JP2004039862A - 光学装置、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学部材の温度上昇を良好に抑制し、安定した光学性能を有する光学装置を提供する。
【解決手段】光学部材CMに対して放熱体100を離間して配置し、光学部材CMと放熱体100との間に、光学部材CMと放熱体100との相対的な変位を吸収しかつ光学部材CMと放熱体100とを熱的に接続する伝熱体105を配置する。
【選択図】 図4
【解決手段】光学部材CMに対して放熱体100を離間して配置し、光学部材CMと放熱体100との間に、光学部材CMと放熱体100との相対的な変位を吸収しかつ光学部材CMと放熱体100とを熱的に接続する伝熱体105を配置する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路、CCD等の撮像素子、液晶ディスプレイ、または薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィ技術を用いて製造する方法、その製造時に用いられる露光装置、並びにその露光装置に好適な光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや液晶表示デバイスをリソグラフィ技術を用いて製造する際に、パターンが形成されたマスクに露光用照明光(露光ビーム)を照明し、マスクのパターンの像を投影光学系を介して、フォトレジスト等の感光材が塗布された半導体ウエハやガラスプレート等の基板上に投影露光する露光装置が用いられている。近年、露光装置では、パターンの微細化に伴い、露光ビームの短波長化が進行している。
【0003】
短波長の露光ビームとしては、例えば、KrFエキシマレーザ光(波長:248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長:193nm)、F2レーザ光(波長:157nm)などがある。また、さらに短波長の露光ビームとして、波長5〜15nmの軟X線領域の光(以下、この光をEUV(Extreme Ultra Violet)光と称する)の使用が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
短波長の露光ビームを用いた露光装置では、露光ビームの光路上に配置される光学部材が露光ビームの照射によって発熱しやすく、それに伴う光学部材の熱変形の制御が課題の一つとなっている。特に、短波長の紫外線やEUV光を用いた露光装置では、光路上の空間を真空にすることが多く、その場合、対流熱伝達による冷却効果がほとんどない。そのため、光学部材の熱変形が大きく生じやすい。
【0005】
こうした光学部材の温度上昇を抑制する方法として、ヒートシンクなどの放熱体を光学部材に取り付ける方法が検討されている。しかしながら、放熱体の取り付けに伴って、光学部材が変形したり、放熱体の振動が光学部材に伝達したりして、光学特性が低下するおそれがある。
【0006】
また、一般に、光学部材に対する露光ビームの照射エネルギー密度分布は照射領域内において一様ではない。そのため、その照射熱によって生じる光学部材の熱変形は複雑な形になりやすい。光学部材の複雑な変形は、補正が困難な高次の収差を生む。そのため、光学部材を温度制御するにあたっては、その光学部材の温度分布の均一化が図られるのが好ましい。
【0007】
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、光学部材の温度上昇が良好に抑制され、安定した光学性能を有する光学装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、マスクのパターン像を精度よく基板上に転写できる露光装置、並びに、形成されるパターンの精度を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の光学装置は、エネルギービームの光路上に配置される光学部材を備える光学装置であって、前記光学部材(CM)に対して離間して配置される放熱体(100)と、前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)との間に配置され、前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)との相対的な変位を吸収しかつ前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)との間で熱を伝達する伝熱体(105)とを備えることを特徴とする。
この光学装置では、光学部材と放熱体との間で伝熱体を介して熱を伝達することにより、エネルギービームの照射に伴う光学部材の熱は、伝熱体を介して放熱体に伝達される。伝熱体は光学部材と放熱体との相対的な変位を吸収することから、光学部材と放熱体との間で力の伝達はほとんど起こらない。そのため、この光学装置では、放熱体を取り付けることによる光学部材の変形や振動が防止される。
【0009】
この場合において、前記伝熱体(105)として、例えば、柔軟性を有する熱伝導性部材を用いるとよい。この場合、伝熱体が柔軟性と熱伝導性とを有することにより、光学部材と放熱体との相対的な変位が伝熱体によって吸収され、かつ光学部材と放熱体とが伝熱体を介して熱的に接続される。
【0010】
また、前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)とは、互いに異なる部材に支持されているのが好ましい。これにより、支持体を介した力の伝達が防止され、放熱体の取り付けに伴う光学部材の変形や振動が確実に防止される。
この場合、前記光学部材を支持する部材と前記放熱体を支持する部材との間に、振動の伝達を防ぐ防振装置(108)が配置されていることにより、光学部材の振動がさらに確実に防止される。
【0011】
また、前記伝熱体(105)は、前記光学部材(CM)に対する前記エネルギービームの照射エネルギー密度分布に基づく、熱抵抗分布を有してもよい。この場合、伝熱体の熱抵抗分布によって、照射エネルギー密度分布による光学部材の複雑な熱変形を防止することが可能となる。
【0012】
この場合において、前記伝熱体(105)の熱抵抗分布は、前記照射エネルギー密度分布と略反比例関係にあるとよい。この場合、照射エネルギー密度の一様でない不均一な状態が伝熱体の熱抵抗分布によって打ち消される。すなわち、伝熱体の熱抵抗分布と照射エネルギー密度分布とが略反比例関係にあることから、照射エネルギー密度が高いところは、伝熱体の熱抵抗が小さく、伝熱体を介して多くの熱が光学部材から逃げる。逆に、照射エネルギー密度が低いところは、伝熱体の熱抵抗が大きく、光学部材から熱が逃げにくい。これにより光学部材内の温度分布の均一化が図られ、光学部材の複雑な熱変形が防止される。
【0013】
また、前記伝熱体(105)は、複数からなり、その分布密度が前記エネルギー密度分布に基づいて定められていてもよい。この場合、伝熱体の分布密度が高いところは熱抵抗が小さくなって光学部材から熱が逃げやすく、分布密度が低いところは熱抵抗が大きくなって光学部材から熱が逃げにくい。
【0014】
また、前記放熱体(100)は、前記光学部材(CM)に対する前記エネルギービームの照射エネルギー密度分布に基づく、放熱性の分布を有してもよい。この場合、放熱体の放熱性の分布によって、照射エネルギー密度分布による光学部材の複雑な熱変形を防止することが可能となる。
【0015】
この場合において、前記放熱性の分布は、前記照射エネルギー密度分布と略比例関係にあるとよい。この場合、照射エネルギー密度の不均一な状態が放熱体の放熱性の分布によって打ち消される。すなわち、放熱体の放熱性の分布と照射エネルギー密度分布とが略比例関係にあることから、照射エネルギー密度が高いところは、放熱性が高く、多くの熱が光学部材から逃げる。逆に、照射エネルギー密度が低いところは、放熱性が低く、光学部材から熱が逃げにくい。これにより光学部材内の温度分布の均一化が図られ、光学部材の複雑な熱変形が防止される。
【0016】
また、前記放熱体(100)は、冷媒との間で熱交換を行う熱交換部材(121)を含み、前記熱交換部材(121)は、前記照射エネルギー密度分布に基づく、熱抵抗分布を有してもよい。この場合、放熱体では、熱交換部材の熱抵抗が大きいところで放熱性が高く、熱抵抗が小さいところで放熱性が低くなる。
【0017】
本発明の露光装置は、パターンが形成されたマスク(R)をエネルギビームにより照明する照明系(21)と、前記マスク(R)のパターンを基板(W)上に転写する投影光学系(PL)との少なくとも一方が、上記記載の光学装置を備えることを特徴とする。
また、本発明のデバイス製造方法は、上記記載の露光装置を用いて、マスク(R)上に形成されたデバイスパターンを基板(W)上に転写する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る光学装置を投影光学系として備える一実施形態に係る半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置10の全体構成を示している。また、図1ではXYZ直交座標系を採用している。XYZ直交座標系は、基板(感光性基板)としてのウエハWを保持するウエハステージWSに対して平行となるようにX軸及びY軸が設定され、Z軸がウエハステージWSに対して直交する方向に設定される。実際には、図中のXYZ直交座標系は、XY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直方向に設定される。
【0019】
本実施形態に係る露光装置は、露光光源としてF2レーザ光源を使用している。また、マスク(投影原版)としてのレチクルR上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の方向へレチクルR及びウエハWを同期して走査することにより、ウエハW上の1つのショット領域に、レチクルRのパターン像を逐次的に転写するステップ・アンド・スキャン方式を採用している。
【0020】
図1において、露光装置10は、レーザ光源20、このレーザ光源20からの露光ビームILによりレチクルRを照明する照明光学系21、レチクルRから射出される露光ビームILをウエハW上に投射する投影光学系PL、及び装置全体を統括的に制御する不図示の主制御装置等を備えている。
【0021】
レーザ光源20は、例えば発振波長157nmのパルス紫外光を出力するF2レーザを有する。また、レーザ光源20には、図示しない光源制御装置が併設されており、この光源制御装置は、主制御装置からの指示に応じて、射出されるパルス紫外光の発振中心波長及びスペクトル半値幅の制御、パルス発振のトリガ制御、レーザチャンバ内のガスの制御等を行う。
【0022】
レーザ光源20からのパルスレーザ光(照明光)は、偏向ミラー30にて偏向されて、光アッテネータとして可変減光器31に入射する。可変減光器31は、ウエハ上のフォトレジストに対する露光量を制御するために、減光率が段階的又は連続的に調整可能である。可変減光器31から射出される照明光は、光路偏向ミラー32にて偏向された後に、第1フライアイレンズ33、ズームレンズ34、振動ミラー35を順に介して第2フライアイレンズ36に達する。第2フライアイレンズ36の射出側には、有効光源のサイズ・形状を所望に設定するための照明光学系開口絞り用の切り替えレボルバ37が配置されている。本実施形態では、照明光学系開口絞りでの光量損失を低減させるために、ズームレンズ34による第2フライアイレンズ36への光束の大きさを可変としている。
【0023】
照明光学系開口絞りの開口から射出した光束は、コンデンサレンズ群40を介して照明視野絞り(レチクルブラインド)41を照明する。なお、照明視野絞り41については、特開平4−196513号公報及びこれに対応する米国特許第5,473,410号公報に開示されている。
【0024】
照明視野絞り41からの光は、偏向ミラー42,45、レンズ群43,44,46等からなる照明視野絞り結像光学系(レチクルブラインド結像系)を介してレチクルR上に導かれ、レチクルR上には、照明視野絞り41の開口部の像である照明領域が形成される。レチクルR上の照明領域からの光は、投影光学系PLを介してウエハW上へ導かれ、ウエハW上には、レチクルRの照明領域内のパターンの縮小像が形成される。レチクルRを保持するレチクルステージRSはXY平面内で二次元的に移動可能であり、その位置座標は干渉計50によって計測されかつ位置制御される。また、ウエハWを保持するウエハステージWSもXY平面内で二次元的に移動可能であり、その位置座標は干渉計51によって計測されかつ位置制御される。これらにより、レチクルR及びウエハWを高精度に同期走査することが可能になる。なお、上述したレーザ光源20〜照明視野絞り結像光学系等により照明光学系21が構成される。
【0025】
図2及び図3は、投影光学系PLの構成の一例をそれぞれ示している。本実施形態では、反射屈折型の投影光学系が採用される。反射屈折型の投影光学系の構成例について図2及び図3を参照して説明する。
図2の構成例において、投影光学系PLは、投影原版としてのレチクルR上のパターンの中間像を形成する屈折型の第1結像光学系K1と、第1結像光学系K1による中間像の像(2次像)を再結像する反射屈折型の第2結像光学系K2と、第2結像光学系K2による2次像をワークとしてのウエハW上に再結像させる屈折型の第3結像光学系K3とを有している。ここで、第1結像光学系K1と第2結像光学系K2との間の光路中には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M1が配置されており、第2結像光学系K2と第3結像光学系K3との間の光路中には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M2が配置されている。これらの反射面M1,M2は、光路折り曲げ部材FM上に設けられている。
【0026】
また、第1結像光学系K1は、光軸Ax1に沿って配置された複数のレンズ成分を有しており、約1/1.5倍〜1/3程度の縮小倍率のもとで中間像を形成する。第2結像光学系K2は、光軸Ax2に沿って配置された単数または複数のレンズ成分と凹面反射鏡CMとを有しており、ほぼ等倍のもとで、第1結像光学系K1による中間像の像(2次像)を形成する。そして、第3結像光学系K3は、光軸Ax3に沿って配置された複数のレンズ成分を有しており、約1/1.5倍〜1/3程度の縮小倍率のもとで、第1及び第2結像光学系K1,K2による2次像の像(3次像)をウエハW上に形成する。なお、本例では、光軸Ax1と光軸Ax3とは互いに一致しているが、光軸Ax1と光軸Ax3とは互いに平行且つ不一致であっても良く、また、光軸Ax2は、光軸Ax1または光軸Ax3に対して直交して無くとも良い。
【0027】
また、図3の構成例において、投影光学系PLは、投影原版としてのレチクルR上のパターンの中間像を形成する反射屈折型の第1結像光学系K1と、第1結像光学系K1による中間像の像をワークとしてのウエハW上に再結像させる屈折型の第2結像光学系K2とを有している。ここで、レチクルRと第1結像光学系K1との間の光路中には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M1が配置されており、第1結像光学系K1と第2結像光学系K2との間の光路中、すなわち中間像の近傍には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M2が配置されている。これらの反射面M1,M2は、光路折り曲げ部材FM上に設けられている。
【0028】
第1結像光学系K1は、光軸Ax2に沿って配置された複数のレンズ成分と凹面反射鏡CMとを有しており、ほぼ等倍またはやや縮小倍率のもとで中間像を形成する。第2結像光学系K2は、光軸Ax2と直交する光軸Ax3上に沿って配置された複数のレンズ成分及びコヒーレンスファクタを制御するための可変開口絞りASを有しており、中間像からの光に基づいて縮小倍率のもとで中間像の像、すなわち2次像を形成する。ここで、第1結像光学系K1の光軸Ax2は光路折り曲げ用反射面M1によって90°折り曲げられて、レチクルRと反射面M1との間に光軸Ax1を定義している。本例では、光軸Ax1と光軸Ax3とは互いに平行であるが、一致はしていない。なお、本例において、光軸Ax1と光軸Ax3とを互いに一致するように配置しても良い。また、光軸Ax1と光軸Ax2とのなす角度を90°とは異なる角度、好ましくは凹面反射鏡CMを反時計回りに回転させた角度としても良い。このとき、反射面M2での光軸の折り曲げ角度を、レチクルRとウエハWとが平行となるように設定することが好ましい。
【0029】
図1に戻り、本実施形態で使用するF2レーザ光(波長:157nm)のように、真空紫外域の光を露光ビームとする場合には、その光路から酸素、水蒸気、炭化水素系のガス等の、係る波長帯域の光に対し強い吸収特性を有するガス(以下、適宜「吸収性ガス」と呼ぶ)を排除する必要がある。従って、本実施形態では、照明光路(レーザ光源20〜レチクルRへ至る光路)及び投影光路(レチクルR〜ウエハWへ至る光路)を外部雰囲気から遮断し、それらの光路を真空紫外域の光に対して吸収の少ない特性を有する特定ガスとしての窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどのガス、またはそれらの混合ガス(以下、適宜「低吸収性ガス」あるいは「特定ガス」と呼ぶ)で満たしている。
【0030】
具体的には、レーザ光源20から可変減光器31までの光路をケーシング60により外部雰囲気より遮断し、可変減光器31から照明視野絞り41までの光路をケーシング61により外部雰囲気より遮断し、照明視野絞り結像光学系をケーシング62により外部雰囲気から遮断し、それらの光路内に上記特定ガスを充填している。なお、ケーシング61とケーシング62はケーシング63により接続されている。また、投影光学系PL自体もその鏡筒69がケーシングとなっており、その内部光路に上記特定ガスを充填している。
【0031】
また、ケーシング64は、照明視野絞り結像光学系を納めたケーシング62と投影光学系PLとの間の空間を外部雰囲気から遮断しており、その内部にレチクルRを保持するレチクルステージRSを収納している。このケーシング64には、レチクルRを搬入・搬出するための扉70が設けられており、この扉70の外側には、レチクルRを搬入・搬出時にケーシング64内の雰囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室65が設けられている。このガス置換室65にも扉71が設けられており、複数種のレチクルを保管しているレチクルストッカ66との間のレチクルの受け渡しは扉71を介して行う。
【0032】
また、ケーシング67は、投影光学系PLとウエハWとの間の空間を外部雰囲気から遮断しており、その内部に、ウエハホルダ80を介してウエハWを保持するウエハステージWS、ウエハWの表面のZ方向の位置(フォーカス位置)や傾斜角を検出するための斜入射形式のオートフォーカスセンサ81、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ82、ウエハステージWSを載置している定盤83等を収納している。このケーシング67には、ウエハWを搬入・搬出するための扉72が設けられており、この扉72の外側にはケーシング67内部の雰囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室68が設けられている。このガス置換室68には扉73が設けられており、装置内部へのウエハWの搬入、装置外部へのウエハWの搬出はこの扉73を介して行う。
【0033】
各光路空間に充填される特定ガスとしては、窒素やヘリウムを用いることが好ましい。窒素は波長が150nm程度以下の光に対して吸光特性が強く、ヘリウムは波長100nm程度以下の光に対して吸光特性が強い。ヘリウムは熱伝導率が窒素の約6倍であり、気圧変化に対する屈折率の変動量が窒素の約1/8であるため、特に高透過率と光学系の結像特性の安定性や冷却性とで優れている。なお、投影光学系PLの鏡筒について特定ガスとしてヘリウムを用い、他の光路(例えばレーザ光源20〜レチクルRまでの照明光路など)については特定ガスとして窒素を用いてもよい。
【0034】
図4は、図2及び図3に示した凹面反射鏡CMに対して、温度制御用の放熱体(ヒートシンク100)を取り付けた様子を模式的に示す図である。
図4において、ヒートシンク100は、主に熱伝導性の部材により構成されており、冷媒通路101、冷媒供給口102、及び冷媒排出口103等を備えている。冷媒供給口102及び冷媒排出口103はそれぞれ、不図示の冷媒供給装置に接続されており、この冷媒供給装置から低温に温度制御された冷媒がヒートシンク100内に循環供給される。冷媒通路101内を冷媒が流れることにより、ヒートシンク100と冷媒との間で熱交換がなされ、ヒートシンク100の熱が冷媒に伝達される。
【0035】
本実施形態では、ヒートシンク100は、凹面反射鏡CMの裏面側に配置されかつ、凹面反射鏡CMには直接接していない。すなわち、凹面反射鏡CMの裏面側において、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク100が離間して配置され、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との間に伝熱体としての複数の熱伝導スプリング105が配置されている。各熱伝導スプリング105は、一端が凹面反射鏡CMの裏面に接続され、他端がヒートシンク100の一面(伝熱面)に接続されている。各熱伝導スプリング105は、凹面反射鏡CMとヒートシンク100とを熱的に接続し、凹面反射鏡CMの熱をヒートシンク100に伝達する伝熱体としての機能を持つ。
なお、凹面反射鏡CMの材質としては、SiC、ゼロデュア(商品名)、ULE(商品名)などが用いられる。
【0036】
凹面反射鏡CMと熱伝導スプリング105との接続、及びヒートシンク100と熱伝導スプリング105との接続は、例えば、以下のように行われる。
例えば、凹面反射鏡がセラミックの場合、焼き固める前の成型工程において、熱伝導スプリングの一端を反射鏡に埋め込んでおき、その後固める。また、スプリングの他の一端は、フランジなどの取付治具と予め接続しておき、後で、取付治具を介してヒートシンクに機械的に固定する。
他の接続方法としては、スプリングの両端はどちらも、フランジなどの取付治具と予め接続しておく。そして、接着剤やネジ等を用いて、スプリングの一端を反射鏡に機械的に固定し、その後、他端をヒートシンクに機械的に固定する。この場合、反射鏡にスプリングを固定した後に、所望の面精度を得るための反射鏡の研磨を行うのが好ましい。
このような接続方法では、スプリングの取り付けに伴うミラーの変形はほとんど起こらない。スプリングの固定長を、部品公差などで管理することにより、確実にミラーの変形を抑制できる。また、上述したフランジなどの取付治具は、スプリングと同じ材質、あるいは、スプリングと略同じ熱伝導性を有する材質で形成するのが望ましい。
【0037】
熱伝導スプリング105は、柔軟性及び熱伝導性に優れるのが好ましい。また、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との相対的な変位を吸収できるように、その材質や形状等が定められている。熱伝導スプリング105の材質としては、例えば、銅など、熱伝導率の高い各種金属が用いられる他に、優れた熱伝導性を有するものであれば金属に限らず他の材質も適用可能である。また、熱伝導スプリング105の形状としては、例えば、棒状の素材を螺旋状にしたものが用いられるが、優れた柔軟性を有するものであれば他の形状でもよい。また、素材自体が優れた柔軟性を備える場合、熱伝導スプリング105の形状は任意の形状でよい。
【0038】
また、本実施形態では、凹面反射鏡CMの裏面側において、複数の熱伝導スプリング105が等間隔に配置されるのではなく、領域ごとにその分布密度が異なる。熱伝導スプリング105の分布密度は、凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、複数の熱伝導スプリング105からなる伝熱体の熱抵抗の分布が、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、熱伝導スプリング105の分布密度が定められている。
【0039】
ここで、図5(a)及び(b)は、凹面反射鏡CMに対する露光ビームの照射領域(照射フィールド)、及びその照射領域における照射エネルギー密度分布をそれぞれ模式的に示している。露光ビームは、マスクのパターン領域に応じてその領域形状が規定されており、図5(a)に示すように、本例では矩形領域からなる。また、その照射エネルギー密度分布は、図5(b)に示すように、一様ではなく、中央部で高く、周辺に向かって低くなる。なお、照射領域が矩形状の場合、照射熱による光学部材の熱変形は、非回転対称なものとなり、光学的な補正が困難な高次な収差を生みやすい。
【0040】
図4に戻り、複数の熱伝導スプリング105は、図5に示した露光ビームの照射エネルギー密度分布と略反比例関係の熱抵抗分布となるように、照射領域に対応する領域内において、中央部で密、周辺部で疎となる分布に配置されている。すなわち、中央部で熱伝導スプリング105の分布密度が高く、周辺部で分布密度が低い。
【0041】
凹面反射鏡CMに対して照射された露光ビームILの照射熱は、伝熱体としての複数の熱伝導スプリング105を介してヒートシンク100に伝達される。ヒートシンク100に伝達された熱は冷媒に伝達される。凹面反射鏡CMの熱が熱伝導スプリング105、及びヒートシンク100を介して奪われることにより、露光ビームILの照射に伴う凹面反射鏡CMの温度上昇が抑制される。
【0042】
このとき、熱伝導スプリング105の分布密度が高い領域では、複数の熱伝導スプリングによる熱抵抗が小さく、凹面反射鏡CMから熱が逃げやすい。一方、熱伝導スプリング105の分布密度が低い領域では、熱抵抗が大きく、凹面反射鏡CMから熱が逃げにくい。つまり、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど、熱抵抗が小さいので、凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。このような熱伝導スプリング105を介した熱の移動により、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、凹面反射鏡CMが温度上昇し、それによって熱変形する場合にも、その熱変形が面全体で一様であると、それに伴う収差は低次なものとなり、光学的な補正が比較的容易である。
【0043】
図6は、凹面反射鏡CMの支持構造を模式的に示している。本実施形態では、凹面反射鏡CMとヒートシンク100とは、互いに異なる部材に支持されている。具体的には、凹面反射鏡CMは光学系の筐体106に支持され、ヒートシンク100はその筐体とは別の筐体107に支持されている。また、筐体106と筐体107との間には、振動の伝達を防ぐ防振装置108が配置されている。防振装置108は、振動を吸収する弾性体などを有して構成されている。なお、凹面反射鏡CMから筐体106への熱の移動を抑制するために、凹面反射鏡CMは、熱抵抗の大きい部材、例えば熱伝導性の低い樹脂などからなるセル109を介して支持されるのが好ましい。
【0044】
上述したように、本実施形態では、凹面反射鏡CMとヒートシンク100とは、直接接しておらず、両者は柔軟性を有する複数の熱伝導スプリング105を介して連結されている。仮に、凹面反射鏡CMにヒートシンク100を直接取り付けると、凹面反射鏡CMの裏面とヒートシンク100の一面(伝熱面)とを面全体にわたって密着させる必要があるため、両者の平面度の違いなどにより、凹面反射鏡CMが変形する可能性が高い。また、凹面反射鏡CMにヒートシンク100を直接取り付けると、冷媒供給用のポンプ等の振動がヒートシンク100から凹面反射鏡CMに伝わるおそれがある。これに対して、本実施形態では、上記支持構造により、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との間で力の伝達がほとんど起こらない。すなわち、複数の熱伝導スプリング105が、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との間の任意の相対的な位置関係に対して抵抗することなく追従し、両者の間の相対的な変位を吸収する。そのため、ヒートシンク100の取り付けに伴う凹面反射鏡CMの変形や振動の伝達が防止される。また、それらを支持する筐体106,107同士の間には、防振装置108が配置されていることから、ヒートシンク100から凹面反射鏡CMへの振動の伝達がさらに確実に防止される。
【0045】
このように、本実施形態では、凹面反射鏡CMに対して、複数の熱伝導スプリングを介してヒートシンク100を取り付けることにより、凹面反射鏡CMと熱伝導スプリング105との間で熱の伝達を図りつつ、力の伝達を防止することが可能となる。これにより、凹面反射鏡CMの温度が良好に制御されるとともに、ヒートシンク100の取り付けに伴う凹面反射鏡CMの光学特性の低下が防止される。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態について図7を参照して説明する。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク120が離間して配置され、その間に複数の熱伝導スプリング105が配置されている。また、上述した第1実施形態と異なり、複数の熱伝導スプリング105が等間隔に配置されその分布密度は一様である。さらに、本実施形態では、ヒートシンク100の放熱性に分布が設けられている。
【0047】
図7において、ヒートシンク120は、冷媒との間で熱交換を行うための複数のフィン121を有しており、その分布密度が凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、複数のフィン121からなる熱交換部材の熱抵抗の分布が、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、複数のフィン121の分布密度が定められている。すなわち、複数のフィン121は、中央部で密、周辺部で疎となる分布に配置されている。すなわち、中央部で複数のフィン121の分布密度が高く、周辺部で分布密度が低い。
【0048】
上記構成により、本実施形態では、複数のフィン121の分布密度が高い領域では、ヒートシンク120の表面(伝熱面)から冷媒に至るまでの熱抵抗が小さく、放熱性が高い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が冷媒に奪われやすい。一方、複数のフィン121の分布密度が低い領域では、ヒートシンク120の表面から冷媒に至るまでの熱抵抗が大きく、放熱性が低い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が奪われにくい。つまり、前述した第1実施形態と同様に、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。これにより、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、本実施形態では、ヒートシンク120の所望の形状に形成することによって、熱抵抗に分布を設けているので、第1実施形態に比べて、熱伝導スプリングの設置が容易となる利点を有する。
【0049】
次に、本発明の第3実施形態について図8を参照して説明する。
本実施形態では、上述した第2実施形態と同様に、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク120が離間して配置され、その間に複数の熱伝導スプリング105が一様な分布密度で配置されている。また、上述した第2実施形態と異なり、本実施形態では、壁の厚さによってヒートシンク130の放熱性に分布が設けられている。
【0050】
図8において、ヒートシンク130は、複数の熱伝導スプリング105に接続される側の壁131の断面形状が、凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、壁131の熱抵抗の分布が、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、その断面形状が定められている。すなわち、壁131は、中央部で薄く、周辺部で厚くなる断面形状に形成されている。
【0051】
上記構成により、本実施形態では、壁131が薄い領域では、ヒートシンク130の表面(伝熱面)から冷媒に至るまでの熱抵抗が小さく、放熱性が高い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が冷媒に奪われやすい。一方、壁131が厚い領域では、ヒートシンク130の表面から冷媒に至るまでの熱抵抗が大きく、放熱性が低い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が奪われにくい。つまり、前述した第2実施形態と同様に、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。これにより、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、本実施形態では、壁131の厚さを変えることによって、熱抵抗に分布を設けているので、第2実施形態に比べて、ヒートシンクの形状が簡素になるという利点を有する。
【0052】
次に、本発明の第4実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
本実施形態では、上述した第2及び第3実施形態と同様に、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク120が離間して配置され、その間に複数の熱伝導スプリング105が一様な分布密度で配置されている。また、上述した第2及び第3実施形態と異なり、本実施形態では、冷媒通路141の形状によってヒートシンク140の放熱性に分布が設けられている。
【0053】
図9及び図10において、ヒートシンク140は、表面(伝熱面)と平行な面内において渦巻状に形成された冷媒通路141を有する。この冷媒通路141は、その流路断面形状が、凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、冷媒通路141は、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、流路の断面積(実際には、管路の内径)が定められている。すなわち、冷媒通路141は、中央部で流路断面積が小さく、周辺部で流路断面積が大きくなる断面形状に形成されている。さらに、冷媒通路141は、図10に示すように、中央部ほど密になり、周辺部ほど疎となっている。また、冷媒通路141に対して、中央部付近に冷媒供給口142が設けられ、周辺部付近に冷媒排出口143が設けられている。
【0054】
上記構成により、本実施形態では、冷媒通路141において、流路断面積が小さい中央部の領域では、流速が大きくなり、ヒートシンク141と冷媒との熱伝達率が向上し、放熱性が高くなる。また、この領域では、冷媒通路141が密に配置されており、この点からも放熱性が高くなる。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が冷媒に奪われやすい。一方、流路断面積が大きい周辺部の領域では、上記領域に比べると、ヒートシンク141と冷媒との熱伝達率が低く、放熱性が低い。また、この領域では、冷媒通路141が疎に配置されており、この点からも放熱性が低い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が奪われにくい。つまり、前述した第2及び第3実施形態と同様に、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。これにより、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、本実施形態では、渦巻状に冷媒通路141が設けられ、ヒートシンク140の中央部付近に冷媒供給口142が設けられているので、多くの熱を奪うべき中央部付近に低温の冷媒が流れることになり、ヒートシンク140と冷媒との間で効果的に熱交換が行われる。
【0055】
ここで、上述した各実施形態では、F2レーザ光源を用いた露光装置について説明したが、露光ビームの波長がさらに短波長の紫外線やX線になると、使用できる光学ガラスが存在しない可能性が高い。この場合、投影光学系を、反射系のみで構成する、いわゆる反射屈折縮小光学系を採用することが考えられる。なお、投影光学系に反射屈折縮小光学系を採用した技術は、例えば、特開平2002−006221号方向に記載されている。
【0056】
図11は、投影光学系に反射屈折縮小光学系を採用した露光装置Eの概略構成を示す図である。この露光装置Eでは、露光ビームELとして波長5〜15nm程度の軟X線領域の光(EUV光)が用いられている。以下、この露光装置Eについて説明する。
【0057】
図11において、露光装置Eは、光源230からの光束をレチクルステージRSに支持されるレチクルRに照明する照明光学系203と、露光ビームELで照明されたレチクルRのパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを支持するウエハステージWSとを備えている。本実施形態における露光ビームであるEUV光は、大気に対する透過率が低いため、EUV光が通過する光路は真空チャンバVCにより覆われて外気より遮断されている。
【0058】
照明光学系203において、光源230は、赤外域〜可視域の波長のレーザ光を供給する機能を有し、例えば半導体レーザ励起によるYAGレーザやエキシマレーザ等が用いられる。このレーザ光は第1集光光学系231により集光されて位置232に集光する。ノズル233は気体状の物体を位置232に向けて噴出し、この噴出された物体は位置232において高照度のレーザ光を受ける。このとき、噴出された物体がレーザ光のエネルギで高温になり、プラズマ状態に励起され、低ポテンシャル状態へ遷移する際にEUV光を放出する。
【0059】
上記位置232の周囲には、第2集光光学系を構成する楕円鏡234が配置されており、この楕円鏡234は、その第1焦点が位置232とほぼ一致するように位置決めされている。楕円鏡234の内表面には、EUV光を反射するための多層膜が設けられており、ここで反射されたEUV光は、楕円鏡234の第2焦点で一度集光した後、第3集光光学系を構成するコリメート鏡としての放物面鏡235へ向かう。放物面鏡235は、その焦点が楕円鏡234の第2焦点位置とほぼ一致するように位置決めされており、その内表面には、EUV光を反射するための多層膜が設けられている。
【0060】
放物面鏡235から射出されるEUV光は、ほぼコリメートされた状態でオプティカルインテグレータとしての反射型フライアイ光学系236へ向かう。反射型フライアイ光学系236は、複数の反射面を集積した第1の反射素子群236aと、第1の反射素子群236aの複数の反射面と対応した複数の反射面を有する第2の反射素子群236bとで構成されている。これら第1及び第2の反射素子群236a、236bを構成する複数の反射面上にもEUV光を反射させるための多層膜が設けられている。
【0061】
放物面鏡235からのコリメートされたEUV光は、第1の反射素子群236aにより波面分割され、各々の反射面からのEUV光が集光されて複数の光源像が形成される。これら複数の光源像が形成される位置の近傍のそれぞれには、第2の反射素子群236bの複数の反射面が位置決めされており、これら第2の反射素子群236bの複数の反射面は、実質的にフィールドミラーの機能を果たす。このように、反射型フライアイ光学系236は、放物面鏡235からの略平行光束に基づいて、2次光源としての多数の光源像を形成する。なお、このような反射型フライアイ光学系236については、本願出願人による特願平10−47400号に提案されている。
【0062】
この露光装置Eでは、2次光源の形状を制御するために、第2の反射素子群236b近傍には、第1開口絞りとしてのσ絞りAS1が設けられている。このσ絞りAS1は、例えば互いに形状が異なる複数の開口部をターレット状に設けたものからなる。そして、σ絞り制御ユニットASC1により、どの開口部を光路内に配置するのかの制御が行われる。
【0063】
反射型フライアイ光学系236により形成された2次光源からのEUV光は、この2次光源位置の近傍が焦点位置となるように位置決めされたコンデンサミラー237へ向かい、このコンデンサミラー237にて反射集光された後に、光路折り曲げミラー238を介して、レチクルRに達する。これらコンデンサミラー237及び光路折り曲げミラー238の表面には、EUV光を反射させる多層膜が設けられている。そして、コンデンサミラー237は、2次光源から発するEUV光を集光して、レチクルRを均一照明する。
【0064】
なお、この露光装置Eでは、レチクルRへ向かう照明光と、このレチクルRにて反射されて投影光学系PLへ向かうEUV光との光路分離を空間的に行うために、照明光学系203は非テレセントリック系であり、かつ投影光学系PLもレチクル側非テレセントリックな光学系としている。
【0065】
レチクルR上には、EUV光を反射する多層膜からなる反射膜が設けられており、この反射膜は、ウエハW上へ転写すべきパターンの形状に応じたパターンとなっている。このレチクルRにて反射されて、レチクルRのパターン情報を含むEUV光は、投影光学系PLに入射する。
【0066】
投影光学系PLは、反射鏡M1〜M6の6枚構成となっており、第1反射鏡M1とレチクルRとの間の光路中(反射鏡M1と反射鏡M2との頂点の間)には、第2の開口絞りとしての可変開口絞りASが配置されている。この可変開口絞りASは、その開口部の口径が可変となるように構成されており、その口径は可変開口絞り制御ユニットASC2により制御される。
【0067】
また、第2反射鏡M2と第3反射鏡M3との間の光路中の中間像形成位置には視野絞りFSが配置されている。なお、投影光学系PLを構成する反射鏡M1〜M6は、基材上にEUV光を反射する多層膜を設けたものからなる。
【0068】
レチクルRにて反射されたEUV光は、投影光学系PLを通過して、ウエハW上の円弧形状の露光領域内に、所定の縮小倍率β(例えば|β|=1/4,1/5、1/6)のもとでレチクルRのパターンの縮小像を形成する。なお、本実施形態においては、露光領域の形状は、投影光学系PL内に設けられた視野絞りFSにより規定される。
【0069】
レチクルRは少なくともY方向に沿って移動可能なレチクルステージRSにより支持されており、ウエハWはXYZ方向に沿って移動可能なウエハステージWSにより支持されている。これらのレチクルステージRS及びウエハステージWSの移動は、それぞれレチクルステージ制御ユニットRSC及び基板ステージ制御ユニットにより制御される。露光動作の際には、照明光学系203によりレチクルRに対してEUV光を照射しつつ、投影光学系PLに対してレチクルR及びウエハWを、投影光学系PLの縮小倍率により定まる所定の速度比で移動させる。これにより、ウエハW上の所定のショット領域内に、レチクルRのパターンが走査露光される。
【0070】
なお、この露光装置Eにおいて、σ絞りAS1、可変開口絞りAS、視野絞りFSは、EUV光を十分に遮光するために、Au、Ta、Wなどの金属から構成されることが好ましい。また、以上述べた各反射鏡の表面の反射面は、EUV光を反射するために反射膜としての多層膜が形成されている。この多層膜は、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、珪素、珪素酸化物のうちの複数の物質を積層させて形成されている。
【0071】
上記構成の露光装置Eでは、投影光学系PLを構成する6つの反射鏡M1〜M6が配置される空間は真空に制御される。そのため、対流熱伝達による冷却効果がほとんどないため、反射鏡M1〜M6の熱変形を抑制するために、その温度制御が重要となる。これらの反射鏡M1〜M6に対しても、先の実施形態で示したものと同様に、熱伝導スプリングを介してヒートシンクを取り付けることにより、反射鏡M1〜M6の温度を良好に制御し、光学特性の低下を防止することができる。
【0072】
図12は、本発明の一実施形態による露光装置を用いたマイクロデバイス(半導体デバイス)の生産のフローチャートである。図12に示すように、まず、ステップS300(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS301(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンに基づいて、マスクを製作する。一方、ステップS302(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0073】
次に、ステップS303(ウエハプロセスステップ)において、ステップS300〜ステップS302で用意したマスクとウエハを使用して、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS304(組立ステップ)において、ステップS303において処理されたウエハを用いてチップ化する。このステップS304には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、ステップS305(検査ステップ)において、ステップS304で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0074】
なお、上述した実施形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0075】
例えば、上述した実施形態では、伝熱体としての熱伝導スプリング、及び放熱体としてのヒートシンクのいずれか一方の熱抵抗に分布を持たせているが、双方の熱抵抗に分布を持たせてもよい。露光ビームが照射される照射面から冷媒までのトータルな熱抵抗の分布が照射エネルギー密度分布と略反比例の関係にあるのが好ましい。
【0076】
また、熱伝導スプリングの熱抵抗に分布を持たせる方法は、上述したものに限定されない。例えば、領域ごとに熱伝導スプリングの材質を変化させたり、線径や長さなど、熱伝導スプリングの形状を領域ごとに変化させてもよい。
【0077】
また、先にも述べたように、露光ビームが照射される光学部材と放熱体(ヒートシンク)との間に配置される伝熱体は、スプリング形状のものに限定されない。柔軟性と熱伝導性を有し、光学部材と放熱体との相対的な変位を吸収するもの、つまり熱的に接続しているけれども力は伝えないものであればよい。
また、伝熱体として、スポンジ状、軟質な部材を用いてもよい。
さらに、伝熱体として、固体物に限らず、ガスを用いてもよい。
【0078】
また、投影光学系としては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英、蛍石、フッ素をドープした石英、フッ化バリウム、フッ化リチウムなどの遠紫外線を透過する材料を用いる。
【0079】
また、各ケーシングや鏡筒、特定ガスの供給配管等は、研磨などの処理によって、表面粗さが低減されたステンレス(SUS)等の材質を用いることにより、脱ガスの発生を抑制できる。
【0080】
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明ビームに対してマスク(レチクル)と基板(ウエハ)とをそれぞれ相対移動する走査露光方式(例えば、ステップ・アンド・スキャン方式など)に限られるものではなく、マスクと基板とをほぼ静止させた状態でマスクのパターンを基板上に転写する静止露光方式、例えばステップ・アンド・リピート方式などでもよい。さらに、基板上で周辺部が重なる複数のショット領域にそれぞれパターンを転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置などに対しても本発明を適用することができる。また、投影光学系は縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでもよいし、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよい。さらに、投影光学系を用いない、例えばプロキシミティ方式の露光装置などに対しても本発明を適用できる。
【0081】
また、光源としては、F2レーザに限らず、発振波長248nmのKrFエキシマレーザや、発振波長193nmのArFエキシマレーザ、波長約120nm〜約180nmの真空紫外域に属する光を発するレーザ、例えば発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザ(Kr2レーザ)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザ(Ar2レーザ)などを用いてもよい。また、紫外光を発するレーザ光源だけでなく、光源として、YAGレーザ又は半導体レーザなどの高調波発生装置、SOR、レーザプラズマ光源などでもよい。
【0082】
また、本発明が適用される露光装置は、半導体デバイス製造用に限られるものではなく、液晶表示素子、ディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどのマイクロデバイス(電子デバイス)製造用、露光装置で用いられるフォトマスクやレチクルの製造用などでもよい。
【0083】
また、本発明は露光装置だけでなく、光源装置を備え、デバイス製造工程で使用される他の製造装置(検査装置などを含む)に対しても適用することができる。
【0084】
また、上述したウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動系として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(定盤、ベース)に設ければよい。
【0085】
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0086】
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0087】
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学装置によれば、光学部材の温度上昇を良好に抑制することができるので、安定した光学性能を得ることができる。
また、本発明の露光装置によれば、安定した光学性能を有する光学装置によって、マスクのパターン像を精度よく基板上に転写できる。
また、本発明のデバイス製造方法によれば、露光精度の向上により、形成されるパターンの精度が向上したデバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学装置を投影光学系として備える一実施形態に係る半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置の全体構成を示す図である。
【図2】投影光学系の構成の一例を示す図である。
【図3】投影光学系の構成の一例を示す図である。
【図4】凹面反射鏡に対して、温度制御用の放熱体(ヒートシンク)を取り付けた様子を模式的に示す図である。
【図5】(a)は凹面反射鏡に対する露光ビームの照射領域(照射フィールド)を模式的に示す平面図、(b)はその照射領域における照射エネルギー密度分布を模式的に示す図である。
【図6】凹面反射鏡の支持構造を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施形態を説明するための図である。
【図9】本発明の第4実施形態を説明するための図である。
【図10】図9におけるA−A断面図である。
【図11】投影光学系に反射屈折縮小光学系を採用した露光装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態による露光装置を用いた半導体デバイスの生産のフローチャート図である。
【符号の説明】
10,E…露光装置
R…レチクル(マスク)
W…ウエハ(基板)
CM…凹面反射鏡(光学部材)
21,203…照明光学系(照明系)
PL…投影光学系
100…ヒートシンク(放熱体)
105…熱伝導スプリング(伝熱体)
108…防振装置
121…フィン(熱交換部材)
131…壁(熱交換部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路、CCD等の撮像素子、液晶ディスプレイ、または薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィ技術を用いて製造する方法、その製造時に用いられる露光装置、並びにその露光装置に好適な光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや液晶表示デバイスをリソグラフィ技術を用いて製造する際に、パターンが形成されたマスクに露光用照明光(露光ビーム)を照明し、マスクのパターンの像を投影光学系を介して、フォトレジスト等の感光材が塗布された半導体ウエハやガラスプレート等の基板上に投影露光する露光装置が用いられている。近年、露光装置では、パターンの微細化に伴い、露光ビームの短波長化が進行している。
【0003】
短波長の露光ビームとしては、例えば、KrFエキシマレーザ光(波長:248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長:193nm)、F2レーザ光(波長:157nm)などがある。また、さらに短波長の露光ビームとして、波長5〜15nmの軟X線領域の光(以下、この光をEUV(Extreme Ultra Violet)光と称する)の使用が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
短波長の露光ビームを用いた露光装置では、露光ビームの光路上に配置される光学部材が露光ビームの照射によって発熱しやすく、それに伴う光学部材の熱変形の制御が課題の一つとなっている。特に、短波長の紫外線やEUV光を用いた露光装置では、光路上の空間を真空にすることが多く、その場合、対流熱伝達による冷却効果がほとんどない。そのため、光学部材の熱変形が大きく生じやすい。
【0005】
こうした光学部材の温度上昇を抑制する方法として、ヒートシンクなどの放熱体を光学部材に取り付ける方法が検討されている。しかしながら、放熱体の取り付けに伴って、光学部材が変形したり、放熱体の振動が光学部材に伝達したりして、光学特性が低下するおそれがある。
【0006】
また、一般に、光学部材に対する露光ビームの照射エネルギー密度分布は照射領域内において一様ではない。そのため、その照射熱によって生じる光学部材の熱変形は複雑な形になりやすい。光学部材の複雑な変形は、補正が困難な高次の収差を生む。そのため、光学部材を温度制御するにあたっては、その光学部材の温度分布の均一化が図られるのが好ましい。
【0007】
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、光学部材の温度上昇が良好に抑制され、安定した光学性能を有する光学装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、マスクのパターン像を精度よく基板上に転写できる露光装置、並びに、形成されるパターンの精度を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の光学装置は、エネルギービームの光路上に配置される光学部材を備える光学装置であって、前記光学部材(CM)に対して離間して配置される放熱体(100)と、前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)との間に配置され、前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)との相対的な変位を吸収しかつ前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)との間で熱を伝達する伝熱体(105)とを備えることを特徴とする。
この光学装置では、光学部材と放熱体との間で伝熱体を介して熱を伝達することにより、エネルギービームの照射に伴う光学部材の熱は、伝熱体を介して放熱体に伝達される。伝熱体は光学部材と放熱体との相対的な変位を吸収することから、光学部材と放熱体との間で力の伝達はほとんど起こらない。そのため、この光学装置では、放熱体を取り付けることによる光学部材の変形や振動が防止される。
【0009】
この場合において、前記伝熱体(105)として、例えば、柔軟性を有する熱伝導性部材を用いるとよい。この場合、伝熱体が柔軟性と熱伝導性とを有することにより、光学部材と放熱体との相対的な変位が伝熱体によって吸収され、かつ光学部材と放熱体とが伝熱体を介して熱的に接続される。
【0010】
また、前記光学部材(CM)と前記放熱体(100)とは、互いに異なる部材に支持されているのが好ましい。これにより、支持体を介した力の伝達が防止され、放熱体の取り付けに伴う光学部材の変形や振動が確実に防止される。
この場合、前記光学部材を支持する部材と前記放熱体を支持する部材との間に、振動の伝達を防ぐ防振装置(108)が配置されていることにより、光学部材の振動がさらに確実に防止される。
【0011】
また、前記伝熱体(105)は、前記光学部材(CM)に対する前記エネルギービームの照射エネルギー密度分布に基づく、熱抵抗分布を有してもよい。この場合、伝熱体の熱抵抗分布によって、照射エネルギー密度分布による光学部材の複雑な熱変形を防止することが可能となる。
【0012】
この場合において、前記伝熱体(105)の熱抵抗分布は、前記照射エネルギー密度分布と略反比例関係にあるとよい。この場合、照射エネルギー密度の一様でない不均一な状態が伝熱体の熱抵抗分布によって打ち消される。すなわち、伝熱体の熱抵抗分布と照射エネルギー密度分布とが略反比例関係にあることから、照射エネルギー密度が高いところは、伝熱体の熱抵抗が小さく、伝熱体を介して多くの熱が光学部材から逃げる。逆に、照射エネルギー密度が低いところは、伝熱体の熱抵抗が大きく、光学部材から熱が逃げにくい。これにより光学部材内の温度分布の均一化が図られ、光学部材の複雑な熱変形が防止される。
【0013】
また、前記伝熱体(105)は、複数からなり、その分布密度が前記エネルギー密度分布に基づいて定められていてもよい。この場合、伝熱体の分布密度が高いところは熱抵抗が小さくなって光学部材から熱が逃げやすく、分布密度が低いところは熱抵抗が大きくなって光学部材から熱が逃げにくい。
【0014】
また、前記放熱体(100)は、前記光学部材(CM)に対する前記エネルギービームの照射エネルギー密度分布に基づく、放熱性の分布を有してもよい。この場合、放熱体の放熱性の分布によって、照射エネルギー密度分布による光学部材の複雑な熱変形を防止することが可能となる。
【0015】
この場合において、前記放熱性の分布は、前記照射エネルギー密度分布と略比例関係にあるとよい。この場合、照射エネルギー密度の不均一な状態が放熱体の放熱性の分布によって打ち消される。すなわち、放熱体の放熱性の分布と照射エネルギー密度分布とが略比例関係にあることから、照射エネルギー密度が高いところは、放熱性が高く、多くの熱が光学部材から逃げる。逆に、照射エネルギー密度が低いところは、放熱性が低く、光学部材から熱が逃げにくい。これにより光学部材内の温度分布の均一化が図られ、光学部材の複雑な熱変形が防止される。
【0016】
また、前記放熱体(100)は、冷媒との間で熱交換を行う熱交換部材(121)を含み、前記熱交換部材(121)は、前記照射エネルギー密度分布に基づく、熱抵抗分布を有してもよい。この場合、放熱体では、熱交換部材の熱抵抗が大きいところで放熱性が高く、熱抵抗が小さいところで放熱性が低くなる。
【0017】
本発明の露光装置は、パターンが形成されたマスク(R)をエネルギビームにより照明する照明系(21)と、前記マスク(R)のパターンを基板(W)上に転写する投影光学系(PL)との少なくとも一方が、上記記載の光学装置を備えることを特徴とする。
また、本発明のデバイス製造方法は、上記記載の露光装置を用いて、マスク(R)上に形成されたデバイスパターンを基板(W)上に転写する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る光学装置を投影光学系として備える一実施形態に係る半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置10の全体構成を示している。また、図1ではXYZ直交座標系を採用している。XYZ直交座標系は、基板(感光性基板)としてのウエハWを保持するウエハステージWSに対して平行となるようにX軸及びY軸が設定され、Z軸がウエハステージWSに対して直交する方向に設定される。実際には、図中のXYZ直交座標系は、XY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直方向に設定される。
【0019】
本実施形態に係る露光装置は、露光光源としてF2レーザ光源を使用している。また、マスク(投影原版)としてのレチクルR上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の方向へレチクルR及びウエハWを同期して走査することにより、ウエハW上の1つのショット領域に、レチクルRのパターン像を逐次的に転写するステップ・アンド・スキャン方式を採用している。
【0020】
図1において、露光装置10は、レーザ光源20、このレーザ光源20からの露光ビームILによりレチクルRを照明する照明光学系21、レチクルRから射出される露光ビームILをウエハW上に投射する投影光学系PL、及び装置全体を統括的に制御する不図示の主制御装置等を備えている。
【0021】
レーザ光源20は、例えば発振波長157nmのパルス紫外光を出力するF2レーザを有する。また、レーザ光源20には、図示しない光源制御装置が併設されており、この光源制御装置は、主制御装置からの指示に応じて、射出されるパルス紫外光の発振中心波長及びスペクトル半値幅の制御、パルス発振のトリガ制御、レーザチャンバ内のガスの制御等を行う。
【0022】
レーザ光源20からのパルスレーザ光(照明光)は、偏向ミラー30にて偏向されて、光アッテネータとして可変減光器31に入射する。可変減光器31は、ウエハ上のフォトレジストに対する露光量を制御するために、減光率が段階的又は連続的に調整可能である。可変減光器31から射出される照明光は、光路偏向ミラー32にて偏向された後に、第1フライアイレンズ33、ズームレンズ34、振動ミラー35を順に介して第2フライアイレンズ36に達する。第2フライアイレンズ36の射出側には、有効光源のサイズ・形状を所望に設定するための照明光学系開口絞り用の切り替えレボルバ37が配置されている。本実施形態では、照明光学系開口絞りでの光量損失を低減させるために、ズームレンズ34による第2フライアイレンズ36への光束の大きさを可変としている。
【0023】
照明光学系開口絞りの開口から射出した光束は、コンデンサレンズ群40を介して照明視野絞り(レチクルブラインド)41を照明する。なお、照明視野絞り41については、特開平4−196513号公報及びこれに対応する米国特許第5,473,410号公報に開示されている。
【0024】
照明視野絞り41からの光は、偏向ミラー42,45、レンズ群43,44,46等からなる照明視野絞り結像光学系(レチクルブラインド結像系)を介してレチクルR上に導かれ、レチクルR上には、照明視野絞り41の開口部の像である照明領域が形成される。レチクルR上の照明領域からの光は、投影光学系PLを介してウエハW上へ導かれ、ウエハW上には、レチクルRの照明領域内のパターンの縮小像が形成される。レチクルRを保持するレチクルステージRSはXY平面内で二次元的に移動可能であり、その位置座標は干渉計50によって計測されかつ位置制御される。また、ウエハWを保持するウエハステージWSもXY平面内で二次元的に移動可能であり、その位置座標は干渉計51によって計測されかつ位置制御される。これらにより、レチクルR及びウエハWを高精度に同期走査することが可能になる。なお、上述したレーザ光源20〜照明視野絞り結像光学系等により照明光学系21が構成される。
【0025】
図2及び図3は、投影光学系PLの構成の一例をそれぞれ示している。本実施形態では、反射屈折型の投影光学系が採用される。反射屈折型の投影光学系の構成例について図2及び図3を参照して説明する。
図2の構成例において、投影光学系PLは、投影原版としてのレチクルR上のパターンの中間像を形成する屈折型の第1結像光学系K1と、第1結像光学系K1による中間像の像(2次像)を再結像する反射屈折型の第2結像光学系K2と、第2結像光学系K2による2次像をワークとしてのウエハW上に再結像させる屈折型の第3結像光学系K3とを有している。ここで、第1結像光学系K1と第2結像光学系K2との間の光路中には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M1が配置されており、第2結像光学系K2と第3結像光学系K3との間の光路中には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M2が配置されている。これらの反射面M1,M2は、光路折り曲げ部材FM上に設けられている。
【0026】
また、第1結像光学系K1は、光軸Ax1に沿って配置された複数のレンズ成分を有しており、約1/1.5倍〜1/3程度の縮小倍率のもとで中間像を形成する。第2結像光学系K2は、光軸Ax2に沿って配置された単数または複数のレンズ成分と凹面反射鏡CMとを有しており、ほぼ等倍のもとで、第1結像光学系K1による中間像の像(2次像)を形成する。そして、第3結像光学系K3は、光軸Ax3に沿って配置された複数のレンズ成分を有しており、約1/1.5倍〜1/3程度の縮小倍率のもとで、第1及び第2結像光学系K1,K2による2次像の像(3次像)をウエハW上に形成する。なお、本例では、光軸Ax1と光軸Ax3とは互いに一致しているが、光軸Ax1と光軸Ax3とは互いに平行且つ不一致であっても良く、また、光軸Ax2は、光軸Ax1または光軸Ax3に対して直交して無くとも良い。
【0027】
また、図3の構成例において、投影光学系PLは、投影原版としてのレチクルR上のパターンの中間像を形成する反射屈折型の第1結像光学系K1と、第1結像光学系K1による中間像の像をワークとしてのウエハW上に再結像させる屈折型の第2結像光学系K2とを有している。ここで、レチクルRと第1結像光学系K1との間の光路中には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M1が配置されており、第1結像光学系K1と第2結像光学系K2との間の光路中、すなわち中間像の近傍には、光路を90°偏向させるための光路折り曲げ用の反射面M2が配置されている。これらの反射面M1,M2は、光路折り曲げ部材FM上に設けられている。
【0028】
第1結像光学系K1は、光軸Ax2に沿って配置された複数のレンズ成分と凹面反射鏡CMとを有しており、ほぼ等倍またはやや縮小倍率のもとで中間像を形成する。第2結像光学系K2は、光軸Ax2と直交する光軸Ax3上に沿って配置された複数のレンズ成分及びコヒーレンスファクタを制御するための可変開口絞りASを有しており、中間像からの光に基づいて縮小倍率のもとで中間像の像、すなわち2次像を形成する。ここで、第1結像光学系K1の光軸Ax2は光路折り曲げ用反射面M1によって90°折り曲げられて、レチクルRと反射面M1との間に光軸Ax1を定義している。本例では、光軸Ax1と光軸Ax3とは互いに平行であるが、一致はしていない。なお、本例において、光軸Ax1と光軸Ax3とを互いに一致するように配置しても良い。また、光軸Ax1と光軸Ax2とのなす角度を90°とは異なる角度、好ましくは凹面反射鏡CMを反時計回りに回転させた角度としても良い。このとき、反射面M2での光軸の折り曲げ角度を、レチクルRとウエハWとが平行となるように設定することが好ましい。
【0029】
図1に戻り、本実施形態で使用するF2レーザ光(波長:157nm)のように、真空紫外域の光を露光ビームとする場合には、その光路から酸素、水蒸気、炭化水素系のガス等の、係る波長帯域の光に対し強い吸収特性を有するガス(以下、適宜「吸収性ガス」と呼ぶ)を排除する必要がある。従って、本実施形態では、照明光路(レーザ光源20〜レチクルRへ至る光路)及び投影光路(レチクルR〜ウエハWへ至る光路)を外部雰囲気から遮断し、それらの光路を真空紫外域の光に対して吸収の少ない特性を有する特定ガスとしての窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどのガス、またはそれらの混合ガス(以下、適宜「低吸収性ガス」あるいは「特定ガス」と呼ぶ)で満たしている。
【0030】
具体的には、レーザ光源20から可変減光器31までの光路をケーシング60により外部雰囲気より遮断し、可変減光器31から照明視野絞り41までの光路をケーシング61により外部雰囲気より遮断し、照明視野絞り結像光学系をケーシング62により外部雰囲気から遮断し、それらの光路内に上記特定ガスを充填している。なお、ケーシング61とケーシング62はケーシング63により接続されている。また、投影光学系PL自体もその鏡筒69がケーシングとなっており、その内部光路に上記特定ガスを充填している。
【0031】
また、ケーシング64は、照明視野絞り結像光学系を納めたケーシング62と投影光学系PLとの間の空間を外部雰囲気から遮断しており、その内部にレチクルRを保持するレチクルステージRSを収納している。このケーシング64には、レチクルRを搬入・搬出するための扉70が設けられており、この扉70の外側には、レチクルRを搬入・搬出時にケーシング64内の雰囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室65が設けられている。このガス置換室65にも扉71が設けられており、複数種のレチクルを保管しているレチクルストッカ66との間のレチクルの受け渡しは扉71を介して行う。
【0032】
また、ケーシング67は、投影光学系PLとウエハWとの間の空間を外部雰囲気から遮断しており、その内部に、ウエハホルダ80を介してウエハWを保持するウエハステージWS、ウエハWの表面のZ方向の位置(フォーカス位置)や傾斜角を検出するための斜入射形式のオートフォーカスセンサ81、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ82、ウエハステージWSを載置している定盤83等を収納している。このケーシング67には、ウエハWを搬入・搬出するための扉72が設けられており、この扉72の外側にはケーシング67内部の雰囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室68が設けられている。このガス置換室68には扉73が設けられており、装置内部へのウエハWの搬入、装置外部へのウエハWの搬出はこの扉73を介して行う。
【0033】
各光路空間に充填される特定ガスとしては、窒素やヘリウムを用いることが好ましい。窒素は波長が150nm程度以下の光に対して吸光特性が強く、ヘリウムは波長100nm程度以下の光に対して吸光特性が強い。ヘリウムは熱伝導率が窒素の約6倍であり、気圧変化に対する屈折率の変動量が窒素の約1/8であるため、特に高透過率と光学系の結像特性の安定性や冷却性とで優れている。なお、投影光学系PLの鏡筒について特定ガスとしてヘリウムを用い、他の光路(例えばレーザ光源20〜レチクルRまでの照明光路など)については特定ガスとして窒素を用いてもよい。
【0034】
図4は、図2及び図3に示した凹面反射鏡CMに対して、温度制御用の放熱体(ヒートシンク100)を取り付けた様子を模式的に示す図である。
図4において、ヒートシンク100は、主に熱伝導性の部材により構成されており、冷媒通路101、冷媒供給口102、及び冷媒排出口103等を備えている。冷媒供給口102及び冷媒排出口103はそれぞれ、不図示の冷媒供給装置に接続されており、この冷媒供給装置から低温に温度制御された冷媒がヒートシンク100内に循環供給される。冷媒通路101内を冷媒が流れることにより、ヒートシンク100と冷媒との間で熱交換がなされ、ヒートシンク100の熱が冷媒に伝達される。
【0035】
本実施形態では、ヒートシンク100は、凹面反射鏡CMの裏面側に配置されかつ、凹面反射鏡CMには直接接していない。すなわち、凹面反射鏡CMの裏面側において、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク100が離間して配置され、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との間に伝熱体としての複数の熱伝導スプリング105が配置されている。各熱伝導スプリング105は、一端が凹面反射鏡CMの裏面に接続され、他端がヒートシンク100の一面(伝熱面)に接続されている。各熱伝導スプリング105は、凹面反射鏡CMとヒートシンク100とを熱的に接続し、凹面反射鏡CMの熱をヒートシンク100に伝達する伝熱体としての機能を持つ。
なお、凹面反射鏡CMの材質としては、SiC、ゼロデュア(商品名)、ULE(商品名)などが用いられる。
【0036】
凹面反射鏡CMと熱伝導スプリング105との接続、及びヒートシンク100と熱伝導スプリング105との接続は、例えば、以下のように行われる。
例えば、凹面反射鏡がセラミックの場合、焼き固める前の成型工程において、熱伝導スプリングの一端を反射鏡に埋め込んでおき、その後固める。また、スプリングの他の一端は、フランジなどの取付治具と予め接続しておき、後で、取付治具を介してヒートシンクに機械的に固定する。
他の接続方法としては、スプリングの両端はどちらも、フランジなどの取付治具と予め接続しておく。そして、接着剤やネジ等を用いて、スプリングの一端を反射鏡に機械的に固定し、その後、他端をヒートシンクに機械的に固定する。この場合、反射鏡にスプリングを固定した後に、所望の面精度を得るための反射鏡の研磨を行うのが好ましい。
このような接続方法では、スプリングの取り付けに伴うミラーの変形はほとんど起こらない。スプリングの固定長を、部品公差などで管理することにより、確実にミラーの変形を抑制できる。また、上述したフランジなどの取付治具は、スプリングと同じ材質、あるいは、スプリングと略同じ熱伝導性を有する材質で形成するのが望ましい。
【0037】
熱伝導スプリング105は、柔軟性及び熱伝導性に優れるのが好ましい。また、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との相対的な変位を吸収できるように、その材質や形状等が定められている。熱伝導スプリング105の材質としては、例えば、銅など、熱伝導率の高い各種金属が用いられる他に、優れた熱伝導性を有するものであれば金属に限らず他の材質も適用可能である。また、熱伝導スプリング105の形状としては、例えば、棒状の素材を螺旋状にしたものが用いられるが、優れた柔軟性を有するものであれば他の形状でもよい。また、素材自体が優れた柔軟性を備える場合、熱伝導スプリング105の形状は任意の形状でよい。
【0038】
また、本実施形態では、凹面反射鏡CMの裏面側において、複数の熱伝導スプリング105が等間隔に配置されるのではなく、領域ごとにその分布密度が異なる。熱伝導スプリング105の分布密度は、凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、複数の熱伝導スプリング105からなる伝熱体の熱抵抗の分布が、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、熱伝導スプリング105の分布密度が定められている。
【0039】
ここで、図5(a)及び(b)は、凹面反射鏡CMに対する露光ビームの照射領域(照射フィールド)、及びその照射領域における照射エネルギー密度分布をそれぞれ模式的に示している。露光ビームは、マスクのパターン領域に応じてその領域形状が規定されており、図5(a)に示すように、本例では矩形領域からなる。また、その照射エネルギー密度分布は、図5(b)に示すように、一様ではなく、中央部で高く、周辺に向かって低くなる。なお、照射領域が矩形状の場合、照射熱による光学部材の熱変形は、非回転対称なものとなり、光学的な補正が困難な高次な収差を生みやすい。
【0040】
図4に戻り、複数の熱伝導スプリング105は、図5に示した露光ビームの照射エネルギー密度分布と略反比例関係の熱抵抗分布となるように、照射領域に対応する領域内において、中央部で密、周辺部で疎となる分布に配置されている。すなわち、中央部で熱伝導スプリング105の分布密度が高く、周辺部で分布密度が低い。
【0041】
凹面反射鏡CMに対して照射された露光ビームILの照射熱は、伝熱体としての複数の熱伝導スプリング105を介してヒートシンク100に伝達される。ヒートシンク100に伝達された熱は冷媒に伝達される。凹面反射鏡CMの熱が熱伝導スプリング105、及びヒートシンク100を介して奪われることにより、露光ビームILの照射に伴う凹面反射鏡CMの温度上昇が抑制される。
【0042】
このとき、熱伝導スプリング105の分布密度が高い領域では、複数の熱伝導スプリングによる熱抵抗が小さく、凹面反射鏡CMから熱が逃げやすい。一方、熱伝導スプリング105の分布密度が低い領域では、熱抵抗が大きく、凹面反射鏡CMから熱が逃げにくい。つまり、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど、熱抵抗が小さいので、凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。このような熱伝導スプリング105を介した熱の移動により、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、凹面反射鏡CMが温度上昇し、それによって熱変形する場合にも、その熱変形が面全体で一様であると、それに伴う収差は低次なものとなり、光学的な補正が比較的容易である。
【0043】
図6は、凹面反射鏡CMの支持構造を模式的に示している。本実施形態では、凹面反射鏡CMとヒートシンク100とは、互いに異なる部材に支持されている。具体的には、凹面反射鏡CMは光学系の筐体106に支持され、ヒートシンク100はその筐体とは別の筐体107に支持されている。また、筐体106と筐体107との間には、振動の伝達を防ぐ防振装置108が配置されている。防振装置108は、振動を吸収する弾性体などを有して構成されている。なお、凹面反射鏡CMから筐体106への熱の移動を抑制するために、凹面反射鏡CMは、熱抵抗の大きい部材、例えば熱伝導性の低い樹脂などからなるセル109を介して支持されるのが好ましい。
【0044】
上述したように、本実施形態では、凹面反射鏡CMとヒートシンク100とは、直接接しておらず、両者は柔軟性を有する複数の熱伝導スプリング105を介して連結されている。仮に、凹面反射鏡CMにヒートシンク100を直接取り付けると、凹面反射鏡CMの裏面とヒートシンク100の一面(伝熱面)とを面全体にわたって密着させる必要があるため、両者の平面度の違いなどにより、凹面反射鏡CMが変形する可能性が高い。また、凹面反射鏡CMにヒートシンク100を直接取り付けると、冷媒供給用のポンプ等の振動がヒートシンク100から凹面反射鏡CMに伝わるおそれがある。これに対して、本実施形態では、上記支持構造により、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との間で力の伝達がほとんど起こらない。すなわち、複数の熱伝導スプリング105が、凹面反射鏡CMとヒートシンク100との間の任意の相対的な位置関係に対して抵抗することなく追従し、両者の間の相対的な変位を吸収する。そのため、ヒートシンク100の取り付けに伴う凹面反射鏡CMの変形や振動の伝達が防止される。また、それらを支持する筐体106,107同士の間には、防振装置108が配置されていることから、ヒートシンク100から凹面反射鏡CMへの振動の伝達がさらに確実に防止される。
【0045】
このように、本実施形態では、凹面反射鏡CMに対して、複数の熱伝導スプリングを介してヒートシンク100を取り付けることにより、凹面反射鏡CMと熱伝導スプリング105との間で熱の伝達を図りつつ、力の伝達を防止することが可能となる。これにより、凹面反射鏡CMの温度が良好に制御されるとともに、ヒートシンク100の取り付けに伴う凹面反射鏡CMの光学特性の低下が防止される。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態について図7を参照して説明する。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク120が離間して配置され、その間に複数の熱伝導スプリング105が配置されている。また、上述した第1実施形態と異なり、複数の熱伝導スプリング105が等間隔に配置されその分布密度は一様である。さらに、本実施形態では、ヒートシンク100の放熱性に分布が設けられている。
【0047】
図7において、ヒートシンク120は、冷媒との間で熱交換を行うための複数のフィン121を有しており、その分布密度が凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、複数のフィン121からなる熱交換部材の熱抵抗の分布が、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、複数のフィン121の分布密度が定められている。すなわち、複数のフィン121は、中央部で密、周辺部で疎となる分布に配置されている。すなわち、中央部で複数のフィン121の分布密度が高く、周辺部で分布密度が低い。
【0048】
上記構成により、本実施形態では、複数のフィン121の分布密度が高い領域では、ヒートシンク120の表面(伝熱面)から冷媒に至るまでの熱抵抗が小さく、放熱性が高い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が冷媒に奪われやすい。一方、複数のフィン121の分布密度が低い領域では、ヒートシンク120の表面から冷媒に至るまでの熱抵抗が大きく、放熱性が低い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が奪われにくい。つまり、前述した第1実施形態と同様に、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。これにより、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、本実施形態では、ヒートシンク120の所望の形状に形成することによって、熱抵抗に分布を設けているので、第1実施形態に比べて、熱伝導スプリングの設置が容易となる利点を有する。
【0049】
次に、本発明の第3実施形態について図8を参照して説明する。
本実施形態では、上述した第2実施形態と同様に、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク120が離間して配置され、その間に複数の熱伝導スプリング105が一様な分布密度で配置されている。また、上述した第2実施形態と異なり、本実施形態では、壁の厚さによってヒートシンク130の放熱性に分布が設けられている。
【0050】
図8において、ヒートシンク130は、複数の熱伝導スプリング105に接続される側の壁131の断面形状が、凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、壁131の熱抵抗の分布が、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、その断面形状が定められている。すなわち、壁131は、中央部で薄く、周辺部で厚くなる断面形状に形成されている。
【0051】
上記構成により、本実施形態では、壁131が薄い領域では、ヒートシンク130の表面(伝熱面)から冷媒に至るまでの熱抵抗が小さく、放熱性が高い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が冷媒に奪われやすい。一方、壁131が厚い領域では、ヒートシンク130の表面から冷媒に至るまでの熱抵抗が大きく、放熱性が低い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が奪われにくい。つまり、前述した第2実施形態と同様に、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。これにより、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、本実施形態では、壁131の厚さを変えることによって、熱抵抗に分布を設けているので、第2実施形態に比べて、ヒートシンクの形状が簡素になるという利点を有する。
【0052】
次に、本発明の第4実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
本実施形態では、上述した第2及び第3実施形態と同様に、凹面反射鏡CMに対してヒートシンク120が離間して配置され、その間に複数の熱伝導スプリング105が一様な分布密度で配置されている。また、上述した第2及び第3実施形態と異なり、本実施形態では、冷媒通路141の形状によってヒートシンク140の放熱性に分布が設けられている。
【0053】
図9及び図10において、ヒートシンク140は、表面(伝熱面)と平行な面内において渦巻状に形成された冷媒通路141を有する。この冷媒通路141は、その流路断面形状が、凹面反射鏡CMに対する露光ビームILの照射エネルギー密度分布に基づいて定められている。具体的には、冷媒通路141は、照射エネルギー密度分布と略反比例関係になるように、流路の断面積(実際には、管路の内径)が定められている。すなわち、冷媒通路141は、中央部で流路断面積が小さく、周辺部で流路断面積が大きくなる断面形状に形成されている。さらに、冷媒通路141は、図10に示すように、中央部ほど密になり、周辺部ほど疎となっている。また、冷媒通路141に対して、中央部付近に冷媒供給口142が設けられ、周辺部付近に冷媒排出口143が設けられている。
【0054】
上記構成により、本実施形態では、冷媒通路141において、流路断面積が小さい中央部の領域では、流速が大きくなり、ヒートシンク141と冷媒との熱伝達率が向上し、放熱性が高くなる。また、この領域では、冷媒通路141が密に配置されており、この点からも放熱性が高くなる。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が冷媒に奪われやすい。一方、流路断面積が大きい周辺部の領域では、上記領域に比べると、ヒートシンク141と冷媒との熱伝達率が低く、放熱性が低い。また、この領域では、冷媒通路141が疎に配置されており、この点からも放熱性が低い。そのため、凹面反射鏡CMからの熱が奪われにくい。つまり、前述した第2及び第3実施形態と同様に、照射エネルギー密度分布が高く、温度上昇しやすい中央部の領域ほど凹面反射鏡CMからより多くの熱が奪われる。これにより、凹面反射鏡CM内の温度分布の均一化が図られ、凹面反射鏡CMの複雑な熱変形が防止される。なお、本実施形態では、渦巻状に冷媒通路141が設けられ、ヒートシンク140の中央部付近に冷媒供給口142が設けられているので、多くの熱を奪うべき中央部付近に低温の冷媒が流れることになり、ヒートシンク140と冷媒との間で効果的に熱交換が行われる。
【0055】
ここで、上述した各実施形態では、F2レーザ光源を用いた露光装置について説明したが、露光ビームの波長がさらに短波長の紫外線やX線になると、使用できる光学ガラスが存在しない可能性が高い。この場合、投影光学系を、反射系のみで構成する、いわゆる反射屈折縮小光学系を採用することが考えられる。なお、投影光学系に反射屈折縮小光学系を採用した技術は、例えば、特開平2002−006221号方向に記載されている。
【0056】
図11は、投影光学系に反射屈折縮小光学系を採用した露光装置Eの概略構成を示す図である。この露光装置Eでは、露光ビームELとして波長5〜15nm程度の軟X線領域の光(EUV光)が用いられている。以下、この露光装置Eについて説明する。
【0057】
図11において、露光装置Eは、光源230からの光束をレチクルステージRSに支持されるレチクルRに照明する照明光学系203と、露光ビームELで照明されたレチクルRのパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを支持するウエハステージWSとを備えている。本実施形態における露光ビームであるEUV光は、大気に対する透過率が低いため、EUV光が通過する光路は真空チャンバVCにより覆われて外気より遮断されている。
【0058】
照明光学系203において、光源230は、赤外域〜可視域の波長のレーザ光を供給する機能を有し、例えば半導体レーザ励起によるYAGレーザやエキシマレーザ等が用いられる。このレーザ光は第1集光光学系231により集光されて位置232に集光する。ノズル233は気体状の物体を位置232に向けて噴出し、この噴出された物体は位置232において高照度のレーザ光を受ける。このとき、噴出された物体がレーザ光のエネルギで高温になり、プラズマ状態に励起され、低ポテンシャル状態へ遷移する際にEUV光を放出する。
【0059】
上記位置232の周囲には、第2集光光学系を構成する楕円鏡234が配置されており、この楕円鏡234は、その第1焦点が位置232とほぼ一致するように位置決めされている。楕円鏡234の内表面には、EUV光を反射するための多層膜が設けられており、ここで反射されたEUV光は、楕円鏡234の第2焦点で一度集光した後、第3集光光学系を構成するコリメート鏡としての放物面鏡235へ向かう。放物面鏡235は、その焦点が楕円鏡234の第2焦点位置とほぼ一致するように位置決めされており、その内表面には、EUV光を反射するための多層膜が設けられている。
【0060】
放物面鏡235から射出されるEUV光は、ほぼコリメートされた状態でオプティカルインテグレータとしての反射型フライアイ光学系236へ向かう。反射型フライアイ光学系236は、複数の反射面を集積した第1の反射素子群236aと、第1の反射素子群236aの複数の反射面と対応した複数の反射面を有する第2の反射素子群236bとで構成されている。これら第1及び第2の反射素子群236a、236bを構成する複数の反射面上にもEUV光を反射させるための多層膜が設けられている。
【0061】
放物面鏡235からのコリメートされたEUV光は、第1の反射素子群236aにより波面分割され、各々の反射面からのEUV光が集光されて複数の光源像が形成される。これら複数の光源像が形成される位置の近傍のそれぞれには、第2の反射素子群236bの複数の反射面が位置決めされており、これら第2の反射素子群236bの複数の反射面は、実質的にフィールドミラーの機能を果たす。このように、反射型フライアイ光学系236は、放物面鏡235からの略平行光束に基づいて、2次光源としての多数の光源像を形成する。なお、このような反射型フライアイ光学系236については、本願出願人による特願平10−47400号に提案されている。
【0062】
この露光装置Eでは、2次光源の形状を制御するために、第2の反射素子群236b近傍には、第1開口絞りとしてのσ絞りAS1が設けられている。このσ絞りAS1は、例えば互いに形状が異なる複数の開口部をターレット状に設けたものからなる。そして、σ絞り制御ユニットASC1により、どの開口部を光路内に配置するのかの制御が行われる。
【0063】
反射型フライアイ光学系236により形成された2次光源からのEUV光は、この2次光源位置の近傍が焦点位置となるように位置決めされたコンデンサミラー237へ向かい、このコンデンサミラー237にて反射集光された後に、光路折り曲げミラー238を介して、レチクルRに達する。これらコンデンサミラー237及び光路折り曲げミラー238の表面には、EUV光を反射させる多層膜が設けられている。そして、コンデンサミラー237は、2次光源から発するEUV光を集光して、レチクルRを均一照明する。
【0064】
なお、この露光装置Eでは、レチクルRへ向かう照明光と、このレチクルRにて反射されて投影光学系PLへ向かうEUV光との光路分離を空間的に行うために、照明光学系203は非テレセントリック系であり、かつ投影光学系PLもレチクル側非テレセントリックな光学系としている。
【0065】
レチクルR上には、EUV光を反射する多層膜からなる反射膜が設けられており、この反射膜は、ウエハW上へ転写すべきパターンの形状に応じたパターンとなっている。このレチクルRにて反射されて、レチクルRのパターン情報を含むEUV光は、投影光学系PLに入射する。
【0066】
投影光学系PLは、反射鏡M1〜M6の6枚構成となっており、第1反射鏡M1とレチクルRとの間の光路中(反射鏡M1と反射鏡M2との頂点の間)には、第2の開口絞りとしての可変開口絞りASが配置されている。この可変開口絞りASは、その開口部の口径が可変となるように構成されており、その口径は可変開口絞り制御ユニットASC2により制御される。
【0067】
また、第2反射鏡M2と第3反射鏡M3との間の光路中の中間像形成位置には視野絞りFSが配置されている。なお、投影光学系PLを構成する反射鏡M1〜M6は、基材上にEUV光を反射する多層膜を設けたものからなる。
【0068】
レチクルRにて反射されたEUV光は、投影光学系PLを通過して、ウエハW上の円弧形状の露光領域内に、所定の縮小倍率β(例えば|β|=1/4,1/5、1/6)のもとでレチクルRのパターンの縮小像を形成する。なお、本実施形態においては、露光領域の形状は、投影光学系PL内に設けられた視野絞りFSにより規定される。
【0069】
レチクルRは少なくともY方向に沿って移動可能なレチクルステージRSにより支持されており、ウエハWはXYZ方向に沿って移動可能なウエハステージWSにより支持されている。これらのレチクルステージRS及びウエハステージWSの移動は、それぞれレチクルステージ制御ユニットRSC及び基板ステージ制御ユニットにより制御される。露光動作の際には、照明光学系203によりレチクルRに対してEUV光を照射しつつ、投影光学系PLに対してレチクルR及びウエハWを、投影光学系PLの縮小倍率により定まる所定の速度比で移動させる。これにより、ウエハW上の所定のショット領域内に、レチクルRのパターンが走査露光される。
【0070】
なお、この露光装置Eにおいて、σ絞りAS1、可変開口絞りAS、視野絞りFSは、EUV光を十分に遮光するために、Au、Ta、Wなどの金属から構成されることが好ましい。また、以上述べた各反射鏡の表面の反射面は、EUV光を反射するために反射膜としての多層膜が形成されている。この多層膜は、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、珪素、珪素酸化物のうちの複数の物質を積層させて形成されている。
【0071】
上記構成の露光装置Eでは、投影光学系PLを構成する6つの反射鏡M1〜M6が配置される空間は真空に制御される。そのため、対流熱伝達による冷却効果がほとんどないため、反射鏡M1〜M6の熱変形を抑制するために、その温度制御が重要となる。これらの反射鏡M1〜M6に対しても、先の実施形態で示したものと同様に、熱伝導スプリングを介してヒートシンクを取り付けることにより、反射鏡M1〜M6の温度を良好に制御し、光学特性の低下を防止することができる。
【0072】
図12は、本発明の一実施形態による露光装置を用いたマイクロデバイス(半導体デバイス)の生産のフローチャートである。図12に示すように、まず、ステップS300(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS301(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンに基づいて、マスクを製作する。一方、ステップS302(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0073】
次に、ステップS303(ウエハプロセスステップ)において、ステップS300〜ステップS302で用意したマスクとウエハを使用して、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS304(組立ステップ)において、ステップS303において処理されたウエハを用いてチップ化する。このステップS304には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、ステップS305(検査ステップ)において、ステップS304で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0074】
なお、上述した実施形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0075】
例えば、上述した実施形態では、伝熱体としての熱伝導スプリング、及び放熱体としてのヒートシンクのいずれか一方の熱抵抗に分布を持たせているが、双方の熱抵抗に分布を持たせてもよい。露光ビームが照射される照射面から冷媒までのトータルな熱抵抗の分布が照射エネルギー密度分布と略反比例の関係にあるのが好ましい。
【0076】
また、熱伝導スプリングの熱抵抗に分布を持たせる方法は、上述したものに限定されない。例えば、領域ごとに熱伝導スプリングの材質を変化させたり、線径や長さなど、熱伝導スプリングの形状を領域ごとに変化させてもよい。
【0077】
また、先にも述べたように、露光ビームが照射される光学部材と放熱体(ヒートシンク)との間に配置される伝熱体は、スプリング形状のものに限定されない。柔軟性と熱伝導性を有し、光学部材と放熱体との相対的な変位を吸収するもの、つまり熱的に接続しているけれども力は伝えないものであればよい。
また、伝熱体として、スポンジ状、軟質な部材を用いてもよい。
さらに、伝熱体として、固体物に限らず、ガスを用いてもよい。
【0078】
また、投影光学系としては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英、蛍石、フッ素をドープした石英、フッ化バリウム、フッ化リチウムなどの遠紫外線を透過する材料を用いる。
【0079】
また、各ケーシングや鏡筒、特定ガスの供給配管等は、研磨などの処理によって、表面粗さが低減されたステンレス(SUS)等の材質を用いることにより、脱ガスの発生を抑制できる。
【0080】
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明ビームに対してマスク(レチクル)と基板(ウエハ)とをそれぞれ相対移動する走査露光方式(例えば、ステップ・アンド・スキャン方式など)に限られるものではなく、マスクと基板とをほぼ静止させた状態でマスクのパターンを基板上に転写する静止露光方式、例えばステップ・アンド・リピート方式などでもよい。さらに、基板上で周辺部が重なる複数のショット領域にそれぞれパターンを転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置などに対しても本発明を適用することができる。また、投影光学系は縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでもよいし、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよい。さらに、投影光学系を用いない、例えばプロキシミティ方式の露光装置などに対しても本発明を適用できる。
【0081】
また、光源としては、F2レーザに限らず、発振波長248nmのKrFエキシマレーザや、発振波長193nmのArFエキシマレーザ、波長約120nm〜約180nmの真空紫外域に属する光を発するレーザ、例えば発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザ(Kr2レーザ)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザ(Ar2レーザ)などを用いてもよい。また、紫外光を発するレーザ光源だけでなく、光源として、YAGレーザ又は半導体レーザなどの高調波発生装置、SOR、レーザプラズマ光源などでもよい。
【0082】
また、本発明が適用される露光装置は、半導体デバイス製造用に限られるものではなく、液晶表示素子、ディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどのマイクロデバイス(電子デバイス)製造用、露光装置で用いられるフォトマスクやレチクルの製造用などでもよい。
【0083】
また、本発明は露光装置だけでなく、光源装置を備え、デバイス製造工程で使用される他の製造装置(検査装置などを含む)に対しても適用することができる。
【0084】
また、上述したウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動系として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(定盤、ベース)に設ければよい。
【0085】
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0086】
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0087】
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学装置によれば、光学部材の温度上昇を良好に抑制することができるので、安定した光学性能を得ることができる。
また、本発明の露光装置によれば、安定した光学性能を有する光学装置によって、マスクのパターン像を精度よく基板上に転写できる。
また、本発明のデバイス製造方法によれば、露光精度の向上により、形成されるパターンの精度が向上したデバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学装置を投影光学系として備える一実施形態に係る半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置の全体構成を示す図である。
【図2】投影光学系の構成の一例を示す図である。
【図3】投影光学系の構成の一例を示す図である。
【図4】凹面反射鏡に対して、温度制御用の放熱体(ヒートシンク)を取り付けた様子を模式的に示す図である。
【図5】(a)は凹面反射鏡に対する露光ビームの照射領域(照射フィールド)を模式的に示す平面図、(b)はその照射領域における照射エネルギー密度分布を模式的に示す図である。
【図6】凹面反射鏡の支持構造を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施形態を説明するための図である。
【図9】本発明の第4実施形態を説明するための図である。
【図10】図9におけるA−A断面図である。
【図11】投影光学系に反射屈折縮小光学系を採用した露光装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態による露光装置を用いた半導体デバイスの生産のフローチャート図である。
【符号の説明】
10,E…露光装置
R…レチクル(マスク)
W…ウエハ(基板)
CM…凹面反射鏡(光学部材)
21,203…照明光学系(照明系)
PL…投影光学系
100…ヒートシンク(放熱体)
105…熱伝導スプリング(伝熱体)
108…防振装置
121…フィン(熱交換部材)
131…壁(熱交換部材)
Claims (12)
- エネルギービームの光路上に配置される光学部材を備える光学装置であって、
前記光学部材に対して離間して配置される放熱体と、
前記光学部材と前記放熱体との間に配置され、前記光学部材と前記放熱体との相対的な変位を吸収しかつ前記光学部材と前記放熱体との間で熱を伝達する伝熱体とを備えることを特徴とする光学装置。 - 前記伝熱体は、柔軟性を有する熱伝導性部材であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 前記光学部材と前記放熱体とは、互いに異なる部材に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学装置。
- 前記光学部材を支持する部材と前記放熱体を支持する部材との間には、振動の伝達を防ぐ防振装置が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
- 前記伝熱体は、前記光学部材に対する前記エネルギービームの照射エネルギー密度分布に基づく、熱抵抗分布を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
- 前記伝熱体の熱抵抗分布は、前記照射エネルギー密度分布と略反比例関係にあることを特徴とする請求項5に記載の光学装置。
- 前記伝熱体は、複数からなり、その分布密度が前記エネルギー密度分布に基づいて定められていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の光学装置。
- 前記放熱体は、前記光学部材に対する前記エネルギービームの照射エネルギー密度分布に基づく、放熱性の分布を有することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
- 前記放熱性の分布は、前記照射エネルギー密度分布と略比例関係にあることを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
- 前記放熱体は、冷媒との間で熱交換を行う熱交換部材を含み、
前記熱交換部材は、前記照射エネルギー密度分布に基づく、熱抵抗分布を有することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光学装置。 - パターンが形成されたマスクをエネルギビームにより照明する照明系と、前記マスクのパターンを基板上に転写する投影光学系との少なくとも一方が、請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載の光学装置を備えることを特徴とする露光装置。
- 請求項11に記載の露光装置を用いて、マスク上に形成されたデバイスパターンを基板上に転写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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