JP2004034080A - 傾動鋳造用砂型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型製作コストを嵩むことなく量産効率を高めることのできる傾動鋳造用砂型装置を提供する。
【解決手段】本発明の傾動鋳造用砂型装置は、溶湯口5に通じるキャビティ4を有しかつ溶湯口5に臨んで注湯受け皿部材9が設けられた砂主型1の材料として硬化性の鋳物砂が用いられている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の傾動鋳造用砂型装置は、溶湯口5に通じるキャビティ4を有しかつ溶湯口5に臨んで注湯受け皿部材9が設けられた砂主型1の材料として硬化性の鋳物砂が用いられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶湯口に通じるキャビティを有しかつ溶湯口に臨んで注湯受け皿部材が設けられた砂主型を傾動させて鋳物を製造する傾動鋳造用砂型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、傾動鋳造用砂型装置には、溶湯口に通じるキャビティを有する砂主型の枠部に注湯受け皿部材を設け、注湯受け皿部材に溶湯を貯留し、傾動鋳造用砂型装置を傾動させて、溶湯口から溶湯をキャビティに流し込み、鋳物を製造する傾動鋳造用砂型装置が知られている(特開平2−175065号公報)。
【0003】
この従来の傾動鋳造用砂型装置は、砂主型を破壊して鋳物を取り出す方式であるので、砂主型の再利用が不可能で、生産効率の面でいま一つ芳しくなく、大量生産に不向きであるという不具合がある。
【0004】
そこで、溶湯口に通じるキャビティを有しかつ溶湯口に臨んで注湯受け皿部材が設けられた傾動用金型を傾動させて鋳物を製造する傾動鋳造用金型が提案されている。
【0005】
この傾動鋳造用金型は、この金型を何度も利用して鋳物の製造をすることができ、その鋳物の寸法精度も良好でかつ鋳肌もきれいなので、大量生産に向いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋳物によっては、その鋳物が凝固するまでには、60秒ないし150秒と結構長い時間がかかるものがあり、この間の時間は、傾動用金型を維持しておかなければならず、量産効率を高めるためには、傾動用金型を多数準備する必要があり、金型製作コストが嵩むという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、金型製作コストが嵩むことなく量産効率を高めることのできる傾動鋳造用砂型装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、溶湯口に通じるキャビティを有しかつ注湯受け皿部材を溶湯口に臨ませた砂主型が分割可能な下砂型と上砂型とから構成され、前記砂主型の材料として硬化性の鋳物砂が用いられていることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記硬化性の鋳物砂が熱硬化性であり、シェルモールド法によって焼成されて硬化されることを特徴とする請求項1に記載の傾動鋳造用砂型装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記硬化性の鋳物砂が自硬性であり、アシュランド法又はコールドボックス法によって硬化されることを特徴とする請求項1に記載の傾動鋳造用砂型装置である。
【0011】
請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、砂主型の材料に硬化性の鋳物砂を用いて砂主型を破壊することなく鋳物を取り出すことができるようにしたので、この砂主型の再利用を図ることができることになり、金型製作コストが嵩むことなく量産効率を高めることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、一対の分割型から構成されて溶湯口に通じるキャビティを有しかつ該溶湯口に臨んで注湯受け皿部材が設けられしかも硬化性の鋳物砂を用いて形成された砂主型と、該砂主型の外形状に対応する形状でかつ前記砂主型がセットされる砂型収容凹所と該砂主型を加圧しつつ保持する加圧保持機構とを有して傾動される保持型とからなることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、一対の分割型から構成されて溶湯口に通じるキャビティを有しかつ硬化性の鋳物砂を用いて形成された砂主型と、該砂主型の外形状に対応する形状でかつ前記砂主型がセットされる砂型収容凹所と該砂主型を加圧しつつ保持する加圧保持機構と前記溶湯口に臨んで設けられた注湯受け皿部材とを有して傾動される保持型とからなることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記一対の分割型はそのパーティング面に位置決め用の係合部が形成され、前記加圧保持機構は、前記分割型を加圧する加圧ピンと前記砂主型を加圧する加圧スプリングとからなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の傾動鋳造用砂型装置である。
【0015】
請求項4ないし請求項6に記載の発明によれば、砂主型を保持型にセットし、砂主型に溶湯を注湯することにしたので、砂主型に注湯後、溶湯がキャビティ内で硬化する前に砂主型を保持型から取り外して、次の砂主型を保持型にセットすることができ、保持型の利用効率を高めることができる。
【0016】
また、砂主型のパーティング面の背面側を加圧して鋳物を製造することにしたので、溶湯をキャビティに注湯した直後に、溶湯が砂主型のパーティング面から漏れ出ることを防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
【発明の実施の形態1】
図1、図2は本発明の実施の形態1の説明図である。
【0019】
図1、図2において、1は砂主型である。この砂主型1は下砂型2と上砂型3とから構成されている。砂主型1はキャビティ4と溶湯口5とを有する。そのキャビティ4内には、ここでは、自動車用のインテークマニホールドを形成するための中子6が配置されている。
【0020】
上砂型3にはその溶湯口5に押し湯部7が設けられている。下砂型2には取り付け部材8が設けられ、この取り付け部材8には注湯受け皿部材9が設けられている。この注湯受け皿部材9は、金属製容器に耐火物層が設けられており、この中には溶湯10が貯留される。
【0021】
下砂型2には位置決め用係合部としての複数個の位置決め突起11が形成され、上砂型3には位置決め突起11に嵌合する位置決め用係合部としての位置決め凹部12が形成されている。この位置決め突起11と位置決め凹部12とを嵌合させることによって、下砂型2と上砂型3とは互いにそのパーティング面13が突き合わされて接合される。
【0022】
ここでは、この砂主型1の材料には硬化性の鋳物砂が用いられている。
この硬化性の鋳物砂は熱硬化性であり、シェルモールド法によって焼成されて硬化形成される。しかし、この砂主型1の材料に自硬性の鋳物砂を用い、アシュランド法又はコールドボックス法によって硬化形成しても良い。
【0023】
このものによれば、図1に示す砂主型1が図示しない保持手段によって固定されており、矢印A方向に傾動させて、図2に示すように溶湯口5を起こすことにより、注湯受け皿部材9内の溶湯10が溶湯口5からキャビティ4に注がれる。この砂主型1を起こした状態で、自然放置すれば溶湯10が固化し、鋳物が製造されるから、その後、傾動状態を元の状態へ復帰させる。その際、押し湯部7は溶湯10の収縮に伴ってキャビティ4内に溶湯10を補給する。
【0024】
この砂主型1から鋳造された鋳物を取り出すには、砂主型1を固定する保持手段を解除し、傾動鋳造機構から取り出す。その後、下砂型2と上砂型3とを分離装置によって離脱させ、この分離された砂主型1から鋳物のみを取り出す。
【0025】
砂主型1は、例えば、図3に示すように、溶湯に接触した部分の表層面2Aが熱分解によって剥離されるから、残った他の部分2Bをバック型とし、砂主型1の成形型20内に配置して、表層面2Aのみを再成形することができる。その結果、砂主型1の再利用を図ることができ、この砂主型1を多数準備すれば、比較的効率のよい連続鋳造ができるから、簡易の量産体制が整えられる。
【0026】
【発明の実施の形態2】
図4、図5は本発明の実施の形態2の説明図である。
【0027】
図4、図5は図1、図2に示す砂主型1を保持型14にセットして、傾動鋳造を行う構成としたものである。
【0028】
保持型14は下金型15と上金型16とから構成されている。この保持型14は砂主型収容凹所17とイジェクト機構18と加圧機構19とを有している。この砂主型収容凹所17は一部または全部が砂主型1の外形形状に対応する形状を有している。
【0029】
イジェクト機構18は、イジェクト板20、イジュクトピン21、付勢バネ22から構成されており、図示外の流体シリンダにより駆動されている。イジュクトピン21はイジェクト板20に固定されて、砂主型収容凹所17にその先端が進出して下砂型2に当接可能とされている。押し出し付勢バネ22はイジェクト板20をそのイジュクトピン21の先端が砂主型収容凹所17に進出する方向に付勢している。
【0030】
加圧機構19は加圧ピン取り付け板23と加圧付勢バネ24と加圧ピン25とから構成されている。加圧ピン25は加圧ピン取り付け板23に固定されて、砂主型収容凹所17にその先端が進出して上砂型3に当接可能とされている。加圧付勢バネ24は加圧ピン取り付け板23をその加圧ピン25の先端が砂主型収容凹所17に進出する方向に付勢している。
【0031】
下金型15には取り付け部材26が固定されている。この取り付け部材26には注湯受け皿部材9が固定され、注湯受け皿部材9には溶湯10が貯留されている。
【0032】
この保持型14には溶湯口5に通じる通路27が形成され、砂主型1を保持型14にセットした状態で、保持型14を傾動させて図4に示すように溶湯口5を起こすと、通路27から溶湯10が溶湯口5を通じてキャビティ4に注湯され、キャビティ4内に溶湯10が充填される。
【0033】
溶湯10のキャビティ4内への充填後、溶湯表面の硬化時間が得られれば、保持型14を再び傾動させて元の位置に戻し、保持型14を分離して砂主型1を取り外し、注湯された砂主型1のみを搬送ライン上に自然放置し、溶湯10を冷却させる。
【0034】
分離した保持型14には、次の砂主型1を再セットすることにより、保持型14を再利用することができる。また、砂主型1も分解して鋳物を取り出すことにより、再利用することができる。
【0035】
なお、このイジュクトピン21には、必ずしもイジェクト板20を設ける必要はなく、これだけのみを単独で設ける構成としてもよい。
【0036】
また、加圧ピン25は、後述するように、砂主型1の背面を加圧する圧力の調整が可能となるように構成してもよい。
【0037】
また、通路27については、注湯受け皿部材9と一体成型するか、若しくは保持枠(保持手段)または砂主型1と一体形成させてもよい。
【0038】
【実施の形態3】
図6に示す傾動鋳造用砂型装置では、砂主型1を狭持するための手段として、実施の形態2のような保持型14を用いる代わりに、鋏み機構100を備えている。
【0039】
この傾動鋳造用砂型装置では、鋏み機構100に、載置基板101と、加圧保持手段102とを備えている。この加圧保持手段102は、支持体103と、この支持体103に設けた保持部材104と加圧ピン25の調整ねじ25Aとの間に保持された圧縮バネ105とを備えている。
【0040】
加圧ピン25には、雄ねじが切られたねじ部を有しており、このねじ部に調整ねじ25Aが螺合されている。
【0041】
従って、この実施の形態3によれば、調整ねじ25Aを適宜調整して圧縮バネ105による付勢力を調整できるので、砂主型1の締付力を調整できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成したので、簡単な金属保持枠に砂型を脱着するのみで、かつ、注湯後、砂型のみにて冷却することができるから、金型製作コストを嵩むことなく量産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の説明図であって、砂主型の傾動前の状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1の説明図であって、砂主型の傾動後の状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における表面層の焼損状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2の説明図であって、保持型の傾動前の状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2の説明図であって、保持型の傾動後の状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3の説明図であって、砂主型の傾動前の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 砂主型
4 キャビティ
5 溶湯口
9 注湯受け皿部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶湯口に通じるキャビティを有しかつ溶湯口に臨んで注湯受け皿部材が設けられた砂主型を傾動させて鋳物を製造する傾動鋳造用砂型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、傾動鋳造用砂型装置には、溶湯口に通じるキャビティを有する砂主型の枠部に注湯受け皿部材を設け、注湯受け皿部材に溶湯を貯留し、傾動鋳造用砂型装置を傾動させて、溶湯口から溶湯をキャビティに流し込み、鋳物を製造する傾動鋳造用砂型装置が知られている(特開平2−175065号公報)。
【0003】
この従来の傾動鋳造用砂型装置は、砂主型を破壊して鋳物を取り出す方式であるので、砂主型の再利用が不可能で、生産効率の面でいま一つ芳しくなく、大量生産に不向きであるという不具合がある。
【0004】
そこで、溶湯口に通じるキャビティを有しかつ溶湯口に臨んで注湯受け皿部材が設けられた傾動用金型を傾動させて鋳物を製造する傾動鋳造用金型が提案されている。
【0005】
この傾動鋳造用金型は、この金型を何度も利用して鋳物の製造をすることができ、その鋳物の寸法精度も良好でかつ鋳肌もきれいなので、大量生産に向いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋳物によっては、その鋳物が凝固するまでには、60秒ないし150秒と結構長い時間がかかるものがあり、この間の時間は、傾動用金型を維持しておかなければならず、量産効率を高めるためには、傾動用金型を多数準備する必要があり、金型製作コストが嵩むという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、金型製作コストが嵩むことなく量産効率を高めることのできる傾動鋳造用砂型装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、溶湯口に通じるキャビティを有しかつ注湯受け皿部材を溶湯口に臨ませた砂主型が分割可能な下砂型と上砂型とから構成され、前記砂主型の材料として硬化性の鋳物砂が用いられていることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記硬化性の鋳物砂が熱硬化性であり、シェルモールド法によって焼成されて硬化されることを特徴とする請求項1に記載の傾動鋳造用砂型装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記硬化性の鋳物砂が自硬性であり、アシュランド法又はコールドボックス法によって硬化されることを特徴とする請求項1に記載の傾動鋳造用砂型装置である。
【0011】
請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、砂主型の材料に硬化性の鋳物砂を用いて砂主型を破壊することなく鋳物を取り出すことができるようにしたので、この砂主型の再利用を図ることができることになり、金型製作コストが嵩むことなく量産効率を高めることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、一対の分割型から構成されて溶湯口に通じるキャビティを有しかつ該溶湯口に臨んで注湯受け皿部材が設けられしかも硬化性の鋳物砂を用いて形成された砂主型と、該砂主型の外形状に対応する形状でかつ前記砂主型がセットされる砂型収容凹所と該砂主型を加圧しつつ保持する加圧保持機構とを有して傾動される保持型とからなることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、一対の分割型から構成されて溶湯口に通じるキャビティを有しかつ硬化性の鋳物砂を用いて形成された砂主型と、該砂主型の外形状に対応する形状でかつ前記砂主型がセットされる砂型収容凹所と該砂主型を加圧しつつ保持する加圧保持機構と前記溶湯口に臨んで設けられた注湯受け皿部材とを有して傾動される保持型とからなることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記一対の分割型はそのパーティング面に位置決め用の係合部が形成され、前記加圧保持機構は、前記分割型を加圧する加圧ピンと前記砂主型を加圧する加圧スプリングとからなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の傾動鋳造用砂型装置である。
【0015】
請求項4ないし請求項6に記載の発明によれば、砂主型を保持型にセットし、砂主型に溶湯を注湯することにしたので、砂主型に注湯後、溶湯がキャビティ内で硬化する前に砂主型を保持型から取り外して、次の砂主型を保持型にセットすることができ、保持型の利用効率を高めることができる。
【0016】
また、砂主型のパーティング面の背面側を加圧して鋳物を製造することにしたので、溶湯をキャビティに注湯した直後に、溶湯が砂主型のパーティング面から漏れ出ることを防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
【発明の実施の形態1】
図1、図2は本発明の実施の形態1の説明図である。
【0019】
図1、図2において、1は砂主型である。この砂主型1は下砂型2と上砂型3とから構成されている。砂主型1はキャビティ4と溶湯口5とを有する。そのキャビティ4内には、ここでは、自動車用のインテークマニホールドを形成するための中子6が配置されている。
【0020】
上砂型3にはその溶湯口5に押し湯部7が設けられている。下砂型2には取り付け部材8が設けられ、この取り付け部材8には注湯受け皿部材9が設けられている。この注湯受け皿部材9は、金属製容器に耐火物層が設けられており、この中には溶湯10が貯留される。
【0021】
下砂型2には位置決め用係合部としての複数個の位置決め突起11が形成され、上砂型3には位置決め突起11に嵌合する位置決め用係合部としての位置決め凹部12が形成されている。この位置決め突起11と位置決め凹部12とを嵌合させることによって、下砂型2と上砂型3とは互いにそのパーティング面13が突き合わされて接合される。
【0022】
ここでは、この砂主型1の材料には硬化性の鋳物砂が用いられている。
この硬化性の鋳物砂は熱硬化性であり、シェルモールド法によって焼成されて硬化形成される。しかし、この砂主型1の材料に自硬性の鋳物砂を用い、アシュランド法又はコールドボックス法によって硬化形成しても良い。
【0023】
このものによれば、図1に示す砂主型1が図示しない保持手段によって固定されており、矢印A方向に傾動させて、図2に示すように溶湯口5を起こすことにより、注湯受け皿部材9内の溶湯10が溶湯口5からキャビティ4に注がれる。この砂主型1を起こした状態で、自然放置すれば溶湯10が固化し、鋳物が製造されるから、その後、傾動状態を元の状態へ復帰させる。その際、押し湯部7は溶湯10の収縮に伴ってキャビティ4内に溶湯10を補給する。
【0024】
この砂主型1から鋳造された鋳物を取り出すには、砂主型1を固定する保持手段を解除し、傾動鋳造機構から取り出す。その後、下砂型2と上砂型3とを分離装置によって離脱させ、この分離された砂主型1から鋳物のみを取り出す。
【0025】
砂主型1は、例えば、図3に示すように、溶湯に接触した部分の表層面2Aが熱分解によって剥離されるから、残った他の部分2Bをバック型とし、砂主型1の成形型20内に配置して、表層面2Aのみを再成形することができる。その結果、砂主型1の再利用を図ることができ、この砂主型1を多数準備すれば、比較的効率のよい連続鋳造ができるから、簡易の量産体制が整えられる。
【0026】
【発明の実施の形態2】
図4、図5は本発明の実施の形態2の説明図である。
【0027】
図4、図5は図1、図2に示す砂主型1を保持型14にセットして、傾動鋳造を行う構成としたものである。
【0028】
保持型14は下金型15と上金型16とから構成されている。この保持型14は砂主型収容凹所17とイジェクト機構18と加圧機構19とを有している。この砂主型収容凹所17は一部または全部が砂主型1の外形形状に対応する形状を有している。
【0029】
イジェクト機構18は、イジェクト板20、イジュクトピン21、付勢バネ22から構成されており、図示外の流体シリンダにより駆動されている。イジュクトピン21はイジェクト板20に固定されて、砂主型収容凹所17にその先端が進出して下砂型2に当接可能とされている。押し出し付勢バネ22はイジェクト板20をそのイジュクトピン21の先端が砂主型収容凹所17に進出する方向に付勢している。
【0030】
加圧機構19は加圧ピン取り付け板23と加圧付勢バネ24と加圧ピン25とから構成されている。加圧ピン25は加圧ピン取り付け板23に固定されて、砂主型収容凹所17にその先端が進出して上砂型3に当接可能とされている。加圧付勢バネ24は加圧ピン取り付け板23をその加圧ピン25の先端が砂主型収容凹所17に進出する方向に付勢している。
【0031】
下金型15には取り付け部材26が固定されている。この取り付け部材26には注湯受け皿部材9が固定され、注湯受け皿部材9には溶湯10が貯留されている。
【0032】
この保持型14には溶湯口5に通じる通路27が形成され、砂主型1を保持型14にセットした状態で、保持型14を傾動させて図4に示すように溶湯口5を起こすと、通路27から溶湯10が溶湯口5を通じてキャビティ4に注湯され、キャビティ4内に溶湯10が充填される。
【0033】
溶湯10のキャビティ4内への充填後、溶湯表面の硬化時間が得られれば、保持型14を再び傾動させて元の位置に戻し、保持型14を分離して砂主型1を取り外し、注湯された砂主型1のみを搬送ライン上に自然放置し、溶湯10を冷却させる。
【0034】
分離した保持型14には、次の砂主型1を再セットすることにより、保持型14を再利用することができる。また、砂主型1も分解して鋳物を取り出すことにより、再利用することができる。
【0035】
なお、このイジュクトピン21には、必ずしもイジェクト板20を設ける必要はなく、これだけのみを単独で設ける構成としてもよい。
【0036】
また、加圧ピン25は、後述するように、砂主型1の背面を加圧する圧力の調整が可能となるように構成してもよい。
【0037】
また、通路27については、注湯受け皿部材9と一体成型するか、若しくは保持枠(保持手段)または砂主型1と一体形成させてもよい。
【0038】
【実施の形態3】
図6に示す傾動鋳造用砂型装置では、砂主型1を狭持するための手段として、実施の形態2のような保持型14を用いる代わりに、鋏み機構100を備えている。
【0039】
この傾動鋳造用砂型装置では、鋏み機構100に、載置基板101と、加圧保持手段102とを備えている。この加圧保持手段102は、支持体103と、この支持体103に設けた保持部材104と加圧ピン25の調整ねじ25Aとの間に保持された圧縮バネ105とを備えている。
【0040】
加圧ピン25には、雄ねじが切られたねじ部を有しており、このねじ部に調整ねじ25Aが螺合されている。
【0041】
従って、この実施の形態3によれば、調整ねじ25Aを適宜調整して圧縮バネ105による付勢力を調整できるので、砂主型1の締付力を調整できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成したので、簡単な金属保持枠に砂型を脱着するのみで、かつ、注湯後、砂型のみにて冷却することができるから、金型製作コストを嵩むことなく量産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の説明図であって、砂主型の傾動前の状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1の説明図であって、砂主型の傾動後の状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における表面層の焼損状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2の説明図であって、保持型の傾動前の状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2の説明図であって、保持型の傾動後の状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3の説明図であって、砂主型の傾動前の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 砂主型
4 キャビティ
5 溶湯口
9 注湯受け皿部材
Claims (6)
- 溶湯口に通じるキャビティを有しかつ注湯受け皿部材を溶湯口に臨ませた砂主型が分割可能な下砂型と上砂型とから構成され、前記砂主型の材料として硬化性の鋳物砂が用いられていることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置。
- 前記硬化性の鋳物砂が熱硬化性であり、シェルモールド法によって焼成されて硬化されることを特徴とする請求項1に記載の傾動鋳造用砂型装置。
- 前記硬化性の鋳物砂が自硬性であり、アシュランド法又はコールドボックス法によって硬化されることを特徴とする請求項1に記載の傾動鋳造用砂型装置。
- 一対の分割型から構成されて溶湯口に通じるキャビティを有しかつ該溶湯口に臨んで注湯受け皿部材が設けられしかも硬化性の鋳物砂を用いて形成された砂主型と、該砂主型の外形状に対応する形状でかつ前記砂主型がセットされる砂主型収容凹所と該砂主型を加圧しつつ保持する加圧保持機構とを有して傾動される保持型とからなることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置。
- 一対の分割型から構成されて溶湯口に通じるキャビティを有しかつ硬化性の鋳物砂を用いて形成された砂主型と、該砂主型の外形状に対応する形状でかつ前記砂主型がセットされる砂主型収容凹所と該砂主型を加圧しつつ保持する加圧保持機構と前記溶湯口に臨んで設けられた注湯受け皿部材とを有して傾動される保持型とからなることを特徴とする傾動鋳造用砂型装置。
- 前記一対の分割型はそのパーティング面に位置決め用の係合部が形成され、前記加圧保持機構は、前記分割型を加圧する加圧ピンと前記主砂型を加圧する加圧スプリングとからなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の傾動鋳造用砂型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002194109A JP2004034080A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 傾動鋳造用砂型装置 |
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ID=31702882
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JP2002194109A Pending JP2004034080A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 傾動鋳造用砂型装置 |
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JP (1) | JP2004034080A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007083293A (ja) * | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Aisin Takaoka Ltd | 可傾鋳造装置 |
CN110947937A (zh) * | 2019-11-29 | 2020-04-03 | 中国第一汽车股份有限公司 | 铝合金缸盖的砂模组芯重力倾转铸造方法 |
-
2002
- 2002-07-03 JP JP2002194109A patent/JP2004034080A/ja active Pending
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