JP2004077428A - 圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の熱式圧力センサでは外部の温度が変化すると、センサ素子と金属ダイヤフラム筒体の熱膨張係数の差によりセンサ素子が変形し感熱ヒーターとダイヤフラムとの距離が変化して出力が変動する問題点があった。
【解決手段】この発明に係る圧力センサにおいては、圧力検出用ヒーターとリファレンス用ヒーターが形成されている基板において各ヒーターの中心を結ぶ軸の両側で中心軸と略平行な領域に基板の裏面の一部が除去された1本もしくは複数本の溝もしくは複数個の穴列が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明に係る圧力センサにおいては、圧力検出用ヒーターとリファレンス用ヒーターが形成されている基板において各ヒーターの中心を結ぶ軸の両側で中心軸と略平行な領域に基板の裏面の一部が除去された1本もしくは複数本の溝もしくは複数個の穴列が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を計測する圧力センサに係わり、熱式圧力検出素子に含まれる発熱体あるいは発熱体によって加熱された部分から、一定距離を離して対向配置されている圧力を受けるダイヤフラムによって奪われる熱量を、熱式圧力検出素子を用いて計測する圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
計測流体の圧力と、該流体から圧力を受ける筒体上のダイヤフラムのたわみ量との間に成立するほぼ一義的な関数関係を利用して、ダイヤフラム上に成膜技術、写真製版技術等を用いて作製した歪ゲージを用いてダイヤフラムのたわみ量を計測し、このダイヤフラムのたわみ量に比例した流体の圧力を得るようにした歪みゲージ式圧力センサとしては、例えば実開昭61−137242号(実願昭60−19572号マイクロフィルム)公報に開示されている圧力センサがある。この歪みゲージ式圧力センサは内燃機関の吸入空気量の検出、車両のブレーキ油圧の検出等に広く用いられている。他の方式の圧力センサとして、圧力を受けるダイヤフラムと一定距離離れたシリコン検出素子の発熱体からダイヤフラムの変位に伴って奪われる熱量の変化をシリコン検出素子で計測する熱式圧力センサがWO 00/39551公報に開示されている。熱式圧力センサは、従来からのシリコン基板に適用される製造技術および装置を用いて、シリコン基板上に測定素子を一括大量生産することができ、筒体上のダイヤフラムを受圧体として用いるが、ダイヤフラムに加工を施す必要がないため、信頼性が高い、安価な圧力センサが得られる特徴がある。
【0003】
図18は、例えばWO 00/39551公報に開示されている従来の熱式圧力センサの構造を示す断面図、図19は図18の方向の断面図である。また図20は例えば、WO 02/10703公報に開示されている読み出し回路の概略構成図である。
図において、101は例えばシリコンウェハから切り出されたセンサ素子1000の平板状基材で、105は例えばSUSやコバールなどの金属の筒体でその上に圧力を受けるダイヤフラム106が形成されている。102は平板状基材101の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に感熱抵抗体膜のヒーター103が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。また、リファレンス出力用第2の感熱抵抗体膜のヒーター108が形成される。ヒーター103はダイヤフラム106の中心に対向するように配置されるのに対し、第2のヒーター108はダイヤフラム106のうち圧力に対して変位の小さい周辺部に対向して配置されている。これらのヒーター103,108を覆うように保護膜104が形成されている。またヒーター103,108で発生した熱がシリコン基材101に逃げずにSUSダイヤフラム106やSUS筒体105に流れて効率良く利用されるようにヒーター103,108の周囲のシリコン基材101が除去されていて窒化シリコン膜102,104からなるダイヤフラム109,110が形成されている。またダイヤフラム106とヒーター103,108の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ107が配設され、センサ素子1000と金属筒体105の距離はスペーサ107で規定される。なお、103a,108aはそれぞれヒーター103,108のパッド部(配線取り出し口)を示す。圧力測定用のヒーター103とリファレンス出力用のヒーター108は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されている。
【0004】
次に、図18、図19に示されるセンサ素子1000の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ101上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜103を蒸着法やスパッタ法等により形成する。その後、安定化のために約600℃で数時間アニールする。この白金膜103は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、ヒーター103,108が形成される。ヒーターとパッド部103a,108aとそれらを結ぶ配線も同時に形成される。パターニングされた、白金膜103ないし窒化シリコン膜102の上に、保護膜104として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。表面保護膜104を形成した後にスペーサを形成する。スペーサをポリイミド樹脂などの有機絶縁膜とする場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜104を形成した後にポリイミドコーティング剤をスピンコートなどの手段でシリコン基板上に均一に塗布する。次に感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりポリイミド樹脂を所望のパターンに加工する。感光性のポリイミドコーティング剤を使用すればレジストなしで直接パターンが形成されさらに簡便になる。パターン加工後300℃程度のベークにより焼き締められて、ポリイミド樹脂となる。このようにポリイミドコーティング剤を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。最後に、平板状基材101の支持膜102が配置されている方の表面とは反対側の面に写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことによりヒーター103,108の周囲の平板状基材101の一部が除去されて窒化シリコン膜102,104からなるダイヤフラム109,110が形成される。
【0005】
次に、読み出し回路と動作について図20を用いて説明する。
圧力測定用のヒーター(抵抗値R1)103とリファレンス出力用のヒーター(抵抗値R2)108は外部電源130(電圧Vc)から通電され、定電流源131,132(電流I1, I2)にそれぞれ接続されて定電流が流れ発熱している。定電流源131,132との接続部に圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2が発生する。これらの圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとり増幅する差動増幅器133が接続されている。筒体105の内部が流体により圧力Pを受けると、ダイヤフラム106が変位してヒーター103に近づきダイヤフラム106への熱の流れが増加する。そのため、圧力測定用のヒーター103の温度が低下し、抵抗値R1が低下し圧力信号電圧V1は増加する。
一方、リファレンス出力用のヒーター108はダイヤフラム106の周辺部の圧力による変位が少ない位置に形成されているので圧力が印加されても抵抗値R2の変化は少ない。つまりリファレンス出力電圧V2の変化は少ない。抵抗値R1は雰囲気温度によっても変化するので、雰囲気温度が変化すると圧力信号電圧V1が大きく変化する。しかしながら、圧力測定用のヒーター103とリファレンス出力用のヒーター108は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されていて、抵抗値R1とR2は同じ温度依存性を持つため、圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとって増幅する差動増幅器を用いれば温度によって大きく変化するオフセット成分を除去し圧力信号成分を増幅して読み出すことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成された従来の熱式圧力センサでは、圧力センサの晒されている雰囲気温度が変化すると、センサ素子100と金属ダイヤフラム筒体105の熱膨張係数の差によりセンサ素子100が変形する。例えば筒体105がSUSでセンサ素子100がシリコンの場合、シリコンの熱膨張係数の方が小さいので雰囲気温度が上昇してセンサの温度が上昇するとセンサ素子はヒーター103、108がダイヤフラム106に近づくように凹状に変形する。
図19中円内には、その変形の様子を拡大して示す。この変形のため圧力測定用のヒーター103及びリファレンス出力用のヒーター106と金属ダイヤフラムとの距離が近づき初期値と異なってしまい、図20の回路でリファレンスとの差分出力を出力しても、その出力に上記距離変動分の誤差を生じてしまうという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、温度変化があってもセンサ出力の変動が少ない圧力センサを得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による圧力センサは、圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラム構造の第2の面の中央部に対向配置された発熱手段を有する第1の熱式検知部とを備え、圧力の変化による上記ダイヤフラムの変位量を上記第1の熱式検知部で熱的に検知する圧力センサであって、上記ダイヤフラムの第2の面の端部に対向して配置された発熱手段を有する第2の熱式検知部を有し、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部が同一基板の第1の面に形成され、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部の中心部を結ぶ軸と略平行な領域の上記基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されているものである。
【0009】
さらに、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との中心部を結ぶ軸に直交する軸と略平行な領域の基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されているものである。
【0010】
また、基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列が圧力を受けるダイヤフラム構造と上記基板との固定部を囲むように形成されていること規定するものである。
【0011】
また、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との略中心を結ぶ軸上に基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されていることを規定するものである。
【0012】
上記それぞれの圧力センサにおいて、基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列の一部の領域を介して、上記基板の第1の面に形成された配線層と上記基板の第2の面に形成された入出力配線とが接続されていることを規定するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は、この発明を実施するための実施の形態1による圧力センサの構成を説明するための概略分解斜視図、図2は図1中Y’−Y’断面図、図3は第1図中X’−X’断面図である。図4はセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示しており、配置されるSUS筒体5とSUSダイヤフラムの位置を破線で挿入した図である。図において、X,YはそれぞれX軸、Y軸を示す。1は例えばシリコンウェハから切り出されたセンサ素子100の平板状基材で、5は例えばSUSやコバールなどの金属の筒体でその上に圧力を受けるダイヤフラム6が形成されている。2は平板状基材1の一方の面に形成された例えば窒化シリコン膜からなる絶縁性の支持膜で、この上に感熱抵抗体膜のヒーター3が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。また、リファレンス出力用に第2の感熱抵抗体膜のヒーター8が形成される。ヒーター3はダイヤフラム6の中心に対向するように配置されるのに対し、第2のヒーター8はダイヤフラム6のうち圧力に対して変位の小さい周辺部に対向して配置されている。これらのヒーター3,8を覆うように保護膜4が形成されている。またヒーター3,8で発生した熱がシリコン基材1に逃げずにSUSダイヤフラム6やSUS筒体5に流れて効率良く利用されるようにヒーター3,8の周囲のシリコン基材1が除去されていて窒化シリコン膜2,4からなるダイヤフラム9,10が形成されている。ダイヤフラム9,10の両側にY方向に長いスリット状にシリコン基材1が除去された開口部40が形成されている。7はダイヤフラム6とヒーター3,8の計測部とが所定距離をおいて対向配置するように配設されたスペーサ、11は金属筒体5にセンサ素子100を固定するための接着剤で、センサ素子100と金属筒体5の距離はスペーサ7で規定され、図4中に示された固定部12の領域でセンサ素子100は金属筒体5に固定される。なお、3a,8aはそれぞれヒーター3,8のパッド部(配線取り出し口)を示す。圧力測定用のヒーター3とリファレンス出力用のヒーター8は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されている。また20はセンサ素子100の出力を外部へ取り出すための配線板で例えばエポキシ樹脂などで形成される。配線板20とセンサ素子100は接着剤21で接着されている。センサ素子100の出力パッド3a,8aと配線板の外部出力リード22は例えば25μm径のAu線からなるワイヤー23により電気的に接続されている。
【0014】
次に、センサ素子100の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。その後、安定化のために約600℃で数時間アニールする。この白金膜3は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより図4のようなパターンのヒーター3, 8が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。表面保護膜4を形成した後にスペーサを形成する。スペーサをポリイミド樹脂などの有機絶縁膜とする場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜4を形成した後にポリイミドコーティング剤をスピンコートなどの手段でシリコン基板上に均一に塗布する。次に感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりポリイミド樹脂を所望のパターンに加工する。感光性のポリイミドコーティング剤を使用すればレジストなしで直接パターンが形成されさらに簡便になる。パターン加工後300℃程度のベークにより焼き締められて、ポリイミド樹脂となる。このようにポリイミドコーティング剤を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。最後に、平板状基材1の支持膜2が配置されている方の表面とは反対側の面に写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことによりヒーター3,8の周囲の平板状基材1の一部が除去されて窒化シリコン膜2,4からなるダイヤフラム9,10が形成される。この時同時にダイヤフラム9,10と同じ構造のスリット状の開口部40を形成する。
【0015】
次に読み出し回路と動作について説明する。図5は読み出し回路の概略構成図で、図において30は外部電源、31、32は定電流源、33は差動増幅器である。
以下、動作を説明する。圧力測定用のヒーター(抵抗値R1)3とリファレンス出力用のヒーター(抵抗値R2)8は外部電源30(電圧Vc)から通電され、定電流源31,32(電流I1, I2)にそれぞれ接続されて定電流が流れ発熱している。定電流源31,32との接続部に圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2が発生する。これらの圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとり増幅する差動増幅器33が接続されている。筒体5の内部が流体により圧力Pを受けると、ダイヤフラム6が変位してヒーター3に近づきダイヤフラム6への熱の流れが増加する。そのため、圧力測定用のヒーター3の温度が低下し、抵抗値R1が低下し圧力信号電圧V1は増加する。一方リファレンス出力用のヒーター8はダイヤフラム6の周辺部の圧力による変位が少ない位置に形成されているので圧力が印加されても抵抗値R2の変化は少ない。つまりリファレンス出力電圧V2の変化は少ない。抵抗値R1は雰囲気温度によっても変化するので、雰囲気温度が変化すると圧力信号電圧V1が大きく変化する。しかしながら、圧力測定用のヒーター3とリファレンス出力用のヒーター8は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されていて、抵抗値R1とR2は同じ温度依存性を持つため、圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとって増幅する差動増幅器33を用いれば温度によって大きく変化するオフセット成分を除去し圧力信号成分を増幅して読み出すことができる。
【0016】
従来の圧力センサは、固定部12で拘束されていたために図19中円内のようにX’―X’方向にみたときに凹部状に変形していたが、本実施の形態のように、ヒーターのダイヤフラム9,10の両側にスリット状の開口部40を設けると、このX軸方向の変形が緩和される。また、センサ素子はX軸よりもY軸に沿って変形しやすくなる。したがって、センサ素子と金属ダイヤフラムの熱膨張係数の差による熱歪みは、センサ素子がスリット開口部40でY軸に沿って変形することにより緩和されてX軸に沿っての変形は少なくなる。そのため、センサ温度が変化するとY軸に沿った変形によりヒーター3とダイヤフラム6の距離は多少変化するがリファレンスのヒーター8とダイヤフラム6の距離もほぼ同じだけ変化するので圧力信号出力とリファレンス出力の差分出力の熱歪による変化は問題にならないレベルに小さくできる。
【0017】
この、従来発生していた変形量は接着剤11にやわらかい接着剤を使用したり金属ダイヤフラム筒体5にシリコンと熱膨張係数の近いコバールを使用したりして小さくすることは可能であるが、完全になくすことはできない。またセンサ素子の固定方法としてはセンサ素子100を金属筒体5へバネなどで加圧固定して接着剤11を用いない場合もあり、この場合でもセンサ素子100は固定部12で金属ダイヤフラム筒体5に拘束されるので同様に変形してしまう。これに対し、本実施の形態にように開口部40を形成すれば、変形に対して十分な効果があることは明白である。
【0018】
なお、スリット状の開口部40がダイヤフラム9,10の開口部と同じ構造で同時に形成したものを示したが、開口部40はダイヤフラム構造である必要はなく完全に貫通した穴でもよい。
図6、図7、図8には開口部40の形状が異なる場合のセンサの断面図を示すが、図6に示すようにプラズマガスによるドライエッチングで形成した溝状の穴でもよいし、図7に示すように基板1を途中まで掘った溝でもよいし、図8に示すよう開口部が複数本あってもよい。
【0019】
また、図4では開口部40の長さがヒーターのダイヤフラム9の開口部の上端からダイヤフラム10の開口部の下端まで伸びた例について示したが、この長さは更に長くてもよいし、ダイヤフラム9,10の開口部に対して対称な配置や形状でなくてもよい。またこの長さは図4に示したものより短くてもよい。ただし短いほどセンサ素子の機械的強度は向上し組み立て時の破損の危険性は低減されるが、熱歪み緩和の効果は小さくなるので、強度が維持できる程度に長く形成する方がよい。
図4では開口部40がY軸に対し平行であるものを示したが、これは略Y軸に平行であれば、傾いていてもよい。固定部12の配置によっては傾けたほうがX軸方向の変形を抑えることができる場合もある。その場合、固定部の設計に応じて開口部40のX軸方向の成分、Y軸方向の成分を決めればよい。
さらに、図9、図10にはセンサ素子の別のレイアウトを示す平面概略図を示す。図4では開口部40はY軸方向に伸びたスリット状の長方形の例を示したが、図9に示すように複数個の開口部が連なったものでもよい。また開口部40がダイヤフラム9,10の開口部の両側に形成されたものについて説明したが、原理的にはY軸に沿って変形しやすくすればよいので例えば、図10に示すように片側のみ開口部40が形成されていてもよい。
【0020】
実施の形態2.
以下、本発明の別実施の形態について図を用いて説明する。図11は、この発明を実施するための実施の形態2による圧力センサの構成を説明するためのセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。図12は、別のセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。図中40aは開口部40のうちX軸方向の成分(X軸方向に伸びた開口部)である。
【0021】
上記実施の形態1中に示した図4では開口部40がY軸方向に伸びた長方形のスリット開口であるものを示したが、本実施の形態では開口部はX軸方向に伸びた成分も有する。図4で示すように、固定部12のY軸方向の配置の長さ(L1)がヒーターのダイヤフラム9,10の開口のY方向の配置の長さ(L2)と同等の時には、開口部40によりX軸に沿っての熱歪み変形は無視できるほど小さくできる。しかし、センサ素子と金属ダイヤフラムの接着をより強固にする等の目的で固定部12の領域をY軸方向に伸ばす(L1>L2)と、図4に示したY軸方向の長方形開口ではX軸に沿っての熱歪み変形を緩和しきれなくなる場合がある。
これに対し、本実施の形態のように、図11、12で示すX軸方向に伸びた開口部40aを付加することによってX軸に沿っての熱歪み変形を緩和することが可能になる。図11,12ではY軸方向へのスリットとX軸方向へのスリットがつながったものを示しているが、これらは実施の形態1中図9で示したような分割された開口列であってもよい。また開口部40がダイヤフラム9,10の開口部の両側に対称で同形状に形成したものについて説明したが、片側のみ開口部40が形成されていてもよいし対称でなくても形状が異なっていてもよい。
【0022】
実施の形態3.
以下、本発明の別実施の形態について図を用いて説明する。図13は、この発明を実施するための実施の形態3による圧力センサの構成を説明するためのセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。
本実施の形態では熱歪み緩和のための開口部40は圧力検出用ヒーター3とリファレンス出力用の第2のヒーター8の中心を結ぶ中心線A−A上にY方向に沿って形成されている。
【0023】
以上のように構成された熱式圧力センサでは外部の温度が変化すると、センサ素子100と金属ダイヤフラム筒体5の熱膨張係数の差によりセンサ素子が変形する。例えば筒体5がSUSでセンサ素子がシリコンの場合、シリコンの熱膨張係数の方が小さいので外部環境温度が上昇してセンサの温度が上昇するとセンサ素子はヒーター3の部分がダイヤフラム6に近づくように凹状に変形する。しかしながら各感熱抵抗膜の中心線上つまりセンサ素子のY軸中心軸上にスリット状の開口部40を設けるとセンサ素子はX軸よりもY軸に沿って変形しやすくなる。したがってセンサ素子と金属ダイヤフラムの熱膨張係数の差による熱歪みは、センサ素子がスリット開口部40でY軸に沿って変形することにより緩和されてX軸に沿っての変形は少なくなる。そのためセンサ温度が変化するとY軸に沿った変形によりヒーター3とダイヤフラム6の距離は多少変化するがリファレンスのヒーター8とダイヤフラム6の距離もほぼ同じだけ変化するので圧力信号出力とリファレンス出力の差分出力の熱歪による変化は問題にならないレベルに小さくできる。
【0024】
なお、図13では各ヒーター3,8のダイヤフラム形成のための開口部9,10の中間と上下に3個の開口部40を形成した構造を示したが、開口部40は図9で示したような分割された開口列であってもよい。またダイヤフラム9,10の開口部と開口部40が接していないものを示したが、これらの開口部がつながっていてもよい。また、熱歪みが出力にあたえる影響が問題ないレベルであればヒーター3とヒーター8の中心を結ぶ中心線上から多少ずれて開口部40が形成されてもよい。
【0025】
実施の形態4.
以下、本発明の別実施の形態について図を用いて説明する。図14、図15は、この発明を実施するための実施の形態4による圧力センサの構成を説明するためのセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。
本実施の形態では熱歪み緩和のための開口部40は固定部12を囲むように形成されている。例えば図14ではセンサ素子の左右の固定部の3方向を囲むように開口部40が形成されている。また、図15のように接着部が4ヶ所に分割されている場合はおのおのの固定部を囲むように開口部40が形成されている。センサ素子100の製造方法と圧力センサとしての動作は実施例の形態1と同じである。
【0026】
以上のように構成された熱式圧力センサでは外部の温度が変化すると、センサ素子100と金属ダイヤフラム筒体5の熱膨張係数の差によりセンサ素子にストレスがかかる。例えば筒体5がSUSでセンサ素子がシリコンの場合、シリコンの熱膨張係数の方が小さいので外部環境温度が上昇してセンサの温度が上昇するとセンサ素子は固定部から素子の外側向きの歪み力を受けるが、固定部の周囲には開口部40があるので固定部周辺のみが変形することにより熱歪みは緩和されてヒーター3とヒーター8の部分への歪みは問題にならないレベルに小さくできる。
【0027】
なお、図14、図15では各固定部の上下と左右いずれかの1辺の周辺3方向に開口部40を設けた構造を示したが、1方向や2方向に開口部が形成されていてもよい。この場合は、歪み緩和の効果は落ちるが固定部周辺の機械的強度が増すので組み立ては容易になる。また開口部の一部がとぎれていれば固定部4方向を囲むように開口部が形成されていてもよい。また開口部40が基板を貫通していなければ固定部周辺を完全に囲むように開口部40を形成することも可能である。また、開口部40は図9で示したような分割された開口列であってもよい。またセンサ素子の固定方法としてはセンサ素子100を金属筒体5へバネなどで加圧固定して接着剤11がない場合でもスペーサーが金属ダイヤフラム筒体5に接する部分で拘束されるのでスペーサー周辺の固定部に同様に開口部を形成すれば同様な効果がある。
【0028】
実施の形態5.
以下、更に別の実施の形態について図を用いて説明する。図16は、この発明の実施の形態5による圧力センサの構成を説明するための概略分解斜視図、図17は図16中X’’−X’’断面図である。
本実施の形態は、上記実施の形態1〜4に記載の圧力センサ素子に示された開口部40を入出力配線の取り出しに利用するものである。
【0029】
図において、センサ素子100の表面に形成されたヒーター3と8の表面配線は、開口部40を利用した貫通配線によってセンサ素子の裏面の開口部近傍に形成されたパッド50a,50bと51a,51bから取り出せるようになっている。52は外部出力リード、53は例えば25μm径のAu線からなるワイヤーで、外部出力リード52とパッド50a,50b,51a,51bはワイヤ53により電気的に接続されている。図17において54は例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜、55例えばAlSi金属よりなる裏面配線である。裏面配線55と表面配線3,8は開口部40内の絶縁膜54と絶縁膜2に開けられたスルーホール56によって電気的に接続されている。裏面配線55はスルーホール56から開口部40の斜面上に配設されセンサ素子裏面のパッド50a,50b,51a,51bと電気的に接続されている。パッド50a,50b,51a,51bは裏面配線55と同一層の金属膜で形成してもよいし、別の金属膜で形成してもよい。
【0030】
次に、図16、図17に示される熱式センサ素子の主要部の製造方法について説明する。
板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。その後、安定化のために約600℃で数時間アニールする。この白金膜3は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、図16に示されるようなパターンのヒーター3, 8が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。表面保護膜4を形成した後にスペーサを形成する。
スペーサをポリイミド樹脂などの有機絶縁膜とする場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜4を形成した後にポリイミドコーティング剤をスピンコートなどの手段でシリコン基板上に均一に塗布する。次に感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりポリイミド樹脂を所望のパターンに加工する。感光性のポリイミドコーティング剤を使用すればレジストなしで直接パターンが形成されさらに簡便になる。パターン加工後300℃程度のベークにより焼き締められて、ポリイミド樹脂となる。このようにポリイミドコーティング剤を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。
次に、平板状基材1の支持膜2が配置されている方の表面とは反対側の面に写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことによりヒーター3,8の周囲の平板状基材1の一部が除去されて窒化シリコン膜2,4からなるダイヤフラム9, 10が形成される。この時同時にダイヤフラム9,10と同じ構造のスリット状の開口部40を形成する。次に裏面に厚さ約0.5μmの窒化シリコン膜54をスパッタ法等により形成する。裏面側から写真製版法等を用いて所望のパターニングをおこない絶縁膜54,2をエッチングしてスルーホール56を形成する。スルーホール56では表面配線3が露出する。
その後、裏面の配線膜として例えばAlSi膜をスパッタ法等により形成する。写真製版法等を用いて裏面配線膜に所望のパターニングをおこないエッチングして裏面配線55を形成する。これで表面配線3と裏面配線55はスルーホール56で電気的に接続される。次にセンサ素子100の接着部11に接着剤を塗布し金属ダイヤフラム筒体5に接着して固定する。最後に熱式センサ素子入出力パッド50a,50b,51a,51bと外部入出力リード52をワイヤーボンド53で接続する。
【0031】
本実施の形態においても実施の形態1と同様に外部の温度が変化した時にセンサ素子100と金属ダイヤフラム筒体5の熱膨張係数の差による熱歪みは生じる。しかし、センサ素子がスリット開口部40でY軸に沿って変形することにより緩和されてX軸に沿っての変形は少なくなり圧力信号出力とリファレンス出力の差分出力の熱歪による変化は問題にならないレベルに小さくできる。
【0032】
さらに、本実施の形態ではセンサ素子裏面から表面にかけての開口部40を用いて表面配線と裏面配線を接続するので製造工程の大幅な増加なしにセンサ素子裏面より出力が取り出せるようになる。その結果本実施の形態では実施の形態1に比べ図1中の配線板20が不要となり、実装構造が簡略化され、実装工程を削減できる。さらに図1の構造では金属ダイヤフラム筒体5の外側でワイヤ出力を取り出す必要があるため、センサ素子の出力パッド部が金属ダイヤフラム筒体5の外側に配置できるようにセンサ素子をY方向に長く設計する必要があったが、本実施の形態のように裏面から出力を取り出せるようにすると、その制約がなくなりセンサ素子のY方向はヒーター3,8が配置できる最小値に設計することが可能になりセンサ素子のチップサイズを小さくすることができる。
【0033】
なお、裏面配線は数十ミクロンの幅で形成することができるので開口部の一部の微小な領域に表面配線と裏面配線の貫通配線を形成できる。したがって本実施例では開口部40の長さがヒーターのダイヤフラム9の開口部の上端からダイヤフラム10の開口部の下端までであるように示されているが、開口部の形状や配置は貫通配線に影響はないので、例えば開口部の長さは図16に示したものよりも更に長くてもよいし、短くてもよい。
また、ダイヤフラム9,10の開口部に対して対称な配置でなくてもよいしY軸方向に傾いていてもよい。また第8図に示すように複数個の開口部が連なったものでもよい。この場合ヒーター3とヒーター8の裏面配線は別々の小さな開口部より取り出すこともありうるが裏面配線は数十ミクロンの幅で形成することができるので問題ない。
【0034】
上記実施の形態5ではセンサ素子して実施の形態1で示した開口部の位置、形状を有するものについて例示したが、実施の形態2〜4に示した図9〜15に示したような配置や形状のものでもよい。
【0035】
なお、上記実施の形態1〜5において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明による圧力センサは、圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラム構造の第2の面の中央部に対向配置された発熱手段を有する第1の熱式検知部とを備え、圧力の変化による上記ダイヤフラムの変位量を上記第1の熱式検知部で熱的に検知する圧力センサであって、上記ダイヤフラムの第2の面の端部に対向して配置された発熱手段を有する第2の熱式検知部を有し、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部が同一基板の第1の面に形成され、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部の中心部を結ぶ軸と略平行な領域の上記基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されているので、雰囲気温度が変化しても、温度変化によるセンサ素子の変形がこの溝もしくは穴列により緩和され、センサ出力の変動が少ない高精度な圧力センサを得ることができる。
【0037】
さらに、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との中心部を結ぶ軸に直交する軸と略平行な領域の基板にも、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されるので、雰囲気温度が変化しても、よりセンサ出力の変動が少ない高精度な圧力センサを得ることができる。
また、上記溝もしくは穴列を圧力を受けるダイヤフラム構造と基板とを固定する固定部を囲むように形成したので、固定部周辺の基板のみが変形することにより全体の熱歪は緩和されやすくなる。
【0038】
上記それぞれの圧力センサにおいて、基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列の一部の領域を介して、上記基板の第1の面に形成された配線層と上記基板の第2の面に形成された入出力配線とが接続されているので、雰囲気温度が変化しても、センサ出力の変動が少ない高精度な圧力センサを得ることができることに加え、製造工程の大幅な増加なしにセンサ素子裏面より出力が取り出せ、小型化が可能になり製造コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による圧力センサの構成を説明するための分解斜視図である。
【図2】図1の圧力センサのY’−Y’断面図である。
【図3】図1の圧力センサのX’−X’断面図である。
【図4】図1の圧力センサ中センサ素子主要部のレイアウト示すための平面概略図である。
【図5】圧力センサの読み出し方法を説明するための回路構成図である。
【図6】実施の形態1による別のセンサ素子の断面図である。
【図7】実施の形態1による別のセンサ素子の断面図である。
【図8】実施の形態1による別のセンサ素子の上面平面図である。
【図9】実施の形態1によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図10】実施の形態1によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図11】実施の形態2によるセンサ素子主要部のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図12】実施の形態2によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図13】実施の形態3によるセンサ素子主要部のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図14】実施の形態4によるセンサ素子主要部のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図15】実施の形態4によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図16】実施の形態5による圧力センサの構成を説明するための分解斜視図である。
【図17】図16の圧力センサのX’’−X’’断面図である。
【図18】従来の圧力センサの構成を説明するための断面図である。
【図19】従来の圧力センサの構成を説明するための断面図で、図18とは異なる方向の断面図である。
【図20】圧力センサの読み出し方法を説明するための回路構成図である。
【符号の説明】
1 センサ素子基板、 2,4 絶縁膜、 3,8 感熱抵抗膜、
3a,8a 入出力パッド、 5 ダイヤフラム筒体、 6 ダイヤフラム、
7 スペーサ、 9,10 感熱部のダイヤフラム開口、
11 接着部、 12 固定部、 20 配線板、 21 接着剤、
22 出力リード、 23 ワイヤーボンド材、 30 電圧源、
31,32 電流源、 33 差動増幅器、 40 開口部、
50a,50b,51a,51b 裏面入出力パッド、 52 出力リード、
53 ワイヤーボンド材、 54 絶縁膜、 55 裏面配線、
56 スルーホール、100 センサ素子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を計測する圧力センサに係わり、熱式圧力検出素子に含まれる発熱体あるいは発熱体によって加熱された部分から、一定距離を離して対向配置されている圧力を受けるダイヤフラムによって奪われる熱量を、熱式圧力検出素子を用いて計測する圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
計測流体の圧力と、該流体から圧力を受ける筒体上のダイヤフラムのたわみ量との間に成立するほぼ一義的な関数関係を利用して、ダイヤフラム上に成膜技術、写真製版技術等を用いて作製した歪ゲージを用いてダイヤフラムのたわみ量を計測し、このダイヤフラムのたわみ量に比例した流体の圧力を得るようにした歪みゲージ式圧力センサとしては、例えば実開昭61−137242号(実願昭60−19572号マイクロフィルム)公報に開示されている圧力センサがある。この歪みゲージ式圧力センサは内燃機関の吸入空気量の検出、車両のブレーキ油圧の検出等に広く用いられている。他の方式の圧力センサとして、圧力を受けるダイヤフラムと一定距離離れたシリコン検出素子の発熱体からダイヤフラムの変位に伴って奪われる熱量の変化をシリコン検出素子で計測する熱式圧力センサがWO 00/39551公報に開示されている。熱式圧力センサは、従来からのシリコン基板に適用される製造技術および装置を用いて、シリコン基板上に測定素子を一括大量生産することができ、筒体上のダイヤフラムを受圧体として用いるが、ダイヤフラムに加工を施す必要がないため、信頼性が高い、安価な圧力センサが得られる特徴がある。
【0003】
図18は、例えばWO 00/39551公報に開示されている従来の熱式圧力センサの構造を示す断面図、図19は図18の方向の断面図である。また図20は例えば、WO 02/10703公報に開示されている読み出し回路の概略構成図である。
図において、101は例えばシリコンウェハから切り出されたセンサ素子1000の平板状基材で、105は例えばSUSやコバールなどの金属の筒体でその上に圧力を受けるダイヤフラム106が形成されている。102は平板状基材101の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に感熱抵抗体膜のヒーター103が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。また、リファレンス出力用第2の感熱抵抗体膜のヒーター108が形成される。ヒーター103はダイヤフラム106の中心に対向するように配置されるのに対し、第2のヒーター108はダイヤフラム106のうち圧力に対して変位の小さい周辺部に対向して配置されている。これらのヒーター103,108を覆うように保護膜104が形成されている。またヒーター103,108で発生した熱がシリコン基材101に逃げずにSUSダイヤフラム106やSUS筒体105に流れて効率良く利用されるようにヒーター103,108の周囲のシリコン基材101が除去されていて窒化シリコン膜102,104からなるダイヤフラム109,110が形成されている。またダイヤフラム106とヒーター103,108の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ107が配設され、センサ素子1000と金属筒体105の距離はスペーサ107で規定される。なお、103a,108aはそれぞれヒーター103,108のパッド部(配線取り出し口)を示す。圧力測定用のヒーター103とリファレンス出力用のヒーター108は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されている。
【0004】
次に、図18、図19に示されるセンサ素子1000の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ101上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜103を蒸着法やスパッタ法等により形成する。その後、安定化のために約600℃で数時間アニールする。この白金膜103は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、ヒーター103,108が形成される。ヒーターとパッド部103a,108aとそれらを結ぶ配線も同時に形成される。パターニングされた、白金膜103ないし窒化シリコン膜102の上に、保護膜104として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。表面保護膜104を形成した後にスペーサを形成する。スペーサをポリイミド樹脂などの有機絶縁膜とする場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜104を形成した後にポリイミドコーティング剤をスピンコートなどの手段でシリコン基板上に均一に塗布する。次に感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりポリイミド樹脂を所望のパターンに加工する。感光性のポリイミドコーティング剤を使用すればレジストなしで直接パターンが形成されさらに簡便になる。パターン加工後300℃程度のベークにより焼き締められて、ポリイミド樹脂となる。このようにポリイミドコーティング剤を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。最後に、平板状基材101の支持膜102が配置されている方の表面とは反対側の面に写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことによりヒーター103,108の周囲の平板状基材101の一部が除去されて窒化シリコン膜102,104からなるダイヤフラム109,110が形成される。
【0005】
次に、読み出し回路と動作について図20を用いて説明する。
圧力測定用のヒーター(抵抗値R1)103とリファレンス出力用のヒーター(抵抗値R2)108は外部電源130(電圧Vc)から通電され、定電流源131,132(電流I1, I2)にそれぞれ接続されて定電流が流れ発熱している。定電流源131,132との接続部に圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2が発生する。これらの圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとり増幅する差動増幅器133が接続されている。筒体105の内部が流体により圧力Pを受けると、ダイヤフラム106が変位してヒーター103に近づきダイヤフラム106への熱の流れが増加する。そのため、圧力測定用のヒーター103の温度が低下し、抵抗値R1が低下し圧力信号電圧V1は増加する。
一方、リファレンス出力用のヒーター108はダイヤフラム106の周辺部の圧力による変位が少ない位置に形成されているので圧力が印加されても抵抗値R2の変化は少ない。つまりリファレンス出力電圧V2の変化は少ない。抵抗値R1は雰囲気温度によっても変化するので、雰囲気温度が変化すると圧力信号電圧V1が大きく変化する。しかしながら、圧力測定用のヒーター103とリファレンス出力用のヒーター108は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されていて、抵抗値R1とR2は同じ温度依存性を持つため、圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとって増幅する差動増幅器を用いれば温度によって大きく変化するオフセット成分を除去し圧力信号成分を増幅して読み出すことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成された従来の熱式圧力センサでは、圧力センサの晒されている雰囲気温度が変化すると、センサ素子100と金属ダイヤフラム筒体105の熱膨張係数の差によりセンサ素子100が変形する。例えば筒体105がSUSでセンサ素子100がシリコンの場合、シリコンの熱膨張係数の方が小さいので雰囲気温度が上昇してセンサの温度が上昇するとセンサ素子はヒーター103、108がダイヤフラム106に近づくように凹状に変形する。
図19中円内には、その変形の様子を拡大して示す。この変形のため圧力測定用のヒーター103及びリファレンス出力用のヒーター106と金属ダイヤフラムとの距離が近づき初期値と異なってしまい、図20の回路でリファレンスとの差分出力を出力しても、その出力に上記距離変動分の誤差を生じてしまうという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、温度変化があってもセンサ出力の変動が少ない圧力センサを得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による圧力センサは、圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラム構造の第2の面の中央部に対向配置された発熱手段を有する第1の熱式検知部とを備え、圧力の変化による上記ダイヤフラムの変位量を上記第1の熱式検知部で熱的に検知する圧力センサであって、上記ダイヤフラムの第2の面の端部に対向して配置された発熱手段を有する第2の熱式検知部を有し、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部が同一基板の第1の面に形成され、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部の中心部を結ぶ軸と略平行な領域の上記基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されているものである。
【0009】
さらに、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との中心部を結ぶ軸に直交する軸と略平行な領域の基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されているものである。
【0010】
また、基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列が圧力を受けるダイヤフラム構造と上記基板との固定部を囲むように形成されていること規定するものである。
【0011】
また、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との略中心を結ぶ軸上に基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されていることを規定するものである。
【0012】
上記それぞれの圧力センサにおいて、基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列の一部の領域を介して、上記基板の第1の面に形成された配線層と上記基板の第2の面に形成された入出力配線とが接続されていることを規定するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は、この発明を実施するための実施の形態1による圧力センサの構成を説明するための概略分解斜視図、図2は図1中Y’−Y’断面図、図3は第1図中X’−X’断面図である。図4はセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示しており、配置されるSUS筒体5とSUSダイヤフラムの位置を破線で挿入した図である。図において、X,YはそれぞれX軸、Y軸を示す。1は例えばシリコンウェハから切り出されたセンサ素子100の平板状基材で、5は例えばSUSやコバールなどの金属の筒体でその上に圧力を受けるダイヤフラム6が形成されている。2は平板状基材1の一方の面に形成された例えば窒化シリコン膜からなる絶縁性の支持膜で、この上に感熱抵抗体膜のヒーター3が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。また、リファレンス出力用に第2の感熱抵抗体膜のヒーター8が形成される。ヒーター3はダイヤフラム6の中心に対向するように配置されるのに対し、第2のヒーター8はダイヤフラム6のうち圧力に対して変位の小さい周辺部に対向して配置されている。これらのヒーター3,8を覆うように保護膜4が形成されている。またヒーター3,8で発生した熱がシリコン基材1に逃げずにSUSダイヤフラム6やSUS筒体5に流れて効率良く利用されるようにヒーター3,8の周囲のシリコン基材1が除去されていて窒化シリコン膜2,4からなるダイヤフラム9,10が形成されている。ダイヤフラム9,10の両側にY方向に長いスリット状にシリコン基材1が除去された開口部40が形成されている。7はダイヤフラム6とヒーター3,8の計測部とが所定距離をおいて対向配置するように配設されたスペーサ、11は金属筒体5にセンサ素子100を固定するための接着剤で、センサ素子100と金属筒体5の距離はスペーサ7で規定され、図4中に示された固定部12の領域でセンサ素子100は金属筒体5に固定される。なお、3a,8aはそれぞれヒーター3,8のパッド部(配線取り出し口)を示す。圧力測定用のヒーター3とリファレンス出力用のヒーター8は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されている。また20はセンサ素子100の出力を外部へ取り出すための配線板で例えばエポキシ樹脂などで形成される。配線板20とセンサ素子100は接着剤21で接着されている。センサ素子100の出力パッド3a,8aと配線板の外部出力リード22は例えば25μm径のAu線からなるワイヤー23により電気的に接続されている。
【0014】
次に、センサ素子100の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。その後、安定化のために約600℃で数時間アニールする。この白金膜3は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより図4のようなパターンのヒーター3, 8が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。表面保護膜4を形成した後にスペーサを形成する。スペーサをポリイミド樹脂などの有機絶縁膜とする場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜4を形成した後にポリイミドコーティング剤をスピンコートなどの手段でシリコン基板上に均一に塗布する。次に感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりポリイミド樹脂を所望のパターンに加工する。感光性のポリイミドコーティング剤を使用すればレジストなしで直接パターンが形成されさらに簡便になる。パターン加工後300℃程度のベークにより焼き締められて、ポリイミド樹脂となる。このようにポリイミドコーティング剤を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。最後に、平板状基材1の支持膜2が配置されている方の表面とは反対側の面に写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことによりヒーター3,8の周囲の平板状基材1の一部が除去されて窒化シリコン膜2,4からなるダイヤフラム9,10が形成される。この時同時にダイヤフラム9,10と同じ構造のスリット状の開口部40を形成する。
【0015】
次に読み出し回路と動作について説明する。図5は読み出し回路の概略構成図で、図において30は外部電源、31、32は定電流源、33は差動増幅器である。
以下、動作を説明する。圧力測定用のヒーター(抵抗値R1)3とリファレンス出力用のヒーター(抵抗値R2)8は外部電源30(電圧Vc)から通電され、定電流源31,32(電流I1, I2)にそれぞれ接続されて定電流が流れ発熱している。定電流源31,32との接続部に圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2が発生する。これらの圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとり増幅する差動増幅器33が接続されている。筒体5の内部が流体により圧力Pを受けると、ダイヤフラム6が変位してヒーター3に近づきダイヤフラム6への熱の流れが増加する。そのため、圧力測定用のヒーター3の温度が低下し、抵抗値R1が低下し圧力信号電圧V1は増加する。一方リファレンス出力用のヒーター8はダイヤフラム6の周辺部の圧力による変位が少ない位置に形成されているので圧力が印加されても抵抗値R2の変化は少ない。つまりリファレンス出力電圧V2の変化は少ない。抵抗値R1は雰囲気温度によっても変化するので、雰囲気温度が変化すると圧力信号電圧V1が大きく変化する。しかしながら、圧力測定用のヒーター3とリファレンス出力用のヒーター8は同じ構造で同じ抵抗値を持つように設計されていて、抵抗値R1とR2は同じ温度依存性を持つため、圧力信号電圧V1とリファレンス出力電圧V2の差をとって増幅する差動増幅器33を用いれば温度によって大きく変化するオフセット成分を除去し圧力信号成分を増幅して読み出すことができる。
【0016】
従来の圧力センサは、固定部12で拘束されていたために図19中円内のようにX’―X’方向にみたときに凹部状に変形していたが、本実施の形態のように、ヒーターのダイヤフラム9,10の両側にスリット状の開口部40を設けると、このX軸方向の変形が緩和される。また、センサ素子はX軸よりもY軸に沿って変形しやすくなる。したがって、センサ素子と金属ダイヤフラムの熱膨張係数の差による熱歪みは、センサ素子がスリット開口部40でY軸に沿って変形することにより緩和されてX軸に沿っての変形は少なくなる。そのため、センサ温度が変化するとY軸に沿った変形によりヒーター3とダイヤフラム6の距離は多少変化するがリファレンスのヒーター8とダイヤフラム6の距離もほぼ同じだけ変化するので圧力信号出力とリファレンス出力の差分出力の熱歪による変化は問題にならないレベルに小さくできる。
【0017】
この、従来発生していた変形量は接着剤11にやわらかい接着剤を使用したり金属ダイヤフラム筒体5にシリコンと熱膨張係数の近いコバールを使用したりして小さくすることは可能であるが、完全になくすことはできない。またセンサ素子の固定方法としてはセンサ素子100を金属筒体5へバネなどで加圧固定して接着剤11を用いない場合もあり、この場合でもセンサ素子100は固定部12で金属ダイヤフラム筒体5に拘束されるので同様に変形してしまう。これに対し、本実施の形態にように開口部40を形成すれば、変形に対して十分な効果があることは明白である。
【0018】
なお、スリット状の開口部40がダイヤフラム9,10の開口部と同じ構造で同時に形成したものを示したが、開口部40はダイヤフラム構造である必要はなく完全に貫通した穴でもよい。
図6、図7、図8には開口部40の形状が異なる場合のセンサの断面図を示すが、図6に示すようにプラズマガスによるドライエッチングで形成した溝状の穴でもよいし、図7に示すように基板1を途中まで掘った溝でもよいし、図8に示すよう開口部が複数本あってもよい。
【0019】
また、図4では開口部40の長さがヒーターのダイヤフラム9の開口部の上端からダイヤフラム10の開口部の下端まで伸びた例について示したが、この長さは更に長くてもよいし、ダイヤフラム9,10の開口部に対して対称な配置や形状でなくてもよい。またこの長さは図4に示したものより短くてもよい。ただし短いほどセンサ素子の機械的強度は向上し組み立て時の破損の危険性は低減されるが、熱歪み緩和の効果は小さくなるので、強度が維持できる程度に長く形成する方がよい。
図4では開口部40がY軸に対し平行であるものを示したが、これは略Y軸に平行であれば、傾いていてもよい。固定部12の配置によっては傾けたほうがX軸方向の変形を抑えることができる場合もある。その場合、固定部の設計に応じて開口部40のX軸方向の成分、Y軸方向の成分を決めればよい。
さらに、図9、図10にはセンサ素子の別のレイアウトを示す平面概略図を示す。図4では開口部40はY軸方向に伸びたスリット状の長方形の例を示したが、図9に示すように複数個の開口部が連なったものでもよい。また開口部40がダイヤフラム9,10の開口部の両側に形成されたものについて説明したが、原理的にはY軸に沿って変形しやすくすればよいので例えば、図10に示すように片側のみ開口部40が形成されていてもよい。
【0020】
実施の形態2.
以下、本発明の別実施の形態について図を用いて説明する。図11は、この発明を実施するための実施の形態2による圧力センサの構成を説明するためのセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。図12は、別のセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。図中40aは開口部40のうちX軸方向の成分(X軸方向に伸びた開口部)である。
【0021】
上記実施の形態1中に示した図4では開口部40がY軸方向に伸びた長方形のスリット開口であるものを示したが、本実施の形態では開口部はX軸方向に伸びた成分も有する。図4で示すように、固定部12のY軸方向の配置の長さ(L1)がヒーターのダイヤフラム9,10の開口のY方向の配置の長さ(L2)と同等の時には、開口部40によりX軸に沿っての熱歪み変形は無視できるほど小さくできる。しかし、センサ素子と金属ダイヤフラムの接着をより強固にする等の目的で固定部12の領域をY軸方向に伸ばす(L1>L2)と、図4に示したY軸方向の長方形開口ではX軸に沿っての熱歪み変形を緩和しきれなくなる場合がある。
これに対し、本実施の形態のように、図11、12で示すX軸方向に伸びた開口部40aを付加することによってX軸に沿っての熱歪み変形を緩和することが可能になる。図11,12ではY軸方向へのスリットとX軸方向へのスリットがつながったものを示しているが、これらは実施の形態1中図9で示したような分割された開口列であってもよい。また開口部40がダイヤフラム9,10の開口部の両側に対称で同形状に形成したものについて説明したが、片側のみ開口部40が形成されていてもよいし対称でなくても形状が異なっていてもよい。
【0022】
実施の形態3.
以下、本発明の別実施の形態について図を用いて説明する。図13は、この発明を実施するための実施の形態3による圧力センサの構成を説明するためのセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。
本実施の形態では熱歪み緩和のための開口部40は圧力検出用ヒーター3とリファレンス出力用の第2のヒーター8の中心を結ぶ中心線A−A上にY方向に沿って形成されている。
【0023】
以上のように構成された熱式圧力センサでは外部の温度が変化すると、センサ素子100と金属ダイヤフラム筒体5の熱膨張係数の差によりセンサ素子が変形する。例えば筒体5がSUSでセンサ素子がシリコンの場合、シリコンの熱膨張係数の方が小さいので外部環境温度が上昇してセンサの温度が上昇するとセンサ素子はヒーター3の部分がダイヤフラム6に近づくように凹状に変形する。しかしながら各感熱抵抗膜の中心線上つまりセンサ素子のY軸中心軸上にスリット状の開口部40を設けるとセンサ素子はX軸よりもY軸に沿って変形しやすくなる。したがってセンサ素子と金属ダイヤフラムの熱膨張係数の差による熱歪みは、センサ素子がスリット開口部40でY軸に沿って変形することにより緩和されてX軸に沿っての変形は少なくなる。そのためセンサ温度が変化するとY軸に沿った変形によりヒーター3とダイヤフラム6の距離は多少変化するがリファレンスのヒーター8とダイヤフラム6の距離もほぼ同じだけ変化するので圧力信号出力とリファレンス出力の差分出力の熱歪による変化は問題にならないレベルに小さくできる。
【0024】
なお、図13では各ヒーター3,8のダイヤフラム形成のための開口部9,10の中間と上下に3個の開口部40を形成した構造を示したが、開口部40は図9で示したような分割された開口列であってもよい。またダイヤフラム9,10の開口部と開口部40が接していないものを示したが、これらの開口部がつながっていてもよい。また、熱歪みが出力にあたえる影響が問題ないレベルであればヒーター3とヒーター8の中心を結ぶ中心線上から多少ずれて開口部40が形成されてもよい。
【0025】
実施の形態4.
以下、本発明の別実施の形態について図を用いて説明する。図14、図15は、この発明を実施するための実施の形態4による圧力センサの構成を説明するためのセンサ素子の平面概略図で、構成要素のレイアウトを示した図である。
本実施の形態では熱歪み緩和のための開口部40は固定部12を囲むように形成されている。例えば図14ではセンサ素子の左右の固定部の3方向を囲むように開口部40が形成されている。また、図15のように接着部が4ヶ所に分割されている場合はおのおのの固定部を囲むように開口部40が形成されている。センサ素子100の製造方法と圧力センサとしての動作は実施例の形態1と同じである。
【0026】
以上のように構成された熱式圧力センサでは外部の温度が変化すると、センサ素子100と金属ダイヤフラム筒体5の熱膨張係数の差によりセンサ素子にストレスがかかる。例えば筒体5がSUSでセンサ素子がシリコンの場合、シリコンの熱膨張係数の方が小さいので外部環境温度が上昇してセンサの温度が上昇するとセンサ素子は固定部から素子の外側向きの歪み力を受けるが、固定部の周囲には開口部40があるので固定部周辺のみが変形することにより熱歪みは緩和されてヒーター3とヒーター8の部分への歪みは問題にならないレベルに小さくできる。
【0027】
なお、図14、図15では各固定部の上下と左右いずれかの1辺の周辺3方向に開口部40を設けた構造を示したが、1方向や2方向に開口部が形成されていてもよい。この場合は、歪み緩和の効果は落ちるが固定部周辺の機械的強度が増すので組み立ては容易になる。また開口部の一部がとぎれていれば固定部4方向を囲むように開口部が形成されていてもよい。また開口部40が基板を貫通していなければ固定部周辺を完全に囲むように開口部40を形成することも可能である。また、開口部40は図9で示したような分割された開口列であってもよい。またセンサ素子の固定方法としてはセンサ素子100を金属筒体5へバネなどで加圧固定して接着剤11がない場合でもスペーサーが金属ダイヤフラム筒体5に接する部分で拘束されるのでスペーサー周辺の固定部に同様に開口部を形成すれば同様な効果がある。
【0028】
実施の形態5.
以下、更に別の実施の形態について図を用いて説明する。図16は、この発明の実施の形態5による圧力センサの構成を説明するための概略分解斜視図、図17は図16中X’’−X’’断面図である。
本実施の形態は、上記実施の形態1〜4に記載の圧力センサ素子に示された開口部40を入出力配線の取り出しに利用するものである。
【0029】
図において、センサ素子100の表面に形成されたヒーター3と8の表面配線は、開口部40を利用した貫通配線によってセンサ素子の裏面の開口部近傍に形成されたパッド50a,50bと51a,51bから取り出せるようになっている。52は外部出力リード、53は例えば25μm径のAu線からなるワイヤーで、外部出力リード52とパッド50a,50b,51a,51bはワイヤ53により電気的に接続されている。図17において54は例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜、55例えばAlSi金属よりなる裏面配線である。裏面配線55と表面配線3,8は開口部40内の絶縁膜54と絶縁膜2に開けられたスルーホール56によって電気的に接続されている。裏面配線55はスルーホール56から開口部40の斜面上に配設されセンサ素子裏面のパッド50a,50b,51a,51bと電気的に接続されている。パッド50a,50b,51a,51bは裏面配線55と同一層の金属膜で形成してもよいし、別の金属膜で形成してもよい。
【0030】
次に、図16、図17に示される熱式センサ素子の主要部の製造方法について説明する。
板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。その後、安定化のために約600℃で数時間アニールする。この白金膜3は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、図16に示されるようなパターンのヒーター3, 8が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。表面保護膜4を形成した後にスペーサを形成する。
スペーサをポリイミド樹脂などの有機絶縁膜とする場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜4を形成した後にポリイミドコーティング剤をスピンコートなどの手段でシリコン基板上に均一に塗布する。次に感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりポリイミド樹脂を所望のパターンに加工する。感光性のポリイミドコーティング剤を使用すればレジストなしで直接パターンが形成されさらに簡便になる。パターン加工後300℃程度のベークにより焼き締められて、ポリイミド樹脂となる。このようにポリイミドコーティング剤を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。
次に、平板状基材1の支持膜2が配置されている方の表面とは反対側の面に写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことによりヒーター3,8の周囲の平板状基材1の一部が除去されて窒化シリコン膜2,4からなるダイヤフラム9, 10が形成される。この時同時にダイヤフラム9,10と同じ構造のスリット状の開口部40を形成する。次に裏面に厚さ約0.5μmの窒化シリコン膜54をスパッタ法等により形成する。裏面側から写真製版法等を用いて所望のパターニングをおこない絶縁膜54,2をエッチングしてスルーホール56を形成する。スルーホール56では表面配線3が露出する。
その後、裏面の配線膜として例えばAlSi膜をスパッタ法等により形成する。写真製版法等を用いて裏面配線膜に所望のパターニングをおこないエッチングして裏面配線55を形成する。これで表面配線3と裏面配線55はスルーホール56で電気的に接続される。次にセンサ素子100の接着部11に接着剤を塗布し金属ダイヤフラム筒体5に接着して固定する。最後に熱式センサ素子入出力パッド50a,50b,51a,51bと外部入出力リード52をワイヤーボンド53で接続する。
【0031】
本実施の形態においても実施の形態1と同様に外部の温度が変化した時にセンサ素子100と金属ダイヤフラム筒体5の熱膨張係数の差による熱歪みは生じる。しかし、センサ素子がスリット開口部40でY軸に沿って変形することにより緩和されてX軸に沿っての変形は少なくなり圧力信号出力とリファレンス出力の差分出力の熱歪による変化は問題にならないレベルに小さくできる。
【0032】
さらに、本実施の形態ではセンサ素子裏面から表面にかけての開口部40を用いて表面配線と裏面配線を接続するので製造工程の大幅な増加なしにセンサ素子裏面より出力が取り出せるようになる。その結果本実施の形態では実施の形態1に比べ図1中の配線板20が不要となり、実装構造が簡略化され、実装工程を削減できる。さらに図1の構造では金属ダイヤフラム筒体5の外側でワイヤ出力を取り出す必要があるため、センサ素子の出力パッド部が金属ダイヤフラム筒体5の外側に配置できるようにセンサ素子をY方向に長く設計する必要があったが、本実施の形態のように裏面から出力を取り出せるようにすると、その制約がなくなりセンサ素子のY方向はヒーター3,8が配置できる最小値に設計することが可能になりセンサ素子のチップサイズを小さくすることができる。
【0033】
なお、裏面配線は数十ミクロンの幅で形成することができるので開口部の一部の微小な領域に表面配線と裏面配線の貫通配線を形成できる。したがって本実施例では開口部40の長さがヒーターのダイヤフラム9の開口部の上端からダイヤフラム10の開口部の下端までであるように示されているが、開口部の形状や配置は貫通配線に影響はないので、例えば開口部の長さは図16に示したものよりも更に長くてもよいし、短くてもよい。
また、ダイヤフラム9,10の開口部に対して対称な配置でなくてもよいしY軸方向に傾いていてもよい。また第8図に示すように複数個の開口部が連なったものでもよい。この場合ヒーター3とヒーター8の裏面配線は別々の小さな開口部より取り出すこともありうるが裏面配線は数十ミクロンの幅で形成することができるので問題ない。
【0034】
上記実施の形態5ではセンサ素子して実施の形態1で示した開口部の位置、形状を有するものについて例示したが、実施の形態2〜4に示した図9〜15に示したような配置や形状のものでもよい。
【0035】
なお、上記実施の形態1〜5において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明による圧力センサは、圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラム構造の第2の面の中央部に対向配置された発熱手段を有する第1の熱式検知部とを備え、圧力の変化による上記ダイヤフラムの変位量を上記第1の熱式検知部で熱的に検知する圧力センサであって、上記ダイヤフラムの第2の面の端部に対向して配置された発熱手段を有する第2の熱式検知部を有し、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部が同一基板の第1の面に形成され、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部の中心部を結ぶ軸と略平行な領域の上記基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されているので、雰囲気温度が変化しても、温度変化によるセンサ素子の変形がこの溝もしくは穴列により緩和され、センサ出力の変動が少ない高精度な圧力センサを得ることができる。
【0037】
さらに、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との中心部を結ぶ軸に直交する軸と略平行な領域の基板にも、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されるので、雰囲気温度が変化しても、よりセンサ出力の変動が少ない高精度な圧力センサを得ることができる。
また、上記溝もしくは穴列を圧力を受けるダイヤフラム構造と基板とを固定する固定部を囲むように形成したので、固定部周辺の基板のみが変形することにより全体の熱歪は緩和されやすくなる。
【0038】
上記それぞれの圧力センサにおいて、基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列の一部の領域を介して、上記基板の第1の面に形成された配線層と上記基板の第2の面に形成された入出力配線とが接続されているので、雰囲気温度が変化しても、センサ出力の変動が少ない高精度な圧力センサを得ることができることに加え、製造工程の大幅な増加なしにセンサ素子裏面より出力が取り出せ、小型化が可能になり製造コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による圧力センサの構成を説明するための分解斜視図である。
【図2】図1の圧力センサのY’−Y’断面図である。
【図3】図1の圧力センサのX’−X’断面図である。
【図4】図1の圧力センサ中センサ素子主要部のレイアウト示すための平面概略図である。
【図5】圧力センサの読み出し方法を説明するための回路構成図である。
【図6】実施の形態1による別のセンサ素子の断面図である。
【図7】実施の形態1による別のセンサ素子の断面図である。
【図8】実施の形態1による別のセンサ素子の上面平面図である。
【図9】実施の形態1によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図10】実施の形態1によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図11】実施の形態2によるセンサ素子主要部のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図12】実施の形態2によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図13】実施の形態3によるセンサ素子主要部のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図14】実施の形態4によるセンサ素子主要部のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図15】実施の形態4によるセンサ素子主要部の別のレイアウトを示すための平面概略図である。
【図16】実施の形態5による圧力センサの構成を説明するための分解斜視図である。
【図17】図16の圧力センサのX’’−X’’断面図である。
【図18】従来の圧力センサの構成を説明するための断面図である。
【図19】従来の圧力センサの構成を説明するための断面図で、図18とは異なる方向の断面図である。
【図20】圧力センサの読み出し方法を説明するための回路構成図である。
【符号の説明】
1 センサ素子基板、 2,4 絶縁膜、 3,8 感熱抵抗膜、
3a,8a 入出力パッド、 5 ダイヤフラム筒体、 6 ダイヤフラム、
7 スペーサ、 9,10 感熱部のダイヤフラム開口、
11 接着部、 12 固定部、 20 配線板、 21 接着剤、
22 出力リード、 23 ワイヤーボンド材、 30 電圧源、
31,32 電流源、 33 差動増幅器、 40 開口部、
50a,50b,51a,51b 裏面入出力パッド、 52 出力リード、
53 ワイヤーボンド材、 54 絶縁膜、 55 裏面配線、
56 スルーホール、100 センサ素子。
Claims (5)
- 圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラム構造の第2の面の中央部に対向配置された発熱手段を有する第1の熱式検知部とを備え、圧力の変化による上記ダイヤフラムの変位量を上記第1の熱式検知部で熱的に検知する圧力センサであって、上記ダイヤフラムの第2の面の端部に対向して配置された発熱手段を有する第2の熱式検知部を有し、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部が同一基板の第1の面に形成され、上記第1の熱式検知部と上記第2の熱式検知部の中心部を結ぶ軸と略平行な領域の上記基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されていることを特徴とする圧力センサ。
- さらに、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との中心部を結ぶ軸に直交する軸と略平行な領域の基板に、該基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
- 基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列が圧力を受けるダイヤフラム構造と上記基板との固定部を囲むように形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
- 第1の熱式検知部と第2の熱式検知部との略中心を結ぶ軸上に基板の第2の面から基板の少なくとも一部が除去された溝もしくは穴列が形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
- 基板の第2の面から基板の一部が除去された溝もしくは穴列の一部の領域を介して、上記基板の第1の面に形成された配線層と上記基板の第2の面に形成された入出力配線とが接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の圧力センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002241772A JP2004077428A (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | 圧力センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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2002
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