JP2004080234A - 可変遅延回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直列接続された複数の差動増幅器50a〜50nよりなる第1遅延回路5およびセレクタ7間に出力遮断回路又は出力遮断機能を有する第2遅延回路6を挿入し、制御信号Sで選択した第1遅延回路5内の差動増幅器以外の差動増幅器の出力を全て「L」レベルに固定する。この作用により、セレクタ7内で制御信号Sにより選択されなかった差動対がオフ状態となり、NMOSを介した差動対のコモンソースの容量と、電流源の容量が出力端子に接続されるのを阻止する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可変遅延回路に関し、特に入力信号を遅延させた遅延時間の異なる複数の遅延信号から、制御信号によって1つの信号を選択し所望の時間だけ遅延した信号を得る可変遅延回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々のデジタル又はアナログ電子回路において、複数の信号の位相を調整するために可変遅延回路が使用される。図4は、従来の可変遅延回路の一例を示すブロック図である。図5は、図4に示す可変遅延回路を構成する遅延回路5の差動増幅器50a〜50n(以下、各差動増幅器の参照符号を50という)の具体例の回路図である。また、図6は、図4に示す可変遅延回路を構成するセレクタ7の具体例の回路図である。
【0003】
可変遅延回路は、遅延回路5およびセレクタ7により構成される。遅延回路5は、直列又は縦続接続(即ち、前段の出力を、後段の入力に順次接続)された複数(n個)段の差動増幅器50a〜50nにより構成される。これら複数段の差動増幅器50は、それぞれ一定の遅延時間を有し、任意段の出力をセレクタ7により選択して出力することにより、遅延時間を各差動増幅器の遅延時間の整数倍でステップ状に可変する。
【0004】
次に、図5を参照して、図4に示す従来の可変遅延回路を構成する遅延回路5の各差動増幅器50について説明する。各差動増幅器50は、ソースが共通接続された1対のNMOSトランジスタ52および53よりなる差動対51を構成する。これらトランジスタ52、53のドレインは、それぞれ負荷抵抗55,56を介して電源VDDに接続される。一方、これらトランジスタ52、53の共通ソースは、電流源54を介して接地(GND)に接続されている。トランジスタ52のゲートおよびドレインが、それぞれ正相(非反転)入力端子および逆相(反転)出力端子となる。一方、トランジスタ53のゲートおよびドレインが、それぞれ逆相入力端子および正相出力端子となる。
【0005】
上述の如く、図4に示す従来の可変遅延回路における遅延回路5は、それぞれ遅延時間の等しいn(2以上の整数又は複数)個の差動増幅器50a〜50nを直列(縦続)接続して構成している。即ち、差動増幅器50a〜50nの接続は、1段目の差動増幅器50aの正相出力を2段目の差動増幅器50bの正相入力に接続し、1段目の差動増幅器50aの逆相出力を2段目の差動増幅器50bの逆相入力に接続する構成である。2段目以降n段目の差動増幅器50b〜50nも、上述と同様に直列(縦続)に接続される。遅延回路5は、このように複数の差動増幅器50a〜50nを直列接続する構成により、正相入力端子の信号(IN)と逆相入力端子の信号(INB)から、差動増幅器50の1段の遅延時間のステップで遅延時間が異なる複数の信号を差動増幅器50の段数(n)に応じて作り出し、セレクタ7に出力している。
【0006】
次に、図6を参照して、図4に示す従来の可変遅延回路を構成する他の構成要素であるセレクタ7の具体例の回路図を説明する。このセレクタ7は、図4に示す縦続接続された差動増幅器50の個数と同じn個のNMOSトランジスタ71−72より構成される差動対70a〜70nを含んでいる。これら各差動対70のソースは、相互接続されると共に、それぞれ別のトランジスタ73のドレインに接続される。そして、これら複数の差動対70a〜70nのトランジスタ73のソースは、電流源74に共通接続され、接地(GND)に接続される。一方、差動対70a〜70nのトランジスタ71のドレインは、共通接続され、負荷抵抗75を介して電源VDDに接続されている。同様に、差動対70a〜70nのトランジスタ71のドレインは、共通接続され、負荷抵抗76を介して電源VDDに接続されている。換言すると、複数の差動対70a〜70nおよびそれらの共通ソースに接続されたトランジスタ73は、電流源74および負荷抵抗75−76間に並列接続されている。
【0007】
ここで、差動対70a〜70nのトランジスタ71および72のゲートには、それぞれ図4に示す遅延回路5を構成する差動増幅器50a〜50nの正相出力および逆相出力が接続される。また、差動対70a〜70nのトランジスタ71のドレインは、全て正相出力(OUT)に接続され、トランジスタ72のドレインは、逆相出力(OUTB)に接続される。更に、差動対70a〜70nのトランジスタ73のゲートには、制御信号Sa〜Snが入力され、オン・オフ制御される。即ち、差動対70a〜70nは、それぞれ対応するトランジスタ73のゲートに制御信号が印加されることにより能動状態にされる。
【0008】
即ち、上述の如き構成のセレクタ7は、トランジスタ73a〜73nのゲートに入力される制御信号Sa〜Snにより、遅延回路5を構成する差動増幅器50a〜50nの差動増幅器出力から1つのみを選択して出力することが可能である。例えば、制御信号Sbが「H」レベルで他の制御信号が全て「L」レベルであるとき、トランジスタ73bのみがオンとなり、トランジスタ73a〜73nのうち他の全てのトランジスタはオフとなる。従って、電流源74の電流は、全て差動対70bのみに流れ、この差動対70bのみが動作状態となり、他の差動対は全てオフ状態、即ち差動対としての動作をしない状態となる。このように、セレクタ7は、制御信号Sa〜Snの信号により、遅延回路5の差動増幅器50a〜50n出力の中から、唯一の差動増幅器(例えば50b)のみを選択して出力することを可能としている。
【0009】
要するに、従来の可変遅延回路において、先ず、遅延回路5は、正相入力端子1の信号(IN)および逆相入力端子2の信号(INB)から、差動増幅器50の1段の遅延時間のステップで異なる遅延時間の複数の信号を差動増幅器の段数に相当するn個作り出し、次段のセレクタ7に出力する。そして、次段のセレクタ7が制御信号Sa〜Snに応じて遅延回路5の複数の出力の中から、1つの出力のみを選択出力することにより、所望の遅延時間を得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の可変遅延回路は、次の如き課題を有する。先ず、従来技術においてセレクタ7の出力端子3、4での容量性負荷が大きく且つ容量性負荷のバランスが異なる状態が起こる。その結果、高速動作の阻止および差動出力波形に歪みを生じさせることである。その理由は、セレクタ7では、制御信号Sa〜Snにより選択されたトランジスタ73a〜73nのうち、唯一の動作状態となる差動対(例えば、作動対70b)以外の差動対にも常に遅延回路5からの信号が供給されているため、オフ状態である差動対でもトランジスタ71、72のゲート電圧が「H」レベルである側のトランジスタ71又は72がオンした状態となっている。即ち、遅延回路5からの信号によりオフ状態の差動対のトランジスタNMOSがオンすることで、トランジスタのチャネルを介して差動対自身のコモンソースの容量と、コモンソースと電流源74間に接続したトランジスタ73a〜73nのドレイン容量が出力端子に接続されることになる。
【0011】
また、セレクタ7の各差動対70の入力は、遅延回路5からの位相の異なる信号が入力されているため、オフ状態である差動対のトランジスタがオンするタイミングも全て異なる状態となり、差動出力端子3、4に付加される容量性負荷の大きさが異なる状態が起こり得る。このように、従来の可変遅延回路では、その動作時に余計な容量性負荷がセレクタ7の出力端子3、4に付加されるにより、特にGHz級の高速動作の実現を阻止することになる。また、出力端子3、4での容量正負荷のバランスが異なる状態が起こることにより、差動出力波形を歪ませることになり、結果的にGHz級の高速動作を阻止することになる。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、一層高速・高周波動作、特にGHz級の高速動作に適した可変遅延回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明の可変遅延回路は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0014】
(1)直列接続されたn(複数)段の差動増幅器を含む遅延回路と、該遅延回路の前記n段の差動増幅器のうち選択された差動増幅器段の出力を選択して出力するセレクタとを有する可変遅延回路において、
前記遅延回路の前記差動増幅器および前記セレクタ間に挿入された出力遮断回路を備える可変遅延回路。
【0015】
(2)前記出力遮断回路は、前記遅延回路の前記n段の差動増幅器の各段の出力および前記セレクタ間に接続される上記(1)に記載の可変遅延回路。
【0016】
(3)前記出力遮断回路は、前記遅延回路の前記n段の差動増幅器のうち選択された差動増幅器段の出力および前記セレクタ間に接続される上記(1)に記載の可変遅延回路。
【0017】
(4)前記出力遮断回路は、前記遅延回路の差動増幅器の出力信号が入力される第1差動対および該第1差動対と並列接続された第2差動対により構成される上記(1)、(2)又は(3)に記載の可変遅延回路。
【0018】
(5)前記第1差動対および前記第2差動対は、相補的に動作する上記(4)に記載の可変遅延回路。
【0019】
(6)前記第1差動対および前記第2差動対は、それぞれ電流源に接続され、前記第2差動対の前記電流源は、前記第1差動対の前記電流源の約2倍の大きさに選定される上記(4)又は(5)に記載の可変遅延回路。
【0020】
(7)入力信号を順次増幅するよう直列接続されたn(複数)段の差動増幅器を含む第1遅延回路と、該第1遅延回路の前記差動増幅器の出力に接続された複数の差動増幅器を含む第2遅延回路と、該第2遅延回路の前記差動増幅器の出力を選択して出力するセレクタとを備える可変遅延回路。
【0021】
(8)前記第2遅延回路の前記差動増幅器は、それぞれ相補的に動作する並列接続された1対の差動対を含むこと上記(7)に記載の可変遅延回路。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による可変遅延回路の好適実施形態の構成および動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
先ず、図1は、本発明による可変遅延回路の好適実施形態の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1中の出力遮断回路(又は第2遅延回路)の具体例の回路図である。また、図3は、図1に示す本発明の可変遅延回路の動作を説明するタイミングチャートである。尚、説明の便宜上、上述した従来の可変遅延回路の構成要素に対応する構成要素には、同様の参照符号を使用することとする。
【0024】
本発明による可変遅延回路10は、図1に示す如く、遅延回路(以下、第1遅延回路という)5、出力遮断(又は隔離)回路又は出力遮断機能付き遅延回路(以下、第2遅延回路という)6およびセレクタ7により構成される。図4に示す従来の可変遅延回路と比較すると明らかな如く、本発明の可変遅延回路10は、第1遅延回路5およびセレクタ7間に第2遅延回路6を挿入することを特徴とする。
【0025】
図1に示す可変遅延回路10において、第1遅延回路5は、直列接続されたn(複数)段の差動増幅器50a〜50nにより構成され、初段の差動増幅器50aには入力端子1、2から、それぞれ正相入力信号(IN)および逆相入力信号(INB)が入力される。この遅延回路5の各差動増幅器50は、例えば図5に示す如き差動増幅器とすることができる。即ち、ソースが共通電流源54を介して接地(GND)に接続され、ドレインが、それぞれ負荷抵抗55、56を介して電源VDDに接続された1対のNMOSトランジスタ52、53を含む差動対51により構成される。
【0026】
次に、可変遅延回路10を構成する第2遅延回路6について説明する。図1に示す好適実施形態では、この第2遅延回路6は、第1遅延回路5を構成する縦続接続された差動増幅器50a〜50nと同じ個数(n)の差動増幅器60a〜60nにより構成される。これら各差動増幅器60の具体例は、図2の回路図に示す。各差動増幅器60は、それぞれソースが共通接続された1対のNMOSトランジスタ62−63により構成される1対の差動対61Aおよび61Bを含んでいる。
【0027】
差動対61Aのトランジスタ62−63のソースは、別のトランジスタ64および電流源65を介して接地(GND)に接続される。また、トランジスタ62−63のドレインは、それぞれ負荷抵抗68、69を介して電源VDDに接続される。他方、差動対61Bのトランジスタ62−63のソースは、電流源66を介して接地に接続される。また、トランジスタ62−63のドレインは、それぞれ上述した負荷抵抗68、69を介して電源VDDに接続される。トランジスタ64のゲートとトランジスタ62−63のゲート間には、インバータ(位相反転器)67が接続されている。
【0028】
トランジスタ64のゲートに制御信号Sが入力される。従って、差動対61Bのトランジスタ62−63のゲートには、インバータ67により反転された制御信号が共通入力される。差動対61Aのトランジスタ62−63のゲートには、それぞれ正相入力信号(IN)および逆相入力信号(INB)が入力される。従って、トランジスタ62および63のドレインから、それぞれ逆相出力(OUTB)および正相出力(OUT)が得られる。尚、電流源66の電流値は、電流源65電流値の約2倍になるように設定する。
【0029】
尚、図1に示す可変遅延回路10では、第1遅延回路5の差動増幅器50aの出力を第2遅延回路6の差動増幅器60aの入力とし、以下同様に、差動増幅器50b〜50nに対応して、それぞれ第2遅延回路6の差動増幅器60b〜60nを設ける構成としている。しかしながら、第2遅延回路6の差動増幅器60の数は、所望する遅延時間の分解能等により、必ずしも第1遅延回路5の差動増幅器50と同数設ける必要はない。場合により、第1遅延回路5を構成する差動増幅器50の2段毎又は3段毎に第2遅延回路6の差動増幅器60を配置することも可能である。
【0030】
次に、図2に示す第2遅延回路6の差動増幅器60の出力遮断機能について説明する。トランジスタ64のゲートおよびインバータ67に入力される制御信号Sが「H」レベルとなると、トランジスタ64がオンするため、電流源65の電流が差動対61Aに流れて通常の動作状態となる。同時に、差動対61Bのトランジスタ62−63のゲート電圧は「L」レベルになり、差動対61Bがオフ状態となる。逆に、制御信号Sが「L」レベルになると、トランジスタ64がオフするため、差動対61Aはオフ状態となる。同時に、差動対61Bのトランジスタ62−63のゲート電圧は「H」レベルになり、差動対61Bはオン状態となる。このとき、電流源66の電流は、トランジスタ62−63を介して負荷抵抗68、69に半分ずつ流れることになる。従って、出力信号(OUT)、および(OUTB)の電圧は、両方ともに通常動作時の「L」レベルに固定され、入力端子IN、INBに信号が入力されても信号が出力されることはない。即ち、インバータ67の使用により、差動対61Aおよび61Bは、相補的に動作する。
【0031】
第2遅延回路6を上述の如く構成をすることにより、第1遅延回路5を構成する差動増幅回路50からの遅延時間の異なる信号を、制御信号Sにより1つだけ選択し、セレクタ7へ送出する。同時に、選択された1つの差動増幅器以外の差動増幅器の出力を「L」レベルに固定していることに注目されたい。
【0032】
次に、図3のタイミングチャートを参照して、図1に示す本発明による可変遅延回路10動作を説明する。図3において、(a)は、第1遅延回路5の入力端子1−2間に入力される入力信号である。(b)は、第1遅延回路5を構成する初段の差動増幅器50aの出力信号である。(c)、(d)および(e)は、それぞれ第1遅延回路5を構成する差動増幅器50b、50cおよび50nの出力信号である。図から明らかな如く、差動増幅器50の遅延時間をtd1とすると、図3(b)〜(e)に示す信号は、図3(a)の入力信号に対して、それぞれtd1、td1×2、td1×3およびtd1×nだけ遅延している。
【0033】
更に、図3(f)は、1例として制御信号Scであり、この特定例では、「H」レベルである。図3(g)は、Sc以外の制御信号であり、「L」レベルである。図3(h)は、第2遅延回路6の差動増幅器60cの出力信号である。図3(i)は、第2遅延回路6の差動増幅器60c以外の差動増幅器の出力信号である。また、図3(j)は、セレクタ7の出力端子3、4に出力される出力信号である。
【0034】
即ち、図3は、(f)に示す制御信号Scが「H」レベルとなり、それ以外の制御信号は、(g)に示す如く全て「L」レベルとなった場合(換言すると、第1遅延回路5の第3段目の作動増幅器50cの出力が選択された場合)の動作図である。説明の簡単のために、先ずこの状態を説明する。図3の(a)のxinは、可変遅延回路10の入力端子1―2の差電圧、即ち入力信号を示す。ず3(b)のxa1は、第1遅延回路5の差動増幅器50aの出力、(c)〜(e)のxa2〜nは、同様に第1遅延回路5の各差動増幅器50b〜50nの出力である。また、(h)のxb3は、第2遅延回路6の3段目の差動増幅器60cの出力信号、(i)は、第2遅延回路6の差動増幅器60c以外の出力を示す。更に、(j)のxoutは、セレクタ7の出力であり、即ち本発明の可変遅延回路10の最終的に得られる出力信号である。
【0035】
第1遅延回路5を構成する差動増幅器50の1段当たりの遅延時間をtd1で示している。差動増幅器50a〜50nの遅延時間は全て等しいため、図3中のxa1は、xinをtd1だけ遅延した信号となる。同様に、xa2はtd1×2の遅延時間、xa3はtd1×3の遅延時間を有する信号となる。制御信号Scのみが「H」レベルであり、それ以外は「L」レベルであるため、第2遅延回路6の差動増幅器60cのみが動作状態となり、それ以外の差動増幅器は自身の出力遮断機能によりオフ状態となる。従って、差動増幅器60cの出力xb3では、上述した第1遅延回路5の差動増幅器50cの出力が、自身の遅延時間td2だけ遅延した信号、即ちtd1×3+td2の遅延時間が得られる。また、差動増幅器60c以外の差動増幅器には出力遮断機能により、全て「L」レベルに固定されるため、信号が出力されない。
【0036】
上述の如く、セレクタ7は、図6に示す如き構成である。図6によれば、制御信号Scが「H」レベルで、それ以外は「L」レベルであることから、差動対70c(図示せず)のみが動作状態となり、それ以外の差動対は全てオフ状態となる。従って、差動対70cに入力された第2遅延回路6の差動対60cの出力信号xb3を、自身の遅延時間td3だけ遅延して出力することになる。この結果、可変遅延回路10の出力信号xoutで得られる信号の遅延時間は、td1×3+td2+td3となる。td2は第2遅延回路6の差動増幅器60の遅延時間であり、全ての差動増幅器が同じ遅延を有している。同様に、td3は、セレクタ7の遅延時間であり、制御信号Sによりどの差動対が選択されても変わる値ではない。従って、制御信号Sの状態によりtd2、td3は変化することなく、変化するのはtd1の倍数のみとなる。td1の倍数は制御信号Sにより信号がどのパスを通るかにより決定できる。
【0037】
上述した動作により、従来技術に内在していた問題点である、セレクタ7の出力端子3―4での容量性負荷が大きく且つ容量性負荷のバランスが違う状態が起ることによる高速動作の阻止差動出力波形に歪みの発生を解消することが可能となる。その理由は、第2遅延回路6の出力遮断機能により、セレクタ7の制御信号Sa〜Snにより選択された唯一の動作状態となる差動対以外の差動対に信号が入力されていないからである。具体的には、動作状態である差動対以外の差動対の入力が、全て「L」レベルとなるため、トランジスタが常にオフしており、NMOSのチャネルを介して差動対自身のコモンソースの容量と、コモンソースと電流源65間に接続したトランジスタ64のドレイン容量が出力端子に接続されることがないからである。このように、本発明の可変遅延回路10は、動作時に余計な容量性負荷がセレクタ7の出力端子3―4に付加されることがなく、GHz級の高速動作の実現に最適な可変遅延回路を提供可能にする。
【0038】
図3を参照して制御信号Scが「H」レベルの場合の動作説明を行ったが、他の制御信号Sが「H」レベルになった場合の動作も全く同様である。相違点は、信号が第1遅延回路5の差動対の何段目の出力から選択されて最終的な信号出力になるかということだけである。第1遅延回路5の差動対を通る段数が多ければ遅延時間が長くなり、逆に少なければ遅延時間が短くなるのは容易に理解できよう。以上の説明の如く、本発明の可変遅延回路10は、制御信号により、出力信号の遅延時間が、第1遅延回路5を構成する差動増幅器50の1段分の遅延時間の分解能で可変する可変遅延回路として動作する。
【0039】
以上、本発明による可変遅延回路の好適実施形態の構成および動作を詳述した。しかし、斯かる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本発明の可変遅延回路によると、次の如き実用上の顕著な効果が得られる。即ち、GHz級の高速動作に対しても出力波形を劣化させることなく、回路の高速化に最適である。その理由は、第2遅延回路6の出力遮断機能により、セレクタ7の制御信号Sa〜Snにより選択された差動対60a〜60nのうち、唯一動作状態となる差動対以外の差動対に信号が入力されていないからである。具体的には、動作状態である差動対以外の差動対の入力が、全て「L」レベルとなるため、NMOSトランジスタが常にオフしており、NMOSのチャネルを介して差動対自身のコモンソースの容量と、コモンソースおよび電流源65間に接続したNMOSトランジスタ64のドレイン容量が出力端子に接続されることがないからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可変遅延回路の好適実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の第2遅延回路又は出力遮断回路の具体例の回路図である。
【図3】図1に示す可変遅延回路の動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】従来の可変遅延回路の構成を示すブロック図である。
【図5】図4中の遅延回路を構成する差動増幅器の具体例の回路図である。
【図6】図4中のセレクタの具体例の回路図である。
【符号の説明】
1 正相入力端子
2 逆送入力端子
3 正相出力端子
4 逆相出力端子
5 第1遅延回路
6 第2遅延回路(出力遮断回路)
7 セレクタ
10 可変遅延回路
50a〜50n、60a〜60n、70a〜70n 差動増幅器
61A、61B 差動対
62、63、64 トランジスタ
65、66 電流源
67 インバータ
68、69 負荷抵抗
Sa〜Sn 制御信号
Claims (8)
- 直列接続されたn(複数)段の差動増幅器を含む遅延回路と、該遅延回路の前記n段の差動増幅器のうち選択された差動増幅器段の出力を選択して出力するセレクタとを有する可変遅延回路において、
前記遅延回路の前記差動増幅器および前記セレクタ間に挿入された出力遮断回路を備えることを特徴とする可変遅延回路。 - 前記出力遮断回路は、前記遅延回路の前記n段の差動増幅器の各段の出力および前記セレクタ間に接続されることを特徴とする請求項1に記載の可変遅延回路。
- 前記出力遮断回路は、前記遅延回路の前記n段の差動増幅器のうち選択された差動増幅器段の出力および前記セレクタ間に接続されることを特徴とする請求項1に記載の可変遅延回路。
- 前記出力遮断回路は、前記遅延回路の差動増幅器の出力信号が入力される第1差動対および該第1差動対と並列接続された第2差動対により構成されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の可変遅延回路。
- 前記第1差動対および前記第2差動対は、相補的に動作することを特徴とする請求項4に記載の可変遅延回路。
- 前記第1差動対および前記第2差動対は、それぞれ電流源に接続され、前記第2差動対の前記電流源は、前記第1差動対の前記電流源の約2倍の大きさに選定されることを特徴とする請求項4又は5に記載の可変遅延回路。
- 入力信号を順次増幅するよう直列接続されたn(複数)段の差動増幅器を含む第1遅延回路と、該第1遅延回路の前記差動増幅器の出力に接続された複数の差動増幅器を含む第2遅延回路と、該第2遅延回路の前記差動増幅器の出力を選択して出力するセレクタとを備えることを特徴とする可変遅延回路。
- 前記第2遅延回路の前記差動増幅器は、それぞれ相補的に動作する並列接続された1対の差動対を含むことを特徴とする請求項7に記載の可変遅延回路。
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WO2013132691A1 (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | 株式会社日立製作所 | レーザーダイオード駆動装置および駆動方法、並びにそれを用いた光伝送システム |
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