JP2004033829A - バッキング製造方法及び超音波振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】リードアレイが埋設されたバッキングを簡便に作成する。また、電気的なクロストークを低減する。
【解決手段】吸収材に対して複数のX溝が形成され、その内部に導電材が充填される。その後、複数のY溝が形成され、各Y溝には吸収材が充填される。これによって、リードアレイを内蔵したバッキング108が構成される。そのバッキング108にさらに各リードを取り囲むマトリックスシールドを内蔵させるようにしてもよい。
【選択図】 図8
【解決手段】吸収材に対して複数のX溝が形成され、その内部に導電材が充填される。その後、複数のY溝が形成され、各Y溝には吸収材が充填される。これによって、リードアレイを内蔵したバッキング108が構成される。そのバッキング108にさらに各リードを取り囲むマトリックスシールドを内蔵させるようにしてもよい。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面側への不要な超音波を吸収するバッキングの製造方法及びそのようなバッキングを有する超音波振動子に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
近年、振動素子を二次元的に配列してなる2Dアレイ振動子が提案されている。この2Dアレイ振動子によれば、超音波ビームを二次元走査して三次元エコーデータの取込みを行える。また、2Dアレイ振動子とは異なる1.5Dアレイ振動子も知られている。1.5Dアレイ振動子は、基本的には1Dアレイ振動子であるが、電子走査方向と直交するエレベーション方向にも5個、7個といった複数個の振動素子を並べ、それらを利用してエレベーション方向において超音波ビームパターンの調整を電子的に行うものである。
【0003】
いずれにしても、かかるアレイ振動子においては、各振動素子に対して信号線(リード)をどのように接続するのかが問題となる。従来において、アレイ振動子の下面側に多層のフレキシブル回路基板を設ける方法などが提案されているが、配線が密集してクロストークが大きくなるという問題がある。
【0004】
一方、バッキング層に複数のリードを挿入する方法も提案されている。しかし、リード線の本数が極めて多いために、それらを個別的に埋設するのではその製造が煩雑で、製造コストの増大を招く。
【0005】
例えば、米国特許第5648942号には、リードに相当する複数の凸部がアレイ状に起立形成された導電性材料に対し、バッキング材料を充填固化させることによりバッキング層を形成することが開示されている。しかしながら、各凸部を自立させるために、各凸部を細く形成するのが困難であるという問題がある。
【0006】
一方、従来において、各リード間におけるクロストークをより低減することが要望されている。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、リードアレイが埋設されたバッキングを簡便に作製し、これによって製造コストを低減することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、良好な超音波吸収作用をもったリードアレイ内蔵型のバッキングを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、バッキングに埋設される各リードを細くできるようにすることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、バッキングに埋設されるリード間のクロストークを低減することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材に対し、X方向に伸長した少なくとも1つのX溝を形成する工程と、前記X溝内に導電性をもったリード材料を充填する工程と、前記リード材料が充填された母材に対し、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、母材に対してX溝が形成され、そこにリード材料が充填される。その後、母材に対して複数のY溝を形成すると、X溝中のリード材料が複数の要素つまり複数のリードに分割される。その後、各Y溝にバッキング材料が充填される。この製造プロセスによれば、Y溝の形成によって複数のリードが形成された時点で、各リードは母材(バッキング材料)に挟まれた状態(支持された状態)となるので、各リードを単独で起立させることなくリードアレイを形成できる。よって、製造過程におけるリードの変形などが防止され、ひいてはリードを細く形成できるという利点がある。また、複数のリードが一括して形成されるため、個別的にリードを打ち込む場合に比べて製造コストを著しく低減できる。
【0013】
上記のバッキングは、2Dアレイ振動子、1.5Dアレイ振動子などの複数の振動素子からなるアレイ振動子で利用可能である。なお、アレイ振動子に対する電子走査方式としては、電子リニア走査、電子セクタ走査など各種のものをあげることができる。
【0014】
望ましくは、前記リード材料は超音波吸収性及び導電性を有する複合材料で構成される。各リードはバッキング内に存在し、バッキング本来の超音波吸収作用をできるだけ妨げないような構成とするのが望ましい。よって、リード材料は、超音波吸収の機能をもった第1材料と導電性の機能をもった第2材料との複合材料とするのが望ましい。もちろん、単一材料で構成することもできる。一方、バッキングの作用を維持向上するため、リード材料はバッキング材料と同等あるいはそれに近い音響インピーダンスを有するもの(超音波減衰性を有するもの)とするのが望ましい。また、各リードは、音響的な悪影響をできるだけ回避するため、及び、電気的なクロストークを低減するため、細く形成するのが望ましい。
【0015】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる平板状の母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、前記リード材料の固化の後、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、前記バッキング材料の固化の後、前記母材に上面電極層及び下面電極層を形成する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の下面電極層を複数の電極に分割する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の上面電極層を複数の電極に分割する工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明は、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる平板状の母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、前記リード材料の固化の後、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、前記バッキング材料の固化の後、前記母材に上面電極層及び下面電極層を形成する工程と、前記母材の上面電極層の上に圧電板を形成する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記圧電板及び前記上面電極層を分割し、これにより複数の圧電素子及び複数の電極を形成する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の下面電極層を複数の電極に分割する工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
望ましくは、前記複数のX溝及びY溝を形成する工程では、前記母材の下面側に非分離層を残しつつ前記母材の厚みよりも浅い複数のX溝及びY溝が形成され、前記母材に下面電極層を形成するのに先立って、前記非分離層が除去される。この構成によれば、複数のX溝及びY溝を形成する場合に加工体の分離を防止してその一体化状態を維持できる。そして、電極層を形成する段階で、不要な非分離層を除去できる。
【0018】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、を含み、前記バッキングは、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、超音波吸収性及び導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、を有することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、バッキングに埋設されたリードアレイを構成する各リードが超音波吸収性を有しているので、バッキング本来の作用の低下を軽減して、超音波画像の画質を高められる。
【0020】
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、を含み、前記バッキングは、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、前記母材に埋設され、前記リードのアレイを構成する各リードを取り囲むシールドマトリックスと、を有することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、シールドマトリックスによって各リード間が電気的にシールドされるため、クロストークを著しく低減できる。このシールドマトリックスは、上記同様の溝形成及び溝内充填を利用した製造プロセスを応用して容易に作成可能であり、例えば、リードアレイの作成後に、各リード間にX溝及びY溝を格子状に形成し、それらの溝内に導電性部材を充填固化するようにしてもよい。
【0022】
(5)また、上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも上面にX方向及びY方向に配列された複数の電極パッドが形成された基板の上面側に、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材を設ける工程と、前記複数の電極パッドの配列に対応して、前記母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、前記リード材料の固化の後、前記複数の電極パッドの配列に対応して、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、前記バッキングの背面側に設けられた基板と、を含み、前記バッキングは、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、超音波吸収性及び導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、を有し、前記基板は前記リードアレイに対応した配線構造を有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図8には、本発明に係る超音波振動子の製造方法が示されている。本実施形態の超音波振動子は2Dアレイ振動子である。以下に、各図を参照しつつ、本実施形態の製造方法について説明する。
【0026】
まず、図1に示すように、平板状の吸収材10に対して、X方向に伸長した複数のX溝12が形成される。ここで、吸収材10は、バッキング母材に相当し、例えば、エポキシ樹脂にタングステン粉末などを混入して固化してなるものである。ここで、タングステン粉末などの混入量を適宜調整することにより、所望の超音波減衰特性と所望の音響インピーダンスを設定することができる。ちなみに、この吸収材10は例えば20mm(W)×20mm(L)×2mm(T)の大きさを有する。
【0027】
図1に示されるように、複数のX溝12は、所定ピッチでY方向に整列して形成されている。ここで、そのX溝12のピッチ(中心間距離)は例えば0.4mmであり、X溝12の深さは1.5mmである。図示されるように、X溝12は、非貫通溝として形成されており、すなわち図において符号14で示すように、非分離層を残しつつ、X溝12が所定深さで切削される。これはダイシングソーなどを利用して形成されるものである。このように、複数のX溝12が形成されると、第1加工体100が構成される。
【0028】
なお、上記の吸収材10は絶縁性を有する部材であって、バッキングとしての機能を発揮するために、後述する圧電素子からの超音波の後方放射を効果的に吸収する性質をもっているものである。
【0029】
次に、図2に示されるように、上述した複数のX溝12に対して導電材18が充填され、それが固化される。ここで、導電材18は、例えば、エポキシ樹脂などに金属粉末を混入したものとして構成され、導電性及び超音波吸収作用の両者を発揮するものである。そのような導電材18を流し込んだ後、本実施形態においては、真空脱泡処理がなされ、後に形成されるリードの導電性が確実に確保されるように、リード中に含まれる泡が取り除かれる。そのような真空脱泡処理の後、図2に示される第2加工体102が恒温層に入れられ、その状態において導電材18が硬化される。上記のエポキシ樹脂に対して混入する金属粉末は1種類であっても複数種類であってもよく、その粉末の粒子サイズや混入割合などを適宜調整することにより、所望の超音波減衰特性及び音響インピーダンスを設定することが可能であり、また所望の電気抵抗を得ることが可能である。この場合に、導電材18の音響インピーダンスが吸収材10の音響インピーダンスと等しくなるように、混入物質及びその割合を適宜調整するのが望ましい。本実施形態においては、例えばエポキシ樹脂中に混入する金属粉末として、銀とタングステンを組み合わせたものなどが使用される。
【0030】
次に、図3に示されるように、図2に示した第2加工体102に対して、Y方向に伸長した複数のY溝が形成される。複数のY溝は所定ピッチでX方向に整列している。そのピッチは例えば0.4mmである。Y溝20はリード18Aを形成するための分離溝として機能し、その深さはX溝12の深さと同一である。上記のX溝12及びY溝20のそれぞれの溝幅を適宜設定することにより、リード18Aの水平断面サイズを調整することができる。
【0031】
図3に示されるように、複数のY溝20を形成することによって、X方向に伸長した複数の導電材18がX方向において複数に分断され、その結果、上記のリード18Aが形成される。
【0032】
ちなみに、各図においては、発明を説明するため、リード18Aが大きく図示されており、実際のバッキングを構成する場合においては、より細いリード18Aを形成するのが望ましい。以上のようにして、図3に示されるように第3加工体104が構成される。
【0033】
次に、図4に示されるように、複数のY溝20に対して吸収材22が充填され、それが固化される。ここで、吸収材22は本実施形態において上記の吸収材10と同一部材で構成されている。よって、第4加工体106に着目した場合、吸収材の中に複数のリードアレイが埋設された状態が形成される。
【0034】
次に、図4に示される第4加工体106の下面側が所定の厚みで切削研磨される。ここで、その切り取られる範囲が符号21で示されている。これと同様に、第4加工体106の上面も研磨され、さらに上面及び下面の表面が平滑化処理され、それらの両者が並行な面に揃えられる。その状態が図5に示されており、各リード18Aについては、その上面及び下面が外部に露出した状態となる。ちなみに、図5に示される第5加工体108は、リードアレイ内蔵バッキングに相当するものである。
【0035】
次に、図6に示されるように、図5に示された第5加工体108の上面及び下面にそれぞれ電極層24,26が形成される。これらの電極層24,26は、電極薄膜に相当し、例えばスパッタ法、蒸着法、無電解メッキ法などによって形成される。
【0036】
その後、図7に示されるように、まず下面側の電極層26が複数の電極26Aに分割され、これによって下面側に電極アレイが構成される。ここで、各電極26Aは、後に図8を用いて説明する各圧電素子に対応したものである。ちなみに、個々の電極26Aを形成する場合においてはエッチング法やダイシングソーによる切削などの手法が利用される。
【0037】
図8には、上述したリードアレイ内蔵バッキングを備えた2Dアレイ振動子116の一例が示されている。リードアレイ内蔵バッキング108の上面側には図示されていない圧電板(単板)が貼付けられ、その後、その圧電板を上記の電極層24と共にX方向及びY方向の両方向にマトリックス状にダイシングすることにより、複数の圧電素子30Aからなる圧電素子アレイと、複数の電極24Aからなる電極アレイとが形成される。この場合において、そのダイシングにおける切削は、電極層24を完全に切断する必要がある。圧電板側から切削する場合には、圧電板も完全に切断することになる。
【0038】
次に、圧電素子アレイの上面側にグランド電極32が形成され、その上に図示されていない整合層が貼り付けられ、その整合層に対してマトリックス状にダイシングを行うことにより複数の整合素子34Aからなる整合素子アレイが構成される。ちなみに、そのような整合層は一層あるいは複数層設けられる。
【0039】
なお、図8には図示されていないが、各要素間におけるエアギャップに音響的なクロストークを防止する性質をもった目詰め材などを充填するようにしてもよい。図8において、電極24Aはそれぞれの振動素子のシグナル電極を構成するものであり、各電極24Aに対してリード18Aを介して電気的に接続される電極26Aは、例えばフレキシブル回路基板(FPC)などに電気的に接続されるコンタクト電極として機能するものである。
【0040】
以上説明したように、上記の製造方法によれば、例えば図3に示したように、複数のリード18Aを形成した状態において、各リード18Aはそれぞれ単独で自立した状態にされるのではなく、吸収材10によって両側面から支持されるため、リード18Aを細くしてもその製造過程における変形などの問題を未然に防止することができる。したがって、結果としてリード18Aを極めて細く形成することも可能である。
【0041】
そのような構成によれば、リード18Aが存在することによる超音波吸収作用への悪影響を極力防止することができるという利点がある。また、上記の製造方法においては、基本的に溝の形成とその溝への充填によってリードが形成されているため、簡単な製造プロセスでリードアレイを構成することができ、その結果、製造コストを低減することができるという利点がある。さらに、上記のように細いリード18Aを形成すれば、リード間における電気的なクロストークも低減することができるという利点がある。もちろん、本実施形態においては、リード18Aそれ自体がバッキングとしての機能も有し、また、その音響インピーダンスも吸収材の音響インピーダンスに近づけられているため、リード18Aが存在することによる悪影響は極力軽減されている。なお、従来手法のように、バッキングに対して個別的にリードを埋め込むような場合に比べて、本実施形態においては、極めて多数のリード18Aを一括して形成することが可能であるので、製造コストを著しく低減することが可能である。
【0042】
次に、図9〜図12には、他の実施形態に係る超音波振動子の製造方法が示されている。この実施形態に係る超音波振動子は、上記実施形態と同様に2Dアレイ振動子であり、その基本構造及び製造プロセスの主要部は上記実施形態と同様であるが、この実施形態においては、後に詳述するマトリックスシールドが形成される。以下に、各図を用いてその製造方法について説明する。
【0043】
図9に示されるように、まず平板状の吸収材40に対して、一定ピッチでX方向に伸長した複数のX溝42が形成される。各X溝42は図1などに示した実施形態と同様に非貫通溝である。これは後述するY溝46についても同様である。
【0044】
図9において、各X溝42には、上述と同様に導電材44が充填され、それが固化される。その後、図10に示されるように、リード44Aを残しつつ、複数のY溝46が所定ピッチでY方向に伸長して形成される。そして、各Y溝46内には吸収材48が充填され、それが固化される。ここで、吸収材48は吸収材40と同一の材料によって構成される。この状態では、図5に示したリードアレイ内蔵バッキングと同一の構造体が構成されており、その製造プロセスも上記実施形態とほぼ同様である。
【0045】
次に、図11に示されるように、図10に示したリードアレイ内蔵バッキングに対して更にマトリックス状すなわち格子状にマトリックス溝50が形成される。そして、そのマトリックス溝50にはリード材料と同じ導電材52が充填され、それが固化される。すると、いわゆるマトリックスシールドが構成され、各リード44Aはシールドラインによってその外周囲が取り囲まれた状態となる。その後、そのようなリードアレイ及びマトリックスシールドを内蔵したバッキングに対して、図8に示した実施形態と同様に、上面及び下面に複数の電極が形成され、また圧電素子アレイなどが設けられる。その断面図が図12に示されている。
【0046】
符号53は、複数のリード44Aからなるリードアレイ及びマトリックスシールド54を内蔵したバッキングを示している。各リード44Aに対応して、バッキング53の上面には複数の電極24Aが形成され、バッキング53の下面には上記同様に複数の電極26Aが形成される。そして、複数の24Aの上面側には複数の圧電素子30Aが貼付けられ、さらにその圧電素子アレイの上面にはグランド電極32が設けられ、その上面側には複数の整合素子が設けられる。これは図8に示した構造と同一である。図12に示されるように、本実施形態においては、マトリックスシールド54が設けられているため、図示されるように各リード44A間における電気的なクロストークが著しく低減される。ここで、グランド電極32とマトリックスシールド54とは同電位とされ、それらにはグランドライン202が接続される。それらにはグランドライン202が接続される。一方、シグナル側の各電極24Aには、それぞれリード44Aを介して電極26Aが接続され、それらには個別的にシグナルライン200が接続される。
【0047】
もちろん、上記のマトリックスシールド54の製造方法は一例であってこれ以外にも各種の製造プロセスを採用することができる。本実施形態によれば、バッキング内にリードアレイを形成した後に、マトリックス溝の形成とそこへの導電材の充填とによって簡便にマトリックスシールドを形成できるという利点がある。
【0048】
図13には更に他の実施形態が示されている。この実施形態では、配線構造を有する基板60が用いられる。基板60の上面60Aには、将来形成されるリードアレイ(同時に振動素子アレイ)に対応した配列で、ある厚みをもった複数の電極パッド62が形成され、同様に、基板60の下面60Bには、ある厚みをもった複数の電極パッド64が形成されている。複数の電極パッド62と複数の電極パッド64は、図13に示す実施形態において、上下に並ぶ電極パッドペアごとに互いに導線66によって接続されている。なお、複数の電極パッド62と複数の電極パッド64の間の接続関係としては、図示のものには限られない。
【0049】
上記の基板60上には吸収材(母材)68が設けられる。具体的には、基板60の上部を図示されていない枠体で囲み、その枠体の中にバッキング材を流し込み、それを硬化させる。これにより、吸収材(母材)68が構成される。その後、上述した実施形態と同様に、溝形成及び溝充填などの手法を繰り返し利用し(この場合、溝の配列は電極パッド62の配列に対応したものとなる)、吸収材68の中に、複数の電極パッド62と同一の配列で、複数のリード71からなるリードアレイを構成する。但し、溝形成に際しては、電極パッド62の表面が僅かながら切削されるように、その溝の深さを定めるのが望ましい。すなわち、吸収材68が完全に切削されるようにする。そして、上記実施形態と同様に、リードアレイを内蔵したバッキングの上面に、複数の電極72及び複数の圧電素子70等が形成される。
【0050】
図13に示した実施形態によれば、基板60を利用するので、図1に示した非分離層14を形成する必要がなくなるという利点がある。また、基板60により、下面電極層を別途形成する必要がなくなる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リードアレイを内蔵したバッキングを簡単に製造することができる。また、本発明によれば、良好な超音波吸収作用をもったバッキングを提供できる。さらに本発明によればリード間における電気的なクロストークを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のX溝が形成された吸収体を示す斜視図である。
【図2】複数のX溝に導電材を充填した状態を示す斜視図である。
【図3】複数のY溝が形成されてリードアレイが構成された状態を示す斜視図である。
【図4】複数のY溝に吸収材を充填した状態を示す斜視図である。
【図5】リードアレイを内蔵したバッキングを示す斜視図である。
【図6】バッキングの上下面に電極層を形成した状態を示す斜視図である。
【図7】下面側に複数の電極を形成した状態を示す斜視図である。
【図8】2Dアレイ振動子の要部を示す斜視図である。
【図9】複数のX溝に導電材が充填された状態を示す平面図である。
【図10】複数のY溝に吸収剤が充填された状態を示す平面図である。
【図11】マトリックスシールドが形成されたバッキングの平面図である。
【図12】マトリックスシールドが形成されたバッキングの断面図である。
【図13】基板を利用する実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 吸収材、12 X溝、18 導電材、20 Y溝、24,26 電極層、100 第1加工体、102 第2加工体、104 第3加工体、106 第4加工体、108 第5加工体、110 第6加工体、112 第7加工体、114 第8加工体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面側への不要な超音波を吸収するバッキングの製造方法及びそのようなバッキングを有する超音波振動子に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
近年、振動素子を二次元的に配列してなる2Dアレイ振動子が提案されている。この2Dアレイ振動子によれば、超音波ビームを二次元走査して三次元エコーデータの取込みを行える。また、2Dアレイ振動子とは異なる1.5Dアレイ振動子も知られている。1.5Dアレイ振動子は、基本的には1Dアレイ振動子であるが、電子走査方向と直交するエレベーション方向にも5個、7個といった複数個の振動素子を並べ、それらを利用してエレベーション方向において超音波ビームパターンの調整を電子的に行うものである。
【0003】
いずれにしても、かかるアレイ振動子においては、各振動素子に対して信号線(リード)をどのように接続するのかが問題となる。従来において、アレイ振動子の下面側に多層のフレキシブル回路基板を設ける方法などが提案されているが、配線が密集してクロストークが大きくなるという問題がある。
【0004】
一方、バッキング層に複数のリードを挿入する方法も提案されている。しかし、リード線の本数が極めて多いために、それらを個別的に埋設するのではその製造が煩雑で、製造コストの増大を招く。
【0005】
例えば、米国特許第5648942号には、リードに相当する複数の凸部がアレイ状に起立形成された導電性材料に対し、バッキング材料を充填固化させることによりバッキング層を形成することが開示されている。しかしながら、各凸部を自立させるために、各凸部を細く形成するのが困難であるという問題がある。
【0006】
一方、従来において、各リード間におけるクロストークをより低減することが要望されている。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、リードアレイが埋設されたバッキングを簡便に作製し、これによって製造コストを低減することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、良好な超音波吸収作用をもったリードアレイ内蔵型のバッキングを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、バッキングに埋設される各リードを細くできるようにすることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、バッキングに埋設されるリード間のクロストークを低減することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材に対し、X方向に伸長した少なくとも1つのX溝を形成する工程と、前記X溝内に導電性をもったリード材料を充填する工程と、前記リード材料が充填された母材に対し、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、母材に対してX溝が形成され、そこにリード材料が充填される。その後、母材に対して複数のY溝を形成すると、X溝中のリード材料が複数の要素つまり複数のリードに分割される。その後、各Y溝にバッキング材料が充填される。この製造プロセスによれば、Y溝の形成によって複数のリードが形成された時点で、各リードは母材(バッキング材料)に挟まれた状態(支持された状態)となるので、各リードを単独で起立させることなくリードアレイを形成できる。よって、製造過程におけるリードの変形などが防止され、ひいてはリードを細く形成できるという利点がある。また、複数のリードが一括して形成されるため、個別的にリードを打ち込む場合に比べて製造コストを著しく低減できる。
【0013】
上記のバッキングは、2Dアレイ振動子、1.5Dアレイ振動子などの複数の振動素子からなるアレイ振動子で利用可能である。なお、アレイ振動子に対する電子走査方式としては、電子リニア走査、電子セクタ走査など各種のものをあげることができる。
【0014】
望ましくは、前記リード材料は超音波吸収性及び導電性を有する複合材料で構成される。各リードはバッキング内に存在し、バッキング本来の超音波吸収作用をできるだけ妨げないような構成とするのが望ましい。よって、リード材料は、超音波吸収の機能をもった第1材料と導電性の機能をもった第2材料との複合材料とするのが望ましい。もちろん、単一材料で構成することもできる。一方、バッキングの作用を維持向上するため、リード材料はバッキング材料と同等あるいはそれに近い音響インピーダンスを有するもの(超音波減衰性を有するもの)とするのが望ましい。また、各リードは、音響的な悪影響をできるだけ回避するため、及び、電気的なクロストークを低減するため、細く形成するのが望ましい。
【0015】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる平板状の母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、前記リード材料の固化の後、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、前記バッキング材料の固化の後、前記母材に上面電極層及び下面電極層を形成する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の下面電極層を複数の電極に分割する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の上面電極層を複数の電極に分割する工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明は、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる平板状の母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、前記リード材料の固化の後、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、前記バッキング材料の固化の後、前記母材に上面電極層及び下面電極層を形成する工程と、前記母材の上面電極層の上に圧電板を形成する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記圧電板及び前記上面電極層を分割し、これにより複数の圧電素子及び複数の電極を形成する工程と、前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の下面電極層を複数の電極に分割する工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
望ましくは、前記複数のX溝及びY溝を形成する工程では、前記母材の下面側に非分離層を残しつつ前記母材の厚みよりも浅い複数のX溝及びY溝が形成され、前記母材に下面電極層を形成するのに先立って、前記非分離層が除去される。この構成によれば、複数のX溝及びY溝を形成する場合に加工体の分離を防止してその一体化状態を維持できる。そして、電極層を形成する段階で、不要な非分離層を除去できる。
【0018】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、を含み、前記バッキングは、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、超音波吸収性及び導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、を有することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、バッキングに埋設されたリードアレイを構成する各リードが超音波吸収性を有しているので、バッキング本来の作用の低下を軽減して、超音波画像の画質を高められる。
【0020】
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、を含み、前記バッキングは、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、前記母材に埋設され、前記リードのアレイを構成する各リードを取り囲むシールドマトリックスと、を有することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、シールドマトリックスによって各リード間が電気的にシールドされるため、クロストークを著しく低減できる。このシールドマトリックスは、上記同様の溝形成及び溝内充填を利用した製造プロセスを応用して容易に作成可能であり、例えば、リードアレイの作成後に、各リード間にX溝及びY溝を格子状に形成し、それらの溝内に導電性部材を充填固化するようにしてもよい。
【0022】
(5)また、上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも上面にX方向及びY方向に配列された複数の電極パッドが形成された基板の上面側に、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材を設ける工程と、前記複数の電極パッドの配列に対応して、前記母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、前記リード材料の固化の後、前記複数の電極パッドの配列に対応して、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、前記バッキングの背面側に設けられた基板と、を含み、前記バッキングは、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、超音波吸収性及び導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、を有し、前記基板は前記リードアレイに対応した配線構造を有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図8には、本発明に係る超音波振動子の製造方法が示されている。本実施形態の超音波振動子は2Dアレイ振動子である。以下に、各図を参照しつつ、本実施形態の製造方法について説明する。
【0026】
まず、図1に示すように、平板状の吸収材10に対して、X方向に伸長した複数のX溝12が形成される。ここで、吸収材10は、バッキング母材に相当し、例えば、エポキシ樹脂にタングステン粉末などを混入して固化してなるものである。ここで、タングステン粉末などの混入量を適宜調整することにより、所望の超音波減衰特性と所望の音響インピーダンスを設定することができる。ちなみに、この吸収材10は例えば20mm(W)×20mm(L)×2mm(T)の大きさを有する。
【0027】
図1に示されるように、複数のX溝12は、所定ピッチでY方向に整列して形成されている。ここで、そのX溝12のピッチ(中心間距離)は例えば0.4mmであり、X溝12の深さは1.5mmである。図示されるように、X溝12は、非貫通溝として形成されており、すなわち図において符号14で示すように、非分離層を残しつつ、X溝12が所定深さで切削される。これはダイシングソーなどを利用して形成されるものである。このように、複数のX溝12が形成されると、第1加工体100が構成される。
【0028】
なお、上記の吸収材10は絶縁性を有する部材であって、バッキングとしての機能を発揮するために、後述する圧電素子からの超音波の後方放射を効果的に吸収する性質をもっているものである。
【0029】
次に、図2に示されるように、上述した複数のX溝12に対して導電材18が充填され、それが固化される。ここで、導電材18は、例えば、エポキシ樹脂などに金属粉末を混入したものとして構成され、導電性及び超音波吸収作用の両者を発揮するものである。そのような導電材18を流し込んだ後、本実施形態においては、真空脱泡処理がなされ、後に形成されるリードの導電性が確実に確保されるように、リード中に含まれる泡が取り除かれる。そのような真空脱泡処理の後、図2に示される第2加工体102が恒温層に入れられ、その状態において導電材18が硬化される。上記のエポキシ樹脂に対して混入する金属粉末は1種類であっても複数種類であってもよく、その粉末の粒子サイズや混入割合などを適宜調整することにより、所望の超音波減衰特性及び音響インピーダンスを設定することが可能であり、また所望の電気抵抗を得ることが可能である。この場合に、導電材18の音響インピーダンスが吸収材10の音響インピーダンスと等しくなるように、混入物質及びその割合を適宜調整するのが望ましい。本実施形態においては、例えばエポキシ樹脂中に混入する金属粉末として、銀とタングステンを組み合わせたものなどが使用される。
【0030】
次に、図3に示されるように、図2に示した第2加工体102に対して、Y方向に伸長した複数のY溝が形成される。複数のY溝は所定ピッチでX方向に整列している。そのピッチは例えば0.4mmである。Y溝20はリード18Aを形成するための分離溝として機能し、その深さはX溝12の深さと同一である。上記のX溝12及びY溝20のそれぞれの溝幅を適宜設定することにより、リード18Aの水平断面サイズを調整することができる。
【0031】
図3に示されるように、複数のY溝20を形成することによって、X方向に伸長した複数の導電材18がX方向において複数に分断され、その結果、上記のリード18Aが形成される。
【0032】
ちなみに、各図においては、発明を説明するため、リード18Aが大きく図示されており、実際のバッキングを構成する場合においては、より細いリード18Aを形成するのが望ましい。以上のようにして、図3に示されるように第3加工体104が構成される。
【0033】
次に、図4に示されるように、複数のY溝20に対して吸収材22が充填され、それが固化される。ここで、吸収材22は本実施形態において上記の吸収材10と同一部材で構成されている。よって、第4加工体106に着目した場合、吸収材の中に複数のリードアレイが埋設された状態が形成される。
【0034】
次に、図4に示される第4加工体106の下面側が所定の厚みで切削研磨される。ここで、その切り取られる範囲が符号21で示されている。これと同様に、第4加工体106の上面も研磨され、さらに上面及び下面の表面が平滑化処理され、それらの両者が並行な面に揃えられる。その状態が図5に示されており、各リード18Aについては、その上面及び下面が外部に露出した状態となる。ちなみに、図5に示される第5加工体108は、リードアレイ内蔵バッキングに相当するものである。
【0035】
次に、図6に示されるように、図5に示された第5加工体108の上面及び下面にそれぞれ電極層24,26が形成される。これらの電極層24,26は、電極薄膜に相当し、例えばスパッタ法、蒸着法、無電解メッキ法などによって形成される。
【0036】
その後、図7に示されるように、まず下面側の電極層26が複数の電極26Aに分割され、これによって下面側に電極アレイが構成される。ここで、各電極26Aは、後に図8を用いて説明する各圧電素子に対応したものである。ちなみに、個々の電極26Aを形成する場合においてはエッチング法やダイシングソーによる切削などの手法が利用される。
【0037】
図8には、上述したリードアレイ内蔵バッキングを備えた2Dアレイ振動子116の一例が示されている。リードアレイ内蔵バッキング108の上面側には図示されていない圧電板(単板)が貼付けられ、その後、その圧電板を上記の電極層24と共にX方向及びY方向の両方向にマトリックス状にダイシングすることにより、複数の圧電素子30Aからなる圧電素子アレイと、複数の電極24Aからなる電極アレイとが形成される。この場合において、そのダイシングにおける切削は、電極層24を完全に切断する必要がある。圧電板側から切削する場合には、圧電板も完全に切断することになる。
【0038】
次に、圧電素子アレイの上面側にグランド電極32が形成され、その上に図示されていない整合層が貼り付けられ、その整合層に対してマトリックス状にダイシングを行うことにより複数の整合素子34Aからなる整合素子アレイが構成される。ちなみに、そのような整合層は一層あるいは複数層設けられる。
【0039】
なお、図8には図示されていないが、各要素間におけるエアギャップに音響的なクロストークを防止する性質をもった目詰め材などを充填するようにしてもよい。図8において、電極24Aはそれぞれの振動素子のシグナル電極を構成するものであり、各電極24Aに対してリード18Aを介して電気的に接続される電極26Aは、例えばフレキシブル回路基板(FPC)などに電気的に接続されるコンタクト電極として機能するものである。
【0040】
以上説明したように、上記の製造方法によれば、例えば図3に示したように、複数のリード18Aを形成した状態において、各リード18Aはそれぞれ単独で自立した状態にされるのではなく、吸収材10によって両側面から支持されるため、リード18Aを細くしてもその製造過程における変形などの問題を未然に防止することができる。したがって、結果としてリード18Aを極めて細く形成することも可能である。
【0041】
そのような構成によれば、リード18Aが存在することによる超音波吸収作用への悪影響を極力防止することができるという利点がある。また、上記の製造方法においては、基本的に溝の形成とその溝への充填によってリードが形成されているため、簡単な製造プロセスでリードアレイを構成することができ、その結果、製造コストを低減することができるという利点がある。さらに、上記のように細いリード18Aを形成すれば、リード間における電気的なクロストークも低減することができるという利点がある。もちろん、本実施形態においては、リード18Aそれ自体がバッキングとしての機能も有し、また、その音響インピーダンスも吸収材の音響インピーダンスに近づけられているため、リード18Aが存在することによる悪影響は極力軽減されている。なお、従来手法のように、バッキングに対して個別的にリードを埋め込むような場合に比べて、本実施形態においては、極めて多数のリード18Aを一括して形成することが可能であるので、製造コストを著しく低減することが可能である。
【0042】
次に、図9〜図12には、他の実施形態に係る超音波振動子の製造方法が示されている。この実施形態に係る超音波振動子は、上記実施形態と同様に2Dアレイ振動子であり、その基本構造及び製造プロセスの主要部は上記実施形態と同様であるが、この実施形態においては、後に詳述するマトリックスシールドが形成される。以下に、各図を用いてその製造方法について説明する。
【0043】
図9に示されるように、まず平板状の吸収材40に対して、一定ピッチでX方向に伸長した複数のX溝42が形成される。各X溝42は図1などに示した実施形態と同様に非貫通溝である。これは後述するY溝46についても同様である。
【0044】
図9において、各X溝42には、上述と同様に導電材44が充填され、それが固化される。その後、図10に示されるように、リード44Aを残しつつ、複数のY溝46が所定ピッチでY方向に伸長して形成される。そして、各Y溝46内には吸収材48が充填され、それが固化される。ここで、吸収材48は吸収材40と同一の材料によって構成される。この状態では、図5に示したリードアレイ内蔵バッキングと同一の構造体が構成されており、その製造プロセスも上記実施形態とほぼ同様である。
【0045】
次に、図11に示されるように、図10に示したリードアレイ内蔵バッキングに対して更にマトリックス状すなわち格子状にマトリックス溝50が形成される。そして、そのマトリックス溝50にはリード材料と同じ導電材52が充填され、それが固化される。すると、いわゆるマトリックスシールドが構成され、各リード44Aはシールドラインによってその外周囲が取り囲まれた状態となる。その後、そのようなリードアレイ及びマトリックスシールドを内蔵したバッキングに対して、図8に示した実施形態と同様に、上面及び下面に複数の電極が形成され、また圧電素子アレイなどが設けられる。その断面図が図12に示されている。
【0046】
符号53は、複数のリード44Aからなるリードアレイ及びマトリックスシールド54を内蔵したバッキングを示している。各リード44Aに対応して、バッキング53の上面には複数の電極24Aが形成され、バッキング53の下面には上記同様に複数の電極26Aが形成される。そして、複数の24Aの上面側には複数の圧電素子30Aが貼付けられ、さらにその圧電素子アレイの上面にはグランド電極32が設けられ、その上面側には複数の整合素子が設けられる。これは図8に示した構造と同一である。図12に示されるように、本実施形態においては、マトリックスシールド54が設けられているため、図示されるように各リード44A間における電気的なクロストークが著しく低減される。ここで、グランド電極32とマトリックスシールド54とは同電位とされ、それらにはグランドライン202が接続される。それらにはグランドライン202が接続される。一方、シグナル側の各電極24Aには、それぞれリード44Aを介して電極26Aが接続され、それらには個別的にシグナルライン200が接続される。
【0047】
もちろん、上記のマトリックスシールド54の製造方法は一例であってこれ以外にも各種の製造プロセスを採用することができる。本実施形態によれば、バッキング内にリードアレイを形成した後に、マトリックス溝の形成とそこへの導電材の充填とによって簡便にマトリックスシールドを形成できるという利点がある。
【0048】
図13には更に他の実施形態が示されている。この実施形態では、配線構造を有する基板60が用いられる。基板60の上面60Aには、将来形成されるリードアレイ(同時に振動素子アレイ)に対応した配列で、ある厚みをもった複数の電極パッド62が形成され、同様に、基板60の下面60Bには、ある厚みをもった複数の電極パッド64が形成されている。複数の電極パッド62と複数の電極パッド64は、図13に示す実施形態において、上下に並ぶ電極パッドペアごとに互いに導線66によって接続されている。なお、複数の電極パッド62と複数の電極パッド64の間の接続関係としては、図示のものには限られない。
【0049】
上記の基板60上には吸収材(母材)68が設けられる。具体的には、基板60の上部を図示されていない枠体で囲み、その枠体の中にバッキング材を流し込み、それを硬化させる。これにより、吸収材(母材)68が構成される。その後、上述した実施形態と同様に、溝形成及び溝充填などの手法を繰り返し利用し(この場合、溝の配列は電極パッド62の配列に対応したものとなる)、吸収材68の中に、複数の電極パッド62と同一の配列で、複数のリード71からなるリードアレイを構成する。但し、溝形成に際しては、電極パッド62の表面が僅かながら切削されるように、その溝の深さを定めるのが望ましい。すなわち、吸収材68が完全に切削されるようにする。そして、上記実施形態と同様に、リードアレイを内蔵したバッキングの上面に、複数の電極72及び複数の圧電素子70等が形成される。
【0050】
図13に示した実施形態によれば、基板60を利用するので、図1に示した非分離層14を形成する必要がなくなるという利点がある。また、基板60により、下面電極層を別途形成する必要がなくなる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リードアレイを内蔵したバッキングを簡単に製造することができる。また、本発明によれば、良好な超音波吸収作用をもったバッキングを提供できる。さらに本発明によればリード間における電気的なクロストークを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のX溝が形成された吸収体を示す斜視図である。
【図2】複数のX溝に導電材を充填した状態を示す斜視図である。
【図3】複数のY溝が形成されてリードアレイが構成された状態を示す斜視図である。
【図4】複数のY溝に吸収材を充填した状態を示す斜視図である。
【図5】リードアレイを内蔵したバッキングを示す斜視図である。
【図6】バッキングの上下面に電極層を形成した状態を示す斜視図である。
【図7】下面側に複数の電極を形成した状態を示す斜視図である。
【図8】2Dアレイ振動子の要部を示す斜視図である。
【図9】複数のX溝に導電材が充填された状態を示す平面図である。
【図10】複数のY溝に吸収剤が充填された状態を示す平面図である。
【図11】マトリックスシールドが形成されたバッキングの平面図である。
【図12】マトリックスシールドが形成されたバッキングの断面図である。
【図13】基板を利用する実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 吸収材、12 X溝、18 導電材、20 Y溝、24,26 電極層、100 第1加工体、102 第2加工体、104 第3加工体、106 第4加工体、108 第5加工体、110 第6加工体、112 第7加工体、114 第8加工体。
Claims (9)
- 超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材に対し、X方向に伸長した少なくとも1つのX溝を形成する工程と、
前記X溝内に導電性をもったリード材料を充填する工程と、
前記リード材料が充填された母材に対し、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、
前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填する工程と、
を含むことを特徴とする超音波振動子用バッキング製造方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記リード材料は超音波吸収性及び導電性を有する複合材料で構成されることを特徴とするバッキング製造方法。 - 超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる平板状の母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、
前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、
前記リード材料の固化の後、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、
前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、
前記バッキング材料の固化の後、前記母材に上面電極層及び下面電極層を形成する工程と、
前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の下面電極層を複数の電極に分割する工程と、
前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の上面電極層を複数の電極に分割する工程と、
を含むことを特徴とするバッキング製造方法。 - 超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる平板状の母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、
前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、
前記リード材料の固化の後、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、
前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、
前記バッキング材料の固化の後、前記母材に上面電極層及び下面電極層を形成する工程と、
前記母材の上面電極層の上に圧電板を形成する工程と、
前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記圧電板及び前記上面電極層を分割し、これにより複数の圧電素子及び複数の電極を形成する工程と、
前記リードアレイにおける各リードに対応させて、前記母材の下面電極層を複数の電極に分割する工程と、
を含むことを特徴とするバッキング製造方法。 - 請求項3又は4記載の方法において、
前記複数のX溝及びY溝を形成する工程では、前記母材の下面側に非分離層を残しつつ前記母材の厚みよりも浅い複数のX溝及びY溝が形成され、
前記母材に下面電極層を形成するのに先立って、前記非分離層が除去されることを特徴とするバッキング製造方法。 - 複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、
前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、
を含み、
前記バッキングは、
超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、
前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、超音波吸収性及び導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、
を有することを特徴とする超音波振動子。 - 複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、
前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、
を含み、
前記バッキングは、
超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、
前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、
前記母材に埋設され、前記リードのアレイを構成する各リードを取り囲むシールドマトリックスと、
を有することを特徴とする超音波振動子。 - 少なくとも上面にX方向及びY方向に配列された複数の電極パッドが形成された基板の上面側に、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材を設ける工程と、
前記複数の電極パッドの配列に対応して、前記母材に対し、Y方向に所定間隔をもって、X方向に伸長した複数のX溝を形成する工程と、
前記複数のX溝内に導電性及び超音波吸収性をもったリード材料を充填し、それを固化する工程と、
前記リード材料の固化の後、前記複数の電極パッドの配列に対応して、前記母材に対し、X方向に所定間隔をもって、Y方向に伸長した複数のY溝を形成し、これによりリードアレイを構成する工程と、
前記複数のY溝に対し、超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料を充填し、それを固化する工程と、
を含むことを特徴とするバッキング製造方法。 - 複数の圧電素子からなる圧電素子アレイと、
前記圧電素子アレイの背面側に設けられるバッキングと、
前記バッキングの背面側に設けられた基板と、
を含み、
前記バッキングは、
超音波吸収性及び絶縁性をもったバッキング材料からなる母材と、
前記母材に埋設され、前記圧電素子アレイと同じパターンを有し、超音波吸収性及び導電性をもったリード材料からなるリードアレイと、
を有し、
前記基板は前記リードアレイに対応した配線構造を有することを特徴とする超音波振動子。
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JP2002191297A JP2004033829A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | バッキング製造方法及び超音波振動子 |
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ID=31700918
Family Applications (1)
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JP2002191297A Pending JP2004033829A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | バッキング製造方法及び超音波振動子 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014197905A (ja) * | 2010-06-23 | 2014-10-16 | 株式会社東芝 | 超音波トランスデューサとその製造方法 |
CN108461623A (zh) * | 2018-01-23 | 2018-08-28 | 长沙芬贝电子科技有限公司 | 一种用于阵列探头的背衬材料及其制造方法 |
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2002
- 2002-06-28 JP JP2002191297A patent/JP2004033829A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014197905A (ja) * | 2010-06-23 | 2014-10-16 | 株式会社東芝 | 超音波トランスデューサとその製造方法 |
CN108461623A (zh) * | 2018-01-23 | 2018-08-28 | 长沙芬贝电子科技有限公司 | 一种用于阵列探头的背衬材料及其制造方法 |
CN108461623B (zh) * | 2018-01-23 | 2024-05-14 | 曼图电子(上海)有限公司 | 一种用于阵列探头的背衬材料及其制造方法 |
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