JP2004046449A - ドライブレコーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】車載装置において、外部情報を参照することでシステムダウンするなどの不具合が生じた際、原因の解明の効率化に寄与することが可能なドライブレコーダを提供する。
【解決手段】車載LAN10との接続部と、LAN10に接続されて外部情報通信機器11及び車両の電子制御装置からの情報を受信する情報受信装置2と、情報受信装置2で得られた情報を記憶する記憶装置3と、記憶装置3に記憶された情報をLAN10に接続された解析用コンピュータに送信する情報送信装置4とを具える。
【選択図】 図2
【解決手段】車載LAN10との接続部と、LAN10に接続されて外部情報通信機器11及び車両の電子制御装置からの情報を受信する情報受信装置2と、情報受信装置2で得られた情報を記憶する記憶装置3と、記憶装置3に記憶された情報をLAN10に接続された解析用コンピュータに送信する情報送信装置4とを具える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライブレコーダに関するものである。特に、外部情報を参照することで車載装置がシステムダウンするなどを生じた際、その原因解明の効率化を図るドライブレコーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブレーキやハンドル、トランスミッションなどの車両の運転に関与する部位は、それぞれ電子制御機器により運転条件を制御させており、近年、この運転条件データを記録させるドライブレコーダが検討されている。ドライブレコーダに記録されたデータは、車両事故などが生じた際、解析装置にて出力され、作業者が事故などの原因を解明するために使用される。
【0003】
また、近年、例えば、外部から情報を受信することができる受信機能を有した外部情報通信機器を車両に搭載することが行われている。受信した情報は、カーナビゲーションシステムに具えるモニタなどの表示装置により表示することで、運転者に閲覧可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は、外部情報を参照することにより、車載装置がシステムダウンするなどの不具合などが生じた際、その原因の解明が困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の主目的は、車載装置がシステムダウンするなどの不具合が生じた際、原因の解明の効率化に寄与することが可能なドライブレコーダを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車載装置が外部から得た外部情報をドライブレコーダに記録することで上記の目的を達成する。
【0007】
即ち、本発明ドライブレコーダは、車載される通信回線との接続部と、前記通信回線に接続される外部情報通信機器からの外部情報を受信する受信部と、前記受信部で得られた外部情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された外部情報を通信回線に接続された解析装置に送信する送信部とを具えることを特徴とする。
【0008】
従来、車載装置が故意に送信された不正なデータ、フォーマットが適切でないデータや通信ノイズにより不正化したデータなどを受信したり、これら不正なデータを参照したりすることで、車載装置がシステムダウンするなどの不具合が発生しても、その原因を解明することが非常に困難であった。しかし、本発明ドライブレコーダにより、外部情報通信機器が得た外部情報を保存しておくことで、外部情報を受信、参照した車載装置に不具合などが生じた際、保存しているデータを原因の解明の資料として用いることができる。そのため、不具合の原因の解明をより効率よく行うことができると考えられる。
【0009】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明ドライブレコーダは、例えば、車両に通信回線を用いてLAN(Loacal Area Network)などの通信回路を構築し、この通信回路に接続して用いる。この通信回路には、外部情報通信機器をも接続する。この構成により、車載の通信回路に接続される機器は、通信回路に流れる情報を参照することができる、即ち、本発明ドライブレコーダは、通信回路に接続される外部情報通信機器が得た外部情報を参照することができる。通信回路は、特に、高速LANを用いると、複数の情報を同時に送る(多重通信)ことができて好ましい。
【0010】
外部情報通信機器は、外部からの情報を受信可能な受信機能を有するもので、通信回線に接続可能なものが挙げられる。例えば、携帯電話、道路交通情報通信システム(通称VICS:Vehicle Information and Communication System)などからの情報が受信可能なVICS用車載機、有料道路自動料金収受システム(通称ETC:Electronic Toll Collection System)や狭域通信(通称DSRC:Dedicated Short Range Communication)などのシステムを利用可能な車載機、デジタル放送受信機などが挙げられる。VICS用車載機には、3メディア(光ビーコン、電波ビーコン、FM多重放送)の受信機を具えるカーナビゲーションシステムなどが挙げられる。また、得られた情報を運転者が閲覧できるようにモニタなどの表示機能を有する表示装置などを合わせて具えることが好ましい。例えば、上記カーナビゲーションシステムのモニタや、デジタル放送表示機、PDA(Personal DigitalAssistant)、パソコンなどが挙げられる。これら表示装置も同様に通信回線に接続可能なものである。
【0011】
本発明ドライブレコーダに具える受信部は、上記外部情報通信機器からの外部情報を通信回線を介して受信可能なものであればよく、汎用されている受信装置を用いてもよい。この受信部には、受信部に情報が受信された時刻が分かるように時計を内蔵させてもよい。このとき、受信情報と共に受信した時刻を記憶部に保存させると、原因解明の資料として利用できる。
【0012】
記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HD(Hard Disk)などの読み書き可能な媒体が挙げられる。記憶部に記憶させる項目は、通信回線を流れる外部情報通信機器などからの各情報において、それぞれ全ての項目としてもよい。例えば、情報を発信した発信元、情報を受信した外部情報通信機器、外部通信手段、情報の種別、情報サイズ、情報の内容としてもよい。情報発信元のデータは、情報を発信した機器のIDや、インターネットによる発信であれば、IPアドレスなどの外部情報の発信元(送信側)が区別特定できるデータが挙げられる。外部情報通信機器のデータは、機器のIDなど、外部情報の発信先(受信側)が区別特定できるデータが挙げられ、例えば、最終的に外部情報を得た機器のIDとしてもよい。外部通信手段のデータは、外部との通信を行った場合に携帯電話やDSRCなどの通信手段を特定するためのデータであり、車載装置同士が通信回線を介して互いに車内通信を行う場合、外部通信手段は格納されないように構成してもよい。情報の種別のデータは、地図情報、デジタル画像情報、Web情報などのコンテンツ分類を示すデータが挙げられる。
【0013】
一般に、記憶部に記憶可能な容量には限度があり、上記のように通信回線を流れる各情報について、全ての項目を保存すると限度を超える恐れがある。そこで、各情報において記憶させる項目は、不具合発生の原因解明に寄与するような一定の項目、例えば、発信元、外部情報通信機器、情報の種別、通信量のみとしてもよい。通信量は、情報サイズにより求めることができる。なお、各情報において、外部通信手段に外部情報通信機器のデータが格納されていれば、記憶部の記憶対象情報であると判断することができる。
【0014】
記憶部の容量の限度を超えることが考えられる場合は、格納タイミングが古い情報から順次消去して、新しい情報の格納領域を確保できるように構成することが望ましい。このような構成は、従来のドライブレコーダの記憶部の更新構成を適用することができる。
【0015】
記憶部に保存していた外部情報を外部に表出させる解析装置に情報を送る送信部は、通信回線を介して情報の送信が可能なものであればよく、汎用されている送信装置を用いてもよい。
【0016】
その他、本発明ドライブレコーダには、複数の情報を解析できる情報解析装置を具えることが好ましい。複数の外部情報通信機器や後述する複数の車両の電子制御装置を通信回線に接続する場合、ドライブレコーダには、複数の情報が同時に受信部に送られてくることが考えられる。このとき、情報の内容の解析を行い、機器別、制御装置ごとなどに区分けして保存することが好ましいからである。
【0017】
本発明ドライブレコーダに保存された情報を表出させる解析装置は、通信回線に直接接続して外部情報が取得できる解析用コンピュータや、通信回線に接続された外部情報通信機器を介して、無線で送信された保存情報を受信して外部情報が取得できる解析用コンピュータなどが挙げられる。後者は、通信回線に間接的に接続される。例えば、解析装置をインターネットに接続させ、外部情報通信機器としてインターネット接続された携帯電話を用いることが挙げられる。このとき、解析装置は、インターネット→携帯電話→通信回線を介して外部情報の出力命令をドライブレコーダの受信部に送信し、送信部→通信回線→携帯電話→インターネットを介して外部情報を取得することができる。インターネットを利用すれば利便性が上がり、解析装置は、インターネットに接続されたいずれの外部情報通信機器からもダウンロードが可能である。なお、インターネットを利用する場合には、情報を暗号化するなどして、セキュリティの確保も考慮することが望ましい。
【0018】
本発明ドライブレコーダは、更に、記憶部に記憶された外部情報に基づき通信に要した費用を算出する費用算出部を具えることが好ましい。費用算出部は、従来の通信手段に具えられる一般的な通信コスト計算式を適用して、外部情報通信機器の種別と情報サイズから費用を算出できるものが挙げられる。算出した費用は、通信回線に接続された表示装置に送信して、運転者が費用を確認できるようにすることが好ましい。通信コスト計算式は、中期的、長期的に流動することが予想されるため、計算式自体を変更できるようにすることが望ましい。変更は、例えば、計算式自体を外部情報として受信して更新させることで行ってもよい。
【0019】
更に、記憶部に保存された外部情報を消去する記憶消去部を具えていてもよい。保存された外部情報には、運転者のプラバシーに関する情報など任意の第三者に提示することが運転者にとって不利益となる情報も存在すると考えられる。そこで、運転者のプライバシー保護などを目的として外部情報を消去できることが好ましいからである。
【0020】
外部情報通信機器が携帯電話やDSRC用車載機など双方向の通信が可能な機器の場合、情報を外部に送信することができる。例えば、ナビゲーションシステムにおいて、地図情報を新たに取得したい場合、必要な地図領域を携帯電話にて地図配信サーバーに要求することが考えられる。このとき、発信元をナビゲーションシステム、発信先を地図配信サーバー、外部通信手段を携帯電話として、通信回線を介して必要な地図領域の情報を送信すると、通信回線には、送信情報が流れることになる。上記のように本発明ドライブレコーダは、通信回線に接続されるため、この送信情報も参照することができ、記憶部に受信情報だけでなく送信情報をも保存することが可能である。
【0021】
本発明ドライブレコーダは、通信回線に接続される車両の電子制御装置からの車両情報をも記憶することが好ましい。このとき、外部情報及び電子制御装置からの車両情報を同一のドライブレコーダにて記憶させることができる。
【0022】
電子制御装置は、例えば、ABS(Anti−lock Brake System:制動時、車輪の回転が止まって車両が路面を滑走する現象を防止する装置)、ライト、ブレーキ、アクセル、ハンドル、トランスミッションなどの運転に関与する部位において運転条件を制御する装置が挙げられる。また、運転状態などの画像データを得るためのカメラなどの制御装置が挙げられる。これら電子制御装置などの車載装置においても通信回線を介して外部情報を参照する機能を有する場合、外部情報が上記不正なデータであると、このデータに起因してシステムダウンなどを起こす恐れがある。しかし、本発明ドライブレコーダにより、外部情報の履歴を保存しておくことで、保存したデータにて不具合の原因の解明をより効率よく行えると考えられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明ドライブレコーダを接続した通信回路を示す説明図、図2は、本発明ドライブレコーダの構造説明図である。本発明ドライブレコーダ1は、図2に示すように車載LAN10との接続部(図示せず)と、LAN10に接続されて外部情報通信機器11及び車両の電子制御装置12(図1参照)からの情報を受信する情報受信装置2と、情報受信装置2で得られた情報を記憶する記憶装置3と、記憶装置3に記憶された情報をLAN10に接続された解析用コンピュータ(図示せず)に送信する情報送信装置4とを具える。以下、より詳しく説明する。
【0024】
本例において情報受信装置2には、内蔵時計2aを具えており、受信された外部情報の受信時刻を外部情報と共に記憶装置3に記憶できる構成とした。また、本例では、車載LAN10に高速LANを用いて、複数の情報を同時に受信可能とし、複数の情報を区別して記憶装置3に保存するために情報解析装置5を具える。更に、解析用コンピュータにより保存した外部情報の出力要求があった場合、記憶装置3から情報の取り出し、送信情報の作成などを行う記憶内容取り出し装置6を具える。加えて、通信コスト計算式を用いた費用算出装置(図示せず)を具える。算出した費用は、運転者が確認できるように情報送信装置4に送り、表示装置13などにて表示する。
【0025】
このようなドライブレコーダ1は、情報受信装置2及び情報送信装置4とが車載LAN10に接続され、車載通信回路網の一構成をなす。車載LAN10には、図1に示すように携帯電話、DSRC用車載機、ETC用車載機、VICS用車載機、デジタル放送受信機などの外部情報通信機器11、及び受信した情報を表示する表示機能を有するカーナビゲーションシステムのモニタ、デジタル放送表示機などの表示装置13が接続されている。かつ、運転に関与する部位において運転条件を制御するABS制御装置12a、ライト制御装置12b、ブレーキ制御装置12c、アクセル制御装置12d、ハンドル制御装置12e、トランスミッション制御装置12fや、フロントカメラ制御装置12g、センターカメラ制御装置12h、リアカメラ制御装置12iなどの電子制御装置12が接続されている。従って、ドライブレコーダ1は、車載LAN10を介して、外部情報通信機器11及び電子制御装置12からの情報を情報受信装置2(図2参照)にて受信することができる。かつ、記憶装置3に保存された情報を情報送信装置4にて送信して、車載LAN10を介して外部に提示することができる。なお、本例では、ループ型の通信回路を説明したが、ツリー型やスター型としてももちろんよい。
【0026】
上記の構成により、外部から送信されてきた情報は、受信機能を有する外部情報通信機器11にて受信すると、車載LAN10を通じてカーナビゲーションシステムやデジタル放送表示機などの表示装置13に送られる。同時に、車載LAN10を流れる情報は、LAN10に接続される全て機器、即ち、ドライブレコーダ1にも送られ、ドライブレコーダ1は、この情報を区分し保存する。
【0027】
車載LANに流れる情報の一例を表1、表2に示す。表1は、外部情報通信機器及び表示装置の情報であり、表2は、電子制御装置の情報である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
次に、図3のフローチャートをもとに本発明ドライブレコーダを用いて外部情報を記憶部に記憶させる手順を説明する。図4は、車載LANに流れる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図、図5は、記憶部に記憶させる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図である。外部情報通信機器や電子制御装置から車載LANを介してドライブレコーダに送られてきた情報(図4参照)を情報受信装置で受信する(ステップ30)。情報受信装置で受信された情報には、外部から送信されてきた外部情報と、外部情報通信機器が車内通信を行った情報や電子制御装置からの車両情報などの車内情報とが含まれる。そこで、情報受信装置は、外部情報であるかどうかを判定する(ステップ31)。本例において車載LANに流れる外部情報通信機器からの情報には、図4に示すように外部から情報を送信した発信元機器ID、情報をLANに送信する発信先機器ID、外部との通信を行う外部通信手段(外部情報通信機器)のID、情報の種別、情報サイズ、情報の内容を保有させている。上記外部通信手段に外部情報通信機器IDなどが格納されている場合、その情報は、外部情報であると判定される。受信した情報が外部情報である場合、情報受信装置は、内蔵時計により受信時刻を取得し(ステップ32)、外部情報及び受信時刻を情報解析装置に通知する(ステップ33)。情報解析装置は、受信した外部情報を解析して、情報の種別、情報サイズ、発信元機器ID、発信先機器IDを取得し(ステップ34)、受信時刻と共に通信履歴情報として記憶装置に送る(ステップ35)。記憶装置は、この通信履歴情報を記憶部に記録し保存する(ステップ36)。即ち、本例では、記憶情報として、図5に示すように受信時間、発信元機器ID、発信先機器ID、情報の種別、通信量が保存される。通信量は、情報サイズにより求める。
【0031】
一方、上記外部通信手段に外部情報通信機器IDなどが格納されておらず、その他の車載装置固有のIDや、車内外がIP接続されている際はIPナンバーなどが格納されている場合、その情報は、外部情報でなく、車内情報である。この場合、情報解析装置に通知され(ステップ37)、外部情報通信機器、表示装置、電子制御装置毎に情報を区分し(ステップ38)、記憶装置に保存される(ステップ39)。このような記憶手順は、情報がドライブレコーダの情報受信装置に送られてくるごとに随時繰り返される。
【0032】
図6は、記憶手順を示すフローチャートである。情報を記憶装置に保存する場合、記憶部の容量には一般に限度があるため、全ての情報を同一の記憶部に保存し続けることは、困難である。そこで、本例では、受信時刻が古い情報を消去し、受信時刻が新しい情報を保存することができる構成としている。具体的な手順としては、記憶装置は、情報解析装置から情報サイズを受け取ると、情報サイズに基づき通信量を算出する(ステップ60)。そして、算出した通信量が記憶装置の格納可能サイズに収まるかを判定する(ステップ61)。通信量が格納可能サイズに収まる場合、記憶装置は、受信時間、発信元機器ID、発信先機器ID、情報の種別、通信量からなる通信履歴情報を格納する(ステップ62)。保存することによって記憶装置の格納可能サイズが変わるので、記憶装置は、格納可能サイズを更新する(ステップ63)。
【0033】
一方、算出した通信量が記憶装置の格納可能サイズに収まらない場合、記憶装置は、保存された情報のうち、受信時刻が最も古いものを消去する(ステップ64)。保存されていた情報が消去されることで、記憶装置の格納可能サイズが変わるので、記憶装置は、格納可能サイズを更新する(ステップ65)。
【0034】
このように記憶装置の格納可能サイズを確認し、最新の情報を保存できるよう構成することで、記憶装置に送られてきた情報が記録できないなどの不具合が生じることがない。
【0035】
次に、図7のフローチャートをもとに記憶装置に保存された通信履歴情報を外部に提示する手順について説明する。記憶装置に保存された通信履歴情報を外部に提示するには、まず、解析用コンピュータにて、保存された通信履歴情報の出力命令となる取得要求コマンドを作成する(ステップ70)。ここで、解析用コンピュータが車載LANに直接接続されている場合(有線接続の場合)と、LANに接続された外部情報通信機器を介して間接的に接続されている場合(無線接続の場合)とが考えられる。そのため、解析用コンピュータは、車載LANに有線で接続されているかどうかを判断する(ステップ71)。有線で接続されている場合、解析用コンピュータは、取得要求コマンドを車載LANに送信する(ステップ72)。即ち、解析用コンピュータは、ドライブレコーダに対し、車載LANを介して情報の出力要求を行う。有線で接続されていない場合、即ち、無線接続の場合、解析用コンピュータは、取得要求コマンドを車載LANに接続された携帯電話などの外部情報通信機器に無線で送信し(ステップ73)、コマンドを受けた外部情報通信機器がLANに送信する(ステップ73a)。即ち、解析用コンピュータは、ドライブレコーダに対し、インターネットなどを経て、外部情報通信装置→車載LANを介して情報の取得要求を行う。
【0036】
次に、ドライブレコーダの情報受信装置にて取得要求コマンドを受信し(ステップ74)、記憶装置に通信履歴情報が保存されているかを確認する(ステップ75)。通信履歴情報が保存されている場合、情報受信装置は、情報取り出し装置に記憶装置から必要な通信履歴情報のリストを取得させる命令を出し、情報取り出し装置は、リストを取得する(ステップ76)。通信履歴情報が保存されていない場合、情報なしとのエラー通知を行ったり、保存されるまで待機する。記憶取り出し装置は、取得したリストを元に送信情報を作成する(ステップ77)。送信情報は、例えば、時系列的な表示形式に変換しておくと、作業者が確認し易く好ましい。そして、記憶取り出し装置は、作成した送信情報を情報送信装置に送り、情報送信装置は車載LANに送信する(ステップ78)。情報受信装置が車載LANに直接接続される場合、取得要求コマンドを発行した解析用コンピュータを発信先に指定し、車載LANを介して作成した送信情報を解析用コンピュータに送る。解析用コンピュータが車載LANに接続される外部情報通信機器と無線により接続される場合、LAN及び外部情報通信機器を介して作成した送信情報を解析用コンピュータに送る。送信情報を受け取った解析用コンピュータは、モニタなどに送信情報を表示する(ステップ79)。図8に送信情報の表示例を示す。解析用コンピュータのモニタなどに送信情報を表示させることで、作業者は、容易に送信情報を確認することができる。
【0037】
本発明ドライブレコーダは、以下のような使用に適する。例えば、カーナビゲーションシステムがシステムダウンを起こした際、解析用コンピュータにより得た通信履歴情報をカーナビゲーションシステムと共にサービスセンターなどの作業者に提示する。すると、作業者は、システムダウンの原因解明の材料として通信履歴情報を用いることができる。例えば、通信履歴情報に記憶された発信元から情報を再送して不具合現象を再現するなどを行うことができる。従って、本発明ドライブレコーダは、外部情報通信機器の不具合の原因解明を効率化に寄与する可能性が高い。
【0038】
また、本発明ドライブレコーダは、従来のドライブレコーダと同様に車両の電子制御装置からの車両情報も記憶保存しており、車両事故などの原因解明に保存した車両情報を提示して、車両事故などの原因解明にも寄与することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明ドライブレコーダによれば、車載装置がシステムダウンなどの不具合を生じた場合、記憶部に記憶された外部情報を出力して不具合の原因解明の効率化に貢献できるという優れた効果を奏し得る。また、本発明ドライブレコーダは、外部情報の保存用としてだけでなく、車両の電子制御装置の車両情報をも保存することで、車両事故などが発生した際、従来と同様に車両情報を出力して事故の原因解明に寄与させることができる。更に、記憶部に保存する外部情報は、一定の内容とすることで、記憶部の格納可能サイズを不必要に大きくすることがない。加えて、通信費用の費用算出手段を具えることで、運転者に現在の通信費用を認識させ、費用の増大の抑制を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ドライブレコーダを接続した通信回路を示す説明図である。
【図2】本発明ドライブレコーダの構造説明図である。
【図3】本発明ドライブレコーダにおいて、外部情報を記憶部に記憶させる手順を示すフローチャートである。
【図4】車載LANに流れる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図である。
【図5】記憶部に記憶させる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図である。
【図6】本発明ドライブレコーダにおいて、記憶手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明ドライブレコーダの記憶装置に保存された情報を外部に提示する手順を示すフローチャートである。
【図8】送信情報の表示例である。
【符号の説明】
1 ドライブレコーダ 2 情報受信装置 2a 内蔵時計 3 記憶装置
4 情報送信装置 5 情報解析装置 6 記憶取り出し装置
10 車載LAN 11 外部情報通信機器 12 電子制御装置
12a ABS制御装置 12b ライト制御装置 12c ブレーキ制御装置
12d アクセル制御装置 12e ハンドル制御装置
12f トランスミッション制御装置 12g フロントカメラ制御装置
12h センターカメラ制御装置 12i リアカメラ制御装置 13 表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライブレコーダに関するものである。特に、外部情報を参照することで車載装置がシステムダウンするなどを生じた際、その原因解明の効率化を図るドライブレコーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブレーキやハンドル、トランスミッションなどの車両の運転に関与する部位は、それぞれ電子制御機器により運転条件を制御させており、近年、この運転条件データを記録させるドライブレコーダが検討されている。ドライブレコーダに記録されたデータは、車両事故などが生じた際、解析装置にて出力され、作業者が事故などの原因を解明するために使用される。
【0003】
また、近年、例えば、外部から情報を受信することができる受信機能を有した外部情報通信機器を車両に搭載することが行われている。受信した情報は、カーナビゲーションシステムに具えるモニタなどの表示装置により表示することで、運転者に閲覧可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は、外部情報を参照することにより、車載装置がシステムダウンするなどの不具合などが生じた際、その原因の解明が困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の主目的は、車載装置がシステムダウンするなどの不具合が生じた際、原因の解明の効率化に寄与することが可能なドライブレコーダを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車載装置が外部から得た外部情報をドライブレコーダに記録することで上記の目的を達成する。
【0007】
即ち、本発明ドライブレコーダは、車載される通信回線との接続部と、前記通信回線に接続される外部情報通信機器からの外部情報を受信する受信部と、前記受信部で得られた外部情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された外部情報を通信回線に接続された解析装置に送信する送信部とを具えることを特徴とする。
【0008】
従来、車載装置が故意に送信された不正なデータ、フォーマットが適切でないデータや通信ノイズにより不正化したデータなどを受信したり、これら不正なデータを参照したりすることで、車載装置がシステムダウンするなどの不具合が発生しても、その原因を解明することが非常に困難であった。しかし、本発明ドライブレコーダにより、外部情報通信機器が得た外部情報を保存しておくことで、外部情報を受信、参照した車載装置に不具合などが生じた際、保存しているデータを原因の解明の資料として用いることができる。そのため、不具合の原因の解明をより効率よく行うことができると考えられる。
【0009】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明ドライブレコーダは、例えば、車両に通信回線を用いてLAN(Loacal Area Network)などの通信回路を構築し、この通信回路に接続して用いる。この通信回路には、外部情報通信機器をも接続する。この構成により、車載の通信回路に接続される機器は、通信回路に流れる情報を参照することができる、即ち、本発明ドライブレコーダは、通信回路に接続される外部情報通信機器が得た外部情報を参照することができる。通信回路は、特に、高速LANを用いると、複数の情報を同時に送る(多重通信)ことができて好ましい。
【0010】
外部情報通信機器は、外部からの情報を受信可能な受信機能を有するもので、通信回線に接続可能なものが挙げられる。例えば、携帯電話、道路交通情報通信システム(通称VICS:Vehicle Information and Communication System)などからの情報が受信可能なVICS用車載機、有料道路自動料金収受システム(通称ETC:Electronic Toll Collection System)や狭域通信(通称DSRC:Dedicated Short Range Communication)などのシステムを利用可能な車載機、デジタル放送受信機などが挙げられる。VICS用車載機には、3メディア(光ビーコン、電波ビーコン、FM多重放送)の受信機を具えるカーナビゲーションシステムなどが挙げられる。また、得られた情報を運転者が閲覧できるようにモニタなどの表示機能を有する表示装置などを合わせて具えることが好ましい。例えば、上記カーナビゲーションシステムのモニタや、デジタル放送表示機、PDA(Personal DigitalAssistant)、パソコンなどが挙げられる。これら表示装置も同様に通信回線に接続可能なものである。
【0011】
本発明ドライブレコーダに具える受信部は、上記外部情報通信機器からの外部情報を通信回線を介して受信可能なものであればよく、汎用されている受信装置を用いてもよい。この受信部には、受信部に情報が受信された時刻が分かるように時計を内蔵させてもよい。このとき、受信情報と共に受信した時刻を記憶部に保存させると、原因解明の資料として利用できる。
【0012】
記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HD(Hard Disk)などの読み書き可能な媒体が挙げられる。記憶部に記憶させる項目は、通信回線を流れる外部情報通信機器などからの各情報において、それぞれ全ての項目としてもよい。例えば、情報を発信した発信元、情報を受信した外部情報通信機器、外部通信手段、情報の種別、情報サイズ、情報の内容としてもよい。情報発信元のデータは、情報を発信した機器のIDや、インターネットによる発信であれば、IPアドレスなどの外部情報の発信元(送信側)が区別特定できるデータが挙げられる。外部情報通信機器のデータは、機器のIDなど、外部情報の発信先(受信側)が区別特定できるデータが挙げられ、例えば、最終的に外部情報を得た機器のIDとしてもよい。外部通信手段のデータは、外部との通信を行った場合に携帯電話やDSRCなどの通信手段を特定するためのデータであり、車載装置同士が通信回線を介して互いに車内通信を行う場合、外部通信手段は格納されないように構成してもよい。情報の種別のデータは、地図情報、デジタル画像情報、Web情報などのコンテンツ分類を示すデータが挙げられる。
【0013】
一般に、記憶部に記憶可能な容量には限度があり、上記のように通信回線を流れる各情報について、全ての項目を保存すると限度を超える恐れがある。そこで、各情報において記憶させる項目は、不具合発生の原因解明に寄与するような一定の項目、例えば、発信元、外部情報通信機器、情報の種別、通信量のみとしてもよい。通信量は、情報サイズにより求めることができる。なお、各情報において、外部通信手段に外部情報通信機器のデータが格納されていれば、記憶部の記憶対象情報であると判断することができる。
【0014】
記憶部の容量の限度を超えることが考えられる場合は、格納タイミングが古い情報から順次消去して、新しい情報の格納領域を確保できるように構成することが望ましい。このような構成は、従来のドライブレコーダの記憶部の更新構成を適用することができる。
【0015】
記憶部に保存していた外部情報を外部に表出させる解析装置に情報を送る送信部は、通信回線を介して情報の送信が可能なものであればよく、汎用されている送信装置を用いてもよい。
【0016】
その他、本発明ドライブレコーダには、複数の情報を解析できる情報解析装置を具えることが好ましい。複数の外部情報通信機器や後述する複数の車両の電子制御装置を通信回線に接続する場合、ドライブレコーダには、複数の情報が同時に受信部に送られてくることが考えられる。このとき、情報の内容の解析を行い、機器別、制御装置ごとなどに区分けして保存することが好ましいからである。
【0017】
本発明ドライブレコーダに保存された情報を表出させる解析装置は、通信回線に直接接続して外部情報が取得できる解析用コンピュータや、通信回線に接続された外部情報通信機器を介して、無線で送信された保存情報を受信して外部情報が取得できる解析用コンピュータなどが挙げられる。後者は、通信回線に間接的に接続される。例えば、解析装置をインターネットに接続させ、外部情報通信機器としてインターネット接続された携帯電話を用いることが挙げられる。このとき、解析装置は、インターネット→携帯電話→通信回線を介して外部情報の出力命令をドライブレコーダの受信部に送信し、送信部→通信回線→携帯電話→インターネットを介して外部情報を取得することができる。インターネットを利用すれば利便性が上がり、解析装置は、インターネットに接続されたいずれの外部情報通信機器からもダウンロードが可能である。なお、インターネットを利用する場合には、情報を暗号化するなどして、セキュリティの確保も考慮することが望ましい。
【0018】
本発明ドライブレコーダは、更に、記憶部に記憶された外部情報に基づき通信に要した費用を算出する費用算出部を具えることが好ましい。費用算出部は、従来の通信手段に具えられる一般的な通信コスト計算式を適用して、外部情報通信機器の種別と情報サイズから費用を算出できるものが挙げられる。算出した費用は、通信回線に接続された表示装置に送信して、運転者が費用を確認できるようにすることが好ましい。通信コスト計算式は、中期的、長期的に流動することが予想されるため、計算式自体を変更できるようにすることが望ましい。変更は、例えば、計算式自体を外部情報として受信して更新させることで行ってもよい。
【0019】
更に、記憶部に保存された外部情報を消去する記憶消去部を具えていてもよい。保存された外部情報には、運転者のプラバシーに関する情報など任意の第三者に提示することが運転者にとって不利益となる情報も存在すると考えられる。そこで、運転者のプライバシー保護などを目的として外部情報を消去できることが好ましいからである。
【0020】
外部情報通信機器が携帯電話やDSRC用車載機など双方向の通信が可能な機器の場合、情報を外部に送信することができる。例えば、ナビゲーションシステムにおいて、地図情報を新たに取得したい場合、必要な地図領域を携帯電話にて地図配信サーバーに要求することが考えられる。このとき、発信元をナビゲーションシステム、発信先を地図配信サーバー、外部通信手段を携帯電話として、通信回線を介して必要な地図領域の情報を送信すると、通信回線には、送信情報が流れることになる。上記のように本発明ドライブレコーダは、通信回線に接続されるため、この送信情報も参照することができ、記憶部に受信情報だけでなく送信情報をも保存することが可能である。
【0021】
本発明ドライブレコーダは、通信回線に接続される車両の電子制御装置からの車両情報をも記憶することが好ましい。このとき、外部情報及び電子制御装置からの車両情報を同一のドライブレコーダにて記憶させることができる。
【0022】
電子制御装置は、例えば、ABS(Anti−lock Brake System:制動時、車輪の回転が止まって車両が路面を滑走する現象を防止する装置)、ライト、ブレーキ、アクセル、ハンドル、トランスミッションなどの運転に関与する部位において運転条件を制御する装置が挙げられる。また、運転状態などの画像データを得るためのカメラなどの制御装置が挙げられる。これら電子制御装置などの車載装置においても通信回線を介して外部情報を参照する機能を有する場合、外部情報が上記不正なデータであると、このデータに起因してシステムダウンなどを起こす恐れがある。しかし、本発明ドライブレコーダにより、外部情報の履歴を保存しておくことで、保存したデータにて不具合の原因の解明をより効率よく行えると考えられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明ドライブレコーダを接続した通信回路を示す説明図、図2は、本発明ドライブレコーダの構造説明図である。本発明ドライブレコーダ1は、図2に示すように車載LAN10との接続部(図示せず)と、LAN10に接続されて外部情報通信機器11及び車両の電子制御装置12(図1参照)からの情報を受信する情報受信装置2と、情報受信装置2で得られた情報を記憶する記憶装置3と、記憶装置3に記憶された情報をLAN10に接続された解析用コンピュータ(図示せず)に送信する情報送信装置4とを具える。以下、より詳しく説明する。
【0024】
本例において情報受信装置2には、内蔵時計2aを具えており、受信された外部情報の受信時刻を外部情報と共に記憶装置3に記憶できる構成とした。また、本例では、車載LAN10に高速LANを用いて、複数の情報を同時に受信可能とし、複数の情報を区別して記憶装置3に保存するために情報解析装置5を具える。更に、解析用コンピュータにより保存した外部情報の出力要求があった場合、記憶装置3から情報の取り出し、送信情報の作成などを行う記憶内容取り出し装置6を具える。加えて、通信コスト計算式を用いた費用算出装置(図示せず)を具える。算出した費用は、運転者が確認できるように情報送信装置4に送り、表示装置13などにて表示する。
【0025】
このようなドライブレコーダ1は、情報受信装置2及び情報送信装置4とが車載LAN10に接続され、車載通信回路網の一構成をなす。車載LAN10には、図1に示すように携帯電話、DSRC用車載機、ETC用車載機、VICS用車載機、デジタル放送受信機などの外部情報通信機器11、及び受信した情報を表示する表示機能を有するカーナビゲーションシステムのモニタ、デジタル放送表示機などの表示装置13が接続されている。かつ、運転に関与する部位において運転条件を制御するABS制御装置12a、ライト制御装置12b、ブレーキ制御装置12c、アクセル制御装置12d、ハンドル制御装置12e、トランスミッション制御装置12fや、フロントカメラ制御装置12g、センターカメラ制御装置12h、リアカメラ制御装置12iなどの電子制御装置12が接続されている。従って、ドライブレコーダ1は、車載LAN10を介して、外部情報通信機器11及び電子制御装置12からの情報を情報受信装置2(図2参照)にて受信することができる。かつ、記憶装置3に保存された情報を情報送信装置4にて送信して、車載LAN10を介して外部に提示することができる。なお、本例では、ループ型の通信回路を説明したが、ツリー型やスター型としてももちろんよい。
【0026】
上記の構成により、外部から送信されてきた情報は、受信機能を有する外部情報通信機器11にて受信すると、車載LAN10を通じてカーナビゲーションシステムやデジタル放送表示機などの表示装置13に送られる。同時に、車載LAN10を流れる情報は、LAN10に接続される全て機器、即ち、ドライブレコーダ1にも送られ、ドライブレコーダ1は、この情報を区分し保存する。
【0027】
車載LANに流れる情報の一例を表1、表2に示す。表1は、外部情報通信機器及び表示装置の情報であり、表2は、電子制御装置の情報である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
次に、図3のフローチャートをもとに本発明ドライブレコーダを用いて外部情報を記憶部に記憶させる手順を説明する。図4は、車載LANに流れる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図、図5は、記憶部に記憶させる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図である。外部情報通信機器や電子制御装置から車載LANを介してドライブレコーダに送られてきた情報(図4参照)を情報受信装置で受信する(ステップ30)。情報受信装置で受信された情報には、外部から送信されてきた外部情報と、外部情報通信機器が車内通信を行った情報や電子制御装置からの車両情報などの車内情報とが含まれる。そこで、情報受信装置は、外部情報であるかどうかを判定する(ステップ31)。本例において車載LANに流れる外部情報通信機器からの情報には、図4に示すように外部から情報を送信した発信元機器ID、情報をLANに送信する発信先機器ID、外部との通信を行う外部通信手段(外部情報通信機器)のID、情報の種別、情報サイズ、情報の内容を保有させている。上記外部通信手段に外部情報通信機器IDなどが格納されている場合、その情報は、外部情報であると判定される。受信した情報が外部情報である場合、情報受信装置は、内蔵時計により受信時刻を取得し(ステップ32)、外部情報及び受信時刻を情報解析装置に通知する(ステップ33)。情報解析装置は、受信した外部情報を解析して、情報の種別、情報サイズ、発信元機器ID、発信先機器IDを取得し(ステップ34)、受信時刻と共に通信履歴情報として記憶装置に送る(ステップ35)。記憶装置は、この通信履歴情報を記憶部に記録し保存する(ステップ36)。即ち、本例では、記憶情報として、図5に示すように受信時間、発信元機器ID、発信先機器ID、情報の種別、通信量が保存される。通信量は、情報サイズにより求める。
【0031】
一方、上記外部通信手段に外部情報通信機器IDなどが格納されておらず、その他の車載装置固有のIDや、車内外がIP接続されている際はIPナンバーなどが格納されている場合、その情報は、外部情報でなく、車内情報である。この場合、情報解析装置に通知され(ステップ37)、外部情報通信機器、表示装置、電子制御装置毎に情報を区分し(ステップ38)、記憶装置に保存される(ステップ39)。このような記憶手順は、情報がドライブレコーダの情報受信装置に送られてくるごとに随時繰り返される。
【0032】
図6は、記憶手順を示すフローチャートである。情報を記憶装置に保存する場合、記憶部の容量には一般に限度があるため、全ての情報を同一の記憶部に保存し続けることは、困難である。そこで、本例では、受信時刻が古い情報を消去し、受信時刻が新しい情報を保存することができる構成としている。具体的な手順としては、記憶装置は、情報解析装置から情報サイズを受け取ると、情報サイズに基づき通信量を算出する(ステップ60)。そして、算出した通信量が記憶装置の格納可能サイズに収まるかを判定する(ステップ61)。通信量が格納可能サイズに収まる場合、記憶装置は、受信時間、発信元機器ID、発信先機器ID、情報の種別、通信量からなる通信履歴情報を格納する(ステップ62)。保存することによって記憶装置の格納可能サイズが変わるので、記憶装置は、格納可能サイズを更新する(ステップ63)。
【0033】
一方、算出した通信量が記憶装置の格納可能サイズに収まらない場合、記憶装置は、保存された情報のうち、受信時刻が最も古いものを消去する(ステップ64)。保存されていた情報が消去されることで、記憶装置の格納可能サイズが変わるので、記憶装置は、格納可能サイズを更新する(ステップ65)。
【0034】
このように記憶装置の格納可能サイズを確認し、最新の情報を保存できるよう構成することで、記憶装置に送られてきた情報が記録できないなどの不具合が生じることがない。
【0035】
次に、図7のフローチャートをもとに記憶装置に保存された通信履歴情報を外部に提示する手順について説明する。記憶装置に保存された通信履歴情報を外部に提示するには、まず、解析用コンピュータにて、保存された通信履歴情報の出力命令となる取得要求コマンドを作成する(ステップ70)。ここで、解析用コンピュータが車載LANに直接接続されている場合(有線接続の場合)と、LANに接続された外部情報通信機器を介して間接的に接続されている場合(無線接続の場合)とが考えられる。そのため、解析用コンピュータは、車載LANに有線で接続されているかどうかを判断する(ステップ71)。有線で接続されている場合、解析用コンピュータは、取得要求コマンドを車載LANに送信する(ステップ72)。即ち、解析用コンピュータは、ドライブレコーダに対し、車載LANを介して情報の出力要求を行う。有線で接続されていない場合、即ち、無線接続の場合、解析用コンピュータは、取得要求コマンドを車載LANに接続された携帯電話などの外部情報通信機器に無線で送信し(ステップ73)、コマンドを受けた外部情報通信機器がLANに送信する(ステップ73a)。即ち、解析用コンピュータは、ドライブレコーダに対し、インターネットなどを経て、外部情報通信装置→車載LANを介して情報の取得要求を行う。
【0036】
次に、ドライブレコーダの情報受信装置にて取得要求コマンドを受信し(ステップ74)、記憶装置に通信履歴情報が保存されているかを確認する(ステップ75)。通信履歴情報が保存されている場合、情報受信装置は、情報取り出し装置に記憶装置から必要な通信履歴情報のリストを取得させる命令を出し、情報取り出し装置は、リストを取得する(ステップ76)。通信履歴情報が保存されていない場合、情報なしとのエラー通知を行ったり、保存されるまで待機する。記憶取り出し装置は、取得したリストを元に送信情報を作成する(ステップ77)。送信情報は、例えば、時系列的な表示形式に変換しておくと、作業者が確認し易く好ましい。そして、記憶取り出し装置は、作成した送信情報を情報送信装置に送り、情報送信装置は車載LANに送信する(ステップ78)。情報受信装置が車載LANに直接接続される場合、取得要求コマンドを発行した解析用コンピュータを発信先に指定し、車載LANを介して作成した送信情報を解析用コンピュータに送る。解析用コンピュータが車載LANに接続される外部情報通信機器と無線により接続される場合、LAN及び外部情報通信機器を介して作成した送信情報を解析用コンピュータに送る。送信情報を受け取った解析用コンピュータは、モニタなどに送信情報を表示する(ステップ79)。図8に送信情報の表示例を示す。解析用コンピュータのモニタなどに送信情報を表示させることで、作業者は、容易に送信情報を確認することができる。
【0037】
本発明ドライブレコーダは、以下のような使用に適する。例えば、カーナビゲーションシステムがシステムダウンを起こした際、解析用コンピュータにより得た通信履歴情報をカーナビゲーションシステムと共にサービスセンターなどの作業者に提示する。すると、作業者は、システムダウンの原因解明の材料として通信履歴情報を用いることができる。例えば、通信履歴情報に記憶された発信元から情報を再送して不具合現象を再現するなどを行うことができる。従って、本発明ドライブレコーダは、外部情報通信機器の不具合の原因解明を効率化に寄与する可能性が高い。
【0038】
また、本発明ドライブレコーダは、従来のドライブレコーダと同様に車両の電子制御装置からの車両情報も記憶保存しており、車両事故などの原因解明に保存した車両情報を提示して、車両事故などの原因解明にも寄与することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明ドライブレコーダによれば、車載装置がシステムダウンなどの不具合を生じた場合、記憶部に記憶された外部情報を出力して不具合の原因解明の効率化に貢献できるという優れた効果を奏し得る。また、本発明ドライブレコーダは、外部情報の保存用としてだけでなく、車両の電子制御装置の車両情報をも保存することで、車両事故などが発生した際、従来と同様に車両情報を出力して事故の原因解明に寄与させることができる。更に、記憶部に保存する外部情報は、一定の内容とすることで、記憶部の格納可能サイズを不必要に大きくすることがない。加えて、通信費用の費用算出手段を具えることで、運転者に現在の通信費用を認識させ、費用の増大の抑制を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ドライブレコーダを接続した通信回路を示す説明図である。
【図2】本発明ドライブレコーダの構造説明図である。
【図3】本発明ドライブレコーダにおいて、外部情報を記憶部に記憶させる手順を示すフローチャートである。
【図4】車載LANに流れる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図である。
【図5】記憶部に記憶させる外部情報通信機器からの情報の仕様を示す説明図である。
【図6】本発明ドライブレコーダにおいて、記憶手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明ドライブレコーダの記憶装置に保存された情報を外部に提示する手順を示すフローチャートである。
【図8】送信情報の表示例である。
【符号の説明】
1 ドライブレコーダ 2 情報受信装置 2a 内蔵時計 3 記憶装置
4 情報送信装置 5 情報解析装置 6 記憶取り出し装置
10 車載LAN 11 外部情報通信機器 12 電子制御装置
12a ABS制御装置 12b ライト制御装置 12c ブレーキ制御装置
12d アクセル制御装置 12e ハンドル制御装置
12f トランスミッション制御装置 12g フロントカメラ制御装置
12h センターカメラ制御装置 12i リアカメラ制御装置 13 表示装置
Claims (4)
- 車載される通信回線との接続部と、
前記通信回線に接続される外部情報通信機器からの外部情報を受信する受信部と、
前記受信部で得られた外部情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された外部情報を通信回線に接続された解析装置に送信する送信部とを具えることを特徴とするドライブレコーダ。 - 更に、通信回線に接続される車両の電子制御装置からの車両情報をも記憶することを特徴とする請求項1記載のドライブレコーダ。
- 記憶部は、少なくとも情報を送信した発信元、情報を受信した外部情報通信機器、情報の種別及び通信量を記録することを特徴とする請求項1記載のドライブレコーダ。
- 更に、記憶部に記憶された外部情報に基づき通信に要した費用を算出する費用算出部を具えることを特徴とする請求項1に記載のドライブレコーダ。
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