JP2004045667A - ファイバーモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】高出力が得られる低コストの合波レーザー光源を得る。
【解決手段】複数の半導体レーザーLD1〜7からそれぞれ出射したレーザービームB1〜7を、例えばコリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20からなる集光光学系で集光した上でマルチモード光ファイバー30に結合させて合波する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の半導体レーザーLD1〜7からそれぞれ出射したレーザービームB1〜7を、例えばコリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20からなる集光光学系で集光した上でマルチモード光ファイバー30に結合させて合波する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源と、そこから発せられた光が入射される光ファイバーとを備えてなるファイバーモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紫外域のレーザービームを発生させる装置として、半導体レーザー励起固体レーザーから発せられた赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーや、エキシマレーザーや、Arレーザーが実用に供されている。
【0003】
さらには近時、例えば1998年発行のJpn.Appl.phys.Lett.,Vol.37.p.L1020に示されるように、400nm近傍の波長のレーザービームを発するGaN系半導体レーザーも提供されている。
【0004】
このような波長のレーザービームを発する光源は、350〜420nmの紫外領域を含んだ所定の波長域(以下「紫外域」という)に感度を有する感光材料を露光する露光装置において、露光用光源として適用することも考えられている。その場合の露光用光源は、当然ながら、感光材料を感光させるのに十分な出力を備えることが求められる。
【0005】
しかし上記エキシマレーザーは、装置が大型で、コストやメンテナンスコストも高いという問題がある。
【0006】
また、赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーは、波長変換効率が非常に低いことから、高出力を得るのは極めて困難になっている。現在のところは、30Wの半導体レーザーで固体レーザー媒質を励起して10Wの基本波(波長1064nm)を発振させ、それを3Wの第2高調波(波長532nm)に変換し、それら両者の和周波である1Wの第3高調波(波長355nm)を得る、というのが現在の実用レベルである。その場合の半導体レーザーの電気−光効率は50%程度であり、そして紫外光への変換効率は1.7%程度と非常に低いものとなっている。そしてこのような波長変換レーザーは、高価な光波長変換素子を用いるために、コストがかなり高いものとなっている。
【0007】
またArレーザーは電気−光効率が0.005%と非常に低く、寿命が1000時間程度と非常に短いという問題がある。
【0008】
一方、GaN系半導体レーザーについては、低転位のGaN結晶基板が得られないことから、ELOGという成長方法によって約5μm程度の低転位領域を作り出し、その上にレーザー領域を形成して高出力化と高信頼性を実現する試みがなされている。しかし、こうして作製されるGaN系半導体レーザーにおいても、大面積に亘って低転位の基板を得るのが難しいので、500mW〜1W級の高出力なものは未だ商品化されていない。
【0009】
また、半導体レーザーの高出力化の別の試みとして、例えば1つで100mWの光を出力するキャビティを100個形成することで10Wの出力を得るようなことも考えられているが、100個程度の多数のキャビティを高歩留まりで作成することは、ほとんど現実性が無いと言える。特に、シングルキャビティの場合でも99%以上の高歩留まり化は困難であるGaN系半導体レーザーにあっては、なおさらである。
【0010】
本出願人は上記の事情に鑑み、高出力が得られる低コストの合波レーザー光源を先に提案した(特願2001−273849号)。この特願2001−273849号の合波レーザー光源は、複数の半導体レーザーと、1本のマルチモード光ファイバーと、前記複数の半導体レーザーからそれぞれ出射したレーザービームを集光した上で前記マルチモード光ファイバーに結合させる集光光学系とを備えてなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の合波レーザー光源は、半導体レーザーや集光光学系がパッケージに収容されるとともに、光ファイバーの一端部もこのパッケージの中に収められてファイバーモジュールを構成することが多い。そのようなファイバーモジュールにおいて光ファイバーの一端部は、上記パッケージの内部に固定されたファイバーホルダーやブラケット等に固定されるが、従来、この光ファイバーの固定は、金属筒(フェルール)付きの光ファイバーをYAG溶接したり、あるいはロウ材で固定する手法を用いてなされて来た。
【0012】
しかし、光ファイバーの固定精度はYAG溶接する場合で±1〜5μm、ロウ材で固定する場合で±5〜数十μm程度であり、そのため、レーザービームの収束位置に対して光ファイバーを正確に調芯して配置することができず、両者の結合効率は前者の場合で80%程度、後者の場合で60〜80%程度にとどまっている。また従来、光ファイバーを接着剤で固定することもなされているが、その場合の光ファイバーの固定精度も上記と同様である。
【0013】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、入射光と光ファイバーとの結合効率を向上させることができるファイバーモジュールを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によるファイバーモジュールは、前述したように光ファイバーと、この光ファイバーの一端部を保持する保持部材と、光源と、この光源が発する光を前記光ファイバーに、その一端面から入射させる光学系とを備えてなるファイバーモジュールにおいて、光ファイバーが保持部材に対して、薄層化された紫外線硬化型接着剤によって接着固定されていることを特徴とするものである。なお上記紫外線硬化型接着剤の厚みは、1μm以下であることが望ましい。
【0015】
一方、上記構成を有する本発明のファイバーモジュールにおいて、保持部材は透明部材から構成されることが好ましい。
【0016】
また本発明は、先に述べた特願2001−273849号の合波レーザー光源のように、複数の半導体レーザーと、1本のマルチモード光ファイバーと、上記複数の半導体レーザーからそれぞれ出射したレーザービームを集光した上でマルチモード光ファイバーに結合させる集光光学系とを備えてなる合波レーザー装置に適用されるのが望ましい。
【0017】
そのようにする場合は、複数の半導体レーザーが、各々の活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設され、集光光学系が、前記発光点の並び方向の開口径が該方向に直角な方向の開口径よりも小さく形成されて、各半導体レーザー毎に設けられた複数のコリメーターレンズ、およびこれらのコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをそれぞれ集光して前記マルチモード光ファイバーの端面で収束させる集光レンズから構成されていることが特に望ましい。
【0018】
また、上記複数のコリメーターレンズは互いに一体化されて、レンズアレイとして構成されることが望ましい。
【0019】
他方、上記複数の半導体レーザーを実装するブロックは、複数に分割され、互いに張り合わせて一体化されていることが望ましい。
【0020】
また複数の半導体レーザーは、一列に並べて配置する場合には3〜10個、さらに好ましくは6または7個設けられることが望ましい。またこの半導体レーザーとしては、発光幅が1.5〜5μm、さらに好ましくは2〜3μmのものが用いられるのが望ましい。そしてこの半導体レーザーとしては、GaN系半導体レーザーが用いられることが望ましい。
【0021】
一方上記マルチモード光ファイバーとしては、コア径が50μm以下で、NA(開口数)が0.3以下のものが用いられることが望ましい。さらに、このマルチモード光ファイバーとしては、コア径×NAの値が7.5μm以下のものが用いられることが望ましい。
【0022】
また本発明のファイバーモジュールによって上記合波レーザー光源を構成する場合、複数の半導体レーザーは、レーザービームの照射を受ける側から見た状態で2次元的に配列固定されていることが望ましい。
【0023】
またその場合の合波レーザー光源は、上述したマルチモード光ファイバーを1本だけ用いて構成されてもよいが、好ましくは、該マルチモード光ファイバーを複数用いて、それらのマルチモード光ファイバーの各々に複数の半導体レーザーおよび集光光学系を組み合わせ、各マルチモード光ファイバーから高出力のレーザービームを発するように構成することもできる。そのようにする場合、複数のマルチモード光ファイバーは少なくとも出射端部において1次元アレイ状、あるいは、バンドル状に配設されるのが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
本発明者の研究によると、前述したように光ファイバーを接着剤、YAG溶接、あるいはロウ材で固定する従来技術において十分な固定精度が得られないのは、特にその固定部分に製造時や使用時に温度変化が加わった際、熱による膨張、収縮が生じるためであることが判明した。
【0025】
この知見に鑑みて本発明のファイバーモジュールでは、光ファイバーを保持部材に対して、薄層化された紫外線硬化型接着剤によって接着固定するようにしたので、この接着部分に温度変化が加わった際の膨張、収縮を少なく抑えることができ、十分な固定精度を得ることが可能になる。具体的には、紫外線硬化型接着剤を1μm以下程度の薄層にしておくことにより、入射させる光と光ファイバーとの結合効率を90%以上まで高めることができる。
【0026】
なお本発明のファイバーモジュールにおいて、保持部材が透明部材から構成されている場合は、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化させる際に、その紫外線が保持部材によって遮られることを防止できるから、紫外線の照射方向を自由に設定可能となり、それにより良好な作業性を実現できる。
【0027】
また、本発明のファイバーモジュールによって構成される前述の合波レーザー光源は、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射したレーザービームを集光してマルチモード光ファイバーに結合させる極めて簡単な構成のものであって、特に作製が困難な要素も必要としないので、低コストで形成可能となる。
【0028】
またそのような合波レーザー光源において、特に複数の半導体レーザーが、各々の活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設され、集光光学系が、前記発光点の並び方向の開口径が該方向に直角な方向の開口径よりも小さく形成されて、各半導体レーザー毎に設けられた複数のコリメーターレンズ、およびこれらのコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをそれぞれ集光して前記マルチモード光ファイバーの端面で収束させる集光レンズから構成された場合には、複数の半導体レーザーの配置ピッチをより短くして、より高密度に配置できるようになる。このように複数の半導体レーザーをより高密度に配置しておくと、複数のレーザービームの光ファイバー端面における位置ずれがより小さく抑えられるようになるので、複数の半導体レーザー、マルチモード光ファイバーおよび集光光学系の組立位置精度を比較的緩くできるという効果が得られ、さらに、この組立位置精度を緩くできることから、合波本数をより多くして高出力化できる。その理由は、後に実施の形態に沿って詳しく説明する。
【0029】
また、上述のような複数のコリメーターレンズが互いに一体化されてレンズアレイとして構成される場合は、複数のコリメーターレンズが1個ずつ別体に形成される場合と比較して、各レンズの周辺部に大きな非有効領域ができてしまうことを避けられるから、各レンズを互いにより近接させて配置可能となる。そうであれば、複数の半導体レーザーをよりさらに高密度に配置できるので、上記の組立位置精度を緩くできるという効果、合波本数をより多くして高出力化できるという効果がさらに顕著なものとなる。
【0030】
さらにこの場合は、コリメーターレンズの位置調整作業が、1つのレンズアレイの位置を調整するだけで済むので、この作業が簡素化される。
【0031】
また、印刷、医用画像の分野や、PCB(プリント・サーキット・ボード)、PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)等による画像を感光材料に露光する場合等においては、上記マルチモード光ファイバーとしてコア径が50μm以下のものを用いると、露光スポットを微細なものにして高精細な画像を露光できるようになる。また、そのマルチモード光ファイバーのNAが0.3以下であると、上述のような高精細画像を露光する上で十分な焦点深度が確保され、鮮鋭度の高い画像を露光可能となる。
【0032】
また、マルチモード光ファイバーとしてコア径×NAの値が7.5μm以下のものを用いる場合、それらの組合せとしては例えば50μm×0.15、40μm×0.188、30μm×0.25、25μm×0.3等が挙げられる。このような特性のマルチモード光ファイバーを用いると、そのNAと同程度のNAのコリメーターレンズで各半導体レーザーからのレーザービームを平行光化でき、NA=0.3の集光レンズで25μm以下のスポットに合波レーザービームを集光させることも可能になる。それにより、高解像度と十分な焦点深度を確保できるようになる。
【0033】
他方、上記複数の半導体レーザーを実装するブロックが複数に分割され、互いに張り合わせて一体化されている場合は、1つのブロックに半導体レーザーを全て実装する場合と比較して、実装の歩留まりを向上させることができる。例えば、1つの半導体レーザーの実装歩留まりが98%の場合、6個の半導体レーザーを1つのブロックに全て実装する場合の全体の実装歩留まりは86%(=0.986×100)であり、それに対して3個ずつ2つのブロックに実装する場合のそれは、2つのブロックを接合する歩留まりはほぼ100%を実現できるので、94%(=0.983×100)に向上する。
【0034】
また上述のような合波レーザー光源において、半導体レーザーが3個以上設けられれば、従来知られている偏光合波では2個の半導体レーザーからのレーザービームしか合波できないのに対し、それを上回る高出力の合波ビームを得ることが能になる。ただし、1つの半導体レーザーの実装歩留まりが通常その程度であるように98%であるとすると、半導体レーザーを10個設ける場合には、実装歩留まりが82%まで低下する。それ以上の歩留まり低下は現実上避けなければならないないので、本発明の好ましい実施の形態においては、この半導体レーザーの数の上限を10個とする。
【0035】
さらに、半導体レーザーの数が10個一列に並べて配置される場合、画像形成用のコア径50μm以下でNA0.3以下、もしくはコア径×NA=7.5μm以下のマルチモード光ファイバーを用いたとき、求められる実装精度は0.1μm未満と非常に厳しい値になってしまうが、一列に並べる半導体レーザーの数を6または7個としておくことにより、求められる実装精度は0.3〜1μm未満と著しく緩和される。また、半導体レーザーの数が6または7個の場合は、3個の場合と比べて2倍以上の高出力を得ることができる。
【0036】
また半導体レーザーとして発光幅が1.5μm以上のものを適用することにより、例えばそれがGaN系半導体レーザーである場合は、完全単一横モード構造のものの最大出力(30mW程度)と比較して、高い出力(50mW以上)を得ることができる。一方、半導体レーザーとして発光幅が5μm以下のものを適用することにより、画像形成用のコア径50μm以下でNA0.3以下、もしくはコア径×NA=7.5μm以下のマルチモード光ファイバーに対して半導体レーザーが3個以上の集光結合系を構成可能となる。また、半導体レーザーとして発光幅が2〜3μmのものを適用することにより、前記の画像形成用の光学系において半導体レーザーが6または7個の集光結合系を構成可能となる。
【0037】
また複数の半導体レーザーを、レーザービームの照射を受ける側から見た状態で2次元的に配列すれば、多数の半導体レーザーを高密度に配置できるから、1本のマルチモード光ファイバーにより多数のレーザービームを入射させることが可能となって、より高出力の合波レーザービームを得ることができる。
【0038】
他方、上記の合波レーザー光源が、複数のマルチモード光ファイバーを少なくとも出射端部において1次元アレイ状、あるいはバンドル状に配設してなる場合は、それらの光ファイバーから高出力のレーザービームを1次元あるいは2次元に整列した状態で出射させることができる。そうであれば、整列して出射する複数のレーザービームの各々を、変調部がライン状、あるいは2次元状に配列されてなるGLVやDMD等の空間光変調素子の各変調部に入射させて、画像露光等のために効率良く変調させることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0040】
図3、4および5はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態による紫外光高輝度合波ファイバーモジュールの平面形状、側面形状および部分正面形状を示すものである。また図1および2は、このファイバーモジュールの一部を拡大して示すものである。なおこのファイバーモジュールは、前述したような合波レーザー光源を構成するものである。
【0041】
まず図1の平面図に示すようにこの合波レーザー光源は、銅からなるヒートブロック10上に配列固定された一例として7個のチップ状態の横マルチモードGaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7と、各GaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7に対してそれぞれ設けられたコリメーターレンズ11,12,13,14,15,16および17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバー30とを有している。
【0042】
なおこの図1では、コリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20の形状は概略的に示してある。また、それらの取付状態の詳細については後に説明する。なお、ヒートブロック10に対するGaN系半導体レーザーLD1〜7の取付状態を図2に示す。
【0043】
GaN系半導体レーザーLD1〜7は、発振波長が例えば全て共通の405nmであり、最大出力も全て共通の100mWである。これらのGaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7から発散光状態で出射したレーザービームB1,B2,B3,B4,B5,B6およびB7は、それぞれコリメーターレンズ11,12,13,14,15,16および17によって平行光化される。
【0044】
平行光とされたレーザービームB1〜7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバー30のコア30aの入射端面上で収束する。本例ではコリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20によって集光光学系が構成され、それとマルチモード光ファイバー30とによって合波光学系が構成されている。すなわち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザービームB1〜7がこのマルチモード光ファイバー30のコア30aに入射してそこを伝搬し、1本のレーザービームBに合波されてマルチモード光ファイバー30から出射する。なおマルチモード光ファイバー30としては、ステップインデックス型のもの、グレーデッドインデックス型のもの、およびそれらの複合型のものが全て適用可能である。
【0045】
次に、この紫外光高輝度合波ファイバーモジュールの全体的な構成について、図3、4および5を参照して詳しく説明する。図3、4および5はそれぞれ、この紫外光高輝度合波ファイバーモジュールの平面形状、側面形状および部分正面形状を示すものである。なおこれらの図では、コリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20の形状や取付状態を詳しく示してある。
【0046】
本例においてモジュールを構成する光学要素は、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収容され、このパッケージ40の上記開口がパッケージ蓋41によって閉じられることにより、該パッケージ40およびパッケージ蓋41が画成する閉空間内に密閉保持される。
【0047】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定され、このベース板42の上面に前記ヒートブロック10が取り付けられ、このヒートブロック10にコリメーターレンズ11〜17を保持するコリメーターレンズホルダ44が固定されている。さらにベース板42の上面には、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダ45と、ファイバーブロック43とが固定されている。そしてこのファイバーブロック43には、マルチモード光ファイバー30の入射端部を保持するファイバーホルダ46が固定されている。またGaN系半導体レーザーLD1〜7に駆動電流を供給する配線類47は、パッケージ40の横壁面に形成された開口を通してパッケージ外に引き出されている。
【0048】
なお図3においては、図の煩雑化を避けるために、GaN系半導体レーザーLD1〜7のうち1つのGaN系半導体レーザーLD7にのみ番号を付し、同様にコリメーターレンズ11〜17のうち1つのコリメーターレンズ17にのみ番号を付してある。
【0049】
図5は、上記コリメーターレンズ11〜17の取付部分の正面形状を示すものである。ここに示されるように各コリメーターレンズ11〜17は、非球面円形レンズの光軸を含む領域を細長く切り取った形とされたものであり、例えば樹脂あるいは光学ガラスをモールド成形することによって形成される。図6の(1)および(2)にはそれぞれ、それらを代表して1つのコリメーターレンズ17の拡大側面形状および正面形状を、要部の寸法(単位はmm)も入れて示してある。
【0050】
図5および6に示される通りコリメーターレンズ11〜17は、GaN系半導体レーザーLD1〜7の発光点の並び方向(図5の左右方向)の開口径が該方向に直角な方向(図5の上下方向)の開口径よりも小さく形成されて、上記発光点の並び方向に密接配置されている。
【0051】
一方GaN系半導体レーザーLD1〜7としては、発光幅が2μmで、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が一例としてそれぞれ10°、30°の状態で各々レーザービームB1〜7を発するものが用いられている。これらのGaN系半導体レーザーLD1〜7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0052】
したがって、各発光点から発せられたレーザービームB1〜7は、上述のように細長い形状とされた各コリメーターレンズ11〜17に対して、拡がり角最大の方向が開口径大の方向と一致し、拡がり角最小の方向が開口径小の方向と一致する状態で入射することになる。つまり、細長い形状とされた各コリメーターレンズ11〜17は、入射するレーザービームB1〜7の楕円形の断面形状に対応して、非有効部分を極力少なくして使用されることになる。本実施の形態では具体的に、コリメーターレンズ11〜17の開口径は水平方向、垂直方向で各々1.1mm、4.6mmであり、それらに入射するレーザービームB1〜7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメーターレンズ11〜17の各焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0053】
また図7の(1)および(2)はそれぞれ、集光レンズ20の拡大側面形状および正面形状を、要部の寸法(単位はmm)も入れて示すものである。ここに示されるように集光レンズ20も、非球面円形レンズの光軸を含む領域を細長く切り取って、コリメーターレンズ11〜17の並び方向つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状とされている。そして該集光レンズ20の焦点距離f2=12.5mm、NA=0.3である。この集光レンズ20も、例えば樹脂あるいは光学ガラスをモールド成形することによって形成される。
【0054】
他方、マルチモード光ファイバー30としては、三菱電線工業株式会社製のグレーデッドインデックス型光ファイバーを基本として、コア中心部がグレーデッドインデックスで外周部がステップインデックスである、コア径=25μm、NA=0.3、端面コートの透過率=99.5%以上のものが用いられている。本例の場合、先に述べたコア径×NAの値は7.5μmである。
【0055】
本実施の形態の構成においては、レーザービームB1〜7のマルチモード光ファイバー30への結合効率が0.9となる。したがって、GaN系半導体レーザーLD1〜7の各出力が100mWのときには、出力630mW(=100mW×0.9×7)の合波レーザービームBが得られることになる。
【0056】
次に、マルチモード光ファイバー30の固定構造について、図3および4に戻って説明する。ファイバーブロック43は透明なガラスから形成されて、ベース板42に紫外線硬化型接着剤によって接着固定されている。またファイバーホルダ46も透明なガラスから形成されて、ファイバーブロック43に紫外線硬化型接着剤によって接着固定されている。さらにマルチモード光ファイバー30の入射端部も、ファイバーホルダ46の上面に、紫外線硬化型接着剤によって接着固定されている。なおパッケージ40の横壁面にはファイバー封止部48が形成されており、それに対応する部分に金属筒(図示せず)を有するマルチモード光ファイバー30は、該ファイバー封止部48にロウ材を用いて固定されている。
【0057】
ここでファイバーホルダ46の上面は高平坦度に加工され、それによりマルチモード光ファイバー30は、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されている。ファイバーホルダ46の上面に大きな凹凸が有ると、紫外線硬化型接着剤をこのような薄層状態にすることは不可能である。
【0058】
またファイバーブロック43のベース板42およびファイバーホルダ46との固定面も、さらにファイバーホルダ46のファイバーブロック43への固定面も高平坦度に加工され、それによりファイバーブロック43はベース板42に対して、またこのファイバーブロック43とファイバーホルダ46も、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されている。
【0059】
以上のようにして、ベース板42、ファイバーブロック43、ファイバーホルダ46およびマルチモード光ファイバー30が、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されていると、その紫外線硬化型接着剤に温度変化が加わった際の膨張、収縮を少なく抑えることができ、十分な固定精度を得ることが可能になる。本実施の形態では具体的に、合波レーザービームBとマルチモード光ファイバー30との結合効率は90%以上となっている。
【0060】
また本実施の形態では、保持部材であるファイバーブロック43およびファイバーホルダ46が透明なガラスから形成されているので、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化させる際に、紫外線がファイバーブロック43およびファイバーホルダ46によって遮られることを防止できる。そこで、紫外線の照射方向を自由に設定可能となり、それにより良好な作業性を実現できる。
【0061】
次に、図8および9を参照して本発明の第2の実施の形態によるファイバーモジュールについて説明する。なおこれらの図8および9において、図3〜5中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0062】
図8はこの第2の実施の形態によるファイバーモジュールの側面形状を示すものであり、また図9はその光ファイバー固定部の側面形状を拡大して示すものである。図示されるようにこのファイバーモジュールにおいては、第1の実施の形態で用いられたファイバーブロック43およびファイバーホルダ46が省かれ、マルチモード光ファイバー30はパッケージ40の横壁面内側に固定されたファイバーブラケット49の側面に固定されている。
【0063】
この場合も、ファイバーブラケット49のパッケージ40に対する固定面、およびファイバー固定面であるその側面は高平坦度に加工され、それによりファイバーブラケット49はパッケージ40に対して、またマルチモード光ファイバー30はファイバーブラケット49に対して、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されている。
【0064】
なお図9において、ファイバーブラケット49のパッケージ40に対する接着範囲をaで、マルチモード光ファイバー30のファイバーブラケット49に対する接着範囲をbで示してある。またマルチモード光ファイバー30は、ここにcで示す範囲において、ファイバー封止部48にロウ材を用いて固定されている。
【0065】
以上のように、マルチモード光ファイバー30がファイバーブラケット49に対して、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されていることにより、本実施の形態でも、その紫外線硬化型接着剤に温度変化が加わった際の膨張、収縮を少なく抑えることができ、十分な固定精度を得ることができる。
【0066】
また本実施の形態では、パッケージ40の横壁面内側に固定されたファイバーブラケット49にマルチモード光ファイバー30を固定して、ファイバーブロック43およびファイバーホルダ46を省くことができるので、ファイバーモジュール全体を小型軽量に形成可能となる。
【0067】
ここで、上記ファイバーブロック43とファイバーホルダ46のように、ガラス部材どうしを紫外線硬化型接着剤で接着する工程について詳しく説明する。一方のガラス部材の表面は鏡面とし、他方のガラス部材の表面には研磨剤で0.15μm以上の凹凸を付け、それらの表面を面合わせして数10gの荷重をかけることにより、接着剤の厚みを0.3μm程度にする。その場合、上記凹凸を付けた面の表面粗さを最大高さRmaxで0.3μm程度にすると、接着剤の厚みを0.3μm程度にすることができる。
【0068】
具体的に上記ファイバーブロック43とファイバーホルダ46に関しては、ファイバーホルダ46の表面をスリガラス面として、それら両者間に凹凸による隙間を設ける。またファイバーブロック43と鋼鈑からなるベース板42に関しては、ベース板42に機械加工跡を設ける。またファイバーブラケット49の表面は、スリガラス面とする。
【0069】
なお紫外線硬化型接着剤としては、アウトガスを発生しないものを適用するのが好ましい。そうすることにより、パッケージ40内に配置されている光学要素がアウトガスによって劣化することを防止して、ファイバーモジュールの長寿命化を達成することができる。
【0070】
以上、合波レーザー光源を構成する本発明の実施の形態について説明したが、本発明はそれに限らず、光を集光して光ファイバーに入射させるように構成されたファイバーモジュール一般に適用可能で、そして前述した効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるファイバーモジュールの一部を示す平面図
【図2】上記ファイバーモジュールを構成する半導体レーザーの部分を示す斜視図
【図3】上記ファイバーモジュールの全体を示す平面図
【図4】上記ファイバーモジュールの側面図
【図5】上記ファイバーモジュールの部分正面図
【図6】上記ファイバーモジュールに用いられたコリメーターレンズの側面図(1)と正面図(2)
【図7】上記ファイバーモジュールに用いられた集光レンズの側面図(1)と正面図(2)
【図8】本発明の第2の実施の形態によるファイバーモジュールを示す側面図
【図9】図8のファイバーモジュールの一部を拡大して示す側面図
【符号の説明】
10 ヒートブロック
11〜17 コリメーターレンズ
20 集光レンズ
30 マルチモード光ファイバー
30a マルチモード光ファイバーのコア
40 パッケージ
41 パッケージ蓋
42 ベース板
43 ファイバーブロック
46 ファイバーホルダ
48 ファイバー封止部
49 ファイバーブラケット
LD1〜7 GaN系半導体レーザー
B1〜7 レーザービーム
B 合波されたレーザービーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源と、そこから発せられた光が入射される光ファイバーとを備えてなるファイバーモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紫外域のレーザービームを発生させる装置として、半導体レーザー励起固体レーザーから発せられた赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーや、エキシマレーザーや、Arレーザーが実用に供されている。
【0003】
さらには近時、例えば1998年発行のJpn.Appl.phys.Lett.,Vol.37.p.L1020に示されるように、400nm近傍の波長のレーザービームを発するGaN系半導体レーザーも提供されている。
【0004】
このような波長のレーザービームを発する光源は、350〜420nmの紫外領域を含んだ所定の波長域(以下「紫外域」という)に感度を有する感光材料を露光する露光装置において、露光用光源として適用することも考えられている。その場合の露光用光源は、当然ながら、感光材料を感光させるのに十分な出力を備えることが求められる。
【0005】
しかし上記エキシマレーザーは、装置が大型で、コストやメンテナンスコストも高いという問題がある。
【0006】
また、赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーは、波長変換効率が非常に低いことから、高出力を得るのは極めて困難になっている。現在のところは、30Wの半導体レーザーで固体レーザー媒質を励起して10Wの基本波(波長1064nm)を発振させ、それを3Wの第2高調波(波長532nm)に変換し、それら両者の和周波である1Wの第3高調波(波長355nm)を得る、というのが現在の実用レベルである。その場合の半導体レーザーの電気−光効率は50%程度であり、そして紫外光への変換効率は1.7%程度と非常に低いものとなっている。そしてこのような波長変換レーザーは、高価な光波長変換素子を用いるために、コストがかなり高いものとなっている。
【0007】
またArレーザーは電気−光効率が0.005%と非常に低く、寿命が1000時間程度と非常に短いという問題がある。
【0008】
一方、GaN系半導体レーザーについては、低転位のGaN結晶基板が得られないことから、ELOGという成長方法によって約5μm程度の低転位領域を作り出し、その上にレーザー領域を形成して高出力化と高信頼性を実現する試みがなされている。しかし、こうして作製されるGaN系半導体レーザーにおいても、大面積に亘って低転位の基板を得るのが難しいので、500mW〜1W級の高出力なものは未だ商品化されていない。
【0009】
また、半導体レーザーの高出力化の別の試みとして、例えば1つで100mWの光を出力するキャビティを100個形成することで10Wの出力を得るようなことも考えられているが、100個程度の多数のキャビティを高歩留まりで作成することは、ほとんど現実性が無いと言える。特に、シングルキャビティの場合でも99%以上の高歩留まり化は困難であるGaN系半導体レーザーにあっては、なおさらである。
【0010】
本出願人は上記の事情に鑑み、高出力が得られる低コストの合波レーザー光源を先に提案した(特願2001−273849号)。この特願2001−273849号の合波レーザー光源は、複数の半導体レーザーと、1本のマルチモード光ファイバーと、前記複数の半導体レーザーからそれぞれ出射したレーザービームを集光した上で前記マルチモード光ファイバーに結合させる集光光学系とを備えてなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の合波レーザー光源は、半導体レーザーや集光光学系がパッケージに収容されるとともに、光ファイバーの一端部もこのパッケージの中に収められてファイバーモジュールを構成することが多い。そのようなファイバーモジュールにおいて光ファイバーの一端部は、上記パッケージの内部に固定されたファイバーホルダーやブラケット等に固定されるが、従来、この光ファイバーの固定は、金属筒(フェルール)付きの光ファイバーをYAG溶接したり、あるいはロウ材で固定する手法を用いてなされて来た。
【0012】
しかし、光ファイバーの固定精度はYAG溶接する場合で±1〜5μm、ロウ材で固定する場合で±5〜数十μm程度であり、そのため、レーザービームの収束位置に対して光ファイバーを正確に調芯して配置することができず、両者の結合効率は前者の場合で80%程度、後者の場合で60〜80%程度にとどまっている。また従来、光ファイバーを接着剤で固定することもなされているが、その場合の光ファイバーの固定精度も上記と同様である。
【0013】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、入射光と光ファイバーとの結合効率を向上させることができるファイバーモジュールを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によるファイバーモジュールは、前述したように光ファイバーと、この光ファイバーの一端部を保持する保持部材と、光源と、この光源が発する光を前記光ファイバーに、その一端面から入射させる光学系とを備えてなるファイバーモジュールにおいて、光ファイバーが保持部材に対して、薄層化された紫外線硬化型接着剤によって接着固定されていることを特徴とするものである。なお上記紫外線硬化型接着剤の厚みは、1μm以下であることが望ましい。
【0015】
一方、上記構成を有する本発明のファイバーモジュールにおいて、保持部材は透明部材から構成されることが好ましい。
【0016】
また本発明は、先に述べた特願2001−273849号の合波レーザー光源のように、複数の半導体レーザーと、1本のマルチモード光ファイバーと、上記複数の半導体レーザーからそれぞれ出射したレーザービームを集光した上でマルチモード光ファイバーに結合させる集光光学系とを備えてなる合波レーザー装置に適用されるのが望ましい。
【0017】
そのようにする場合は、複数の半導体レーザーが、各々の活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設され、集光光学系が、前記発光点の並び方向の開口径が該方向に直角な方向の開口径よりも小さく形成されて、各半導体レーザー毎に設けられた複数のコリメーターレンズ、およびこれらのコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをそれぞれ集光して前記マルチモード光ファイバーの端面で収束させる集光レンズから構成されていることが特に望ましい。
【0018】
また、上記複数のコリメーターレンズは互いに一体化されて、レンズアレイとして構成されることが望ましい。
【0019】
他方、上記複数の半導体レーザーを実装するブロックは、複数に分割され、互いに張り合わせて一体化されていることが望ましい。
【0020】
また複数の半導体レーザーは、一列に並べて配置する場合には3〜10個、さらに好ましくは6または7個設けられることが望ましい。またこの半導体レーザーとしては、発光幅が1.5〜5μm、さらに好ましくは2〜3μmのものが用いられるのが望ましい。そしてこの半導体レーザーとしては、GaN系半導体レーザーが用いられることが望ましい。
【0021】
一方上記マルチモード光ファイバーとしては、コア径が50μm以下で、NA(開口数)が0.3以下のものが用いられることが望ましい。さらに、このマルチモード光ファイバーとしては、コア径×NAの値が7.5μm以下のものが用いられることが望ましい。
【0022】
また本発明のファイバーモジュールによって上記合波レーザー光源を構成する場合、複数の半導体レーザーは、レーザービームの照射を受ける側から見た状態で2次元的に配列固定されていることが望ましい。
【0023】
またその場合の合波レーザー光源は、上述したマルチモード光ファイバーを1本だけ用いて構成されてもよいが、好ましくは、該マルチモード光ファイバーを複数用いて、それらのマルチモード光ファイバーの各々に複数の半導体レーザーおよび集光光学系を組み合わせ、各マルチモード光ファイバーから高出力のレーザービームを発するように構成することもできる。そのようにする場合、複数のマルチモード光ファイバーは少なくとも出射端部において1次元アレイ状、あるいは、バンドル状に配設されるのが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
本発明者の研究によると、前述したように光ファイバーを接着剤、YAG溶接、あるいはロウ材で固定する従来技術において十分な固定精度が得られないのは、特にその固定部分に製造時や使用時に温度変化が加わった際、熱による膨張、収縮が生じるためであることが判明した。
【0025】
この知見に鑑みて本発明のファイバーモジュールでは、光ファイバーを保持部材に対して、薄層化された紫外線硬化型接着剤によって接着固定するようにしたので、この接着部分に温度変化が加わった際の膨張、収縮を少なく抑えることができ、十分な固定精度を得ることが可能になる。具体的には、紫外線硬化型接着剤を1μm以下程度の薄層にしておくことにより、入射させる光と光ファイバーとの結合効率を90%以上まで高めることができる。
【0026】
なお本発明のファイバーモジュールにおいて、保持部材が透明部材から構成されている場合は、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化させる際に、その紫外線が保持部材によって遮られることを防止できるから、紫外線の照射方向を自由に設定可能となり、それにより良好な作業性を実現できる。
【0027】
また、本発明のファイバーモジュールによって構成される前述の合波レーザー光源は、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射したレーザービームを集光してマルチモード光ファイバーに結合させる極めて簡単な構成のものであって、特に作製が困難な要素も必要としないので、低コストで形成可能となる。
【0028】
またそのような合波レーザー光源において、特に複数の半導体レーザーが、各々の活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設され、集光光学系が、前記発光点の並び方向の開口径が該方向に直角な方向の開口径よりも小さく形成されて、各半導体レーザー毎に設けられた複数のコリメーターレンズ、およびこれらのコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをそれぞれ集光して前記マルチモード光ファイバーの端面で収束させる集光レンズから構成された場合には、複数の半導体レーザーの配置ピッチをより短くして、より高密度に配置できるようになる。このように複数の半導体レーザーをより高密度に配置しておくと、複数のレーザービームの光ファイバー端面における位置ずれがより小さく抑えられるようになるので、複数の半導体レーザー、マルチモード光ファイバーおよび集光光学系の組立位置精度を比較的緩くできるという効果が得られ、さらに、この組立位置精度を緩くできることから、合波本数をより多くして高出力化できる。その理由は、後に実施の形態に沿って詳しく説明する。
【0029】
また、上述のような複数のコリメーターレンズが互いに一体化されてレンズアレイとして構成される場合は、複数のコリメーターレンズが1個ずつ別体に形成される場合と比較して、各レンズの周辺部に大きな非有効領域ができてしまうことを避けられるから、各レンズを互いにより近接させて配置可能となる。そうであれば、複数の半導体レーザーをよりさらに高密度に配置できるので、上記の組立位置精度を緩くできるという効果、合波本数をより多くして高出力化できるという効果がさらに顕著なものとなる。
【0030】
さらにこの場合は、コリメーターレンズの位置調整作業が、1つのレンズアレイの位置を調整するだけで済むので、この作業が簡素化される。
【0031】
また、印刷、医用画像の分野や、PCB(プリント・サーキット・ボード)、PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)等による画像を感光材料に露光する場合等においては、上記マルチモード光ファイバーとしてコア径が50μm以下のものを用いると、露光スポットを微細なものにして高精細な画像を露光できるようになる。また、そのマルチモード光ファイバーのNAが0.3以下であると、上述のような高精細画像を露光する上で十分な焦点深度が確保され、鮮鋭度の高い画像を露光可能となる。
【0032】
また、マルチモード光ファイバーとしてコア径×NAの値が7.5μm以下のものを用いる場合、それらの組合せとしては例えば50μm×0.15、40μm×0.188、30μm×0.25、25μm×0.3等が挙げられる。このような特性のマルチモード光ファイバーを用いると、そのNAと同程度のNAのコリメーターレンズで各半導体レーザーからのレーザービームを平行光化でき、NA=0.3の集光レンズで25μm以下のスポットに合波レーザービームを集光させることも可能になる。それにより、高解像度と十分な焦点深度を確保できるようになる。
【0033】
他方、上記複数の半導体レーザーを実装するブロックが複数に分割され、互いに張り合わせて一体化されている場合は、1つのブロックに半導体レーザーを全て実装する場合と比較して、実装の歩留まりを向上させることができる。例えば、1つの半導体レーザーの実装歩留まりが98%の場合、6個の半導体レーザーを1つのブロックに全て実装する場合の全体の実装歩留まりは86%(=0.986×100)であり、それに対して3個ずつ2つのブロックに実装する場合のそれは、2つのブロックを接合する歩留まりはほぼ100%を実現できるので、94%(=0.983×100)に向上する。
【0034】
また上述のような合波レーザー光源において、半導体レーザーが3個以上設けられれば、従来知られている偏光合波では2個の半導体レーザーからのレーザービームしか合波できないのに対し、それを上回る高出力の合波ビームを得ることが能になる。ただし、1つの半導体レーザーの実装歩留まりが通常その程度であるように98%であるとすると、半導体レーザーを10個設ける場合には、実装歩留まりが82%まで低下する。それ以上の歩留まり低下は現実上避けなければならないないので、本発明の好ましい実施の形態においては、この半導体レーザーの数の上限を10個とする。
【0035】
さらに、半導体レーザーの数が10個一列に並べて配置される場合、画像形成用のコア径50μm以下でNA0.3以下、もしくはコア径×NA=7.5μm以下のマルチモード光ファイバーを用いたとき、求められる実装精度は0.1μm未満と非常に厳しい値になってしまうが、一列に並べる半導体レーザーの数を6または7個としておくことにより、求められる実装精度は0.3〜1μm未満と著しく緩和される。また、半導体レーザーの数が6または7個の場合は、3個の場合と比べて2倍以上の高出力を得ることができる。
【0036】
また半導体レーザーとして発光幅が1.5μm以上のものを適用することにより、例えばそれがGaN系半導体レーザーである場合は、完全単一横モード構造のものの最大出力(30mW程度)と比較して、高い出力(50mW以上)を得ることができる。一方、半導体レーザーとして発光幅が5μm以下のものを適用することにより、画像形成用のコア径50μm以下でNA0.3以下、もしくはコア径×NA=7.5μm以下のマルチモード光ファイバーに対して半導体レーザーが3個以上の集光結合系を構成可能となる。また、半導体レーザーとして発光幅が2〜3μmのものを適用することにより、前記の画像形成用の光学系において半導体レーザーが6または7個の集光結合系を構成可能となる。
【0037】
また複数の半導体レーザーを、レーザービームの照射を受ける側から見た状態で2次元的に配列すれば、多数の半導体レーザーを高密度に配置できるから、1本のマルチモード光ファイバーにより多数のレーザービームを入射させることが可能となって、より高出力の合波レーザービームを得ることができる。
【0038】
他方、上記の合波レーザー光源が、複数のマルチモード光ファイバーを少なくとも出射端部において1次元アレイ状、あるいはバンドル状に配設してなる場合は、それらの光ファイバーから高出力のレーザービームを1次元あるいは2次元に整列した状態で出射させることができる。そうであれば、整列して出射する複数のレーザービームの各々を、変調部がライン状、あるいは2次元状に配列されてなるGLVやDMD等の空間光変調素子の各変調部に入射させて、画像露光等のために効率良く変調させることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0040】
図3、4および5はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態による紫外光高輝度合波ファイバーモジュールの平面形状、側面形状および部分正面形状を示すものである。また図1および2は、このファイバーモジュールの一部を拡大して示すものである。なおこのファイバーモジュールは、前述したような合波レーザー光源を構成するものである。
【0041】
まず図1の平面図に示すようにこの合波レーザー光源は、銅からなるヒートブロック10上に配列固定された一例として7個のチップ状態の横マルチモードGaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7と、各GaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7に対してそれぞれ設けられたコリメーターレンズ11,12,13,14,15,16および17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバー30とを有している。
【0042】
なおこの図1では、コリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20の形状は概略的に示してある。また、それらの取付状態の詳細については後に説明する。なお、ヒートブロック10に対するGaN系半導体レーザーLD1〜7の取付状態を図2に示す。
【0043】
GaN系半導体レーザーLD1〜7は、発振波長が例えば全て共通の405nmであり、最大出力も全て共通の100mWである。これらのGaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7から発散光状態で出射したレーザービームB1,B2,B3,B4,B5,B6およびB7は、それぞれコリメーターレンズ11,12,13,14,15,16および17によって平行光化される。
【0044】
平行光とされたレーザービームB1〜7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバー30のコア30aの入射端面上で収束する。本例ではコリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20によって集光光学系が構成され、それとマルチモード光ファイバー30とによって合波光学系が構成されている。すなわち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザービームB1〜7がこのマルチモード光ファイバー30のコア30aに入射してそこを伝搬し、1本のレーザービームBに合波されてマルチモード光ファイバー30から出射する。なおマルチモード光ファイバー30としては、ステップインデックス型のもの、グレーデッドインデックス型のもの、およびそれらの複合型のものが全て適用可能である。
【0045】
次に、この紫外光高輝度合波ファイバーモジュールの全体的な構成について、図3、4および5を参照して詳しく説明する。図3、4および5はそれぞれ、この紫外光高輝度合波ファイバーモジュールの平面形状、側面形状および部分正面形状を示すものである。なおこれらの図では、コリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20の形状や取付状態を詳しく示してある。
【0046】
本例においてモジュールを構成する光学要素は、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収容され、このパッケージ40の上記開口がパッケージ蓋41によって閉じられることにより、該パッケージ40およびパッケージ蓋41が画成する閉空間内に密閉保持される。
【0047】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定され、このベース板42の上面に前記ヒートブロック10が取り付けられ、このヒートブロック10にコリメーターレンズ11〜17を保持するコリメーターレンズホルダ44が固定されている。さらにベース板42の上面には、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダ45と、ファイバーブロック43とが固定されている。そしてこのファイバーブロック43には、マルチモード光ファイバー30の入射端部を保持するファイバーホルダ46が固定されている。またGaN系半導体レーザーLD1〜7に駆動電流を供給する配線類47は、パッケージ40の横壁面に形成された開口を通してパッケージ外に引き出されている。
【0048】
なお図3においては、図の煩雑化を避けるために、GaN系半導体レーザーLD1〜7のうち1つのGaN系半導体レーザーLD7にのみ番号を付し、同様にコリメーターレンズ11〜17のうち1つのコリメーターレンズ17にのみ番号を付してある。
【0049】
図5は、上記コリメーターレンズ11〜17の取付部分の正面形状を示すものである。ここに示されるように各コリメーターレンズ11〜17は、非球面円形レンズの光軸を含む領域を細長く切り取った形とされたものであり、例えば樹脂あるいは光学ガラスをモールド成形することによって形成される。図6の(1)および(2)にはそれぞれ、それらを代表して1つのコリメーターレンズ17の拡大側面形状および正面形状を、要部の寸法(単位はmm)も入れて示してある。
【0050】
図5および6に示される通りコリメーターレンズ11〜17は、GaN系半導体レーザーLD1〜7の発光点の並び方向(図5の左右方向)の開口径が該方向に直角な方向(図5の上下方向)の開口径よりも小さく形成されて、上記発光点の並び方向に密接配置されている。
【0051】
一方GaN系半導体レーザーLD1〜7としては、発光幅が2μmで、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が一例としてそれぞれ10°、30°の状態で各々レーザービームB1〜7を発するものが用いられている。これらのGaN系半導体レーザーLD1〜7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0052】
したがって、各発光点から発せられたレーザービームB1〜7は、上述のように細長い形状とされた各コリメーターレンズ11〜17に対して、拡がり角最大の方向が開口径大の方向と一致し、拡がり角最小の方向が開口径小の方向と一致する状態で入射することになる。つまり、細長い形状とされた各コリメーターレンズ11〜17は、入射するレーザービームB1〜7の楕円形の断面形状に対応して、非有効部分を極力少なくして使用されることになる。本実施の形態では具体的に、コリメーターレンズ11〜17の開口径は水平方向、垂直方向で各々1.1mm、4.6mmであり、それらに入射するレーザービームB1〜7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメーターレンズ11〜17の各焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0053】
また図7の(1)および(2)はそれぞれ、集光レンズ20の拡大側面形状および正面形状を、要部の寸法(単位はmm)も入れて示すものである。ここに示されるように集光レンズ20も、非球面円形レンズの光軸を含む領域を細長く切り取って、コリメーターレンズ11〜17の並び方向つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状とされている。そして該集光レンズ20の焦点距離f2=12.5mm、NA=0.3である。この集光レンズ20も、例えば樹脂あるいは光学ガラスをモールド成形することによって形成される。
【0054】
他方、マルチモード光ファイバー30としては、三菱電線工業株式会社製のグレーデッドインデックス型光ファイバーを基本として、コア中心部がグレーデッドインデックスで外周部がステップインデックスである、コア径=25μm、NA=0.3、端面コートの透過率=99.5%以上のものが用いられている。本例の場合、先に述べたコア径×NAの値は7.5μmである。
【0055】
本実施の形態の構成においては、レーザービームB1〜7のマルチモード光ファイバー30への結合効率が0.9となる。したがって、GaN系半導体レーザーLD1〜7の各出力が100mWのときには、出力630mW(=100mW×0.9×7)の合波レーザービームBが得られることになる。
【0056】
次に、マルチモード光ファイバー30の固定構造について、図3および4に戻って説明する。ファイバーブロック43は透明なガラスから形成されて、ベース板42に紫外線硬化型接着剤によって接着固定されている。またファイバーホルダ46も透明なガラスから形成されて、ファイバーブロック43に紫外線硬化型接着剤によって接着固定されている。さらにマルチモード光ファイバー30の入射端部も、ファイバーホルダ46の上面に、紫外線硬化型接着剤によって接着固定されている。なおパッケージ40の横壁面にはファイバー封止部48が形成されており、それに対応する部分に金属筒(図示せず)を有するマルチモード光ファイバー30は、該ファイバー封止部48にロウ材を用いて固定されている。
【0057】
ここでファイバーホルダ46の上面は高平坦度に加工され、それによりマルチモード光ファイバー30は、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されている。ファイバーホルダ46の上面に大きな凹凸が有ると、紫外線硬化型接着剤をこのような薄層状態にすることは不可能である。
【0058】
またファイバーブロック43のベース板42およびファイバーホルダ46との固定面も、さらにファイバーホルダ46のファイバーブロック43への固定面も高平坦度に加工され、それによりファイバーブロック43はベース板42に対して、またこのファイバーブロック43とファイバーホルダ46も、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されている。
【0059】
以上のようにして、ベース板42、ファイバーブロック43、ファイバーホルダ46およびマルチモード光ファイバー30が、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されていると、その紫外線硬化型接着剤に温度変化が加わった際の膨張、収縮を少なく抑えることができ、十分な固定精度を得ることが可能になる。本実施の形態では具体的に、合波レーザービームBとマルチモード光ファイバー30との結合効率は90%以上となっている。
【0060】
また本実施の形態では、保持部材であるファイバーブロック43およびファイバーホルダ46が透明なガラスから形成されているので、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化させる際に、紫外線がファイバーブロック43およびファイバーホルダ46によって遮られることを防止できる。そこで、紫外線の照射方向を自由に設定可能となり、それにより良好な作業性を実現できる。
【0061】
次に、図8および9を参照して本発明の第2の実施の形態によるファイバーモジュールについて説明する。なおこれらの図8および9において、図3〜5中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0062】
図8はこの第2の実施の形態によるファイバーモジュールの側面形状を示すものであり、また図9はその光ファイバー固定部の側面形状を拡大して示すものである。図示されるようにこのファイバーモジュールにおいては、第1の実施の形態で用いられたファイバーブロック43およびファイバーホルダ46が省かれ、マルチモード光ファイバー30はパッケージ40の横壁面内側に固定されたファイバーブラケット49の側面に固定されている。
【0063】
この場合も、ファイバーブラケット49のパッケージ40に対する固定面、およびファイバー固定面であるその側面は高平坦度に加工され、それによりファイバーブラケット49はパッケージ40に対して、またマルチモード光ファイバー30はファイバーブラケット49に対して、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されている。
【0064】
なお図9において、ファイバーブラケット49のパッケージ40に対する接着範囲をaで、マルチモード光ファイバー30のファイバーブラケット49に対する接着範囲をbで示してある。またマルチモード光ファイバー30は、ここにcで示す範囲において、ファイバー封止部48にロウ材を用いて固定されている。
【0065】
以上のように、マルチモード光ファイバー30がファイバーブラケット49に対して、紫外線硬化型接着剤を厚み1μm以下の薄層状態にして固定されていることにより、本実施の形態でも、その紫外線硬化型接着剤に温度変化が加わった際の膨張、収縮を少なく抑えることができ、十分な固定精度を得ることができる。
【0066】
また本実施の形態では、パッケージ40の横壁面内側に固定されたファイバーブラケット49にマルチモード光ファイバー30を固定して、ファイバーブロック43およびファイバーホルダ46を省くことができるので、ファイバーモジュール全体を小型軽量に形成可能となる。
【0067】
ここで、上記ファイバーブロック43とファイバーホルダ46のように、ガラス部材どうしを紫外線硬化型接着剤で接着する工程について詳しく説明する。一方のガラス部材の表面は鏡面とし、他方のガラス部材の表面には研磨剤で0.15μm以上の凹凸を付け、それらの表面を面合わせして数10gの荷重をかけることにより、接着剤の厚みを0.3μm程度にする。その場合、上記凹凸を付けた面の表面粗さを最大高さRmaxで0.3μm程度にすると、接着剤の厚みを0.3μm程度にすることができる。
【0068】
具体的に上記ファイバーブロック43とファイバーホルダ46に関しては、ファイバーホルダ46の表面をスリガラス面として、それら両者間に凹凸による隙間を設ける。またファイバーブロック43と鋼鈑からなるベース板42に関しては、ベース板42に機械加工跡を設ける。またファイバーブラケット49の表面は、スリガラス面とする。
【0069】
なお紫外線硬化型接着剤としては、アウトガスを発生しないものを適用するのが好ましい。そうすることにより、パッケージ40内に配置されている光学要素がアウトガスによって劣化することを防止して、ファイバーモジュールの長寿命化を達成することができる。
【0070】
以上、合波レーザー光源を構成する本発明の実施の形態について説明したが、本発明はそれに限らず、光を集光して光ファイバーに入射させるように構成されたファイバーモジュール一般に適用可能で、そして前述した効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるファイバーモジュールの一部を示す平面図
【図2】上記ファイバーモジュールを構成する半導体レーザーの部分を示す斜視図
【図3】上記ファイバーモジュールの全体を示す平面図
【図4】上記ファイバーモジュールの側面図
【図5】上記ファイバーモジュールの部分正面図
【図6】上記ファイバーモジュールに用いられたコリメーターレンズの側面図(1)と正面図(2)
【図7】上記ファイバーモジュールに用いられた集光レンズの側面図(1)と正面図(2)
【図8】本発明の第2の実施の形態によるファイバーモジュールを示す側面図
【図9】図8のファイバーモジュールの一部を拡大して示す側面図
【符号の説明】
10 ヒートブロック
11〜17 コリメーターレンズ
20 集光レンズ
30 マルチモード光ファイバー
30a マルチモード光ファイバーのコア
40 パッケージ
41 パッケージ蓋
42 ベース板
43 ファイバーブロック
46 ファイバーホルダ
48 ファイバー封止部
49 ファイバーブラケット
LD1〜7 GaN系半導体レーザー
B1〜7 レーザービーム
B 合波されたレーザービーム
Claims (3)
- 光ファイバーと、
この光ファイバーの一端部を保持する保持部材と、
光源と、
この光源が発する光を前記光ファイバーに、その一端面から入射させる光学系とを備えてなるファイバーモジュールにおいて、
前記光ファイバーが前記保持部材に、薄層化された紫外線硬化型接着剤によって接着固定されていることを特徴とするファイバーモジュール。 - 前記保持部材が透明部材からなることを特徴とする請求項1記載のファイバーモジュール。
- 前記光ファイバーとしてのマルチモード光ファイバーと、
前記光源としての複数の半導体レーザーと、
これらの半導体レーザーからそれぞれ出射したレーザービームを集光した上で前記光ファイバーに入射させる、前記光学系としての集光光学系とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のファイバーモジュール。
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-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201905A patent/JP2004045667A/ja not_active Withdrawn
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