JP2004060865A - ギアドモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にしたギアドモータを提供する。
【解決手段】このギアドモータ1においては、ギア機構部B内に衝撃吸収歯車30を設け、この衝撃吸収歯車30には、軸線L方向に並設した第1の歯車32と第2の歯車33とをバネ部34を介して連結した構成が採用されている。従って、外部からの力によって、ギア機構部B内の各歯車の回転が強制的に停止させられるような事態が発生した場合、それぞれの歯車には、軸トルクに比例して瞬間的に大きな衝撃力が加わることになる。しかしながら、このとき、上段側の第2の歯車33は停止しようとし、下段側の第1の歯車32は、回転軸3の回転に追従して回転しようとするが、バネ部34が設けられているので、第2の歯車33が停止する際に発生する衝撃エネルギがバネ部34によって瞬間的に吸収されることになる。
【選択図】 図1
【解決手段】このギアドモータ1においては、ギア機構部B内に衝撃吸収歯車30を設け、この衝撃吸収歯車30には、軸線L方向に並設した第1の歯車32と第2の歯車33とをバネ部34を介して連結した構成が採用されている。従って、外部からの力によって、ギア機構部B内の各歯車の回転が強制的に停止させられるような事態が発生した場合、それぞれの歯車には、軸トルクに比例して瞬間的に大きな衝撃力が加わることになる。しかしながら、このとき、上段側の第2の歯車33は停止しようとし、下段側の第1の歯車32は、回転軸3の回転に追従して回転しようとするが、バネ部34が設けられているので、第2の歯車33が停止する際に発生する衝撃エネルギがバネ部34によって瞬間的に吸収されることになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、遊技機器、AV機器などで小型の精密モータが要求される分野に適合させるためのギアドモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、特開平6−200988号公報がある。この公報に記載されたギアドモータは、モータ本体にギアボックスをネジ止めしたものであり、このギア収容部内には遊星歯車機構が設けられ、遊星歯車機構によって、出力軸では、大きな減速比と大きな出力トルクとを発生させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のギアドモータには、次のような課題が存在している。すなわち、出力軸の回転が何らかの原因によって、強制的に止められた場合は、遊星歯車機構内の各ギアには、停止の際に瞬間的な衝撃力が発生し、これによって、ギアなどが変形したり、ギアの歯部が破壊したりする虞がある。そして、これを防止するために、ギアドモータには、スリップトルク機構を内蔵させたものがあるが、構造が複雑であり、コスト低減を図り難いといった問題点がある。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、特に、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にしたギアドモータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るギアドモータは、モータ本体に設けられた回転軸に噛合するギア機構部を有するギアドモータにおいて、ギア機構部には、回転軸の軸線方向において並設した下段側の第1の歯車と上段側の第2の歯車とを有する衝撃吸収歯車が設けられ、この衝撃吸収歯車は、第1の歯車と第2の歯車とをバネ部を介して連結したことを特徴とする。
【0006】
このギアドモータにおいては、ギア機構部内に衝撃吸収歯車を設け、この衝撃吸収歯車には、軸線方向に並設した第1の歯車と第2の歯車とをバネ部を介して連結した構成が採用されている。従って、回転軸が常に一定速度で回転し続ける限りにおいては、第1の歯車と第2の歯車とはバネ部を介して一定の連結状態を維持しながら連動し続けるので、回転軸の駆動力は、ギア機構部を介して外部に伝達される。そして、外部からの力によって、ギア機構部内の各歯車の回転が強制的に停止させられるような事態が発生した場合、それぞれの歯車には、軸トルクに比例して瞬間的に大きな衝撃力が加わることになる。しかしながら、このとき、上段側の第2の歯車は停止しようとし、下段側の第1の歯車は、回転軸の回転に追従して回転しようとするが、バネ部が設けられているので、第2の歯車が停止する際に発生する衝撃エネルギがバネ部によって瞬間的に吸収されることになる。これにより、ギア機構部内に配置した各歯車の歯部が破損する事態が抑制される。よって、このような衝撃吸収歯車を採用すると、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にしている。
【0007】
また、バネ部は螺旋状に形成されると好適である。螺旋状のバネを利用することで、第1及び第2の歯車の回転方向に沿った衝撃吸収を達成させることができる。
【0008】
また、回転軸に設けられた駆動歯車に第1の歯車を噛合させると好適である。このように、回転軸側に衝撃吸収歯車を配置させることで、出力から離れた部分でトルクリミッタ機能を達成させることができる。すなわち、回転速度は大きいがトルクが比較的小さな部分でトルクリミッタ機能を発揮させることができるので、バネ部が破損し難くなる。
【0009】
また、ギア機構部内の遊星歯車機構部は、回転軸の軸線上に配置された太陽軸を有し、この太陽軸には、遊星歯車に噛合する太陽歯車と、この太陽歯車に並設する連結ギアとが設けられ、この連結ギアに第2の歯車を噛合させると好適である。このような構成は、減速を目的として、ギア機構部内に遊星歯車機構部を採用する場合に最適である。
【0010】
また、衝撃吸収歯車は、樹脂で一体形成されると好適である。このような構成は、軽量化を図りつつ、第1の歯車と第2の歯車とバネ部との一体成形を容易にするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るギアドモータの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、ギアドモータ1は、コアードモータからなると共に、筒形状の金属製モータケース(胴部)2をもったモータ本体Aを備え、小型化が図られている。モータケース2の内壁面には、N,S極をもった永久磁石からなる固定子が固定され、モータケース2の内部には、鉄芯にコイルが巻かれた回転子が収容されている。この回転子の中心には、軸受で支持された回転軸3が固定され、この回転軸3の先端部は、モータケース2の前端部分を貫通するように延在する。更に、モータケース2内において、回転軸3の後端には整流子が固定され、この整流子には一対のブラシが摺動接触している。各ブラシの基端には、板状の端子4が接続され、各端子4の後端側は、モータケース2の後端に固定されたブラケット5から突出させる。
【0013】
さらに、モータ本体Aのモータケース2には、金属製のギアボックス6がネジ7を介して固定されている。このギアボックス6内には回転軸3が突出し、この回転軸3に設けられた駆動歯車8は、ギアボックス6内のギア機構部Bに噛合する。このギア機構部Bは、所望の減速を目的とした遊星歯車機構部Cを有し、この遊星歯車機構部Cは、回転軸3の軸線L上に配置された第1段目の太陽軸9を有している。この太陽軸9は、回転軸3の軸線L上に延在する支軸11によって回転自在に軸支され、この支軸11は、ギアボックス6の内面に固定したベース部10に立設されている。
【0014】
この第1段目の太陽軸9には太陽歯車12が一体に形成され、この太陽歯車12には、3個数の遊星歯車13が噛合する。各遊星歯車13は、キャリア14に回転自在に取付けられると共に、ギアボックス6の内面に固定した下段側の固定リングギア15に噛合されている。このキャリア14は、太陽軸9の先端に設けられた軸部9aによって回転自在に軸支されている。キャリア14には、軸線L上に位置する第2段目の太陽軸16が一体に形成され、この第2段目の太陽軸16には、太陽歯車17が一体に形成され、この太陽歯車17には、3個数の遊星歯車18が噛合する。各遊星歯車18は、キャリア19に回転自在に取付けられると共に、ギアボックス6の内面に固定した上段側の固定リングギア20に噛合されている。
【0015】
このキャリア19には、軸線L方向に延在する軸装着部22が一体に設けられ、この軸装着部22には、ギアボックス6から先端側を露出させた出力軸23の基端が固定され、この出力軸23は、太陽軸16の先端に設けられた軸部16aによって回転自在に軸支されている。さらに、この出力軸23は、ギアボックス6の蓋部6aに固定されたラジアル軸受24によって軸支されている。
【0016】
さらに、遊星歯車機構部Cにおいて、第1段目の太陽軸9には、太陽歯車12に並設して下段側に位置する連結ギア25が一体に形成され、この連結ギア25と回転軸3の駆動歯車8とは、衝撃吸収歯車30を介して連結されている。この衝撃吸収歯車30は、ベース部10に立設させた軸部31によって回転自在に支持されている。さらに、衝撃吸収歯車30は、回転軸3の駆動歯車8に噛合する下段側(回転軸3に近い側)の第1の歯車32と、第1の歯車32に対して並設した上段側(回転軸3から遠い側)の第2の歯車33と、第1の歯車32と第2の歯車33とを連結する螺旋状のバネ部34とからなる。
【0017】
図2に示すように、第1の歯車32と第2の歯車33とは、軸線L方向に並設され、第1及び第2の歯車32,33は、減速を目的として所定の歯数に形成された平歯車であると共に、軸部31を挿入するための軸孔32a,33aを有している。また、バネ部34の巻き数は、駆動力の伝達と衝撃力の吸収と材質とを勘案して適宜決定されるものである。さらに、衝撃吸収歯車30を樹脂で成形することで、軽量化を図りつつ、第1の歯車32と第2の歯車33とバネ部34との一体成形を容易にする。
【0018】
前述したギアドモータ1において、回転軸3が常に一定速度で回り続ける限りにおいては、バネ部34を介して第1の歯車32と第2の歯車33とは一定の連結状態を維持しながら連動し続けるので、回転軸3の駆動力は、ギア機構部Bを介して出力軸23から外部に伝達される。しかしながら、外部からの力によって、出力軸23に負荷がかかり、ギア機構部B内の遊星歯車13,18等の回転が強制的に停止させられるような事態が発生した場合、それぞれの歯車には、軸トルクに比例した瞬間的な大きな衝撃力が加わることになる。
【0019】
このとき、上段側の第2の歯車33は停止しようとし、下段側の第1の歯車32は、回転軸3の回転に追従して回転しようとするが、螺旋状のバネ部34が設けられているので、第2の歯車33が停止する際に発生する衝撃エネルギがバネ部34によって瞬間的に吸収されることになる。これにより、ギア機構部B内に配置した各歯車の歯部が破損する事態が抑制されることになる。このような衝撃吸収歯車30を採用することは、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にする。
【0020】
この場合、回転軸3の駆動歯車8に第1の歯車32を噛合させると好ましい。このように、回転軸3側に衝撃吸収歯車30を配置させることで、出力から離れた部分でトルクリミッタ機能を発生させることができ、回転速度は大きいがトルクが比較的小さな部分でトルクリミッタ機能を発揮させることができるので、バネ部34が破損し難くなる。
【0021】
本発明は、前述した実施形態に限定されない。例えば、螺旋状のバネ部34は、1回転未満の巻き数であってもよい。また、バネ部34の巻き方向は、特に限定されるものではない。また、衝撃吸収歯車30における歯車の段数は2段以上であればよい。第1及び第2の歯車32,33は、平歯車に限定されるものではなく、それ以外の例えば傘歯歯車であってもよい。モータ本体Aは、ブラシ付きモータであってもブラシレスモータであっても構わない。
【0022】
【発明の効果】
本発明によるギアドモータは、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、モータ本体に設けられた回転軸に噛合するギア機構部を有するギアドモータにおいて、ギア機構部には、回転軸の軸線方向において並設した下段側の第1の歯車と上段側の第2の歯車とを有する衝撃吸収歯車が設けられ、この衝撃吸収歯車は、第1の歯車と第2の歯車とをバネ部を介して連結したことにより、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にする。また、この構成は、第1及び第2の歯車とバネ部とを樹脂により容易に一体成形することができ、更なる軽量化及びコスト低減を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るギアドモータの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示したギアドモータに適用する衝撃吸収歯車を示す正面図である。
【符号の説明】
1…ギアドモータ、3…回転軸、8…駆動歯車、9…太陽軸、12…太陽歯車、13…遊星歯車、25…連結ギア、30…衝撃吸収歯車、32…第1の歯車、33…第2の歯車、34…バネ部、A…モータ本体、B…ギア機構部、C…遊星歯車機構部、L…軸線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、遊技機器、AV機器などで小型の精密モータが要求される分野に適合させるためのギアドモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、特開平6−200988号公報がある。この公報に記載されたギアドモータは、モータ本体にギアボックスをネジ止めしたものであり、このギア収容部内には遊星歯車機構が設けられ、遊星歯車機構によって、出力軸では、大きな減速比と大きな出力トルクとを発生させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のギアドモータには、次のような課題が存在している。すなわち、出力軸の回転が何らかの原因によって、強制的に止められた場合は、遊星歯車機構内の各ギアには、停止の際に瞬間的な衝撃力が発生し、これによって、ギアなどが変形したり、ギアの歯部が破壊したりする虞がある。そして、これを防止するために、ギアドモータには、スリップトルク機構を内蔵させたものがあるが、構造が複雑であり、コスト低減を図り難いといった問題点がある。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、特に、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にしたギアドモータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るギアドモータは、モータ本体に設けられた回転軸に噛合するギア機構部を有するギアドモータにおいて、ギア機構部には、回転軸の軸線方向において並設した下段側の第1の歯車と上段側の第2の歯車とを有する衝撃吸収歯車が設けられ、この衝撃吸収歯車は、第1の歯車と第2の歯車とをバネ部を介して連結したことを特徴とする。
【0006】
このギアドモータにおいては、ギア機構部内に衝撃吸収歯車を設け、この衝撃吸収歯車には、軸線方向に並設した第1の歯車と第2の歯車とをバネ部を介して連結した構成が採用されている。従って、回転軸が常に一定速度で回転し続ける限りにおいては、第1の歯車と第2の歯車とはバネ部を介して一定の連結状態を維持しながら連動し続けるので、回転軸の駆動力は、ギア機構部を介して外部に伝達される。そして、外部からの力によって、ギア機構部内の各歯車の回転が強制的に停止させられるような事態が発生した場合、それぞれの歯車には、軸トルクに比例して瞬間的に大きな衝撃力が加わることになる。しかしながら、このとき、上段側の第2の歯車は停止しようとし、下段側の第1の歯車は、回転軸の回転に追従して回転しようとするが、バネ部が設けられているので、第2の歯車が停止する際に発生する衝撃エネルギがバネ部によって瞬間的に吸収されることになる。これにより、ギア機構部内に配置した各歯車の歯部が破損する事態が抑制される。よって、このような衝撃吸収歯車を採用すると、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にしている。
【0007】
また、バネ部は螺旋状に形成されると好適である。螺旋状のバネを利用することで、第1及び第2の歯車の回転方向に沿った衝撃吸収を達成させることができる。
【0008】
また、回転軸に設けられた駆動歯車に第1の歯車を噛合させると好適である。このように、回転軸側に衝撃吸収歯車を配置させることで、出力から離れた部分でトルクリミッタ機能を達成させることができる。すなわち、回転速度は大きいがトルクが比較的小さな部分でトルクリミッタ機能を発揮させることができるので、バネ部が破損し難くなる。
【0009】
また、ギア機構部内の遊星歯車機構部は、回転軸の軸線上に配置された太陽軸を有し、この太陽軸には、遊星歯車に噛合する太陽歯車と、この太陽歯車に並設する連結ギアとが設けられ、この連結ギアに第2の歯車を噛合させると好適である。このような構成は、減速を目的として、ギア機構部内に遊星歯車機構部を採用する場合に最適である。
【0010】
また、衝撃吸収歯車は、樹脂で一体形成されると好適である。このような構成は、軽量化を図りつつ、第1の歯車と第2の歯車とバネ部との一体成形を容易にするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るギアドモータの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、ギアドモータ1は、コアードモータからなると共に、筒形状の金属製モータケース(胴部)2をもったモータ本体Aを備え、小型化が図られている。モータケース2の内壁面には、N,S極をもった永久磁石からなる固定子が固定され、モータケース2の内部には、鉄芯にコイルが巻かれた回転子が収容されている。この回転子の中心には、軸受で支持された回転軸3が固定され、この回転軸3の先端部は、モータケース2の前端部分を貫通するように延在する。更に、モータケース2内において、回転軸3の後端には整流子が固定され、この整流子には一対のブラシが摺動接触している。各ブラシの基端には、板状の端子4が接続され、各端子4の後端側は、モータケース2の後端に固定されたブラケット5から突出させる。
【0013】
さらに、モータ本体Aのモータケース2には、金属製のギアボックス6がネジ7を介して固定されている。このギアボックス6内には回転軸3が突出し、この回転軸3に設けられた駆動歯車8は、ギアボックス6内のギア機構部Bに噛合する。このギア機構部Bは、所望の減速を目的とした遊星歯車機構部Cを有し、この遊星歯車機構部Cは、回転軸3の軸線L上に配置された第1段目の太陽軸9を有している。この太陽軸9は、回転軸3の軸線L上に延在する支軸11によって回転自在に軸支され、この支軸11は、ギアボックス6の内面に固定したベース部10に立設されている。
【0014】
この第1段目の太陽軸9には太陽歯車12が一体に形成され、この太陽歯車12には、3個数の遊星歯車13が噛合する。各遊星歯車13は、キャリア14に回転自在に取付けられると共に、ギアボックス6の内面に固定した下段側の固定リングギア15に噛合されている。このキャリア14は、太陽軸9の先端に設けられた軸部9aによって回転自在に軸支されている。キャリア14には、軸線L上に位置する第2段目の太陽軸16が一体に形成され、この第2段目の太陽軸16には、太陽歯車17が一体に形成され、この太陽歯車17には、3個数の遊星歯車18が噛合する。各遊星歯車18は、キャリア19に回転自在に取付けられると共に、ギアボックス6の内面に固定した上段側の固定リングギア20に噛合されている。
【0015】
このキャリア19には、軸線L方向に延在する軸装着部22が一体に設けられ、この軸装着部22には、ギアボックス6から先端側を露出させた出力軸23の基端が固定され、この出力軸23は、太陽軸16の先端に設けられた軸部16aによって回転自在に軸支されている。さらに、この出力軸23は、ギアボックス6の蓋部6aに固定されたラジアル軸受24によって軸支されている。
【0016】
さらに、遊星歯車機構部Cにおいて、第1段目の太陽軸9には、太陽歯車12に並設して下段側に位置する連結ギア25が一体に形成され、この連結ギア25と回転軸3の駆動歯車8とは、衝撃吸収歯車30を介して連結されている。この衝撃吸収歯車30は、ベース部10に立設させた軸部31によって回転自在に支持されている。さらに、衝撃吸収歯車30は、回転軸3の駆動歯車8に噛合する下段側(回転軸3に近い側)の第1の歯車32と、第1の歯車32に対して並設した上段側(回転軸3から遠い側)の第2の歯車33と、第1の歯車32と第2の歯車33とを連結する螺旋状のバネ部34とからなる。
【0017】
図2に示すように、第1の歯車32と第2の歯車33とは、軸線L方向に並設され、第1及び第2の歯車32,33は、減速を目的として所定の歯数に形成された平歯車であると共に、軸部31を挿入するための軸孔32a,33aを有している。また、バネ部34の巻き数は、駆動力の伝達と衝撃力の吸収と材質とを勘案して適宜決定されるものである。さらに、衝撃吸収歯車30を樹脂で成形することで、軽量化を図りつつ、第1の歯車32と第2の歯車33とバネ部34との一体成形を容易にする。
【0018】
前述したギアドモータ1において、回転軸3が常に一定速度で回り続ける限りにおいては、バネ部34を介して第1の歯車32と第2の歯車33とは一定の連結状態を維持しながら連動し続けるので、回転軸3の駆動力は、ギア機構部Bを介して出力軸23から外部に伝達される。しかしながら、外部からの力によって、出力軸23に負荷がかかり、ギア機構部B内の遊星歯車13,18等の回転が強制的に停止させられるような事態が発生した場合、それぞれの歯車には、軸トルクに比例した瞬間的な大きな衝撃力が加わることになる。
【0019】
このとき、上段側の第2の歯車33は停止しようとし、下段側の第1の歯車32は、回転軸3の回転に追従して回転しようとするが、螺旋状のバネ部34が設けられているので、第2の歯車33が停止する際に発生する衝撃エネルギがバネ部34によって瞬間的に吸収されることになる。これにより、ギア機構部B内に配置した各歯車の歯部が破損する事態が抑制されることになる。このような衝撃吸収歯車30を採用することは、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にする。
【0020】
この場合、回転軸3の駆動歯車8に第1の歯車32を噛合させると好ましい。このように、回転軸3側に衝撃吸収歯車30を配置させることで、出力から離れた部分でトルクリミッタ機能を発生させることができ、回転速度は大きいがトルクが比較的小さな部分でトルクリミッタ機能を発揮させることができるので、バネ部34が破損し難くなる。
【0021】
本発明は、前述した実施形態に限定されない。例えば、螺旋状のバネ部34は、1回転未満の巻き数であってもよい。また、バネ部34の巻き方向は、特に限定されるものではない。また、衝撃吸収歯車30における歯車の段数は2段以上であればよい。第1及び第2の歯車32,33は、平歯車に限定されるものではなく、それ以外の例えば傘歯歯車であってもよい。モータ本体Aは、ブラシ付きモータであってもブラシレスモータであっても構わない。
【0022】
【発明の効果】
本発明によるギアドモータは、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、モータ本体に設けられた回転軸に噛合するギア機構部を有するギアドモータにおいて、ギア機構部には、回転軸の軸線方向において並設した下段側の第1の歯車と上段側の第2の歯車とを有する衝撃吸収歯車が設けられ、この衝撃吸収歯車は、第1の歯車と第2の歯車とをバネ部を介して連結したことにより、簡単な構造をもってトルクリミッタ機能を達成させ、しかもコストの低減をも可能にする。また、この構成は、第1及び第2の歯車とバネ部とを樹脂により容易に一体成形することができ、更なる軽量化及びコスト低減を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るギアドモータの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示したギアドモータに適用する衝撃吸収歯車を示す正面図である。
【符号の説明】
1…ギアドモータ、3…回転軸、8…駆動歯車、9…太陽軸、12…太陽歯車、13…遊星歯車、25…連結ギア、30…衝撃吸収歯車、32…第1の歯車、33…第2の歯車、34…バネ部、A…モータ本体、B…ギア機構部、C…遊星歯車機構部、L…軸線。
Claims (5)
- モータ本体に設けられた回転軸に噛合するギア機構部を有するギアドモータにおいて、
前記ギア機構部には、前記回転軸の軸線方向において並設した下段側の第1の歯車と上段側の第2の歯車とを有する衝撃吸収歯車が設けられ、この衝撃吸収歯車は、前記第1の歯車と前記第2の歯車とをバネ部を介して連結したことを特徴とするギアドモータ。 - 前記バネ部は螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項1記載のギアドモータ。
- 前記回転軸に設けられた駆動歯車に前記第1の歯車を噛合させたことを特徴とする請求項1又は2記載のギアドモータ。
- 前記ギア機構部内の遊星歯車機構部は、前記回転軸の軸線上に配置された太陽軸を有し、この太陽軸には、遊星歯車に噛合する太陽歯車と、この太陽歯車に並設する連結ギアとが設けられ、この連結ギアに前記第2の歯車を噛合させたことを特徴とする請求項1〜3記載のギアドモータ。
- 前記衝撃吸収歯車は、樹脂で一体形成されたことを特徴とする請求項1〜4記載のギアドモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223656A JP2004060865A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ギアドモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223656A JP2004060865A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ギアドモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004060865A true JP2004060865A (ja) | 2004-02-26 |
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