JP2004082541A - 複合樹脂化粧シートおよびその製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】化粧面を半硬質樹脂化粧シートとする複合樹脂化粧シート及びその製品において、少なくとも周縁部分の結合個所(縫い目箇所)での耐久性を向上させる。
【解決手段】半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2の裏面に接着剤3を介して軟質塩化樹脂フィルム4を積層状に裏打ち接合した複合樹脂化粧シート1を用い、該複合樹脂化粧シートを用いて製作した製品の縫い目或いは高周波溶着個所(結合線5)からの割れや切れを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2の裏面に接着剤3を介して軟質塩化樹脂フィルム4を積層状に裏打ち接合した複合樹脂化粧シート1を用い、該複合樹脂化粧シートを用いて製作した製品の縫い目或いは高周波溶着個所(結合線5)からの割れや切れを防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半硬質樹脂化粧シートを用いた複合樹脂化粧シート、および、該複合樹脂化粧シートの少なくとも周縁部を、ミシン掛けなどによる縫製、または連続線状又は断続線状に高周波溶着によって結合してなる袋物や小物入れなどの製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、ブックカバー、名刺入れ、クッション等の縫製や高周波溶着によって、所要の形状に成形する製品には、オレフィン系樹脂の透明シート、半透明シートや単色の着色シートが用いられ、印刷模様を形成する場合には軟質塩化ビニル樹脂シートが用いられていた。この軟質塩化ビニル樹脂シートは、多色グラビア印刷による精密な木目模様等を行なった場合、シートの伸びが大きいため印刷が困難であり、単純な印刷模様を形成していた。
そこで、適度の可撓性、手触り及び印刷模様等の形成の容易性の点から、半硬質樹脂化粧シートとして、半硬質塩化ビニル樹脂シート又は非晶質ポリエステル系樹脂シートが用いられた化粧シートを上記のブックカバー等に加工することが考えられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような半硬質樹脂化粧シートを用い、その少なくとも周縁部を、逢着又は高周波溶着によって結合した場合、僅かな負荷で、その逢着又は溶着箇所が折れて亀裂が生じ、割れや切れが発生し易いという難点があり、製品としての耐久性に欠けるという問題がある。半硬質樹脂化粧シートは、物性的に脆い特性があるが、逢着した場合には、糸孔に沿って亀裂が生じ易く、高周波溶着した場合には、溶着線部分が薄くなり亀裂が生じ易い。
【0004】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、上記製品の素材に用いられる半硬質樹脂化粧シートの、少なくとも周縁部分の結合個所での耐久性を向上できる複合樹脂化粧シートを提供すること、また、その結果、上記半硬質樹脂化粧シートを用いた製品の品質向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、本発明の実施の形態を示す図面を参照して説明する。
すなわち、本発明に係る複合樹脂化粧シート1(101)は、軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の少なくとも片面に、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2が接着剤3を介して積層状に一体に接合されたことを特徴としている。
【0006】
また、本発明に係る製品は、上述した複合樹脂化粧シート1(101)を用い、上記複合樹脂化粧シートどうし又は上記複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、少なくともその周縁部において、縫着により結合して、小物入れや袋物などの、所要の形状に形成したことを特徴としている。
【0007】
さらに、本発明に係る製品は、上述した複合樹脂化粧シート1(101)を用い、上記複合樹脂化粧シートどうし又は上記複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、少なくともその周縁部において、連続線状又は断続線状に高周波溶着することにより結合して、小物入れや袋物などの、所要の形状に形成したことを特徴としている。
【0008】
このような、少なくとも片面が化粧面となる複合樹脂化粧シート1(101)は、適当に裁断され、複合樹脂化粧シートどうし又は複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、その少なくとも周縁部に沿った複数枚の重なり部分で、逢着や高周波溶着などの結合方法により、図3で示すようなブックカバーBや、図5に示すような名刺入れCなどの縫製品(溶着製品)に仕上げられる。
【0009】
この場合、軟質塩化ビニル樹脂フィルムとの接合で、単体では周縁部の逢着又は溶着による結合線5に沿って亀裂を生じやすい半硬質樹脂化粧シートを使用しているにも拘わらず、複合樹脂化粧シートとしては、その縫い目又は高周波溶着線の個所(結合線5)からの割れや切れが生じにくく、出来上がった縫製品の耐久性を向上できる。即ち、印刷などの表面処理に有利で手触りなどの良好な半硬質化粧樹脂シートを採用する種々の製品に対して、その汎用性を拡大できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。
【0011】
図1に示す、第1の実施の形態に係る複合樹脂化粧シート1は、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2の裏面に接着剤3を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を積層状に一体に裏打ち接合した、3層構造である。
【0012】
この3層構造の複合樹脂化粧シート1では、これにより製作する製品の表面側に半硬質樹脂化粧シート2による化粧面が表れ、その裏面側が接着剤3層を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルム4により一体に裏打ちされて覆われている。半硬質樹脂化粧シート2は、木目、石模様、幾何学模様などの印刷模様又は無地でエンボスによる凹凸加工、又は上記のような印刷模様とエンボスによる凹凸加工の双方が施されている。軟質塩化ビニル樹脂フィルム4は、一般的には、透明又は単一色とされる。
【0013】
図2に示す、第2の実施の形態に係る複合樹脂化粧シート101は、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2の裏面に接着剤3を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を積層状に一体に接合し、この軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の外表面に半硬質樹脂化粧シート2を接着剤3を介して積層状に接合した、5層構造である。
この実施の形態では、中層部の軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の表裏両面に、夫々、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2が接着剤3を介して積層状に接合されている。
【0014】
この5層構造の複合樹脂化粧シート101では、これにより製作する製品の表裏両面に半硬質樹脂化粧シート2、2が表れ、その中間部に軟質塩化ビニル樹脂フィルム4が接着剤3層を介して一体に設けられている。
【0015】
上記の接着剤3は、感圧接着剤、硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤から選ばれた接着剤であることを特徴としている。
【0016】
本発明に係る複合樹脂化粧シート1(101)は、上記半硬質樹脂化粧シート2として、裏面にアクリル系感圧接着剤3が予め塗布された半硬質塩化ビニル系樹脂化粧シートを用い、その裏面に軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を接着した構造とすることが品質上及び制作上有効である。
【0017】
さらに、本発明に係る複合樹脂化粧シート1(101)は、上記半硬質樹脂化粧シート2として、非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートを用い、その裏面に、2液硬質型ウレタン系接着剤3により軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を接着した構造とすることが品質上及び制作上有効である。
【0018】
また、上記半硬質樹脂化粧シート2は、その実施の形態として、樹脂100部に対して可塑剤10部〜25部の組成からなる塩化ビニル系樹脂又は非晶質ポリエステル系樹脂を用いる。
【0019】
また、上記軟質塩化ビニル樹脂フィルム4は、樹脂100部に対して可塑剤30部〜70部の組成からなる塩化ビニル系樹脂フィルムを用いている。軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の厚さは、略0.03〜略0.3mmとすることが適当である。上記の厚さを0.03mm以下とすると強度的に弱く補強強度の点で問題であり、0.3mm以上とすると逢着又は溶着作業が困難となる。
【0020】
図3及び図4は、上記3層構造になる複合樹脂化粧シート1を用いて製作した製品(ブックカバーB)を示す。
この製品Bでは、裁断された2枚の複合樹脂化粧シート1が、結合線5で、逢着又は高周波溶着されている。
【0021】
図5は、上記5層構造になる複合樹脂化粧シート101を用いて製作した製品(名刺入れC)を示す。図中6は、スリットである。
この製品Cでは、上記製品Bに比較しやや硬くなるが、表裏両面が化粧面とされている。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明に係る複合樹脂化粧シートの実施例を上げる。
1.裏面にアクリル系感圧接着剤が塗布された半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート(オーク柄印刷、シーアイ化成(本出願人)製[(商標名)ベルビアンWA−380])の接着剤面に、厚さ0.1mmの軟質塩化ビニル樹脂フィルムを接合して複合樹脂化粧シートを得た。
2.裏面にアクリル系感圧接着剤が塗布された半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート(ウオルナット柄印刷、シーアイ化成(本出願人)製[(商標名)ベルビアンWA−358])の接着剤面に、厚さ0.1mmの軟質塩化ビニル樹脂フィルムを接合し、該軟質塩化ビニル樹脂フィルム面に部分的にオレンジ色の単色半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート(シーアイ化成(本出願人)製[(商標名)ベルビアンPR−262])を接合して複合樹脂化粧シートを得た。
3.大理石模様を印刷した非晶質ポリエステル系樹脂シート(シーアイ化成(本出願人)製)と厚さ0.075mmの軟質塩化ビニル樹脂フィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤で接合して複合樹脂化粧シートを得た。
【0023】
上記の各実施例は、全て糸による結合(逢着)、高周波溶着による結合(溶着)を行い、結合線からの割れや切れが生じることがなく、耐久性が得られた。比較例として、半硬質樹脂化粧シートを2枚接合したもの(軟質塩化ビニル樹脂フィルムを使用しないもの)は、耐久性がなく縫い目から亀裂が発生した。
【0024】
【発明の効果】
このようにして、本発明によれば、半硬質樹脂化粧シートの裏面に接着剤を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルムを一体に裏打ち接合することで複合樹脂化粧シートを構成しているので、化粧面を半硬質樹脂化粧シートとする縫製品(高周波溶着製品)において、その結合線(縫い目或いは連続又は断続状の溶着線)からの割れや切れが生じることがなく、半硬質樹脂化粧シート単体の場合に比較して、耐久性が向上し、使用範囲が拡大するという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す全体の模式的斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す全体の模式的斜視図である。
【図3】本発明に係る複合樹脂化粧シートを用いて製作したブックカバーの斜視図である。
【図4】第3図のイ−イ線の断面図である。
【図5】本発明に係る複合樹脂化粧シートを用いて製作した名刺入れの斜視図である。
【符号の説明】
1、101 複合樹脂化粧シート
2 半硬質樹脂化粧シート
3 接着剤
4 軟質塩化ビニル樹脂フィルム
5 結合線
6 スリット
B ブックカバー
C 名刺入れ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半硬質樹脂化粧シートを用いた複合樹脂化粧シート、および、該複合樹脂化粧シートの少なくとも周縁部を、ミシン掛けなどによる縫製、または連続線状又は断続線状に高周波溶着によって結合してなる袋物や小物入れなどの製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、ブックカバー、名刺入れ、クッション等の縫製や高周波溶着によって、所要の形状に成形する製品には、オレフィン系樹脂の透明シート、半透明シートや単色の着色シートが用いられ、印刷模様を形成する場合には軟質塩化ビニル樹脂シートが用いられていた。この軟質塩化ビニル樹脂シートは、多色グラビア印刷による精密な木目模様等を行なった場合、シートの伸びが大きいため印刷が困難であり、単純な印刷模様を形成していた。
そこで、適度の可撓性、手触り及び印刷模様等の形成の容易性の点から、半硬質樹脂化粧シートとして、半硬質塩化ビニル樹脂シート又は非晶質ポリエステル系樹脂シートが用いられた化粧シートを上記のブックカバー等に加工することが考えられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような半硬質樹脂化粧シートを用い、その少なくとも周縁部を、逢着又は高周波溶着によって結合した場合、僅かな負荷で、その逢着又は溶着箇所が折れて亀裂が生じ、割れや切れが発生し易いという難点があり、製品としての耐久性に欠けるという問題がある。半硬質樹脂化粧シートは、物性的に脆い特性があるが、逢着した場合には、糸孔に沿って亀裂が生じ易く、高周波溶着した場合には、溶着線部分が薄くなり亀裂が生じ易い。
【0004】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、上記製品の素材に用いられる半硬質樹脂化粧シートの、少なくとも周縁部分の結合個所での耐久性を向上できる複合樹脂化粧シートを提供すること、また、その結果、上記半硬質樹脂化粧シートを用いた製品の品質向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、本発明の実施の形態を示す図面を参照して説明する。
すなわち、本発明に係る複合樹脂化粧シート1(101)は、軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の少なくとも片面に、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2が接着剤3を介して積層状に一体に接合されたことを特徴としている。
【0006】
また、本発明に係る製品は、上述した複合樹脂化粧シート1(101)を用い、上記複合樹脂化粧シートどうし又は上記複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、少なくともその周縁部において、縫着により結合して、小物入れや袋物などの、所要の形状に形成したことを特徴としている。
【0007】
さらに、本発明に係る製品は、上述した複合樹脂化粧シート1(101)を用い、上記複合樹脂化粧シートどうし又は上記複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、少なくともその周縁部において、連続線状又は断続線状に高周波溶着することにより結合して、小物入れや袋物などの、所要の形状に形成したことを特徴としている。
【0008】
このような、少なくとも片面が化粧面となる複合樹脂化粧シート1(101)は、適当に裁断され、複合樹脂化粧シートどうし又は複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、その少なくとも周縁部に沿った複数枚の重なり部分で、逢着や高周波溶着などの結合方法により、図3で示すようなブックカバーBや、図5に示すような名刺入れCなどの縫製品(溶着製品)に仕上げられる。
【0009】
この場合、軟質塩化ビニル樹脂フィルムとの接合で、単体では周縁部の逢着又は溶着による結合線5に沿って亀裂を生じやすい半硬質樹脂化粧シートを使用しているにも拘わらず、複合樹脂化粧シートとしては、その縫い目又は高周波溶着線の個所(結合線5)からの割れや切れが生じにくく、出来上がった縫製品の耐久性を向上できる。即ち、印刷などの表面処理に有利で手触りなどの良好な半硬質化粧樹脂シートを採用する種々の製品に対して、その汎用性を拡大できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。
【0011】
図1に示す、第1の実施の形態に係る複合樹脂化粧シート1は、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2の裏面に接着剤3を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を積層状に一体に裏打ち接合した、3層構造である。
【0012】
この3層構造の複合樹脂化粧シート1では、これにより製作する製品の表面側に半硬質樹脂化粧シート2による化粧面が表れ、その裏面側が接着剤3層を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルム4により一体に裏打ちされて覆われている。半硬質樹脂化粧シート2は、木目、石模様、幾何学模様などの印刷模様又は無地でエンボスによる凹凸加工、又は上記のような印刷模様とエンボスによる凹凸加工の双方が施されている。軟質塩化ビニル樹脂フィルム4は、一般的には、透明又は単一色とされる。
【0013】
図2に示す、第2の実施の形態に係る複合樹脂化粧シート101は、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2の裏面に接着剤3を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を積層状に一体に接合し、この軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の外表面に半硬質樹脂化粧シート2を接着剤3を介して積層状に接合した、5層構造である。
この実施の形態では、中層部の軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の表裏両面に、夫々、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シート2が接着剤3を介して積層状に接合されている。
【0014】
この5層構造の複合樹脂化粧シート101では、これにより製作する製品の表裏両面に半硬質樹脂化粧シート2、2が表れ、その中間部に軟質塩化ビニル樹脂フィルム4が接着剤3層を介して一体に設けられている。
【0015】
上記の接着剤3は、感圧接着剤、硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤から選ばれた接着剤であることを特徴としている。
【0016】
本発明に係る複合樹脂化粧シート1(101)は、上記半硬質樹脂化粧シート2として、裏面にアクリル系感圧接着剤3が予め塗布された半硬質塩化ビニル系樹脂化粧シートを用い、その裏面に軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を接着した構造とすることが品質上及び制作上有効である。
【0017】
さらに、本発明に係る複合樹脂化粧シート1(101)は、上記半硬質樹脂化粧シート2として、非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートを用い、その裏面に、2液硬質型ウレタン系接着剤3により軟質塩化ビニル樹脂フィルム4を接着した構造とすることが品質上及び制作上有効である。
【0018】
また、上記半硬質樹脂化粧シート2は、その実施の形態として、樹脂100部に対して可塑剤10部〜25部の組成からなる塩化ビニル系樹脂又は非晶質ポリエステル系樹脂を用いる。
【0019】
また、上記軟質塩化ビニル樹脂フィルム4は、樹脂100部に対して可塑剤30部〜70部の組成からなる塩化ビニル系樹脂フィルムを用いている。軟質塩化ビニル樹脂フィルム4の厚さは、略0.03〜略0.3mmとすることが適当である。上記の厚さを0.03mm以下とすると強度的に弱く補強強度の点で問題であり、0.3mm以上とすると逢着又は溶着作業が困難となる。
【0020】
図3及び図4は、上記3層構造になる複合樹脂化粧シート1を用いて製作した製品(ブックカバーB)を示す。
この製品Bでは、裁断された2枚の複合樹脂化粧シート1が、結合線5で、逢着又は高周波溶着されている。
【0021】
図5は、上記5層構造になる複合樹脂化粧シート101を用いて製作した製品(名刺入れC)を示す。図中6は、スリットである。
この製品Cでは、上記製品Bに比較しやや硬くなるが、表裏両面が化粧面とされている。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明に係る複合樹脂化粧シートの実施例を上げる。
1.裏面にアクリル系感圧接着剤が塗布された半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート(オーク柄印刷、シーアイ化成(本出願人)製[(商標名)ベルビアンWA−380])の接着剤面に、厚さ0.1mmの軟質塩化ビニル樹脂フィルムを接合して複合樹脂化粧シートを得た。
2.裏面にアクリル系感圧接着剤が塗布された半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート(ウオルナット柄印刷、シーアイ化成(本出願人)製[(商標名)ベルビアンWA−358])の接着剤面に、厚さ0.1mmの軟質塩化ビニル樹脂フィルムを接合し、該軟質塩化ビニル樹脂フィルム面に部分的にオレンジ色の単色半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート(シーアイ化成(本出願人)製[(商標名)ベルビアンPR−262])を接合して複合樹脂化粧シートを得た。
3.大理石模様を印刷した非晶質ポリエステル系樹脂シート(シーアイ化成(本出願人)製)と厚さ0.075mmの軟質塩化ビニル樹脂フィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤で接合して複合樹脂化粧シートを得た。
【0023】
上記の各実施例は、全て糸による結合(逢着)、高周波溶着による結合(溶着)を行い、結合線からの割れや切れが生じることがなく、耐久性が得られた。比較例として、半硬質樹脂化粧シートを2枚接合したもの(軟質塩化ビニル樹脂フィルムを使用しないもの)は、耐久性がなく縫い目から亀裂が発生した。
【0024】
【発明の効果】
このようにして、本発明によれば、半硬質樹脂化粧シートの裏面に接着剤を介して軟質塩化ビニル樹脂フィルムを一体に裏打ち接合することで複合樹脂化粧シートを構成しているので、化粧面を半硬質樹脂化粧シートとする縫製品(高周波溶着製品)において、その結合線(縫い目或いは連続又は断続状の溶着線)からの割れや切れが生じることがなく、半硬質樹脂化粧シート単体の場合に比較して、耐久性が向上し、使用範囲が拡大するという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す全体の模式的斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す全体の模式的斜視図である。
【図3】本発明に係る複合樹脂化粧シートを用いて製作したブックカバーの斜視図である。
【図4】第3図のイ−イ線の断面図である。
【図5】本発明に係る複合樹脂化粧シートを用いて製作した名刺入れの斜視図である。
【符号の説明】
1、101 複合樹脂化粧シート
2 半硬質樹脂化粧シート
3 接着剤
4 軟質塩化ビニル樹脂フィルム
5 結合線
6 スリット
B ブックカバー
C 名刺入れ
Claims (6)
- 軟質塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも片面に、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シート又は非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートからなる半硬質樹脂化粧シートが接着剤を介して積層状に接合されていることを特徴とする複合樹脂化粧シート。
- 前記接着剤は、感圧接着剤、硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤から選ばれた接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の複合樹脂化粧シート。
- 前記半硬質樹脂化粧シートは、半硬質塩化ビニル樹脂化粧シートであり、前記接着剤は、アクリル系感圧接着剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合樹脂化粧シート。
- 前記半硬質樹脂化粧シートは、非晶質ポリエステル系樹脂化粧シートであり、前記接着剤は、2液硬質型ウレタン系接着剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合樹脂化粧シート。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合樹脂化粧シートを用い、前記複合樹脂化粧シートどうし又は前記複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、少なくともその周縁部において、縫着により結合して所要の形状に形成したことを特徴とする複合樹脂化粧シートを用いた製品。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合樹脂化粧シートを用い、前記複合樹脂化粧シートどうし又は前記複合樹脂化粧シートと他種のシート部材とを、少なくともその周縁部において、連続又は断続状に高周波溶着することにより結合して所要の形状に形成したことを特徴とする複合樹脂化粧シートを用いた製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247279A JP2004082541A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 複合樹脂化粧シートおよびその製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247279A JP2004082541A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 複合樹脂化粧シートおよびその製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004082541A true JP2004082541A (ja) | 2004-03-18 |
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ID=32054971
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002247279A Pending JP2004082541A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 複合樹脂化粧シートおよびその製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004082541A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012240339A (ja) * | 2011-05-20 | 2012-12-10 | Kawashima Selkon Textiles Co Ltd | 化粧シート及び化粧パネル |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247279A patent/JP2004082541A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012240339A (ja) * | 2011-05-20 | 2012-12-10 | Kawashima Selkon Textiles Co Ltd | 化粧シート及び化粧パネル |
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