その出口の近傍で、図5(b)に示すように、第二の缶内圧測定手段11によって缶内圧が測定される(st5)。第二の缶内圧測定手段11による測定が行われると、比較・判定手段13は、当該缶23の第一の缶内圧測定手段5における最初の缶内圧値を記憶手段7から抽出し、第二の缶内圧測定手段11によって測定した缶内圧値との内圧差(図5(c)参照)を算出する。
【0033】
次いで、比較・判定手段13は、この内圧差と所定値とを比較し(st7)、差圧が所定値以下のときには当該缶23を非リーク缶23と判定し(st9)、差圧が所定値以上のときには図5(d)に示すように、当該缶23をリーク缶23と判定して(st11)、リーク検査を終了する。
【0034】
この密閉缶の漏れ検査方法によれば、缶23の内圧が最初に測定された後、搬送路3に設けた減圧室9に缶23が通され、減圧室9を通過直後の缶23の内圧が再測定される。そして、減圧室9を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が比較され、同一缶23の内圧が、一連の搬送工程で容易に比較・判定可能となり、誤判定率が低下して、判定の高速化が可能となる。また、減圧室9の入口と出口で缶内圧が測定されることで、確実に同一缶の内圧が比較でき、このため缶23に対する測定値の印字が不要となる。
【0035】
また、最初の内圧測定前の缶23に、予めレトルト殺菌が施され、加熱により缶内圧が一旦高圧となって、漏洩が強制的に生じることになる。これにより、潜在化しているピンホール等の欠陥部がより顕在化し、スローリークの発見率が高められる。
【0036】
そして、検査装置1によれば、搬送中の缶23に外圧の変化を作用させることで、潜在化しているピンホール等の欠陥部が顕在化され、その内圧差が、減圧室9の入口と出口とで測定されて検出される。これにより、一連の缶搬送工程中において、従来では所定時間の放置等が必要であった潜在化しているピンホール等の欠陥部を短時間で発見でき、高速な漏れ検査が可能となる。
【0037】
さらに、搬送路3が歯車列からなることで、減圧室9の気密シール構造が形成し易くなるとともに、第一の缶内圧測定手段5と第二の缶内圧測定手段11との間における缶23の順番が一定に保持されることになり、順序の前後や、順番ずれ等が防止されて、第一の缶内圧測定手段5で測定した缶23と、第二の缶内圧測定手段11で測定した缶23とが確実にマッチングするようになる。
【0038】
なお、上記の実施の形態では、圧力測定手段として電磁波をあて、その反射波を測定することにより、缶内圧を測定する所謂打検方式のものを例に説明したが、圧力測定手段は、これに限定されるものではなく、この他として例えば缶胴を押圧体で押圧し、その押圧体の移動量から缶内圧を測定するもの等であってもよい。また、上記の実施の形態では、リークを缶内圧で測定する例を説明したが、缶測定の方法はこれに限定されるものではなく、この他として例えば缶蓋の膨らみ具合や、重量を測定してリークを判定するものであってもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る請求項1記載の密閉缶の漏れ検査方法によれば、缶の内圧を最初に測定した後、搬送路に設けた減圧室に缶を通過させ、減圧室を通過直後の缶の内圧を再測定し、減圧室を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧を比較するので、同一缶の内圧を、一連の搬送工程で容易に比較・判定することができ、誤判定率を低下させるとともに、判定の高速化が可能となり、生産性を向上させることができる。また、減圧室の入口と出口で缶内圧を測定するので、確実に同一缶の内圧が比較でき、缶に対する測定値の印字を不要にすることができる。
【0040】
請求項2記載の密閉缶の漏れ検査方法によれば、最初の内圧測定前の缶に、予めレトルト殺菌を施すので、加熱により缶内圧を一旦高圧として、漏洩を強制的に生じさせ、潜在化しているピンホール等の欠陥部を顕在化させることができ、その結果、スローリークの発見率を高めることができる。
【0041】
請求項3記載の密閉缶の漏れ検査装置によれば、第一の缶内圧測定手段と、第一の缶内圧測定手段の下流側に設けられた減圧室と、減圧室の下流側に設けられた第二の缶内圧測定手段と、第一の缶内圧測定手段と第二の缶内圧測定手段にて測定した缶内圧値の差圧からリーク缶を判定する比較・判定手段とを備えたので、搬送中の缶に外圧の変化を作用させることで、潜在化しているピンホール等の欠陥部を顕在化させ、その内圧差を、減圧室の入口と出口とで測定して検出することができる。この結果、一連の缶搬送工程中において、従来では所定時間の放置等が必要であった潜在化しているピンホール等の欠陥部を短時間に発見でき、高速な漏れ検査を可能にすることができる。
【0042】
請求項4記載の密閉缶の漏れ検査装置によれば、搬送路が、複数の缶搬送回転体と複数のアイドラーとを交互に配置した歯車列からなり、缶搬送回転体にはその外周面に、缶の外周面に嵌合する缶嵌合凹部を複数形成したので、減圧室の気密シール構造が形成し易くなるとともに、第一の缶内圧測定手段と第二の缶内圧測定手段との間における缶の順番を一定に保持することができ、順序が前後したり、順番ずれ等を防止して、第一の缶内圧測定手段で測定した缶と、第二の缶内圧測定手段で測定した缶とを確実にマッチングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る密閉缶の漏れ検査装置の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1に示した検査装置の制御部を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る密閉缶の漏れ検査方法の手順を表したフローチャートである。
【図5】最初の缶内圧測定から判定結果を得るまでの動作説明図である。
【符号の説明】
1…密閉缶の漏れ検査装置
3…搬送路
5…第一の缶内圧測定手段
7…記憶手段
9…減圧室
11…第二の缶内圧測定手段
13…比較・判定手段
15…缶搬送回転体
15a…缶嵌合凹部
17…アイドラー
23…缶
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽圧缶或いは負圧缶の漏れを検査する密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コーヒー等の低炭酸飲料は、アルミニウム製の陽圧缶或いはスチール製の負圧缶に充填、密封され、レトルト殺菌をした後、ケース詰めされてパレットに積み込まれる。ケース詰めされた缶は、1日程度放置した後、ケース毎に所謂打検による缶内圧測定を行い、漏れがないか確認を行うことが多い。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
特開平10−246681号公報
【特許文献2】
特許第3282107号明細書
【0004】
これは、万一、缶に微細なピンホールがある場合、内容物がスローリークするため充填直後に缶内圧を測定しても、缶内圧が充填前とさほど変わらず、リークの有無が分らないという問題があるからである。
ケース詰めし、1日程度放置した缶は、ケースの上から、上記の打検により缶内圧を測定する。そして、予め規定値として設定した所定内圧値より低い内圧値の缶が含まれるケースを不合格として取り除く。
【0005】
また、上記特許第3282107号明細書に開示されるリーク缶詰検出方法のように、接触式押圧検査機で缶内圧を検査し、缶に内圧値を印字し、レトルト殺菌後再び缶内圧を測定し、その値を、缶に印字した数値と比較して、リーク缶詰の有無を検査する方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ケース詰めされさらにパレット積みされて、倉庫に保管されたロットを再び開梱し、搬送路上に移載するのは、所定の放置時間が必要となるため、生産性を低下させるとともに、ロットがばらばらになってしまう虞もあった。
一方、缶に印字を施す必要のある上記のリーク缶詰検出方法は、そもそも印字する適当な場所が缶にはあまりなく、缶底がドーム形状である場合には文字が歪になるため自動読み取りが困難となる。これに加え、高速で搬送路上を流れる缶の文字を正確に読み取るのは困難であるとともに、賞味期限等と間違う虞もあり、印字を施すこと事態が好ましくない。また、上記のリーク缶詰検出方法では、レトルト殺菌前後の缶温度が異なるため、缶内圧も著しく影響を受け、その比較には特別な補正値が必要となるが、これに加えて充填時のばらつきとしては、ヘッドスペースのばらつきや、陽圧缶の場合には液体窒素充填量のばらつきもあることから、これら全ての補正は困難であった。さらに、レトルト殺菌後の缶内温度を冷却装置で調整することも考えられるが、短時間に所望温度まで低下させる複雑な制御を要す冷却装置を新たに増設しなければならず、設備投資コストの嵩む不利が生じた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、同一缶の内圧を、一連の搬送工程中で容易に比較・判定することができるとともに、判定の高速化が可能となり、しかも、缶に対する測定値の印字が不要となる密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置を提供し、検査信頼性、生産性の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の密閉缶の漏れ検査方法は、搬送路上で搬送される製品密封後の缶の内圧を最初に測定した後、前記搬送路に設けた減圧室に前記缶を通過させ、前記減圧室を通過直後の前記缶の内圧を再測定し、前記減圧室を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が所定値以上のときに該缶をリーク缶であると判定することを特徴とする。
【0008】
この密閉缶の漏れ検査方法では、缶の内圧が最初に測定された後、搬送路に設けた減圧室に缶が通され、減圧室を通過直後の缶の内圧が再測定される。そして、減圧室通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が所定値と比較される。したがって、同一缶の内圧が、一連の搬送工程で容易に比較・判定可能となり、誤判定率が低下して、判定の高速化が可能となる。また、減圧室の入口と出口で缶内圧が測定されることで、確実に同一缶の内圧が比較でき、缶に対する測定値の印字が不要となる。
【0009】
請求項2記載の密閉缶の漏れ検査方法は、請求項1記載の密閉缶の漏れ検査方法において、最初の内圧測定前の缶に、予めレトルト殺菌を施すことを特徴とする。
【0010】
この密閉缶の漏れ検査方法では、最初の内圧測定前の缶に、予めレトルト殺菌が施され、加熱により缶内圧が一旦高圧となって、ピンホール等における漏洩が強制的に生じることになる。これにより、潜在化しているピンホール等の欠陥部がより顕在化し、スローリークの発見率が高められる。
【0011】
請求項3記載の密閉缶の漏れ検査装置は、製品密封後の缶を搬送する搬送路と、搬送路上の前記缶の内圧を測定する第一の缶内圧測定手段と、該第一の缶内圧測定手段の測定値を缶ごとに記憶する記憶手段と、前記第一の缶内圧測定手段の缶搬送方向下流側に設けられ前記缶を通過可能にした減圧室と、該減圧室の缶搬送方向下流側に設けられ搬送路上の前記缶の内圧を測定する第二の缶内圧測定手段と、前記第一の缶内圧測定手段と該第二の缶内圧測定手段にて測定した缶内圧値の差圧が所定値以上のときに該缶をリーク缶であると判定する比較・判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
この密閉缶の漏れ検査装置では、搬送中の缶に外圧の変化を作用させることで、潜在化しているピンホール等の欠陥部が顕在化され、その内圧差が、減圧室の入口と出口とで測定されて検出される。これにより、一連の缶搬送工程中において、従来では所定時間の放置等が必要であった潜在化しているピンホール等の欠陥部が短時間で発見され、高速な漏れ検査が可能となる。
【0013】
請求項4記載の密閉缶の漏れ検査装置は、請求項3記載の密閉缶の漏れ検査装置において、前記搬送路が、複数の缶搬送回転体と複数のアイドラーとを交互に配置した歯車列からなり、前記缶搬送回転体にはその外周面に、前記缶の外周面に嵌合する缶嵌合凹部を複数形成したことを特徴とする。
【0014】
この密閉缶の漏れ検査装置では、搬送路が歯車列からなることで、減圧室の気密シール構造が形成し易くなるとともに、第一の缶内圧測定手段と第二の缶内圧測定手段との間における缶の順番が一定に保持されることになり、順序の前後や、順番ずれ等が防止されて、第一の缶内圧測定手段で測定した缶と、第二の缶内圧測定手段で測定した缶とが確実にマッチングするようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る密閉缶の漏れ検査方法及び密閉缶の漏れ検査装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る密閉缶の漏れ検査装置の側面図、図2は図1の平面図、図3は図1に示した検査装置の制御部を説明するブロック図である。
【0016】
本実施の形態による密閉缶の漏れ検査装置(以下、単に検査装置と称す)1は、搬送路3と、第一の缶内圧測定手段5と、記憶手段7(図3参照)と、減圧室9と、第二の缶内圧測定手段11と、比較・判定手段13(図3参照)とを主要な構成として有している。
【0017】
本実施の形態では、搬送路3として、交互に配置された回転体15及びアイドラー17による気密性に優れた缶送り機構(カルーセル;carousel)19を採用している。この缶送り機構19へは、ウオーム送り機構21により缶23が挿入される。なお、ウオーム送り機構21の缶搬送方向上流側には図示しないレトルト殺菌機が設けられ、ウオーム送り機構21へ供給される缶23はレトルト殺菌が既に完了されたものとなる。
【0018】
缶送り機構19は、複数の缶搬送回転体15と複数のアイドラー17が交互に配置された歯車列であり、缶搬送回転体15はその外周面に、缶23の外周面に嵌合するような缶嵌合凹部(溝)15aが複数形成されている。符号25は、図示しない駆動源により回転される缶搬送ウオームを示しており、矢印Zで示すようにガイド27に案内される製品密封後の缶23が、回転する缶搬送ウオーム25によって、缶搬送回転体15の缶嵌合凹部15aに収容されるように構成されている。
【0019】
矢印Zで示すようにガイド27に案内され缶23を、缶搬送ウオーム25により最前段側の回転する缶搬送回転体15の缶嵌合凹部15aに順次供給する。この缶搬送回転体15の回転に伴い、缶23が隣のアイドラー17上に移送され、さらに、缶23は、隣の缶搬送回転体15の缶嵌合凹部15aに収容され、上記と同様な動作が行われて、上記と同様に交互に配置された缶搬送回転体15とアイドラー17とにより搬送され、矢印Wで示すように排出される。
【0020】
ウオーム送り機構21の缶搬送方向上流には第一の缶内圧測定手段5を設けてあり、第一の缶内圧測定手段5は搬送路3上の缶23の内圧を測定可能としている。第一の缶内圧測定手段5は、缶23に電磁波をあて、その反射波を測定することにより、缶内圧を測定する所謂打検を可能としている。
【0021】
図3に示すように、第一の缶内圧測定手段5は、記憶手段7に、信号線を介して接続される。記憶手段7は、第一の缶内圧測定手段5によって測定された測定値(缶内圧値)を、個々の缶23に対応させて記憶するようになっている。この記憶手段7としては、例えばコンピュータの内部メモリや外部記憶装置等を用いることができる。
【0022】
減圧室9は、第一の缶内圧測定手段5の缶搬送方向下流側に設けられている。本実施の形態において、減圧室9は、第一の減圧室31、第二の減圧室33、第三の減圧室35からなる。第一の減圧室31は、カバー形態の形状を有し、内部の圧力が例えば0.7Kg/cm2の負圧に設定される。第一の減圧室31の互いに対向する両側壁には缶23を通過させるための缶入口31a及び缶出口31bがそれぞれ設けられている。この缶入口31a及び缶出口31bには、搬送路3が貫通しており、缶送り機構19の駆動により缶23が缶入口31aから進入するとともに、缶出口31bから排出される。
【0023】
符号37は第一の減圧室31の内空間が常時0.7Kg/cm2に保持されるように、内部空気を吸引する配管を示している。なお、缶入口31a及び缶出口31bは、缶23が通過しない時の他に、缶23が通過する時にも、後述するシール手段(不図示)により遮蔽され、これにより、第一の減圧室31は密閉される。
【0024】
第一の減圧室31は、第一の減圧室31よりも大型な第二の減圧室33により覆われ、さらに、この第二の減圧室33は、第二の減圧室33よりも大型な第三の減圧室35により覆われている。また、上記と同様に、第二の減圧室33及び第三の減圧室35のそれぞれの対向する側壁にも、缶入口33a、35a及び缶出口33b、35bがそれぞれ設けられている。さらに、符号39、41は、第二の減圧室33及び第三の減圧室35から内部空気を吸引する配管を示し、第二の減圧室33及び第三の減圧室35のそれぞれの内空間の圧力は、本実施例では例えば0.8Kg/cm2、0.9Kg/cm2に設定されている。
【0025】
このように、減圧室9を多段にした主な理由は、第一の減圧室31を囲む小空間のみの圧力を所要圧力(0.7Kg/cm2)に設定して、その上下流側の空間の圧力をこれよりも高く設定することにより、第一の減圧室31の圧力保持を安定させるとともに、缶23に対して急激な圧力変化を与えないようにするためである。勿論、この三段式に限らず、1段、2段や4段以上の複数段形態にしてもよい。
【0026】
第一の減圧室31、第二の減圧室33、第三の減圧室35の缶入口31a、33a、35a及び缶出口31b、33b、35bのシール手段は、同一構造とすることができる。シール手段は、例えば缶入口35aを塞ぐ形態で一対のフィードロール(図示せず)を回転自在に設けている。一対のフィードロールは、それぞれの周面に缶23の外周面の一部に嵌合する缶嵌合凹部(切り欠き)が形成される。フィードロールの胴部は、例えばゴム或いはウレタンで形成する。一対のフィードロールはそれぞれの周面が互いに対向しかつ缶入口35aに摺接するように配置する。缶23は、一対のフィードロールの対向する缶嵌合凹部にはまり、一対のフィードロールが回転することで缶入口35aを通過する。この際、一対のフィードロールの外周面は缶入口35aの壁面を摺接するので、缶入口35aは常時シールされるようになっている。缶入口31a、33a及び缶出口31b、33b、35bは、同様にシールされている。
【0027】
減圧室9の缶搬送方向下流側には第二の缶内圧測定手段11を設けてあり、第二の缶内圧測定手段11は減圧室9から排出された直後の缶23の内圧を搬送路3上で測定可能としている。この第二の缶内圧測定手段11としては、第一の缶内圧測定手段5と同様の測定方式のものを用いることができる。
【0028】
比較・判定手段13は、信号線を介して第一の缶内圧測定手段5と第二の缶内圧測定手段11とに接続されている。比較・判定手段13は、第一の缶内圧測定手段5と第二の缶内圧測定手段11にて測定した缶内圧値の差圧が、所定値以上のときに、この缶23をリーク缶であると判定するようになっている。この比較・判定手段13は、例えばコンピュータに格納されたプログラムとすることができる。
【0029】
比較・判定の手順としては、先ず、第二の缶内圧測定手段11から二回目の缶内圧値が入力されたなら、当該缶23の第一の缶内圧測定手段5によって得られた最初の缶内圧値を抽出する。次いで、最初の缶内圧値と二回目の缶内圧値との内圧差を演算する。この内圧差と、予め設定しておいた所定値(例えば0.2Kg/cm2)とを比較する。そして、この内圧差が所定値より大きいときには、当該缶23をリーク缶と判定する。
【0030】
次に、上記の構成を有する検査装置1を用いた密閉缶の漏れ検査方法の手順を説明する。
図4は本発明に係る密閉缶の漏れ検査方法の手順を表したフローチャート、図5は最初の缶内圧測定から判定結果を得るまでの動作説明図である。
密閉缶の漏れ検査を行うには、予めレトルト殺菌を終えた缶23を搬送路3の缶送り機構19に供給する。缶23は、減圧室9の入口直前にて、第一の缶内圧測定手段5により缶内圧が測定される(st1)。ここで測定された最初の缶内圧値は、記憶手段7へと送出され、図5(a)に示すように、個々の缶23に対して記憶される。
【0031】
最初の内圧測定が終了した缶23は、減圧室9へと進入する(st3)。缶23は、減圧室9において、第三の減圧室35、第二の減圧室33、第一の減圧室31と進んだ後、今度は逆に第二の減圧室33、第三の減圧室35を経て減圧室9から排出される。この際、ピンホール等の欠陥部が存在していた缶23は、周囲が減圧されることにより、強制的に内容物が欠陥部から吸引されることになり、これによって缶内圧が低下する。
【0032】
減圧室9から排出された缶23は、その出口の近傍で、図5(b)に示すように、第二の缶内圧測定手段11によって缶内圧が測定される(st5)。第二の缶内圧測定手段11による測定が行われると、比較・判定手段13は、当該缶23の第一の缶内圧測定手段5における最初の缶内圧値を記憶手段7から抽出し、第二の缶内圧測定手段11によって測定した缶内圧値との内圧差(図5(c)参照)を算出する。
【0033】
次いで、比較・判定手段13は、この内圧差と所定値とを比較し(st7)、差圧が所定値以下のときには当該缶23を非リーク缶23と判定し(st9)、差圧が所定値以上のときには図5(d)に示すように、当該缶23をリーク缶23と判定して(st11)、リーク検査を終了する。
【0034】
この密閉缶の漏れ検査方法によれば、缶23の内圧が最初に測定された後、搬送路3に設けた減圧室9に缶23が通され、減圧室9を通過直後の缶23の内圧が再測定される。そして、減圧室9を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が比較され、同一缶23の内圧が、一連の搬送工程で容易に比較・判定可能となり、誤判定率が低下して、判定の高速化が可能となる。また、減圧室9の入口と出口で缶内圧が測定されることで、確実に同一缶の内圧が比較でき、このため缶23に対する測定値の印字が不要となる。
【0035】
また、最初の内圧測定前の缶23に、予めレトルト殺菌が施され、加熱により缶内圧が一旦高圧となって、漏洩が強制的に生じることになる。これにより、潜在化しているピンホール等の欠陥部がより顕在化し、スローリークの発見率が高められる。
【0036】
そして、検査装置1によれば、搬送中の缶23に外圧の変化を作用させることで、潜在化しているピンホール等の欠陥部が顕在化され、その内圧差が、減圧室9の入口と出口とで測定されて検出される。これにより、一連の缶搬送工程中において、従来では所定時間の放置等が必要であった潜在化しているピンホール等の欠陥部を短時間で発見でき、高速な漏れ検査が可能となる。
【0037】
さらに、搬送路3が歯車列からなることで、減圧室9の気密シール構造が形成し易くなるとともに、第一の缶内圧測定手段5と第二の缶内圧測定手段11との間における缶23の順番が一定に保持されることになり、順序の前後や、順番ずれ等が防止されて、第一の缶内圧測定手段5で測定した缶23と、第二の缶内圧測定手段11で測定した缶23とが確実にマッチングするようになる。
【0038】
なお、上記の実施の形態では、圧力測定手段として電磁波をあて、その反射波を測定することにより、缶内圧を測定する所謂打検方式のものを例に説明したが、圧力測定手段は、これに限定されるものではなく、この他として例えば缶胴を押圧体で押圧し、その押圧体の移動量から缶内圧を測定するもの等であってもよい。また、上記の実施の形態では、リークを缶内圧で測定する例を説明したが、缶測定の方法はこれに限定されるものではなく、この他として例えば缶蓋の膨らみ具合や、重量を測定してリークを判定するものであってもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る請求項1記載の密閉缶の漏れ検査方法によれば、缶の内圧を最初に測定した後、搬送路に設けた減圧室に缶を通過させ、減圧室を通過直後の缶の内圧を再測定し、減圧室を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧を比較するので、同一缶の内圧を、一連の搬送工程で容易に比較・判定することができ、誤判定率を低下させるとともに、判定の高速化が可能となり、生産性を向上させることができる。また、減圧室の入口と出口で缶内圧を測定するので、確実に同一缶の内圧が比較でき、缶に対する測定値の印字を不要にすることができる。
【0040】
請求項2記載の密閉缶の漏れ検査方法によれば、最初の内圧測定前の缶に、予めレトルト殺菌を施すので、加熱により缶内圧を一旦高圧として、漏洩を強制的に生じさせ、潜在化しているピンホール等の欠陥部を顕在化させることができ、その結果、スローリークの発見率を高めることができる。
【0041】
請求項3記載の密閉缶の漏れ検査装置によれば、第一の缶内圧測定手段と、第一の缶内圧測定手段の下流側に設けられた減圧室と、減圧室の下流側に設けられた第二の缶内圧測定手段と、第一の缶内圧測定手段と第二の缶内圧測定手段にて測定した缶内圧値の差圧からリーク缶を判定する比較・判定手段とを備えたので、搬送中の缶に外圧の変化を作用させることで、潜在化しているピンホール等の欠陥部を顕在化させ、その内圧差を、減圧室の入口と出口とで測定して検出することができる。この結果、一連の缶搬送工程中において、従来では所定時間の放置等が必要であった潜在化しているピンホール等の欠陥部を短時間に発見でき、高速な漏れ検査を可能にすることができる。
【0042】
請求項4記載の密閉缶の漏れ検査装置によれば、搬送路が、複数の缶搬送回転体と複数のアイドラーとを交互に配置した歯車列からなり、缶搬送回転体にはその外周面に、缶の外周面に嵌合する缶嵌合凹部を複数形成したので、減圧室の気密シール構造が形成し易くなるとともに、第一の缶内圧測定手段と第二の缶内圧測定手段との間における缶の順番を一定に保持することができ、順序が前後したり、順番ずれ等を防止して、第一の缶内圧測定手段で測定した缶と、第二の缶内圧測定手段で測定した缶とを確実にマッチングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る密閉缶の漏れ検査装置の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1に示した検査装置の制御部を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る密閉缶の漏れ検査方法の手順を表したフローチャートである。
【図5】最初の缶内圧測定から判定結果を得るまでの動作説明図である。
【符号の説明】
1…密閉缶の漏れ検査装置
3…搬送路
5…第一の缶内圧測定手段
7…記憶手段
9…減圧室
11…第二の缶内圧測定手段
13…比較・判定手段
15…缶搬送回転体
15a…缶嵌合凹部
17…アイドラー
23…缶
Claims (4)
- 搬送路上で搬送される製品密封後の缶の内圧を最初に測定した後、前記搬送路に設けた減圧室に前記缶を通過させ、前記減圧室を通過直後の前記缶の内圧を再測定し、前記減圧室を通過前の内圧測定値と通過後の内圧測定値との差圧が所定値以上のときに該缶をリーク缶であると判定することを特徴とする密閉缶の漏れ検査方法。
- 請求項1記載の密閉缶の漏れ検査方法において、
最初の内圧測定前の缶に、予めレトルト殺菌を施すことを特徴とする密閉缶の漏れ検査方法。 - 製品密封後の缶を搬送する搬送路と、搬送路上の前記缶の内圧を測定する第一の缶内圧測定手段と、該第一の缶内圧測定手段の測定値を缶ごとに記憶する記憶手段と、前記第一の缶内圧測定手段の缶搬送方向下流側に設けられ前記缶を通過可能にした減圧室と、該減圧室の缶搬送方向下流側に設けられ搬送路上の前記缶の内圧を測定する第二の缶内圧測定手段と、前記第一の缶内圧測定手段と該第二の缶内圧測定手段にて測定した缶内圧値の差圧が所定値以上のときに該缶をリーク缶であると判定する比較・判定手段とを具備したことを特徴とする密閉缶の漏れ検査装置。
- 請求項3記載の密閉缶の漏れ検査装置において、
前記搬送路が、複数の缶搬送回転体と複数のアイドラーとを交互に配置した歯車列からなり、
前記缶搬送回転体にはその外周面に、前記缶の外周面に嵌合する缶嵌合凹部を複数形成したことを特徴とする密閉缶の漏れ検査装置。
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Cited By (2)
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JP2006308529A (ja) * | 2005-05-02 | 2006-11-09 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | レトルト殺菌したプラスチック容器の密封性検査方法 |
JP2008008626A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 容器の気密性検査方法及びその方法に用いられる容器の気密性検査システム |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002254571A patent/JP2004090982A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008008626A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 容器の気密性検査方法及びその方法に用いられる容器の気密性検査システム |
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