JP2004057808A - アンダーパンツ - Google Patents
アンダーパンツ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004057808A JP2004057808A JP2003145378A JP2003145378A JP2004057808A JP 2004057808 A JP2004057808 A JP 2004057808A JP 2003145378 A JP2003145378 A JP 2003145378A JP 2003145378 A JP2003145378 A JP 2003145378A JP 2004057808 A JP2004057808 A JP 2004057808A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- type
- underpants
- yarn
- underpants according
- knit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 claims abstract description 95
- 210000003205 muscle Anatomy 0.000 claims abstract description 26
- 210000003041 ligament Anatomy 0.000 claims abstract description 14
- 241000489861 Maximus Species 0.000 claims abstract description 13
- 239000004744 fabric Substances 0.000 claims description 58
- 238000009940 knitting Methods 0.000 claims description 22
- 210000003127 knee Anatomy 0.000 claims description 12
- 229920000728 polyester Polymers 0.000 claims description 12
- 238000009958 sewing Methods 0.000 claims description 12
- 239000002759 woven fabric Substances 0.000 claims description 10
- 229920002635 polyurethane Polymers 0.000 claims description 9
- 239000004814 polyurethane Substances 0.000 claims description 9
- 229920001778 nylon Polymers 0.000 claims description 6
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 5
- 210000003423 ankle Anatomy 0.000 claims description 4
- 230000005484 gravity Effects 0.000 abstract description 15
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 abstract description 12
- 238000009499 grossing Methods 0.000 abstract description 3
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 abstract 1
- 230000003068 static effect Effects 0.000 abstract 1
- 210000000689 upper leg Anatomy 0.000 description 25
- 210000001624 hip Anatomy 0.000 description 16
- 238000000034 method Methods 0.000 description 11
- 210000002414 leg Anatomy 0.000 description 7
- 230000006870 function Effects 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 210000003195 fascia Anatomy 0.000 description 4
- 230000035939 shock Effects 0.000 description 4
- 210000004439 collateral ligament Anatomy 0.000 description 3
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 3
- 210000001503 joint Anatomy 0.000 description 3
- 210000000629 knee joint Anatomy 0.000 description 3
- 210000003141 lower extremity Anatomy 0.000 description 3
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 3
- 230000001681 protective effect Effects 0.000 description 3
- 239000004677 Nylon Substances 0.000 description 2
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 2
- 210000001217 buttock Anatomy 0.000 description 2
- 230000008859 change Effects 0.000 description 2
- 230000002860 competitive effect Effects 0.000 description 2
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 2
- 230000007123 defense Effects 0.000 description 2
- 210000000527 greater trochanter Anatomy 0.000 description 2
- 210000004394 hip joint Anatomy 0.000 description 2
- 238000009964 serging Methods 0.000 description 2
- 230000037380 skin damage Effects 0.000 description 2
- 229920000742 Cotton Polymers 0.000 description 1
- 235000009854 Cucurbita moschata Nutrition 0.000 description 1
- 240000001980 Cucurbita pepo Species 0.000 description 1
- 235000009852 Cucurbita pepo Nutrition 0.000 description 1
- 229920005830 Polyurethane Foam Polymers 0.000 description 1
- 210000001015 abdomen Anatomy 0.000 description 1
- 210000001361 achilles tendon Anatomy 0.000 description 1
- 230000000386 athletic effect Effects 0.000 description 1
- 230000037237 body shape Effects 0.000 description 1
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 1
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 230000018109 developmental process Effects 0.000 description 1
- BXKDSDJJOVIHMX-UHFFFAOYSA-N edrophonium chloride Chemical compound [Cl-].CC[N+](C)(C)C1=CC=CC(O)=C1 BXKDSDJJOVIHMX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920001971 elastomer Polymers 0.000 description 1
- 210000003414 extremity Anatomy 0.000 description 1
- 239000003292 glue Substances 0.000 description 1
- 230000012447 hatching Effects 0.000 description 1
- 238000007731 hot pressing Methods 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 238000000691 measurement method Methods 0.000 description 1
- 230000007659 motor function Effects 0.000 description 1
- 210000004417 patella Anatomy 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 239000012466 permeate Substances 0.000 description 1
- 239000011496 polyurethane foam Substances 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 239000000047 product Substances 0.000 description 1
- 235000020354 squash Nutrition 0.000 description 1
- 230000035900 sweating Effects 0.000 description 1
- 210000002435 tendon Anatomy 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
Abstract
【解決手段】主構成部分がストレッチ素材で形成され、着用者の下半身の表面にほぼ密着した状態で着用され、第1の種類の素材及び第2の種類の素材を含むアンダーパンツであって、第1の種類の素材の緊締力は第2の種類の素材の緊締力よりも強く、第1の種類の素材は少なくとも大臀筋の一部、中臀筋の一部、大腿筋膜張筋の一部及び腸脛靭帯の一部を宛がう領域(17,18)を含む位置に配置され、第2の種類の素材は第1の種類の素材を配置した領域以外の領域(12,13,14,15a)に配置されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着用者の下半身の表面にほぼ密着した状態で着用されるアンダーパンツに関するものであり、特に野球用スライディングパンツにおいて、野球の動きで重要な守備、打撃時等の静止状態から走行状態等の動的状態に移るときの動きをスムーズに行ない易くし、運動時に重心のばらつきを抑制するアンダーパンツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
野球用スライディングパンツは、外衣であるユニフォームパンツの内側に着用するもので、従来はスライディング時の衝撃吸収あるいはユニフォームパンツ破損時における下腿の皮膚損傷防止を目的としたものであった。よって、臀部等にポリウレタンフォームを配したり、綿入りキルティング生地を配したりしていた。ところが、破損しにくいユニフォームパンツ素材の開発や衝撃吸収パッドをユニフォームパンツの内、外に装着するようになるにつれて、スライディングパンツ着用の目的が衝撃吸収や下腿の皮膚損傷防御から運動機能性の向上や筋肉、関節の保護が目的となるように変化してきた。使用する生地も衝撃吸収性の良いものから伸縮性の良いものに変わってきている。衣服形状もゆとり率の大きいものからゆとり率が小さく、着用者の下半身の表面にほぼ密着したフィット性の良い形状に変わってきている。なかには、スライディングパンツの全部、もしくは一部を構成する素材の軽量性、伸縮性を強調して、運動時の機能性向上をうたったものもあるが、それらは使用生地の軽量感、伸縮性のみに頼ったもので、着用者の運動を積極的に補助するものではなかった。
【0003】
また、野球用のスライディングパンツのみならず、運動機能性向上、筋肉、関節の保護を目的とした種々のタイツ、スパッツが知られている。
【0004】
下記特許文献1の下肢部保護衣料は、少なくとも、膝蓋部を越える程度の長さの脚部を持つ下半身部を有する、伸縮性生地からなる衣料であって、前記衣料は部分的に緊締力の強い部分を有しており、前記緊締力の強い部分として少なくとも大転子上方から大転子を通り、さらに大腿二頭筋をサポートするために大腿二頭筋と腸脛靭帯との境界近傍上を通って、大腿二頭筋の筋腹を横切らずに大腿二頭筋の筋腹の下方の腱部分近傍を斜め方向に横切って脛骨上端近傍に至る強緊締力部を備えた下肢部保護衣料である。この下肢部保護衣料は野球、ラグビー、サッカー等さまざまなスポーツの競技時の下腿部保護ができ、特に大腿部後面の筋肉であるハムストリングスをサポートすることで筋肉のバランスを保つとともに、膝関節及び股関節全体の保護と動きの援助を行うことを目的としている。
【0005】
下記特許文献2の下衣は、構成する前部分、後部分、外側部分、後腰部持出し部分、内側部分を運動形態に適応するパターンとし、外側部分および前部分の外面側に外膝部をサポートする外膝サポート部分縫合し、内側部分および前部分の外側に内膝部をサポートする内膝サポート部分を縫合し、これら両サポート部分の先端間に間隙を設け、前部分、後部分および内側部分を通常の伸縮率を有するトリコット編みの布地で形成し、外側部分、後腰部持出し部分および両サポート部分を前部分等よりも伸びが大きいトリコット編みの強伸縮布地で形成した下衣である。この下衣は、運動形態に対して充分な適応性を有する構造とすることができ、圧迫や引きつれを生じることなく、腰と脚との相互運動を補強することができ、両サポート部分によって膝関節の内側側副靭帯および外側側副靭帯をサポートすることができる。
【0006】
下記特許文献3のテーピング機能タイツは、体側該当部と膝部内側該当部に、高伸縮強度を持った素材からなる脇側部材と内側部材を切り替え配置し、脇側部材と内側部材を膝位置の下方で山形に対向して頂部を突き合わせ縫合連結して膝部テーピング構造を構成し、下腿部の脹ら脛位置下方位置両側に、高伸縮強度を持った素材からなる脹ら脛部材を切り替え配置し、両脹ら脛部材を脹ら脛位置の下方で近接対向して脹ら脛部テーピング構造を構成し、スポーツテーピング機能を持たせたことを特徴とするものである。
【0007】
【特許文献1】
特許第3012819号公報
【0008】
【特許文献2】
特許第3241608号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平11−12814号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1の下肢部保護衣料は、大腿部後面の筋肉であるハムストリングスをサポートすることで筋肉のバランスを保つとともに、膝関節及び股関節全体の保護と動きの援助を行うことが主たる目的であり、前記特許文献2の下衣は、腰と脚との相互運動を補強し、両サポート部分によって膝関節の内側側副靭帯および外側側副靭帯をサポートすることが主たる目的であり、前記特許文献3のテーピング機能タイツは、スポーツテーピングにおける大腿部じん帯、脹ら脛じん帯及びアキレス腱の保護と同様の作用を有する。
【0011】
これらは、運動時の腰、関節保護、素材の配置方法による運動支援を目的としているが、下腿部の特に脚を動かしやすくする機能を有し、野球の動きで特に重要な守備、打撃時等の静止状態から走行状態等の動的状態に移るときの動きをスムーズにする機能および運動時に重心のばらつきを抑制する機能は有してはいない。
【0012】
本発明は、部位によって緊締力の異なる素材を配置することで、静止状態から走行状態等の動的状態に移るときの動きをスムーズにし、運動時に重心のばらつきを抑制することができるアンダーパンツを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明のアンダーパンツは、主構成部分がストレッチ素材で形成され、着用者の下半身の表面にほぼ密着した状態で着用される、第1の種類の素材及び第2の種類の素材を含むアンダーパンツであって、
前記第1の種類の素材の緊締力は前記第2の種類の素材の緊締力よりも強く、
前記第1の種類の素材は、少なくとも大臀筋の一部、中臀筋の一部、大腿筋膜張筋の一部及び腸脛靭帯の一部を宛がう領域を含む位置に配置され、
前記第2の種類の素材は、前記第1の種類の素材を配置した領域以外の領域に配置されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
野球ゲームにおいて、守備、打撃時等の静止状態から走行状態等の動的状態に移るときの動きをスムーズにするためには、臀部、左右腰部から大腿部側部に常に圧力がかかっている状態、すなわち図3Aおよび図3Bに示す大臀筋70、中臀筋71、大腿筋膜張筋72および腸脛靭帯上部73の領域を常に後から押しているような状態をアンダーパンツにて再現することが重要である。それはアンダーパンツにおいて前記大臀筋70、中臀筋71、大腿筋膜張筋72および腸脛靭帯上部73領域に強い力でないと伸長しない生地(以下、本発明では「強緊締素材」という。)を配置することで実現される。前記の領域にパワーの強い生地素材を配置することで、守備時の中腰の姿勢、或いは打撃時の若干の中腰の姿勢で前記部位の生地が伸長した際に、皮膚への圧力が強くなり、常に後から押している状態、すなわち圧力を受けている状態を再現することができる。また、体の表面側から体の中心方向へ圧力を感じることで運動時の重心のばらつきを抑制することが容易になり競技力の向上にもつながる。
【0015】
また、アンダーパンツにおいて大内転筋上部74に強緊締素材を配置すれば、内股後方部にも圧力がかかり、後から押している状態をさらに強めることができるのと同時に、重心軸に近いこの部分に圧力を感じることで重心を意識しやすくなり、運動時の重心のばらつきをさらに抑制することができる。
【0016】
本発明に係るアンダーパンツでは前記のように、大臀筋70、中臀筋71、大腿筋膜張筋72、腸脛靭帯上部73および大内転筋上部74の領域には第1の種類の生地素材、すなわち強緊締素材を配置し、その他の領域には、中くらい以下の力で伸長する第2の種類の生地素材(以下、「弱緊締素材」ともいう。)を配置することで、前記説明したとおり運動機能を積極的に向上させることが可能になる。この作用は、着用者の下半身の表面にほぼ密着した状態で着用されることにより、発揮できる。
【0017】
本発明において、「ほぼ密着」の状態を作るには、人体の裸のサイズに対して、周囲方向は50%以上110%以下、さらに好ましくは70%以上95%以下、丈は75%以上100%以下、さらに好ましくは85%以上100%以下としてアンダーパンツを形成する。もちろん人体のサイズは個人差があるので、前記の比率は目安である。
【0018】
本発明において、「主構成部分」とは、アンダーパンツを構成する主要な生地部、すなわち、腰部と少なくとも大腿部を覆う生地をいう。また、強緊締素材は、少なくとも大臀筋の一部、中臀筋の一部、大腿筋膜張筋の一部及び腸脛靭帯の一部を宛がう領域を含む位置に配置されるが、それぞれの筋肉の全部を宛がう領域に配置されても良い。
【0019】
前記アンダーパンツは膝上、膝下または足首まで覆うように形成されていてもよい。膝下または足首まで覆う場合、これらの生地は必要に応じて強緊締素材及び弱緊締素材を任意に配置する。
【0020】
前記強緊締素材及び弱緊締素材は、縫製によって一体化されていることが好ましい。しかし、緯編物の場合は、後に説明するように一体編成することもできる。
【0021】
本発明の強緊締素材及び弱緊締素材は、ストレッチ素材であり、5cm幅における17.7N(1500gf)加重時の伸長率が、強緊締素材の値をA、弱緊締素材の値をBとしたとき、A,Bともに50%以上であることが好ましい。また、5cm幅における4.9N(500gf)加重時の伸長率が、強緊締素材は20%以上50%未満の範囲、弱緊締素材は50%以上の範囲であることが好ましい。このような各部分のストレッチ特性を出すためには、後に説明するように、例えば弾性糸を編物又は織物の構成糸に用いた場合、一例として次のような手段を取ることができる。
(1)強緊締素材には弱緊締素材に比べて、弾性糸の構成比率を高くする。
(2)強緊締素材には弱緊締素材に比べて、弾性糸の繊度を太くする。
(3)強緊締素材には弱緊締素材に比べて、織物の場合は経糸及び/又は緯糸密度を高くし、編み物の場合は編み密度を高くする。
(4)強緊締素材には弱緊締素材に比べて、弾性糸の張力を高くして織物または編物を製造する。
(5)強緊締素材には弱緊締素材に比べて、生地の厚さを厚くして織物または編物を製造する。
【0022】
本発明のストレッチ素材は、縦方向及び横方向に伸縮する2ウェイストレッチ編物及び2ウェイストレッチ織物から選ばれる少なくとも一つの布帛であることが好ましい。
【0023】
前記2ウェイストレッチ編物又は織物は、ポリエステル繊維糸と弾性糸とを主成分構成糸とするか、またはナイロン繊維糸と弾性糸とを主成分構成糸としてもよい。ここで、主成分構成糸とは、両成分を合計すると80重量%以上になることをいう。ポリエステル繊維糸を用いた場合は、汗をかいても乾き易い。ナイロン繊維糸を用いた場合は、軟らかなタッチの編物となる。
【0024】
前記編物又は織物の組織はどのようなものであっても良い。織物としては一般的に良く知られている平織、斜文織、朱子織の3原組織の他、変化織であってもよい。また、編物として一般的に良く知られているラッセル経編機によって編成される編物、トリコット経編機によって編成される編物及びニット緯編み機によって編成される編物等であっても良い。例えば、トリコット経編機によって編成されるハーフ組織の編物やラッセル経編機によって編成されるパワーネット組織の編物等を挙げることができる。ニット緯編物としては、例えば平編(天竺編)、ゴム編、パール編、スムース編(両面編)等どのような組織でも良い。また、ニット緯編み機によって編成される編物は、丸編機又は横編機によって編成される編物であっても良い。なお、緯編ニットの場合は、縫製を必要としないで、一体化編成することも可能である。この編み機は、日本の島精機製作所の“ホールガーメント”という装置があり、これを用いて腰部と両脚部を同時に編成し、無縫製ニット製品を製造できる。
【0025】
さらに、イタリアのサントニ(SANTONI)社のフルコンピュータ制御の“シームレス・ボディ・インナー編み機”と呼ばれる装置で強緊締素材及び弱緊締素材の組み合わせをシームレスで筒状に編成し、下腹部及び脚部とすることも可能である。
【0026】
前記織物または編物は、ポリウレタン糸等の伸縮性を有する弾性糸を少なくとも一部に使用しているものが好ましい。
【0027】
前記弾性糸は、ポリウレタン系弾性糸及びポリエステル系弾性糸から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。ストレッチ性が高く、スポーツ衣料に適しているからである。前記弾性糸は、ベアヤーン(裸糸)又は表面にポリエステル繊維もしくはナイロン繊維が被覆されたカバードヤーンのどちらでも良い。
【0028】
本発明のアンダーパンツは、野球のユニフォームの下に着るパンツに好適である。
【0029】
高捲縮仮撚加工を施して伸縮性を持たせたポリエステル、ナイロン等の高捲縮仮撚加工糸を生地の少なくとも一部あるいは全部に使用した生地も可能である。また、単純に前記伸縮性のあるニットを複数枚数重ねて使用することも可能である。更に、前記伸縮性のあるニット生地どうしをラミネート加工して二層にした二層ラミネート生地、伸縮性のあるポリウレタンシートを前記伸縮性のあるニット生地ではさみ込みラミネート加工して三層にした三層ラミネート生地も使用可能である。
【0030】
次に、生地素材に「強弱」の緊締力を持たせ、強緊締素材および弱緊締素材とする方法としては、ポリウレタン糸、高捲縮仮撚加工糸(以下、伸縮糸とする。)の混率の「大小」でそれぞれ生地素材に「強弱」の緊締力を持たせることができる。混率に変化を与える方法としては、伸縮糸の太さを「太細」と変えることで混率の「大小」を出す方法、伸縮糸の太さは同じで生地中に配する割合を「多少」と変えることで混率の「大小」を出す方法がある。伸縮糸の混率が一定の場合に編密度を「密疎」とかえることでも可能である。さらに、伸縮糸の種類を変えた生地を使用するか、ラミネート加工した生地とラミネート加工していない生地を用いるか、または同一の生地の重ねる枚数を変えることでも生地に「強弱」の緊締力を持たせることが可能である。
【0031】
強緊締素材および弱緊締素材における「強弱」の緊締力は、一定加重時の生地の伸長率の大小で確認することができる。すなわち、緊締力の強い生地は伸長率が小さく、弱い生地は伸長率が大きい。
【0032】
本発明において、緊締力とは、伸長に対する素材の抵抗力のことである。
【0033】
ストレッチ性及び緊締力を表す伸長率の測定方法は、TENSILON万能型引張試験機(UTM−III−200、東洋ボールドウイン社製)を用い、引張強度を20cm/分とし、試料生地の大きさは、巾が5cm、長さが30cm、つかみ間隔が20cmとした。緊締力を測定する際の加重は、4.9N(500gf)、ストレッチ性を測定する際の加重は、17.7N(1500gf)とした。以下、実施例の説明の際に用いる伸張率は、この測定方法による測定結果である。
【0034】
本発明に係るアンダーパンツでは、前記強緊締素材および弱緊締素材を縫着又は接着によって一体化し、アンダーパンツを形成している。
【0035】
縫着方法としては、本縫い、環縫い、1本針オーバーロック、2本針オーバーロック、フラットシーマ等の縫目を形成するミシンで縫着する方法があげられるが、縫目の種類は特にこれらに限定されるものではない。ただ、縫目もストレッチ性を有し、着用時に違和感を感じにくい1本針オーバーロック、2本縫いオーバーロック、フラットシーマを採用するのが望ましい。
【0036】
接着方法としては、一体化したい二種類の生地(部材)にのりしろを設け、熱によって融解し、冷却後生地に浸透して凝固するポリウレタン製の熱融解性のシームテープをのりしろの生地の間にはさみ、熱プレスすることで生地を接着できる熱圧着法があげられるが、縫着同様のりしろにストレッチ性をもたせ、着用時の違和感をなくすることが望ましい。
【0037】
本発明のパンツは、野球のみならず、ゴルフ、テニス、バドミントン、スカッシュ、ホッケー、ジョギングなど別のスポーツにも適用できる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明に係るアンダーパンツの実施例を図1、図2を用いて説明する。
【0039】
図1Aはアンダーパンツの正面図、図1Bは同じく側面図、図1Cは同じく背面図である。
【0040】
本実施例のアンダーパンツ1では、中央前部分12、横前部分13、大腿前部分14、大腿後部分15a、後部分16、体側前部分17、体側後部分18および着用時に使用する腰紐11の各部材でパンツが構成される。前記の部材のうち、横前部分13、大腿前部分14、大腿後部分15a、体側前部分17および体側後部分18は左右両方に対称に配置される。本実施例では各部材は相互に縫着により一体化されパンツが形成される。縫着方法は、フラットシーマミシンを用い、針糸にポリエステルスパンライクフィラメント糸、上かがり糸と下かがり糸にウーリーナイロン糸を用いてフラットシーマの縫目で縫着した。
【0041】
前記体側前部分17および体側後部分18は強緊締素材(図中では斜線部分で表示)で構成され、着用者の大臀筋、中臀筋、大腿筋膜張筋および腸脛靭帯上部の領域に配置される。強緊締素材としては、繊度が136デシテックス(dtex)のポリエステルフィラメント双糸と、繊度が64デシテックス(dtex)のポリウレタンベアヤーン使いのベア天竺組織で、混率はポリエステル85重量%、ポリウレタン15重量%、丸編機のゲージ数30Gのものを用いた。緊締力を表す4.9N(500gf)加重時の伸長率は35%、ストレッチ性を表わす17.7N(1500gf)加重時の伸長率は90%であった。単位面積当たりの重量(目付)は、320g/m2であった。
【0042】
中央前部分12、横前部分13、大腿前部分14、大腿後部分15a、後部分16は弱緊締素材で構成される。弱緊締素材としては、繊度が68デシテックス(dtex)のポリエステルフィラメント糸と、繊度が36デシテックス(dtex)のポリウレタンベアヤーン使いのベア天竺組織で、混率はポリエステル85重量%、ポリウレタン15重量%、丸編機のゲージ数30Gのものを用いた。緊締力を表す4.9N(500gf)加重時の伸長率は70%、ストレッチ性を表わす17.7N(1500gf)加重時の伸長率は190%であった。単位面積当たりの重量(目付)は、190g/m2であった。
【0043】
本実施例において、「ほぼ密着」の状態を作るため、人体の裸のサイズに対して、周囲方向は80%、丈は90〜95%を目安に作製した。
【0044】
本実施例のアンダーパンツ1では前記のように、前記体側前部分17および体側後部分18には強緊締素材を配置するので、守備時の中腰の姿勢、或いは打撃時の若干の中腰の姿勢で前記部位の生地が伸長した際に、皮膚への圧力が強くなり、図3に示した着用者の大臀筋、中臀筋、大腿筋膜張筋および腸脛靭帯上部の領域を常に後から押しているような状態を実現できた。また、体の表面側から体の中心方向へ圧力を感じることで運動時の重心のばらつきを抑制することが容易になり、競技力の向上にもつながる。
【0045】
図2Aは別の実施例の正面図、図2Bは同じく側面図、図2Cは同じく背面図である。
【0046】
図1に示した実施例では、大腿後部分15aが一つの部材であったが、本実施例では、同じ領域を大腿後部分15bと大腿内部分19に分割しており、大腿後部分15bには弱緊締素材を、大腿内部分19には強緊締素材を配置している。また、その他の素材、縫製方法等は図1の実施例で説明したのと同様である。
【0047】
本実施例では、前記大腿内部分19には強緊締素材を配置しているので、図3に示した着用者の大内転筋上部の領域が圧力を受けている状態をアンダーパンツにて実現できた。これにより、図1A〜図1Cの実施例で説明した効果に加えて、内股後方部にも圧力がかかり、後から押している状態をさらに強めることができるのと同時に、重心軸に近いこの部分に圧力を感じることで重心を意識しやすくなり、運動時の重心のばらつきをさらに抑制することができる。
【0048】
前記の各実施例では、中央前部分12、横前部分13、大腿前部分14、大腿後部分15a、15b、後部分16、体側前部分17、体側後部分18および大腿内部分19の部材でパンツを構成したが、前記の各領域に前記の各緊締力の生地素材が配置されていれば、各領域の形状はこれに限定されるものではない。
【0049】
また、前記の各実施例では、アンダーパンツの丈が膝上位置までの丈になっているが、勿論これに限定されるものではなく、本発明の目的が達成される範囲であれば膝下位置、足首位置等アンダーパンツの丈は任意であってよい。
【0050】
体側前部分17、体側後部分18および大腿内部分19の幅や大きさは、本発明の目的が達成される範囲であれば、必要に応じて任意であってよい。
【0051】
図1A〜図1Cおよび図2A〜図2Cは、着用状態に似せて立体的に表現したものではあるが、着用者の体型等によって、多少の形状の変化をさせても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明のアンダーパンツは、体側前部分および体側後部分には強緊締素材を配置するので、守備時の中腰の姿勢、或いは打撃時の若干の中腰の姿勢で前記部位の生地が伸長した際に、皮膚への圧力が強くなり、着用者の大臀筋、中臀筋、大腿筋膜張筋および腸脛靭帯上部の領域を常に後から押しているような状態をアンダーパンツにて再現できる。また、体の表面側から体の中心方向へ圧力を感じることで運動時の重心のばらつきを抑制することが容易になり競技力の向上にもつながる。
【0053】
また、大内転筋上部に強緊締素材を配置すれば、内股後方部にも圧力がかかり、後から押している状態をさらに強めることができるのと同時に、重心軸に近いこの部分に圧力を感じることで重心を意識しやすくなり、運動時の重心のばらつきをさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明に係る野球用アンダーパンツの実施例の正面図、Bは同じく側面図、Cは同じく背面図である。
【図2】Aは本発明に係る野球用アンダーパンツの別の実施例の正面図、Bは同じく側面図、Cは同じく背面図である。
【図3】Aは本発明に関係する筋肉を背面から見た解説図、Bは本発明に関係する筋肉を側面から見た解説図である。
【符号の説明】
1 アンダーパンツ
11 腰紐
12 中央前部分
13 横前部分
14 大腿前部分
15a大腿後部分
15b大腿後部分
16 後部分
17 体側前部分
18 体側後部分
19 大腿内部分
70 大臀筋
71 中臀筋
72 大腿筋膜張筋
73 腸脛靭帯上部
74 大内転筋上部
Claims (14)
- 主構成部分がストレッチ素材で形成され、着用者の下半身の表面にほぼ密着した状態で着用される、第1の種類の素材及び第2の種類の素材を含むアンダーパンツであって、
前記第1の種類の素材の緊締力は前記第2の種類の素材の緊締力よりも強く、
前記第1の種類の素材は、少なくとも大臀筋の一部、中臀筋の一部、大腿筋膜張筋の一部及び腸脛靭帯の一部を宛がう領域を含む位置に配置され、
前記第2の種類の素材は、前記第1の種類の素材を配置した領域以外の領域に配置されていることを特徴とするアンダーパンツ。 - 前記第1の種類の素材を、さらに少なくとも大内転筋の一部を宛がう領域に配置した請求項1に記載のアンダーパンツ。
- 前記第1の種類の素材及び第2の種類の素材は、縫製によって一体化されている請求項1に記載のアンダーパンツ。
- 前記素材の5cm幅における4.9N(500gf)加重時の伸長率が、第1の種類の素材は20%以上50%未満の範囲、第2の種類の素材は50%以上の範囲である請求項1に記載のアンダーパンツ。
- 前記素材の5cm幅における17.7N(1500gf)加重時の伸長率が、第1の種類の素材の値をA、第2の種類の素材の値をBとしたとき、A,Bともに50%以上である請求項1に記載のアンダーパンツ。
- 前記第1の種類の素材及び第2の種類の素材は、縦方向及び横方向に伸縮する2ウェイストレッチ編物及び2ウェイストレッチ織物から選ばれる少なくとも一つの布帛である請求項1に記載のアンダーパンツ。
- アンダーパンツが、膝上、膝下、または足首まで覆うように形成されている請求項1に記載のアンダーパンツ。
- 前記2ウェイストレッチ編物又は織物は、ポリエステル繊維糸と弾性糸とを主成分構成糸とする請求項6に記載のアンダーパンツ。
- 前記2ウェイストレッチ編物又は織物は、ナイロン繊維糸と弾性糸とを主成分構成糸とする請求項6に記載のアンダーパンツ。
- 前記編物が、ラッセル経編機によって編成される編物、トリコット経編機によって編成される編物及びニット緯編み機によって編成される編物から選ばれる少なくとも一つの編物である請求項6に記載のアンダーパンツ。
- 前記ニット緯編み機によって編成される編物が、丸編機又は横編機によって編成される編物である請求項10に記載のアンダーパンツ。
- 前記弾性糸が、ポリウレタン系弾性糸及びポリエステル系弾性糸から選ばれる少なくとも一つである請求項8に記載のアンダーパンツ。
- 前記弾性糸は、ベアヤーン(裸糸)又は表面にポリエステル繊維が被覆されたカバードヤーンである請求項8に記載のアンダーパンツ。
- 前記アンダーパンツが、野球のユニフォームの下に着るパンツである請求項1に記載のアンダーパンツ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003145378A JP2004057808A (ja) | 2002-06-05 | 2003-05-22 | アンダーパンツ |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002163680 | 2002-06-05 | ||
JP2003145378A JP2004057808A (ja) | 2002-06-05 | 2003-05-22 | アンダーパンツ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004057808A true JP2004057808A (ja) | 2004-02-26 |
JP2004057808A5 JP2004057808A5 (ja) | 2006-10-19 |
Family
ID=31949319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003145378A Pending JP2004057808A (ja) | 2002-06-05 | 2003-05-22 | アンダーパンツ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004057808A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023465A (ja) * | 2005-06-13 | 2007-02-01 | Mizuno Corp | 運動用スパッツ |
JP2008513623A (ja) * | 2004-09-23 | 2008-05-01 | スキンズ・コンプレッション・ガーメンツ・プロプライエタリー・リミテッド | 圧縮衣料及び製造方法 |
JP2014515440A (ja) * | 2011-06-03 | 2014-06-30 | スピード・インターナショナル・リミテッド | スポーツ用衣服 |
JP2014221965A (ja) * | 2009-05-21 | 2014-11-27 | スキンズ・インターナショナル・トレーディング・アー・ゲー | 圧迫衣服および製造方法 |
-
2003
- 2003-05-22 JP JP2003145378A patent/JP2004057808A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008513623A (ja) * | 2004-09-23 | 2008-05-01 | スキンズ・コンプレッション・ガーメンツ・プロプライエタリー・リミテッド | 圧縮衣料及び製造方法 |
JP2012031564A (ja) * | 2004-09-23 | 2012-02-16 | Skins Capital Pty Ltd | 圧縮衣料及び製造方法 |
US10455868B2 (en) | 2004-09-23 | 2019-10-29 | Skins International Trading Ag | Compression garments and a method of manufacture |
JP2021001432A (ja) * | 2004-09-23 | 2021-01-07 | スキンズ・インターナショナル・トレーディング・アー・ゲー | 圧縮衣料及び製造方法 |
JP2007023465A (ja) * | 2005-06-13 | 2007-02-01 | Mizuno Corp | 運動用スパッツ |
JP2014221965A (ja) * | 2009-05-21 | 2014-11-27 | スキンズ・インターナショナル・トレーディング・アー・ゲー | 圧迫衣服および製造方法 |
JP2014515440A (ja) * | 2011-06-03 | 2014-06-30 | スピード・インターナショナル・リミテッド | スポーツ用衣服 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6874337B2 (en) | Underpant garment | |
JP3740344B2 (ja) | 運動用スパッツ | |
US7229390B2 (en) | Tights-type leg support garment | |
JP3872036B2 (ja) | アンダーシャツ | |
JP4368364B2 (ja) | 運動用スパッツ | |
US20210037902A1 (en) | Garment | |
JPH10280209A (ja) | 下肢部保護衣料 | |
JP2001192903A (ja) | 衣 料 | |
JP7303776B2 (ja) | ボトム衣料 | |
US20220287389A1 (en) | Bottom Garment | |
JP6849820B2 (ja) | 水着 | |
JP2007023467A (ja) | 運動用上衣 | |
JP2007023466A (ja) | 運動用スパッツ | |
TWI760529B (zh) | 下半身用衣物 | |
JP4295188B2 (ja) | スポーツ用ウエア | |
JP5196492B2 (ja) | 衣類 | |
JP7328333B2 (ja) | 水着 | |
JP2004057808A (ja) | アンダーパンツ | |
JP2005146450A (ja) | 運動用スパッツ | |
JP7542745B2 (ja) | ボトム衣料 | |
JP2003049304A (ja) | 運動用被服 | |
JP6811832B1 (ja) | スポーツ用衣料 | |
JP2025016075A (ja) | 衣類 | |
WO2025023095A1 (ja) | 衣類 | |
JP2025016073A (ja) | 衣類 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050311 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060831 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070612 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071025 |