JP2004060965A - 調湿装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】調湿装置に取り込まれる空気の状態に拘わらず、その除湿能力や加湿能力を増大させ得る調湿装置を提供する。
【解決手段】調湿装置には、2つの吸着素子(81,82)を設ける。各吸着素子(81,82)には、調湿側通路(85)と冷却側通路(86)とが形成される。この調湿装置は、第1吸着素子(81)で第1空気を減湿して第2吸着素子(82)を第2空気で再生する動作と、第2吸着素子(82)で第1空気を減湿して第1吸着素子(81)を第2空気で再生する動作とを交互に繰り返す。また、調湿装置には、顕熱交換器(110)が設けられる。顕熱交換器(110)は、第1空気と熱交換させることによって冷却用空気を冷却する。吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へは、顕熱交換器(110)で冷却された冷却用空気が送り込まれる。
【選択図】 図1
【解決手段】調湿装置には、2つの吸着素子(81,82)を設ける。各吸着素子(81,82)には、調湿側通路(85)と冷却側通路(86)とが形成される。この調湿装置は、第1吸着素子(81)で第1空気を減湿して第2吸着素子(82)を第2空気で再生する動作と、第2吸着素子(82)で第1空気を減湿して第1吸着素子(81)を第2空気で再生する動作とを交互に繰り返す。また、調湿装置には、顕熱交換器(110)が設けられる。顕熱交換器(110)は、第1空気と熱交換させることによって冷却用空気を冷却する。吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へは、顕熱交換器(110)で冷却された冷却用空気が送り込まれる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気の湿度調節を行う調湿装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、吸着剤を用いて空気の湿度調節を行う調湿装置が知られている。例えば、特開2002−22206号公報には、吸着剤と空気を接触させるための吸着素子を2つ備えてバッチ式の動作を行うものが開示されている。
【0003】
上記公報の調湿装置において、吸着素子には、吸着側の空気通路と冷却側の空気通路とが複数ずつ形成される。吸着素子では、吸着側の空気通路を流れる空気が吸着剤と接触する。
【0004】
この調湿装置において、一方の吸着素子には第1空気が供給され、他方の吸着素子には第2空気が供給される。そして、一方の吸着素子で第1空気中の水分が吸着剤に吸着される。その際、吸着側の空気通路で生じた吸着熱は、冷却側の空気通路を流れる冷却用空気に吸熱される。また、他方の吸着素子では、高温の第2空気によって吸着剤が再生される。この状態が暫く続いた後に、今度は一方の吸着素子へ第2空気が供給されて他方の吸着素子へ第1空気が供給される。上記調湿装置は、この2つの動作を交互に繰り返し、除湿された第1空気を室内へ供給する運転や、加湿された第2空気を室内へ供給する運転を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の調湿装置では、取り込んだ冷却用空気をそのまま吸着素子の冷却側の通路へ送り込んでいる。このため、吸着素子で冷却用空気が吸熱する吸着熱の量、ひいては吸着素子に吸着される水分量が、調湿装置へ取り込まれた冷却用空気の温度による制約を受ける。その結果、調湿装置で発揮しうる除湿能力や加湿能力が冷却用空気として取り込まれる空気の状態による制約を受け、その除湿能力や加湿能力を増大させることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、調湿装置に取り込まれる空気の状態に拘わらず、その除湿能力や加湿能力を増大させ得る調湿装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、吸着剤が設けられた吸着素子(81,82)と、空気を加熱するための加熱器(102)とを備え、第1空気中の水分を上記吸着素子(81,82)の吸着剤に吸着させる吸着動作と、上記加熱器(102)で加熱された第2空気によって上記吸着素子(81,82)の吸着剤を再生する再生動作とを行い、上記吸着動作により減湿された第1空気、又は上記再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する調湿装置を対象としている。そして、上記吸着素子(81,82)には、流通する空気が吸着剤と接触する調湿側通路(85)と、吸着動作時に調湿側通路(85)で生じる吸着熱を奪うための冷却用空気が流れる冷却側通路(86)とが形成される一方、上記吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気を第1空気と熱交換させて冷却するための冷却用熱交換器(110)を備えるものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の調湿装置において、冷却用空気は、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)を通過後に第2空気として加熱器(102)へ供給されるものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室外空気を第1空気として取り込み且つ室内空気を第2空気として取り込んで、吸着動作により減湿された第1空気を室内へ供給する除湿運転が可能に構成される一方、上記除湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室外空気を第1空気として取り込み且つ室内空気を第2空気として取り込んで、吸着動作により減湿された第1空気を室内へ供給する除湿運転が可能に構成される一方、上記除湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室内空気を第1空気として取り込み且つ室外空気を第2空気として取り込んで、再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する加湿運転が可能に構成される一方、上記加湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室内空気を第1空気として取り込み且つ室外空気を第2空気として取り込んで、再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する加湿運転が可能に構成される一方、上記加湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0013】
−作用−
請求項1の発明では、調湿装置に第1空気と第2空気とが取り込まれる。また、調湿装置には、冷却用熱交換器(110)が設けられる。冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気が第1空気と熱交換する。そして、第1空気が冷却用空気よりも低温となる運転条件では、冷却用熱交換器(110)において冷却用空気が冷却される。
【0014】
この発明の調湿装置では、吸着動作と再生動作とが行われる。吸着動作時の吸着素子(81,82)において、その調湿側通路(85)へは第1空気が導入され、その冷却側通路(86)へは冷却用熱交換器(110)で予め冷却された冷却用空気が導入される。第1空気は、調湿側通路(85)を流れる間に吸着剤と接触し、第1空気中の水蒸気が吸着剤に吸着される。冷却用空気は、冷却側通路(86)を流れる間に、調湿側通路(85)で発生した吸着熱を吸収する。一方、再生動作時の吸着素子(81,82)において、その調湿側通路(85)へは加熱器(102)で加熱された第2空気が導入される。高温の第2空気が吸着剤と接触すると、吸着剤から水蒸気が脱離し、吸着剤が再生される。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気に付与される。
【0015】
請求項2の発明では、調湿装置へ取り込まれた冷却用空気が第2空気としても利用される。つまり、冷却用空気は、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)を通過する間に吸着熱を吸熱し、その後に第2空気として加熱器(102)へ送られて加熱される。そして、加熱器(102)で加熱された第2空気が吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ導入され、吸着素子(81,82)の吸着剤が再生される。
【0016】
請求項3の発明では、調湿装置において除湿運転が可能となる。この除湿運転において、調湿装置は、室外空気を第1空気として取り込み、室内空気を第2空気として取り込む。また、除湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置は、吸着素子(81,82)で減湿された第1空気を室内へ供給する。
【0017】
請求項4の発明では、調湿装置において除湿運転が可能となる。この除湿運転において、調湿装置は、室外空気を第1空気として取り込み、室内空気を第2空気として取り込む。また、除湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置からは、吸着素子(81,82)で減湿された後に冷却用熱交換器(110)を通過した第1空気が室内へ供給される。
【0018】
請求項5の発明では、調湿装置において加湿運転が可能となる。この加湿運転において、調湿装置は、室内空気を第1空気として取り込み、室外空気を第2空気として取り込む。また、加湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置は、吸着素子(81,82)で加湿された第2空気を室内へ供給する。
【0019】
請求項6の発明では、調湿装置において加湿運転が可能となる。この加湿運転において、調湿装置は、室内空気を第1空気として取り込み、室外空気を第2空気として取り込む。また、加湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置は、吸着素子(81,82)で加湿された第2空気を室内へ供給する。
【0020】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
本実施形態に係る調湿装置は、減湿された空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿された空気を室内へ供給する加湿運転とを切り換えて行うように構成されている。また、この調湿装置は、冷媒回路と2つの吸着素子(81,82)とを備え、いわゆるバッチ式の動作を行うように構成されている。ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成について、図1及び図6を参照しながら説明する。尚、本実施形態1の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図1に示す調湿装置を正面側から見た場合のものを意味している。
【0022】
図1に示すように、上記調湿装置は、やや扁平な直方体状のケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)には、2つの吸着素子(81,82)と、顕熱交換器(110)と、冷媒回路とが収納されている。
【0023】
冷媒回路には、再生熱交換器(102)、第1熱交換器(103)、第2熱交換器(104)、圧縮機(101)、及び膨張弁が設けられている。尚、図1では、再生熱交換器(102)、第1熱交換器(103)、第2熱交換器(104)及び圧縮機(101)だけを図示している。この冷媒回路では、充填された冷媒を循環させることによって冷凍サイクルが行われる。また、冷媒回路は、第1熱交換器(103)が蒸発器となる運転と、第2熱交換器(104)が蒸発器となる運転とを切り換え可能に構成されている。
【0024】
顕熱交換器(110)は、第1の通路と第2の通路が交互に複数ずつ形成されたいわゆる直交流形の熱交換器であって、冷却用熱交換器を構成している。また、顕熱交換器(110)は、やや低い四角柱状に形成され、対向する一対の側面に第1の通路が開口し、これとは別の対向する一対の側面に第2の通路が開口している。
【0025】
図6に示すように、上記吸着素子(81,82)は、平板状の平板部材(83)と波形状の波板部材(84)とを交互に積層して構成されている。波板部材(84)は、隣接する波板部材(84)の稜線方向が互いに90°ずれる姿勢で積層されている。そして、吸着素子(81,82)は、全体として直方体状ないし四角柱状に形成されている。
【0026】
上記吸着素子(81,82)には、平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向において、調湿側通路(85)と冷却側通路(86)とが平板部材(83)を挟んで交互に区画形成されている。この吸着素子(81,82)において、平板部材(83)の長辺側の側面に調湿側通路(85)が開口し、平板部材(83)の短辺側の側面に冷却側通路(86)が開口している。
【0027】
上記吸着素子(81,82)において、調湿側通路(85)に臨む平板部材(83)の表面や、調湿側通路(85)に設けられた波板部材(84)の表面には、水蒸気を吸着するための吸着剤が塗布されている。この種の吸着剤としては、例えばシリカゲル、ゼオライト、イオン交換樹脂等が挙げられる。
【0028】
図1に示すように、上記ケーシング(10)において、最も手前側には第1パネル(11)が設けられ、最も奥側には第2パネル(12)が設けられている。第1パネル(11)には、その左端寄りの下部に給気口(14)が形成され、その右端寄りの下部に排気口(16)が形成されている。一方、第2パネル(12)には、その左端寄りの上部に室外側吸込口(13)が形成され、その右端寄りの上部に室内側吸込口(15)が形成されている。
【0029】
ケーシング(10)の内部は、手前側の第1パネル(11)から奥側の第2パネル(12)へ向かう方向において3つの空間に仕切られている。
【0030】
ケーシング(10)の第1パネル(11)寄りに形成された空間は、左右に3つの空間に仕切られている。この3つの空間のうち、右側の空間は排気側流路(41)を構成し、左側の空間は給気側流路(42)を構成している。また、排気側流路(41)と給気側流路(42)に挟まれた空間は、収容空間(90)を構成している。閉空間である収容空間(90)には、冷媒回路の圧縮機(101)が設置されている。
【0031】
排気側流路(41)は、排気口(16)を介して室外に連通している。この排気側流路(41)には、排気ファン(96)と第2熱交換器(104)とが設置されている。第2熱交換器(104)は、排気ファン(96)へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
【0032】
一方、給気側流路(42)は、給気口(14)を介して室内に連通している。この給気側流路(42)には、給気ファン(95)と第1熱交換器(103)とが設置されている。第1熱交換器(103)は、給気ファン(95)へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
【0033】
ケーシング(10)の第2パネル(12)寄りに形成された空間には、上記顕熱交換器(110)が設置されている。この顕熱交換器(110)は、何れの流路も開口しない端面が第2パネル(12)に沿う姿勢で配置されている。この第2パネル(12)寄りの空間は、顕熱交換器(110)によって左右に仕切られている。また、顕熱交換器(110)によって仕切られた左右の空間は、それぞれが更に上下に仕切られている。
【0034】
顕熱交換器(110)の右側の空間のうち、上側の空間は吸込側右上流路(45)を構成し、下側の空間は吸込側右下流路(46)を構成している。吸込側右上流路(45)は、室内側吸込口(15)を介して室内に連通している。一方、顕熱交換器(110)の左側の空間のうち、上側の空間は吸込側左上流路(47)を構成し、下側の空間は吸込側左下流路(48)を構成している。吸込側左上流路(47)は、室外側吸込口(13)を介して室外に連通している。
【0035】
ケーシング(10)の奥行き方向の中央に形成された空間は、右側仕切板(20)と左側仕切板(30)とによって左右に3つの空間に仕切られている。
【0036】
右側仕切板(20)の右側の空間は、上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が右上部流路(65)を構成し、下側の空間が右下部流路(66)を構成している。右上部流路(65)は、排気側流路(41)と連通する一方、吸込側右上流路(45)から仕切られている。右下部流路(66)は、吸込側右下流路(46)と連通する一方、排気側流路(41)から仕切られている。
【0037】
左側仕切板(30)の左側の空間は、上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が左上部流路(67)を構成し、下側の空間が左下部流路(68)を構成している。左上部流路(67)は、給気側流路(42)と連通する一方、吸込側左上流路(47)から仕切られている。左下部流路(68)は、吸込側左下流路(48)と連通する一方、給気側流路(42)から仕切られている。
【0038】
右側仕切板(20)と左側仕切板(30)の間には、2つの吸着素子(81,82)が設置されている。これら吸着素子(81,82)は、所定の間隔をおいて前後に並んだ状態に配置されている。具体的には、手前側の第1パネル(11)寄りに第1吸着素子(81)が設けられ、奥側の第2パネル(12)寄りに第2吸着素子(82)が設けられている。
【0039】
第1,第2吸着素子(81,82)は、それぞれにおける平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向がケーシング(10)の左右方向と一致する姿勢で設置されている。この姿勢の各吸着素子(81,82)では、その上下の側面に調湿側通路(85)が開口し、その前後の側面に冷却側通路(86)が開口する一方、その左右の端面には何れの通路(85,86)も開口していない。
【0040】
右側仕切板(20)と左側仕切板(30)の間の空間は、第1流路(51)、第2流路(52)、第1上部流路(53)、第1下部流路(54)、第2上部流路(55)、第2下部流路(56)、及び中央流路(57)に区画されている。
【0041】
第1流路(51)は、第1吸着素子(81)の手前側に形成され、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)に連通している。第2流路(52)は、第2吸着素子(82)の奥側に形成され、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)に連通している。
【0042】
第1上部流路(53)は、第1吸着素子(81)の上側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。第1下部流路(54)は、第1吸着素子(81)の下側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。第2上部流路(55)は、第2吸着素子(82)の上側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。第2下部流路(56)は、第2吸着素子(82)の下側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。
【0043】
中央流路(57)は、第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間に形成され、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(57)には、再生熱交換器(102)がほぼ垂直に立った状態で設置されている。この再生熱交換器(102)は、中央流路(57)を流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。そして、再生熱交換器(102)は、凝縮器として機能し、空気を加熱するための加熱器を構成している。
【0044】
中央流路(57)と第1下部流路(54)の間の仕切りには、第1シャッタ(61)が設けられている。一方、中央流路(57)と第2下部流路(56)の間の仕切りには、第2シャッタ(62)が設けられている。第1シャッタ(61)と第2シャッタ(62)とは、何れもが開閉自在に構成されている。
【0045】
右側仕切板(20)には、第1右側開口(21)、第2右側開口(22)、第1右上開口(23)、第1右下開口(24)、第2右上開口(25)、及び第2右下開口(26)が形成されている。これらの開口(21,22,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0046】
第1右側開口(21)は、右側仕切板(20)における手前側の下部に設けられている。第1右側開口(21)の開閉シャッタが開いた状態では、第1流路(51)と右下部流路(66)が互いに連通する。第2右側開口(22)は、右側仕切板(20)における奥側の下部に設けられている。第2右側開口(22)の開閉シャッタが開いた状態では、第2流路(52)と右下部流路(66)が互いに連通する。
【0047】
第1右上開口(23)は、右側仕切板(20)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1右上開口(23)の開閉シャッタが開いた状態では、第1上部流路(53)と右上部流路(65)が互いに連通する。第1右下開口(24)は、右側仕切板(20)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1右下開口(24)の開閉シャッタが開いた状態では、第1下部流路(54)と右下部流路(66)が互いに連通する。
【0048】
第2右上開口(25)は、右側仕切板(20)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2右上開口(25)の開閉シャッタが開いた状態では、第2上部流路(55)と右上部流路(65)が互いに連通する。第2右下開口(26)は、右側仕切板(20)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2右下開口(26)の開閉シャッタが開いた状態では、第2下部流路(56)と右下部流路(66)が互いに連通する。
【0049】
左側仕切板(30)には、第1左側開口(31)、第2左側開口(32)、第1左上開口(33)、第1左下開口(34)、第2左上開口(35)、及び第2左下開口(36)が形成されている。これらの開口(31,32,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0050】
第1左側開口(31)は、左側仕切板(30)における手前側の下部に設けられている。第1左側開口(31)の開閉シャッタが開いた状態では、第1流路(51)と左下部流路(68)が互いに連通する。第2左側開口(32)は、左側仕切板(30)における奥側の下部に設けられている。第2左側開口(32)の開閉シャッタが開いた状態では、第2流路(52)と左下部流路(68)が互いに連通する。
【0051】
第1左上開口(33)は、左側仕切板(30)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1左上開口(33)の開閉シャッタが開いた状態では、第1上部流路(53)と左上部流路(67)が互いに連通する。第1左下開口(34)は、左側仕切板(30)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1左下開口(34)の開閉シャッタが開いた状態では、第1下部流路(54)と左下部流路(68)が互いに連通する。
【0052】
第2左上開口(35)は、左側仕切板(30)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2左上開口(35)の開閉シャッタが開いた状態では、第2上部流路(55)と左上部流路(67)が互いに連通する。第2左下開口(36)は、左側仕切板(30)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2左下開口(36)の開閉シャッタが開いた状態では、第2下部流路(56)と左下部流路(68)が互いに連通する。
【0053】
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、除湿運転と加湿運転とを切り換えて行う。また、この調湿装置は、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって除湿運転や加湿運転を行う。
【0054】
《除湿運転》
図1,図2に示すように、除湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(13)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室外空気は、第1空気として吸込側左上流路(47)へ流入する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(15)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室内空気は、冷却用空気として吸込側右上流路(45)へ流入する。
【0055】
顕熱交換器(110)は、その一方の通路へ吸込側左上流路(47)から第1空気が導入され、その他方の通路へ吸込側右上流路(45)から冷却用空気が導入される。顕熱交換器(110)では、第1空気と冷却用空気が熱交換する。その際、第1空気である室外空気が冷却用空気である室内空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が第1空気によって冷却される。そして、冷却用空気は、顕熱交換器(110)で冷却された後に吸込側左下流路(48)へ流入する。一方、第1空気は、顕熱交換器(110)で冷却用空気から吸熱した後に吸込側右下流路(46)へ流入する。
【0056】
また、除湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器(102)が凝縮器となり、第1熱交換器(103)が蒸発器となる一方、第2熱交換器(104)が休止している。
【0057】
除湿運転の第1動作について、図1,図5を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第1吸着素子(81)で空気が減湿されると同時に、第2吸着素子(82)の吸着剤が再生される。
【0058】
図1に示すように、右側仕切板(20)では、第1右下開口(24)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,23,26)が遮断状態となっている。この状態では、第1右下開口(24)によって右下部流路(66)と第1下部流路(54)とが連通され、第2右上開口(25)によって第2上部流路(55)と右上部流路(65)とが連通される。
【0059】
左側仕切板(30)では、第1左側開口(31)と第1左上開口(33)とが連通状態となり、残りの開口(32,34,35,36)が遮断状態となっている。この状態では、第1左側開口(31)によって左下部流路(68)と第1流路(51)とが連通され、第1左上開口(33)によって第1上部流路(53)と左上部流路(67)とが連通される。
【0060】
第1シャッタ(61)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第2下部流路(56)とが、第2シャッタ(62)を介して連通される。
【0061】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第1右下開口(24)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第1左側開口(31)を通って第1流路(51)へ流入する。
【0062】
図5(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で減湿された第1空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
【0063】
一方、第1流路(51)の冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
【0064】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に第2上部流路(55)へ流入する。
【0065】
図1に示すように、第1上部流路(53)へ流入した減湿後の第1空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第1空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第1空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0066】
一方、第2上部流路(55)へ流入した第2空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第2空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱交換器(104)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0067】
除湿運転の第2動作について、図2,図5を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、第2動作では、第2吸着素子(82)で空気が減湿されると同時に、第1吸着素子(81)の吸着剤が再生される。
【0068】
図2に示すように、右側仕切板(20)では、第1右上開口(23)と第2右下開口(26)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,24,25)が遮断状態となっている。この状態では、第1右上開口(23)によって第1上部流路(53)と右上部流路(65)とが連通され、第2右下開口(26)によって右下部流路(66)と第2下部流路(56)とが連通される。
【0069】
左側仕切板(30)では、第2左側開口(32)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,33,34,36)が遮断状態となっている。この状態では、第2左側開口(32)によって左下部流路(68)と第2流路(52)とが連通され、第2左上開口(35)によって第2上部流路(55)と左上部流路(67)とが連通される。
【0070】
第2シャッタ(62)は閉鎖状態となり、第1シャッタ(61)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第1下部流路(54)とが、第1シャッタ(61)を介して連通される。
【0071】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第2右下開口(26)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第2左側開口(32)を通って第2流路(52)へ流入する。
【0072】
図5(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で減湿された第1空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
【0073】
一方、第2流路(52)の冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
【0074】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に第1上部流路(53)へ流入する。
【0075】
図2に示すように、第2上部流路(55)へ流入した減湿後の第1空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第1空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第1空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0076】
一方、第1上部流路(53)へ流入した第2空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第2空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱交換器(104)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0077】
《加湿運転》
図3,図4に示すように、加湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(13)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室外空気は、冷却用空気として吸込側左上流路(47)へ流入する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(15)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室内空気は、第1空気として吸込側右上流路(45)へ流入する。
【0078】
顕熱交換器(110)は、その一方の通路へ吸込側左上流路(47)から第1空気が導入され、その他方の通路へ吸込側右上流路(45)から冷却用空気が導入される。顕熱交換器(110)では、第1空気と冷却用空気が熱交換する。その際、第1空気である室内空気が冷却用空気である室外空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が第1空気によって冷却される。そして、冷却用空気は、顕熱交換器(110)で冷却された後に吸込側右下流路(46)へ流入する。一方、第1空気は、顕熱交換器(110)で第1空気から吸熱した後に吸込側左下流路(48)へ流入する。
【0079】
また、加湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器(102)が凝縮器となり、第2熱交換器(104)が蒸発器となる一方、第1熱交換器(103)が休止している。
【0080】
加湿運転の第1動作について、図3,図5を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第2吸着素子(82)で空気が加湿され、第1吸着素子(81)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0081】
図3に示すように、右側仕切板(20)では、第1右側開口(21)と第1右上開口(23)とが連通状態となり、残りの開口(22,24,25,26)が遮断状態となっている。この状態では、第1右側開口(21)によって右下部流路(66)と第1流路(51)とが連通され、第1右上開口(23)によって第1上部流路(53)と右上部流路(65)とが連通される。
【0082】
左側仕切板(30)では、第1左下開口(34)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,33,36)が遮断状態となっている。この状態では、第1左下開口(34)によって左下部流路(68)と第1下部流路(54)とが連通され、第2左上開口(35)によって第2上部流路(55)と左上部流路(67)とが連通される。
【0083】
第1シャッタ(61)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第2下部流路(56)とが、第2シャッタ(62)を介して連通される。
【0084】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第1左下開口(34)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第1右側開口(21)を通って第1流路(51)へ流入する。
【0085】
図5(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で水分を奪われた第1空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
【0086】
一方、第1流路(51)の冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
【0087】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第2吸着素子(82)で加湿された第2空気は、その後に第2上部流路(55)へ流入する。
【0088】
図3に示すように、第2上部流路(55)へ流入した第2空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第2空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱交換器(103)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0089】
一方、第1上部流路(53)へ流入した第1空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第1空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第1空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0090】
加湿運転の第2動作について、図4,図5を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、この第2動作では、第1吸着素子(81)で空気が加湿され、第2吸着素子(82)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0091】
図4に示すように、右側仕切板(20)では、第2右側開口(22)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,23,24,26)が遮断状態となっている。この状態では、第2右側開口(22)によって右下部流路(66)と第2流路(52)とが連通され、第2右上開口(25)によって第2上部流路(55)と右上部流路(65)とが連通される。
【0092】
左側仕切板(30)では、第1左上開口(33)と第2左下開口(36)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,34,35)が遮断状態となっている。この状態では、第1左上開口(33)によって第1上部流路(53)と左上部流路(67)とが連通され、第2左下開口(36)によって左下部流路(68)と第2下部流路(56)とが連通される。
【0093】
第2シャッタ(62)は閉鎖状態となり、第1シャッタ(61)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第1下部流路(54)とが、第1シャッタ(61)を介して連通される。
【0094】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第2左下開口(36)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第2右側開口(22)を通って第2流路(52)へ流入する。
【0095】
図5(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で水分を奪われた第1空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
【0096】
一方、第2流路(52)の冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
【0097】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第1吸着素子(81)で加湿された第2空気は、その後に第1上部流路(53)へ流入する。
【0098】
図4に示すように、第1上部流路(53)へ流入した第2空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第2空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱交換器(103)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0099】
一方、第2上部流路(55)へ流入した第1空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第1空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第1空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0100】
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、顕熱交換器(110)において冷却用空気を第1空気と熱交換させている。従って、第1空気が冷却用空気よりも低温の運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気を冷却することができ、予め顕熱交換器(110)で冷却された冷却用空気を吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ導入することが可能となる。このため、吸着素子(81,82)では、より低温の冷却用空気が調湿側通路(85)の第1空気と熱交換することとなり、冷却用空気によって奪われる吸着熱を増大させることができる。この結果、吸着素子(81,82)が吸着し得る水分量を増大させることができ、それによって調湿装置の除湿能力や加湿能力を向上させることができる。
【0101】
この点について、図7の空気線図に示す運転を行う場合を例に説明する。同図には、夏季に加湿運転を行う場合の調湿装置の動作が示されている。例えば、青果類や花卉類を収納する空間については、夏季の冷房中においても加湿を必要とするケースがある。
【0102】
先ず、顕熱交換器(110)を設けずに冷却用空気を予め冷却しない従来の調湿装置の動作について説明する。この調湿装置において、点Aの状態の第1空気(即ち室内空気)は、吸着素子で減湿されて点C’の状態となる。この点C’は、点Gを通る等相対湿度線上に位置しており、その絶対湿度が点Aの状態よりもΔX’だけ低くなっている。
【0103】
一方、点Dの状態の冷却用空気(即ち室外空気)は、吸着素子で吸着熱を吸収して点Fの状態となり、その後に第2空気として加熱されて点Gの状態となる。そして、点Gの状態の第2空気は、吸着素子の再生に利用されて点H’の状態となる。調湿装置では吸着量と加湿量が必ず均衡するため、点H’の状態における絶対湿度は、点Gにおける絶対湿度よりもΔX’だけ高くなっている。
【0104】
次に、本実施形態の調湿装置における動作について説明する。この調湿装置において、点Aの状態の第1空気(即ち室内空気)は、顕熱交換器(110)で冷却用空気から吸熱して点Bの状態となる。そして、点Bの状態の第1空気は、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)で減湿されて点Cの状態となる。この点Cは、点Gを通る等相対湿度線上に位置しており、その絶対湿度が点Aの状態よりもΔXだけ低くなっている。
【0105】
一方、点Dの状態の冷却用空気(即ち室外空気)は、顕熱交換器(110)で冷却されて点Eの状態となり、その後に吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)で吸着熱を吸熱して点Fの状態となる。この冷却用空気は、第2空気として加熱されて点Gの状態となる。点Gの状態の第2空気は、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ導入され、加湿されて点Hの状態となる。調湿装置では吸着量と加湿量が必ず均衡するため、点Hの状態における絶対湿度は、点Gにおける絶対湿度よりもΔXだけ高くなっている。
【0106】
このように、本実施形態の調湿装置では、顕熱交換器(110)で冷却されて点Eの状態(即ち点Dよりも温度の低い状態)となった冷却用空気が吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ導入される。その結果、冷却用空気が吸熱する吸着熱が増大し、点Bから点Cの状態へ至る傾きが点Aから点C’の状態へ至る傾きよりも大きくなる。そして、吸着素子(81,82)で除湿された第1空気は、点Cの状態(即ち点C’の状態よりも絶対湿度の低い状態)となり、調湿装置の吸着能力が増大する。調湿装置における吸着能力が向上すると、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)で加湿された第2空気は、点H’よりも絶対湿度の高い点Hの状態となる。従って、本実施形態によれば、調湿装置の吸着能力を増大させることによって、その加湿能力を向上させることが可能となる。
【0107】
−実施形態1の変形例−
上記実施形態では、再生熱交換器(102)を冷媒回路に接続し、再生熱交換器(102)で冷媒と第2空気を熱交換させ、冷媒の凝縮熱によって第2空気を加熱しているが、これに代えて、次のような構成を採っても良い。
【0108】
つまり、再生熱交換器(102)へ温水を供給し、再生熱交換器(102)で温水と第2空気を熱交換させることによって第2空気を加熱するようにしても良い。図8に示すように、本変形例の調湿装置において、第1熱交換器(103)や第2熱交換器(104)、圧縮機(101)等を備える冷媒回路は省略され、温水の循環路に接続された再生熱交換器(102)だけが設けられている。
【0109】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2に係る調湿装置は、2つの吸着素子(81,82)とを備え、いわゆるバッチ式の動作を行うように構成されている。また、本実施形態の調湿装置には、顕熱交換器(110)が設けられている。これらの点は、上記実施形態1と同様である。ただし、上記実施形態1では、吸着素子(81,82)へ送られる前の第1空気が顕熱交換器(110)で冷却用空気と熱交換するのに対し、本実施形態では、吸着素子(81,82)を通過後の第1空気が顕熱交換器(110)で冷却用空気と熱交換する。
【0110】
ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成について、図9を参照しながら説明する。尚、本実施形態3の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図9におけるものを意味している。
【0111】
図9に示すように、上記調湿装置は、やや扁平な直方体状のケーシング(210)を備えている。このケーシング(210)には、2つの吸着素子(81,82)と、冷媒回路とが収納されている。各吸着素子(81,82)は、上記実施形態1のものと同様に構成され、調湿側通路(85)及び冷却側通路(86)を備えている(図6参照)。
【0112】
上記ケーシング(210)において、最も手前側には室外側パネル(211)が設けられ、最も奥側には室内側パネル(212)が設けられている。室外側パネル(211)には、その左端寄りに室外側吸込口(213)が形成され、その右端寄りに室外側吹出口(216)が形成されている。一方、室内側パネル(212)には、その右端寄りに室内側吹出口(214)が形成され、その左端寄りに室内側吸込口(215)が形成されている。
【0113】
ケーシング(210)の内部には、手前側から奥側へ向かって順に、第1仕切板(220)と、第2仕切板(230)とが設けられている。ケーシング(210)の内部空間は、これら第1,第2仕切板(220,230)によって、前後に仕切られている。
【0114】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間は、上側の室外側上部流路(241)と下側の室外側下部流路(242)とに区画されている。室外側上部流路(241)は、室外側吹出口(216)によって室外空間と連通されている。室外側下部流路(242)は、室外側吸込口(213)によって室外空間と連通されている。また、室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間には、その右端寄りに排気ファン(96)が設置されている。
【0115】
第1仕切板(220)には、第1右側開口(221)、第1左側開口(222)、第1右上開口(223)、第1右下開口(224)、第1左上開口(225)、及び第1左下開口(226)が形成されている。これらの開口(221,222,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0116】
第1右側開口(221)及び第1左側開口(222)は、縦長の長方形状の開口である。第1右側開口(221)は、第1仕切板(220)の右端近傍に設けられている。第1左側開口(222)は、第1仕切板(220)の左端近傍に設けられている。第1右上開口(223)、第1右下開口(224)、第1左上開口(225)、及び第1左下開口(226)は、横長の長方形状の開口である。第1右上開口(223)は、第1仕切板(220)の上部における第1右側開口(221)の左隣に設けられている。第1右下開口(224)は、第1仕切板(220)の下部における第1右側開口(221)の左隣に設けられている。第1左上開口(225)は、第1仕切板(220)の上部における第1左側開口(222)の右隣に設けられている。第1左下開口(226)は、第1仕切板(220)の下部における第1左側開口(222)の右隣に設けられている。
【0117】
第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間には、2つの吸着素子(81,82)が設置されている。これら吸着素子(81,82)は、所定の間隔をおいて左右に並んだ状態に配置されている。具体的には、右寄りに第1吸着素子(81)が設けられ、左寄りに第2吸着素子(82)が設けられている。
【0118】
第1,第2吸着素子(81,82)は、それぞれにおける平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向がケーシング(210)の長手方向(図15における手前から奥へ向かう方向)と一致する姿勢で設置されている。ケーシング(210)内に設置された状態の各吸着素子(81,82)では、その左右の側面に冷却側通路(86)が開口し、その上下の側面に調湿側通路(85)が開口している。
【0119】
第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の空間は、右側流路(251)、左側流路(252)、右上流路(253)、右下流路(254)、左上流路(255)、左下流路(256)、及び中央流路(257)に区画されている。
【0120】
右側流路(251)は、第1吸着素子(81)の右側に形成され、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)に連通している。左側流路(252)は、第2吸着素子(82)の左側に形成され、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)に連通している。
【0121】
右上流路(253)は、第1吸着素子(81)の上側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。右下流路(254)は、第1吸着素子(81)の下側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。左上流路(255)は、第2吸着素子(82)の上側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。左下流路(256)は、第2吸着素子(82)の下側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。
【0122】
中央流路(257)は、第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間に形成され、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(257)は、図15に現れる流路断面の形状が四角形状となっている。
【0123】
中央流路(57)は、第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間に形成され、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(57)には、再生熱交換器(102)が設置されている。再生熱交換器(102)は、ほぼ水平に寝かせられた姿勢で、この中央流路(257)を上下に仕切るように配置されている。更に、再生熱交換器(102)は、その上面が第1及び第2吸着素子(81,82)の下面よりも僅かに下となるように配置されている。
【0124】
再生熱交換器(102)は、温水の循環路に接続されている。この再生熱交換器(102)は、中央流路(57)を流れる空気を温水と熱交換させるものであって、空気を加熱するための加熱器を構成している。
【0125】
左右に並べられた第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間には、右側シャッタ(261)と左側シャッタ(262)とが設けられている。これらのシャッタ(261,262)は、それぞれが開閉自在に構成されている。
【0126】
右側シャッタ(261)は、再生熱交換器(102)の右側で且つ第1吸着素子(81)の下側に設置され、中央流路(257)における再生熱交換器(102)の下側部分と右下流路(254)との間を仕切っている。左側シャッタ(262)は、再生熱交換器(102)の左側で且つ第2吸着素子(82)の下側に設置され、中央流路(257)における再生熱交換器(102)の下側部分と左下流路(256)との間を仕切っている。
【0127】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間と、第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路(251,252,…)とは、第1仕切板(220)の開口(221,222,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0128】
具体的に、第1右側開口(221)を開口状態とすると、右側流路(251)と室外側下部流路(242)が連通する。第1左側開口(222)を開口状態とすると、左側流路(252)と室外側下部流路(242)が連通する。第1右上開口(223)を開口状態とすると、右上流路(253)と室外側上部流路(241)が連通する。第1右下開口(224)を開口状態とすると、右下流路(254)と室外側下部流路(242)が連通する。第1左上開口(225)を開口状態とすると、左上流路(255)と室外側上部流路(241)が連通する。第1左下開口(226)を開口状態とすると、左下流路(256)と室外側下部流路(242)が連通する。
【0129】
第2仕切板(230)には、第2右側開口(231)、第2左側開口(232)、第2右上開口(233)、第2右下開口(234)、第2左上開口(235)、及び第2左下開口(236)が形成されている。これらの開口(231,232,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0130】
第2右側開口(231)及び第2左側開口(232)は、縦長の長方形状の開口である。第2右側開口(231)は、第2仕切板(230)の右端近傍に設けられている。第2左側開口(232)は、第2仕切板(230)の左端近傍に設けられている。第2右上開口(233)、第2右下開口(234)、第2左上開口(235)、及び第2左下開口(236)は、横長の長方形状の開口である。第2右上開口(233)は、第2仕切板(230)の上部における第2右側開口(231)の左隣に設けられている。第2右下開口(234)は、第2仕切板(230)の下部における第2右側開口(231)の左隣に設けられている。第2左上開口(235)は、第2仕切板(230)の上部における第2左側開口(232)の右隣に設けられている。第2左下開口(236)は、第2仕切板(230)の下部における第2左側開口(232)の右隣に設けられている。
【0131】
室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間には、その左右幅方向の中央部に顕熱交換器(110)が設置されている。この顕熱交換器(110)は、上記実施形態1のものと同様に構成された直交流形の熱交換器であって、第1の通路と第2の通路とを複数ずつ備えている。
【0132】
室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間において、顕熱交換器(110)の左側の空間は吸込側チャンバ(273)を構成し、顕熱交換器(110)の右側の空間は吹出側チャンバ(274)を構成している。吹出側チャンバ(274)は、室内側吹出口(214)によって室内空間と連通されている。また、吹出側チャンバ(274)には、給気ファン(95)が設置されている。一方、吸込側チャンバ(273)は、室内側吸込口(215)によって室内空間と連通されている。
【0133】
第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路と、第2仕切板(230)と室外側パネル(211)の間の流路とは、第2仕切板(230)の開口(231,232,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0134】
具体的に、室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間のうち、顕熱交換器(110)の一方の通路の下流側は、第2右側開口(231)を介して右側流路(251)と、第2左側開口(232)を介して左側流路(252)と、第2右下開口(234)を介して右下流路(254)と、第2左下開口(236)を介して左下流路(256)とそれぞれ連通可能となっている。また、顕熱交換器(110)の他方の通路の上流側は、第2右上開口(233)を介して右上流路(253)と、第2左上開口(235)を介して左上流路(255)とそれぞれ連通可能となっている。
【0135】
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって除湿運転を行う。
【0136】
図9,図10に示すように、除湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(213)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室外空気は、第1空気として室外側下部流路(242)へ流入する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(215)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室内空気は、冷却用空気として吸込側チャンバ(273)へ流入し、続いて顕熱交換器(110)の一方の流路へ導入される。この冷却用空気は、顕熱交換器(110)の他方の流路へ導入された第1空気と熱交換する。そして、顕熱交換器(110)へ流入する第1空気が冷却用空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が冷却され、それによって除湿能力が向上する。
【0137】
除湿運転の第1動作について、図9を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第1吸着素子(81)で空気が減湿されると同時に、第2吸着素子(82)の吸着剤が再生される。
【0138】
第1仕切板(220)では、第1右下開口(224)と第1左上開口(225)とが連通状態となり、残りの開口(221,222,223,226)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2右側開口(231)と第2右上開口(233)とが連通状態となり、残りの開口(232,234,235,236)が遮断状態となっている。また、右側シャッタ(261)は閉鎖状態となり、左側シャッタ(262)は開口状態となっている。
【0139】
室外側下部流路(242)の第1空気は、第1右下開口(224)を通って右下流路(254)へ流入する。右下流路(254)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で減湿された第1空気は、右上流路(253)へ流入する。右上流路(253)へ流入した減湿後の第1空気は、第2右上開口(233)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(274)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0140】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、第2右側開口(231)を通って右側流路(251)へ流入する。その後、冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から左下流路(256)へ流入する。
【0141】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に左上流路(255)へ流入する。その後、第2空気は、第1左上開口(225)を通過し、室外側上部流路(241)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0142】
除湿運転の第2動作について、図10を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、第2動作では、第2吸着素子(82)で空気が減湿されると同時に、第1吸着素子(81)の吸着剤が再生される。
【0143】
第1仕切板(220)では、第1右上開口(223)と第1左下開口(226)とが連通状態となり、残りの開口(221,222,224,225)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2左側開口(232)と第2左上開口(235)とが連通状態となり、残りの開口(231,233,234,236)が遮断状態となっている。また、左側シャッタ(262)は閉鎖状態となり、右側シャッタ(261)は開口状態となっている。
【0144】
室外側下部流路(242)の第1空気は、室外側下部流路(242)から第1左下開口(226)を通って左下流路(256)へ流入する。左下流路(256)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で減湿された第1空気は、左上流路(255)へ流入する。左上流路(255)へ流入した減湿後の第1空気は、第2左上開口(235)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(274)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0145】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、室内側下部流路(247)から第2左側開口(232)を通って左側流路(252)へ流入する。その後、冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から右下流路(254)へ流入する。
【0146】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に右上流路(253)へ流入する。その後、第2空気は、第1右上開口(223)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて第1空気から吸熱する。そして、顕熱交換器(110)から流出した第2空気は、室外側上部流路(241)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0147】
【発明の実施の形態3】
本発明の実施形態3は、上記実施形態2の調湿装置において、顕熱交換器(110)の配置を変更したものである。ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成のうち上記実施形態2と異なる部分について、図11を参照しながら説明する。尚、本実施形態3の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図11におけるものを意味している。
【0148】
本実施形態の調湿装置において、室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間には、その左右幅方向の中央部に顕熱交換器(110)が設置されている。この顕熱交換器(110)は、上記実施形態1のものと同様に構成された直交流形の熱交換器であって、第1の通路と第2の通路とを複数ずつ備えている。
【0149】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間において、顕熱交換器(110)の右側の空間は吹出側チャンバ(272)を構成し、顕熱交換器(110)の左側の空間は吸込側チャンバ(271)を構成している。吹出側チャンバ(272)は、室外側吹出口(216)によって室外空間と連通されている。また、吹出側チャンバ(272)には、排気ファン(96)が設置されている。一方、吸込側チャンバ(271)は、室外側吸込口(213)によって室外空間と連通されている。
【0150】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の流路(241,242)と、第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路(251,252,…)とは、第1仕切板(220)の開口(221,222,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0151】
具体的に、室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間のうち、顕熱交換器(110)の一方の通路の下流側は、第1右側開口(221)を介して右側流路(251)と、第1左側開口(222)を介して左側流路(252)と、第1右下開口(224)を介して右下流路(254)と、第1左下開口(226)を介して左下流路(256)とそれぞれ連通可能となっている。また、顕熱交換器(110)の他方の通路の上流側は、第1右上開口(223)を介して右上流路(253)と、第1左上開口(225)を介して左上流路(255)とそれぞれ連通可能となっている。
【0152】
室内側パネル(212)には、その左端寄りに室内側吹出口(214)が形成され、その右端寄りに室内側吸込口(215)が形成されている。室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間は、上側の室内側上部流路(246)と下側の室内側下部流路(247)とに区画されている。室内側上部流路(246)は、室内側吹出口(214)によって室内空間と連通されている。室内側下部流路(247)は、室内側吸込口(215)によって室内空間と連通されている。また、室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間には、その左端寄りに給気ファン(95)が設置されている。
【0153】
室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間と、第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路(251,252,…)とは、第2仕切板(230)の開口(231,232,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0154】
具体的に、第2右側開口(231)を開口状態とすると、右側流路(251)と室内側下部流路(247)が連通する。第2左側開口(232)を開口状態とすると、左側流路(252)と室内側下部流路(247)が連通する。第2右上開口(233)を開口状態とすると、右上流路(253)と室内側上部流路(246)が連通する。第2右下開口(234)を開口状態とすると、右下流路(254)と室内側下部流路(247)が連通する。第2左上開口(235)を開口状態とすると、左上流路(255)と室内側上部流路(246)が連通する。第2左下開口(236)を開口状態とすると、左下流路(256)と室内側下部流路(247)が連通する。
【0155】
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって加湿運転を行う。
【0156】
図11,図12に示すように、加湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(213)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室外空気は、冷却用空気として吸込側チャンバ(271)へ流入し、続いて顕熱交換器(110)の一方の流路へ導入される。この冷却用空気は、顕熱交換器(110)の他方の流路へ導入された第1空気と熱交換して冷却される。そして、顕熱交換器(110)へ流入する第1空気が冷却用空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が冷却され、それによって除湿能力が向上する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(215)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室内空気は、第1空気として室内側下部流路(247)へ流入する。
【0157】
加湿運転の第1動作について、図11を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第2吸着素子(82)で空気が加湿され、第1吸着素子(81)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0158】
第1仕切板(220)では、第1右側開口(221)と第1右上開口(223)とが連通状態となり、残りの開口(222,224,225,226)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2右下開口(234)と第2左上開口(235)とが連通状態となり、残りの開口(231,232,233,236)が遮断状態となっている。また、右側シャッタ(261)は閉鎖状態となり、左側シャッタ(262)は開口状態となっている。
【0159】
室内側下部流路(247)の第1空気は、第2右下開口(234)を通って右下流路(254)へ流入する。右下流路(254)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で水分を奪われた第1空気は、右上流路(253)へ流入する。右上流路(253)へ流入した第1空気は、第2右上開口(233)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(272)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0160】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、第1右側開口(221)を通って右側流路(251)へ流入する。その後、冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から左下流路(256)へ流入する。
【0161】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第2吸着素子(82)で加湿された第2空気は、その後に左上流路(255)へ流入する。左上流路(255)の第2空気は、第2左上開口(235)を通過し、室内側上部流路(246)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0162】
加湿運転の第2動作について、図12を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、この第2動作では、第1吸着素子(81)で空気が加湿され、第2吸着素子(82)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0163】
第1仕切板(220)では、第1左側開口(222)と第1左上開口(225)とが連通状態となり、残りの開口(221,223,224,226)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2右上開口(233)と第2左下開口(236)とが連通状態となり、残りの開口(231,232,234,235)が遮断状態となっている。また、左側シャッタ(262)は閉鎖状態となり、右側シャッタ(261)は開口状態となっている。
【0164】
室内側下部流路(247)の第1空気は、第2左下開口(236)を通って左下流路(256)へ流入する。左下流路(256)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で水分を奪われた第1空気は、左上流路(255)へ流入する。左上流路(255)へ流入した第1空気は、第1左上開口(225)をを通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(272)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0165】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、第1左側開口(222)を通って左側流路(252)へ流入する。その後、冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から右下流路(254)へ流入する。
【0166】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第1吸着素子(81)で加湿された第2空気は、その後に右上流路(253)へ流入する。右上流路(253)の第2空気は、第2左上開口(235)を通過し、室内側上部流路(246)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0167】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態の調湿装置では、加熱器を再生熱交換器(102)で構成し、この再生熱交換器(102)で冷媒や温水と熱交換させることによって第2空気を加熱しているが、これに代えて、加熱器を電気ヒータで構成し、この電気ヒータで第2空気を加熱するようにしてもよい。
【0168】
また、上記実施形態の調湿装置では、吸着素子(81,82)を直方体状に形成しているが、吸着素子(81,82)の形状はこれに限定されるものではなく、例えば円板状あるいは円筒状に吸着素子を形成してもよい。この場合、円板状あるいは円筒状に形成された吸着素子を回転させ、その吸着素子の一部分へ第2空気を送り込んで残りの部分へ第1空気を送り込み、一つの吸着素子についての吸着動作と再生動作を同時に並行して行うように調湿装置を構成するのが望ましい。
【0169】
また、上記実施形態の調湿装置では、室外空気を取り込んで室内へ供給すると共に室内空気を取り込んで室外へ排出し、調湿と同時に換気をも行う運転が可能となっているが、このような運転に加え、次のような運転を行うようにしてもよい。つまり、除湿時であれば、第1空気として取り込んだ室内空気を吸着素子(81,82)で減湿してから室内へ送り返す一方、第2空気として取り込んだ室外空気を吸着素子(81,82)の再生に利用してから室外へ排出する運転を行ってもよい。また、加湿時であれば、第2空気として取り込んだ室内空気を吸着素子(81,82)で加湿してから室内へ送り返す一方、第1空気として取り込んだ室外空気を吸着素子(81,82)で減湿してから室外へ排出する運転を行ってもよい。
【0170】
【発明の効果】
本発明では、冷却用熱交換器(110)において冷却用空気を第1空気と熱交換させている。従って、第1空気が冷却用空気よりも低温の運転状態では、冷却用熱交換器(110)において冷却用空気を冷却することができ、予め冷却用熱交換器(110)で冷却された冷却用空気を吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ導入することが可能となる。このため、吸着素子(81,82)では、より低温の冷却用空気が調湿側通路(85)の第1空気と熱交換することとなり、冷却用空気によって奪われる吸着熱を増大させることができる。この結果、吸着素子(81,82)が吸着し得る水分量を増大させることができ、それによって調湿装置の除湿能力や加湿能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る調湿装置の構成および除湿運転時の第1動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図2】実施形態1に係る調湿装置の構成および除湿運転時の第2動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図3】実施形態1に係る調湿装置の構成および加湿運転時の第1動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図4】実施形態1に係る調湿装置の構成および加湿運転時の第2動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図5】実施形態1に係る調湿装置の要部拡大図である。
【図6】実施形態1に係る調湿装置の吸着素子の構成を示す概略斜視図である。
【図7】本発明に係る調湿装置において調湿能力の向上が可能であることを示す空気線図である。
【図8】実施形態1の変形例に係る調湿装置の構成、及び除湿運転時の第1動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図9】実施形態2に係る調湿装置の構成および除湿運転中の第1動作を示す分解斜視図である。
【図10】実施形態2に係る調湿装置の構成および除湿運転中の第2動作を示す分解斜視図である。
【図11】実施形態3に係る調湿装置の構成および加湿運転中の第1動作を示す分解斜視図である。
【図12】実施形態3に係る調湿装置の構成および加湿運転中の第2動作を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
(81) 第1吸着素子
(82) 第2吸着素子
(85) 調湿側通路
(86) 冷却側通路
(102) 再生用熱交換器(加熱器)
(110) 顕熱交換器(冷却用熱交換器)
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気の湿度調節を行う調湿装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、吸着剤を用いて空気の湿度調節を行う調湿装置が知られている。例えば、特開2002−22206号公報には、吸着剤と空気を接触させるための吸着素子を2つ備えてバッチ式の動作を行うものが開示されている。
【0003】
上記公報の調湿装置において、吸着素子には、吸着側の空気通路と冷却側の空気通路とが複数ずつ形成される。吸着素子では、吸着側の空気通路を流れる空気が吸着剤と接触する。
【0004】
この調湿装置において、一方の吸着素子には第1空気が供給され、他方の吸着素子には第2空気が供給される。そして、一方の吸着素子で第1空気中の水分が吸着剤に吸着される。その際、吸着側の空気通路で生じた吸着熱は、冷却側の空気通路を流れる冷却用空気に吸熱される。また、他方の吸着素子では、高温の第2空気によって吸着剤が再生される。この状態が暫く続いた後に、今度は一方の吸着素子へ第2空気が供給されて他方の吸着素子へ第1空気が供給される。上記調湿装置は、この2つの動作を交互に繰り返し、除湿された第1空気を室内へ供給する運転や、加湿された第2空気を室内へ供給する運転を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の調湿装置では、取り込んだ冷却用空気をそのまま吸着素子の冷却側の通路へ送り込んでいる。このため、吸着素子で冷却用空気が吸熱する吸着熱の量、ひいては吸着素子に吸着される水分量が、調湿装置へ取り込まれた冷却用空気の温度による制約を受ける。その結果、調湿装置で発揮しうる除湿能力や加湿能力が冷却用空気として取り込まれる空気の状態による制約を受け、その除湿能力や加湿能力を増大させることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、調湿装置に取り込まれる空気の状態に拘わらず、その除湿能力や加湿能力を増大させ得る調湿装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、吸着剤が設けられた吸着素子(81,82)と、空気を加熱するための加熱器(102)とを備え、第1空気中の水分を上記吸着素子(81,82)の吸着剤に吸着させる吸着動作と、上記加熱器(102)で加熱された第2空気によって上記吸着素子(81,82)の吸着剤を再生する再生動作とを行い、上記吸着動作により減湿された第1空気、又は上記再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する調湿装置を対象としている。そして、上記吸着素子(81,82)には、流通する空気が吸着剤と接触する調湿側通路(85)と、吸着動作時に調湿側通路(85)で生じる吸着熱を奪うための冷却用空気が流れる冷却側通路(86)とが形成される一方、上記吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気を第1空気と熱交換させて冷却するための冷却用熱交換器(110)を備えるものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の調湿装置において、冷却用空気は、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)を通過後に第2空気として加熱器(102)へ供給されるものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室外空気を第1空気として取り込み且つ室内空気を第2空気として取り込んで、吸着動作により減湿された第1空気を室内へ供給する除湿運転が可能に構成される一方、上記除湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室外空気を第1空気として取り込み且つ室内空気を第2空気として取り込んで、吸着動作により減湿された第1空気を室内へ供給する除湿運転が可能に構成される一方、上記除湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室内空気を第1空気として取り込み且つ室外空気を第2空気として取り込んで、再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する加湿運転が可能に構成される一方、上記加湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1又は2記載の調湿装置において、室内空気を第1空気として取り込み且つ室外空気を第2空気として取り込んで、再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する加湿運転が可能に構成される一方、上記加湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換しているものである。
【0013】
−作用−
請求項1の発明では、調湿装置に第1空気と第2空気とが取り込まれる。また、調湿装置には、冷却用熱交換器(110)が設けられる。冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気が第1空気と熱交換する。そして、第1空気が冷却用空気よりも低温となる運転条件では、冷却用熱交換器(110)において冷却用空気が冷却される。
【0014】
この発明の調湿装置では、吸着動作と再生動作とが行われる。吸着動作時の吸着素子(81,82)において、その調湿側通路(85)へは第1空気が導入され、その冷却側通路(86)へは冷却用熱交換器(110)で予め冷却された冷却用空気が導入される。第1空気は、調湿側通路(85)を流れる間に吸着剤と接触し、第1空気中の水蒸気が吸着剤に吸着される。冷却用空気は、冷却側通路(86)を流れる間に、調湿側通路(85)で発生した吸着熱を吸収する。一方、再生動作時の吸着素子(81,82)において、その調湿側通路(85)へは加熱器(102)で加熱された第2空気が導入される。高温の第2空気が吸着剤と接触すると、吸着剤から水蒸気が脱離し、吸着剤が再生される。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気に付与される。
【0015】
請求項2の発明では、調湿装置へ取り込まれた冷却用空気が第2空気としても利用される。つまり、冷却用空気は、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)を通過する間に吸着熱を吸熱し、その後に第2空気として加熱器(102)へ送られて加熱される。そして、加熱器(102)で加熱された第2空気が吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ導入され、吸着素子(81,82)の吸着剤が再生される。
【0016】
請求項3の発明では、調湿装置において除湿運転が可能となる。この除湿運転において、調湿装置は、室外空気を第1空気として取り込み、室内空気を第2空気として取り込む。また、除湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置は、吸着素子(81,82)で減湿された第1空気を室内へ供給する。
【0017】
請求項4の発明では、調湿装置において除湿運転が可能となる。この除湿運転において、調湿装置は、室外空気を第1空気として取り込み、室内空気を第2空気として取り込む。また、除湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置からは、吸着素子(81,82)で減湿された後に冷却用熱交換器(110)を通過した第1空気が室内へ供給される。
【0018】
請求項5の発明では、調湿装置において加湿運転が可能となる。この加湿運転において、調湿装置は、室内空気を第1空気として取り込み、室外空気を第2空気として取り込む。また、加湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置は、吸着素子(81,82)で加湿された第2空気を室内へ供給する。
【0019】
請求項6の発明では、調湿装置において加湿運転が可能となる。この加湿運転において、調湿装置は、室内空気を第1空気として取り込み、室外空気を第2空気として取り込む。また、加湿運転中の調湿装置では、冷却用熱交換器(110)において、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気とが熱交換する。そして、調湿装置は、吸着素子(81,82)で加湿された第2空気を室内へ供給する。
【0020】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
本実施形態に係る調湿装置は、減湿された空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿された空気を室内へ供給する加湿運転とを切り換えて行うように構成されている。また、この調湿装置は、冷媒回路と2つの吸着素子(81,82)とを備え、いわゆるバッチ式の動作を行うように構成されている。ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成について、図1及び図6を参照しながら説明する。尚、本実施形態1の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図1に示す調湿装置を正面側から見た場合のものを意味している。
【0022】
図1に示すように、上記調湿装置は、やや扁平な直方体状のケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)には、2つの吸着素子(81,82)と、顕熱交換器(110)と、冷媒回路とが収納されている。
【0023】
冷媒回路には、再生熱交換器(102)、第1熱交換器(103)、第2熱交換器(104)、圧縮機(101)、及び膨張弁が設けられている。尚、図1では、再生熱交換器(102)、第1熱交換器(103)、第2熱交換器(104)及び圧縮機(101)だけを図示している。この冷媒回路では、充填された冷媒を循環させることによって冷凍サイクルが行われる。また、冷媒回路は、第1熱交換器(103)が蒸発器となる運転と、第2熱交換器(104)が蒸発器となる運転とを切り換え可能に構成されている。
【0024】
顕熱交換器(110)は、第1の通路と第2の通路が交互に複数ずつ形成されたいわゆる直交流形の熱交換器であって、冷却用熱交換器を構成している。また、顕熱交換器(110)は、やや低い四角柱状に形成され、対向する一対の側面に第1の通路が開口し、これとは別の対向する一対の側面に第2の通路が開口している。
【0025】
図6に示すように、上記吸着素子(81,82)は、平板状の平板部材(83)と波形状の波板部材(84)とを交互に積層して構成されている。波板部材(84)は、隣接する波板部材(84)の稜線方向が互いに90°ずれる姿勢で積層されている。そして、吸着素子(81,82)は、全体として直方体状ないし四角柱状に形成されている。
【0026】
上記吸着素子(81,82)には、平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向において、調湿側通路(85)と冷却側通路(86)とが平板部材(83)を挟んで交互に区画形成されている。この吸着素子(81,82)において、平板部材(83)の長辺側の側面に調湿側通路(85)が開口し、平板部材(83)の短辺側の側面に冷却側通路(86)が開口している。
【0027】
上記吸着素子(81,82)において、調湿側通路(85)に臨む平板部材(83)の表面や、調湿側通路(85)に設けられた波板部材(84)の表面には、水蒸気を吸着するための吸着剤が塗布されている。この種の吸着剤としては、例えばシリカゲル、ゼオライト、イオン交換樹脂等が挙げられる。
【0028】
図1に示すように、上記ケーシング(10)において、最も手前側には第1パネル(11)が設けられ、最も奥側には第2パネル(12)が設けられている。第1パネル(11)には、その左端寄りの下部に給気口(14)が形成され、その右端寄りの下部に排気口(16)が形成されている。一方、第2パネル(12)には、その左端寄りの上部に室外側吸込口(13)が形成され、その右端寄りの上部に室内側吸込口(15)が形成されている。
【0029】
ケーシング(10)の内部は、手前側の第1パネル(11)から奥側の第2パネル(12)へ向かう方向において3つの空間に仕切られている。
【0030】
ケーシング(10)の第1パネル(11)寄りに形成された空間は、左右に3つの空間に仕切られている。この3つの空間のうち、右側の空間は排気側流路(41)を構成し、左側の空間は給気側流路(42)を構成している。また、排気側流路(41)と給気側流路(42)に挟まれた空間は、収容空間(90)を構成している。閉空間である収容空間(90)には、冷媒回路の圧縮機(101)が設置されている。
【0031】
排気側流路(41)は、排気口(16)を介して室外に連通している。この排気側流路(41)には、排気ファン(96)と第2熱交換器(104)とが設置されている。第2熱交換器(104)は、排気ファン(96)へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
【0032】
一方、給気側流路(42)は、給気口(14)を介して室内に連通している。この給気側流路(42)には、給気ファン(95)と第1熱交換器(103)とが設置されている。第1熱交換器(103)は、給気ファン(95)へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
【0033】
ケーシング(10)の第2パネル(12)寄りに形成された空間には、上記顕熱交換器(110)が設置されている。この顕熱交換器(110)は、何れの流路も開口しない端面が第2パネル(12)に沿う姿勢で配置されている。この第2パネル(12)寄りの空間は、顕熱交換器(110)によって左右に仕切られている。また、顕熱交換器(110)によって仕切られた左右の空間は、それぞれが更に上下に仕切られている。
【0034】
顕熱交換器(110)の右側の空間のうち、上側の空間は吸込側右上流路(45)を構成し、下側の空間は吸込側右下流路(46)を構成している。吸込側右上流路(45)は、室内側吸込口(15)を介して室内に連通している。一方、顕熱交換器(110)の左側の空間のうち、上側の空間は吸込側左上流路(47)を構成し、下側の空間は吸込側左下流路(48)を構成している。吸込側左上流路(47)は、室外側吸込口(13)を介して室外に連通している。
【0035】
ケーシング(10)の奥行き方向の中央に形成された空間は、右側仕切板(20)と左側仕切板(30)とによって左右に3つの空間に仕切られている。
【0036】
右側仕切板(20)の右側の空間は、上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が右上部流路(65)を構成し、下側の空間が右下部流路(66)を構成している。右上部流路(65)は、排気側流路(41)と連通する一方、吸込側右上流路(45)から仕切られている。右下部流路(66)は、吸込側右下流路(46)と連通する一方、排気側流路(41)から仕切られている。
【0037】
左側仕切板(30)の左側の空間は、上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が左上部流路(67)を構成し、下側の空間が左下部流路(68)を構成している。左上部流路(67)は、給気側流路(42)と連通する一方、吸込側左上流路(47)から仕切られている。左下部流路(68)は、吸込側左下流路(48)と連通する一方、給気側流路(42)から仕切られている。
【0038】
右側仕切板(20)と左側仕切板(30)の間には、2つの吸着素子(81,82)が設置されている。これら吸着素子(81,82)は、所定の間隔をおいて前後に並んだ状態に配置されている。具体的には、手前側の第1パネル(11)寄りに第1吸着素子(81)が設けられ、奥側の第2パネル(12)寄りに第2吸着素子(82)が設けられている。
【0039】
第1,第2吸着素子(81,82)は、それぞれにおける平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向がケーシング(10)の左右方向と一致する姿勢で設置されている。この姿勢の各吸着素子(81,82)では、その上下の側面に調湿側通路(85)が開口し、その前後の側面に冷却側通路(86)が開口する一方、その左右の端面には何れの通路(85,86)も開口していない。
【0040】
右側仕切板(20)と左側仕切板(30)の間の空間は、第1流路(51)、第2流路(52)、第1上部流路(53)、第1下部流路(54)、第2上部流路(55)、第2下部流路(56)、及び中央流路(57)に区画されている。
【0041】
第1流路(51)は、第1吸着素子(81)の手前側に形成され、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)に連通している。第2流路(52)は、第2吸着素子(82)の奥側に形成され、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)に連通している。
【0042】
第1上部流路(53)は、第1吸着素子(81)の上側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。第1下部流路(54)は、第1吸着素子(81)の下側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。第2上部流路(55)は、第2吸着素子(82)の上側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。第2下部流路(56)は、第2吸着素子(82)の下側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。
【0043】
中央流路(57)は、第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間に形成され、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(57)には、再生熱交換器(102)がほぼ垂直に立った状態で設置されている。この再生熱交換器(102)は、中央流路(57)を流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。そして、再生熱交換器(102)は、凝縮器として機能し、空気を加熱するための加熱器を構成している。
【0044】
中央流路(57)と第1下部流路(54)の間の仕切りには、第1シャッタ(61)が設けられている。一方、中央流路(57)と第2下部流路(56)の間の仕切りには、第2シャッタ(62)が設けられている。第1シャッタ(61)と第2シャッタ(62)とは、何れもが開閉自在に構成されている。
【0045】
右側仕切板(20)には、第1右側開口(21)、第2右側開口(22)、第1右上開口(23)、第1右下開口(24)、第2右上開口(25)、及び第2右下開口(26)が形成されている。これらの開口(21,22,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0046】
第1右側開口(21)は、右側仕切板(20)における手前側の下部に設けられている。第1右側開口(21)の開閉シャッタが開いた状態では、第1流路(51)と右下部流路(66)が互いに連通する。第2右側開口(22)は、右側仕切板(20)における奥側の下部に設けられている。第2右側開口(22)の開閉シャッタが開いた状態では、第2流路(52)と右下部流路(66)が互いに連通する。
【0047】
第1右上開口(23)は、右側仕切板(20)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1右上開口(23)の開閉シャッタが開いた状態では、第1上部流路(53)と右上部流路(65)が互いに連通する。第1右下開口(24)は、右側仕切板(20)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1右下開口(24)の開閉シャッタが開いた状態では、第1下部流路(54)と右下部流路(66)が互いに連通する。
【0048】
第2右上開口(25)は、右側仕切板(20)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2右上開口(25)の開閉シャッタが開いた状態では、第2上部流路(55)と右上部流路(65)が互いに連通する。第2右下開口(26)は、右側仕切板(20)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2右下開口(26)の開閉シャッタが開いた状態では、第2下部流路(56)と右下部流路(66)が互いに連通する。
【0049】
左側仕切板(30)には、第1左側開口(31)、第2左側開口(32)、第1左上開口(33)、第1左下開口(34)、第2左上開口(35)、及び第2左下開口(36)が形成されている。これらの開口(31,32,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0050】
第1左側開口(31)は、左側仕切板(30)における手前側の下部に設けられている。第1左側開口(31)の開閉シャッタが開いた状態では、第1流路(51)と左下部流路(68)が互いに連通する。第2左側開口(32)は、左側仕切板(30)における奥側の下部に設けられている。第2左側開口(32)の開閉シャッタが開いた状態では、第2流路(52)と左下部流路(68)が互いに連通する。
【0051】
第1左上開口(33)は、左側仕切板(30)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1左上開口(33)の開閉シャッタが開いた状態では、第1上部流路(53)と左上部流路(67)が互いに連通する。第1左下開口(34)は、左側仕切板(30)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1左下開口(34)の開閉シャッタが開いた状態では、第1下部流路(54)と左下部流路(68)が互いに連通する。
【0052】
第2左上開口(35)は、左側仕切板(30)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2左上開口(35)の開閉シャッタが開いた状態では、第2上部流路(55)と左上部流路(67)が互いに連通する。第2左下開口(36)は、左側仕切板(30)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2左下開口(36)の開閉シャッタが開いた状態では、第2下部流路(56)と左下部流路(68)が互いに連通する。
【0053】
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、除湿運転と加湿運転とを切り換えて行う。また、この調湿装置は、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって除湿運転や加湿運転を行う。
【0054】
《除湿運転》
図1,図2に示すように、除湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(13)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室外空気は、第1空気として吸込側左上流路(47)へ流入する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(15)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室内空気は、冷却用空気として吸込側右上流路(45)へ流入する。
【0055】
顕熱交換器(110)は、その一方の通路へ吸込側左上流路(47)から第1空気が導入され、その他方の通路へ吸込側右上流路(45)から冷却用空気が導入される。顕熱交換器(110)では、第1空気と冷却用空気が熱交換する。その際、第1空気である室外空気が冷却用空気である室内空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が第1空気によって冷却される。そして、冷却用空気は、顕熱交換器(110)で冷却された後に吸込側左下流路(48)へ流入する。一方、第1空気は、顕熱交換器(110)で冷却用空気から吸熱した後に吸込側右下流路(46)へ流入する。
【0056】
また、除湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器(102)が凝縮器となり、第1熱交換器(103)が蒸発器となる一方、第2熱交換器(104)が休止している。
【0057】
除湿運転の第1動作について、図1,図5を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第1吸着素子(81)で空気が減湿されると同時に、第2吸着素子(82)の吸着剤が再生される。
【0058】
図1に示すように、右側仕切板(20)では、第1右下開口(24)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,23,26)が遮断状態となっている。この状態では、第1右下開口(24)によって右下部流路(66)と第1下部流路(54)とが連通され、第2右上開口(25)によって第2上部流路(55)と右上部流路(65)とが連通される。
【0059】
左側仕切板(30)では、第1左側開口(31)と第1左上開口(33)とが連通状態となり、残りの開口(32,34,35,36)が遮断状態となっている。この状態では、第1左側開口(31)によって左下部流路(68)と第1流路(51)とが連通され、第1左上開口(33)によって第1上部流路(53)と左上部流路(67)とが連通される。
【0060】
第1シャッタ(61)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第2下部流路(56)とが、第2シャッタ(62)を介して連通される。
【0061】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第1右下開口(24)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第1左側開口(31)を通って第1流路(51)へ流入する。
【0062】
図5(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で減湿された第1空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
【0063】
一方、第1流路(51)の冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
【0064】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に第2上部流路(55)へ流入する。
【0065】
図1に示すように、第1上部流路(53)へ流入した減湿後の第1空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第1空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第1空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0066】
一方、第2上部流路(55)へ流入した第2空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第2空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱交換器(104)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0067】
除湿運転の第2動作について、図2,図5を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、第2動作では、第2吸着素子(82)で空気が減湿されると同時に、第1吸着素子(81)の吸着剤が再生される。
【0068】
図2に示すように、右側仕切板(20)では、第1右上開口(23)と第2右下開口(26)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,24,25)が遮断状態となっている。この状態では、第1右上開口(23)によって第1上部流路(53)と右上部流路(65)とが連通され、第2右下開口(26)によって右下部流路(66)と第2下部流路(56)とが連通される。
【0069】
左側仕切板(30)では、第2左側開口(32)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,33,34,36)が遮断状態となっている。この状態では、第2左側開口(32)によって左下部流路(68)と第2流路(52)とが連通され、第2左上開口(35)によって第2上部流路(55)と左上部流路(67)とが連通される。
【0070】
第2シャッタ(62)は閉鎖状態となり、第1シャッタ(61)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第1下部流路(54)とが、第1シャッタ(61)を介して連通される。
【0071】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第2右下開口(26)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第2左側開口(32)を通って第2流路(52)へ流入する。
【0072】
図5(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で減湿された第1空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
【0073】
一方、第2流路(52)の冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
【0074】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に第1上部流路(53)へ流入する。
【0075】
図2に示すように、第2上部流路(55)へ流入した減湿後の第1空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第1空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第1空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0076】
一方、第1上部流路(53)へ流入した第2空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第2空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱交換器(104)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0077】
《加湿運転》
図3,図4に示すように、加湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(13)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室外空気は、冷却用空気として吸込側左上流路(47)へ流入する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(15)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室内空気は、第1空気として吸込側右上流路(45)へ流入する。
【0078】
顕熱交換器(110)は、その一方の通路へ吸込側左上流路(47)から第1空気が導入され、その他方の通路へ吸込側右上流路(45)から冷却用空気が導入される。顕熱交換器(110)では、第1空気と冷却用空気が熱交換する。その際、第1空気である室内空気が冷却用空気である室外空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が第1空気によって冷却される。そして、冷却用空気は、顕熱交換器(110)で冷却された後に吸込側右下流路(46)へ流入する。一方、第1空気は、顕熱交換器(110)で第1空気から吸熱した後に吸込側左下流路(48)へ流入する。
【0079】
また、加湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器(102)が凝縮器となり、第2熱交換器(104)が蒸発器となる一方、第1熱交換器(103)が休止している。
【0080】
加湿運転の第1動作について、図3,図5を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第2吸着素子(82)で空気が加湿され、第1吸着素子(81)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0081】
図3に示すように、右側仕切板(20)では、第1右側開口(21)と第1右上開口(23)とが連通状態となり、残りの開口(22,24,25,26)が遮断状態となっている。この状態では、第1右側開口(21)によって右下部流路(66)と第1流路(51)とが連通され、第1右上開口(23)によって第1上部流路(53)と右上部流路(65)とが連通される。
【0082】
左側仕切板(30)では、第1左下開口(34)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,33,36)が遮断状態となっている。この状態では、第1左下開口(34)によって左下部流路(68)と第1下部流路(54)とが連通され、第2左上開口(35)によって第2上部流路(55)と左上部流路(67)とが連通される。
【0083】
第1シャッタ(61)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第2下部流路(56)とが、第2シャッタ(62)を介して連通される。
【0084】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第1左下開口(34)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第1右側開口(21)を通って第1流路(51)へ流入する。
【0085】
図5(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で水分を奪われた第1空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
【0086】
一方、第1流路(51)の冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
【0087】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第2吸着素子(82)で加湿された第2空気は、その後に第2上部流路(55)へ流入する。
【0088】
図3に示すように、第2上部流路(55)へ流入した第2空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第2空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱交換器(103)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0089】
一方、第1上部流路(53)へ流入した第1空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第1空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第1空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0090】
加湿運転の第2動作について、図4,図5を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、この第2動作では、第1吸着素子(81)で空気が加湿され、第2吸着素子(82)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0091】
図4に示すように、右側仕切板(20)では、第2右側開口(22)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,23,24,26)が遮断状態となっている。この状態では、第2右側開口(22)によって右下部流路(66)と第2流路(52)とが連通され、第2右上開口(25)によって第2上部流路(55)と右上部流路(65)とが連通される。
【0092】
左側仕切板(30)では、第1左上開口(33)と第2左下開口(36)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,34,35)が遮断状態となっている。この状態では、第1左上開口(33)によって第1上部流路(53)と左上部流路(67)とが連通され、第2左下開口(36)によって左下部流路(68)と第2下部流路(56)とが連通される。
【0093】
第2シャッタ(62)は閉鎖状態となり、第1シャッタ(61)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第1下部流路(54)とが、第1シャッタ(61)を介して連通される。
【0094】
顕熱交換器(110)を通過した第1空気は、吸込側左下流路(48)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第2左下開口(36)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、吸込側右下流路(46)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第2右側開口(22)を通って第2流路(52)へ流入する。
【0095】
図5(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で水分を奪われた第1空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
【0096】
一方、第2流路(52)の冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(57)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
【0097】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第1吸着素子(81)で加湿された第2空気は、その後に第1上部流路(53)へ流入する。
【0098】
図4に示すように、第1上部流路(53)へ流入した第2空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に給気側流路(42)へ流入する。この第2空気は、給気側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱交換器(103)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2空気は、給気口(14)を通って室内へ供給される。
【0099】
一方、第2上部流路(55)へ流入した第1空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に排気側流路(41)へ流入する。この第1空気は、排気側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第1空気は、排気口(16)を通って室外へ排出される。
【0100】
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、顕熱交換器(110)において冷却用空気を第1空気と熱交換させている。従って、第1空気が冷却用空気よりも低温の運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気を冷却することができ、予め顕熱交換器(110)で冷却された冷却用空気を吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ導入することが可能となる。このため、吸着素子(81,82)では、より低温の冷却用空気が調湿側通路(85)の第1空気と熱交換することとなり、冷却用空気によって奪われる吸着熱を増大させることができる。この結果、吸着素子(81,82)が吸着し得る水分量を増大させることができ、それによって調湿装置の除湿能力や加湿能力を向上させることができる。
【0101】
この点について、図7の空気線図に示す運転を行う場合を例に説明する。同図には、夏季に加湿運転を行う場合の調湿装置の動作が示されている。例えば、青果類や花卉類を収納する空間については、夏季の冷房中においても加湿を必要とするケースがある。
【0102】
先ず、顕熱交換器(110)を設けずに冷却用空気を予め冷却しない従来の調湿装置の動作について説明する。この調湿装置において、点Aの状態の第1空気(即ち室内空気)は、吸着素子で減湿されて点C’の状態となる。この点C’は、点Gを通る等相対湿度線上に位置しており、その絶対湿度が点Aの状態よりもΔX’だけ低くなっている。
【0103】
一方、点Dの状態の冷却用空気(即ち室外空気)は、吸着素子で吸着熱を吸収して点Fの状態となり、その後に第2空気として加熱されて点Gの状態となる。そして、点Gの状態の第2空気は、吸着素子の再生に利用されて点H’の状態となる。調湿装置では吸着量と加湿量が必ず均衡するため、点H’の状態における絶対湿度は、点Gにおける絶対湿度よりもΔX’だけ高くなっている。
【0104】
次に、本実施形態の調湿装置における動作について説明する。この調湿装置において、点Aの状態の第1空気(即ち室内空気)は、顕熱交換器(110)で冷却用空気から吸熱して点Bの状態となる。そして、点Bの状態の第1空気は、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)で減湿されて点Cの状態となる。この点Cは、点Gを通る等相対湿度線上に位置しており、その絶対湿度が点Aの状態よりもΔXだけ低くなっている。
【0105】
一方、点Dの状態の冷却用空気(即ち室外空気)は、顕熱交換器(110)で冷却されて点Eの状態となり、その後に吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)で吸着熱を吸熱して点Fの状態となる。この冷却用空気は、第2空気として加熱されて点Gの状態となる。点Gの状態の第2空気は、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ導入され、加湿されて点Hの状態となる。調湿装置では吸着量と加湿量が必ず均衡するため、点Hの状態における絶対湿度は、点Gにおける絶対湿度よりもΔXだけ高くなっている。
【0106】
このように、本実施形態の調湿装置では、顕熱交換器(110)で冷却されて点Eの状態(即ち点Dよりも温度の低い状態)となった冷却用空気が吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ導入される。その結果、冷却用空気が吸熱する吸着熱が増大し、点Bから点Cの状態へ至る傾きが点Aから点C’の状態へ至る傾きよりも大きくなる。そして、吸着素子(81,82)で除湿された第1空気は、点Cの状態(即ち点C’の状態よりも絶対湿度の低い状態)となり、調湿装置の吸着能力が増大する。調湿装置における吸着能力が向上すると、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)で加湿された第2空気は、点H’よりも絶対湿度の高い点Hの状態となる。従って、本実施形態によれば、調湿装置の吸着能力を増大させることによって、その加湿能力を向上させることが可能となる。
【0107】
−実施形態1の変形例−
上記実施形態では、再生熱交換器(102)を冷媒回路に接続し、再生熱交換器(102)で冷媒と第2空気を熱交換させ、冷媒の凝縮熱によって第2空気を加熱しているが、これに代えて、次のような構成を採っても良い。
【0108】
つまり、再生熱交換器(102)へ温水を供給し、再生熱交換器(102)で温水と第2空気を熱交換させることによって第2空気を加熱するようにしても良い。図8に示すように、本変形例の調湿装置において、第1熱交換器(103)や第2熱交換器(104)、圧縮機(101)等を備える冷媒回路は省略され、温水の循環路に接続された再生熱交換器(102)だけが設けられている。
【0109】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2に係る調湿装置は、2つの吸着素子(81,82)とを備え、いわゆるバッチ式の動作を行うように構成されている。また、本実施形態の調湿装置には、顕熱交換器(110)が設けられている。これらの点は、上記実施形態1と同様である。ただし、上記実施形態1では、吸着素子(81,82)へ送られる前の第1空気が顕熱交換器(110)で冷却用空気と熱交換するのに対し、本実施形態では、吸着素子(81,82)を通過後の第1空気が顕熱交換器(110)で冷却用空気と熱交換する。
【0110】
ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成について、図9を参照しながら説明する。尚、本実施形態3の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図9におけるものを意味している。
【0111】
図9に示すように、上記調湿装置は、やや扁平な直方体状のケーシング(210)を備えている。このケーシング(210)には、2つの吸着素子(81,82)と、冷媒回路とが収納されている。各吸着素子(81,82)は、上記実施形態1のものと同様に構成され、調湿側通路(85)及び冷却側通路(86)を備えている(図6参照)。
【0112】
上記ケーシング(210)において、最も手前側には室外側パネル(211)が設けられ、最も奥側には室内側パネル(212)が設けられている。室外側パネル(211)には、その左端寄りに室外側吸込口(213)が形成され、その右端寄りに室外側吹出口(216)が形成されている。一方、室内側パネル(212)には、その右端寄りに室内側吹出口(214)が形成され、その左端寄りに室内側吸込口(215)が形成されている。
【0113】
ケーシング(210)の内部には、手前側から奥側へ向かって順に、第1仕切板(220)と、第2仕切板(230)とが設けられている。ケーシング(210)の内部空間は、これら第1,第2仕切板(220,230)によって、前後に仕切られている。
【0114】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間は、上側の室外側上部流路(241)と下側の室外側下部流路(242)とに区画されている。室外側上部流路(241)は、室外側吹出口(216)によって室外空間と連通されている。室外側下部流路(242)は、室外側吸込口(213)によって室外空間と連通されている。また、室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間には、その右端寄りに排気ファン(96)が設置されている。
【0115】
第1仕切板(220)には、第1右側開口(221)、第1左側開口(222)、第1右上開口(223)、第1右下開口(224)、第1左上開口(225)、及び第1左下開口(226)が形成されている。これらの開口(221,222,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0116】
第1右側開口(221)及び第1左側開口(222)は、縦長の長方形状の開口である。第1右側開口(221)は、第1仕切板(220)の右端近傍に設けられている。第1左側開口(222)は、第1仕切板(220)の左端近傍に設けられている。第1右上開口(223)、第1右下開口(224)、第1左上開口(225)、及び第1左下開口(226)は、横長の長方形状の開口である。第1右上開口(223)は、第1仕切板(220)の上部における第1右側開口(221)の左隣に設けられている。第1右下開口(224)は、第1仕切板(220)の下部における第1右側開口(221)の左隣に設けられている。第1左上開口(225)は、第1仕切板(220)の上部における第1左側開口(222)の右隣に設けられている。第1左下開口(226)は、第1仕切板(220)の下部における第1左側開口(222)の右隣に設けられている。
【0117】
第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間には、2つの吸着素子(81,82)が設置されている。これら吸着素子(81,82)は、所定の間隔をおいて左右に並んだ状態に配置されている。具体的には、右寄りに第1吸着素子(81)が設けられ、左寄りに第2吸着素子(82)が設けられている。
【0118】
第1,第2吸着素子(81,82)は、それぞれにおける平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向がケーシング(210)の長手方向(図15における手前から奥へ向かう方向)と一致する姿勢で設置されている。ケーシング(210)内に設置された状態の各吸着素子(81,82)では、その左右の側面に冷却側通路(86)が開口し、その上下の側面に調湿側通路(85)が開口している。
【0119】
第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の空間は、右側流路(251)、左側流路(252)、右上流路(253)、右下流路(254)、左上流路(255)、左下流路(256)、及び中央流路(257)に区画されている。
【0120】
右側流路(251)は、第1吸着素子(81)の右側に形成され、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)に連通している。左側流路(252)は、第2吸着素子(82)の左側に形成され、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)に連通している。
【0121】
右上流路(253)は、第1吸着素子(81)の上側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。右下流路(254)は、第1吸着素子(81)の下側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。左上流路(255)は、第2吸着素子(82)の上側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。左下流路(256)は、第2吸着素子(82)の下側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。
【0122】
中央流路(257)は、第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間に形成され、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(257)は、図15に現れる流路断面の形状が四角形状となっている。
【0123】
中央流路(57)は、第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間に形成され、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(57)には、再生熱交換器(102)が設置されている。再生熱交換器(102)は、ほぼ水平に寝かせられた姿勢で、この中央流路(257)を上下に仕切るように配置されている。更に、再生熱交換器(102)は、その上面が第1及び第2吸着素子(81,82)の下面よりも僅かに下となるように配置されている。
【0124】
再生熱交換器(102)は、温水の循環路に接続されている。この再生熱交換器(102)は、中央流路(57)を流れる空気を温水と熱交換させるものであって、空気を加熱するための加熱器を構成している。
【0125】
左右に並べられた第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間には、右側シャッタ(261)と左側シャッタ(262)とが設けられている。これらのシャッタ(261,262)は、それぞれが開閉自在に構成されている。
【0126】
右側シャッタ(261)は、再生熱交換器(102)の右側で且つ第1吸着素子(81)の下側に設置され、中央流路(257)における再生熱交換器(102)の下側部分と右下流路(254)との間を仕切っている。左側シャッタ(262)は、再生熱交換器(102)の左側で且つ第2吸着素子(82)の下側に設置され、中央流路(257)における再生熱交換器(102)の下側部分と左下流路(256)との間を仕切っている。
【0127】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間と、第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路(251,252,…)とは、第1仕切板(220)の開口(221,222,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0128】
具体的に、第1右側開口(221)を開口状態とすると、右側流路(251)と室外側下部流路(242)が連通する。第1左側開口(222)を開口状態とすると、左側流路(252)と室外側下部流路(242)が連通する。第1右上開口(223)を開口状態とすると、右上流路(253)と室外側上部流路(241)が連通する。第1右下開口(224)を開口状態とすると、右下流路(254)と室外側下部流路(242)が連通する。第1左上開口(225)を開口状態とすると、左上流路(255)と室外側上部流路(241)が連通する。第1左下開口(226)を開口状態とすると、左下流路(256)と室外側下部流路(242)が連通する。
【0129】
第2仕切板(230)には、第2右側開口(231)、第2左側開口(232)、第2右上開口(233)、第2右下開口(234)、第2左上開口(235)、及び第2左下開口(236)が形成されている。これらの開口(231,232,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
【0130】
第2右側開口(231)及び第2左側開口(232)は、縦長の長方形状の開口である。第2右側開口(231)は、第2仕切板(230)の右端近傍に設けられている。第2左側開口(232)は、第2仕切板(230)の左端近傍に設けられている。第2右上開口(233)、第2右下開口(234)、第2左上開口(235)、及び第2左下開口(236)は、横長の長方形状の開口である。第2右上開口(233)は、第2仕切板(230)の上部における第2右側開口(231)の左隣に設けられている。第2右下開口(234)は、第2仕切板(230)の下部における第2右側開口(231)の左隣に設けられている。第2左上開口(235)は、第2仕切板(230)の上部における第2左側開口(232)の右隣に設けられている。第2左下開口(236)は、第2仕切板(230)の下部における第2左側開口(232)の右隣に設けられている。
【0131】
室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間には、その左右幅方向の中央部に顕熱交換器(110)が設置されている。この顕熱交換器(110)は、上記実施形態1のものと同様に構成された直交流形の熱交換器であって、第1の通路と第2の通路とを複数ずつ備えている。
【0132】
室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間において、顕熱交換器(110)の左側の空間は吸込側チャンバ(273)を構成し、顕熱交換器(110)の右側の空間は吹出側チャンバ(274)を構成している。吹出側チャンバ(274)は、室内側吹出口(214)によって室内空間と連通されている。また、吹出側チャンバ(274)には、給気ファン(95)が設置されている。一方、吸込側チャンバ(273)は、室内側吸込口(215)によって室内空間と連通されている。
【0133】
第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路と、第2仕切板(230)と室外側パネル(211)の間の流路とは、第2仕切板(230)の開口(231,232,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0134】
具体的に、室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間のうち、顕熱交換器(110)の一方の通路の下流側は、第2右側開口(231)を介して右側流路(251)と、第2左側開口(232)を介して左側流路(252)と、第2右下開口(234)を介して右下流路(254)と、第2左下開口(236)を介して左下流路(256)とそれぞれ連通可能となっている。また、顕熱交換器(110)の他方の通路の上流側は、第2右上開口(233)を介して右上流路(253)と、第2左上開口(235)を介して左上流路(255)とそれぞれ連通可能となっている。
【0135】
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって除湿運転を行う。
【0136】
図9,図10に示すように、除湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(213)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室外空気は、第1空気として室外側下部流路(242)へ流入する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(215)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室内空気は、冷却用空気として吸込側チャンバ(273)へ流入し、続いて顕熱交換器(110)の一方の流路へ導入される。この冷却用空気は、顕熱交換器(110)の他方の流路へ導入された第1空気と熱交換する。そして、顕熱交換器(110)へ流入する第1空気が冷却用空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が冷却され、それによって除湿能力が向上する。
【0137】
除湿運転の第1動作について、図9を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第1吸着素子(81)で空気が減湿されると同時に、第2吸着素子(82)の吸着剤が再生される。
【0138】
第1仕切板(220)では、第1右下開口(224)と第1左上開口(225)とが連通状態となり、残りの開口(221,222,223,226)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2右側開口(231)と第2右上開口(233)とが連通状態となり、残りの開口(232,234,235,236)が遮断状態となっている。また、右側シャッタ(261)は閉鎖状態となり、左側シャッタ(262)は開口状態となっている。
【0139】
室外側下部流路(242)の第1空気は、第1右下開口(224)を通って右下流路(254)へ流入する。右下流路(254)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で減湿された第1空気は、右上流路(253)へ流入する。右上流路(253)へ流入した減湿後の第1空気は、第2右上開口(233)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(274)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0140】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、第2右側開口(231)を通って右側流路(251)へ流入する。その後、冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から左下流路(256)へ流入する。
【0141】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に左上流路(255)へ流入する。その後、第2空気は、第1左上開口(225)を通過し、室外側上部流路(241)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0142】
除湿運転の第2動作について、図10を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、第2動作では、第2吸着素子(82)で空気が減湿されると同時に、第1吸着素子(81)の吸着剤が再生される。
【0143】
第1仕切板(220)では、第1右上開口(223)と第1左下開口(226)とが連通状態となり、残りの開口(221,222,224,225)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2左側開口(232)と第2左上開口(235)とが連通状態となり、残りの開口(231,233,234,236)が遮断状態となっている。また、左側シャッタ(262)は閉鎖状態となり、右側シャッタ(261)は開口状態となっている。
【0144】
室外側下部流路(242)の第1空気は、室外側下部流路(242)から第1左下開口(226)を通って左下流路(256)へ流入する。左下流路(256)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で減湿された第1空気は、左上流路(255)へ流入する。左上流路(255)へ流入した減湿後の第1空気は、第2左上開口(235)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(274)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0145】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、室内側下部流路(247)から第2左側開口(232)を通って左側流路(252)へ流入する。その後、冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から右下流路(254)へ流入する。
【0146】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に右上流路(253)へ流入する。その後、第2空気は、第1右上開口(223)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて第1空気から吸熱する。そして、顕熱交換器(110)から流出した第2空気は、室外側上部流路(241)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0147】
【発明の実施の形態3】
本発明の実施形態3は、上記実施形態2の調湿装置において、顕熱交換器(110)の配置を変更したものである。ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成のうち上記実施形態2と異なる部分について、図11を参照しながら説明する。尚、本実施形態3の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図11におけるものを意味している。
【0148】
本実施形態の調湿装置において、室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間には、その左右幅方向の中央部に顕熱交換器(110)が設置されている。この顕熱交換器(110)は、上記実施形態1のものと同様に構成された直交流形の熱交換器であって、第1の通路と第2の通路とを複数ずつ備えている。
【0149】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間において、顕熱交換器(110)の右側の空間は吹出側チャンバ(272)を構成し、顕熱交換器(110)の左側の空間は吸込側チャンバ(271)を構成している。吹出側チャンバ(272)は、室外側吹出口(216)によって室外空間と連通されている。また、吹出側チャンバ(272)には、排気ファン(96)が設置されている。一方、吸込側チャンバ(271)は、室外側吸込口(213)によって室外空間と連通されている。
【0150】
室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の流路(241,242)と、第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路(251,252,…)とは、第1仕切板(220)の開口(221,222,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0151】
具体的に、室外側パネル(211)と第1仕切板(220)の間の空間のうち、顕熱交換器(110)の一方の通路の下流側は、第1右側開口(221)を介して右側流路(251)と、第1左側開口(222)を介して左側流路(252)と、第1右下開口(224)を介して右下流路(254)と、第1左下開口(226)を介して左下流路(256)とそれぞれ連通可能となっている。また、顕熱交換器(110)の他方の通路の上流側は、第1右上開口(223)を介して右上流路(253)と、第1左上開口(225)を介して左上流路(255)とそれぞれ連通可能となっている。
【0152】
室内側パネル(212)には、その左端寄りに室内側吹出口(214)が形成され、その右端寄りに室内側吸込口(215)が形成されている。室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間は、上側の室内側上部流路(246)と下側の室内側下部流路(247)とに区画されている。室内側上部流路(246)は、室内側吹出口(214)によって室内空間と連通されている。室内側下部流路(247)は、室内側吸込口(215)によって室内空間と連通されている。また、室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間には、その左端寄りに給気ファン(95)が設置されている。
【0153】
室内側パネル(212)と第2仕切板(230)の間の空間と、第1仕切板(220)と第2仕切板(230)の間の流路(251,252,…)とは、第2仕切板(230)の開口(231,232,…)に設けられた開閉シャッタによって、連通状態と遮断状態に切り換えられる。
【0154】
具体的に、第2右側開口(231)を開口状態とすると、右側流路(251)と室内側下部流路(247)が連通する。第2左側開口(232)を開口状態とすると、左側流路(252)と室内側下部流路(247)が連通する。第2右上開口(233)を開口状態とすると、右上流路(253)と室内側上部流路(246)が連通する。第2右下開口(234)を開口状態とすると、右下流路(254)と室内側下部流路(247)が連通する。第2左上開口(235)を開口状態とすると、左上流路(255)と室内側上部流路(246)が連通する。第2左下開口(236)を開口状態とすると、左下流路(256)と室内側下部流路(247)が連通する。
【0155】
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって加湿運転を行う。
【0156】
図11,図12に示すように、加湿運転時において、給気ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(213)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室外空気は、冷却用空気として吸込側チャンバ(271)へ流入し、続いて顕熱交換器(110)の一方の流路へ導入される。この冷却用空気は、顕熱交換器(110)の他方の流路へ導入された第1空気と熱交換して冷却される。そして、顕熱交換器(110)へ流入する第1空気が冷却用空気よりも低温となる運転状態では、顕熱交換器(110)において冷却用空気が冷却され、それによって除湿能力が向上する。一方、排気ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(215)を通じてケーシング(210)内に取り込まれる。この室内空気は、第1空気として室内側下部流路(247)へ流入する。
【0157】
加湿運転の第1動作について、図11を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第2吸着素子(82)で空気が加湿され、第1吸着素子(81)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0158】
第1仕切板(220)では、第1右側開口(221)と第1右上開口(223)とが連通状態となり、残りの開口(222,224,225,226)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2右下開口(234)と第2左上開口(235)とが連通状態となり、残りの開口(231,232,233,236)が遮断状態となっている。また、右側シャッタ(261)は閉鎖状態となり、左側シャッタ(262)は開口状態となっている。
【0159】
室内側下部流路(247)の第1空気は、第2右下開口(234)を通って右下流路(254)へ流入する。右下流路(254)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で水分を奪われた第1空気は、右上流路(253)へ流入する。右上流路(253)へ流入した第1空気は、第2右上開口(233)を通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(272)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0160】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、第1右側開口(221)を通って右側流路(251)へ流入する。その後、冷却用空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から左下流路(256)へ流入する。
【0161】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第2吸着素子(82)で加湿された第2空気は、その後に左上流路(255)へ流入する。左上流路(255)の第2空気は、第2左上開口(235)を通過し、室内側上部流路(246)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0162】
加湿運転の第2動作について、図12を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、この第2動作では、第1吸着素子(81)で空気が加湿され、第2吸着素子(82)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
【0163】
第1仕切板(220)では、第1左側開口(222)と第1左上開口(225)とが連通状態となり、残りの開口(221,223,224,226)が遮断状態となっている。第2仕切板(230)では、第2右上開口(233)と第2左下開口(236)とが連通状態となり、残りの開口(231,232,234,235)が遮断状態となっている。また、左側シャッタ(262)は閉鎖状態となり、右側シャッタ(261)は開口状態となっている。
【0164】
室内側下部流路(247)の第1空気は、第2左下開口(236)を通って左下流路(256)へ流入する。左下流路(256)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で水分を奪われた第1空気は、左上流路(255)へ流入する。左上流路(255)へ流入した第1空気は、第1左上開口(225)をを通過し、顕熱交換器(110)へ導入されて冷却用空気から吸熱する。顕熱交換器(110)から流出した第1空気は、吹出側チャンバ(272)から室外側吹出口(216)を通って室外へ排出される。
【0165】
一方、顕熱交換器(110)を通過した冷却用空気は、第1左側開口(222)を通って左側流路(252)へ流入する。その後、冷却用空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、冷却用空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った冷却用空気は、第2空気として中央流路(257)へ流入し、再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2空気が温水との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(257)から右下流路(254)へ流入する。
【0166】
再生熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第1吸着素子(81)で加湿された第2空気は、その後に右上流路(253)へ流入する。右上流路(253)の第2空気は、第2左上開口(235)を通過し、室内側上部流路(246)から室内側吹出口(214)を通って室内へ供給される。
【0167】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態の調湿装置では、加熱器を再生熱交換器(102)で構成し、この再生熱交換器(102)で冷媒や温水と熱交換させることによって第2空気を加熱しているが、これに代えて、加熱器を電気ヒータで構成し、この電気ヒータで第2空気を加熱するようにしてもよい。
【0168】
また、上記実施形態の調湿装置では、吸着素子(81,82)を直方体状に形成しているが、吸着素子(81,82)の形状はこれに限定されるものではなく、例えば円板状あるいは円筒状に吸着素子を形成してもよい。この場合、円板状あるいは円筒状に形成された吸着素子を回転させ、その吸着素子の一部分へ第2空気を送り込んで残りの部分へ第1空気を送り込み、一つの吸着素子についての吸着動作と再生動作を同時に並行して行うように調湿装置を構成するのが望ましい。
【0169】
また、上記実施形態の調湿装置では、室外空気を取り込んで室内へ供給すると共に室内空気を取り込んで室外へ排出し、調湿と同時に換気をも行う運転が可能となっているが、このような運転に加え、次のような運転を行うようにしてもよい。つまり、除湿時であれば、第1空気として取り込んだ室内空気を吸着素子(81,82)で減湿してから室内へ送り返す一方、第2空気として取り込んだ室外空気を吸着素子(81,82)の再生に利用してから室外へ排出する運転を行ってもよい。また、加湿時であれば、第2空気として取り込んだ室内空気を吸着素子(81,82)で加湿してから室内へ送り返す一方、第1空気として取り込んだ室外空気を吸着素子(81,82)で減湿してから室外へ排出する運転を行ってもよい。
【0170】
【発明の効果】
本発明では、冷却用熱交換器(110)において冷却用空気を第1空気と熱交換させている。従って、第1空気が冷却用空気よりも低温の運転状態では、冷却用熱交換器(110)において冷却用空気を冷却することができ、予め冷却用熱交換器(110)で冷却された冷却用空気を吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ導入することが可能となる。このため、吸着素子(81,82)では、より低温の冷却用空気が調湿側通路(85)の第1空気と熱交換することとなり、冷却用空気によって奪われる吸着熱を増大させることができる。この結果、吸着素子(81,82)が吸着し得る水分量を増大させることができ、それによって調湿装置の除湿能力や加湿能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る調湿装置の構成および除湿運転時の第1動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図2】実施形態1に係る調湿装置の構成および除湿運転時の第2動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図3】実施形態1に係る調湿装置の構成および加湿運転時の第1動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図4】実施形態1に係る調湿装置の構成および加湿運転時の第2動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図5】実施形態1に係る調湿装置の要部拡大図である。
【図6】実施形態1に係る調湿装置の吸着素子の構成を示す概略斜視図である。
【図7】本発明に係る調湿装置において調湿能力の向上が可能であることを示す空気線図である。
【図8】実施形態1の変形例に係る調湿装置の構成、及び除湿運転時の第1動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図9】実施形態2に係る調湿装置の構成および除湿運転中の第1動作を示す分解斜視図である。
【図10】実施形態2に係る調湿装置の構成および除湿運転中の第2動作を示す分解斜視図である。
【図11】実施形態3に係る調湿装置の構成および加湿運転中の第1動作を示す分解斜視図である。
【図12】実施形態3に係る調湿装置の構成および加湿運転中の第2動作を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
(81) 第1吸着素子
(82) 第2吸着素子
(85) 調湿側通路
(86) 冷却側通路
(102) 再生用熱交換器(加熱器)
(110) 顕熱交換器(冷却用熱交換器)
Claims (6)
- 吸着剤が設けられた吸着素子(81,82)と、空気を加熱するための加熱器(102)とを備え、
第1空気中の水分を上記吸着素子(81,82)の吸着剤に吸着させる吸着動作と、上記加熱器(102)で加熱された第2空気によって上記吸着素子(81,82)の吸着剤を再生する再生動作とを行い、
上記吸着動作により減湿された第1空気、又は上記再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する調湿装置であって、
上記吸着素子(81,82)には、流通する空気が吸着剤と接触する調湿側通路(85)と、吸着動作時に調湿側通路(85)で生じる吸着熱を奪うための冷却用空気が流れる冷却側通路(86)とが形成される一方、
上記吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気を第1空気と熱交換させて冷却するための冷却用熱交換器(110)を備えている調湿装置。 - 請求項1記載の調湿装置において、
冷却用空気は、吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)を通過後に第2空気として加熱器(102)へ供給される調湿装置。 - 請求項1又は2記載の調湿装置において、
室外空気を第1空気として取り込み且つ室内空気を第2空気として取り込んで、吸着動作により減湿された第1空気を室内へ供給する除湿運転が可能に構成される一方、
上記除湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換している調湿装置。 - 請求項1又は2記載の調湿装置において、
室外空気を第1空気として取り込み且つ室内空気を第2空気として取り込んで、吸着動作により減湿された第1空気を室内へ供給する除湿運転が可能に構成される一方、
上記除湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換している調湿装置。 - 請求項1又は2記載の調湿装置において、
室内空気を第1空気として取り込み且つ室外空気を第2空気として取り込んで、再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する加湿運転が可能に構成される一方、
上記加湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)へ流入する前の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換している調湿装置。 - 請求項1又は2記載の調湿装置において、
室内空気を第1空気として取り込み且つ室外空気を第2空気として取り込んで、再生動作により加湿された第2空気を室内へ供給する加湿運転が可能に構成される一方、
上記加湿運転中における冷却用熱交換器(110)では、吸着素子(81,82)の調湿側通路(85)を通過した後の第1空気が該吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)へ流入する前の冷却用空気と熱交換している調湿装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005283047A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Daikin Ind Ltd | 調湿装置 |
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