JP2004063655A - 放熱システム、放熱方法、熱緩衝部材、半導体モジュール、ヒートスプレッダおよび基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子の基板への搭載安定性に優れた半導体モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の半導体モジュール(100)は、熱源となる半導体素子(10)と、この半導体素子を搭載する基板(20)と、半導体素子(10)と基板との間に介在して半導体素子の熱を基板に拡散させるヒートスプレッダ(30)とからなる半導体モジュールであって、
このヒートスプレッダは、半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材(32)を高熱伝導材(31)で埋設してなり、ヒートスプレッダと基板との接合面積である基板側接合面積は、ヒートスプレッダと半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする。
これにより、各接合面毎の熱膨張量差を縮小させることができ、半導体素子の熱応力による剥離等を防止できる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の半導体モジュール(100)は、熱源となる半導体素子(10)と、この半導体素子を搭載する基板(20)と、半導体素子(10)と基板との間に介在して半導体素子の熱を基板に拡散させるヒートスプレッダ(30)とからなる半導体モジュールであって、
このヒートスプレッダは、半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材(32)を高熱伝導材(31)で埋設してなり、ヒートスプレッダと基板との接合面積である基板側接合面積は、ヒートスプレッダと半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする。
これにより、各接合面毎の熱膨張量差を縮小させることができ、半導体素子の熱応力による剥離等を防止できる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温体から受熱体への熱伝達に伴って発生する熱応力等を緩和して、それらの安定した搭載性を確保できる放熱システム、放熱方法および熱緩衝部材に関するものである。また、その利用形態である半導体モジュール、ヒートスプレッダおよび基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使用に際して高温になる部材は多く、その耐熱性の観点から適宜放熱が必要となることが多い。特に、使用温度範囲が厳格に規定されている素子からなる電気機器や電子機器では、その放熱が重要となる。以下では、基板上に半導体素子を配設した半導体モジュールを例にとり説明する。
半導体モジュールの用途にもよるが、通常、半導体素子は発熱して高温となる。半導体素子の安定した動作を確保するには、その効率的な放熱が不可欠である。
従来、高熱伝導性の基板に半導体素子を搭載し、その基板にはヒートシンク等を設けて、半導体素子の発熱を放熱していた。このような放熱は、半導体モジュールの小型化や高集積化、さらには、半導体素子に流れる電流量が増大する程重要となる。
【0003】
ところで、半導体素子は主にSi等からなるため、その線膨張係数は数ppm/℃程度と小さい。一方、その半導体素子を搭載する基板は、少なくともその表面にある金属(通常、Cu)を観ると、線膨張係数が十数ppm/℃程度と大きい。このため、両者をハンダ等で直接接合すると、その線膨張係数差によって、半導体素子の剥離等を生じ得る。
半導体素子から基板への熱伝達性(放熱性)と、半導体素子の基板に対する安定した搭載性(接合性)とを確保するために、高熱伝導で低膨張のヒートスプレッダを両者間に介在させることが提案されている。例えば、特開2000−77582号公報や実開昭63−20448号公報にそれ関する開示がある。前者の公報に開示されたヒートスプレッダは、高熱伝導性のCuからなる芯材を中央に配設し、その外周囲を低膨張性のインバー合金からなる枠材で囲繞したものである。後者の公報に開示されたヒートスプレッダは、逆に、低膨張性のインバー合金を高熱伝導性のCuで囲繞したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者の公報の場合、芯材(Cu)の熱膨張を枠材(インバー合金)で抑え込む結果、半導体素子や基板と接合される芯材の接合面が上下方向に膨れを生じ得る。このため、そのヒートスプレッダでは、結局、半導体素子や基板との密着性が確保できず、剥離等を生じ得る。
後者の公報に開示されたヒートスプレッダは、そのような欠点がなく、熱伝導性、熱拡散効果および接合性に優れたものと思われる。次に、このヒートスプレッダ単体の性能はともかくとして、その公報に開示された、ヒートスプレッダと半導体素子および基板との接合関係を観ると、ヒートスプレッダの両面で、同じような接合がなされている。つまり、半導体素子とヒートスプレッダとの接合面積と、基板とヒートスプレッダとの接合面積に変化はない。
【0005】
しかし、本来、半導体素子と基板との線膨張係数が異なることを考えれば、ヒートスプレッダが、半導体素子および基板と同じように接合されていることが必ずしも、半導体素子の基板への搭載性の観点から妥当とは言切れない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、半導体モジュールの場合に限らず、広く、高温体からその熱を受熱する受熱体に至る間の接合性(搭載性)を確保できる放熱システム、放熱方法および熱緩衝部材を提供することを目的とする。
また、それを利用した半導体モジュール、ヒートスプレッダおよび基板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、例えば、前述したヒートスプレッダの接合面積を素子側と基板側とで変更することを思いつき、この知見をさらに発展させて以下の本発明を完成させるに至った。
(放熱システム)
本発明の放熱システムは、熱源である高温体と、該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体と、該高温体と該受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材とからなり、該高温体の熱を、該受熱体で放熱しまたは該受熱体を経由して放熱させる放熱システムであって、
前記熱緩衝部材は、前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該熱緩衝部材の受熱体側接合面積を、該熱緩衝部材の高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする(請求項1)。
【0008】
ここで、前記高温体を半導体素子、前記受熱体を基板、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダと考えれば、上記放熱システムを半導体モジュールと把握できる。すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子と、該半導体素子を搭載する基板と、該半導体素子と該基板との間に介在して該半導体素子の熱を該基板に拡散させるヒートスプレッダとからなる半導体モジュールであって、
前記ヒートスプレッダは、前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該ヒートスプレッダと前記基板との接合面積である基板側接合面積は、該ヒートスプレッダと該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュールとしても良い(請求項9)。
【0009】
また、前記高温体を半導体素子、前記受熱体をヒートシンク、前記熱緩衝部材を基板と考えて、上記放熱システムを半導体モジュールと把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子と、該半導体素子の熱を受熱するヒートシンクと、該半導体素子に一面側で接合されると共に該ヒートシンクに他面側で接合され該半導体素子から該ヒートシンクへ熱伝達させる基板とからなる半導体モジュールであって、
前記基板は、前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該基板と前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該基板と該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュールとしても良い(請求項11)。
【0010】
さらに、前記高温体を基板、前記受熱体をヒートシンク、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダと考えて、上記放熱システムを半導体モジュールと把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる基板と、該基板の熱を受熱するヒートシンクと、該基板に一面側で接合されると共に該ヒートシンクに他面側で接合され該基板から該ヒートシンクへ熱伝達させるヒートスプレッダとからなる半導体モジュールであって、
前記ヒートスプレッダは、前記基板と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該ヒートスプレッダと前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該ヒートスプレッダと該基板との接合面積である基板側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュールとしても良い(請求項13)。
【0011】
(放熱方法)
本発明は、上記放熱システムに限らず、放熱方法としても把握できる。
すなわち、本発明は、熱源である高温体と、該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体と、該高温体と該受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材とからなり、該高温体の熱を該受熱体で放熱しまたは該受熱体を経由して放熱させる放熱方法であって、
前記熱緩衝部材は、前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該熱緩衝部材の受熱体側接合面積は、該熱緩衝部材の高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする放熱方法であっても良い(請求項7)。
【0012】
(熱緩衝部材)
本発明は、さらに、上記放熱システム等に限らず、熱緩衝部材としても把握できる。
すなわち、本発明は、熱源である高温体と該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材であって、
前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、前記受熱体側に位置する受熱体側接合面積を該高温体側に位置する高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする熱緩衝部材であっても良い(請求項8)。
【0013】
ここで、前記高温体を半導体素子、前記受熱体を基板と考えれば、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダとも把握できる。
すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子と該半導体素子を搭載する基板との間に介在して該半導体素子の熱を該基板に拡散させるヒートスプレッダであって、
前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、
該ヒートスプレッダと前記基板との接合面積である基板側接合面積は、該ヒートスプレッダと該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とするヒートスプレッダとしても良い(請求項10)。
【0014】
また、前記高温体を半導体素子、前記受熱体をヒートシンクと考えて、上記熱緩衝部材を基板と把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子に一面側で接合されると共に該半導体素子の熱を受熱するヒートシンクに他面側で接合されてなり、該半導体素子から該ヒートシンクへ熱伝達させる基板であって、
前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、該基板と前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該基板と該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする基板としても良い(請求項12)。
【0015】
さらに、前記高温体を基板、前記受熱体をヒートシンクと考えて、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダと把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる基板に一面側で接合されると共に該基板の熱を受熱するヒートシンクに他面側で接合されてなり、該基板から該ヒートシンクへ熱伝達させるヒートスプレッダであって、
前記基板と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、該ヒートスプレッダと前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該ヒートスプレッダと該基板との接合面積である基板側接合面積よりも大きいことを特徴とするヒートスプレッダとしても良い(請求項14)。
【0016】
なお、上述した本発明でいうヒートスプレッダは、単なる熱拡散機能のみならず、ヒートシンク機能を担うものであっても良い。
また、必要に応じて適宜、半導体素子と基板との間に介在するヒートスプレッダを素子側ヒートスプレッダと呼び、基板とヒートシンクとの間に介在するヒートスプレッダを基板側ヒートスプレッダと呼ぶ。
ヒートシンクは、CuやAl等を主成分とした単なる金属板でも良いが、半導体モジュールの筐体全体または筐体の一部を構成しても良い。さらに、内部に冷媒(冷却水等)を蓄えたり流したりして、冷却効率を高めた水冷式ヒートシンクを用いても良い。
【0017】
さらに、本発明では、「搭載」といった文言を使用しているが、それによって、高温体および受熱体等の位置関係が直接に拘束される訳ではない。例えば、高温体と受熱体との上下、左右関係等を問題とはしていないし、それらの間に介在物が存在していても良い。
上述した半導体モジュールは、本発明をより具体化した一例に過ぎない。つまり、ヒートスプレッダや基板のいずれかを熱緩衝部材とした半導体モジュールについて例示した。しかし、素子側ヒートスプレッダ、基板、基板側ヒートスプレッダ等の複数部材に本発明の熱緩衝部材を適宜適用して、半導体モジュール等を構成しても良い。
【0018】
(作用および効果)
以下では、熱緩衝部材をヒートスプレッダとした半導体モジュールを例にとり、本発明の作用および効果について、詳しく説明する。
本発明の半導体モジュールでは、単に、低膨張材を高熱伝導材中に埋設したヒートスプレッダを使用するに留まらず、ヒートスプレッダと、半導体素子および基板との各接合面積を適切に設定することにより、熱拡散性や放熱性等を確保しつつ、半導体素子の基板へのより安定した搭載性をも確保できる。具体的には、前述のごとく、基板側接合面積を素子側接合面積よりも大きくした。これにより、半導体素子の基板への搭載性がより安定する理由は必ずしも定かではないが、次のように考えられる。ここでは、説明を簡単にするため、低膨張材が高熱伝導材の縦断面中央に埋設されている場合について、例示的に説明する。
【0019】
半導体素子の線膨張係数は、一般に小さくその熱膨張量も小さい。一方、半導体素子を搭載する基板は、少なくとも表面付近にCu等の金属を有し、その線膨張係数が大きいことから熱膨張量も大きい。
このことを踏まえると、それらの間に介在するヒートスプレッダは、両者間の熱膨張差を吸収、緩和するために、素子側接合面での熱膨張量が半導体素子に近く、基板側接合面での熱膨張量が基板に近いことが理想的である。つまり、ヒートスプレッダの素子側接合面では熱膨張量が比較的少なく、基板側接合面では熱膨張量が比較的多いことが求められる。
【0020】
次に、半導体モジュールの使用により半導体素子が高温となり、ヒートスプレッダの温度が過渡期から安定期に入った状態を考える。つまり、ヒートスプレッダが全体的にほぼ均一な温度となっている場合を考える。
このとき、ヒートスプレッダ単体で観ると、低膨張材が高熱伝導材の中央に配置されている限り、素子側接合面でも基板側接合面でも、全体的な熱膨張量はほぼ同じになると思われる。しかし、局所的な熱膨張の分布を観れば、低膨張材の近傍では、その拘束によってヒートスプレッダの熱膨張量は小さくなっているはずである。そこで、本発明の半導体モジュールのように、低膨張材の拘束によって熱膨張が小さくなっている局所的な領域に半導体素子を接合すれば、ヒートスプレッダと半導体素子との熱膨張差を小さくできることとなる。
逆に、ヒートスプレッダを全体的に観て、熱膨張量が大きくなる広い領域で基板と接合すれば、ヒートスプレッダと基板との接合面間でも、熱膨張差を小さくできることとなる。
【0021】
以上、熱緩衝部材をヒートスプレッダとした半導体モジュールについて説明したが、熱緩衝部材を基板とした半導体モジュールであっても、同様な作用、効果を考えることができる。さらに、半導体モジュールに限らず、高温体と受熱体とそれらの間に介在する熱緩衝部材とからなる3層構造についても、事情は同様である。
また、低膨張材を高熱伝導材の中央に埋設する場合を例示して説明したが、勿論、その配置に限定されるものではない。例えば、低膨張材を高温体(例えば、半導体素子)に近づける程、それと熱緩衝部材(例えば、ヒートスプレッダまたは基板)との間およびその熱緩衝部材と受熱体(例えば、基板またはヒートシンク)との間の熱膨張差がより少なくなる。
【0022】
低膨張材は、高温体に対向した位置に配設されていれば良く、高温体の接合面と同じ大きさ(広さ)を有するものでなくても良い。また、低膨張材は、高熱伝導材中に、単一状態で埋設されていても、分割されて埋設されていても良い。また、熱緩衝部材中における低膨張材の配置のみならず、低膨張材の占有体積率を調整して、熱緩衝部材の熱膨張量を調整することも可能である。例えば、低膨張材の占有体積率を大きくして、熱緩衝部材全体の熱膨張量を小さくすることもできる。
このように、低膨張材の熱緩衝部材中の配置や占有体積率等を調整することで、高温体と受熱体との接合面における熱膨張量差を一層効果的に緩和させることができる。
【0023】
もっとも、熱緩衝部材は、高温体の熱を効果的に受熱体へ拡散、放熱させるものであるところ、熱伝導性に優れることが重要であることは言うまでもない。この機能は、上記低膨張材を埋設する高熱伝導材が担当する。そこで、例えば、熱緩衝部材が、低膨張材を高熱伝導材の内部に埋設して低膨張材の外表面を該高熱伝導材で囲繞したものであると好適である。低膨張材は概して熱伝導性が劣るが、これを高熱伝導材で囲繞することで、その高熱伝導材が熱の大きな通路となるからである。なお、この高熱伝導材は、低膨張材の全外表面を完全に囲繞する必要は必ずしもなく、例えば、低膨張材の端面等は高熱伝導材で囲繞されていなくても良い。
【0024】
ところで、本発明に係る低膨張材は、高熱伝導材よりも線膨張係数が小さければ良い。もっとも、熱緩衝部材の設計自由度をより大きくするには、低膨張材が、高温体よりも線膨張係数が小さい材料からなると好適である。これにより、低膨張材の配置、形状、占有体積率等を適宜調整すれば、高温体と受熱体との間の熱膨張差の緩和を一層有効に行えるからである。
このような低膨張材として、例えば、インバー合金が好適である。インバー合金は、安価で成形性に優れるからである。なお、このインバー合金には、強磁性インバー合金、Fe基アモルファスインバー合金、Cr系反強磁性インバー合金等種々のものがある。使用温度範囲、加工性、コスト、磁性の有無等を考慮して、半導体モジュールの用途に適したものが選択され、本発明ではその種類や組成等が特に限定されるものではない。一例を挙げると、Fe−36%Ni(単位は質量%、以下同様)、Fe−31%Ni−5%Co(スーパ−インバー合金)等の強磁性インバー合金が周知である。
その低膨張材を埋設する高熱伝導材は、低膨張材よりも熱伝導性に優れれば良い。もっとも、熱緩衝部材(特に、ヒートスプレッダや基板)としての優れた熱拡散性を担保し、また、安価で成形性にも優れるものとして、高熱伝導材は、CuやAlを主成分とする純金属または合金であると好ましい。
【0025】
なお、受熱体は、熱伝導性に優れるもの程良いが、その材質は問わない。また、受熱体が熱膨張量の大きな材質からなるものであっても良い。本発明に係る熱緩衝部材の受熱体側接合面では、熱膨張量を比較的大きくとれるからである。従って、その受熱体が金属材料をベースとした金属体であっても良い。
例えば、半導体素子が搭載される基板の場合、本発明によれば、熱膨張量の少ない銅張りセラミックス基板等のみならず、熱膨張量の多い金属基板を利用することができる。そして、この金属基板はセラミックス基板等に比べて、安価であり、半導体モジュールの低コスト化に有利である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、放熱システムの一例として半導体モジュールに係る実施形態を挙げて、より詳細に本発明を説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態であるパワーモジュール(半導体モジュール)100の要部を示す横断面図を図1に示す。このパワーモジュール100は、例えば、三相誘導電動機(三相モータ)の駆動制御用のインバータ装置等に使用されるものである。
パワーモジュール100は、パワーMOSFET等の種々の半導体素子10と、この半導体素子10を搭載する銅製の金属基板20と、両者間に介在するヒートスプレッダ30とからなる。図1では、便宜上、1個の半導体素子10の近傍のみを示してある。
【0027】
半導体素子10とヒートスプレッダ30との接合(素子側接合)はハンダ41によりなされ、金属基板20とヒートスプレッダ30との接合(基板側接合)はハンダ42によりなされる。なお、ハンダ41およびハンダ42による接合は、ロウ付けのように同時に行うことも考えられるが、ここでは、高融点のハンダ42による接合を先に行い、その後に、低融点のハンダ41による接合を行った。
ヒートスプレッダ30は、中央に配置したインバー合金(Fe−36%Ni)からなる低膨張材32を、Cuからなる高熱伝導材31で囲繞したクラッド材からなる。従って、ヒートスプレッダ30は、図1に示すように、縦方向にも横方向にも3層構造をしている。
【0028】
本実施形態の場合、一例を挙げると、ヒートスプレッダ30の全厚は約1mmであり、その中のインバー合金の厚さは、全体1/3(約0.3mm)程度とした。また、その全幅は12mm、インバー合金の幅は7mmとした。このヒートスプレッダ30について線膨張係数を求めたところ、次のようになった。インバー合金の直上部分(直下部分でも同様)は、線膨張係数が10.5ppm/℃であった。これに対し、そのインバー合金の周囲にあるCuをも含めたヒートスプレッダ30の全体の線膨張係数は13.3ppm/℃であった。ちなみに、半導体素子10の線膨張係数は約4ppm/℃、金属基板20の線膨張係数は約17ppm/℃である。
【0029】
本実施形態のヒートスプレッダ30では、その線膨張係数が局所的に小さくなる領域(素子側接合面F1)で半導体素子10を接合している。また、金属基板20との接合には、線膨張係数が大きくなる領域(基板側接合面F2)を利用している。これが本発明でいうところの、低膨張材32に対向する位置に半導体素子10を配設し、基板側接合面積を素子側接合面積よりも大きくすることに対応する。
【0030】
この例からも明らかなように、ほぼ上下左右に対称な構造のヒートスプレッダ30であっても、各接合面で、接合される相手材の線膨張係数により近い線膨張係数を得ることができる。その結果、半導体素子10と金属基板20との間の熱膨張差がより効果的に緩和される。つまり、半導体素子10、ヒートスプレッダ30、金属基板20との間の剥離等が防止されて、半導体素子10の金属基板20への搭載安定性が高次元で確保される。
なお、半導体素子10の発熱は、熱伝導性に優れるCu(高熱伝導材31)を介して金属基板20へ伝達されるため、ヒートスプレッダ30の熱拡散効果が十分に確保されていることは言うまでもない。
【0031】
(第2実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ230を備えるパワーモジュール200を図2に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ230は、直方体状であった高熱伝導材31を、断面台形状の高熱伝導材231としたものである。線膨張係数の大きなCuの配置を適正化することで、素子側接合面F1での線膨張係数を一層半導体素子10の線膨張係数に近づけることができる。
【0032】
(第3実施形態)
本発明に係る第3実施形態であるパワーモジュール300の要部を示す横断面図を図3に示す。
パワーモジュール300は、半導体素子310と、この半導体素子310がハンダ341により接合される基板320と、この基板320を搭載するパワーモジュール300の筐体350と、基板320と筐体350との間に介在するヒートスプレッダ330とからなる。図3では、便宜上、1個の半導体素子310の近傍のみを示してある。ここでいう筐体350は、熱伝導性に優れたAl合金製からなり、ヒートシンクとしても機能する。図3には示していないが、その外周部に空冷フィンを設けたり、その内部に冷却水等を流して、冷却効率を高めると、放熱性に優れたパワーモジュールとなる。なお、Al合金製の筐体350の線膨張係数は約24ppm/℃である。
【0033】
基板320は、中芯部にあるセラミックス321の両面に銅製の配線層322、323を設けた両面銅張りセラミックス絶縁基板からなる。配線層322、323は、銅製の他アルミニウム製でも良い。このような基板は、DBA、DBCとして市販されている。
ヒートスプレッダ330は、第1実施形態の場合と同様に、中央に配置したインバー合金(Fe−36%Ni)からなる低膨張材332を、Cuからなる高熱伝導材331で囲繞したクラッド材からなる。
【0034】
このヒートスプレッダ330と基板320との接合(基板側接合)はハンダ342によりなされ、ヒートスプレッダ330と筐体350との接合(筐体側接合)はハンダ343によりなされる。そして、本実施形態でも、低膨張材332に対向する位置に基板320を配設し、筐体側接合面積(ヒートシンク側接合面積)を基板側接合面積よりも大きくしている。そして、本実施形態のヒートスプレッダ330も、その線膨張係数が局所的に小さくなる領域(基板側接合面F1)で基板320と接合され、線膨張係数が大きくなる領域(筐体側接合面F2)で筐体350と接合される。その結果、各接合面における線膨張係数差が小さくなり、基板320と筐体350との搭載安定性が向上する。また、基板330の熱が、熱伝導性に優れるCu(高熱伝導材331)を介して筐体350へ伝達され、ヒートスプレッダ330の熱拡散効果が十分に確保されるのは、第1実施形態の場合と同様である。
【0035】
ところで、基板ヒートスプレッダとして、従来は、高価なCuMoやAl/SiCの複合材等を使用していたため、パワーモジュールの低コスト化の妨げとなっていた。これに対して本実施形態で使用した上記の複合材は安価であるため、パワーモジュールの低コスト化が容易となった。
【0036】
(第4実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ430を備えるパワーモジュール400を図4に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ430は、一体となっていた低膨張材32を、均等に2等分した低膨張材432、433として、高熱伝導材431中に埋設したものである。
この場合、半導体素子10の中央直下にも、高熱伝導材431が上下方向に延在することとなり、その分、半導体素子10の発熱を金属基板20へ拡散させる通路が増える。従って、半導体素子10の発熱をより効率的に金属基板20へ拡散、放熱させることができる。
【0037】
(第5実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ530を備えるパワーモジュール500を図5に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ530は、低膨張材32の埋設位置を、高熱伝導材531の内部中央から、素子側接合面側にシフトさせたものである。線膨張係数の小さなインバー合金の配置を適正化することで、素子側接合面F1での線膨張係数を一層半導体素子10の線膨張係数に近づけることができる。
【0038】
(第6実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ630を備えるパワーモジュール600を図6に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ630は、低膨張材32の埋設位置を、高熱伝導材61の内部中央から、基板側接合面側にシフトさせたものである。この場合、高温体である半導体素子10の直下にある高熱伝導材631の体積割合が増えることから、ヒートスプレッダ630としての熱拡散性が一層優れたものとなる。
【0039】
(その他)
図7に一例として、第1実施形態のヒートスプレッダ30の横断面図を示す。ここで、ヒートスプレッダ30中に占める低膨張材32の幅Wと、接合される半導体素子10の幅との広狭は、素子側接合面F1で所望する線膨張係数に応じて決定すれば良い。低膨張材32の幅Wは、半導体素子10の幅に対して、例えば、−60%〜+60%の範囲で調整すれば良い。
もっとも、前述の第5実施形態のように、素子側接合面F1に低膨張材32が露出する場合は、低膨張材32の幅Wを半導体素子10の幅よりも狭くする必要がある。
【0040】
これまでは、図7に示すヒートスプレッダ30のように、低膨張材32の両端面(縦切断面)が必ずしも高熱伝導材31で完全には囲繞されていない場合を示した。しかし、図8に示すヒートスプレッダ830(第7実施形態)のように、低膨張材832の全周囲を完全に高熱伝導材831で囲繞するようにしても良いことは言うまでもない。このような形態とすれば、半導体素子10から金属基板20への熱拡散の通路が拡大されるので好ましい。その結果、前述した第5実施形態のような場合であっても、低膨張材832の幅を半導体素子10の幅よりも必ずしも狭くする必要はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るヒートスプレッダの要部横断面図である。
【図8】本発明の第7実施形態に係るヒートスプレッダの要部横断面図である。
【符号の説明】
10 半導体素子
20 金属基板
30 ヒートスプレッダ
31 高熱伝導材
32 低膨張材
41、42 ハンダ
100 パワーモジュール
F1 素子側接合面
F2 基板側接合面
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温体から受熱体への熱伝達に伴って発生する熱応力等を緩和して、それらの安定した搭載性を確保できる放熱システム、放熱方法および熱緩衝部材に関するものである。また、その利用形態である半導体モジュール、ヒートスプレッダおよび基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使用に際して高温になる部材は多く、その耐熱性の観点から適宜放熱が必要となることが多い。特に、使用温度範囲が厳格に規定されている素子からなる電気機器や電子機器では、その放熱が重要となる。以下では、基板上に半導体素子を配設した半導体モジュールを例にとり説明する。
半導体モジュールの用途にもよるが、通常、半導体素子は発熱して高温となる。半導体素子の安定した動作を確保するには、その効率的な放熱が不可欠である。
従来、高熱伝導性の基板に半導体素子を搭載し、その基板にはヒートシンク等を設けて、半導体素子の発熱を放熱していた。このような放熱は、半導体モジュールの小型化や高集積化、さらには、半導体素子に流れる電流量が増大する程重要となる。
【0003】
ところで、半導体素子は主にSi等からなるため、その線膨張係数は数ppm/℃程度と小さい。一方、その半導体素子を搭載する基板は、少なくともその表面にある金属(通常、Cu)を観ると、線膨張係数が十数ppm/℃程度と大きい。このため、両者をハンダ等で直接接合すると、その線膨張係数差によって、半導体素子の剥離等を生じ得る。
半導体素子から基板への熱伝達性(放熱性)と、半導体素子の基板に対する安定した搭載性(接合性)とを確保するために、高熱伝導で低膨張のヒートスプレッダを両者間に介在させることが提案されている。例えば、特開2000−77582号公報や実開昭63−20448号公報にそれ関する開示がある。前者の公報に開示されたヒートスプレッダは、高熱伝導性のCuからなる芯材を中央に配設し、その外周囲を低膨張性のインバー合金からなる枠材で囲繞したものである。後者の公報に開示されたヒートスプレッダは、逆に、低膨張性のインバー合金を高熱伝導性のCuで囲繞したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者の公報の場合、芯材(Cu)の熱膨張を枠材(インバー合金)で抑え込む結果、半導体素子や基板と接合される芯材の接合面が上下方向に膨れを生じ得る。このため、そのヒートスプレッダでは、結局、半導体素子や基板との密着性が確保できず、剥離等を生じ得る。
後者の公報に開示されたヒートスプレッダは、そのような欠点がなく、熱伝導性、熱拡散効果および接合性に優れたものと思われる。次に、このヒートスプレッダ単体の性能はともかくとして、その公報に開示された、ヒートスプレッダと半導体素子および基板との接合関係を観ると、ヒートスプレッダの両面で、同じような接合がなされている。つまり、半導体素子とヒートスプレッダとの接合面積と、基板とヒートスプレッダとの接合面積に変化はない。
【0005】
しかし、本来、半導体素子と基板との線膨張係数が異なることを考えれば、ヒートスプレッダが、半導体素子および基板と同じように接合されていることが必ずしも、半導体素子の基板への搭載性の観点から妥当とは言切れない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、半導体モジュールの場合に限らず、広く、高温体からその熱を受熱する受熱体に至る間の接合性(搭載性)を確保できる放熱システム、放熱方法および熱緩衝部材を提供することを目的とする。
また、それを利用した半導体モジュール、ヒートスプレッダおよび基板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、例えば、前述したヒートスプレッダの接合面積を素子側と基板側とで変更することを思いつき、この知見をさらに発展させて以下の本発明を完成させるに至った。
(放熱システム)
本発明の放熱システムは、熱源である高温体と、該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体と、該高温体と該受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材とからなり、該高温体の熱を、該受熱体で放熱しまたは該受熱体を経由して放熱させる放熱システムであって、
前記熱緩衝部材は、前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該熱緩衝部材の受熱体側接合面積を、該熱緩衝部材の高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする(請求項1)。
【0008】
ここで、前記高温体を半導体素子、前記受熱体を基板、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダと考えれば、上記放熱システムを半導体モジュールと把握できる。すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子と、該半導体素子を搭載する基板と、該半導体素子と該基板との間に介在して該半導体素子の熱を該基板に拡散させるヒートスプレッダとからなる半導体モジュールであって、
前記ヒートスプレッダは、前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該ヒートスプレッダと前記基板との接合面積である基板側接合面積は、該ヒートスプレッダと該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュールとしても良い(請求項9)。
【0009】
また、前記高温体を半導体素子、前記受熱体をヒートシンク、前記熱緩衝部材を基板と考えて、上記放熱システムを半導体モジュールと把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子と、該半導体素子の熱を受熱するヒートシンクと、該半導体素子に一面側で接合されると共に該ヒートシンクに他面側で接合され該半導体素子から該ヒートシンクへ熱伝達させる基板とからなる半導体モジュールであって、
前記基板は、前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該基板と前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該基板と該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュールとしても良い(請求項11)。
【0010】
さらに、前記高温体を基板、前記受熱体をヒートシンク、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダと考えて、上記放熱システムを半導体モジュールと把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる基板と、該基板の熱を受熱するヒートシンクと、該基板に一面側で接合されると共に該ヒートシンクに他面側で接合され該基板から該ヒートシンクへ熱伝達させるヒートスプレッダとからなる半導体モジュールであって、
前記ヒートスプレッダは、前記基板と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該ヒートスプレッダと前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該ヒートスプレッダと該基板との接合面積である基板側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュールとしても良い(請求項13)。
【0011】
(放熱方法)
本発明は、上記放熱システムに限らず、放熱方法としても把握できる。
すなわち、本発明は、熱源である高温体と、該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体と、該高温体と該受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材とからなり、該高温体の熱を該受熱体で放熱しまたは該受熱体を経由して放熱させる放熱方法であって、
前記熱緩衝部材は、前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、該熱緩衝部材の受熱体側接合面積は、該熱緩衝部材の高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする放熱方法であっても良い(請求項7)。
【0012】
(熱緩衝部材)
本発明は、さらに、上記放熱システム等に限らず、熱緩衝部材としても把握できる。
すなわち、本発明は、熱源である高温体と該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材であって、
前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、前記受熱体側に位置する受熱体側接合面積を該高温体側に位置する高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする熱緩衝部材であっても良い(請求項8)。
【0013】
ここで、前記高温体を半導体素子、前記受熱体を基板と考えれば、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダとも把握できる。
すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子と該半導体素子を搭載する基板との間に介在して該半導体素子の熱を該基板に拡散させるヒートスプレッダであって、
前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、
該ヒートスプレッダと前記基板との接合面積である基板側接合面積は、該ヒートスプレッダと該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とするヒートスプレッダとしても良い(請求項10)。
【0014】
また、前記高温体を半導体素子、前記受熱体をヒートシンクと考えて、上記熱緩衝部材を基板と把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる半導体素子に一面側で接合されると共に該半導体素子の熱を受熱するヒートシンクに他面側で接合されてなり、該半導体素子から該ヒートシンクへ熱伝達させる基板であって、
前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、該基板と前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該基板と該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする基板としても良い(請求項12)。
【0015】
さらに、前記高温体を基板、前記受熱体をヒートシンクと考えて、前記熱緩衝部材をヒートスプレッダと把握することもできる。
すなわち、本発明は、熱源となる基板に一面側で接合されると共に該基板の熱を受熱するヒートシンクに他面側で接合されてなり、該基板から該ヒートシンクへ熱伝達させるヒートスプレッダであって、
前記基板と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、該ヒートスプレッダと前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該ヒートスプレッダと該基板との接合面積である基板側接合面積よりも大きいことを特徴とするヒートスプレッダとしても良い(請求項14)。
【0016】
なお、上述した本発明でいうヒートスプレッダは、単なる熱拡散機能のみならず、ヒートシンク機能を担うものであっても良い。
また、必要に応じて適宜、半導体素子と基板との間に介在するヒートスプレッダを素子側ヒートスプレッダと呼び、基板とヒートシンクとの間に介在するヒートスプレッダを基板側ヒートスプレッダと呼ぶ。
ヒートシンクは、CuやAl等を主成分とした単なる金属板でも良いが、半導体モジュールの筐体全体または筐体の一部を構成しても良い。さらに、内部に冷媒(冷却水等)を蓄えたり流したりして、冷却効率を高めた水冷式ヒートシンクを用いても良い。
【0017】
さらに、本発明では、「搭載」といった文言を使用しているが、それによって、高温体および受熱体等の位置関係が直接に拘束される訳ではない。例えば、高温体と受熱体との上下、左右関係等を問題とはしていないし、それらの間に介在物が存在していても良い。
上述した半導体モジュールは、本発明をより具体化した一例に過ぎない。つまり、ヒートスプレッダや基板のいずれかを熱緩衝部材とした半導体モジュールについて例示した。しかし、素子側ヒートスプレッダ、基板、基板側ヒートスプレッダ等の複数部材に本発明の熱緩衝部材を適宜適用して、半導体モジュール等を構成しても良い。
【0018】
(作用および効果)
以下では、熱緩衝部材をヒートスプレッダとした半導体モジュールを例にとり、本発明の作用および効果について、詳しく説明する。
本発明の半導体モジュールでは、単に、低膨張材を高熱伝導材中に埋設したヒートスプレッダを使用するに留まらず、ヒートスプレッダと、半導体素子および基板との各接合面積を適切に設定することにより、熱拡散性や放熱性等を確保しつつ、半導体素子の基板へのより安定した搭載性をも確保できる。具体的には、前述のごとく、基板側接合面積を素子側接合面積よりも大きくした。これにより、半導体素子の基板への搭載性がより安定する理由は必ずしも定かではないが、次のように考えられる。ここでは、説明を簡単にするため、低膨張材が高熱伝導材の縦断面中央に埋設されている場合について、例示的に説明する。
【0019】
半導体素子の線膨張係数は、一般に小さくその熱膨張量も小さい。一方、半導体素子を搭載する基板は、少なくとも表面付近にCu等の金属を有し、その線膨張係数が大きいことから熱膨張量も大きい。
このことを踏まえると、それらの間に介在するヒートスプレッダは、両者間の熱膨張差を吸収、緩和するために、素子側接合面での熱膨張量が半導体素子に近く、基板側接合面での熱膨張量が基板に近いことが理想的である。つまり、ヒートスプレッダの素子側接合面では熱膨張量が比較的少なく、基板側接合面では熱膨張量が比較的多いことが求められる。
【0020】
次に、半導体モジュールの使用により半導体素子が高温となり、ヒートスプレッダの温度が過渡期から安定期に入った状態を考える。つまり、ヒートスプレッダが全体的にほぼ均一な温度となっている場合を考える。
このとき、ヒートスプレッダ単体で観ると、低膨張材が高熱伝導材の中央に配置されている限り、素子側接合面でも基板側接合面でも、全体的な熱膨張量はほぼ同じになると思われる。しかし、局所的な熱膨張の分布を観れば、低膨張材の近傍では、その拘束によってヒートスプレッダの熱膨張量は小さくなっているはずである。そこで、本発明の半導体モジュールのように、低膨張材の拘束によって熱膨張が小さくなっている局所的な領域に半導体素子を接合すれば、ヒートスプレッダと半導体素子との熱膨張差を小さくできることとなる。
逆に、ヒートスプレッダを全体的に観て、熱膨張量が大きくなる広い領域で基板と接合すれば、ヒートスプレッダと基板との接合面間でも、熱膨張差を小さくできることとなる。
【0021】
以上、熱緩衝部材をヒートスプレッダとした半導体モジュールについて説明したが、熱緩衝部材を基板とした半導体モジュールであっても、同様な作用、効果を考えることができる。さらに、半導体モジュールに限らず、高温体と受熱体とそれらの間に介在する熱緩衝部材とからなる3層構造についても、事情は同様である。
また、低膨張材を高熱伝導材の中央に埋設する場合を例示して説明したが、勿論、その配置に限定されるものではない。例えば、低膨張材を高温体(例えば、半導体素子)に近づける程、それと熱緩衝部材(例えば、ヒートスプレッダまたは基板)との間およびその熱緩衝部材と受熱体(例えば、基板またはヒートシンク)との間の熱膨張差がより少なくなる。
【0022】
低膨張材は、高温体に対向した位置に配設されていれば良く、高温体の接合面と同じ大きさ(広さ)を有するものでなくても良い。また、低膨張材は、高熱伝導材中に、単一状態で埋設されていても、分割されて埋設されていても良い。また、熱緩衝部材中における低膨張材の配置のみならず、低膨張材の占有体積率を調整して、熱緩衝部材の熱膨張量を調整することも可能である。例えば、低膨張材の占有体積率を大きくして、熱緩衝部材全体の熱膨張量を小さくすることもできる。
このように、低膨張材の熱緩衝部材中の配置や占有体積率等を調整することで、高温体と受熱体との接合面における熱膨張量差を一層効果的に緩和させることができる。
【0023】
もっとも、熱緩衝部材は、高温体の熱を効果的に受熱体へ拡散、放熱させるものであるところ、熱伝導性に優れることが重要であることは言うまでもない。この機能は、上記低膨張材を埋設する高熱伝導材が担当する。そこで、例えば、熱緩衝部材が、低膨張材を高熱伝導材の内部に埋設して低膨張材の外表面を該高熱伝導材で囲繞したものであると好適である。低膨張材は概して熱伝導性が劣るが、これを高熱伝導材で囲繞することで、その高熱伝導材が熱の大きな通路となるからである。なお、この高熱伝導材は、低膨張材の全外表面を完全に囲繞する必要は必ずしもなく、例えば、低膨張材の端面等は高熱伝導材で囲繞されていなくても良い。
【0024】
ところで、本発明に係る低膨張材は、高熱伝導材よりも線膨張係数が小さければ良い。もっとも、熱緩衝部材の設計自由度をより大きくするには、低膨張材が、高温体よりも線膨張係数が小さい材料からなると好適である。これにより、低膨張材の配置、形状、占有体積率等を適宜調整すれば、高温体と受熱体との間の熱膨張差の緩和を一層有効に行えるからである。
このような低膨張材として、例えば、インバー合金が好適である。インバー合金は、安価で成形性に優れるからである。なお、このインバー合金には、強磁性インバー合金、Fe基アモルファスインバー合金、Cr系反強磁性インバー合金等種々のものがある。使用温度範囲、加工性、コスト、磁性の有無等を考慮して、半導体モジュールの用途に適したものが選択され、本発明ではその種類や組成等が特に限定されるものではない。一例を挙げると、Fe−36%Ni(単位は質量%、以下同様)、Fe−31%Ni−5%Co(スーパ−インバー合金)等の強磁性インバー合金が周知である。
その低膨張材を埋設する高熱伝導材は、低膨張材よりも熱伝導性に優れれば良い。もっとも、熱緩衝部材(特に、ヒートスプレッダや基板)としての優れた熱拡散性を担保し、また、安価で成形性にも優れるものとして、高熱伝導材は、CuやAlを主成分とする純金属または合金であると好ましい。
【0025】
なお、受熱体は、熱伝導性に優れるもの程良いが、その材質は問わない。また、受熱体が熱膨張量の大きな材質からなるものであっても良い。本発明に係る熱緩衝部材の受熱体側接合面では、熱膨張量を比較的大きくとれるからである。従って、その受熱体が金属材料をベースとした金属体であっても良い。
例えば、半導体素子が搭載される基板の場合、本発明によれば、熱膨張量の少ない銅張りセラミックス基板等のみならず、熱膨張量の多い金属基板を利用することができる。そして、この金属基板はセラミックス基板等に比べて、安価であり、半導体モジュールの低コスト化に有利である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、放熱システムの一例として半導体モジュールに係る実施形態を挙げて、より詳細に本発明を説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態であるパワーモジュール(半導体モジュール)100の要部を示す横断面図を図1に示す。このパワーモジュール100は、例えば、三相誘導電動機(三相モータ)の駆動制御用のインバータ装置等に使用されるものである。
パワーモジュール100は、パワーMOSFET等の種々の半導体素子10と、この半導体素子10を搭載する銅製の金属基板20と、両者間に介在するヒートスプレッダ30とからなる。図1では、便宜上、1個の半導体素子10の近傍のみを示してある。
【0027】
半導体素子10とヒートスプレッダ30との接合(素子側接合)はハンダ41によりなされ、金属基板20とヒートスプレッダ30との接合(基板側接合)はハンダ42によりなされる。なお、ハンダ41およびハンダ42による接合は、ロウ付けのように同時に行うことも考えられるが、ここでは、高融点のハンダ42による接合を先に行い、その後に、低融点のハンダ41による接合を行った。
ヒートスプレッダ30は、中央に配置したインバー合金(Fe−36%Ni)からなる低膨張材32を、Cuからなる高熱伝導材31で囲繞したクラッド材からなる。従って、ヒートスプレッダ30は、図1に示すように、縦方向にも横方向にも3層構造をしている。
【0028】
本実施形態の場合、一例を挙げると、ヒートスプレッダ30の全厚は約1mmであり、その中のインバー合金の厚さは、全体1/3(約0.3mm)程度とした。また、その全幅は12mm、インバー合金の幅は7mmとした。このヒートスプレッダ30について線膨張係数を求めたところ、次のようになった。インバー合金の直上部分(直下部分でも同様)は、線膨張係数が10.5ppm/℃であった。これに対し、そのインバー合金の周囲にあるCuをも含めたヒートスプレッダ30の全体の線膨張係数は13.3ppm/℃であった。ちなみに、半導体素子10の線膨張係数は約4ppm/℃、金属基板20の線膨張係数は約17ppm/℃である。
【0029】
本実施形態のヒートスプレッダ30では、その線膨張係数が局所的に小さくなる領域(素子側接合面F1)で半導体素子10を接合している。また、金属基板20との接合には、線膨張係数が大きくなる領域(基板側接合面F2)を利用している。これが本発明でいうところの、低膨張材32に対向する位置に半導体素子10を配設し、基板側接合面積を素子側接合面積よりも大きくすることに対応する。
【0030】
この例からも明らかなように、ほぼ上下左右に対称な構造のヒートスプレッダ30であっても、各接合面で、接合される相手材の線膨張係数により近い線膨張係数を得ることができる。その結果、半導体素子10と金属基板20との間の熱膨張差がより効果的に緩和される。つまり、半導体素子10、ヒートスプレッダ30、金属基板20との間の剥離等が防止されて、半導体素子10の金属基板20への搭載安定性が高次元で確保される。
なお、半導体素子10の発熱は、熱伝導性に優れるCu(高熱伝導材31)を介して金属基板20へ伝達されるため、ヒートスプレッダ30の熱拡散効果が十分に確保されていることは言うまでもない。
【0031】
(第2実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ230を備えるパワーモジュール200を図2に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ230は、直方体状であった高熱伝導材31を、断面台形状の高熱伝導材231としたものである。線膨張係数の大きなCuの配置を適正化することで、素子側接合面F1での線膨張係数を一層半導体素子10の線膨張係数に近づけることができる。
【0032】
(第3実施形態)
本発明に係る第3実施形態であるパワーモジュール300の要部を示す横断面図を図3に示す。
パワーモジュール300は、半導体素子310と、この半導体素子310がハンダ341により接合される基板320と、この基板320を搭載するパワーモジュール300の筐体350と、基板320と筐体350との間に介在するヒートスプレッダ330とからなる。図3では、便宜上、1個の半導体素子310の近傍のみを示してある。ここでいう筐体350は、熱伝導性に優れたAl合金製からなり、ヒートシンクとしても機能する。図3には示していないが、その外周部に空冷フィンを設けたり、その内部に冷却水等を流して、冷却効率を高めると、放熱性に優れたパワーモジュールとなる。なお、Al合金製の筐体350の線膨張係数は約24ppm/℃である。
【0033】
基板320は、中芯部にあるセラミックス321の両面に銅製の配線層322、323を設けた両面銅張りセラミックス絶縁基板からなる。配線層322、323は、銅製の他アルミニウム製でも良い。このような基板は、DBA、DBCとして市販されている。
ヒートスプレッダ330は、第1実施形態の場合と同様に、中央に配置したインバー合金(Fe−36%Ni)からなる低膨張材332を、Cuからなる高熱伝導材331で囲繞したクラッド材からなる。
【0034】
このヒートスプレッダ330と基板320との接合(基板側接合)はハンダ342によりなされ、ヒートスプレッダ330と筐体350との接合(筐体側接合)はハンダ343によりなされる。そして、本実施形態でも、低膨張材332に対向する位置に基板320を配設し、筐体側接合面積(ヒートシンク側接合面積)を基板側接合面積よりも大きくしている。そして、本実施形態のヒートスプレッダ330も、その線膨張係数が局所的に小さくなる領域(基板側接合面F1)で基板320と接合され、線膨張係数が大きくなる領域(筐体側接合面F2)で筐体350と接合される。その結果、各接合面における線膨張係数差が小さくなり、基板320と筐体350との搭載安定性が向上する。また、基板330の熱が、熱伝導性に優れるCu(高熱伝導材331)を介して筐体350へ伝達され、ヒートスプレッダ330の熱拡散効果が十分に確保されるのは、第1実施形態の場合と同様である。
【0035】
ところで、基板ヒートスプレッダとして、従来は、高価なCuMoやAl/SiCの複合材等を使用していたため、パワーモジュールの低コスト化の妨げとなっていた。これに対して本実施形態で使用した上記の複合材は安価であるため、パワーモジュールの低コスト化が容易となった。
【0036】
(第4実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ430を備えるパワーモジュール400を図4に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ430は、一体となっていた低膨張材32を、均等に2等分した低膨張材432、433として、高熱伝導材431中に埋設したものである。
この場合、半導体素子10の中央直下にも、高熱伝導材431が上下方向に延在することとなり、その分、半導体素子10の発熱を金属基板20へ拡散させる通路が増える。従って、半導体素子10の発熱をより効率的に金属基板20へ拡散、放熱させることができる。
【0037】
(第5実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ530を備えるパワーモジュール500を図5に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ530は、低膨張材32の埋設位置を、高熱伝導材531の内部中央から、素子側接合面側にシフトさせたものである。線膨張係数の小さなインバー合金の配置を適正化することで、素子側接合面F1での線膨張係数を一層半導体素子10の線膨張係数に近づけることができる。
【0038】
(第6実施形態)
第1実施形態のヒートスプレッダ30の形態を変更したヒートスプレッダ630を備えるパワーモジュール600を図6に示す。なお、第1実施形態と同じ部材には同符号を付して示した。
このヒートスプレッダ630は、低膨張材32の埋設位置を、高熱伝導材61の内部中央から、基板側接合面側にシフトさせたものである。この場合、高温体である半導体素子10の直下にある高熱伝導材631の体積割合が増えることから、ヒートスプレッダ630としての熱拡散性が一層優れたものとなる。
【0039】
(その他)
図7に一例として、第1実施形態のヒートスプレッダ30の横断面図を示す。ここで、ヒートスプレッダ30中に占める低膨張材32の幅Wと、接合される半導体素子10の幅との広狭は、素子側接合面F1で所望する線膨張係数に応じて決定すれば良い。低膨張材32の幅Wは、半導体素子10の幅に対して、例えば、−60%〜+60%の範囲で調整すれば良い。
もっとも、前述の第5実施形態のように、素子側接合面F1に低膨張材32が露出する場合は、低膨張材32の幅Wを半導体素子10の幅よりも狭くする必要がある。
【0040】
これまでは、図7に示すヒートスプレッダ30のように、低膨張材32の両端面(縦切断面)が必ずしも高熱伝導材31で完全には囲繞されていない場合を示した。しかし、図8に示すヒートスプレッダ830(第7実施形態)のように、低膨張材832の全周囲を完全に高熱伝導材831で囲繞するようにしても良いことは言うまでもない。このような形態とすれば、半導体素子10から金属基板20への熱拡散の通路が拡大されるので好ましい。その結果、前述した第5実施形態のような場合であっても、低膨張材832の幅を半導体素子10の幅よりも必ずしも狭くする必要はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態のパワーモジュールを示す要部縦断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るヒートスプレッダの要部横断面図である。
【図8】本発明の第7実施形態に係るヒートスプレッダの要部横断面図である。
【符号の説明】
10 半導体素子
20 金属基板
30 ヒートスプレッダ
31 高熱伝導材
32 低膨張材
41、42 ハンダ
100 パワーモジュール
F1 素子側接合面
F2 基板側接合面
Claims (14)
- 熱源である高温体と、
該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体と、
該高温体と該受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材とからなり、
該高温体の熱を、該受熱体で放熱しまたは該受熱体を経由して放熱させる放熱システムであって、
前記熱緩衝部材は、前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、
該熱緩衝部材の受熱体側接合面積を、該熱緩衝部材の高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする放熱システム。 - 前記熱緩衝部材は、前記低膨張材を前記高熱伝導材の内部に埋設して該低膨張材の外表面を該高熱伝導材で囲繞したものである請求項1に記載の放熱システム。
- 前記低膨張材は、前記高温体よりも線膨張係数が小さい材料からなる請求項1または2に記載の放熱システム。
- 前記低膨張材は、インバー合金である請求項1〜3のいずれかに記載の放熱システム。
- 前記高熱伝導材は、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を主成分とする純金属または合金である請求項1〜4のいずれかに記載の放熱システム。
- 前記受熱体は、金属材料をベースとした金属体からなる請求項1に記載の放熱システム。
- 熱源である高温体と、該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体と、該高温体と該受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材とからなり、該高温体の熱を該受熱体で放熱しまたは該受熱体を経由して放熱させる放熱方法であって、
前記熱緩衝部材は、前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、
該熱緩衝部材の受熱体側接合面積は、該熱緩衝部材の高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする放熱方法。 - 熱源である高温体と該高温体を搭載し該高温体から受熱する受熱体との間に少なくとも介在して該高温体から該受熱体への熱伝達を緩衝させる熱緩衝部材であって、
前記高温体と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、
前記受熱体側に位置する受熱体側接合面積を該高温体側に位置する高温体側接合面積よりも大きくしたことを特徴とする熱緩衝部材。 - 熱源となる半導体素子と、
該半導体素子を搭載する基板と、
該半導体素子と該基板との間に介在して該半導体素子の熱を該基板に拡散させるヒートスプレッダとからなる半導体モジュールであって、
前記ヒートスプレッダは、前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、
該ヒートスプレッダと前記基板との接合面積である基板側接合面積は、該ヒートスプレッダと該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュール。 - 熱源となる半導体素子と該半導体素子を搭載する基板との間に介在して該半導体素子の熱を該基板に拡散させるヒートスプレッダであって、
前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、
該ヒートスプレッダと前記基板との接合面積である基板側接合面積は、該ヒートスプレッダと該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とするヒートスプレッダ。 - 熱源となる半導体素子と、
該半導体素子の熱を受熱するヒートシンクと、
該半導体素子に一面側で接合されると共に該ヒートシンクに他面側で接合され該半導体素子から該ヒートシンクへ熱伝達させる基板とからなる半導体モジュールであって、
前記基板は、前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、
該基板と前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該基板と該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュール。 - 熱源となる半導体素子に一面側で接合されると共に該半導体素子の熱を受熱するヒートシンクに他面側で接合されてなり、該半導体素子から該ヒートシンクへ熱伝達させる基板であって、
前記半導体素子と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、
該基板と前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該基板と該半導体素子との接合面積である素子側接合面積よりも大きいことを特徴とする基板。 - 熱源となる基板と、
該基板の熱を受熱するヒートシンクと、
該基板に一面側で接合されると共に該ヒートシンクに他面側で接合され該基板から該ヒートシンクへ熱伝達させるヒートスプレッダとからなる半導体モジュールであって、
前記ヒートスプレッダは、前記基板と対向する位置に配設された低膨張材を高熱伝導材で埋設してなり、
該ヒートスプレッダと前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該ヒートスプレッダと該基板との接合面積である基板側接合面積よりも大きいことを特徴とする半導体モジュール。 - 熱源となる基板に一面側で接合されると共に該基板の熱を受熱するヒートシンクに他面側で接合されてなり、該基板から該ヒートシンクへ熱伝達させるヒートスプレッダであって、
前記基板と対向する位置に配設された低膨張材と、該低膨張材を埋設する高熱伝導材とからなり、
該ヒートスプレッダと前記ヒートシンクとの接合面積であるヒートシンク側接合面積は、該ヒートスプレッダと該基板との接合面積である基板側接合面積よりも大きいことを特徴とするヒートスプレッダ。
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