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JP2004075758A - 両面粘着テープの製法 - Google Patents

両面粘着テープの製法 Download PDF

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JP2004075758A
JP2004075758A JP2002235441A JP2002235441A JP2004075758A JP 2004075758 A JP2004075758 A JP 2004075758A JP 2002235441 A JP2002235441 A JP 2002235441A JP 2002235441 A JP2002235441 A JP 2002235441A JP 2004075758 A JP2004075758 A JP 2004075758A
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double
adhesive tape
pressure
layer
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JP2002235441A
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English (en)
Inventor
Kaname Yoshida
吉田  要
Manabu Hashimoto
橋本  学
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Konishi Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】基材層自身が粘着付与樹脂を配合しなくても充分な接着強度と柔軟性を備え、温度変化による物性の変化が少なく優れた耐熱性、耐寒性を有すると共に、該基材層の厚みを任意に増大することができる両面粘着テープの製法を提供すること。
【解決手段】常温で液状のゴム系有機重合体を主成分とする組成物を架橋・硬化させて得られた基材層と粘着剤層が積層されてなる両面粘着テープを製造するに際し、
1)先ず、2層以上の基材同志を積層させ基材層を形成し、次いで
2)その基材層の両面に粘着剤層を積層すると共に、該基材を、
(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリウレタン、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物、
(C)ヒドロシリル化触媒、
を主成分とする組成物から構成することを特徴とする両面粘着テープの製法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材層自身が粘着付与樹脂を配合しなくても充分な接着強度と柔軟性を備え、温度変化による物性の変化が少なく、優れた耐熱性、耐寒性を有すると共に、該基材層の厚みを任意に増大することができる両面粘着テープの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
両面粘着テープは、通常、不織布、高分子発泡体などのシート状物質の両面に水性または溶剤系粘着剤を塗布し、これを乾燥して粘着層を設けたシート状接着機能材料である。
このような両面粘着テープは、一般的な液状形態の粘着剤、接着剤に比べて、スピーディで簡便に周囲を汚さず接着作業ができ、厚みが一定であることから平坦なもの同士の接着性に優れていること、はり合わせ後の美粧性に優れていること、衝撃や振動吸収ができる特性を有していることから、現在では電機・電子、建築、自動車、印刷、医療、一般家庭などにおいて広く使用されている。
【0003】
(1)その結果、ニーズも非常に多様化してきており、様々な被着体の形状に対して追従できる柔軟性と温度条件変化による被着体の膨張、収縮に基づくクリープ破壊が防止できる耐熱性、耐寒性を有する基材層を備えた両面粘着テープが要求されている。
通常、両面粘着テープの基材層としては高分子発泡体を使用するが、市販されているものの基材層は、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリブタジエン系発泡体である。
しかし、これらの発泡体は、一定の接着強度を発現することは可能であるが、上記した柔軟性、耐熱性、耐寒性を備えるものは見当たらない。
(2)また、一方、両面粘着テープの更なる接着力の向上を目指して基材層をより厚くする要求がある。
【0004】
以上(1)〜(2)の要求に答えるものとして、既に特許第3041733号公報に記載の両面粘着テープの製法がある。この製法は、
▲1▼先ず、粘着剤層と縮合型変成シリコーンの基材層とを積層させたものを2枚用意し、次いで、
▲2▼この2枚を、その基材同士が接するように重ね合せして積層し、両面粘着テープとする製法である。
【0005】
この技術は、従来の厚手化された1層のポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリブタジエン系発泡体からなる基材層を備えた両面粘着テープに比べ有利であるが、なお、以下(a)〜(c)の問題点が存在する。
(a)積層させる基材は2層までで、3層以上に積層させることはできない。
そのため、さらに厚手の基材層を調製しようとする場合には、各1層ごとの厚みが大きくなり、基材内部の硬化が遅くなったり、発泡状態が表裏においてばらつきが生じる。また、基材を構成するベース樹脂が溶剤を含んでいる場合には、溶剤の乾燥が不利になる。
このような結果、両面粘着テープのはく離強度、せん断強度といった接着特性が低下する。
(b)基材層を構成するベース樹脂が、縮合型変成シリコーンであるため、基材テープ製造直後では硬化は完全ではなく、非常に柔軟で、直ちに転写による基材同士の貼り合せを行うことは不可能である。
したがって、完全硬化状態に達するまで時間がかかり、安定した性能にするためには養生期間が必要となる。また、
(c)接着強度と柔軟性を得るため、該ベース樹脂に粘着付与樹脂を多量に配合する必要があるため、耐熱性、耐候性、耐光性が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、基材層自身が粘着付与樹脂を配合しなくても充分な接着強度と柔軟性を備え、温度変化による物性の変化が少なく優れた耐熱性、耐寒性を有すると共に、該基材層の厚みを任意に増大することができる両面粘着テープの製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、粘着付与樹脂を配合しなくても充分な接着強度と柔軟性を備え、温度変化による物性の変化が少なく優れた耐熱性、耐寒性を有する新規なポリマーの基材層を備えた両面粘着テープを、既に特願2001−047377号、特願2001−047379号として出願をしている。
本発明者らは、更にこのポリマーを用いて、基材層の厚みを任意に増大することができる方法について研究を重ねた結果、従来の厚膜化技術における問題点を悉く克服できる方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)の両面粘着テープの製法からなるものである。
(1)常温で液状のゴム系有機重合体を主成分とする組成物を架橋・硬化させて得られた基材層と粘着剤層が積層されてなる両面粘着テープを製造するに際し、
1)先ず、2層以上の基材同士を積層させ基材層を形成し、次いで
2)その基材層の両面に粘着剤層を積層すると共に、該基材層を、
(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する、下記化学式(1)で表される化学構造を有するポリウレタンおよび
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物および
(C)ヒドロシリル化触媒
を主成分とする組成物から構成することを特徴とする両面粘着テープの製法。
【0009】
【化3】
Figure 2004075758
(但し、
1 :水酸基含有ビニル化合物残基
2 :R1 と同じもしくは異なる含水酸基化合物残基
I :有機ポリイソシアナート化合物残基
1 :数平均分子量500〜5000のポリエステルポリオール残基
2 :P1 と同じもしくは異なるポリオール残基
1≦n≦50、0≦l≦50、0≦m≦10であり、上記化学式(1)のポリウレタンは、Iの有機ポリイソシアナート化合物とR1 、R2 、P1 、P2 の化合物の水酸基が重付加反応することによって結合したものである。)
【0010】
(2)3層以上の基材同士を積層して基材層とすることを特徴とする(1)に記載の両面粘着テープの製法。
(3)上記化学式(1)で表される化学構造を有するポリウレタンの数平均分子量が10000〜100000であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の両面粘着テープの製法。
(4)上記(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物のヒドロシリル基が、下記化学式(2)で表される基であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の両面粘着テープの製法。
【化4】
Figure 2004075758
(但し、X:少なくとも1個のヒドロシリル基を含む置換基、R2 :炭素数2〜22の炭化水素基で、1個以上のエーテル結合を含有していてもよい。)
(4)上記粘着剤が、アクリル系粘着剤又はウレタン系粘着剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の両面粘着テープの製法。
【0011】
以上の通り、本発明は、
「基材層を上記(A)〜(C)を主成分とする組成物から構成する」ことを第1の特徴とし、更に
「1)先ず、2層以上の基材同士を積層させ基材層を形成し、次いで2)その基材層の両面に粘着剤層を積層し、」を第2の特徴とするものである。
なお、本発明における「テープ」は、シート及びテープを意味するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各構成について、詳しく説明する。
上記化学式(1)のポリウレタン(A)について
上記化学式(1)のポリウレタン(A)は、Iの有機ポリイソシアナート化合物とR1 、R2 、P1 、P2 の水酸基が重付加反応することによって結合したものである。
1 の水酸基含有ビニル化合物としては、例えばヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキシルジメタノールモノビニルエーテル等のビニルエーテル、アリルアルコール、アリルグリコール、アリルジグリコールなどのアリルエーテルがある。
【0013】
2 の含水酸基化合物としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキシルジメタノールモノビニルエーテルなどのビニルエーテル、アリルアルコール、アリルグリコール、アリルジグリコールなどのアリルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノール及びそれらの異性体、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシブタン酸、アゼライン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシカルボン酸、乳酸メチル、乳酸ブチルなどのヒドロキシカルボン酸アルキル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ダイマージオールなどやその異性体、グリシドールモノ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、1,3−ジヒドロキシ−2−イソステアリルオキシプロパン、1,3−ジヒドロキシ−2−イソノニルオキシプロパン、1,3−ジヒドロキシ−2−ブチルオキシプロパン、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの酸成分と、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ダイマージオールやその異性体などのアルコール成分とをエステル化することにより得られるポリエステルポリオールなどがある。
【0014】
Iの有機ポリイソシアナート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ノルボルネンジイソシアナート、水添MDI、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートなどの無黄変イソシアナート、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートなどの芳香族イソシアナートやそれらの単独あるいは混合物の二量化重合体、三量化重合体、アダクト体、ビュレット体などである。
1 のポリエステルジオールの数平均分子量は望ましくは500〜5000であり、さらに望ましくは1000〜3000である。具体例としては、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの酸成分と、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ダイマージオールやその異性体などのアルコール成分とをエステル化する事により得られるポリエステルポリオールがある。
【0015】
2 のポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ダイマージオールなどやその異性体、グリシドールモノ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、1,3−ジヒドロキシ−2−イソステアリルオキシプロパン、1,3−ジヒドロキシ−2−イソノニルオキシプロパン、1,3−ジヒドロキシ−2−ブチルオキシプロパン、アリルグリシジルエーテルなどのポリオールや、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの酸成分と、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ダイマージオールやその異性体などのアルコール成分とをエステル化する事により得られるポリエステルポリオールなどがある。
上記化学式(1)のポリウレタン(A)は、数平均分子量が10000〜100000であることが好ましい。この分子量領域を選択した場合、その硬化物は良好な柔軟性を保有しつつ、高強度を与え、耐熱性、耐候性に優れる。
【0016】
次に、上記化学式(1)のポリウレタン(A)の合成方法の一例を説明する。ポリエステル基を有するポリエステルポリオールを、例えば炭素数36のダイマー酸や水添したもの、或いは炭素数18の二塩基酸など二塩基酸と、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、炭素数36のダイマージオールなどのジオールをエステル化して調製する。
得られたポリエステルポリオール7モルとジイソシアナート8モルとをジ−t−ブチル− ヒドロキシフェノールなどの酸化防止剤およびジブチルスズジラウリレートなどの触媒存在下、80℃〜90℃にてウレタン化反応を行う。反応の終点はイソシアナート当量測定により決定する。この後、アリルグリコールなどのR1 成分及びイソオクタノールなどのR2 成分を各1モルずつと、p−メトキシフェノールなどの熱重合禁止剤を添加し、同温度にてさらに反応を続ける。
反応の終点は赤外線吸収スペクトルで2280cm−1のイソシアナート基の消失により決定する。得られたプレポリマーはGPC測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が40000で、粘稠な液状樹脂物質である。
【0017】
(B)成分である分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物について
(B)成分としては、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物であれば特に制限はない。
(B)成分の具体例としては、下記化学式(2)で表わされる形のヒドロシル基が、主鎖の有機成分に結合しているもので、その主鎖骨格としては特に制限はなく、有機重合体から低分子量化合物の各種のものを用いることができる。
【化5】
X−R2 −・・・(2)
ただし、X:少なくとも1個のヒドロシリル基を含む置換基、R2 :炭素数2〜22の炭化水素基で、1個以上のエーテル結合を含有していてもよい。
上記化学式(2)のXとしては、下記化学式(3)に示すものがある。
【化6】
Si(H)a 3−a −・・・(3)
ただし、1≦a≦3、R:CH3 −、C6 5 −などである。
【0018】
そして、上記式(2)の低分子量化合物と結合したものとしては、次の式(4)で表わされるエーテル結合を有する化合物が挙げられる。
【化7】
Figure 2004075758
ただし、2≦n≦4、0≦m≦1、1≦b≦4、R3 :炭素数1〜30の有機基である。
上記の好ましいR2 の例としては、次の化学式(5)式で示すものである。
【化8】
Figure 2004075758
ただし、0≦d≦2
上記の好ましいXの例としては、SiH(CH3 2 、SiH2 (CH3 )、SiH(C6 5 2 、SiH2 (C6 5 )である。
【0019】
(B)成分の分子中に含まれるヒドロシリル基の個数は、2個以上であればよいが、2〜10個が好ましく、3〜6個がより好ましい。ヒドロシリル基の個数が2より少ないと硬化不良を起こす場合が多く、逆に10個を超えると硬化収縮が大きくなり好ましくない。
また、(A)成分のビニル基に対する(B)成分のヒドロシリル基のモル比は、0.2〜5.0であることが好ましく、0.5〜2.0がより好ましい。モル比がこの範囲外であると、得られる基材層の引張強度、引き裂き強度や伸び等の力学的性質に劣る。
【0020】
(C)成分のヒドロシリル化触媒について
(C)成分のヒドロシリル化触媒としては、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体などが好ましい。
(C)成分の触媒量としては、(A)成分のビニル基1molに対して10−1〜10−8molであることが好ましく、10−3〜10−6molがさらに好ましい。10−8molより少ないと硬化が十分に進行しない。また、ヒドロシリル化触媒は一般に高価で腐食性であり、水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10−1mol以上は使用しない方が望ましい。
【0021】
その他の配合材について
その他の配合材としては、粘度調製のための溶剤や、物性の調整、軽量化、コストダウン等を目的とした各種充填材や可塑剤、さらには酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等があげられる。
充填材の具体例としては、例えば炭酸カルシウム、酸化チタン、亜鉛華、クレー、タルク、シリカ微粉末、ガラスバルーン、合成樹脂バルーン、セラミックスバルーン、シラスバルーン、カーボンブラック等の従来公知のものが使用できる。これらの充填材の添加量は、上記ポリウレタン100質量部に対して5〜200質量部、さらには10〜100質量部が好ましい。添加量が5質量部以下であると上述した充填材添加目的が達成されず、200質量部を超えると配合物の粘度が高くなり、ハンドリングが困難になることや、硬化物の柔軟性が損なわれたりするため好ましくない。
【0022】
基材層の調製について
(A)成分のポリウレタンに、(B)成分の分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物、(C)成分のヒドロシリル化触媒を配合し、熱硬化性組成物を調製する。次いで、この調製された熱硬化性組成物をシリコン剥離紙等に塗工し、乾燥、硬化させて基材を調製する。この熱硬化性組成物の塗工方法に関しては特に制限はなく、グラビアコーター、リバースコーター、コンマコーター、メイヤーバーコーター等の通常のコーターを用いて塗工すればよい。
基材同士の積層方法としては、シリコーン剥離紙上に塗工乾燥して形成された基材を、転写方式によって貼り合せる方法、又は一旦原反として巻き取った後にニップロールにより貼り合わせる方法があるが、生産性、基材同士の結合強度を考慮すれば、乾燥ドライヤーから出た直後での転写方式による貼り合わせが好ましい。基材面同士を重ね合わせた際に反応基が残っている状態(即ち、未硬化、半硬化状態)が望ましいが、乾燥ドライヤーから出た直後での転写を考慮すると、基材がしっかりと形状を保持できる状態が望ましく、ほぼ完全硬化状態が好ましい。
【0023】
粘着剤について
基材の両面に塗布する粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、グラフト化エラストマー、ブロック化エラストマーを含むゴム系、シリコン系粘着剤が使用できる。これらの中でも、耐熱性や耐候性、汎用性などの点からアクリル系及びウレタン系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤とは(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする、アクリルモノマーを共重合、グラフト重合、ブロック共重合等の各種重合により得られるものであり、主な形態は有機溶剤溶液(溶剤型)、水分散液(エマルジョン型)もしくは無溶剤(オリゴマー型、ホットメルト型)である。これらの粘着剤は、必要に応じて適当な粘着付与樹脂や硬化剤と混合した後、基材層上に均一に塗布し、溶媒を揮発させると同時に加熱硬化させたり、活性エネルギー線を用いて反応硬化させたりすることにより使用する。
ウレタン系粘着剤とは分子中に1つ以上のウレタン結合を含むエラストマー、ポリマーもしくはオリゴマーであり、いわゆるウレタン系感圧接着剤の範疇にあって、主な形態、物性及び使用方法はアクリル系粘着剤とほぼ同じである。
【0024】
粘着剤の塗工方法について
粘着剤の塗工方法に関しては特に制限はなく、グラビアコーター、リバースコーター、コンマコーター、メイヤーバーコーター等の通常のコーターを用いて塗工すればよい。
粘着剤の塗布厚みについても特に限定はないが、通常5μm〜1mm程度、好ましくは10μm〜200μm程度である。
両面テープの用途について
本発明の製法により得られた両面粘着テープは、柔軟であり温度変化による物性の変化が少なく優れた耐熱性、耐寒性、耐候性、高い剥離接着力、高い気密性、変形に対する追従性、耐衝撃性、応力緩和性、制振効果を有するので、建築建材、家電・電子部品、自動車・航空送機、金属加工、看板・表示の各分野、及び一般消費者向け等の様々な分野で部品の固定やシールを兼ねた固定に使用することができる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
上記化学式(1)で表される(A)成分のポリウレタンとして、R1 、R2 にアリルグリコール、P1 、P2 に下記の化学式(7)で示される、数平均分子量2000のポリエステルポリオールを、そしてIにノルボルネンジイソシアナートを用いて数平均分子量40000のポリマーを合成した。
この(A)成分のポリウレタン80質量部に対し、(B)成分の分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物(鐘淵化学工業社製CR500)3質量部、ヒドロシリル化触媒(ディーエムシースクェアジャパン社製Pt−VTSC−3.0T)0.08質量部、貯蔵安定調整剤(マレイン酸ジメチル)0.02質量部、シリカ粉末(日本シリカ工業社製ニプシルVN3)16質量部、セラミックバルーン(日本フィライト社製フィライト52/7)16質量部、カーボンブラック(デグサ・ヒュルスジャパン社製プリンテックス25)0.1質量部、整泡剤(日本ユニカー社製FZ−2327)0.48質量部、トルエン40質量部を加え均一に混合し、基材用の熱硬化性組成物を調製した。
【0026】
この熱硬化性組成物をシリコン剥離紙(リンテック社製EN78シロNP(N1))の上に厚さが500μm になるように塗工し、120℃で15分間乾燥、硬化して基材を得た。
この基材の片面に、上記と同様にして得た厚みが500μm の基材を転写積層して、厚みが1000μm の基材層を成形した。
粘着剤層は溶剤型アクリル粘着剤(コニシ社製KH54)をシリコン剥離紙(カイト化学社製SLB80WTX)上に乾燥後の糊厚が75μm となるように塗工し、100℃で3分間乾燥、硬化させて調製した。
次いで、上記積層した基材層の両面に上記アクリル系粘着剤層を転写積層させ、両面接着テープを得た。
【化9】
HOC6 12−[OC3466COOC6 12O]j −H・・・(7)
【0027】
(実施例2)
実施例1の基材層(厚み:1000μm )の片面に、実施例1と同様にして調製した厚みが500μm の基材を転写積層させて厚みが1500μm の基材層を得た。
次いで、実施例1と同様にして、この基材層の両面にアクリル系粘着剤層を転写積層させて両面接着テープを得た。
(実施例3)
実施例2の基材層(厚み:1500μm )の両面に、実施例1と同様にして調製した厚みが500μm の基材を転写積層させて厚みが2500μm の基材層を得た。
次いで、実施例1と同様にして、この基材層の両面にアクリル系粘着剤層を転写積層させて両面接着テープを得た。
【0028】
(比較例1−基材樹脂が異なる例)
本発明の基材樹脂とは異なる縮合型変成シリコーンを以下のように調製した。1分子あたり平均2.0個のジメトキシシリル基を有する平均分子量8000のプロピレンオキシドからなる重合体(鐘淵化学工業社製S203)100質量部、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製スミライトレジンPR−50731)70質量部、シラスバルーン(三機工業社製サンキライトY04)7.5質量部、酸/塩基型シラノール縮合触媒3質量部、メタノール10質量部を加え均一に混合した。これをシリコン剥離紙(リンテック社製EN78シロNP(N1))の上に厚さが500μm になるように塗工し、120℃で15分間乾燥、硬化して基材を得た。
次いで、実施例1と同様にして、この基材の片面に、同様にして得た厚みが500μm の基材を転写積層して、厚みが1000μm の基材層を成形し、これを養生した。
続いて、実施例1と同様にして、この基材層の両面に上記アクリル系粘着剤層を転写積層させ、両面接着テープを得た。
【0029】
(比較例2−基材樹脂と積層方法が異なる例)
粘着剤層を、実施例1と同様にして、溶剤型アクリル粘着剤(コニシ社製KH54)をシリコン剥離紙(カイト化学社製SLB80WTX)の上に乾燥後の糊厚が75μm となるように塗工し、100℃で3分間乾燥、硬化させた。
次いで、この粘着剤層の上に、比較例1と同様の基材組成物をドクターブレードを用いて、基材層の厚さが500μm になるように塗工し、120℃15分乾燥、硬化させた。この基材層/粘着剤層の積層体を2組調製した。
続いて、この2組の積層体の基材側同士を接触させ貼り合わせ養生して、両面接着テープを得た。
以上の実施例1〜3、比較例1〜2の両面接着テープについて、下に示す180度はく離強度、昇温耐熱試験、耐熱保持力を測定した。その結果は、次の表1に示されている。
【0030】
表1に示す通り、比較例1のテープは柔軟ではあるが、本発明と異なる基材ポリマーを用いているため、剥離強度、耐熱性に劣る結果となった。
比較例2では比較例1と同様のポリマーからなる基材層を、まず粘着剤層と積層し、その基材面同士を重ね合せてなる両面粘着テープであるが、比較例1より更に剥離力、耐熱性が劣る。
また、比較例2の積層方法では、基材の積層数を3層以上に増やすことは不可能である。そのため、実施例2〜3に示すような厚みが1500〜2500μmの厚手の基材層を調製することはできない。
本発明は、粘着付与樹脂を配合しなくても充分な接着強度と柔軟性を備え、温度変化による物性の変化が少なく優れた耐熱性、耐寒性を有する基材組成物を使用すると共に、先に基材層同士を積層させることにより2層又は3層以上の多重に積層した基材層の製造が可能となるため、優れた耐熱性を維持したまま一層剥離強度を向上させることができる。
【0031】
[180度はく離強度]
厚さ130μm の陽極処理されたアルミニウムはくで裏打ちした幅2.5cmの両面接着テープ片を作成し、これをステンレス板に貼合せた。これを室温で1日間放置した後、島津製オートグラフを用いて23℃雰囲気下で300mm/ 分の引張速度で180度はく離強度を測定した。
[昇温耐熱試験]
ステンレス板の片方の端部の中央に孔を空けているものを試験板として用いる。この孔は、試験体の保持及び重りをかけることに使用する。試験板の孔を空けていない端部同士を、25×25mmの試験に供する両面粘着テープで貼り合わせ、5kgロールで厚着させる。貼り合わせ後40分放置した後、熱風循環式恒温装置内で質量1kg±0.01kgのおもりをかけ、40℃から毎分1℃ずつ昇温させた際の、おもりの落下温度を測定する。
【0032】
[耐熱保持力]
ステンレス板の片方の端部の中央に孔を空けているものを試験板として用いる。この孔は、試験体の保持及び重りをかけることに使用する。試験板の孔を空けていない端部同士を、25×25mmの試験に供する両面粘着テープで貼り合わせ、5kgロールで圧着させる。貼り合わせ後72時間放置し、さらに80±2℃の熱風循環式恒温装置内に10分間放置後、同温度中で質量1kg±0.01kgのおもりをかけ、7日間経過後の落下の有無を調べる。
【0033】
【表1】
Figure 2004075758
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟であり温度変化による物性の変化が少なく優れた耐熱性、耐寒性、耐候性、高い剥離接着力、高い気密性、変形に対する追従性、耐衝撃性、応力緩和性、制振効果を有する両面粘着テープを提供することができるので、幅広い分野で多大な貢献をすることができる。

Claims (5)

  1. 常温で液状のゴム系有機重合体を主成分とする組成物を架橋・硬化させて得られた基材層と粘着剤層が積層されてなる両面粘着テープを製造するに際し、
    1)先ず、2層以上の基材同士を積層させ基材層を形成し、次いで
    2)その基材層の両面に粘着剤層を積層すると共に、該基材層を、
    (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する、下記化学式(1)で表される化学構造を有するポリウレタンおよび
    (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物および
    (C)ヒドロシリル化触媒
    を主成分とする組成物から構成することを特徴とする両面粘着テープの製法。
    Figure 2004075758
    (但し、
    1 :水酸基含有ビニル化合物残基
    2 :R1 と同じもしくは異なる含水酸基化合物残基
    I :有機ポリイソシアナート化合物残基
    1 :数平均分子量500〜5000のポリエステルポリオール残基
    2 :P1 と同じもしくは異なるポリオール残基
    1≦n≦50、0≦l≦50、0≦m≦10であり、上記化学式(1)のポリウレタンは、Iの有機ポリイソシアナート化合物とR1 、R2 、P1 、P2 の化合物の水酸基が重付加反応することによって結合したものである。)
  2. 3層以上の基材同士を積層して基材層とすることを特徴とする請求項1に記載の両面粘着テープの製法。
  3. 上記化学式(1)で表される化学構造を有するポリウレタンの数平均分子量が10000〜100000であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の両面粘着テープの製法。
  4. 上記(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物のヒドロシリル基が、下記化学式(2)で表される基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着テープの製法。
    Figure 2004075758
    (但し、X:少なくとも1個のヒドロシリル基を含む置換基、R2 :炭素数2〜22の炭化水素基で、1個以上のエーテル結合を含有していてもよい。)
  5. 上記粘着剤が、アクリル系粘着剤又はウレタン系粘着剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着テープの製法。
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