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JP2004060731A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置 Download PDF

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JP2004060731A
JP2004060731A JP2002218176A JP2002218176A JP2004060731A JP 2004060731 A JP2004060731 A JP 2004060731A JP 2002218176 A JP2002218176 A JP 2002218176A JP 2002218176 A JP2002218176 A JP 2002218176A JP 2004060731 A JP2004060731 A JP 2004060731A
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JP2002218176A
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Koji Nagata
永田 幸司
Masato Kaikawa
甲斐川 正人
Kazutoshi Nozaki
野崎 和俊
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】電磁ソレノイド或いはそれに従って切り換えられる切り換え弁の故障が発生してリニヤソレノイド弁からの信号圧が油圧式摩擦係合装置へ供給される場合でも、その油圧式摩擦係合装置のスリップが抑制され、耐久性が損なわれることのない車両用自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】油圧上昇手段142によって、係合圧不足判定手段138により電磁ソレノイドSol.R、その電磁ソレノイドSol.Rを備えた電磁弁SR、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障に起因するクラッチC1(油圧式摩擦係合装置)の油圧不足が判定された場合には、リニヤソレノイド弁SL1からそのクラッチC1に供給される制御油圧PSL1 が上昇させられるので、故障時においてもそのクラッチC1のスリップが抑制され、その耐久性が損なわれることがない。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用自動変速機の制御装置に係り、特に、変速用油圧制御回路の故障に由来する、自動変速機内の油圧式摩擦係合装置の係合圧不足およびそれに起因する耐久性低下を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用自動変速機の一種に、変速のために作動させられる油圧式摩擦係合装置と、電磁ソレノイドからの出力にしたがって予め用意された第1油圧をその油圧式摩擦係合装置へ供給する第1位置とリニヤソレノイド弁からの上記第1油圧よりも低くされた制御油圧をその油圧式摩擦係合装置へ供給する第2位置とに切り換えられる切換弁とが備えられたものがある。この切換弁により、油圧式摩擦係合装置に第1油圧が供給される状態と制御油圧が供給される状態とが選択されることから、過渡状態のように高精度で係合トルクを制御することが必要なときには第2位置が用いられる一方、定常時や通常時には第1位置が選択されることにより、第1油圧が油圧式摩擦係合装置に供給されると同時に、リニヤソレノイド弁から出力される制御油圧が他の目的、たとえばアキュム背圧制御などに用いられることが可能とされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような車両用自動変速機では、異物の噛み込みによる切換弁に作動不良、その切換弁を駆動制御するための電磁ソレノイド或いはその切換弁を制御する信号圧を出力する電磁ソレノイドを備えた電磁弁の作動不良が発生すると、切換弁が第2位置のままの状態となって、上記リニヤソレノイド弁からの制御油圧が上記第1油圧に替えて油圧式摩擦係合装置へ供給されるようになる一方で、リニヤソレノイド弁から出力される制御油圧は少なくともアキュム背圧制御時において第1油圧よりも相対的に低圧とされることから、その油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足して、その耐久性が損なわれるおそれがあった。
【0004】
これに対し、たとえば特開平9−177958号公報に記載された車両用自動変速機のように、油圧式摩擦係合装置への作動油圧を供給するための作動油圧供給制御用バルブに作動不良が発生した場合には、作動油圧をその作動不良が発生したバルブを介することなく油圧式摩擦係合装置へ直接に供給可能として、少なくとも車両のある程度の走行性能を確保できるギヤ段を設定する技術が提案されている。しかしながら、このような技術を前記車両用自動変速機に適用しようとすると、第1油圧を切換弁を介することなく油圧式摩擦係合装置へ直接に供給させるための油路および開閉弁などが必要となって、油圧制御回路が複雑化且つ大型化するという問題があるため、通常時とは異なるギヤ段で走行せざるを得ないという不都合があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、電磁ソレノイド或いはそれに従って切り換えられる切換弁の故障が発生してリニヤソレノイド弁からの信号圧が油圧式摩擦係合装置へ供給される場合でも、その油圧式摩擦係合装置の係合により達成される通常のギヤ段で走行でき、その油圧式摩擦係合装置の係合圧不足がなくその耐久性が損なわれることのない車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、油圧式摩擦係合装置と、電磁ソレノイドからの出力にしたがって、予め用意された第1油圧を該油圧式摩擦係合装置へ供給するための第1位置と所定期間においてリニヤソレノイド弁から該第1油圧よりも低くされた制御油圧を該油圧式摩擦係合装置へ供給するための第2位置とに切り換えられる切換弁とを備えた車両用自動変速機の制御装置であって、(a) 前記切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置にあるために前記油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足状態となったことを判定する係合圧不足判定手段と、(b) その係合圧不足判定手段によって前記油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足状態であることが判定された場合には、前記リニヤソレノイド弁からの制御油圧を上昇させる油圧上昇手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、油圧上昇手段によって、係合圧不足判定手段により前記切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置にあるために前記油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足状態となったことが判定された場合には、前記リニヤソレノイド弁から油圧式摩擦係合装置に供給される制御油圧が上昇させられるので、たとえ前記電磁ソレノイドの故障或いはその電磁ソレノイドからの出力にしたがって切り換えられる切換弁の故障によって切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置とされたとしても、その油圧式摩擦係合装置のスリップが抑制され、その油圧式摩擦係合装置の係合により達成される通常のギヤ段で走行することができる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記油圧上昇手段は、前記リニヤソレノイド弁からの制御油圧をその最大値とするものである。このようにすれば、たとえ故障時においても、油圧式摩擦係合装置にリニヤソレノイド弁から供給される制御油圧はその最大圧とされるので、たとえ前記電磁ソレノイドの故障或いはその電磁ソレノイドからの出力にしたがって切り換えられる切換弁の故障によって切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置とされたとしても、その油圧式摩擦係合装置のスリップが抑制され、耐久性が損なわれることがない。
【0009】
また、好適には、前記係合圧不足判定手段は、前記摩擦係合装置の係合圧不足状態を、前記所定期間において発生する前記自動変速機の入力回転速度の吹き量に基づいて判定するものである。このようにすれば、所定期間においては、前記電磁ソレノイド或いはその電磁ソレノイドからの出力にしたがって切り換えられる切換弁の故障によって切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置とされたことにより発生する摩擦係合装置の係合圧不足状態が、自動変速機の入力回転速度の吹きを発生させることを利用して、その故障が好適に判定される。
【0010】
また、好適には、前記切換弁は、前記電磁ソレノイドを有する電磁弁からの油圧信号に基づいて前記第1位置と第2位置とに切り換えられるスプール弁子を備え、該電磁ソレノイドがオフ状態であるときに前記第1位置へ切り換えられ、該電磁ソレノイドがオン状態であるときに前記第2位置へ切り換えられるものであり、前記係合圧不足判定手段は、前記電磁ソレノイドがオン状態に固定される故障、または前記切換弁が第2位置に固定される故障によって、前記切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置にあるために、前記油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足状態となったことを判定するものである。このようにすれば、電磁ソレノイドがオン状態に固定される故障、または前記切換弁が第2位置に固定される故障によって切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置とされたことにより発生する摩擦係合装置の係合圧不足状態が防止されるので、油圧式摩擦係合装置のスリップが抑制され、耐久性が損なわれることがない。
【0011】
また、好適には、前記リニヤソレノイド弁は、アップ変速期間においてその変速のために係合させられる他の油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュムレータの背圧を制御するものであり、前記所定期間は、そのアップ変速期間或いはアップ変速中である。このようにすれば、変速中における電磁ソレノイド或いはその電磁ソレノイドからの出力にしたがって切り換えられる切換弁の故障時において、その油圧式摩擦係合装置のスリップが抑制され、耐久性が損なわれることがない。
【0012】
また、好適には、前記係合圧不足判定手段により前記油圧式摩擦係合装置の係合圧不足が判定されてからの経過時間が予め設定された判定時間を超えたか否かを判定する経過時間判定手段を含み、前記油圧上昇手段は、該経過時間判定手段により前記油圧式摩擦係合装置の係合圧不足が判定されてからの経過時間が予め設定された判定時間を超えたことが判定されたことを条件として、前記リニヤソレノイド弁からの制御油圧を上昇させるものである。このようにすれば、係合圧不足判定手段による摩擦係合装置の係合圧不足判定が上記判定時間以上持続するときに、油圧上昇手段によりリニヤソレノイド弁からの制御油圧が上昇させられるので、係合圧不足判定手段のノイズによる誤った係合圧不足判定が除去される利点がある。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の制御装置が適用された車両用駆動装置10の構成を説明する骨子図である。図1において、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン12の出力は、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。トルクコンバータ14は、エンジン12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えており、ポンプ翼車20とタービン翼車24との間で流体を介して動力伝達を行うとともに、ポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26を備えている。ロックアップクラッチ26は、係合側油室32内の油圧と解放側油室34内の油圧との差圧ΔPにより摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチで、完全係合させられることにより、ポンプ翼車20およびタービン翼車24は一体回転させられる。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわち係合トルクがフィードバック制御されることにより、駆動時には例えば50rpm程度の所定のスリップ量でタービン翼車24をポンプ翼車20に対して追従回転させる一方、逆入力時には例えば−50rpm程度の所定のスリップ量でポンプ翼車20をタービン翼車24に対して追従回転させることができる。
【0015】
自動変速機16は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置40、およびシングルピニオン型の第2遊星歯車装置42、第3遊星歯車装置44を備えた遊星歯車式の有段変速機である。上記第1遊星歯車装置40のサンギヤS1はクラッチC3を介して入力軸22に選択的に連結されるとともに、一方向クラッチF2およびブレーキB3を介して非回転部材であるハウジング38に選択的に連結され、逆方向(入力軸22と反対方向)の回転が阻止されるようになっている。第1遊星歯車装置40のキャリアCA1は、ブレーキB1を介してハウジング38に選択的に連結されるとともに、そのブレーキB1と並列に設けられた一方向クラッチF1により、常に逆方向の回転が阻止されるようになっている。第1遊星歯車装置40のリングギヤR1は、第2遊星歯車装置42のリングギヤR2と一体的に連結されており、ブレーキB2を介してハウジング38に選択的に連結されるようになっている。第2遊星歯車装置42のサンギヤS2は、第3遊星歯車装置44のサンギヤS3と一体的に連結されており、クラッチC1を介して入力軸22に選択的に連結されている。第2遊星歯車装置42のキャリアCA2は、第3遊星歯車装置44のリングギヤR3と一体的に連結されており、クラッチC2を介して入力軸22に選択的に連結されるとともに、ブレーキB4を介してハウジング38に選択的に連結されるようになっており、更にブレーキB4と並列に設けられた一方向クラッチF3により、常に逆方向の回転が阻止されるようになっている。そして、第3遊星歯車装置44のキャリアCA3は、出力軸46に一体的に連結されている。
【0016】
上記クラッチC1〜C3、およびブレーキB1〜B4(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置であり、変速用の油圧制御回路98(図3参照)の電磁ソレノイドSol1〜SolRを備えた電磁弁S1乃至S2、SR、およびリニアソレノイド弁SL1、SL2の励磁、非励磁や図示しないマニュアルバルブによって油圧回路が切り換えられることにより、例えば図2に示すように係合、解放状態が切り換えられ、シフトレバー72(図3参照)の操作位置(ポジション)に応じて5つの前進変速段(1st〜5th)および1つの後進ギヤ段(Rev)が成立させられるようになっている。図2の「1st」〜「5th」は前進の第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段を意味しており、第1速ギヤ段「1st」から第5速ギヤ段「5th」へ向かうに従って変速比γ(入力軸22の回転速度NIN/出力軸46の回転速度NOUT )は順次小さくなり、第4速ギヤ段「4th」の変速比γ4 は1.0である。また、図2において「○」は係合、空欄は解放を表し、「(○)」はエンジンブレーキ時の係合を表し、「●」は動力伝達に関与しない係合を表している。
【0017】
図3は、図1のエンジン12や自動変速機16などを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図である。アクセルペダル50の操作量Accはアクセル操作量センサ51により検出されるようになっている。アクセルペダル50は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるものであるのでアクセル操作部材に相当し、アクセルペダル操作量Accは出力要求量に相当する。エンジン12の吸気配管には、スロットルアクチュエータ54によって基本的にはアクセルペダル操作量Accに応じた開き角(開度)θTHとされる電子スロットル弁56が設けられている。また、アイドル回転速度制御のために上記電子スロットル弁56に並列に設けられてそれをバイパスさせるバイパス通路52には、エンジン12のアイドル回転速度NEIDL を制御するために電子スロットル弁56の全閉時の吸気量を制御するISC弁(アイドル回転速度制御弁)53が設けられている。この他、エンジン12の回転速度NE を検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン12の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出するための吸入空気温度センサ62、上記電子スロットル弁56の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ64、車速V(出力軸46の回転速度Nout に対応)を検出するための車速センサ66、エンジン12の冷却水温TW を検出するための冷却水温センサ68、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ70、シフトレバー72のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ74、タービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度Nin)を検出するためのタービン回転速度センサ76、油圧制御回路98内の作動油の温度であるAT油温TOIL を検出するためのAT油温センサ78、アップシフトスイッチ80、ダウンシフトスイッチ82などが設けられており、それらのセンサやスイッチから、エンジン回転速度NE、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル弁開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキ操作の有無、シフトレバー72のレバーポジションPSH、タービン回転速度NT、AT油温TOIL 、変速レンジのアップ指令RUP、ダウン指令RDN、などを表す信号が電子制御装置90に供給されるようになっている。また、フットブレーキの操作時に車輪がロック(スリップ)しないようにブレーキ力を制御するABS(アンチロックブレーキシステム)84に接続され、ブレーキ力に対応するブレーキ油圧等に関する情報が供給されるとともに、エアコン86から作動の有無を表す信号が供給されるようになっている。
【0018】
上記シフトレバー72は運転席の近傍に配設され、たとえば駐車のためのP(パーキング)ポジション、後進走行のためのR(リバース)ポジション、動力伝達経路を開放するためのN(ニュートラル)ポジション、前進走行のためのD(ドライブ)ポジション、エンジンブレーキ走行のための「4」ポジション、「3」ポジション、「2(セカンド)」ポジション或いはL(ロー)ポジションへ択一的に手動操作されるようになっている。「R」ポジションではリバース用回路が機械的に成立させられるなどして図2に示す後進変速段「Rev」が成立させられ、「N」ポジションではニュートラル回路が機械的に成立させられて総てのクラッチCおよびブレーキBが解放される。
【0019】
上記変速用の油圧制御回路98は、上記変速用のソレノイド弁Sol1、Sol2、SolR、リニアソレノイド弁SL1、SL2の他に、主にロックアップ油圧すなわち前記係合側油室32内の油圧と解放側油室34内の油圧との差圧ΔPを制御するリニアソレノイド弁SLU、主にライン油圧を制御するリニアソレノイド弁SLTを備えており、油圧制御回路98内の作動油は、ロックアップクラッチ26へも供給されるとともに、自動変速機16等の各部の潤滑にも使用される。図4は、上記油圧制御回路98の要部を示すものである。図4において、ライン油圧PL は、油圧式摩擦係合装置の元圧として必要かつ十分な大きさとなるように図示しない調圧弁によりスロットル開度θTHに対応する大きさに調圧されるものであり、前進走行ポジションに切り換えられた図示しないマニアル弁などを通して供給される。電磁開閉弁S1乃至S2、SRは、電磁ソレノイドSol.1乃至Sol.2、Sol.Rを備え、電子制御装置90によって制御される電磁ソレノイドSol.1乃至Sol.2、Sol.Rの電磁力に従って開閉作動させられ、信号圧PS1、PS2、PSRを出力するように構成されている。また、リニヤソレノイド弁SL1、SL2、SLU、SLTは、図示しない電磁ソレノイドをそれぞれ備え、電子制御装置90によって制御される電磁ソレノイドの電磁力に従って、一定値に調圧されたモジュレータ圧PM (元圧)から連続的に変化する制御油圧PSL1 、PSL2 、PSLU 、PSLT を発生させて出力するように構成されている。
【0020】
切換弁(クラッチアプライコントロール弁)100は、クラッチC1に接続された出力ポート101と、ライン油圧(第1油圧)PL が供給されるライン圧入力ポート102と、リニヤソレノイド弁SL1から出力される制御油圧PSL1 が入力される制御油圧入力ポート104と、背圧コントロール弁106へ制御油圧PSL1 を出力させる制御油圧出力ポート108とを備えている。この切換弁100は、ライン油圧PL をクラッチC1に供給するために上記出力ポート101とライン圧入力ポート102とを連通させ且つ背圧コントロール弁106を制御するために制御油圧入力ポート104と制御油圧出力ポート108とを連通させる第1位置(図4に示す位置)と変速中は制御油圧PSL1 でクラッチC1を制御するために出力ポート102と制御油圧入力ポート104とを連通させ且つ制御油圧入力ポート104と制御油圧出力ポート108との間を遮断する第2位置との間に移動可能に設けられたスプール弁子110と、このスプール弁子110を第1位置に向かって付勢するスプリング112と、電磁開閉弁SRからオン(励磁)時に出力される信号圧PSRを導き入れることによりスプリング112の付勢力に抗して第2位置に向かう推力をスプール弁子110に付与する制御油室114とを備えている。このため、切換弁100は、電磁開閉弁SRがオフ状態(非励磁状態)であるためそれから信号圧PSRが出力されない場合、たとえばシフトレバー72がNポジションに位置させられたとき、第5速ギヤ段以外の前進走行状態である場合では第1位置に位置させられるが、シフトレバー72がNポジションからDポジションへ操作されたとき、第5速ギヤ段が選択されたときは、電磁開閉弁SRがオン状態(励磁状態)とされてそれから信号圧PSRが出力されることにより第2位置へ切換られる。上記クラッチC1は、第5速ギヤ段を除く前進走行時において係合させられるものであり、前進走行位置に切換られたマニアル弁などを通し供給されるライン油圧PL が係合圧とされる。
【0021】
上記背圧コントロール弁106は、変速中においてリニヤソレノイド弁SL1から出力される制御油圧PSL1 に応じた大きさの背圧PB を発生し、択一的に係合作動させられるブレーキB3、クラッチC3、クラッチC2に設けられたアキュムレータ120、122、124にそれぞれ供給する。上記リニアソレノイド弁SL1は、ブレーキB3の係合により得られる1→2アップ変速、クラッチC3の係合により得られる2→3アップ変速、或いはクラッチC2の係合により得られる3→4アップ変速に際して、アキュムレータ120、122、或いは124のアキュム背圧としての制御油圧PSL1 を変速期間中に出力し、滑らかな変速を実行させる。
【0022】
上記のブレーキB3は、第2速ギヤ段を達成させるために係合させられるものであり、第2速側に切換られた1−2シフト弁126を通して供給されたライン油圧PL がその係合圧とされる。1−2シフト弁126は、前記切換弁100と同様のスプール弁子を備えて第1速側と第2速側とに択一的に切り換えられるように構成され、オン状態の電磁弁S2からの信号圧PS2にしたがってその第2速側に切り換えられるようになっている。上記クラッチC3およびC2は第3速ギヤ段および第4速ギヤ段を達成するためにそれぞれ係合させられるものであり、後述の2−3シフト弁130および図示しない3−4シフト弁を通して供給されるライン油圧PL がその係合圧とされる。
【0023】
ブレーキB1は第5速ギヤ段を達成するために係合され、ブレーキB4は後進ギヤ段を達成するために係合させられるものであるが、それらブレーキB1およびブレーキB4とブレーキB2は第3速ギヤ段、第1速ギヤ段、第2速ギヤ段のエンジンブレーキ走行時にも係合させられる。このため、ブレーキB1、ブレーキB2、ブレーキB4は、リニヤソレノイド弁SL2から出力される制御油圧PSL2 がB1コントロール弁128、2−3シフト弁130、リバースシーケンス弁132を通して供給されることにより、その係合トルクが精度よく制御されるようになっている。すなわち、2−3シフト弁130は、前記切換弁100と同様のスプール弁子を備えて第2速側と第3速側とに択一的に切り換えられるように構成され、オン状態の電磁弁S1からの信号圧PS1にしたがって第2速側に切り換えられて制御油圧PSL2 がブレーキB2またはB4へ供給されるが、オフ状態の電磁弁S1から信号圧PS1が出力されない場合には第3速側に切り換えられて制御油圧PSL2 がブレーキB1へ供給されるようになっている。また、リバースシーケンス弁132も、前記切換弁100と同様のスプール弁子を備えて前進側と後進側とに択一的に切り換えられるように構成され、オン状態の電磁弁SRからの信号圧PSRにしたがって後進側に切り換えられて制御油圧PSL2 がブレーキB4へ供給されるが、オフ状態の電磁弁SRから信号圧PSRが出力されない場合には前進側に切り換えられて制御油圧PSL2 がブレーキB2へ供給されるようになっている。
【0024】
電子制御装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御や自動変速機16の変速制御、ロックアップクラッチ26のスリップ制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。図5は、電子制御装置90の信号処理によって実行される制御機能の要部を説明するブロック線図である。
【0025】
図5において、変速制御手段136は、シフトレバー72のレバーポジションPSHおよびたとえば図6に示す変速線図に基づいて変速段を決定し、その変速段を得るために自動変速機16の変速制御を行う。たとえば変速制御手段136は、図6に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル開度θTHに基づいて変速判断を実行し、その判断された変速が実行されるように、変速に関連する電磁弁S1乃至S2、SRおよびリニヤソレノイド弁SL1、SL2、SLU、SLTのいずれかに変速出力を行う。また、この変速制御手段136は、たとえばシフトレバー72のN→D操作に伴う前進(通常は第1速)ギヤ段への変速や第5速から第4速へのダウン変速のようなクラッチC1を係合させる変速中、第4速から第5速へのクラッチツウクラッチアップ変速のようなクラッチC1を開放させる変速中において、切換弁100を第2位置に切り換えることにより、変速中のクラッチC1の係合圧PC1をリニヤソレノイド弁SL1からの制御油圧PSL1 によって直接制御し、高精度で係合過程或いは開放過程の係合トルクを制御する。
【0026】
係合圧不足判定手段138は、たとえば電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障(オン側故障)によるクラッチC1の係合圧PC1の不足を、リニヤソレノイド弁SL1による背圧制御が予定されるアップ変速中(変速期間)におけるタービン回転速度NT すなわちエンジン回転速度NE または自動変速機16の入力軸回転速度NINの吹き(急上昇)の発生に基づいて判定する。このため、係合圧不足判定手段138は故障判定手段或いは吹き判定手段としても機能している。この吹きは、たとえば図8に示すように、変速中のエンジン回転速度NE の変化曲線よりも急に所定幅増加する現象であり、増加幅が予め設定された判定値を超えたことに基づいて判定される。このタービン回転速度NT の吹きは、電磁ソレノイドSol.Rの短絡、異物噛み込みなどによる電磁弁SRのオン側固着、異物噛み込みなどによるスプール弁子110のオン側(第2位置側)固着により切換弁100が第2位置から第1位置への切換が行われなくなったことから、ライン油圧PL よりも通常は相対的に低圧である制御油圧PSL1 がクラッチC1に供給されたままとなって係合圧PC1が不足し、そのクラッチC1がすべることに起因して発生するものであるから、そのタービン回転速度NT の吹きに基づいて、電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障(オン側故障)が判定されるのである。
【0027】
経過時間判定手段140は、上記係合圧不足判定手段138によって電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障が判定されてからの経過時間tELが、予め設定された判定時間t1 を超えたか否かを判定する。この判定時間t1 は、ノイズに基づく係合圧不足判定手段138の誤った油圧不足判定を除去するためのものであり、たとえば数百ミリ秒程度に設定された値が用いられる。
【0028】
油圧上昇手段142は、上記係合圧不足判定手段138によって電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障が判定され、且つ上記経過時間判定手段140により経過時間tELが予め設定された判定時間t1 を超えたと判定されると、リニヤソレノイド弁SL1から出力される制御油圧PSL1 をその最大値として、クラッチC1の係合圧PC1をそのすべりが発生しない十分な大きさの圧力とする。
【0029】
図7は、電子制御装置90の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートであり、たとえば数ミリ秒乃至数十ミリ秒の所定の周期で繰り返し実行される。このフローチャートは、たとえば、変速期間中にリニヤソレノイド弁SL1からアキュム背圧として制御油圧PSL1 が出力される変速出力、たとえばブレーキB3の係合により得られる1→2アップ変速出力、クラッチC3の係合により得られる2→3アップ変速出力、或いはクラッチC2の係合により得られる3→4アップ変速出力時に実行される。
【0030】
図7において、前記係合圧不足判定手段138に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1では、電磁弁SRが用いられる変速中(変速期間)におけるタービン回転速度NT すなわちエンジン回転速度NE または自動変速機16の入力軸回転速度NINの吹き(急上昇)が発生したか否かが、たとえば予め記憶された(1) 式が成立することに基づいて判断される。(1) 式において、γn−1 は変速前のギヤ段の変速比を示し、αは所定値を示している。その吹きの発生は、アップ変速中において、アキュム背圧制御のためにリニヤソレノイド弁SL1から出力された制御油圧PSL1 ではクラッチC1のトルク容量が不足している状態、すなわち電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障(オン側故障)のために、上記制御油圧PSL1 がクラッチC1に供給されている状態を意味している。
【0031】
T ≧=(NOUT ×γn−1 )+α  ・・・  (1)
【0032】
上記S1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記経過時間判定手段140に対応するS2において、上記S1において電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障に関連するタービン回転速度NT の吹きが判定されてからの経過時間tELが、予め設定された判定時間t1 を超えたか否かが判断される。このS2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記油圧上昇手段142に対応するS3において、リニヤソレノイド弁SL1から出力される制御油圧PSL1 がその最大値とされ、故障によってオン側(第2位置)に切り換えられたままの切換弁100を介してクラッチC1の係合圧PC1 がそのクラッチC1のすべりが発生しない大きさとされる。
【0033】
図8は、上記の制御作動により得られる油圧制御回路98の作動、すなわち電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障によりその切換弁100がその第2状態に固定されたままでアップ変速が出力された場合の作動を示すタイムチャートである。図8において、クラッチC1の係合作動維持が前提となるギヤ段への変速出力たとえば1→2、2→3、或いは3→4アップ変速出力がt1 時点において行われると、アキュムレータ120、122、或いは124のアキュム背圧制御のための制御油圧PSL1 がリニヤソレノイド弁SL1から出力されるが、上記故障のためにクラッチC1へ供給されてしまう。このアキュム背圧制御のための制御油圧PSL1 はライン油圧PL よりも低圧であるため、そのクラッチC1のすべりが発生してタービン回転速NT の吹きAが発生する。破線は吹きAが発生しない正常時の回転速度を示しており、吹きAはその破線よりも上の増加部分を言う。しかし、S1およびS2によりこの吹きAが判定され且つ所定時間経過すると、t2 時点に示すように、S3により上記リニヤソレノイド弁SL1から出力される制御油圧PSL1 が変速終了時点付近までその最大値とされるので、クラッチC1のすべりが防止されて上記の吹きAの大きさが抑制され、そのクラッチC1の係合により達成される通常のギヤ段で走行することができる。
【0034】
因みに、図9は、図8と同様に電磁弁SR、それに備えられた電磁ソレノイドSol.R、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障によりその切換弁100がその第2状態に固定されたままでアップ変速が出力された場合の作動を示すタイムチャートであるが、図7の制御すなわち吹きAが発生しても制御油圧PSL1 が上昇制御されない従来の場合の作動を示している。すなわち、t1 時点において1→2、2→3、或いは3→4アップ変速出力が行われると、アキュムレータ120、122、或いは124のアキュム背圧制御のための制御油圧PSL1 がリニヤソレノイド弁SL1から出力されるが、上記故障のためにクラッチC1へ供給されてしまう。このアキュム背圧制御のための制御油圧PSL1 はライン油圧PL よりも低圧であるため、そのクラッチC1のすべりが発生してタービン回転速NT の吹きBが発生する。この場合、制御油圧PSL1 の増大制御が実行されないので、クラッチC1のすべりが大きく発生して吹きBが大きくなるので、クラッチC1の耐久寿命が損なわれるおそれがあったのである。
【0035】
上述のように、本実施例によれば、油圧上昇手段142(S3)によって、係合圧不足判定手段138(S2)により電磁ソレノイドSol.R、その電磁ソレノイドSol.Rを備えた電磁弁SR、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障が判定された場合には、リニヤソレノイド弁SL1からクラッチC1(油圧式摩擦係合装置)に供給される制御油圧PSL1 が上昇させられるので、故障時においてもそのクラッチC1のスリップが抑制され、その耐久性が損なわれることがない。
【0036】
また、本実施例によれば、油圧上昇手段142(S3)は、リニヤソレノイド弁SL1からの制御油圧PSL1 をその最大値とするものであることから、故障時においてクラッチC1(油圧式摩擦係合装置)の係合圧PC1がそのクラッチC1にスリップを発生させない大きさとされるので、その耐久性が損なわれることがない。
【0037】
また、本実施例によれば、係合圧不足判定手段138(S1)は、電磁ソレノイドSol.R、その電磁ソレノイドSol.Rを備えた電磁弁SR、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障を、変速期間において発生する自動変速機16の入力回転速度NINの吹き量に基づいて判定するものであることから、その変速期間においては、電磁ソレノイドSol.R、その電磁ソレノイドSol.Rを備えた電磁弁SR、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障が好適に判定される。
【0038】
また、本実施例によれば、切換弁100は、電磁ソレノイドSol.Rを有する電磁弁SRからの油圧信号PSRに基づいて前記第1位置と第2位置とに切り換えられるスプール弁子110を備えて、その電磁ソレノイドSol.Rがオフ状態であるときにその第1位置へ切り換えられ、その電磁ソレノイドSol.Rがオン状態であるときにその第2位置へ切り換えられるものであり、係合圧不足判定手段138(S1)は、電磁ソレノイドSol.R或いはそれを備えた電磁弁SRがオン状態に固定される故障、または切換弁100が第2位置に固定される故障を判定するものであることから、その電磁ソレノイドSol.R或いはそれを備えた電磁弁SRがオン状態に固定される故障、または異物の噛み込みなどにより切換弁100が第2位置に固定される故障時において、そのクラッチC1(油圧式摩擦係合装置)のスリップが抑制されるので、その耐久性が損なわれることがない。
【0039】
また、本実施例によれば、係合圧不足判定手段138(S1)により電磁ソレノイドSol.R、その電磁ソレノイドSol.Rを備えた電磁弁SR、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障が判定されてからの経過時間tELが予め設定された判定時間t1 を超えたか否かを判定する経過時間判定手段140(S2)を含み、油圧上昇手段142(S3)は、その経過時間判定手段140により電磁ソレノイドSol.R、その電磁ソレノイドSol.Rを備えた電磁弁SR、その電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられる切換弁100の故障が判定されてからの経過時間tELが予め設定された判定時間t1 を超えたことが判定されたことを条件として、リニヤソレノイド弁SL1からの制御油圧PSL1 を上昇させるものであることから、係合圧不足判定手段138による油圧不足判定が上記判定時間t1 以上持続するときにリニヤソレノイド弁SL1からの制御油圧PSL1 が上昇させられるので、係合圧不足判定手段138のノイズによる誤った油圧不足判定が除去される利点がある。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0041】
たとえば、前述の実施例において、切換弁100は、電磁ソレノイドSol.Rを備えた電磁弁SRから出力される信号圧PSRにしたがって切り換えられるものであったが、電磁ソレノイドSol.Rから出力される推力に基づいてスプール弁子110が直接切換駆動されるものであってもよい。
【0042】
また、前述の実施例の油圧上昇手段142は、油圧不足判定時においてリニヤソレノイド弁SL1から出力される制御油圧PSL1 をその最大値とするものであったが、必ずしもそのリニヤソレノイド弁SL1から出力される制御油圧PSL1 をその最大値とする必要はなく、クラッチC1の係合圧PC1がそのすべりが発生しない程度の値となるように上昇させるものであってもよい。
【0043】
また、前述の実施例において、電磁弁SRは、その励磁状態において信号圧PSRを出力するノルマリクローズ(常閉)型であったが、非励磁状態において信号圧PSRを出力するノルマリオープン(常開)型であっても差し支えない。この場合には、電磁弁SRがオフ状態に固定される故障、または切換弁100が第2位置に固定される故障時において、そのクラッチC1(油圧式摩擦係合装置)のスリップが抑制される。
【0044】
また、前述の図7のフローチャートにおいて、S1のタービン吹き判定は、毎回行われる必要はなく、そのタービン吹き判定が行われたときにそのタービン吹きを示すフラグをセットすることにより、それ以後の制御サイクルでは実行されなくてもよい。
【0045】
また、前述の図7のS2では、S1のタービン吹き判定からの経過時間tELが予め設定された判定値t1 を超えたことに基づいて所定時間の経過が判定されていたが、タービン吹き判定の回数が所定値を超えたことに基づいて所定時間の経過が判定されてもよい。
【0046】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用駆動装置を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立する変速段との関係を示す図である。
【図3】図1の車両用駆動装置が備えている制御系統の要部を説明するブロック線図である。
【図4】図3の自動変速機の変速を実行させるための変速用油圧制御回路の要部を説明する図である。
【図5】図3の電子制御装置が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図5の変速制御手段において、変速制御のために用いられる変速線図を例示する図である。
【図7】図3の電子制御装置が備えている制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図3の電子制御装置による制御作動の要部を説明するタイムチャートである。
【図9】従来の電子制御装置による制御作動の要部を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
16:自動変速機
110:スプール弁子
138:係合圧不足判定手段
140:経過時間判定手段
142:油圧上昇手段
C1:クラッチ(油圧式摩擦係合装置)
Sol.R:電磁ソレノイド
SL1:リニヤソレノイド弁

Claims (6)

  1. 油圧式摩擦係合装置と、電磁ソレノイドからの出力にしたがって、予め用意された第1油圧を該油圧式摩擦係合装置へ供給するための第1位置と所定期間においてリニヤソレノイド弁から該第1油圧よりも低くされた制御油圧を該油圧式摩擦係合装置へ供給するための第2位置とに切り換えられる切換弁とを備えた車両用自動変速機の制御装置であって、
    前記切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置にあるために前記油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足状態となったことを判定する係合圧不足判定手段と、
    該係合圧不足判定手段によって前記油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足状態であることが判定された場合には、前記リニヤソレノイド弁からの制御油圧を上昇させる油圧上昇手段と
    を、含むことを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 前記油圧上昇手段は、前記リニヤソレノイド弁からの制御油圧をその最大値とするものである請求項1の車両用自動変速機の制御装置。
  3. 前記係合圧不足判定手段は、前記摩擦係合装置の係合圧不足状態を、前記所定期間において発生する前記自動変速機の入力回転速度の吹き量に基づいて判定するものである請求項1または2の車両用自動変速機の制御装置。
  4. 前記切換弁は、前記電磁ソレノイドを有する電磁弁からの油圧信号に基づいて前記第1位置と第2位置とに切り換えられるスプール弁子を備え、該電磁ソレノイドがオフ状態であるときに前記第1位置へ切り換えられ、該電磁ソレノイドがオン状態であるときに前記第2位置へ切り換えられるものであり、
    前記係合圧不足判定手段は、前記電磁ソレノイドがオン状態に固定される故障、または前記切換弁が第2位置に固定される故障によって、前記切換弁が前記第1位置に切り換えられるべきときに第2位置にあるために、前記油圧式摩擦係合装置の係合圧が不足状態となったことを判定するものである請求項1乃至3のいずれかの車両用自動変速機の制御装置。
  5. 前記リニヤソレノイド弁は、アップ変速期間においてその変速のために係合させられる他の油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュムレータの背圧を制御するものであり、
    前記所定期間は、該アップ変速期間である請求項1乃至4のいずれかの車両用自動変速機の制御装置。
  6. 前記係合圧不足判定手段により前記油圧式摩擦係合装置の係合圧不足が判定されてからの経過時間が予め設定された判定時間を超えたか否かを判定する経過時間判定手段を含み、
    前記油圧上昇手段は、該経過時間判定手段により前記油圧式摩擦係合装置の係合圧不足が判定されてからの経過時間が予め設定された判定時間を超えたことが判定されたことを条件として、前記リニヤソレノイド弁からの制御油圧を上昇させるものである請求項1乃至5のいずれかの車両用自動変速機の制御装置。
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