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JP2004037695A - 光変調器 - Google Patents

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JP2004037695A
JP2004037695A JP2002192981A JP2002192981A JP2004037695A JP 2004037695 A JP2004037695 A JP 2004037695A JP 2002192981 A JP2002192981 A JP 2002192981A JP 2002192981 A JP2002192981 A JP 2002192981A JP 2004037695 A JP2004037695 A JP 2004037695A
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Japan
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optical modulator
electrode
voltage
modulation electrode
modulation
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JP2002192981A
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English (en)
Inventor
Takahisa Fujita
藤田 貴久
Toshio Sakane
坂根 敏夫
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】波長分散量1620pS/nmの単一モードファイバにおいても、伝送ペナルティを2dB以下で伝送する光変調器を提供し、特に、従来の光変調器に特段の装置や構成を付加することなく、優れた伝送特性を有する光変調器を提供することである。
【解決手段】電気光学効果を有する材料からなる基板1と、該基板上に形成されたマッハツェンダー(MZ)型干渉導波路と、該MZ型干渉導波路中の分岐した2つの導波路5,6の各々を通過する導波光の位相を互いに独立して変調させるための第一、第二の変調電極7,8とを有する光変調器において、駆動信号源20からの第一の出力を第一の変調電極7に、第一の出力に対し位相の反転した第二の出力を第二の変調電極8に印加すると共に、第一の変調電極の印加電圧振幅V1と第二の変調電極の印加電圧振幅V2との和(V1+V2)が半波長電圧を超えない、又は半波長電圧より小さい電圧であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を変調するため、光源の外部に設けられた光変調器に関し、特に、長距離の光ファイバー中でも、波形整形することなく光信号の伝送エラーの発生を抑制可能とする光変調器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高速、大容量の情報通信に係る需要の高まり対応して、光ファイバーによる高速かつ長距離伝送の技術の確立が求められている。
高速度の単一モード光ファイバ(SMF)による光伝送システムにおいては、短距離無中継系伝送用として半導体レーザを光源に用いた直接変調方式が利用されており、また、中距離無中継伝送用としては、CWレーザと電界吸収型(EA)変調器との組み合わせが利用されている。
【0003】
伝送距離を制限する要因としては、光ファイバが有する分散特性と光変調時に発生するチャープ量との相互関係による、信号パルスが光ファイバの伝送端において重なる符合干渉、光ファイバの伝送路途中における光損失や信号パルスの伝送中の広がり、さらに光信号を受信する受光系の雑音などによる信号のS/N劣化、また、送信パワーに依存するSMFにおける非線形相互作用によるS/N劣化、光変調器の変調速度、変調器帯域に依存する信号ジッタ−(jitter)などが挙げられる。
【0004】
より高速度、より長距離の伝送を実現するための光変調器としては、CW(Continuous Wave)レーザと、ニオブ酸リチウム(LN)などの電気光学効果を有する材料を用いたマッハツェンダー(MZ)型の外部光変調器(以下、LN光変調器という)との組み合わせが提唱され、実用化されてきている。
前出の2方式と比較して、LN光変調器は、波長依存性が少ないことからDWDM(高密度波長多重)方式の光変調の用途に適しており、また、誘電体損依存の変調帯域限界(limit)がないため、非常に高速度な変調が可能である。さらには、以下のような多彩な変調方式も、実現可能であるなどの優れた特徴を有している。
【0005】
例えば、LN光変調器は、MZ型導波路中の分岐した2つの導波路に対して設けられた変調電極や接地電極の形状など電極構成を調整することにより、0から1までの固定したチャープパラメータ(α値)を実現できる。
あるいは、MZ型導波路中の分岐した2つの導波路に対して設けられた変調電極を独立に制御可能とした、所謂、デュアル(dual)電極構造型の光変調器においては、該変調電極に加える電圧に応じて、0から1までのα値を可変とすることが可能である。
なお、変調電極が一電極である通常のLN光変調器においては、α値は約0.7程度である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図10は、通常の単一モード光ファイバ(1.3μmで分散がゼロとなるSMFで、以下、単に「SMF」という)の群遅延量と波長の関係を示す図である。1.55μm帯において、波長が長くなる程、光ファイバの単位長さ当りの伝播遅延時間である群遅延量は大きくなっている。
【0007】
図11はα値と、光信号パルスの立ち上りと立ち下りとにおける波長の変化を説明する図である。
波長λの変化とα値、および光強度Iの変化との間には、次式で示される関係が成立している。
dλ/dt=−A×α×(dI/dt)/I
ここで、λは光の中心波長、Iは瞬時光強度、Aは正符号の常数である。
すなわち、α<0の場合(図11a)、光信号パルスの立ち上り(dI/dt>0)ではdλ/dt>0となり、波長λが長波長側にシフトすることとなる。また、逆に光信号パルスの立ち下りでは、波長λは短波長側にシフトする。
【0008】
上記波長のシフトにより、図10から判るように、α<0における光信号パルスの立ち上りでは、波長が長波長側にシフトするため光の伝播速度は遅く、立ち下り部分における波長は短波長側にシフトするため光の伝播速度は速くなる。
すなわち、光信号パルスはSMF中において、パルス圧縮される。
他方、α>0の場合(図11b)、光信号パルスの立ち上り(dI/dt>0)ではdλ/dt<0となり、波長λが短波長側にシフトするため光の伝播速度は速くなる。また、逆に光信号パルスの立ち下りでは、波長λは長波長側にシフトするため光の伝播速度は遅くなり、全体としてパルス波形が広がる形状となる。
【0009】
しかしながら、光信号パルスは広範囲な周波数成分を含んでおり、SMF中での周波数依存による遅延を受け、伝播距離とともに波形歪み(波形の自己広がり)を生じる。α<0の場合、ある距離までは上記のパルス圧縮効果が自己広がり効果より強く出るが、距離とともに圧縮効果が薄れ自己広がりが主となる。
図9は、この様子を説明する伝送特性の一例図であり、SMFの距離を横軸に、α値をパラメータとした10Gbit/sの信号における伝送ペナルティ(penalty)の特性を示す図である。
横軸は、分散量で表したSMFの長さであり、波長分散量1620pS/nmは最短で80kmの長さに相当している。
縦軸は、伝送ファイバ入力端(Back to Back;BTB)でのビットエラーレート(BER)が10−12時の受光量(power)を基準として、伝送後の同一のBERを得る受光量を示し、これを伝送ペナルティと言う。
【0010】
αが負の時(α=−0.5又は−1)は、伝送ペナルティは一旦は負となり、その後、SMFの距離が大きくなるに従い、プラスへと変化する。
これは、概略、上述したような負のチャープによるパルス圧縮効果が、ファイバの分散によるパルス波形の広がり効果より、大きい範囲において伝送ペナルティが負となることを示している。したがって、α>0においては負の伝送ペナルティは有しない。
さらに、最大値であるα=−1においては、ファイバの近距離において急激に負の値となるが、距離が伸びるとともに伝送ペナルティは急激に悪化する。
【0011】
図9は、デュアル(dual)電極構造のLN光変調器の各変調電極に印加する電圧を変化させることにより、α値を変化させた例や、単一の変調電極を有するLN光変調器により特定のα値を有する例が、共通に記載されている。しかも、光変調が最大振幅(100%変調)となる印加電圧を選択し、変調消光比も最大となる光変調器の印加電圧バイアス(bias)条件を設定した場合の伝送特性例を示している。
しかしながら、このような条件においても、α値が何であっても、波長分散量1620pS/nmにおいては、「伝送ペナルティが2dB」を達成することが出来ていない。このため、近年の光通信における高速化や伝送距離の長距離化のニーズに十分対応することが、益々困難となって来ている。
【0012】
本発明の目的は、上述した問題を解決し、波長分散量1620pS/nmのSMFにおいても、伝送ペナルティを2dB以下で伝送するための光変調器を提供することであり、しかも、従来の光変調器に特段の装置や構成を付加することなく、優れた伝送特性を有する光変調器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明では、電気光学効果を有する材料からなる基板と、該基板上に形成されたマッハツェンダー(MZ)型干渉導波路と、該MZ型干渉導波路中の分岐した2つの導波路の各々を通過する導波光の位相を互いに独立して変調させるための第一、第二の変調電極とを有する光変調器において、駆動信号源からの第一の出力を第一の変調電極に、第一の出力に対し位相の反転した第二の出力を第二の変調電極に印加すると共に、第一の変調電極の印加電圧振幅V1と第二の変調電極の印加電圧振幅V2との和(V1+V2)が半波長電圧を超えない、又は半波長電圧より小さい電圧であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光変調器において、第一の変調電極の印加電圧振幅V1と第二の変調電極の印加電圧振幅V2との比を変えてチャープを制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の光変調器において、各変調電極に印加する電圧の印加電圧振幅V1、V2は、駆動信号源の出力差動段に設けられた電源電圧によって可変調整されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の光変調器において、各変調電極に印加する電圧の印加電圧振幅V1、V2は、駆動信号源の出力と該変調電極との間に設けられた電圧減衰器によって可変調整されることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に係る発明は、電気光学効果を有する材料からなる基板と、該基板上に形成されたマッハツェンダー(MZ)型干渉導波路と、該MZ型干渉導波路中の分岐した2つの導波路の各々を通過する導波光の位相を変調させるための第一、第二の変調電極とを有する光変調器において、駆動信号源からの出力を第一の変調電極に印加し、第二の変調電極を接地すると共に、第一の変調電極の印加電圧振幅Vが半波長電圧を超えない、又は半波長電圧より小さい電圧であることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の光変調器において、該光変調器からの出力光のEYE波形のクロスポイントが50%以上65%以下の範囲内にあることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の光変調器において、変調電極と該変調電極の近傍に配置された接地電極によるコプレーナ電極を形成し、該変調電極の終端が抵抗・コンデンサ(RC)からなる交流結合型終端器を介して接地されると共に、該終端器は、該変調電極に接続される第1の抵抗(R1)と、該抵抗と該接地間に接続される第1のコンデンサ(C1)と、該第1の抵抗(R1)と第1のコンデンサ(C1)との接続点からコプレーナ電極を形成する接地電極へ接続される第2、第3のコンデンサ(C2,C3)と、該接続点に接続される第2の抵抗(R2)とを含み、該第2の抵抗(R2)の他端に、DCバイアスを調整するためのDC電圧を印加することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適例を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に関わるLN光変調器モジュールを説明する図である。
光変調器を構成する基板としては、電気光学効果を有する材料、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO;以下、LNという)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、PLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、及び石英系の材料から構成され、特に、光導波路デバイスとして構成しやすく、かつ異方性が大きいという理由から、LiNbO結晶、LiTaO結晶、又はLiNbO及びLiTaOからなる固溶体結晶を用いることが好ましい。本実施例では、ニオブ酸リチウム(LN)を用いた例を中心に説明する。
【0021】
光変調器を製造する方法としては、LN基板上にTiを熱拡散させて光導波路を形成し、次いで基板の一部又は全体に渡りバッファ層を設けずに、LN基板上に電極を直接形成する方法や、光導波路中の光の伝搬損失を低減させるために、LN基板上に誘電体SiO等のバッファ層を設け、さらにその上にTi・Auの電極パターンの形成及び金メッキ方法などにより数十μmの高さの変調電極及び接地電極を構成して、間接的に当該電極を形成する方法がある。
一般に、一枚のLNウェハに複数の光変調器を作り込み、最後に個々の光変調器のチップに切り離すことにより、光変調器が製造される。
【0022】
1は、LN基板であり、上述のようにTiの基板内部への拡散等により、その基板表面に導波路を形成している。2は入力導波路であり、不図示のCWレーザ光源からの光が導光され、かつ偏光保持機能を有するファイバ3と接続されている。
導波路2を伝播した光は3dB分岐導波路4にて等分割され、それぞれマッハツェンダー(MZ)型干渉導波路のアームを構成する第一の導波路5および第二の導波路6に入る。
該アームの近傍に配置した第一の(変調)電極7および第二の(変調)電極8に印加した信号に応じて導波路5、6を伝播する光は位相変調を受け、合波導波路9で干渉する。
該干渉の結果、強度変調された光が出力導波路10を伝播し出力ファイバ11からモジュール12の外部に取り出される。
【0023】
ここで、第一の電極7と第二の電極8はそれぞれ独立しており、独立した変調信号を印加し、各々のアームを構成する導波路5,6を通過する導波光に独立した位相変調を付加することが可能である。
電極13,14、および電極14,15は、それぞれ(変調)電極7,8とペアをなすコプレーナ電極(CPW電極)の接地電極(GND電極)である。基板1のチップ端に設けた第一、第二の電極の入力端16,17はモジュール端に設けた高周波コネクタ18,19に接続され、RF信号を発生する駆動信号源である駆動ドライバ20の出力端21,22からの駆動信号を受ける。
ここで、不図示であるが、駆動信号はGND電位基準であり、GND電極13,14,15は、信号源側で高周波コネクタ18,19のGND端子に接続されている。
【0024】
駆動ドライバ20においては、出力トランジスタ23,24は差動接続され、共通接続したゲート端26に入力されるパルス信号(10Gbpsの擬似ランダム(PRBS)パルス列)に応じて、端子21と22に位相が180°シフトした差動信号V1(第一の出力)とV2(第二の出力)を出力する。27,28は出力トランジスタ23,24の出力インピーダンス、および負荷との接続をDC的に分離する結合コンデンサとからなるBIAS−Tである。
出力V1とV2の振幅は、BIAS−T27,28に印加するDC電圧電源29,30の出力電圧31,32に依存する。
【0025】
図2は、端子21,22での出力信号と端子26での駆動パルス信号との関係を説明する図である。端子21での出力信号が端子26でのパルス信号と図示の関係である場合、端子22の出力信号は、端子21の出力信号とは180°位相のずれた図示の位相関係を持つ波形となる。
各出力信号の振幅V1とV2は、DC電圧電源29,30の出力に依存した値を取り、それぞれ独立な値を取ることが可能である。
【0026】
該出力電圧V1,V2が変調電極に7,8に印加されると、MZ型干渉導波路のアーム部の導波路5,6において、印加電圧に応じた光位相シフトを生じ、合波部9にて両者が干渉し、相対位相差に対応した光強度変化信号となり出力導波路10、出力ファイバ11から出力される。
V1+V2=Vであるとし、図2のA点における光出力が1なる様にDCバイアスを印加すると、位相の反転した点Bでの光出力はゼロとなる。DCバイアスの印加方法については、後述する。
すなわち、LN光変調器の変調特性を説明する図3において、変調特性上の動作点がA’からB’にシフトする。
ここで、図3の横軸は、片方のアームの導波路に印加される印加電圧を基準とした際の他方のアームへの印加電圧の値を示し、縦軸は規格化した光出力を示す。
【0027】
αパラメータと印加電圧の関係は、各アームでの印加電圧当たりの位相変化量が同じである場合(一般的にはこの電極構成を採る)には次式で与えられる。
α=(V1−V2)/(V1+V2)
ここで、V1,V2は符号のない印加電圧の振幅値(peak to peak電圧)であり、αの符号は変調曲線の傾きに依存する。つまり、図3のグラフの曲線スロープ(slope)33ではα>0となり、スロープ34ではα<0となる。
【0028】
図1の35,36は、変調器電極を伝播してきたRF信号の電極端での反射をなくするための終端器であり、後述する手段を用いて該終端器側から、前述の変調時のスロープを設定し、かつ最適な光変調波形を形成するための動作点設定用として、DCバイアスを印加するためのDC電圧(DC1,DC2)をDC電源37,38から供給する。
【0029】
上記構成の光変調器において、α<0であるスロープ34を設定し、印加電圧の和V(=V1+V2)と印加電圧の比V1/V2を適切に選択することにより、従来のようなVをfull駆動する条件(V=Vpi(半波長電圧値)のように、印加電圧の和Vを半波長電圧にほぼ等しい状態で駆動すること)においては達成出来なかった、1620pS/nmのSMFにおける伝送ペナルティを2dB以下とすることを、実現することが可能であることを、我々は実験的に見出した。
【0030】
図4は、α=−1(V1またはV2のいずれかをゼロ)かつ出力波形(BTB)であるEYE波形のクロスポイント(cross−point)を50%とし、半波長電圧Vpi=4.5Vに対して印加電圧Vを変化させた場合の伝送ペナルティの変化を示すグラフである。
V/Vpi比が、0.83以下においては、伝送ペナルティが2dB以下となっており、該比が0.78以下では、伝送ペナルティが1dB以下となる。
このように、印加電圧の和Vを半波長電圧(Vpi)を超えない、又はVpiより小さな電圧とすることにより、伝送ペナルティに係る特性を各段に向上させることが可能となることが理解できる。
【0031】
また、図5は横軸をαとした伝送ペナルティであり、例えば、電圧V=0.75×Vpiの場合に、伝送ペナルティが2dB以下となる状態は、α<−0.3以下において達成されることを示している。
さらに、図6に示すように、BTBでのEYE波形のクロスポイントを通常設定される50%(図6a)ではなく、60%(図6b)のように、上昇させることにより、図5から理解できるように、大幅に伝送ペナルティを改善することができる。
SMFの長さが波長分散量1620pS/nm相当においては、出力波形のEYEのクロスポイントを50%から65%の間に設定すると伝送ペナルティの改善が見られ、特に50%から60%の間に設定すると改善効果が顕著に見られた。
また、RFパルス印加電圧の絶対値の総和VのVpiに対する比については、0.83から0.73の間である場合には、αが−0.2以下となる電圧比とすることによより、伝送ペナルティをほぼ2dB以下とすることが可能である。
【0032】
伝送ペナルティの改善に関しては、上述したように、例えば、印加電圧の和の値を半波長電圧より小さく、さらに/又は、EYE波形のクロスポイントを50%以上とする条件を、適切に組み合わせることにより、より効果的に伝送ペナルティを抑制することが可能となる
また、上記の光変調器の説明では、デュアル電極の各電極への印加電圧比を変化させてα値を設定しているが、片方のアームにのみに変調用の信号電極をおき、他方はGND電極とする、所謂、単一電極の場合においては、α値が約0.7の場合に相当する。
この場合、駆動条件によって伝送ペナルティが変化することは、上述のデュアル電極の場合と、内容は同様である。
さらに、電極に対する導波路の位置を変える、電極長を変える、導波路の断面積を変える等によっても、α値を変化させることが可能であり、これらのいずれの方法を利用した場合でも、上記の駆動条件を適用することは可能である。
【0033】
図7は、各アームの導波路に係る変調電極の電圧を変える手段を説明する他の例を示す。
この場合、出力インピーダンスであるBIAS−T(27,28)へのDC電源は共通かつ出力可変なDC電源37を用い、出力端子21,22とLN光変調器のRF入力端子18,19との間に減衰器38,39を挿入している。
該減衰器38,39の減衰比により、所望の電圧比V1/V2を設定し、印加電圧の和(V1+V2)については、DC電源37の出力電圧によって設定するように構成される。
【0034】
図8は、図1又は7に示されたRF終端器35,36の具体的内容を説明する図である。35,36は同一の形態であり、35を例に説明する。
40は変調電極7など進行波信号電極のend端、41,42は同様に進行波GND電極13,14のend端である。
終端器35は信号電極端40に接続する終端抵抗43(第1の抵抗、R1)とGND電極に接続するコンデンサ44,45(第2、第3のコンデンサ、C2,C3)とさらには接地電位であるケースに接続するコンデンサ46(第1のコンデンサ、C1)とからなりそれぞれの他端は共通点47に接続される。
終端抵抗43は電極のインピーダンスにほぼ一致した値であり、また、コンデンサ44,45は高周波成分を進行波電極に戻すための機能を有する小さな容量の高周波特性に優れたコンデンサである。また、コンデンサ46は大きな容量のコンデンサであり、低周波成分の戻りを担う。
該終端器によって、広い周波数帯域において反射の少ない進行波回路となる。
さらに、該終端器35は上記共通点47に接続され他端をモジュール12のDCポートコネクタ48に接続する抵抗器50(第2の抵抗、R2)を有する。
該抵抗器50を通してDC電圧を供給することにより、変調電極7に有効にDCバイアス電圧が掛かり、しかも、bias点の設定調整も容易となる。
なお、図8の説明において、終端器35における40,41,42,48に対応して、終端器36における関連する部位は、それぞれ51,52,53および49である。
【0035】
上述した終端器とDC電源の組み合わせは、特に、トランスポンダーのようなコンパクトな外形の光変調器モジュールが必要な場合には、好適に採用される。
通常、RFとDC電極とを一体とする図1又は7の様な場合には、RF信号源20側にDCバイアス電圧を付加するためのBIAS−Tを追加的に設けるのが一般的である。このような場合には、BIAS−Tのインダクタンス成分や、コンデンサの特性が駆動波形に大きな影響を与え、さらには形状が大きな素子でもあるために、性能上及び実装上の問題がある。
上述の終端器との組み合わせでは、このような欠点が解消され、コンパクトな光変調器モジュール構成を可能としている。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の光変調器によれば、10Gbit/Sの光伝送システムにおいても、従来不可能であった、1620pS/nmの波長分散を有するSMFの長さで、伝送ペナルティを2dB以下で伝送可能とすることができる。しかも、従来の光変調器に特段の装置や構成を付加することなく、このような優れた伝送特性を有する光変調器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる光変調器モジュールを説明する図。
【図2】印加電圧の位相関係を説明する図。
【図3】変調曲線(光出力)と印加電圧との関係を説明する図。
【図4】印加電圧の和と伝送ペナルティとの関係を示す図。
【図5】α値と伝送ペナルティとの関係を示す図。
【図6】EYE波形におけるクロスポイントの調整を説明する図。
【図7】本発明に関わる第2の光変調器モジュールを説明する図。
【図8】終端器の構成を説明する図。
【図9】従来の光変調器におけるα値依存の伝送距離と伝送ペナルティとの関係を説明する図。
【図10】通常のSMFの波長に対する群遅延量を説明する図。
【図11】αが負の場合(a)および正の場合(b)のパルスの立ち上がり、立下りにおける波長シフト現象を説明する図。
【符号の説明】
1  LN基板
2,4,5,6,9,10 導波路
3,11  ファイバ
12  光変調器モジュール
20  駆動ドライバ
27,28 BIAS−T
29,30 DC電源
38,37 DCバイアスのためのDC電源
35,36 終端器
38,39 減衰器

Claims (7)

  1. 電気光学効果を有する材料からなる基板と、該基板上に形成されたマッハツェンダー(MZ)型干渉導波路と、該MZ型干渉導波路中の分岐した2つの導波路の各々を通過する導波光の位相を互いに独立して変調させるための第一、第二の変調電極とを有する光変調器において、
    駆動信号源からの第一の出力を第一の変調電極に、第一の出力に対し位相の反転した第二の出力を第二の変調電極に印加すると共に、第一の変調電極の印加電圧振幅V1と第二の変調電極の印加電圧振幅V2との和(V1+V2)が半波長電圧を超えない、又は半波長電圧より小さい電圧であることを特徴とする光変調器。
  2. 請求項1に記載の光変調器において、第一の変調電極の印加電圧振幅V1と第二の変調電極の印加電圧振幅V2との比を変えてチャープを制御することを特徴とする光変調器。
  3. 請求項1又は2に記載の光変調器において、各変調電極に印加する電圧の印加電圧振幅V1、V2は、駆動信号源の出力差動段に設けられた電源電圧によって可変調整されることを特徴とする光変調器。
  4. 請求項1又は2に記載の光変調器において、各変調電極に印加する電圧の印加電圧振幅V1、V2は、駆動信号源の出力と該変調電極との間に設けられた電圧減衰器によって可変調整されることを特徴とする光変調器。
  5. 電気光学効果を有する材料からなる基板と、該基板上に形成されたマッハツェンダー(MZ)型干渉導波路と、該MZ型干渉導波路中の分岐した2つの導波路の各々を通過する導波光の位相を変調させるための第一、第二の変調電極とを有する光変調器において、
    駆動信号源からの出力を第一の変調電極に印加し、第二の変調電極を接地すると共に、第一の変調電極の印加電圧振幅Vが半波長電圧を超えない、又は半波長電圧より小さい電圧であることを特徴とする光変調器。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光変調器において、該光変調器からの出力光のEYE波形のクロスポイントが50%以上65%以下の範囲内にあることを特徴とする光変調器。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の光変調器において、変調電極と該変調電極の近傍に配置された接地電極によるコプレーナ電極を形成し、該変調電極の終端が抵抗・コンデンサ(RC)からなる交流結合型終端器を介して接地されると共に、
    該終端器は、該変調電極に接続される第1の抵抗(R1)と、該抵抗と該接地間に接続される第1のコンデンサ(C1)と、該第1の抵抗(R1)と第1のコンデンサ(C1)との接続点からコプレーナ電極を形成する接地電極へ接続される第2、第3のコンデンサ(C2,C3)と、該接続点に接続される第2の抵抗(R2)とを含み、
    該第2の抵抗(R2)の他端に、DCバイアスを調整するためのDC電圧を印加することを特徴とする光変調器。
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