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JP2004087979A - 受光素子およびその製造方法並びに回路内蔵型受光素子 - Google Patents

受光素子およびその製造方法並びに回路内蔵型受光素子 Download PDF

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JP2004087979A JP2002249641A JP2002249641A JP2004087979A JP 2004087979 A JP2004087979 A JP 2004087979A JP 2002249641 A JP2002249641 A JP 2002249641A JP 2002249641 A JP2002249641 A JP 2002249641A JP 2004087979 A JP2004087979 A JP 2004087979A
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light
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Kazuhiro Kashu
夏秋 和弘
Toshihiko Fukushima
福島 稔彦
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Sharp Corp
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10F30/00Individual radiation-sensitive semiconductor devices in which radiation controls the flow of current through the devices, e.g. photodetectors
    • H10F30/20Individual radiation-sensitive semiconductor devices in which radiation controls the flow of current through the devices, e.g. photodetectors the devices having potential barriers, e.g. phototransistors
    • H10F30/21Individual radiation-sensitive semiconductor devices in which radiation controls the flow of current through the devices, e.g. photodetectors the devices having potential barriers, e.g. phototransistors the devices being sensitive to infrared, visible or ultraviolet radiation
    • H10F30/22Individual radiation-sensitive semiconductor devices in which radiation controls the flow of current through the devices, e.g. photodetectors the devices having potential barriers, e.g. phototransistors the devices being sensitive to infrared, visible or ultraviolet radiation the devices having only one potential barrier, e.g. photodiodes
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Abstract

【課題】短波長の光に対して高感度で高速応答が可能な受光素子を提供する。
【解決手段】P型半導体基板1上のN型エピタキシャル層6表面に形成されたN型不純物拡散層8内で発生した光キャリアは、不純物拡散の濃度傾斜による内蔵電界により空乏層中まで移動し、光電流が生じる。不純物拡散層8が高濃度の場合、光キャリアのライフタイムが低下し、空乏層に到達するまでに再結合して消滅し、受光素子の量子効率が低下する。不純物拡散層が浅いと抵抗が高く、フォトダイオードの直列抵抗が高くなって応答速度が遅くなる。よって、エピタキシャル層6の表面から0.1μmを超え、0.3μm以下の深さにわたって不純物濃度が1×1020cm−3より低い不純物拡散層8を形成する。または、エピタキシャル層6の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下の深さにわたって不純物濃度が1×1019cm−3より低い不純物拡散層8を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換機能を有する受光素子およびその製造方法に関し、特に、青色光等の短波長の光に対して高感度を有し、高速応答性能に優れた受光素子およびその製造方法に関する。また、そのような受光素子と同一基板上に回路素子を形成した回路内蔵型受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
受光素子の一種であるフォトダイオードは、光信号を電気信号に変換する光電変換機能を有しており、光ピックアップ、光空間伝送などに幅広く利用されている。フォトダイオードによる光電変換は、半導体中に形成されたPN接合に逆バイアス電圧を印加し、その逆バイアス電圧によって形成された空乏層およびその近傍に光を照射することによって行われる。光の照射によって半導体中にキャリア(光キャリア)が生成され、生成された光キャリアが拡散層に生じる電位勾配(内蔵電界)に従って移動して空乏層まで到達することによって、光起電力(光電流)が発生する。
【0003】
また、近年では、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などの光学記録媒体に対する需要が増大するにつれて、光ピックアップに用いられるフォトダイオードの研究が積極的に進められている。このような光記録媒体の記録密度は、光源として用いられる半導体レーザ素子の発振波長が短くなるほど高くなる。このため、光ピックアップに用いられる半導体レーザ素子の発振波長についても、CD用の光ディスク装置では780nm、DVD用の光ディスク装置では650nmと短くなり、今後、405nm前後のレーザ光が使用され、さらに短波長化が進むと予想される。
【0004】
ところで、光源として用いられる半導体レーザ素子の発振波長を短くすると、半導体内での光吸収係数が大きくなる。例えば、シリコンの光吸収係数は、波長650nmの光では2500cm−1であるのに対して、波長410nmの光では30000cm−1と10倍以上になる。これに伴って、波長650nmの光では半導体(シリコン)内部に侵入した光の強度が半導体表面における光の強度の10%となる厚さ(半導体表面からの深さ)が9.2μmであるのに対して、波長410nmの光では0.76μmと1/10倍以下となる。
【0005】
従って、半導体レーザ素子の発振波長が短波長になるほど、受光素子において半導体表面の近傍で発生する電子‐正孔対が増加することになり、半導体表面近傍での光キャリアの動作が受光素子の感度および応答速度に大きな影響を与えると考えられる。特に、受光部表面付近の不純物濃度、濃度プロファイルなどが受光感度に大きく影響を与えると考えられる。
【0006】
従来から、フォトダイオードの応答速度を高速化するためには、100Ωcm以上の比抵抗を有する高比抵抗基板または高比抵抗エピタキシャル層を形成した基板を利用することによって、フォトダイオードの接合容量を低減する方法が用いられている。以下、このような100Ωcm以上の比抵抗を有する高比抵抗基板および高比抵抗エピタキシャル層を形成した基板を含めて、高比抵抗基板と総称する。
【0007】
例えば特開平7−240534号公報には、高比抵抗基板を用いた短波長光に対応可能な受光素子が開示されている。図8は、特開平7−240534号公報に開示されている受光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【0008】
この受光素子は、シリコンからなるN−高比抵抗半導体基板103の表面から0.1μm以下の深さにわたってP型不純物をピーク濃度1×1020[cm−3]で拡散させたP+不純物拡散領域105が形成されている。以下、このP+不純物拡散領域105を受光部拡散層と称する。この従来例では、受光部拡散層105はアノードとして用いられている。受光部拡散層105の上には酸化膜106が形成され、酸化膜106に形成された開口部を介して受光部拡散層105と金属層からなるアノード電極107aとが接続されている。受光部拡散層105のアノード電極形成部分105aは、受光部(電極が形成されていない中央の部分)よりも深く形成されており、これによって抵抗が低減されている。また、受光部拡散層105におけるP型不純物のピーク濃度位置は、可能な限り表面に近づけられている。
【0009】
また、受光部拡散層105の周囲にはカソードとして用いられるN+不純物拡散領域(カソード拡散層)104が形成されており、酸化膜106に形成された開口部を介してN+不純物領域104と金属層からなるカソード電極107bとが接続されている。さらに、N−半導体基板103の裏面には裏面N+拡散層102および裏面酸化膜101が形成されている。
【0010】
上記受光素子において、カソード拡散層104上に形成されたカソード電極107bと受光部拡散層105上に形成されたアノード電極107aとの間に電圧を印加することによって、受光部拡散層105とN−半導体基板103とのPN接合に逆バイアス電圧が印加される。
【0011】
図9は、図8のX’−Y’断面において、受光部拡散層105およびN−高比抵抗層に含まれる不純物濃度のプロファイルを模式的に示すグラフである。この図9において、縦軸はシリコン中の不純物濃度を示し、横軸はフォトダイオード表面(エピタキシャル層表面)からの深さを示す。
【0012】
この図9に示すように、N−半導体基板103は不純物濃度が低く、高比抵抗であるため、逆バイアス電圧の印加時に、受光部拡散層105とN−半導体基板103との接合部からN−半導体基板103側に空乏層が大きく広げられる。これによって、フォトダイオードの接合容量が低減されて、高速応答が可能となる。
【0013】
また、受光される光の短波長化に伴って表面近傍で吸収される光が増加すると、受光部拡散層105中で発生する光キャリアが増加して表面近傍で再結合が生じ、受光素子の量子効率が低下する。これを防ぐため、受光部拡散層105の深さは0.1μm以下と浅くされている。これによって、受光部拡散層105中で発生する光キャリアを減少させて、受光部拡散層105よりも深い部分で光キャリアを発生させることができるため、空乏層まで到達する光キャリアが増加し、受光素子の感度を向上させることができる。また、受光部拡散層105を浅くすることにより、図9に示すように、濃度プロファイルを急峻にして内蔵電界を高め、光キャリアが空乏層に移動する速度を速くすることができる。よって、再結合するまでに光キャリアを空乏層内まで移動させることが可能となり、受光素子の感度を向上させることができる。
【0014】
また、受光部拡散層105において、表面よりも内部に不純物のピーク濃度位置があると、光照射によって発生した光キャリアのうち、表面近傍で発生したものが受光部拡散層105の濃度分布に従って表面側に移動し、表面再結合が促進される。このため、図9に示すように、受光部拡散層105の不純物のピーク濃度位置を可能な限り表面側に近づけることによって、表面側への内蔵電界を抑えて表面再結合を抑制し、受光素子の感度を向上させることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、近年では、光ディスク装置における記録密度の高密度化、応答速度の高速化に伴って、光源として用いられる半導体レーザ素子の短波長化が進められている。しかしながら、光の短波長化に伴って受光素子の感度は低下し、シリコンにおいては、理論上、波長λ=780nmの光で光電変換効率が0.629A/W、波長λ=650nmの光で0.524A/W、波長λ=405nmの光では0.327A/Wとなる。従って、同じ光量が受光されても、短波長光では得られる電流が低下し、回路のS/N比が低下する。このため、受光素子としては、可能な限り、量子効率を100%に近づけることが望ましい。特に、青色レーザー対応の光ディスク装置において、波長405nmでの受光感度を量子効率100%近くまで高めて、高感度とすることが強く求められている。
【0016】
上述した特開平7−240534号公報の受光素子では、受光部拡散層を0.1μm以下と浅く形成することによって、受光部拡散層中で発生する光キャリア量が減少され、受光感度が向上されている。また、受光部拡散層の不純物のピーク濃度位置を可能な限り表面側に近づけることによって、表面再結合が抑制され、受光感度が向上されている。
【0017】
また、記録密度の高密度化が進むと、データ読み取り速度を高速化することも求められる。フォトダイオードの応答速度fcは、一般に、
fc(−3dB)=1/(2πRC)
によって表される。ここで、Rはカソード抵抗、アノード抵抗などといったフォトダイオードの直列抵抗を表し、Cはフォトダイオードの容量を表す。
【0018】
上述した特開平7−240534号公報の受光素子では、高比抵抗のN−半導体基板を用いることによって、フォトダイオードの容量が十分低減されている。しかしながら、電極形成部を除く受光部拡散層が0.1μm以下と浅く形成されているため、その部分の抵抗は大きくなっている。従って、フォトダイオードの直列抵抗を下げてさらに高速応答化を図るためには、量子効率を下げないようにしながら、受光部拡散層を0.1μmを超える深い拡散層を形成することが望ましい。
【0019】
このように、受光部拡散層をエピタキシャル層の表面から深く形成することによって抵抗を低くして高速応答を可能とし、かつ、波長405nm等といった短波長の光に対する感度向上を実現することが可能な受光素子が求められている。
【0020】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、短波長の光に対して高感度で高速応答が可能な受光素子およびその製造方法並びに回路内蔵型受光素子を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の受光素子は、第一導電型の基板上に、第二導電型のエピタキシャル層が形成され、該第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、該第二導電型不純物拡散層の不純物濃度が1×1020[cm−3]より低くされており、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】
本発明の受光素子は、第一導電型の基板上に、第一導電型のエピタキシャル層が形成され、該第一導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、該第二導電型不純物拡散層の不純物濃度が1×1020[cm−3]より低くされており、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】
好ましくは、前記第二導電型不純物拡散層の不純物ピーク濃度が1×1017[cm−3]以上で、かつ、1×1020[cm−3]より低くされている。
【0024】
好ましくは、前記第二導電型の不純物は、前記第一導電型または前記第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.1μmを超える深さにわたって拡散されている。
【0025】
本発明の受光素子は、第一導電型の基板上に、第二導電型のエピタキシャル層が形成され、該第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、該第二導電型不純物拡散層の濃度が1×1019[cm−3]より低くされており、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】
本発明の受光素子は、第一導電型の基板上に、第一導電型のエピタキシャル層が形成され、該第一導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、該第二導電型不純物拡散層の濃度が1×1019[cm−3]より低くされており、そのことにより上記目的が達成される。
【0027】
好ましくは、前記第二導電型不純物拡散層の不純物ピーク濃度が1×1017[cm−3]以上で、かつ、1×1019[cm−3]より低くされている。
【0028】
好ましくは、前記第二導電型不純物拡散層内の第二導電型不純物は、前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面に近づくに従って濃度が高くなるように分布している。
【0029】
好ましくは、前記第二導電型の不純物種は、ヒ素である。
【0030】
好ましくは、前記第一導電型はP型であり、前記第二導電型はN型である。
【0031】
好ましくは、前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル表面に酸化膜とSi膜とからなる反射防止膜が形成されている。
【0032】
好ましくは、前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層は、100Ωcm以上の比抵抗を有する高比抵抗層である。
【0033】
好ましくは、前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層と基板との間に、100Ωcm以上の比抵抗を有する第一導電型の高比抵抗半導体層が形成されている。
【0034】
好ましくは、波長390nm以上420nm以下の光を受けて光電変換する。
【0035】
本発明の受光素子の製造方法は、前記第一導電型の基板上に前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、該第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面に、酸化膜を介してイオン注入法により第二導電型の不純物を導入して、前記第二導電型不純物拡散層を形成する工程とを含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0036】
本発明の回路内蔵型受光素子は、前述した本発明の受光素子と、回路素子とが同一の基板上に形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0037】
以下に、本発明の作用について説明する。
【0038】
第一導電型(例えばP型)の基板上に、第二導電型(例えばN型)または第一導電型のエピタキシャル層が形成され、第二導電型または第一導電型のエピタキシャル層の表面から所定の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子において、不純物拡散層内で発生した光キャリアは、不純物拡散の濃度傾斜によって生じる内蔵電界により空乏層中まで移動し、これによって光電流が生じる。ここで、不純物拡散層の不純物濃度が高濃度である場合には、光キャリアのライフタイムが低下し、空乏層に到達するまでに再結合して消滅する。このため、このような光キャリアは、光電流に寄与することができず、受光素子の感度(量子効率)が低下する。
【0039】
特に、受光される光の短波長化(例えば390nm〜420nm)に伴って半導体中での光吸収係数が大きくなり、光の侵入長(表面からの距離)が短くなると、不純物拡散層中で発生する光キャリアが増加するため、不純物拡散層の不純物濃度が高濃度である場合、受光素子の量子効率低下が顕著となる。
【0040】
このように、不純物拡散層内で光キャリアの再結合が生じて量子効率が低下することを防ぐため、従来技術では、不純物濃度が高濃度である不純物拡散層を0.1μm以下に浅く形成して拡散プロファイルを急峻にすることによって内蔵電界を高め、光キャリアが空乏層に移動する速度を速くすることによって、再結合するまでに光キャリアを空乏層内まで移動させることができるようにしている。しかしながら、この方法では、不純物拡散層が浅いために抵抗が高くなり、フォトダイオードの直列抵抗が高くなるため、応答速度が遅くなる。
【0041】
そこで、本発明では、不純物拡散層を深く形成することにより抵抗を低くして高速応答を可能とすると共に、不純物拡散層における不純物濃度を低くすることにより光キャリアのライフタイムを長くして、再結合するまでに空乏層まで移動することができるようにする。
【0042】
例えば、第二導電型不純物拡散層が第二導電型または第一導電型のエピタキシャル層の表面から0.1μmを超え、かつ、0.3μm以下の深さにわたって形成されている場合には、第二導電型不純物拡散層の不純物濃度を1×1020[cm−3]より低い濃度とする。また、第二導電型不純物拡散層が第二導電型または第一導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下の深さにわたって形成されている場合には、第二導電型不純物拡散層の不純物濃度を1×1019[cm−3]より低い濃度とする。不純物濃度が低すぎると応答周波数が低くなるため、高速応答が必要とされる用途には、不純物ピーク濃度を1×1017[cm−3]以上とすることが好ましい。
【0043】
また、不純物拡散層において、表面よりも内部に不純物濃度のピーク濃度位置があると、光照射によって発生した光キャリアのうち、表面近傍で発生したものが不純物拡散層の濃度分布に従って表面側に移動し、表面再結合が促進される。このため、不純物拡散層内の不純物は、エピタキシャル層の表面に近づくに従って濃度が高くなるように分布させることが好ましい。これによって、表面側への内蔵電界を抑えて表面再結合を抑制し、受光素子の感度を向上させることができる。
【0044】
不純物拡散層は、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面に酸化膜を形成し、その酸化膜を介してイオン注入法により形成することが望ましい。不純物濃度ピーク位置が酸化膜中に形成されるように制御することによって、エピタキシャル層の表面に近づくほど不純物濃度が高くなるプロファイルを容易に形成することができる。
【0045】
不純物拡散層の不純物種としては、拡散係数が小さいヒ素を用いると、拡散層の深さを制御し易い。特に、受光素子と回路素子とが同一の基板上に形成されている回路内蔵型受光素子では、回路形成時の熱処理により高温となるため、拡散係数が小さいヒ素を用いることが望ましい。
【0046】
また、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル表面に酸化膜とSi膜とからなる反射防止膜を形成することによって、さらに受光素子の感度を向上させることができる。
【0047】
また、不純物拡散層の基板側に100Ωcm以上の比抵抗を有する高比抵抗の第1導電型半導体層が形成されていると、逆バイアス印加時に空乏層が高比抵抗層側に広げられるため、フォトダイオードの容量が低減されて高速応答が可能となる。また、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層を高比抵抗層としてもよい。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下では、受光素子と回路素子とを同一の基板上に形成した回路内蔵型受光素子を例として説明しているが、回路素子を形成せずに受光素子のみを基板上に形成した構成についても同様である。
【0049】
(実施形態1)
図1は、本実施形態1の回路内蔵型受光素子の概略構成を示す断面図である。
【0050】
この回路内蔵型受光素子は、シリコン半導体等からなる比抵抗40Ωcm程度のP型半導体基板1を有しており、このP型半導体基板1上に、P型高濃度埋込拡散層2、比抵抗100Ωcm以上のP型高比抵抗エピタキシャル層3、および比抵抗1Ωcm〜5Ωcm程度のN型エピタキシャル層6が、この順に積層されている。
【0051】
この回路内蔵受光素子は、フォトダイオード領域と、このフォトダイオード領域に隣接して形成されたバイポーラトランジスタ素子領域とを有している。このフォトダイオード領域とバイポーラ素子領域とは、P型高濃度埋込拡散層2との界面からN型エピタキシャル層6との界面まで達するように、P型高比抵抗エピタキシャル層3に形成されたP型埋込分離拡散層4と、N型エピタキシャル層6の表面からP型埋込分離拡散層4まで達するように形成されたP型分離拡散層7とによって、素子分離されている。
【0052】
フォトダイオード領域には、N型エピタキシャル層6の表面から0.3μm以下(例えば0.3μm)の深さにわたって、かつ、不純物のピーク濃度が1×1020[cm−3]よりも低濃度(例えば8×1019[cm−3]程度)となるように、N型不純物が拡散されてN型不純物拡散層8が形成されている。
【0053】
バイポーラトランジスタ素子領域には、P型高比抵抗エピタキシャル層3の表面上に埋め込まれるようにN型埋込拡散層5が形成されており、このN型埋込拡散層5上にバイポーラN型ウェル拡散層9とN型不純物拡散層8とが互いに隣接して形成されている。N型ウェル拡散層9には、P−ベース拡散層10およびこのP−ベース拡散層10の両側に隣接するように形成されたP+ベース拡散層11が設けられている。P−ベース拡散層10の領域内には、N型エミッタ拡散層12が形成されている。
【0054】
このようにフォトダイオード領域の各層およびバイポーラトランジスタ素子領域の各層がそれぞれ形成されたN型エピタキシャル層6上には、全面にわたって、表面保護絶縁膜13が形成されている。この表面保護絶縁膜13において、フォトダイオード領域のN型不純物拡散層8上、P型分離拡散層7上、バイポーラトランジスタ素子領域のN型不純物拡散層8上、P+ベース拡散層11上およびN型エミッタ拡散層12上には、それぞれ開口部が形成され、各開口部には、配線(電極)金属層14がそれぞれ設けられている。
【0055】
図2および図3は、N型不純物拡散層8内で発生した光キャリアの動作を説明するための不純物プロファイルを模式的に示すグラフである。この図2および図3において、縦軸はシリコン中の不純物濃度を示し、横軸はフォトダイオード表面(エピタキシャル層表面)からの深さを示す。
【0056】
図2に示すように、N型不純物拡散層8内で発生した光キャリアは、N型不純物の濃度傾斜によって生じる内蔵電界により空乏層中まで移動し、光電流が発生する。ところが、N型不純物拡散層8の不純物濃度が高濃度になると、光キャリアのライフタイムが低下し、空乏層に到達するまでに光キャリアが再結合して消滅する。このため、その光キャリアは光電流の生成に寄与することができず、受光素子の量子効率が低下する。
【0057】
特に、光の短波長化に伴って光の吸収係数が増加し、半導体層内への光の侵入長が短くなると、N型不純物拡散層8中で発生する光キャリアが増加するため、N型不純物拡散層8の不純物濃度が高濃度である場合、受光素子の量子効率低下が顕著となる。
【0058】
このように、高濃度不純物拡散層内で光キャリアの再結合によって量子効率が低下することを防ぐためには、以下のような2つの方法により濃度プロファイルを最適化することが考えられる。
【0059】
第一の方法は、図3に示すように、N型不純物拡散層8の不純物濃度が高濃度である場合に、N型不純物拡散層8を浅く形成して拡散プロファイルを急峻にすることによって、内蔵電界を高くする。これにより、N型不純物拡散層8を深く形成した場合に比べて、光キャリアが空乏層に移動する速度が速くなり、再結合するまでに光キャリアを空乏層内まで移動させることができるようになる。
【0060】
第二の方法は、N型不純物拡散層8が深く形成されている場合に、不純物濃度を低くすることによって光キャリアのライフタイムを長くする。これにより、光キャリアが再結合せずに空乏層まで移動することができるようになる。
【0061】
第一の方法では、N型不純物拡散層8を浅く形成することによって抵抗が高くなり、応答速度が低くなるため、本実施形態では第二の方法によって応答速度を高速化すると共に受光素子の量子効率を向上させる。
【0062】
図4は、N型不純物拡散層8の拡散深さおよび不純物濃度を変化させた場合について、波長405nmにおける量子効率を示すグラフである。この図4において、縦軸は波長405nmの光に対する受光素子の量子効率を示し、横軸はN型不純物拡散層8の不純物濃度を示す。
【0063】
この図4に示すように、波長405nmという短波長の光でもN型不純物拡散層8の深さがエピタキシャル層6の表面から0.3μmである場合には、不純物ピーク濃度が1×1020[cm−3]よりも低濃度であれば、量子効率は低下しない。また、N型不純物拡散層8の深さが0.3μmよりも浅くなっても、N型不純物拡散層8内での内蔵電界が高まるため、不純物濃度が1×1020[cm−3]よりも低濃度であれば、量子効率は低下しない。
【0064】
ここで、N型不純物拡散層8の深さが0.1μm以下では、受光素子の応答速度に影響するカソード抵抗が高くなるため、N型不純物拡散層は、エピタキシャル層6の表面から0.1μmを超えて深く形成されていることが望ましい。なお、回路内蔵型受光素子の場合には、回路形成時の熱処理によって高温となるため、拡散深さが0.1μmよりも深くなることが多い。
【0065】
図5は、図1のX’−Y’断面において、N型不純物拡散層8、N型エピタキシャル層6およびP型高比抵抗エピタキシャル層3に含まれる不純物濃度のプロファイルを模式的に示すグラフである。この図5において、縦軸はシリコン中の不純物濃度を示し、横軸はフォトダイオード表面(N型エピタキシャル層6表面)からの深さを示す。
【0066】
本実施形態1では、図5に示すように、N型不純物拡散層8の不純物ピーク濃度が8×1019[cm−3]で、かつ、N型エピタキシャル層6の表面から0.3μmの深さにわたって形成されているため、図4に示すように、量子効率が低下せず、感度の高い受光素子を得ることができる。また、N型不純物拡散層8の深さが0.3μmであるため、受光素子の応答速度に影響するカソード抵抗を低くして、応答速度を速くすることができる。
【0067】
また、表面での光反射を抑えるために、受光部表面に、例えばSiO/Siからなる反射防止膜を設けることにより、さらに受光素子の感度を向上っせることができる。さらに、N型不純物拡散層8の不純物濃度プロファイルを、N型エピタキシャル層6表面に近づくほど高濃度となるように設定することにより、波長405nmの光を受光したときの量子効率がほぼ100%となり、青色光ディスク装置に適した受光素子を得ることができる。
【0068】
図6は、本実施形態の回路内蔵型受光素子の製造工程を説明するための断面図である。
【0069】
まず、図6(a)に示すように、シリコン半導体等からなる比抵抗40Ωcm程度のP型半導体基板1上に、P型高濃度埋込拡散層2を形成し、続いて、P型高濃度埋込拡散層2上にエピタキシャル成長を行うことにより、比抵抗100Ωcm以上のP型高比抵抗エピタキシャル層3を形成する。本実施形態では、P型半導体基板1上にP型高濃度埋込拡散層2を形成しているが、この構成に代えてP型低抵抗基板を用いてもよい。
【0070】
次に、このP型高比抵抗エピタキシャル層3上に、P型の不純物をデポジションまたはイオン注入した後、熱処理を行うことによって、P型高濃度拡散層2との界面まで達するP型高濃度分離拡散層4を形成する。
【0071】
続いて、図6(b)に示すように、P型高比抵抗エピタキシャル層3においてバイポーラトランジスタ素子領域となる領域上に、コレクタとなるN型埋込拡散層5を形成する。
【0072】
その後、図6(c)に示すように、P型高濃度分離拡散層4およびN型埋込拡散層5がそれぞれ形成されたP型高比抵抗エピタキシャル層3上の全面に、例えば厚み0.8μm〜3.0μm、比抵抗1Ωcm〜5Ωcm程度のN型エピタキシャル層6を形成する。ここで、N型エピタキシャル層6の代りに、P型エピタキシャル層を形成してもよい。また、これらエピタキシャル層を100Ωcm以上の高抵抗とすることによって、フォトダイオード容量を低くして応答速度の高速化を図ることができるため、望ましい。
【0073】
次に、バイポーラトランジスタ素子領域におけるN型埋込拡散層5上の所定の位置に、バイポーラN型ウェル拡散層9を形成し、さらに、N型エピタキシャル層6の表面からイオン注入することにより、P型埋込分離拡散層4まで達するP型分離拡散層7を形成する。
【0074】
続いて、フォトダイオード領域における所定の範囲およびバイポーラトランジスタ素子領域におけるN型埋込拡散層5上に、N型エピタキシャル層6の表面からイオン注入することにより、N型エピタキシャル層6の表面から0.3μmの深さにわたって、かつ、不純物のピーク濃度が8×1019[cm−3]程度となるように、N型不純物拡散層8をそれぞれ形成する。このように、フォトダイオード領域およびバイポーラトランジスタ素子領域のそれぞれのN型不純物拡散層8を同時に形成することができるので、工程数を削減することができる。
【0075】
このN型不純物拡散層8の製造工程においては、N型エピタキシャル層6の表面に酸化膜を形成し、その酸化膜を介してイオン注入する方法を用いることが望ましい。これは、目的とする深さのN型不純物拡散層8を形成しやすくなるからである。また、酸化膜中にイオン注入時のRp(不純物濃度ピーク)が形成されるように設定することにより、N型不純物拡散層8において、N型エピタキシャル層6の表面に近づくほど不純物濃度が高濃度になる不純物濃度プロファイルを形成することが容易となるからである。
【0076】
また、0.3μm以下の拡散を形成するために、N型不純物のイオン種としてヒ素を用いると、拡散層の深さを制御し易いため、望ましい。特に、回路内蔵型受光素子においては、回路形成時の熱処理により高温となるため、拡散係数が小さいヒ素を用いることが望ましい。
【0077】
その後、図6(d)に示すように、バイポーラトランジスタ素子領域においてバイポーラN型ウェル拡散層内にP−ベース拡散層10およびP+ベース拡散層11を形成し、さらに、P−ベース拡散層10内にN型エミッタ拡散層12を形成する。バイポーラトランジスタ素子領域の特性は、続いて行われる熱処理によって決定される。
【0078】
次に、図1に示すように、フォトダイオード領域の各層およびバイポーラトランジスタ素子領域の各層がそれぞれ形成されたN型エピタキシャル層6上の全面にわたって、表面保護絶縁膜13を形成し、続いて、この表面保護絶縁膜13の所定位置にそれぞれ開口部を形成する。そして、各開口部を充填するように配線(電極)金属層14をそれぞれ形成することによって、本実施形態の回路内蔵型受光素子が完成する。
【0079】
(実施形態2)
本実施形態2においては、図1に示す回路内蔵型受光素子において、フォトダイオード領域に、N型エピタキシャル層6の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下(例えば0.5μm)の深さにわたって、不純物のピーク濃度が1×1019[cm−3]よりも低濃度(例えば8×1018[cm−3]程度)となるように、N型不純物が拡散されてN型不純物拡散層8が形成されている。それ以外は、実施形態1の回路内蔵型受光素子と同様である。
【0080】
図4に示すように、N型不純物拡散層8の深さが0.5μmまたは1.2μmになると、N型不純物拡散層8が0.3μmである場合と比べて不純物濃度の濃度プロファイルが緩やかになって内蔵電界が弱くなるため、濃度1×1020[cm−3]でも量子効率が低下している。しかしながら、不純物ピーク濃度が1×1019[cm−3]よりも低濃度であれば、量子効率が低下しない。
【0081】
ここで、N型不純物拡散層8の深さを深くしすぎると、図2に示す不純物濃度プロファイルによる内蔵電界が弱まることになり、N型不純物拡散層8内で生成されて空乏層に移動する光キャリアの拡散速度が低下するため、受光素子の応答速度が低下する。例えば、波長405nmの光ディスク装置では、N型不純物拡散層8のN型エピタキシャル層6表面からの深さが1.2μmよりも深くなると、応答速度が不十分になるため、1.2μm以下の深さにすることが望ましい。
【0082】
図7は、図1のX’−Y’断面において、N型不純物拡散層8、N型エピタキシャル層6およびP型高比抵抗エピタキシャル層3に含まれる不純物濃度のプロファイルを模式的に示すグラフである。この図7において、縦軸はシリコン中の不純物濃度を示し、横軸はフォトダイオード表面(N型エピタキシャル層6表面)からの深さを示す。
【0083】
本実施形態2では、図7に示すように、N型不純物拡散層8の不純物ピーク濃度が8×1018[cm−3]で、かつ、N型エピタキシャル層6の表面から0.5μmの深さにわたって形成されているため、図4に示すように、量子効率が低下せず、感度の高い受光素子を得ることができる。さらに、N型不純物拡散層8の深さが実施形態1よりも深いため、受光素子の応答速度に影響するカソード抵抗をさらに低くして、応答速度を速くすることができる。
【0084】
なお、上記説明では、受光素子と回路素子とを同一の基板上に形成した回路内蔵型受光素子を例として説明しているが、回路素子を形成せずに受光素子のみを基板上に形成した構成についても同様である。また、上記説明では、第1導電型をP型、第2導電型をN型として、多P型基板1上のN型エピタキシャル層6にN型不純物拡散層8を形成した例について説明しているが、P型基板上のP型エピタキシャル層にN型不純物拡散層を形成する場合についても、本発明は適用可能である。また、第1導電型をN型、第2導電型をP型とした場合についても、本発明は適用可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.1μmを超え、かつ、0.3μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物拡散層を形成することによって抵抗を低くして高速応答を可能とすると共に、不純物拡散層の不純物濃度を1×1020[cm−3]より低い濃度とすることによって波長390nm以上420nm以下程度の短波長光に対しても、光キャリアのライフタイムを長くして受光感度を向上させることができる。また、不純物拡散層の不純物ピーク濃度を1×1017[cm−3]以上で、かつ、1×1020[cm−3]より低くすることによって、応答速度を低くすることなく、受光感度を向上させることができる。
【0086】
また、本発明によれば、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物拡散層を形成することによって抵抗を低くして高速応答を可能とすると共に、不純物拡散層の不純物濃度を1×1019[cm−3]より低い濃度とすることによって波長390nm以上420nm以下程度の短波長光に対しても、光キャリアのライフタイムを長くして受光感度を向上させることができる。また、不純物拡散層の不純物ピーク濃度を1×1017[cm−3]以上で、かつ、1×1020[cm−3]より低くすることによって、応答速度を低くすることなく、受光感度を向上させることができる。
【0087】
また、第二導電型の不純物拡散層内の不純物を、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面に近づくに従って濃度が高くなるように分布させることによって、表面側への内蔵電界を抑えて表面再結合を抑制し、受光素子の感度を向上させることができる。
【0088】
また、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面に酸化膜を形成し、不純物濃度ピーク位置がその酸化膜中に形成されるように、酸化膜を介してイオン注入法により第二導電型の不純物拡散層を形成することによって、エピタキシャル層の表面に近づくほど不純物濃度が高くなる濃度プロファイルを容易に形成することができる。
【0089】
第二導電型の不純物拡散層の不純物種としては、拡散係数が小さいヒ素を用いると、拡散層の深さを制御し易いため望ましい。特に、受光素子と回路素子とが同一の基板上に形成されている回路内蔵型受光素子では、回路形成時の熱処理により高温となるため、拡散係数が小さいヒ素を用いることが望ましい。
【0090】
また、第一導電型または第二導電型のエピタキシャル表面に酸化膜とSi膜とからなる反射防止膜を形成することによって、光の表面反射を防いで、さらに受光素子の感度を向上させることができる。
【0091】
また、第二導電型の不純物拡散層の基板側に100Ωcm以上の比抵抗を有する高比抵抗のエピタキシャル層を形成することによって、逆バイアス印加時に空乏層が高比抵抗層側に広げられるため、フォトダイオードの容量が低減されて高速応答が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である回路内蔵受光素子の概略構成を示す断面図である。
【図2】N型不純物拡散層内で発生した光キャリアの動作を説明するための不純物プロファイルを模式的に示すグラフである。
【図3】N型不純物拡散層内で発生した光キャリアの動作を説明するための不純物プロファイルを模式的に示すグラフである。
【図4】N型不純物拡散層の深さおよび不純物濃度を変化させた場合について、波長405nmにおける量子効率を示すグラフである。
【図5】実施形態1の回路内蔵型受光素子について、図1のX−Y断面において、N型不純物拡散層、N型エピタキシャル層およびP型高比抵抗エピタキシャル層に含まれる不純物濃度のプロファイルを模式的に示すグラフである。
【図6】(a)〜(d)は、それぞれ、実施形態1および実施形態2の回路内蔵型受光素子の製造工程を説明するための断面図である。
【図7】実施形態2の回路内蔵型受光素子について、図1のX−Y断面において、N型不純物拡散層、N型エピタキシャル層およびP型高比抵抗エピタキシャル層に含まれる不純物濃度のプロファイルを模式的に示すグラフである。
【図8】従来の受光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【図9】図8のX’−Y’断面において、受光部拡散層およびN−高比抵抗層に含まれる不純物濃度のプロファイルを模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
1 P型半導体基板
2 P型高濃度埋込拡散層
3 P型高比抵抗エピタキシャル層
4 P型埋込分離拡散層
5 N型埋込拡散層
6 N型エピタキシャル層
7 P型分離拡散層
8 N型拡散層
9 バイポーラN型ウェル拡散
10 P−ベース拡散層
11 P+ベース拡散層
12 N型エミッタ拡散層
13 表面保護絶縁膜
14 配線(電極)金属層
101 裏面酸化膜
102 N+不純物拡散層
103 N型高比抵抗半導体基板
104 N+不純物拡散領域(カソード拡散層)
105、105a、105b P+不純物拡散領域(受光部拡散層)
106 表面保護絶縁膜
107a アノード電極
107b カソード電極

Claims (16)

  1. 第一導電型の基板上に、第二導電型のエピタキシャル層が形成され、該第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、
    該第二導電型不純物拡散層の不純物濃度が1×1020[cm−3]より低いことを特徴とする受光素子。
  2. 第一導電型の基板上に、第一導電型のエピタキシャル層が形成され、該第一導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、
    該第二導電型不純物拡散層の不純物濃度が1×1020[cm−3]より低いことを特徴とする受光素子。
  3. 前記第二導電型不純物拡散層の不純物ピーク濃度が1×1017[cm−3]以上で、かつ、1×1020[cm−3]より低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受光素子。
  4. 前記第二導電型の不純物は、前記第一導電型または前記第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.1μmを超える深さにわたって拡散されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の受光素子。
  5. 第一導電型の基板上に、第二導電型のエピタキシャル層が形成され、該第二導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、
    該第二導電型不純物拡散層の不純物濃度が1×1019[cm−3]より低いことを特徴とする受光素子。
  6. 第一導電型の基板上に、第一導電型のエピタキシャル層が形成され、該第一導電型のエピタキシャル層の表面から0.3μmを超え、かつ、1.2μm以下の深さにわたって第二導電型の不純物が拡散された第二導電型不純物拡散層が形成されている受光素子であって、
    該第二導電型不純物拡散層の不純物濃度が1×1019[cm−3]より低いことを特徴とする受光素子。
  7. 前記第二導電型不純物拡散層の不純物ピーク濃度が1×1017[cm−3]以上で、かつ、1×1019[cm−3]より低いことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の受光素子。
  8. 前記第二導電型不純物拡散層内の第二導電型不純物は、前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面に近づくに従って濃度が高くなるように分布していることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の受光素子。
  9. 前記第二導電型の不純物種は、ヒ素であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の受光素子。
  10. 前記第一導電型はP型であり、前記第二導電型はN型であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の受光素子。
  11. 前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル表面に酸化膜とSi膜とからなる反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の受光素子。
  12. 前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層は、100Ωcm以上の比抵抗を有する高比抵抗層であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の受光素子。
  13. 前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層と基板との間に、100Ωcm以上の比抵抗を有する第一導電型の高比抵抗半導体層が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の受光素子。
  14. 波長390nm以上420nm以下の光を受けて光電変換することを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の受光素子。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれかに記載の受光素子を製造する方法であって、
    前記第一導電型の基板上に前記第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、
    該第一導電型または第二導電型のエピタキシャル層の表面に、酸化膜を介してイオン注入法により第二導電型の不純物を導入して、前記第二導電型不純物拡散層を形成する工程とを含む受光素子の製造方法。
  16. 請求項1〜請求項14のいずれかに記載の受光素子と、回路素子とが同一の基板上に形成されていることを特徴とする回路内蔵型受光素子。
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