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JP2004070790A - 機械の位置制御装置および機械の位置制御システム - Google Patents

機械の位置制御装置および機械の位置制御システム Download PDF

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JP2004070790A JP2002231157A JP2002231157A JP2004070790A JP 2004070790 A JP2004070790 A JP 2004070790A JP 2002231157 A JP2002231157 A JP 2002231157A JP 2002231157 A JP2002231157 A JP 2002231157A JP 2004070790 A JP2004070790 A JP 2004070790A
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寺田 啓
Tetsuaki Nagano
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Abstract

【課題】速度応答を下げることなく高速速度制御応答を前提として、外部の状態により機械系の特性が変動した場合にも、振動抑制性能が損なわれることなく高精度な位置制御を達成すること。
【解決手段】他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に機械模擬回路部102,108および補償トルク演算器16のパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部105を備えた。また、他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に理論位置・速度制御部107内の指令フィルタ30のパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部110を備えた。また、変更パラメータ演算部105、106、110では、予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルが作成される。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械やロボット等におけるモータ等の駆動装置を用いた機械の制御に関し、特に機械の振動抑制を行う位置制御装置および位置制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2を用いて従来の技術を説明する。同図は、従来の技術による機械の位置制御装置の構成例であり、例えば特開平8−168280号公報に示されている電動機の速度および位置制御装置の具体的説明に示されるブロック図などは、この図2の構成と同じである。図2において、位置制御装置は、理論位置・速度制御部101と機械模擬回路部102と補償トルク演算部103と実位置・速度制御部104とを有し、更にトルク制御回路23と電動機24と位置検出器25とにより構成される。
【0003】
このうち、理論位置・速度制御器101は、理論位置偏差演算器1とパラメータKp1を有する理論位置制御器2と理論速度偏差演算器3とパラメータKv1を有する理論速度制御器4と補償トルク減算器5とにより構成され、上位の制御装置より与えられる位置指令信号θm*と、後述の機械模擬回路部102より得られて理論位置偏差演算器1に入力される理論電動機位置θamおよび理論速度偏差演算器3に入力される理論電動機速度ωamと、補償トルク演算回路より得られて補償トルク減算器5に入力される補償トルクTcとを入力とし、理論トルクTffを出力する。
【0004】
また、機械模擬回路部102は、理論電動機トルク演算器6と理論電動機速度演算器7と理論電動機位置演算器8と理論機械端速度演算器9と理論機械端位置演算器10と理論電動機対機械端位置偏差演算器11と理論軸ねじれトルク演算器12と理論電動機対機械端速度偏差演算器13と理論摩擦トルク演算器14と理論反力トルク演算器15とにより構成され、理論位置・速度制御部101より得られる理論トルクTffを入力として、電動機の理論速度ωamおよび理論位置θamと、電動機と機械端の理論速度偏差(ωam−ωal)とを出力する。なお、機械模擬回路部102では、機械を電動機と機械端とからなる二慣性共振系として模擬しているが、共振軸が異なる場合には、例えば電動機+電動機側負荷慣性と機械端側負荷慣性の二慣性共振系として模擬することも可能であり、また更には三慣性共振系以上にも同様に対応することが可能である。
【0005】
補償トルク演算部103は、補償トルク演算器16により構成され、機械模擬回路部102より得られる電動機と機械端の理論速度偏差(ωam−ωal)を入力として、補償トルクTcを出力する。
【0006】
更に、実位置・速度制御部104は、実位置偏差演算器17と実位置制御器18と実速度演算器19と実速度偏差演算器20と実速度制御器21と実トルク指令演算器22とにより構成され、機械模擬回路部102より得られる理論電動機位置θamを実位置偏差演算器17の入力とし、理論電動機速度ωamを実速度偏差演算器20の入力とし、理論位置・速度制御部101より得られる理論トルクTffと、位置検出器25より得られる電動機位置θmを実トルク指令演算器22の入力として、実トルク指令Tm*を出力する。
【0007】
次に図2に示す従来の技術の簡略動作を説明する。図2において、機械模擬回路部102では、実際の機械を二慣性共振系で模擬したものであり、理論トルクTffが入力された場合の理論電動機速度ωam、理論電動機位置θam等を演算して導出する。補償トルク演算部103では、理論電動機対機械端速度偏差(ωam−ωal)から、振動を抑制する為の補償トルクTcを演算する。理論位置・速度制御部101では、位置指令信号θm*と理論電動機速度ωamと理論電動機位置θamとから得られるトルク成分から補償トルクTcを減算し、電動機の振動抑制制御を行うのに最適な理論トルクTffを導出する。実位置・速度制御部104では、理論電動機位置θam、理論電動機速度ωam、理論トルクTffを入力とし、実電動機位置θmおよび実電動機速度ωmが理論電動機位置θam、理論電動機速度ωamに追従するように実トルク指令Tm*を制御する。以上により、図2に示す位置制御装置においては、振動しやすい機械においても、振動を抑制しつつ位置指令信号θm*に追従して電動機24の位置制御を行うことが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−168280号公報の技術における機械の位置制御装置においては、機械模擬回路部102の各ブロックの機械系パラメータJm*,JL*,Cx,Kxについて、制御対象である機械の構造から理論計算を行うか、もしくは制御対象の機械特性を測定するなどの方法により、予め機械系のパラメータを抽出し、制御装置に格納しておく必要がある。また、補償トルク演算部103の補償パラメータKcv,Kcpについても、前記方法により得られた機械系パラメータを用いて最適値を演算し、同様に制御装置に格納しておく必要がある。
【0009】
ここで、例えば機械としてXYテーブルのX軸駆動を考える。従来の技術における機械の位置制御装置では機械系パラメータを予め制御装置内に格納しておく必要があるため、X軸上の適当なY軸位置を代表条件とし、その時の機械系の特性を代表値として利用することになる。
【0010】
しかしながら、機械によってはY軸位置がX軸に近い状態とX軸から遠く離れた状態とで機械系の特性が大きく変動する場合が考えられ、すなわち、XY平面においてX軸の駆動およびX軸上でのY軸の駆動にあって、X軸およびY軸の原点位置付近の座標設定に対し原点位置からY軸位置が離れた遠い座標設定の場合には、テーブルの振動状況が変わってしまい、このため振動を抑制するためのパラメータも変化する。その結果、制御装置内に格納している機械系パラメータに対し実際の機械のパラメータが大きくずれるという現象が発生する。この場合、制御装置の振動抑制性能が劣化し、最適な制御を行うことができなくなる。
【0011】
以上により、従来の技術では、機械の他軸位置の変化等により、機械系の特性が大きく変動する対象には適応できないという問題点があり、このため従来では機械系の特性があまり変動しない対象に限定して利用されていた。
【0012】
また、振動を抑制する別の技術には、特開昭62−126402号公報に記載の技術がある。この技術では、機械系の特性に合わせたノッチフィルタを速度フィードバックループに挿入することにより、振動抑制を行うことが開示されている。しかしながら、ノッチフィルタを用いて振動抑制を行う手法では、速度制御器の応答がノッチフィルタの周波数で制限される。従って、機械系の剛性が低い場合、ノッチフィルタの設定周波数を低く設定する必要があるため、速度制御応答を上げることができない。
【0013】
また、更に別の技術には、特開平4−219807号公報に記載の技術がある。この技術では、部品供給テーブルの総重量を検知し、これに基づいて制御系のパラメータを変更することにより、部品供給テーブルの総重量に応じた位置制御を行うという技術の開示がある。しかしながら、この技術では、機械系の振動を考慮しておらず、機械系の剛性が低い場合には速度制御応答を下げる以外に方法がない。
【0014】
以上により、上記特開昭62−126402号公報または特開平4−219807号公報に記載の技術では、機械模擬回路部を有さないことから、機械系の剛性が低い場合には速度制御応答を上げることができない為、高速な制御を行うことは不可能であるという問題点があった。
【0015】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、速度応答を下げることなく高速速度制御応答を前提として、例えばXYテーブルのX軸駆動時にY軸位置によって機械系の特性が変動する場合のように、外部の状態により機械系の特性が変動した場合にも、振動抑制性能が損なわれることなく高精度な位置制御を達成する機械の位置制御装置および位置制御システムの提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかる機械の位置制御装置は、位置指令を入力として理論位置・速度制御部にてトルクを出力し、このトルクを入力として機械模擬回路部にて位置および速度を出力し、この出力を直接におよび補償トルク演算部を介して理論位置・速度制御部に戻すことにより、機械の振動特性を考慮した位置制御を行う機械の位置制御装置において、他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に機械模擬回路部および補償トルク演算部のパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、速度応答を下げることなく高速速度制御応答を前提として、 他軸位置情報等を元に振動抑制パラメータを逐次変更し得ることから、例えばXYテーブルにおいてX軸駆動時にY軸位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、つまり外部の状態により機械系の特性が変動した場合にも、振動抑制性能が損なわれることなく高精度な位置制御を達成することができる。
【0018】
つぎの発明にかかる機械の位置制御装置は、位置指令を入力として理論位置・速度制御部にてトルクを出力し、このトルクを入力として機械模擬回路部にて位置および速度を出力し、この出力を理論位置・速度制御部に戻すことにより、機械の振動特性を考慮した位置制御を行う機械の位置制御装置において、他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に理論位置・速度制御部内の指令フィルタのパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、速度応答を下げることなく高速速度制御応答を前提として、他軸位置情報等を元に振動抑制のための指令フィルタのパラメータを逐次変更し得ることから、例えばXYテーブルにおいてX軸駆動時にY軸位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、つまり外部の状態により機械系の特性が変動した場合にも、振動抑制性能が損なわれることなく高精度な位置制御を達成することができる。
【0020】
つぎの発明にかかる機械の位置制御装置は、上記の発明において、変更パラメータ演算部では、予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルが作成されることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、変更パラメータを演算する場合に予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルを作成しているので、テーブル引きにより演算ができて機械系の構成より機械系のパラメータの理論計算を逐次演算する必要が無いため、少ない演算量で、機械系の特性が大きく変わった場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。
【0022】
つぎの発明にかかる機械の位置制御システムは、一つの位置指令生成装置と、複数軸の位置制御装置よりなる位置制御システムにおいて、位置指令生成装置内には、内部の位置指令生成部にて出力される複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータを演算し、しかもこの各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、各軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得るばかりでなく、各軸位置変化時の変更パラメータ演算を上位の位置指令生成装置において行っている為、位置制御装置の演算負荷を軽減させることが可能となる。
【0024】
つぎの発明にかかる機械の位置制御システムは、一つの位置指令生成装置と、複数軸の位置制御装置よりなる位置制御システムにおいて、位置指令生成装置には、内部の位置指令生成部にて出力される複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量に関する情報を元に演算されたパラメータを加味した理論位置・速度制御を行い、機械の振動特性に応じた位置指令、速度指令およびトルク指令を生成する手段を有することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、各軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能であるとともに、理論位置・速度制御部、機械模擬回路部、補償トルク演算部の演算を上位の位置指令生成装置において行っている為、位置制御装置の演算負荷を軽減させることが可能となる。
【0026】
つぎの発明にかかる機械の位置制御システムは、上記の発明において、各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータについて、予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルを作成することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、変更パラメータを演算する場合に予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルを作成しているので、テーブル引きにより演算ができて機械系の構成より機械系のパラメータの理論計算を逐次演算する必要が無いため、少ない演算量で、機械系の特性が大きく変わった場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。
【0028】
つぎの発明にかかる機械の位置制御システムは、上記の発明において、複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、重量に関する情報を元に演算されたパラメータを加味した理論位置・速度制御を行い、機械の振動特性に応じた位置指令、速度指令およびトルク指令を生成する場合に、予め位置指令、速度指令およびトルク指令を演算することを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、予めパラメータを変更して演算を行った結果を得ることになるので、位置指令生成ではその結果を順に呼び出すだけで、各指令を発生することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる機械の位置制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお以下に説明するこの発明の実施の形態においては、上述の図2に示す従来の技術と同一あるいは同等の構成部分については、上述の従来の技術と同一の符号を付してその説明を省略する。すなわち、図1、図3〜図6において、理論位置・速度制御部101,107、機械模擬回路部102,108、補償トルク演算部103、実位置・速度制御部104,109それぞれの各ブロック、トルク制御回路23、電動機24、位置検出器25について同一ブロックには同一符号を付し、説明を省略する。
【0031】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である機械の位置制御装置の構成を示すブロック図である。この位置制御装置は、理論位置・速度制御部101と機械模擬回路部102と補償トルク演算部103と実位置・速度制御部104と新たな変更パラメータ演算部105とにより構成される。以下では、機械としてXYテーブルのX軸駆動を仮定し、他軸位置としてY軸位置を仮定する。
【0032】
変更パラメータ演算部105は、機械端慣性演算器26と補償トルク比例係数演算器27と補償トルク積分係数演算器28とにより構成され、上位の位置指令生成装置もしくはY軸の位置制御装置もしくはY軸の位置検出器等より得られるY軸位置θm2を入力として、機械端慣性演算器26による機械端慣性JLと補償トルク比例係数演算器27による補償トルク比例係数Kcvと補償トルク積分係数演算器28による補償トルク積分係数Kcpとをそれぞれ出力する。
【0033】
このうち、機械端慣性演算器26は、予めY軸位置θm2に対する機械端慣性JLをテーブル値として格納している。このテーブル値の導出においては、制御対象である機械の構成が既知の場合には理論計算により求めることが可能である。機械の構成が未知の場合には、Y軸の各位置において設計段階での理論計算によりあるいはその後の制御対象の機械特性を測定することによりY軸の各位置におけるパラメータを抽出しテーブル化を行う。また、補償トルク比例係数演算器27と補償トルク積分係数演算器28とについても、前述の機械端慣性JLのテーブル値の各々に対して、理論計算により最適な補償トルク比例係数Kcvおよび補償トルク積分係数Kcpを得て、テーブル値として格納している。
【0034】
なお、ここではY軸位置θm2に応じて、機械端慣性JLと補償トルク比例係数Kcvと補償トルク積分係数Kcpとを変更しているが、弾性係数Kxや摩擦トルクCxが変動する場合にも同様の手法にて変更することが可能である。また、同時に理論位置・速度制御部101および実位置・速度制御部104のパラメータを変更することももちろん可能である。本実施の形態ではXYテーブルを対象として振動の抑制を意図しており、機械端慣性JLと補償トルク比例係数Kcvと補償トルク積分係数Kcpとを変更するものであるが、振動を抑制するための機械の種類や性質・特性等により、制御することによって効果的に振動の抑制をもたらすような、変更の対象となるパラメータを特定することになる。一般的には、図1の装置についていえば、機械模擬回路部102にて模擬の精度が得られれば高精度の振動制御が可能となるので、この機械模擬回路部102のパラメータを変更するのが好ましい。なお、後述する図3から図6のケースについても同様のことが言える。
【0035】
次に、図1に示した実施の形態1について、機械の位置制御装置の動作を説明する。図1において、Y軸位置θm2が、制御定数を格納するために予めパラメータ抽出を行った代表条件における位置である場合には、図1の位置制御装置は従来の技術による位置制御装置と同じ動作を行うことになる。
【0036】
Y軸位置が、前記位置と異なる位置に移動した場合、機械端慣性演算器26は、その位置情報θm2を入力として、当該位置における機械端慣性JLを出力する。補償トルク比例係数演算器27は、前記機械端慣性演算器26より得られた機械端慣性JLを入力として補償トルク比例係数Kcvを出力する。同様に、補償トルク積分係数演算器28は、機械端慣性JLを入力として補償トルク積分係数Kcpを出力する。
【0037】
そして、機械端速度演算器9は、前記機械端慣性演算器26より得られた機械端慣性JLにその内部定数値が書き換えられる。同様に、補償トルク演算部103は、前記補償トルク比例係数演算器27および補償トルク積分係数演算器28より得られた補償トルク比例係数Kcvおよび補償トルク積分係数Kcpを用いてその内部定数が書き換えられる。これらのパラメータ変更はY軸位置の移動に応じて逐次なされることが可能である。その結果、Y軸位置の移動により機械系の特性が変化した場合においても、機械系の特性に合った最適な制御を得ることができる。
【0038】
以上により、この実施の形態1における機械の位置制御装置では、他軸であるY軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。
【0039】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。図3は本発明の実施の形態2である機械の位置制御装置の構成を示す図である。この位置制御装置は、理論位置・速度制御部101と機械模擬回路部102と補償トルク演算部103と実位置・速度制御部104と新たな変更パラメータ演算部106とにより構成される。
【0040】
この変更パラメータ演算部106は、機械端慣性演算器29と補償トルク比例係数演算器27と補償トルク積分係数演算器28とにより構成され、上位の位置指令生成装置もしくは他軸の制御装置もしくは自軸の制御装置等より得られる負荷であるワーク質量MLを入力として、機械端慣性演算器29による機械端慣性JLと補償トルク比例係数演算器27による補償トルク比例係数Kcvと補償トルク積分係数演算器28による補償トルク積分係数Kcpとを出力する。この場合、ワーク質量MLと同様な負荷入力としては、機械の負荷慣性を採用することもできる。
【0041】
ここで機械端慣性演算器29は、予めワーク質量MLに対する機械端慣性JLをテーブル値として格納している。このテーブル値の導出においては、制御対象である機械の構成が既知の場合には理論計算により求めることが可能である。機械の構成が未知の場合には設計段階での理論計算によりあるいはその後の制御対象の機械特性を測定することによりテーブル化を行う。補償トルク比例係数演算器27と補償トルク積分係数演算器28とは、実施の形態1と同様に、前記のJLのテーブル値の各々に対して、理論計算により最適な補償トルク比例係数Kcvおよび補償トルク積分係数Kcpを得て、テーブル値として格納している。
【0042】
次に図3に示した実施の形態2について機械の位置制御装置の動作を説明する。図3において、ワーク質量MLが、制御定数を格納するために予めパラメータ抽出を行った代表条件と同じである場合には、図3の位置制御装置は従来の技術による位置制御装置と同じ動作を行う。
【0043】
ワーク質量MLが、前記条件と異なる値に変化した場合、機械端慣性演算器29は、その質量MLを入力として機械端慣性JLを出力する。補償トルク比例係数演算器27は、前記機械端慣性演算器29より得られた機械端慣性JLを入力として補償トルク比例係数Kcvを出力する。同様に、補償トルク積分係数演算器28は、機械端慣性JLを入力として補償トルク積分係数Kcpを出力する。機械端速度演算器9は、前記機械端慣性演算器29より得られた機械端慣性JLにその内部定数値が書き換えられる。同様に、補償トルク演算部103は、前記補償トルク比例係数演算器27および補償トルク積分係数演算器より得られた補償トルク比例係数Kcvおよび補償トルク積分係数Kcpを用いてその内部定数が書き換えられる。これらの値はワーク質量MLの変化に応じて逐次変更されることが可能である。その結果、ワーク質量MLの変化により機械系の特性が変化した場合においても、機械系の特性に合った最適な制御を得ることができる。
【0044】
以上により、実施の形態2における機械の位置制御装置では、ワーク質量MLの変化によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。
【0045】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3である機械の位置制御装置の構成を示す図である。この位置制御装置は、理論位置・速度制御部107と機械模擬回路部108と実位置・速度制御部109と変更パラメータ演算部110とにより構成される。ここでも以下、機械としてXYテーブルのX軸駆動を仮定し、他軸位置としてY軸位置を仮定する。
【0046】
理論位置・速度制御部107は、指令フィルタ30と理論位置偏差演算器1と理論位置制御器2と理論速度偏差演算器3と理論速度制御器4とにより構成され、上位の制御装置等より与えられる位置指令信号θm*と、機械模擬回路部108より得られる理論電動機位置θamおよび理論電動機速度ωamとを入力とし、理論トルクTffを出力する。
【0047】
機械模擬回路部108は、理論電動機速度演算器7と理論電動機位置演算器8とにより構成され、理論位置・速度制御部107より得られる理論トルクTffを入力として、電動機の理論速度ωamと理論位置θamとを出力する。
【0048】
実位置・速度制御部109は、実位置偏差演算器17と実位置制御器18と実速度演算器19と実速度偏差演算器20と実速度制御器21と実トルク指令演算器22とにより構成され、機械模擬回路部108より得られる理論電動機位置θamおよび理論電動機速度ωamと、理論位置・速度制御部107より得られる理論トルクTffと、位置検出器25より得られる電動機位置θmとを入力として、実トルク指令Tm*を出力する。
【0049】
変更パラメータ演算部110は、共振周波数演算器32と反共振周波数演算器33とにより構成され、上位の位置指令生成装置もしくはY軸の位置制御装置もしくはY軸の位置検出器等より得られるY軸位置θm2を入力として、共振周波数ωnと反共振周波数ωfと、を出力する。共振周波数演算器32と反共振周波数演算器33とはそれぞれ予めY軸位置θm2に対する共振周波数ωnと反共振周波数ωfとをテーブル値として格納している。テーブル値の導出については、周波数ωと慣性JLとの違いはあるが、実施の形態1における機械端慣性演算器26の場合と同様である。
【0050】
次に図4に示した実施の形態3について機械の位置制御装置の動作を説明する。まず、他軸であるY軸位置が固定である条件下での動作について説明する。図4において、機械模擬回路部108は、実際の機械の電動機側の慣性を模擬したものであり、理論トルクTffが入力された場合の理論電動機速度ωamと理論電動機位置θamとを演算して導出する。理論位置・速度制御部107では、位置指令信号θm*が入力される指令フィルタ30からの指令信号θm*’と理論電動機速度ωamと理論電動機位置θamとから電動機の理論トルクTffを導出する。
【0051】
ここで、指令フィルタ30は、実際の機械の共振特性を考慮した特性となっており、出力される指令信号θm*’は、機械共振を抑制するような指令信号となっている。従ってこの理論位置・速度制御部107は、電動機の振動抑制制御を行うのに最適な理論トルクTffを出力する。実位置・速度制御部109では、理論電動機位置θam、理論電動機速度ωam、理論トルクTffを入力とし、実電動機位置θmおよび実電動機速度ωmが理論電動機位置θam、理論電動機速度ωamに追従するように実トルク指令Tm*を制御する。このようにして、図4に示す位置制御装置においては、振動しやすい機械においても、振動を抑制しつつ位置指令信号θm*に追従して電動機24の位置制御を行うことが可能である。
【0052】
以上により、実施の形態3における機械の位置制御装置では、他軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。また、上述の説明は、Y軸位置θm2を入力として機械の共振特性を得るパラメータテーブルを備えたものであるが、図1に対する図3の関係と同様入力はY軸位置θm2に限らず、機械の負荷慣性や重量とし、機械の共振特性を得るパラメータテーブルを備えるようにしてもよい。
【0053】
なお実施の形態3における機械の位置制御装置では、指令フィルタは帯域遮断型フィルタ構成にて形成しているが、低域通過型フィルタなどの異なる形態のフィルタを用いてもよいし、機械の振動特性に応じて複数個のフィルタを並列に接続した構成を取ってもよい。また、実位置・速度制御部109にフィルタを置いて併用することも可能であり、それらの場合においても同様にフィルタ制御を適用することが可能である。
【0054】
実施の形態4.
図5は本発明の実施の形態4である機械の位置制御システムの構成を示す図である。ここでは、機械としてXYテーブルのX軸駆動を仮定し、他軸位置としてY軸位置を仮定する。この位置制御システムは、位置指令生成装置201とX軸位置制御装置202とX軸電動機24とY軸位置制御装置203とY軸電動機34とにより構成される。
【0055】
位置指令生成装置201は、位置指令生成部111と、変更パラメータ演算部105とにより構成され、X軸位置指令信号θm*およびY軸位置指令信号θm2*およびX軸変更パラメータJL,Kcv,Kcpを出力する。このうち、変更パラメータ演算部105は、図1の実施の形態1の位置制御装置における変更パラメータ演算部105と同じものであり、Y軸位置指令信号θm2*を入力として変更パラメータJL,Kcv,Kcpを出力する。ここで変更パラメータの演算は、実施の形態1において既に説明しているように、理論計算演算により求めても良いし、予め測定してテーブル値を用意してもよい。X軸位置制御装置202は、図1の実施の形態1の位置制御装置から変更パラメータ演算部105のみを除去したものと同じ構成であり、位置指令θm*と変更パラメータJL,Kcv,Kcpを入力とし、トルクを出力して電動機24を駆動する。Y軸位置制御装置203およびY軸電動機34は、X軸位置制御装置202およびX軸電動機24と、同等のもので構成される。
【0056】
次に図5に示した実施の形態5の機械の位置制御システムの動作を説明する。まず、位置指令生成部111は上位の制御装置もしくは外部からの指令入力に従って、X軸位置指令θm*およびY軸位置指令θm2*を生成する。X軸位置制御装置202は、X軸位置指令θm*に従って機械の位置制御を行う。図5において、Y軸位置θm2*が、X軸の制御定数を格納するために予めパラメータ抽出を行った代表条件における位置である場合には、X軸位置制御装置202は図1の従来の技術による位置制御装置と同じ動作を行う。
【0057】
Y軸位置指令θm2*が前記位置から移動した場合、Y軸実位置θm2も同様に移動していると仮定する。この場合、変更パラメータ演算部105ではY軸位置指令θm2*を入力として、前記Y軸位置に対する機械端慣性値JLと最適な補償トルク比例係数Kcvおよび補償トルク積分係数Kcpとを出力する。X軸位置制御装置202は、前記機械端慣性値JLと、補償トルク比例係数Kcvと、補償トルク積分係数Kcpを、位置指令生成装置201より受け取り、内部のパラメータを変更する。これらのパラメータ変更はY軸位置の移動に応じて逐次なされることが可能である。その結果、Y軸位置の移動により機械系の特性が変化した場合においても、X軸位置制御装置202は機械系の特性に合った最適な制御を得ることができる。
【0058】
以上により、実施の形態4における機械の位置制御システムでは、他軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。また、他軸位置変化時の変更パラメータ演算を上位の位置指令生成装置201において行っている為、位置制御装置202、203の演算負荷を軽減させることが可能である。
【0059】
なお図5において、この実施の形態4による位置制御装置202、203は、実施の形態1の位置制御装置の基本構成を元に展開した位置制御装置であるが、前記基本構成に実施の形態2の重量や慣性を入力とする場合や、実施の形態3のような指令フィルタ30を用いた場合についても、同様に効果が得られるものである。
【0060】
実施の形態5.
図6は本発明の実施の形態5である機械の位置制御システムの構成を示す図である。ここでは、機械としてXYテーブルのX軸駆動を仮定し、他軸位置としてY軸位置を仮定する。この位置制御システムは、位置指令生成装置204とX軸位置制御装置205とX軸電動機24とY軸位置制御装置203とY軸電動機34とにより構成される。
【0061】
位置指令生成装置204は、位置指令生成部111と変更パラメータ演算部105と理論位置・速度制御部101と機械模擬回路部102と補償トルク演算部103とにより構成され、理論トルク指令Tffと理論電動機速度ωamと理論電動機位置θamとを出力する。ここで、変更パラメータ演算部105は図5の実施の形態4の位置指令生成装置における変更パラメータ演算部105と同じである。理論位置・速度制御部101と機械模擬回路部102と補償トルク演算部103とは図1の実施の形態1の位置制御装置における理論位置・速度制御部101と機械模擬回路部102と補償トルク演算部103と同じものである。
【0062】
また、X軸位置制御装置205は、図1の実施の形態1にあって位置制御装置そのものから理論位置・速度制御部101と機械模擬回路部102と補償トルク演算部103と変更パラメータ演算部105とを除去したものと同じであり、理論トルク指令Tffと理論電動機速度ωamと理論電動機位置θamとを入力とし、トルクTm*を出力して電動機24を駆動する構成である。Y軸位置制御装置203およびY軸電動機34は、X軸位置制御装置205およびX軸電動機24と同等のもので構成される。
【0063】
図6に示した実施の形態5の機械の位置制御システムの動作については、図5の実施の形態4の位置制御装置202,203において、理論位置・速度制御部101および機械模擬回路部102および補償トルク演算部103の演算を、位置指令生成装置204側で行う点を除き、同一の動作を行う。
【0064】
こうして、実施の形態5の機械の位置制御システムでは、他軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。更に、理論位置・速度制御部101、機械模擬回路部102、補償トルク演算部103の演算を上位の位置指令生成装置204において行っている為、位置制御装置205、206の演算負荷を軽減させることが可能である。
【0065】
なお図6に記載の実施の形態5の機械の位置制御システムでは、理論位置・速度制御部101、機械模擬回路部102、補償トルク演算部103の演算を逐次行っているが、入力θmおよびθm2のパターンが予め判明しているときには、予めパラメータを変更して理論位置・速度制御部101、機械模擬回路部102、補償トルク演算部103の演算を行った結果をメモリに格納しておき、逐次呼び出すことによって位置指令、速度指令およびトルク指令を生成しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0066】
また図6において、この発明による位置制御システムは、実施の形態1の位置制御装置の基本構成を元に展開した位置制御装置であるが、前記基本構成に実施の形態2や実施の形態3のような構成を用いても同様に効果が得られるものである。特に、実施の形態3を基本構成とした場合には、変更パラメータ演算部105と指令フィルタ30のみを位置指令生成装置で演算させるという構成を用いても、同様の効果が得られる。
【0067】
また、これらの発明による位置制御システムおよび位置制御装置は、機械を二慣性共振系としているが三軸慣性以上の場合にも同様に適用可能である。またXY二軸で説明を行ってきたが、三軸以上の場合にも同様に適用可能である。
【0068】
またこれらの発明による位置制御システムおよび位置制御装置においては、振動抑制制御方式として規範モデル追従型制御やノッチ方式を用いているが、別の振動抑制制御方式を用いてもよく、また補償トルク演算部として比例積分演算を用いているが、全次元状態フィードバックなどの別の構成を用いてもよい。
【0069】
またこれらの発明による位置制御システムおよび位置制御装置においては、他軸の位置情報として位置フィードバックθm2もしくは位置指令θm2*を利用しているが、速度情報もしくはトルク情報を得て、それを元に位置情報を演算しても同様の効果が得られることは言うまでもない。また負荷慣性や弾性係数、共振周波数などの情報を直接リアルタイムチューニング技術により求めてもよい。
【0070】
またこれらの発明による位置制御システムでは、位置指令生成装置と位置制御装置とが別々に存在しているが、各々の機能が同一の装置内において実現される場合にも、同様に効果が得られることは言うまでもない。
【0071】
図7に本発明の一実施例による応答例を用いて発明の効果の具体例を示す。図7は機械系の特性が変動した条件のもとで位置制御を行った場合の位置ドループ(位置指令と実位置の偏差)応答のシミュレーション結果である。ここで従来の技術は特開平8−168280号公報に記載の技術を模擬している。従来の技術においては0.3〜0.4秒付近において大きな振動を発生しており、位置ドループが収束するまでに時間がかかっていることが確認される。一方、本発明による技術では、振動が抑制され速やかに位置決めが完了していることがわかる。また、機械模擬回路部により振動抑制が行われる為、速度制御応答を下げる必要がなく、高速な制御が達成される。以上により、このシミュレーション結果より本発明の効果が確認される。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、位置指令を入力として理論位置・速度制御部にてトルクを出力し、このトルクを入力として機械模擬回路部にて位置および速度を出力し、この出力を直接におよび補償トルク演算部を介して理論位置・速度制御部に戻すことにより、機械の振動特性を考慮した位置制御を行う機械の位置制御装置において、他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に機械模擬回路部および補償トルク演算部のパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことにより、速度応答を下げることなく高速速度制御応答を前提として、他軸位置情報等を元に振動抑制パラメータを逐次変更し得ることから、例えばXYテーブルにおいてX軸駆動時にY軸位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、つまり外部の状態により機械系の特性が変動した場合にも、振動抑制性能が損なわれることなく高精度な位置制御を達成することができる。
【0073】
つぎの発明によれば、位置指令を入力として理論位置・速度制御部にてトルクを出力し、このトルクを入力として機械模擬回路部にて位置および速度を出力し、この出力を理論位置・速度制御部に戻すことにより、機械の振動特性を考慮した位置制御を行う機械の位置制御装置において、他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に理論位置・速度制御部内の指令フィルタのパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことにより、速度応答を下げることなく高速速度制御応答を前提として、他軸位置情報等を元に振動抑制のための指令フィルタのパラメータを逐次変更し得ることから、例えばXYテーブルにおいてX軸駆動時にY軸位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、つまり外部の状態により機械系の特性が変動した場合にも、振動抑制性能が損なわれることなく高精度な位置制御を達成することができる。
【0074】
つぎの発明によれば、変更パラメータ演算部では、予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルが作成されることにより、変更パラメータを演算する場合に予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルを作成しているので、テーブル引きにより演算ができて機械系の構成より機械系のパラメータの理論計算を逐次演算する必要が無いため、少ない演算量で、機械系の特性が大きく変わった場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。
【0075】
つぎの発明によれば、一つの位置指令生成装置と、複数軸の位置制御装置よりなる位置制御システムにおいて、位置指令生成装置内には、内部の位置指令生成部にて出力される複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータを演算し、しかもこの各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことにより、各軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得るばかりでなく、各軸位置変化時の変更パラメータ演算を上位の位置指令生成装置において行っている為、位置制御装置の演算負荷を軽減させることが可能となる。
【0076】
つぎの発明によれば、一つの位置指令生成装置と、複数軸の位置制御装置よりなる位置制御システムにおいて、位置指令生成装置には、内部の位置指令生成部にて出力される複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量に関する情報を元に演算されたパラメータを加味した理論位置・速度制御を行い、機械の振動特性に応じた位置指令、速度指令およびトルク指令を生成する手段を有することにより、各軸の位置によって機械系の特性が大きく変動した場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能であるとともに、理論位置・速度制御部、機械模擬回路部、補償トルク演算部の演算を上位の位置指令生成装置において行っている為、位置制御装置の演算負荷を軽減させることが可能となる。
【0077】
つぎの発明によれば、各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータについて、予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルを作成することにより、変更パラメータを演算する場合に予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルを作成しているので、テーブル引きにより演算ができて機械系の構成より機械系のパラメータの理論計算を逐次演算する必要が無いため、少ない演算量で、機械系の特性が大きく変わった場合にも、良好な振動抑制性能を得ることが可能である。
【0078】
つぎの発明によれば、複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、重量に関する情報を元に演算されたパラメータを加味した理論位置・速度制御を行い、機械の振動特性に応じた位置指令、速度指令およびトルク指令を生成する場合に、予め位置指令、速度指令およびトルク指令を演算することにより、予めパラメータを変更して演算を行った結果を得ることになるので、位置指令生成ではその結果を順に呼び出すだけで、各指令を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の機械の位置制御装置のブロック図である。
【図2】従来の技術による機械の位置制御装置のブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態2の機械の位置制御装置のブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態3の機械の位置制御装置のブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態4の機械の位置制御システムのブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態5の機械の位置制御システムのブロック図である。
【図7】この発明の効果を示す線図である。
【符号の説明】
16 補償トルク演算器、26,29 機械端慣性演算器、27 補償トルク比例係数演算器、28 補償トルク積分係数演算器、30 指令フィルタ、32共振周波数演算器、33 反共振周波数演算器、101,107 理論位置・速度制御部、102,108 機械模擬回路部、103 補償トルク演算部、104,109 実位置・速度制御部、105,106,110 変更パラメータ演算部、111 位置指令生成部、201,204 位置指令生成装置、202,205 X軸位置制御装置、203 Y軸位置制御装置。

Claims (7)

  1. 位置指令を入力として理論位置・速度制御部にてトルクを出力し、このトルクを入力として機械模擬回路部にて位置および速度を出力し、この出力を直接におよび補償トルク演算部を介して理論位置・速度制御部に戻すことにより、機械の振動特性を考慮した位置制御を行う機械の位置制御装置において、
    他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に機械模擬回路部および補償トルク演算部のパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことを特徴とする機械の位置制御装置。
  2. 位置指令を入力として理論位置・速度制御部にてトルクを出力し、このトルクを入力として機械模擬回路部にて位置および速度を出力し、この出力を理論位置・速度制御部に戻すことにより、機械の振動特性を考慮した位置制御を行う機械の位置制御装置において、
    他軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に理論位置・速度制御部内の指令フィルタのパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことを特徴とする機械の位置制御装置。
  3. 変更パラメータ演算部では、予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルが作成されることを特徴とする請求項1または2に記載の機械の位置制御装置。
  4. 一つの位置指令生成装置と、複数軸の位置制御装置よりなる位置制御システムにおいて、
    位置指令生成装置内には、内部の位置指令生成部にて出力される複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量のいずれかに関する情報を元に各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータを演算し、しかもこの各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータを逐次変更する変更パラメータ演算部を備えたことを特徴とする機械の位置制御システム。
  5. 一つの位置指令生成装置と、複数軸の位置制御装置よりなる位置制御システムにおいて、
    位置指令生成装置には、内部の位置指令生成部にて出力される複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、および重量に関する情報を元に演算されたパラメータを加味した理論位置・速度制御を行い、機械の振動特性に応じた位置指令、速度指令およびトルク指令を生成する手段を有することを特徴とする機械の位置制御システム。
  6. 各軸の位置制御装置内での機械模擬回路部および補償トルク演算部と理論位置・速度制御部内の指令フィルタとのいずれかのパラメータについて、予め機械の振動特性から求めたパラメータテーブルを作成することを特徴とする請求項4または5に記載の機械の位置制御システム。
  7. 複数軸の位置情報、機械の負荷慣性、重量に関する情報を元に演算されたパラメータを加味した理論位置・速度制御を行い、機械の振動特性に応じた位置指令、速度指令およびトルク指令を生成する場合に、予め位置指令、速度指令およびトルク指令を演算することを特徴とする請求項5に記載の機械の位置制御システム。
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