JP2004089326A - 人工椎弓用部材および人工椎体用部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撹拌起泡により形成された、気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔により3次元的に連通しているハイドロキシアパタイトからなるセラミックス多孔体からなり、椎弓と同等の湾曲形状に形成された人工椎弓用部材、また、側周部が気孔率5%以下のセラミックス緻密体からなり、かつ、内部が前記セラミックス多孔体からなる人工椎体用部材を用いる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工椎弓用部材および人工椎体用部材に関し、より詳細には、脊椎を形成する椎骨の一部である椎弓または椎体の処置、再生に好適に用いることができる人工椎弓用部材および人工椎体用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
脊椎は、いわゆる背骨であり、体重を支え、姿勢を維持すると同時に、その中心にある脊髄を保護するという役割も果たすものであり、身体の中軸をなすものである。この脊椎は、椎骨が複数連結して形成されている。
椎骨は、ヒトの場合には、頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎5個、尾椎3〜5個の計32〜34個がある。
【0003】
図1に、1個の椎骨の構成を模式的に示す。図1に示すように、個々の椎骨は、前部を占める半円柱もしく円柱状の椎体1と、前記椎体1の後上部から後方に突き出て環状をなす椎弓2とからなる。この椎弓2は、横突起3、棘突起4等の突起を有している。また、前記椎体1と椎弓2との間に形成されている椎孔5内には、脊髄が通っている。
上記のような構成からなる椎骨は、隣接するもの同士、椎体部において椎間板を介して連結することにより、脊椎を構成している。
【0004】
前記脊椎は、従来、腫瘍等の疾病により損傷し、施術等により一部が切除された場合、そのままの状態では、自然治癒することは困難であるため、切除箇所の上下の椎体を、チタン等の金属板で連結する等、高強度部材を用いて、機械的に補強する処置が施されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような高強度部材による補強処置では、当然ながら、該連結箇所における骨の再生は起こらず、永続的な接合の維持は困難であった。また、上記のような補強部材は、生体内においては異物感が大きく、患者に苦痛をもたらすものであった。
【0006】
したがって、身体の中軸をなす脊椎においても、生体への適用が認められている材料のみを用いて、損傷した骨を患者自身の骨として再生させることにより、強度、機能ともに十分に回復させ、患者の苦痛の低減を図ることができる骨補填材、人工骨が求められていた。
【0007】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、生体適合性に優れ、かつ、十分な強度を有する材料を用いて、脊椎を構成する椎骨の再生の促進を図ることができる人工椎弓用部材および人工椎体用部材を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る人工椎弓用部材は、気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔により3次元的に連通しているセラミックス多孔体からなり、椎弓と同等の湾曲形状に形成されていることを特徴とする。
前記人工椎弓用部材は、細胞や血液が、侵入、定着しやすく、該セラミックス多孔体の内部に導入された骨細胞等によって、自家骨として、椎弓の再生の促進を図ることができる。
【0009】
前記人工椎弓用部材は、長手方向の両端部に、椎骨の外側周面から椎孔方向に向かって、それぞれ1または複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。
施術便宜上、手術用糸またはワイヤを通して、前記人工椎弓用部材を固定するため、上記のような貫通孔を形成しておくことが好ましい。
【0010】
また、同様の観点から、長手方向に、1または複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。
前記貫通孔の内部に手術用糸またはワイヤを通すことにより、該部材を固定しやすくなる。さらに、長手方向の両端に、手術用糸またはワイヤを誘導するための切り込みが形成されていることがより好ましい。
【0011】
また、前記人工椎弓用部材は、気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔により3次元的に連通しているセラミックス多孔体からなり、切断された椎弓の間に挟み込まれ、前記椎弓と一体化されるものであってもよい。
前記人工椎弓用部材は、上記のようなセラミックス多孔体からなるため、椎弓の一部として組み込む場合にも、十分に耐え得る強度を有しており、かつ、自家骨を早期に再生させ、既存の椎弓と一体化させることができる。
【0012】
前記人工椎弓用部材は、椎弓と接触している両端面中央部に、切り込みが形成されていることが好ましい。
この切り込みは、人工椎弓用部材を固定するための手術用糸またはワイヤが収まるための溝であり、前記貫通孔と同様の観点から、形成しておくことが好ましい。
【0013】
前記人工椎弓用部材に用いられるセラミックス多孔体は、撹拌起泡により形成されたものであることが好ましい。
撹拌起泡により気孔が形成されたセラミックス多孔体は、気孔を区画する骨格壁部自体が緻密で、気孔がほぼ球状となり、高強度を得ることができ、かつ、細胞や血液が侵入しやすい性状が得られるため、人工椎弓用部材として好適に用いられる。
【0014】
また、前記セラミックス多孔体は、ハイドロキシアパタイトからなることが好ましい。
ハイドロキシアパタイトは、骨の主組成成分であり、人体への適用も既に認められており、骨との同化性、癒着性、強度、早期回復等の観点から、好適な材質である。
【0015】
また、本発明に係る人工椎体用部材は、側周部が、気孔率5%以下のセラミックス緻密体からなり、かつ、内部が、気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔により3次元的に連通しているセラミックス多孔体からなることを特徴とする。
本発明に係る人工椎体用部材は、上記と同様のセラミックス多孔体の側周部をセラミックス緻密体により構成することにより、圧縮強度は300MPa以上の圧縮強度が得られ、脊椎として支持するために、荷重がかかる椎体用の部材として好適に用いることができる。
【0016】
前記人工椎体用部材において、側周部のセラミックス緻密体の厚さは、2mm以上6mm以下であることが好ましい。
荷重のかかる部位に用いられるものであるため所定の強度が求められる一方、骨の再生の促進を図る観点から、該部材の内部にできるだけ全体に満遍なく細胞を行き渡らせるため、側周部のセラミックス緻密体は、上記範囲内の厚さであることが好ましい。
【0017】
前記人工椎体用部材に用いられるセラミックス多孔体は、上記した人工椎弓用部材と同様に、撹拌起泡により形成されたものであり、また、セラミックス緻密体およびセラミックス多孔体は、ハイドロキシアパタイトからなることが好ましい。
【0018】
前記セラミックス緻密体は、角部が面取り処理を施されていることが好ましい。
挿入時に生体器官への損傷を防止し、また、該人工椎体用部材自体の破損を防止する観点から、セラミックス緻密体は、面取りされていることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、一部図面を参照して、より詳細に説明する。
本発明に係る人工椎弓用部材は、気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔により3次元的に連通しているセラミックス多孔体により構成される。
このようなセラミックス多孔体は、例えば、特開2000−302567号公報に開示されている。
なお、前記平均気孔径も、同公報に記載されている樹脂包埋による方法で測定することができる。
また、前記連通孔の平均孔径は、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。この連通孔の平均孔径は、水銀ポロシメータ(水銀圧入法)により測定することができる。
【0020】
上記のような気孔率および気孔形状を有するセラミックス多孔体は、骨を補填する上での十分な強度を有しており、かつ、細胞の侵入および移動が容易であり、その内部を細胞が満遍なく行き渡ることができる。
このため、人工椎弓用部材として用いた場合、骨の形成のために必要とされる間葉系細胞、間葉系幹細胞、骨髄細胞等が、骨髄等から侵入、定着しやすく、該セラミックス多孔体の内部に導入された骨細胞等によって、骨の再生の促進を図ることができる。
したがって、患者自身の骨としての再生を早期に行うことができるため、患者に与える負担や苦痛を低減させることができる。
【0021】
前記セラミックス多孔体の気孔率が50%未満の場合には、細胞がセラミックス多孔体内部に侵入し難く、骨を早期に再生することが困難となる。
一方、前記気孔率が90%を超える場合には、細胞の定着性が劣り、この場合も、骨の早期再生が困難となり、また、十分な強度が得られない。
前記気孔率は、より好ましくは、70%以上80%以下である。
同様に、細胞の侵入、定着の容易性の観点から、前記平均気孔径は、150μm以上250μmであることがより好ましい。
【0022】
上記のような構成からなるセラミックス多孔体は、撹拌起泡により、容易に製造することができる。
撹拌起泡により気孔が形成されたものは、気孔を区画する骨格壁部自体が緻密であり、気孔がほぼ球状となり、高強度を得ることができ、また、毛管現象により、細胞や血液等が侵入しやすい性状となるため好ましい。
また、単位体積当たりの表面積が大きく、侵入した細胞の足場としても好適な性状となりやすい。
【0023】
具体的には、例えば、以下のような製造方法により、前記セラミックス多孔体を得ることができる。ハイドロキシアパタイトの場合を例として説明する。
まず、ハイドロキシアパタイト粉末に、架橋重合性樹脂としてポリエチレンイミン等を添加し、分散媒として水を用いて、混合、解砕し、スラリーを調製する。
次に、このスラリーに起泡剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル等を添加し、撹拌して起泡させる。
さらに、架橋剤としてソルビトールグリシジルエーテル等を添加し、得られた泡沫状スラリーを、注型して、泡構造を固定した状態で乾燥させた後、1100〜1300℃程度で焼結させることにより、ハイドロキシアパタイトからなるセラミックス多孔体が得られる。
【0024】
前記セラミックス多孔体は、生体適合性に優れており、人体への適用も既に認められているリン酸カルシウム系セラミックスからなることが好ましく、例えば、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ化アパタイト等が好適に用いられる。
本発明においては、骨との同化性、癒着性、強度、早期回復等の観点から、特に、骨の主組成成分であるハイドロキシアパタイトからなることが好ましい。また、ハイドロキシアパタイトは、細胞の足場としても好適である。
【0025】
前記人工椎弓用部材は、椎弓と同等の湾曲形状に形成される。その具体的な形状を、図2に例示する。ここで、図2(a)は上面から見た図であり、図2(b)は外側周面から見た図である。
本発明に係る人工椎弓用部材は、上記した図1に示したような椎弓2の代替部材として用いられるものであるため、図2(a)の上面図に示したように、湾曲形状に形成されたセラミックス多孔体11からなり、椎弓2と同等の曲面状の外側周面12を有する部材とされる。
【0026】
また、前記人工椎弓用部材の長手方向の両端部には、図2(a)、(b)に示したように、椎骨の外側周面12から椎孔方向に向かって、それぞれ1または複数の貫通孔13が形成されていることが好ましい。
前記貫通孔13は、該部材を固定するための手術用糸またはワイヤを通すための孔であり、施術便宜上、このような構成とすることが好ましい。
図2の構造は、特に椎弓を完全に切除してしまった場合に用いる部材として好ましいものである。
【0027】
あるいはまた、長手方向に、1または複数の貫通孔を形成してもよい。
この場合も、前記貫通孔の内部に手術用糸またはワイヤを通すことにより、該部材を固定しやすくなる。
このとき、長手方向の両端に、手術用糸またはワイヤを誘導するための切り込みが形成されていることがより好ましい。
【0028】
また、手術用糸等によって、該部材をしっかりと固定することができれば、上記以外の孔の位置、数、形状等であってもよい。また、孔ではなく、溝を形成したものであってもよい。
なお、前記人工椎弓用部材は、予め1つの部材として設計加工してもよいが、実際の椎弓よりも薄いものを数枚縦方向に重ねて用いる構成とする方が、施術時の微調整、椎間における骨癒合等を防止する等の観点から好ましい場合がある。
【0029】
また、前記人工椎弓用部材は、上記と同様のセラミックス多孔体からなり、切断された椎弓の間に挟み込まれ、前記椎弓と一体化される態様のものであってもよい。すなわち、椎弓の一部に組み込まれる形で用いられるものとすることもできる。
図3に、この場合の人工椎弓用部材の構成を例示する。
図3に示したように、この人工椎弓用部材も、やや湾曲形状からなり、椎弓と接触する両端面中央部に、切り込み14が形成されていることが好ましい。この切り込みは、切断された椎弓の両端に挟み込む際に、人工椎弓用部材を安定化させるためのものである。
なお、前記切り込み14には、長手方向に、手術用糸等を通すための貫通孔16が形成されている。前記貫通孔13と同様に、手術用糸等により、人工椎弓用部材を固定するために形成される。
【0030】
図3に示したような人工椎弓用部材は、損傷した椎弓の一部を補填するために、上記のように、切断された椎弓の間に挟み込んで、椎弓と一体化させて、自家骨の再生の促進を図る目的で用いることができる。
また、それ以外にも、この人工椎弓用部材を用いれば、例えば、椎孔が何らかの理由で狭くなってしまったような場合に、椎孔の径を拡張する目的で、図4に示すような処置を施すことも可能となる。
図4に示す処置方法とは、まず、図4(a)に示すように、椎弓の一箇所Aに切り込みを入れる。次に、図4(b)に示すように、他の箇所Bにも切り込みを入れる。そして、図4(c)に示すように、その箇所Bを広げて、椎孔5の径を拡張し、その状態を保持するために、その広げた切り込み箇所に、固定用スペーサとして、図3に示したような人工椎弓用部材を挟み込む。図3に示す構造の人工椎弓用部材は、椎弓の一側を切断して持ち上げた場合、その持ち上げた間隙に挟み込む部材として、特に好ましい。
本発明に係る人工椎弓用部材は、上記のようなセラミックス多孔体からなるため、このような挟み込みに対しても、十分に耐え得る強度を有しており、かつ、自家骨を早期に再生させ、既存の椎弓と一体化させることができる。
【0031】
上記した人工椎弓用部材は、適用する椎骨の部位、すなわち、頚椎、胸椎、腰椎等のいずれの部位に用いられるかに応じて、適宜大きさを調節して形成される。
また、角部が破損したり、または、他の生体器官を損傷したりすることを防止する観点から、上記部材の角部は、面取りすることが好ましい。
【0032】
また、本発明に係る人工椎体用部材は、側周部が、気孔率5%以下のセラミックス緻密体からなり、かつ、内部が、気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔により3次元的に連通しているセラミックス多孔体により構成される。
上記した人工椎弓用部材の場合と同様に、前記気孔率は70%以上80%以下であり、また、前記平均気孔径は、150μm以上250μm以下であることがより好ましい。
【0033】
図5に、この人工椎体用部材を例示する。
図5に示したように、人工椎体用部材においては、強度を担保する観点から、セラミックス多孔体11の側周部が、セラミックス緻密体15により覆われた形状とすることが好ましい。このとき、該人工椎体用部材の内部への細胞の侵入および移動を容易とし、その内部に細胞が満遍なく行き渡ることができるようにするため、セラミックス多孔体11の上下面は、セラミックス緻密体により覆わず、露出した状態とする。
このように、側周部のみをセラミックス緻密体とした場合であっても、該部材の圧縮強度は300MPa以上が得られ、脊椎として支持するために、荷重がかかる椎体用の部材としても、十分に耐え得る強度とすることができる。
【0034】
図5に示した人工椎体用部材は、直方体状のものである。施術便宜上、表面の平滑なセラミックス製の部材は、鉗子等で把持しやすいことから、図5に示したような直方体状の人工椎体用部材が好適に用いられるが、表面加工や把持具の改良等により、しっかりと把持することができるものであれば、円筒形状等、直方体状以外の形状であっても差し支えない。
【0035】
上記のように、人工椎体用部材は、荷重のかかる部位に用いられるものであるため、圧縮強度は300MPa以上であることが求められる一方、骨の再生の促進を図るためには、該人工椎体用部材の内部にできるだけ全体に満遍なく細胞が行き渡ることが好ましいことから、側周部のセラミックス緻密体の厚さは、2mm以上6mm以下であることが好ましく、より好ましくは、3mm以上5mm以下である。
【0036】
同様に、骨の再生の促進の観点から、セラミックス緻密体が人工椎体用部材に占める体積は、60%以下であることが好ましく、より好ましくは、50%以下である。
【0037】
この人工椎体用部材に用いられるセラミックス多孔体も、骨の形成のために必要とされる間葉系細胞、間葉系幹細胞、骨髄細胞等が、骨髄等から侵入、定着しやすく、該セラミックス多孔体の内部に導入された骨細胞等によって、骨の再生の促進を図るため、上記した本発明に係る人工椎弓用部材に用いられるセラミックス多孔体と同様のものを用いる。
【0038】
前記人工椎弓用部材も、前記人工椎弓用部材と同様に、適用する椎骨の部位、すなわち、頚椎、胸椎、腰椎等のいずれの部位に用いられるかに応じて、適宜大きさを調節して形成される。
また、角部が破損したり、または、他の生体器官を損傷したりすることを防止する観点から、上記部材のセラミックス緻密体の角部は、面取り処理を施されていることが好ましい。
【0039】
なお、前記人工椎体用部材は、脊椎にかかる荷重に十分に耐え得る強度を有していることから、椎体前方固定用のスペーサ、椎体同士の間に介在する椎間固定用スペーサに応用することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る人工椎弓用部材および人工椎体用部材は、ハイドロキシアパタイト等の既に人体への適用が認められている材質のみから構成することができ、しかも、細胞や血液の侵入、定着性にも優れ、かつ、十分な強度を有する材料により形成されるため、生体適合性に優れており、脊椎を構成する椎骨の再生の促進を図ることができる。
したがって、本発明に係る上記部材は、自家骨の再生を促進することができるため、身体の中枢をなす脊椎においても、既存の骨と早期に一体化され、患者への負担や苦痛を低減させる処置方法を提供することに寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】椎骨を上面から見た模式図である。
【図2】本発明に係る人工椎弓用部材の一態様を示した図であり、(a)は上面図、(b)は、椎骨の外側周面から見た側面図である。
【図3】本発明に係る人工椎弓用部材の他の態様を示した上面図である。
【図4】本発明に係る人工椎弓用部材を用いた椎骨の処置方法の一態様を、(a)、(b)、(c)に順次示した概略図である。
【図5】本発明に係る人工椎体用部材の一態様を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 椎体
2 椎弓
3 横突起
4 棘突起
5 椎孔
6 人工椎弓用部材
7 人工椎体用部材
11 セラミックス多孔体
12 外側周面
13、16 貫通孔
14 切り込み
15 セラミックス緻密体
Claims (12)
- 気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔(連通部)により3次元的に連通しているセラミックス多孔体からなり、椎弓と同等の湾曲形状に形成されていることを特徴とする人工椎弓用部材。
- 長手方向の両端部には、椎骨の外側周面から椎孔方向に向かって、それぞれ1または複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の人工椎弓用部材。
- 長手方向に、1または複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の人工椎弓用部材。
- 気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔(連通部)により3次元的に連通しているセラミックス多孔体からなり、切断された椎弓の間に挟み込まれ、前記椎弓と一体化されることを特徴とする人工椎弓用部材。
- 椎弓と接触している両端面中央部には、切り込みが形成されていることを特徴とする請求項4記載の人工椎弓用部材。
- 前記セラミックス多孔体は、撹拌起泡により形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の人工椎弓用部材。
- 前記セラミックス多孔体は、ハイドロキシアパタイトからなることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の人工椎弓用部材。
- 側周部が、気孔率5%以下のセラミックス緻密体からなり、かつ、内部が、気孔率が50%以上90%以下、平均気孔径が100μm以上600μm以下であり、各気孔が連通孔(連通部)により3次元的に連通しているセラミックス多孔体からなることを特徴とする人工椎体用部材。
- 前記側周部のセラミックス緻密体の厚さは、2mm以上6mm以下であることを特徴とする請求項8記載の人工椎体用部材。
- 前記セラミックス多孔体は、撹拌起泡により形成されたものであることを特徴とする請求項8または請求項9記載の人工椎体用部材。
- 前記セラミックス緻密体およびセラミックス多孔体は、ハイドロキシアパタイトからなることを特徴とする請求項8から請求項10までのいずれかに記載の人工椎体用部材。
- 前記セラミックス緻密体は、角部が面取り処理を施されていることを特徴とする請求項8から請求項11までのいずれかに記載の人工椎体用部材。
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Cited By (4)
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JP2007275545A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Rnp Korea Co Ltd | 頚椎体の脊椎管拡大術用椎弓スペーサ |
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JP2017529297A (ja) * | 2014-07-22 | 2017-10-05 | セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングCeramTec GmbH | 椎体を融合するための部材 |
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2002
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