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JP2004034122A - 巻取温度制御装置 - Google Patents

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JP2004034122A
JP2004034122A JP2002197737A JP2002197737A JP2004034122A JP 2004034122 A JP2004034122 A JP 2004034122A JP 2002197737 A JP2002197737 A JP 2002197737A JP 2002197737 A JP2002197737 A JP 2002197737A JP 2004034122 A JP2004034122 A JP 2004034122A
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Abstract

【課題】圧延材に対する冷却水量パターンを、圧延材の速度変化や冷却装置の入側温度変化を取り込んでオンラインで冷却水量を決めることによって、外乱の影響を低減することのできる巻取温度制御装置を提供する。
【解決手段】熱間圧延機で圧延された圧延材を、熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を目標値に制御する巻取温度制御装置において、圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、温度モデル及び熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、材料冷却単位毎にそれぞれ初期冷却長を演算する手段と、熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算による温度に対する検出温度の偏差と圧延機の設定計算による平均速度に対する検出平均速度の偏差とに関連付けて初期冷却長を補正する手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の熱間圧延において、圧延後に金属材料を冷却して所望の巻取温度にするための巻取温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延機の品質制御には、製品の寸法制御と圧延材の温度制御とがある。このうち、製品の寸法制御として、圧延材の幅方向中央部の板厚を制御する板厚制御、板幅制御、幅方向板厚分布を制御する板クラウン制御、圧延材の幅方向の伸びを制御する平坦度制御等がある。温度制御として仕上圧延機の出側の温度を制御する仕上圧延機の出側温度制御、巻取機前の温度を制御する巻取温度制御がある。
【0003】
熱間圧延機では、一般に、加熱炉、粗圧延機、仕上圧延機、冷却装置を備えた搬送テーブル(ROT:Run Out Table)及び巻取機が順に配置されている。代表的な圧延材の温度は、加熱炉出側で1200〜1250℃、粗圧延機出側で1100〜1150℃、仕上圧延機入側で1050〜1100℃、仕上圧延機出側で850〜900℃であり、巻取温度は500〜800℃である。材料の強度、靭性等の性質は殆どの場合、圧延材が仕上圧延機を出てから巻取機に到達するまでの冷却によって決定される。このため、巻取温度制御は材質の決定に非常に重要である。
【0004】
図7は従来の巻取温度制御装置の構成を適用対象と併せて示したブロック図である。同図において、圧延材1は、熱間圧延機としての仕上圧延機2で圧延された後、それぞれ図示を省略した搬送テーブルによって搬送され、ピンチロールで下流に案内されつつ巻取機で巻き取られる。仕上圧延機2の出側には仕上出側温度計(Finisher Delivery Thermometer:以下、FDTと略記する)5が設置され、ピンチロールの上流側に巻取温度計(Coiling Thermometer:以下、CTと略記する)6が設置されている。搬送テーブル上にはn個の冷却バンク(冷却装置単位)でなる冷却装置4が設置され、冷却バンクがそれぞれ冷却水を噴射して圧延材1を冷却する。なお、搬送テーブルは多数のロールを並べて回転させ、圧延材1を搬送する構成になっている。
【0005】
また、冷却バンクに設置されている冷却水を制御するバルブは開閉バルブであったり、流量制御バルブであったりするが、CT6に最も近い2〜3個の冷却バンクには、後述するフィードバック制御等をきめ細かく行うため、流量制御可能なバルブを設置したり、小容量の開閉バルブを多数個並べたりしている。
【0006】
冷却バンクの各バルブの開閉又は冷却水量を操作して巻取温度を制御するために巻取温度制御装置が設けられている。この巻取温度制御装置には、FDT5及びCT6の各温度検出値、仕上圧延機2の駆動電動機3に結合された図示省略の回転速度検出器の検出値、巻取機に結合された図示省略の回転速度検出器の検出値が取り込まれると共に、仕上圧延機設定計算手段からの仕上圧延機における仕上圧延機設定計算情報Sが取り込まれるようになっている。
【0007】
巻取温度制御装置は、主に、FDT5の真下の材料の温度に基づいて、目標巻取温度になるように上流の冷却バンクのバルブの開閉又は冷却水量を決める第1の系統と、目標巻取温度とCT6で検出された実績巻取温度との誤差を補正するようにCT6に近い冷却バンクのバルブの開閉又は冷却水量を決める第2の系統とで構成されている。
【0008】
このうち、第1の系統は温度モデル学習手段11、巻取温度設定計算手段12及びトラッキング手段13を備え、第2の系統はフィードバック制御手段14を備えている。
【0009】
以下、図7に示した巻取温度制御装置の動作について説明する。従来からの巻取温度制御方法では、圧延材1を仮想的に分割した切り板(以下、材料冷却単位と略記する)が仕上圧延機2の特定の圧延スタンド、例えば、第(m−j)スタンド(ここで、m:全スタンド数、j:冷却バンクの制御装置のバルブの開閉あるいは流量変更のむだ時間や応答遅れ等を補償するためのスタンド数)を通過する時点で、FDT5の真下にある材料の温度測定値及び仕上圧延機設定計算情報Sに基づいて、目標巻取温度になるように冷却に使用する冷却バンクを決めている。そのために、トラッキング手段13は回転速度検出器によって、圧延材1が巻取機に到達する以前、圧延材1の巻取中、圧延材1の尾端が仕上圧延機2を抜けた以降のいずれの状態においても、搬送テーブル上にある圧延材1の位置を検出している。
【0010】
温度モデル学習手段11はFDT5で検出された材料温度検出値及びCT6で検出された実績巻取温度に基づいて圧延材1の熱の出入りを表す温度モデルを学習し、材料温度の予測に必要な情報を巻取温度設定計算手段12に提供する。
【0011】
巻取温度設定計算手段12は、圧延材の先端からk番目の材料冷却単位が仕上圧延機2の第(m−j)スタンドに到達したタイミングで、このk番目の材料冷却単位に対して冷却バンクで冷却水を掛けたときの材料温度を予測し、予測された温度が目標巻取温度を達成するか否かを判定し、達成しないと判定すれば下流側のバンクをも使用するものとする。そして、再び材料温度を予測する。以上の動作を目標巻取温度を達成するまで繰り返す。
【0012】
なお、これらの計算を材料冷却単位が仕上圧延機2の第(m−j)スタンドに到達したタイミングで行う理由は、前述した如く、冷却バンクの制御装置にバルブの開閉あるいは流量変更にむだ時間や応答遅れがあり、また、演算時間が多くかかるからであり、これらの遅れを補償するためである。従って、これらの時間を短縮できれば第(m−j)スタンドより下流のスタンドを基準にしても良い。
【0013】
これにより、各材料冷却単位に加えるべき冷却流量が決まり、材料分割単位が第iバンクに到達したときに第iバンクに加えるべき冷却流量が供給されるように、トラッキング手段13でその材料冷却単位を追跡して、第iバンクのむだ時間分上流に到達したときに第iバンクの制御装置を操作する。
【0014】
次に、フィードバック制御手段14は巻取温度設定計算手段12から目標巻取温度情報を受け取り、目標巻取温度と実績巻取温度との差を求め、この差を零にするように、例えば、n−1番目の冷却バンク及びn番目の冷却バンクの流量を調整する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、圧延材1の先端が仕上圧延機2を抜けてから巻取機にて巻き取りを開始し、巻き取りを終了するまでの速度パターンは、図8に示すように、速度Vthにて通板され、巻取機にて巻き取りを開始してから所定の時間Δtaccを経過してから加速度αaccで加速され、一定の巻取速度Vrunにて巻き取りを継続し、残余の巻取長が所定値になった段階で、減速度αdecで減速し、巻取終了速度Vtailで所定時間Δtdec巻き取って巻取り工程を終了する。
【0016】
上述した従来の巻取温度制御装置では、材料冷却単位が搬送テーブルに進入する前に、この材料冷却単位に対する冷却水をいつどれだけ注水するかを決めていた。その後、冷却装置4の入側温度である仕上圧延機2の出側の温度が変化したり、仕上圧延機2の速度が変更されたり、あるいは、大きな外乱があったりすると、制御性能が少なからず劣化する。このような巻取温度の制御性能の劣化の対策として、例えば、特開平8−90036号公報に記載された「熱間圧延機巻取温度制御方法」や、特開平10−5845号公報に記載された「熱延鋼板の温度制御方法」が提案されている。
【0017】
このうち、前者は仕上圧延機の出側の圧延材の温度変化と、速度変更による巻取温度の変化とを分離して制御しようとするものであり、後者は圧延材の速度が変更された場合、予め決められている速度パターンと変更後の速度パターンとの平均値を求め、冷却流量を再計算するものである。このように、従来の巻取温度制御方法では、予期せぬ圧延材の速度変化や冷却装置の入側温度の変化に大変に弱く、その制御性能の劣化を克服することが困難であった。
【0018】
一方、温度モデル学習において、材料冷却単位をトラッキングして、各冷却バンク直下の実績冷却流量から実績温度に基づいて学習するが、冷却装置の故障や経年変化に対応した正確な流量とむだ時間を測定することができないため、温度モデルを正確に学習することは難しかった。
【0019】
また、正確なむだ時間を測定することができないため、第iバンクに加えるべき冷却流量を正確に供給することが難しかった。
【0020】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、圧延材に対する冷却水量パターンを、材料冷却単位が搬送テーブルに進入する前の一時機に決めるだけでなく、圧延材の速度変化や冷却装置の入側温度変化を取り込んでオンラインで冷却水量を決め、これに応じてバルブの操作を行うことによって、外乱の影響を低減することのできる巻取温度制御装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
熱間圧延機で圧延された圧延材を、熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を目標値に制御する巻取温度制御装置において、
熱間圧延機の速度検出値、熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、温度モデル及び熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、材料冷却単位毎にそれぞれ初期冷却長を演算する手段と、
熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算による温度に対する検出温度の偏差と圧延機の設定計算による平均速度に対する検出平均速度の偏差とに関連付けて初期冷却長を補正する手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項2に係る発明は、
熱間圧延機で圧延された圧延材を、熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を目標値に制御する巻取温度制御装置において、
熱間圧延機の速度検出値、熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、温度モデル及び熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、材料冷却単位毎にそれぞれ初期冷却長を演算すると共に、熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差と圧延機の設定計算による平均速度に対する検出平均速度の偏差とに関連付けて初期冷却長を補正する補正値を補正テーブルとして出力する巻取温度設定計算手段と、
圧延材の設定計算平均速度に対する検出平均速度の偏差を予測する速度偏差演算手段と、
材料冷却単位毎に、熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差を予測し、その位置を追跡するトラッキング手段と、
巻取温度設定計算手段から出力された補正テーブルを用いて、それぞれ予測された平均速度の偏差及び温度の偏差に対応する補正値によって、初期冷却長を補正する冷却長補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項3に係る発明は、
熱間圧延機で圧延された圧延材を、熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を温度目標値に制御する巻取温度制御装置において、
熱間圧延機の速度検出値、熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、温度モデル及び熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、材料冷却単位毎にそれぞれ冷却に使用する冷却バンクの冷却水量を設定すると共に、各冷却バンクにおける入側温度偏差に対する出側温度偏差の影響係数及び各冷却バンクの通過時間偏差に対する出側温度偏差の影響係数を演算する巻取温度設定計算手段と、
材料冷却単位毎にその位置を追跡するトラッキング手段と、
トラッキング手段によって追跡される材料冷却単位に対して、熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差及び巻取温度設定計算手段で演算された各影響係数に基づいて所定の冷却バンクが配置された位置の温度偏差を予測する温度偏差予測手段と、
予測された巻取機の入側温度偏差をゼロにするように、冷却水量を補正するフィードフォワード制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の巻取温度制御装置において、所定の冷却バンクはフィードフォワード制御用の冷却バンクであり、温度偏差予測手段は、フィードフォワード制御用の冷却バンクの応答遅れ時間分だけ上流に位置する冷却バンクの配置位置における温度偏差を予測することを特徴とする。
【0025】
請求項5に係る発明は、
熱間圧延機で圧延された圧延材を、熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を温度目標値に制御する巻取温度制御装置において、
熱間圧延機の速度検出値、熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、温度モデル及び熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、材料冷却単位毎にそれぞれ冷却に使用する冷却バンクの冷却水量を設定すると共に、巻取機前の圧延材の温度情報に基づいて、冷却バンクの冷却水量を再設定する巻取温度設定計算手段と、
熱間圧延機の速度検出値、熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び巻取温度設定計算手段で設定された冷却バンクの冷却水量に基づいて巻取機前における材料冷却単位の温度を予測し、巻取機前の温度情報として巻取温度設定計算手段に加えるトラッキング手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0026】
請求項6に係る発明は、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の巻取温度制御装置において、冷却バンク毎、又は、ひとまとまりの冷却バンク毎に流量計を設け、温度モデル学習手段は、冷却流量の操作量と流量計の検出値から冷却バンクの実績流量及び応答時間を計算して温度モデルを学習することを特徴とする。
【0027】
請求項7に係る発明は、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の巻取温度制御装置において、冷却バンク毎、又は、ひとまとまりの冷却バンク毎に流量計を設け、巻取温度設定計算手段は、冷却流量の操作量と流量計の検出値から冷却バンクの実績流量及び応答時間を計算して冷却長又は流量操作のタイミングを変えることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る巻取温度制御装置の第1の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図であり、図中、図7に示した従来装置と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここで、巻取温度設定計算手段12Aは、温度モデル学習手段11で学習した温度モデル及び仕上圧延機設定計算情報Sに基づいて、従来装置と同様に材料冷却単位毎にそれぞれ冷却に使用する冷却バンクの個数、すなわち、冷却長を決定する初期冷却長計算手段と、仕上圧延機2の出側の圧延材1の設定計算温度に対する検出温度の偏差と、各仕上圧延機2の設定計算平均速度に対する検出された速度から計算して得られる検出平均速度の偏差とに関連付けて冷却バンクを使用する個数の補正値を補正テーブルとして出力する冷却長補正量テーブル計算手段とを備える。速度偏差演算手段21は圧延材1の設定計算平均速度に対する検出平均速度の偏差を予測するものであり、トラッキング手段13Aは材料冷却単位毎に、仕上圧延機2の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差を予測し、その位置を追跡するものであり、冷却長補正手段22は巻取温度設定計算手段12Aから出力された補正テーブルを用いて、速度偏差演算手段21で予測された平均速度の偏差、トラッキング手段13Aで予測された温度偏差に対応する冷却バンクの補正値によって初期冷却長を補正するものである。これら以外は図7と同一に構成されている。
【0029】
上記のように構成された巻取温度制御装置の第1の実施形態の動作について以下に説明する。温度モデル学習手段11が学習すべき圧延材の熱の出入りを表す温度モデルは、例えば、次式によって表すことができる。
【0030】
【数1】
Figure 2004034122
ただし、
 :大気温度(K)
α :等価空冷熱伝達係数(kJ/m・s・K)
 :冷却水温(K)
α :等価水冷熱伝達係数(kJ/m・s・K)
 :テーブル温度(K)
α :等価テーブル熱伝達係数(kJ/m・s・K)
h :板厚(m)
φ :比熱(kJ/kg・K)
ρ :密度(kg/m
σ :ステファンボルツマン定数
ε :放射率(−)
 :変態発熱量(kJ/m・s)
T :圧延材温度(K)
t :時間(s)
である。
【0031】
上記(1)式の右辺第1項から第4項までは圧延材から熱が奪われることを示しており、このうち、第1項は圧延材の熱放射、第2項は大気への熱伝達、第3項は冷却水への熱伝達、第4項はテーブルロールへの熱伝達によるものである。右辺第5項は圧延材内部での変態発熱によるものである。なお、等価水冷熱伝達係数αは冷却流量の関数で表される。
【0032】
第iバンクの出側温度は、第iバンクの入側温度(第i−1バンクの出側温度)と、第iバンクの通過時間から次式のように計算する。
【0033】
【数2】
Figure 2004034122
ここで、時間積分の項は、例えば、ルンゲクッタ法などで近似計算する。
【0034】
上記(2)式中のtは次の関係式から求める。
【0035】
【数3】
Figure 2004034122
ただし、
Bi:iバンク出側温度(K)
 :iバンク通過時間(s)
 :iバンク長(m)
v :材料速度(m/s)
である。
【0036】
巻取温度設定計算手段12Aは上記の温度モデルを用いて仕上圧延機2の出側温度(搬送テーブルの入側温度)から、順に巻取機の入側温度を計算する。すなわち、巻取温度設定計算手段12Aを構成する初期冷却長計算手段では、圧延材1の先端の材料冷却単位に対して、温度モデル学習手段11で学習された温度モデルを用いて目標巻取温度を達成するような冷却パターンを演算して初期冷却長として出力する。冷却パターンの簡単なものとして、搬送テーブル上を冷却する部分と冷却しない部分とに分けたパターンがある。例えば、搬送テーブルの入側から冷却を開始するパターンが前段冷却と呼ばれ、搬送テーブルの途中から冷却を開始して搬送テーブルの出側まで冷却するパターンが後段冷却と呼ばれている。この場合、冷却する部分の長さ、すなわち、冷却長を操作することによって巻取温度を制御することになる。
【0037】
本実施形態では前段冷却を採用しており、材料冷却単位がFDT5の設置位置からCT6の設置位置まで移動するまでの冷却パターンは図2に示したようになる。図中、TFD SETは仕上圧延機2の出側の設定計算温度、T SETは巻取設定計算温度である。目標巻取温度を達成する冷却長の計算は、例えば、初めにある冷却長を仮定して、搬送テーブルの入側、すなわち、仕上圧延機2の出側から搬送テーブルの出側、すなわち、巻取機の入側までを、仕上圧延機設定計算情報Sの仕上圧延機出側温度及び圧延パターンから温度モデルを用いて巻取温度を予測する。この予測巻取温度が目標巻取温度よりも高い場合、冷却長を単位冷却長分長くし、反対に目標巻取温度よりも低い場合、冷却長を単位冷却長分短くして、巻取温度を再予測し、目標巻取温度に近くなるまで繰り返す。
【0038】
一方、巻取温度設定計算手段12Aを構成する冷却長補正量テーブル計算手段は、上記の温度モデルを用いて搬送テーブル入側の温度偏差ΔTBi−j及び平均速度偏差ΔVAVに対して目標巻取温度を達成するために必要な冷却長補正テーブルを演算する。この冷却長補正テーブルは、例えば、図3に示すように、目標巻取温度を達成するのに必要な単位冷却長の整数倍のテーブルとする。
【0039】
トラッキング手段13Aは圧延材1が搬送テーブルに進入する以前に材料冷却単位毎に入側温度偏差を予測し、CT6を通過するまでトラッキングする。速度偏差演算手段21は、仕上圧延機設定計算情報Sとして与えられる圧延材1の平均速度VAV SETと圧延機駆動電動機3に結合された図示省略の回転速度検出器の速度検出値VACTに基づく平均速度との偏差ΔVAVを次式に従って演算する。
【0040】
ΔAAV=VACT−VAV SET               (4)
ここで、
【数4】
Figure 2004034122
ただし、
ΔVAV:平均速度偏差(m/s)
L :全バンク長
SETA:搬送後での1〜iバンク長間の搬送時間
SETB:進入時点のi+1〜nバンク長間の搬送時間
ACT:測定値
である。
【0041】
冷却長補正手段22では、現在の冷却長から冷却装置4のむだ時間相当分の距離だけ前方の位置で、冷却長補正テーブルからトラッキング温度偏差ΔTBi−jと平均速度偏差ΔVAVに対する冷却長補正量(単位冷却長の整数倍)を求め、冷却長を補正する。
【0042】
フィードバック制御手段14は、CT6で測定した実績巻取温度と目標巻取温度との偏差を計算し、PI(比例積分)制御要素あるいはPID(比例積分微分)制御要素で構成されている。冷却水量を設定するのは、先ず、CT6に近いバンクをnとし、そのバンクの流量で不足すれば、バンクn−1、n−2へ遡る。また操作バンクからCT6までの圧延材1の移送によるむだ時間を補償するために、フィードバック制御手段14中にスミス法などのむだ時間補償機能を付加する場合もある。フィードバック制御の操作バンクでは、操作量として、冷却流量を増やす方向と、減らす方向の両方にしてあるため、初期設定時(圧延材先端部)は、フィードバック操作バルブの半分を操作するのが一般的である。
【0043】
温度モデル学習手段11では、実際に測定した仕上圧延機2の出側温度、回転速度、及び、冷却長から予測した巻取温度と、実際に測定した巻取温度との差を評価して、予測温度を実測温度に近付けるように補正する、例えば、等価水冷熱伝達係数α等の温度モデル学習項を演算する。
【0044】
かくして、本発明の第1の実施形態によれば、圧延材の平均速度偏差及び仕上圧延機の出側の温度により、冷却長を補正するようにしたので、圧延材の速度に手動介入があった場合でも、制御精度の良好な巻取温度制御装置を提供することができる。
【0045】
図4は本発明に係る巻取温度制御装置の第2の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図であり、図中、図7に示した従来装置と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、図7に示した巻取温度設定計算手段12の代わりに、材料冷却単位毎にそれぞれ冷却水量を演算する冷却水量計算手段と、各冷却バンクにおける入側温度偏差に対する出側温度偏差の影響係数及び各冷却バンクの通過時間偏差に対する出側温度偏差の影響係数を演算する制御パラメータ計算手段とを備える巻取温度設定計算手段12Bを設け、さらに、トラッキング手段13によって追跡される材料冷却単位に対して、仕上圧延機2の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差及び巻取温度設定計算手段12Bで演算された各影響係数に基づいて所定の冷却バンクが配置された位置の温度偏差を予測する温度偏差予測手段23と、この温度偏差予測手段23で予測された巻取機の入側温度偏差をゼロにするように、冷却水量を補正するフィードフォワード制御手段24とを新たに付加した構成になっている。
【0046】
上記のように構成された巻取温度制御装置の第2の実施形態の動作について以下に説明する。巻取温度設定計算手段12Bにおける冷却水量計算手段では、材料冷却単位に対して、温度モデルを用いて目標巻取温度を達成するような冷却水量(冷却パターン)を計算する。ここで、温度モデルf(例えば(2)式)を以下のように表す。
【0047】
【数5】
Figure 2004034122
一方、制御パラメータ計算手段では、各バンクでの入側温度偏差に対する出側温度偏差の影響係数、及び、バンクの通過時間に対する出側温度偏差の影響係数をそれぞれ次式のように演算する。
【0048】
【数6】
Figure 2004034122
温度偏差予測手段23では、材料温度偏差を仕上圧延機2の出側、すなわち、搬送テーブルの入口から、順に巻取機の入側まで予測する。具体的には、第iバンクの出側温度は、第iバンクの入側温度(i−1バンクの出側温度)と、第iバンクの通過時間とから次式のように予測する。
【0049】
【数7】
Figure 2004034122
ここで、各バンク通過時間は回転速度検出器で検出された回転速度から次式によって計算する。
【0050】
【数8】
Figure 2004034122
ただし、
ACT:iバンクでの実績速度
である。
【0051】
なお、第1バンク入側温度偏差は、FDT5によって測定された仕上圧延機2の出側の圧延材温度と仕上圧延機設定計算情報Sからの仕上圧延機2の出側設定温度との偏差と、FDT5から第1バンク入側までの通過時間とに基づいて予測する。
【0052】
トラッキング手段13では、フィードフォワード用のバンクから冷却装置4のむだ時間相当分の距離だけ上流の位置にくるのをトラッキングし、その時点の温度偏差を計算する。この位置以降の温度偏差の計算に必要な各バンクの通過時間は次式に従って計算する。
【0053】
【数9】
Figure 2004034122
ただし、
ACT:速度偏差予測時の実速度
である。
【0054】
フィードフォワード制御手段24は、フィードフォワード用のバンクから冷却装置4のむだ時間相当分の距離だけ上流の位置での、温度偏差予測手段23によって予測された材料冷却単位の温度偏差を用いて、フィードフォワード制御、すなわち、冷却水流量を補正する。
【0055】
かくして、本発明の第2の実施形態によれば、オンラインにて材料温度偏差を予測し、予測材料温度偏差によりフィードフォワード制御するようにしたので、圧延材の速度に手動介入があった場合でも、制御精度の良好な巻取温度制御装置を提供することができる。
【0056】
なお、搬送テーブル上に中間温度計を備える場合、その中間位置の前後で、搬送テーブルの上流(FDT5から中間温度計)と、下流(中間温度計からCT6)とに、それぞれ第2の実施形態と同様な2つの巻取温度制御装置を設けることによって制御精度をより一層高めることができる。
【0057】
図5は本発明に係る巻取温度制御装置の第3の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図であり、図中、図7に示した従来装置と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、図7に示した巻取温度設定計算手段12の機能に加えて、巻取機前の圧延材の温度情報に基づいて、冷却長を再設定する機能を有する巻取温度設定計算手段12Bと、圧延材1の速度検出値、FDT5の温度検出値及び巻取温度設定計算手段12Bで最初に計算された冷却長に基づいて巻取機前における材料冷却単位の温度を予測し、巻取機前の温度情報として再度巻取温度設定計算手段12Bに加えて冷却長の再計算に供するトラッキング手段13Bとを備えている。これ以外は図7と同一に構成されている。
【0058】
上記のように構成された巻取温度制御装置の第3の実施形態の動作について以下に説明する。圧延材1が搬送テーブルに進入する以前に、圧延材1を仮想的に適当な長さの材料冷却単位に区分し、トラッキング手段13Bは、それぞれFDT5によって測定された搬送テーブル入側の材料冷却単位の温度が各バンクを通過してCT6を通過するまでの温度をトラッキングする。巻取温度設定計算手段12Bでは、現在の冷却長から冷却装置4のむだ時間相当分の距離だけ上流の位置で、材料冷却単位に対して、実績データと温度モデルとを用いて目標巻取温度を達成するような冷却パターン(冷却水量)を再計算する。
【0059】
かくして、本発明の第3の実施形態によれば、オンラインにて冷却水流量を再計算するようにしたので、圧延材の速度に手動介入があった場合でも、制御精度の良好な巻取温度制御装置を提供することができる。
【0060】
なお、第3の実施形態では、材料冷却単位が搬送テーブルの入側に到達してから温度モデル学習手段11が冷却水量を再計算したが、材料冷却単位が搬送テーブルに進入する以前に、冷却水量を計算し、現在の冷却長から冷却装置のむだ時間相当分の距離だけ前方の位置で再計算しても良い。
【0061】
なおまた、搬送テーブル上に中間温度計を備える場合、その中間位置の前後で、搬送テーブルの上流(FDT5から中間温度計)と、下流(中間温度計からCT6)とに、それぞれ第3の実施形態と同様な2つの巻取温度制御装置を設けることによって制御精度をより一層高めることができる。この場合、中間温度に対する目標温度が設定される。この目標温度計算のタイミングを、流量計算のタイミングのようにしても良い。
【0062】
図6は本発明に係る巻取温度制御装置の第4の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図であり、図中、図7に示した従来装置と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、冷却バンク毎、又は、ひとまとまりの冷却バンク毎に流量計9を設け、実際の流量値を温度モデル学習手段11Aに加えるようにした点が図7と構成を異にしている。この場合、流量計9は小型で安価な超音波流量計等でなり、実際の流量をオンラインで測定する。温度モデル学習手段11Aでは、測定した仕上圧延機2の出側温度と、測定した回転速度と、測定した冷却流量とから予測した巻取温度と測定した巻取温度との差を評価して、予測温度を実測温度に近づけるように補正する温度モデル学習項を補正する。
【0063】
かくして、本発明の第4の実施形態によれば、流量計の実流量を用いて温度モデルを学習するので、冷却装置に故障や経年変化があった場合でも、制御精度の良好な巻取温度制御装置を提供することができる。
【0064】
なお、第4の実施形態において、設定流量と実績流量との時間差を測定し、オンラインで巻取温度制御に使用する冷却装置の応答遅れのパラメータを調整しても良い。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、材料冷却単位が搬送テーブルに進入する前の一時機に決めるだけでなく、圧延材の速度変化や冷却装置の入側温度変化を取り込んでオンラインで冷却水量を決め、これに応じてバルブの操作を行うことによって、外乱の影響を低減することのできる巻取温度制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る巻取温度制御装置の第1の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図。
【図2】図1に示した第1の実施形態の動作を説明するために、圧延材の位置と設定温度との関係を示した線図。
【図3】図1に示した第1の実施形態の動作を説明するための冷却長補正テーブルの説明図。
【図4】本発明に係る巻取温度制御装置の第2の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図。
【図5】本発明に係る巻取温度制御装置の第3の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図。
【図6】本発明に係る巻取温度制御装置の第4の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図。
【図7】従来の巻取温度制御装置の第4の実施形態の構成を適用対象と併せて示したブロック図。
【図8】一般的な巻取速度パターンを示す図。
【符号の説明】
1 圧延材
2 仕上圧延機
3 圧延機駆動電動機
4 冷却装置
5 仕上出側温度計(FDT)
6 巻取温度計(CT)
7 流量計
11,11A 温度モデル学習手段
12,12A,12B 巻取温度設定計算手段
13,13A,13B トラッキング手段
14 フィードバック制御手段
21 速度偏差演算手段
22 冷却長補正手段
23 温度偏差予測手段
24 フィードフォワード制御手段
S 仕上圧延機設定計算情報

Claims (7)

  1. 熱間圧延機で圧延された圧延材を、前記熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を目標値に制御する巻取温度制御装置において、
    前記熱間圧延機の速度検出値、前記熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び前記巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
    圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、温度モデル及び熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、前記材料冷却単位毎にそれぞれ初期冷却長を演算する手段と、
    前記熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算による温度に対する検出温度の偏差と前記圧延機の設定計算による平均速度に対する検出平均速度の偏差とに関連付けて前記初期冷却長を補正する手段と、
    を備えたことを特徴とする巻取温度制御装置。
  2. 熱間圧延機で圧延された圧延材を、前記熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を目標値に制御する巻取温度制御装置において、
    前記熱間圧延機の速度検出値、前記熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び前記巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
    圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、前記温度モデル及び前記熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、前記材料冷却単位毎にそれぞれ初期冷却長を演算すると共に、前記熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差と前記圧延機の設定計算による平均速度に対する検出平均速度の偏差とに関連付けて前記初期冷却長を補正する補正値を補正テーブルとして出力する巻取温度設定計算手段と、
    前記圧延材の設定計算平均速度に対する検出平均速度の偏差を予測する速度偏差演算手段と、
    前記材料冷却単位毎に、前記熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差を予測し、その位置を追跡するトラッキング手段と、
    前記巻取温度設定計算手段から出力された補正テーブルを用いて、それぞれ予測された平均速度の偏差及び温度の偏差に対応する補正値によって、前記初期冷却長を補正する冷却長補正手段と、
    を備えたことを特徴とする巻取温度制御装置。
  3. 熱間圧延機で圧延された圧延材を、前記熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を温度目標値に制御する巻取温度制御装置において、
    前記熱間圧延機の速度検出値、前記熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び前記巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
    圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、前記温度モデル及び前記熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、前記材料冷却単位毎にそれぞれ冷却に使用する前記冷却バンクの冷却水量を設定すると共に、前記各冷却バンクにおける入側温度偏差に対する出側温度偏差の影響係数及び前記各冷却バンクの通過時間偏差に対する出側温度偏差の影響係数を演算する巻取温度設定計算手段と、
    前記材料冷却単位毎にその位置を追跡するトラッキング手段と、
    前記トラッキング手段によって追跡される前記材料冷却単位に対して、前記熱間圧延機の出側の圧延材の設定計算温度に対する検出温度の偏差及び前記巻取温度設定計算手段で演算された各影響係数に基づいて所定の冷却バンクが配置された位置の温度偏差を予測する温度偏差予測手段と、
    予測された前記巻取機の入側温度偏差をゼロにするように、冷却水量を補正するフィードフォワード制御手段と、
    を備えたことを特徴とする巻取温度制御装置。
  4. 前記所定の冷却バンクはフィードフォワード制御用の冷却バンクであり、前記温度偏差予測手段は、前記フィードフォワード制御用の冷却バンクの応答遅れ時間分だけ上流に位置する前記冷却バンクの配置位置における温度偏差を予測することを特徴とする請求項3に記載の巻取温度制御装置。
  5. 熱間圧延機で圧延された圧延材を、前記熱間圧延機の出側に複数個設置された冷却バンクで冷却し、巻取機前の圧延材の温度を温度目標値に制御する巻取温度制御装置において、
    前記熱間圧延機の速度検出値、前記熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び前記巻取機前の圧延材の温度検出値に基づいて圧延材の熱の出入りを表す温度モデルを学習する温度モデル学習手段と、
    圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を材料冷却単位とし、前記温度モデル及び前記熱間圧延機の設定計算情報に基づいて、前記材料冷却単位毎にそれぞれ冷却に使用する前記冷却バンクの冷却水量を設定すると共に、巻取機前の圧延材の温度情報に基づいて、前記冷却バンクの冷却水量を再設定する巻取温度設定計算手段と、
    前記熱間圧延機の速度検出値、前記熱間圧延機の出側における圧延材の温度検出値及び前記巻取温度設定計算手段で設定された前記冷却バンクの冷却水量に基づいて前記巻取機前における前記材料冷却単位の温度を予測し、前記巻取機前の温度情報として前記巻取温度設定計算手段に加えるトラッキング手段と、
    を備えたことを特徴とする巻取温度制御装置。
  6. 前記冷却バンク毎、又は、ひとまとまりの前記冷却バンク毎に流量計を設け、前記温度モデル学習手段は、冷却流量の操作量と前記流量計の検出値から前記冷却バンクの実績流量及び応答時間を計算して温度モデルを学習することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の巻取温度制御装置。
  7. 前記冷却バンク毎、又は、ひとまとまりの前記冷却バンク毎に流量計を設け、前記巻取温度設定計算手段は、冷却流量の操作量と前記流量計の検出値から前記冷却バンクの実績流量及び応答時間を計算して冷却長又は流量操作のタイミングを変えることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の巻取温度制御装置。
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