JP2004058565A - ポリエステル系樹脂製容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面が光沢性半透明乳白色を呈し、優れた機械的強度を有するポリエステル系樹脂製容器の2軸延伸ブロー成形方法を提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレートと高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンなどのポリオレフインとを混合、分散、溶融した樹脂組成物でプリフォームを成形し、このプリフォームを延伸適温に軟化した状態で所定温度に加熱した成形金型内に挿入し、成形金型内でプリフォームをストレッチロッドおよび吹込気体で、所定の延伸倍率に2軸延伸ブロー成形する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレートと高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンなどのポリオレフインとを混合、分散、溶融した樹脂組成物でプリフォームを成形し、このプリフォームを延伸適温に軟化した状態で所定温度に加熱した成形金型内に挿入し、成形金型内でプリフォームをストレッチロッドおよび吹込気体で、所定の延伸倍率に2軸延伸ブロー成形する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光沢性半透明乳白色の外観を有するポリエステル系樹脂製容器の製造方法に関し、とりわけ、ポリエチレンテレフタレートにポリオレフィンを混合・分散させて2軸延伸ブロー成形をすることにより、光沢性半透明乳白色の外観を有し、かつ機械的強度に優れたポリエステル系樹脂製容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの原料樹脂からプリフォームあるいはパリソンなどの中間成形体を成形し、これをブロー成形したプラスチック製のボトルやカップなどの容器は、飲料水など液体用、食品や化粧品などの粘稠体用や調味料など微粉粒体用などとして広く使用されていることが知られている。
【0003】
これらプラスチック製の容器は、ポリエチレンテレフタレートや低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフインなどの原料樹脂を押出成形または射出成形してブロー成形用のプリフォームあるいはパリソンなどの中間成形体に成形し、これをブロー成形に適した温度の状態で成形金型内において、吹込気体を吹き込んで延伸する成形法、あるいはストレッチロッドと吹込気体とを用いて延伸する成形法などで成形されている。
【0004】
特に、透明性、機械的強度、外観や成形加工性の優れたポリエチレンテレフタレート製の容器は、これらの特性より液体用、粘稠体用、微粉粒体用など極めて広く用いられ、この容器の成形には、射出成形で得たプリフォームを延伸適温に加熱し、これを成形金型内に挿入し、ストレッチロッドで縦(軸)方向に、吹込気体で横(円周)方向に延伸する2軸延伸ブロー成形法が取られている。
【0005】
また、低密度ポリエチレン製の容器は、乳白色半透明で、柔軟性に富んでいることより比較的小型や中型の容器として使用され、高密度ポリエチレン製の容器は剛性に優れていることより小型から大型の容器まで広く使用され、またポリプロピレン製の容器は、軽量で、強度が高いことより同様に小型から大型の容器まで広く使用され、これらの容器は、一般的には、押出成形で得たプリフォームを成形金型内に挿入し、これに圧力気体を吹き込むブロー成形法が取られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの容器においては、装飾、識別や内容物の保護などの目的により、使用原料樹脂に顔料や染料などの着色剤を添加して、容器に透明性や半透明性を有した状態で着色を施すことが行われている。
【0007】
一般に、容器を着色剤を使用して着色する際、着色剤を添加する使用原料樹脂を主成分とし、この原料樹脂に着色剤を分散加工処理して得たマスターバッチを使用し、このマスターバッチの適量を原料樹脂に添加させて所望の着色を現出させることが取られている。
【0008】
しかし、これは着色剤の取扱性などは良好であるが、着色剤の種類によっては主成分とする使用原料樹脂との適合性に難を生じたり、価格が高くなったり、または着色の種類・程度によっては所望の着色を現出させ得ない場合がある。
【0009】
本発明は、ポリエチレンテレフタレートに、これとは性質の異なったポリオレフイン、好ましくは高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンを混合・分散させ、これを溶融させた樹脂組成物でプリフォームを成形し、そのプリフォームを縦方向および横方向に延伸する2軸延伸ブロー成形することにより、光沢性半透明乳白色(以下、パール状光沢という)の外観を有するポリエステル系樹脂製のボトルやカップなどの容器を得る方法である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとを混合・分散・溶融した樹脂組成物でプリフォームを成形し、このプリフォームを延仲通温に軟化した状態で成形金型内に挿入し、成形金型内でプリフォームをストレッチロッドおよび吹込気体で、所定の延伸倍率に2軸延伸ブロー成形して成形金型のキャビティに一致するまで膨出させることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、2層以上からなるポリエステル系樹脂製容器であって、少なくとも1層が、ポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとの樹脂組成物からなる層であることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレート80〜99.5重量%に対して高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンを0.5〜20重量%混合してあることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、延伸倍率が少なくとも縦延伸倍率で1.5倍以上3.5倍以下であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に関わるポリエステル系樹脂製容器の製造方法は、ポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとを混合、分散、溶融した樹脂組成物でプリフォームを成形し、このプリフォームを延伸適温に軟化した状態で成形金型内に挿入し、成形金型内でプリフォームをストレッチロッドおよび吹込気体で、所定の延伸倍率に2軸延伸ブロー成形して成形金型のキャビティに一致するまで膨出させることにより、パール状光沢の外観を有し、かつ機械的強度に優れたポリエステル系樹脂容器を製造できる。
【0015】
以下、本発明のポリエステル系樹脂製容器の製造方法の実施形態を具体的に説明する。
【0016】
すなわち、本発明に使用される樹脂組成物は、原料樹脂のポリエチレンテレフタレートと原料樹脂のポリオレフイン、中でも高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物とを混合し、分散し、溶融したものであって、ポリエチレンテレフタレート80〜99.5重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物0.5〜20重量%、好ましくはポリエチレンテレフタレート85〜98重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物2〜15重量%を混合し、分散し、溶融したものである。なお、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフインなどの原料樹脂は再生品であってもよい。
【0017】
本発明で使用されるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールとを主原料として製造されたポリエチレンテレフタレートであって、極限粘度(IV)0.7〜1.2、融点(Tm)210℃〜265℃、二次転移点温度(Tg)50℃〜120℃のものが使用される。なお、ポリエチレンテレフタレートには20モル%以下の例えばイソフタル酸などのジカルボン酸が共重合されてあってもよい。
【0018】
前記高密度ポリエチレンは、エチレンの単独重合体やエチレンと若干のα−オレフイン単量体との共重体などの高密度ポリエチレンであって、密度0.941〜0.965、融点(Tm)125℃〜135℃のものが使用される。
【0019】
前記ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体やプロピレンとエチレンまたは若干のα−オレフイン単量体との共重体などのポリプロピレンであって、密度0.90〜0.91、融点(Tm)135℃〜165℃のものが使用される。
【0020】
なお、これら樹脂組成物には、本発明の目的および効果を阻害しない範囲で必要に応じて、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤などの添加剤を添加してあってもよい。
【0021】
細粒状、粒状、細片状、片状の前記の樹脂組成物を通常の混合機で予め混合し、これを射出成形機または押出機で分散・溶融して有底状のプリフォームを成形し、このプリフォームを延伸適温に軟化した状態で所定温度の成形金型内で縦方向および横方向の2軸に機械的に延伸ブロー成形して、成形されたボトルに延伸方向に沿って分子配向を生じさせる。
【0022】
前記延伸ブロー成形は、有底状プリフォームを射出成形により成形し、プリフォームに一定の冷却時間をとった後、プリフォームを延伸適温にした状態で成形金型内に移動し、縦方向・横方向の2軸に延伸ブロー成形する方法である、いわゆるコールドパリソン法、あるいはプリフォームを射出成形後、冷却させることなく延伸適温に軟化状態で成形金型内に移動し、縦方向・横方向の2軸に延伸ブロー成形する方法や押出機よりパイプ状に押出したパリソンをブロー成形して、有底状パリソンに成形し、次いで延伸適温に軟化状態で成形金型内に移動し、縦方向・横方向の2軸に延伸ブロー成形する方法である、いわゆるホットパリソン法であっても良い。
【0023】
前記延伸ブロー成形は、ストレッチロッドおよび吹込気体を使用して成形金型内で、延伸適温のプリフォームに挿入したストレッチロッドにより縦方向に所定の延伸倍率だけ延伸すると共に、同時に吹込気体により横方向に所定の延伸倍率だけ延伸させる方法や、延伸適温のプリフォームを成形金型内で延伸ブロー成形し、次いで所定の金型温度例えば80〜140℃の成形金型で数秒間例えば1秒以上熱処理(ヒートセット)して容器の耐熱性を向上させる方法などである。
【0024】
これらの延伸ブロー成形により、所望のパール状光沢の外観を現出し、しかも好適な機械的強度などを有するポリエステル系樹脂製容器を得ることができる。
【0025】
本発明においては、原料樹脂のポリエチレンテレフタレートに原料樹脂のポリオレフイン、中でも高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物を混合・分散し、ポリエチレンテレフタレート80〜99.5重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物0.5〜20重量%、好ましくはポリエチレンテレフタレート85〜98重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物2〜15重量%の樹脂組成物からなる有底状のプリフォームを縦方向および横方向の2軸方向に延伸ブロー成形させる。
【0026】
ここで、ポリエチレンテレフタレートが80重量%より少ない場合にはポリエチレンテレフタレートが有している好適な機械的強度などを充分に現出することができなく、またポリオレフインの添加量が0.5重量%より少ない場合には満足するパール状光沢の外観が発現し得なく好ましいものではない。
【0027】
延伸ブロー成形は、プリフォームを2軸延伸ブロー成形前に、延伸適温であるポリエチレンテレフタレートの二次転移点温度以上融点以下、通常は90℃〜120℃に加熱・軟化した状態で所定温度の成形金型内に移動させ、プリフォームの開口部を除いて縦延伸倍率1.5倍〜3.5倍、好ましくは2倍〜3.2倍に、横延伸倍率1.5倍〜4倍、好ましくは2倍〜3.5倍に延伸ブロー成形することによってパール状光沢の外観が発現し、しかも好適な機械的強度などを有するポリエステル系樹脂製容器を得るものである。
【0028】
本発明によって、パール状光沢の外観が発現する理由は、原料樹脂のポリエチレンテレフタレートに、これとは性質の異なった原料樹脂であるポリオレフインを添加することにより、ポリエチレンテレフタレートがマトリックス樹脂となり、これにポリオレフインが非相溶の状態で分散し、これを機械的に延伸をかけるとプリフォームが延伸され、それによってポリエチレンテレフタレートとポリオレフインの界面に剥離が起こり、この界面に光が当たると、この界面で光が拡散することによりパール状光沢の外観が発現するものと推測される。
【0029】
したがって、ポリエチレンテレフタレートに対して添加するポリオレフインは、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、あるいは密度0.915〜0.929の低密度ポリエチレンや密度0.929〜0.941の中密度ポリエチレンの中から、これら原料樹脂がポリエチレンテレフタレートに対して非相溶の状態で分散し、これを機械的に延伸をかけると、ポリエチレンテレフタレートと添加した原料樹脂の界面に剥離が起こり光が拡散する現象を呈し、パール状光沢の外観を発現するものが適宜使用できると共に、これに合わせた添加重量%、成形温度や延伸倍率などの成形条件が選択できるものである。
【0030】
本発明のポリエステル系樹脂製容器においては、容器の構成層がポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとの樹脂組成物によって形成されていることが重要であるが、容器を単層で構成し、この層を前記樹脂組成物で形成してあってもよく、また、容器の使用目的によっては、複数層とし、外層、内層、あるいは中間層のいずれか1層あるいは複数層を前記の樹脂組成物で構成してあってもよい。
【0031】
なお、一般には、容器を単層で構成し、この層を前記樹脂組成物として、鮮やかなパール状光沢としたもの、あるいは容器を2層で構成し、外層側を前記樹脂組成物とし、内層側を単原料樹脂で形成してパール状光沢を際立たものや、内層側を前記樹脂組成物とし、外層側を単原料樹脂で形成してパール状光沢を押さえたものなどである。
【0032】
また、装飾や強度向上など必要に応じて容器の胴部などに各種形状の突状リブや突起あるいは凹溝が形成してあってもよい。
【0033】
【実施例】
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例1】
極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート97重量%に対して、密度0.951、メルトフローレート(MFR)0.3の高密度ポリエチレン3重量%を添加し、高速ミキサーで混合後、100ton射出成形機で全長100mm、直径24mm、肉厚3mm、口栓部を除いた高さ80mmの有底状プリフォームを得た。
【0035】
この有底状プリフォームを、一旦、常温まで冷却後、赤外線ヒータでプリフォーム胴部中央部の表面温度が100℃となるように加熱して、直ちに表面温度が60℃の成形金型内に挿入し、型締めした後、500mm長のストレッチロッドとエアー圧力30気圧の吹込気体とを併用して有底状プリフォームを縦延伸倍率2.3倍、横延伸倍率2.5倍の成形条件で、高さ210mm、胴部直径62mm、平均肉厚0.4mm、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0036】
このボトルを肉眼で観察したところ、胴部外表面は、ポリエチレンテレフタレート単体と同様の平滑面をしていると共に、優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
【0037】
また、成形したボトルからランダムにサンプルのボトルを採取し、ボトルに所定量の水を充填し栓体で密封し、このボトルを室温5℃で一昼夜放置した後、高さ1mから5回繰り返し落下させたが、破損などの異常は見られなかった。
【0038】
【実施例2】
実施例1において、極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート99重量%に対して、密度0.951、メルトフローレート(MFR)0.3の高密度ポリエチレン1重量%を添加し、実施例1と同様の有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例1と同様の成形条件で、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0039】
このボトルを肉眼で観察したところ、胴部外表面は、実施例1と同様の平滑面をしていると共に、実施例1のボトルに比較して若干透明性が高く、良好な光沢性を有した半透明乳白色のボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0040】
【実施例3】
実施例1において、極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート85重量%に対して、密度0.951、メルトフローレート(MFR)0.3の密度ポリエチレン15重量%を添加し、実施例1と同様の有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例1と同様の成形条件で、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0041】
このボトルを肉限で観察したところ、胴部外表面は、実施例1と同様の平滑面をしていると共に、実施例1のボトルに比較して若干透明性が低く、深みのある光沢性を有した半透明乳白色のボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0042】
【実施例4】
実施例1と同様の樹脂組成物を使用し、高速ミキサーで混合後、100ton射出成形機で全長80mm、直径20mm、肉厚3mm、口栓部を除いた高さ60mmの有底状プリフォームを得た。
【0043】
この有底状プリフォームを、一旦、常温まで冷却後、赤外線ヒータでプリフォーム胴部中央部の表面温度が100℃となるように加熱して、直ちに表面温度が60℃の成形金型内に挿入し、型締めした後500mm長のストレッチロッドとエアー圧力30気圧の吹込気体とを併用して有底状プリフォームを縦延伸倍率3.2倍、横延伸倍率3.1倍の成形条件で、実施例1と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0044】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0045】
【実施例5】
実施例1と同様の樹脂組成物を使用し、高速ミキサーで混合後、100ton射出成形機で全長120mm、直径31mm、肉厚3mm、口栓部を除いた高さ100mmの有底状プリフォームを得た。
【0046】
この有底状プリフォームを、一旦、常温まで冷却後、赤外線ヒータでプリフォーム胴部中央部の表面温度が100℃となるように加熱して、直ちに表面温度が60℃の成形金型内に挿入し、型締めした後500mm長のストレッチロッドとエアー圧力30気圧の吹込気体とを併用して有底状プリフォームを縦延伸倍率1.9倍、横延伸倍率2倍の成形条件で、実施例1と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0047】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0048】
【実施例6】
極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート97重量%に対して、密度0.90、メルトフローレート(MFR)2.5のポリプロピレン3重量%を添加し、実施例1と同様の成形条件で、実施例1と同様の口栓部を除いた高さ80mmの有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例1と同様の成形条件で、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0049】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0050】
【実施例7】
実施例6と同様の樹脂組成物を使用し、実施例4と同様の成形条件で、実施例4と同様の口栓部を除いた高さ60mmの有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例4と同様の成形条件で、実施例4と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0051】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0052】
【実施例8】
実施例6と同様の樹脂組成物を使用し、実施例5と同様の成形条件で、実施例5と同様の口栓部を除いた高さ100mmの有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例5と同様の成形条件で、実施例5と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0053】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、ポリエチレンテレフタレートにこれとは性質の異なったポリオレフンを混合、分散させ、これを溶融させた樹脂組成物でプリフォームを成形し、そのプリフォームを縦方向および横方向に延伸する2軸延伸ブロー成形することにより、平滑で、かつ光沢性半透明乳白色(パール状光沢)の外観を有し、しかも優れた機械的強度を奏するポリエステル系樹脂製容器が容易に成形できるものである。しかも特別な設備などを用いることなく比較的廉価な汎用樹脂を添加するので、製造コストの低減を図ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光沢性半透明乳白色の外観を有するポリエステル系樹脂製容器の製造方法に関し、とりわけ、ポリエチレンテレフタレートにポリオレフィンを混合・分散させて2軸延伸ブロー成形をすることにより、光沢性半透明乳白色の外観を有し、かつ機械的強度に優れたポリエステル系樹脂製容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの原料樹脂からプリフォームあるいはパリソンなどの中間成形体を成形し、これをブロー成形したプラスチック製のボトルやカップなどの容器は、飲料水など液体用、食品や化粧品などの粘稠体用や調味料など微粉粒体用などとして広く使用されていることが知られている。
【0003】
これらプラスチック製の容器は、ポリエチレンテレフタレートや低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフインなどの原料樹脂を押出成形または射出成形してブロー成形用のプリフォームあるいはパリソンなどの中間成形体に成形し、これをブロー成形に適した温度の状態で成形金型内において、吹込気体を吹き込んで延伸する成形法、あるいはストレッチロッドと吹込気体とを用いて延伸する成形法などで成形されている。
【0004】
特に、透明性、機械的強度、外観や成形加工性の優れたポリエチレンテレフタレート製の容器は、これらの特性より液体用、粘稠体用、微粉粒体用など極めて広く用いられ、この容器の成形には、射出成形で得たプリフォームを延伸適温に加熱し、これを成形金型内に挿入し、ストレッチロッドで縦(軸)方向に、吹込気体で横(円周)方向に延伸する2軸延伸ブロー成形法が取られている。
【0005】
また、低密度ポリエチレン製の容器は、乳白色半透明で、柔軟性に富んでいることより比較的小型や中型の容器として使用され、高密度ポリエチレン製の容器は剛性に優れていることより小型から大型の容器まで広く使用され、またポリプロピレン製の容器は、軽量で、強度が高いことより同様に小型から大型の容器まで広く使用され、これらの容器は、一般的には、押出成形で得たプリフォームを成形金型内に挿入し、これに圧力気体を吹き込むブロー成形法が取られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの容器においては、装飾、識別や内容物の保護などの目的により、使用原料樹脂に顔料や染料などの着色剤を添加して、容器に透明性や半透明性を有した状態で着色を施すことが行われている。
【0007】
一般に、容器を着色剤を使用して着色する際、着色剤を添加する使用原料樹脂を主成分とし、この原料樹脂に着色剤を分散加工処理して得たマスターバッチを使用し、このマスターバッチの適量を原料樹脂に添加させて所望の着色を現出させることが取られている。
【0008】
しかし、これは着色剤の取扱性などは良好であるが、着色剤の種類によっては主成分とする使用原料樹脂との適合性に難を生じたり、価格が高くなったり、または着色の種類・程度によっては所望の着色を現出させ得ない場合がある。
【0009】
本発明は、ポリエチレンテレフタレートに、これとは性質の異なったポリオレフイン、好ましくは高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンを混合・分散させ、これを溶融させた樹脂組成物でプリフォームを成形し、そのプリフォームを縦方向および横方向に延伸する2軸延伸ブロー成形することにより、光沢性半透明乳白色(以下、パール状光沢という)の外観を有するポリエステル系樹脂製のボトルやカップなどの容器を得る方法である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとを混合・分散・溶融した樹脂組成物でプリフォームを成形し、このプリフォームを延仲通温に軟化した状態で成形金型内に挿入し、成形金型内でプリフォームをストレッチロッドおよび吹込気体で、所定の延伸倍率に2軸延伸ブロー成形して成形金型のキャビティに一致するまで膨出させることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、2層以上からなるポリエステル系樹脂製容器であって、少なくとも1層が、ポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとの樹脂組成物からなる層であることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレート80〜99.5重量%に対して高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンを0.5〜20重量%混合してあることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、延伸倍率が少なくとも縦延伸倍率で1.5倍以上3.5倍以下であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に関わるポリエステル系樹脂製容器の製造方法は、ポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとを混合、分散、溶融した樹脂組成物でプリフォームを成形し、このプリフォームを延伸適温に軟化した状態で成形金型内に挿入し、成形金型内でプリフォームをストレッチロッドおよび吹込気体で、所定の延伸倍率に2軸延伸ブロー成形して成形金型のキャビティに一致するまで膨出させることにより、パール状光沢の外観を有し、かつ機械的強度に優れたポリエステル系樹脂容器を製造できる。
【0015】
以下、本発明のポリエステル系樹脂製容器の製造方法の実施形態を具体的に説明する。
【0016】
すなわち、本発明に使用される樹脂組成物は、原料樹脂のポリエチレンテレフタレートと原料樹脂のポリオレフイン、中でも高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物とを混合し、分散し、溶融したものであって、ポリエチレンテレフタレート80〜99.5重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物0.5〜20重量%、好ましくはポリエチレンテレフタレート85〜98重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物2〜15重量%を混合し、分散し、溶融したものである。なお、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフインなどの原料樹脂は再生品であってもよい。
【0017】
本発明で使用されるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールとを主原料として製造されたポリエチレンテレフタレートであって、極限粘度(IV)0.7〜1.2、融点(Tm)210℃〜265℃、二次転移点温度(Tg)50℃〜120℃のものが使用される。なお、ポリエチレンテレフタレートには20モル%以下の例えばイソフタル酸などのジカルボン酸が共重合されてあってもよい。
【0018】
前記高密度ポリエチレンは、エチレンの単独重合体やエチレンと若干のα−オレフイン単量体との共重体などの高密度ポリエチレンであって、密度0.941〜0.965、融点(Tm)125℃〜135℃のものが使用される。
【0019】
前記ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体やプロピレンとエチレンまたは若干のα−オレフイン単量体との共重体などのポリプロピレンであって、密度0.90〜0.91、融点(Tm)135℃〜165℃のものが使用される。
【0020】
なお、これら樹脂組成物には、本発明の目的および効果を阻害しない範囲で必要に応じて、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤などの添加剤を添加してあってもよい。
【0021】
細粒状、粒状、細片状、片状の前記の樹脂組成物を通常の混合機で予め混合し、これを射出成形機または押出機で分散・溶融して有底状のプリフォームを成形し、このプリフォームを延伸適温に軟化した状態で所定温度の成形金型内で縦方向および横方向の2軸に機械的に延伸ブロー成形して、成形されたボトルに延伸方向に沿って分子配向を生じさせる。
【0022】
前記延伸ブロー成形は、有底状プリフォームを射出成形により成形し、プリフォームに一定の冷却時間をとった後、プリフォームを延伸適温にした状態で成形金型内に移動し、縦方向・横方向の2軸に延伸ブロー成形する方法である、いわゆるコールドパリソン法、あるいはプリフォームを射出成形後、冷却させることなく延伸適温に軟化状態で成形金型内に移動し、縦方向・横方向の2軸に延伸ブロー成形する方法や押出機よりパイプ状に押出したパリソンをブロー成形して、有底状パリソンに成形し、次いで延伸適温に軟化状態で成形金型内に移動し、縦方向・横方向の2軸に延伸ブロー成形する方法である、いわゆるホットパリソン法であっても良い。
【0023】
前記延伸ブロー成形は、ストレッチロッドおよび吹込気体を使用して成形金型内で、延伸適温のプリフォームに挿入したストレッチロッドにより縦方向に所定の延伸倍率だけ延伸すると共に、同時に吹込気体により横方向に所定の延伸倍率だけ延伸させる方法や、延伸適温のプリフォームを成形金型内で延伸ブロー成形し、次いで所定の金型温度例えば80〜140℃の成形金型で数秒間例えば1秒以上熱処理(ヒートセット)して容器の耐熱性を向上させる方法などである。
【0024】
これらの延伸ブロー成形により、所望のパール状光沢の外観を現出し、しかも好適な機械的強度などを有するポリエステル系樹脂製容器を得ることができる。
【0025】
本発明においては、原料樹脂のポリエチレンテレフタレートに原料樹脂のポリオレフイン、中でも高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物を混合・分散し、ポリエチレンテレフタレート80〜99.5重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物0.5〜20重量%、好ましくはポリエチレンテレフタレート85〜98重量%に高密度ポリエチレンやポリプロピレンの単独体あるいはこれらのブレンド物2〜15重量%の樹脂組成物からなる有底状のプリフォームを縦方向および横方向の2軸方向に延伸ブロー成形させる。
【0026】
ここで、ポリエチレンテレフタレートが80重量%より少ない場合にはポリエチレンテレフタレートが有している好適な機械的強度などを充分に現出することができなく、またポリオレフインの添加量が0.5重量%より少ない場合には満足するパール状光沢の外観が発現し得なく好ましいものではない。
【0027】
延伸ブロー成形は、プリフォームを2軸延伸ブロー成形前に、延伸適温であるポリエチレンテレフタレートの二次転移点温度以上融点以下、通常は90℃〜120℃に加熱・軟化した状態で所定温度の成形金型内に移動させ、プリフォームの開口部を除いて縦延伸倍率1.5倍〜3.5倍、好ましくは2倍〜3.2倍に、横延伸倍率1.5倍〜4倍、好ましくは2倍〜3.5倍に延伸ブロー成形することによってパール状光沢の外観が発現し、しかも好適な機械的強度などを有するポリエステル系樹脂製容器を得るものである。
【0028】
本発明によって、パール状光沢の外観が発現する理由は、原料樹脂のポリエチレンテレフタレートに、これとは性質の異なった原料樹脂であるポリオレフインを添加することにより、ポリエチレンテレフタレートがマトリックス樹脂となり、これにポリオレフインが非相溶の状態で分散し、これを機械的に延伸をかけるとプリフォームが延伸され、それによってポリエチレンテレフタレートとポリオレフインの界面に剥離が起こり、この界面に光が当たると、この界面で光が拡散することによりパール状光沢の外観が発現するものと推測される。
【0029】
したがって、ポリエチレンテレフタレートに対して添加するポリオレフインは、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、あるいは密度0.915〜0.929の低密度ポリエチレンや密度0.929〜0.941の中密度ポリエチレンの中から、これら原料樹脂がポリエチレンテレフタレートに対して非相溶の状態で分散し、これを機械的に延伸をかけると、ポリエチレンテレフタレートと添加した原料樹脂の界面に剥離が起こり光が拡散する現象を呈し、パール状光沢の外観を発現するものが適宜使用できると共に、これに合わせた添加重量%、成形温度や延伸倍率などの成形条件が選択できるものである。
【0030】
本発明のポリエステル系樹脂製容器においては、容器の構成層がポリエチレンテレフタレートとポリオレフインとの樹脂組成物によって形成されていることが重要であるが、容器を単層で構成し、この層を前記樹脂組成物で形成してあってもよく、また、容器の使用目的によっては、複数層とし、外層、内層、あるいは中間層のいずれか1層あるいは複数層を前記の樹脂組成物で構成してあってもよい。
【0031】
なお、一般には、容器を単層で構成し、この層を前記樹脂組成物として、鮮やかなパール状光沢としたもの、あるいは容器を2層で構成し、外層側を前記樹脂組成物とし、内層側を単原料樹脂で形成してパール状光沢を際立たものや、内層側を前記樹脂組成物とし、外層側を単原料樹脂で形成してパール状光沢を押さえたものなどである。
【0032】
また、装飾や強度向上など必要に応じて容器の胴部などに各種形状の突状リブや突起あるいは凹溝が形成してあってもよい。
【0033】
【実施例】
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例1】
極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート97重量%に対して、密度0.951、メルトフローレート(MFR)0.3の高密度ポリエチレン3重量%を添加し、高速ミキサーで混合後、100ton射出成形機で全長100mm、直径24mm、肉厚3mm、口栓部を除いた高さ80mmの有底状プリフォームを得た。
【0035】
この有底状プリフォームを、一旦、常温まで冷却後、赤外線ヒータでプリフォーム胴部中央部の表面温度が100℃となるように加熱して、直ちに表面温度が60℃の成形金型内に挿入し、型締めした後、500mm長のストレッチロッドとエアー圧力30気圧の吹込気体とを併用して有底状プリフォームを縦延伸倍率2.3倍、横延伸倍率2.5倍の成形条件で、高さ210mm、胴部直径62mm、平均肉厚0.4mm、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0036】
このボトルを肉眼で観察したところ、胴部外表面は、ポリエチレンテレフタレート単体と同様の平滑面をしていると共に、優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
【0037】
また、成形したボトルからランダムにサンプルのボトルを採取し、ボトルに所定量の水を充填し栓体で密封し、このボトルを室温5℃で一昼夜放置した後、高さ1mから5回繰り返し落下させたが、破損などの異常は見られなかった。
【0038】
【実施例2】
実施例1において、極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート99重量%に対して、密度0.951、メルトフローレート(MFR)0.3の高密度ポリエチレン1重量%を添加し、実施例1と同様の有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例1と同様の成形条件で、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0039】
このボトルを肉眼で観察したところ、胴部外表面は、実施例1と同様の平滑面をしていると共に、実施例1のボトルに比較して若干透明性が高く、良好な光沢性を有した半透明乳白色のボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0040】
【実施例3】
実施例1において、極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート85重量%に対して、密度0.951、メルトフローレート(MFR)0.3の密度ポリエチレン15重量%を添加し、実施例1と同様の有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例1と同様の成形条件で、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0041】
このボトルを肉限で観察したところ、胴部外表面は、実施例1と同様の平滑面をしていると共に、実施例1のボトルに比較して若干透明性が低く、深みのある光沢性を有した半透明乳白色のボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0042】
【実施例4】
実施例1と同様の樹脂組成物を使用し、高速ミキサーで混合後、100ton射出成形機で全長80mm、直径20mm、肉厚3mm、口栓部を除いた高さ60mmの有底状プリフォームを得た。
【0043】
この有底状プリフォームを、一旦、常温まで冷却後、赤外線ヒータでプリフォーム胴部中央部の表面温度が100℃となるように加熱して、直ちに表面温度が60℃の成形金型内に挿入し、型締めした後500mm長のストレッチロッドとエアー圧力30気圧の吹込気体とを併用して有底状プリフォームを縦延伸倍率3.2倍、横延伸倍率3.1倍の成形条件で、実施例1と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0044】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0045】
【実施例5】
実施例1と同様の樹脂組成物を使用し、高速ミキサーで混合後、100ton射出成形機で全長120mm、直径31mm、肉厚3mm、口栓部を除いた高さ100mmの有底状プリフォームを得た。
【0046】
この有底状プリフォームを、一旦、常温まで冷却後、赤外線ヒータでプリフォーム胴部中央部の表面温度が100℃となるように加熱して、直ちに表面温度が60℃の成形金型内に挿入し、型締めした後500mm長のストレッチロッドとエアー圧力30気圧の吹込気体とを併用して有底状プリフォームを縦延伸倍率1.9倍、横延伸倍率2倍の成形条件で、実施例1と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0047】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0048】
【実施例6】
極限粘度(IV)0.75のポリエチレンテレフタレート97重量%に対して、密度0.90、メルトフローレート(MFR)2.5のポリプロピレン3重量%を添加し、実施例1と同様の成形条件で、実施例1と同様の口栓部を除いた高さ80mmの有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例1と同様の成形条件で、内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0049】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0050】
【実施例7】
実施例6と同様の樹脂組成物を使用し、実施例4と同様の成形条件で、実施例4と同様の口栓部を除いた高さ60mmの有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例4と同様の成形条件で、実施例4と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0051】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0052】
【実施例8】
実施例6と同様の樹脂組成物を使用し、実施例5と同様の成形条件で、実施例5と同様の口栓部を除いた高さ100mmの有底状プリフォームを得た。
このプリフォームより実施例5と同様の成形条件で、実施例5と同様の内容積500mlの口栓部付き丸型ボトルを得た。
【0053】
このボトルを肉眼で観察したところ、実施例1と同様良好な平滑面と優れた光沢性を有した半透明乳白色をしたボトルであった。
また、実施例1と同様の方法で落下試験を行ったが、破損などの異常は見られなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、ポリエチレンテレフタレートにこれとは性質の異なったポリオレフンを混合、分散させ、これを溶融させた樹脂組成物でプリフォームを成形し、そのプリフォームを縦方向および横方向に延伸する2軸延伸ブロー成形することにより、平滑で、かつ光沢性半透明乳白色(パール状光沢)の外観を有し、しかも優れた機械的強度を奏するポリエステル系樹脂製容器が容易に成形できるものである。しかも特別な設備などを用いることなく比較的廉価な汎用樹脂を添加するので、製造コストの低減を図ることができる。
Claims (4)
- ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとを混合・分散・溶融した樹脂組成物でプリフォームを成形し、このプリフォームを延伸適温に軟化した状態で成形金型内に挿入し、成形金型内でプリフォームをストレッチロッドおよび吹込気体で、所定の延伸倍率に2軸延伸ブロー成形して成形金型のキャビティに一致するまで膨出させることを特徴とするポリエステル系樹脂製容器の製造方法。
- 2層以上からなるポリエステル系樹脂製容器であって、少なくとも1層が、ポリエチレンテレフタレートとポリオレフィンとの樹脂組成物からなる層であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル系樹脂製容器の製造方法。
- 樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレート80〜99.5重量%に対して高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンを0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル系樹脂製容器の製造方法。
- 延伸倍率が、少なくとも縦延伸倍率で1.5倍以上3.5倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系樹脂製容器の製造方法。
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