JP2004079078A - 光記録媒体及びその情報記録方法、記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用する場合にも、記録データに悪影響を与えずにランドとグルーブの双方から検出可能なアドレス情報を有する光記録媒体とその記録方法および記録再生装置を提供する。
【解決手段】光記録媒体は、ディスクの内周から外周にわたって同心円状またはらせん状に形成されているグルーブを有するとともに、グルーブ間あるいはグルーブ上にプリピットが形成されている光記録媒体であって、内部に単一または複数のプリピットを形成出来る領域として割り当てられるプリピット形成領域が、トラックに沿って記録チャネルビット長の36倍以下の固定長をもち、少なくとも記録チャネルビット長の300倍以上離れて配置されている。また、その媒体に対して、前記プリピット形成領域上では、記録トラック上の前記プリピットを長マークあるいは長スペースで覆うように、記録チャネルビット長の10倍以上の長さをもつ長マークあるいは長スペースを含むパターンを記録する記録方法を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】光記録媒体は、ディスクの内周から外周にわたって同心円状またはらせん状に形成されているグルーブを有するとともに、グルーブ間あるいはグルーブ上にプリピットが形成されている光記録媒体であって、内部に単一または複数のプリピットを形成出来る領域として割り当てられるプリピット形成領域が、トラックに沿って記録チャネルビット長の36倍以下の固定長をもち、少なくとも記録チャネルビット長の300倍以上離れて配置されている。また、その媒体に対して、前記プリピット形成領域上では、記録トラック上の前記プリピットを長マークあるいは長スペースで覆うように、記録チャネルビット長の10倍以上の長さをもつ長マークあるいは長スペースを含むパターンを記録する記録方法を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同心円状またはらせん状に形成されているグルーブを有し、グルーブ間あるいはグルーブ上、もしくはその双方にプリピットが形成されている光記録媒体に関するものであり、高密度で記録することが可能な光記録媒体とその記録方法および記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録可能な光ディスクの例として、DVD−R(Digital Versatile Disc − Recordable)や DVD−RW(Digital Versatile Disc − Rewritable)が公知である。これらの記録ディスクには、記録トラックが所定の周波数(140kHz)で微少に蛇行(ウォブル)して刻まれている。ランド上にはプリピットが設けられており、プリピットから検出した信号を復号することによって、ディスク上の位置を判別することができる。DVD−RおよびDVD−RWのディスク上に設けられたプリピットとウォブルの配置を図15に示す。記録トラックとして利用するグルーブは、ディスクを一定の線速度で回転させた場合に一定の周波数でウォブルするように刻まれている。このため、互いに隣接する記録トラックのウォブル位相は揃っていない。グルーブ上の記録トラックは、8ウォブルを1フレームとしてデータ記録に利用する。以降の説明のため、偶数番目のフレームにはF0,奇数番目のフレームにはF1と記号をつけて示した。フレーム境界は点線で示してある。ランド上にはプリピット15が形成されている。プリピットは、通常グルーブ上のフレームF0の外周側に隣接するランド上に、ウォブル1周期に付き1つ以下のピットとして形成される。ただし、フレームF0の内周に形成したプリピットと重なる場合はフレームF0の代わりにフレームF1の外周に隣接するランド上に形成される。いずれの場合も、プリピットはフレームの先頭3ウォブル中の、記録トラックのウォブル位相が一定の位相となる位置に形成される。
【0003】
記録再生に用いるフォーマットを図16に示した。1フレームは2バイトの同期パターン(SY)と91バイトのデータで構成される。1バイトは16チャネルビットからなるため、1ウォブルが186チャネルビットの周期をもつことになる。プリピットは最短で186チャネルビット周期で現れることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用すると、隣接トラック上のデータによる符号間干渉による影響を抑えて、高い記録密度を実現できることが知られている。また、同一のトラック密度をもつディスクが、グルーブのみを記録トラックとして利用する場合に比べて溝の周期を倍にして作成できることから、大容量のディスクを実現するためには有効な方法である。
【0005】
ディスクのランドとグルーブとをともに利用するためには、ランドとグルーブの双方から認識できる物理アドレス情報を、記録トラックのデータ再生に悪影響を与えないように形成する必要がある。しかし、上記のDVD−R,DVD−RWのディスクでランドとグルーブの双方を記録トラックに使用した場合、ランド上に記録されたデータは、同様にランド上に記録されているプリピットからの強い干渉を受けることになり、正しいデータ再生が困難になるという問題があった。
【0006】
また、DVD−R,DVD−RWのように、グルーブのウォブル周波数がディスク全面にわたって一定となるように溝を形成したディスクでは、ランドの両側に隣接するグルーブの位相は徐々にずれていくことになる。このため、ランド上のトラックでは正しい周波数を判別できない。
【0007】
ランド上で正しいウォブル周波数判別ができないという問題に対しては、特開2001−250239に示されたようなウォブル配置を用いることでも回避できる。特開2001−250239では、グルーブ上に設けた記録トラック同士で、ウォブル位相のずれが干渉を引き起こすのを避けるためのウォブル配置として、図17のような例を示している。図17は、光記録媒体上に設けられたゾーン内の一部を拡大して示したものである。ここで、ゾーンは図18に示すように、光記録媒体3の上に同心円状に配置され、最内周のゾーン1から最外周のゾーンNまでのN(Nは整数)の区間に分割して形成されている。図17に示されているように、分割した各々のゾーン内で、隣接するトラック間のウォブル位相を一定に保つようにすると、隣接するグルーブのウォブル位相がそろい、記録トラック間のウォブルによる干渉が防止できる。
【0008】
グルーブ位相をこのように形成することは、ランドとグルーブとをともに記録トラックとして利用しようとした場合にも有効で、ランドの幅が一定に保たれることによって、ランド上でもグルーブ上と同様に正しくウォブル周波数を検出できるようになる。しかし、隣接トラックでウォブル位相をそろえた場合にも、プリピットと記録トラック上のデータとの干渉による第一の問題は回避できない。DVD−RやDVD−RWと同様の記録フォーマットを利用した場合には、プリピットの一部がデータ領域に入ってしまうことから、プリピットからの干渉によってデータの読み誤りが頻繁に発生してしまうことになる。
【0009】
一方、CD−R,CD−RWのようにウォブルを周波数変調させるような方法によって、トラックにアドレス情報を与える方法もある。この場合、物理アドレス情報がプリピットを利用せずにディスク上に記録されていることから、物理アドレス情報からの干渉による再生信号品質劣化は少なくなる。しかし、ランドとグルーブの双方から誤りなくアドレス情報を検出できるようにウォブルに変調を施すことは困難で、ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用することはできない。
【0010】
本発明の目的は、ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用する場合にも、記録データに悪影響を与えずにランドとグルーブの双方から検出可能なアドレス情報を有する光記録媒体とその記録方法および記録再生装置を提供することにある。
【0011】
なお、本発明ではランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用する場合のプリピット配置に対しても言及している。これは、ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用している光記録媒体と、ランドあるいはグルーブの一方を記録トラックとして利用している媒体とに同一の形態でアドレス情報が記録され、同一の記録方法を利用できるようにすることで、記録装置のアドレス認識やフォーマット管理にかかわる回路を共通化して、両媒体の高い互換性をとることを目的としている。このために、ランドのみあるいはグルーブのみを利用するような光記録媒体においても、ランドとグルーブの双方を利用する光記録媒体のプリピット配置に準ずるようなアドレス情報の配置が必要とされる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の光記録媒体は、ディスクの内周から外周にわたって同心円状またはらせん状に形成されているグルーブを有するとともに、グルーブ間あるいはグルーブ上にプリピットが形成されている光記録媒体であって、
内部に単一または複数のプリピットを形成出来る領域として割り当てられるプリピット形成領域が、トラックに沿って記録チャネルビット長の36倍以下の固定長をもち、少なくとも記録チャネルビット長の300倍以上離れて配置されていることを特徴とする。
【0013】
また、その媒体に対して、前記プリピット形成領域上では、記録トラック上の前記プリピットを長マークあるいは長スペースで覆うように、記録チャネルビット長の10倍以上の長さをもつ長マークあるいは長スペースを含むパターンを記録することを特徴とする記録方法を用いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の上記および他の目的、特徴および利点を明確にすべく、添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
【0015】
図1には本発明の第1の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置を示す。ディスクの内周から外周にわたって連続的に、スパイラル状に形成されたグルーブは、半径方向にほぼ一定の周波数でウォブルして形成されている。同一ゾーン内では、互いに隣接するグルーブのウォブルは同相に保たれている。図1は、このように形成したディスク上の、同一ゾーン内の一部を拡大して示したものである。同一ゾーン内では、グルーブGに挟まれるランドLも一定のトラック幅を有するように形成されることになる。このため、グルーブとランドとをともに記録トラックとして利用した場合にも、双方で良好なウォブル波形を検出できるとともに、記録トラック幅の変動に伴う再生波形の振幅変動も発生しにくいという利点を有する。
【0016】
グルーブ上には、トラックに沿ってフレームがF1,F2,F3,F4の順に周期的に配置される。各々のゾーンでは、トラック1周あたりのフレーム数が4K+1(Kは整数)となるように定められる。フレームF1,F2,F3,F4はそれぞれウォブル周期の整数倍の長さをもち、半径方向に整列して配置されることになる。斜線を付して示したプリピット形成領域2は、グルーブG上のフレームF1の先頭に、フレーム境界からトラックに沿ってチャネルビット長Tの12倍後ろから始まり、チャネルビット長Tの12倍の長さで、グルーブ上とその両隣のランドを含む3記録トラックにまたがる幅で設けられる。プリピット1は、プリピット形成領域の内部に設けられ、グルーブの両壁がともに外周側に記録トラックの概ね半分だけずれた形として形成される。このようなプリピットは、ディスク原版の露光時に、グルーブ露光用ビームに加えて、概ね半トラック外周にずれた位置に照射するプリピット形成用の露光ビームを用いて、プリピット形成位置においてグルーブ露光用ビームの照射光量を低下させるとともに、プリピット形成用ビームをその外周側に照射することによって形成できる。プリピットを記録トラックに沿ってチャネルビット長の4倍の長さで形成した場合、プリピット形成領域内を3分割した内のプリピットが存在する位置によって、異なるパターンを形成できる。トラックに沿って配置された複数のプリピット形成領域内に存在するプリピットの形成パターンによって、物理アドレスを含む情報が表現される。
【0017】
ランドでは、外周側に隣接するグルーブに準じて番号付けしたフレーム番号が与えられる。このようにフレームを配置することによって、グルーブのフレームF1の内周側にはランドのフレームF1が、外周側にはランドのフレームF2が隣接することになる。プリピット形成領域は、グルーブ上では常にフレームF1の先頭付近に、ランド上では常にフレームF1とフレームF2の先頭付近に位置することになる。トラック方向に沿ったプリピット形成領域の間隔は、最短でランドのフレームF1上にあるプリピット形成領域からランドのフレームF2上にあるプリピット形成領域までの間隔となるから、概ね、フレーム長に一致する間隔が確保されることになる。
【0018】
ディスク上にデータを記録する場合は、記録トラック上のプリピット形成領域上が長マークあるいは長スペースで覆われるように、各々のフレーム中に長マークや長スペースを含む同期パターンを有する記録フォーマットを用いる。このため、プリピット形成領域の長さは、記録フォーマットの効率に大きく影響する。プリピット形成領域は、その内部に数個程度以下のプリピットを形成するのに十分な最低限の長さとする必要がある。また、プリピット形成領域の周期についても同様に、プリピット形成領域上に長マークあるいは長スペースを含む同期パターンを形成した場合にもデータ領域の効率低下を招かないようにするため、同期パターンの長さに対して十分に広くとらなければならない。また、プリピット形成領域上では、光ヘッドの集光ビーム位置制御に用いるサーボ回路用の信号が正しく得られない。プリピット形成領域を必要以上に長くした場合には位置制御に乱れが生じて記録再生性能に悪影響を及ぼすことになる。この点からも、プリピット形成領域の長さを十分短くし、その間隔を十分に広く取っておく必要がある。
【0019】
少なくとも、プリピット形成領域の長さを(1,7)ランレングス制限符号の3バイト長にあたる36チャネルビット以下とし、その間隔をプリピット形成領域の10倍程度の長さにあたる300チャネルビット以上あけて配置すれば、プリピットの存在によってフォーマット効率が犠牲になることを防ぐとともに、プリピットによるサーボ回路用の信号への悪影響が発生することも防いで、高密度記録に適した光ディスクが実現できる。
【0020】
プリピット形成領域の長さを、36チャネルビットより長く確保すると、長マークあるいは長スペースをその上に安定に形成するために4バイト長以上の同期パターンを利用する必要が生じ、同期パターンの付加によるフォーマット効率低下が問題になる。プリピット形成領域の長さは3バイト長に相当する36チャネルビットを超えないように定めるのが妥当である。また、プリピット形成領域同士を、プリピット形成領域の長さの10倍程度にあたる300チャネルビット以上の間隔をあけて配置すれば、サーボ回路用の信号が乱れる領域を全体の10%程度以下に抑えることもできる。サーボ特性の劣化を防止して、光ヘッドの集光ビーム位置制御の精度を確保するためにも、プリピット形成領域の間隔を300チャネルビット以上にとることが望ましい。
【0021】
図2には、ゾーン境界の一部を拡大して示した。各々のゾーン内においてウォブルの位相を揃え、フレームを整列して配置していることによって、同一ゾーン内ではフレーム境界が半径方向に揃って配置される。これに対して、ゾーン境界ではウォブルの位相やフレーム境界がずれて配置される。図2ではランド上にゾーン境界が存在し、その前後でウォブル周期がステップ状に切り替えられることによって、ウォブルの位相やフレーム境界がずれる例を示してある。このようなゾーン境界の前後では、ウォブル周期が切り替わることによって、正確なチャネルクロック識別が困難となる。また、ゾーンの境界上では内周側と外周側とのプリピット形成領域が不規則に現れ、プリピットからのクロストークを避けて記録することが難しい。このため、ゾーン境界付近の数トラックは、データの記録再生に用いない領域とするのが望ましい。
【0022】
図3には第1の実施形態に係る光記録媒体のウォブルおよびプリピットから得られる波形の例を示した。グルーブ上の記録トラックでは、フレームF1の先頭のみにプリピットが現れる。プリピットからの再生波形は、ウォブルに重畳したパルスとして得られる。ウォブル周期をチャネルビット長の24倍とすると、プリピットの検出タイミングとウォブル位相との関係から物理アドレスを含む情報を復調できる。プリピット形成領域の中を3分割した4Tの長さの区間それぞれにおいて、プリピットの有無を1と0で表したとき、101、100、010、001の4種類のパターンを使用すると、4フレームあたり1ビットの情報に加えて符号の境界を示すことができる。例えば、符号の先頭ではそれぞれデータ”0”,データ”1”に対して100,101を割り当て、先頭以外ではデータ”0”,データ”1”に対して010および001を割り当てることによって実現できる。
【0023】
ランド上では、フレームF1の先頭で外周側に隣接しているグルーブとの境界が変形していることによって、プリピットの検出パルスが得られるのに加えて、フレームF2の先頭でも内周側に隣接しているグルーブとの境界が変形していることによって、プリピットが検出される。プリピットはフレームF3およびF4には現れない。フレーム周期と、先行しているフレームでプリピットが検出されないことを利用して、ランド上でも常にフレームF1のプリピットのみを選択して検出することができる。この場合、ランド上でプリピットから得られる物理アドレス情報は、外周側に隣接するグルーブの物理アドレス情報と同一となる。ランドとグルーブの物理アドレスは、トラッキングの極性によって区別する。
【0024】
図4にはプリピットに与える物理アドレスを含む情報の記録フォーマット例を示した。プリピット情報は4フレームにつき1ビットずつ与えられるため、208フレーム分をまとめて得られる52ビットによって符号を構成する。符号には物理アドレスとして24ビット、付加情報として8ビットを与え、プリピットの検出誤りを訂正するために、これらを4ビット毎に分割して得られるシンボルに対して5シンボル(20ビット)のECCパリティを付加する。ECCパリティの付加によって、2シンボルまでのプリピット検出誤りを訂正でき、3シンボルの検出誤りを検出できる。
【0025】
次に本発明の第1の実施形態に係る光記録媒体を用いた記録再生の方法について説明する。
図5には第1の実施形態に係る光記録媒体を用いて記録再生を行う場合の、記録再生装置の構成例を示した。光ヘッド4は図示しないサーボ回路によって位置制御され、光記録媒体3の上に設けられた記録トラック上に光ビームを集光し、記録トラック上から、トラックに沿った方向に2分割した図示しないディテクタからの差信号として、ウォブル波形にプリピットによるパルス波形が重畳した図3に示したような波形を出力する。また、これとともに、前記2分割したディテクタからの和信号として、記録トラック上に形成された記録ピットによる明暗変化が出力される。パルス波形が重畳したウォブル波形からは、プリピット検出回路5内部に設けられた2値化回路によって、プリピットが存在するタイミングが検出され、プリピット検出パルスとして出力される。また、ウォブル検出回路6では同じくパルス波形が重畳したウォブル波形を入力として、ウォブルに同期した2値化信号が出力される。
【0026】
プリピット復号回路7では、プリピット検出回路によって得られたプリピット検出パルスのタイミングやパルス数と、ウォブル検出回路から得られたウォブルの2値化信号とのタイミングをもとに、プリピットに与えられた物理アドレスを含む情報を復号して出力する。
光記録媒体へのデータ記録は、次のように行われる。まず、図示しない上位システムによってデータバッファ13に記録すべきデータが蓄積される。次に、記録再生制御回路に対して図示しない上位システムから記録対象の論理アドレスが指定される。記録再生制御回路では、指定された論理アドレスを元に記録すべきデータの符号化を行うとともに、エラー訂正符号化を行う。また、記録再生制御回路では、論理アドレスを元に記録対象の物理アドレスを算出し、タイミング制御回路11に出力する。タイミング制御回路では、プリピット検出回路から入力されるプリピット検出パルスのタイミングとウォブル検出回路6から入力されるウォブルの2値化信号を元に、光記録媒体3の回転速度に同期した記録クロックを合成するとともに、プリピット復号回路7から出力される物理アドレス情報によって記録対象の物理アドレスの先頭位置を検出する。記録再生制御回路から与えられた記録対象の物理アドレスが現れると、タイミング制御回路からフォーマット制御回路10に記録クロックとともに記録ゲート信号が出力される。フォーマット制御回路では、記録再生制御回路から引き取ったデータに同期パターンを付加し符号化変調を施して、記録クロックに同期してLD駆動回路9に記録制御パルスを出力することで、光ヘッド4によって光記録媒体3に記録ピットを形成する。
【0027】
タイミング制御回路では、記録クロック周波数によって定まる長マークあるいは長スペースに相当するパターンの出力タイミングと、ウォブル位相やプリピット検出パルスのタイミングとの位相差を検出し、位相同期ループを用いた周波数制御を続けることによって、常にプリピット上に長マークあるいは長スペースが形成されるように記録を続けることができる。
【0028】
データ再生は、光ヘッド4によって光記録媒体から読み出された明暗変化の信号を元に、データ判定回路で2値のデータ判定を行い、フォーマット制御回路で同期抽出およびデータ復号することで行われる。図示しない上位システムによって、記録再生制御回路に指定された再生対象の論理アドレスをもとに、記録再生制御回路では物理アドレスを算出してタイミング制御回路に出力する。フォーマット制御回路では、プリピット復号回路から得られる物理アドレスと2値データからの同期抽出結果をもとに、再生データの開始タイミングをフォーマット制御回路に指示する。フォーマット制御回路では、指定されたタイミングのデータを切り出して記録再生制御回路に出力する。記録再生制御回路では、入力されたデータに誤り訂正を施してデータバッファに再生したデータを蓄積し、図示しない上位システムに読み取り完了を通知する。
【0029】
次に、記録再生に用いる物理フォーマットについて、より詳細に説明する。
フォーマット制御回路では、記録時に図6に示すようなフォーマットで同期パターンを付加する。1フレームは3バイトの同期パターンSYと、記録再生制御回路で付加されたエラー訂正用のパリティを含むデータ91バイトで構成される。フォーマット制御回路で実施する符号化変調に図7に示す符号化率2/3の(1,7)ランレングス制限符号によるNRZI記録を用いた場合、1バイトは12チャネルビット、1フレームは1128チャネルビットとなり、ウォブル周期24チャネルビットの整数倍で構成されることになる。フォーマット制御回路内部に含まれる図示しない(1,7)変調回路は、S0とS1の2つの状態をもつ。初期状態はS0で、内部状態と入力データおよび後続状態によって、出力される変調符号と次の状態が定まる。図7の符号化表において、Xは“0”と“1”のどちらでも良いことを示す。また、Rは変調符号の直前のビットを反転したものを用いることを意味する。特に現在の状態がS0で入力データが10の場合は、後に同期パターン(SY)が続く場合にも変調符号R00を出力して次の内部状態をS1にする。
【0030】
同期パターンSYには、例えば図8に示した各々36チャネルビット長のパターンが利用できる。同期パターンも前記(1,7)変調回路の内部状態に依存してパターンを選択し、同期パターン出力後は、次の内部状態を常にS0に変更する。図8の表中において、Rは直前の変調符号のビットを反転したものを用いることを意味する。また、Yは記録再生信号の直流成分を制御するために、任意に選択可能であることを意味する。図8の表では、同期パターンは状態S0およびS1に対してそれぞれ2種類ずつ用意されている。NRZI記録した場合、2種類のうちの一方は同期パターンの中央部に24チャネルビット長のマークが含まれ、もう一方は24チャネルビット長のスペースが含まれるパターンとなる。2種類のうちのどちらを選択するかは、入力データによらずに選択できる。
【0031】
本発明の第1の実施形態に係る光記録媒体を用いた場合、プリピット形成領域は、フレーム境界の12チャネルビット後ろから始まり、12チャネルビットの長さをもつ。したがって、図8に示した同期パターンのうち、常に24チャネルビット長のスペースを含むパターンを選択し、同期パターンの先頭がフレーム境界から始まるように記録すると、プリピット形成領域は常に24チャネルビット長のスペース内部に含まれるようにすることができる。マークを形成することによって反射率が低下する媒体を使用した場合にも、プリピットが常に長いスペースの内部に保護されることによって、記録済みディスクでのプリピット検出率低下を避けることができる。また、DVD−RおよびDVD−RWフォーマットでは、プリピットが同期パターン以外の場所にも存在し、プリピットによる再生波形の乱れがデータ再生時のエラー発生原因となっていたのに対して、本実施例の光記録媒体および記録装置を用いると、プリピットは常に同期パターン中の長スペース内部にのみ存在するため、データ再生への悪影響はきわめて少なくなる。
【0032】
プリピット形成領域はフレームF1,F2上にのみ存在するから、フレームF1およびF2では長スペースを含む同期パターンを選択し、フレームF3およびF4では長マークを含む同期パターンを選択してもよい。このように長マークと長スペースとを混在させることによって、例えば多層の記録膜を有する媒体でも反射率や透過率の変化による隣接記録膜からのクロストークを低減できる。
【0033】
以上の実施例においては、変調に(1,7)ランレングス制限符号を用い、フレームを3バイトの同期パターンと91バイトのデータで構成する例を示したが、変調符号やフレームの構成はこれに限定されるものではなく、システムの要求に応じて選択することができる。例えば、DVD−RやDVD−RWに用いられているのと同様の8/16変調を利用して、同期パターンを14チャネルビット長のマークあるいはスペースを含む2バイトのパターンにすることもできる。また、ウォブル周期も同一ゾーン内で隣接するトラックのウォブル位相が同相となるという制限を除いては任意に選択できる。本実施例では、フレーム長がウォブル周期の整数倍となる例を示したが、例えば4フレームがウォブルの整数倍で構成されていても、F1フレームでのウォブル位相とプリピットとの相対位置は保たれるため、プリピットの復号に支障は発生しない。
【0034】
図9には、本発明の第2の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置の例を示す。ここでは、グルーブ側壁の形状を変形することによってプリピットを形成する別の例として、グルーブの外周側の側壁のみを変形する例を示した。このようなプリピットは、ディスク原版の露光時に、グルーブ露光用ビームに加えて、概ね半トラック外周にずれた位置に照射するプリピット形成用の露光ビームを用いて、プリピット形成位置においてのみグルーブ露光用ビームの照射とともに、プリピット形成用ビームを照射することによって形成できる。このように外周側の側壁のみを変形させてプリピットを形成した場合、プリピット形成領域は変形している側壁を挟むランドとグルーブに存在する。グルーブ上のフレームF2やランド上のフレームF4は側壁の変形による影響を受けていないから、プリピット形成領域を持たない。図9のようにプリピットを形成した光記録媒体にも、図6で示したフォーマットでデータを記録することができる。
【0035】
このようにプリピットを形成した場合は、図1のようにグルーブの両壁を変形した場合に比べて、グルーブで得られるプリピットからの再生波形は小さくなるが、プリピット形成領域がランドとグルーブそれぞれ1トラックの幅で形成できるため、フォーマットの自由度はより高くなる。
図9にはプリピット形成領域を4フレームの周期で設けた例を示したが、トラック1周あたりのフレーム数がプリピット形成領域の周期の倍数ではないような関係で選択されていれば、プリピット形成領域同士が互いに隣接して干渉することはない。例えば、トラック1周あたりのフレーム数を3K+1(Kは整数)とし、プリピット形成領域を3フレーム毎に設けた場合にも、プリピット形成領域同士が隣り合わないように配置できる。あるいは、トラック1周あたりのフレーム数を5K+2(Kは整数)となるように定め、5フレーム周期でF1,F2,F3,F4,F5のように番号付けしたフレームのうちのF1とF2上にのみプリピット形成領域を設けることもできる。この場合も、プリピット形成領域同士が隣接しないように配置される。これによって、プリピット形成領域上に記録した長スペースや長マークが光ヘッドの記録再生ビーム上に集中することが避けられ、多層の記録膜を有する媒体でも層間クロストークが発生しにくいという効果が得られる。
【0036】
図10には、本発明の第3の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置の例を示す。ここでは、グルーブの断続によってプリピットを形成する例を示した。このようにプリピットをグルーブの断続によって形成する場合、グルーブ形成用の露光ビームのみでディスク原版の露光ができるが、ランド上の記録トラックとグルーブ上の記録トラックとでは、異なるプリピットの検出方法を使わなければならない。図11に、光ヘッドの2分割ディテクタから得られる和信号と差信号の波形例を示した。グルーブ上のトラックでは、グルーブの断続があるフレームF1の先頭でプリピットによるパルス波形が和信号に重畳する。一方、差信号にはウォブル波形が現れるが、プリピットによるパルス波形は重畳しない。記録媒体上にマークが形成されている場合は、斜線で示したように和信号にマークによる明暗変化が現れる。ただし、プリピット形成領域上に常に長スペースを含む同期パターンを記録する場合、プリピット形成領域はマークによる反射光量低下の影響を受けない。プリピット検出回路に光ヘッドから出力される和信号を入力し、反射光量によって2値化するだけで、容易にプリピット検出パルスを得ることができる。ランド上のトラックでは、プリピットによるパルス波形は差信号に重畳して現れる。フレームF1とフレームF2とではパルスの極性が逆になるが、プリピット検出回路において、スライスレベルを正しく設定することによって、フレームF1でのみパルス出力を得ることができる。
【0037】
図12には、本発明の第4の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置の例を示す。プリピットはランド上に設けたプリピット形成領域にエンボスピットとして形成される。図13には光ヘッドの2分割ディテクタから得られる和信号と差信号の波形例を示した。この場合も、第3の実施例による光記録媒体からの再生波形と同様に、ランド上の記録トラックとグルーブ上の記録トラックとでは、プリピット検出方法が異なる。グルーブ上の記録トラックからは、フレームF1とフレームF2とにおいて、隣接するランド上に設けられたプリピットによるパルス波形が2分割ディテクタからの差信号に重畳する。フレームF1とフレームF2とではパルス極性は逆になるため、プリピット検出回路において、スライスレベルを正しく設定することによって、フレームF1でのみパルス出力を得ることができる。ランド上の記録トラックでは、第3の実施例として示した光記録媒体のグルーブ上の記録トラックと同様に、プリピットによるパルス波形は和信号に重畳する。この場合も、プリピット形成領域に長マークや長スペースを記録することによって、記録マークとの干渉によるプリピットの検出誤りを避けることができる。
【0038】
なお、以上の実施例においては、プリピット形成領域上を長スペースで覆う例を示したが、例えばマークの形成により反射率が上昇するような媒体を使用する場合は、逆にプリピット形成領域を常に長マークで覆うようにするほうが望ましい場合もある。プリピット形成領域上に長マークと長スペースいずれを記録するかは、任意に選択してもよい。また、プリピット形成領域が存在しないフレーム上の同期パターンには、必ずしも長マークや長スペースを含む必要はない。
【0039】
また、以上の実施例ではプリピット形成領域内に単一あるいは複数のプリピットを形成する例のみを示したが、プリピット形成領域内へのプリピットの形成パターンにプリピットを形成しないパターンを含めることもできる。例えば単一のプリピット形成領域内に形成するプリピットを1つ以下とし、プリピットの有無のみでアドレス情報を構成するようにした場合でも、物理アドレスの連続性によって物理アドレスの復号が可能となる。更に、適当な周期でプリピットに奇数パリティを付加すれば、より同期確立までの時間を短縮することができる。
【0040】
また、本発明は、本来ランドとグルーブとの双方を記録トラックとして利用する場合に、記録データに悪影響を与えずにランドとグルーブの双方から検出可能なアドレス情報を有する光記録媒体を提供することを目的としているが、同様のプリピット配置および記録方法をグルーブのみ、あるいはランドのみを記録トラックとして有する光記録媒体にも適用することもできる。
図14には、本発明の第5の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピット配置の例を示す。この例では、グルーブ上のみを記録トラックとして用い、プリピットはグルーブの断続として設けられている。フレームは、その境界を点線で示したようにスパイラル状に設けられたグルーブ上の記録トラックを等しい長さに分割して形成されており、半径方向には整列していない。また、グルーブは一定の周波数でウォブルしていても良いが、図14にはウォブルしていないグルーブを使用する例を示してある。プリピット形成領域は、トラックに沿って4フレーム周期でF1,F2,F3,F4のように番号付けしたフレームのうちのF1フレームおよびF2フレーム上にのみ設けられる。この場合、プリピット検出タイミングは、本発明の第1の実施形態として示したプリピット配置において、ランド上で得られるプリピットの検出タイミングと同様になる。そのため、記録フォーマットも図6に示したフォーマットと同一のものが利用できる。
【0041】
図14の例のようにウォブルが形成されていない記録トラックを用いる場合、ウォブルの位相とプリピット位置との相対関係によってプリピットの情報を復号することはできない。しかし、プリピット形成領域の周期性や、F1フレームF2フレームに連続するプリピットの相対位置やプリピットの形成パターンを利用することによって識別することができる。例えば、フレームF1のプリピット形成領域ではプリピット形成パターンを100か101のみに限定するという方法を採ることによっても、検出を容易にできる。
【0042】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の光記録媒体、情報記録方法及び装置は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ランドとグルーブとをともに記録トラックとして利用する場合にも、ランドとグルーブとの双方でウォブル位相が正しく検出できるとともに、ランドとグルーブとの双方から検出可能な物理アドレスを含む情報として、プリピットを形成できる。
【0044】
また、本発明の記録方法および記録再生装置をもちいれば、プリピット形成領域は長マークまたは長スペースによって保護されることになるため、記録済み媒体でもプリピットからの情報を誤りなく読み取ることができるとともに、プリピットから再生信号への干渉も防止し、読み誤りの発生を防ぐことができるようになる。これらの効果により、高密度記録可能な光記録媒体および、記録方法、記録再生装置を得ることができる。
【0045】
また、本発明の実施例にも示したように、記録するフレームに応じて長スペースと長マークを選択することによって、多層膜媒体を用いる場合にも、長マークや長スペースが局所に集中することによる層間クロストーク発生を避ける効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態による光記録媒体のゾーン境界でのプリピットとウォブルの配置を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態による光記録媒体のグルーブ上およびランド上において検出されるプリピットとウォブル波形の例を示す図。
【図4】プリピットの記録フォーマット例を示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態による光記録媒体を用いた記録再生装置の構成図。
【図6】データフォーマットの例を示す図。
【図7】変調符号の例を示す図。
【図8】同期パターンの例を示す図。
【図9】本発明の第2の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図10】本発明の第3の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図11】本発明の第3の実施形態による光記録媒体のグルーブ上およびランド上において検出されるプリピットとウォブル波形の例を示す図。
【図12】本発明の第4の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図13】本発明の第4の実施形態による光記録媒体のグルーブ上およびランド上において検出されるプリピットとウォブル波形の例を示す図。
【図14】本発明の第5の実施形態による光記録媒体のプリピット配置を示す図。
【図15】従来の光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図16】従来のデータフォーマットの例を示す図。
【図17】従来の光記録媒体の第2のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図18】光ディスクのゾーン配置を示す図。
【符号の説明】
1…グルーブ両壁の変形により形成したプリピット
2…プリピット形成領域
3…光記録媒体
4…光ヘッド
5…プリピット検出回路
6…ウォブル検出回路
7…プリピット復号回路
8…データ判定回路
9…LD駆動回路
10…フォーマット制御回路
11…タイミング制御回路
12…記録再生制御回路
13…データバッファ
14…グルーブ片壁の変形により形成したプリピット
15…グルーブの断続により形成したプリピット
16…ランド上にエンボスで形成したプリピット
【発明の属する技術分野】
本発明は、同心円状またはらせん状に形成されているグルーブを有し、グルーブ間あるいはグルーブ上、もしくはその双方にプリピットが形成されている光記録媒体に関するものであり、高密度で記録することが可能な光記録媒体とその記録方法および記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録可能な光ディスクの例として、DVD−R(Digital Versatile Disc − Recordable)や DVD−RW(Digital Versatile Disc − Rewritable)が公知である。これらの記録ディスクには、記録トラックが所定の周波数(140kHz)で微少に蛇行(ウォブル)して刻まれている。ランド上にはプリピットが設けられており、プリピットから検出した信号を復号することによって、ディスク上の位置を判別することができる。DVD−RおよびDVD−RWのディスク上に設けられたプリピットとウォブルの配置を図15に示す。記録トラックとして利用するグルーブは、ディスクを一定の線速度で回転させた場合に一定の周波数でウォブルするように刻まれている。このため、互いに隣接する記録トラックのウォブル位相は揃っていない。グルーブ上の記録トラックは、8ウォブルを1フレームとしてデータ記録に利用する。以降の説明のため、偶数番目のフレームにはF0,奇数番目のフレームにはF1と記号をつけて示した。フレーム境界は点線で示してある。ランド上にはプリピット15が形成されている。プリピットは、通常グルーブ上のフレームF0の外周側に隣接するランド上に、ウォブル1周期に付き1つ以下のピットとして形成される。ただし、フレームF0の内周に形成したプリピットと重なる場合はフレームF0の代わりにフレームF1の外周に隣接するランド上に形成される。いずれの場合も、プリピットはフレームの先頭3ウォブル中の、記録トラックのウォブル位相が一定の位相となる位置に形成される。
【0003】
記録再生に用いるフォーマットを図16に示した。1フレームは2バイトの同期パターン(SY)と91バイトのデータで構成される。1バイトは16チャネルビットからなるため、1ウォブルが186チャネルビットの周期をもつことになる。プリピットは最短で186チャネルビット周期で現れることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用すると、隣接トラック上のデータによる符号間干渉による影響を抑えて、高い記録密度を実現できることが知られている。また、同一のトラック密度をもつディスクが、グルーブのみを記録トラックとして利用する場合に比べて溝の周期を倍にして作成できることから、大容量のディスクを実現するためには有効な方法である。
【0005】
ディスクのランドとグルーブとをともに利用するためには、ランドとグルーブの双方から認識できる物理アドレス情報を、記録トラックのデータ再生に悪影響を与えないように形成する必要がある。しかし、上記のDVD−R,DVD−RWのディスクでランドとグルーブの双方を記録トラックに使用した場合、ランド上に記録されたデータは、同様にランド上に記録されているプリピットからの強い干渉を受けることになり、正しいデータ再生が困難になるという問題があった。
【0006】
また、DVD−R,DVD−RWのように、グルーブのウォブル周波数がディスク全面にわたって一定となるように溝を形成したディスクでは、ランドの両側に隣接するグルーブの位相は徐々にずれていくことになる。このため、ランド上のトラックでは正しい周波数を判別できない。
【0007】
ランド上で正しいウォブル周波数判別ができないという問題に対しては、特開2001−250239に示されたようなウォブル配置を用いることでも回避できる。特開2001−250239では、グルーブ上に設けた記録トラック同士で、ウォブル位相のずれが干渉を引き起こすのを避けるためのウォブル配置として、図17のような例を示している。図17は、光記録媒体上に設けられたゾーン内の一部を拡大して示したものである。ここで、ゾーンは図18に示すように、光記録媒体3の上に同心円状に配置され、最内周のゾーン1から最外周のゾーンNまでのN(Nは整数)の区間に分割して形成されている。図17に示されているように、分割した各々のゾーン内で、隣接するトラック間のウォブル位相を一定に保つようにすると、隣接するグルーブのウォブル位相がそろい、記録トラック間のウォブルによる干渉が防止できる。
【0008】
グルーブ位相をこのように形成することは、ランドとグルーブとをともに記録トラックとして利用しようとした場合にも有効で、ランドの幅が一定に保たれることによって、ランド上でもグルーブ上と同様に正しくウォブル周波数を検出できるようになる。しかし、隣接トラックでウォブル位相をそろえた場合にも、プリピットと記録トラック上のデータとの干渉による第一の問題は回避できない。DVD−RやDVD−RWと同様の記録フォーマットを利用した場合には、プリピットの一部がデータ領域に入ってしまうことから、プリピットからの干渉によってデータの読み誤りが頻繁に発生してしまうことになる。
【0009】
一方、CD−R,CD−RWのようにウォブルを周波数変調させるような方法によって、トラックにアドレス情報を与える方法もある。この場合、物理アドレス情報がプリピットを利用せずにディスク上に記録されていることから、物理アドレス情報からの干渉による再生信号品質劣化は少なくなる。しかし、ランドとグルーブの双方から誤りなくアドレス情報を検出できるようにウォブルに変調を施すことは困難で、ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用することはできない。
【0010】
本発明の目的は、ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用する場合にも、記録データに悪影響を与えずにランドとグルーブの双方から検出可能なアドレス情報を有する光記録媒体とその記録方法および記録再生装置を提供することにある。
【0011】
なお、本発明ではランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用する場合のプリピット配置に対しても言及している。これは、ランドとグルーブの双方を記録トラックとして利用している光記録媒体と、ランドあるいはグルーブの一方を記録トラックとして利用している媒体とに同一の形態でアドレス情報が記録され、同一の記録方法を利用できるようにすることで、記録装置のアドレス認識やフォーマット管理にかかわる回路を共通化して、両媒体の高い互換性をとることを目的としている。このために、ランドのみあるいはグルーブのみを利用するような光記録媒体においても、ランドとグルーブの双方を利用する光記録媒体のプリピット配置に準ずるようなアドレス情報の配置が必要とされる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の光記録媒体は、ディスクの内周から外周にわたって同心円状またはらせん状に形成されているグルーブを有するとともに、グルーブ間あるいはグルーブ上にプリピットが形成されている光記録媒体であって、
内部に単一または複数のプリピットを形成出来る領域として割り当てられるプリピット形成領域が、トラックに沿って記録チャネルビット長の36倍以下の固定長をもち、少なくとも記録チャネルビット長の300倍以上離れて配置されていることを特徴とする。
【0013】
また、その媒体に対して、前記プリピット形成領域上では、記録トラック上の前記プリピットを長マークあるいは長スペースで覆うように、記録チャネルビット長の10倍以上の長さをもつ長マークあるいは長スペースを含むパターンを記録することを特徴とする記録方法を用いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の上記および他の目的、特徴および利点を明確にすべく、添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
【0015】
図1には本発明の第1の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置を示す。ディスクの内周から外周にわたって連続的に、スパイラル状に形成されたグルーブは、半径方向にほぼ一定の周波数でウォブルして形成されている。同一ゾーン内では、互いに隣接するグルーブのウォブルは同相に保たれている。図1は、このように形成したディスク上の、同一ゾーン内の一部を拡大して示したものである。同一ゾーン内では、グルーブGに挟まれるランドLも一定のトラック幅を有するように形成されることになる。このため、グルーブとランドとをともに記録トラックとして利用した場合にも、双方で良好なウォブル波形を検出できるとともに、記録トラック幅の変動に伴う再生波形の振幅変動も発生しにくいという利点を有する。
【0016】
グルーブ上には、トラックに沿ってフレームがF1,F2,F3,F4の順に周期的に配置される。各々のゾーンでは、トラック1周あたりのフレーム数が4K+1(Kは整数)となるように定められる。フレームF1,F2,F3,F4はそれぞれウォブル周期の整数倍の長さをもち、半径方向に整列して配置されることになる。斜線を付して示したプリピット形成領域2は、グルーブG上のフレームF1の先頭に、フレーム境界からトラックに沿ってチャネルビット長Tの12倍後ろから始まり、チャネルビット長Tの12倍の長さで、グルーブ上とその両隣のランドを含む3記録トラックにまたがる幅で設けられる。プリピット1は、プリピット形成領域の内部に設けられ、グルーブの両壁がともに外周側に記録トラックの概ね半分だけずれた形として形成される。このようなプリピットは、ディスク原版の露光時に、グルーブ露光用ビームに加えて、概ね半トラック外周にずれた位置に照射するプリピット形成用の露光ビームを用いて、プリピット形成位置においてグルーブ露光用ビームの照射光量を低下させるとともに、プリピット形成用ビームをその外周側に照射することによって形成できる。プリピットを記録トラックに沿ってチャネルビット長の4倍の長さで形成した場合、プリピット形成領域内を3分割した内のプリピットが存在する位置によって、異なるパターンを形成できる。トラックに沿って配置された複数のプリピット形成領域内に存在するプリピットの形成パターンによって、物理アドレスを含む情報が表現される。
【0017】
ランドでは、外周側に隣接するグルーブに準じて番号付けしたフレーム番号が与えられる。このようにフレームを配置することによって、グルーブのフレームF1の内周側にはランドのフレームF1が、外周側にはランドのフレームF2が隣接することになる。プリピット形成領域は、グルーブ上では常にフレームF1の先頭付近に、ランド上では常にフレームF1とフレームF2の先頭付近に位置することになる。トラック方向に沿ったプリピット形成領域の間隔は、最短でランドのフレームF1上にあるプリピット形成領域からランドのフレームF2上にあるプリピット形成領域までの間隔となるから、概ね、フレーム長に一致する間隔が確保されることになる。
【0018】
ディスク上にデータを記録する場合は、記録トラック上のプリピット形成領域上が長マークあるいは長スペースで覆われるように、各々のフレーム中に長マークや長スペースを含む同期パターンを有する記録フォーマットを用いる。このため、プリピット形成領域の長さは、記録フォーマットの効率に大きく影響する。プリピット形成領域は、その内部に数個程度以下のプリピットを形成するのに十分な最低限の長さとする必要がある。また、プリピット形成領域の周期についても同様に、プリピット形成領域上に長マークあるいは長スペースを含む同期パターンを形成した場合にもデータ領域の効率低下を招かないようにするため、同期パターンの長さに対して十分に広くとらなければならない。また、プリピット形成領域上では、光ヘッドの集光ビーム位置制御に用いるサーボ回路用の信号が正しく得られない。プリピット形成領域を必要以上に長くした場合には位置制御に乱れが生じて記録再生性能に悪影響を及ぼすことになる。この点からも、プリピット形成領域の長さを十分短くし、その間隔を十分に広く取っておく必要がある。
【0019】
少なくとも、プリピット形成領域の長さを(1,7)ランレングス制限符号の3バイト長にあたる36チャネルビット以下とし、その間隔をプリピット形成領域の10倍程度の長さにあたる300チャネルビット以上あけて配置すれば、プリピットの存在によってフォーマット効率が犠牲になることを防ぐとともに、プリピットによるサーボ回路用の信号への悪影響が発生することも防いで、高密度記録に適した光ディスクが実現できる。
【0020】
プリピット形成領域の長さを、36チャネルビットより長く確保すると、長マークあるいは長スペースをその上に安定に形成するために4バイト長以上の同期パターンを利用する必要が生じ、同期パターンの付加によるフォーマット効率低下が問題になる。プリピット形成領域の長さは3バイト長に相当する36チャネルビットを超えないように定めるのが妥当である。また、プリピット形成領域同士を、プリピット形成領域の長さの10倍程度にあたる300チャネルビット以上の間隔をあけて配置すれば、サーボ回路用の信号が乱れる領域を全体の10%程度以下に抑えることもできる。サーボ特性の劣化を防止して、光ヘッドの集光ビーム位置制御の精度を確保するためにも、プリピット形成領域の間隔を300チャネルビット以上にとることが望ましい。
【0021】
図2には、ゾーン境界の一部を拡大して示した。各々のゾーン内においてウォブルの位相を揃え、フレームを整列して配置していることによって、同一ゾーン内ではフレーム境界が半径方向に揃って配置される。これに対して、ゾーン境界ではウォブルの位相やフレーム境界がずれて配置される。図2ではランド上にゾーン境界が存在し、その前後でウォブル周期がステップ状に切り替えられることによって、ウォブルの位相やフレーム境界がずれる例を示してある。このようなゾーン境界の前後では、ウォブル周期が切り替わることによって、正確なチャネルクロック識別が困難となる。また、ゾーンの境界上では内周側と外周側とのプリピット形成領域が不規則に現れ、プリピットからのクロストークを避けて記録することが難しい。このため、ゾーン境界付近の数トラックは、データの記録再生に用いない領域とするのが望ましい。
【0022】
図3には第1の実施形態に係る光記録媒体のウォブルおよびプリピットから得られる波形の例を示した。グルーブ上の記録トラックでは、フレームF1の先頭のみにプリピットが現れる。プリピットからの再生波形は、ウォブルに重畳したパルスとして得られる。ウォブル周期をチャネルビット長の24倍とすると、プリピットの検出タイミングとウォブル位相との関係から物理アドレスを含む情報を復調できる。プリピット形成領域の中を3分割した4Tの長さの区間それぞれにおいて、プリピットの有無を1と0で表したとき、101、100、010、001の4種類のパターンを使用すると、4フレームあたり1ビットの情報に加えて符号の境界を示すことができる。例えば、符号の先頭ではそれぞれデータ”0”,データ”1”に対して100,101を割り当て、先頭以外ではデータ”0”,データ”1”に対して010および001を割り当てることによって実現できる。
【0023】
ランド上では、フレームF1の先頭で外周側に隣接しているグルーブとの境界が変形していることによって、プリピットの検出パルスが得られるのに加えて、フレームF2の先頭でも内周側に隣接しているグルーブとの境界が変形していることによって、プリピットが検出される。プリピットはフレームF3およびF4には現れない。フレーム周期と、先行しているフレームでプリピットが検出されないことを利用して、ランド上でも常にフレームF1のプリピットのみを選択して検出することができる。この場合、ランド上でプリピットから得られる物理アドレス情報は、外周側に隣接するグルーブの物理アドレス情報と同一となる。ランドとグルーブの物理アドレスは、トラッキングの極性によって区別する。
【0024】
図4にはプリピットに与える物理アドレスを含む情報の記録フォーマット例を示した。プリピット情報は4フレームにつき1ビットずつ与えられるため、208フレーム分をまとめて得られる52ビットによって符号を構成する。符号には物理アドレスとして24ビット、付加情報として8ビットを与え、プリピットの検出誤りを訂正するために、これらを4ビット毎に分割して得られるシンボルに対して5シンボル(20ビット)のECCパリティを付加する。ECCパリティの付加によって、2シンボルまでのプリピット検出誤りを訂正でき、3シンボルの検出誤りを検出できる。
【0025】
次に本発明の第1の実施形態に係る光記録媒体を用いた記録再生の方法について説明する。
図5には第1の実施形態に係る光記録媒体を用いて記録再生を行う場合の、記録再生装置の構成例を示した。光ヘッド4は図示しないサーボ回路によって位置制御され、光記録媒体3の上に設けられた記録トラック上に光ビームを集光し、記録トラック上から、トラックに沿った方向に2分割した図示しないディテクタからの差信号として、ウォブル波形にプリピットによるパルス波形が重畳した図3に示したような波形を出力する。また、これとともに、前記2分割したディテクタからの和信号として、記録トラック上に形成された記録ピットによる明暗変化が出力される。パルス波形が重畳したウォブル波形からは、プリピット検出回路5内部に設けられた2値化回路によって、プリピットが存在するタイミングが検出され、プリピット検出パルスとして出力される。また、ウォブル検出回路6では同じくパルス波形が重畳したウォブル波形を入力として、ウォブルに同期した2値化信号が出力される。
【0026】
プリピット復号回路7では、プリピット検出回路によって得られたプリピット検出パルスのタイミングやパルス数と、ウォブル検出回路から得られたウォブルの2値化信号とのタイミングをもとに、プリピットに与えられた物理アドレスを含む情報を復号して出力する。
光記録媒体へのデータ記録は、次のように行われる。まず、図示しない上位システムによってデータバッファ13に記録すべきデータが蓄積される。次に、記録再生制御回路に対して図示しない上位システムから記録対象の論理アドレスが指定される。記録再生制御回路では、指定された論理アドレスを元に記録すべきデータの符号化を行うとともに、エラー訂正符号化を行う。また、記録再生制御回路では、論理アドレスを元に記録対象の物理アドレスを算出し、タイミング制御回路11に出力する。タイミング制御回路では、プリピット検出回路から入力されるプリピット検出パルスのタイミングとウォブル検出回路6から入力されるウォブルの2値化信号を元に、光記録媒体3の回転速度に同期した記録クロックを合成するとともに、プリピット復号回路7から出力される物理アドレス情報によって記録対象の物理アドレスの先頭位置を検出する。記録再生制御回路から与えられた記録対象の物理アドレスが現れると、タイミング制御回路からフォーマット制御回路10に記録クロックとともに記録ゲート信号が出力される。フォーマット制御回路では、記録再生制御回路から引き取ったデータに同期パターンを付加し符号化変調を施して、記録クロックに同期してLD駆動回路9に記録制御パルスを出力することで、光ヘッド4によって光記録媒体3に記録ピットを形成する。
【0027】
タイミング制御回路では、記録クロック周波数によって定まる長マークあるいは長スペースに相当するパターンの出力タイミングと、ウォブル位相やプリピット検出パルスのタイミングとの位相差を検出し、位相同期ループを用いた周波数制御を続けることによって、常にプリピット上に長マークあるいは長スペースが形成されるように記録を続けることができる。
【0028】
データ再生は、光ヘッド4によって光記録媒体から読み出された明暗変化の信号を元に、データ判定回路で2値のデータ判定を行い、フォーマット制御回路で同期抽出およびデータ復号することで行われる。図示しない上位システムによって、記録再生制御回路に指定された再生対象の論理アドレスをもとに、記録再生制御回路では物理アドレスを算出してタイミング制御回路に出力する。フォーマット制御回路では、プリピット復号回路から得られる物理アドレスと2値データからの同期抽出結果をもとに、再生データの開始タイミングをフォーマット制御回路に指示する。フォーマット制御回路では、指定されたタイミングのデータを切り出して記録再生制御回路に出力する。記録再生制御回路では、入力されたデータに誤り訂正を施してデータバッファに再生したデータを蓄積し、図示しない上位システムに読み取り完了を通知する。
【0029】
次に、記録再生に用いる物理フォーマットについて、より詳細に説明する。
フォーマット制御回路では、記録時に図6に示すようなフォーマットで同期パターンを付加する。1フレームは3バイトの同期パターンSYと、記録再生制御回路で付加されたエラー訂正用のパリティを含むデータ91バイトで構成される。フォーマット制御回路で実施する符号化変調に図7に示す符号化率2/3の(1,7)ランレングス制限符号によるNRZI記録を用いた場合、1バイトは12チャネルビット、1フレームは1128チャネルビットとなり、ウォブル周期24チャネルビットの整数倍で構成されることになる。フォーマット制御回路内部に含まれる図示しない(1,7)変調回路は、S0とS1の2つの状態をもつ。初期状態はS0で、内部状態と入力データおよび後続状態によって、出力される変調符号と次の状態が定まる。図7の符号化表において、Xは“0”と“1”のどちらでも良いことを示す。また、Rは変調符号の直前のビットを反転したものを用いることを意味する。特に現在の状態がS0で入力データが10の場合は、後に同期パターン(SY)が続く場合にも変調符号R00を出力して次の内部状態をS1にする。
【0030】
同期パターンSYには、例えば図8に示した各々36チャネルビット長のパターンが利用できる。同期パターンも前記(1,7)変調回路の内部状態に依存してパターンを選択し、同期パターン出力後は、次の内部状態を常にS0に変更する。図8の表中において、Rは直前の変調符号のビットを反転したものを用いることを意味する。また、Yは記録再生信号の直流成分を制御するために、任意に選択可能であることを意味する。図8の表では、同期パターンは状態S0およびS1に対してそれぞれ2種類ずつ用意されている。NRZI記録した場合、2種類のうちの一方は同期パターンの中央部に24チャネルビット長のマークが含まれ、もう一方は24チャネルビット長のスペースが含まれるパターンとなる。2種類のうちのどちらを選択するかは、入力データによらずに選択できる。
【0031】
本発明の第1の実施形態に係る光記録媒体を用いた場合、プリピット形成領域は、フレーム境界の12チャネルビット後ろから始まり、12チャネルビットの長さをもつ。したがって、図8に示した同期パターンのうち、常に24チャネルビット長のスペースを含むパターンを選択し、同期パターンの先頭がフレーム境界から始まるように記録すると、プリピット形成領域は常に24チャネルビット長のスペース内部に含まれるようにすることができる。マークを形成することによって反射率が低下する媒体を使用した場合にも、プリピットが常に長いスペースの内部に保護されることによって、記録済みディスクでのプリピット検出率低下を避けることができる。また、DVD−RおよびDVD−RWフォーマットでは、プリピットが同期パターン以外の場所にも存在し、プリピットによる再生波形の乱れがデータ再生時のエラー発生原因となっていたのに対して、本実施例の光記録媒体および記録装置を用いると、プリピットは常に同期パターン中の長スペース内部にのみ存在するため、データ再生への悪影響はきわめて少なくなる。
【0032】
プリピット形成領域はフレームF1,F2上にのみ存在するから、フレームF1およびF2では長スペースを含む同期パターンを選択し、フレームF3およびF4では長マークを含む同期パターンを選択してもよい。このように長マークと長スペースとを混在させることによって、例えば多層の記録膜を有する媒体でも反射率や透過率の変化による隣接記録膜からのクロストークを低減できる。
【0033】
以上の実施例においては、変調に(1,7)ランレングス制限符号を用い、フレームを3バイトの同期パターンと91バイトのデータで構成する例を示したが、変調符号やフレームの構成はこれに限定されるものではなく、システムの要求に応じて選択することができる。例えば、DVD−RやDVD−RWに用いられているのと同様の8/16変調を利用して、同期パターンを14チャネルビット長のマークあるいはスペースを含む2バイトのパターンにすることもできる。また、ウォブル周期も同一ゾーン内で隣接するトラックのウォブル位相が同相となるという制限を除いては任意に選択できる。本実施例では、フレーム長がウォブル周期の整数倍となる例を示したが、例えば4フレームがウォブルの整数倍で構成されていても、F1フレームでのウォブル位相とプリピットとの相対位置は保たれるため、プリピットの復号に支障は発生しない。
【0034】
図9には、本発明の第2の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置の例を示す。ここでは、グルーブ側壁の形状を変形することによってプリピットを形成する別の例として、グルーブの外周側の側壁のみを変形する例を示した。このようなプリピットは、ディスク原版の露光時に、グルーブ露光用ビームに加えて、概ね半トラック外周にずれた位置に照射するプリピット形成用の露光ビームを用いて、プリピット形成位置においてのみグルーブ露光用ビームの照射とともに、プリピット形成用ビームを照射することによって形成できる。このように外周側の側壁のみを変形させてプリピットを形成した場合、プリピット形成領域は変形している側壁を挟むランドとグルーブに存在する。グルーブ上のフレームF2やランド上のフレームF4は側壁の変形による影響を受けていないから、プリピット形成領域を持たない。図9のようにプリピットを形成した光記録媒体にも、図6で示したフォーマットでデータを記録することができる。
【0035】
このようにプリピットを形成した場合は、図1のようにグルーブの両壁を変形した場合に比べて、グルーブで得られるプリピットからの再生波形は小さくなるが、プリピット形成領域がランドとグルーブそれぞれ1トラックの幅で形成できるため、フォーマットの自由度はより高くなる。
図9にはプリピット形成領域を4フレームの周期で設けた例を示したが、トラック1周あたりのフレーム数がプリピット形成領域の周期の倍数ではないような関係で選択されていれば、プリピット形成領域同士が互いに隣接して干渉することはない。例えば、トラック1周あたりのフレーム数を3K+1(Kは整数)とし、プリピット形成領域を3フレーム毎に設けた場合にも、プリピット形成領域同士が隣り合わないように配置できる。あるいは、トラック1周あたりのフレーム数を5K+2(Kは整数)となるように定め、5フレーム周期でF1,F2,F3,F4,F5のように番号付けしたフレームのうちのF1とF2上にのみプリピット形成領域を設けることもできる。この場合も、プリピット形成領域同士が隣接しないように配置される。これによって、プリピット形成領域上に記録した長スペースや長マークが光ヘッドの記録再生ビーム上に集中することが避けられ、多層の記録膜を有する媒体でも層間クロストークが発生しにくいという効果が得られる。
【0036】
図10には、本発明の第3の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置の例を示す。ここでは、グルーブの断続によってプリピットを形成する例を示した。このようにプリピットをグルーブの断続によって形成する場合、グルーブ形成用の露光ビームのみでディスク原版の露光ができるが、ランド上の記録トラックとグルーブ上の記録トラックとでは、異なるプリピットの検出方法を使わなければならない。図11に、光ヘッドの2分割ディテクタから得られる和信号と差信号の波形例を示した。グルーブ上のトラックでは、グルーブの断続があるフレームF1の先頭でプリピットによるパルス波形が和信号に重畳する。一方、差信号にはウォブル波形が現れるが、プリピットによるパルス波形は重畳しない。記録媒体上にマークが形成されている場合は、斜線で示したように和信号にマークによる明暗変化が現れる。ただし、プリピット形成領域上に常に長スペースを含む同期パターンを記録する場合、プリピット形成領域はマークによる反射光量低下の影響を受けない。プリピット検出回路に光ヘッドから出力される和信号を入力し、反射光量によって2値化するだけで、容易にプリピット検出パルスを得ることができる。ランド上のトラックでは、プリピットによるパルス波形は差信号に重畳して現れる。フレームF1とフレームF2とではパルスの極性が逆になるが、プリピット検出回路において、スライスレベルを正しく設定することによって、フレームF1でのみパルス出力を得ることができる。
【0037】
図12には、本発明の第4の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピットとウォブル配置の例を示す。プリピットはランド上に設けたプリピット形成領域にエンボスピットとして形成される。図13には光ヘッドの2分割ディテクタから得られる和信号と差信号の波形例を示した。この場合も、第3の実施例による光記録媒体からの再生波形と同様に、ランド上の記録トラックとグルーブ上の記録トラックとでは、プリピット検出方法が異なる。グルーブ上の記録トラックからは、フレームF1とフレームF2とにおいて、隣接するランド上に設けられたプリピットによるパルス波形が2分割ディテクタからの差信号に重畳する。フレームF1とフレームF2とではパルス極性は逆になるため、プリピット検出回路において、スライスレベルを正しく設定することによって、フレームF1でのみパルス出力を得ることができる。ランド上の記録トラックでは、第3の実施例として示した光記録媒体のグルーブ上の記録トラックと同様に、プリピットによるパルス波形は和信号に重畳する。この場合も、プリピット形成領域に長マークや長スペースを記録することによって、記録マークとの干渉によるプリピットの検出誤りを避けることができる。
【0038】
なお、以上の実施例においては、プリピット形成領域上を長スペースで覆う例を示したが、例えばマークの形成により反射率が上昇するような媒体を使用する場合は、逆にプリピット形成領域を常に長マークで覆うようにするほうが望ましい場合もある。プリピット形成領域上に長マークと長スペースいずれを記録するかは、任意に選択してもよい。また、プリピット形成領域が存在しないフレーム上の同期パターンには、必ずしも長マークや長スペースを含む必要はない。
【0039】
また、以上の実施例ではプリピット形成領域内に単一あるいは複数のプリピットを形成する例のみを示したが、プリピット形成領域内へのプリピットの形成パターンにプリピットを形成しないパターンを含めることもできる。例えば単一のプリピット形成領域内に形成するプリピットを1つ以下とし、プリピットの有無のみでアドレス情報を構成するようにした場合でも、物理アドレスの連続性によって物理アドレスの復号が可能となる。更に、適当な周期でプリピットに奇数パリティを付加すれば、より同期確立までの時間を短縮することができる。
【0040】
また、本発明は、本来ランドとグルーブとの双方を記録トラックとして利用する場合に、記録データに悪影響を与えずにランドとグルーブの双方から検出可能なアドレス情報を有する光記録媒体を提供することを目的としているが、同様のプリピット配置および記録方法をグルーブのみ、あるいはランドのみを記録トラックとして有する光記録媒体にも適用することもできる。
図14には、本発明の第5の実施形態に係る光記録媒体上に形成されたプリピット配置の例を示す。この例では、グルーブ上のみを記録トラックとして用い、プリピットはグルーブの断続として設けられている。フレームは、その境界を点線で示したようにスパイラル状に設けられたグルーブ上の記録トラックを等しい長さに分割して形成されており、半径方向には整列していない。また、グルーブは一定の周波数でウォブルしていても良いが、図14にはウォブルしていないグルーブを使用する例を示してある。プリピット形成領域は、トラックに沿って4フレーム周期でF1,F2,F3,F4のように番号付けしたフレームのうちのF1フレームおよびF2フレーム上にのみ設けられる。この場合、プリピット検出タイミングは、本発明の第1の実施形態として示したプリピット配置において、ランド上で得られるプリピットの検出タイミングと同様になる。そのため、記録フォーマットも図6に示したフォーマットと同一のものが利用できる。
【0041】
図14の例のようにウォブルが形成されていない記録トラックを用いる場合、ウォブルの位相とプリピット位置との相対関係によってプリピットの情報を復号することはできない。しかし、プリピット形成領域の周期性や、F1フレームF2フレームに連続するプリピットの相対位置やプリピットの形成パターンを利用することによって識別することができる。例えば、フレームF1のプリピット形成領域ではプリピット形成パターンを100か101のみに限定するという方法を採ることによっても、検出を容易にできる。
【0042】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の光記録媒体、情報記録方法及び装置は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ランドとグルーブとをともに記録トラックとして利用する場合にも、ランドとグルーブとの双方でウォブル位相が正しく検出できるとともに、ランドとグルーブとの双方から検出可能な物理アドレスを含む情報として、プリピットを形成できる。
【0044】
また、本発明の記録方法および記録再生装置をもちいれば、プリピット形成領域は長マークまたは長スペースによって保護されることになるため、記録済み媒体でもプリピットからの情報を誤りなく読み取ることができるとともに、プリピットから再生信号への干渉も防止し、読み誤りの発生を防ぐことができるようになる。これらの効果により、高密度記録可能な光記録媒体および、記録方法、記録再生装置を得ることができる。
【0045】
また、本発明の実施例にも示したように、記録するフレームに応じて長スペースと長マークを選択することによって、多層膜媒体を用いる場合にも、長マークや長スペースが局所に集中することによる層間クロストーク発生を避ける効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態による光記録媒体のゾーン境界でのプリピットとウォブルの配置を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態による光記録媒体のグルーブ上およびランド上において検出されるプリピットとウォブル波形の例を示す図。
【図4】プリピットの記録フォーマット例を示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態による光記録媒体を用いた記録再生装置の構成図。
【図6】データフォーマットの例を示す図。
【図7】変調符号の例を示す図。
【図8】同期パターンの例を示す図。
【図9】本発明の第2の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図10】本発明の第3の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図11】本発明の第3の実施形態による光記録媒体のグルーブ上およびランド上において検出されるプリピットとウォブル波形の例を示す図。
【図12】本発明の第4の実施形態による光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図13】本発明の第4の実施形態による光記録媒体のグルーブ上およびランド上において検出されるプリピットとウォブル波形の例を示す図。
【図14】本発明の第5の実施形態による光記録媒体のプリピット配置を示す図。
【図15】従来の光記録媒体のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図16】従来のデータフォーマットの例を示す図。
【図17】従来の光記録媒体の第2のプリピットとウォブル配置を示す図。
【図18】光ディスクのゾーン配置を示す図。
【符号の説明】
1…グルーブ両壁の変形により形成したプリピット
2…プリピット形成領域
3…光記録媒体
4…光ヘッド
5…プリピット検出回路
6…ウォブル検出回路
7…プリピット復号回路
8…データ判定回路
9…LD駆動回路
10…フォーマット制御回路
11…タイミング制御回路
12…記録再生制御回路
13…データバッファ
14…グルーブ片壁の変形により形成したプリピット
15…グルーブの断続により形成したプリピット
16…ランド上にエンボスで形成したプリピット
Claims (17)
- ディスクの内周から外周にわたって同心円状またはらせん状に形成されているグルーブを有し、グルーブ間あるいはグルーブ上、もしくはその双方にプリピットが形成されている光記録媒体であって、
内部に単一または複数のプリピットを形成出来る領域として割り当てられるプリピット形成領域が、記録トラックに沿って記録チャネルビット長の36倍以下の固定長をもち、記録トラックに沿って少なくとも記録チャネルビット長の300倍以上離れて配置されていることを特徴とする光記録媒体。 - グルーブ上あるいはこのグルーブ間に形成されているランドのいずれか、もしくはその双方を記録トラックとして備えていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記ディスクが半径方向に複数のゾーンに分割されており、各々のゾーン内では前記プリピット形成領域がディスク一周を整数分割した線上に沿って、特定のトラック数を周期として半径方向に整列して設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光記録媒体。
- 前記ディスクが半径方向に複数のゾーンに分割されており、各々のゾーン内では隣接するトラックで同相にウォブルしたグルーブを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の光記録媒体。
- プリピット形成領域内でグルーブ側壁の形状を変形することによりプリピットが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の光記録媒体。
- プリピット形成領域内でグルーブを断続することによりプリピットが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の光記録媒体。
- プリピット形成領域内のランド上に設けたエンボスによってプリピットが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の光記録媒体。
- 前記プリピット形成領域は、記録トラック上にデータを配列する単位であるフレームに対して、各フレームの特定位置に高々1つ設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の光記録媒体。
- トラック1周あたりの前記フレーム数が整数であって、ランドを挟んで隣接するグルーブトラック間、あるいはグルーブを挟んで隣接するランドトラック間においては、一方のトラックのあるフレームにプリピット形成領域が存在する場合、他方のトラックの隣接するフレーム領域内にはプリピット形成領域が存在しないように、フレーム領域内に間欠的にプリピット形成領域が配置されることを特徴とする請求項8に記載の光記録媒体。
- 前記記録トラックが前記フレーム周期の整数分の1の周期でウォブルして形成されていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の光記録媒体。
- 前記プリピット形成領域内に形成したプリピット列は、ディスクの物理アドレス情報や、副次情報の一部を与えるように記録されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れかに記載の光記録媒体。
- 前記プリピット形成領域内にそれぞれ単一のプリピットが形成されており、プリピット位置とウォブル位相との相対関係によって、ディスクの物理アドレス情報や、副次情報の一部を与えるように記録されていることを特徴とする請求項4ないし請求項11の何れかに記載の光記録媒体。
- 前記プリピット形成領域上では、記録トラック上の前記プリピットを長マークあるいは長スペースで覆うように、記録チャネルビット長の10倍以上の長さをもつ長マークあるいは長スペースを含むパターンを記録することを特徴とする請求項1ないし請求項12に記載の光記録媒体への記録方法。
- 前記プリピット形成領域上で、記録トラック上の前記プリピットを長マークあるいは長スペースで覆うとともに、当該トラックに隣接するトラック上においても、前記プリピットに隣接する領域を長マークあるいは長スペースで覆うように、記録チャネルビット長の10倍以上の長さをもつ長マークあるいは長スペースを含むパターンを記録することを特徴とする請求項1ないし請求項12の何れかに記載の光記録媒体への記録方法。
- 各々のゾーン内でプリピット形成領域が特定のトラック数を周期として半径方向に整列して設けられた請求項3の光記録媒体を用い、記録トラック上の前記プリピットを長マークあるいは長スペースで覆うとともに、ゾーン内で前記プリピット形成領域と半径方向に整列している領域上の、プリピット形成領域が存在しない場所においても、記録チャネルビット長の10倍以上の長さをもつ長マークあるいは長スペースを含むパターンを半径方向に整列して記録することを特徴とする記録方法。
- 請求項1ないし請求項13の何れかに記載の光記録媒体に情報を記録する記録装置であって、前記光記録媒体の再生信号からプリピット信号を検出するプリピット検出手段と、前記プリピット信号を復号して物理アドレス情報を出力する復号手段と、記録すべき情報を元に、チャネルビット長の10倍以上の長さを持つ長マークまたは長スペースを含む記録パターンを記録すべき情報のデータパターンに混在させて生成する記録パターン生成手段と、前記物理アドレス情報を元に記録位置を検出するとともに、前記プリピット検出手段によって出力されるプリピット信号によって、前記記録パターン生成手段から出力される記録パターンの出力を始めるタイミングおよびチャネルビット周波数を制御する記録タイミング制御手段とを備え、前記記録タイミング制御手段によって、前記記録パターン生成手段から出力される長マークまたは長スペースがプリピットを覆うように記録パターンの出力タイミングが制御されることを特徴とする記録装置。
- 請求項4ないし請求項13の何れかに記載の光記録媒体に情報を記録する記録装置であって、前記光記録媒体の再生信号から前記ウォブル位相を検出するウォブル検出手段と、前記光記録媒体の再生信号からプリピット信号を検出するプリピット検出手段と、前記プリピット信号を復号して物理アドレス情報を出力する復号手段と、記録すべき情報を元に、チャネルビット長の10倍以上の長さを持つ長マークまたは長スペースを含む記録パターンを記録すべき情報のデータパターンに混在させて生成する記録パターン生成手段と、前記物理アドレス情報を元に記録位置を検出するとともに、前記ウォブル検出手段によって出力されるウォブル位相あるいは前記プリピット検出手段によって出力されるプリピット信号のいずれか、または双方によって、前記記録パターン生成手段から出力される記録パターンの出力を始めるタイミングおよびチャネルビット周波数を制御する記録タイミング制御手段とを備え、前記記録タイミング制御手段によって、前記記録パターン生成手段から出力される長マークまたは長スペースがプリピットを覆うように記録パターンの出力タイミングが制御されることを特徴とする記録装置。
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---|---|---|---|---|
WO2013001679A1 (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-03 | 日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 | 光ディスク媒体とその記録方法、記録装置 |
JP2013012266A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Hitachi Consumer Electronics Co Ltd | 光ディスク媒体とその記録方法、記録装置 |
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