JP2004053525A - 集光レーザ光束測定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】集光性のレーザ光束の、基準軸に対する光軸傾き角、光軸ずれ、光束径、ビームウエスト位置の測定のうち、少なくとも光軸傾き角と光軸ずれを同時に測定する。
【解決手段】レーザ光束放射装置10から放射されて集光位置に集光した後の発散性の集光レーザ光束を、焦点距離:f1を持つコリメート手段13により平行光束化し、ビームスプリット手段21により2光束に分割し、一方の光束をコリメート手段から距離:f1だけ離れた位置の位置検出手段37に入射させて光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xを検出し、Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを、演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、他方の平行光束を、焦点距離:f2を持つ集光手段41Aを介して位置検出手段41B上に結像させ、結像位置の基準軸からのずれ量:Yを検出し、Yと焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ光束放射装置10から放射されて集光位置に集光した後の発散性の集光レーザ光束を、焦点距離:f1を持つコリメート手段13により平行光束化し、ビームスプリット手段21により2光束に分割し、一方の光束をコリメート手段から距離:f1だけ離れた位置の位置検出手段37に入射させて光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xを検出し、Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを、演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、他方の平行光束を、焦点距離:f2を持つ集光手段41Aを介して位置検出手段41B上に結像させ、結像位置の基準軸からのずれ量:Yを検出し、Yと焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、集光レーザ光束測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光源装置として集光レーザ光束を放射するものが多い。例えば、光走査装置などのように、レーザ光のスイッチング(強度変調)をAO素子で行う場合、集光レーザ光束を「AO素子による音響光学効果を受ける部分」に集光するように、レーザ光源装置から集光レーザ光束を放射することが行われる。
【0003】
このようなレーザ光源装置の組立や調整段階、製品検査段階において、放射される集光レーザ光束の「光束光軸の基準軸に対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角や光束径、ビームウエスト位置」を測定する必要が生じる。「光束径」は集光レーザ光束の集光部の径、即ち、集光されたレーザ光束の「ビームウエスト径」であり、ビームウエスト位置は「ビームウエストが形成される位置」である。
【0004】
従来このような測定は、レーザ光源装置から放射される理想上の光軸を基準軸とし、この基準軸上に角度測定器を配置して「基準軸に対する光軸傾き角」を測定できるようにする一方、放射される集光レーザ光束の集光位置に、位置検出器と光束径測定器とを選択的に配置できるようにし、位置検出器による「基準軸に対する光軸ずれ」の測定と、ビーム径測定器による「光束径」の測定、ビームウエスト位置測定器によるビームウエスト位置の測定を順次選択的に行っていた。
【0005】
このため、基準軸に対する光軸傾き角、光軸ずれ、光束径、ビームウエスト位置の2以上の測定を同時に行うことができず、測定能率に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記基準軸に対する光軸傾き角、光軸ずれ、光束径、ビームウエスト位置の測定のうち、少なくとも「光軸傾き角と光軸ずれ」とを同時に測定できる新規な集光レーザ光束測定方法および装置の実現を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の集光レーザ光束測定方法は「レーザ光束放射装置から放射された集光性のレーザ光束の、光束光軸の基準軸に対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角、光束径、ビームウエスト位置のうちの、少なくとも光軸ずれと光軸傾き角とを同時に測定する方法」であって、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、レーザ光束放射装置から放射されて、集光位置に集光した後の発散性のレーザ光束を、焦点距離:f1を持つコリメート手段により平行光束化するとともに、平行光束化されたレーザ光束をビームスプリット手段により2光束に分割する。
【0009】
そして、分割された一方の光束を、コリメート手段から距離:f1だけ離れた位置に配置した第1の位置検出手段に入射させ、第1の位置検出手段により検出される「光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:X」と焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを、演算:θ=tan−1(X/f1)により算出する。
【0010】
さらに、ビームスプリット手段により2分割された他方の平行光束を、焦点距離:f2の集光手段を介して、第2の位置検出手段上に結像させ、第2の位置検出手段により検出される結像位置の基準軸からのずれ量:Yと、焦点距離:f1、f2により、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する。
【0011】
測定対象となる集光レーザ光束は、ビームスプリット手段により2光束に分割され、第1・第2の位置検出手段に導光されるので、光軸ずれ:ξと光軸傾き角:θとを同時に測定することが可能である。
【0012】
請求項1記載の集光レーザ光束測定方法において「コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系へ導き、このビームウエスト測定系により集光レーザ光束の光束径(レーザ光束放射装置から放射される集光レーザ光束の集光位置におけるビームウエスト径):Dを測定する」ことができる(請求項2)。
【0013】
この請求項2記載の集光レーザ光束測定方法によれば、光軸ずれ:ξと、光軸傾き角:θと、光束径:Dとを同時に測定できる。
【0014】
上記請求項1または2記載の集光レーザ光束測定方法において、コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系へ導き、このビームウエスト測定系により、集光レーザ光束のビームウエスト位置:δを測定することができる(請求項3)。
【0015】
即ち、この請求項3記載の測定方法によれば、光軸ずれ:ξと、光軸傾き角:θ、ビームウエスト位置:δを同時に測定でき、さらには光束径:Dの測定も可能である。
【0016】
請求項4記載の集光レーザ光束測定装置は請求項1記載の集光レーザ光束測定方法を実施する装置であって、保持具と、コリメート手段と、ビームスプリット手段と、第1の位置検出手段と、集光手段と、第2の位置検出手段と、演算手段とを有する。
【0017】
「保持具」は、測定対象となる集光性のレーザ光束を放射する「レーザ光束放射装置」を保持する。レーザ光束放射装置を保持具により保持すると、保持されたレーザ光束放射装置は「測定系に対して所定の位置関係」に置かれる。
【0018】
「コリメート手段」は、レーザ光束放射装置から放射されて、集光位置に集光した後の発散性のレーザ光束を平行光束化するべく焦点距離:f1を持つ。即ち、レーザ光束放射装置から放射された集光性のレーザ光束は集光位置に集光した後の発散性の状態でコリメート手段に入射して平行光束に変換される。
【0019】
「ビームスプリット手段」は、コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束を2光束に分割する手段であり、例えば「ハーフミラー」が用いられる。
【0020】
「第1の位置検出手段」は、コリメート手段からビームスプリット手段を介して距離:f1だけ離れた位置に配置され、ビームスプリット手段により分割された一方の光束を受光し、「光束の最大強度位置」の基準軸からのずれ量:Xを検出する。
【0021】
「集光手段」は、焦点距離:f2を有し、ビームスプリット手段により2分割された他方の平行光束を集光させる。
「第2の位置検出手段」は、集光手段により集光される光束の結像位置の、基準軸からのずれ量:Yを検出する。
【0022】
「演算手段」は、第1の位置検出手段により検出されるずれ量:Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、第2の位置検出手段により検出されるずれ量:Yと焦点距離:f1、f2により、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する。
【0023】
コリメート手段や集光手段としては、通常のコリメートレンズや集光レンズを好適に用いることができるが、所望により、凹面鏡を用いることもできる。凹面鏡には色収差がないので、測定対象となる集光レーザ光束の波長に拘わらず、コリメートあるいは集光を良好に行うことができる。
【0024】
第1、第2の位置検出手段としては、例えばエリアセンサを用いることができるが、低コストな手段として「PSD(ポジション・センサ・ダイオード)」を用いることができる。
「演算手段」としては、マイクロコンピュータやCPUを用いることができる。
【0025】
請求項4記載の集光レーザ光束測定装置の上記構成に加え、コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させる「光路分岐手段」と、この光路分岐手段により分岐されたレーザ光束を集束させた集束レーザ光束に基づき、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定するビームウエスト測定系を有し、請求項2または3記載の集光レーザ光束測定方法を実施できる(請求項5)。
【0026】
即ち「ビームウエスト測定系」は、集束レーザ光束のビームウエスト位置および/またはビームウエスト径を測定する機能を持つ。
【0027】
集光レーザ光束に基づき、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定する「ビームウエスト測定系」を有することにより、請求項2または3記載の集光レーザ光束測定方法を実施できる(請求項5)。光束径:Dの測定、ビームウエスト位置:δの測定に必要な演算は、上記「演算手段」が行う。
【0028】
請求項5記載の集光レーザ光束測定装置における「光路分岐手段」は、コリメート手段とビームスプリット手段との間に配置することができる(請求項6)が、勿論、光路分岐手段を「ビームスプリット手段よりも後段」に配置することもできる。
【0029】
上記請求項4または5または6記載の集光レーザ光束測定装置はまた、コリメート手段の直後に「偏光子と1/4波長板とによる戻り光束遮断手段」を有することができ(請求項7)、請求項4〜7の任意の1に記載の集光レーザ光束測定装置は、「測定される集光レーザ光束における光強度を調整するNDフィルタ手段」を有することができる(請求項8)。
【0030】
上記「保持具」がレーザ光束放射装置を保持すると、保持されたレーザ光束放射装置は「測定系に対して所定の位置関係」に置かれ、このように保持された状態で測定された「光軸ずれ、光軸傾き角」が0であれば、レーザ光束放射装置は光軸ずれ・光軸傾きに関しては「所望の状態」にあり、この状態で測定された光束径あるいはビームウエスト位置の測定値が所望の値を有するとき、レーザ光束放射装置は「適正な状態」にある。
【0031】
従って、この発明の集光レーザ光束測定装置は「レーザ光束放射装置」を保持した状態で、光軸ずれや光軸傾き角、さらにはこれらと光束径やビームウエスト位置を測定しつつ、レーザ光束放射装置を「適正な状態」に調整する手段として用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1に「集光レーザ光束測定装置」の実施の1形態を示す。
図1において、符号10は「レーザ光束放射装置」、符号11は「保持具」、符号13は「コリメート手段」としてのコリメートレンズ、符号15は「偏光子」、符号17は「1/4波長板」、符号19は「光路分岐手段」としてのハーフミラー、符号21は「ビームスプリット手段」としてのハーフミラー、符号23は反射鏡、符号25はアパーチュア、符号27、35、39はNDフィルタ、符号29はフォーカスレンズ、符号31はビームウエスト測定手段、符号37は「第1の位置検出手段としてのPSD」、符号41は「光軸ずれ検出器」、符号43は制御手段を示している。
【0033】
保持具11は、測定装置の他の部分である測定系と同一の架台に装荷され、レーザ光束放射装置10を「測定系に対して一定の態位」となるように保持する。
【0034】
説明の具体性のため、レーザ光束放射装置は「AOによる光スイッチングを受ける光走査用の光源装置」で、前述したように「AO素子による音響光学効果を受ける部分」に集光するように、集光性のレーザ光束を放射するものとする。レーザ光束放射装置10は、放射するレーザ光束を集光させるための「集束用レンズ」を有し、この集束用レンズを調整することにより、光軸ずれ、光軸傾き角、光束径あるいはビームウエスト位置を調整できるようになっており、図1の集光レーザ光束測定装置は「集束用レンズによる調整で、レーザ光束放射装置10を適正な状態に調整する補助手段」として用いられる。
【0035】
図1のようにレーザ光束放射装置10を保持具11に保持させた状態で集光性のレーザ光束を放射させる。この集光レーザ光束は集光位置Pに集光した後、発散性の光束となってコリメートレンズ13に入射し、コリメートレンズ13の作用により平行光束化される。この際、前述した「集束用レンズ」を光軸方向へ位置調整し、集光レーザ光束が、コリメートレンズ13の略物体側焦点位置に集光するようにする。
【0036】
コリメートレンズ13により平行光束化されたレーザ光束は、偏光子15を透過して直線偏光状態となり、さらに1/4波長板17を透過して円偏光状態となる。偏光子15と1/4波長板17とは「戻り光束遮断手段」を構成する。
【0037】
戻り光束遮断手段を通過した円偏光状態の平行光束は、ハーフミラー19に入射し、一部はハーフミラー19を透過し、一部はアパーチュア25の側へ光路分岐される。ハーフミラー19を透過した平行光束は、さらにハーフミラー21に入射して2分割される。
【0038】
光路分岐された平行光束は、アパーチュア25を介してNDフィルタ27を透過する。NDフィルタ27は回転式で「回転角に応じて透過率がグラデーションをなして変化する」ようになっており、回転角の調整により「光束径測定に適した光強度」を実現する。他のNDフィルタ35、39も同様である。
【0039】
このようにNDフィルタ27、35、39を用いることにより、放射光強度の異なる種々のレーザ光束放射装置に対し、適正な測定を行うことができる。
【0040】
NDフィルタ27を透過した平行光束はフォーカスレンズ29で絞り込まれつつ、ビームウエスト測定手段31に入射する。アパーチュア25とフォーカスレンズ29とビームウエスト測定手段31とは「ビームウエスト測定系」を構成する。
【0041】
フォーカスレンズ29で集束された集束レーザ光束は、ビームウエスト測定手段31内で集束して集束位置に「ビームウエスト」を形成する。ビームウエスト測定手段31は、このビームウエストの位置(フォーカスレンズ29からの距離)と、ビームウエスト径(コリメートレンズ13の焦点距離:f1と、フォーカスレンズ29の焦点距離:F(この実施の形態においては200mmに設定されている)により定まる)とを測定する。このような「ビームウエスト測定手段」は、従来から、ダブルスリット法やダブルナイフ法等、種々の方式のものが知られており、これらを適宜に利用できる。
【0042】
アパーチュア25は、分岐されたレーザ光束の光路に対して出入可能であり、ビームウエスト位置:δの測定を行うとき上記光路上にセットされ、ビームウエスト位置測定における「収差の影響によるダブルスリット波形の乱れを防ぎ、前記レーザ光束放射装置の集束用レンズを光軸方向へ変位させたときの、ダブルスリット波形の変化のレスポンスを最適にする。光束径:Dの測定の際には、アパーチュア25は分岐されたレーザ光束の光路から退避される。
【0043】
ビームウエスト測定手段31は、マイクロコンピュータ等である制御手段43により制御され、その出力は制御手段43に取り込まれる。制御手段43は、ビームウエスト測定手段31の出力(レーザ光束放射装置から放射された集束性の集光レーザ光束が、コリメートレンズ13の焦点位置に形成するビームウエスト径、即ち、測定対象の「光束径:D」やビームウエスト位置:δと相関関係がある)に応じ、上記相関関係に基づく理論式の演算で光束径:Dやビームウエスト位置:δを演算算出する。
【0044】
コリメートレンズ13とフォーカスレンズ29とはアフォーカル系を構成するので、その横倍率:βは「F/f1」である。そうすると、集光位置Pに集光したレーザ光束の光束径(ビームウエスト径):Dは、ビームウエスト測定手段31の出力する「フォーカスレンズ29により集束されたレーザ光束の形成するビームウエスト径:d」と、d=β・D=F・D/f1の関係にある。
【0045】
即ち、レーザ光束の波長をλとすると、コリメートレンズ13によりコリメートされた平行レーザ光束の光束径をΔとして、Δ=f1・λ/(π・D)であり、d=F・λ/(π・Δ)であるから、d=F・λ/(π・{f1・λ/(π・D)})=F・D/f1が得られる。
【0046】
従って、ビームウエスト測定手段31により測定されたビームウエスト径:dが知られれば演算:D=(f1/F)dにより光束径:Dを知ることができる。
【0047】
コリメートレンズ13とフォーカスレンズ29とはアフォーカル系であるので、集光レーザ光束の集光位置Pが、正しく「コリメートレンズ13の物体側焦点位置」にあれば、ビームウエスト測定手段31により検出される集束レーザ光束のビームウエスト位置は、フォーカシングレンズ29の像側焦点位置にある。
【0048】
上記集光位置Pが、コリメートレンズ13の物体側焦点位置から「δ」だけずれたとすると、ビームウエスト測定手段31が検出する「集束レーザ光束のビームウエスト位置のずれ量:ΔS」は、アフォーカル系の縦倍率:β2によりδとΔS=β2・δ=(F/f1)2・δの関係を満足する。
【0049】
従って、集光位置P(ビームウエスト位置)のずれ量であるビームウエスト位置:δは、δ=(f1/F)2ΔSとなり、ビームウエスト測定手段31によりΔSを求めれば、上記演算によりビームウエスト位置:δを特定できる。これら演算は、制御手段43において行う。
【0050】
ハーフミラー21により2分割された一方の平行光束(ハーフミラー21により反射された成分)は、NDフィルタ35を透過して光強度を適正に調整され、PSD37に入射する。
ハーフミラー21により2分割された他方の光束(ハーフミラー21を透過した成分)は、反射鏡23により光路を折り曲げられ、NDフィルタ39により光強度を調整されて光軸ずれ検出器41に入射する。
【0051】
図2を参照して、PDS37による「光軸傾き角」の測定を説明する。
【0052】
図2は、コリメートレンズ13とPSD37の位置関係を、両者間の光路を直線的に展開した状態で示している。図2において、コリメートレンズ13からPSD37に至る距離:Z1は、コリメートレンズ13の焦点距離:f1に等しく設定されている。
【0053】
平行光束としての集光レーザ光束は、その光軸上の強度を最大とするガウス分布型の強度分布を有しており、PSD37は、これに入射してくる平行光束における最大強度位置の基準軸(コリメートレンズ13の光軸に合致する)AXに対するずれ量:Xを検出して出力する。
【0054】
図2に示すように、コリメートレンズ13に図の左方から入射するレーザ光束(発散光束)の光軸が、コリメートレンズ13の光軸(上記基準軸)AXに対して平行にずれている場合(図2に破線で示す)には、平行光束の強度が最大となる光軸光線はPSD37上の基準軸AX上に入射するので、ずれ量:Xは、コリメートレンズ13へ入射する集光レーザ光束の「基準軸に平行なずれ」には影響されない。
【0055】
一方、図2に実線で示すように、コリメートレンズ13に入射する集光レーザ光束の光軸が、基準軸AXに対して傾き角:θで傾いていると、集光レーザ光束の光軸はPSD37において、基準軸AXからずれ量:Xだけずれた位置に入射する。従って、ずれ量:Xは集光レーザ光束の「光軸傾き角:θ」に対応する。
【0056】
図1において、PSD37は制御手段43の制御を受け、その出力は制御手段43に取り込まれる。制御手段43は、取り込んだずれ量:Xに基づき、集光レーザ光束の光軸傾き角:θを算出する。
【0057】
図2から明らかなように、光軸傾き角:θと、ずれ量:Xの間には、
f1・tanθ=X
の関係があるので、演算手段43により
θ=tan−1(X/f1)
の右辺を演算することにより、光軸傾き角:θを算出できる。
【0058】
次に、図1における光軸ずれ検出器41による「光軸ずれ」の検出と、光軸の基準軸からのずれ量:ξの演算を説明する。図1に示すように、光軸ずれ検出器41は、集光レンズ41Aと、第2の位置検出手段としてのPSD41Bとを有している。
【0059】
図3を参照すると、図3において、符号13はコリメートレンズ、符号41Aは光軸ずれ検出器41における「集光レンズ」を示している。集光レンズ41Aは、ビームスプリット手段21により2分割された他方の平行光束を集光させる「集光手段」で焦点距離:f2を有する。
【0060】
図1において、光軸ずれ検出器41に入射する集光レーザ光束は、コリメートレンズ13により平行光束化されているので、集光レンズ41Aに入射したレーザ光束は「集光レンズ41Aの焦点面」上に集光する。PSD41Bは、その受光面を集光レンズ41Aの焦点面に合致させて配置されている。PSD41Bは制御手段43の制御を受け、その出力は制御手段43に取り込まれる。
【0061】
図3に示すように、集光レンズ41Aは焦点距離:f2を有する。コリメートレンズ13と集光レンズ41Aとは「アフォーカル系」を構成し、第2の位置検出手段としてのPSD41B(図3には図示されていない)が検出する「集光レンズ41Aにより集光される光束の結像位置の基準軸AXからのずれ量:Y」は、コリメートレンズ13に入射するレーザ光束の光軸の基準軸AXからのずれ量:ξと以下の関係にある。
【0062】
f2・ξ=f1・Y
従って、求めるずれ量:ξは、
ξ=(f1/f2)Y
の右辺を演算することで得ることができ、制御手段43はこの演算を行う。
【0063】
制御手段43による演算で算出された光束径:D、ビームウエスト位置:δ(コリメートレンズ13の物体側焦点位置との差)、光軸傾き角:θ、光軸ずれ量:ξは、図1に図示されない「表示ディスプレイ」に表示される。
【0064】
上記測定が行われる間、測定系における反射光が戻り光束としてレーザ光束放射装置10に戻ると測定に影響するが、このような戻り光束は偏向し15と1/4波長板17による「戻り光束遮断手段」によりレーザ光束放射装置10に対して遮断される。
【0065】
このようにして測定されたD、δ、θ、ξに基づき、レーザ光束放射装置10における前述の「集束用レンズ」の光軸方向の位置や傾きの調整により、レーザ光束放射装置10を適正な状態に調整できる。
【0066】
即ち、図1〜図3に即して実施の形態を説明した集光レーザ光束測定装置は、測定対象となる集光性のレーザ光束を放射するレーザ光束放射装置10を保持する保持具11と、レーザ光束放射装置10から放射されて、集光位置Pに集光した後の発散性のレーザ光束を平行光束化するべく焦点距離:f1を持つコリメート手段13と、コリメート手段13により平行光束化されたレーザ光束を2光束に分割するビームスプリット手段21と、コリメート手段13からビームスプリット手段21を介して距離:f1だけ離れた位置に配置され、ビームスプリット手段21により分割された一方の光束を受光し、光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xを検出する第1の位置検出手段37と、焦点距離:f2を有しビームスプリット手段21により2分割された他方の平行光束を集光させる集光手段41Aと、この集光手段により集光される光束の結像位置の、基準軸からのずれ量:Yを検出する第2の位置検出手段41Bと、第1の位置検出手段37により検出されるずれ量:Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、第2の位置検出手段41Bにより検出されるずれ量:Yと、焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する演算手段43とを有する(請求項4)。
【0067】
上記集光レーザ光束測定装置はまた、コリメート手段13により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させる光路分岐手段19と、この光路分岐手段19により分岐されたレーザ光束に基づき、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定するビームウエスト測定系25、29、31を有する(請求項5)。
【0068】
また、光路分岐手段19は、コリメート手段13とビームスプリット手段21との間に配置され(請求項6)、コリメート手段13の直後に、偏光子15と1/4波長板17とによる「戻り光束遮断手段」を有する(請求項7)。
【0069】
さらに、測定される集光レーザ光束における光強度を調整するNDフィルタ手段27、35、39を有する(請求項8)。
【0070】
従って、上記実施の形態の集光レーザ光束測定装置によれば、レーザ光束放射装置10から放射された集光性の集光レーザ光束の、光束光軸の基準軸AXに対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角、光束径、ビームウエスト位置のうちの、少なくとも光軸ずれと光軸傾き角とを同時に測定する方法であって、レーザ光束放射装置10から放射されて集光位置に集光した後の発散性の集光レーザ光束を、焦点距離:f1を持つコリメート手段13により平行光束化するとともに、平行光束化されたレーザ光束をビームスプリット手段21により2光束に分割し、分割された一方の光束を、コリメート手段13から距離:f1だけ離れた位置に配置した第1の位置検出手段37に入射させ、第1の位置検出手段37により検出される光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、ビームスプリット手段21により2分割された他方の平行光束を、焦点距離:f2を持つ集光手段41Aを介して、第2の位置検出手段41B上に結像させ、第2の位置検出手段41Bにより検出される結像位置の基準軸からのずれ量:Yと、焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを、演算:ξ=Y・f1/f2により算出する集光レーザ光束測定方法(請求項1)が実施される。
【0071】
また、上記集光レーザ光束測定方法とともに、コリメート手段13により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系25、29、31へ導き、この測定系により、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定する集光レーザ光束測定方法(請求項2、3)が実施される。
【0072】
上の説明においては、コリメートレンズ13とフォーカスレンズ29との組合せ、コリメートレンズ13と集光レンズ41Aとの組合せが、それぞれ「アフォーカル系」をなすとして説明を行ったが、コリメートレンズ13により平行光束化されたレーザ光束は光束径が大きいので、上記の各組合せは、厳密なアフォーカル系である必要は無く、上記の演算が近似的に成り立つ範囲の「実質的なアフォーカル系」であれば良い。
【0073】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な集光レーザ光束測定方法および装置を実現できる。この発明の方法・装置によれば、レーザ光束放射装置から放射された集光性のレーザ光束の、光束光軸の基準軸に対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角、光束径、ビームウエスト位置のうちの、少なくとも光軸ずれと光軸傾き角とを同時に測定することができ、測定の効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】集光レーザ光束測定装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】図1の測定装置における光軸傾き角の測定を説明するための図である。
【図3】図1の測定装置における光軸ずれの測定を説明するための図である。
【符号の説明】
10 レーザ光束放射装置
11 保持具
13 コリメートレンズ
19、21 ハーフミラー
37 PSD
41 光軸ずれ検出器
【発明の属する技術分野】
この発明は、集光レーザ光束測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光源装置として集光レーザ光束を放射するものが多い。例えば、光走査装置などのように、レーザ光のスイッチング(強度変調)をAO素子で行う場合、集光レーザ光束を「AO素子による音響光学効果を受ける部分」に集光するように、レーザ光源装置から集光レーザ光束を放射することが行われる。
【0003】
このようなレーザ光源装置の組立や調整段階、製品検査段階において、放射される集光レーザ光束の「光束光軸の基準軸に対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角や光束径、ビームウエスト位置」を測定する必要が生じる。「光束径」は集光レーザ光束の集光部の径、即ち、集光されたレーザ光束の「ビームウエスト径」であり、ビームウエスト位置は「ビームウエストが形成される位置」である。
【0004】
従来このような測定は、レーザ光源装置から放射される理想上の光軸を基準軸とし、この基準軸上に角度測定器を配置して「基準軸に対する光軸傾き角」を測定できるようにする一方、放射される集光レーザ光束の集光位置に、位置検出器と光束径測定器とを選択的に配置できるようにし、位置検出器による「基準軸に対する光軸ずれ」の測定と、ビーム径測定器による「光束径」の測定、ビームウエスト位置測定器によるビームウエスト位置の測定を順次選択的に行っていた。
【0005】
このため、基準軸に対する光軸傾き角、光軸ずれ、光束径、ビームウエスト位置の2以上の測定を同時に行うことができず、測定能率に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記基準軸に対する光軸傾き角、光軸ずれ、光束径、ビームウエスト位置の測定のうち、少なくとも「光軸傾き角と光軸ずれ」とを同時に測定できる新規な集光レーザ光束測定方法および装置の実現を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の集光レーザ光束測定方法は「レーザ光束放射装置から放射された集光性のレーザ光束の、光束光軸の基準軸に対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角、光束径、ビームウエスト位置のうちの、少なくとも光軸ずれと光軸傾き角とを同時に測定する方法」であって、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、レーザ光束放射装置から放射されて、集光位置に集光した後の発散性のレーザ光束を、焦点距離:f1を持つコリメート手段により平行光束化するとともに、平行光束化されたレーザ光束をビームスプリット手段により2光束に分割する。
【0009】
そして、分割された一方の光束を、コリメート手段から距離:f1だけ離れた位置に配置した第1の位置検出手段に入射させ、第1の位置検出手段により検出される「光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:X」と焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを、演算:θ=tan−1(X/f1)により算出する。
【0010】
さらに、ビームスプリット手段により2分割された他方の平行光束を、焦点距離:f2の集光手段を介して、第2の位置検出手段上に結像させ、第2の位置検出手段により検出される結像位置の基準軸からのずれ量:Yと、焦点距離:f1、f2により、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する。
【0011】
測定対象となる集光レーザ光束は、ビームスプリット手段により2光束に分割され、第1・第2の位置検出手段に導光されるので、光軸ずれ:ξと光軸傾き角:θとを同時に測定することが可能である。
【0012】
請求項1記載の集光レーザ光束測定方法において「コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系へ導き、このビームウエスト測定系により集光レーザ光束の光束径(レーザ光束放射装置から放射される集光レーザ光束の集光位置におけるビームウエスト径):Dを測定する」ことができる(請求項2)。
【0013】
この請求項2記載の集光レーザ光束測定方法によれば、光軸ずれ:ξと、光軸傾き角:θと、光束径:Dとを同時に測定できる。
【0014】
上記請求項1または2記載の集光レーザ光束測定方法において、コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系へ導き、このビームウエスト測定系により、集光レーザ光束のビームウエスト位置:δを測定することができる(請求項3)。
【0015】
即ち、この請求項3記載の測定方法によれば、光軸ずれ:ξと、光軸傾き角:θ、ビームウエスト位置:δを同時に測定でき、さらには光束径:Dの測定も可能である。
【0016】
請求項4記載の集光レーザ光束測定装置は請求項1記載の集光レーザ光束測定方法を実施する装置であって、保持具と、コリメート手段と、ビームスプリット手段と、第1の位置検出手段と、集光手段と、第2の位置検出手段と、演算手段とを有する。
【0017】
「保持具」は、測定対象となる集光性のレーザ光束を放射する「レーザ光束放射装置」を保持する。レーザ光束放射装置を保持具により保持すると、保持されたレーザ光束放射装置は「測定系に対して所定の位置関係」に置かれる。
【0018】
「コリメート手段」は、レーザ光束放射装置から放射されて、集光位置に集光した後の発散性のレーザ光束を平行光束化するべく焦点距離:f1を持つ。即ち、レーザ光束放射装置から放射された集光性のレーザ光束は集光位置に集光した後の発散性の状態でコリメート手段に入射して平行光束に変換される。
【0019】
「ビームスプリット手段」は、コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束を2光束に分割する手段であり、例えば「ハーフミラー」が用いられる。
【0020】
「第1の位置検出手段」は、コリメート手段からビームスプリット手段を介して距離:f1だけ離れた位置に配置され、ビームスプリット手段により分割された一方の光束を受光し、「光束の最大強度位置」の基準軸からのずれ量:Xを検出する。
【0021】
「集光手段」は、焦点距離:f2を有し、ビームスプリット手段により2分割された他方の平行光束を集光させる。
「第2の位置検出手段」は、集光手段により集光される光束の結像位置の、基準軸からのずれ量:Yを検出する。
【0022】
「演算手段」は、第1の位置検出手段により検出されるずれ量:Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、第2の位置検出手段により検出されるずれ量:Yと焦点距離:f1、f2により、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する。
【0023】
コリメート手段や集光手段としては、通常のコリメートレンズや集光レンズを好適に用いることができるが、所望により、凹面鏡を用いることもできる。凹面鏡には色収差がないので、測定対象となる集光レーザ光束の波長に拘わらず、コリメートあるいは集光を良好に行うことができる。
【0024】
第1、第2の位置検出手段としては、例えばエリアセンサを用いることができるが、低コストな手段として「PSD(ポジション・センサ・ダイオード)」を用いることができる。
「演算手段」としては、マイクロコンピュータやCPUを用いることができる。
【0025】
請求項4記載の集光レーザ光束測定装置の上記構成に加え、コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させる「光路分岐手段」と、この光路分岐手段により分岐されたレーザ光束を集束させた集束レーザ光束に基づき、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定するビームウエスト測定系を有し、請求項2または3記載の集光レーザ光束測定方法を実施できる(請求項5)。
【0026】
即ち「ビームウエスト測定系」は、集束レーザ光束のビームウエスト位置および/またはビームウエスト径を測定する機能を持つ。
【0027】
集光レーザ光束に基づき、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定する「ビームウエスト測定系」を有することにより、請求項2または3記載の集光レーザ光束測定方法を実施できる(請求項5)。光束径:Dの測定、ビームウエスト位置:δの測定に必要な演算は、上記「演算手段」が行う。
【0028】
請求項5記載の集光レーザ光束測定装置における「光路分岐手段」は、コリメート手段とビームスプリット手段との間に配置することができる(請求項6)が、勿論、光路分岐手段を「ビームスプリット手段よりも後段」に配置することもできる。
【0029】
上記請求項4または5または6記載の集光レーザ光束測定装置はまた、コリメート手段の直後に「偏光子と1/4波長板とによる戻り光束遮断手段」を有することができ(請求項7)、請求項4〜7の任意の1に記載の集光レーザ光束測定装置は、「測定される集光レーザ光束における光強度を調整するNDフィルタ手段」を有することができる(請求項8)。
【0030】
上記「保持具」がレーザ光束放射装置を保持すると、保持されたレーザ光束放射装置は「測定系に対して所定の位置関係」に置かれ、このように保持された状態で測定された「光軸ずれ、光軸傾き角」が0であれば、レーザ光束放射装置は光軸ずれ・光軸傾きに関しては「所望の状態」にあり、この状態で測定された光束径あるいはビームウエスト位置の測定値が所望の値を有するとき、レーザ光束放射装置は「適正な状態」にある。
【0031】
従って、この発明の集光レーザ光束測定装置は「レーザ光束放射装置」を保持した状態で、光軸ずれや光軸傾き角、さらにはこれらと光束径やビームウエスト位置を測定しつつ、レーザ光束放射装置を「適正な状態」に調整する手段として用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1に「集光レーザ光束測定装置」の実施の1形態を示す。
図1において、符号10は「レーザ光束放射装置」、符号11は「保持具」、符号13は「コリメート手段」としてのコリメートレンズ、符号15は「偏光子」、符号17は「1/4波長板」、符号19は「光路分岐手段」としてのハーフミラー、符号21は「ビームスプリット手段」としてのハーフミラー、符号23は反射鏡、符号25はアパーチュア、符号27、35、39はNDフィルタ、符号29はフォーカスレンズ、符号31はビームウエスト測定手段、符号37は「第1の位置検出手段としてのPSD」、符号41は「光軸ずれ検出器」、符号43は制御手段を示している。
【0033】
保持具11は、測定装置の他の部分である測定系と同一の架台に装荷され、レーザ光束放射装置10を「測定系に対して一定の態位」となるように保持する。
【0034】
説明の具体性のため、レーザ光束放射装置は「AOによる光スイッチングを受ける光走査用の光源装置」で、前述したように「AO素子による音響光学効果を受ける部分」に集光するように、集光性のレーザ光束を放射するものとする。レーザ光束放射装置10は、放射するレーザ光束を集光させるための「集束用レンズ」を有し、この集束用レンズを調整することにより、光軸ずれ、光軸傾き角、光束径あるいはビームウエスト位置を調整できるようになっており、図1の集光レーザ光束測定装置は「集束用レンズによる調整で、レーザ光束放射装置10を適正な状態に調整する補助手段」として用いられる。
【0035】
図1のようにレーザ光束放射装置10を保持具11に保持させた状態で集光性のレーザ光束を放射させる。この集光レーザ光束は集光位置Pに集光した後、発散性の光束となってコリメートレンズ13に入射し、コリメートレンズ13の作用により平行光束化される。この際、前述した「集束用レンズ」を光軸方向へ位置調整し、集光レーザ光束が、コリメートレンズ13の略物体側焦点位置に集光するようにする。
【0036】
コリメートレンズ13により平行光束化されたレーザ光束は、偏光子15を透過して直線偏光状態となり、さらに1/4波長板17を透過して円偏光状態となる。偏光子15と1/4波長板17とは「戻り光束遮断手段」を構成する。
【0037】
戻り光束遮断手段を通過した円偏光状態の平行光束は、ハーフミラー19に入射し、一部はハーフミラー19を透過し、一部はアパーチュア25の側へ光路分岐される。ハーフミラー19を透過した平行光束は、さらにハーフミラー21に入射して2分割される。
【0038】
光路分岐された平行光束は、アパーチュア25を介してNDフィルタ27を透過する。NDフィルタ27は回転式で「回転角に応じて透過率がグラデーションをなして変化する」ようになっており、回転角の調整により「光束径測定に適した光強度」を実現する。他のNDフィルタ35、39も同様である。
【0039】
このようにNDフィルタ27、35、39を用いることにより、放射光強度の異なる種々のレーザ光束放射装置に対し、適正な測定を行うことができる。
【0040】
NDフィルタ27を透過した平行光束はフォーカスレンズ29で絞り込まれつつ、ビームウエスト測定手段31に入射する。アパーチュア25とフォーカスレンズ29とビームウエスト測定手段31とは「ビームウエスト測定系」を構成する。
【0041】
フォーカスレンズ29で集束された集束レーザ光束は、ビームウエスト測定手段31内で集束して集束位置に「ビームウエスト」を形成する。ビームウエスト測定手段31は、このビームウエストの位置(フォーカスレンズ29からの距離)と、ビームウエスト径(コリメートレンズ13の焦点距離:f1と、フォーカスレンズ29の焦点距離:F(この実施の形態においては200mmに設定されている)により定まる)とを測定する。このような「ビームウエスト測定手段」は、従来から、ダブルスリット法やダブルナイフ法等、種々の方式のものが知られており、これらを適宜に利用できる。
【0042】
アパーチュア25は、分岐されたレーザ光束の光路に対して出入可能であり、ビームウエスト位置:δの測定を行うとき上記光路上にセットされ、ビームウエスト位置測定における「収差の影響によるダブルスリット波形の乱れを防ぎ、前記レーザ光束放射装置の集束用レンズを光軸方向へ変位させたときの、ダブルスリット波形の変化のレスポンスを最適にする。光束径:Dの測定の際には、アパーチュア25は分岐されたレーザ光束の光路から退避される。
【0043】
ビームウエスト測定手段31は、マイクロコンピュータ等である制御手段43により制御され、その出力は制御手段43に取り込まれる。制御手段43は、ビームウエスト測定手段31の出力(レーザ光束放射装置から放射された集束性の集光レーザ光束が、コリメートレンズ13の焦点位置に形成するビームウエスト径、即ち、測定対象の「光束径:D」やビームウエスト位置:δと相関関係がある)に応じ、上記相関関係に基づく理論式の演算で光束径:Dやビームウエスト位置:δを演算算出する。
【0044】
コリメートレンズ13とフォーカスレンズ29とはアフォーカル系を構成するので、その横倍率:βは「F/f1」である。そうすると、集光位置Pに集光したレーザ光束の光束径(ビームウエスト径):Dは、ビームウエスト測定手段31の出力する「フォーカスレンズ29により集束されたレーザ光束の形成するビームウエスト径:d」と、d=β・D=F・D/f1の関係にある。
【0045】
即ち、レーザ光束の波長をλとすると、コリメートレンズ13によりコリメートされた平行レーザ光束の光束径をΔとして、Δ=f1・λ/(π・D)であり、d=F・λ/(π・Δ)であるから、d=F・λ/(π・{f1・λ/(π・D)})=F・D/f1が得られる。
【0046】
従って、ビームウエスト測定手段31により測定されたビームウエスト径:dが知られれば演算:D=(f1/F)dにより光束径:Dを知ることができる。
【0047】
コリメートレンズ13とフォーカスレンズ29とはアフォーカル系であるので、集光レーザ光束の集光位置Pが、正しく「コリメートレンズ13の物体側焦点位置」にあれば、ビームウエスト測定手段31により検出される集束レーザ光束のビームウエスト位置は、フォーカシングレンズ29の像側焦点位置にある。
【0048】
上記集光位置Pが、コリメートレンズ13の物体側焦点位置から「δ」だけずれたとすると、ビームウエスト測定手段31が検出する「集束レーザ光束のビームウエスト位置のずれ量:ΔS」は、アフォーカル系の縦倍率:β2によりδとΔS=β2・δ=(F/f1)2・δの関係を満足する。
【0049】
従って、集光位置P(ビームウエスト位置)のずれ量であるビームウエスト位置:δは、δ=(f1/F)2ΔSとなり、ビームウエスト測定手段31によりΔSを求めれば、上記演算によりビームウエスト位置:δを特定できる。これら演算は、制御手段43において行う。
【0050】
ハーフミラー21により2分割された一方の平行光束(ハーフミラー21により反射された成分)は、NDフィルタ35を透過して光強度を適正に調整され、PSD37に入射する。
ハーフミラー21により2分割された他方の光束(ハーフミラー21を透過した成分)は、反射鏡23により光路を折り曲げられ、NDフィルタ39により光強度を調整されて光軸ずれ検出器41に入射する。
【0051】
図2を参照して、PDS37による「光軸傾き角」の測定を説明する。
【0052】
図2は、コリメートレンズ13とPSD37の位置関係を、両者間の光路を直線的に展開した状態で示している。図2において、コリメートレンズ13からPSD37に至る距離:Z1は、コリメートレンズ13の焦点距離:f1に等しく設定されている。
【0053】
平行光束としての集光レーザ光束は、その光軸上の強度を最大とするガウス分布型の強度分布を有しており、PSD37は、これに入射してくる平行光束における最大強度位置の基準軸(コリメートレンズ13の光軸に合致する)AXに対するずれ量:Xを検出して出力する。
【0054】
図2に示すように、コリメートレンズ13に図の左方から入射するレーザ光束(発散光束)の光軸が、コリメートレンズ13の光軸(上記基準軸)AXに対して平行にずれている場合(図2に破線で示す)には、平行光束の強度が最大となる光軸光線はPSD37上の基準軸AX上に入射するので、ずれ量:Xは、コリメートレンズ13へ入射する集光レーザ光束の「基準軸に平行なずれ」には影響されない。
【0055】
一方、図2に実線で示すように、コリメートレンズ13に入射する集光レーザ光束の光軸が、基準軸AXに対して傾き角:θで傾いていると、集光レーザ光束の光軸はPSD37において、基準軸AXからずれ量:Xだけずれた位置に入射する。従って、ずれ量:Xは集光レーザ光束の「光軸傾き角:θ」に対応する。
【0056】
図1において、PSD37は制御手段43の制御を受け、その出力は制御手段43に取り込まれる。制御手段43は、取り込んだずれ量:Xに基づき、集光レーザ光束の光軸傾き角:θを算出する。
【0057】
図2から明らかなように、光軸傾き角:θと、ずれ量:Xの間には、
f1・tanθ=X
の関係があるので、演算手段43により
θ=tan−1(X/f1)
の右辺を演算することにより、光軸傾き角:θを算出できる。
【0058】
次に、図1における光軸ずれ検出器41による「光軸ずれ」の検出と、光軸の基準軸からのずれ量:ξの演算を説明する。図1に示すように、光軸ずれ検出器41は、集光レンズ41Aと、第2の位置検出手段としてのPSD41Bとを有している。
【0059】
図3を参照すると、図3において、符号13はコリメートレンズ、符号41Aは光軸ずれ検出器41における「集光レンズ」を示している。集光レンズ41Aは、ビームスプリット手段21により2分割された他方の平行光束を集光させる「集光手段」で焦点距離:f2を有する。
【0060】
図1において、光軸ずれ検出器41に入射する集光レーザ光束は、コリメートレンズ13により平行光束化されているので、集光レンズ41Aに入射したレーザ光束は「集光レンズ41Aの焦点面」上に集光する。PSD41Bは、その受光面を集光レンズ41Aの焦点面に合致させて配置されている。PSD41Bは制御手段43の制御を受け、その出力は制御手段43に取り込まれる。
【0061】
図3に示すように、集光レンズ41Aは焦点距離:f2を有する。コリメートレンズ13と集光レンズ41Aとは「アフォーカル系」を構成し、第2の位置検出手段としてのPSD41B(図3には図示されていない)が検出する「集光レンズ41Aにより集光される光束の結像位置の基準軸AXからのずれ量:Y」は、コリメートレンズ13に入射するレーザ光束の光軸の基準軸AXからのずれ量:ξと以下の関係にある。
【0062】
f2・ξ=f1・Y
従って、求めるずれ量:ξは、
ξ=(f1/f2)Y
の右辺を演算することで得ることができ、制御手段43はこの演算を行う。
【0063】
制御手段43による演算で算出された光束径:D、ビームウエスト位置:δ(コリメートレンズ13の物体側焦点位置との差)、光軸傾き角:θ、光軸ずれ量:ξは、図1に図示されない「表示ディスプレイ」に表示される。
【0064】
上記測定が行われる間、測定系における反射光が戻り光束としてレーザ光束放射装置10に戻ると測定に影響するが、このような戻り光束は偏向し15と1/4波長板17による「戻り光束遮断手段」によりレーザ光束放射装置10に対して遮断される。
【0065】
このようにして測定されたD、δ、θ、ξに基づき、レーザ光束放射装置10における前述の「集束用レンズ」の光軸方向の位置や傾きの調整により、レーザ光束放射装置10を適正な状態に調整できる。
【0066】
即ち、図1〜図3に即して実施の形態を説明した集光レーザ光束測定装置は、測定対象となる集光性のレーザ光束を放射するレーザ光束放射装置10を保持する保持具11と、レーザ光束放射装置10から放射されて、集光位置Pに集光した後の発散性のレーザ光束を平行光束化するべく焦点距離:f1を持つコリメート手段13と、コリメート手段13により平行光束化されたレーザ光束を2光束に分割するビームスプリット手段21と、コリメート手段13からビームスプリット手段21を介して距離:f1だけ離れた位置に配置され、ビームスプリット手段21により分割された一方の光束を受光し、光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xを検出する第1の位置検出手段37と、焦点距離:f2を有しビームスプリット手段21により2分割された他方の平行光束を集光させる集光手段41Aと、この集光手段により集光される光束の結像位置の、基準軸からのずれ量:Yを検出する第2の位置検出手段41Bと、第1の位置検出手段37により検出されるずれ量:Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、第2の位置検出手段41Bにより検出されるずれ量:Yと、焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する演算手段43とを有する(請求項4)。
【0067】
上記集光レーザ光束測定装置はまた、コリメート手段13により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させる光路分岐手段19と、この光路分岐手段19により分岐されたレーザ光束に基づき、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定するビームウエスト測定系25、29、31を有する(請求項5)。
【0068】
また、光路分岐手段19は、コリメート手段13とビームスプリット手段21との間に配置され(請求項6)、コリメート手段13の直後に、偏光子15と1/4波長板17とによる「戻り光束遮断手段」を有する(請求項7)。
【0069】
さらに、測定される集光レーザ光束における光強度を調整するNDフィルタ手段27、35、39を有する(請求項8)。
【0070】
従って、上記実施の形態の集光レーザ光束測定装置によれば、レーザ光束放射装置10から放射された集光性の集光レーザ光束の、光束光軸の基準軸AXに対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角、光束径、ビームウエスト位置のうちの、少なくとも光軸ずれと光軸傾き角とを同時に測定する方法であって、レーザ光束放射装置10から放射されて集光位置に集光した後の発散性の集光レーザ光束を、焦点距離:f1を持つコリメート手段13により平行光束化するとともに、平行光束化されたレーザ光束をビームスプリット手段21により2光束に分割し、分割された一方の光束を、コリメート手段13から距離:f1だけ離れた位置に配置した第1の位置検出手段37に入射させ、第1の位置検出手段37により検出される光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xと焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、ビームスプリット手段21により2分割された他方の平行光束を、焦点距離:f2を持つ集光手段41Aを介して、第2の位置検出手段41B上に結像させ、第2の位置検出手段41Bにより検出される結像位置の基準軸からのずれ量:Yと、焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを、演算:ξ=Y・f1/f2により算出する集光レーザ光束測定方法(請求項1)が実施される。
【0071】
また、上記集光レーザ光束測定方法とともに、コリメート手段13により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系25、29、31へ導き、この測定系により、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置:δを測定する集光レーザ光束測定方法(請求項2、3)が実施される。
【0072】
上の説明においては、コリメートレンズ13とフォーカスレンズ29との組合せ、コリメートレンズ13と集光レンズ41Aとの組合せが、それぞれ「アフォーカル系」をなすとして説明を行ったが、コリメートレンズ13により平行光束化されたレーザ光束は光束径が大きいので、上記の各組合せは、厳密なアフォーカル系である必要は無く、上記の演算が近似的に成り立つ範囲の「実質的なアフォーカル系」であれば良い。
【0073】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な集光レーザ光束測定方法および装置を実現できる。この発明の方法・装置によれば、レーザ光束放射装置から放射された集光性のレーザ光束の、光束光軸の基準軸に対する光軸ずれ、基準軸に対する光軸傾き角、光束径、ビームウエスト位置のうちの、少なくとも光軸ずれと光軸傾き角とを同時に測定することができ、測定の効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】集光レーザ光束測定装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】図1の測定装置における光軸傾き角の測定を説明するための図である。
【図3】図1の測定装置における光軸ずれの測定を説明するための図である。
【符号の説明】
10 レーザ光束放射装置
11 保持具
13 コリメートレンズ
19、21 ハーフミラー
37 PSD
41 光軸ずれ検出器
Claims (8)
- レーザ光束放射装置から放射された集光性のレーザ光束の、光束光軸の基準軸に対する光軸ずれ、上記基準軸に対する光軸傾き角、光束径、ビームウエスト位置のうちの、少なくとも上記光軸ずれと光軸傾き角とを同時に測定する方法であって、
レーザ光束放射装置から放射されて集光位置に集光した後の発散性のレーザ光束を、焦点距離:f1を持つコリメート手段により平行光束化するとともに、平行光束化されたレーザ光束をビームスプリット手段により2光束に分割し、
分割された一方の光束を、上記コリメート手段から距離:f1だけ離れた位置に配置した第1の位置検出手段に入射させ、第1の位置検出手段により検出される、光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xと上記焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、
上記ビームスプリット手段により2分割された他方の平行光束を、焦点距離:f2を持つ集光手段を介して、第2の位置検出手段上に結像させ、第2の位置検出手段により検出される結像位置の基準軸からのずれ量:Yと、上記焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出することを特徴とする集光レーザ光束測定方法。 - 請求項1記載の集光レーザ光束測定方法において、
コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系へ導き、このビームウエスト測定系により、集光レーザ光束の光束径:Dを測定することを特徴とする集光レーザ光束測定方法。 - 請求項1または2記載の集光レーザ光束測定方法において、
コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させてビームウエスト測定系へ導き、このビームウエスト測定系により、集光レーザ光束のビームウエスト位置を測定することを特徴とする集光レーザ光束測定方法。 - 請求項1記載の集光レーザ光束測定方法を実施する装置であって、
測定対象となる集光性のレーザ光束を放射するレーザ光束放射装置を保持する保持具と、
上記レーザ光束放射装置から放射されて、集光位置に集光した後の発散性のレーザ光束を平行光束化するべく、焦点距離:f1を持つコリメート手段と、
このコリメート手段により平行光束化されたレーザ光束を2光束に分割するビームスプリット手段と、
上記コリメート手段から上記ビームスプリット手段を介して距離:f1だけ離れた位置に配置され、上記ビームスプリット手段により分割された一方の光束を受光し、光束の最大強度位置の基準軸からのずれ量:Xを検出する第1の位置検出手段と、
焦点距離:f2を有し、上記ビームスプリット手段により2分割された他方の平行光束を集光させる集光手段と、
この集光手段により集光される光束の結像位置の、基準軸からのずれ量:Yを検出する第2の位置検出手段と、
第1の位置検出手段により検出されるずれ量:Xと上記焦点距離:f1とから、光軸傾き角:θを演算:θ=tan−1(X/f1)により算出し、第2の位置検出手段により検出されるずれ量:Yと、上記焦点距離:f1、f2とにより、光軸ずれ:ξを演算:ξ=Y・f1/f2により算出する演算手段とを有することを特徴とする集光レーザ光束測定装置。 - 請求項4記載の集光レーザ光束測定装置において、
コリメート手段により平行光束化されたレーザ光束の一部を分岐させる光路分岐手段と、
この光路分岐手段により分岐された上記レーザ光束の一部を集束させた集束レーザ光束に基づき、集光レーザ光束の光束径:Dおよび/またはビームウエスト位置を測定するビームウエスト測定系を有し、請求項2または3記載の集光レーザ光束測定方法を実施する集光レーザ光束測定装置。 - 請求項5記載の集光レーザ光束測定装置において、
光路分岐手段が、コリメート手段とビームスプリット手段との間に配置されることを特徴とする集光レーザ光束測定装置。 - 請求項3または4または5または6記載の集光レーザ光束測定装置において、
コリメート手段の直後に、偏光子と1/4波長板とによる戻り光束遮断手段を有することを特徴とする集光レーザ光束測定装置。 - 請求項3〜7の任意の1に記載の集光レーザ光束測定装置において、
測定されるレーザ光束における光強度を調整するNDフィルタ手段を有することを特徴とする集光レーザ光束測定装置。
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JP2006133020A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Topcon Corp | レーザ光線射出装置 |
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CN111122124A (zh) * | 2019-12-14 | 2020-05-08 | 杭州电子科技大学 | 一种基于半导体激光器光束的多通道同步表征装置及方法 |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002214186A patent/JP2004053525A/ja active Pending
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