JP2004045846A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着に必要なエネルギーを削減してコストアップを抑制し、連続作業における定着性能の低下を防止し、更に、定着ウォームアップ時間の短縮を図ることが可能な定着装置を備えた画像形成装置。
【解決手段】転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、前記定着手段内の空気を前記定着手段外に排気する排気手段と、一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記排気手段に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したこと。
【選択図】 図2
【解決手段】転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、前記定着手段内の空気を前記定着手段外に排気する排気手段と、一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記排気手段に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したこと。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数枚の連続コピーにより定着装置の加熱ローラの表面温度が低下して定着性能等が劣化することを防止した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の画像形成装置において、高度情報化技術の進展によりデジタル技術に基づく高画質且つ高速の画像形成装置の必要性が高まっており、また、紙に印刷するハードコピー量も益々増加する傾向にあって、更に、省エネルギー且つ省資源で印字できる画像形成装置の社会的要求が高まっている。
【0003】
そして、省エネルギーのために画像形成装置の定着装置においては、熱容量の低減のために加熱ローラの薄型化や、熱の放散を防止するために定着装置の外壁を断熱化することが実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加熱ローラを薄型化した場合に、連続で千枚程度の大量のプリントを行おうとして数百枚のプリントを行ったときに、熱容量の低減のために加熱ローラの表面温度が大きく低下し、定着性能が不充分になる。この問題に対しては、定着アラームを設定し、加熱ローラの表面温度が低下したときには定着アラームの警告により作像動作を中止し、加熱ローラの回復を待つことになる。但し、その間の作像が中止されるので、オペレータは余分な時間を無為に待つことになり、全体のプリント時間が長くなってしまう。
【0005】
また、定着装置に幅の狭いB5サイズ等の転写材を縦送りで連続して通紙させたとき、加熱ローラにおける非通紙領域である端部の表面温度が過剰に上昇する。この問題に対しては、幅の狭い転写材を通紙させたときには、加熱ローラの端部をファンで冷却することが行われる。但し、このファンを作動させるためのエネルギーが必要になる。
【0006】
定着装置の外壁を断熱化した場合には、新たに断熱材を設置するために部品増加によるコストアップを招き、且つ、断熱材を設置するスペースが必要になって装置の小型化を妨げるといった問題がある。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、定着に必要なエネルギーを削減してコストアップを抑制し、連続作業における定着性能の低下を防止し、更に、定着ウォームアップ時間の短縮を図ることが可能な定着装置を備えた画像形成装置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は下記の何れかの手段により達成される。
【0009】
▲1▼転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、前記定着手段内の空気を前記定着手段外に排気する排気手段と、一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記排気手段に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。
【0010】
▲2▼転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記定着手段の外壁に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。
【0011】
▲3▼転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、前記定着手段の中の空気を排出し、該空気を加熱ローラに対して送風する送風手段を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置に関する実施の形態を図を参照して詳細に説明する。
【0013】
先ず、画像形成装置の一例を図1に基づいて説明する。
画像形成装置本体Aは、画像読み取り装置1、画像処理手段2、画像書き込み手段3、画像形成手段4、カセット給紙手段5A,5B、大量給紙手段5C,5D、手差し給紙手段5E、搬送手段6、定着装置7、排紙手段8、自動両面コピーのための再搬送手段(ADU)9を備えている。
【0014】
画像形成装置本体Aの上部には、両面原稿自動送り装置RADFが開閉可能に支持されている。
【0015】
両面原稿自動送り装置RADFにおいて、aは原稿給紙台、bは給紙ローラ、cは分離ローラ、dはレジストローラ、eは搬送ドラム、fはフラッパ、gは排紙ローラである。両面原稿自動送り装置RADFは、片面原稿読み取り機能と両面原稿読み取り機能とを有する。
【0016】
画像読み取り装置1の上部には原稿台ガラス11、シェーディング補正板12、スリット露光用ガラス13が配置されている。
【0017】
画像読み取り装置1の光学系は、光源と第1ミラーを備える露光ユニット14、第2ミラーと第3ミラーから成るVミラーユニット15、レンズ16、CCDイメージセンサ17により構成されている。
【0018】
両面原稿自動送り装置RADFによる原稿読み取りは、露光ユニット14がスリット露光用ガラス13の下方の初期位置(ホームポジション)に停止した位置において行われる。原稿読み取りは、停止している露光ユニット14を原稿が通過するときに行われる。
【0019】
原稿台ガラス11上の原稿の読み取りは、露光ユニット14及びVミラーユニット15を移動させながら行われる。
【0020】
画像読み取り装置1において読み取られた原稿画像の画像情報は画像処理手段2により画像処理が行われ、画像データとして信号化され、一旦メモリに格納される。
【0021】
画像書き込み手段3においては、半導体レーザからの出力光が画像形成手段4の感光体ドラムに照射され、潜像を形成する。画像形成手段4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われ、カセット給紙手段5Aから搬送された用紙Pに画像が転写される。画像を担持した用紙Pは、搬送手段6により搬送され、定着装置7により定着され、排紙手段8により装置外の排紙トレイ61上に排出される。
【0022】
又は、搬送路切り替え板62により再搬送手段9に送り込まれた第1面に画像形成された用紙Pは、再び画像形成手段4において第2面に画像形成後、排紙手段8により装置外の排紙トレイ61上に排出される。
【0023】
或いは、搬送路切り替え板62により通常の排紙通路から分岐した用紙Pは、反転排紙部63においてスイッチバックして表裏反転された後、排紙手段8により装置外の排紙トレイ61上に排出される。
【0024】
なお、定着装置7は、トナー像を熱定着するために内側にヒータHを有する加熱ローラ71、加熱ローラ71を下方より押圧する加圧ローラ72等により構成され、図示していないモータにより加熱ローラ71が駆動回転され、加圧ローラ72が従動回転される。また、図示していないが、加熱ローラ71の近傍には加熱ローラ71の表面温度を検知するサーミスタや熱電対等からなる温度センサが配置されている。
【0025】
また、加熱ローラ71の周囲には定着清掃ローラ73、含浸ローラ74、オイルバッド75等が配置されている。
【0026】
なお、加圧ローラ72にもヒータを設けてもよいし、加圧ローラ72に代えてベルトを設けてもよい。
【0027】
次に、本発明に係わる定着装置であって、定着に必要なエネルギーを削減してコストアップを抑制し、連続作業における定着性能の低下を防止し、幅の狭い転写材を通紙させたときに加熱ローラ端部の過剰温度上昇を防止するためのエネルギーを削減し、更に、定着ウォームアップ時間の短縮を図ることが可能な定着装置について説明する。
【0028】
上記目的を達成するため、本発明者は4種の構成の定着装置に関して比較実験を行った。その実施条件、構成、評価方法及び実験結果を以下に説明する。
【0029】
先ず、4種の構成に共通する実施条件について説明する。
現像剤としては、重合トナー(スチレン−アクリル、粒径6μm)及びフェライトキャリア(シリコーン系樹脂コート、粒径60μm)を用いた。
【0030】
CCDイメージセンサ17としては、600dpi(2.54cmあたりのドット数)のものを用い、半導体レーザーとしては、ビーム径が主走査方向に55μm、副走査方向に80μmのものを用いた。
【0031】
定着装置7の加熱ローラ71は、直径40mmで鉄製の芯金厚さ0.8mmのものを用いた。加熱ローラ71の芯金をアルミ製としたときに比べて鉄製は同等の強度を保証したまま薄くすることができ、定着装置7の小型化に寄与する。しかし、鉄はアルミに比べて熱伝導率が低いので、定着装置7に例えばB5サイズの如き幅の狭い転写材を多数枚通紙したとき、加熱ローラ71における転写材が通紙する中央部は熱容量低下によって温度低下するが、転写材が通紙しない端部は加熱してしまう。そこで、ヒータHとしては、投入電力1200Wの異配熱2本ハロゲンランプヒータを用いた。
【0032】
なお、異配熱2本ハロゲンランプヒータとは、加熱ローラ71の中のヒータHとして2本のハロゲンランプヒータを用い、加熱ローラ71の軸方向における加熱分布をその2本のハロゲンランプヒータで各々異ならせ、通紙中に加熱ローラが軸方向において部分的に温度上昇したり温度低下したりすることを防止したものである。例えば、一方は加熱ローラ71の中央部を主として加熱し、他方は加熱ローラ71の端部を主として加熱するものである。
【0033】
また、原稿としては、B5サイズで黒化率6%の文字と複数の黒パッチを有する用紙を用いた。
【0034】
転写材としては、B5サイズで普通紙であるコニカコピーJペーパーを用い、片面通紙で、縦送りとした。従って、加熱ローラ71は端部に非通紙領域を有することになる。
【0035】
実験環境は、温度20℃、湿度50%RHの常温常湿であった。
次に、4種の構成の定着装置に関して説明する。
【0036】
〈従来例1〉
前述の如き従来の定着装置7を用いたが、加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ファンは装着していない。
【0037】
〈従来例2〉
前述の如き従来の定着装置7に加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ファンを装着した。
【0038】
〈実施例1〉
前述の如き従来の定着装置7に、加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ダクトを装着し、更に、定着装置7内に外気を吸引する外気吸引ダクトと、定着装置7内の暖まった空気を外部に排気する排気ダクトと、外気吸引ダクト及び排気ダクトを各々接続したヒートパイプとを装着した。
【0039】
この構成の模式図を図2に示す。図2は定着装置等を上方から見た図であり、図2の左方は画像形成装置の前部(オペレータが位置する側)であり、下方は転写材が図1に示した搬送手段6により搬送される側である。
【0040】
図2において、各々端部冷却ファン101を内部に有し、外気と連通した二つの端部冷却ダクト102が定着装置7に接続されていて、幅の狭い転写材が通紙されて加熱ローラ71における非通紙領域の端部が加熱されたときは、その端部に外気を送風して冷却する。
【0041】
また、外気吸引ファン103を内部に有し外気と連通した外気吸引ダクト104と、排気ファン105を内部に有し外気と連通した排気ダクト106が定着装置7に接続され、定着装置7内の空気を排気ダクト106により画像形成装置の外に排気する。更に、図1に示した画像形成手段4の側に向けた装置内気吸引ダクト108が定着装置に接続され、装置内に飛遊するトナー粉末やオゾンを吸引し、排気ダクト106により排気する。
【0042】
加えて、外気吸引ダクト104と排気ダクト106との間にはヒートパイプ111が接続され、加熱ローラ71によって加熱された定着装置7内の空気の熱をヒートパイプ111によって伝熱し、外気吸引ダクト104内に放熱する。これにより、外気吸引ダクト104内の空気は加熱され、その加熱された空気が加熱ローラ71の中央部、即ち通紙領域に送風される。従って、連続コピーによる加熱ローラ71の表面温度低下が防止できる。
【0043】
ここで、ヒートパイプの基本構成を図3により説明する。
ヒートパイプは、パイプ状の容器の内壁面に、ウイックと呼ばれる多孔質の材料を設け、容器の中を真空引きした後に少量の揮発性の高い作動液を充填したものである。そして、この容器の一端を加熱すると内部の作動液が蒸発し、発生した蒸気は断熱部を経て中央の通路を通り、低温の他端に移動する。そして、凝縮部の内壁面に触れた蒸気は凝縮し、潜熱を放出する。凝縮した作動液はウイックの毛細管力によって蒸発部に戻り、再び加熱されて蒸発する。この過程を繰り返すことによって、大量の熱が移動できる。
【0044】
なお、上記のヒートパイプの説明は、日刊工業新聞社発行、社団法人実践教育訓練研究協会編、機械用語大辞典を参照にした。
【0045】
〈実施例2〉
前述の如き従来の定着装置7に、加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ファンを装着し、更に、定着装置7内に外気を吸引する外気吸引ダクトと、外気吸引ダクト及び定着装置の外壁を各々接続したヒートパイプとを装着した。
【0046】
この構成の模式図を図4に示す。図4は定着装置等を上方から見た図であり、図2の左方は画像形成装置の前部(オペレータが位置する側)であり、下方は転写材が図1に示した搬送手段6により搬送される側である。
【0047】
図4において、図2と同様に、各々端部冷却ファン101を内部に有し、外気と連通した二つの端部冷却ダクト102が定着装置7に接続されていて、幅の狭い転写材が通紙されて加熱ローラ71における非通紙領域の端部が加熱されたときは、その端部に外気を送風して冷却する。
【0048】
また、外気吸引ファン103を内部に有し外気と連通した外気吸引ダクト104が定着装置7に接続されている。
【0049】
加えて、外気吸引ダクト104と、定着装置7の内部機構を被覆する外壁7aとの間にはヒートパイプ121が接続され、加熱ローラ71によって加熱され定着装置7の外壁7aに伝達された熱をヒートパイプ121によって伝熱し、外気吸引ダクト104内に放熱する。これにより、外気吸引ダクト104内の空気は加熱され、その加熱された空気が加熱ローラ71の中央部、即ち通紙領域に送風される。従って、連続コピーによる加熱ローラ71の表面温度低下が防止できる。
【0050】
なお、ヒートパイプ121における定着装置7の外壁7aと当接する部所121aは多数のパイプに分岐されていて、外壁7aの広い範囲から熱を伝達している。
【0051】
次に、以上の4種の実施例での評価方法を以下に述べる。
(1)定着率
▲1▼定着装置が室温に冷えている状態からヒーターをオンしてウォームアップし、加熱ローラ71の表面温度が190℃に達したところで画像形成装置の表示部に準備完了の表示を行う。
【0052】
▲2▼準備完了の表示の直後から、B5サイズの用紙を縦送り、且つ片面コピーで1000枚の連続コピーを実施する。
【0053】
▲3▼測定すべきコピーの黒パッチの反射濃度を測定する。
▲4▼測定した黒パッチに20g/cm2の荷重を掛けて綿布を当て、10回往復して擦る。擦った後に再度黒パッチの反射濃度を測定する。
【0054】
▲5▼擦った前後の反射濃度比を求めて定着率とする。
即ち、定着率=擦った後の黒パッチ反射濃度/擦する前の黒パッチ反射濃度
なお、理想の定着率は100%であるが、80%以上あれば実用上問題は生じない。
【0055】
(2)ウォームアップ時間
画像形成装置が冷えていて定着装置が室温状態からヒータがオンして、加熱ローラの表面温度が190℃に達するまでの時間である。
【0056】
(3)加熱ローラ温度分布差
定着率測定の試験中に、加熱ローラの軸方向に10mm間隔での温度測定を1秒間隔で行い、1000枚通紙した中での最大の温度分布差を抽出する。
【0057】
(4)加熱ローラ温度アラーム
加熱ローラの表面温度が250℃に達したときに、定着装置の過剰加熱による破壊を防止するためにアラームにより警告を行い、直ちに定着装置のヒータを強制的にオフして安全な温度(190℃以下)に低下するまで作像を中止させる。
【0058】
(5)端部冷却ファンの電力
加熱ローラ温度分布差が25℃以下になるために必要な端部冷却ファンの電力である。温度分布差が大きい程、電力が増大する。
【0059】
なお、端部冷却ファンに印加する電圧を切り換えて風量を調節した。
次に、以上の如き評価方法を用いたときの前述の4種の実施例での実験結果を表1に示し、以下に注釈する。
【0060】
【表1】
【0061】
〈従来例1〉
200枚の連続コピーを行った後、加熱ローラの温度分布差が増加する一方で端部温度が250℃を越えたため、アラームによる警告が行われ、作像動作が中断され、これ以上のコピーができない状態になった。
【0062】
〈従来例2〉
アラーム警告はなかった。但し、150枚の連続コピーが行われると定着率が80%を下回り、75%まで低下してしまった。コピーを軽く手で擦っただけでトナー画像が剥がれてしまい、実用に耐えない。コピー枚数に対する定着率の変化を図5のグラフで示す。
【0063】
また、ウォームアップ時間が45秒と長く、端部冷却ファンの電力は10Wと多く必要とした。
【0064】
〈実施例1〉
アラーム警告はなく、連続コピーでも定着率は82%以上を維持し、トナー画像が擦れても剥がれずに問題なかった。コピー枚数に対する定着率の変化を図5のグラフで示す。
【0065】
また、ウォームアップ時間は31秒で、従来例1,2の約3割分短縮できた。
端部冷却ファンの電力は5Wと半減した。
【0066】
以上の成果は、加熱ローラから放熱した熱をヒートパイプを介して再度加熱ローラに加えたためであり、従来より大幅に省エネルギーになった。
【0067】
〈実施例2〉
アラーム警告はなく、連続コピーでも定着率は83%以上を維持し、トナー画像が擦れても剥がれずに問題なかった。
【0068】
また、ウォームアップ時間は33秒で、従来例1,2の約3割分短縮できた。
端部冷却ファンの電力は5Wと半減した。
【0069】
以上の成果は、加熱ローラから放熱した熱をヒートパイプを介して再度加熱ローラに加えたためであり、従来より大幅に省エネルギーになった。
【0070】
なお、実施例2における定着装置の外壁を、樹脂、若しくは樹脂と金属からなる複合材料で厚く形成し、この外壁内にヒートパイプを挿着しても同様の効果が得られることを確認している。
【0071】
以上の実験により本発明は、多数枚の連続コピーを行った場合に、定着装置の加熱ローラから放散した熱を再度加熱ローラに与えるので、加熱ローラの表面温度が低下して定着性能等が劣化することを防止でき、且つ加熱ローラに与えるエネルギーを削減してコストアップを抑制することができる。また、定着ウォームアップの時間も削減することができる。更に、異配熱2本ハロゲンランプヒータを用いても充分な効果が得られない場合に特に有効である。
【0072】
なお、通紙する転写材の幅が常に加熱ローラ71の軸方向の長さと大差なければ、端部冷却ファン101及び端部冷却ダクト102は不要であって、外気吸引ダクト104により加熱ローラ71の軸方向の全長さに渡って送風するようにすればよい。しかし、幅の狭い転写材(例えばA5サイズを縦送り)も幅の広い転写材(例えばA4サイズを横送り)も通紙可能に構成して、転写材幅の狭い転写材を通紙して多数の連続コピーをするときには、図2及び図4に示した構成にする必要がある。そして、幅の広い転写材を通紙するときは、端部冷却ファン101及び外気吸引ファン103の送風を停止する。
【0073】
また、以上の如く記した二つの実施例はヒートパイプを用いたが、ヒートパイプを用いずに定着装置の中で熱せられた空気を循環させるようにしてもよい。この一例を図6の模式図に示す。
【0074】
図6において、加熱ローラ71、端部冷却ファン101及び端部冷却ダクト102は前述の実施例と同等のものである。
【0075】
本実施例においては、加熱ローラ71によって加熱された定着装置7内の空気の熱を循環して加熱ローラ71に送風する循環ダクト202と循環ファン201を設けた。これによって、加熱ローラ71より放出された定着装置7内の熱い空気が循環ダクト202を通って、再び熱ローラ71に吹き付けられる。従って、連続コピーによる加熱ローラ71の表面温度低下が防止できる。
【0076】
最後に「特許請求の範囲」で述べた用語と「発明の実施の形態」で述べた用語との対応を説明する。
【0077】
請求項1及び請求項3における吸気手段は外気吸引ファン103及び外気吸引ダクト104に相当し、請求項1における排気手段は排気ファン105及び排気ダクト106に相当する。
【0078】
請求項4におけるヒートパイプはヒートパイプ111,121に相当する。
請求項5及び請求項7における端部冷却手段は端部冷却ファン101及び端部冷却ダクト102に相当する。
【0079】
請求項6における送風手段は循環ファン201及び循環ダクト202に相当する。
【0080】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置によれば、多数枚の連続コピーを行った場合に、定着装置の加熱ローラから放散した熱を再度加熱ローラに与えるので、加熱ローラの表面温度が低下して定着性能等が劣化することを防止でき、且つ加熱ローラに与えるエネルギーを削減してコストアップを抑制することができるという効果を奏する。また、定着ウォームアップの時間も削減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の図である。
【図2】実施例1の模式図である。
【図3】ヒートパイプの基本構成図である。
【図4】実施例2の模式図である。
【図5】コピー枚数に対する定着率の変化を示すグラフである。
【図6】熱せられた空気を循環させる構成の模式図である。
【符号の説明】
7 定着装置
7a 外壁
71 加熱ローラ
101 端部冷却ファン
102 端部冷却ダクト
103 外気吸引ファン
104 外気吸引ダクト
105 排気ファン
106 排気ダクト
108 装置内気吸引ダクト
111,121 ヒートパイプ
201 循環ファン
202 循環ダクト
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数枚の連続コピーにより定着装置の加熱ローラの表面温度が低下して定着性能等が劣化することを防止した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の画像形成装置において、高度情報化技術の進展によりデジタル技術に基づく高画質且つ高速の画像形成装置の必要性が高まっており、また、紙に印刷するハードコピー量も益々増加する傾向にあって、更に、省エネルギー且つ省資源で印字できる画像形成装置の社会的要求が高まっている。
【0003】
そして、省エネルギーのために画像形成装置の定着装置においては、熱容量の低減のために加熱ローラの薄型化や、熱の放散を防止するために定着装置の外壁を断熱化することが実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加熱ローラを薄型化した場合に、連続で千枚程度の大量のプリントを行おうとして数百枚のプリントを行ったときに、熱容量の低減のために加熱ローラの表面温度が大きく低下し、定着性能が不充分になる。この問題に対しては、定着アラームを設定し、加熱ローラの表面温度が低下したときには定着アラームの警告により作像動作を中止し、加熱ローラの回復を待つことになる。但し、その間の作像が中止されるので、オペレータは余分な時間を無為に待つことになり、全体のプリント時間が長くなってしまう。
【0005】
また、定着装置に幅の狭いB5サイズ等の転写材を縦送りで連続して通紙させたとき、加熱ローラにおける非通紙領域である端部の表面温度が過剰に上昇する。この問題に対しては、幅の狭い転写材を通紙させたときには、加熱ローラの端部をファンで冷却することが行われる。但し、このファンを作動させるためのエネルギーが必要になる。
【0006】
定着装置の外壁を断熱化した場合には、新たに断熱材を設置するために部品増加によるコストアップを招き、且つ、断熱材を設置するスペースが必要になって装置の小型化を妨げるといった問題がある。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、定着に必要なエネルギーを削減してコストアップを抑制し、連続作業における定着性能の低下を防止し、更に、定着ウォームアップ時間の短縮を図ることが可能な定着装置を備えた画像形成装置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は下記の何れかの手段により達成される。
【0009】
▲1▼転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、前記定着手段内の空気を前記定着手段外に排気する排気手段と、一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記排気手段に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。
【0010】
▲2▼転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記定着手段の外壁に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。
【0011】
▲3▼転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、前記定着手段の中の空気を排出し、該空気を加熱ローラに対して送風する送風手段を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置に関する実施の形態を図を参照して詳細に説明する。
【0013】
先ず、画像形成装置の一例を図1に基づいて説明する。
画像形成装置本体Aは、画像読み取り装置1、画像処理手段2、画像書き込み手段3、画像形成手段4、カセット給紙手段5A,5B、大量給紙手段5C,5D、手差し給紙手段5E、搬送手段6、定着装置7、排紙手段8、自動両面コピーのための再搬送手段(ADU)9を備えている。
【0014】
画像形成装置本体Aの上部には、両面原稿自動送り装置RADFが開閉可能に支持されている。
【0015】
両面原稿自動送り装置RADFにおいて、aは原稿給紙台、bは給紙ローラ、cは分離ローラ、dはレジストローラ、eは搬送ドラム、fはフラッパ、gは排紙ローラである。両面原稿自動送り装置RADFは、片面原稿読み取り機能と両面原稿読み取り機能とを有する。
【0016】
画像読み取り装置1の上部には原稿台ガラス11、シェーディング補正板12、スリット露光用ガラス13が配置されている。
【0017】
画像読み取り装置1の光学系は、光源と第1ミラーを備える露光ユニット14、第2ミラーと第3ミラーから成るVミラーユニット15、レンズ16、CCDイメージセンサ17により構成されている。
【0018】
両面原稿自動送り装置RADFによる原稿読み取りは、露光ユニット14がスリット露光用ガラス13の下方の初期位置(ホームポジション)に停止した位置において行われる。原稿読み取りは、停止している露光ユニット14を原稿が通過するときに行われる。
【0019】
原稿台ガラス11上の原稿の読み取りは、露光ユニット14及びVミラーユニット15を移動させながら行われる。
【0020】
画像読み取り装置1において読み取られた原稿画像の画像情報は画像処理手段2により画像処理が行われ、画像データとして信号化され、一旦メモリに格納される。
【0021】
画像書き込み手段3においては、半導体レーザからの出力光が画像形成手段4の感光体ドラムに照射され、潜像を形成する。画像形成手段4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われ、カセット給紙手段5Aから搬送された用紙Pに画像が転写される。画像を担持した用紙Pは、搬送手段6により搬送され、定着装置7により定着され、排紙手段8により装置外の排紙トレイ61上に排出される。
【0022】
又は、搬送路切り替え板62により再搬送手段9に送り込まれた第1面に画像形成された用紙Pは、再び画像形成手段4において第2面に画像形成後、排紙手段8により装置外の排紙トレイ61上に排出される。
【0023】
或いは、搬送路切り替え板62により通常の排紙通路から分岐した用紙Pは、反転排紙部63においてスイッチバックして表裏反転された後、排紙手段8により装置外の排紙トレイ61上に排出される。
【0024】
なお、定着装置7は、トナー像を熱定着するために内側にヒータHを有する加熱ローラ71、加熱ローラ71を下方より押圧する加圧ローラ72等により構成され、図示していないモータにより加熱ローラ71が駆動回転され、加圧ローラ72が従動回転される。また、図示していないが、加熱ローラ71の近傍には加熱ローラ71の表面温度を検知するサーミスタや熱電対等からなる温度センサが配置されている。
【0025】
また、加熱ローラ71の周囲には定着清掃ローラ73、含浸ローラ74、オイルバッド75等が配置されている。
【0026】
なお、加圧ローラ72にもヒータを設けてもよいし、加圧ローラ72に代えてベルトを設けてもよい。
【0027】
次に、本発明に係わる定着装置であって、定着に必要なエネルギーを削減してコストアップを抑制し、連続作業における定着性能の低下を防止し、幅の狭い転写材を通紙させたときに加熱ローラ端部の過剰温度上昇を防止するためのエネルギーを削減し、更に、定着ウォームアップ時間の短縮を図ることが可能な定着装置について説明する。
【0028】
上記目的を達成するため、本発明者は4種の構成の定着装置に関して比較実験を行った。その実施条件、構成、評価方法及び実験結果を以下に説明する。
【0029】
先ず、4種の構成に共通する実施条件について説明する。
現像剤としては、重合トナー(スチレン−アクリル、粒径6μm)及びフェライトキャリア(シリコーン系樹脂コート、粒径60μm)を用いた。
【0030】
CCDイメージセンサ17としては、600dpi(2.54cmあたりのドット数)のものを用い、半導体レーザーとしては、ビーム径が主走査方向に55μm、副走査方向に80μmのものを用いた。
【0031】
定着装置7の加熱ローラ71は、直径40mmで鉄製の芯金厚さ0.8mmのものを用いた。加熱ローラ71の芯金をアルミ製としたときに比べて鉄製は同等の強度を保証したまま薄くすることができ、定着装置7の小型化に寄与する。しかし、鉄はアルミに比べて熱伝導率が低いので、定着装置7に例えばB5サイズの如き幅の狭い転写材を多数枚通紙したとき、加熱ローラ71における転写材が通紙する中央部は熱容量低下によって温度低下するが、転写材が通紙しない端部は加熱してしまう。そこで、ヒータHとしては、投入電力1200Wの異配熱2本ハロゲンランプヒータを用いた。
【0032】
なお、異配熱2本ハロゲンランプヒータとは、加熱ローラ71の中のヒータHとして2本のハロゲンランプヒータを用い、加熱ローラ71の軸方向における加熱分布をその2本のハロゲンランプヒータで各々異ならせ、通紙中に加熱ローラが軸方向において部分的に温度上昇したり温度低下したりすることを防止したものである。例えば、一方は加熱ローラ71の中央部を主として加熱し、他方は加熱ローラ71の端部を主として加熱するものである。
【0033】
また、原稿としては、B5サイズで黒化率6%の文字と複数の黒パッチを有する用紙を用いた。
【0034】
転写材としては、B5サイズで普通紙であるコニカコピーJペーパーを用い、片面通紙で、縦送りとした。従って、加熱ローラ71は端部に非通紙領域を有することになる。
【0035】
実験環境は、温度20℃、湿度50%RHの常温常湿であった。
次に、4種の構成の定着装置に関して説明する。
【0036】
〈従来例1〉
前述の如き従来の定着装置7を用いたが、加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ファンは装着していない。
【0037】
〈従来例2〉
前述の如き従来の定着装置7に加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ファンを装着した。
【0038】
〈実施例1〉
前述の如き従来の定着装置7に、加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ダクトを装着し、更に、定着装置7内に外気を吸引する外気吸引ダクトと、定着装置7内の暖まった空気を外部に排気する排気ダクトと、外気吸引ダクト及び排気ダクトを各々接続したヒートパイプとを装着した。
【0039】
この構成の模式図を図2に示す。図2は定着装置等を上方から見た図であり、図2の左方は画像形成装置の前部(オペレータが位置する側)であり、下方は転写材が図1に示した搬送手段6により搬送される側である。
【0040】
図2において、各々端部冷却ファン101を内部に有し、外気と連通した二つの端部冷却ダクト102が定着装置7に接続されていて、幅の狭い転写材が通紙されて加熱ローラ71における非通紙領域の端部が加熱されたときは、その端部に外気を送風して冷却する。
【0041】
また、外気吸引ファン103を内部に有し外気と連通した外気吸引ダクト104と、排気ファン105を内部に有し外気と連通した排気ダクト106が定着装置7に接続され、定着装置7内の空気を排気ダクト106により画像形成装置の外に排気する。更に、図1に示した画像形成手段4の側に向けた装置内気吸引ダクト108が定着装置に接続され、装置内に飛遊するトナー粉末やオゾンを吸引し、排気ダクト106により排気する。
【0042】
加えて、外気吸引ダクト104と排気ダクト106との間にはヒートパイプ111が接続され、加熱ローラ71によって加熱された定着装置7内の空気の熱をヒートパイプ111によって伝熱し、外気吸引ダクト104内に放熱する。これにより、外気吸引ダクト104内の空気は加熱され、その加熱された空気が加熱ローラ71の中央部、即ち通紙領域に送風される。従って、連続コピーによる加熱ローラ71の表面温度低下が防止できる。
【0043】
ここで、ヒートパイプの基本構成を図3により説明する。
ヒートパイプは、パイプ状の容器の内壁面に、ウイックと呼ばれる多孔質の材料を設け、容器の中を真空引きした後に少量の揮発性の高い作動液を充填したものである。そして、この容器の一端を加熱すると内部の作動液が蒸発し、発生した蒸気は断熱部を経て中央の通路を通り、低温の他端に移動する。そして、凝縮部の内壁面に触れた蒸気は凝縮し、潜熱を放出する。凝縮した作動液はウイックの毛細管力によって蒸発部に戻り、再び加熱されて蒸発する。この過程を繰り返すことによって、大量の熱が移動できる。
【0044】
なお、上記のヒートパイプの説明は、日刊工業新聞社発行、社団法人実践教育訓練研究協会編、機械用語大辞典を参照にした。
【0045】
〈実施例2〉
前述の如き従来の定着装置7に、加熱ローラ71の端部を冷却する端部冷却ファンを装着し、更に、定着装置7内に外気を吸引する外気吸引ダクトと、外気吸引ダクト及び定着装置の外壁を各々接続したヒートパイプとを装着した。
【0046】
この構成の模式図を図4に示す。図4は定着装置等を上方から見た図であり、図2の左方は画像形成装置の前部(オペレータが位置する側)であり、下方は転写材が図1に示した搬送手段6により搬送される側である。
【0047】
図4において、図2と同様に、各々端部冷却ファン101を内部に有し、外気と連通した二つの端部冷却ダクト102が定着装置7に接続されていて、幅の狭い転写材が通紙されて加熱ローラ71における非通紙領域の端部が加熱されたときは、その端部に外気を送風して冷却する。
【0048】
また、外気吸引ファン103を内部に有し外気と連通した外気吸引ダクト104が定着装置7に接続されている。
【0049】
加えて、外気吸引ダクト104と、定着装置7の内部機構を被覆する外壁7aとの間にはヒートパイプ121が接続され、加熱ローラ71によって加熱され定着装置7の外壁7aに伝達された熱をヒートパイプ121によって伝熱し、外気吸引ダクト104内に放熱する。これにより、外気吸引ダクト104内の空気は加熱され、その加熱された空気が加熱ローラ71の中央部、即ち通紙領域に送風される。従って、連続コピーによる加熱ローラ71の表面温度低下が防止できる。
【0050】
なお、ヒートパイプ121における定着装置7の外壁7aと当接する部所121aは多数のパイプに分岐されていて、外壁7aの広い範囲から熱を伝達している。
【0051】
次に、以上の4種の実施例での評価方法を以下に述べる。
(1)定着率
▲1▼定着装置が室温に冷えている状態からヒーターをオンしてウォームアップし、加熱ローラ71の表面温度が190℃に達したところで画像形成装置の表示部に準備完了の表示を行う。
【0052】
▲2▼準備完了の表示の直後から、B5サイズの用紙を縦送り、且つ片面コピーで1000枚の連続コピーを実施する。
【0053】
▲3▼測定すべきコピーの黒パッチの反射濃度を測定する。
▲4▼測定した黒パッチに20g/cm2の荷重を掛けて綿布を当て、10回往復して擦る。擦った後に再度黒パッチの反射濃度を測定する。
【0054】
▲5▼擦った前後の反射濃度比を求めて定着率とする。
即ち、定着率=擦った後の黒パッチ反射濃度/擦する前の黒パッチ反射濃度
なお、理想の定着率は100%であるが、80%以上あれば実用上問題は生じない。
【0055】
(2)ウォームアップ時間
画像形成装置が冷えていて定着装置が室温状態からヒータがオンして、加熱ローラの表面温度が190℃に達するまでの時間である。
【0056】
(3)加熱ローラ温度分布差
定着率測定の試験中に、加熱ローラの軸方向に10mm間隔での温度測定を1秒間隔で行い、1000枚通紙した中での最大の温度分布差を抽出する。
【0057】
(4)加熱ローラ温度アラーム
加熱ローラの表面温度が250℃に達したときに、定着装置の過剰加熱による破壊を防止するためにアラームにより警告を行い、直ちに定着装置のヒータを強制的にオフして安全な温度(190℃以下)に低下するまで作像を中止させる。
【0058】
(5)端部冷却ファンの電力
加熱ローラ温度分布差が25℃以下になるために必要な端部冷却ファンの電力である。温度分布差が大きい程、電力が増大する。
【0059】
なお、端部冷却ファンに印加する電圧を切り換えて風量を調節した。
次に、以上の如き評価方法を用いたときの前述の4種の実施例での実験結果を表1に示し、以下に注釈する。
【0060】
【表1】
【0061】
〈従来例1〉
200枚の連続コピーを行った後、加熱ローラの温度分布差が増加する一方で端部温度が250℃を越えたため、アラームによる警告が行われ、作像動作が中断され、これ以上のコピーができない状態になった。
【0062】
〈従来例2〉
アラーム警告はなかった。但し、150枚の連続コピーが行われると定着率が80%を下回り、75%まで低下してしまった。コピーを軽く手で擦っただけでトナー画像が剥がれてしまい、実用に耐えない。コピー枚数に対する定着率の変化を図5のグラフで示す。
【0063】
また、ウォームアップ時間が45秒と長く、端部冷却ファンの電力は10Wと多く必要とした。
【0064】
〈実施例1〉
アラーム警告はなく、連続コピーでも定着率は82%以上を維持し、トナー画像が擦れても剥がれずに問題なかった。コピー枚数に対する定着率の変化を図5のグラフで示す。
【0065】
また、ウォームアップ時間は31秒で、従来例1,2の約3割分短縮できた。
端部冷却ファンの電力は5Wと半減した。
【0066】
以上の成果は、加熱ローラから放熱した熱をヒートパイプを介して再度加熱ローラに加えたためであり、従来より大幅に省エネルギーになった。
【0067】
〈実施例2〉
アラーム警告はなく、連続コピーでも定着率は83%以上を維持し、トナー画像が擦れても剥がれずに問題なかった。
【0068】
また、ウォームアップ時間は33秒で、従来例1,2の約3割分短縮できた。
端部冷却ファンの電力は5Wと半減した。
【0069】
以上の成果は、加熱ローラから放熱した熱をヒートパイプを介して再度加熱ローラに加えたためであり、従来より大幅に省エネルギーになった。
【0070】
なお、実施例2における定着装置の外壁を、樹脂、若しくは樹脂と金属からなる複合材料で厚く形成し、この外壁内にヒートパイプを挿着しても同様の効果が得られることを確認している。
【0071】
以上の実験により本発明は、多数枚の連続コピーを行った場合に、定着装置の加熱ローラから放散した熱を再度加熱ローラに与えるので、加熱ローラの表面温度が低下して定着性能等が劣化することを防止でき、且つ加熱ローラに与えるエネルギーを削減してコストアップを抑制することができる。また、定着ウォームアップの時間も削減することができる。更に、異配熱2本ハロゲンランプヒータを用いても充分な効果が得られない場合に特に有効である。
【0072】
なお、通紙する転写材の幅が常に加熱ローラ71の軸方向の長さと大差なければ、端部冷却ファン101及び端部冷却ダクト102は不要であって、外気吸引ダクト104により加熱ローラ71の軸方向の全長さに渡って送風するようにすればよい。しかし、幅の狭い転写材(例えばA5サイズを縦送り)も幅の広い転写材(例えばA4サイズを横送り)も通紙可能に構成して、転写材幅の狭い転写材を通紙して多数の連続コピーをするときには、図2及び図4に示した構成にする必要がある。そして、幅の広い転写材を通紙するときは、端部冷却ファン101及び外気吸引ファン103の送風を停止する。
【0073】
また、以上の如く記した二つの実施例はヒートパイプを用いたが、ヒートパイプを用いずに定着装置の中で熱せられた空気を循環させるようにしてもよい。この一例を図6の模式図に示す。
【0074】
図6において、加熱ローラ71、端部冷却ファン101及び端部冷却ダクト102は前述の実施例と同等のものである。
【0075】
本実施例においては、加熱ローラ71によって加熱された定着装置7内の空気の熱を循環して加熱ローラ71に送風する循環ダクト202と循環ファン201を設けた。これによって、加熱ローラ71より放出された定着装置7内の熱い空気が循環ダクト202を通って、再び熱ローラ71に吹き付けられる。従って、連続コピーによる加熱ローラ71の表面温度低下が防止できる。
【0076】
最後に「特許請求の範囲」で述べた用語と「発明の実施の形態」で述べた用語との対応を説明する。
【0077】
請求項1及び請求項3における吸気手段は外気吸引ファン103及び外気吸引ダクト104に相当し、請求項1における排気手段は排気ファン105及び排気ダクト106に相当する。
【0078】
請求項4におけるヒートパイプはヒートパイプ111,121に相当する。
請求項5及び請求項7における端部冷却手段は端部冷却ファン101及び端部冷却ダクト102に相当する。
【0079】
請求項6における送風手段は循環ファン201及び循環ダクト202に相当する。
【0080】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置によれば、多数枚の連続コピーを行った場合に、定着装置の加熱ローラから放散した熱を再度加熱ローラに与えるので、加熱ローラの表面温度が低下して定着性能等が劣化することを防止でき、且つ加熱ローラに与えるエネルギーを削減してコストアップを抑制することができるという効果を奏する。また、定着ウォームアップの時間も削減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の図である。
【図2】実施例1の模式図である。
【図3】ヒートパイプの基本構成図である。
【図4】実施例2の模式図である。
【図5】コピー枚数に対する定着率の変化を示すグラフである。
【図6】熱せられた空気を循環させる構成の模式図である。
【符号の説明】
7 定着装置
7a 外壁
71 加熱ローラ
101 端部冷却ファン
102 端部冷却ダクト
103 外気吸引ファン
104 外気吸引ダクト
105 排気ファン
106 排気ダクト
108 装置内気吸引ダクト
111,121 ヒートパイプ
201 循環ファン
202 循環ダクト
Claims (7)
- 転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、
外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、
前記定着手段内の空気を前記定着手段外に排気する排気手段と、
一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記排気手段に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記排気手段により前記画像形成装置内における前記定着手段以外の空気も排気することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、
外気を吸引し前記定着手段内の加熱ローラに対して送風する吸気手段と、
一端を前記吸気手段に接続し、他端を前記定着手段の外壁に接続した熱伝達手段と、を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記熱伝達手段はヒートパイプであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 外気を吸引し前記加熱ローラの両側の端部に対して各々送風し、該両側の端部を冷却する端部冷却手段を設け、前記両側の端部の間を前記吸気手段により送風することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 転写材上に形成されたトナー像を溶融して固着する定着手段を備えた画像形成装置において、
前記定着手段の中の空気を排出し、該空気を加熱ローラに対して送風する送風手段を前記定着手段に配設したことを特徴とする画像形成装置。 - 外気を吸引し前記加熱ローラの両側の端部に対して各々送風し、該両側の端部を冷却する端部冷却手段を設け、前記両側の端部の間を前記送風手段により送風することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002204255A JP2004045846A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 画像形成装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006091253A (ja) * | 2004-09-22 | 2006-04-06 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2006251502A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2007322470A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2009020420A (ja) * | 2007-07-13 | 2009-01-29 | Canon Inc | 画像加熱装置 |
JP2018112676A (ja) * | 2017-01-12 | 2018-07-19 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204255A patent/JP2004045846A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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